JP2506241B2 - 懸垂型避雷碍子及び碍子交換用把持具 - Google Patents

懸垂型避雷碍子及び碍子交換用把持具

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JP2506241B2
JP2506241B2 JP19450191A JP19450191A JP2506241B2 JP 2506241 B2 JP2506241 B2 JP 2506241B2 JP 19450191 A JP19450191 A JP 19450191A JP 19450191 A JP19450191 A JP 19450191A JP 2506241 B2 JP2506241 B2 JP 2506241B2
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正道 石原
博 平子
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、雷サージ電流を大地
に放電し、送電線の雷サージ電位の上昇を抑制して、地
絡事故による停電を防止する懸垂型避雷碍子、及びその
避雷碍子の交換時に使用する碍子交換用把持具に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、送電線路に使用される通常の懸垂
型碍子41は、図5に示すように、碍子本体42と、そ
の頭部に固定されたキャップ金具43と、碍子本体42
の下部に突設されたピン金具44とにより構成され、上
下に位置する碍子41のキャップ金具43にピン金具4
4を係合することにより、複数個の碍子41〜41を直
列に連結して懸垂碍子連を構成している。
【0003】又、従来、この種の懸垂型碍子連におい
て、不特定の碍子41が不良になり交換を必要とする場
合には、図5及び図6に示すように、不良碍子の上下に
隣接する健全碍子のキャップ金具43に碍子交換用把持
具45を装着すると共に、その把持具45の両端部間を
連結クランク46により連結する。この碍子交換用把持
具45は、一対の把持部材47,48を連結ピン49に
より開閉回動可能に連結して構成され、両把持部材4
7,48の対向する内面の上下には、碍子41上のキャ
ップ金具43の下端外周縁に形成した把持用突条に係合
可能な平面半円状の把持部50が形成されている。
【0004】そして、不良碍子の上下の連結用割りピン
51を抜いた状態で、前記連結クランク46を油圧ラム
52にて作動させることにより、両把持具45の間隔が
短縮されて、不良碍子と上下に隣接する健全碍子との連
結が解放され、この状態で不良碍子を新しいものと交換
することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述した従
来の碍子交換用把持具においては、一対の把持部材4
7,48の対向する内面の把持部50が平面半円状に形
成されているため、例えば図2に示すように、本体碍子
の笠部に電圧−電流特性が非直線性の限流素子を収容す
るための一対の収容筒体を形成した懸垂型避雷碍子の場
合には、笠部の上面に突出した収容筒体が邪魔になっ
て、把持部材47,48によりキャップ金具を把持する
ことができないという問題があった。
【0006】又、この懸垂型避雷碍子における収容筒体
との干渉を避けるため、把持部材47,48の把持部5
0を平面半円状よりも小さい範囲で形成することも考え
られるが、このように構成した場合には、把持部材4
7,48の把持部50によるキャップ金具の把持面積が
少なくなり、把持部材47,48の把持力が弱くなって
抜け易いという問題があった。
【0007】従って、不良懸垂型避雷碍子の交換は例え
1個の不良碍子交換であっても、鉄塔の支持アームに対
し送電線を把持する電線把持装置を装着するとともに、
懸垂碍子連全体を取り外して、鉄塔上又は地上で不良碍
子を健全碍子と交換した後、懸垂碍子連全体を元の装着
位置へ戻す大掛かりな交換作業を強いられるという問題
があった。
【0008】この発明は、このような従来の技術に存在
する問題点に着目してなされたものであって、その第1
の目的は、限流素子を収容するための収容筒体との干渉
を避けるために、碍子交換用把持具における把持部材の
把持部が平面半円状よりも小さい範囲で形成されていて
も、その把持部に対するキャップ金具の十分な把持面積
を確保することができて、強い把持力で抜け出すことな
く把持できる懸垂型避雷碍子を提供することにある。
【0009】又、この発明の第2の目的は、碍子本体の
笠部に限流素子を収容するための収容筒体を形成した懸
垂型避雷碍子であっても、その収容筒体に邪魔されるこ
となく、一対の把持部材間にキャップ金具を容易に把持
することができる碍子交換用把持具を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の第1の目的を達成
するために、請求項1の発明では、碍子本体の頭部にキ
ャップ金具を固定すると共に、碍子本体の笠部に電圧−
電流特性が非直線性の限流素子を収容するための収容筒
体を形成した懸垂型避雷碍子において、前記キャップ金
具の外周下端縁には、収容筒体と対向する部分を除い
て、碍子交換用把持具の把持部材と係合可能な把持用突
条を膨出形成したものである。
【0011】又、請求項2の発明では、一対の把持部材
を開閉可能に連結し、両把持部材間で懸垂型避雷碍子の
キャップ金具を把持するようにした碍子交換用把持具に
おいて、前記両把持部材の対向する内面には、避雷碍子
のキャップ金具の把持用突条に両側から係合可能な把持
部を設けると共に、避雷碍子に形成された限流素子用の
収容筒体を回避するための逃げ部を設けたものである。
【0012】
【作 用】上記のように構成された懸垂型避雷碍子を複
数個連結した碍子連の内で、任意の碍子が不良になり交
換を必要とする場合には、不良碍子の上下に隣接する健
全碍子のキャップ金具に碍子交換用把持具を装着する。
この場合、把持具における一対の把持部材の内面には、
避雷碍子のキャップ金具の把持突条に両側から係合可能
な把持部と、避雷碍子に形成された限流素子用の収容筒
体を回避するための逃げ部とが設けられているため、収
容筒体に邪魔されることなく、一対の把持部材間でキャ
ップ金具を容易に把持することができる。
【0013】又、避雷碍子上のキャップ金具の外周下端
縁には、収容筒体と対向する部分を除いて、把持部材の
把持部と係合可能な把持用突条が膨出形成されているた
め、把持部材の把持部が平面半円状よりも小さい範囲で
形成されていても、その把持部とキャップ金具上の把持
用突条との係合にて、十分な把持面積を確保することが
できる。従って、避雷碍子のキャップ金具を一対の把持
部材間において、強い把持力で抜け出すことなく確実に
把持することができる。
【0014】
【実施例】以下、この発明を具体化した懸垂型避雷碍子
及び碍子交換用把持具の一実施例を、図1〜図4に基づ
いて詳細に説明する。
【0015】図1及び図2に示すように、避雷碍子1の
碍子本体2は磁器により一体に形成され、有蓋円筒状の
頭部3と、その頭部3の外周に形成された笠部4と、そ
の笠部4の内面に同心状に形成された複数のひだ部5と
を備えている。キャップ金具6は碍子本体2の頭部3に
セメントを介して嵌着固定され、その頂部には嵌合凹部
7が形成されている。
【0016】ピン金具8はセメントにより前記碍子本体
2の頭部3内に固定され、その下端には他の避雷碍子1
のキャップ金具6上の嵌合凹部7に係合するための嵌合
部9が形成されている。そして、このピン金具8の嵌合
部9とキャップ金具6の嵌合凹部7との係合状態で、キ
ャップ金具6に連結用のピン10を嵌挿することによ
り、複数の避雷碍子1が直列に連結される。
【0017】円筒状をなす一対の収容筒体11は前記碍
子本体2の笠部4に一体に形成され、笠部4の上面及び
下面に突出されている。限流素子12は収容筒体11の
内部に複数段積層した状態で収容され、電圧−電流特性
が非直線性の酸化亜鉛を主材とした抵抗素子12から形
成されている。
【0018】キャップ状の上部電極13は前記抵抗素子
12の上面に接触するように、各収容筒体11の上端部
に嵌着固定され、図示しないリード線を介してキャップ
金具6に電気的に接続されている。キャップ状の下部電
極14は抵抗素子12の下面に接触するように、各収容
筒体11の下端部に嵌着固定され、図示しないリード線
を介してピン金具8に電気的に接続されている。
【0019】図1〜図4に示すように、一対の把持用突
条15は、前記キャップ金具6の外周下端縁に対し、両
収容筒体11と対応する部分を除いて該筒体11と対応
しない部分に膨出形成されている。すなわち、把持用突
条15はキャップ金具6に一体形成したアーク誘導板1
6をボルト17により支持する取付台座18の対応する
側面に対し一体状に突出形成されている。そして、この
把持用突条15の上面及び下面には、後述する碍子交換
用把持具20における把持部材21,22の把持部29
と係合可能な上部傾斜面15a及び下部傾斜面15bが
形成されている。なお、この把持用突条15の形状は図
4に二点鎖線で示すように平面円弧状に形成してもよ
い。前記アーク誘導板16は前記抵抗素子12が雷サー
ジ電流により導通状態になった場合、そのアークを懸垂
碍子連の両端部に位置するアークホーン(図示略)に導
くことにより、碍子連の沿面の損傷を軽減するためのも
のである。
【0020】次に、前記のように構成された懸垂型避雷
碍子について、不良碍子を交換する場合に使用する碍子
交換用把持具について説明する。図1〜図4に示すよう
に、碍子交換用把持具20は一対の把持部材21,22
を一端側において連結ピン23により開閉回動可能に連
結して構成され、一方の把持部材21の両端には取付孔
24が形成されている。締付ネジ25はピン26を介し
て一方の把持部材21の他端側に回動可能に取り付けら
れ、この締付ネジ25を他方の把持部材22の二叉部2
7に係合させた状態で、蝶ナット28を螺合することに
より、把持部材21,22が閉成状態に締付保持され
る。
【0021】把持部29は平面半円状よりも小さい範囲
の平面円弧状に延びるように、前記両把持部材21,2
2の対向する内面の中間部に形成され、避雷碍子1のキ
ャップ金具6側に膨出形成された一対の把持用突条15
に対して両側から係合可能になっている。各一対の凹状
の逃げ部30は把持部29の両側に位置するように、両
把持部材21,22の対向する内面に形成され、前記避
雷碍子1の笠部4上に突出された抵抗素子12用の収容
筒体11との干渉が、この逃げ部30によって回避され
る。この逃げ部30の長さは両収容筒体11の形成位置
がある程度異なる場合にも使用できるように設定されて
いる。
【0022】ゴム等の弾性材料よりなる緩衝体31は前
記把持部材21,22の各逃げ部30に配設され、把持
部材21,22が閉成されて、把持部29間でキャップ
金具6の把持用突条15が把持されるとき、この緩衝体
31が笠部4上に突出された収容筒体11の外周面に両
側から係合して、把持部材21,22が誤って収容筒体
11と接触しないようになっている。
【0023】次に、前記のように構成された懸垂型避雷
碍子及び碍子交換用把持具について作用を説明する。さ
て、この懸垂型避雷碍子において、複数個連結された碍
子1の内で、不特定の碍子が不良になり交換を必要とす
る場合には、不良碍子の上下に隣接する健全碍子のキャ
ップ金具6に碍子交換用把持具20を装着する。この場
合、把持具20における一対の把持部材21,22の内
面には、避雷碍子1のキャップ金具6上の把持用突条1
5に両側から係合可能な把持部29と、避雷碍子1の笠
部4上に突出された収容筒体11を回避するための逃げ
部30とが設けられているため、収容筒体11に邪魔さ
れることなく、一対の把持部材21,22間でキャップ
金具6を容易に把持することができる。
【0024】又、前記避雷碍子1上のキャップ金具6の
外周下端縁には、アーク誘導板16の取付台座18を利
用し、かつ収容筒体11と対向する部分を除いて、把持
部材21,22の把持部29と係合可能な把持用突条1
5が膨出形成されているため、把持部材21,22の把
持部29が平面半円状よりも小さい範囲で形成されてい
ても、その把持部29とキャップ金具6上の把持用突条
15との係合にて、十分な把持面積を確保することがで
きる。従って、避雷碍子1のキャップ金具61を一対の
把持部材21,22間において、強い把持力で抜け出す
ことなく確実に把持することができる。
【0025】そして、前記のように不良碍子の上下に隣
接する健全碍子のキャップ金具6に碍子交換用把持具2
0をそれぞれ装着(上下逆にすることにより同一構成の
把持具20が使用できる)した後、図5に示す場合と同
様に、上下両把持具20の両端部間に取付孔24を介し
て連結クランクを装着する。この状態で、不良碍子の上
下の連結用ピン10を抜き取り、その後、連結クランク
を油圧ラムにて作動させることにより、両把持具の間隔
が広げられて、不良碍子と上下に隣接する健全碍子との
連結が解放される。従って、この状態で不良碍子を新し
いものと交換することができる。
【0026】なお、この発明は前記実施例の構成に限定
されるものではなく、例えば、アーク誘導板16及び取
付台座18を省略したタイプの避雷碍子のキャップ金具
に把持用突条15を膨出形成したり、把持用突条15の
形状や、碍子交換用把持具20における把持部材21,
22上の把持部29及び逃げ部30の形状を適宜に変更
したりする等、この発明の趣旨から逸脱しない範囲で、
各部の構成を任意に変更して具体化することも可能であ
る。
【0027】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように構成さ
れているため、次のような優れた効果を奏する。
【0028】請求項1の懸垂型避雷碍子の発明によれ
ば、限流素子を収容するための収容筒体との干渉を避け
るために、碍子交換用把持具における把持部材の把持部
が平面半円状よりも小さい範囲で形成されていても、キ
ャップ金具の外周に設けられた把持用突条において、把
持部に対するキャップ金具の十分な把持面積を確保する
ことができて、強い把持力で抜け出すことなく把持でき
る。
【0029】又、請求項2の碍子交換用把持具の発明に
よれば、碍子本体の笠部に限流素子を収容するための収
容筒体を形成した懸垂型避雷碍子であっても、その収容
筒体との干渉を逃げ部により回避することができて、収
容筒体に邪魔されることなく、一対の把持部材間にキャ
ップ金具を容易に把持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を具体化した懸垂型避雷碍子及び碍子
交換用把持具の一実施例を示す正面図である。
【図2】その把持具の一部を破断して示す正面図であ
る。
【図3】図2のA−A線における部分拡大断面図であ
る。
【図4】懸垂型避雷碍子を示す斜視図である。
【図5】従来の懸垂型碍子及び碍子交換用把持具を示す
正面図である。
【図6】その把持具を拡大して示す平面図である。
【符号の説明】
1 避雷碍子、2 碍子本体、3 頭部、4 笠部、6
キャップ金具、11収容筒体、12 抵抗素子、15
把持用突条、20 碍子交換用把持具、21,22
把持部材、29 把持部、30 逃げ部。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 碍子本体の頭部にキャップ金具を固定す
    ると共に、碍子本体の笠部に電圧−電流特性が非直線性
    の限流素子を収容するための収容筒体を形成した懸垂型
    避雷碍子において、 前記キャップ金具の外周下端縁には、収容筒体と対向す
    る部分を除いて、碍子交換用把持具の把持部材と係合可
    能な把持用突条を膨出形成したことを特徴とする懸垂型
    避雷碍子。
  2. 【請求項2】 一対の把持部材を開閉可能に連結し、両
    把持部材間で懸垂型避雷碍子のキャップ金具を把持する
    ようにした碍子交換用把持具において、 前記両把持部材の対向する内面には、避雷碍子のキャッ
    プ金具の把持用突条に両側から係合可能な把持部を設け
    ると共に、避雷碍子に形成された限流素子用の収容筒体
    を回避するための逃げ部を設けたことを特徴とする碍子
    交換用把持具。
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