JP2507573Y2

JP2507573Y2 - 床天井複合パネル

Info

Publication number: JP2507573Y2
Application number: JP40621990U
Authority: JP
Inventors: 茂秋元
Original assignee: Misawa Homes Co Ltd
Current assignee: Misawa Homes Co Ltd
Priority date: 1990-12-28
Filing date: 1990-12-28
Publication date: 1996-08-14
Anticipated expiration: 2005-12-28
Also published as: JPH0494007U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、主として、現場でパネ
ルを組み立てて接合することにより躯体を形成する方式
の工業化住宅において好適に用いられる床天井複合パネ
ルに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】プレハブ化住宅のような工業化住宅にお
いては、２階床部分の施工に際し、従来より一般に、次
のような方法が採用されている。すなわち、まず現場に
構築された基礎構造物の上に１階床パネルを敷き、その
上に壁パネルを配設した後、これらの壁パネルの上に２
階床パネルを載せてこれを接合する。この２階床パネル
は、通常、矩形輪郭に組まれた芯材の上面に床用面材が
貼設されてなるものである。そして、２階床パネルの敷
設後に、その下側から、該２階床パネルの芯材の間の所
定の位置に天井吊梁等を取り付け、さらに、これらの芯
材および天井吊梁の下面に、直接あるいは補強材等を介
して、石膏ボード等の天井材を貼り付ける作業を行う。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】ところが、このような
施工法にあっては、前記のように、２階床パネル敷設後
に、現場にて天井材を貼設するため、現場作業の工数が
増えて作業が複雑化するという問題がある。また、この
天井材の貼設作業を行うに当たっては、通常、作業員
が、２階床パネルの下側、すなわち躯体内部の１階部分
から上方へ手を延ばした状態で作業を行うために、作業
性が悪く、身体にかかる負担が大きいなどの問題もあ
る。

【０００４】本考案は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、現場での天井材貼設を省略して、現場
施工の簡略化を図った床天井複合パネルを提供すること
を目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案は、床パネルの下
面には吸音ボードを貼設し、さらに該吸音ボードの下面
には、少なくとも前記床パネルの芯材に対応する位置に
防振材を設けるとともに、該防振材を介して天井材を貼
設してなることを解決手段とした。

【０００６】

【作用】本考案の床天井複合パネルによれば、床パネル
の下面に予め天井材が貼設され一体化されているので、
現場ではこの床天井複合パネルを敷設するだけでよく、
天井材の貼設作業を省略することができる。

【０００７】また、この床天井複合パネルには、吸音ボ
ードおよび防振材が設けられているので、該床天井複合
パネル上面での騒音や振動が、それぞれ該吸音ボードお
よび防振材によって遮断され、直接下側の空間に伝わる
ことが防止される。

【０００８】

【実施例】以下、実施例を示し、図面を参照して、本考
案について説明する。

【０００９】図１および図２は、本考案の床天井複合パ
ネルの一実施例を示すものである。

【００１０】図中符号２が、この床天井複合パネル１の
床部分を構成する床パネルである。該床パネル２は、概
略、矩形輪郭に組み立てられた芯材２a,２a…と、該芯
材２a,２a…の内部に配設された補強用芯材２bと、これ
らの芯材２a,２a…および補強用芯材２bの上面に貼設さ
れた床用面材２cとを有して構成されている。また、こ
の床パネル２には、前記芯材２a,２aおよび補強用芯材
２bを貫通して該床パネル２の幅方向に延びる電気配管
３が、前記床用面材２cにほぼ平行に配設されている。

【００１１】また、この床パネル２の下面には、前記床
用面材２cと平行に、吸音ボード４が配設され、床パネ
ル２の芯材２a,２a…および補強用芯材２bの下面に、接
着等の手段により接合されている。この吸音ボード４に
は、周知慣用の材質からなるものが用いられてよく、例
えば、多孔質型吸音材料、膜振動型吸音材料あるいは貫
通孔の有る板状の吸音材料などが、厚さ７〜１０mm程度
の板状に形成されたものが用いられる。具体的には、グ
ラスウール、フェルト、吸音ボード、軟質繊維板、布な
どが用いられる。

【００１２】また、この吸音ボード４の下面で、かつ前
記床パネル２の芯材２a,２a…および補強用芯材２bの下
面に対応する位置には、防振材５,５…が設けられてい
る。この防振材５には、振動を吸収することのできる材
質、例えばゴム、コルク、軟質合成樹脂、金属ばね、空
気ばね、フェルトなどの弾性を有する材質のものが用い
られ、前記芯材２a,２a…および補強用芯材２bの下面と
同寸法の幅および長さと、約１０〜３０mm程度の厚さを
有する細長い矩形板状に成形されたものが好適に用いら
れる。

【００１３】また、これらの防振材５,５…を介して、
前記吸音ボード４の下面全面には、石膏ボード等の天井
材６が貼設されている。天井材６と防振材５,５…との
接合面は、接着等の適当な手段により接合されている。

【００１４】また、この天井材６と前記吸音ボード４と
防振材５,５とによって四方を囲まれた空間には、ロッ
クウール、グラスウール等の断熱材７が充填されてい
る。

【００１５】また、このようにしてなる床天井複合パネ
ル１の側端面で、かつ隣接する床天井複合パネル１との
接合端面となる側端面には、該側端面に沿って前記天井
材６の下側が切り欠かれて形成された切欠部８aが設け
られている。

【００１６】また、この床天井複合パネル１の下面、す
なわち前記天井材６の下面には、前記切欠部８aの内面
をも含めてその全面に、クロス貼り９等の表面仕上げ処
理が施されている。

【００１７】そして、図２に示すように、互いに隣接す
る２枚の床天井複合パネル１,１が、各側端面同士を突
き合わせて接合された状態においては、両者の切欠部８
a,８aが合わせられて、両床天井複合パネル１の接合作
業用の箱抜き部８が形成されるように配慮されている。

【００１８】次に、このような床天井複合パネルの施工
方法について、一例を挙げて説明する。

【００１９】１階壁パネルの配設後に、該１階壁パネル
の上に前記床天井複合パネル１を敷設する。そして、互
いに隣接する床天井複合パネル１,１の側端面同士を互
いに接合する。床天井複合パネル１,１同士の接合に当
たっては、例えば、予め一方の床天井複合パネル１の接
合端面となる側端面には、該側端面に沿って延びるあり
溝(図示略)を形成し、またこの床天井複合パネル１に接
合されるべき他方の床天井複合パネル１の側端面には、
該側端面に沿って延びる突条(図示略)を形成しておき、
該突条を前記あり溝に嵌合して適当な位置まで摺動させ
ることによって、両方の床天井複合パネル１,１を接合
する。

【００２０】次いで、図２に示すように、これらの床天
井複合パネル１,１の接合部に形成された箱抜き部８に
おいて、底目地仕上げを行う。すなわち具体的には、ま
ず、この箱抜き部８内に、該箱抜き部８の長さ方向に沿
って延びる結合材１０を取り付ける。結合材１０は、幅
狭部１０aと幅広部１０bとを有してなる断面略Ｔ字型の
もので、その幅狭部１０aを、箱抜き部８内から前記両
床天井複合パネル１の接合部に当て、スクリュー釘打ち
等の手段によって前記天井材６,６に取り付ける。さら
に、この結合材１０と箱抜き部８内面との間に形成され
た隙間には、該隙間を埋めて両床天井複合パネル１,１
の接合状態を固定するジョイナー１１を嵌合する。この
ジョイナー１１は、断面略Ｃ字型のもので、前記箱抜き
部８の端から前記結合材１０に外挿し、該結合材１０に
沿って移動させることによって、この箱抜き部８内の隙
間に嵌合させるようにする。また、こうして箱抜き部８
内に嵌合されたジョイナー１１の下面には、前記天井材
６,６の下面に施されたクロス貼り９,９と面一になるよ
うにしてクロス貼り１２を行い、これによってこの床天
井複合パネル１,１の下面をほぼ平滑な平面状態に仕上
げる。

【００２１】このように、本実施例の床天井複合パネル
によれば、予め床パネル２に天井材６が貼設され一体化
された構成を有しているので、現場においては、１階壁
パネルの上にこの床天井複合パネル１を配設するだけ
で、２階床と１階天井とを同時に施工することができ
る。したがって、従来の施工法に比べ、改めて天井材６
を貼り付けるという作業が省略されるので、工数を減ら
して、現場施工の簡略化および省力化を図ることができ
る。

【００２２】また、このように天井材６の貼設作業を省
略できることから、躯体内部の１階部分から上を見上げ
ながら天井材６を貼り付けるという不安定な作業を行わ
なくて済み、よって作業性が向上するばかりか、作業員
の身体にかかる負担も軽減して、作業の安全性も確保さ
れる。

【００２３】また、本実施例の床天井複合パネルによれ
ば、床パネル２の下面全面に前記のような吸音ボード４
が設けられているので、該床天井複合パネル１の上部あ
るいは下部での話し声や音楽などの音が、該吸音ボード
４によってさえぎられる。よって、該床天井複合パネル
１の上部と下部、すなわち２階部分と１階部分との間
で、互いの騒音が直接的に伝わることが防止されるの
で、両者のプライバシーが確保され、快適な空間を提供
することができる。

【００２４】また、床パネル２の芯材２a,２a…および
補強用芯材２bの下面に対応する位置には、前記のよう
な防振材５,５…が設けられているので、該床天井複合
パネル１の上部での振動が、この防振材５,５…によっ
て吸収される。したがって、たとえ２階で人の激しい動
きや歩行などによる振動が床に加えられた場合でも、こ
の振動が直接１階部分に伝えられることが防止され、１
階部分の快適状態が維持される。

【００２５】なお、本考案の床天井複合パネルは、前記
実施例に限られるものではなく、各部材の形状、寸法、
材質等の具体的構成要件は、実施に当たり適宜変更可能
である。

【００２６】例えば、前記吸音ボード４、防振材５、天
井材６、断熱材７には、それぞれ前記実施例で述べた材
質のもの以外の材質のものを用いることも、もちろん可
能である。

【００２７】また、前記実施例では、床天井複合パネル
１,１同士の接合を、あり溝(図示略)と突条(図示略)の
嵌合によって実施した例を挙げて説明したが、これ以外
にも、接着、釘打ち等の手段によって実施することも可
能であるし、あるいはこれ以外の方法によることも可能
である。

【００２８】また、２枚の床天井複合パネル１,１の接
合部に形成された箱抜き部８の底目地仕上げには、該箱
抜き部８を埋めて、床天井複合パネル１,１の下面を平
滑な平面状態に確保できるものであれば、前記実施例で
示したような結合材１０とジョイナー１１による方法以
外の方法が採用されても構わない。

【００２９】

【考案の効果】以上説明したように、本考案の床天井複
合パネルによれば、床パネルの下面に予め天井材が貼設
され一体化された構成を有しているので、現場ではこの
床天井複合パネルを敷設するだけで、床パネルと天井材
とを同時に施工することができ、天井材の貼り付け作業
を省略することができる。したがって、現場施工の簡略
化、省力化を図って、作業効率を向上させることができ
る。

【００３０】また、この床天井複合パネルには、予め吸
音ボードおよび防振材が設けられているので、該床天井
複合パネル上面での騒音や振動が、それぞれ該吸音ボー
ドおよび防振材によって遮断され、直接下側の空間に伝
わることが防止される。したがって、住宅内部の各階の
部屋を快適状態に維持することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の床天井複合パネルの一実施例を示す断
面図である。

【図２】同床天井複合パネルの接合構造を示す断面図で
ある。

【符号の説明】

１床天井複合パネル２床パネル２a 芯材４吸音ボード５防振材６天井材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｅ０４Ｂ 9/22 Ｅ０４Ｂ 5/52 ＡＥ０４Ｆ 15/18 Ｅ０４Ｃ 2/50 ＢＰ

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】床パネルの下面には吸音ボードが貼設さ
れ、さらに該吸音ボードの下面には、少なくとも前記床
パネルの芯材に対応する位置に防振材が設けられるとと
もに、該防振材を介して天井材が貼設されてなることを
特徴とする床天井複合パネル。