JP2505097B2 - 研磨用砥石およびその製造方法 - Google Patents
研磨用砥石およびその製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、研磨用砥石およびその
製造方法に関するものである。
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、グラインダなどに装着して金属
あるいは非金属の研磨に使用される研磨用砥石(以下、
砥石という。)が知られている(例えば、特公昭50−
35270号公報参照)。この砥石は、研磨砥粒をフェ
ノール樹脂系の結合剤で結合した研磨材によって外周フ
ランジ部と、この外周フランジ部に連続し、逆すり鉢状
に突出された内周オフセット部とで形成されており、こ
の砥石には、ガラス繊維を平織りした織布に変成フェノ
ール樹脂もしくは変成エポキシ樹脂を含浸して裁断され
た補強材が埋設されている他、その研磨面には、可撓性
をもたせるため、網目模様溝が形成されるとともに、そ
の網目模様溝の底部に亀裂を形成している。
あるいは非金属の研磨に使用される研磨用砥石(以下、
砥石という。)が知られている(例えば、特公昭50−
35270号公報参照)。この砥石は、研磨砥粒をフェ
ノール樹脂系の結合剤で結合した研磨材によって外周フ
ランジ部と、この外周フランジ部に連続し、逆すり鉢状
に突出された内周オフセット部とで形成されており、こ
の砥石には、ガラス繊維を平織りした織布に変成フェノ
ール樹脂もしくは変成エポキシ樹脂を含浸して裁断され
た補強材が埋設されている他、その研磨面には、可撓性
をもたせるため、網目模様溝が形成されるとともに、そ
の網目模様溝の底部に亀裂を形成している。
【0003】そして、砥石が使用によって外周縁から徐
々に磨耗して直径が減少すれば周速が低下し、被研磨材
に対する硬度が低下して急速に砥粒が脱落することか
ら、約直径の30%程度磨耗すれば、グラインダから磨
耗した砥石を取り外し、交換するようにしている。
々に磨耗して直径が減少すれば周速が低下し、被研磨材
に対する硬度が低下して急速に砥粒が脱落することか
ら、約直径の30%程度磨耗すれば、グラインダから磨
耗した砥石を取り外し、交換するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した砥
石は、全体が同一粒度の砥粒で形成されており、砥石が
磨耗して交換された場合、その内周部分に残された砥粒
は使用されることなく廃棄されている。例えば、よく使
用される外径100mm、厚さ3mm、穴径15mmの
砥石の場合、30%磨耗して交換したと仮定すると、実
際の研磨に使用された砥粒は全体の50%程度にすぎ
ず、残りは使用されることなく廃棄される結果、砥粒を
浪費するという問題があった。
石は、全体が同一粒度の砥粒で形成されており、砥石が
磨耗して交換された場合、その内周部分に残された砥粒
は使用されることなく廃棄されている。例えば、よく使
用される外径100mm、厚さ3mm、穴径15mmの
砥石の場合、30%磨耗して交換したと仮定すると、実
際の研磨に使用された砥粒は全体の50%程度にすぎ
ず、残りは使用されることなく廃棄される結果、砥粒を
浪費するという問題があった。
【0005】また、砥石の研磨面に形成された網目模様
溝の底部に亀裂を形成して可撓性をもたせているが、亀
裂が不均一になりやすく、また、補強材としての織布の
密度が周方向で相違することから、砥石の弾性が周方向
で相違し、砥石の周方向によって撓みにくい部分(織布
のよこ糸方向およびたて糸方向)と相対的に撓みやすい
部分(織布のたて糸もしくはよこ糸に対し一定角度傾斜
した方向、例えば、そのたて糸とよこ糸の交差部を結ぶ
対角線方向)が発生する。この結果、研磨作業時にタッ
ピングと称する振動が生起され、撓みやすい部分は被研
磨材との接触が緩和されて磨耗しにくく、一方、撓みに
くい部分は積極的に接触して磨耗が促進され、砥石に偏
磨耗が発生する問題があった。
溝の底部に亀裂を形成して可撓性をもたせているが、亀
裂が不均一になりやすく、また、補強材としての織布の
密度が周方向で相違することから、砥石の弾性が周方向
で相違し、砥石の周方向によって撓みにくい部分(織布
のよこ糸方向およびたて糸方向)と相対的に撓みやすい
部分(織布のたて糸もしくはよこ糸に対し一定角度傾斜
した方向、例えば、そのたて糸とよこ糸の交差部を結ぶ
対角線方向)が発生する。この結果、研磨作業時にタッ
ピングと称する振動が生起され、撓みやすい部分は被研
磨材との接触が緩和されて磨耗しにくく、一方、撓みに
くい部分は積極的に接触して磨耗が促進され、砥石に偏
磨耗が発生する問題があった。
【0006】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたもので、砥粒の有効活用を図ると同時に、研磨作業
時に振動および偏磨耗が発生することのない研磨用砥石
およびその製造方法を提供するものである。
れたもので、砥粒の有効活用を図ると同時に、研磨作業
時に振動および偏磨耗が発生することのない研磨用砥石
およびその製造方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の研磨用砥石は、
外周フランジ部と内周オフセット部を備え、細目の砥粒
と熱硬化性樹脂を混合した支持材で形成された支持体、
および支持体の表面側に配設され、織布のたて糸とよこ
糸の交差部を陥没させ該交差部を結ぶ対角線方向に碁盤
目波型模様溝を形成した補強材からなる振動防止強化基
盤と、研磨砥粒と結合剤を混合した高密度の研磨材で形
成された研磨チップ、および粗目の研磨砥粒と結合剤を
混合した多孔性粗密度の排出材で形成された切屑排出チ
ップからなる円環状の研磨体から構成され、これらの研
磨チップおよび切屑排出チップは、振動防止強化基盤に
おける補強材側の外周部分に交互に接着されたことを特
徴とするものである。
外周フランジ部と内周オフセット部を備え、細目の砥粒
と熱硬化性樹脂を混合した支持材で形成された支持体、
および支持体の表面側に配設され、織布のたて糸とよこ
糸の交差部を陥没させ該交差部を結ぶ対角線方向に碁盤
目波型模様溝を形成した補強材からなる振動防止強化基
盤と、研磨砥粒と結合剤を混合した高密度の研磨材で形
成された研磨チップ、および粗目の研磨砥粒と結合剤を
混合した多孔性粗密度の排出材で形成された切屑排出チ
ップからなる円環状の研磨体から構成され、これらの研
磨チップおよび切屑排出チップは、振動防止強化基盤に
おける補強材側の外周部分に交互に接着されたことを特
徴とするものである。
【0008】また、本発明の研磨用砥石は、外周フラン
ジ部と内周オフセット部を備え、細目の砥粒と熱硬化性
樹脂を混合した支持材で形成された支持体、および支持
体の表面側に配設され、織布のたて糸とよこ糸の交差部
を陥没させ該交差部を結ぶ対角線方向に碁盤目波型模様
溝を形成した補強材からなる振動防止強化基盤と、荒目
の研磨砥粒と結合剤を混合した研磨材で形成され、振動
防止強化基盤における補強材側の外周部分に積層した円
環状の研磨体から構成されたことを特徴とするものであ
る。
ジ部と内周オフセット部を備え、細目の砥粒と熱硬化性
樹脂を混合した支持材で形成された支持体、および支持
体の表面側に配設され、織布のたて糸とよこ糸の交差部
を陥没させ該交差部を結ぶ対角線方向に碁盤目波型模様
溝を形成した補強材からなる振動防止強化基盤と、荒目
の研磨砥粒と結合剤を混合した研磨材で形成され、振動
防止強化基盤における補強材側の外周部分に積層した円
環状の研磨体から構成されたことを特徴とするものであ
る。
【0009】一方、本発明の研磨用砥石の製造方法は、
振動防止強化基盤の裏面形状に対応する成形面を有する
受け金型に細目の砥粒と熱硬化性樹脂を混合した支持材
を計量投入し、その上に補強材としての織布を載せて加
熱した後、格子状の凹凸模様を形成した上金型で加圧し
て補強材および支持材に碁盤目波型模様溝を形成する
が、その際、前記織布はそのたて糸とよこ糸が前記凹凸
模様に対して45度傾斜するように配置し、焼結させて
振動防止強化基盤を成形する一方、円環の一部形状に対
応する成形面を有するチップ下金型に研磨砥粒と結合剤
を混合した高密度の研磨材を計量投入して加熱した後、
チップ上金型で加圧し、焼結させて研磨チップを成形す
るとともに、円環の一部形状に対応する成形面を有する
チップ下金型に粗目の研磨砥粒と結合剤を混合した多孔
性粗密度の排出材を計量投入して加熱した後、チップ上
金型で加圧し、焼結させて切屑排出チップを成形し、こ
れらの研磨チップおよび切屑排出チップを振動防止強化
基盤における補強材側の外周部分に円環を形成するよう
に交互に接着することを特徴とするものである。
振動防止強化基盤の裏面形状に対応する成形面を有する
受け金型に細目の砥粒と熱硬化性樹脂を混合した支持材
を計量投入し、その上に補強材としての織布を載せて加
熱した後、格子状の凹凸模様を形成した上金型で加圧し
て補強材および支持材に碁盤目波型模様溝を形成する
が、その際、前記織布はそのたて糸とよこ糸が前記凹凸
模様に対して45度傾斜するように配置し、焼結させて
振動防止強化基盤を成形する一方、円環の一部形状に対
応する成形面を有するチップ下金型に研磨砥粒と結合剤
を混合した高密度の研磨材を計量投入して加熱した後、
チップ上金型で加圧し、焼結させて研磨チップを成形す
るとともに、円環の一部形状に対応する成形面を有する
チップ下金型に粗目の研磨砥粒と結合剤を混合した多孔
性粗密度の排出材を計量投入して加熱した後、チップ上
金型で加圧し、焼結させて切屑排出チップを成形し、こ
れらの研磨チップおよび切屑排出チップを振動防止強化
基盤における補強材側の外周部分に円環を形成するよう
に交互に接着することを特徴とするものである。
【0010】また、本発明の研磨用砥石の製造方法は、
砥石の裏面形状に対応する成形面を有する受け金型に細
目の砥粒と熱硬化性樹脂を混合した支持材を計量投入
し、その上に補強材としての織布を載せて加熱した後、
格子状の凹凸模様を形成した上金型で加圧して補強材お
よび支持材に碁盤目波型模様溝を形成するが、その際、
前記織布はそのたて糸とよこ糸が前記凹凸模様に対して
45度傾斜するように配置し、次いで、その外周部分に
荒目の研磨砥粒と結合剤を混合した研磨材を計量投入し
て加熱し、砥石の研磨面に対応する成形面を有する押さ
え金型で加圧し、焼結させることを特徴とするものであ
る。
砥石の裏面形状に対応する成形面を有する受け金型に細
目の砥粒と熱硬化性樹脂を混合した支持材を計量投入
し、その上に補強材としての織布を載せて加熱した後、
格子状の凹凸模様を形成した上金型で加圧して補強材お
よび支持材に碁盤目波型模様溝を形成するが、その際、
前記織布はそのたて糸とよこ糸が前記凹凸模様に対して
45度傾斜するように配置し、次いで、その外周部分に
荒目の研磨砥粒と結合剤を混合した研磨材を計量投入し
て加熱し、砥石の研磨面に対応する成形面を有する押さ
え金型で加圧し、焼結させることを特徴とするものであ
る。
【0011】
【作用】請求項1記載の研磨用砥石は、外周フランジ部
と内周オフセット部を備えて細目の砥粒と熱硬化性樹脂
を混合した支持材で形成された支持体および織布のたて
糸とよこ糸の交差部を陥没させ該交差部を結ぶ対角線方
向に碁盤目波型模様溝が形成されて支持体の表面側に配
設された補強材からなる振動防止強化基盤と、研磨砥粒
と結合剤を混合した高密度の研磨材で形成された研磨チ
ップおよび粗目の研磨砥粒と結合剤を混合した多孔性粗
密度の排出材で形成された切屑排出チップを振動防止強
化基盤における補強材側の外周部分に交互に接着して形
成された円環状の研磨体から構成したことにより、研磨
に使用される研磨体にのみ砥石として有効な研磨砥粒を
使用し、研磨に利用されない振動防止強化基盤の支持体
には細目の砥粒を使用することから、砥粒の有効活用を
図ることができる。しかも、振動防止強化基盤の補強材
に、その織布のたて糸とよこ糸の交差部を陥没させ該交
差部を結ぶ対角線方向に碁盤目波型模様溝を形成したこ
とにより、補強材としての織布のたて糸方向、よこ糸方
向および斜め方向の弾性が均一となり、研磨作業時にお
ける振動の発生を防止して研磨面を全周にわたって均一
に接触させ、偏磨耗の発生を防止することができる。
と内周オフセット部を備えて細目の砥粒と熱硬化性樹脂
を混合した支持材で形成された支持体および織布のたて
糸とよこ糸の交差部を陥没させ該交差部を結ぶ対角線方
向に碁盤目波型模様溝が形成されて支持体の表面側に配
設された補強材からなる振動防止強化基盤と、研磨砥粒
と結合剤を混合した高密度の研磨材で形成された研磨チ
ップおよび粗目の研磨砥粒と結合剤を混合した多孔性粗
密度の排出材で形成された切屑排出チップを振動防止強
化基盤における補強材側の外周部分に交互に接着して形
成された円環状の研磨体から構成したことにより、研磨
に使用される研磨体にのみ砥石として有効な研磨砥粒を
使用し、研磨に利用されない振動防止強化基盤の支持体
には細目の砥粒を使用することから、砥粒の有効活用を
図ることができる。しかも、振動防止強化基盤の補強材
に、その織布のたて糸とよこ糸の交差部を陥没させ該交
差部を結ぶ対角線方向に碁盤目波型模様溝を形成したこ
とにより、補強材としての織布のたて糸方向、よこ糸方
向および斜め方向の弾性が均一となり、研磨作業時にお
ける振動の発生を防止して研磨面を全周にわたって均一
に接触させ、偏磨耗の発生を防止することができる。
【0012】さらに、被研磨材から生じる切屑は、切屑
排出チップに吸収され、研磨チップの目詰まりを防止す
ることから、偏磨耗の発生を防止することと相俟って砥
石をより長期にわたって使用することが可能となる。
排出チップに吸収され、研磨チップの目詰まりを防止す
ることから、偏磨耗の発生を防止することと相俟って砥
石をより長期にわたって使用することが可能となる。
【0013】また、請求項2記載の研磨用砥石は、外周
フランジ部と内周オフセット部を備えて細目の砥粒と熱
硬化性樹脂を混合した支持材で形成された支持体および
碁盤目波型模様溝が形成されて支持体の表面側に配設さ
れた補強材からなる振動防止強化基盤と、この振動防止
強化基盤における補強材側の外周部分に荒目の研磨砥粒
と結合剤を混合した研磨材を積層して形成された円環状
の研磨体から構成したことにより、研磨に使用される研
磨体にのみ砥石として有効な荒目の研磨砥粒を使用し、
研磨に利用されない振動防止強化基盤の支持体には細目
の砥粒を使用することから、砥粒の有効活用を図ること
ができる。しかも、振動防止強化基盤の補強材に、その
織布のたて糸とよこ糸の交差部を陥没させ該交差部を結
ぶ対角線方向に碁盤目波型模様溝を形成したことによ
り、補強材としての織布のたて糸方向、よこ糸方向およ
び斜め方向の弾性が均一となり、研磨作業時における振
動の発生を防止して研磨面を全周にわたって均一に接触
させ、偏磨耗の発生を防止して砥石を長期にわたって使
用することができる。
フランジ部と内周オフセット部を備えて細目の砥粒と熱
硬化性樹脂を混合した支持材で形成された支持体および
碁盤目波型模様溝が形成されて支持体の表面側に配設さ
れた補強材からなる振動防止強化基盤と、この振動防止
強化基盤における補強材側の外周部分に荒目の研磨砥粒
と結合剤を混合した研磨材を積層して形成された円環状
の研磨体から構成したことにより、研磨に使用される研
磨体にのみ砥石として有効な荒目の研磨砥粒を使用し、
研磨に利用されない振動防止強化基盤の支持体には細目
の砥粒を使用することから、砥粒の有効活用を図ること
ができる。しかも、振動防止強化基盤の補強材に、その
織布のたて糸とよこ糸の交差部を陥没させ該交差部を結
ぶ対角線方向に碁盤目波型模様溝を形成したことによ
り、補強材としての織布のたて糸方向、よこ糸方向およ
び斜め方向の弾性が均一となり、研磨作業時における振
動の発生を防止して研磨面を全周にわたって均一に接触
させ、偏磨耗の発生を防止して砥石を長期にわたって使
用することができる。
【0014】一方、請求項3記載の研磨用砥石の製造方
法は、受け金型に支持材を計量投入した後、その上に補
強材としての織布を載せて加熱した後、格子状の凹凸模
様を形成した上金型で加圧して補強材および支持材に碁
盤目波型模様溝を形成するが、その際、前記織布はその
たて糸とよこ糸が前記凹凸模様に対して45度傾斜する
ように配置し、焼結させて振動防止強化基盤を成形する
一方、チップ下金型に高密度の研磨材を計量投入して加
熱加圧し、焼結させて研磨チップを成形するとともに、
チップ下金型に多孔性粗密度の排出材を計量投入して加
熱加圧し、焼結させて切屑排出チップを成形し、これら
の研磨チップおよび切屑排出チップを振動防止強化基盤
における補強材側の外周部分に円環を形成するように交
互に接着することにより、砥粒を有効に活用すると同時
に、研磨時に振動および偏磨耗が発生することがなく、
目詰まりを防止した研磨用砥石を簡単に製造することが
できる。
法は、受け金型に支持材を計量投入した後、その上に補
強材としての織布を載せて加熱した後、格子状の凹凸模
様を形成した上金型で加圧して補強材および支持材に碁
盤目波型模様溝を形成するが、その際、前記織布はその
たて糸とよこ糸が前記凹凸模様に対して45度傾斜する
ように配置し、焼結させて振動防止強化基盤を成形する
一方、チップ下金型に高密度の研磨材を計量投入して加
熱加圧し、焼結させて研磨チップを成形するとともに、
チップ下金型に多孔性粗密度の排出材を計量投入して加
熱加圧し、焼結させて切屑排出チップを成形し、これら
の研磨チップおよび切屑排出チップを振動防止強化基盤
における補強材側の外周部分に円環を形成するように交
互に接着することにより、砥粒を有効に活用すると同時
に、研磨時に振動および偏磨耗が発生することがなく、
目詰まりを防止した研磨用砥石を簡単に製造することが
できる。
【0015】また、請求項4記載の研磨用砥石の製造方
法は、受け金型に支持材を計量投入した後、補強材とし
ての織布を載せて加熱加圧して碁盤目波型模様溝を形成
するが、その際、前記織布はそのたて糸とよこ糸が凹凸
模様に対して45度傾斜するように配置し、次いで、そ
の外周部分に研磨材を計量投入して加熱加圧し、焼結さ
せることにより、砥粒を有効に活用すると同時に、研磨
時に振動および偏磨耗が発生することのない研磨用砥石
を一連の流れ作業で製造することができる。
法は、受け金型に支持材を計量投入した後、補強材とし
ての織布を載せて加熱加圧して碁盤目波型模様溝を形成
するが、その際、前記織布はそのたて糸とよこ糸が凹凸
模様に対して45度傾斜するように配置し、次いで、そ
の外周部分に研磨材を計量投入して加熱加圧し、焼結さ
せることにより、砥粒を有効に活用すると同時に、研磨
時に振動および偏磨耗が発生することのない研磨用砥石
を一連の流れ作業で製造することができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
する。
【0017】図1には、本発明の砥石Aが図示されてお
り、この砥石Aは、振動防止強化基盤10と、この振動
防止強化基盤10の表面側に配設された円環状の研磨体
20から構成されている。
り、この砥石Aは、振動防止強化基盤10と、この振動
防止強化基盤10の表面側に配設された円環状の研磨体
20から構成されている。
【0018】振動防止強化基盤10は、細目の砥粒と変
成フェノール樹脂あるいは変成エポキシ樹脂などの熱硬
化性樹脂を混合した支持材によって形成され、外周フラ
ンジ部111と、この外周フランジ部111に連続する
逆すり鉢状に突出した内周オフセット部112を備えた
支持体11と、この支持体11の表面側に配設され、碁
盤目波型模様溝が形成された補強材12と、支持体11
の中心に形成された穴11aに装着され、グラインダな
どの出力軸に取り付けるための芯金13から構成されて
いる(図3参照)。
成フェノール樹脂あるいは変成エポキシ樹脂などの熱硬
化性樹脂を混合した支持材によって形成され、外周フラ
ンジ部111と、この外周フランジ部111に連続する
逆すり鉢状に突出した内周オフセット部112を備えた
支持体11と、この支持体11の表面側に配設され、碁
盤目波型模様溝が形成された補強材12と、支持体11
の中心に形成された穴11aに装着され、グラインダな
どの出力軸に取り付けるための芯金13から構成されて
いる(図3参照)。
【0019】振動防止強化基盤10を構成する補強材1
2は、図4に示すように、ガラス繊維、炭素繊維あるい
はアラミド繊維を平織りもしくは目抜き平織りした織布
が採用され、そのたて糸vとよこ糸hの交差部を結ぶ対
角線方向に碁盤目波型模様溝が形成されている。すなわ
ち、ガラス繊維などを平織りした織布を変成フェノール
樹脂もしくは変成エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂に含
浸して加熱炉を通過させた後、所定の寸法形状に裁断し
て加熱し、成形面に凸部pおよび凹部qからなる格子状
の凹凸模様が形成された上金型S2で加圧することによ
り、含浸された熱硬化性樹脂を軟化しつつそのたて糸v
とよこ糸hの交差部を陥没させ、それらの交差部を結ぶ
対角線方向に碁盤目波型模様溝を形成したものである。
2は、図4に示すように、ガラス繊維、炭素繊維あるい
はアラミド繊維を平織りもしくは目抜き平織りした織布
が採用され、そのたて糸vとよこ糸hの交差部を結ぶ対
角線方向に碁盤目波型模様溝が形成されている。すなわ
ち、ガラス繊維などを平織りした織布を変成フェノール
樹脂もしくは変成エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂に含
浸して加熱炉を通過させた後、所定の寸法形状に裁断し
て加熱し、成形面に凸部pおよび凹部qからなる格子状
の凹凸模様が形成された上金型S2で加圧することによ
り、含浸された熱硬化性樹脂を軟化しつつそのたて糸v
とよこ糸hの交差部を陥没させ、それらの交差部を結ぶ
対角線方向に碁盤目波型模様溝を形成したものである。
【0020】なお、補強材12は、後述するように、支
持材上に載置されて加熱され、上金型S2によって碁盤
目波型模様溝が形成されることから、支持材にも、補強
材12としての織布のたて糸vとよこ糸hの交差部を結
ぶ対角線方向に碁盤目模様溝が形成されることになる。
持材上に載置されて加熱され、上金型S2によって碁盤
目波型模様溝が形成されることから、支持材にも、補強
材12としての織布のたて糸vとよこ糸hの交差部を結
ぶ対角線方向に碁盤目模様溝が形成されることになる。
【0021】この場合、上金型S2に形成された格子状
の凹凸模様を形成する凸部pの間隔は、補強材12とし
ての織布のたて糸vとよこ糸hの交差部を結ぶ対角線の
長さに一致している。そして、上金型S2における格子
状の凹凸模様に対してそのたて糸vとよこ糸hが45度
傾斜するように配置する必要がある。
の凹凸模様を形成する凸部pの間隔は、補強材12とし
ての織布のたて糸vとよこ糸hの交差部を結ぶ対角線の
長さに一致している。そして、上金型S2における格子
状の凹凸模様に対してそのたて糸vとよこ糸hが45度
傾斜するように配置する必要がある。
【0022】一方、研磨体20は、溶融アルミナ、炭化
珪素あるいはダイヤなどの研磨砥粒と、変成フェノール
樹脂あるいは変成エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂から
なる結合剤を混合して形成された研磨チップ21および
切屑排出チップ22で構成され、これらの研磨チップ2
1および切屑排出チップ22を、前述した振動防止強化
基盤10における補強材12側の外周部分に円環を形成
するように交互に接着したものである。具体的には、研
磨チップ21は、研磨砥粒と結合剤を混合した高密度の
研磨材で円環の一部形状に形成され、また、切屑排出チ
ップ22は、粗目の研磨砥粒と結合剤を混合した多孔性
粗密度の排出材で円環の一部形状に形成され、この後、
焼結することによって成形されている。
珪素あるいはダイヤなどの研磨砥粒と、変成フェノール
樹脂あるいは変成エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂から
なる結合剤を混合して形成された研磨チップ21および
切屑排出チップ22で構成され、これらの研磨チップ2
1および切屑排出チップ22を、前述した振動防止強化
基盤10における補強材12側の外周部分に円環を形成
するように交互に接着したものである。具体的には、研
磨チップ21は、研磨砥粒と結合剤を混合した高密度の
研磨材で円環の一部形状に形成され、また、切屑排出チ
ップ22は、粗目の研磨砥粒と結合剤を混合した多孔性
粗密度の排出材で円環の一部形状に形成され、この後、
焼結することによって成形されている。
【0023】この砥石Aは、研磨に使用されない振動防
止強化基盤10と、この振動防止強化基盤10に配設さ
れて被研磨材の研磨に使用される研磨体20から構成し
たことにより、研磨体20にのみ砥石として有効な研磨
砥粒を使用し、振動防止強化基盤10の支持体11に細
目の砥粒を使用することから、砥粒の有効活用を図るこ
とができる。特に、溶融アルミナ系砥粒の場合、そのイ
ンゴットの歩留りを向上させることができる。また、振
動防止強化基盤10の補強材12に碁盤目波型模様溝を
形成したことにより、補強材12としての織布のたて糸
方向、よこ糸方向および斜め方向の弾性が均一となり、
研磨作業時、振動の発生を防止することができ、この結
果、研磨体20が全周にわたって被研磨材に均一に接触
することから、研磨体20に偏磨耗が発生することがな
い。さらに、研磨体20を構成する研磨チップ21と切
屑排出チップ22を交互に接着したことにより、被研磨
材を研磨チップ21で研磨する際に発生する切屑を切屑
排出チップ22で吸収することが可能となり、研磨チッ
プ21に目詰まりが発生するのを防止することができ
る。
止強化基盤10と、この振動防止強化基盤10に配設さ
れて被研磨材の研磨に使用される研磨体20から構成し
たことにより、研磨体20にのみ砥石として有効な研磨
砥粒を使用し、振動防止強化基盤10の支持体11に細
目の砥粒を使用することから、砥粒の有効活用を図るこ
とができる。特に、溶融アルミナ系砥粒の場合、そのイ
ンゴットの歩留りを向上させることができる。また、振
動防止強化基盤10の補強材12に碁盤目波型模様溝を
形成したことにより、補強材12としての織布のたて糸
方向、よこ糸方向および斜め方向の弾性が均一となり、
研磨作業時、振動の発生を防止することができ、この結
果、研磨体20が全周にわたって被研磨材に均一に接触
することから、研磨体20に偏磨耗が発生することがな
い。さらに、研磨体20を構成する研磨チップ21と切
屑排出チップ22を交互に接着したことにより、被研磨
材を研磨チップ21で研磨する際に発生する切屑を切屑
排出チップ22で吸収することが可能となり、研磨チッ
プ21に目詰まりが発生するのを防止することができ
る。
【0024】次に、このような砥石Aを構成する振動防
止強化基盤10の製造方法について、図5に基づいて説
明する。
止強化基盤10の製造方法について、図5に基づいて説
明する。
【0025】まず、振動防止強化基盤10の成形装置S
は、振動防止強化基盤10に対応した形状のキャビティ
を形成可能な受け金型S1および上金型S2から構成さ
れており、受け金型S1には芯金13に対応する直径の
心棒S3が上方へ突設されている。そして、受け金型S
1には、振動防止強化基盤10の裏面に対応する成形面
が形成され、また、上金型S2には、図6に示すよう
に、振動防止強化基盤10の表面に形成される碁盤目波
型模様溝に対応する成形面、すなわち、凸部pと凹部q
による格子状の凹凸模様が形成されている。
は、振動防止強化基盤10に対応した形状のキャビティ
を形成可能な受け金型S1および上金型S2から構成さ
れており、受け金型S1には芯金13に対応する直径の
心棒S3が上方へ突設されている。そして、受け金型S
1には、振動防止強化基盤10の裏面に対応する成形面
が形成され、また、上金型S2には、図6に示すよう
に、振動防止強化基盤10の表面に形成される碁盤目波
型模様溝に対応する成形面、すなわち、凸部pと凹部q
による格子状の凹凸模様が形成されている。
【0026】このような成形装置Sを用いて振動防止強
化基盤10を成形するには、受け金型S1に細目の研磨
砥粒と変成フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂を混合し
て形成された支持材を計量投入した後、図示しない均し
装置によって均し、外周フランジ部111と内周オフセ
ット部112に対応する支持材層11’を形成する。こ
の後、支持材層11’に変成フェノール樹脂などの熱硬
化性樹脂が含浸された補強材12を載せて加熱した後、
上金型S2で加圧し、支持材層11’および補強材12
に碁盤目波型模様溝を形成する。
化基盤10を成形するには、受け金型S1に細目の研磨
砥粒と変成フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂を混合し
て形成された支持材を計量投入した後、図示しない均し
装置によって均し、外周フランジ部111と内周オフセ
ット部112に対応する支持材層11’を形成する。こ
の後、支持材層11’に変成フェノール樹脂などの熱硬
化性樹脂が含浸された補強材12を載せて加熱した後、
上金型S2で加圧し、支持材層11’および補強材12
に碁盤目波型模様溝を形成する。
【0027】この際、上金型S2における格子状の凹凸
模様に対して補強材12としての織布のたて糸vとよこ
糸hが45度傾斜するように配置する。
模様に対して補強材12としての織布のたて糸vとよこ
糸hが45度傾斜するように配置する。
【0028】そして、支持材層11’および補強材12
に碁盤目波型模様溝が形成されれば、成形装置Sから取
り出して図示しない焼成炉で焼結させることにより、振
動防止強化基盤10が成形される。一方、砥石Aを構成
する研磨体20の研磨チップ21を成形するには、図7
に示すように、研磨チップ20に対応した形状、すなわ
ち、円環の一部形状に対応した形状のキャビティを形成
可能なチップ下金型S6およびチップ上金型S7から構
成されたチップ成形装置S1 が用いられている。そし
て、研磨砥粒と結合剤を混合して形成された高密度の研
磨材をチップ下金型S6に計量投入した後、図示しない
均し装置によって平らに均して研磨材層21’を形成す
る。次いで、研磨材層21’を加熱した後、チップ上金
型S7で加圧する。この後、チップ成形装置S1 から取
り出して焼結させ、研磨チップ21を成形する。なお、
切屑排出チップ22の成形は、前述した研磨チップ21
と同様であり、その詳細な説明は省略する。この場合、
切屑排出チップ22には、粗目の研磨砥粒と結合剤を混
合した多孔性粗密度の排出材が用いられている。
に碁盤目波型模様溝が形成されれば、成形装置Sから取
り出して図示しない焼成炉で焼結させることにより、振
動防止強化基盤10が成形される。一方、砥石Aを構成
する研磨体20の研磨チップ21を成形するには、図7
に示すように、研磨チップ20に対応した形状、すなわ
ち、円環の一部形状に対応した形状のキャビティを形成
可能なチップ下金型S6およびチップ上金型S7から構
成されたチップ成形装置S1 が用いられている。そし
て、研磨砥粒と結合剤を混合して形成された高密度の研
磨材をチップ下金型S6に計量投入した後、図示しない
均し装置によって平らに均して研磨材層21’を形成す
る。次いで、研磨材層21’を加熱した後、チップ上金
型S7で加圧する。この後、チップ成形装置S1 から取
り出して焼結させ、研磨チップ21を成形する。なお、
切屑排出チップ22の成形は、前述した研磨チップ21
と同様であり、その詳細な説明は省略する。この場合、
切屑排出チップ22には、粗目の研磨砥粒と結合剤を混
合した多孔性粗密度の排出材が用いられている。
【0029】このようにして振動防止強化基盤10と、
研磨体20の研磨チップ21および切屑排出チップ22
が成形されれば、振動防止強化基盤10における補強材
12側の外周部分に、研磨チップ21および切屑排出チ
ップ22を交互に接着することにより、製品としての砥
石Aが製造される。
研磨体20の研磨チップ21および切屑排出チップ22
が成形されれば、振動防止強化基盤10における補強材
12側の外周部分に、研磨チップ21および切屑排出チ
ップ22を交互に接着することにより、製品としての砥
石Aが製造される。
【0030】この結果、被研磨材の研磨に使用されない
振動防止強化基盤10と、被研磨材の研磨に使用される
研磨体20の研磨チップ21および切屑排出チップ22
とをそれぞれ各別に成形して接着すればよいことから、
前述した砥石を簡単に製造することができる。
振動防止強化基盤10と、被研磨材の研磨に使用される
研磨体20の研磨チップ21および切屑排出チップ22
とをそれぞれ各別に成形して接着すればよいことから、
前述した砥石を簡単に製造することができる。
【0031】次に、本発明の他の実施例である砥石A1
について、図9および図10に基づいて説明する。
について、図9および図10に基づいて説明する。
【0032】この砥石A1は、前述した砥石Aと同様
に、振動防止強化基盤10と、この振動防止強化基盤1
0の表面側に配設された円環状の研磨体20から構成さ
れている。
に、振動防止強化基盤10と、この振動防止強化基盤1
0の表面側に配設された円環状の研磨体20から構成さ
れている。
【0033】振動防止強化基盤10は、細目の砥粒と熱
硬化性樹脂を混合した支持材により外周フランジ部11
1および内周オフセット部112を備えた形状に形成さ
れた支持体11と、この支持体11の表面側に碁盤目波
型模様溝が形成されて配設された補強材12と、支持体
11の中心に形成された穴11aに装着された芯金13
から構成され、前述した砥石Aの振動防止強化基盤10
と同一であるため、その詳細な説明は省略する。
硬化性樹脂を混合した支持材により外周フランジ部11
1および内周オフセット部112を備えた形状に形成さ
れた支持体11と、この支持体11の表面側に碁盤目波
型模様溝が形成されて配設された補強材12と、支持体
11の中心に形成された穴11aに装着された芯金13
から構成され、前述した砥石Aの振動防止強化基盤10
と同一であるため、その詳細な説明は省略する。
【0034】一方、研磨体20は、溶融アルミナなどの
荒目の研磨砥粒と熱硬化性樹脂からなる結合剤を計量混
合した研磨材によって円環状に形成されている。
荒目の研磨砥粒と熱硬化性樹脂からなる結合剤を計量混
合した研磨材によって円環状に形成されている。
【0035】この結果、この砥石A1も、研磨に使用さ
れない振動防止強化基盤10と、この振動防止強化基盤
10に配設されて被研磨材の研磨に使用される研磨体2
0とで構成したことにより、研磨体20にのみ砥石とし
て有効な荒目の研磨砥粒を使用し、振動防止強化基盤1
0の支持体11に細目の砥粒を使用することから、砥粒
の有効活用を図ることができる。また、振動防止強化基
盤10の補強材12に碁盤目波型模様溝を形成したこと
により、補強材12としての織布のたて糸方向、よこ糸
方向および斜め方向の弾性が均一となり、研磨作業時、
振動の発生を防止することができ、研磨体20が全周に
わたって被研磨材に均一に接触することから、研磨体2
0に偏磨耗が発生することがなく、砥石A1を長期にわ
たって使用することができる。
れない振動防止強化基盤10と、この振動防止強化基盤
10に配設されて被研磨材の研磨に使用される研磨体2
0とで構成したことにより、研磨体20にのみ砥石とし
て有効な荒目の研磨砥粒を使用し、振動防止強化基盤1
0の支持体11に細目の砥粒を使用することから、砥粒
の有効活用を図ることができる。また、振動防止強化基
盤10の補強材12に碁盤目波型模様溝を形成したこと
により、補強材12としての織布のたて糸方向、よこ糸
方向および斜め方向の弾性が均一となり、研磨作業時、
振動の発生を防止することができ、研磨体20が全周に
わたって被研磨材に均一に接触することから、研磨体2
0に偏磨耗が発生することがなく、砥石A1を長期にわ
たって使用することができる。
【0036】このような砥石A1を製造するには、ま
ず、受け金型S1に細目の研磨砥粒と変成フェノール樹
脂などの熱硬化性樹脂を混合して形成された支持材を計
量投入した後、図示しない均し装置によって均し、外周
フランジ部111および内周オフセット部112に対応
する支持材層11’を形成する。この後、支持材層1
1’に変成フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂が含浸さ
れた補強材12を、上金型S2における格子状の凹凸模
様に対してそのたて糸vとよこ糸hが45度傾斜するよ
うに載せて加熱した後、上金型S2で加圧し、支持材層
11’および補強材12に碁盤目波型模様溝を形成す
る。
ず、受け金型S1に細目の研磨砥粒と変成フェノール樹
脂などの熱硬化性樹脂を混合して形成された支持材を計
量投入した後、図示しない均し装置によって均し、外周
フランジ部111および内周オフセット部112に対応
する支持材層11’を形成する。この後、支持材層1
1’に変成フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂が含浸さ
れた補強材12を、上金型S2における格子状の凹凸模
様に対してそのたて糸vとよこ糸hが45度傾斜するよ
うに載せて加熱した後、上金型S2で加圧し、支持材層
11’および補強材12に碁盤目波型模様溝を形成す
る。
【0037】この後、上金型S2を取り外し、荒目の研
磨砥粒と変成フェノール樹脂などの結合剤を混合した研
磨材を、碁盤目波型模様溝が形成された振動防止強化基
盤10の外周部分に計量投入した後、図示しない均し装
置によって均し、研磨材層20’を形成する。そして、
この研磨材層20’を加熱した後、砥石A1の研磨面に
対応する成形面を有する押さえ金型S4を載せて加圧
し、未完成砥石A1’を成形する(図11参照)。この
後、未完成砥石A1’を取り出して焼成炉で焼結させれ
ば、砥石A1が製造される。
磨砥粒と変成フェノール樹脂などの結合剤を混合した研
磨材を、碁盤目波型模様溝が形成された振動防止強化基
盤10の外周部分に計量投入した後、図示しない均し装
置によって均し、研磨材層20’を形成する。そして、
この研磨材層20’を加熱した後、砥石A1の研磨面に
対応する成形面を有する押さえ金型S4を載せて加圧
し、未完成砥石A1’を成形する(図11参照)。この
後、未完成砥石A1’を取り出して焼成炉で焼結させれ
ば、砥石A1が製造される。
【0038】したがって、支持材を投入して補強材12
を載せ、加熱加圧して碁盤目波型模様溝を形成し、さら
に、研磨材を投入して加熱加圧すればよいことから、前
述した砥石A1を流れ作業で簡単に製造することができ
る。
を載せ、加熱加圧して碁盤目波型模様溝を形成し、さら
に、研磨材を投入して加熱加圧すればよいことから、前
述した砥石A1を流れ作業で簡単に製造することができ
る。
【0039】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の研磨用砥石
によれば、研磨に使用される研磨体にのみ砥石として有
効な研磨砥粒を使用し、研磨に利用されない振動防止強
化基盤の支持体には細目の砥粒を使用することから、砥
粒の有効活用を図ることができる。しかも、振動防止強
化基盤の補強材に碁盤目波型模様溝を形成したことか
ら、補強材としての織布のたて糸方向、よこ糸方向およ
び斜め方向の弾性が均一となり、研磨作業時に振動の発
生を防止して研磨面を全周にわたって均一に接触させ、
偏磨耗の発生を防止することができる。さらに、研磨作
業時における切屑は、切屑排出チップに吸収され、研磨
チップの目詰まりを防止することから、偏磨耗の発生を
防止することと相俟って砥石をより長期にわたって使用
することが可能となる。
によれば、研磨に使用される研磨体にのみ砥石として有
効な研磨砥粒を使用し、研磨に利用されない振動防止強
化基盤の支持体には細目の砥粒を使用することから、砥
粒の有効活用を図ることができる。しかも、振動防止強
化基盤の補強材に碁盤目波型模様溝を形成したことか
ら、補強材としての織布のたて糸方向、よこ糸方向およ
び斜め方向の弾性が均一となり、研磨作業時に振動の発
生を防止して研磨面を全周にわたって均一に接触させ、
偏磨耗の発生を防止することができる。さらに、研磨作
業時における切屑は、切屑排出チップに吸収され、研磨
チップの目詰まりを防止することから、偏磨耗の発生を
防止することと相俟って砥石をより長期にわたって使用
することが可能となる。
【0040】また、請求項2記載の研磨用砥石によれ
ば、研磨に使用される研磨体にのみ砥石として有効な研
磨砥粒を使用し、研磨に利用されない振動防止強化基盤
の支持体には細目の砥粒を使用することから、砥粒の有
効活用を図ることができる。しかも、振動防止強化基盤
の補強材に碁盤目波型模様溝を形成したことから、補強
材としての織布のたて糸方向、よこ糸方向および斜め方
向の弾性が均一となり、研磨作業時に振動の発生を防止
して研磨面を全周にわたって均一に接触させ、偏磨耗の
発生を防止して砥石を長期にわたって使用することがで
きる。
ば、研磨に使用される研磨体にのみ砥石として有効な研
磨砥粒を使用し、研磨に利用されない振動防止強化基盤
の支持体には細目の砥粒を使用することから、砥粒の有
効活用を図ることができる。しかも、振動防止強化基盤
の補強材に碁盤目波型模様溝を形成したことから、補強
材としての織布のたて糸方向、よこ糸方向および斜め方
向の弾性が均一となり、研磨作業時に振動の発生を防止
して研磨面を全周にわたって均一に接触させ、偏磨耗の
発生を防止して砥石を長期にわたって使用することがで
きる。
【0041】さらに、請求項3記載の研磨用砥石の製造
方法によれば、振動防止強化基盤と、研磨体を構成する
研磨チップおよび切屑排出チップとを各別に成形して接
着すればよいことから、砥粒を有効に活用すると同時
に、振動および偏磨耗が発生することがなく、目詰まり
を防止した研磨用砥石を簡単に製造することができる。
方法によれば、振動防止強化基盤と、研磨体を構成する
研磨チップおよび切屑排出チップとを各別に成形して接
着すればよいことから、砥粒を有効に活用すると同時
に、振動および偏磨耗が発生することがなく、目詰まり
を防止した研磨用砥石を簡単に製造することができる。
【0042】また、請求項4記載の切断用砥石の製造方
法によれば、砥粒を有効に活用すると同時に、振動およ
び偏磨耗が発生することのない研磨用砥石を一連の流れ
作業によって製造することができる。
法によれば、砥粒を有効に活用すると同時に、振動およ
び偏磨耗が発生することのない研磨用砥石を一連の流れ
作業によって製造することができる。
【図1】本発明の研磨用砥石の底面図である。
【図2】図1のX−X線断面図である。
【図3】研磨用砥石を構成する振動防止強化基盤の底面
図である。
図である。
【図4】補強材としての織布を示す説明図である。
【図5】図3の振動防止強化基盤を成形するための成形
装置の断面図である。
装置の断面図である。
【図6】図3の振動防止強化基盤を成形する工程におい
て、碁盤目波型模様溝が形成された補強材および支持材
層とともに、格子状の凹凸模様が形成された上金型を一
部省略して示す斜視図である。
て、碁盤目波型模様溝が形成された補強材および支持材
層とともに、格子状の凹凸模様が形成された上金型を一
部省略して示す斜視図である。
【図7】研磨用砥石を構成する研磨体の研磨チップ(切
屑排出チップ)を成形するための成形装置の断面図であ
る。
屑排出チップ)を成形するための成形装置の断面図であ
る。
【図8】図7の成形装置のY−Y線断面図である。
【図9】本発明の他の研磨用砥石の底面図である。
【図10】図9のZ−Z線断面図である。
【図11】図9の研磨用砥石を成形するための成形装置
の断面図である。
の断面図である。
A,A1 研磨用砥石 10 振動防止強化基盤 11 支持体 111 外周フランジ部 112 内周オフセット部 12 補強材(織布) 13 芯金 20 研磨体 21 研磨チップ 22 切屑排出チップ S 成形装置 S1 受け金型 S2 上金型 S4 押さえ金型
Claims (4)
- 【請求項1】 外周フランジ部と内周オフセット部を備
え、細目の砥粒と熱硬化性樹脂を混合した支持材で形成
された支持体、および支持体の表面側に配設され、織布
のたて糸とよこ糸の交差部を陥没させ該交差部を結ぶ対
角線方向に碁盤目波型模様溝を形成した補強材からなる
振動防止強化基盤と、研磨砥粒と結合剤を混合した高密
度の研磨材で形成された研磨チップ、および粗目の研磨
砥粒と結合剤を混合した多孔性粗密度の排出材で形成さ
れた切屑排出チップからなる円環状の研磨体から構成さ
れ、これらの研磨チップおよび切屑排出チップは、振動
防止強化基盤における補強材側の外周部分に交互に接着
されたことを特徴とする研磨用砥石。 - 【請求項2】 外周フランジ部と内周オフセット部を備
え、細目の砥粒と熱硬化性樹脂を混合した支持材で形成
された支持体、および支持体の表面側に配設され、織布
のたて糸とよこ糸の交差部を陥没させ該交差部を結ぶ対
角線方向に碁盤目波型模様溝を形成した補強材からなる
振動防止強化基盤と、荒目の研磨砥粒と結合剤を混合し
た研磨材で形成され、振動防止強化基盤における補強材
側の外周部分に積層した円環状の研磨体から構成された
ことを特徴とする研磨用砥石。 - 【請求項3】 振動防止強化基盤の裏面形状に対応する
成形面を有する受け金型に細目の砥粒と熱硬化性樹脂を
混合した支持材を計量投入し、その上に補強材としての
織布を載せて加熱した後、格子状の凹凸模様を形成した
上金型で加圧して補強材および支持材に碁盤目波型模様
溝を形成するが、その際、前記織布はそのたて糸とよこ
糸が前記凹凸模様に対して45度傾斜するように配置
し、焼結させて振動防止強化基盤を成形する一方、円環
の一部形状に対応する成形面を有するチップ下金型に研
磨砥粒と結合剤を混合した高密度の研磨材を計量投入し
て加熱した後、チップ上金型で加圧し、焼結させて研磨
チップを成形するとともに、円環の一部形状に対応する
成形面を有するチップ下金型に粗目の研磨砥粒と結合剤
を混合した多孔性粗密度の排出材を計量投入して加熱し
た後、チップ上金型で加圧し、焼結させて切屑排出チッ
プを成形し、これらの研磨チップおよび切屑排出チップ
を振動防止強化基盤における補強材側の外周部分に円環
を形成するように交互に接着することを特徴とする研磨
用砥石の製造方法。 - 【請求項4】 砥石の裏面形状に対応する成形面を有す
る受け金型に細目の砥粒と熱硬化性樹脂を混合した支持
材を計量投入し、その上に補強材としての織布を載せて
加熱した後、格子状の凹凸模様を形成した上金型で加圧
して補強材および支持材に碁盤目波型模様溝を形成する
が、その際、前記織布はそのたて糸とよこ糸が前記凹凸
模様に対して45度傾斜するように配置し、次いで、そ
の外周部分に荒目の研磨砥粒と結合剤を混合した研磨材
を計量投入して加熱し、砥石の研磨面に対応する成形面
を有する押さえ金型で加圧し、焼結させることを特徴と
する研磨用砥石の製造方法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10252993A JP2505097B2 (ja) | 1993-04-28 | 1993-04-28 | 研磨用砥石およびその製造方法 |
TW82103478A TW235264B (en) | 1993-04-28 | 1993-05-04 | Abrasive wheel used for grinding and its production process |
US08/234,362 US5431596A (en) | 1993-04-28 | 1994-04-28 | Grinding wheel and a method for manufacturing the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10252993A JP2505097B2 (ja) | 1993-04-28 | 1993-04-28 | 研磨用砥石およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06312378A JPH06312378A (ja) | 1994-11-08 |
JP2505097B2 true JP2505097B2 (ja) | 1996-06-05 |
Family
ID=14329842
Family Applications (1)
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