JP2511389Y2 - ジェット噴流式循環装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、ジェット噴流式循環
装置に係り、特に、浴槽内の毛くずや湯あか及び塵埃を
効率良く濾過することができると共に、塵埃捕集フィル
ターが目詰まりしたときにも湯の循環効率が大幅に低下
しないように構成されてなるジェット噴流式循環装置に
関する。

【０００２】

【従来技術とその課題】従来、この種のジェット噴流式
循環装置が取り付けられた浴槽としては、種々のものが
公知であるが、このような浴槽には、浴槽内の湯に浮か
ぶ毛くずや湯あか及び湯中の塵埃を濾過する濾過装置が
取り付けられている。

【０００３】しかしながら、従来の上記濾過装置は、フ
ィルターが毛くずや湯あか及び塵埃で目詰まりした場合
には、湯が循環しなくなりジェット噴流が止まってしま
う、という問題を有していた。

【０００４】この考案は、かかる現状に鑑み創案された
ものであって、その目的とするところは、湯の表面に浮
遊する毛くずや湯あかと湯水中の微細な塵埃とを別のフ
ィルターで捕集し濾過すると共に、フィルターが目詰ま
りしたときでも、ジェット噴流の噴出量が著しく低下す
る虞れがなく、構成も非常に簡単で故障が少ないジェッ
ト噴流式循環装置を提供しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための構成】上記目的を達成するた
め、この考案にあっては、浴槽の吸引口から吸引された
湯をポンプで吐出口から浴槽内へと圧送するように構成
され、上記吸引口には、比較的大きな浮遊物を捕集する
浮遊物捕集フィルターと、該浮遊物捕集フィルターの下
流に配設され上記浮遊物捕集フィルターで濾過された湯
中の微細な塵埃を捕集する塵埃捕集フィルターと、から
構成されてなる濾過装置が取り付けられてなるジェット
噴流式循環装置において、上記塵埃捕集フィルターの外
周側に間隙流路を形成し、該塵埃捕集フィルターが目詰
まりしたときに、上記浮遊物捕集フィルターで濾過され
た湯をそのまま上記吐出口へと流すように構成したこと
を特徴とするものである。

【０００６】

【作用】それ故、この考案に係るジェット噴流式循環装
置にあっては、湯水の表面に浮遊する毛くずや湯あか
は、上記浮遊物捕集フィルターへで濾過し、湯中の微細
な塵埃は、上記塵埃捕集フィルターで濾過されて再び浴
槽内へと戻される。また、上記塵埃捕集フィルターが目
詰まりしたときには、上記間隙流路内の吸引圧力が増加
するので、上記浮遊物捕集フィルターで濾過された湯
は、上記間隙流路からそのまま上記吐出口へと流れるた
め、ジェット噴流量が著しく低下することがなく、ジェ
ット噴流を楽しむ趣向が損なわれない。

【０００７】

【実施例】以下、添付図面に示す一実施例に基き、この
考案を詳細に説明する。

【０００８】図１乃至図３に示すように、この実施例に
係るジェット噴流式循環装置は、浴槽１の側壁下部に開
設された吐出口７と、浴槽１の側壁上部に開設されてな
る吸引口４に着脱自在に取り付けられてなるフィルター
装置５と、該フィルター装置５の吸引口側に取り付けら
れたカバー体６と、から構成されてなり、ポンプＰによ
ってフィルター装置５へと吸引され濾過された湯水Ｗ
は、浴槽１の側壁下部に開設された吐出口７から浴槽内
へと戻されるように連通接続されている。

【０００９】フィルター装置５は、図３からも明らかな
ように、吸引管９が接続されるホルダー１２と、このホ
ルダー１２に螺着される固定体１１と、この固定体１１
に螺着される回転蓋ホルダー１０と、この回転蓋ホルダ
ー１０の前面側開口に嵌装される蓋体１４と、から構成
されている。

【００１０】回転蓋ホルダー１０は、上記カバー体６の
下部開口に取り付けられるもので、リング状に形成され
た本体部１５と、上記本体部１５の裏面側に連設された
筒部１７と、この筒部１７の端部に形成された係止片部
１７ａと、から構成されており、該筒部１７の周面には
湯水Ｗが流れ込む開口部１９が形成されていると共に、
該筒部１７の表面には、雄螺子１８が刻設されている。

【００１１】また、上記筒部１７に形成された開口部１
９の内面側には、湯水の表面に浮遊する毛くずや湯あか
を捕集し濾過する目の荒い上記浮遊物捕集用メッシュフ
ィルターＡが配設されている。

【００１２】さらに、上記係止片部１７ａには、上記塵
埃捕集用メッシュフィルターＢが装着されたフィルター
収納体２１が係止されて、上記回転蓋ホルダー１０と一
体化された状態で上記カバー体６の下部開口に装着さ
れ、或は、取り出すことができるように連結されてい
る。尚、この係止片部１７ａとフィルター収納体２１と
の係脱は、図示はしないが、フィルター収納体２１の係
止端部を係止片部１７ａに形成された溝部に挿入した
後、該フィルター収納体２１を一定方向に回すことで係
止し、逆に回すことで上記係止状態が解除されるように
構成されている。

【００１３】固定体１１は、図３に示すように、前記吸
引口４の口径よりも大径に形成されたリング状の本体部
２０と、この本体部２０の内周面に刻設されてなる雌螺
子部２２と、上記本体部２０の裏面側に一体に突設され
た筒部２３と、から構成されている。

【００１４】この筒部２３は、断面略コ字状に形成され
ており、上記吸引口４の口径よりも小径に形成されてい
ると共に、該筒部２３の表面側には、雄螺子２４が刻設
されている。尚、図中符号２３ａは、上記筒部２３の胴
部に複数個開設された窓部である。

【００１５】このように構成されてなる固定体１１は、
その筒部２３の表面側に刻設された雄螺子２４が、前記
吸引口４の浴槽外側に取り付けられるホルダー１２（図
１及び図３参照）の端部内周面に刻設された雌螺子２５
と螺合して、上記ホルダー１２を前記吸引口４の浴槽外
側に強固に固着する。尚、図中符号Ｐは、前記吸引口４
に嵌装されたパッキングである。

【００１６】また、上記本体部２０の内周面に刻設され
てなる雌螺子部２２には、前記回転蓋ホルダー１０に刻
設された雄螺子１８が螺合する。

【００１７】塵埃捕集用メッシュフィルターＢは、上記
浮遊物捕集用メッシュフィルターＡの下流に配設され、
浮遊物捕集用メッシュフィルターＡよりも微細な塵埃を
捕集し濾過するもので、上記浮遊物捕集用メッシュフィ
ルターＡよりも微細なメッシュのフィルター材で断面略
コ字状に形成されており、上記フィルター収納体２１内
に着脱自在に装着される。

【００１８】また、上記塵埃捕集用メッシュフィルター
Ｂの外周径は、上記本体部２０の筒部２３の内周径より
も小さく形成されており、従って、塵埃捕集用メッシュ
フィルターＢと上記本体部２０の筒部２３との間、即
ち、上記塵埃捕集フィルターＢの外周側には、上記塵埃
捕集フィルターＢが目詰まりしたときに、上記浮遊物捕
集用メッシュフィルターＡで濾過された湯を、そのまま
上記吐出口７へと流す間隙流路Ｃが形成されている。

【００１９】蓋体１４は、円板状に形成された本体部１
４ａと、この本体部１４ａの表面側に突設された把持片
１４ｂと、から構成されている。

【００２０】このように吸引口４に装着されてなるフィ
ルター装置５の浴槽側に取り付けられる前記カバー体６
は、縦断面略コ字状に形成されており、その正面部６ａ
の上部には、水位表示体３０が形成されているととも
に、該水位表示体３０の下部には、前記回転蓋ホルダー
１０が嵌装される穴部３１が開設されており、かつ、上
記カバー体６の両側部６ｂには、縦に細長い開口３２が
開設されている。

【００２１】この開口３２は、その長さが、浴槽内への
人の出入り等によって変動する水位に対応する長さに形
成されている。

【００２２】また、浴槽１内の水位は、上記水位表示体
３０の近傍範囲内に設定するのが望ましい。これは、浴
槽１内の水位が上記水位表示体３０を越えて開口３２よ
りも上部に位置した場合には、濾過効果が大幅に減少さ
れるためである。

【００２３】次に、上記実施例に係る濾過装置の取り付
け手順について説明する。

【００２４】先ず、浴槽１の吸引口４の裏面側にホルダ
ー１２の端部を当接させ、次に、浴槽１の内側から固定
体１１を吸引口４内に挿入し、該固定体１１を一方向に
回転させて固定体１１の雄螺子２４をホルダー１２の雌
螺子２５と螺合させ、該固定体１１によってホルダー１
２を浴槽１の裏面側に強固に固着する。

【００２５】次に、上記固定体１１の雌螺子２２に前記
回転蓋ホルダー１０の雄螺子１８を螺合させ、回転蓋ホ
ルダー１０を固定体１１に固着する。

【００２６】このとき、上記回転蓋ホルダー１０の係止
片部１７ａには、内部に塵埃捕集用メッシュフィルター
Ｂが収納されたフィルター収納体２１が係止され連結さ
れているので、上記組立作業によってフィルター収納体
２１はホルダー１２内に挿入されセットされる。

【００２７】かかる作業が終了した後、回転蓋ホルダー
１０の開口１５ａ内に蓋体１４を嵌装する。

【００２８】このようにセットされた濾過装置では、浴
槽１内の表面付近の湯水Ｗは吸引口４から吸引される。

【００２９】そして、上記吸引口４から吸引される湯水
Ｗは、先ず、カバー体６の開口３０及び開口３２から回
転蓋ホルダー１０の開口部１９を経て上記浮遊物捕集用
メッシュフィルターＡへと流入し、上記浮遊物捕集用メ
ッシュフィルターＡでは、湯水の表面に浮遊する毛くず
や湯あか等が捕集されて濾過されたのち、この濾過され
た湯水Ｗは上記塵埃捕集用メッシュフィルターＢへと流
入し、該塵埃捕集用メッシュフィルターＢでは、上記浮
遊物捕集用メッシュフィルターＡで濾過された湯水Ｗ中
の微細な塵埃が捕集されて濾過された後、ホルダー１２
内へと流れ、ポンプＰによって吐出口７から浴槽１内へ
と再び圧送される。勿論、塵埃捕集用メッシュフィルタ
ーＢが目詰まっていないときには、上記浮遊物捕集用メ
ッシュフィルターＡで濾過された湯水Ｗの一部は、間隙
流路Ｃを流れるが、その吸引力は、塵埃捕集用メッシュ
フィルターＢと比較して僅かであり、殆どの湯水Ｗが塵
埃捕集用メッシュフィルターＢで効率的に濾過される。

【００３０】また、上記塵埃捕集用メッシュフィルター
Ｂが目詰まりしたときには、上記間隙流路Ｃ内の吸引力
が増大するので、浮遊物捕集用メッシュフィルターＡで
濾過された湯は、塵埃捕集用メッシュフィルターＢへと
流れることなく、上記間隙流路Ｃを経て吐出口７へと流
れるので、ジェット噴出量が著しく低下する心配がな
い。

【００３１】次に、上記のようにセットされた濾過装置
の上記浮遊物捕集用メッシュフィルターＡ及び塵埃捕集
用メッシュフィルターＢを交換・洗浄する場合について
説明する。

【００３２】上記浮遊物捕集用メッシュフィルターＡ及
び塵埃捕集用メッシュフィルターＢを交換する場合に
は、上記回転蓋ホルダー１０を締め付け方向とは逆の方
向へ回動することで、上記浮遊物捕集用メッシュフィル
ターＡ及び塵埃捕集用メッシュフィルターＢを、蓋体１
４及び回転蓋ホルダー１０と共に浴槽１の内側方向へと
抜き取ることができるので、浮遊物捕集用メッシュフィ
ルターＡで捕集された毛くずや湯あか及び塵埃捕集用メ
ッシュフィルターＢで濾過された塵埃を容易に洗浄し或
は交換することができる。

【００３３】尚、前記実施例では、カバー体６の両側部
に縦長の開口３２を開設した場合を例にとり説明した
が、この考案にあってはこれに限定されるものではな
く、どちらか一方のみを開設して構成してもよいこと勿
論である。

【００３４】

【考案の効果】この考案に係るジェット噴流式循環装置
は、以上説明したように構成されているので、湯水の表
面に浮遊する毛くずや湯あかは、浮遊物捕集フィルター
で捕集し、また、湯水中の微細な塵埃は塵埃捕集フィル
ターで捕集してきれいに除去することができると共に、
塵埃捕集フィルターが目詰まりしたときでも湯水の表面
に浮遊する毛くずを除去し、かつ、湯水の循環効率およ
びジェット噴出量を大幅に低下させずに湯水を円滑に循
環させることができる等、幾多の優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例に係るジェット噴流式循環
装置の取り付け状態を示す回路図である。

【図２】同浴槽の上部吸引口に取り付けられた上部フィ
ルター装置を示す一部切欠斜視図である。

【図３】同フィルター装置の構成を示す縦断面図であ
る。

【符号の説明】 １ 浴槽 ４ 吸引口 ５ フィルター装置 ６ カバー体 ７ 吐出口 Ａ 浮遊物捕集用メッシュフィルター Ｂ 塵埃捕集用メッシュフィルター Ｃ 間隙流路

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 浴槽の吸引口から吸引された湯をポンプ
   で吐出口から浴槽内へと圧送するように構成され、上記
   吸引口には、比較的大きな浮遊物を捕集する浮遊物捕集
   フィルターと、該浮遊物捕集フィルターの下流に配設さ
   れ上記浮遊物捕集フィルターで濾過された湯中の微細な
   塵埃を捕集する塵埃捕集フィルターと、から構成されて
   なる濾過装置が取り付けられてなるジェット噴流式循環
   装置において、上記塵埃捕集フィルターの外周側に間隙
   流路を形成し、該塵埃捕集フィルターが目詰まりしたと
   きに、上記浮遊物捕集フィルターで濾過された湯をその
   まま上記吐出口へと流すように構成したことを特徴とす
   るジェット噴流式循環装置。