JP2508285B2 - 磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録再生装置

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JP2508285B2
JP2508285B2 JP1208423A JP20842389A JP2508285B2 JP 2508285 B2 JP2508285 B2 JP 2508285B2 JP 1208423 A JP1208423 A JP 1208423A JP 20842389 A JP20842389 A JP 20842389A JP 2508285 B2 JP2508285 B2 JP 2508285B2
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忠司 前田
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、ヘリカルスキャン方式磁気記録再生装置
において回転ドラムに取り付けたヘッドが磁気テープに
進入するときまたは離脱するとき発生する騒音及びメカ
部の動作音が装置外部へ漏れにくくする構造に関するも
のである。
[従来の技術] 第23図は従来の磁気記録再生装置を示し、第24図は、
そのメカ部の詳細図であり、第25図は、メカ部の動作を
詳細に示す図である。
第23図において、(1)は磁気記録再生装置を(ア)
方向より覆う天板、(2)は磁気記録再生装置を(イ)
方向より覆い密閉するパネルである。
(3)は磁気テープをカセットケースから引き出し、
引き出した磁気テープに信号を記録または磁気テープか
らの信号を再生するためのメカ部、(4)は磁気記録再
生装置を機能させるための回路部である。
次に、第24図によりメカ部(3)を詳細に示す。
(5)はカセットケースをメカ部(3)の所定の位置に
収めるフロントローディング機構、(6)は磁気テープ
に信号を記録または磁気テープからの信号を再生するた
めのドラム、(7)はドラム(6)と回路部(4)の間
の信号を中継するためのヘッドアンプである。
(8)は磁気テープをカセットケースから引き出しド
ラム(6)の外周面にスパイラル状に巻き付け動作をさ
せるためのローディングモーター、(9)はメカ部を組
み立てる土台となるメインプレートである。
第25図は、磁気テープ(11)がカセットケース(10)
より引き出されドラム(6)に巻き付き、磁気記録再生
装置の動作中を示す図である。(6a)は磁気テープ(1
1)に信号を記録または磁気テープ(11)からの信号を
再生するためのドラム(6)に取り付けられたヘッドで
ある。
[発明が解決しようとする課題] 従来の磁気記録再生装置は以上のように構成されてい
るので、ドラム(6)に取り付けたヘッド(12)が磁気
テープ(11)に進入、離脱するときに発生する騒音、ま
たはローディングモーター(8)の作動音等メカ部
(3)の動作音は天板(1)、パネル(21)等で密閉さ
れているだけで磁気記録再生創始の低騒音化が難しいと
いう問題があった。
この発明は上記のような問題点を解消するためになさ
れたもので、比重変化を持たせた多孔質層を有する吸音
材を用いて騒音を吸収することにより、低騒音の磁気記
録再生装置を得ることを目的とする。
[課題を解決するための手段] この発明による磁気記録再生装置は騒音発生部分を多
孔質構造体で覆うようにしたものであり、その特徴とす
るところは、比重を層の厚さ方向もしくは層の面方向に
連続的に変化させた多孔質層とこの多孔質層の外側に融
着して一体化した多孔質層よりも空孔率の小さい非定気
性の融合層(中実層)とを有する多孔質構造体を用いて
回転ドラム装置の上面及び側面を覆ったものである。
[作用] この発明における磁気記録再生装置は、比重すなわち
空孔率を変化させた多孔質層の吸音板を装着することに
より各種特性を向上させる。例えば厚み等に応じて空孔
率の変化度合を変えて吸音特性の周波数を制御したりす
る。
[実施例] 以下、この発明の第1の実施例について説明する。
第1図は、この発明による磁気記録再生装置の主要部
を示す。図においては、(12a)はメカ部(31)の騒音
を吸収するための多孔質構造体を用いた吸音板であり、
フロントローデング機構(5)及びヘッドアンプ(7)
にネジ(13)で固定されてドラム(6)及びローディン
グモーター(8)を上面及び側面より覆うように取り付
けてある。
(12b)は、フロントローディング機構(5)の隙間
より漏れる騒音を吸収するためにフロントローディング
機構(5)の隙間をふさぐようにフロントローディング
機構(5)に嵌合するように取り付けてある吸音板、
(12c)はカセットケース(10)の押入口をはさぐよう
に開閉可能なようにフロントローディング機構(5)に
取り付けてある吸音板である。
次に、本発明に用いる吸音材と非通気性の融合層部材
とからなる多孔質構造体(以下多孔質あるいは層状のも
のは多層状ともいう)の構造、製法、特性について説明
する。なお詳細については平成1年4月28日出願の特開
平02−289333号、名称「多孔質構造体」に記載してあ
る。
第2図(A)、(B)は、それぞれ多層材(14)の厚
さ方向に切断した断面を模式的に示す図である。図にお
いて、(15)は比重の大きい層、例えば融合層で、通気
性又は非通気性のいずれでもよい。
(16)は比重の小さい多孔質層で、通常は通気性であ
り、空孔率は、厚さ方向に連続的に変化している。
(17)は通常比重が融合層(15)と多孔質層(16)の
中間にあるスキン層で、例えば厚さ100ミクロン以下の
融合層である。
多層材(14)は、融合層(15)と多孔質層(16)とが
一体化しており、同様に融合層(15)と多孔質層(16)
とスキン層(17)は一体化している。
多層材(14)は吸音材として使用するときは、多孔質
層(16)を等音源側に対面させて、音のエネルギーを吸
収減衰させかつ、融合層(15)で音波が透過するのを防
ぐ。
次に、上記のような多層孔(多孔質構造体)(14)を
構成する、層の厚さ方向もしくは層の面方向に比重を連
続的に変化させた多孔質層の製造方法及び特性について
説明する。
まず、製造方法について説明する。
第3図は、多層材の製造方法を説明する金型構成断面
図である。図において、(18)は凹側金型で、例えばア
ルミニウム等の熱伝導性の良い材質で構成されており、
(19)は凸側金型で、同様にアルミニウムで構成されて
いる。
(20)、(21)は各々金型の温度を上げるヒーター
で、凹側金型(18)の方が凸側金型(19)よりも高温に
される。
製法 原料として、熱可塑性樹脂の粒状素材を用いて、多孔
質構造体を成形する場合について説明する。
凹側金型(18)の壁部(22)の温度は、凹側金型(1
8)と凸側金型(19)によって形成される閉空間(23)
内に入れられる原料である粒状素材の軟化する温度以上
で熱分解温度以下、通常150〜240℃にセットされ、凸側
金型(19)の壁部(24)の温度は、凹側金型(18)の壁
部(22)の温度よりも低い温度、例えば原料となる粒状
差材の軟化する温度付近、通常70〜180℃にセットされ
る。
すると、凹側金型(18)の高温壁部(22)に接触した
粒状素材は溶融し、最終的には比重の大きい層、すなわ
ち融合層(15)になり、融合の程度により通気性から非
通気性に変化する。
凸側金型(19)の壁部(24)は高温壁部(22)より低
温のため、壁部(24)から上記融合層(15)までの粒状
素材は、完全流動までには至らないが、半流動状態で、
粒状差材各々が接触部分で溶着し、最終的には上記融合
層(15)に溶着した多孔質層(16)が形成される。
この多孔質層(16)は通常は通気性であるが、バイン
ダーたどの素材の混合材によっては非通気性になる。
このようにして比重の大きい層と比重の小さい多孔質
層を一体的に同時に成形することができる。
粒状素材の直径が0.2mm以下になると、空孔径が小さ
くなって、多層材の機能、例えば吸音特性が低下する。
また、空孔径を大きくしようとすると、粒子間の融着
度合が少なくなり、機械的強度が低下する。更に、直径
が3mm以上になると、吸音特性が低下する。
なお、熱可塑性樹脂の粒状素材原料としては、代表的
なものとして、PP(ポリプロピレン)、AS(アクリルス
チロール)、スチロールなどを用いることができる。
又、熱可塑性樹脂の粒状素材にバインダーとして、メ
チルエチルケトン(MEK)セルロース、ワニス、アセト
ンを吹付けたり、混ぜたりすると、多層材の粒状素材各
々の固着力が増し、機械的強度が向上して、取扱い性が
良くなる。
製法 原料として、熱硬化性樹脂の粒状素材を用いて多層材
を成形する場合について説明する。
製法の同様にして、凹側金型(18)の壁部(22)の
温度は、粒状素材の軟化する温度以上で熱分解以下にセ
ットされ、凸側金型(19)の壁部(24)の温度は、凹側
金型(18)の壁部(22)の温度よりも低い粒状素材の軟
化する温度付近にセットされる。
ここにおいて金型(18)、(19)内に熱硬化性樹脂、
例えフェノール、PBT(ポリブチレンテレフタレー
ト)、PET(ポリエチレンテレフタレート)などの粒状
素材で直径0.2〜3mm程度の粒子を、バインダーとなる例
えばセルロース、ワニス、各種接着剤などと混合して投
入し、金型(18)、(19)を加圧しながら閉じ、数分〜
数時間加熱する。
この加熱は上述した金型(18)、(19)のセット温度
で行われ、加圧力は加熱状態で1kg/cm2〜数ton/cm2であ
る。
このようにすると、凹側金型(18)の高温壁部(22)
に接触した粒状素材は軟化し、バインダーで接着されて
比重の大きい層となり、軟化の程度により、通気性から
非通気性に変化する。
凸側金型(19)の壁部(24)を高温壁部(22)により
低温のため、壁部(24)から上記の比重の大きい層(1
5)までの粒状素材は、完全流動までには至らないが、
半流動状態で、粒状素材各々が接触部分でバインダーで
接着されて、最終的には、上記の比重の大きい層(15)
に接着した多孔質層(16)が一体的に形成される。
この多孔質層(16)は通常は通気性であるが、バイン
ダーの混合量が多くなると、非通気性になる。
さらに、多層材の多孔質層の比重を、多孔質層の層面
方向に変化させようとするには、低温側の金型の温度を
上記層面方向に沿って変化すればよい。
すると低温側の金型の中でも、より高温部に対向する
多孔質層部分は、比重が大きくなり、より低温部に対向
する多孔質層部分は比重が小さくなる。
一方、上述の製法においては、多層材が一体的に成形
できるので、金型を変えることにより、種々の形状、特
に複雑な形状の多層材にも容易に対応できる。
次に、このようにして製造された、層の厚さ方向もし
くは層の面方向に比重を連続的に変化させた多孔質層の
各種特性及び応用等について説明する。
(i)吸音特性 第4図は、製法で成形された厚さ10mmの多孔質構造
体(ほとんど全域多孔質層)における厚さ方向の空孔率
(比重)分布例を示す図である。
第4図中、曲線A、Cは、空孔率が厚さ方向にほぼ一
様な特性を示し、それぞれ約25(%)、約10(%)のも
のであり、曲線Bは、空孔率が厚さ方向に分布を有し、
10〜20(%)の範囲で連続的に変化しているものであ
る。
この種の多孔質構造体を吸音材として利用する場合に
は、その吸音特性が問題になる。
第5図は第4図に示す三種類の空孔率分布を有するサ
ンプルにおける垂直入射吸音率をJISA1405「管内法によ
る建築材料の垂直入射線吸音率の測定法」により測定し
た結果を示す。
なお、曲線Bの厚さ方向に空孔率分布を有するサンプ
ルでは、空孔率が10(%)の方を音波を入射する面とし
た。
図から判るように、空孔率分布を有するサンプル(曲
線B)が最も吸音率特性が良いことを確認した。
次に、多孔質体の面方向に空孔率(比重)を変化させ
るとになる吸音特性の改善効果について説明する。第6
図は、三種類のサンプルの空孔率の変化を示し、曲線A
→B→Cの順で空孔率が小さくなっている。
このときの吸音特性を第7図に示す。この図より、特
に、音波入射面側の空孔率を小さくすれば(曲線Cに相
当)、低周波域の吸音率が向上する。
従って、多孔質体の面方向の空孔率に分布を持たせる
ことにより、広い周波数帯域で良好な吸音特性を得るこ
とができる。
以上説明した多孔層質を形成する樹脂粒は形状が球状
のほか、円筒状、円柱状、立方体などでもよい。ひげ付
きの熱可塑性樹脂粒はひげの部分が溶融しやすいので、
原料として好適である。
又、多層材の軽量化を図る目的で、例えば発泡した中
空状素材や発泡性素材を原料として利用することもでき
る。
更に、補強用として原料に短繊維を混入させてもよい
し、バインダーとして糸状の熱可塑性樹脂を原料に混入
させてもよい。
なお、多孔質体としての特性、特に吸音特性に対し、
粒状素材の形状や長径には、より優れた特性を有する範
囲があることを確認した。以下に説明する。
第8図には、粒状素材の形状を変えた場合の素材入射
吸音率の特性バラツキ(サンプル数5個での特性バラツ
キ)を示す図である。曲線Aは粒状素材が直径0.8(m
m)、長さl(mm)の円筒形状のもの、曲線Bは直径1
(mm)の球体状のものである。
なお、いずれも多孔質層お厚さは10(mm)であり、吸
音率を測定した周波数は2(KHz)である。同図より、
球体状のもの(曲線B)は、サンプルの違いによる特性
の差が少なく、極めて安定していることが判る。
この理由は、球体状の場合、粒状素材どうしの接触点
が一個所となるので、成形時に粒状素材の層状態が安定
して均一になるためである。
このように、特にサンプル間で特性の安定性を要する
場合などには球体状(球体もしくは楕円体)にする方
が、より好ましい多孔質構造体を得ることができる。
また、吸音特性は、粒状素材の長径によっても異なる
ことを確認した。第9図に、粒状素材の長径と吸音率の
関係に示す。
サンプルの厚さは10(mm)で、測定周波数は2(KH
z)である。粒状素材を径を小さく過ぎたり、大きくし
過ぎたりすると、音波が多孔質体内に侵入しにくくなっ
たり、多孔質体の固有音響インピーダンスが空気側の固
有音響インピーダンスと整合しなくなったりして吸音率
が低下する。
第9図により、粒状素材の長径は、実質的な範囲では0.
2〜3.0(mm)、好ましくは1.0〜2.0(mm)の範囲とする
ことにより、吸音特性を良好にできることを確認した。
次に、本発明に用いる多孔質構造の他の実施例につい
て説明する。
多孔質構造体は、層の厚み方向もしくは層の面方向に
比重を連続的に変化させた多孔質層と、この多孔質より
も空気孔率が小さく比重の大きい中実層とを層状にした
ものである。
この中実層は、粒状素材が熱過疎性樹脂の場合は、融
合層になり、融合の程度により通気性から非通気性まで
変化する。
また、粒凹素材が熱硬化性樹脂の場合には、粒状素材
が軟化しバインダーで接着されて比重の大きい層とな
る、軟化の程度により通気性から非通気性まで変化す
る。
次に、このような多孔質構造の代表的な製造方法につ
いて説明する。
製法例− 製法において、凹側金型(18)の壁部(22)の温度
を150℃にセットし、凸側金型(19)の壁部(24)の温
度を100℃にセットし、ABS樹脂として、電気化学工業株
式会社製GTR−40(グレード)、軟化する温度86℃の熱
可塑性樹脂の粒状素材、直径1mmの球状粒子を金型に入
れ、金型(18)、(19)を閉じた。この時、壁面(2
2)、(24)間の距離は10mmであった。
この状態で20分間経過(つまり加熱状態を持続)させ
て金型(18)、(19)を開放した。なお、加熱状態のと
きの加圧力は100kg/cm2であった。
このようにして成形した多層材(14)を第10図に示
す。この多層材(14)は厚さが10mmでその中の融合層
(15)の厚さは約1mm、多孔質層(16)の厚さは約9mmで
あった。
製法例−3 製法において、凹側金型(18)の壁部(22)の温度
を180℃にセットし、凸側金型(19)の壁部(24)の温
度を130℃にセットし、ABS樹脂として、電気化学工業株
式会社製GTR−40(グレード)、軟化する温度86℃の熱
可塑性樹脂の粒状素材、直径1mmの球状粒子を金型に入
れ、金型(18)、(19)を閉じた。この際、壁面(2
2)、(24)間の距離は10mmであった。
この状態で15分間経過させて金型(18)、(19)を開
放した。なお加熱状態のときの加圧力は100kg/cm2であ
った。
このとき成形した多層材(14)は厚さが10mm、その中
の融合層(15)の厚さは約1mm、多孔層(16)の厚さは
約9mmであったが、製法例−2の成形多層材(14)に
比べ、多孔層(16)の表面部の融合化が一部分進み、30
μm程度のスキン層が形成された。
製法例−2 製法において、凹側金型(18)の壁(22)の温度を
200℃にセットし、凸側金型(19)の壁部(24)の温度
を150℃にセットし、熱硬化製樹脂として、フェノール
樹脂(明和化成株式会社製、MW−752(グレード)、軟
化する温度190℃)で直径1mmの粒状素材を、バインダー
となる粉末状セルロース15重量%と共に金型に入れ、金
型(18)、(19)を閉じた。
壁面(22)、(24)間の距離は10mmであった。この状
態で25分間経過(つまり加熱状態を持続)させて金型
(18)、(19)を開放した。
なお加熱状態のときの加圧力は150kg/cm2であった。
このように成形した多層材(14)は厚さが10mmで、その
中の比重の大きい層(15)の厚さは約1mm、多孔質層(1
6)の厚さは約9mmであった。
なお熱硬化製樹脂を熱可塑性樹脂でコートした粒状素
材を原料として用いてもよい。
次に、上記のようにして成形された多層材(層状の多
孔質構造体)の特定等について説明する。
(i)空孔率 第11図は成形された多層材の空孔率を示す曲線図で曲
線実−2、実−3はそれぞる製法例−2、製法例
−3によって製造された多層材の厚さ(mm)に対する
空孔率(%)を示す。
融合層(15)はいずれも非通気性で、実−2の多孔
質層(16)は厚さ方向の空孔率が連続的に変化し、能面
(低温側)で空孔率が最大となる。実−3の多孔質層
(16)は厚さ方向に空孔率が連続的に変化するが、多孔
質層(16)の中央で空孔率が最大になり表面部(低温
側)で空孔率が低下する。
すなわち、表面部の空孔率は、多孔質層(16)の最大
の空孔率と融合層(15)の空孔率の中間であり、部分的
に融合したスキン層(17)が形成されていることを示し
ている。
なお比重は材質が同じであれば、当然ながら空孔率が
小さいほど大きい。
(ii)層状多孔質構造体の特性 多層材を吸音材として使用する場合にはその吸音特性
が問題になる。
第12図は垂直入射吸音率を比較する曲線図で、垂直入
射吸音率を前述のJIS A 1405により測定した結果を
示す。
曲線実−2は製法−2で製造した多層材で厚さ10
mmのもの、曲線「従」は従来の吸音材であるウレタンフ
ォームで厚さ10mmのものの特性をそれぞれ示す。
図からも判るように、多層材の垂直入射吸音率は従来
の吸音材(ウレタンフォーム)のそれと同等以上の特性
を有することを確認した。
第13図は同様な垂直入射吸音率の特性曲線図で、いず
れの曲線も前述の方法で製造した多層材の特性で、実
−2、実−3はそれぞれ製法例−2、製法例−3
で製造し厚さ10mmの多層材の特性を示す。
なお、製法例−3のものの特性が良好な理由は表面
部の空孔率の最適化の影響と思われる。
(iii)スキン層の効果 次に、スキン層により吸音特性が向上する現像の解明
及びその最適厚さについて説明する。
まず、多孔質体素材としてABS樹脂を用いて、厚さ10m
mのサンプルを前述の製法により製作した。
このサンプルの空孔率分布の実側結果を第14図に、空
孔率の小さい方ぽ音波入射面なしでその垂直入射吸音率
特性を第15図に示す。
図から明らかなように、このサンプルでは、400(H
z)のいう低周波で吸音率が最大となり、しかもその値
が90(%)を越える良好な吸音特性が得られた。
このとき、このサンプルの音波入射面側の低空孔率部
を顕微鏡で破断した結果、その表面が厚さ30ミクロン程
度の、ほぼ非通気性のスキン層になっていることが見出
された。
さらに、スキン層の厚さを種々変更して吸音特性の試
験を行った結果、スキン層の厚さが100ミクロンを越え
ると、スキン層が質量としてではなく、弾性膜(バネ
系)として働くようになり、最高吸音率の周波数は、逆
に上がってしまい、所要の効果は得られなかった。
従って、スキン層の厚さは100ミクロン以下が妥当で
あることを確認した。
上記の層状の多孔質構造体は、主として二層の場合で
説明してきたが、三層あるいは任意層・任意材質の名硬
質構造体とすることもできる。
第16図は、スキン層(17)、多孔質層(16)及び非通
気性の中実層(15)よりなる三重層の多孔質構造体(14
a)の断面図を示す。
これを、吸音材として用いる場合には、前述したよう
に、スキン層(17)及び多孔質層(16)により優れた吸
音特性を有し、かつ非通気性の中実層(15)が遮音体と
なるので、吸音と遮音の両機能を効果的に発揮する構造
体とすることができる。
なお、上記例に限らず、各分野でその用途に応じて、
任意層・任意材質の多孔質構造体として応用できること
はいうまでもない。
さらに、粒状素材に樹脂粒以外の粒を含む素材を用い
ることにより、多孔質構造体の機能を拡大させることが
できる。以下、その一実施例を説明する。
まず、製造方法について説明する。
製法例−1 第17図は金型(18)、(19)の空間(23)に2種類の
粒を含む素材を入れ金型(18)、(19)を閉じたところ
を示す断面図である。
凹側金型(18)内に、最初に長径が約0.2mmの鉄粒(2
5)を積み厚さが約1mmになるように充填し、その御、長
径が約1mmのABS樹脂粒(26)(製法例−2に使用した
ものと同じもの)を閉空間(23)の高さ(10mm)より約
2mmほど高くなるように充填する。
充填後、凸側金型(19)(第17図では板状金型)を凹
側金型(18)に密着接合させることにより上記鉄粒(2
5)とABS樹脂粒(26)の充填層を圧縮し、閉空間(23)
内に異種粒の充填層を形成する。
以上の条件で、ABS樹脂粒の軟化する温度86℃より高
い温度、つまり凹側金型温度を150℃、凸側金型温度を1
00℃に昇温し、約20分加熱する。鉄粒(25)の融点は約
1500℃であることから、その鉄粒の粒形状は保持された
状態となる。
一方ABS樹脂粒は、特に凹側金型(18)の壁部(22)
は高温であることから、それに接触する鉄粒も高温とな
り、鉄粒(25)と接触するABS樹脂粒(26あは溶融し、
溶融したABS樹脂粒が鉄粒(25)を取り巻くように流動
する。
加熱後、冷却されて成形された多層体(14)は、厚さ
が10mmでその中鉄粒(25)が混入された融合層(15)は
厚さが約1mm、多孔質層(16)は厚さが約9mmの一体化し
た積層体となった。融合層(15)の比重は、鉄粒を含ま
ない場合は、ABS樹脂の比重そのものとなり、1.05gr/cc
であるが、鉄粒を入れた場合は融合層のみを切断し、そ
の比重を測定した結果、4.4gr/ccであった。
多層材の多孔質層を吸温材とし、融合層を遮音材とし
て利用する場合、遮音材としてはその比重が大きいほど
遮音特性が向上するので、この多層材は遮音特性に優れ
る。
従来は、ABS樹脂のような比重の軽い材料の遮音度を
上げるには、その材料の厚さを厚くするか、鉄板などの
金属を貼りつけることが必要であったが、この製造方法
では溶融する部分に比重の大きい材料を混入させること
により、多孔質層と比重のさらに大きい融合層を持つ多
層材を容易に実現できる。
次に、特性例(遮音特性)について説明する。
第19図はこの多層材の遮音度特性を示す曲線図であ
る。
曲線実−2、曲線実−1はそれぞれ製法例−2
で製造した多層材(鉄粒なし)の厚さ10mmのもの、製法
例−1で製造した多層材(鉄粒入り)の厚さ10mmのも
のの遮音特性を示す。
この遮音特性は第18図の特性測定器を用いて測定し
た。パイプ(27)(100mmφ)の中に、測定する多層材
(14)を挿入し、その前後にマイクロホンNo.1、No.2
(30)、(31)を設置する。
パイプ(27)の一方端よりスピーカ(28)で音を入射
させる。パイプ(27)の他端は閉じており、その閉端に
は、長さ約1000mmのグラスウール(29)を充填してお
り、閉端で音が反射しないように処理されている。スピ
ーカ(28)で放射され、多層材(14)に入射する入射波
の音圧レベルはマイクロホンNo.1(30)で測定し、多層
材を透過する透過波の音圧レベルは、マイクロホンNo.2
(31)で測定される。
なお、多層材の遮音度(dB)は、入射波の音圧レベル
から透過波の音圧レベルを差引いた値で評価した。
第19図に示すように、鉄粒入りのもの(実−1)
が、鉄粒なしのもの(実−2)より約10dB遮音度が向
上している。
上述実施例においては、樹脂粒に混合する粒を鉄粒と
したが、他の金属、ガラスや比重の大きい材料でも同様
の効果を発揮する。
又、上述実施例においては、遮音特性の向上のみ説明
したが、電磁シールドにアルミニウムなど電磁シールド
に効果のある材料を混入させてもよく、更に融合層や多
孔質層の強度向上にグラスフィアバなどを、樹脂粒に混
入して成形してもよい。
次に、電磁シールド効果を有する非通気性のシールド
プレートを備える場合を第20図により説明する。なお前
述した部分の同じ部分には同一符号を付して説明を省略
する。
図において、(25)は吸音板(12a)の内側に配置さ
れた吸音板(12a)と略同じ形の電磁シールド効果を有
する非通気性のシールドプレートであり、シールドプレ
ート(25)は吸音板(12a)と共にネジ(13)によりメ
インプレート(9)に取り付けられている。
これにより、吸音性をさらに向上することができると
共に電磁シールド効果をも有することができる。
また、第21図に示されるように、シールドプレート
(25)の上面に吸音板(12a)に穿設された孔(26)に
嵌合する突起(27)を設けると、シールドプレート(2
5)と吸音板(12a)とのメインプレート(9)への取り
付けが容易になる。
なお、上述実施例においては、吸音板(12a)をネジ
(13)によりメインプレート(9)に取り付けていた
が、これに限らず、第22図に示すように、メインプレー
ト(9)に穿設された孔(28)に嵌合する突起(29)を
吸音板(12a)の下側に設け、突起(29)により吸音板
(12a)がメインプレート(9)に固定されるようにし
てもよい。
[発明の効果] 以上のように、この発明によればメカ部に取り付けた
吸音板を比重を層の厚さ方向もしくは層の面方向に連続
的に変化させた多孔質層とその一側に融着して一体化し
た非通気性の融合層を有する多孔質構造体により吸音特
性を向上できる。
また、融合層を厚さ100ミクロン以下のスキン層とす
ると、さらに吸音特性を向上させることができる。
更に、比重を変化させた多孔質層の一側面に、この多
孔質よりも空孔率が小さい中実層を他側面に厚さ100ミ
クロン以下のスキン層を設けると、相乗的に特性向上が
図れる。
また、多孔質構造体を構成する粒子素材を複数の異な
る材質にすると、電子シールド特性の向上も図れる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例による磁気記録再生装置の
メカ部を示す斜視図、第2図は本発明に用いる多層材
(多孔質構造体)の模式的断面図、第3図は多孔質構造
体を製造する金型構成断面図、第4図は本発明に用いる
多孔質構造体の第1の実施例における多孔質構造体の厚
さに対する空孔率を示す曲線図、第5図は第4図に空孔
率曲線を示した多孔構造体を垂直入射吸音率の特性曲線
図、第6図は本発明に用いる多孔質構造体の第2の実施
例における多孔質構造体の厚さに対する空孔率を示す曲
線図、第7図は第6図に空孔率曲線を示した多孔質構造
体の垂直入射吸音率の特性曲線図、第8図は多孔質層を
形成する粒状素材の形状を変えた場合の垂直入射吸音率
の特性のバラツキを示す特性図、第9図は粒状素材の直
径と吸音率の関係を示す特性図、第10図は本発明に用い
る層状の多孔質構造体を一部断面で示す図、第11図は本
発明に用いる第3の実施例の多孔質構造体の厚さに対す
る空孔率を示す曲線図、第12図及び第13図は従来のもの
と第11図に空孔率曲線を示した多孔質構造体との垂直入
射吸音率の特性を比較する曲線図、第14図の本発明に用
いるスキン層を有する多孔質構造体の空孔率を示す曲線
図、第15図な第14図に空孔率曲線を示したスキン層を有
する多孔層構造体の垂直入射吸音率の特性曲線図、第16
図は本発明に用いる任意層状の多孔質構造体を示す断面
図、第17図は鉄粒入り多孔質構造体を製造するための金
型構成断面図、第18図は遮音特性を測定する特性測定器
の説明図、第19図は本発明に用いる二種類の多孔質構造
体の遮音度特性図、第20図から第22図までは本発明の他
の実施例を示す斜視図、第23図は従来の磁気記録再生装
置を示す斜視図、第24図は従来のメカ部を示す斜視図、
第25図はメカ部の動作を示す平面図である。 図において、(6)は回転ドラム、(14)は多層材(多
孔質構造体)、(15)は融合層(比重の大きい層、中実
層)、(16)は多孔質層である。 なお、図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転ドラム装置を有するヘリカル方式の磁
    気記憶再生装置において、比重を厚さ方向もしくは面方
    向に連続的に変化させた多孔質層部材と、多孔質層部材
    の外側に融着した非通気性の融合層部材とからなる多孔
    質構造体により前期回転ドラム装置の上面と側面とを覆
    ったことを特徴とする磁気記録再生装置。
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