JP2510692Y2 - 燃料噴射制御装置 - Google Patents

燃料噴射制御装置

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JP2510692Y2 JP1989052166U JP5216689U JP2510692Y2 JP 2510692 Y2 JP2510692 Y2 JP 2510692Y2 JP 1989052166 U JP1989052166 U JP 1989052166U JP 5216689 U JP5216689 U JP 5216689U JP 2510692 Y2 JP2510692 Y2 JP 2510692Y2
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浩一 藤原
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、例えば自動車用エンジン等の燃料噴射量を
制御するのに用いて好適な燃料噴射制御装置に関し、特
に、エンジンのクランキング時における吸入空気流量の
検出誤差を水温増量補正係数によって調整できるように
した燃料噴射制御装置に関する。
〔従来の技術〕
一般に、熱線素子を用いた吸入空気流量検出装置と、
エンジンの回転数を検出する回転数検出器と、前記エン
ジンの冷却水温を検出する水温検出器と、前記吸入空気
流量検出装置による吸入空気流量と回転数検出器による
エンジン回転数とに基づき基本噴射量を演算すると共
に、噴射弁による燃料の噴射量を演算する噴射量演算装
置とからなる燃料噴射制御装置は知られている。
そこで、第7図および第8図にこの種の従来技術によ
る燃料噴射制御装置に用いられる吸入空気流量検出装置
を示す。
図において、1は吸入空気流量検出装置の本体を構成
するケーシングを示し、該ケーシング1は円筒状のパイ
プ等によって形成され、その両端側は円筒状の管部材2,
3と接続されている。ここで、該ケーシング1は管部材
2,3と共にエンジンのシリンダ(図示せず)と連通する
吸気通路を構成し、管部材2の一端側にはエアクリーナ
(図示せず)等が設けられている。そして、該ケーシン
グ1および管部材2,3はエアクリーナで清浄化した空気
(外気)を管部材3の他端側に接続されるシリンダ内へ
とピストン(図示せず)の往復動に応じて吸込ませるよ
うになっている。
4はケーシング1内に細長棒状のブラケット5を介し
て取付けられた熱線素子を示し、該熱線素子4は温度変
化に対応して抵抗値が変化する白金線等からなる感熱抵
抗体によって形成され、外部からリード線6,6等を介し
て加熱されることにより熱線流量計(ホットワイヤエア
フロメータ)を構成するものである。
ここで、ケーシング1内を流通する吸入空気の流速分
布は第7図中に2点鎖線で示すように、流量が小となっ
て流速υのように流速が小さくなると、流速分布F1
なり、流量が大となって流速υのように流速が大きく
なると、流速分布F2となる。そして、該熱線素子4は吸
入空気の流速υ,υ等が速くなればなる程冷却さ
れ、抵抗値が変化するようになり、吸入空気流量Qに応
じた電圧信号Vを検出信号として噴射量演算装置を構成
するコントロールユニット(図示せず)に出力する。
このように構成される従来技術では、まずエンジンの
始動時に始動スイッチを閉成とすると、バッテリ(図示
せず)からの電圧が熱線素子4にリード線6等を介して
印加される。これにより、熱線素子4は第8図(ロ)に
示す如く加熱され、例えば数秒程度の時間T2後に所定の
設定温度に達したら、その後はこの設定温度を維持する
ように電圧が印加される。そして、熱線素子4は吸気通
路の途中に位置するケーシング1内に設けられ、吸入空
気流量が増大するに応じてより大きく冷却されるから、
該熱線素子4はその抵抗値が変化して吸入空気流量に応
じた電圧信号Vを検出信号として出力し、コントロール
ユニットでは熱線素子4からの電圧信号Vに基づいて吸
入空気流量Qを所定のタイミング毎に検出する。
〔考案が解決しようとする課題〕
ところで、上述した従来技術では、エンジンを始動さ
せるときに、熱線素子4が所定の設定温度に達するまで
に時間T2なる時間遅れが生じ、該熱線素子4からの電圧
信号Vはエンジンのクランキング時(始動中)に実際の
吸入空気流量に対して大きな検出誤差をもって出力され
るという問題がある。
即ち、熱線素子4はエンジンの始動時に始動スイッチ
を閉成すると、バッテリから急に電圧を印加されるの
で、第8図(イ)に示す如く突入電圧が発生し、この突
入電圧は所定の設定電圧Vcまで低下するのに持続時間T1
(例えば数100msec)を有し、この持続時間T1は周囲温
度やバッテリ電圧等に応じて変化してしまう。そして、
熱線素子4が設定温度に達する時間T2までに、該熱線素
子4からの電圧信号Vは時間T3(T3=T2−T1)に漸次低
下して、本来の検出電圧となる。
このため従来技術では、エンジンの始動中である時間
T3に実際の吸入空気流量より大きな電圧信号Vを出力
し、コントロールユニットでは実際よりも大きな吸入空
気流量Qを検出し、燃料の噴射量を必要以上に増大させ
るという問題がある。
この場合、エンジンが比較的低い温度(冷却水温が低
い)状態にあるときには、水温増量補正等により噴射量
が大きく増大されるから、前記検出誤差は実質的に無視
できる。しかし、冷却水温が高いときには水温増量補正
係数(第2図参照)が大幅に小さくなるので、噴射量は
熱線素子4による検出誤差によって必要以上に増大し、
クランキング時の燃料が過濃となって、最悪の場合には
始動不良を起こすという問題がある。
本考案は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもの
で、本考案はエンジンのクランキング時における吸入空
気流量の検出誤差を水温増量補正係数の調整によって補
正でき、始動不良等の問題を解消できるようにした燃料
噴射制御装置を提供するものである。
〔課題を解決するための手段〕
上述した課題を解決するために本考案は、吸入空気で
冷却されることにより吸入空気流量に応じた電圧信号を
出力する吸入空気流量検出用の熱線素子と、エンジンの
回転数を検出する回転数検出器と、前記エンジンの冷却
水温を検出する水温検出器と、前記熱線素子による吸入
空気流量と回転数検出器によるエンジン回転数とに基づ
き基本噴射量Tpを演算すると共に、噴射弁による燃料の
噴射量Tiを演算する噴射量演算装置とを備え、前記熱線
素子は、エンジンの始動スイッチを閉成したときに電圧
印加によって所定の設定温度まで加熱する構成としてな
る燃料噴射制御装置に適用される。
そして、本考案が採用する構成の特徴は、前記噴射量
演算装置に、前記水温検出器によるエンジンの冷却水温
から水温増量補正係数KTW1を設定する水温増量補正係数
設定手段と、前記始動スイッチを閉成したときの電圧印
加によって前記熱線素子に発生する突入電圧の持続時間
T1を、前記始動スイッチの閉成時点から熱線素子が所定
の設定電圧に達するまでの時間として計測するタイマ
と、該タイマで計測した持続時間T1に基づき前記水温増
量補正係数KTW1の初期補正値KTW20を設定する初期補正
値設定手段と、該初期補正値設定手段で設定された初期
補正値KTW20に基づき漸次減少する補正値KTW2を演算す
る補正値演算手段と、前記水温増量補正係数設定手段に
よる水温増量補正係数KTW1から該補正値演算手段による
補正値KTW2を演算して、エンジン始動時の水温増量補正
係数KTWを調整演算する水温増量補正係数調整手段とを
設けたことにある。
〔作用〕
上記構成により、エンジンを始動すべく始動スイッチ
を閉成したときの電圧印加で熱線素子に突入電圧が発生
しても、この突入電圧が始動スイッチの閉成時点から所
定の設定電圧に低下するまでの時間を、突入電圧の持続
時間T1としてタイマで計測するから、エンジンの始動時
における突入電圧の持続時間T1に基づいて、水温増量補
正係数KTW1の初期補正値KTW20を初期補正値設定手段で
設定でき、この初期補正値KTW20に基づいて補正値演算
手段では、第8図(イ)に示す時間T3をもって漸次低下
する熱線素子の電圧信号に対応して漸次減少する補正値
KTW2を演算できる。そして、水温増量補正係数調整手段
でこの補正値KTW2を前記水温増量補正係数KTW1から減算
し、水温増量補正係数KTWを調整演算することにより、
前記熱線素子による吸入空気流量の検出誤差分を相殺で
き、エンジンのクランキング時(始動時)の噴射量Ti
適正化することができる。
即ち、噴射弁による噴射量Tiは後述の(5)式に記載
の通り、エンジンのクランキング時に基本噴射量Tp、水
温増量補正係数KTWおよび電圧補正係数Tsから、 Ti=Tp×(1+KTW)+Ts として演算されるため、エンジンのクランキング時に熱
線素子による吸入空気流量の検出誤差分で基本噴射量Tp
が過度に大きくなっても、これを水温増量補正係数KTW
の調整演算で相殺することによって、噴射弁による噴射
量Tiを適正に補正することができる。
〔実施例〕
以下、本考案の実施例を第1図ない第6図に基づいて
説明する。なお、実施例では前述した第7図,第8図に
示す従来技術と同一の構成要素に同一の符号を付し、そ
の説明を省略するものとする。
図中、11はエンジンを始動させる始動スイッチを示
し、該始動スイッチ11は車両の運転室(図示せず)に設
けられるエンジンキー等によって構成されている。12は
エンジン回転数Nを検出する回転数検出器としてのクラ
ンク角センサ、13はエンジンの冷却水温を検出する水温
検出器としての水温センサを示し、該水温センサ13は冷
却水温としての水温tを後述のコントロールユニット15
に出力することにより、後述の第2図に示す補正係数マ
ップから水温tに応じた水温増量補正係数KTW1を設定さ
せる。
14は燃料を噴射する噴射弁を示し、該噴射弁14はコン
トロールユニット15で演算される噴射量Tiの燃料をコン
トロールユニット15から噴射パルスが出力される度毎に
噴射するようになっている。
さらに、15はマイクロコンピュータ等によって構成さ
れる噴射量演算装置としてのコントロールユニットを示
し、該コントロールユニット15はその入力側が始動スイ
ッチ11、クランク角センサ12、熱線素子4および水温セ
ンサ13等と接続され、出力側が噴射弁14等と接続され、
電源としては直流電源としてのバッテリ(図示せず)と
接続されている。
そして、該コントロールユニット15は熱線素子4から
の電圧信号Vに基づき吸入空気流量Qを検出し、この吸
入空気流量Qとクランク角センサ12によるエンジン回転
数Nとから基本噴射量Tpを、 Tp=K×Q/N …(1) ただし、K:定数 として演算すると共に、噴射弁14による噴射量Tiを、 Ti=Tp×α×α′×Coef+Ts …(2) ただし、α:空燃比フィードバック補正係数 α′:基本空燃比学習補正係数 Coef:各種補正係数 Ts:電圧補正係数 として演算し、この演算結果に基づき所定デューティを
もった噴射パルスを噴射弁14に出力するようになってい
る。
ここで、各種補正係数Coefは水温増量補正係数KTW
始動後増量補正係数KAS、アイドル後増量補正係数KAI
混合比補正係数KMRおよび加速増量係数KACC等の和であ
り、 Coef=1+KTW+KAS+KAI+KMR+KACC …(3) として示される。そして、エンジンのクランキング時に
は水温増量補正係数KTW以外の各種補正係数は実質的に
無視できる値となり、前記(3)式は、 Coef=1+KTW …(4) として示すことができ、前記空燃比フィードバック補正
係数αおよび基本空燃比学習補正係数α′はクランキン
グ時に値が「1」となるから、前記(2)式は(4)式
に基づき、 Ti=Tp×(1+KTW)+Ts …(5) として示すことができる。
また、(5)式中の水温増量補正係数KTWは後述する
如く第2図に示す補正係数マップにより設定される水温
増量補正係数KTW1から後述の補正値KTW2を減算すること
により、 KTW=KTW1−KTW2 …(6) として演算され、この(6)式に基づいて水温増量補正
係数KTWを調整演算することにより、熱線素子4による
クランキング時の吸入空気流量Qの検出誤差分を(5)
式に示す噴射量Tiにおいて補正する。そして、該コント
ロールユニット15はRAM,ROM等の記憶回路内に第5図、
第6図に示すプログラムを格納し、噴射弁14による噴射
量制御処理および初期水温増量補正係数調整処置等を行
なうようになっている。
また、該コントロールユニット15の記憶回路にはその
記憶エリア15A内に、水温tに基づき水温増量補正係数K
TW1を設定した第2図に示す補正係数マップと、熱線素
子4に発生する突入電圧の持続時間T1を決定する所定の
設定電圧Vcと、持続時間T1に基づき初期補正値KTW20
設定した第3図に示す初期補正値マップと、熱線素子4
からの電圧信号Vに基づき吸入空気流量Qを決定する流
量マップ(図示せず)と、タイマTおよびカウンタn等
とがそれぞれ格納されている。
本実施例による燃料噴射制御装置は上述の如き構成を
有するもので、次にコントロールユニット15による処理
動作について第2図ないし第6図を参照して説明する。
まず、第5図に示すメインルーチンでは処理動作をス
タートさせると、ステップ1で始動時噴射量演算処理を
行ない、始動スイッチ11を閉成してエンジン回転数Nや
吸入空気流量Q等がまだ検出されていない状態にある第
1回目の噴射量を演算する。
次に、第2回目以降はステップ2に移って第6図に示
す初期水温増量補正係数調整処理を行ない、ステップ3
で基本噴射量Tpの演算処理を前記(1)式により行な
い、ステップ4では前記(2)式または(5)式により
噴射量Tiの演算処理を行なう。なお、ステップ3,4の処
理はエンジンの始動後も継続して行なわれる。
そして、第6図に示す初期水温増量補正係数調整処理
では、エンジンのクランキング時(始動中)に第8図に
示した如く、熱線素子4が設定温度に達するまでの時間
T2、特に時間T3までに発生する熱線素子4の検出誤差を
前記(6)式による水温増量補正係数KTWの調整演算に
よって補正する。
即ち、エンジンを始動すると第8図(イ)に示した如
く、熱線素子4には突入電圧が発生し、この突入電圧の
持続時間T1に応じて熱線素子4による吸入空気流量Qの
検出誤差が増減するので、この検出誤差分を持続時間T1
に応じた初期補正値KTW20の変化分として調整する必要
がある。
そこで、まず、ステップ11で始動スイッチ11からの信
号を読み込み、ステップ12で始動スイッチ11が閉成され
たか否かを判定し、「YES」と判定したときにはエンジ
ンのクランキング時であるから、ステップ14に移ってタ
イマTをスタートさせ、ステップ15で熱線素子4から電
圧信号V(この場合は突入電圧)を読み込む。そして、
ステップ16では熱線素子4の電圧信号V(突入電圧)が
所定の設定電圧Vcまで降下したか否かを判定し、「YE
S」と判定したときにステップ17に移って第8図(イ)
に示した持続時間T1を計測する。
次に、ステップ18では第3図に示す初期補正値マップ
から持続時間T1に基づいて初期補正値KTW20を設定し、
持続時間T1に対応して変化する初期補正値KTW20を求め
る。そして、ステップ19でタイマTをリセットさせ、ス
テップ20でカウンタnを零に設定する。なお、このカウ
ンタnは吸入空気流量Qの検出タイミング毎にステップ
26で「1」ずつ進歩される。
次に、ステップ21に移って水温増量補正係数KTW1の補
正値KTW2を初期補正値KTW20に基づき、 KTW2=KTW20×1/2n …(7) として演算し、カウンタnが「0」から「1」ずつ歩進
されるのに応じて漸次減少する補正値KTW2を第4図に例
示した如く、KTW20,KTW20/2,KTW20/4,…として吸入空
気流量Qの検出タイミング毎に算出する。
また、ステップ22ではこの検出タイミング毎に水温セ
ンサ13からエンジンの冷却水温となる水温tを読み込
み、ステップ23では水温tに基づき、第2図に示す補正
係数マップから水温増量補正係数KTW1を、例えば水温t0
のとき水温増量補正係数KTW10として設定する。
そして、ステップ24に移って前記(6)式により水温
増量補正係数KTW1から補正値KTW2を減算して、水温増量
補正係数KTWを調整演算し、これによって、クランキン
グ時における熱線素子4による吸入空気流量Qの検出誤
差分を水温増量補正係数KTWで調整(補正)できるよう
にしている。
また、ステップ25ではカウンタnが所定の計数値n
0(n0=10〜20)に達したか否かを判定し、「NO」と判
定したときにはステップ26に移ってカウンタnを「1」
ずつ進歩させ、ステップ21〜ステップ24の処理を繰り返
す度毎に、ステップ24では水温増量補正係数KTWの調整
演算を行い、熱線素子4による吸入空気流量Qの検出誤
差分を水温増量補正係数KTWで補正させる。そして、ス
テップ25で「YES」と判定したときに処理を終了させ
る。
而して本実施例によれば、水温センサ13からの水温t
に基づいて設定される水温増量補正係数KTW1から補正値
KTW2を減算して、水温増量補正係数KTWを調整演算する
ことにより、エンジンのクランキング時に生じる熱線素
子4による吸入空気流量Qの検出誤差を補正する構成と
したから、前記(1)式により演算される基本噴射量Tp
が吸入空気量Qの検出誤差により余分に大きくなったと
しても、前記(6)式による水温増量補正係数KTWの補
正値KTW2によって相殺することが可能となり、エンジン
のクランキング時に前記(5)式により演算される噴射
量Tiを適正化することができる。
従って本実施例では、エンジンのクランキング時に発
生する吸入空気流量Qの検出誤差を水温増量補正係数K
TWの調整演算によって補正でき、エンジンの冷却水温が
高いときに燃料が過濃となるのを防止でき、エンジンの
始動不良が発生する等の問題を解消することができる。
なお、前記実施例では、第6図に示すプログラムのう
ち、ステップ18が本考案の構成要件である初期補正値設
定手段の具体例であり、ステップ21が補正値演算手段の
具体例であり、ステップ23が水温増量補正係数設定手段
の具体例であり、ステップ24が水温増量補正係数調整手
段の具体例である。
また、前記実施例では、補正値KTW2を前記(7)式に
より演算するものとして述べたが、(7)式中の計数1/
2nはこれに限るものではなく、第8図(イ)に示した時
間T3における電圧信号Vの特性線に近似した関数を選定
すればよい。この場合、計数1/2nに替えて計数1/an
し、1<a<2またはa>2の範囲で値aを最適な定数
に設定するようにしてもよい。
〔考案の効果〕
以上詳述した通り本考案によれば、エンジンの始動時
の電圧印加により吸入空気流量検出用の熱線素子に発生
する突入電圧の持続時間T1を、タイマで計測することに
よって、初期補正値設定手段で水温増量補正係数KTW1
初期補正値KTW20を設定し、この初期補正値KTW20に基づ
き漸次減少する補正値KTW2を補正値演算手段で演算する
と共に、水温増量補正係数KTW1からこの補正値KTW2を減
算して、水温増量補正係数KTWを調整演算するようにし
たから、エンジンのクランキング時(始動時)に発生す
る熱線素子による吸入空気流量の検出誤差分を、水温増
量補正係数KTWの調整演算によって相殺でき、エンジン
のクランキング時の噴射量Tiを適正化することができ
る。従って、エンジンのクランキング時に燃料が過濃と
なるのを防止でき、エンジンの始動性を向上できる等の
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第6図は本考案の実施例を示し、第1図は
制御ブロック図、第2図は記憶エリア内に格納された補
正係数マップの説明図、第3図は記憶エリア内に格納さ
れた初期補正値マップの説明図、第4図は補正値とカウ
ンタ計数値との関係を示す特性線図、第5図は噴射量制
御処理を示す流れ図、第6図は初期水温増量補正係数調
整処理を示す流れ図、第7図および第8図は従来技術を
示し、第7図は流量検出装置の縦断面図、第8図
(イ)、(ロ)は熱線素子の電圧信号および素子温度を
示す特性線図である。 1……ケーシング、4……熱線素子、5……ブラケッ
ト、11……始動スイッチ、12……クランク角センサ(回
転数検出器)、13……水温センサ(水温検出器)、14…
…噴射弁、15……コントロールユニット(噴射量演算装
置)。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸入空気で冷却されることにより吸入空気
    流量に応じた電圧信号を出力する吸入空気流量検出用の
    熱線素子と、エンジンの回転数を検出する回転数検出器
    と、前記エンジンの冷却水温を検出する水温検出器と、
    前記熱線素子による吸入空気流量と回転数検出器による
    エンジン回転数とに基づき基本噴射量Tpを演算すると共
    に、噴射弁による燃料の噴射量Tiを演算する噴射量演算
    装置とを備え、前記熱線素子は、エンジンの始動スイッ
    チを閉成したときに電圧印加によって所定設定温度まで
    加熱する構成としてなる燃料噴射制御装置において、 前記噴射量演算装置には、前記水温検出器によるエンジ
    ンの冷却水温から水温増量補正係数KTW1を設定する水温
    増量補正係数設定手段と、 前記始動スイッチを閉成したときの電圧印加によって前
    記熱線素子に発生する突入電圧の持続時間T1を、前記始
    動スイッチの閉成時点から熱線素子が所定の設定電圧に
    達するまでの時間として計測するタイマと、 該タイマで計測した持続時間T1に基づき前記水温増量補
    正係数KTW1の初期補正値KTW20を設定する初期補正値設
    定手段と、 該初期補正値設定手段で設定された初期補正値KTW20
    基づき漸次減少する補正値KTW2を演算する補正値演算手
    段と、 前記水温増量補正係数設定手段による水温増量補正係数
    KTW1から該補正値演算手段による補正値KTW2を減算し
    て、エンジン始動時の水温増量補正係数KTWを調整演算
    する水温増量補正係数調整手段とを設けたことを特徴と
    する燃料噴射制御装置。
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JPS57173537A (en) * 1981-04-17 1982-10-25 Nissan Motor Co Ltd Fuel feed device of internal combustion engine
JPS57181938A (en) * 1981-04-30 1982-11-09 Hitachi Ltd Engine control device

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JPH02144636U (ja) 1990-12-07

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