JP2506574B2 - 電解銅箔の製造方法及び装置 - Google Patents
電解銅箔の製造方法及び装置Info
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Description
び装置に関する。
ード)と表面を鏡面研磨された金属製陰極(カソード)
胴(ドラム)との間に電解液を流しそして陽極及び陰極
胴間に電位を与えることにより、陰極胴表面に銅を電着
させそして所定厚となった電着物を陰極胴から剥離する
ことにより製造される。得られる銅箔は生箔と呼ばれ、
爾後に様々の表面処理を施して印刷回路その他向けの製
品とされる。
陰極胴と陽極との配置関係を示す説明図である。電解液
を収蔵する電解槽(図示なし)において、陰極胴1は電
解液に部分的に浸漬された状態で回転しうるよう設置さ
れる(ここでは時計方向)。陰極胴1の浸漬された、お
およそ下半部分を覆って且つ回転胴表面から一定間隔を
おいて例えば2枚の陽極5が配設される。電解槽内で2
枚の陽極5の間の6時の位置(短針の位置、以下同じ)
から電解液が供給されそして電解液は陰極胴と陽極との
間の間隙を通して流れて陽極上縁から溢出して循環され
る。整流器6が陰極胴と陽極との間に所定の電圧を維持
している。
着する銅は厚みを増し、およそ12時の位置において所
定の厚さとなった生箔が適宜の剥離手段により剥離され
て巻き取られる。
陰極間の距離、供給される電解液の流速あるいは供給さ
れる電気量等の不均一性により、その厚みにバラツキが
生じる。
る一定期間の運転を終ると、特に陽極の減耗により陽極
及び陰極間の間隔にムラが生じて、使用に耐えない状態
となる。特に端部と中央部とでは電解液の流れ状況が異
なり、巾方向の厚みのバラツキが生じる。
に示すように、長さ方向及び巾方向厚みにバラツキを生
じている。
バラツキに関しては今まであまり考慮されたことはなか
った。
達成するためには、従来次のような対策がとられてき
た: (1)陽極ミリング:電解銅箔製造設備においては、陽
極は或る一定期間の運転を終ると、その減耗により陽極
及び陰極間にムラが生じ、使用に耐えない状態となる。
使用に耐えない状態とは、電解電圧が異常に上昇した状
態或いは製造された銅箔の厚みのバラツキが激しい状態
を云う。この状態を回避するために、一定期間使用され
た陽極は特殊な切削機械で表面を円筒加工する。 (2)陽極部分削り:陽極ミリング後製造された銅箔の
巾方向の厚みのバラツキを測定し、そのデータに応じて
陽極の表面を部分的に削り取り、銅箔の厚みを修正す
る。
ト配線板に使用されるが、そのプリント配線板の高密度
化に伴い、回路の狭巾化、多層化による一層当たりの厚
みの低下により、銅箔の薄箔化が進展すると同時に、銅
箔の厚みの均一化への要求は益々厳しくなっている。
厚みの均一化の解決も重大な課題となっている。
従来からの方法は、操業中の修正が出来ないこと、陽極
以外の不確定な原因による巾方向の厚みのバラツキに対
応出来ないこと、陽極部分削りが時間のかかる面倒な作
業であり、所期の効果をあげることが必ずしも容易では
ないこと等の短所を有する。
方向の別個の厚み修正を可能とし、また不確定な原因に
よるこれら厚みの修正をも可能とする新たな電解銅箔製
造方法及び装置を開発することである。
なくとも一部を複数個の長さ方向厚み均一化用分割陽極
及び巾方向厚み均一化用分割陽極として構成し、電解銅
箔の長さ方向及び巾方向厚みが均一となるようこれら両
方の分割陽極への電気量を個別に制御することを想到し
た。電気量の個別制御は、両方の分割陽極に供給する電
気量を個別に制御する整流器を設置するか若しくは各分
割陽極と陰極胴との間隔を個別に調節して、両者間の電
流密度を個々に制御する分割陽極位置調節機構を設置す
ることにより実現することができる。
転自在の陰極胴と該陰極胴に対面する少なくとも1枚の
陽極との間に電解液を流し、該陰極胴表面に銅を電着さ
せそして電着した銅箔を該陰極胴から剥離する電解銅箔
の製造方法において、前記陽極の少なくとも一部を長さ
方向厚み均一化用分割陽極と巾方向厚み均一化用分割陽
極として構成し、そして該長さ方向厚み均一化用分割陽
極及び巾方向厚み均一化用分割陽極に供給する電気量を
個別に制御することにより銅箔の長さ及び巾方向厚みを
均一化することを特徴とする電解銅箔の製造方法及び
(2)長さ方向厚み均一化用分割陽極と巾方向厚み均一
化用分割陽極に個別に供給する電気量を、それぞれ陰極
胴一周当たりの銅箔の長さ方向厚みのパターンと巾方向
厚みパターンに基づいて個別に制御することを特徴とす
る前記(1)の電解銅箔の製造方法を提供する。本発明
はまた、(3)回転自在の陰極胴と該陰極胴に対面する
少なくとも1枚の陽極との間に電解液を流し、該陰極胴
表面に銅を電着させそして電着した銅箔を該陰極胴から
剥離する電解銅箔の製造装置において、前記陽極の少な
くとも一部を長さ方向厚み均一化用分割陽極と巾方向厚
み均一化用分割陽極として構成し、そして該長さ方向厚
み均一化用分割陽極及び巾方向厚み均一化用分割陽極に
供給する電気量を個別に制御する整流器を備えたことを
特徴とする均一化された長さ方向厚み及び巾方向厚みを
有する電解銅箔の製造装置並びに(4)回転自在の陰極
胴と該陰極胴に対面する少なくとも1枚の陽極との間に
電解液を流し、該陰極胴表面に銅を電着させそして電着
した銅箔を該陰極胴から剥離する電解銅箔の製造装置に
おいて、前記陽極の少なくとも一部を長さ方向厚み均一
化用分割陽極と巾方向厚み均一化用分割陽極として構成
し、そして該長さ方向厚み均一化用分割陽極と陰極胴と
の間隔及び該巾方向厚み均一化用分割陽極と陰極胴との
間隔を個別に調節して、該長さ方向厚み均一化用分割陽
極と陰極胴との間の電流密度及び該巾方向厚み均一化用
分割陽極と陰極胴との間の電流密度を個々に制御する分
割陽極位置調節機構を備えたことを特徴とする均一化さ
れた長さ方向厚み及び巾方向厚みを有する電解銅箔の製
造装置をも提供する。
いは供給される電気量等の不均一性に主に起因する長さ
方向の厚みのバラツキと陰極胴〜陽極ギャップに主に起
因する巾方向バラツキが存在する。本発明に従えば、図
7において既に説明した陽極の、少なくとも一部、好ま
しくは少なくとも銅箔取り出し側の1枚或いはその一部
が巾方向に分割された複数個の長さ方向及び巾方向箔厚
み均一化用分割陽極として構成される。もちろん、既存
の陽極に追加してこれら長さ方向箔厚み均一化用分割陽
極を補助陽極として設置することが出来る。
引出し側の陽極の一部を巾方向箔厚み均一化用分割陽極
(以下、巾方向分割陽極という)8及び長さ方向箔厚み
均一化用分割陽極(以下、長さ方向分割陽極という)9
として構成した例を示す。巾方向及び長さ方向分割陽極
8及び9の順序は問わない。また、長さ方向分割陽極
は、巾方向に分割せずに1枚巾の分割陽極としても良
い。
し側陽極5の残部にわたって複数列設けた例であり、こ
れら複数列の各々を巾方向に分割せずに1枚巾の分割陽
極としても良い。
始側の陽極の一部をも長さ方向分割陽極として構成した
例を示す。
い程きめ細かな制御が出来るが、それだけ作製及びメン
テナンスが大変であり、製造すべき銅箔の巾並びに電解
銅箔製造設備の状況に応じて、一列当たり10〜40
個、通常20〜30個前後に分割される。
の傾向として、銅箔の中央部が特に薄くなったり、或い
は逆に少なくとも一端部が特に薄くなることがある。そ
うした場合に対処して、陽極の、好ましくは少なくとも
銅箔取り出し側の1枚或いはその一部を、中央部のみに
おいてあるいは少なくとも片側端部のみにおいて、巾方
向に分割された複数個の箔厚み均一化用分割陽極として
構成することも便法である。
みを巾方向分割分割陽極8として構成した例を示しそし
て図6はその両側端部のみを巾方向分割陽極8として構
成した例を示す。いずれも、外端部に長さ方向分割陽極
9を設けてある。図5及び6において、巾方向分割陽極
は陽極の一部でもよく、また図6においていずれか片方
でも良いことは云うまでもない。いずれを採用するか
は、特定の銅箔製造設備の状況に応じて選択される。
の操業態様を説明する。
る電解槽(図示なし)において、例えばステンレス鋼或
いはチタン製の、回転円筒体である陰極胴1は電解液に
部分的に浸漬され、ここでは時計方向に回転しうるよう
支持装置によって設置されている。
を覆って且つ陰極胴表面から一定間隔をおいて例えば2
枚の円弧状の不溶性陽極5が配設される。不溶性陽極
は、鉛、鉛とアンチモン、銀、インジウム等との鉛合金
等から作製される。別様には、この不溶性陽極は、DS
E或いはDSA(Dimension StableE
lecrode,Anode)と呼ばれる、チタンに代
表されるバルブ金属上に主として白金族金属或いはその
酸化物を被覆した構造のものとなしうる。陽極は、図示
のように陰極胴のおおよそ下1/4部分に沿って配設さ
れる2枚の陽極シートから構成するのが好ましいが、場
合によっては1枚、3枚或いは4枚といった、もっと多
くの陽極シートから構成することも出来る。
り出し側の1枚の一部が、前述したような巾方向分割陽
極8及び長さ方向分割陽極9として構成されるのであ
る。適宜数の巾方向分割陽極8’、8”・・・並びに長
さ方向分割陽極9’、9”、・・・・が形成される。前
述したように、長さ方向分割陽極9は、巾方向に分割せ
ずに1枚巾の分割陽極としても良い。
の範囲で一定位置に維持される。間隔が狭い程、電気量
が少なくてすむが、膜厚及び品質の管理が難しくなる。
形成する。2枚の陽極5間の6時の位置から電解液が槽
内の適宜のポンプ(図示なし)を通して供給されそして
電解液は陰極胴と陽極との間の間隙を通して両側に流れ
て各陽極上縁から溢出して循環される。
圧を維持している。
銅の電着は、ほぼ3時の位置から始まり、次第に厚みを
増し、ほぼ9時の位置において電着を終えて所定の厚み
となり、おおよそ12時の位置において所定の厚みとな
った生箔が適宜の剥離手段により剥離されて巻き取られ
る。
る電解液の流速あるいは供給される電気量等の不均一性
により、生箔に長さ方向及び巾方向厚みの局所的変動が
生ずる。
剥離後検地されそして厚みのバラツキが許容以上となる
と、その巾方向特定部位に相当する特定の巾方向分割電
極8に供給される電力がバラツキを解消する方向に個別
制御される。
た銅箔サンプルの長さ及び巾方向幾つかの位置での陰極
胴一周当たりの厚みパターンを測定し、その測定結果に
応じて子整流器7が、個々の分割陽極と陰極胴との間の
電流量を調整する。
のパターンとは、陰極胴が一周したときに製造された銅
箔を、例えば長さ方向に36そして巾方向に20カ所に
分割した場合には36×20=720カ所の銅箔の厚み
を測定し、その720カ所の厚みの変動(バラツキ)の
状態を示したものをいう。
ど、銅箔の厚みの変動は少なくなるけれども、このため
の制御装置のメンテナンス等を考慮に入れると、通常は
10〜40が好ましい。
に、子整流器7が、個々の巾方向分割陽極8と陰極胴と
の間に接続される。同じく、図示してはいないが、更に
別の子整流器が、個々の長さ方向分割陽極9と陰極胴と
の間に接続される。
測定は、適宜のサンプリングによって単位面積当たりの
重量を測定することにより簡易に行ないうるし、静電容
量検知型のような厚み測定装置を巻き取り行路に配設し
て厚みを監視し、フィードバック装置を用いて子整流器
と連動せしめることも出来る。
が設けられる。絶縁シール材としては、PVC板、常温
加硫ゴム(RTV:商品名)等が使用出来る。この外に
も、例えば、絶縁性接着剤で隣り合う分割陽極を接合す
ることにより或いは絶縁膜を挟んで分割陽極を一体化す
ることによりもたらされる。
及び巾方向分割陽極の個々の制御はそれぞれの設定位置
を制御することによっても実施しうる。電解液中で陽極
を支持する支持装置とは別に、分割陽極を個別に支持し
そして個々の分割陽極を陰極胴に近付け或いはそこから
引離すための手段が設置される。これら分割陽極が、螺
子機構、ピストン−シリンダ機構等の適宜の位置調節機
構により前後に移動される。長さ方向分割陽極が周期的
に移動される。特定部位に相当する特定の分割陽極の支
持棒が位置調節機構により変位される。分割陽極が陰極
胴に近付く程電流密度は高まり、電着銅の厚みは増大す
る。逆に分割陽極を陰極胴から引き離す程、電流密度は
減少して電着銅厚みは減少する。
方向箔厚み均一化用分割陽極を利用して、そこに供給す
る電気量を個別に制御するか、或いはその設定位置を個
別に制御することにより製造される電解銅箔の長さ方向
厚みを均一化することができる。
陰極胴と図示したように陰極胴のほぼ下半部分に沿って
配設された巾1.3mの、2枚の陽極を使用して硫酸銅
溶液を用いて厚み35μmの銅箔の製造を行なった。本
発明に従う陽極構成としては、図1及び2に示した構成
を使用し、巾方向及び長さ方向分割陽極を各20個の分
割陽極から構成した。
周当たりの長さ方向厚みのパターン(巾方向:20×長
さ方向:36=720)に基づいて、個々の陽極をパソ
コンを用い、0.1〜10A/dm2 の範囲で調節し
た。この結果、本発明方法によって長さ及び巾方向の厚
みの変動は小さくなり、従来の約3%の変動から0.5
%以下の変動へと低減することができた。
は、図7に示した銅箔の引き出し側の既存の陽極上に各
20個の分割陽極から成る巾方向及び長さ方向分割陽極
を配設することにより構成し、実施例1と同様に厚み3
5μmの銅箔を製造した。得られた銅箔の長さ方向の厚
みの変動は0.5%以下であった。
供給される電解液の流速あるいは供給される電気量等の
不均一性に起因する長さ方向の厚みのバラツキを低減す
ることに成功し、併せて陰極胴〜陽極ギャップに主に起
因する巾方向の厚みのバラツキをも低減した。操業中、
厚みバラツキが電流条件を制御することにより簡単に修
正可能となった。巾方向厚みのバラツキに関しては、従
来法では、理想的な箔厚を得るまでには、数回の陽極修
正(部分削り)を必要とし、修正と修正との間には、約
1〜2週間の操業期間があるので、修正が完了するまで
に3〜4週間を要していたものが、本発明により操業中
でも厚み調整が可能となり、箔厚良好な銅箔の製造が可
能となった。そして従来陽極交換の都度行なっていた陽
極部分削りが排除若しくは著しく低減しうるので、設備
のメンテナンスに伴う様々の負担が軽減された。
を箔厚み均一化用長さ方向及び巾方向分割陽極として構
成した実施例の、陰極胴と陽極との配置関係を示す概略
斜視図である。
さ方向分割陽極として構成した具体例の陽極の斜視図で
ある。
構成した例を示す。
割陽極として構成した具体例を示す。
した例を示す。
との配置関係を示す説明図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 回転自在の陰極胴と該陰極胴に対面する
少なくとも1枚の陽極との間に電解液を流し、該陰極胴
表面に銅を電着させそして電着した銅箔を該陰極胴から
剥離する電解銅箔の製造方法において、前記陽極の少な
くとも一部を長さ方向厚み均一化用分割陽極と巾方向厚
み均一化用分割陽極として構成し、そして該長さ方向厚
み均一化用分割陽極及び巾方向厚み均一化用分割陽極に
供給する電気量を個別に制御することにより銅箔の長さ
及び巾方向厚みを均一化することを特徴とする電解銅箔
の製造方法。 - 【請求項2】 長さ方向厚み均一化用分割陽極と巾方向
厚み均一化用分割陽極に個別に供給する電気量を、それ
ぞれ陰極胴一周当たりの銅箔の長さ方向厚みのパターン
と巾方向厚みパターンに基づいて個別に制御することを
特徴とする請求項1の電解銅箔の製造方法。 - 【請求項3】 回転自在の陰極胴と該陰極胴に対面する
少なくとも1枚の陽極との間に電解液を流し、該陰極胴
表面に銅を電着させそして電着した銅箔を該陰極胴から
剥離する電解銅箔の製造装置において、前記陽極の少な
くとも一部を長さ方向厚み均一化用分割陽極と巾方向厚
み均一化用分割陽極として構成し、そして該長さ方向厚
み均一化用分割陽極及び巾方向厚み均一化用分割陽極に
供給する電気量を個別に制御する整流器を備えたことを
特徴とする均一化された長さ方向厚み及び巾方向厚みを
有する電解銅箔の製造装置。 - 【請求項4】 回転自在の陰極胴と該陰極胴に対面する
少なくとも1枚の陽極との間に電解液を流し、該陰極胴
表面に銅を電着させそして電着した銅箔を該陰極胴から
剥離する電解銅箔の製造装置において、前記陽極の少な
くとも一部を長さ方向厚み均一化用分割陽極と巾方向厚
み均一化用分割陽極として構成し、そして該長さ方向厚
み均一化用分割陽極と陰極胴との間隔及び該巾方向厚み
均一化用分割陽極と陰極胴との間隔を個別に調節して、
該長さ方向厚み均一化用分割陽極と陰極胴との間の電流
密度及び該巾方向厚み均一化用分割陽極と陰極胴との間
の電流密度を個々に制御する分割陽極位置調節機構を備
えたことを特徴とする均一化された長さ方向厚み及び巾
方向厚みを有する電解銅箔の製造装置。
Priority Applications (6)
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