JP2511926B2 - 成形金型の簡易製作法 - Google Patents

成形金型の簡易製作法

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JP2511926B2 JP62022343A JP2234387A JP2511926B2 JP 2511926 B2 JP2511926 B2 JP 2511926B2 JP 62022343 A JP62022343 A JP 62022343A JP 2234387 A JP2234387 A JP 2234387A JP 2511926 B2 JP2511926 B2 JP 2511926B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は成形金型の簡易製作法に係り、特に1つの現
物から多数の現物対応模型を得るのに好適な成形金型の
簡易製作法に関する。
〔従来の技術〕
プラスチツクの射出成形や発泡成形等に用いる成形用
金型は、製品と同一のキヤビテイを有し、かつ製品を取
り出すことができるように複数個に分割されている。
電気のソケツトの如き単純形状のものであつても、こ
れを成形する為に、同一のキヤビテイを有する成形用金
型(メス型)を作るのは多くの工数を要する。
金型の加工は通常機械加工による。形状が複雑になる
につれて金型製作の工数は極端に増加する。このことが
プラスチツクの射出成形やスチロールの発泡成形の適用
範囲の特に中少量生産への拡大を妨げている要因となつ
ている。
これを解決すべく金型を鋳造法で作ることが試みられ
た。即ち中子や主型を作る為に模型を用意し、これを用
いて作つた中子や主型をアセンブリして形成したキヤビ
テイに溶融金属を鋳込み金型を作るのである。この方法
は機械加工よりも簡便であるが鋳型模型の作成に多くの
工数を要するという難点がある。加えてこの模型は通常
一回しか使用されず不経済である。
そこで金属等のリジツドな実物を模型としてこれを転
写する技術が提案されている。その代表的な方法は通称
シヨウ・プロセスと呼ばれるものである(日刊工業新聞
社、昭和43年6月30日発行「鋳造技術講座9 特殊鋳
型」鋳造技術講座編集委員会編、第295頁〜第306頁参
照)。
この方法は模型周囲にゾル状のシヨウ・スラリ(主体
がエチルシリケートでこれに耐火物粉を添加し、更に炭
酸アンモニウムを加えたもの)を注入し、シヨウスラリ
ーがゲル化した後模型を抜き出し、出来た鋳型を急速加
熱する方法である。これによつて鋳型表面にヘアークラ
ツクを発生させた後、この鋳型を800〜1200℃で本焼成
して完全な鋳型とし、更にこれによる上下型をアセンブ
リして形成されたキヤビテイに溶融金属を注入して金属
鋳物を作る。この方法は従来の他の方法に比べて正確な
鋳物を得ることができるが、一ケの鋳型及び1ケの現物
から1ケの鋳物しか作れない点は他の従来法と同様であ
る。
〔発明が解決しようとする問題点〕
以上の各従来法は工数面、製品の寸法,形状や精度、
金型の寸法,形状や精度等においていずれも問題を有し
ていた。
従来法の内最も優れていると思われているシヨウプロ
セスにしても、鋳型キヤビテイに石膏等の鋳型材を注入
して後シヨウプロセス鋳型を除去するに際して、鋳型中
子(キヤビテイに鋳込んだ部分)も破損してしまう恐れ
があるから成形金型を作るには不適当であり、金型や製
品の量産化は困難である。鋳型中子が破損してしまう理
由は、シヨウ鋳型を破壊するには物理的外力に頼る以外
にないことが原因である。
尚、現物のコピー用鋳型を作るに際して現物に直接溶
融金属を鋳込むことも、図面上あたかも可能のようであ
るが、これでは溶融金属が硬化して金型化するに際して
成形(凝集)収縮をするから現物を金型から除くことは
例え現物に逆テーパ部が無くとも技術的に実現困難であ
る。
本発明の目的は工数低減を図ると共に製品や金型の量
産化に対処し得る精度の良好な成形金型の簡易製作法を
提供するにある。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的は崩壊条件の異なる2種の鋳型を目的に合う
よう組み合わせれば達成可能である。即ち現物模型を反
転した鋳型とその空洞に流し込んだ他材質の鋳型とから
なる複合鋳型を使用することにより本発明は達せられ
る。
本願発明は次の各工程より成ることを特徴とする成形
金型の簡易製作法にある。
(1)伸尺を考慮した現物の周囲に第一の鋳型材として
の熱湯崩壊性石膏を充填,硬化させる第一工程、 (2)該第一工程にて得られる現物付きの鋳型から現物
を除去して第一の鋳型を得る第二工程、 (3)該第一の鋳型内面に形成されたキャビテイに第二
の鋳型を形成すべく第二の鋳型材としての熱崩壊性石膏
を充填し該鋳型材を硬化させる第三工程、 (4)該第三工程にて得られる第一の鋳型と第二の鋳型
が複合された複合鋳型に前記第一の鋳型の崩壊条件を与
えて該第一の鋳型を除去し前記第二の鋳型を残す第四工
程、 (5)該第二の鋳型の少なくとも現物相当面を溶融金属
で覆い該溶融金属を硬化させる第五工程、 (6)該第五工程にて得られる第二の鋳型付きの金型か
ら第二の鋳型を除去して金型を残す第六工程。
以下に本願発明の各特徴点の構成要件につき分説す
る。
(現物) 本願明細書において現物とは実物(実製品)そのもの
をいう。例えば本発明によつて得られる金型がスクリユ
ーロータを得る為の或いはその模型を得る為のものであ
れば、現物とは当該スクリユーロータである。寸法・形
状等の関係で金型の鋳込み容積に対し伸尺を考慮したす
なわち金型製作時の溶融金属の凝集(成形)収縮を考慮
した現物であることが望ましい。伸尺を考慮する場合は
例えば最終鋳物品に対する相似形の一回り大きな現物で
ある。
伸尺を考慮する場合に、相似形品を使う他に、所謂肉
張り手段がある。これは現物の内、所望金型作成相当面
(現物の一部の面)に伸尺を考慮して厚みを付ける技術
である。その手段としては例えば樹脂コートがあり、他
にもめつき,金属,蒸着,電鋳等が挙げられる。
樹脂コートによる肉張りを施こす際には、現物の該当
面に係止孔を開け、或いは表面を粗化させて、その上に
例えば常温硬化性エポキシ樹脂をコートする方法が有効
である。
現物は例えば鉄製乃至鉄系合金で成る。本発明は現物
の内特徴的な一部分のみを利用する場合も含む。
現物表面には逆テーパが存在しないことが望ましい。
若し逆テーパが存在する場合には当該現物を分割して用
いる方法が有効である。即ち本明細書でいう現物とは実
製品を分割した夫々の分割体をも意味する。
伸尺の考慮の基準は目的により異なる。金型を得る為
或いは金属実製品を得る為には2〜3%の凝固収縮を考
慮することが望ましく、金型から発泡スチロール模型を
作るには現物から1〜2%の凝集収縮を考慮することが
望ましい。
(第一の鋳型材) 第一の鋳型材は第二の鋳型材との関係でこれとは崩壊
条件の異なるものである。例えば石膏系の鋳型材であ
り、具体的には熱湯崩壊性石膏である。
熱湯崩壊性石膏は温水崩壊性石膏とも言う。これは焼
石膏と膨潤剤(主として澱粉)の混合物に予め界面活性
剤を添加したものである。この石膏混合物による成形体
を温水(80℃以上)中に浸漬すると、速やかに膨潤し、
容易に自己崩壊する。膨潤剤はこの他にアルデヒドゼラ
チン,ヒドロキシルプロピルメチルセルロースフタレー
ト,カルシウムカルボキシメチルセルロース,酸化カル
シウム等が挙げられる。界面活性剤としては高級アルコ
ール硫酸エステルソーダ塩,オレイン酸ソーダ塩,ラウ
リン硫酸アンモニウム塩等が挙げられる。
尚、第一の鋳型材は第二の鋳型材と崩壊条件を異にす
れば上記の石膏系のものには限定されず、後述の如き組
合せも可能である。但し、金属等凝集収縮して第二の鋳
型材成形後の複合鋳型から崩壊除去できなくなるような
ものは本発明には適用できない。また第二の鋳型材鋳込
条件にて自己崩壊するものはその形状維持ができないか
ら不適当である。即ち本発明で用いる第一の鋳型材は崩
壊性を前提とし、望ましくは自己崩壊型(崩壊条件にて
自然に崩壊乃至崩壊し易くなるもの)である。
(第二の鋳型材) 第二の鋳型材は第一の鋳型材との関係でこれとは崩壊
条件の異なるものである。例えば石膏系の鋳型材であ
り、具体的には熱崩壊性石膏である。
熱崩壊性石膏は例えば焼石膏(CaSO4・1/2H2O)に無
機粉末を40〜60%添加してイニシヤル強度を低下させた
ものである。これは加熱(約150℃以上、120〜130℃に
て半水石膏となり、強さが減少するが、望ましくは200
℃以上)によつて主成分である石膏の強度が低下するこ
とも、効果がもたらされる原因である。
尚、第二の鋳型材は第一の鋳型材と崩壊条件を異にす
れば上記の石膏系のものには限定されず、後述の如き組
合せも可能である。但し、第一の鋳型材の崩壊条件によ
つて自己崩壊乃至自己崩壊し易くなるような材料は本発
明には適用できない。また金属等凝固収縮の影響大なる
ものも前記第一の鋳型と同様に適用不可である。そして
崩壊型望ましくは自己崩壊型のものが望ましい。
(鋳型材の組合せ) 第一の鋳型材,第二の鋳型材の各材質は上記の通りで
あるが要するに両者間の関係に崩壊条件の差異があれば
良く、例えば次の通りである。
例えば一方は水溶性(または水で分散する性質)の材
料、他方は水に不溶性の材料である。水溶性または水で
分散する性質の材料の中には、ジグリコール・ステアリ
ン酸塩、ジエチレン・グリコール1価ステアリン酸塩、
グリセリン・エステル、または類似のものの一部、もし
くはポリグリコールなどの脱水濃縮グリコールの一部、
あるいはポリアリキレン酸化物の一部(現在“カーボワ
ツクス”の名の下に入手できる)、またはアセトアミド
がある。選んだこれらの材料の1つまたは以上にポリビ
ニル・アルコールを加えて強度を増やすことができる。
また水溶性の他の材料の中には、熱い溶液には良く溶
け、冷たい溶液には余り溶けず、かつ結晶水を吸収する
ように応用することができる無数の塩がある。例えば、
チオ硫酸ナトリウム,塩化マグネシウム,ニクロム酸ナ
トリウム、および硫酸アンモニア・アルミニウムはこの
種類のもので、十分に滑らかな表面の強い鋳型を作るこ
とが分かつている。鋳型は、塩の熱い過飽和溶液からの
結晶化、例えばかかる熱い溶液を鋳型の中に導いて冷却
の進行に伴つて結晶性水和物が生じるようにして作るこ
とができる。塩化カルシウムは、結晶アルコールを吸収
して結晶水溶性鋳型材料を作ることを除いて、ほとんど
同じやり方で使用することができるいま1つの塩の代表
的なものである。従つて、本発明の目的用としての塩の
使用は水溶液に限定されるものではなく、この使用には
アルコール溶液も同様に、または水−アルコール溶液も
含まれることがある。
水による処置によつて壊して取り除くことができるこ
の種の鋳型の場合は、水に溶けないまたは水による影響
を受けない大きな材料グループからのどれかを外側パタ
ーンとして使用することができる。例えば、パラフイン
が含まれたまたは含まれていない、カルナウバ蝋,カル
デリア蝋および密蝋の混合物、または前記と重合したテ
ンペンの混合物、もしくはカルナウバ蝋,パイフインお
よびポリブチレンの混合物など、一般に使われているワ
ツクス混合物を使用することができる。他のあり得る材
料として、アクリル樹脂、またはポリスチレン樹脂、も
しくはこれらの物質と他の樹脂、ワツクス、または類似
の物質の混合物がある。それぞれのケースで、パターン
材料は鋳型化できる(即ち、鋳込みできる)性質のもの
で、かつ壊した上でその中でインベストメントで包む一
体作り鋳型から最終的に取り除くことができる。例えば
ワツクス混合物を使うときは、それらを適当な溶剤の溶
解作用で、またはそれらを溶かしてもしくは他の手段で
取り除くことができ、アクリルまたはポリスチレン樹脂
を使うときは、それらを熱による壊して燃やすまたは分
解する作用で、もしくは他の手段で取り除くことができ
る。
前記の例を示して明示した他方の鋳型材の大部分がエ
チル・アルコールに溶けず、従つてこの工法を実施する
代りのやり方として、これらの材料のどれかを使つてエ
チル・アルコールの分解作用に屈する材料から成る中子
の回りに鋳込むパターンを作る方法がある。なかんずく
本発明の目的に適したかかるアルコール可溶材料とし
て、ソルビツト乳酸塩,ソルビツト・ジステアリン酸
塩,ポリビニル・アセテート樹脂,アセトアミド、また
は類似の物質を挙げることができる。
第一の鋳型材と第二の鋳型材の望ましい差別のある破壊
性を用意できるいま1つのやり方として、比較的低い融
点を持つ物質で一方の鋳型を作る方法がある。例えば、
他方の鋳型を従来から使われているワツクス混合物の1
つで作るときは、その方法の鋳型は約76℃の融点を持つ
ことになる。カルナウバ蝋混合物の場合は融点は約83乃
至86℃である。このときは、例えば61℃で溶けるイエロ
ー密蝋、30乃至35℃で溶けるカカオバター、53℃で溶け
るジグリコール・ステアリン酸塩、33℃で溶けるレビユ
リン酸、29℃で溶ける酢酸ボルニル、45℃で溶けるテト
ラクロロ(1,2,3,4)ベンゼンである。または第二の鋳
型材料のそれよりも明らかに低い溶解温度を持つ他の適
当な材料で第一の鋳型を作ることができる。勿論十分に
注意しなければならない。第二の鋳型材を第一の鋳型の
回りで一定の形にするときは、後者がこの工法のこの段
階で壊れることがないように、事前に適当に冷やすまた
は他のやり方で保護しなければならない。最後には、中
子の破壊とそれに続くパターンからの取り除きは、管理
された条件(例えば、水浴槽または類似のものの中で)
の下で単にそれを低い温度にして行うことができる。
それぞれのケースで、粉末またはすりつぶしたフイラ
ーを第一の鋳型材または第二の鋳型材若しくは両方に混
ぜて使用することができる。かかるフイラーは、例えば
アクリルまたはビニル樹脂、もしくは単純な無機または
有機化合物とワツクスから成ることとがあり、もし適切
に選ぶときは、これらのフイラーは、場合次第で各鋳型
の収縮を減らす働きをしてより正確な結果を生じさせる
ことに役立つ。
勿論、本発明が単なる例として述べた特定の材料の使
用または各鋳型を破壊する特定の方法に限定されないこ
とは言うまでもない。第一の鋳型は、破壊できる第二の
鋳型をそれに意図されたそれに続くインベストメントに
対して完全な形のまま残す限り、適当なまたは望ましい
方法で壊して第二の鋳型から取り除くことができ、そし
て第二の鋳型をその中でインベストメントで包む鋳型か
らの第二の鋳型の取り除きも同様に適当なまたは望まし
いやり方で行うことができる。
(金型材料) 金型材料(溶融金属)は特に限定されないが特にこの
金型を用いて発泡スチロール模型を得ることを考慮すれ
ば熱伝導の点でアルミニウム乃至アルミニウム系合金の
如く、アルミニウム系が好ましい。
(金型から得る目的物) 金型から得る目的物は特に限定されないが、本発明は
金型から現物模型特に発泡スチロール模型を得るのに好
適である。即ち先ず一つの現物から複数個の金型を本発
明方法で製作し、しかる後各金型から複数個の現物模型
を得ることにより、結果的に多数の複製物を得ることが
できる。発泡スチロール模型はその加熱崩壊性或いは有
機溶剤溶解性を用いて従来から提案されている現物を得
る為の模型に供される。
尚、金型乃至現物模型から得られる製品、即ち現物
は、例えばスクリユーロータ、ランナ(羽根車)、ター
ボチヤージヤケーシングである。
〔作用〕
本発明の第一工程では、伸尺を考慮した現物模型(以
下、現物と称する)表面の少なくとも一部が第一の鋳型
材で覆われて、この鋳型材が硬化するから先ず現物の反
転型が得られる。
本発明の第二工程では第一工程で得られる現物付きの
鋳型から現物が除去され、従つて上記反転型が取り出さ
れる。
本発明の第三工程では第一の鋳型(反転型)の少なく
とも現物相当面に第一の鋳型とは崩壊条件の異なる第二
の鋳型材が流されてこれが硬化することにより第二の鋳
型が形成される。
本発明の第四工程では第三工程にて得られる複合鋳型
に第一の鋳型の崩壊条件を与えて第一の鋳型を除去して
第二の鋳型(再反転型、従つてこの鋳型は現物と相似乃
至合同)が形成される。
本発明の第五工程では第二の鋳型の少なくとも現物相
当面が溶融金属で覆われてその溶融金属は硬化する。
本発明の第六工程では第五工程にて得られた第二の鋳
型付きの金型から第二の鋳型が除去される。従つて得ら
れる金型のキヤビテイは第一の鋳型(反転型)のキヤビ
テイと相似乃至合同である。
〔実施例〕
以下に本発明の実施例を図面に従つて説明する。以下
に述べる本発明の実施例は代表的なものであつて、個々
の条件は前述の〔問題点を解決するための手段〕の項の
通りであり、詳細な重複記述は省略する。
(実施例1) 実施例1を第1図の工程図に従つて説明する。
先ずステツプIにおいて伸尺を考慮した現物1或いは
現物1に肉張りしたものを用意する。この現物1は金型
成形による最終製品と同一形状である。本例においては
図のような断面を有するが逆テーパがあつても、ねじ
(スクリユー)式なので旋回すれば現物或いは鋳型を分
割することなく現物除去は可能である。このような形態
でなく逆テーパを有するならば多分割とすべきである。
ステツプIIでは枠体2の中に現物1を置いて、枠体2
と現物1との間に熱湯崩壊性石膏の鋳型材3を充填し、
これを硬化させて鋳型4とする。
ステツプIIIでは引抜きにより現物1を除去する。
ステツプIVでは形成された空洞部5に熱崩壊性石膏の
鋳型材6を充填し、これを硬化させてこの部分を鋳型7
とし、こうして鋳型4と鋳型7とからなる複合鋳型を作
る。
ステツプVでは鋳型4が崩壊する条件を複合鋳型に与
える。即ち本例では複合鋳型を熱湯8中に浸漬し、鋳型
4を崩壊させて鋳型7のみを取り出す。
ステツプVIでは鋳型7を乾燥させた後、所定の鋳枠9
内にこれをセツトして鋳込口より溶融金属10を注入して
金型11を得る。
上記各鋳型材は自己崩壊性であるが、取出にくい部分
はヘラ等の道具を使用しても良い。
(実施例2) 鋳型材6として有機流動性鋳型を用いる他は実施例1
と同じである。有機流動性鋳型は、レジンコーテツドサ
ンドを加熱金型に接触させて造型するシエルモールド,
グローニングモールドに使用されるもので良い。
(実施例3) 鉄製スクリユロータ12を、定盤13上に設置した丸金枠
14の中央に設置する(第2図)。次いで鉄製スクリユロ
ータ12の周囲に熱湯崩壊性石膏を水に加えて作つたスラ
リから成る鋳型材3を注入し、固化させる。(第2
図)。
固化後、スクリユロータ12を回転させ抜去してメス鋳
型4を得る(第3図)。
メス鋳型4のキヤビテイ5に熱崩壊性石膏を水に加え
て作つたスラリから成る鋳型材6を鋳込む(第4図)。
この石膏が固化した後全体を95℃の熱湯中に浸漬し熱崩
壊性石膏を崩壊させて中子15を得る(第5図)。
この中子15を80℃×6時間で乾燥して遊離水分を除去
した後、鉄製定盤16の上に設置し、周囲に鋳枠9を設置
し、空洞部にアルミニウム溶湯17を鋳込む(第6図)。
この溶湯17が凝固した後中子15を除去し発泡スチロール
製ロータ模型成形用の金型18を得た(第7図)。
(実施例4) 第8図に示すように定盤13の上に設置した枠体2の中
央にランナ(羽根車)の現物19模型を設置する。その周
囲に水崩壊性鋳型材20(SiO2微粉:100重量部、K2CO3:15
重量部、水:15重量部の混合物)を充填した後、羽根車1
9を抜去し、出来た鋳型4を200℃×3時間乾燥し、これ
を固化する。
次いで第9図に示すように鋳型4の周囲に枠を設置し
てから鋳型4の空洞部に熱崩壊性鋳型材6を鋳込み複合
鋳型を製作する。しかる後全体を水中に浸漬することに
より鋳型4を崩壊させて、羽根車19と同一形状の鋳型7
を単独に得る。
以下に実施例1乃至3に準じてアルミニウム溶湯を鋳
込むことにより羽根車19の発泡スチロール模型を作る為
の成形金型21を得た(第10図)。
(実施例5) 第11図に示す水溶性樹脂製のターボチヤージヤケーシ
ング現物模型22を用いて、実施例1〜4に準じて有機系
自硬性鋳型のスラリを流し込み、その後、全体を水中浸
漬することにより水溶性樹脂を溶解除去する。
この鋳型を100℃で乾燥し、形成された空洞部に熱湯
崩壊性石膏スラリを流し込む。
しかる後、実施例3,4に準じてアルミニウム溶湯を鋳
込んだ後、鋳物温度が200℃〜300℃の高温のうちにこれ
を水中に浸漬したところ、水は熱温となり併せて熱湯崩
壊性石膏を瞬時に除去することができた。
本例を用いれば複雑なキヤビテイの金型を得ることが
可能である。
〔発明の効果〕
本発明によれば、金型製造の工数低減が図れると共
に、金型やその鋳造品の量産化が可能となりしかも良好
な精度の金型が得られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係る成形金型の簡易製作法
を示す工程図、第2図は本発明の他の実施例に係るスク
リユロータの成形金型製作における第一鋳型材鋳込み工
程説明図、第3図は同実施例の現物除去工程説明図、第
4図は同実施例の第二鋳型材鋳込み工程説明図、第5図
は同実施例で得られる第二鋳型の断面図、第6図は同実
施例の金属溶湯鋳込み工程説明図、第7図は同実施例で
得られる成形金型の断面図、第8図は本発明の更に他の
実施例に係る羽根車の成形金型製作における第一鋳型材
鋳込み工程説明図、第9図は同実施例で得られる複合鋳
型の断面図、第10図は同実施例で得られる成形金型の断
面図、第11図は本発明の更に他の実施例を用いるターボ
チヤージヤケーシングの断面図である。 1……現物、2……枠体、3,6,20……鋳型材、4,7……
鋳型、5……空洞部、8……熱湯、9……鋳枠、10……
溶融金属、11,18,21……金型、12……スクリユロータ、
13,16……定盤、14……丸金枠、15……中子、17……ア
ルミニウム溶湯、19……羽根車、22……ターボチヤージ
ヤケーシング。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横井 和明 土浦市神立町502番地 株式会社日立製 作所機械研究所内 (56)参考文献 特開 昭60−6244(JP,A) 特開 昭57−11749(JP,A) 特開 昭56−42609(JP,A)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の各工程から成ることを特徴とする成形
    金型の簡易製作法。 (1)伸尺を考慮した現物の周囲に第一の鋳型材として
    の熱湯崩壊性石膏を充填,硬化させる第一工程、 (2)該第一工程にて得られる現物付きの鋳型から現物
    を除去して第一の鋳型を得る第二工程、 (3)該第一の鋳型内面に形成されたキャビテイに第二
    の鋳型を形成すべく第二の鋳型材としての熱崩壊性石膏
    を充填し該鋳型材を硬化させる第三工程、 (4)該第三工程にて得られる第一の鋳型と第二の鋳型
    が複合された複合鋳型に前記第一の鋳型の崩壊条件を与
    えて該第一の鋳型を除去し前記第二の鋳型を残す第四工
    程、 (5)該第二の鋳型の少なくとも現物相当面を溶融金属
    で覆い該溶融金属を硬化させる第五工程、 (6)該第五工程にて得られる第二の鋳型付きの金型か
    ら第二の鋳型を除去して金型を残す第六工程。
  2. 【請求項2】前記現物表面の内少なくとも前記第一工程
    にて第一の鋳型材で覆う表面には逆テーパが存在しない
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の成形金型
    の簡易製作法。
  3. 【請求項3】前記現物は複数個に分割されていることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項記載の成形金型の簡易
    製作法。
  4. 【請求項4】前記第二の鋳型材が石膏に無機物粉末を添
    加したものであることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項乃至第3項のいずれか記載の成形金型の簡易製作法。
  5. 【請求項5】前記現物が鉄系金属であることを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項乃至第4項のいずれか記載の成
    形金型の簡易製作法。
  6. 【請求項6】前記溶融金属がアルミニウム系であること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項乃至第4項のいずれ
    か記載の成形金型の簡易製作法。
  7. 【請求項7】前記現物の一部に伸縮を考慮して肉張りを
    施すことを特徴とする特許請求の範囲第1項乃至第6項
    のいずれか記載の成形金型の簡易製作法。
  8. 【請求項8】前記現物がスクリューロータであることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項乃至第7項のいずれか
    記載の成形金型の簡易製作法。
  9. 【請求項9】前記現物が羽根車であることを特徴とする
    特許請求の範囲第1項乃至第7項のいずれか記載の成形
    金型の簡易製作法。
  10. 【請求項10】前記現物がターボチャージャケーシング
    であることを特徴とする特許請求の範囲第1項乃至第7
    項のいずれか記載の成形金型の簡易製作法。
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