JP2511576B2 - 有機溶剤を含むガスの浄化装置および浄化方法 - Google Patents

有機溶剤を含むガスの浄化装置および浄化方法

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JP2511576B2
JP2511576B2 JP3014441A JP1444191A JP2511576B2 JP 2511576 B2 JP2511576 B2 JP 2511576B2 JP 3014441 A JP3014441 A JP 3014441A JP 1444191 A JP1444191 A JP 1444191A JP 2511576 B2 JP2511576 B2 JP 2511576B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機溶剤を含むガスの
浄化装置および浄化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】有機溶剤は塗装工場、印刷工場をはじめ
として広く化学工場で原料等に用いられるだけでなく、
その他の製造業においても各種の用途に用いられてい
る。このような状況から、有機溶剤と言ってもその種
類、混入比率は多様であるが、一般に引火、発火の危険
性および人体に対する有害性が高い。例えば、塗装工
場、印刷工場、接着剤使用工場等においては、塗料、印
刷インキ、接着剤等の溶解剤または薄め液として、大量
の有機溶剤が用いられている。この有機溶剤は大気中に
放出されており、その量は膨大で大気汚染公害のもとに
なっている。
【0003】これらの有機溶剤の内、特に芳香族系溶
剤、塩素系有機溶剤等は化学的に非常に安定で大気中に
放出されると光化学スモッグの原因となったり、高空の
オゾン層破壊の原因となっている。この大気中に放出さ
れた有機溶剤は、悪臭となって人間に不快感を与え、ま
たなかには毒性物質もあり、大気汚染公害の大きな要因
となっている。現今、この大気中に放散される有機溶剤
を含むガスの浄化方法としてはつぎのような方法が提案
されている。(1)放出排ガスの燃焼法(2)放出排ガ
ス中の有機溶剤の活性炭等による吸着法(3)塗装工場
および接着剤塗布工場における水溶性塗料、水溶性接着
剤(以下、単に水溶性塗料という)の使用
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記の各方
法はいずれも大きな問題点を有しており、実際問題とし
て有機溶剤排出防止は行われていないと言い得るのが現
状である。すなわち、前記放出排ガスの燃焼法にて排ガ
スを700〜800℃に加熱すれば、有機溶剤には燃焼
浄化される成分もあるが、塩素系有機溶剤などは燃焼に
より猛毒な塩素ガスを発生する。また、この燃焼法は、
燃料を大量に消費する。特に、塗装吹付工程、接着剤吹
付工程においては、排ガス風量が膨大であるから、この
方法を採用した場合には燃料費において採算が取れない
のみでなく、地球上の石油資源の枯渇につながり、大気
の温度は上昇し、排ガスの浄化のためとは言いながら、
実際的には成り立たないという問題がある。
【0005】また、前記放出排ガス中の有機溶剤の活性
炭等による吸着法では、吸着装置が非常に大規模のもの
となり、イニシャルコストは莫大である。活性炭は、吸
着有機溶剤で飽和されると再生しなければならない。活
性炭の再生方法としては、例えば、スチームを活性炭に
吹付けて有機溶剤を活性炭から離脱させ、さらに熱風に
より活性炭を乾燥させるという方法が提案されている。
しかし、スチームの吹付けによる有機溶剤の活性炭より
の離脱は表面吸着の分のみであり、活性炭中の毛管吸着
の有機溶剤は離脱が中々難しい。よって、数回のスチー
ム吹付けによる有機溶剤の離脱を行った活性炭は、前記
毛管吸着分が残留し、吸着能力を失ってしまう。吸着能
力を失った活性炭は、高温にて蒸し焼きせねばならない
が、その際の活性炭の減耗と、蒸し焼き再生経費は膨大
である。このように、活性炭吸着法も有機溶剤排出防止
法として成立していないという問題がある。
【0006】また、塗装工場および接着剤塗布工場にお
ける水溶性塗料の使用については、有機溶剤型塗料でな
く、水溶性塗料を用いれば、有機溶剤の排出量が減少
し、行政の有機溶剤排出規制に対応できるとの考え方が
あるが下記のような多くの問題がある。 (1) 水溶性塗料と言っても水分は10%程度であ
り、アルコールおよびセロソルブなどの有機溶剤を大量
に含んでおり、水溶性塗料のスプレー塗装では有機溶剤
が大量に排出され、アルコール類、セロソルブ類等に対
する後処理を実施しなければ、有機溶剤排出規制に対応
できない(接着剤吹付の場合も同様である)。 (2) 水溶性塗料はアミンを含み、このアミンは強烈
な悪臭をもち、毒性もある。よって、アミンの処理をし
なければ大気汚染防止とはならない(アミンの悪臭は強
烈で近隣よりのクレームとなる)。 (3) 水溶性塗料は、塗装技術的にも下記の問題があ
る。 水溶性塗料は、被塗物をホットにする必要がある。 水溶性塗料は、塗膜の艶が出にくいので光沢を必要
とする製品には問題がある。 水溶性塗料は、膜厚がつきにくい。 水溶性塗料は、だれが生じ易い。 水溶性塗料は、美観が低下する傾向にある。 水溶性塗料は、物性値において、芳香族系溶剤塗料
に比較して、劣る場合がある。
【0007】本発明は、燃料、活性炭等を用いることな
く、大量のガスを浄化するのに効率よく、かつ小型化し
た有機溶剤を含むガスの浄化装置および浄化方法を提供
することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の有機溶剤を含む
ガスの浄化装置は、塗装ブースからの有機溶剤及び塗料
ミストを含むガスから塗料ミストを除去するための除塵
手段、該除塵手段を通過したガスから残存塗料ミストを
除去するためのフィルター、該フィルターを通過したガ
スから有機溶剤を除去するための気液接触装置、該気液
接触装置を通過して大気中に放出されるガスから低沸点
成分を除去するための冷却手段、及び該気液接触装置か
ら吸収液を取り出して該吸収液から有機溶剤を回収し、
その後該吸収液を該気液接触装置に戻すための蒸留手段
及び冷却手段を有し、該気液接触装置はその下部に吸収
液を収容するための貯槽を有し、該貯槽中の吸収液表面
と可動板との間に開口度可変の開口が形成されており、
該開口に向けて該吸収液を流下させる手段が設けられて
おり、該気液接触装置には気液接触部が設けられてお
り、該フィルターを通過したガスが該開口を通過し、そ
の後該気液接触部を通過して、該低沸点成分を除去する
ための冷却手段を通過するように構成されていることを
特徴とする。
【0009】また、本発明の有機溶剤を含むガスの浄化
方法は、上記の有機溶剤を含むガスの浄化装置を用い、
塗装ブースからの有機溶剤及び塗料ミストを含むガスか
ら塗料ミストを除去し、該塗料ミストを除去したガスを
開口度可変の開口を通過させて気液接触部中に強制的に
吸引し、この際に該ガス中に吸収液を流下させると共に
可動板の移動により開口の開口度を調整して該開口を通
過するガスの風速が、貯槽中の吸収液を十分に霧化させ
る風速となるようにし、気液接触部中で該有機溶剤を該
吸収液中に捕集させ、該気液接触部を通過したガスから
低沸点成分を除去してガスを大気中に放出させ、また、
該貯槽中の吸収液の一部を取り出して該吸収液から有機
溶剤を回収し、その後冷却して該吸収液を該貯槽に戻す
ことを特徴とする。
【0010】以下に本発明をさらに詳細に説明する。図
1は本発明の一実施例を模式的に示すフロー図である。
塗装ブース10において、11は有機溶剤を含むガスの
発生源となる被塗装体である。12は、頂部に排気ファ
ン13を有する塗装ブース除塵器であり、前記被塗装体
11と対向する下方に吸気口12aを有する。また、1
4は前記塗装ブース除塵器12および被塗装体11の下
部に設けられた受槽である。
【0011】塗装ブース除塵器12の一例として、図2
に示すものを挙げることができる。図2において、吸気
口12aは塗装ブース除塵器12の内側の下部に形成さ
れた板12bと、渦巻板12cとの間に形成されてい
る。塗装ブース除塵器12内には適宜のエリミネータ1
2dを有し、受槽14内には水が満たされている。15
は排気ガスである。このような塗装ブース除塵器によれ
ば、一見簡単な渦巻板12cに沿って起る水膜流と気流
の円形運動によって処理が行われる。
【0012】集塵のメカニズムは、次のような原理にも
とづく。 水の表面に空気を高速で流すと、摩擦によって水面
をはぎとり、水は霧となって飛んでいく。 粉塵を含んだ空気の流れが、急に方向を変えると
き、空気中の粉塵はその質量に応じた遠心力によって流
れの外側に投げ出される。この時の遠心力は気流の速度
の2乗に比例する。板12bと水面との隙間から、塗料
ミストを含んだ空気が高速度で吸込まれると、水も一緒
に引き込まれて渦巻板に沿って外側から水膜流、内側に
空気流の渦巻が起こる。この時、空気中の固形分は、そ
の重量に応じた遠心力によって気流の外側へ放り出され
自然に水膜流の中に入っていき、たたき落とされる。渦
巻板12cは、複雑な数式を解き、実験で確かめられた
上で設計された一つの曲面を形作り、この曲面に沿って
起こる渦流が塗料ミストを効率よく、例えば99.5%
程度で捕らえることができる。
【0013】20は、前記塗装ブース10からの排気ガ
ス15を処理するための気液接触装置である。気液接触
装置20の側面は、密閉された壁21が形成され、前記
ブーススクラバー12との間はダクト22で連通してい
る。前記密閉された壁21には気液接触手段(気液接触
部)23が取付けられている。気液接触部23の形状は
円塔、角塔のいずれでもよい。図1は2塔の場合の一例
を示し、図3は4塔の場合の一例を示している。気液接
触部23の塔数は多い程大風量の排ガスに対し気液接触
部がコンパクトにできるので好ましい。また、小風量の
ときは、単塔でもよいが、排ガス風量の大きい場合は気
液接触部が直線的に長くなりコンパクト化がはかれな
い。
【0014】すなわち、本発明装置の気液接触部23
は、図3および図4に示すように塔頂に排気ファン24
を有し、壁21の内側の下方に開口25を有している。
前記塗装ブース10から排出される大量の排気ガス15
は、塗装ブース除塵器12の上部から排出したのち、ダ
クト22を介して壁21内を下降する。前記密閉された
壁21の底面から気液接触部23の底面にわたって吸収
液を貯留する貯槽26が形成されている。27は排気管
である。前記気液接触部23内には、下層に適宜の邪魔
板23a、上層に適宜の冷却装置23bとこの冷却装置
23bにて凝縮した液を受ける受皿23c、その下部に
ガイド23dをそれぞれ設けるとよい。なお、図1で2
8は気液接触部23間の上部に設けた除塵用のフィルタ
ーである。
【0015】前記密閉された壁21の平面形状は四角形
に限るものではなく、三角形、五角形等の多角形または
円形等立地条件等に応じて選定することができる。な
お、前記角形の場合は、気液接触部の開口25を壁面2
1の両端まで設けるとその両端部は吸引力が良くないか
ら、図3に示すように気液接触部の開口25を壁面21
の両端部まで設けないようにすると気液接触の効率がよ
い。このようにして気液接触部23の奥行を小さくする
ことができ、コンパクトな装置でガスの浄化が可能とな
る。前記開口25の開口度は、排気ガス15の流量、含
有有機溶剤の種類と含有量等に応じて調節できるよう可
動式とし、可動板の移動により開口の開口度を調整して
該開口を通過するガスの風速が、貯槽中の吸収液を十分
に霧化させる風速となるようにする。前記気液接触部の
開口25の上部には貯槽26内の吸収液をポンプ26a
で汲み上げて排気ガス15が開口25から吸引される際
にガス15へ流下するための液流下装置26bを設け
る。このように、ガスを開口度可変の開口を通過させて
気液接触部中に強制的に吸引する際にガス中に吸収液を
流下させると共に可動板の移動により開口の開口度を調
整して該開口を通過するガスの風速が、貯槽中の吸収液
を十分に霧化させる風速となるようにすることにより、
気液接触部中で有機溶剤を吸収液中に完全に捕集させる
ことができる。
【0016】30は、前記気液接触装置20の貯槽26
内の吸収液中に吸収された有機溶剤を分離し、再生する
ための蒸留装置である。この蒸留装置は、加熱蒸留のみ
でなく減圧蒸留を用いる場合もある。前記吸収液は、ポ
ンプ31にて抜取られ蒸留装置30の中段へ装入され、
ヒーター32により有機溶剤を分離する。有機溶剤を分
離した吸収液は吸収液冷却装置40の上段へ装入され、
冷却後気液接触部23下部の液槽26へ装入される。4
1はウオータージャケットである。
【0017】一方、前記蒸留装置30で分離した有機溶
剤蒸気は蒸留装置30上部の冷却装置33で液化され液
受け34を介して回収される(図示せず)。回収された
有機溶剤は、例えば洗浄用シンナーとして使用すること
ができる。35はウオータージャケットである。前記冷
却装置23b、33、ウオータージャケット35、41
で用いた冷却水はクーリングタワー50、ポンプ51、
チラー52を経由して循環される。
【0018】本発明装置の特長の主なものを挙げると、
下記の通りである。 気液接触手段23がシャワー方式であると、塔面積
が膨大となり、また、シャワー部のメンテナンスが必要
である。本発明では高風速による気液接触塔を用い、こ
の気液接触を風速を考慮した可変開口部にて行った後、
排気する方法を採用した。この方法はシャワー式吸収塔
に比較して非常にコンパクトであり、シャワー式吸収塔
に比較して大幅に小型化ができ、またメンテナンスが殆
ど不要である。 の気液接触装置を対面、三角形、四角形、多角
形、円形等に配置すれば、シャワー式吸収塔に比較し
て、気液接触部は非常にコンパクトになる。また、1面
全体を気液接触とすると、気液接触部の開口の端部は排
ガスの吸引が良くなくて、気液の接触が行われなくなる
恐れがあるので、気液接触部の開口の両端は単なる板囲
いとし、気液接触部の開口の全体で排ガスが吸引され、
気液の接触が行われるようにした。この気液接触部以外
の板囲い部は、メンテナンスのため気液接触部内部への
出入口として利用することができる。 気液接触部に導入される塗装ブースからの排ガスに
ついては塗装ブースのミスト除去率100%に近いもの
を用いても、少量のミスト持ち込みがあり得る。よっ
て、気液接触部に導入する中間にフィルターを設けるこ
とによりミスト等が気液接触部に入るのを防止すること
ができるので好ましい。 沸点の低い有機溶剤、例えばメタノール、イソプロ
ピルアルコール、フロン、メチレンクロライド、トリク
ロルエタン、トリクロルエチレン、パークロルエチレン
等は気液接触部において、一旦吸収液に吸収溶解後再蒸
発して排気中に混入する恐れがある。よって気液接触部
の上部の排ガス通過部に冷却装置を設け、冷却水にて冷
却液化して回収し大気中への放出をできるだけ防止して
いる。この冷却水は沸点の高い有機溶剤においてはクー
リングタワーの循環水によることで冷却できるが、沸点
の低い物質の場合や冷却液化効率を高めるためには、冷
却水は冷却機(チラー)を用い低温度とすればよい。 の気液接触後の排ガスは上部のファンにて吸引し
大気に放出されるが、その中間の排気通過部にガイドを
設け、冷却装置に排ガスが接触するようにするとよい。 蒸留装置に導入し加熱され有機溶剤を蒸発させた吸
収液は、温度が高くなっているので、吸収塔に戻す前に
冷却装置により冷却し、低温化をはかり貯槽に戻す。
【0019】この冷却を行わず、高温吸収液を貯槽に戻
した場合は、気液接触手段の吸収効率が著しく低下す
る。このとき冷却水は主としてクーリングタワーの循環
水を用いるが、場合によっては冷却機(チラー)の冷却
水を用いるとよい。 蒸留装置の冷却水は主としてクーリングタワーの循
環水を用いるが、この冷却水も沸点の低い有機溶剤を回
収するときは、冷却機(チラー)の冷却水を用いる。
【0020】つぎに、本発明の有機溶剤を含むガスの浄
化方法を図1を参照しながら説明する。本発明の方法
は、有機溶剤を含むガスを捕集し、この大容量の捕集ガ
スをコンパクトな気液接触装置で効率よく処理して浄化
すると共に、捕集用の吸収液は再生して繰返し使用する
ものである。本発明方法に用いる吸収液は、一般に被塗
装体11およびその周辺から発生する有機溶剤を含む大
量の捕集ガスとの気液接触によって有機溶剤を吸収する
ものであればいかなるものも用いることができる。
【0021】図1において、排気ファン13で吸引され
た有機溶剤を含む大量の排気ガス15は適宜の方法で除
塵されて塗装ブース除塵器12からダクト22を介して
気液接触装置20へ導入される。気液接触装置20の気
液接触部23は、ダクト22に続く密閉された壁面21
下部の内側に開口して設ける。前記気液接触部23の開
口25の断面積の合計は、前記塗装ブース除塵器12か
ら排出するガス15の流量(F)に対して開口部風速が
15〜50m/sec程度になるよう調整しておき、排
気ガス15が気液接触部23の開口25へ吸引される際
に、前記排気ガス15は開口部に吸収液が流下されなが
ら前記気液接触部23の開口25へ吸引される。
【0022】前記気液接触部23の開口25は所定の大
きさに調整されているから、この開口の下方の吸収液貯
槽26の吸収液が排気ガス15中に霧化するよう強制的
に吸引され、排気ガス15中の有機溶剤を霧状になった
吸収液中に捕集することができる。前記霧化のメカニズ
ムは、前記本発明の第1の態様におけるブースでの集塵
のメカニズムと同様である。
【0023】気液接触部23内を上昇するガスは、気液
接触部23上部で冷却され、ガス中の揮発性物質は液化
分離して回収される。このとき液化回収される有機溶剤
の沸点が低い物質のときは、気液接触部23上部に循環
する冷却水温度を冷却器等で低下させればよい。気液接
触部23下部の液槽26の吸収液は蒸留等の手段により
吸収液中の有機溶剤を蒸発分離し、冷却液化して回収す
る。このとき再生された吸収液は冷却して気液接触部2
3へ戻される。
【0024】本発明方法に用いる吸収液は、浄化すべき
ガス中の有機溶剤を気液接触により吸収溶解するもの
で、対象となる溶剤としては、 (1)各種塗料中の有機溶剤 (2)各種塗料の吹き付け時の薄め液溶剤 (3)各種ディッピング塗装、シャワーコート塗装、フ
ローコート塗装等の添加溶剤 (4)印刷インキ中の各種有機溶剤 (5)接着剤中の各種有機溶剤 (6)ゴム工場で使用される各種有機溶剤 (7)各種塩素系有機溶剤(フロン、パークロルエチレ
ン、メチレンクロライド、トリエタン、トリクロルエチ
レン等およびこれらの塩素系有機溶剤と他の有機溶剤と
の混合溶剤等)等が挙げられる。
【0025】上記有機溶剤を回収するための吸収液とし
ては、上記の各種有機溶剤と相溶性が高く、吸収操作と
次工程の蒸留操作とを考えて揮発量が長時間にわたり極
めて微量であり、沸点が高く、蒸留時に吸収有機溶剤と
の離脱性の高いことが求められる。この吸収液として
は、特に精製鉱油を85%以上とし残りの成分として蒸
発速度が非常に遅く、長時間経過しても蒸発量がごく少
量であり、精製鉱油の前記有機溶剤との相溶性および蒸
発時の離脱性を助長するため、次の物質の内1〜2種以
上を混合したものが用いられる。 a.ブチルカービトール b.酢酸ブチルカービトール c.ジ酢酸ジグリコール d.酢酸ジエチレングリコールブチルエーテル e.ジエチレングリコールブチルエーテル f.第2ヘプタデシルアルコール g.アミルナフタレン h.第2エチレングリコール i.デイプノン j.テトラエチレングリコール k.ジブチルエーテル l.ジエチレンジブチルエーテル m.ジエチレンモノ正ヘキシルエーテル n.しゅう酸ジブチル o.マレイン酸ジブチル p.マレイン酸ジ2−エチルヘキシル q.フタル酸ジブチル r.ほう酸トリブチル s.モノアセチン t.ジアセチン u.トリアセチン v.りん酸トリクレシル
【0026】これらの物質は主剤の精製鉱油と相溶性が
あり、かつ有機溶剤とも相溶性があり、かつ吸収液と有
機溶剤の蒸留時の離脱性を助長する。また、これらの物
質は、沸点が常圧にて250℃以上であり、蒸発速度が
遅く、揮発性が極めて低い物質である。吸収液の引火点
は、小規模の場合は200℃未満でも良いが、大規模の
場合は200℃以上のものが望ましい。また、一般的に
引火点の高い吸収液の方が沸点も高く、蒸発速度も遅
い。
【0027】しかし、上記物質以外でも主剤の精製鉱油
と相溶性があり、なお、有機溶剤を吸収溶解し、沸点が
高く、蒸発速度の遅い物質で、蒸留時に吸収液と有機溶
剤との離脱性が良く、また有機溶剤と吸収液の離脱性を
助長する物質であれば利用できる。なお、蒸発速度につ
いては大気圧下500時間経過にて、ジ酢酸グリコール
…1%位、酢酸ブチルカービトール…5%位、ブチルカ
ービトール…10%位と低い値である。これらの吸収液
は化学的に非常に安定な物質であり、長期使用に耐え得
る。
【0028】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づき具体的に説明
する。 実施例1 塗装工場にて被塗装体として建材部材(H=2000m
m、W=700mm、L=6000mm)を用い、図1
に示す装置にて塗装を行った。気液接触部は4塔とし、
各塔の気液接触部の開口は0.125m×1.45mと
し、1辺2.5mの正方形断面で高さ2.8mの壁面に
とり付けた。なお、気液接触部の奥行は1.2mとし
た。塗料は下記のA、B、又はCを用いた。 A、アクリル樹脂塗料:アクリルおよびメラミン樹脂2
5%、顔料23%、酢酸ブチル10%、キシレン42
%; B、ウレタン塗料 :アクリルウレタン樹脂25%、
顔料20%、酢酸ブチル10%、キシレン45%; C、弗素樹脂塗料 :弗素樹脂19%、顔料22%、
キシレン41%、MIBK10%、酢酸ブチル8%。
【0029】塗装ブース除塵器から排出するガスの流量
は840m3 /minとした。このガス中の有機溶剤と
の相溶性テストを行ったところ、塗料用シンナー、ラッ
カーシンナー、メラミンシンナー、アクリルシンナー、
エポキシシンナー、メタノール、イソプロピルアルコー
ル、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、M
EK、MIBK、エチルセロソルブ、ブチルセロソル
ブ、ブタノール、フロン、メチレンクロライド、パーク
ロルエチレン、トリエタン、トリクレンはいずれも良好
な相溶性を示し、十分ガスの浄化が行われた。
【0030】
【発明の効果】本発明のガスの浄化装置及び浄化方法に
おいては、以上に説明したように構成されているので、
有機溶剤を回収するための活性炭や燃料を必要とせず、
大量のガスを効率よく処理でき、塗料ミストを効率よく
除去することができ、有機溶剤を効率よく除去、回収す
ることができ、吸収液を長期間連続して繰返し使用する
ことができる、かつ装置自体を小型にすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を模式的に示すフロー図であ
る。
【図2】塗装ブース除塵器の一例を示す模式図である。
【図3】気液接触装置の一例を示す平面図である。
【図4】図3の縦断面を模式的に示す線図である。
【符号の説明】
10 塗装ブース 11 被塗装体 12 塗装ブース除塵手段(塗装ブース除塵器) 12a 吸気口 12b 板 12c 渦巻板 12d エリミネータ 13 排気ファン 14 受槽 15 排気ガス 20 気液接触装置 21 密閉された壁 22 ダクト 23 気液接触部 23a 邪魔板 23b 冷却装置 23c 受皿 23d ガイド 24 排気ファン 25 開口 26 貯槽 26a ポンプ 26b 液流下装置 27 排気管 28 フィルター 30 蒸留装置 31 ポンプ 32 ヒーター 33 冷却装置 34 液受け 35 ウォータージャケット 40 冷却装置 41 ウォータージャケット 50 クーリングタワー 51 ポンプ 52 チラー

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塗装ブースからの有機溶剤及び塗料ミスト
    を含むガスから塗料ミストを除去するための除塵手段、
    該除塵手段を通過したガスから残存塗料ミストを除去す
    るためのフィルター、該フィルターを通過したガスから
    有機溶剤を除去するための気液接触装置、該気液接触装
    置を通過して大気中に放出されるガスから低沸点成分を
    除去するための冷却手段、及び該気液接触装置から吸収
    液を取り出して該吸収液から有機溶剤を回収し、その後
    該吸収液を該気液接触装置に戻すための蒸留手段及び冷
    却手段を有し、該気液接触装置はその下部に吸収液を収
    容するための貯槽を有し、該貯槽中の吸収液表面と可動
    板との間に開口度可変の開口が形成されており、該開口
    に向けて該吸収液を流下させる手段が設けられており、
    該気液接触装置には気液接触部が設けられており、該フ
    ィルターを通過したガスが該開口を通過し、その後該気
    液接触部を通過して、該低沸点成分を除去するための冷
    却手段を通過するように構成されていることを特徴とす
    る有機溶剤を含むガスの浄化装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の有機溶剤を含むガスの浄
    化装置を用い、塗装ブースからの有機溶剤及び塗料ミス
    トを含むガスから塗料ミストを除去し、該塗料ミストを
    除去したガスを開口度可変の開口を通過させて気液接触
    部中に強制的に吸引し、この際に該ガス中に吸収液を流
    下させると共に可動板の移動により開口の開口度を調整
    して該開口を通過するガスの風速が、貯槽中の吸収液を
    十分に霧化させる風速となるようにし、気液接触部中で
    該有機溶剤を該吸収液中に捕集させ、該気液接触部を通
    過したガスから低沸点成分を除去してガスを大気中に放
    出させ、また、該貯槽中の吸収液の一部を取り出して該
    吸収液から有機溶剤を回収し、その後冷却して該吸収液
    を該貯槽に戻すことを特徴とする有機溶剤を含むガスの
    浄化方法。
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