JP2508792Y2 - 複層ボビン - Google Patents

複層ボビン

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JP2508792Y2 JP16964288U JP16964288U JP2508792Y2 JP 2508792 Y2 JP2508792 Y2 JP 2508792Y2 JP 16964288 U JP16964288 U JP 16964288U JP 16964288 U JP16964288 U JP 16964288U JP 2508792 Y2 JP2508792 Y2 JP 2508792Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はボビン本体、即ち内筒に紙筒を使用し、その
内筒の表面にスパイラル状に突条を形成して外筒を嵌合
させ易くすると共に、内筒と外筒との固定を強固にした
複層構造のボビンに関する。
〔従来の技術〕
合成繊維の製造工程に使用されるボビンは、強度部材
である内筒と、その内筒の表面に嵌合され、巻回される
糸条に損傷を与えることを防止するための外筒からなる
複層構造、特に二重構造のボビンが多く使用されてい
る。
この種の繊維巻回用ボビンは、内筒として紙筒や金属
筒、あるいは合成樹脂筒を使用しているが、その表面は
一般に滑らかに形成され、これの表面に直接に紙筒、合
成樹脂薄筒等の外筒を圧入嵌着している。
〔考案が解決しようとする課題〕
内筒の表面に外筒を嵌着する場合に、外筒の内径が内
筒の外径に対して十分に余裕がある場合や、さほど大き
な圧入力を必要としない場合にはその嵌着作業を簡単に
行うことができる。
しかし、内筒と外筒との間に十分な間隙があること
は、両筒間に滑りを発生し易く、繰返して使用する際に
外筒が内筒より外れる事故が発生するので、これを防止
するために間隙をなるべく少なくすることが行なわれ
る。
このように両筒間の間隙を小さくすると両者間に滑り
が殆どない状態となり、内筒の表面に外筒を嵌合させる
ことが著しく困難となり、特に外筒が薄い場合にはこれ
に損傷を与えることになる。
前記内筒と外筒との嵌合上の問題点を解消するため
に、本出願人は内筒と外筒との間にゴムリングを介在さ
せてこのゴムリングを一種のコロとして内筒上に外筒を
滑べらせながら嵌合させる構造のものを提案した(実願
昭62−139448号)。
しかし、この構造のものは、ゴムリングが予定したよ
うな転がりをする場合には、所定の位置にこのゴムリン
グを配置した二重構造のボビンを組立てることが可能で
ある。しかし、大概の場合にはこのような状態にはなら
ず、慎重に嵌入作業を行う必要がある上に、ゴムリング
の配置状態によって微妙に偏心しており、そのために高
速回転するボビンには適用が困難であることが判明し
た。
また、一般にゴムリングはボビンの軸線に対して直交
して進行することが困難なために斜めに配置されたり、
最悪の場合には嵌着作業の際に切断してしまい、分解・
再組立作業を必要とする等の問題があった。
次に、前記ゴムリングの代わりにコイルスプリングを
使用したボビン(特願昭62−139448号)を検討したが、
この構造のものは内筒の表面にリング溝を形成する必要
があり、そのために内筒の強度を低下させるという問題
と、コイルスプリングを配置する位置はボビンの全長の
2箇所程度であり、目的とする滑り性を得ることができ
ない場合があるという問題、更には防錆性の針金を使用
する必要があり、経済性に問題があった。
また、内筒の表面に凹凸を形成して外筒との間にある
程度の滑りを与える方法も考えられるが、紙筒の表面に
このような加工をすることは生産工程を複雑化する上
に、紙筒自体の強度低下にもつながる恐れがある。
一方、内筒の表面に糸状体を螺旋状に突出するように
配設した紙(筒)製ボビン(実願昭60−87073号)が提
案されている。
しかし、このボビンを製造するためには、造筒部材以
外に糸状体(ゴム、ワイヤー、モノフィラメント等)が
必要であり、しかも紙製ボビンの強度、寸法等の各種規
格毎に糸状体の仕様を選択使用しなければならないこと
から多種類の糸状体の準備が必要で在庫管理が嵩む。
また、糸状体の内筒への巻き付け装置が必要であり、
かつ糸状であることに起因する糸状体の内筒上での転が
りや滑りが発生し易く、そのの策として、糸状体の内筒
方向側面ないし内筒側への接着剤(造筒部材と糸状体の
接着のための特殊の接着剤)の塗布、又は糸状体上への
カバー材の巻き付け等が必要となるので、そのための工
程、装置および管理も必要となる。
以上のように多くのコストアップ要因が重なり、製品
価格が高くならざるを得ない。
また、糸状体が、張力や押圧によって形状変化するも
のの場合は、造筒工程の前後工程の異常トラブルやその
他の原因で起こりがちの造筒スピードの変化に伴う配設
張力の変化や、外筒が嵌合されるに伴う押圧の変化で、
糸状体は不均一に形状変化してその突出の高さが不均一
になり、一方形状変化しにくいものの場合は、糸状体は
不均一に内筒層に食い込んで不均一な高さの突出となる
ので、内筒と外筒との嵌合中、嵌合に対する不均一な抵
抗が生じて嵌合しにくく、また内筒と外筒との嵌合ムラ
でボビンの回転バランスが悪く糸の巻装上の難点とな
る。
また、糸状体が細めの場合は、糸状体と外筒との接触
面積が著しく小さく外筒の保持が困難で、糸の巻装時、
外筒が空回りするという問題が発生しやすい。
かつ、内筒と外筒との嵌合の際の嵌合抵抗、嵌合押圧
等で嵌合先端面に糸状体の端が露出し、ボビンの糸捲装
用スピンドルの装着に不都合を招きボビンの円滑な回転
および捲装ができないという事態も発生し易い。
更に、例え糸満巻ボビンに仕上げられても、糸解除の
際に走行糸が露出している糸状体の端に引っ張り、糸の
張力ムラ、単糸切れ等が生じ、最悪の場合糸切れを招く
事もある。
本考案は、前記従来の技術の有する問題点を解消する
ために得られたものであって、その目的とするところ
は、特別な部材を使用せず、内筒を形成する部材の有効
利用、製作の容易性・安定性等から製造・組立に優れ、
かつ外筒の保持・固定の良好な複層ボビンを提供するこ
とにある。
更に別の目的は、製造工程において、通常の工程を採
用しながらも、内筒の表面に、内筒と外筒の嵌合の案内
レールとしての機能と、保持・固定する機能を兼ねた部
材を正確に位置させた複層ボビンを提供することにあ
る。
このことによって回転バランスが良く、円滑に糸巻装
ができる複層ボビンを提供することにある。
また特に大きな目的は、合成繊維糸の場合、延伸後時
間の経過と共に収縮していくという経時変化があるが、
この収縮を邪魔して染ムラ等の原因となる収縮ムラが生
じさせるようなことがないボビンを提供することにあ
る。
〔課題を解決するための手段〕
前記目的を達成するための本考案は、内筒の表面に外
筒を嵌合して使用する複層ボビンにおいて、前記内筒は
厚紙を主とする複数のテープ状シートを、スパイラル状
に多層に巻回した紙筒からなるものであって、最上層の
厚紙以外の前記厚紙を、前縁部に後縁部を対面するよう
に位置させて巻回し、巻回して形成した積層が一様の厚
さで、かつ長手方向の断面で略煉瓦積み状になるように
する一方、最上層の厚紙を、縁部を前後で重ね合わせて
巻回し、内筒の表面に、連続した細い幅の外周方向に突
出する帯状の突条をスパイラル状に形成し、この突条を
案内レールとして内筒の表面に外筒を嵌合させかつ保持
部材として内筒と外筒の間に狭幅空間を保持して一体化
するように構成してなる複層ボビンである。
更に、上記の複層ボビンにおいて、最上層の厚紙及び
少なくともその次の層の厚紙以外の前記厚紙を、前縁部
に後縁部を対面するように位置させて巻回し、巻回して
形成した積層が一様の厚さで、かつ長手方向の断面で略
煉瓦積み状になるようにする一方、最上層の厚紙及び少
なくともその次の層の厚紙を、縁部を前後で重ね合わせ
て巻回すると共に、この縁部を重ね合わせた箇所が上下
で一致するようにして、前記突条を形成してなる構成の
複層ボビンもある。
本考案は、外筒と内筒との間に内筒用の部材を有効利
用した案内レール兼保持部材を介在させたボビンであっ
て、内筒を構成する厚紙あるいは表面紙等のシートを利
用し、しかも、通常の工程で筒状体を製造する際の巻付
け作業時に、同時に前記突条を形成するものである。
〔作用〕
紙筒からなる内筒の表面にスパイラル状に突条を形成
しているので、この突条が保持部材として内筒と外筒の
間に狭幅空間を保持し、この狭幅空間分外筒が凹んで合
成繊維糸の延伸後の収縮運動に対応するので、糸は均一
に収縮でき染ムラ等の原因となる収縮ムラが生じない。
また、内筒と外筒とを嵌合する際にこの突条が一種の案
内レールとして作用するので、複層ボビンを簡単に組立
てることができる。
また、突条は内筒と一体的に形成されているために、
両筒の嵌合に際して移動するようなことはない。
更に、組み立てられた複層ボビンは、内筒の表面にス
パイラル状に形成された連続した細い幅の突条が外筒の
内表面に当接しているので、面対面の当接による保持力
で一体的に固定され、内筒と外筒の間で空回りが生じ
ず、良好な糸の巻装ができる。
〔実施例〕
次に図面を参照して本考案の実施例を説明する。
第1図(a),(b)は、本考案の第1の実施例にか
かる複層ボビンBを示す断面図と外筒のみを断面した図
で、紙筒製の内筒1の表面に紙筒製の外筒2を嵌合し、
更に、外筒2の内面に前記内筒1の下端部との間に間隙
3を明けてリング4を嵌入固定したものである。
内筒1の表面には後述する方法でスパイラル状に形成
された少なくともテープ状シートの幅より細い幅の外周
方向に突出した突条5案内レール兼保持部材が形成され
ている。
第2図は第1図のA部の拡大断面図であって、内筒1
は厚紙層で構成され、外筒2も同様に厚紙層で構成さ
れ、更にこの外筒2の表面に上貼紙層6が積層されてい
る。
この実施例においては、突条5は、内筒1の最上層の
厚紙1aの前縁部1bに、次に巻かれる厚紙1aの後縁部1cを
重合させたもので、この縁部の重合された部分が厚紙の
二重構造になって内筒2の表面にスパイラル状に連続し
た細長い帯状の突状5を形成している。そしてこの突状
5は保持部材として内筒1と外筒2の間に狭幅空間Sを
保持するように構成される。この狭幅空間Sは外筒2の
凹み代(しろ)である。すなわち、ボビンに巻装された
合成繊維糸は延伸後時間の経過と共に収縮しボビンに食
い込んでいくという経時変化があり、その場合外側に巻
装された糸と内側の糸とでは前者が収縮できるのに、後
者はボビンで邪魔され収縮できないという差異が生じる
が、本考案の複層ボビンBにおいては、外筒2がこの狭
幅空間Sの分だけ凹んで合成繊維の収縮、食い込みを受
け止めて吸収することができる。従って、従来のボビン
のように合成繊維糸が巻装の外側と内側とで収縮差が生
じることなく、均一に収縮して品質が安定し、この糸を
用いた繊維製品において糸の収縮ムラに起因する染ムラ
や織編のムラ等の不良が発生することを防止できるので
ある。
第3図は内筒1の製造工程の概略図であってマンドレ
ル10上に厚紙1n,……1e,1d,1aを駆動装置11によって回
転駆動しながら次々に積層してスパイラル状に巻回す
る。その際、最上層の厚紙1aの前端縁部に後縁部を重合
させて筒状体12にスパイラル状の突条5を形成し、その
後カッター13によって所定長に切断して内筒1を形成す
るのである。
第4図は外筒2の製造工程を示すもので、マンドレル
10a上に厚紙2n……2b,2aを駆動装置11aで駆動しながら
巻回し、最上層に上貼紙6を積層し、円筒体12aを形成
した後、カッター13aで所定長に切断して外筒2を形成
する。
第5図は前記のようにして構成された厚紙層で構成さ
れた内筒1の断面とその表面を示すものであって表層を
形成する厚紙1aの縁部1c(あるいは重合部)が先に巻か
れた後縁部に重合されている。この縁部1cは第5図の下
方に示すように内筒1の表面にスパイラル状に細い幅の
突出した突条として形成されている。
第6図は別の実施例を複層ボビンの要部を示す断面図
であって、内筒1を構成している最外層の厚紙1aの縁部
1c(後端縁部)を二重に折曲げ、先に巻かれた最外層の
厚紙1aの縁部1b前(端縁部)に重合したものである。こ
の重合した縁部1cの場合には厚紙1aの2枚分の厚さで突
条5が形成されいてることになる。この場合の二重に折
曲による突条5は、前記第6図の手法と反対の手法によ
り成形された突条5であっても十分に有効である。
第7図は更に別の実施例を示しており、この実施例に
おいては最外層に上貼紙層1pを形成し、最上層の厚紙1a
の縁部1b、1cを重合すると共に、次の層の厚紙1dの縁部
1b′、1c′も重合し、かつ重合した箇所が上下で一致す
るようにしたものである。この実施例においては2枚の
厚紙1a、1dの縁部が二重の重合状態で積層されているの
で他の部分の厚紙の層の厚さに比較して2枚分の厚紙の
厚さだけ突条5が形成されていることになる。なお、こ
の突条5の高さは前記第6図の実施例における突条5の
高さと同様なものである。
なお、重合する最上層の厚紙1a以外の厚紙を、第2
図、第5図及び6図に示すように、前縁部に後縁部を対
面するように位置させて巻回し、巻回して形成した積層
が一様の厚さで、かつ長手方向の断面で略煉瓦積み状に
なるようにしている。第7図の場合も、重合する最上層
1aとその次の層1d以外の厚紙を、前縁部に後縁部を対面
するように位置させて巻回し、巻回して形成した積層が
一様の厚さで、かつ長手方向の断面で略煉瓦積み状にな
るようにしている。従って、強固な構造の内筒1が得ら
れるのである。
第8図は本考案の他の実施例にかかるボビンの構造を
示すものである。
第8図(a)は、上端に先曲げ部20aを形成した厚
紙、あるいは厚紙と上貼紙の重合部によってその表面に
突条5をスパイラル状に表面に形成した内筒1と、先曲
げ部20を形成した外筒2を内筒1の下端が外筒2の下端
より若干短い状態で嵌合したものである。
第8図(b)は、外筒2の内部に先曲げ部のない内筒
1を挿入し、外筒2の下端部の内面に先曲げ部20aを形
成したリング21を固定したものである。
第8図(c)は、先曲げ部20aを設けた内筒1に先曲
げ部を形成していない外筒2を嵌合したものである。
第8図(d)は、先曲げ部20を設けた外筒2の内部
に、前記先曲げ部20との間に間隙22を明けた状態で内筒
1を嵌合させたものである。
次に、本考案にかかるボビンBの使用状態を簡単に説
明する。
第1図(a),(b)に示したボビンBは下端部にリ
ング4を設けたものであるが、このリングは第9図のよ
うにクリールスタンド30に設けたピン31にボビンBに巻
回されたパッケージP(巻装糸条)を支持されるための
ものであって、ピン31に設けた突起32(係止部)が前記
リング4に係合して脱落しないようにしている。これと
同様な使用方法は第8図(b)の構造のボビンBにも適
用することができる。
第10図のものは、先端部に先曲げ部等からなる突起32
を有するピン31を設けたクリールスタンド30を示すもの
であって、この構造のクリールスタンド30には第8図
(a)、第8図(c)、第8図(d)の構造のボビンを
使用することができる。
〔考案の効果〕
複層ボビンは、内筒の表面に外筒を嵌合して使用する
複層ボビンにおいて、前記内筒は厚紙を主とする複数の
テープ状シートを、スパイラル状に多層に巻回した紙筒
からなるものであって、最上層の厚紙以外の前記厚紙
を、前縁部に後縁部を対面するように位置させて巻回
し、巻回して形成した積層が一様の厚さで、かつ長手方
向の断面で略煉瓦積み状になるようにする一方、最上層
の厚紙を、縁部を前後で重ね合わせて巻回し、内筒の表
面に、連続した細い幅の外周方向に突出する帯状の突条
をスパイラル状に形成し、この突条を案内レールとして
内筒の表面に外筒を嵌合させかつ保持部材として内筒と
外筒の間に狭幅空間を保持して一体化するように構成し
てなる複層ボビンであり、更に、前記複層ボビンにおい
て、最上層の厚紙及び少なくともその次の層の厚紙以外
の前記厚紙を、前縁部に後縁部を対面するように位置さ
せて巻回し、巻回して形成した積層が一様の厚さで、か
つ長手方向の断面で略煉瓦積み状になるようにする一
方、最上層の厚紙及び少なくともその次の層の厚紙を、
縁部を前後で重ね合わせて巻回すると共に、この縁部を
重ね合わせた箇所が上下で一致するようにして、前記突
条を形成してなる構成の複層ボビンでもあるので、次の
効果を奏する。
A.ボビンに巻装された合成繊維糸は延伸後の時間の経過
と共に収縮しボビンを締めつけていくが、突条を保持部
材として内筒と外筒の間に、狭幅空間を緩衝帯として保
持しているので、外筒がこの狭幅空間の分だけ凹んで合
成繊維の食い込みを柔らかく受け止めて吸収することが
できる。従って、合成繊維糸は巻装の外側と内側とで収
縮差が生じることなく均一に収縮して品質が安定し、こ
の糸を用いた繊維製品において糸の収縮ムラに起因する
染ムラや織編のムラ等の不良が発生することを防止でき
る。
B.製作に当たり、最上層(又は最上層の厚紙及び少なく
ともその次の層の厚紙)以外の厚紙を前縁部に後縁部を
対面するように位置させて巻回するのに対し、最上層の
厚紙(又は最上層の厚紙及び少なくともその次の層の厚
紙)のみその縁部を重ね合わせるという工程の変化だけ
で、後は一切、工程の変化や追加はなく、かつ従来の造
筒材料以外に特別の材料や装置等も必要としないで、突
条を形成できるので、製造コストが上昇することが殆ど
なく、安価な複層ボビンを提供することができる。
C.内筒の最上層(又は最上層の厚紙及び少なくともその
次の層の厚紙)以外の厚紙を、前縁部に後縁部を対面す
るように位置させて巻回し、巻回して形成した積層が一
様の厚さで、かつ長手方向の断面で略煉瓦積み状になる
ように巻回するので、一様で強固な構造の内筒を得られ
る。
また、内筒の表面に外筒を嵌合させるとき、内筒の表
面に、スパイラル状に形成された連続した細い幅の帯状
の突条が、案内レールの役目をして、容易に嵌合するこ
とができるので、複層ボビンの組立が極めて容易にな
る。
また、内筒の細い幅の帯状の突条は、突条箇所だけで
なく厚紙全体が内筒に巻回し強固に固定されるので、嵌
合時の圧入力による位置のズレ込みがなく、かつ外筒の
内面にスパイラル状に均等に当接して内筒と外筒とをバ
ランス良く一体化するから、内筒と外筒の回転軸芯が一
致して回転バランスが良く、内筒と外筒の間で空回りが
生じることもなく、良好な糸の巻装ができ、また糸満巻
ボビンの良好な糸解除も可能である。
D.突状の高さは厚紙の縁部の重合の積み重ねによって調
整され、突状の幅は重ね合わす後縁部の幅で自由に調整
されるので、種々の糸質に応じて種々のボビンを設計す
る場合に柔軟に、かつ容易に対応できる。
【図面の簡単な説明】
図は本考案の実施例を示すものであって、第1図(a)
は第1の実施例にかかる複層ボビンの縦断面図、第1図
(b)は外筒を切断して示す前記(a)図と同様な複層
ボビンの一部切開断面図、第2図は第1図(a)におけ
るA部の拡大断面図、第3図は内筒の製造工程の説明
図、第4図は外筒の製造工程の説明図、第5図は前記第
1図のボビンに使用した内筒の断面構造と表面の突条の
形状を示す拡大図である。 第6図は第2の実施例にかかる突条を有する内筒を使用
したボビンの第2図と同様な部分の拡大断面図、第7図
は第3の実施例にかかる突条を有する内筒を使用したボ
ビンの第2図と同様な部分の拡大断面図である。 第8図(a),(b),(c)及び(d)は内筒と外筒
との各種の組合わせを有するボビンの中心線より半分を
断面し、残りの部分を断面しないで示した正面図であ
る。 第9図及び第10図は本考案にかかるボビンを使用したパ
ッケージをクリールスタンドに懸架している状態を示す
説明図である。 B…複層ボビン、1…内筒 1a…厚紙、1b…縁部 1c…縁部(重合部)、2…外筒 3…間隙、4…リング 5…突条、6…上貼紙層 20…狭幅空間

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】内筒(1)の表面に外筒(2)を嵌合して
    使用する複層ボビン(B)において、前記内筒(1)は
    厚紙を主とする複数のテープ状シートを、スパイラル状
    に多層に巻回した紙筒からなるものであって、最上層の
    厚紙(1a)以外の前記厚紙を、前縁部に後縁部を対面す
    るように位置させて巻回し、巻回して形成した積層が一
    様の厚さで、かつ長手方向の断面で略煉瓦積み状になる
    ようにする一方、最上層の厚紙(1a)を、縁部(1b)、
    (1c)を前後で重ね合わせて巻回し、内筒(1)の表面
    に、連続した細い幅の外周方向に突出する帯状の突条
    (5)をスパイラル状に形成し、この突条(5)を案内
    レールとして内筒(1)の表面に外筒(2)を嵌合させ
    かつ保持部材として内筒(1)と外筒(2)の間に狭幅
    空間(20)を保持して一体化するように構成してなる複
    層ボビン(B)。
  2. 【請求項2】最上層の厚紙(1a)及び少なくともその次
    の層の厚紙以外の前記厚紙を、前縁部に後縁部を対面す
    るように位置させて巻回し、巻回して形成した積層が一
    様の厚さで、かつ長手方向の断面で略煉瓦積み状になる
    ようにする一方、最上層の厚紙(1a)及び少なくともそ
    の次の層の厚紙を、縁部を前後で重ね合わせて巻回する
    と共に、この縁部を重ね合わせた箇所が上下で一致する
    ようにして、前記突条(5)を形成してなる請求項1記
    載の複層ボビン(B)。
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