JP2512973B2 - 切削工具用炭化タングステン基超硬合金の製造法 - Google Patents

切削工具用炭化タングステン基超硬合金の製造法

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JP2512973B2 JP62315730A JP31573087A JP2512973B2 JP 2512973 B2 JP2512973 B2 JP 2512973B2 JP 62315730 A JP62315730 A JP 62315730A JP 31573087 A JP31573087 A JP 31573087A JP 2512973 B2 JP2512973 B2 JP 2512973B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、特にすぐれた耐欠損性を有し、かつ耐摩
耗性にもすぐれ、切削工具として用いるのに適した炭化
タングステン(以下WCで示す)基超硬合金の製造法に関
するものである。
〔従来の技術〕
一般に、WC基超硬合金が切削工具として用いられ、こ
れが、所定の配合組成を有する圧粉体を、 雰囲気:10-1torr以下の真空雰囲気、あるいは1〜10tor
rの窒素減圧雰囲気、 温度:1400〜1500℃、 昇温速度:約200℃/hr以下、 保持時間:1〜2時間、 の条件で焼結することにより製造されていることも良く
知られるところである。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし、上記の従来WC基超硬合金の製造法において
は、焼結時に、これを構成するWCや、TiC、TaC、および
NbCなどの炭化物、さらにTiN、TaN、およびNbNなどの窒
化物に粒成長が起り、これが原因で十分な耐欠損性を有
するWC基超硬合金が得られないのが現状である。
〔問題点を解決するための手段〕
そこで、本発明者等は、上述のような観点から、耐欠
損性にすぐれたWC基超硬合金を製造すべく研究を行なっ
た結果、従来WC基超硬合金の製造に際して適用されてい
る圧粉体の焼結条件のうち、特に雰囲気をArとした状態
で、その圧力を高め、かつ焼結温度への昇温速度を一段
と速くすると共に、焼結温度での保持時間を短かくする
と、焼結時におけるWCや、各種の炭化物および窒化物な
どの構成成分の粒成長が著しく抑制されるようになり、
焼結時のWC基超硬合金は、すぐれた耐摩耗性を保持した
状態で、すぐれた耐欠損性を具備するようになるという
知見を得たのである。
したがって、この発明は、上記知見にもとづいてなさ
れたものであって、圧粉体の焼結条件を、 雰囲気:Arガス、 雰囲気圧力:50〜200気圧、 温度:1300〜1500℃、 昇温速度:300〜530℃/hr、 保持時間:0.6〜1時間、 とした切削工具用WC基超硬合金の製造法に特徴を有する
ものである。
つぎに、この発明の方法において、圧粉体の焼結条件
を上記の通りに限定した理由を説明する。
(a) 雰囲気圧力 その圧力が50気圧未満では、焼結後のWC基超硬合金に
所望のすぐれた耐欠損性を確実に付与することができな
い場合が生じ、一方200気圧を越えた圧力を得るには、
大がかりな装置が必要となり、設備費の高いものとな
り、経済的でないことから、その圧力を50〜200気圧と
定めた。
(b) 温度 焼結温度が1300℃未満では、焼結が十分に進行せず、
所望の強度を確保することができず、一方焼結温度が15
00℃を越えると、WCやその他の構成成分に粒成長が起る
ようになって、所望の耐欠損性を確保することができな
くなることから、焼結温度を1300〜1500℃と定めた。
(c) 昇温速度および保持時間 焼結温度への昇温速度および焼結温度では保持時間は
経験的に定めたものであって、昇温速度が300℃/hr未満
と遅くなっても、また保持時間が1時間を越えて長くな
ってもWC基超硬合金の構成成分が粒成長するようにな
り、所望の耐欠損性を確保することができず、一方昇温
速度が530℃/hrを越えて速くなったり、また保持時間が
0.6時間未満になったりすると、焼結性が低下し、WC基
超硬合金に所望の強度を確保することが困難になること
から、昇温速度を300〜530℃/hr、保持時間を0.6〜1時
間と定めた。
〔実施例〕
つぎに、この発明の方法を実施例により具体的に説明
する。
原料粉末として、いすれも1〜6μmの範囲内の平均
粒径を有するWC粉末、VC粉末、(W,Ti)C粉末、(Ta,N
b)C粉末、(W,Ti,Ta)C粉末、TaC粉末、TiN粉末、Ta
N粉末、(W,Ti,Ta)CN粉末、およびCo粉末を用意し、こ
れら原料粉末をそれぞれ第1表に示される配合組成に配
合し、ボールミルにて72時間湿式粉砕混合し、乾燥した
後、10kg/mm2の圧力にて圧粉体にプレス成形し、ついで
同じく第1表に示される条件(真空雰囲気以外はいずれ
もAr雰囲気)にて焼結することによって本発明法1〜
8、比較法1〜7、および従来法1,2をそれぞれ実施
し、WC基超硬合金を製造した。
なお、比較法1〜7は、いずれも焼結条件のうちのい
ずれかの条件(第1表に※印を付したもの)がこの発明
の範囲から外れた条件で行なったものである。
ついで、この結果得られた各種のWC基超硬合金につい
て、耐摩耗性と靱性を評価する目的で、硬さ(ロックウ
ェル硬さAスケール)と抗折力を測定し、さらに本発明
法5〜8、比較法2,4〜7、および従来法2で製造され
たWC基超硬合金については、これをSPP422形状の切削工
具として用い、 被削材:SNCM439 (硬さ:HB280)の角材、 切削速度:100m/min、 送り:0.35mm/rev.、 切込み:3mm、 切削時間:3min.、 の条件で鋼の断続切削試験を行ない、試験切刃数:10個
のうちの欠損切刃数を測定し、耐欠損性を評価した。こ
れらの結果を第1表に示した。
〔発明の効果〕
第1表に示される結果から、本発明法1〜8によって
製造されたWC基超硬合金は、いずれも高い硬さと抗折力
を示し、これらの値は従来法1,2で製造された同一組成
のWC基超硬合金に比して一段と高いものであり、さらに
断続切削試験ですぐれた耐欠損性を示すことが明らかで
ある。一方比較法1〜7で製造されたWC基超硬合金に見
られるように、焼結条件のうちのいずれかの条件でもこ
の発明の範囲から外れると耐欠損性の低いものとなり、
比較法1〜3で製造されたWC基超硬合金にはポアの存在
が見られ、また従来法1で製造されたWC基超硬合金にも
ポアが見られた。
上述のように、この発明の方法によれば、耐欠損性お
よび耐摩耗性のすぐれたWC基超硬合金を製造することが
でき、したがってこれを切削工具として用いた場合に
は、連続切削は勿論のこと、特に断続切削ですぐれた性
能を発揮するのである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】切削工具用炭化タングステン基超硬合金を
    製造するに際して、圧粉体の焼結条件を、 雰囲気:アルゴンガス、 雰囲気圧力:50〜200気圧、 温度:1300〜1500℃、 昇温速度:300〜530℃/hr、 保持時間:0.6〜1時間、 とすることを特徴とする切削工具用炭化タングステン基
    超硬合金の製造法。
JP62315730A 1987-12-14 1987-12-14 切削工具用炭化タングステン基超硬合金の製造法 Expired - Lifetime JP2512973B2 (ja)

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DE3511220A1 (de) * 1985-03-28 1986-10-09 Fried. Krupp Gmbh, 4300 Essen Hartmetall und verfahren zu seiner herstellung

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