JP2510918B2 - 常温で安定な水中油型乳化油脂組成物 - Google Patents

常温で安定な水中油型乳化油脂組成物

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JP2510918B2
JP2510918B2 JP3355678A JP35567891A JP2510918B2 JP 2510918 B2 JP2510918 B2 JP 2510918B2 JP 3355678 A JP3355678 A JP 3355678A JP 35567891 A JP35567891 A JP 35567891A JP 2510918 B2 JP2510918 B2 JP 2510918B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、常温での保存中や流通
段階における脂肪浮上やホエーオフ(乳漿分離)を起こ
すことがない安定な水中油型乳化油脂組成物に関し、こ
の水中油型乳化油脂組成物は、コーヒーや紅茶等に添加
して飲用に供することができる。
【0002】
【従来の技術】コーヒーや紅茶等に添加して飲用に供さ
れる常温で安定な水中油型乳化油脂組成物、いわゆるコ
ーヒークリームは各種上市されているが、保存中や流通
段階での低温乃至常温の温度変化に対して脂肪浮上ある
いは乳漿分離を起こさないことや固化・可塑化を起こさ
ないことが求められる。また、コーヒーや紅茶に供した
際にフェザリングや油分離がないことが求められるた
め、その課題解決のためいろいろ研究されている。例え
ば、配合組成上の観点から乳化剤や安定剤の使用方法
が、また、物理手段的な観点からはエマルション中の脂
肪粒子径を小さくして安定性の向上を図る研究がなされ
ている。
【0003】前者の例として、特開昭62-95133号公報に
は、40重量%以下の油脂を含有する滅菌した水中油型エ
マルションの製造方法において、乳化剤として最終製品
の少なくとも 0.1重量%のレシチンおよび最終製品の少
なくとも 0.1重量%のコハク酸モノグリセリドを使用す
る常温で安定な水中油型エマルションの製造方法が開示
されている。また、後者の例として特公昭61-20258号公
報には、油脂6〜35重量%、無脂乳固形分および/また
はカゼイン0.5 〜10重量%、乳化剤 0.2〜2.0重量%、
微結晶セルロース0.05〜0.4 重量%及び糖 0.5〜10重量
%と水とを含む水中油型エマルションであって、水相中
に分散している脂肪粒子の40重量%以上が 0.4μm 以下
の粒子径を有する常温においても品質劣化を生ずること
のないコーヒークリーム等が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、常温保存や
常温流通に適する水中油型乳化油脂組成物は冷蔵保存や
冷蔵流通とは異なり、低温乃至常温の温度変化を受けた
場合、経時的に脂肪浮上やホエーオフ(乳漿分離)また
コーヒーに添加した時、フェザリング現象や油分離(オ
イルオフ)を起こし易いという問題があった。このた
め、上記したように乳化剤や安定剤の組合せ、または脂
肪粒子の微細化処理等の方法で処理してきたが、まだ完
全に満足できるものが得られていなかった。
【0005】即ち、本発明者らの実験によれば、特開昭
62-95133号で開示されている技術に拠ったコーヒークリ
ームは常温で長く保存すると、コーヒーあるいは紅茶等
に供したときの油分離(オイルオフ)という課題が見つ
かった。一方、特公昭61-20258号公報記載の発明によっ
た場合、脂肪粒子の40重量%以上が 0.4μm 以下の粒子
径として物理的手段による乳化安定性の確保と乳化剤以
外に微結晶セルロースとデキストリン価20〜60の糖類を
用いてはじめて、コーヒークリームとしての常温安定性
並びにコーヒー適性(フェザリング防止)を確保してい
るが、微結晶セルロースとデキストリン価20〜60の糖類
の使用により、風味の低下や作業性の低下が避けられな
かった。
【0006】従って、本発明は、特定の乳化剤を配合し
て、微結晶セルロースおよびデキストリン価20〜60の糖
類等の助剤を用いず、またコハク酸モノグリセリド、シ
ョ糖脂肪酸エステルを使用することなしに優れた常温安
定性並びにコーヒー適性を確保することを目的とする。
さらに、本発明は、常温保存や常温流通に適し、コーヒ
ーや紅茶等に添加した時フェザリング現象を起こさない
安定な水中油型乳化油脂組成物を提供することを課題と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の常温で安定な水
中油型乳化油脂組成物の特徴は、10〜40重量%の油
相と60〜90重量%の水相を水中油型に乳化するに際
し、乳化剤としてジアセチル酒石酸モノグリセリドと、
レシチンおよび/またはソルビタン脂肪酸エステルを配
合し、油相と水相を300〜700kg/cm で均質
化処理したことにある。
【0008】本発明で用いる油脂は、食用に適する油脂
であればどのような動植物油脂であってもよく、例えば
動物油脂として乳脂、ラード、牛脂、魚油等が挙げら
れ、また植物油脂としてはナタネ油、パーム油、パーム
核油、ヤシ油、大豆油、サフラワー油、コーン油、綿実
油等であり、更にこれらの油脂を化学的に処理した硬化
油、エステル交換油、分別油のいずれでもよい。
【0009】乳化剤としてはジアセチル酒石酸モノグ
セリドと、レシチンおよび/またはソルビタン脂肪酸エ
ステルである。先ず油相を調製するには、上記した油脂
の中から一種または二種以上を選択して混合し、この油
脂に乳化剤として、最終製品中で 0.1〜1.5 重量%、好
ましくは 0.2〜0.6 重量%のジアセチル酒石酸モノグ
セリドと、0.1 〜1.5 重量%、好ましくは 0.2〜0.8 重
量%のレシチンおよび/または 0.1〜1.5 重量%、好ま
しくは 0.2〜0.8 重量%のソルビタン脂肪酸エステルを
添加し、加温溶解して油相とする。
【0010】油相中の乳化剤の配合量を上記範囲とした
理由は、配合量が上記範囲以下になると保存中や流通段
階で脂肪浮上やホエーオフが起こり乳化安定性に欠け、
一方上記範囲以上になると製品に乳化剤の風味が強く感
じられるようになり風味低下をきたし好ましくない。一
方、水相を調製するには、水に脱脂粉乳、ガゼインナト
リウム等の動物蛋白質や大豆蛋白質等の植物蛋白質ある
いは嗜好により香辛料や着色剤等を添加して水相とす
る。また必要に応じて、水相にリン酸塩やクエン酸塩の
pH調整剤あるいはグアガム、カラギーナン、ローカス
トビーンガム、アラビアガム、キサンタンガム、タラガ
ム等の天然水溶性高分子化合物もしくはカルボキシルメ
チルセルロース、アルギン酸ナトリウム等の合成水溶性
高分子化合物の安定剤等を添加してもよい。
【0011】そして上記のように調製した油相の10〜40
重量%、好ましくは20〜30重量%と水相の60〜90重量
%、好ましくは70〜80重量%を、それぞれ60〜80℃に調
温して予備乳化後、300 〜700kg/cm2 で前均質化し、14
0 〜150 ℃で2〜3秒間滅菌して、更に 100〜200kg/cm
2 で後均質化した後、冷却して水中油型乳化油脂組成物
とする。
【0012】またレトルト処理する場合は、上記したよ
うに油相と水相を予備乳化後、均質化して耐熱性容器に
充填し、例えば 115〜120 ℃で10〜20分間滅菌し、冷却
して水中油型乳化油脂組成物とする。尚、上記で油相と
水相の配合割合を上記範囲にした理由は、油相の配合割
合が10重量%以下になると、コーヒーや紅茶等に添加し
た時風味が劣り、一方40重量%以上になると、グリシー
となってコーヒーや紅茶等の爽やかな風味を損なうこと
になるからである。
【0013】
【発明の効果】本発明は、水中油型乳化油脂組成物に好
適な乳化剤を配合しているために、得られた水中油型乳
化油脂組成物は、製造工程で過酷な条件の滅菌あるいは
レトルト滅菌処理を行っても脂肪分離をすることがな
く、また常温保存や常温流通が可能であり、この常温保
存や常温流通に際し、多少の振動や温度変化があって
も、あるいは経時的にも脂肪浮上やホエーオフ(乳漿分
離)がなく、更にコーヒーや紅茶等に添加した時もフェ
ザリング現象を起こさない風味良好なコーヒークリーム
となる。
【0014】
【実施例】以下に実施例と比較例を示し本発明を具体的
に説明する。 実施例1 精製ヤシ油20gに、乳化剤としてジアセチル酒石酸モノ
グリセリド0.2g、レシチン0.2gおよびソルビタン脂肪酸
エステル0.2gを添加して、油相を調製した。一方、70.1
gの水に脱脂粉乳4g、カゼインナトリウム5gとpH
調整剤としてクエン酸ナトリウム0.3gを添加してpH7.
10の水相を調製し、上記で調製した油相と水相をそれぞ
れ65℃に調温後、水相に油相を添加して予備乳化物を得
た。
【0015】そしてこの予備乳化組成物を、300kg/cm2
で前均質化して、145 ℃で4秒間滅菌処理し、更に均質
機により100kg/cm2 で均質化処理してから、25℃まで冷
却して高温短時間滅菌処理した水中油型油脂組成物を得
た。また、さらに、上記予備乳化組成物を、300kg/cm2
で均質化して、容量100mlの耐熱性ガラス瓶に充填し、1
18 ℃で15分間オートクレーブ処理を行ってから、25℃
まで冷却してレトルト滅菌処理した水中油型油脂組成物
を得た。
【0016】実施例2 ナタネ硬化油25gに乳化剤としてジアセチル酒石酸モノ
グリセリド0.2g、レシチン0.2gを添加して油相を調製し
た。一方、66.1gの水に脱脂粉乳5g、カゼインナトリ
ウム3gとpH調整剤としてリン酸水素2カリウム0.5g
を添加してpH7.4 の水相を調製し、上記で調製した油
相と水相をそれぞれ70℃に調温後、水相に油相を添加し
て予備乳化物を得た。
【0017】そしてこの予備乳化組成物を、500kg/cm2
で前均質化して、147 ℃で3秒間滅菌処理し、更に均質
機により150kg/cm2 で均質化処理してから、25℃まで冷
却して高温短時間滅菌処理した水中油型油脂組成物を得
た。また、さらに、上記予備乳化組成物を、500kg/cm2
で均質化して、容量100mlの耐熱性ガラス瓶に充填し、1
18 ℃で15分間オートクレーブ処理を行ってから、25℃
まで冷却してレトルト滅菌処理を水中油型油脂組成物を
得た。
【0018】実施例3 パーム核油35gに乳化剤としてジアセチル酒石酸モノグ
リセリド0.4g、レシチン0.4gおよびソルビタン脂肪酸エ
ステル0.4gを添加して油相を調製した。一方、68.3gの
水に脱脂粉乳6g、カゼインナトリウム4gとpH調整
剤としてリン酸水素2カリウム0.5gを添加してpH7.4
の水相を調製し、上記で調製した油相と水相をそれぞれ
70℃に調温後、水相に油相を添加して予備乳化物を得
た。
【0019】そしてこの予備乳化組成物を、700kg/cm2
で前均質化して、143 ℃で5分間滅菌処理し、更に均質
機により200kg/cm2 で均質化処理してから、25℃まで冷
却して高温短時間滅菌処理した水中油型油脂組成物を得
た。また、さらに、上記予備乳化組成物を、700kg/cm2
で均質化して、容量100mlの耐熱性ガラス瓶に充填し、1
18 ℃で15分間オートクレーブ処理を行ってから、25℃
まで冷却してレトルト滅菌処理した水中油型油脂組成物
を得た。
【0020】実施例4 ヤシ油30gに、乳化剤として、ジアセチル酒石酸モノグ
リセリド0.6g、レシチン0.6gおよびソルビタン脂肪酸エ
ステル0.6gを添加して油相を調製した。一方、47.7gの
水に脱脂粉乳5g、カゼインナトリウム5gとpH調整
剤としてリン酸水素2カリウム0.5gを添加してpH7.4
の水相を調製し、上記で調製した油相と水相をそれぞれ
70℃に調温後、水相に油相を添加して予備乳化物を得
た。
【0021】そしてこの予備乳化組成物を、400kg/cm2
で前均質化して、145 ℃で4秒間滅菌処理し、更に均質
機により150kg/cm2 で均質化処理してから、25℃まで冷
却して高温短時間滅菌処理した水中油型油脂組成物を得
た。また、さらに、上記予備乳化組成物を、400kg/cm2
で均質化して、容量100mlの耐熱性ガラス瓶に充填し、1
18 ℃で15分間オートクレーブ処理を行ってから、25℃
まで冷却してレトルト滅菌処理した水中油型油脂組成物
を得た。
【0022】実施例5 ナタネ硬化油35gに、乳化剤としてジアセチル酒石酸モ
ノグリセリド0.8g、レシチン0.8gおよびソルビタン脂肪
酸エステル0.8gを添加して油相を調製した。一方、63.1
gの水に脱脂粉乳6g、カゼインナトリウム3gとpH
調整剤としてリン酸水素2カリウム0.5gを添加してpH
7.40の水相を調製し、上記で調製した油相と水相をそれ
ぞれ68℃に調温後、水相に油相を添加して予備乳化物を
得た。
【0023】そしてこの予備乳化組成物を、350kg/cm2
で前均質化して、147 ℃で3秒間滅菌処理し、更に均質
機により100kg/cm2 で均質化処理してから、25℃まで冷
却して高温短時間滅菌処理した水中油型油脂組成物を得
た。また上記予備乳化組成物を、350kg/cm2 で均質化し
て、容量100ml の耐熱性ガラス瓶に充填し、118 ℃で15
分間オートクレーブ処理を行ってから、25℃まで冷却し
てレトルト滅菌処理した水中油型油脂組成物を得た。
【0024】実施例6 ヤシ油40gに、乳化剤としてジアセチル酒石酸モノグリ
セリド1.0g、レシチン1.0gを添加して油相を調製した。
一方、63.6gの水に脱脂粉乳5g、カゼインナトリウム
4gとpH調整剤としてクエン酸ナトリウム0.4gを添加
してpH7.10の水相を調製し、上記で調製した油相と水
相をそれぞれ68℃に調温後、水相に油相を添加して予備
乳化物を得た。
【0025】そしてこの予備乳化組成物を、500kg/cm2
で前均質化して、147 ℃で4秒間滅菌処理し、更に均質
機により150kg/cm2 で均質化処理してから、25℃まで冷
却して高温短時間滅菌処理した水中油型油脂組成物を得
た。また、さらに、上記予備乳化組成物を、500kg/cm2
で均質化して、容量100mlの耐熱性ガラス瓶に充填し、1
18 ℃で15分間オートクレーブ処理を行ってから、25℃
まで冷却してレトルト滅菌処理した水中油型油脂組成物
を得た。
【0026】比較例1 精製ヤシ油30gに、乳化剤としてジアセチル酒石酸モノ
グリセリド0.5gを添加して油相を調製した。一方、60.2
gの水に脱脂粉乳4g、カゼインナトリウム5gとpH
調整剤としてクエン酸ナトリウム0.3gを添加してpH7.
10の水相を調製し、上記で調製した油相と水相をそれぞ
れ65℃に調温後、水相に油相を添加して予備乳化をし
た。
【0027】そしてこの予備乳化組成物を、300kg/cm2
で前均質化して、145 ℃で4秒間滅菌処理し、更に均質
機により200kg/cm2 で均質化処理してから、25℃まで冷
却して高温短時間滅菌処理した水中油型油脂組成物を得
た。また、さらに、上記予備乳化組成物を、300kg/cm2
で均質化して、容量100mlの耐熱性ガラス瓶に充填し、1
18 ℃で15分間オートクレーブ処理を行ってから、25℃
まで冷却してレトルト滅菌処理した水中油型油脂組成物
を得た。
【0028】比較例2 ナタネ硬化油25gに乳化剤としてレシチン0.3gおよびソ
ルビタン脂肪酸エステル0.6gを添加して油相を調製し
た。一方、62.8gの水に脱脂粉乳4g、カゼインナトリ
ウム2gとpH調整剤としてクエン酸ナトリウム0.3gを
添加してpH7.10の水相を調製し、上記で調製した油相
と水相をそれぞれ70℃に調温後、水相に油相を添加して
予備乳化した。
【0029】そしてこの予備乳化組成物を、500kg/cm2
で前均質化して、147 ℃で3秒間滅菌処理し、更に均質
機により150kg/cm2 で均質化処理してから、25℃まで冷
却して高温短時間滅菌処理した水中油型油脂組成物を得
た。また、さらに、上記予備乳化組成物を、500kg/cm2
で均質化して、容量100mlの耐熱性ガラス瓶に充填し、1
18 ℃で15分間オートクレーブ処理を行ってから、25℃
まで冷却してレトルト滅菌処理した水中油型油脂組成物
を得た。
【0030】比較例3 パーム核油35gに、乳化剤としてレシチン0.3gおよびシ
ュガーエステル(HLB16)0.6gを添加して油相を調製し
た。一方、68.3gの水に脱脂粉乳6g、カゼインナトリ
ウム4gとpH調整剤としてリン酸水素2カリウム0.5g
を添加してpH7.40の水相を調製し、上記で調製した油
相と水相をそれぞれ70℃に調温後、水相に油相を添加し
て予備乳化した。
【0031】そしてこの予備乳化組成物を、700kg/cm2
で前均質化して、143 ℃で5秒間滅菌処理し、更に均質
機により200kg/cm2 で均質化処理してから、25℃まで冷
却して高温短時間滅菌処理した水中油型油脂組成物を得
た。また、さらに、上記予備乳化組成物を、700kg/cm2
で均質化して、容量100mlの耐熱性ガラス瓶に充填し、1
18 ℃で15分間オートクレーブ処理を行ってから、25℃
まで冷却してレトルト滅菌処理した水中油型油脂組成物
を得た。
【0032】比較例4 ヤシ油30gに、乳化剤としてレシチン0.3gおよびポリグ
リセリン脂肪酸エステル0.4gを添加して油相を調製し
た。一方、64.8gの水に脱脂粉乳6g、カゼインナトリ
ウム3gとpH調整剤としてリン酸水素2カリウム0.5g
を添加して、pH7.40の水相を調製し、上記で調製した
油相と水相をそれぞれ70℃に調温後、水相に油相を添加
して予備乳化した。
【0033】そしてこの予備乳化組成物を、400kg/cm2
で前均質化して、145 ℃で4秒間滅菌処理し、更に均質
機により150 kg/cm2で均質化処理してから、25℃まで冷
却して高温短時間滅菌処理した水中油型油脂組成物を得
た。また、さらに、上記予備乳化組成物を、400kg/cm2
で均質化して、容量100mlの耐熱性ガラス瓶に充填し、1
18 ℃で15分間オートクレーブ処理を行ってから、25℃
まで冷却してレトルト滅菌処理した水中油型油脂組成物
を得た。
【0034】比較例5 ナタネ硬化油35gに乳化剤としてレシチン0.3gおよびグ
リセリン脂肪酸エステル0.6gを添加して油相を調製し
た。一方、69.8gの水に脱脂粉乳4g、カゼインナトリ
ウム5gとpH調整剤としてクエン酸ナトリウム0.3gを
添加してpH7.10の水相を調製し、上記で調製した油相
と水相をそれぞれ68℃に調温後、水相に油相を添加して
予備乳化をした。
【0035】そしてこの予備乳化組成物を、350kg/cm2
で前均質化して、147 ℃で3秒間滅菌処理し、更に均質
機により100kg/cm2 で均質化処理してから、25℃まで冷
却して高温短時間滅菌処理した水中油型油脂組成物を得
た。また上記予備乳化組成物を、350kg/cm2 で均質化し
て、容量100ml の耐熱性ガラス瓶に充填し、118 ℃で15
分間オートクレーブ処理を行ってから、25℃まで冷却し
てレトルト滅菌処理した水中油型油脂組成物を得た。
【0036】比較例6 ヤシ油40gに乳化剤としてソルビタン脂肪酸エステル0.
3g、シュガーエステル(HLB 16) 0.4gおよびポリグリセ
リン脂肪酸エステル0.2gを添加して油相を調製した。一
方、68.6gの水に脱脂粉乳6g、カゼインナトリウム4
gとpH調整剤としてリン酸水素2カリウム0.5gを添加
してpH7.40の水相を調製し、上記で調製した油相と水
相をそれぞれ68℃に調温後、水相に油相を添加して予備
乳化をした。
【0037】そしてこの予備乳化組成物を、500kg/cm2
で前均質化して、145 ℃で4秒間滅菌処理し、更に均質
機により150kg/cm2 で均質化処理してから、25℃まで冷
却して高温短時間滅菌処理した水中油型油脂組成物を得
た。また上記予備乳化組成物を、500kg/cm2 で均質化し
て、容量100ml の耐熱性ガラス瓶に充填し、118 ℃で15
分間オートクレーブ処理を行ってから、25℃まで冷却し
てレトルト滅菌処理した水中油型油脂組成物を得た。上
記各実施例および比較例で得られた水中油型油脂組成物
の高温短時間滅菌製品およびレトルト滅菌製品につい
て、以下の項目について品質の評価をした。
【0038】 高温短時間滅菌製品 各実施例、比較例で得られた製品を無菌的に小型容器に
充填したものを、25℃で3ヶ月間保存し、ホエーオフ、
固化、脂肪分離状態、コーヒーに滴下した時のフェザリ
ング、分散状態を観察して評価した。 レトルト滅菌製品 各実施例、比較例で得られた製品に、更にヒートショッ
ク(37℃で12時間静置後、0℃で12時間静置を1サイク
ルとして、5サイクル実施)を与え、直ちに、ホエーオ
フ、コーヒーに滴下した時のフェザリング、分散状態を
観察して評価した。その結果を表1に示す。
【0039】
【表1】 註)表中、−は製品として好ましいもの、±は製品とし
て好ましくないもの、+は製品として全く認められない
ものを表す。
【0040】上記表から明らかなように実施例によって
得られた本発明の水中油型乳化油脂組成物は、高温短時
間滅菌製品およびレトルト滅菌製品共に、長期に乳化が
安定でホエーオフ、固化、脂肪分離がなく、またコーヒ
ーに添加してもフェザリングがなく、分散性が良好なこ
とが判る。これに対して、比較例で得られた製品は、一
部の項目で品質評価が良好であっても他の項目で製品と
して好ましくない結果となっている。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C11C 3/00 C11C 3/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】10〜40重量%の油相と60〜90重量
    %の水相とを水中油型に乳化するに際し、乳化剤として
    ジアセチル酒石酸モノグリセリドと、レシチンおよび/
    またはソルビタン脂肪酸エステルを配合し、油相と水相
    を300〜700kg/cm で均質化処理したことを
    特徴とする常温で安定な水中油型乳化油脂組成物。
JP3355678A 1991-12-24 1991-12-24 常温で安定な水中油型乳化油脂組成物 Expired - Fee Related JP2510918B2 (ja)

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