JP2512847Y2 - 工具等の位置決め装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、スポット溶接ガンその他の工具等の位置決
め装置に関するものである。

〈従来の技術〉 例えば、ワークを自動スポット溶接する場合、スポッ
ト位置に対応位置決めするためにスポット溶接ガンをX-
Y軸の２軸方向にシフトしている。

従来の２軸シフト装置としては第６図で示すように、
ベース１上にＸ軸方向のガイドレール２を設け、このガ
イドレール２に第１スライド台５を走行可能に案内し、
前記ベース１上にガイドレール２と平行な軸線で回転自
在に設けた送りねじ３と、この送りねじ３を正逆回転す
るＸ軸方向シフト用モータ４とによって前記第１スライ
ド台５を走行駆動するようにし、この第１スライド台５
上にＹ軸方向のコラム６を設け、このコラム６に設けた
Ｙ軸方向のガイドレール７に第２スライド台10を走行可
能に案内し、前記コラム６にガイドレール７と平行な軸
線で回転自在に設けた送りねじ８とこの送りねじ８をを
正逆回転するＹ軸方向シフト用モータ９とによって前記
第２スライド台10を走行駆動するようにし、この第２ス
ライド台10にスポット溶接ガンを取付けていた。

〈考案が解決しようとする課題〉 上記従来装置においては、X-Yの２軸分のスライド台
と、このスライド台の走行駆動装置を必要とし、コスト
高となっている。

また、工具等が取付けられるＹ軸方向のスライド台に
は大きな荷重が掛かるため、それに対応した大きな駆動
力の増大やウエイトバランサ等を必要とする。

〈考案が解決しようとする課題〉 本考案は、上記従来の問題点を解消した２軸シフトに
よる位置決め装置を提供するもので、その特徴とする構
成は、直線のガイドレールと、このガイドレールに沿っ
たラックギヤと、前記ガイドレールに走行可能に案内さ
れた一対のスライド台と、このスライド台の少なくとも
一方に固設され前記ラックギヤに噛合するピニオンを備
えたシフト用モータと、前記一対のスライド台にそれぞ
れ一端を枢着した一対の脚と、この一対の脚の他端に回
転可能に軸支した一対のギヤと、この一対のギヤを噛合
させて前記一対の脚の他端が枢着され、工具取付面を有
する１つのブロックと、前記一対のギヤの少なくとも一
方に噛合するピニオンを有し前記ブロックに固設された
脚開閉用モータとから成るものである。

〈作用〉 上記の構成により、一対の脚の結合頂点であるブロッ
ク位置を、一対の脚のシフト移動による直線運動と、一
対の脚の開閉による円弧運動との複合軌跡によりX-Y2軸
の任意に位置決めするものである。

〈実施例〉 以下本考案の実施例を図面に基づいて説明する。第１
図において、11はベース、12は前記ベース11上に設けら
れたＸ軸方向の直線のガイドレールである。このガイド
レール12にはラックギヤ15が同一方向に設けられてい
る。

前記ガイドレール12には、一対のスライド台14a、14b
が走行可能に案内され、その１つのスライド台14aには
第３図で示すように、前記ラックギヤ15に噛合するピニ
オン17を備えたシフト用モータ16が固設されている。

13a、13bは一対の脚である。この一対の脚13a、13bの
一端は前記一対のスライド台14a、14bにそれぞれピン24
を介して回動可能に枢着されている。

前記一対の脚13a、13bの他端には第２図で示すよう
に、一対のギヤ21a、21bがそれぞれピン20a、20bによっ
て軸支されている。

そして、この一対のギヤ21a、21bを噛合させた状態で
１つのブロック18に前記ピン20a、20bを介して前記一対
の脚の他端を枢着する。

尚、このブロック18には工具25の保持部19を備えてい
る。

また、前記ブロック18には、前記ギヤ21a、21bの一方
に噛合するピニオン23を備えた脚開閉用モータ22が固設
されている。

上記本考案は、一対の脚13a、13bはシフト用モータ16
の回転数a^XではＸ軸方向にA^X移動し、回転数b^XではB^X移
動し、一対の脚13a、13bの他端の頂点（ブロック18位
置）は第５図（イ）で示すように直線軌跡で移動する。

また、脚開閉用モータ22の回転数b^Y、a^Yで一対の脚13
a、13bの開脚によりＹ軸方向にB^Y、A^Y移動し、この移動
軌跡は第５図（ロ）で示すように円弧軌跡となる。

従って、シフト用モータ16と脚開閉用モータ22の回転
数をエンコーダにて読み取り制御することにより、上記
Ｘ軸線方向の直線とＹ軸方向の円弧との複合軌跡によっ
て第４図で示すように、一対の脚13a、13bの他端の頂
点、すなわち、工具25を取付けたブロック18の位置は、
基準点０から任意のX-Y位置Ａ、Ｂに位置決め制御され
る。

尚、上記の実施例では、Ｘ軸線方向は水平方向であ
り、Ｙ軸線方向は前記水平方向に対して垂直な上下方向
であるが、ベース11を鉛直方向にして脚13a、13bを上下
方向にシフト並びに開閉させ、ブロック18に取付けた工
具25を上下並びに前後方向の任意位置に位置決めするこ
とも可能である。

〈考案の効果〉 以上のように本考案によると、頂点を１つのブロック
に枢着連結した一対の脚をＸ軸方向にシフト移動させ、
かつ開閉角度を制御してＹ軸方向に前記ブロックの位置
を決定するようにした構成であるから、従来装置のよう
にＹ軸方向のスライド台や、その駆動装置を不要とし、
装置全体のコンパクト化とコストダウンが図られる。

また、一対の脚の長さを変更することにより使用目的
に合わせた位置決めが得られる汎用化ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の斜視図、第２図は第１図II矢視部
の拡大図、第３図は第１図III矢視部の拡大図、第４図
は本考案装置の作動説明図、第５図（イ）は本考案装置
のＸ軸方向の移動軌跡を示すグラフ、第５図（ロ）は同
Ｙ軸方向の移動軌跡を示すグラフ第６図は従来装置の斜
視図である。 11……ベース、12……ガイドレール、13a、13b……脚、
14a、14b……スライド台、15……ラックギヤ、16……シ
フト用モータ、17……ピニオン、18……ブロック、21
a、21b……ギヤ、22……脚開閉用モータ、23……ピニオ
ン。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】直線のガイドレールと、このガイドレール
   に沿ったラックギヤと、前記ガイドレールに走行可能に
   案内された一対のスライド台と、このスライド台の少な
   くとも一方に固設され前記ラックギヤに噛合するピニオ
   ンを備えたシフト用モータと、前記一対のスライド台に
   それぞれ一端を枢着した一対の脚と、この一対の脚の他
   端に回転可能に軸支した一対のギヤと、この一対のギヤ
   を噛合させて前記一対の脚の他端が枢着され、工具取付
   面を有する１つのブロックと、前記一対のギヤの少なく
   とも一方に噛合するピニオンを有し前記ブロックに固設
   された脚開閉用モータとから成る工具等の位置決め装
   置。