JPH08157613A - コンデンサ用ポリプロピレン系二軸延伸フイルム - Google Patents

コンデンサ用ポリプロピレン系二軸延伸フイルム

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JPH08157613A
JPH08157613A JP33126694A JP33126694A JPH08157613A JP H08157613 A JPH08157613 A JP H08157613A JP 33126694 A JP33126694 A JP 33126694A JP 33126694 A JP33126694 A JP 33126694A JP H08157613 A JPH08157613 A JP H08157613A
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JP
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film
ppm
oil
dielectric breakdown
polypropylene
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JP33126694A
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Hiroyuki Kato
宏之 加藤
Yoshinori Kotani
義則 小谷
Megumi Tanaka
恵 田中
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Original Assignee
Toray Industries Inc
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  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
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  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 油含浸性に優れると共に、長期荷電による絶
縁性能の低下も少ない油浸コンデンサ用ポリプロピレン
系フイルムを提供する。 【構成】 フイルムに含まれる全灰分が50ppm以
下、かつ、Mg、Ca、Al、TiおよびClの合計量
が20ppm以下であり、少なくとも片面の表面粗さが
中心線平均粗さRaで0.08μm以上0.8μm以下
である油含浸コンデンサ用ポリプロピレン系二軸延伸フ
イルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は油含浸コンデンサに使用
するポリプロピレン(以下PPと略記することもあ
る。)系フイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】二軸延伸されたポリプロピレンフイルム
は、機械特性並びに電気特性に優れているため、コンデ
ンサの誘電体層として使用されている。油含浸コンデン
サ用途、特に誘電体として紙を用いないオールPP化コ
ンデンサ用途には、フイルム層間に油層を確保するため
表面が粗面化されたフイルムが用いられている。一例と
して特公平3−70891号公報には、特定のエチレン
−プロピレン共重合体が積層され、特定の表面形状を有
するポリプロピレンフイルムを誘電体層とした油含浸コ
ンデンサが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記エチレン
−プロピレン共重合体を積層したPPフイルムからなる
油含浸コンデンサは、長期荷電による絶縁性能の低下が
大きいという問題点を有していた。
【0004】本発明は、かかる問題点を解決せんとする
ものであり、油含浸性に優れると共に、長期荷電による
絶縁性能の低下も少ない油含浸コンデンサ用ポリプロピ
レン系フイルムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明の
コンデンサ用ポリプロピレン系二軸延伸フイルムは、フ
イルムに含まれる全灰分が50ppm以下、かつ、M
g、Ca、Al、TiおよびClの合計量が20ppm
以下であり、少なくとも片面の表面粗さが中心線平均粗
さRaで0.08μm以上0.8μm以下であることを
特徴とするものからなる。
【0006】以下本発明について詳細に説明する。本発
明におけるポリプロピレン系二軸延伸フイルムとは、プ
ロピレン成分が60%以上でMFR(Melt Flo
w Rate)が1〜10g/min(温度:230
℃、荷重:2.16kgf)のポリマーを用いた二軸延
伸フイルムであり、同時、あるいは逐次のいずれかの方
法で二軸延伸されたフイルムであれば良い。
【0007】プロピレン60%以外の成分は、いずれの
オレフィン成分でもよく、中でもエチレン成分が好まし
く、プロピレン重合体、ブロック共重合体、ランダム共
重合体あるいはこれらの2つ以上のブレンド体、またエ
チレン重合体とこれらの1つあるいは2つ以上のブレン
ド体が挙げられる。
【0008】本発明において、全灰分とはフイルムを7
50〜800℃で強熱灰化させた後の残渣であり、原料
の重合触媒や添加剤に由来する無機成分からなる。本発
明のフイルムでは、フイルムに含まれる全灰分は50p
pm以下である必要があり、好ましくは30ppm以下
である。全灰分が50ppmを越えると、フイルム中の
ボイドが多くなったり、導電性成分を含むため、フイル
ム本来の絶縁性能が低下する。なお、下限は特に限定さ
れないが1ppm程度である。
【0009】油含浸コンデンサを構成する誘電体フイル
ムの絶縁性能は、荷電下では経時により低下する。しか
し、コンデンサの用途によってはかなり長期間にわたっ
て使用される場合もあり、この間フイルムの絶縁性能は
あまり低下しないことが要求される。このためには、フ
イルムに含まれるMg、Ca、Al、TiおよびClの
合計量が20ppm以下である必要があり、好ましくは
15ppm以下である。Mg、Ca、Al、Tiおよび
Clの合計量が20ppmを越えると、長期荷電による
フイルムの絶縁性能の低下が大きくなる。なお、下限は
特に限定されないが1ppm程度である。
【0010】本発明のフイルムでは、少なくとも片面の
表面粗さが中心線平均粗さRaで0.08μm以上0.
8μm以下でなければならない。Raが0.08μmを
下まわると滑り性が悪く、フイルム生産時及びコンデン
サ作製時にしわ状欠点を発生し歩留まりが低下すると共
に、油含浸性も悪く、局所的な電荷集中により絶縁破壊
に至る。Raが0.8μmを越えると表面が余りにも粗
れ過ぎて実質厚みが減少し、絶縁破壊電圧の低いものに
なる。さら好ましいRaの範囲は0.15μm以上0.
70μm以下である。
【0011】本発明のフイルムが少なくとも2層からな
る複合フイルムの場合は、フイルム全体としての全灰分
とMg、Ca、Al、TiおよびClの合計量が上述の
範囲を満たすと共に、粗面化している表層(A)に含ま
れるMg、Ca、Al、TiおよびClの合計量が50
ppm以下であることが好ましい。なお、粗面化してい
る表層に含まれるMg、Ca、Al、TiおよびClの
合計量の下限は1ppm程度である。
【0012】また、本発明フイルムが少なくとも2層か
らなる複合フイルムの場合、粗面化している表層(A)
の厚みは全フイルム厚みの2〜30%であることが好ま
しく、この範囲を下まわると面粗度の低いものになり、
滑り性が悪くなり、加工性にも劣り、また油含浸性も劣
ったものになる。この範囲を上まわると絶縁破壊電圧の
低いものになる。
【0013】本発明の二軸延伸フイルムの沸騰n−ヘプ
タンによる抽出残分は、92.0%以上99.5%以下
であることが油含浸コンデンサ用フイルムとして適して
いる。92.0%より少ないと剛性のない、ややベトつ
いたフイルムとなったり、フイルム中の低分子量成分が
含浸油中に溶出し誘電損失が大きくなったりする。9
9.5%を越えると剛性には優れるものの、フイルム中
への含浸油の浸透速度が遅くなり、結果的に含浸性の劣
るものとなる。更に好ましい範囲は95.0%以上9
8.5%以下である。
【0014】また、本発明のフイルムには公知の各種添
加剤類、例えば安定剤、充填剤、酸化防止剤、耐電圧向
上剤などを添加することができるが、イオン性物質又は
これを派生する物質の添加量は極力少なくすることが望
ましい。またポリプロピレンの塩素捕獲剤として一般に
使用されているステアリン酸カルシウムはCaを含むの
で好ましくなく、他の塩素捕獲剤例えばエポキシ化合物
が好ましい。
【0015】以下に本発明のコンデンサ用ポリプロピレ
ン系二軸延伸フイルムの製造方法の一例について述べる
が、これに限定されるものではない。ポリプロピレンを
押出機に供給し、その溶融ポリマーを口金より吐出させ
て20〜100℃に保たれたチルロールに巻き付け冷却
固定せしめシート状に成形する。次いで110〜145
℃に保たれたオーブン中あるいはロールに接触させて予
熱し、長手方向に3〜8倍延伸した後、冷却する。
【0016】このフイルムを140〜185℃に保たれ
たテンター内に導き、幅方向に6〜12倍に延伸し、1
45〜170℃で数%程度弛緩させながらまたは弛緩さ
せた後熱処理して、コンデンサ用ポリプロピレン系二軸
延伸フイルムを得る。その後、該フイルムをロール状に
巻き取るが、巻き取る前にフイルム表面にコロナ放電処
理を施してもよい。
【0017】複合フイルムとする場合は、2台以上の押
出機を用いて短管あるいは口金中で複数のポリマー層を
積層して共押出し延伸する方法、また長手方向に延伸し
た後押出ラミネートして幅方向に延伸する方法などがあ
る。
【0018】なおチューブ式同時2軸延伸フイルムは、
前述と同様の押出条件で円形ダイスよりチューブ状に吐
出し、シートの内面と外面の温度差を少なくとも2℃以
上つけるように冷却成形した後、加熱しチューブ状に延
伸して得る。該延伸は縦方向と横方向の強度比(縦方向
/横方向)が0.4〜0.6の範囲になるように延伸条
件(温度及び倍率)を設定して2軸延伸フイルムを得る
のが良い。
【0019】つぎに本発明で使用した用語の説明及び測
定方法について説明する。 (1)灰分(JIS−C−2330に準ずる) フイルム試料を白金るつぼに入れガスバーナの炎で焼い
た後、電気炉中で750〜800℃に加熱し、約1時間
で完全灰化する。灰化前後の重量から下式により全灰分
を計算する。 全灰分(%)=(灰化後の重量/元試料の重量)×10
【0020】(2)フイルムの元素含有量 (a)Mg、Ca、Al、Tiの定量法 フイルム試料をガスバーナの炎で焼いた後、マッフル炉
中で500〜520℃に加熱灰化する。灰化物を炭酸ナ
トリウムと硼酸の混合融剤で融解し、融解物を希硝酸に
溶解する。溶解液をろ液(A液)と不溶解物にろ別し、
不溶解物を灰化後、灰化物を炭酸ナトリウムと硼酸の混
合融剤で融解し、融解物を希硝酸に溶解する(この溶解
液をB液とする)。A液とB液に含まれる元素をICP
発光分析法により定量する。
【0021】(b)Clの定量法 試料1.5〜2.0gをポリエチレン袋に封入し、強度
5×1011n・cm-2・sec-1の熱中性子を30分間
照射する。核反応によって生成する放射性核種38Clの
放射能をマルチチャンネル波高分析器にGeおよびGe
(Li)半導体検出器を接続して5分間測定し、試料中
のClの含有量を求める。
【0022】(3)表面粗さ:Ra JIS−B−0601に従い、カットオフ0.25mm
で求めた中心線平均粗さで表わす。測定は小坂研究所
(株)製の三次元粗さ測定機ET−30HKを用いた。
【0023】(4)沸騰n−ヘプタン抽出残分 試料を沸騰n−ヘプタンで一定時間抽出を行い、抽出さ
れない部分の重量割合(%)をいう。詳しくは円筒濾紙
を110±5℃で2時間乾燥し、恒温恒湿の室内で2時
間以上放置してから円筒濾紙中に試料(粉末またはフレ
ーク状)8〜10gを入れ、秤量カップ、ピンセットを
用いて精秤する。これをn−ヘプタン約80cc入れた
抽出器の上部にセットし、抽出器と冷却器を組み立て
る。これをオイルバスまたは電気ヒータで加熱し、12
時間抽出する。加熱は冷却器からの滴下数が1分間13
0滴以上であるように調節する。抽出残分の入った円筒
濾紙を取り出し真空乾燥器に入れて80℃、100mm
Hg以下の真空度で5時間乾燥する。乾燥後恒温恒湿中
に2時間放置した後精秤し、下記式で算出する。 沸騰n−ヘプタン抽出残分(%)=(P/P0 )×10
0 但し、P0 :抽出前の試料重量(g) P :抽出後の試料重量(g)
【0024】(5)MFR JIS−K−6758の条件(230℃、2.16kg
f)に従って測定する。
【0025】(6)極限粘度〔η〕 ASTM−D−1601に従って、テトラリン中で測定
したもので、dl/g単位で表す。値が低いほど結晶性
が高い傾向にある。
【0026】(7)絶縁破壊開始電圧 銅板上にフイルム試料を置き、その上に蒸着フイルムを
蒸着面を下にして重ねる。銅板を陽極、蒸着フイルムを
陰極として直流電圧を印加し、30秒間隔で500Vず
つ電圧を上げてゆき、各電圧で30秒間の間に絶縁破壊
した箇所の数を数える。最初に絶縁破壊が起こった電圧
を絶縁破壊開始電圧とする。
【0027】
【実施例】
実施例1 超高活性化触媒による無溶媒の液化プロピレン中での重
合、後処理によって得られたPP原粉(II98.3
%)に酸化防止剤としてIrganox1010(チバ
ガイギー社製)1000ppmおよびBHT(吉富製薬
社製)4000ppm、塩素捕獲剤として環状脂肪族エ
ポキシ樹脂CY179(チバガイギー社製)800pp
mを配合し、押出機で溶融・混練しペレット化した。こ
のペレットのMFRは1.5g/10min、〔η〕は
2.2dl/gであった。このペレットを260℃に加
熱された押出機に供給し、Tダイより吐出し、75℃の
チルロールに巻付けてシート化した。該シートを加熱ロ
ールで140℃に予熱して長さ方向に4倍に延伸し、次
いで熱風が170℃に加熱されたテンター中で幅方向に
10倍に延伸し、さらに160℃で5%弛緩しつつ熱処
理し、厚さ15μmの油含浸コンデンサ用ポリプロピレ
ン系二軸延伸フイルムを得た。
【0028】このフイルムの全灰分は15ppm、フイ
ルムに含まれるMg、Ca、Al、TiおよびClの合
計量は11ppmであった。また、このフイルムの表面
粗さRaは0.21μm、沸騰n−ヘプタンでの抽出残
分は97.5%、荷電前の絶縁破壊開始電圧は6.5k
Vであった。
【0029】このフイルム3枚とAl箔1枚とを重ねて
巻回し容量0.15μFのコンデンサ素子を作成した
後、絶縁油(PXE)に浸漬した。雰囲気温度60℃
で、この素子に2.72kVの電圧を印加した。150
0時間経過後、素子を取り出して解体しフイルムの絶縁
破壊開始電圧を測定した。図1に示すように、荷電後の
絶縁破壊開始電圧は6.5kVであった。
【0030】実施例2 溶液重合法によって得られたPP原粉(II97.4
%)に酸化防止剤としてIrganox1330(チバ
ガイギー社製)1000ppmおよびBHT(吉富製薬
社製)4000ppm、塩素捕獲剤として環状脂肪族エ
ポキシ樹脂CY179(チバガイギー社製)800pp
mを配合し、押出機で溶融・混練しペレット化し、基層
用原料を得た。このペレットのMFRは1.4g/10
min、〔η〕は2.3dl/gであり、ペレット中に
含まれる全灰分は22ppm、Mg、Ca、Al、Ti
およびClの合計量は15ppmであった。
【0031】チーグラー系触媒を用いて気相法により重
合したエチレン含有量1.2重量%のエチレン・プロピ
レンランダム共重合体80重量%と、フィリップス系触
媒を用いて溶液法により重合した高密度ポリエチレン2
0重量%の混合物に、Irganox1010(チバガ
イギー社製)1000ppmおよびBHT(吉富製薬社
製)4000ppm、塩素捕獲剤として環状脂肪族エポ
キシ樹脂CY179(チバガイギー社製)1000pp
mを配合し、押出機で溶融・混練しペレット化し、表層
(粗面層)用原料を得た。このペレットのMFRは5.
6g/10min、〔η〕は1.5dl/gであり、ペ
レット中に含まれる全灰分は95ppm、Mg、Ca、
Al、TiおよびClの合計量は16ppmであった。
【0032】上記基層用原料を一台の押出機に、表層用
原料を他の押出機に供給して270℃で溶融し、一つの
口金より共押出しし、45℃のチルロールに巻付けてシ
ート化した。このシートを上記実施例1と同様の方法で
二軸延伸し、油含浸コンデンサ用ポリプロピレン系二軸
延伸フイルム(基層14μ,表層1.0μm)を得た。
【0033】このフイルムの全灰分は26ppm、フイ
ルムに含まれるMg、Ca、Al、TiおよびClの合
計量は15ppmであった。また、このフイルムの表面
粗さRaは0.36μm、沸騰n−ヘプタンでの抽出残
分は96.0%、荷電前の絶縁破壊開始電圧は6.0k
Vであった。実施例1と同様の方法でコンデンサ素子の
作成と荷電を行なった後、絶縁破壊開始電圧を測定し
た。荷電後の絶縁破壊開始電圧はは6.0kVであっ
た。
【0034】比較例1 塩素捕獲剤として環状脂肪族エポキシ樹脂の代わりにス
テアリン酸カルシウム100ppmを配合した以外は実
施例1と同様に実施した。得られたフイルムの全灰分は
43ppm、フイルムに含まれるMg、Ca、Al、T
iおよびClの合計量は29ppmであった。また、こ
のフイルムの表面粗さRaは0.23μm、沸騰n−ヘ
プタンでの抽出残分は97.2%、荷電前の絶縁破壊開
始電圧は6.5kVであった。このフイルムから実施例
1と同様の方法でコンデンサ素子を作成し1500時間
荷電後の絶縁破壊開始電圧を測定した。荷電後の絶縁破
壊開始電圧は、2.5kVであった。
【0035】比較例2 表層(粗面層)用原料としてチーグラー系触媒により重
合した、エチレン含有量1.5重量%、〔η〕1.8d
l/gのエチレン・プロピレンランダム共重合体成分8
0重量%と、〔η〕2.5dl/gのエチレン成分20
重量%よりなるエチレン・プロピレンブロック共重合体
を使用し、塩素捕獲剤としてステアリン酸カルシウム5
00ppmを配合した以外は実施例2と同様に実施し
た。表層原料中に含まれる全灰分は108ppm、M
g、Ca、Al、TiおよびClの合計量は88ppm
であった。また、得られたフイルムの全灰分は34pp
m、フイルムに含まれるMg、Ca、Al、Tiおよび
Clの合計量は21ppmであった。このフイルムの片
面の表面粗さRaは0.43μm、沸騰n−ヘプタンで
の抽出残分は96.1%、荷電前の絶縁破壊開始電圧は
6.5kVでであった。
【0036】このフイルムから実施例1と同様の方法で
コンデンサ素子を作成し1500時間荷電後の絶縁破壊
開始電圧を測定した。荷電後の絶縁破壊開始電圧は1.
5kVであった。
【0037】比較例3 Tダイより吐出したポリマーを、40℃のチルロールで
シート化した以外は実施例1と同様に実施した。得られ
たフイルムの全灰分は16ppm、フイルムに含まれる
Mg、Ca、Al、TiおよびClの合計量は13pp
mであった。このフイルムの片面の表面粗さRaは0.
03μm、反対面のRaは0.02μmであり、沸騰n
−ヘプタンでの抽出残分は97.5%、荷電前の絶縁破
壊開始電圧は6.0kVであった。
【0038】このフイルムから実施例1と同様の方法で
コンデンサ素子を作成し1500時間荷電後の絶縁破壊
開始電圧を測定した。荷電後の絶縁破壊開始電圧は1.
0kVであった。
【0039】比較例4 実施例2と同様の方法により、基層の厚み12μm、表
層(粗面層)の厚み4μmの複合フイルムを得た。得ら
れたフイルムの全灰分は40ppm、フイルムに含まれ
るMg、Ca、Al、TiおよびClの合計量は16p
pmであった。また、このフイルムの片面の表面粗さR
aは0.83μm、反対面のRaは0.08μmであ
り、沸騰n−ヘプタンでの抽出残分は95.6%、荷電
前の絶縁破壊開始電圧は5.5kVであった。
【0040】このフイルムから実施例1と同様の方法で
コンデンサ素子を作成し1500時間荷電後の絶縁破壊
開始電圧を測定した。荷電後の絶縁破壊開始電圧は2.
5kVであった。
【0041】比較例5 実施例2と同様の方法により、基層の厚み29.7μ
m、表層(粗面層)の厚み0.3μmの複合フイルムを
得た。得られたフイルムの全灰分は23ppm、フイル
ムに含まれるMg、Ca、Al、TiおよびClの合計
量は15ppmであった。また、このフイルムの片面の
表面粗さRaは0.07μm、反対面のRaは0.04
μmであり、沸騰n−ヘプタンでの抽出残分は96.4
%、荷電前の絶縁破壊開始電圧は12.0kVであっ
た。
【0042】このフイルムから実施例1と同様の方法で
コンデンサ素子を作成し1500時間荷電後の絶縁破壊
開始電圧を測定した。荷電後の絶縁破壊開始電圧は3.
0kVであった。
【0043】比較例6 実施例2と同様の方法により、基層の厚み5μm、表層
(粗面層)の厚み3μmの複合フイルムを得た。得られ
たフイルムの全灰分は48ppm、フイルムに含まれる
Mg、Ca、Al、TiおよびClの合計量は16pp
mであった。また、このフイルムの片面の表面粗さRa
は0.65μm、反対面のRaは0.05μmであり、
沸騰n−ヘプタンでの抽出残分は95.2%、荷電前の
絶縁破壊開始電圧は2.5kVであった。
【0044】このフイルムから実施例1と同様の方法で
コンデンサ素子を作成し1500時間荷電後の絶縁破壊
開始電圧を測定した。荷電後の絶縁破壊開始電圧は1.
0kVであった。
【0045】以上の結果を表1にまとめた。本発明の範
囲内である実施例1、2は長期荷電後もほぼ荷電前と同
じ絶縁破壊開始電圧を示し、含浸油に対する浸漬性も良
好であった。一方、比較例1はフイルム中に含まれるM
g、Ca、Al、TiおよびClの合計量が多く、比較
例2は粗面層に含まれるMg、Ca、Al、Tiおよび
Clの合計量が多いため、長期荷電により絶縁破壊開始
電圧が大きく低下した。また、比較例3は表面粗さが小
さく絶縁油に対する浸漬性が悪いため、長期荷電による
絶縁破壊開始電圧の低下が大きかった。比較例4は片面
の表面粗さが大きすぎるため、荷電後の絶縁破壊開始電
圧が低いだけでなく、荷電前の絶縁破壊開始電圧もやや
低いものとなった。比較例5は全フイルム厚みに対する
粗面層の厚みの割合が1%と低いため、表面粗さが小さ
くなり絶縁油に対する浸漬性が悪く、荷電後の絶縁破壊
開始電圧も低かった。比較例6は全フイルム厚みに対す
る粗面層の厚みの割合が大きすぎるため、荷電後の絶縁
破壊開始電圧が低いだけでなく、荷電前の絶縁破壊開始
電圧もやや低いものとなった。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のフイルム
は、次のような効果を有する。 (1)油含浸コンデンサに使用される絶縁油に対する浸
漬性が良好である。 (2)本発明のフイルムを油含浸コンデンサに使用する
ことにより、長期荷電による絶縁性能の低下が小さいコ
ンデンサを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における印加電圧と絶縁破壊個数との
関係図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 23:00 105:16 B29L 7:00 31:34

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フイルムに含まれる全灰分が50ppm
    以下、かつ、Mg、Ca、Al、TiおよびClの合計
    量が20ppm以下であり、少なくとも片面の表面粗さ
    が中心線平均粗さRaで0.08μm以上0.8μm以
    下であることを特徴とする油含浸コンデンサ用ポリプロ
    ピレン系二軸延伸フイルム。
  2. 【請求項2】 少なくとも2層からなり、粗面層(A)
    に含まれるMg、Ca、Al、TiおよびClの合計量
    が50ppm以下である請求項1の油含浸コンデンサ用
    ポリプロピレン系二軸延伸フイルム。
  3. 【請求項3】 少なくとも2層からなり、全フイルム厚
    みに対する粗面層(A)の厚みの割合が2〜30%であ
    る請求項1又は2の油含浸コンデンサ用ポリプロピレン
    系二軸延伸フイルム。
JP33126694A 1994-12-07 1994-12-07 コンデンサ用ポリプロピレン系二軸延伸フイルム Pending JPH08157613A (ja)

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