JP2508112B2 - 熱転写記録媒体 - Google Patents

熱転写記録媒体

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JP2508112B2
JP2508112B2 JP62183423A JP18342387A JP2508112B2 JP 2508112 B2 JP2508112 B2 JP 2508112B2 JP 62183423 A JP62183423 A JP 62183423A JP 18342387 A JP18342387 A JP 18342387A JP 2508112 B2 JP2508112 B2 JP 2508112B2
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英一 圷
孝一 斉藤
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    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/26Thermography ; Marking by high energetic means, e.g. laser otherwise than by burning, and characterised by the material used
    • B41M5/382Contact thermal transfer or sublimation processes
    • B41M5/3825Electric current carrying heat transfer sheets

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、電気信号を熱エネルギに変換し、インク像
を被記録体上に転移して記録を行うために用いる熱転写
記録媒体に関する。
従来の技術 従来、被記録体、例えば普通紙上に所定のデジタル画
像信号に対応する画像の記録を行う場合、インクドナー
フィルム等の熱転写記録媒体を用いた記録方法が広く知
られている。
この様な記録方法としては、次のような方式が採用さ
れている。
(1)熱ヘッド転写方式:多数の発熱素子を一列に配置
したサーマルヘッドを用い、インクを塗布したベースフ
ィルムを、そのインク面を記録紙に対向させた状態で、
ベースフィルム背面からサーマルヘッドにより選択的に
熱パルスを印加し、その部分のインクを溶融し、或いは
昇華させて記録用紙上に転写する方式。(特開昭53-847
35号公報) (2)通電転写方式:インクを塗布したベースフィルム
に針電極を接触させて、インクに選択的に通電を行って
インクをジュール熱によって加熱し、記録紙上に転写を
行う方式。この方式ではベースフィルムに導電性を付与
するために樹脂中に金属等の導電性材料を分散してフィ
ルム化したり、高抵抗の導電性高分子樹脂を使用し、ま
た、インク層には、導電性の良好な材料を配合したもの
を用いている。(画像電子写真学会誌:1982年Vol.11、N
o.1、P3〜9) (3)熱的転写印刷方式:上記(2)と同種の方式であ
るが、インクに直接電流を流して加熱するのではなく、
ベースフィルム上に発熱抵抗体層を介してインク層を設
け、この発熱抵抗体層に通電してインクを加熱し、転写
紙上に転写を行う方式。(特開昭56-93585号公報) 第5図は、この方式を説明するためのもので、熱転写
記録媒体は、導電性が付与されたベースフィルム53上に
発熱抵抗体層54と、導電層55と、インク層56とが積層さ
れた構造を有している。この熱転写記録媒体を用いて記
録を行うには、その背面に針電極51と帰路電極52とを接
触させるが、針電極51は紙面に垂直な方向に向けて多数
一列に配列ており、画像信号に応じてそのうちの幾つか
に選択的に電気パルスが印加される。電流は矢印の方向
に流れ、発熱抵抗体層54を発熱させ、その熱によってイ
ンク層56の一部のインク58が熔融軟化して記録紙57に転
写される。
発明が解決しようとする問題点 しかしながら、これら従来の方式は以下のような欠点
を有し、いずれも満足の行くものではなかった。
即ち、熱ヘッド転写方式は、サーマルヘッドからベー
スフィルムを介してインク層に熱が伝達されるために、
熱伝導に要する時間だけ、記録に時間後れが生じ(時定
数1m sec程度)、印字速度が遅くなる難点があった。さ
らに伝達される熱エネルギが小さく、低融点のインクを
使用する必要があり、したがってインク材料の選択の自
由度が小さく、転移制御性もよくなかった。したがっ
て、記録ドットの濃度変調は困難となり、インク材料と
してもワックス系の材料しか使用できないという難点も
あった。
また通電転写方式は、インクに配合する導電材料が色
調制御を困難にするために、カラー化が困難であるとい
う欠点があり、また、ベースフィルム内の電気抵抗によ
る電力損失に加えて、電流の拡がりによる損失も生じ、
電力効率が悪く、しかも記録ドットの位置精度が低いと
いう難点があった。さらに導電性材料をベースフィルム
に配合すると、その機械特性も低下してしまうという欠
点もあった。
一方、熱的転写印刷方式は、インクに導電性を付与す
る必要がなく、インク材料選択の自由度が高いが、電流
の拡がりによる損失が大きいことと、記録ドットの位置
精度が低いという点は上記通電転写方式と同様であっ
た。また、第5図から明らかなように、ベースフィルム
53は発熱抵抗体層54より充分高抵抗である必要があり、
したがって、必然的に針電極51などとの接触抵抗が高く
なってしまう。しかも電流が、針電極51、ベースフィル
ム53、発熱抵抗体層54、導電層55という経路と同様の経
路を辿って帰路電極52に達するから、電流路中に2箇所
も接触接続部分が存在し、電気エネルギの損失が大きい
という難点があった。
本発明は、従来の技術における上記した問題点に鑑み
てなされたものである。
問題点を解決するための手段 本発明の熱転写記録媒体は、支持体上に、熱可塑性高
分子物質を主成分とするインク層を有する熱転写記録媒
体において、該支持体は、異方性導電層、発熱抵抗体
層、帰路電極層及びインク剥離層の各層が積層された積
層構造を有し、該異方性導電層は、体積抵抗率102Ω・c
m以下で融点500℃以下の粒状体が、面密度が一定になる
ように配設され、且つ、体積抵抗率1010Ω・cm以上の樹
脂によって固定されてなることを特徴とする。
本発明の構成を図面によって説明する。第1図は、本
発明の熱転写記録媒体の概略断面図である。熱転写記録
媒体は、支持体10上にインク層15が設けられており、そ
して、支持体10は異方性導電層11、発熱抵抗体層12、帰
路電極層13及びインク剥離層14から構成され、そして異
方性導電層においては、粒状体11aが面密度が一定にな
るように配置され、樹脂11bによって固定されている。
なお、16は針電極である。
本発明の熱転写記録媒体において、異方性導電層は、
これに接触した針電極から発熱抵抗体層に向かって、そ
の厚さ方向に低損失で電流を流すために設けられたもの
で、体積抵抗率102Ω・cm以下で、融点500℃以下の粒状
体が面密度が一定になるように配設されたものであっ
て、且つ、これら粒状体は、体積抵抗率1010Ω・cm以上
の樹脂によって固定されている。その厚み方向の導電率
が面方向の導電率の10倍程度以上であることが好まし
く、具体的には、厚み方向の抵抗値が200Ω以下、好ま
しくは20Ω・cm以下に設定される。
体積抵抗率102Ω・cm以下で、融点500℃以下の粒状体
としては、真球度が高く、粒径が5〜25μmの範囲にあ
り、粒度分布が狭いものが用いられ、例えば、Pb、Sn、
Cd、Bi、In、Li、Se、Ti、Zn、Te、K、Na又はこれらの
金属の合金等の粒状体が使用できる。又、体積抵抗率10
10Ω・cm以上の樹脂としてはポリイミド樹脂、シリコー
ン樹脂、ポリイミドアミド樹脂等の熱硬化性樹脂が使用
できる。
第2図は、異方性導電層の斜視図である。異方性導電
層21において、上記導電性の粒状体21aが面密度が一定
になるように配設されており、それら粒状体は樹脂21b
によって固定されているが、異方性導電層21の厚さを、
粒状体の粒径と同等にすることによって、厚さ方向の導
電率と面方向の導電率との比を108倍以上にすることが
できる。
異方性導電層は、第3図に示すようにして形成するこ
とができる。即ち、導電性の粒状体31aを樹脂中31bに分
散してシート化し(第3図(a))、それを加熱しなが
ら、プレス32によって両面から圧力をかけ(第3図
(b))、粒状体を溶融させ、且つ、樹脂を硬化させる
(第3図(c))ことによって作成することができる。
また、発熱抵抗体層は異方性導電層からの電流による
ジュール熱によって発熱し、インク層を加熱するための
層であって、200℃以上の耐熱性を有するもの、例え
ば、TaN等のセラミックにより構成され、その体積固有
抵抗は単位断面積あたり10-2Ω・cmから103Ω・cmに設
定する。また、その厚さは、支持体の機械特性の点か
ら、3000Åないし20μmの範囲に設定するのが好まし
い。
発熱抵抗体層の厚さが上記の範囲に設定した場合、そ
の体積固有抵抗が上記範囲以上になると、発熱に必要な
電流を供給するために高電圧駆動が要求され、回路やそ
の他の部分の耐圧等の面で信頼性が低下する。一方、体
積固有抵抗が上記の範囲以下になると、発熱のために大
電流を供給する必要が生じ、回路の大型化によるコスト
アップを招く。したがって、体積固有抵抗及び厚さは、
上記の範囲に設定するのが好ましい。
次に、帰路電極層は、発熱抵抗体層に流入した電流を
還流させる電極である。導電性金属の蒸着等により形成
され、その体積固有抵抗は発熱抵抗体層のそれの5×10
-1倍以下、好ましくは1×10-1倍以下であって、耐熱性
が200℃以上の材料を選定する。この帰路電極層は、図
示しない電極を通じて接地され、あるいは一定のバイア
ス電位の電極に接続される。
インク剥離層は、インクが加熱されたとき転移が容易
なように、記録用紙等の転写材の表面の臨界表面張力
(γc)に比べて、より低い臨界表面張力を有する材料
によって形成される極薄膜であることが好ましい。例え
ば、γc=35ダイン/cm以下のもので、フッ素樹脂、シ
リコーン樹脂等の溶液を塗布して得られるハードコート
膜、或いは有機プラズマ重合膜等が好ましく用いられ
る。又、その厚さは、10μm以下、好ましくは1μm以
下に設定する。
このインク剥離層を設けることによって、インクの転
移効率が好くなり、入力エネルギを変調してドット転移
量を変化させることができ、いわゆる多階調の記録が可
能になる。
インク層は、ガラス転移温度130℃以下の高分子物質
をベースにして色材を混合又は溶解し、着色したもので
ある。
作用 ここで、第1図に示すように、針電極16を異方性導電
層11に圧接させて電気パルスを印加すると、その信号電
流は、針電極16、粒状体11a、発熱抵抗体層12及び帰路
電極層13の中を一点鎖線の矢印のように流れる。異方性
導電層11のX方向(厚み方向)の電気抵抗が十分低く、
且つ、帰路電極層13中では電流が広く拡散するためにこ
こでも電気抵抗が低く、針電極16から供給される電気エ
ネルギーの大部分は発熱抵抗体層12において熱エネルギ
ーに変換される。
この熱は、帰路電極層13及びインク剥離層14を伝わっ
てインク層15に達する。こうしてインク層15のインクは
加熱溶融され記録用紙等へ転写される。このとき、帰路
電極層13及びインク剥離層14が十分薄層とされているの
で、電熱速度も速く、エネルギー損失も少ない。
実施例 以下、本発明を実施例によって詳細に説明する。
第1図の示した熱転写記録媒体において、各層を以下
のようにして作成した。
異方性導電層 粒径が12〜15μmのSn粒状体を、50μm×50μmの面
積に少なくとも1個平均して30μm×30μmの面積に1
個存在するような密度で配置し、熱硬化性ポリイミド樹
脂で固定し、300℃で加熱しながら両面から圧力をか
け、粒状体を溶融させ、且つ、熱硬化性ポリイミド樹脂
を硬化された後冷却して、厚みが10μmの異方性導電層
を作成した。
厚み方向(第1図のX方向)の抵抗値は7×10-5Ω・
cm、面方向の抵抗値は1012Ω・cmであった。
発熱抵抗体層 洗浄、乾燥させた異方性導電層を、真空度3.0×10-6T
orrの真空系にセットして、真空度が2×10-2Torrにな
るようにArガスを導入した後、高周波スパッタリング法
によりAlを4重量%含むAl2O3ターゲットをスパッタリ
ングして、抵抗値1.1Ω・cm、厚さ4000Åになるように
着膜し、発熱抵抗体層を形成した。
帰路電極層 得られた積層体を真空度が2.0×10-6Torrの真空系に
セットして、電子ビーム真空蒸着法により、Crを500
Å、Alを1500Åになるように着膜し、帰路電極層を形成
した。
インク剥離層 サスペンジョンテフロン分散液を上記帰路電極層上に
塗布し、320℃で熱処理して厚さ1.5μm;臨界表面張力21
dyne/cmのインク剥離層を形成した。
インク層 上記のようにして得られた支持体上に、インク層を形
成した。即ち、ガラス転移点62℃のアクリル樹脂にフタ
ロシアニン顔料を10重量%混入して、熱溶融性シアンイ
ンクを作成し、上記インク剥離層上に10μmのインク層
を形成した。
以上のようにして作成された熱転写記録媒体を第4図
に示すような装置にセットし、記録を行った。
第4図における熱転写記録媒体40は、供給リール41か
ら巻取リール42に向かって搬送される。記録用紙43は、
この熱転写記録媒体40に重ね合わされて、一対の搬送ロ
ーラ44に挟まれて搬送される。針電極を列状に配列した
記録ヘッド45は、一対の搬送ローラ44の中間で、背面弾
性ローラ46と共同して熱転写記録媒体40と記録用紙43と
を挾みつけ、記録用の電気パルスを印加する。それによ
って、記録用紙43上にインク転写像が形成される。
ここで記録ヘッドには直径70μmの針電極を8本/mm
の密度で配列したラインヘッドを用い、電気パルスは50
V、60V、70V、80V、90Vの5種とし、いずれも200μsec
の短形パルスを用いた。記録用紙には電子写真記録用の
普通紙(臨界表面張力43dyne/cm)を使用し、ゴム硬度4
0の背面弾性ローラに対し、1.5Kg/cm2の圧力でラインヘ
ッドを押圧した。帰路電極には幅250μsec、30Vの短形
パルスを連続的に印加するよう接続した。
このようにして画像信号に対応して熱転写記録を行
い、良好な画質の記録が得られた。その結果を表に示
す。
発明の効果 1)発熱抵抗層とインク層が近接しているので、電熱距
離が短くなり、高速印字、例えば、500μsec/ドット以
下の高速印字が可能になる。
2)インク層が、基材として単なる熱可塑性のものを用
いるので、材料選択の自由度が大きく、従って、高品位
な画質の画像を形成することが可能である。
3)入力信号の強度変調により転写インク量の調整を行
うことができる。したがって、3段以上の濃度表現が可
能になる。
4)発熱抵抗体層とインク層を近接するので、熱拡散に
よるエネルギーロスが少なくなり、低エネルギー記録、
例えば、1ドット当り500erg以下の供給エネルギで記録
することが可能になる。
5)異方性導電層を設けたから、電流の広がりによる損
失が小さくなり、低エネルギーでドットの位置精度の高
い記録を行うことが可能になる。
6)異方性導電層を設けたから、針電極との接触抵抗が
小さくなり、エネルギー損失を抑え、針電極による熱転
写記録媒体のダメージが小さくなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例の模式的断面図、第2図は異方
性導電層の斜視図、第3図は異方性導電層の形成方法を
説明する説明図、第4図は本発明の熱転写記録媒体を使
用して記録を行う熱転写記録装置の概略構成図、第5図
は従来の熱転写記録媒体による記録状態を説明するため
の説明図である。 10……支持体、11……異方性導電層、11a……粒状体、1
1b……樹脂、12……発熱抵抗体層、13……帰路電極層、
14……インク剥離層、15……インク層、16……針電極、
21……異方性導電層、40……熱転写記録媒体、41……供
給リール、42……巻取リール42、43……記録用紙43、44
……搬送ローラ44、45……記録ヘッド45、46……背面弾
性ローラ46、51……針電極、52……帰路電極、53……ベ
ースフィルム53、54……発熱抵抗体層54、55……導電
層、56……インク層、57……記録紙57。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に、熱可塑性高分子物質を主成分
    とするインク層を有する熱転写記録媒体において、該支
    持体は、異方性導電層、発熱抵抗体層、帰路電極層及び
    インク剥離層の各層が積層された積層構造を有し、該異
    方性導電層は、体積抵抗率102Ω・cm以下で融点500℃以
    下の粒状体が、面密度が一定になるように配設され、且
    つ、体積抵抗率1010Ω・cm以上の樹脂によって固定され
    たことを特徴とする熱転写記録媒体。
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