JP2511286Y2 - 包装容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、商品に取り付ける商品
カードを商品収納容器の外表面に貼付けた包装容器に関
する。

【０００２】

【従来の技術】例えば、運動靴などの履物の分野では、
近年、生産者側から販売業者側へのサービスとして、商
品である運動靴を入れるカートン、すなわち紙製の箱形
包装容器に、運動靴の店頭陳列時の商品名、サイズ、カ
ラーおよび価格などを印刷した商品カードを、プラスチ
ック製のタッグピンなどを介して装着したり、あるいは
貼着したりして、その内部に入っている運動靴の種類を
表示することが行われている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】ところが、商品カード
を例えばタッグピンによって包装容器に取り付けるに
は、商品カードの孔にタッグアタッチャー先端の中空針
を通したのち、該中空針の先端を包装容器に突き刺した
状態でタッグアタッチャーの引き金を引いてタッグピン
を打ち出さなければないために手間がかかり、コスト負
担増となった。また、包装容器にタッグピンなどを介し
て取り付けられた商品カードは、当該包装容器を払い出
す時に商品カードどうしが絡み合ったりするため、１払
出しラインに１名の作業者が必要であり、払出し能率も
低下するという問題があった。また、商品カードを包装
容器に貼着した場合には、この商品カードを容易に包装
容器から剥がすことができないため、ハサミなどで切り
取り、店頭において運動靴自体にタッグピン、ヒモ、
糸、ゴム糸（ゴム輪）などで付着させる必要があった。

【０００４】本考案は、このような問題を克服するため
になされたものであり、その目的は、商品カードを包装
容器に取り付ける装着作業の手間をできるだけ省いてコ
スト低減を図るとともに、払出し作業の向上を図ること
ができ、さらには店頭において容易に商品に商品カード
を付着させることができる包装容器を提供することにあ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案は、商品収納用の
容器の外表面に、ベースフィルムを残して剥離可能であ
り、かつ剥離した際の裏面が粘着性を有さないフィルム
層である多層構造の商品カードであって、タッグ装着用
の小孔を有するタッグ用商品カードを貼着したことを特
徴とする包装容器を提供するものである。

【０００６】

【作用】このように商品を収納する容器の外表面にベー
スフィルムを残して剥離可能な多層構造の商品カードを
貼着することにより、商品カードを商品収納用容器の外
表面に取り付ける装着作業が容易に行えるようになり、
コストを低減できるとともに、払出し作業中に容器に貼
着させた商品カードどうしの絡み合いもないため、１払
出しラインに１名の作業者をつける必要もなく、払出し
作業の能率も向上する。また、ベースフィルムを残して
剥離可能であり、タッグ装着用の小孔を有するタッグ用
商品カードを用いたことから、店頭において容易に包装
容器からタッグ用商品カードを剥がし、商品にタッグ装
着することができる。

【０００７】

【実施例】以下、図面により本考案の実施例を説明す
る。なお、この実施例では、運動靴を収納した容器を例
にとる。図１において、１０は、運動靴を収納した紙製
の箱形容器であり、その外表面には、タッグ装着用の小
孔が設けられた商品カード２０が貼着されている。この
商品カード２０の印刷スペース３０には、流通過程や販
売過程で必要な商品名、サイズ、カラーおよび価格など
が印刷されている。

【０００８】この商品カード２０は、図示しない離型紙
に貼着された該商品カードを、例えば図示しない貼着機
によって容器１０の外表面１１に簡単に貼着できるた
め、商品カード貼着作業におけるコスト低減が図れる。
さらに、商品の払出し作業時に、容器１０に貼着した商
品カード２０どうしの絡み合いもないので、一般の商品
払出しと同様の払出しが可能になり、払出し作業の能率
向上が図れ、また容易に包装容器から商品カードを剥が
し、タッグ装着用の小孔においてタッグピン、ヒモ、
糸、ゴム糸（ゴム輪）などを用いて商品に付着させるこ
とができる。

【０００９】この商品カード２０は、図２に示すよう
に、台紙２１の裏側にコーティングされたコーティング
フィルム２２と、このコーティングフィルム２２の裏側
に密着されたベースフィルム２３と、このべースフィル
ム２３の裏側に塗布された接着剤層２４とから形成され
ており、台紙２１とコーティングフィルム２２とから形
成された商品カード２０ａは、容器の外表面１１にベー
スフィルム２３を残して剥離可能になっている。

【００１０】ここで、コーティングフィルム２２、ある
いはベースフィルム２３としては、ポリエチレンフィル
ム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、
ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリ塩化ビニルフィル
ム、ポリカーボネートフィルムなどから適宜選択して使
用される。また、接着剤層２４としては、いわゆる粘着
剤が使用され、この粘着剤の種類としては、例えば、伊
保内 賢、小松 公栄、北崎 寧昭著、「粘着剤活用ノ
ート」、１９８９年８月１０日初版発行、工業調査会刊
に詳述されているものが挙げられる。さらに、コーティ
ングフィルム２２とベースフィルム２３との密着性を上
げるためには、コーティングフィルム２２および／また
はベースフィルム２３中に、オイル、粘着剤、可塑剤な
どをブレンドしたり、あるいはコーティングフィルム２
２とベースフィルム２３の間に、接着剤層２４よりも接
着力の弱い粘着剤を選択して配置してもよい。例えば、
粘着付与剤（テルペンフェノールなどのテルペン変性
体、アルキルフェノールなどの変性フェノール、グリセ
リンエステルロジンなどのロジンおよび変性ロジン誘導
体）などを配置してもよい。

【００１１】そこで、小売業者や販売業者は、店頭陳列
時に、容器の外表面１１に貼着されている多層構造の商
品カード２０から透明なベースフィルム２３を容器の外
表面１１に残して台紙２１とコーティングフィルム２２
が一体化している商品カード２０ａを剥離し、この商品
カード２０ａを、図４に示すように、容器１０から取り
出した運動靴４０にタッグピン５０などを介して小孔を
利用して取り付ける。このとき、容器の外表面１１に残
されたベースフィルム２３は、図３に示すように透明で
あるから容器１０の表面１１に印刷された図柄１２を覆
い隠すことがない。

【００１２】上記のように、商品を収納する容器１０の
外表面１１にベースフィルム２３を残して剥離可能な多
層構造の商品カード２０を貼着したから、商品カード２
０を容器１０の外表面１１に取り付ける装着作業が容易
に行えるようになり、コストを低減できる。さらに、払
出し作業中に容器１０に貼着させた商品カード２０どう
しの絡み合いもないため、１払出しラインに１名の作業
者をつける必要もなく、払出し作業の能率も向上する。
また、ベースフィルム２３を残して剥離可能であり、タ
ッグ装着用の小孔を有する商品カード２０を用いたこと
から、店頭において容易に包装容器から商品カードを剥
がし、タッグ装着用の小孔においてタッグピンなどを用
いて商品に付着させることができる。

【００１３】以上で本考案の実施例を説明したが、本考
案は、この実施例に限定されることはなく、その要旨を
逸脱しない範囲での変更などがあっても本考案に含まれ
るものである。

【００１４】すなわち、この商品カード付き包装容器
は、運動靴以外の商品の包装容器として広く適用でき
る。

【００１５】

【作用】上記のように、本考案は、商品を収納する容器
の外表面にベースフィルムを残して剥離可能な多層構造
の商品カードを貼着したので、商品カードを容器の外表
面に取り付ける装着作業が容易に行えるようになり、コ
ストを低減できる。さらに、払出し作業中に容器に貼着
させた商品カードどうしの絡み合いもないため、１払出
しラインに１名の作業者をつける必要もなく、払出し作
業の能率も向上する。また、ベースフィルムを残して剥
離可能であり、かつタッグ装着用の小孔を有するタッグ
用商品カードを用いたことから、店頭において容易に包
装容器から商品カードを剥がし、商品にタッグ装着する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る包装容器の斜視図である。

【図２】図１のII−II断面図である。

【図３】ベースフィルムが残った状態の包装容器の要部
正面図である。

【図４】包装容器から剥離した商品カードをタッグピン
によって装着した靴の斜視図である。

【符号の説明】

１０ 容器 １１ 外表面 ２０ 剥離可能な多層構造の商品カード ２３ ベースフィルム

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 商品収納用の容器の外表面に、ベースフ
   ィルムを残して剥離可能であり、かつ剥離した際の裏面
   が粘着性を有さないコーティングフィルムである多層構
   造の商品カードであって、タッグ装着用の小仔を有する
   タッグ用商品カードを貼着したことを特徴とする包装容
   器。