JP2511432B2 - ハロゲン化変性エチレン系ランダム共重合体、塗膜密着付与剤およびビヒクル - Google Patents

ハロゲン化変性エチレン系ランダム共重合体、塗膜密着付与剤およびビヒクル

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規ハロゲン化変性エチレン系ランダム共
重合体、ならびにその共重合体かなる塗膜密着性付与剤
およびビヒクルに関する。
〔従来の技術とその問題点〕
ポリプロピレン等のポリオレフインからなる成形品、
ポリプロピレンと合成ゴム等からなる自動車用バンパ
ー、その他の材料からなる成形品に下塗りし、その表面
への塗料等の付着性、接着性を改善するに適した表面処
理剤(ブライマー)としては、例えば無水マレイン酸
等によりグラフト変性してなる所定のプロピレン−エチ
レン共重合体の溶液(特開昭55-48260号公報参照)、
カルボキシル基を含むポリプロピレンの塩素化物溶液
(特公昭50-10916号公報参照)、ハロゲン化ポリプロ
ピレンにカルボキシル基含有モノマーをグラフトさせた
ものを用いるもの(特公昭50-4231号公報、特開昭58-11
8809号公報参照)、さらににはカルボキシル基変性プ
ロピレン系ポリマーの所定の塩素化物を成分とするもの
(特開昭60-99138号公報参照)、塩素化ポリプロピレ
ンや塩素化ポリエチレンを成分とするもの(特公昭49-4
0864号公報参照)などが提供されている。しかし、被塗
物との塗膜密着性が更に優れるプライマーが要望されて
いる。また、たとえばよく使用されているの如きプラ
イマーを使用した塗膜は、塗面に衝撃が加わつた場合
に、衝撃を十分吸収することが出来ず、被塗物の基材が
割れる(チツピング)ことがある。これは塗膜の材料樹
脂のガラス転移温度が高いことに起因すると考えられ
る。
またに使用されるような塩素化ポリオレフインは、
各種塗料に塗膜密着性付与剤としても添加されている。
このような密着性付与剤を添加した塗料はプライマーを
使用しないいわゆるワンコート塗料と呼ばれるものであ
るが、密着付与性は未だ十分でなく、また可とう性が低
いため低温における耐衝撃性も不満足なものであり、さ
らには耐ガソリン性が悪く例えば自動車の外装用には必
ずしも十分満足できるものとは言えなかつた。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者はプライマーや密着付与剤が前記現状ににあ
ることに鑑み種々検討したところ、特定の新規ハロゲン
化変性エチレン系ランダム共重合体を用いることが有効
であることを見い出し、本発明を完成することができ
た。
〔本発明の概要〕
本発明は、エチレンと炭素原子数が3ないし20のα−
オレフィンから構成されるエチレン系ランダム共重合体
に炭素原子数が3ないし10の不飽和カルボン酸、その酸
無水物およびそのエステルからなる不飽和カルボン酸誘
導体成分がグラフト共重合した変性エチレン系ランダム
共重合体、更にハロゲン化することによつて得られるハ
ロゲン化変性エチレン系ランダム共重合体であつて、 (i)該エチレン系ランダム共重合体のエチレン成分が
30ないし75モル%およびα−オレフイン成分が25ないし
70モル%の範囲にあること、 (ii)該不飽和カルボン酸誘導体成分のグラフト割合が
該液状エチレン系ランダム共重合体の100重量部に対し
て0.2ないし50重量部の範囲にあること、 (iii)該ハロゲン化変性エチレン系ランダム共重合体
のハロゲンの含有率は2ないし70重量%の範囲にあるこ
と、および (iv)該ハロゲン化変性エチレン系ランダム共重合体の
135℃のデカリン中で測定した極限粘度〔η〕が0.01な
いし0.6dl/gの範囲にあること、 によつて特徴づけられるハロゲン化変性エチレン系ラン
ダム共重合体を物質発明とし、用途発明として、該ハロ
ゲン化変性エチレン系ランダム共重合体からなる塗膜密
着性付与剤およびビヒクルを提供するものである。
〔ハロゲン化変性エチレン系ランダム共重合体〕
本発明のハロゲン化変性エチレン系ランダム共重合体
(以下、単に〔C〕と省略することがある)はエチレン
と炭素数が3ないし20のα−オレフインから構成される
エチレン系ランダム共重合体(以下、単に〔A〕と省略
することがある)から誘導される。〔A〕として通常用
いられるものおよび好ましいものとしては、例えば本出
願人の出願人に係る特開昭57-123205号公報に記載され
た製法により得られる同じく特開昭57-117595号公報に
記載されたエチレン・α−オレフイン共重合体をそのま
ま用いることができる。
すなわち、〔A〕としては、エチレン30ないし75モル
%、好ましくは40ないし60モル%のエチレン・α−オレ
フイン共重合体である。共重合成分であるα−オレフイ
ンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、
1−ヘキサン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセ
ン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタ
デセン、4−メチル−1−ペンテンなどの炭素数3ない
し20のα−オレフインであり、これらは2種以上で構成
されていてもよい。これらの中では、とくに炭素数3な
いし14のα−オレフインが好ましく、更に炭素数3ない
し8のα−オレフィンを構成成分とするエチレン・α−
オレフイン共重合体であることが好ましい。
エチレン・α−オレフイン共重合体の数平均分子量
は、通常300ないし10000、好ましくは500ないし8000で
ある。またQ値(w/n=重量平均分子量/数平均分
子量)は通常4以下、好ましくは3以下であつて、しか
も統計的な分子量分布を示しているものが好ましい。
なおエチレン・α−オレフイン共重合体中のエチレン
含有量は13C-NMR分析により測定される。その数平均分
子量は、分子量既知の標準物質(単分散ポリスチレン及
びスクアラン)を用いて予め較正されたGPC(Gel Perme
ation Chromatograph)によつて測定される。またQ値
は、分子量既知の標準物質(単分散ポリスチレンMw500
〜840×104、16個)を使用してGPC(Gel Permeation Ch
romatograph)カウントを測定し、分子量とEV(Elution
Volume)の相関図(較正曲線)を作成しておく。そし
てGPC法により試料のGPCパターンをとり、分子量を較正
曲線から求めた後、Q値を計算する。さらに統計的な分
子量分布とは、重合によつて直接得られる共重合体が有
するような対数正規分布又はこれに近い分布を示すもの
で、実質的量、例えば10重量%以上の低分子量成分(及
び/又は高分子量成分)のカツトをしていないものをい
う。なお、これらの測定法は以下においても同様であ
る。
本発明の〔C〕を得るには、第一段として上記の如き
〔A〕に炭素数が3ないし10の不飽和カルボン酸、その
酸無水物がおよびそのエステルからなる不飽和カルボン
酸的誘導体成分がグラフト共重合した変性エチレン系ラ
ンダム共重合体(以下、単に〔B〕と略すことがあ
る。)を得ることが必要である。
〔B〕の製法、すなわち用いる不飽和カルボン酸誘導
体成分、グラフト条件など、および〔B〕の好ましい物
性などは本出願人の出願に係る特開昭61-126120号公報
に記載のものが挙げられる。
すなわち、該変性エチレン系ランダム共重合体〔B〕
のグラフト共重合成分である炭素原子数が3ないし10の
不飽和カルボン酸誘導体単位として具体的には、アクリ
ル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコ
ン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸、ビシクロ
〔2,2,1〕ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸などの
不飽和カルボン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、
無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ビシク
ロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水
物などの不飽和カルボン酸の無水物、アクリル酸メチ
ル、メタクリル酸メチル、マレイン酸ジメチル、マレイ
ン酸モノメチル、フマール酸ジエチル、イタコン酸ジメ
チル、シトラコン酸ジメチル、テトラヒドロ無水フタル
酸ジメチル、ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン−5,6
−ジカルボン酸ジメチルなどの不飽和カルボン酸のエス
テル等を例示することができる。
該変性エチレン系ランダム共重合体〔B〕の135℃の
デカリン中で測定した極限粘度〔η〕は通常0.01ないし
0.6dl/g、好ましくは0.03ないし0.5dl/gの範囲である。
また、該変性エチレン系ランダム共重合体〔B〕の数
平均分子量は通常は300ないし10000、好ましくは500な
いし8000の範囲である。また、該変性エチレン系ランダ
ム共重合体〔B〕のゲルパーミエイシヨンクロマトグラ
フイー(GPC)によつて測定した分子量分布(w/
n)は通常4以下、好ましくは3以下である。
なお、〔B〕中の不飽和カルボン酸誘導体のグラフト
量は最終段階の〔C〕中に含まれる該不飽和カルボン酸
誘導体のグラフト量が後述の範囲になるようにする必要
があり、後述のハロゲン含有量によつても異なるが、通
常〔A〕100重量部に対して0.2ないし50重量部、好まし
くは0.8ないし30重量部の範囲である。
本発明の〔C〕は上記〔B〕を更にハロゲン化したも
のである。ハロゲンとしては弗素、塩素、臭素、沃素な
どを例示でき、これらは二種以上で構成されていてもよ
い。これらの中では塩素が好ましい。
本発明のハロゲン化変性エチレン系ランダム共重合体
〔C〕は、前記変性エチレン系ランダム共重合体〔B〕
とハロゲンとを反応させることにより製造することがで
きる。ハロゲン化反応は必要に応じて通常のハロゲン化
反応に使用される触媒の存在下に実施することができる
し、〔B〕を溶解する溶媒の存在下に実施することもで
きる。触媒としては、たとえば過酸化ベンゾイル、過酸
化ジt−ブチルのような有機過酸化物、α,α′−アゾ
ビスイソブチルニトリル、アゾシクロヘキセンカルボニ
トリルのようなアゾビス(シアノアルカン)類、光、特
に紫外線、水などを例示することができ、溶媒としては
たとえば四塩化炭素、ベンゼン、塩素化ベンゼン、クロ
ロホルム、テトラクロロエタン、ジクロロフルオロメタ
ンなどを例示することができる。反応の際の温度は通常
は30ないし150℃、好ましくは50ないし120℃の範囲であ
り、反応に要する時間は任意に選択できる。ハロゲン化
反応は、生成したハロゲン化変性エチレン系ランダム共
重合体〔C〕のハロゲン含有率が2ないし70重量%、好
ましくは10ないし50重量%の範囲に達するまで実施され
る。ハロゲン化反応は回分法、連続法または半連続法の
いずれの方法でも実施できる。ハロゲン化終了後の反応
混合物を常法に従つて処理することにより、目的物
〔C〕を得ることができる。
本発明の〔C〕において、この構成々分としてのエチ
レン成分とα−オレフイン成分の各モル%(両者の合計
を100モル%とする)の範囲は上述の〔A〕におけるも
のと同じであり、エチレン成分単位が上限を越えると
〔C〕のポリプロピレン系ポリマーとの付着力が不充分
となり、また下限の下廻ると、低温で塗面に衝撃が加わ
つた時の、衝撃吸収力が不十分となり、被塗布物の基材
が割れやすくなるので該範囲にあることが必要である。
また〔C〕中の不飽和カルボン酸成分のグラフト割合は
〔C〕中のハロゲン含有率によつて異なつてくるが上記
〔A〕の100重量部に対し0.2ないし50重量部にあること
が必要であり、さらに0.8ないし30重量部にあることが
好ましいが、該上限を越えると顔料および塗料や他のビ
ヒクルなどとの相溶性不足となり、また下限を下廻る
と、プライマーとして使用した場合に塗料あるいは被塗
装物との付着性が不足する。また〔C〕中のハロゲンの
含有率は2ないし70重量%の範囲にあることが必要であ
り、好ましくは10ないし50重量%の範囲である。該上限
を越えると、〔C〕の硬度があがり、低温での衝撃吸収
力が不足するようになり、また下限を下廻ると溶剤への
溶解性及び塗料などとの相溶性が不足するようになる。
また〔C〕の極限粘度〔η〕は0.01ないし0.6dl/gの範
囲にあることが必要であり、0.02ないし0.45の範囲にあ
ることが更に好ましい。該上限を外れると、塗料ゆ他の
ビヒクルなどと相溶しなくなり、下限を下廻ると樹脂自
体の強度が低くなつて基材との付着性が不足するように
なる。また〔C〕のw/nは4以下であることが好ま
しく、3以下であることが更に好ましい。4を越えると
塗料や他ビヒクルとの相溶性が不足したり、付着力が不
足したりするようになる。
なお本発明の〔C〕に含まれる不飽和カルボン酸誘導
体成分およびハロゲン成分は主に原料となる〔A〕の分
子鎖上又は分枝上の炭素原子にランダムに結合してい
る。
〔用途発明〕
本発明の〔C〕は、塗膜密着性付与剤およびビヒクル
として有用である。塗膜密着性付与剤として使用する場
合には、(i)通常の塗料に添加することにより、塗料
中の他の成分と共に塗膜を形成する。また、塗料中の固
形分であるビヒクル(展色剤)として使用する場合は、
(ii)塗料のビヒクルとして塗膜を形成する。(ii)に
おいては、ビヒクルの大部分を占める場合、あるいは他
のビヒクルと共に用いる場合がある。また、本発明の塗
膜密着性付与剤またはビヒクルが用いられる塗料の種類
としては、プライマーのほかに仕上げ(上塗り)用塗
料、ワンコート塗料など各種がある。
〔塗膜密着性付与剤としての用途〕
本発明の〔C〕を塗膜密着性付与剤として添加できる
塗料としては下記の各種のものが挙げられる。これらの
塗料は一般に塗料用樹脂などのビヒクル、顔料、溶剤、
その他の成分から成るものであり、塗料の種類により異
なるが本発明の〔C〕はビヒクル100重量部に対し通常
1ないし200重量部の割合で添加する。塗料としては各
種ワニス、各種ペイント、エナメルなどの油性塗料、ニ
トロセルロースラツカー、アクリルラツカー、アセチル
セルロースラツカー、ラツカー下地塗料などのセルロー
ス系塗料、フエノール樹脂塗料、アルキド樹脂塗料、ア
ミノアルキド樹脂塗料、ビニル塗料、塩化ゴム塗料、エ
ポキシ樹脂塗料、アクリル樹脂塗料、不飽和ポリエステ
ル樹脂塗料、ポリウレタン樹脂塗料、ケイ素樹脂塗料な
どの各種の合成樹脂塗料および合成樹脂下地塗料などを
例示できる。これらの中では合成樹脂塗料、中でもアル
キツド樹脂塗料、アミノアルキツド樹脂塗料、エポキシ
樹脂塗料、アクリル樹脂塗料、不飽和ポリエステル樹脂
塗料、ポリウレタン樹脂塗料などに用いることが好まし
い。すなわち、例えばポリウレタン樹脂塗料に本発明の
〔C〕を塗膜密着性付与剤として添加したものを、例え
ばPP素樹脂、RIMウレタン、シートモールドコンパウン
ド(SMC)などからなる製品の塗装に用いると、その塗
膜の密着性は良好であり、また低温衝撃性(チツピング
性)も大巾に改善される。従つて、ワンコート塗料とし
て使用できるので、下塗剤が不要になる利点がある。
〔ビヒクルとしての用途〕
本発明の〔C〕は塗料のビヒクルとしても使用するこ
とができる。この場合、塗料のビヒクルとしては〔C〕
のみから成つていてもよいが、他のビヒクル成分、例え
ば前出の各種合成樹脂塗料に用いられる合成樹脂、Cl化
ポリプロピレン、Cl化不飽和カルボン酸変性ポリオレフ
イン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロ
ピレン共重合体、エチレン−アクリル酸エステル系共重
合体などが〔C〕と共にビヒクルを形成していてもよ
い。共にビヒクルを形成する場合は、〔C〕の100重量
部に対し、通常他のビヒクル成分は200重量部以下であ
ることが好ましいが、これに限られない。
本発明の〔C〕をビヒクル成分として用いた塗料は、
例えば前出のPP系樹脂、RIMウレタンなどの製品にプラ
イマーあるいはプライマー以外の塗料として用いると、
プライマーや上塗塗料の塗膜密着性に優れる上、耐チツ
ピング性、耐ガソリン性にも優れるものである。
以下、本発明を実施例によつて説明する。
(1)密着性 JIS K 5400-1979中のゴバン目テストに準じて行つ
た。ゴバン目は1mm各で作成した。判定は100個のゴバン
目中、何個が接着していたかで示す。
(2)耐水性 40℃の純水中に試験片を240時間浸漬した後に、外被
膜層の外観の変化を目視で観察し、密着性を評価した。
(3)耐ガソリン性 被塗物を室温下でレギユラーガソリンに24時間浸漬
し、外観の変化を目視で観察した。
判定基準は次のとおりである。
○ 塗膜のフクレ、ハガレが認められない △ 塗膜のフクレがやや認められる × 塗膜のフクレ、ハガレが著しく認められる (4)初期相溶性 調製した塗料を室温で3時間放置後、塗料の状態を目
視で観察した。
評価基準は次のとおりである。
○ 相分離、ゲル状物質の生成がなく均一な状態 △ やや相分離の状態 × 相分離、ゲル状物質の生成が認められる (5)長期相溶性 初期相溶性と同様の方法で調製した塗料を室温で1カ
月間放置後、塗料の状態を目視で観察した。評価基準
は、初期相溶性と同じ。
(6)表面光沢 JIS K 5400-1979に記載されている60度鏡面光沢度に
準じて測定を行つた。
(7)低温衝撃性 塗装した3mm厚のポリプロピレン(商品名 三井石油
化学ポリプロX-440)を−30℃の低温室中でデユポン衝
撃試験器を用い、塗膜上に直径1/2インチの治具をあ
て、1kg荷重を50cm上から落下し、塗膜及び基材の状態
を目視にて調べた。評価基準は次の通りである。
○ 塗膜および基材ともに割れが発生せず △ 塗膜は割れたが、基材は割れない × 塗膜、基材ともに割れる 〈塗料用ビヒクルについての実施例および比較例〉 実施例1〜4、比較例1〜4 表1に示すハロゲン化変性エチレン系ランダム共重合
体〔C〕を表に示す溶剤中にデイスパーを用いて溶解さ
せた液を、表1に示す脱脂を施した3mm厚みの各種基材
上にエアースプレーを用いて約10μの厚み(乾燥時)に
塗布し、室温で10分間放置後、表1に示す塗料を乾燥時
で約40μの厚みとなるようにエアースプレーを用いて塗
布した。さらに10分間放置後120℃のエアーオーブンを
用いて30分間焼付けを行つた。養生を2日間行つたのち
に塗膜性能を評価した結果を表1に示す。
実施例5〜8、比較例5〜7 表2に示すハロゲン化変性エチレン系ランダム共重合
体〔C〕を表2に示す塩素化ポリプロピレン中にデイス
パーを用いて溶解分解させ、さらにトルエンを追加して
表2に示す固形分の混合液を調製した。この液を実施例
1と同様にして表2に示す基材上に塗布を行つた。尚、
塗料の焼付けは、実施例1とは異なり120℃、30分で行
つた。塗膜性能の評価結果を表2に示す。また混合液の
相溶性の評価結果も表2に示す。
〈塗膜密着性付与剤についての実施例および比較例〉 実施例9、10、比較例8 表3に示すハロゲン化変性エチレン系ランダム共重合
体〔C〕をデイスパーを用いて表2に示す塗料に所定量
混合分散し、上塗り塗料を調製した。その塗料を用い
て、表2に示す基材上にエアースプレーを用いて乾燥膜
厚が約45μとなるように塗布し、10分間放置後、120℃
のエアーオーブン中で30分間焼付けた。養生2日後に評
価した塗膜性能を表3に示す。また上塗り塗料の相溶性
を評価した結果も表3に示す。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレンと炭素原子数が3ないし20のα−
    オレフィンから構成されるエチレン系ランダム共重合体
    に炭素原子数が3ないし10の不飽和カルボン酸、その酸
    無水物およびそのエステルからなる不飽和カルボン酸誘
    導体成分がグラフト共重合した変性エチレン系ランダム
    共重合体を、更にハロゲン化することによって得られる
    ハロゲン化変性エチレン系ランダム共重合体であって、 (i)該エチレン系ランダム共重合体のエチレン成分が
    30ないし75モル%およびα−オレフィン成分が25ないし
    70モル%の範囲にあること、 (ii)該不飽和カルボン酸誘導体成分のグラフト割合が
    該液状エチレン系ランダム共重合体の100重量部に対し
    て0.2ないし50重量部の範囲にあること、 (iii)該ハロゲン化変性エチレン系ランダム共重合体
    のハロゲンの含有率は2ないし70重量%の範囲にあるこ
    と、および (iv)該ハロゲン化変性エチレン系ランダム共重合体の
    135℃のデカリン中で測定した極限粘度〔η〕が0.01な
    いし0.6dl/gの範囲にあること、 によって特徴づけられるハロゲン化変性エチレン系ラン
    ダム共重合体。
  2. 【請求項2】エチレンと炭素原子数が3ないし20のα−
    オレフィンから構成されるエチレン系ランダム共重合体
    に炭素原子数が3ないし10の不飽和カルボン酸、その酸
    無水物およびそのエステルからなる不飽和カルボン酸誘
    導体成分がグラフト共重合した変性エチレン系ランダム
    共重合体を、更にハロゲン化することによって得られる
    ハロゲン化変性エチレン系ランダム共重合体であって、 (i)該エチレン系ランダム共重合体のエチレン成分が
    30ないし75モル%およびα−オレフィン成分が25ないし
    70モル%の範囲にあること、 (ii)該不飽和カルボン酸誘導体成分のグラフト割合が
    該液状エチレン系ランダム共重合体の100重量部に対し
    て0.2ないし50重量部の範囲にあること、 (iii)該ハロゲン化変性エチレン系ランダム共重合体
    のハロゲンの含有率は2ないし70重量%の範囲にあるこ
    と、および (iv)該ハロゲン化変性エチレン系ランダム共重合体の
    135℃のデカリン中で測定した極限粘度〔η〕が0.01な
    いし0.6dl/gの範囲にあること によって特徴づけられるハロゲン化変性エチレン系ラン
    ダム共重合体からなるビヒクル。
  3. 【請求項3】エチレンと炭素原子数が3ないし20のα−
    オレフィンから構成されるエチレン系ランダム共重合体
    に炭素原子数が3ないし10の不飽和カルボン酸、その酸
    無水物およびそのエステルからなる不飽和カルボン酸誘
    導体成分がグラフト共重合した変性エチレン系ランダム
    共重合体を、更にハロゲン化することによって得られる
    ハロゲン化変性エチレン系ランダム共重合体であって、 (i)該エチレン系ランダム共重合体のエチレン成分が
    30ないし75モル%およびα−オレフィン成分が25ないし
    70モル%の範囲にあること、 (ii)該不飽和カルボン酸誘導体成分のグラフト割合が
    該液状エチレン系ランダム共重合体の100重量部に対し
    て0.2ないし50重量部の範囲にあること、 (iii)該ハロゲン化変性エチレン系ランダム共重合体
    のハロゲンの含有率は2ないし70重量%の範囲にあるこ
    と、および (iv)該ハロゲン化変性エチレン系ランダム共重合体の
    135℃のデカリン中で測定した極限粘度〔η〕が0.01な
    いし0.6dl/gの範囲にあること によって特徴づけられるハロゲン化変性エチレン系ラン
    ダム共重合体からなる塗膜密着性付与剤。
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