JP2505054B2 - 油入コンデンサ - Google Patents

油入コンデンサ

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JP2505054B2
JP2505054B2 JP2109661A JP10966190A JP2505054B2 JP 2505054 B2 JP2505054 B2 JP 2505054B2 JP 2109661 A JP2109661 A JP 2109661A JP 10966190 A JP10966190 A JP 10966190A JP 2505054 B2 JP2505054 B2 JP 2505054B2
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oil
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polypropylene
boiling heptane
capacitor
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貞喜 向井
勝 神庭
義久 田中
明 伊藤
正浩 赤津
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Kureha Corp
Nissin Electric Co Ltd
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Kureha Corp
Nissin Electric Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は油入コンデンサに関する。
(従来の技術) 油入コンデンサにおいて、ポリプロピレンのフィルム
とアルミニュウム箔とを巻回してコンデンサ素子を構成
し、これに絶縁油を含浸したものは、既によく知られて
いる。
しかしポリプロピレンは、例えば芳香族系絶縁油に対
する溶解性が大きく、膨潤し易いので、小型化、長寿命
化を図ることは困難であった。
これを解決するために、沸騰ヘプタン不溶部のアイソ
タクチック.ペンタッド分率が0.955以上、であり、沸
騰ヘプタン可溶部の含有量が9.0重量%以下であるポリ
プロピレンより得られた2軸延伸粗面化ポリプロピレン
フィルムのみよりなる誘電体層を有するコンデンサ素子
に、アルキルナフタレン、アルキルジフェニルエタンな
どの絶縁油を含浸させたコンデンサが別途提案されてい
る。
(発明が解決しようとする課題) 前記した既提案のコンデンサによれば、フィルムの絶
縁油に対する溶解性は小さく、膨潤はほとんど生じない
ので、極めて都合がよい。
一方コンデンサにおいて、長期耐電圧特性、耐絶縁特
性について、安定した特性を得ることが強く求められて
いる。しかし前記した構成のコンデンサでは、これらの
要求を満足させることは極めて困難であった。
この発明は、ポリプロピレンフィルムの膨潤性を改善
するとともに、耐絶縁特性、長期耐電圧特性、特に広巾
のコンデンサ素子についての特性を改善することを目的
とする。
(課題を解決するための手段) この発明は、沸騰ヘプタン不溶部のアイソタクチッ
ク.ペンタッド分率が0.960以上、好ましくは0.965以上
であり、沸騰ヘプタン可溶部の含有量が9.0重量%以
下、好ましくは8.0重量%以下であるポリプロピレンよ
り得られた2軸延伸粗面化ポリプロピレンフィルムのみ
よりなる誘電体層を有するコンデンサ素子に、パラコー
ルが465から480の範囲にあるアルキルジフェニールメタ
ン組成物からなる絶縁油を含浸してなることを特徴とす
る。
(作用) ポリプロピレンの沸騰ヘプタン不溶部のアイソタクチ
ック.ペンタッド分率、及び沸騰ヘプタン可溶部の含有
量は、次のようにして定められる。
ポリプロピレン5gを沸騰キシレン500mlに完全に溶解
させた後、20℃に降温し、4時間放置する。その後、濾
別し、20℃キシレン可溶部と不溶部とに分離する。
次いで、20℃キシレン不溶部を更に沸騰ヘプタンで8
時間、ソックスレー抽出器で抽出して、抽出残渣と抽出
物に分離する。この抽出残渣を沸騰ヘプタン不溶部とす
る。
この乾燥重量を測定に供した全ポリプロピレン重量か
ら減じた値を、全ポリプロピレン重量で除した値を重量
百分率で表わしたものが、沸騰ヘプタン可溶部の含有量
である。
アイソタクチック.ペンタッド分率とは、A.Zambelli
らによってMacromolecules 6.925(1973)に発表されて
いる方法、すなわち13C−NMRを使用し測定されるポリプ
ロピレン分子鎖のペンタッド単位でのアイソタックチッ
ク連鎖、換言すれば、プロピレンモノマー単位が5個連
続してメソ結合した連鎖の中心にあるプロピレンモノマ
ー単位の分率である。
更にポリプロピレより粗面化2軸延伸する方法は、通
常工業的に用いられる方法、例えばテンター方式、チュ
ーブラー方式などの延伸機を用いることができる。
上述のような性質を有するポリプロピレンフィルム
は、絶縁油含浸性の良好な粗面化フィルムが得られ易い
と言うことが知られているが、含浸させる油によって
は、得られるコンデンサの耐電圧特性に著しい差異があ
る。
すなわち、含浸させる油のパラコールと化学構造によ
って耐電圧特性が異なるものであり、本発明者らの研究
によれば、パラコールが465〜480の範囲のもの、また化
学構造的には、アルキルジフェニールメタンのものが好
ましいことが確認されている。
しかしアルキルジフェニールメタンには、単品でパラ
コールが465〜480のものはない。このためこの発明で
は、少なくとも2種のアルキルジフェニールメタンを組
合わせてパラコールが上記範囲の組成物とし、前述のポ
リプロピレンフィルムに含浸させて油入コンデンサを作
製することによって、油入コンデンサの特性を改善し
た。
パラコールが465〜480の範囲にあるアルキルジフェニ
ールメタン組成物としては、例えばベンジルトルエンと
ベンジルキシレンまたはベンジルエチルベンゼンの8〜
4:2〜6の組成物、ベンジルトルエンとベンジルイソプ
ロピルベンゼン、ベンジルトリメチルベンゼンまたはベ
ンジルエチルメチルベンゼンの9〜8:1〜2の組成物な
どを例示することができる。
なお絶縁油には必要により、エポキシ系安定剤、フェ
ノール系安定剤などを添加するようにしてもよい。
(実施例) メルトフローレイト(JIS K−7210により230℃、2.16
kgfで測定。以下同じ)。が2.0、沸騰ヘプタン不溶部の
アイソタクチック.ペンタッド分率が0.965、沸騰ヘプ
タン可溶部の含有量が6.8重量%のポリプロピレンを用
いて2軸延伸粗面化ポリプロピレンフィルムを得た。
このようにして得たフィルムのみで構成した、素子巾
200mm及び800mmの誘電体を使用したコンデンサ素子に、 (1)パラコール466の絶縁油(ベンジルトルエン(以
下単にBzTという。)/ベンジルキシレン(以下単にBzX
という。)=8/2)を含浸したもの(供試番号1) (2)パラコール469の絶縁油(BzT/BzX=7/3)を含浸
したもの(供試番号2) (3)パラコール472の絶縁油(BzT/BzX=6/4)を含浸
したもの(供試番号3) (4)パラコール476の絶縁油(BzT/BzX=5/5)を含浸
したもの(供試番号4) (5)パラコール479の絶縁油(BzT/BzX=4/6)を含浸
したもの(供試番号5) を製作した。
比較例1 メルトフローレイトが2.0、沸騰ヘプタン不溶部のア
イソタクチック.ペンタッド分率が0.965、沸騰ヘプタ
ン可溶部の含有量が7.0重量%のポリプロピレンを用い
て2軸延伸粗面化ポリプロピレンフィルムを得た。
このようにして得たフィルムのみで構成した、素子巾
200mm及び800mmの誘電体を使用したコンデンサ素子に、 (6)パラコール462の絶縁油(BzT/BzX=9/1)を含浸
したもの(供試番号6) (7)パラコール483の絶縁油(BzT/BzX=3/7)を含浸
したもの(供試番号7) (8)パラコール458のBzTを含浸したもの(供試番号
8) (9)パラコール493のBzXを含浸したもの(供試番号
9) (10)パラコール538のフエニルキシリルエタンを含浸
したもの(供試番号10) (11)パラコール550のジイソプロピルナフタリンを含
浸したもの(供試番号11) を製作した。
比較例2 ポリプロピレンとしてメルトフローレイトが2.1、沸
騰ヘプタン不溶部のアイソタクチック.ペンタッド分率
が0.950、沸騰ヘプタン可溶部の含有量が11.2重量%の
ポリプロピレンを用いて2軸延伸粗面化ポリプロピレン
フィルムを得た。
このようにして得たフィルムのみで構成した、素子巾
200mm及び800mmの誘電体を使用したコンデンサ素子に、 (12)パラコール466の絶縁油(BzT/BzX=8/2)を含浸
したもの(供試番号12) (13)パラコール469の絶縁油(BzT/BzX=7/3)を含浸
したもの(供試番号13) (14)パラコール472のBzT/BzX=6/4)を含有したもの
(供試番号14) を製作した。
なお試験に供したコンデンサは、アルミニュウム箔電
極間に、22μm厚さのフィルム3枚を設けてコンデンサ
素子を構成し、これをケースに収納後、加熱、減圧、乾
燥してから、所定の絶縁油を含浸して製作した。各コン
デンサの容量は50kVA、定格は1φ3300Vである。
試験結果を次表及び図面に示す。なお表中においてDI
Vは部分放電開始電圧を、ACLは交流長時間耐電圧値(10
5秒の耐電圧値)を示す。また加熱課電試験は、90℃で
定格電圧の1.5倍を印加して行なった。
上記の表から理解できるように、この発明の実施例で
ある供試番号1〜5のものは、広巾のコンデンサでも、
狭巾のコンデンサと同一のDIV,ACL特性が得られてい
る。これに対し比較例である供試番号6〜14のものは、
広巾ではいずれも前記特性が低下している。すなわちこ
の発明によって広巾のものでも、前記特性の低下はなん
ら生じなかったことになる。
また図に示す加熱課電試験から、供試番号1〜5のも
のは課電日数が300日を超えても、破壊箇数が0である
のに対し、供試番号6〜14のものは、150日〜250日です
べてが破損してしまっているか、あるいは300日の課電
で、残存率が67%または80%となっている。すなわちこ
の発明によるものは、長期にわたる寿命が期待されるこ
とが理解される。
前記実施例及び比較例における各コンデンサ素子の膨
潤量は、何れのものも、80℃48時間後の厚さの増加は、
5.2〜6.1%であり、100℃48時間後の厚さの増加は、7.4
〜8.6%であって、殆ど差はなかった。
又油中加熱後の寸法変化(フィルムのマシン方向)
も、80℃48時間後で0.5〜0.6%、100℃48時間後で−1.0
〜−1.5%であって、何れのものも殆ど差はなかった。
(発明の効果) 以上詳述したようにこの発明によれば、広巾、狭巾の
コンデンサ素子を問わず、部分放電開始電圧特性および
交流長時間耐電圧特性を向上させることができるし、長
寿命化も可能となり、フィルムの膨潤も僅かであるとい
った効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の実施例であるコンデンサの加熱課電
特性図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 義久 京都府京都市右京区梅津高畝町47番地 日新電機株式会社内 (72)発明者 伊藤 明 福島県いわき市泉町黒須野字早稲田235 ―52 (72)発明者 赤津 正浩 福島県いわき市錦町中迎3―6―1

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】沸騰ヘプタン不溶部のアイソタクチック・
    ペンタッド分率が0.960以上で、沸騰ヘプタン可溶部の
    含有量が9.0重量%以下であるポリプロピレンより得ら
    れた2軸延伸粗面化ポリプロピレンフィルムのみよりな
    る誘電体層を有するコンデンサ素子に、 パラコールが465から480の範囲にあるアルキルジフェニ
    ールメタン組成物からなる絶縁油を含浸してなる。油入
    コンデンサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3127905A1 (de) * 1981-07-15 1983-02-03 Bayer Ag, 5090 Leverkusen Impraegniermittel und ihre verwendung
JPS631734A (ja) * 1986-06-19 1988-01-06 Mazda Motor Corp 電子燃料噴射式エンジンの燃料制御装置

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