JP2511355Y2 - 遮断器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、遮断器ケースに対して消弧ユニットが着
脱自在に装着されている遮断器に関するものである。

〔従来の技術〕

従来のこの種の遮断器を第４図〜第６図について説明
する。第４図は要部縦断側面図、第５図は第４図の消弧
ユニット部分の詳細図、第６図は第５図の消弧ユニット
を示す斜視図である。第４図において、（１）は遮断器
ケースで、モールドベース（1A）とモールドカバー（1
B）とで構成されている。（２）はモールドベース（1
A）の開口部（1a）に着脱自在に装着した消弧ユニッ
ト、（３），（４）は通電部の一部を構成する一対の導
体、（５）は一方の導体（３）に固着された固定接点、
（６）は固定接点（５）に接離される可動接点、（７）
は可動接点（６）を固着した可動子、（８）は可動子
（７）の端部を他方の導体（４）に接続するためのシャ
ント、（９）は可動子（７）を保持するコンタクトアー
ムで、ピン（10）により絶縁リンク（11）を介して接点
開閉機構（図示せず）に連結されている。（12）は接圧
ばねである。

遮断器の開閉動作は接点開閉機構からピン（10）に伝
達され、コンタクトアーム（９）および可動子（７）が
動作されて両接点（５），（６）が開閉する。その際の
接点間アークガスは消弧ユニット（２）により消弧され
る。なお、遮断器の開閉動作および構成は、例えば特願
平1-341441号に記載されているものと同じものである。

次に、第５図および第６図において、（13）は消弧ユ
ニット（２）を構成する消弧室で、両側板（13a）とこ
の両側板（13a）間にかしめにより複数配置されるグリ
ッド（13b）とで構成されている。（14）は消弧室（1
3）の排気側に設けた排気板で、排気口（14a）を有して
いる。（15）は排気板（14）に設けたスライド溝で、両
側板（13a）の端縁がそれぞれ摺動自在に嵌合される。
（16）は両側板（13a）にそれぞれ設けたガイド孔、（1
7）は排気板（14）にそれぞれ設けたガイド突起で、ガ
イド孔（16）に摺動自在にそれぞれ嵌合される。（18）
は排気板（14）をモールドベース（1A）に取付けるため
の取付ねじで、モールドベース（1A）のナット収納凹部
（19）に挿入したナット（20）に螺合される。

第６図に示すように消弧ユニット（２）を組み立てる
と、排気板（14）は両側板（13a）の端縁に沿ってガイ
ド孔（16）の長さ分移動可能となる。そして、この消弧
ユニット（２）を開口部（1a）からモールドベース（1
A）に挿入し、排気板（14）を移動させてその前端縁（1
4b）を開口部（1a）の縁に係合させた状態で、取付ねじ
（18）を締付けると、第５図に示すように消弧ユニット
（２）をモールドベース（1A）に固定できる。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記のような従来の遮断器では、消弧ユニット（２）
を組み立てるとき、各グリッド（13b）を両側板（13a）
間にかしめにより取付けた後、この消弧室（13）の排気
側を押し開いて排気板（14）のガイド突起（17）をガイ
ド孔（16）に嵌め込むと両側板（13a）の端縁がスライ
ド溝（15）内に嵌まらないので、排気板（14）を両側板
（13a）に嵌め合わせた状態で、各グリッド（13b）を両
側板（13a）に順次かしめなければならず、かしめ作業
性が悪く、消弧ユニット（２）の組立作業性が低下する
という問題点があった。

この考案はかかる問題点を解消するためになされたも
ので、各グリッドを両側板間にかしめにより取付けて消
弧室を組み立てた後でこれに排気板を嵌合でき、消弧ユ
ニットの組立作業性の向上が図れる遮断器を得ることを
目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、この考案に係る遮断器
は、スライド溝を排気板の全長の一部に設け、この一部
スライド溝が通る長さの切欠き部を側板の端縁に設け、
一部スライド溝を切欠き部から通して排気板を消弧室に
嵌めるようにしたものである。

〔作用〕

この考案においては、一部スライド溝を切欠き部から
通して排気板を消弧室に嵌めることができるので、グリ
ッドを側板にかしめて消弧室を予め組み立てておくこと
ができる。

〔実施例〕

この考案の一実施例を第１図〜第３図について説明す
る。第１図は消弧ユニットの斜視図、第２図は排気板を
消弧室に嵌める状態を示す斜視図、第３図は排気板を消
弧室に嵌める前の状態を示す斜視図であり、前記従来の
ものと同一または相当部分には同一符号を付して説明を
省略する。図において、（21）は排気板（14）の全長の
一部に設けた一部スライド溝で、排気板（14）の両側に
それぞれ前後２個ずつ設けた突片（21a），（21b）によ
り形成されている。（22）は両側板（13a）の各端縁前
方寄りにそれぞれ設けた切欠き部で、突片（21a）が通
る大きさを有している。

消弧室（13）を第３図に示すように各グリッド（13
b）を両側板（13a）にかしめることにより組み立て、こ
の消弧室（13）を排気板（14）に嵌めるとき、第３図に
示すように切欠き部（22）を突片（21a）に合わせた位
置で、両側板（13a）を少し押し開いて嵌め込むと、第
２図に示すようにガイド突起（17）がガイド孔（16）に
嵌まり込んだ状態で排気板（14）が消弧室（13）に嵌合
される。この第２図に示す状態から排気板（14）を前方
（右方）にスライドさせると、各一部スライド溝（21）
内に両側板（13a）の端縁が第１図に示すように係合す
る。この第１図の状態では図示しないが、第５図と同様
に、排気板（14）の前端縁（14b）が開口部（1a）の縁
に係合し、取付ねじ（18）で締め付けて固定できる状態
にある。

上記実施例において、消弧ユニット（２）の片側を従
来と同様にスライド溝（15）としても良い。

〔考案の効果〕

以上のように、この考案によれば各グリッドを両側板
間にかしめにより取付けて消弧室を組立てた後でこれに
排気板を嵌合できるので消弧ユニットの組立作業性の向
上が図れるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す消弧ユニットの斜視
図、第２図は排気板を消弧室に嵌める状態を示す斜視
図、第３図は排気板を消弧室に嵌める前の状態を示す斜
視図、第４図は従来のものを示す要部縦断面図、第５図
は第４図の消弧ユニット部分の詳細図、第６図は第５図
の消弧ユニットを示す斜視図である。 図において、（１）は遮断器ケース、（２）は消弧ユニ
ット、（13）は消弧室、（13a）は側板、（13b）はグリ
ッド、（14）は排気板、（16）はガイド孔、（17）はガ
イド突起、（21）は一部スライド溝、（22）は切欠き部
を示す。 なお、各図中同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】遮断器ケースに対して消弧ユニットが着脱
   自在に装着されている遮断器であって、 前記消弧ユニットが、側板とグリッドとで構成される消
   弧室と、この消弧室の排気側に設けられる排気板とから
   なり、かつ前記側板の端縁に前記排気板のスライド溝を
   係合させて前記排気板を前記消弧室の排気側でスライド
   させることにより前記消弧ユニットを前記遮断器ケース
   に着脱させるようにしたものにおいて、 前記スライド溝を前記排気板の全長の一部に設け、この
   一部スライド溝が通る長さの切欠き部を前記側板の端縁
   に設け、 前記一部スライド溝を前記切欠き部から通して前記排気
   板を前記消弧室に嵌めた後、前記排気板をスライドさせ
   て前記一部スライド溝に前記側板の端縁を係合させた状
   態でかつそのスライドの停止位置で前記排気板の前縁端
   を前記遮断器ケースの開口部に係合させて前記消弧ユニ
   ットを前記遮断器ケースに取付けるようにしたことを特
   徴とする遮断器。