JP2505111Y2 - 浴槽の濾過装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、浴槽の濾過装置に係り、特に、所謂バブ
ラーのような循環装置が取り付けられた浴槽内の毛くず
や湯あかを効率良く濾過することができる浴槽の濾過装
置に関する。

〔従来技術とその課題〕 従来、浴槽内の湯水を汚れの少ない状態に維持するた
めには、浴槽内の湯水をオーバーフローさせて湯水の表
面に浮遊する毛くずや湯あかを浴槽外へと流し出すか、
或は、循環装置を取り付けた浴槽の下部に開設された吸
引口に濾過装置を取り付けて浴槽内の湯水を濾過してい
るのが現状である。

しかしながら、上記浴槽内の湯水をオーバーフローさ
せて汚れの少ない状態とする方法にあっては、大量の湯
水を無駄に消費するため不経済である他、浴槽の底部付
近に浮遊する毛くずや湯あかを取り除くことが難しい、
という問題を有していた。

また、上記従来の浴槽の下部に開設された吸引口に濾
過装置を取り付けて浴槽内の湯水を濾過する方法にあっ
ては、浴槽の底部付近に浮遊する毛くずや湯あかを除去
することはできても、湯水の表面に浮遊する毛くずや湯
あかを除去することが難しい、という問題を有してい
た。

この考案は、かかる現状に鑑み創案されたものであっ
て、その目的とするところは、浴槽の底部付近に浮遊す
る毛くずや湯あかは勿論、湯水の表面に浮遊する毛くず
や湯あかをもきれいに除去することができ、しかも、開
口に髪が吸い込まれる虞れもない安全な浴槽の濾過装置
を提供しようとするものである。

〔課題を解決するための構成〕

上記目的を達成するため、この考案に係る浴槽の濾過
装置にあっては、浴槽の上方部と下方部に夫々開設さ
れ、ポンプを介して循環水の吐出口に連通する吸引管
と、この吸引管の上方部吸引口に取り付けられてなるカ
バー体と、吸引された循環水を濾過するフィルター装置
と、を有して構成されてなり、上記カバー体には、変動
する水位に対応する長さを有する縦長のスリットが開設
されていることを特徴とするものである。

〔作用〕

それ故、この考案に係る浴槽の濾過装置にあっては、
浴槽の底部付近に浮遊する毛くずや湯あかは、前記浴槽
の開口に装着されたフィルター装置で濾過して浴槽内へ
と戻し、また、湯水の表面に浮遊する毛くずや湯あか
は、上記カバー体のスリットからフィルター装置へと流
入されて、該フィルター装置で濾過された後、この濾過
された湯は再び浴槽内へと戻される。このとき、上記カ
バー体には、縦長のスリットが開設されているので、髪
が誤って上記開口に吸い込まれる虞れがない。

〔実施例〕

以下、添付図面に示す一実施例に基き、この考案を詳
細に説明する。

第１図乃至第４図に示すように、この実施例に係る浴
槽の濾過装置は、浴槽１の側壁下部に開設された開口２
に着脱自在に取り付けられてなるフィルター装置３と、
浴槽１の側壁上部に開設された開口４に着脱自在に取り
付けられてなるフィルター装置５と、該フィルター装置
５の吸引口側に取り付けられたカバー体６と、から構成
されてなり、ポンプＰによって各フィルター装置3,5へ
と吸引され濾過された湯水Ｗは、浴槽１の側壁下部に開
設された吐出口７から浴槽内へと戻されるように連通接
続されている。

フィルター装置３は、従来の濾過装置と同様、上記開
口２に連通接続された吸引管８内にフィルター（図示せ
ず）が着脱自在に装着されて構成されている。

また、上記フィルター装置５は、第３図と第４図から
明らかなように、上記カバー体６の下部開口に取り付け
られる回転蓋ホルダー10と、この回転蓋ホルダー10を回
転自在に保持する固定体11と、湯水Ｗを濾過するフィル
ター12と、このフィルター12が嵌装される網カゴホルダ
ー13と、上記回転蓋ホルダー10の前面側開口に嵌装され
る蓋体14と、から構成されている。

回転蓋ホルダー10は、リング状に形成された本体部15
と、上記本体部15の裏面側に連設された筒部17と、から
構成されており、該筒部17には、湯水Ｗが流れ込む開口
部19が形成されていると共に、該筒部17の表面には、雄
螺子18が刻設されている。尚、図中符号15bは、上記本
体部15の表面側に突設された指係止突起である。

固定体11は、第３図に示すように、前記開口４の口径
よりも大径に形成されたリング状の本体部20と、この本
体部20の内周面に刻設されてなる雌螺子部22と、上記本
体部20の裏面側に一体に突設された筒部23と、から構成
されている。

この筒部23は、上記開口４の口径よりも小径に形成さ
れていると共に、該筒部23の表面側には、雄螺子24が刻
設されている。

このように構成されてなる固定体11は、その筒部23の
表面側に刻設された雄螺子24が、前記開口４の浴槽外側
に取り付けられる吸引管９（第１図及び第３図参照）の
端部内周面に刻設された雌螺子25と螺合して、上記吸引
管９を前記開口４の浴槽外側に強固に固着する。尚、図
中符号9aは、上記吸引管９の内部に突設されたストッパ
ーを示しており、該ストッパー9aは、前記網カゴホルダ
ー13の底部13aを支承するように構成されている。

また、上記本体部20の内周面に刻設されてなる雌螺子
部22には、前記回転蓋ホルダー10に刻設された雄螺子18
が螺合する。

フィルター12は、公知のフィルター材で有底円筒状に
形成されており、上記網カゴホルダー13内に収納される
外径を有して形成されている。

網カゴホルダー13は、公知の金網材等で有底円筒状に
形成されており、該網カゴホルダー13の口径は、前記回
転蓋ホルダー10の筒部17の内径と略同一となるように形
成されている。

蓋体14は、円板状に形成された本体部14aと、この本
体部14aの表面側に突設された把持片14bと、上記本体部
15の裏面側下半部に連設された略Ｕ字状の開閉片部14c
（第３図参照）と、から構成されており、該蓋体14を回
転蓋ホルダー10の開口15aに装着し回転操作すること
で、上記開閉片部14cが回転蓋ホルダー10の前記開口部1
9を開閉するように構成されている。

このように開口４に装着されたフィルター装置５の浴
槽側に取り付けられる前記カバー体６は、縦断面略コ字
状に形成されており、その正面部6aには、２条の縦に細
長いスリット30,30が穿設されていると共に、該スリッ
ト30,30の下部には、前記回転蓋ホルダー10が嵌装され
る穴部31が開設されており、かつ、上記カバー体６の両
側部6bにも、縦に細長いコ字のスリット32,32が開設さ
れている。

このスリット30,30及びスリット32,32は、その長さ
が、浴槽内への人の出入り等によって変動する水位に対
応する長さに形成されている。

次に、上記のように構成されてなる濾過装置の取り付
け手順について説明する。

先ず、浴槽１の開口４の裏面側に吸引管９の端部を当
接させ、次に、浴槽１の内側から固定体11を開口４内に
挿入し、該固定体11を一方向に回転させて固定体11の雄
螺子24を吸引管９の雌螺子25と螺合させ、該固定体11に
よって吸引管９を浴槽１の裏面側に強固に固着する。

次に、上記固定体11の雌螺子22に前記回転蓋ホルダー
10の雄螺子18を螺合させ、回転蓋ホルダー10を固定体11
に固着する。

このようにして回転蓋ホルダー10を固定体11に固着し
た後、次に、該回転蓋ホルダー10内に、内部にフィルタ
ー12が嵌装された網カゴホルダー13を挿入して押し込
み、該フィルター12と網カゴホルダー13とを吸引管９内
にセットする。

かかる作業が終了した後、回転蓋ホルダー10の開口15
a内に蓋体14を嵌装する。

このとき、蓋体14の開閉片部14cは、上記回転蓋ホル
ダー10の開口部19が『開』状態となる位置にセットされ
る。

このようにセットされた濾過装置では、浴槽１内の底
部付近の湯水Ｗは、ポンプＰの吸引作用によって開口２
から吸引され、同時に、表面付近の湯水Ｗは開口４から
吸引される。

そして、上記開口４から吸引される湯水Ｗは、先ず、
カバー体６のスリット30及びスリット32から回転蓋ホル
ダー10の開口部19を経てフィルター12で濾過された後、
網カゴホルダー13を経て吸引管９内へと流れ、途中でフ
ィルター装置３で濾過され吸引管８内を流れる湯水Ｗと
合流した後、ポンプＰによって吐出口７から浴槽１内へ
と圧送される。

次に、上記のようにセットされた濾過装置のフィルタ
ー12を、風呂に入ったままで交換・洗浄する場合につい
て説明する。

上記フィルター12を交換する場合には、上記蓋体14を
回動して、該蓋体14の開閉片部14cが上記回転蓋ホルダ
ー10の開口部19を閉じる位置にセットし、次に、回転蓋
ホルダー10を締め付け方向とは逆の方向へ回動すること
で、上記フィルター12及び網カゴホルダー13を、蓋体14
及び回転蓋ホルダー10と共に浴槽１の内側方向へと抜き
取ることができるので、フィルター12内の毛くずや湯あ
かを湯水に拡散させることなく交換することができる。

尚、前記実施例では、カバー体６に縦長のスリット3
0,30及びスリット32,32を開設した場合を例にとり説明
したが、この考案にあってはこれに限定されるものでは
なく、どちらか一方のみを開設して構成してもよいこと
勿論である。

〔考案の効果〕

この考案に係る浴槽の濾過装置は、以上説明したよう
に、浴槽の上方部と下方部の２か所に浴槽内の湯水を吸
引する吸引口を開設し、両吸引口から吸引された湯水を
濾過装置で濾過するように構成したので、浴槽の底部付
近に浮遊する毛くずや湯あかは勿論、湯水の表面に浮遊
する毛くずや湯あかをも効率良くきれいに除去すること
ができ、また、カバー体には、スリットを形成したの
で、湯水に浮遊する髪が誤って上記開口に直接吸い込ま
れる、という事故も確実に防止することができるので安
全性が高い等、幾多の優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例に係る濾過装置の構成を示
す回路図、第２図は浴槽上部の開口に取り付けられたフ
ィルター装置を示す一部切欠斜視図、第３図は同フィル
ター装置の構成を示す縦断面図、第４図は蓋体とホルダ
ー及びフィルターの構成を示す分解斜視図である。 〔符号の説明〕 １……浴槽、２……下部開口、３……下部フィルター装
置、４……上部開口、５……上部フィルター装置、６…
…カバー体、12……フィルター、30,32……スリット、
Ｐ……ポンプ、Ｗ……湯水

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】浴槽の上方部と下方部に夫々開設され、ポ
   ンプを介して循環水の吐出口に連通する吸引管と、この
   吸引管の上方部吸引口に取り付けられてなるカバー体
   と、吸引された循環水を濾過するフィルター装置と、を
   有して構成されてなり、上記カバー体には、変動する水
   位に対応する長さを有する縦長のスリットが開設されて
   いることを特徴とする浴槽の濾過装置。