JP2505581B2 - 硬化性不飽和イミドウレタン組成物、その製造法及び硬化成型物 - Google Patents

硬化性不飽和イミドウレタン組成物、その製造法及び硬化成型物

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JP2505581B2 JP14665689A JP14665689A JP2505581B2 JP 2505581 B2 JP2505581 B2 JP 2505581B2 JP 14665689 A JP14665689 A JP 14665689A JP 14665689 A JP14665689 A JP 14665689A JP 2505581 B2 JP2505581 B2 JP 2505581B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、例えば反応射出成形(RIM),レジン・ト
ランスファー・モールディング(RTM)等に使用する硬
化性液状樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、不飽和
イミド末端オリゴウレタン化合物と重合性希釈剤とから
なる新規な硬化性不飽和イミドウレタン液状樹脂組成
物、その製造法及びそれから得られた硬化成型物に関す
る。
[従来技術] 不飽和ウレタン化合物を一成分とする硬化性液状組成
物は公知である。例えば、米国特許第3,856,830号及び
同第3,954,714号明細書には、少なくとも3個のイソシ
アネート基を有するポリイソシアネート(イソシアネー
ト官能価≧3)と末端ヒドロキシル基を有するビニル重
合性不飽和エステルから誘導される硬化性液状組成物に
ついて記載されている。
また、特開昭57−182312号公報には、当該硬化性液状
組成物の原料あるいは中間体であるポリイソシアネート
及び/又はウレタン含有ポリイソシアネートとして、2.
0を越える官能価(イソシアネート官能価以上;好まし
くは≧2.2;例えば2.5〜3.0)を有するポリイソシアネー
トを使用して調製したアクリル酸系エステル末端を有す
る不飽和ウレタンに反応性希釈剤を配合した液状組成物
が、速硬化性でありRIM成形等に極めて有用であること
が記載されている。
上記の刊行物に記載されている硬化性液状樹脂組成物
は極めて低粘度であり、RTMあるいは炭酸カルシウムな
どの無機系の充填剤を配合したRIMなどに利用されてい
るが、硬化性や硬化した成型物の耐熱性等が必ずしも十
分でなく、改良を要する点が多いことが指摘されてい
る。
[発明の目的] 本発明の目的は、末端にN−アルキルマレイミド基を
導入した不飽和ミイド末端オリゴウレタン化合物(A)
と重合性希釈剤(B)とからなる新規な硬化性液状組成
物及びその製造方法を提供しようとするものであり、さ
らに本発明の硬化性液状樹脂組成物を使用した、優れた
耐熱性,硬化性を有する幅広い性質をカバーし得る硬化
成型物を提供しようとするものである。
[発明の構成] 本発明者らは、上述の目的を達成すべく鋭意研究の結
果、上述の先行技術に於て、末端に不飽和基を導入する
ために用いらる2−ヒドロキシアルキルメタアクリレー
トに代えて、下記のヒドロキシアルキルマレイミド化合
物; (R:炭素数1〜10のアルキレン基を表す) を使用することによって、アクリル酸エステルよりも交
互共重合性に優れたマレイミド基を不飽和ウレタン化合
物の末端に導入することにより、優れた共重合性を有
し、且つ、硬化成形物にイミド基の導入が可能になって
該成型物が優れた耐熱性を示すことを知見し、本発明に
到達したものである。
すなわち、本発明は、樹脂形成成分として、主鎖が主
として少なくとも1種のポリオール残基と少なくとも1
種のポリイソシアネート残基とウレタン基よりなり、末
端が主としてN−アルキルマレイミド基よりなる不飽和
イミド末端オリゴウレタン化合物(A)、及びマレイミ
ド基と共重合性を有するモノマー化合物を少なくとも1
種含有する重合性希釈剤(B)、を含む新規な硬化性イ
ミドウレタン組成物に係るものである。
以下、本発明の組成物を構成する(A)(B)両成分
及びそれらからなる硬化性液状組成物の製造について詳
述する。
不飽和イミド末端オリゴウレタン(A) 不飽和イミド末端ウレタン(A)は、主鎖が、実質的
に少くとも1種のポリオール残基と少くとも1種のポリ
イソシアネート残基とウレタン基とよりなり、末端が実
質的にN−アルキルマレイミド基よりなる化合物であっ
て、例えば、次式(I) (但し、Arは2価の芳香族基,Rはアルキレン基,nは正の
整数) で表わされるものである。この不飽和イミドウレタン化
合物は分岐したものでもよい。かかる化合物(A)は、
前述の3成分をそのまま一段で反応せしめることもでき
るが、下記2段の反応で調製することの方が好ましい。
第一段反応 ウレタン化触媒の存在下、重合性(反応性)希釈剤を
溶媒として用いて、ポリオールに対し過剰当量のポリイ
ソシアネートを反応させる。この第一段反応において、
両成分の仕込当量比は、ポリオールの水酸基のほとんど
がウレタン結合になり、得られる反応生成物の末端基が
実質的にイソシアネート基となるように選ばれる。ポリ
オール及びポリイソシアネートの少なくとも一成分に3
官能以上のものを用いる場合には、架橋によって不活性
のオリゴウレタンにならない組成割合を選択する必要が
ある。
第二段反応 第一段反応により得られた末端イソシアネート化合物
に、例えば、N−ヒドロキシアルキルマレイミドを反応
させて、不飽和イミド末端オリゴウレタン化合物(A)
を得る。
第二段反応によって、遊離のイソシアネート基は実質
的に反応・消失し、末端がマレイミド基である不飽和イ
ミドウレタン化合物が反応性希釈剤中で生成し、硬化性
液状組成物が調製される。
次に、上記の不飽和イミド末端オリゴウレタンを製造
するために使用される代表的な化合物を例示する。
(a)ポリオール:X−(OH)m 本発明で用いられるポリオール類は、フェノール性水
酸基を2個以上有する化合物を用いることも出来るが、
イソシアネートとの反応性及び生成したウレタン基の安
定性の面からアルコール性水酸基を2〜4個有するポリ
オールが好ましい。
かかるポリオールの具体例としては下記のものを挙げ
ることが出来る。
アルキレン基グリコール(ジオール類) エチングリコール,プロピレングリコール,テトラメ
チレングリコール,ネオペンチルグリコール等。
アルキレントリオール,テトラオール類 ペンタエリスリトール,グリセリン,トリメチロール
プロパン等。
ポリ(オキシアルキレン)グリコール類 ジ(オキシエチレン)グリコール,トリ(オキシエチ
レン)グリコール,分子量100〜3000程度までのポリ
(オキシエチレン)グリコール,ポリオキシプロピレン
グリコール,ポリ(オキシテトラエチレン)グリコー
ル,グリセリントリ(ポリオキシプロピレングリコー
ル)エーテル,トリメチロールプロパントリ(ポリオキ
シプロピレングリコール)エーテル,あるいは、これら
のポリオキシプロピレン鎖の末端にエチレングリコール
をエンドキャップとして使用したもの等。
芳香環を有するポリオール m−,p−フェニレンジメタノール、ビス−フェノール
−A−ビス(β−ヒドロキシエチル)エーテル,ビスフ
ェノール−S−ビス(β−ヒドロキシエチル)エーテル
等。
アルキレン鎖や長鎖のオキシアルキレン鎖は、得られ
る硬化成型物に柔軟性を与えるのに寄与し、芳香環は逆
に硬さや耐熱性の向上に寄与する。また、官能性を多く
することは、架橋点を増やすことになり成型物の硬さや
耐熱性の向上に寄与する。従って、目的とする成型物の
要求される性質に応じて適宜選択することが出来る。一
般に上記に当たるアルキレングリコール類及び/又は
2官能性のポリオキシアルキレングリコール類を用いる
が、場合によって3〜4官能基のポリオキシアルキレン
グリコール類を一部に用いることが出来ることが好まし
い。
(b)ポリイソシアネート化合物: 原則としては、脂肪族,脂環族,芳香族のいずれのポ
リイソシアネートを用いることが出来る。かかるポリイ
ソシアネートの代表的な例としては、芳香族ポリイソシ
アネートを挙げることが出来る。
代表的なポリイソシアネートを下記する。
2,4′−又は4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト及び/又はそのオリゴポリイソシアネート、2,4−及
び/又は2,6−トリレンジイソシアネート、m−又はp
−フェニレンジイソシアネート、3,3′−ジメチル−4,
4′−ジイソシアネートジフェニルメタン、キシリレン
ジイソシアネート、1,4−ビス(イソシアナトメチル)
−シクロヘキサン、シクロヘキサン−1,4−ジイソシア
ネート、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレンジイソシ
アネート、ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート、ジ
(イソシアナトエチル)カーボネート、リジンジイソシ
アネート、フルフリデンイソシアネート、イソホロンジ
イソシアネート、1,4−ビス(2−イソシアナトイソプ
ロピル)ベンゼン、ビス−[4(2−イソシアナトイソ
プロピル)フェニル]カーボネート、1,8−ジイソシア
ナト−p−メタン及びこれらのカルボジイミド変性体,
ピュレット変性体等。
本発明において、公知のブロックドイソシアネートも
使用することが出来る。好ましいブロッキング剤(阻害
剤)は、フェノール,オキシム,ラクタムおよびβ−ジ
ケトンからなる群から選ばれる一つ以上の化合物であ
る。ただ、かかるブロッ剤はポリウレタン形成後、解離
されてくるので重合性を有し硬化の際に共重合するか、
容易に除去できるものが好ましい。
かかるポリイソシアネート類としては、反応性及びコ
スト面で芳香族ポリイソシアネートが好ましい。なお、
かかる芳香族ポリイソシアネートは芳香環上の水素原子
の1個以上がウレタン化を阻害しない置換基で置き換え
られたポリイソシアネートも本発明に使用することが出
来る。かかる置換基の例としては、炭素数4以内のアル
キル基,フェニル基等の芳香族基,その他にクロルのハ
ロゲン原子,ニトロ基,アルコキシ基が例示される。
本発明では、上記のポリイソシアネート化合物は単独
で用いてもよく、2種以上の混合物として使用すること
が出来る。
特に好ましく用いられる芳香族ポリイソシアネート
は、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート及び/
又はそのオリゴポリイソシアネート、2,4−−及び/又
は2,6−トリレジンイソシアネートである。
(c)ウレタン化触媒 ウレタン化においては、その反応を加速するためのウ
レタン化触媒を用いることが出来る。かかる触媒として
下記のものを挙げることが出来る。
N,N,N′,N′−テトラメチル・ヘキサメチレンジアミ
ン、N,N,N′,N′テトラメチル・プロパンジアミン、N,
N,N′,N′−テトラメチル、1,3−ブタンジアミン、N,
N′,N″−トリス(ジメチルアミノエチル)ヘキサヒド
ロトリアジン、N,N−ジメチル−p−トルイシン、ビス
(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、ジメチルパル
ミチルアミン、トリメチルアミノエチルピペラジン、ト
リエチルアミン、2,4−ビス(ジメチルアミノメチル)
フェノール、テトラメチルグァニジン等の第3級アミン
類、ジブチル錫ジラウリレート,ジブチル錫ジアセテー
ト,ジブチル錫ジメルカププロピオネート,オクタン酸
錫,オレイン酸錫,ナフテン酸鉛,2−エチルヘキサン酸
コバルト,酢酸カリウム,プロピオン酸ナトリウム,オ
クタン酸カリウム等の有機酸金属塩等。
特に有効なウレタン化触媒は、第3級アミンと有機錫
であり、しかもこの両者は相乗性を有することが知られ
ており、併用することが出来る。
重合性希釈剤(B) ウレタン化反応の溶媒の働きも兼ねるマレイミド基と
共重合性を有するモノマー化合物を1種以上含む重合性
(反応性)希釈剤としては、ビニル重合可能な液状モノ
マー,オリゴマーを使用する。一般的なラジカル重合性
の面からはビニル基に共役する二重結合で活性化された
ビニル化合物が好ましく、かかる代表例として下記のも
のを挙げることが出来る。
スチレン、m−,p−ジビニルベンゼン、α−メチルス
チレン、ビニルトルエン、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフ
リルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ラウ
リルアクリレート、ステアリルアクリレート、ベンジル
アクリレート、ヘキシルジグリコールアクリレート、2
−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルア
クリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、
ポリプロピレングリコールジアクリレート、N,N−ジメ
チルアクリルアミド等。
上記の重合性希釈剤のなかでも、入手性,コスト,オ
リゴウレタン化合物(A)に対する溶解性などの見地か
ら、メタアクリル酸メチルが特に好ましい。
(e)N−ヒドロキシアルキルマレイミド 本発明において、下記(II)式の構造を有するN−ヒ
ドロキシアルキルマレイミドを使用することが出来る。
(R:炭素数1〜10のアルキレン鎖を表す) 代表的なアルキレン鎖として好ましくはエチレン、1,
2−プロピレン、ブチレン、シクロヘキシレン、キシリ
レンがあり、特にエチレン、1,2−プロピレンが好まし
い。かるN−ヒドロキシアルキルマレイミド類は、マレ
イン酸無水物と対応するアルカノールアミンとの直接反
応によっては、マイケル付加が副反応として起こるため
製造が困難である。それ故、マレイン酸基をフランを使
用してDiels−Alder反応を起せしめ、一旦、保護する方
法などによって効率よく製造することが出来る。
本発明においては、上記のN−ヒドロキシアルキルマ
レイミドの一部を他の重合性不飽和ヒドロキシ化合物に
よって置き換えることも可能である。代表的なものは、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
−3−フェニルオキシプロピルアクリレートである。
末端マレイミド基との反応性の面からは、上記の如き
ラジカル単独重合性の面からとは別に好適なビニルモノ
マーの群を挙げることが出来、かかる見地からはマレイ
ミド基と交互共重合し易いビニル基を有する重合性希釈
剤を用いることが出来る。
かかる化合物としては、前述のごとくスチレン,ジビ
ニルベンゼン,α−メチルスチレン等のスチレン系モノ
マーもこれに当たるが、それ以上の交互共重合性を有す
るモノマーとして、ビニルエーテル系化合物、例えばフ
ェニルビニルエーテル,−フェニレンビスビニルエーテ
ル,エチレンビスビニルエーテルを挙げることが出来
る。また、ビニルアセテート,ビニルプロピオネート,
ビニルノルボルネン等のビニルエステルやオレフィン類
を用いることが出来る。
かかる重合性希釈剤の要件としては、不飽和イミド末
端オリゴウレタン化合物(A)の生成に用いられるもの
は、ウレタン化反応を阻害せずに、且つ、ヒドロキシル
基やイソシアネート基に対して実質的に不活性であり、
且つ、生成した(A)をよく溶解し、使用時において液
状として存在し得るものが必要である。ただ、反応の際
に重合性希釈剤と硬化性の組成物中の重合性希釈剤は同
一組成であることは必要なく、ウレタン化反応終了後さ
らに硬化物の性能を考慮して、別の重合性希釈剤を添加
することが出来るが、かかる希釈剤は、ヒドロキシル基
やカルボキシル基等のイソシアネートに対する反応性基
を有するものであっても差し支えない。
また、重合性希釈剤は重合性の同じものを加えるので
なく、例えば、マレイミド基と交互共重合性を有する前
述の如き重合性希釈剤に加えて、さらにそれと交互共重
合性の高い重合性希釈剤を併用するといった組合せによ
り、効率のよい硬化系を構成せしめることが出来る。
本発明の組成物の調製法 前記した第一段反応及び第二段反応によって調製する
のが好ましい。
第一段の過剰のポリイソシアネート化合物とポリオー
ルとの反応は、ポリイソシアネートを反応性希釈剤に溶
解し、上記ウレタン化触媒の存在下に、ジオールを反応
させる。両者の仕込モル比は、ジオール中の水酸基の全
てがウレタン結合になり、得られる反応生成物の両末端
基は全てイソシアネートになるように選ばれる。
使用する反応性希釈剤の使用量は、とくに制限はない
が、両者が均一に反応し得るよう量を使用する。
本発明において、第二段反応によって生成する不飽和
イミドウレタン化合物が液状組成物から沈澱してくるの
を防ぐ必要がある。好ましい実施態様の一つとして、一
旦過剰の反応性希釈剤を使用して、不飽和イミド末端オ
リゴウレタンの合成反応を行い、減圧蒸留によって反応
性希釈剤を除去する方法を挙げることが出来る。この方
法により不飽和イミド末端オリゴウレタン(A)の反応
性希釈剤(B)に対する相対濃度{=(A)/(B)}
を上げることが出来、不飽和イミド末端オリゴウレタン
(A)の合成の場合と硬化組成物の場合と濃度を変える
ことが可能となる。一方、希釈法の場合は一旦生成した
ゲル状の再溶解による均一化は一般に困難である。即
ち、当初から成形に使用する不飽和イミドウレタン濃度
になるようにポリオール/ポリイソシアネート/反応性
希釈剤を仕込む方法に対し、上記改良法では、不飽和イ
ミド末端オリゴウレタン化合物合成時には反応性希釈剤
を多く仕込み、不飽和イミドウレタンの合成反応が終了
した後、過剰の反応性希釈剤を減圧蒸留などにより濃縮
すれば、得られた硬化性の液状組成物は、保存安定性に
優れることが多い。即ち、この改良法では、不飽和イミ
ドウレタン合成時の反応熱を均一化し、合成時には局所
的な温度上昇あるいは限度を超える温度上昇に起因する
と思われる反応系のゲル化を未然に防止でき、反応時間
を短縮出来ることも多い。
かくして得られた組成物は前記の如く、さらにラジカ
ル開始剤及び必要に応じて重合性希釈剤を適宜組み合わ
せて、1液系あるいは2液系の硬化用組成物として使用
することが出来る。
(A)と(B)の硬化用組成物中の組成比は得られる
硬化物の性能,硬化性,コスト等の要因によって最適な
ものを選択することが出来るが、一般に(A)/(B)
=70/30〜20/80の重量割合で用いられる。
また、硬化用組成物中には、(A),(B)及びラジ
カル開始剤以外に各種の添加剤を加えて使用することも
出来る。かかる添加剤としては、酸化安定剤、光安定剤
等の各種安定剤,着色剤,難燃剤等の硬化物へ機能性を
付与する添加剤を挙げることが出来る。さらに、炭酸カ
ルシウム,硫酸カルシウム,オラストナイト,クレイ,
ミルドグラス,マイカ等の細片・粒状・固体を、剛性な
どを改良する補強用添加材として使用できる。
さらに、(A),(B)及びラジカル開始剤以外に硬
化に関与し得る化合物、例えば、不飽和ポリエステルや
エポキシドアクリレート等を添加溶解せしめて共硬化さ
せることも出来る。
そのほか、重合収縮改良や柔軟性付与の目的で、ポリ
エチレン,ポリスチレン,ポリイソプレン,ポリブタジ
エン,ポリスチレン・ブタジエン,ポリスチレン・イソ
プレン,エチレンプロピレンゴム,エチレンプロピレン
ジエンターポリマーゴム,ニトリルゴム,ブチルゴム等
の他のポリマーを粉末状あるいは組成物に溶解して用い
ることも出来る。また、非重合性の高沸点化合物、例え
ばプロセス油等を可塑剤として添加することも出来る。
不飽和イミドウレタン組成物の成型・硬化 本発明によって得られた硬化性液状組成物は、重合開
始剤、一般には適当量のラジカル開始剤、を使用して金
型内等で硬化させ、所望形状の成形品となすことが出来
る。
この際使用できるラジカル開始剤としては、1,1−ジ
ターシャルブチル3,3,5−トリメチルシクロヘキサンな
どのパーオキシケタール、ビス−(4−ターシャルシク
ロヘキシル)パーオキシジカーボネートなどのパーカー
ボネート、ターシャルブチルパークトエート、ターシャ
ルブチルパーベンゾエートなどのパーエステルなどを挙
げることが出来る。
上記のラジカル開始剤に比べより高い成形温度で使用
するものとして、1,3−ビス−ターシャルブチルパーオ
キシイソプロピルベンゼンやジクミルパーオキサイドな
どのジアルキルパーオキサイド、1,1−ジターシャルブ
チル3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどのパーオキ
シケタールなどを挙げることが出来る。
本発明において、上記組成物の保存中は、できるだけ
ラジカル開始剤を添加しない方が好ましく、成形前に添
加するのが好ましい。また、樹脂液を2液に分割し、ラ
ジカル開始剤、例えばBPO(Benzoyl Peroxide)を片方
の側に、もう一方の側に第3級アミンを配合し、混合に
よって室温付近でも硬化する、いわゆるレドックス(Re
dox)系と為すことも出来る。同様に、ラジカル開始剤
とそのラジカル反応促進剤(例えばナフテン酸コバル
ト)などが本発明に適用可能である。とくに、ウレタン
化反応の際に用いる触媒の第3級アミンや金属塩はレッ
ドクス触媒系の一方の成分として利用することが出来
る。その場合には(A)成分を含有する側を1液とし、
他の液側に重合性希釈剤とラジカル開始剤などレッドク
ス系の酸化側を加える方法が安定性良好な2液混合系を
構成せしめることが出来、好ましい。さらに、かかる2
液系を形成せしめる硬化系においては、2液のうち
(A)成分含有側と他方側の重合性希釈剤の組成を変え
ることにより、安定性が良好で、且つ、2液混合時の反
応性が良好な硬化組成物を得ることが出来る。即ち、
(A)成分とは別の液側は、酸化物などのラジカル開始
剤とマレイミド基とは交互共重合性は大きいが、ラジカ
ル単独重合性は、それほど大きくない重合性希釈剤を用
いて構成せしめ、(A)成分側には、レドックス触媒系
の還元剤と、ラジカル重合性が大きく、且つ、上記の他
液側の重合性希釈剤と交互共重合性を有する重合性希釈
剤と組み合わせることが出来る。
ラジカル開始剤の配合量は、硬化組成物の構成,ラジ
カル開始剤の種類のみならず、希望する成形温度,硬化
時間に依存する。一般に、樹脂形成成分の合計量(A+
Bの合計量)に対して、0.01〜5phr、好ましくは0.05〜
2phrである。
さらに、かかる硬化性液状組成物を通常の注型、RTM,
RIM等の方法で使用する場合には、型内に予めガラス繊
維や炭素繊維等の補強用繊維の織物,マットをセット
し、補強材に樹脂液を注入・含浸・硬化せしめ、複合材
料成型物を製造することが出来る。補強材としては、と
くにガラス繊維が好ましい。また補強繊維以外にフォー
ム状のコアや金属インサートあるいは一体成型するため
のフィルム等を型内にセットし、これらの異種材料と一
体成型することも出来る。
[発明の効果] 上述のとおり、本発明のマレイミド構造を賦与された
不飽和イミド末端オリゴウタレン化合物(A)を含有す
る硬化性液状組成物は、従来の不飽和ウレタン/反応性
希釈剤からなる組成物に比べて耐熱性・硬化性の改良、
カバー出来る物性の拡大など種々の利点を有し、優れた
硬化成形品を与える。
また、上述した製造法を採用することや、2液法の組
合せを工夫することにより、かかる硬化性液状組成物
は、前記の如くRIM及びRTM組成物として使用可能な硬化
性を有し、良好な保存安定性と良好な硬化特性を兼備し
た有用な硬化性液状組成物を得ることが出来る。本発明
の硬化性液状組成物は、とくにガラス繊維等の強化材と
ともに硬化した成型物として優れた剛性と耐熱性とを兼
備しており、各種交通機関,機械,建築材料,電気・電
子機器等の部材として広範な用途に用いることが出来
る。
[実施例] 以下に本発明を実施例によって詳述する。なお、実施
例中、下記の略号を使用する。
PEG;ポリエチレングリコール PPG;ポリプロピレングリコール MMA;メタアクリル酸メチル MDI;ジフェニルメタンジイソシアネート MDIオリゴマー;上記のオリゴマー TDI;トリレンジイソシアネート 2−HEMIMD;2−ヒドロキシエチルマレイミド 2−HEMA;2−ヒドロキシエチルメタアクリレート 錫触媒;ジブチル錫ジラウリレート 参考例1(2−HEIMDの調製) (1) 無水マレイン酸フラン付加体の合成 撹拌機を備えた三ツ口フラスコ中で、無水マレイン酸
98.0g(1モル)とフラン81.6g(1.2モル)をベンゼン1
50mlに混合・溶解し、室温で24時間かき混ぜた。析出物
を濾過し、ベンゼン洗浄・乾燥し、無水マレイン酸フラ
ン付加体151.0gを得た(収率95%)。
(2) N−(2−ヒドロキシエチル)マレインイミド
フラン付加体の合成 撹拌機を備えた三ツ口フラスコ中で、2−アミノエタ
ノール30.5g(0.5モル)を含むエチルアルコール溶液15
0mlを0℃に冷却し、上記で得られた無水マレイン酸フ
ラン付加体83.0g(0.5モル)を加えた後、室温で12時間
かき混ぜた後、さらに4時間還流下に反応させた。冷却
により析出した結晶を濾過してエチルアルコールで洗浄
した。減圧乾燥により、N−(2−ヒドロキシエチル)
マレイミドフラン付加体84.0gを得た(収率80%)。
実施例1(本発明の硬化性液状組成物の調製) MDIオリゴマー110gをMMA110gと混合・溶解し、錫触媒
2.0gを加えた。PEG1000(分子量約1000)166gを、MMA35
0gに溶解し、この溶液をポリイソシアネート溶液の中に
滴下・反応させ、末端イソシアネート基をもつウレタン
化合物のMMA溶液を調製した。
このイソシアネート末端基をもつウレタン化合物のMM
A溶液に、2−HEMIMD50gとMMA170gとを加え、マレイミ
ド基をもつ不飽和イミドウレタン化合物のMMA溶液を調
製した。この溶液組成物から、減圧下にMMA140gを溜去
した。この硬化性液状組成物中には、不飽和イミド末端
オリゴウレタン化合物約40重量%,MMA約60重量%からな
っている。
比較例1 PEG1000の溶解に使用するMMAを210gにする以外は、実
施例1と全く同様にして不飽和イミド末端オリゴウレタ
ン化合物約40重量%,MMA約60重量%からなる組成物を調
製した。この組成物は5時間後にゲル化・不透明になっ
た。
実施例2 MDIオリゴマー220gをMMA240gと混合・溶解し、錫触媒
3.0gを加えた。PEG1000(分子量約1000)332gを、MMA50
0gに溶解し、この溶液をポリイソシアネート溶液の中に
滴下・反応させ、末端イソシアネート基をもつウレタン
化合物のMMA溶液を調製した。
このイソシアネート末端基をもつウレタン化合物のMM
A溶液に、2−HEMIMD65gと2−HEM3gとを加え、マレイ
ミド基をもつ不飽和イミドウレタンのMMA溶液を調製し
た。この溶液組成物は、不飽和イミド末端オリゴウレタ
ン約45重量%,MMA約55重量%からなっている。
比較例2(特開昭57−182312号公報「実施例1」記載の
硬化性液状組成物の調製) 2.6の平均イソシアネート価を有するMDIオリゴマー21
4gをMMA421gに溶解し、錫触媒2.2gを添加・反応させ、
末端イソシアネート基を有するオリゴウレタン化合物の
MMA溶液を調製した。この溶液に2−HEMA229gを添加・
反応させ、硬化性液状組成物を調製した。
実施例3,4および比較例3 実施例1及び2、並びに比較例2で調製した硬化性液
状組成物を、ラジカル開始剤を用いて硬化させて得た成
型板を後硬化させたものの性能を下表に示す。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂形成成分として、主鎖が主として少な
    くとも1種のポリオール残基と少なくとも1種のポリイ
    ソシアネート残基とウレタン基よりなり、末端が主とし
    てN−アルキルマレイミド基よりなる不飽和イミド末端
    オリゴウレタン化合物(A)及びマレイミド基と共重合
    性を有するモノマー化合物を少なくとも1種含有する重
    合性希釈剤(B)を含むことを特徴とする硬化性不飽和
    イミドウレタン組成物。
  2. 【請求項2】マレイミド基と共重合性を有するモノマー
    化合物を少なくとも1種含有する重合性希釈剤(B)中
    で、少なくとも1種のポリオールと少くとも1種のポリ
    イソシアネートとN−ヒドロキシアルキルマレイミドと
    より主としてなる原料を、ヒドロキシル基とイソシアネ
    ート基とが実質的に等当量になり且つ可溶性を維持する
    条件下に反応せしめ、主鎖が主として少なくとも1種の
    ポリオール残基と少なくとも1種のポリイソシアネート
    残基とウレタン基よりなり、末端が主としてN−アルキ
    ルマレイミド基よりなる不飽和イミド末端オリゴウレタ
    ン化合物(A)を生成せしめることを特徴とする請求項
    (1)記載の硬化性不飽和イミドウレタン組成物の製造
    法。
  3. 【請求項3】請求項(1)記載の組成物を型内で重合開
    始剤の共存下に硬化せしめてなる成型物。
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