JP2511248Y2 - 噴射器の噴射釦 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、清掃用や塗装用等の噴射器に適用し得
る。より詳しくは、そのような噴射器において、容器の
ステムに取り付け、ステムの出口から出る内容物を噴射
口を通して噴射する噴射釦に関する。

従来の技術 従来、この種の噴射釦は、容器のステムに取り付ける
釦本体に噴射口部材を取り付けて構成し、その噴射口か
ら噴射する噴射パターンが一つであった。

考案が解決しようとする課題 したがって、たとえば噴射口から広角で拡散して噴射
する拡散噴射から非拡散噴射へと噴射パターンを変更す
るには、噴射釦自体を取り替える面倒があった。

そこで、この考案の目的は、一つの噴射釦で拡散噴射
と非拡散噴射との双方を行い、噴射パターンを変更する
際に、噴射釦自体を取り替える面倒を解消することにあ
る。

課題を解決するための手段 上記目的を達成するために、この考案は、容器のステ
ムに取り付け、そのステムの出口に一方を連通する連通
穴とカム面とを備える固定部材と、前記固定部材に回動
自在に取り付け、一方を前記軸穴に連通し、他方を外周
に開口する連通路を備える回動部材と、前記回動部材の
連通路内に隙間を設けて収納し、前記カム面に係合する
係合部を有し、前記回動部材の回動により第１位置と第
２位置とに移動自在の閉止部材と、前記連通通路内に収
納し、前記閉止部材を第１位置に付勢する付勢部材と、
前記連通通路の開口に取り付け、噴射口を有し、前記、
閉止部材が第１位置にあるときその閉止端が押し当り、
第２位置にあるときその閉止端が離れる内部端面を備
え、かつその内部端面に外周へ延びる流入溝を有する噴
射口部材と、からなることを特徴とする。

作用 そして、拡散噴射をするときは、閉止部材が第１位置
にあるとき噴射釦を押し下げると、ステムの出口から噴
出する内容物が連通穴、連通路の隙間、流入溝および噴
射口を通って拡散噴射する。

非拡散噴射をするときは、回動部材を回転すると、カ
ム面に沿って係合部がまわり、閉止部材を第２位置へ移
動する。噴射釦を押し下げると、ステムの出口から噴出
する内容物が連通穴、連通路および噴射口を通って非拡
散噴射する。

実施例 以下、図面を参照しつつ、この考案の実施例について
説明する。第１図は、この考案による噴射釦の縦断面図
で、容器に装着した状態を示す。噴射釦１は、上部に回
動部材２を設ける。該回動部材２は、内部に連通路３を
横向きに設け、その一端を外周に開口する。前記連通路
３の開口に噴射口部材４を設ける。前記噴射口部材４
は、一端に噴射口4aを開口するとともに内部端面に流入
溝4bを複数設ける。その流入溝4bは、第２図に示すよう
に一端4cを前記噴射口4aにそれぞれ接続し、他端4dをそ
の噴射口4aを中心とする半径方向にそれぞれ延ばす。ま
た前記連通路３内には、閉止部材５を収納する。閉止部
材５は、細長棒状で外周に隙間4cを形成し、一端に閉止
端5aを設ける。前記閉止端5aと反対側の閉止部材５の他
端に環状の係合部5bを設ける。前記係合部5bに圧縮コイ
ルばね（付勢部材）６の一端を押し当て、他端を連通路
３の奥内部に押し当てる。該付勢部材６により閉止部材
５を第１位置へ付勢してその閉止端5aを前記噴射口部材
４の内部端面に押し当てる。この第１位置では、前記連
通路３と噴射口4aとを前記流入溝4bを介して連通する。
前記連通路３に軸穴７の一端を連通する。その軸穴７
は、前記回動部材２を貫通して下側に開口する。前記軸
穴７に固定部材８の軸部8aを嵌合し、該軸部8aのまわり
に前記回動部材２を回動自在に設ける。前記軸部8aは、
上端部外周に少し偏心してカム面8bを設け、そのカム面
8bに前記閉止部材５の係合部5bを係合する。前記固定部
材８は、前記軸部8aの下側に連結部8cを設けるととも
に、それら軸部8aおよび連結部8cの中心を貫通して連通
穴8dを設ける。前記連通穴8dの一端8gを前記連通路３に
連通し、他端8eにステム10を連結して固定可能とする。
尚、図中符号11はリング状の回り止め部材で、容器12に
嵌めつけて固着し、溝11aに前記固定部材８の凸部8fを
はめ合わせて該固定部材８の回り止めを行う。前記容器
12は、エアゾール容器で、図示しない容器内部に液室を
設け、その液室の出口に噴出バルブを設けるとともに、
液室内にたとえば洗浄剤と噴射剤とを一緒に収納する。
前記噴出バルブにそれを開閉操作可能に前記ステム10を
接続する。

しかして、第１図において噴射釦１を押し下げると、
ステム10が下動し、噴出バルブを開く。すると容器12内
の内容物がステム10および連通穴8dを通って連通路３へ
流れ、さらに流入溝4bを通ることにより回転力を生じて
噴射口4aから拡散噴射する。拡散噴射パターンから非拡
散噴射パターンへ切り替えるには、回動部材２を固定部
材８に対して回転する。すると、前記閉止部材５の係合
部5bがカム面8bに沿って移動する。その結果、第３図に
示すように閉止部材５が付勢部材６に抗して第２位置へ
と移動し、閉止端5aが噴射口部材４の内部端面から離れ
る。そして、噴射釦１を押し下げると、ステム10の出口
から噴出する内容物が連通路３を通って噴射口4aに直接
流入し、直線的に噴射する。さらに、回動部材２を回転
すると、閉止部材５の係合部5bがカム面8bに沿って移動
し、付勢部材６の付勢力に基づいて閉止部材５が第１図
に示すように第１位置へと移動する。

考案の効果 以上のことから、この考案に係る噴射器の噴射釦によ
れば、回動部材を回転することにより閉止部材が第１位
置と第２位置の間を往復移動して噴射パターンを変更す
るので、１つの噴射釦でたとえば拡散噴射と非拡散噴射
を容易に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は容器に装着したこの考案による噴射釦の断面
図、第２図はその一部の断面図、第３図は噴射パターン
を変更したときの噴射釦の断面図である。 １……噴射釦 ２……回動部材 ３……連通路 ４……噴射口部材 ５……閉止部材 ６……付勢部材 ８……固定部材 8a……軸部 8b……カム面 8d……連通穴 10……ステム 12……容器

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】容器のステムに取り付け、そのステムの出
   口に一方を連通する連通穴とカム面とを備える固定部材
   と、 前記固定部材に回動自在に取り付け、一方を前記軸穴に
   連通し、他方を外周に開口する連通路を備える回動部材
   と、 前記回動部材の連通路内に隙間を設けて収納し、前記カ
   ム面に係合する係合部を有し、前記回動部材の回動によ
   り第１位置と第２位置とに移動自在の閉止部材と、 前記連通路内に収納し、前記閉止部材を第１位置に付勢
   する付勢部材と、 前記連通路の開口に取り付け、噴射口を有し、前記閉止
   部材が第１位置にあるときその閉止端が押し当り、第２
   位置にあるときその閉止端が離れる内部端面を備え、か
   つその内部端面に外周へ延びる流入溝を有する噴射口部
   材と、 からなる噴射器の噴射釦。