JP2503781B2 - 自動倉庫用出し入れ装置のガイドレ―ル取付構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は自動倉庫においてキャレ
ッジを案内する自動倉庫用出し入れ装置のガイドレール
取付構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の自動倉庫は、図４〜図７に示すよ
うに、棚１が通路２を隔てて左右に並設されており、各
棚１には複数の区画収納空間３が縦横に形成されてい
る。この区画収納空間３には被収納物４がパレットやバ
ケットを介して、もしくは直接に収納される。

【０００３】そして、通路２には出し入れ装置５が配置
されており、出し入れ装置５は、棚１に沿って通路２を
往復移動する走行台車部６と、走行台車部６の上部に上
下方向に設けられ、上端が通路２に沿って設けられた天
井レール７に案内される筒状の支柱８と、支柱８側に案
内されて昇降移動するキャレッジ９と、キャレッジ９に
設けられて各区画収納空間３に被収納物４を受け渡しす
る出し入れ具10とを有している。

【０００４】そして、キャレッジ９には、このキャレッ
ジ９を支持するために一対のチェン１１の一端が連結さ
れており、チェン11はスプロケット12を介して支柱８の
上下に架け渡され、他端が支柱８の内部に上下方向に移
動自在に配置されたカウンタウエイト13に連結されてい
る。

【０００５】さらに、支柱８にはキャレッジ９に設けら
れたローラ14を案内するガイドレール15が設けられてお
り、ガイドレール15はブラケット16を介して支柱８に取
り付けられている。またブラケツト16は支柱８に溶接固
定され、ガイドレール15はブラケット16にボルト17で固
定されている。

【発明が解決しようとする課題】上記の従来形式による
と、当接線（溶接線）が長いブラケツト16は支柱８に溶
接固定されるので、ブラケット16を支柱８に溶接した後
に大きな歪みが発生し、この歪みを取り除く必要があっ
た。また、溶接固定するためには、支柱８に対するブラ
ケット16の当接面を支柱８の外周面に沿った形状に形成
せねばならず、ブラケット16の部品としての汎用性がな
くなり、外径が異なる複数種類の支柱８に対して各外径
に応じて複数種類のブラケット16を用意せねばならない
問題があった。

【０００６】そして別の固形形式として、支柱８の所定
箇所に雌螺子孔を形成するとともに、ブラケツト16にボ
ルト孔を形成しておき、そしてボルト孔に外側から通し
たボルトを雌螺子孔に螺合させることも考えられる。

【０００７】しかし、この場合には、支柱８に多数の雌
螺子孔を形成することで、この支柱８自体の強度が低下
することになり、これに対処するためには支柱８として
板厚の厚いものを使用しなければならない。さらに支柱
８の板厚は、ボルトの径（サイズ）に応じて十分な強度
を得るべく決定しなければならない。これらのことによ
り、支柱８は板厚が厚くなって重量が大になり、以て出
し入れ装置５全体の重量が増大することになる。

【０００８】また雌螺子孔は、下孔を形成したのちタツ
プを立てることにより形成することから加工のために大
な作業時間が必要である。さらに加工部に大きな歪みが
発生して歪み取りの作業が必要になり、かつ歪み処理跡
が美観の悪いものになる。

【０００９】本発明の目的とするところは、外径が異な
る複数種類の支柱に対して同一のブラケットを取り付け
得、そして支柱の板厚を薄くしながらも十分な強度を確
保し得、しかもブラケツトを取り付ける部分の加工作業
は歪みのない状態でかつ短時間で行える自動倉庫用出し
入れ装置のガイドレール取付構造を提供する点にある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、筒状の支柱にブラケットを介してガイドレ
ールを取り付け、ガイドレールによってキャレッジを昇
降案内する自動倉庫用出し入れ装置において、支柱に周
方向に適当間隔をあけて一対のボルトを突設し、このボ
ルトに架け渡して配置されるブラケットの台座部を、支
柱を挟持するように適当角度に屈曲させて形成するとと
もに、ブラケットの台座部に支柱の半径方向に突出する
レール支持部を一体に形成し、台座部にボルトを挿通す
るための長孔を支柱の周方向に長く形成し、ボルトに螺
合するナットを締め付けて台座部を支柱に固定し、レー
ル支持部にガイドレールを外嵌したのち、両者を左右方
向の締結具を介して固定したものである。

【００１１】

【作用】かかる本発明の構成によると、支柱の内面に溶
接によりボルトを突設し、支柱には雌螺子孔を形成しな
いことから、支柱は板厚を薄くしながらも十分な強度を
確保し得、かつこの強度はボルト径を問わないものにし
得る。

【００１２】また溶接によりボルトを突設する方式は、
ブラケツトを溶接する形式や雌螺子孔を形成する方式に
比べて、短時間の加工作業で行えるとともに歪みが殆ど
発生しないことになる。

【００１３】そしてブラケットを支柱に取り付けるとき
には、台座部の長孔にボルトを挿通し、支柱の周側面上
の２点で台座部を支柱に当接させ、ナットの締め付けに
よって台座部を支柱に固定する。

【００１４】また、支柱の径およびボルト間の距離が異
なる場合に支柱に対してブラケットを取り付けるときに
は、台座部の長孔がボルト間の距離の差異を許容してボ
ルトの挿通を可能となし、台座部が支柱を挟持するよう
に屈曲していることにより支柱の径の差異が許容されて
常に台座部が２点で支柱に当接し、支柱に対する台座部
の安定が維持される。したがって、径が異なる複数種類
の支柱に対してブラケットが汎用性を有することとな
り、ブラケットの在庫品種を削減することができる。

【００１５】

【実施例】以下に本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図１〜図３において、支柱21は円管で円筒状に
形成されており、支柱２１にはキャレッジ22に設けられ
たローラ23を案内するガイドレール24がブラケット25を
介して取り付けられている。

【００１６】ブラケット25は支柱21の外周面に当接する
台座部26と支柱21の半径方向に突出するレール支持部27
とが一体に形成されている。また、台座部26は支柱21を
挟持するように適当角度に屈曲させて形成されており、
台座部26は支柱21に周方向に適当間隔をあけて突設した
一対のボルト（スタツトボルト）28に架け渡して配置さ
れている。

【００１７】すなわち、ボルト28は支柱21の外面から溶
接により突設してあり、台座部26の両側部には、このボ
ルト28を挿通するための第１長孔29が支柱21の周方向に
長く形成されいる。

【００１８】前記台座部26は、第１長孔29にボルト28を
挿通させることで支柱21の外面上に配置されている。そ
して、台座部26はボルト28に螺合するナット30を締め付
けることによって支柱21に固定されている。また、レー
ル支持部27には第２長孔31が支柱21の半径方向に長く形
成されている。

【００１９】そして、ガイドレール24にはレール支持部
27を挿入するための溝部32が軸心方向に形成されてお
り、溝部32を形成する両側部33，34は一方の側部33が他
方の側部34よりも支柱21の半径方向において長く形成さ
れ、一方の側部33には適当位置に第３長孔35がガイドレ
ール24の軸心方向に長く形成されている。

【００２０】また、ガイドレール24は溝部32にレール支
持部27を挿入するとともに、第２長孔31と第３長孔35を
重ね合わせた状態においてブラケット25に装着されてお
り、ガイドレール24の第３長孔35およびレール支持部27
の第２長孔31を貫通して左右方向の締結ボルト36を挿入
し、締結ボルト36に螺合する締結ナット37を締め付ける
ことによってガイドレール24がブラケット25に固定され
ている。

【００２１】以下、上記構成における作用について説明
する。まず支柱21に対しては、その外面上の所定位置か
ら外方に向けて、溶接によりスタツトボルト28を突設さ
せる。この溶接は、溶接線を短くして強固に行われる。

【００２２】ブラケット25を支柱21に取り付けるときに
は、台座部26の第１長孔29にボルト28を挿通し、支柱21
の周側面上の２点で台座部26を支柱21に当接させ、ナッ
ト30の締め付けによって台座部26を支柱21に固定する。

【００２３】また、支柱２１の径およびボルト28間の距
離が異なる場合に支柱21に対してブラケット25を取り付
けるときには、台座部26の第１長孔29がボルト28間の距
離の差異を許容してボルト28の挿通を可能となす。

【００２４】また、台座部26が支柱21を挟持するように
屈曲していることによって支柱21の径の差異が許容さ
れ、常に台座部26が２点で支柱21に当接して支柱21に対
する台座部26の安定が維持される。

【００２５】したがって、径が異なる複数種類の支柱21
に対してブラケット25が汎用性を有することとなり、ブ
ラケット25の在庫品種を削減することができる。また、
溶接線の少ないボルト28の溶接のみによりブラケット25
を支柱21に取り付けているので、溶接したときに必要な
支柱21の歪み取り工程をなくすことができる。

【００２６】また、第２長孔31によって締結ボルト36の
支柱21の半径方向における位置調節が可能となり、第３
長孔35によって締結ボルト36に対するガイドレール24の
軸心方向における位置調整が可能となるので、キャレッ
ジ22のローラ23に対して最適の状態にガイドレール24を
配置することができる。

【００２７】

【発明の効果】上記構成の本発明によると、支柱の外面
に溶接によりボルトを突設し、支柱には雌螺子孔を形成
しないことから、支柱は板厚を薄くしながらも十分な強
度を確保することができ、かつこの強度はボルト径を問
わないものにできる。したがって、支柱の重量、すなわ
ち出し入れ装置全体の重量を軽くすることができる。

【００２８】また溶接によりボルトを突設する形式は、
ブラケツトを溶接する形式や雌螺子孔を形成する方式に
比べて、加工作業を短時間で行えて能率化を計ることが
でき、さらに、歪みが殆ど発生しないことから、歪み取
り作業不要にできるとともに美観の向上を計ることがで
きる。

【００２９】また支柱の径およびボルト間の距離が異な
る場合に、台座部の長孔がボルト間の距離の差異を許容
してボルトの挿通を可能となし、台座部が支柱を挟持す
るように屈曲していることにより、支柱の径の差異が許
容されて常に台座部が２点で支柱に当接し、支柱に対す
る台座部の安定が維持されるので、径が異なる複数種類
の支柱に対してブラケットを取り付けることができ、ブ
ラケットが汎用性を有することとなってブラケットの在
庫品種を削減することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す全体構成図である。

【図２】同図１のＡ−Ａ矢視断面図である。

【図３】同ブラケットとガイドレールの斜視図である。

【図４】従来の自動倉庫の全体正面図である。

【図５】同自動倉庫の全体側面図である。

【図６】同ガイドレールの取付構造を示す側面図であ
る。

【図７】同図６のＢ−Ｂ矢視断面図である。

【符号の説明】

21 支柱 22 キャレッジ 24 ガイドレール 25 ブラケット 26 台座部 27 レール支持部 28 ボルト 29 第１長孔 30 ナット 32 溝部 36 締結ボルト 37 締結ナツト

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】筒状の支柱にブラケットを介してガイドレ
   ールを取り付け、ガイドレールによってキャレッジを昇
   降案内する自動倉庫用出し入れ装置において、支柱に周
   方向に適当間隔をあけて一対のボルトを突設し、このボ
   ルトに架け渡して配置されるブラケットの台座部を、支
   柱を挟持するように適当角度に屈曲させて形成するとと
   もに、ブラケットの台座部に支柱の半径方向に突出する
   レール支持部を一体に形成し、台座部にボルトを挿通す
   るための長孔を支柱の周方向に長く形成し、ボルトに螺
   合するナットを締め付けて台座部を支柱に固定し、レー
   ル支持部にガイドレールを外嵌したのち、両者を左右方
   向の締結具を介して固定したことを特徴とする自動倉庫
   用出し入れ装置のガイドレール取付構造。