JP2001001272A - 回転工具 - Google Patents

回転工具

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JP2001001272A
JP2001001272A JP11175117A JP17511799A JP2001001272A JP 2001001272 A JP2001001272 A JP 2001001272A JP 11175117 A JP11175117 A JP 11175117A JP 17511799 A JP17511799 A JP 17511799A JP 2001001272 A JP2001001272 A JP 2001001272A
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warp
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Kenji Irie
健嗣 入江
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KENKEN KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セラミック繊維の織物シート1,1,…を積
層して回転砥石2とした砥石車Sにおいて、その使いや
すさを大幅に向上させるとともに、工作機械の信頼性低
下を解消し、さらに、材料の被研磨面の仕上がりを向上
させる。 【解決手段】 アルミナ繊維等からなる円板状織物シー
ト1,1,…の縦糸1a及び横糸1bを接着材樹脂によ
り固め、かつ互いに接着する一方、該縦糸1a及び横糸
1bに囲まれた部分には接着材樹脂を充填しないで、多
数の空間部1cが残存するようにする。織物シート1,
1同士は回転砥石2の中心部近傍のみで接着剤樹脂によ
り接合し、かつこの接着材樹脂によって芯棒3も取付け
固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、研削盤に装着して
回転させ、被研削研磨材料を切削、研削、研磨等するた
めの回転工具の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の回転工具としては、
砥粒を樹脂化合物等のバインダで固めた砥石車が一般的
に使用されており、特に硬い材料を切削等するためのも
のとして、砥石車の外周部にダイヤモンドの微粉末を固
着させたいわゆるダイヤモンドホイールがある。このダ
イヤモンドホイールは例えばアルミ合金、鉄鋼等の金属
材料や繊維強化プラスチックのような強度の高い材料も
切断することができるものであるが、その一方で切断面
が毛羽立ったり、凸凹状になったりするという不具合が
ある。
【0003】これに対し、例えば特開平10−1806
27号公報には、セラミック繊維クロスを積層し、これ
を樹脂バインダにより固めて切削用ディスクを形成する
ことが提案されている。このディスクは金属等の硬い材
料も切断できるシャープな切れ味を有する上に、ダイヤ
モンドホイールのように切断面が毛羽立ったり、凸凹状
になったりすることがなく、平滑な切断面が得られると
いう優れた特性を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来例の
セラミック繊維クロスからなるディスクは、該クロスの
全体に樹脂バインダを含浸させて固めているので、特
に、硬い材料を研削等する場合に緩衝作用が不足すると
いう問題がある。すなわち、例えば、前記ディスクをハ
ンディタイプのグラインダに取り付けて、手作業で研削
や研磨を行うとすると、このディスクそのものの緩衝作
用が低いことから、グラインダを被研削研磨面に対し保
持するために非常に強い力が必要になり、極めて使いに
くい。
【0005】また、前記ディスクを工作機械に取り付け
て使用するとしても、このディスクそのものの緩衝作用
が低ければ、工作機械の振動が大きくなることは避けら
れず、長期的には信頼性が低下する虞れがある。さら
に、ディスクと被研削研磨面との馴染み性が低いことか
ら、被研削研磨面の形状によっては研磨むらが大きくな
ることがあり、ダイヤモンドホイールほどではないにせ
よ仕上がり具合いが悪くなるという不具合もある。
【0006】本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、セラミック繊維の織
布を積層して砥石車や切削用ディスク等の回転砥石とす
る場合に、この回転砥石の構成に工夫を凝らすことで、
使いやすさを大幅に向上させ、工作機械の信頼性低下を
解消するとともに、材料の被研磨面の仕上がりを向上さ
せることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明では、回転砥石を構成する各織物シートの縦
糸及び横糸を樹脂等により固める一方、それらの糸同士
の間に樹脂等を充填しない多数の空間部を設けること
で、回転砥石に適度な弾性を持たせてその緩衝作用を高
めるようにした。
【0008】具体的に、請求項1の発明の回転工具は、
セラミック繊維からなる複数の円板状織物シートが積層
された回転砥石を有するものであって、前記各織物シー
トの縦糸及び横糸が樹脂又は無機接着性化合物のいずれ
かにより固められかつ互いに接着されている一方、該縦
糸及び横糸に囲まれるように、前記樹脂又は無機接着性
化合物の充填されていない空間部が設けられているもの
とする。
【0009】前記の構成により、織物シートが積層一体
化された回転砥石の外周の研磨面には、該織物シートの
縦糸及び横糸の断面が存在し、この縦糸及び横糸を構成
する1本1本のセラミック繊維の断面によって、被研削
研磨材料を有効に研削研磨することができる。ここで、
前記繊維として多数の極めて細い単糸を撚り合わせたも
のを用いれば、1本1本の単糸径は極めて小さいので、
滑らかで良好な仕上がりとすることができる。
【0010】一方、多数の単糸が撚り合わされた縦糸及
び横糸は全体として強い力を発揮し得るものであり、し
かも、それらが樹脂等によって固められかつ互いに交差
する糸に接合されて補強されているので、研削研磨のた
めに十分な強い力を得ることができ、よって、金属等の
硬質材料も研削可能となる。
【0011】さらに、前記縦糸及び横糸に囲まれるよう
に、樹脂等が充填されていない多数の空間部が存在する
ので、回転砥石を被研削研磨面に押しつけたときに、前
記縦糸及び横糸が適度に撓んで、緩衝作用を発揮する。
これにより、回転工具の使いやすさが大幅に向上し、工
作機械の信頼性低下も解消できる上に、回転砥石の研磨
面と被研削研磨面との馴染み性が向上することで、仕上
がり具合もさらに良くなる。
【0012】請求項2の発明では、隣接する織物シート
同士を回転砥石の中心部近傍のみで接着剤により接合す
るものとする。
【0013】このことで、各織物シートは回転砥石の中
心部近傍で互いに確実に固定される一方、外周側では隣
接する織物シートに拘束されずに変形するようになり、
回転砥石の緩衝作用がさらに高められる。また、各織物
シートの空間部は互いに繋がって、回転砥石の内部全体
に亘り連続的に分布することになるので、研削や研磨に
伴い発生する微粉末がこの空間部を介して排出されるよ
うになり、いわゆる目詰まりが防止される。
【0014】請求項3の発明では、前記請求項2におけ
る回転砥石の中心部に、芯棒を回転軸心に沿って貫通す
るように取付け、この芯棒を、織物シートを接合する接
着剤により固定するものとする。こうすれば、簡易な構
成によって、芯棒を回転砥石に容易に固定することがで
き、製造コストの低減が図られる。
【0015】請求項4の発明では、隣接する織物シート
間で該織物シートの縦糸及び横糸を互いに接着剤により
接合するものとする。
【0016】このことで、織物シートは全体として一体
化され、縦糸及び横糸が3次元の網目状に繋がることに
なるので、回転砥石の全体としての強度を十分に確保で
きる。その一方で、縦糸及び横糸に囲まれた空間部は接
着剤により塞がれることなく残存するので、前記縦糸及
び横糸の撓みは適度に許容されて、好ましい緩衝作用が
得られる。また、前記空間部は互いに繋がって、回転砥
石の内部全体に亘って連続的に分布するようになるの
で、請求項2の発明と同様に目詰まりが防止される。
【0017】請求項5の発明では、回転砥石の回転軸心
方向の両端部に、積層した織物シートを両側から押圧し
て挟持する一対のフランジ部材を設けるものとする。こ
うすれば、織物シート同士を接着剤により接合すること
なく、押圧して一体的に保持することができ、このこと
によって、請求項2の発明と同様、回転砥石の緩衝作用
をさらに高めることができ、また、目詰まりも防止でき
る。
【0018】請求項6の発明では、織物シートの縦糸及
び横糸の単糸径を50μm以下とする。こうすれば、研
磨目を細かくして面粗度を小さくすることができ、被研
磨面を滑らかに仕上げるという作用効果を十分に得るこ
とができる。
【0019】請求項7の発明では、織物シートは、アル
ミナ繊維、炭化珪素繊維又はガラス繊維の少なくとも1
つからなるものとする。このことで、セラミック繊維が
具体化され、十分な研削・研磨能力と耐久性とを併せ持
った織物シートが得られる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基いて説明する。
【0021】図1は本発明の回転工具を砥石車Sに適用
した実施形態を示す。すなわち、この砥石車Sは、セラ
ミック繊維からなる円板状の織物シート1,1,…を例
えば4〜100枚くらい(図例では5枚)積層一体化し
て回転砥石2とし、その中心部の貫通孔に芯棒3の一端
部(図の上端部)を回転軸心Xに沿って貫通させた状態
で、接着固定したものである。この砥石車Sは、例え
ば、芯棒3の他端部(図の下端部)を図示しないグライ
ンダ等に取り付け、回転砥石2の外周の研磨面を被研削
研磨材料に押しつけながら回転させて、それらの表面を
研削又は研磨するために用いられる。
【0022】前記織物シート1,1,…は、それぞれ研
削研磨用として十分な強度を有するセラミック繊維の織
布を用い、この織布を円板状に裁断したものである。詳
しくは、前記織布は、多数の単糸を合糸又は撚糸とする
か、或いは合糸とした後に撚糸とし、図2に示すよう
に、それを縦糸1a及び横糸1bとして従来周知の平織
り、朱子織り、綾織り、四軸織り等の方法で織ったもの
である。この繊維の単糸径は、被研磨面の粗度を小さく
するために50μm以下とされているが、被研磨面をさ
らに滑らかに仕上げるためには5〜20μmくらいにす
るのが好ましい。また、セラミック繊維としては、例え
ば高純度Al2O3系や、Al2O3-SiO2系、Al2O3
-SiO2-B2O3系等のアルミナ繊維、炭化珪素繊維、
ガラス繊維等を用いればよい。
【0023】ここで、本発明の特徴部分として、前記図
2に模式的に示すように、前記織物シートの縦糸1a及
び横糸1bは接着剤樹脂(同図に仮想線で示す)により
固められ、かつこの接着剤樹脂により互いに固着されて
いて、適度な弾性と十分な強度とを併せ持つものになっ
ている。一方、該縦糸1a及び横糸1bに囲まれた部分
には接着剤樹脂の充填されない空間部1c,1c,…が
多数、設けられており、縦糸1a及び横糸1bの撓みを
許容して、回転砥石2全体としての弾性を大きくし、こ
のことによって緩衝作用を高めるようにしている。
【0024】前記のような回転砥石2を製造するには、
まず、セラミック繊維の織布を予め準備した適正な濃度
の接着剤樹脂の溶液に浸漬し、この織布を溶液から引き
上げた後に、縦糸1a及び横糸1bに囲まれた部分に存
在する溶液をノズルで吸引して除去する。そして、その
織布を乾燥させた後に加熱硬化させる。これにより、織
布の縦糸1a及び横糸1bを接着材樹脂で固める一方、
その縦糸1aと横糸1bとで囲まれた空間部1c,1
c,…には樹脂が充填されないようにすることができ
る。この場合、接着材樹脂の溶液の粘度が高いと前記空
間部1c,1c,…に樹脂が残ることになるので、織布
中の1個の空間部1cの大きさを考慮して適正な粘度の
溶液を用いる必要がある。例えば、一般的に1000ポ
イズ以下の粘度の溶液を用いることができるが、好まし
くは300〜400ポイズ以下の粘度のものを用いるの
がよい。また、高い粘度の溶液を用いなければならない
場合には、該接着材樹脂の溶液を織布の片面に刷毛等に
より塗布し、その反対側の面から強く吸引して、縦糸1
a及び横糸1bの間の樹脂を除去するようにすればよ
い。
【0025】前記の接着材樹脂としては、例えば、フェ
ノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、硬化性ナイ
ロン樹脂等の硬化性樹脂を用いればよく、さらには、セ
ラミック系の無機化合物接着剤も使用可能である。
【0026】続いて、上述の如く準備した織布を所定寸
法の円板状に裁断して織物シート1,1,…とし、その
各々の中心部に貫通穴を空ける。一方、略水平な基盤上
に、鉛直上方に延びるように芯棒3を配置し、1枚目の
織物シート1を、その中心の貫通穴に芯棒3を挿通させ
るようにして基盤上に配置する。次に、その芯棒3の周
囲とその近傍の織物シート1上面に接着材樹脂を塗布
し、その上から前記1枚目の織物シート1に同心状に重
なるように位置を合わせて、2枚目の織物シート1を重
ねて配置する。この手順を繰り返し行って、必要な枚数
の織物シート1,1,…を重ね合わせた後に、それらを
上下から圧縮して固定する。そして、接着剤樹脂が固化
すれば、回転砥石2と芯棒3とが一体となった砥石車S
が完成する。
【0027】したがって、前記のように製造された砥石
車Sを用いれば、回転砥石2の外周の研磨面に織物シー
ト1,1,…の縦糸1a及び横糸1bの断面が存在する
ので、当該断面に存する多数のセラミック繊維の断面に
よって、被研削研磨材料を有効に研削及び研磨すること
ができる。この縦糸1a及び横糸1bは単糸径が50μ
m以下の細い糸を撚り合わせたものなので、この細かい
単糸1本1本の断面で研磨される被研磨面の粗度は十分
に小さくなり、良好な仕上がりが得られる。
【0028】一方、前記縦糸1a及び横糸1bは、多数
の単糸を撚り合わせたものなので、被研削研磨材料から
加わる押曲げ力に対して集合体として強い抵抗力を持っ
ており、しかも、それらが接着材樹脂によって固められ
かつ互いに交差する多数の糸によって互いに補強されて
いるので、研削研磨のために十分な強い力を得ることが
でき、よって、金属等の硬質材料をも研削できる能力が
得られる。
【0029】つまり、この実施形態に係る砥石車Sによ
れば、硬い材料に対しても優れた研削力と被研磨面の良
好な仕上がりとを高い次元で両立できるものなので、様
々な材料の研削や研磨に幅広く対応できる。また、一般
的な砥粒を混入した砥石車のように、被研削研磨面の荒
さに応じて粒度の粗いものから細かいものへ段階的に交
換しながら、研削研磨作業を進める必要がなくなり、1
つの砥石車によって研削を行い、さらに粗研磨から仕上
げまでも一気に行い得るという画期的なものである。
【0030】さらに、前記回転砥石2の各織物シート1
には多数の空間部1c,1c,…が存在することで、縦
糸1a及び横糸1bの撓みが許容され、しかも、各織物
シート1自体が外周側では上下の織物シート1,1に拘
束されずに変形できるようになっているので、回転砥石
2は全体としては十分に大きな弾性を有し、それ自体に
よって高い緩衝作用を得ることができるものとなる。こ
れにより、手作業でも軽いタッチで研削や研磨を行うこ
とができるので、砥石車Sの使いやすさが大幅に向上
し、また、工作機械に装着する場合にはこの工作機械の
信頼性低下を防止できる。さらに、回転砥石2の研磨面
と材料の被研削研磨面との馴染み性が向上することで、
仕上がり具合も一層、良くなる。
【0031】しかも、前記空間部1c,1c,…が回転
砥石2の内部で互いに繋がり、全体に亘って連続的に分
布しているので、研削や研磨に伴い発生する微粉末が前
記の連続する空間部1c,1c,…を介して排出される
ようになり、いわゆる目詰まりを防止できる。
【0032】加えて、この実施形態では、回転砥石2の
中心部に芯棒3の一端部を取り付けて、織物シート1,
1同士を接着する接着材樹脂によって一体的に固定する
ようにしているので、簡易な構成により芯棒3を固定す
ることができ、製造コストの低減も図られる。
【0033】尚、本発明は前記実施形態に限定されるも
のではなく、その他の種々の実施形態を包含するもので
ある。例えば、前記実施形態では互いに隣接する織物シ
ート1,1同士を中心部近傍のみで接着するようにして
いるが、これに限らず、隣接する織物シート1,1間で
該織物シート1の縦糸1a及び横糸1bを互いに接着剤
樹脂により接合するようにしてもよい。このようにすれ
ば、織物シート1,1,…同士が全体として一体化さ
れ、縦糸1a及び横糸1bが3次元の網目状に繋がっ
て、回転砥石2の全体としての強度が十分に確保され
る。一方、縦糸1a及び横糸1bに囲まれた空間部1
c,1c,…は接着剤樹脂により塞がれることなく残存
するので、縦糸1a及び横糸1bの撓みは適度に許容さ
れ、前記実施形態のものと同様の作用効果が得られる。
【0034】また、織物シート1,1同士は一切、接着
せずに、図示しないが、回転軸心X方向の両側から一対
のフランジ部材によって押圧して、一体として挟持する
ようにしてもよく、このようにしても、前記実施形態の
ものと同様の作用効果が得られる。
【0035】さらに、前記実施形態では、芯棒3を回転
砥石2に対し接着材樹脂により固定するようにしている
が、これに限らず、例えば図3に示すように、予め織物
シート1,1,…を積層した回転砥石2の中心部に貫通
孔を設け、この貫通孔に芯棒4の上端部を挿通させて、
該芯棒4の上端側周面に突設したフランジ部4aと芯棒
4の上端部に螺合する留めネジ5とによって回転砥石2
を挟持することにより、芯棒3を回転砥石2に取り付け
ることも可能である。
【0036】
【実施例】次に、具体的に実施した実施例について説明
する。この実施例のものでは、まず、アルミナ繊維の直
径7μmの単糸を2880本束ねて撚りをかけ、これを
縦糸及び横糸として用いて、タテヨコいずれも11本/
25mmの密度になるように織った平織り布を準備した。
そして、この織布を前記実施形態に記載したように、濃
度5%フェノール樹脂のメタノール溶液に浸漬し、これ
を引き上げた後に、孔径φ1mmのノズルで吸引して空間
部の溶液を吸い取った。続いて、この織布を約100°
Cの温度状態で十分に乾燥させ、その後、約150°C
の温度状態で20分間、加熱硬化させた。しかる後に、
その織布を直径略20mmの円板状に裁断して織物シート
とし、この織物シートを6枚積層し、同時に芯棒を接着
固定して、砥石車の試験片を得た。
【0037】上述の如く得られた砥石車を市販の伝動ド
リルに取り付けて、500mm×500mmのステンレス鋼
板の表面を全面に亘って所定量、研磨したところ、研磨
作業を終えたときの砥石車は直径が約5mm摩耗しただけ
で、さらに使用可能な状態であった。しかも、ステンレ
ス鋼板の被研磨面は光沢を持ち、肉眼では殆ど研磨目の
見られない良好な仕上がりになった。これに対し、比較
例として、市販のJIS#180の砥粒を含む直径略20mmの
軸付き砥石を用い、前記と同様のステンレス鋼板を研磨
したところ、この砥石は該ステンレス鋼板の約半分の面
積を研磨したところで大幅に摩耗して、研磨作業を続け
ることができなくなった。また、この比較例のもので
は、被研磨面の表面に明らかな研磨目が見られた。
【0038】従って、以上のような試験結果により、本
発明に係る回転工具は、砥粒を用いた従来型のものに比
べて格段に研磨力が強く、極めて長寿命であり、さら
に、研磨の表面仕上がりが精細であるという優れた特性
を有していることが実証された。
【0039】
【発明の効果】以上、説明したように、請求項1の発明
に係る回転工具によると、セラミック繊維からなる織物
シートを積層して回転砥石を構成することで、研磨目の
細かい良好な仕上がりが得られる上に、その織物シート
の縦糸及び横糸を樹脂等により固めかつ互いに接着する
ことにより、金属等の硬質材料も研削可能な高い研削力
が得られる。さらに、前記縦糸及び横糸に囲まれるよう
に、樹脂等が充填されていない多数の空間部を設けるこ
とで、回転砥石そのものの緩衝作用を高めて、使いやす
さを大幅に向上させるとともに、工作機械の信頼性低下
を解消することができ、仕上がり具合も向上する。
【0040】請求項2の発明によると、織物シート同士
を回転砥石の中心部近傍のみで接合することにより、そ
れらを確実に固定する一方で、回転砥石の緩衝作用をさ
らに高めることができる。また、研削や研磨に伴い発生
する微粉末が連続的な空間部を介して排出され、いわゆ
る目詰まりを防止できる。
【0041】請求項3の発明によると、織物シートを接
合する接着剤により芯棒を回転砥石に固定することで、
製造コストの低減が図られる。
【0042】請求項4の発明によると、織物シートの縦
糸及び横糸を互いに接着して、3次元の網目状に繋げる
ことにより、回転砥石の強度を十分に確保できる一方、
空間部は残存させて、好ましい緩衝作用を得ることがで
きる。また、請求項2の発明と同様に目詰まりを防止で
きる。
【0043】請求項5の発明によると、積層した織物シ
ートを両側から挟持して一体的に保持することにより、
織物シート同士は接着しないで済み、回転砥石の緩衝作
用をさらに高めることができる。また、請求項2の発明
と同様に目詰まりも防止できる。
【0044】請求項6の発明によると、織物シートの繊
維の単糸径を50μm以下とすることで、被研磨面を滑
らかに仕上げるという効果を十分に得ることができる。
【0045】請求項7の発明によると、織物シートの繊
維としてアルミナ繊維等を用いることで、十分な研削・
研磨能力と耐久性とを併せ持った織物シートが得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る砥石車の構成を示す斜
視図である。
【図2】織物シート内部の縦糸、横糸及び空間部の構成
を示す説明図である。
【図3】他の実施形態に係る図1相当図である。
【符号の説明】
S 砥石車(回転工具) 1 織物シート 1a 縦糸 1b 横糸 1c 空間部 2 回転砥石 3,4 芯棒

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック繊維からなる複数の円板状織
    物シートが積層された回転砥石を有する回転工具であっ
    て、 前記各織物シートの縦糸及び横糸が樹脂又は無機接着性
    化合物のいずれかにより固められかつ互いに接着されて
    いる一方、該縦糸及び横糸に囲まれるように、前記樹脂
    又は無機接着性化合物の充填されていない空間部が設け
    られていることを特徴とする回転工具。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 隣接する織物シート同士は、回転砥石の中心部近傍のみ
    で接着剤により接合されていることを特徴とする回転工
    具。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 回転砥石の中心部には、芯棒が回転軸心に沿って貫通す
    るように取付けられ、前記芯棒は、織物シートを接合す
    る接着剤により固定されていることを特徴とする回転工
    具。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 隣接する織物シート間で、該織物シートの縦糸及び横糸
    が互いに接着剤により接合されていることを特徴とする
    回転工具。
  5. 【請求項5】 請求項1において、 回転砥石の回転軸心方向の両端部に、積層された織物シ
    ートを両側から押圧して挟持する一対のフランジ部材が
    設けられていることを特徴とする回転工具。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1つにおいて、 織物シートの縦糸及び横糸の単糸径は、50μm以下で
    あることを特徴とする回転工具。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1つにおいて、 織物シートは、アルミナ繊維、炭化珪素繊維又はガラス
    繊維の少なくとも1つからなることを特徴とする回転工
    具。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101991251B1 (ko) * 2018-11-02 2019-06-20 이규동 플라스틱 흠집 제거 장치
KR102001370B1 (ko) * 2018-11-02 2019-07-18 이규동 플라스틱 흠집 제거 방법
US10549403B2 (en) 2012-09-05 2020-02-04 Kwh Mirka Ab Flexible grinding product with flattened surface and method for manufacturing the same
WO2020091275A1 (ko) * 2018-11-02 2020-05-07 이규동 플라스틱 흠집 제거 장치 및 방법

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