JP2509378B2 - 表面処理剤 - Google Patents

表面処理剤

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JP2509378B2 JP2224819A JP22481990A JP2509378B2 JP 2509378 B2 JP2509378 B2 JP 2509378B2 JP 2224819 A JP2224819 A JP 2224819A JP 22481990 A JP22481990 A JP 22481990A JP 2509378 B2 JP2509378 B2 JP 2509378B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は建築・土木分野、繊維分野、鉄鋼分野などに
おいて用いられる表面処理剤に関する。
[従来の技術] 建築・土木分野、繊維分野、鉄鋼分野などにおいて
は、部材に防水性を付与したり、部材の耐候性の向上を
図ることを目的として表面処理剤が使用されている。
特に建築・土木分野においては、近年、コンクリート
の緻密性が低く、外部からコンクリート内部に水が浸透
することにより、コンクリートの劣化が生じ、社会問題
化している。
緻密なコンクリートが得られない一つの原因として
は、コンクリート建造物が高層化し、ポンプ輸送などの
施工方法が導入されたのに伴ない、流動性向上のため含
水率を高めたコンクリートが打設されるようになったこ
とである。
そこで、緻密なコンクリートを得るために、流動性を
損なわずに含水率を下げることのできる減水剤等の開発
が行なわれてきており、ある程度の成果を収めるに至っ
ている。
しかし、これとは別に、最近では種々のトラブルの原
因となる。外部から浸透する水を遮断するために、コン
クリートの表面に塗布するだけで、コンクリートの内部
に浸透し、防水性を付与することのできる表面処理剤の
開発が活発化している。
ところで、コンクリートの防水処理に従来より用いら
れてきたものの一つである塗膜タイプの防水剤としては
一般にウレタンゴム系またはエマルジョン系防水剤が知
られているが、これらは、塗膜を形成するためには多量
に塗布しなければならない。またこれらは水を遮断する
あまり水蒸気までも遮断してしまい、結露などの問題が
発生しやすいという欠点がある。さらに、塗膜であるが
故にいずれも紫外線の影響を強く受け易く耐候性が充分
ではないという問題もある。
そこで、特に耐候性の向上を図るうえで有利であると
考えられる浸透型の防水剤の開発が盛んに行われるに至
っている。
そして、この浸透型の防水剤としては、たとえばアク
リルエマルジョン系、シリコーン系、シラン系などの種
々のものが市販されている。
しかしながら、これらにおいてはいずれも一長一短が
あり、防水性を付与することはできても結露防止に充分
な透湿性を備えているものではない。
[発明の目的] 従って本発明の目的は、上記従来の表面処理剤の欠点
を解消し、防水性、透湿性および耐候性を兼備した表面
処理剤を提供することにある。
[目的を達成するための手段] 上記目的は、コロイドシリカ粒子の表面をアルキル置
換シランで撥水化してなる撥水性シリカゾルが有機溶媒
に分散されていることを特徴とする表面処理剤によって
達成された。
以下本発明の表面処理剤について詳細に説明する。
本発明の表面処理剤は、コロイドシリカ粒子の表面を
アルキル置換シランで撥水化してなる撥水性シリカゾル
を必須成分として含むものである。ここに撥水化のため
のアルキル置換シランとしては、メチルトリクロロシラ
ン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラ
ン、エチルトリクロロシラン、ジエチルジクロロシラ
ン、トリエチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラ
ン、ステアリルトリクロロシラン、ジヘキシルジクロロ
シラン、ジフエニルジクロロシラン、トリフェニルクロ
ロシラン、n−アミルトリクロロシラン等のクロロシラ
ン類;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシ
シラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキ
シシラン、オクタデシルメチルジメトキシシラン、オク
タデシルメチルジエトキシシラン、ジアリルジメトキシ
シラン、ジアリルジエトキシシラン、ブテニルメチルジ
メトキシシラン、ブテニルメチルジエトキシシラン、フ
ェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエト
キシシラン、ヘプタデカフルオロデシルメチルジメトキ
シシラン、ヘプタデカルフオロデシルメチルジエトキシ
シラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキ
シシラン、ビニルトリメトキシシラン、n−アミルトリ
エトキシシラン、ベンジルトリメトキシシラン等のアル
コキシシラン類;ヘキサメチルジシラザン等のシラザン
類やこれらを加水分解して得られるヒドロキシシラン類
が挙げられる。本発明の表面処理剤の必須成分である撥
水性シリカゾルにおいてコロイドシリカ表面の撥水化
は、コロイドシリカ粒子の表面の水酸基(−OH)が、上
記アルキル置換シランと反応し、コロイドシリカ粒子の
表面に撥水性アルキルシリル基(−Si−R)が結合し
て、これらが−O−Si−R基を形成することにより達成
される。撥水性の尺度である疎水化率は、式 (式中、NOHはコロイドシリカ粒子表面の全水酸基数
を、NRSiはコロイドシリカ粒子表面の水酸基に結合した
アルキルシリル基数を示す)によって評価されるが、こ
の疎水化率は好ましくは1%以上である。その理由は、
1%未満であると、十分な撥水性が得られないからであ
る。疏水化率は、より好ましくは3%以上、特に好まし
くは50%以上である。上記撥水性シリカゾルは、上述の
ようにコロイドシリカ粒子表面に撥水性の−O−Si−R
基が形成されているので、撥水性に優れ、これを含む本
発明の表面処理剤に優れた防水性を与える。
本発明の表面処理剤において必須成分である撥水性シ
リカゾルは、上記アルキル置換シランで表面を撥水化し
たコロイドシリカ粒子が極性有機溶媒および/または非
極性有機溶媒中に分散したものである。ここに極性有機
溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、イソプロパノールあるいはこれらの混合物などが挙
げられるが、これらに限定されるものではない。また非
極性有機溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、エチルベンゼン、クメン、シクロヘキサン、エチル
シクロヘキサン、デカリン、ペンタン、ヘプタン、オク
タンなどの炭化水素、ミネラルスピリットなどの工業ガ
ソリン、灯油などの石油系溶剤、石油化学系溶剤あるい
はこれらの溶剤の混合物が挙げられるが、これらに限定
されるものではない。
これらの有機溶媒を媒体とする撥水性シリカゾル中の
シリカ濃度は好ましくは0.1重量%以上、より好ましく
は0.5重量%以上である。また撥水性シリカゾルにおい
てコロイドシリカ粒子の粒径は100nm以下であるのが好
ましい。
次に本発明の表面処理剤において必須成分である撥水
性シリカゾルを製造するための好ましい方法について説
明する。
この方法によれば、非極性有機溶媒に分散されたシリ
カコロイドをアルキル置換シランと反応させ、コロイド
シリカ粒子の表面をアルキル置換シランで撥水化するこ
とにより撥水性シリカゾルが得られる。出発材料として
用いる、非極性有機溶媒に分散されたシリカコロイド
は、例えば、以下のような方法で得られる。
方法(a):水分散シリカコロイドにpH調整剤を加え
てpHを1〜5に調整した後、非極性有機溶媒と界面活性
剤を加えてエマルジョン化後、共沸脱水することによ
り、非極性有機溶媒に分散されたシリカコロイドを得
る。
方法(b):アルコール分散シリカゾルに非極性有機
溶媒を添加した後、溶媒置換を行なうことにより、非極
性有機溶媒に分散されたシリカコロイドを得る。
先ず方法(a)について説明する。この方法(a)に
おいて用いられる水分散シリカコロイドとしては、特に
制限はなく、例えば水ガラスを用いた酸分解電解透析
法、解膠法、イオン交換法、ケイ酸エチルを用いた加水
分解法などの方法により得られたものをいずれも好適に
用いることができる。
この水分散シリカコロイドにpH調整剤を加えて、pHを
1〜5に調整する。このpH調整剤としては、硫酸、硝
酸、塩酸などの無機酸、酢酸などの有機酸のいずれを用
いても良いが、コンクリート用の表面処理用途を用いる
場合は硫酸が望ましい。用いられるpH調整剤の量は、1g
のシリカ(SiO2)に対して0.005〜0.10gである。
次に、pH調整後の水分散シリカコロイドに非極性有機
溶媒と界面活性剤を添加してエマルジョン化する。非極
性有機溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、
エチルベンゼン、クメン、シクロヘキサン、エチルシク
ロヘキサン、デカリン、ペンタン、ヘプタン、オクタン
等の炭化水素、ムネラルスピリット等の工業ガソリン、
灯油等の石油系溶剤、石油化学系溶剤あるいは上記溶剤
の混合物などが挙げられる。非極性有機溶媒は、水分散
シリカコロイド中の水1gに対して3〜30g添加するのが
好ましい。また界面活性剤としては、例えば、アニオン
界面活性剤、カチオン界面活性剤、エーテル型非イオン
界面活性剤、エーテルエステル型非イオン界面活性剤、
エステル型非イオン界面活性剤、ブロックポリマー型非
イオン界面活性剤、含窒素型非イオン界面活性剤等のノ
ニオン界面活性剤等が挙げられる。界面活性剤は、1gの
水分散シリカコロイドに対して0.00001〜0.1g添加する
のが好ましい。エマルジョン化は、ホモジナイザー等を
用いる高速攪拌により行われる。
エマルジョン化後、エマルジョン溶液を常法により共
沸脱水することにより、非極性有機溶媒に分散されたシ
リカコロイドを得る。
次に、非極性有機溶媒分散シリカコロイドを得るため
の他の方法である方法(b)について説明する。この方
法(b)において用いられるアルコール分散シリカゾル
としては、市販のアルコール分散シリカゾル(特に分散
媒としてメタノール、エタノール、イソプロパノール等
の低級アルコールを用い、SiO2濃度が20重量%以上のも
のが好ましい)をそのまま用いても良い。また水分散シ
リカコロイドに、無機酸や有機酸などのpH調整剤を加え
てpHを1〜5に調整した後、メタノール、エタノール、
プロパノール、イソプロパノールなどの低級アルコール
を、水分散シリカコロイド1g当り10〜50gの割合で加
え、次いで常法により共沸脱水して得られるアルコール
分散シリカゾルを用いても良い。
このアルコール分散シリカゾルに非極性有機溶媒を添
加した後、例えば共沸蒸留等により溶媒置換を行なうこ
とにより、非極性有機溶媒に分散されたシリカコロイド
を得る。
本発明の表面処理剤の必須成分である撥水性シリカゾ
ルの製造においては、上記方法(a)または(b)で得
られた、非極性有機溶媒分散シリカゾルを、次いでアル
キル置換シランを反応させる。反応試薬として用いられ
るアルキル置換シランとしては、既に記載したように、
メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ト
リメチルクロロシラン、エチルトリクロロシラン、ジエ
チルジクロロシラン、トリエチルクロロシラン、ビニル
トリクロロシラン、ステアリルトリクロロシラン、ジヘ
キシルジクロロシラン、ジフエニルジクロロシラン、ト
リフェニルクロロシラン、n−アミルトリクロロシラン
等のクロロシラン類;ジメチルジメトキシシラン、ジメ
チルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジ
エチルジエトキシシラン、オクタデシルメチルジメトキ
シシラン、オクタデシルメチルジエトキシシラン、ジア
リルジメトキシシラン、ジアリルジエトキシシラン、ブ
テニルメチルジメトキシシラン、ブテニルメチルジエト
キシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニ
ルメチルジエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシル
メチルジメトキシシラン、ヘプタデカルフオロデシルメ
チルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メ
チルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、
n−アミルトリエトキシシラン、ベンジルトリメトキシ
シラン等のアルコキシシラン類;ヘキサメチルジシラザ
ン等のシラザン類やこれらを加水分解して得られるヒド
ロキシシラン類が挙げられる。
このシリカコロイドとアルキル置換シランとの反応
は、反応温度を非極性有機溶媒の沸点にして加熱還流下
に行なうのが好ましい。加熱還流時間は、通常1〜8時
間である。この加熱還流により、コロイドシリカ粒子の
表面の水酸基(−OH)が、上記アルキル置換シランと反
応し、シリカ粒子の表面に撥水性アルキルシリル基(−
Si−R)が結合して、−O−Si−R基を形成することに
より、コロイドシリカ粒子の表面が撥水化される。
上述の方法により得られた撥水性シリカゾルは、非極
性有機溶媒を用いて得られたものであるので、非極性有
機溶媒を分散媒とするものである。分散媒が極性有機溶
媒である撥水性シリカゾルを得ようとする場合には、上
記非極性有機溶媒を分散媒とする撥水性シリカゾルに次
のような処理を行なえば良い。すなわち、非極性有機溶
媒を分散媒とする撥水性シリカゾルを加熱して非極性有
機溶媒を揮発させた後、極性有機溶媒を加えて極性有機
溶媒を分散媒とする撥水性シリカゾルを得る。
また分散媒が非極性有機溶媒と極性有機溶媒との混合
物である撥水性シリカゾルを得ようとする場合には、上
記非極性有機溶媒を分散媒とする撥水性シリカゾルに、
メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノ
ールなどの極性有機溶媒を添加すれば良い。
本発明の表面処理剤は、上記の撥水性シリカゾルに、
必要に応じて希釈溶剤、樹脂、ろう状物質等を添加する
ことができる。
希釈溶剤としては、エタノール、イソプロパノールな
どのアルコール類、酢酸エチルなどのエステル類、メチ
ルエチルエーテルなどのエーテル類、トルエンなどの芳
香族炭化水素類、石油系溶剤、水などが挙げられるが特
に限定されるものではない。希釈溶剤の添加量はシリカ
(SiO2)に対して0.1重量%以上、好ましくは1重量%
以上である。水を希釈溶剤として用いるときは界面活性
剤で乳化して用いるのが好ましい。
また樹脂としては、アクリル系、ポリエステル系、塩
化ビニル系、ブタジエン系樹脂などが挙げられるが特に
限定されるものではない。樹脂の添加量はシリカ(Si
O2)に対して0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上
である。
さらにろう状物質としては、ワックスなどの用いられ
るものであれば、特に限定されるものでない。ろう状物
質の添加量は、シリカ(SiO2)に対して0.1重量%以
上、好ましくは1重量%以上である。
本発明の表面処理剤が適用される部材としては、コン
クリート、モルタル、木材、繊維、鋼材等が挙げられる
が、これらの限定されるものではない。本発明の表面処
理剤は特にコンクリート用の表面処理剤として使用する
のが好ましい。
本発明の表面処理剤の部材への適用は、ローラー、ハ
ケ、スプレーなどを用いて行なうのが好ましいが、これ
らの方法に限定されるものではなく、例えば浸漬法を採
用しても良い。
後述の実施例からも明らかなように、本発明の表面処
理剤は、優れた防水性、透湿性および耐候性を兼備する
ものである。
[実施例] 以下、実施例により本発明を更に説明する。
(実施例1) 表面処理剤の製造 市販の水分散シリカコロイド(触媒化成製S−20L、S
iO2濃度20%)50gに濃硫酸0.1gを滴下混合し、pH3に調
整した。この溶液にポリエチレングリコールモノセチル
エーテル0.1g、n−ヘプタン370gを加え、ホモジナイザ
ーで10分間攪拌混合したエマルジョン溶液を調製した。
このエマルジョン溶液を攪拌機と蒸留装置付きの1の
三口フラスコに入れ、連続攪拌下で共沸脱水を行なっ
た。n−ヘプタンの沸点(98.4℃)になった時点で蒸留
を止め、n−ヘプタン分散シリカゾル溶液を得た。この
時の水分を測定したところ0.5wt%であった。
この溶液に反応試薬であるオクタデシルメチルジメト
キシシラン6.5gを添加し、連続攪拌下で加熱還流を4時
間行なうことにより、シリカ粒子の表面の水酸基と反応
試薬とを反応させて、撥水性シリカゾル150gを得た。得
られた撥水性シリカゾルのSiO2濃度は6.7重量%、疏水
化率は95%、光散乱法で測定したシリカ粒径は40nmであ
った。この撥水性シリカゾルの1gをJIS1−3モルタル板
に塗布し乾燥後、0.03ccの水を垂らしたところ、水をは
じき優れた撥水性を示した。
上で得られた撥水性シリカゾル11gにイソプロパノー
ル49.5gを加え、表面処理剤を得た。この表面処理剤中
の有効成分(撥水性シリカ)濃度は2重量%であった。
防水性試験 上で得られた表面処理剤をJISケイ酸カルシウム板(1
00×100×6mm)に、塗布量が0.5、1.0、2.0、3.0、5.0g
となるようにそれぞれ塗布し、24時間乾燥後、JIS A691
0に従って透水率を測定し、防水性を評価した。
なお、対照として、表面処理剤を塗布しないJISケイ
酸カルシウム板についても同様に透水率を測定した。結
果は表−1に示す。
表−1より、本発明の表面処理剤を塗布することによ
り、透水率が大幅に減少し防水性に優れていることが確
認された。
透湿性試験 上で得られた表面処理剤をJIS1−3モルタル板(80φ
×20mm)に、塗布量が0.5、1.0、2.0、3.0および5.0gと
なるようにそれぞれ塗布し、24時間乾燥後、JIS Z208に
従って透湿率を測定し、透湿性を評価した。
なお、対照として、表面処理剤を塗布しないJIS1−3
モルタル板についても同様に透水率を測定した。結果は
表−2に示す。
表−2より、本発明の表面処理剤を塗布しても透湿率
はわずかに低下するだけであり、透湿性が保持されてい
ることが確認された。
促進耐候性試験 上で得られた表面処理剤をJISケイ酸カルシウム板(1
00×100×6mm)に、3g塗布し、24時間乾燥後、JIS K141
5に従って促進耐候性試験を行なった。結果は表−3に
示す。
表−3より、試験時間が150時間の時点では、透水率
が試験時間が0時間の時と全く変わらず、試験時間が50
0時間および1000時間でも透水性がわずかに上昇するの
みで、耐候性に優れていることが確認された。
接触角測定 上記の促進耐候性試験後の試験板に0.03ccの水を垂ら
し、その接触角を写真撮影法により測定した。なお、対
照として表面処理剤を塗布しないJISケイ酸カルシウム
板に同様に0.03ccの水を垂らしその接触角を測定した。
結果は表−4に示す。
表−4より、促進耐候性試験後においても接触角の急
激な低下はなく、撥水性が長期間保持されることが確認
された。
(実施例2) 市販のイソプロパノール分散シリカコロイド(触媒化
成製OSCAL1432、SiO2濃度30%)33.3gにトルエン300gを
加え共沸蒸留により溶媒置換を行ない、トルエンの沸点
(110℃)になった時点で蒸留を止めトルエン分散シリ
カゾルを得た。
この溶液に水0.8g、反応試薬であるオクタデシルメチ
ルジメトキシシラン6.5gを添加し、連続撹拌下で加熱還
流を4時間行なうことにより、シリカ粒子の表面の水酸
基と反応試薬とを反応させて、撥水性シリカゾル150gを
得た。得られた撥水性シリカゾルのSiO2濃度は6.7重量
%、疏水化率は97%、光散乱法で測定したシリカ粒径は
45nmであった。この撥水性シリカゾルの1gをJIS1−3モ
ルタル板に塗布し乾燥後、0.03ccの水を垂らしたとこ
ろ、水をはじき優れた撥水性を示した。
上で得られた撥水性シリカゾル11gにイソプロパノー
ル49.5gを加え、表面処理剤を得た。この表面処理剤中
の有効成分(撥水性シリカ)濃度は2重量%であった。
得られた表面処理剤について、実施例1と同様に防水
性試験、透湿性試験および促進耐候性試験並びに接触角
測定を行ない、実施例1と同様の優れた結果が得られ
た。
(実施例3) 市販の水分散シリカコロイド(触媒化成製S−20L、S
iO2濃度20%)50gに濃硫酸0.1gを滴下混合し、pH3に調
整した。この溶液にイソプロパノール300gを加え、連続
攪拌下で共沸脱水を行なった。200g留出した時点でイソ
プロパノール200gを加え再び共沸蒸留を行なうという操
作を3回繰り返しイソプロパノール分散シリカゾル150g
を得た。この溶液にトルエン300gを加え共沸蒸留により
溶媒置換を行ない、トルエンの沸点(110℃)になった
時点で蒸留を止めトルエン分散シリカゾル溶液を得た。
この溶液の水分を測定したところ0.4wt%であった。
この溶液に反応試薬であるオクタデシルメチルジメト
キシシラン6.5gを添加し、連続攪拌下で加熱還流を4時
間行なうことにより、シリカ粒子の表面の水酸基と反応
試薬とを反応させて、撥水性シリカゾル150gを得た。得
られた撥水性シリカゾルのSiO2濃度は6.7重量%、疏水
化率は96%、光散乱法で測定したシリカ粒径は41nmであ
った。この撥水性シリカゾルの1gをJIS1−3モルタル板
に塗布し乾燥後、0.03ccの水を垂らしたところ、水をは
じき優れた撥水性を示した。
上で得られた撥水性シリカゾル11gにイソプロパノー
ル49.5gを加え、表面処理剤を得た。この表面処理剤中
の有効成分(撥水性シリカ)濃度は2重量%であった。
得られた表面処理剤について、実施例1と同様に防水
性試験、透湿性試験および促進耐候性試験並びに接触角
測定を行ない、実施例1と同様の優れた結果が得られ
た。
[発明の効果] 以上述べたように本発明によれば、優れた防水性、透
湿性および耐候性を兼備する表面処理剤が提供された。
本発明の表面処理剤は、建築・土木分野、繊維分野、鉄
鋼分野などにおいて、部材の表面処理のために好適に用
いられる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コロイドシリカ粒子の表面をアルキル置換
    シランで撥水化してなる撥水性シリカゾルが有機溶媒に
    分散されていることを特徴とする表面処理剤。
  2. 【請求項2】撥水性シリカゾルが、非極性有機溶媒に分
    散されたシリカコロイドをアルキル置換シランと反応さ
    せ、コロイドシリカ粒子の表面をアルキル置換シランで
    撥水化することにより得られたものである。請求項
    (1)に記載の表面処理剤。
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