JP2503756B2 - 合成基質を用いた血液凝固活性測定用試薬及びそれを用いた測定法 - Google Patents

合成基質を用いた血液凝固活性測定用試薬及びそれを用いた測定法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、外因系血液凝固反応測定用試薬及びそれを
用いた外因系血液凝固反応の活性測定法に関する。本発
明の試薬を用いることにより、外因系血液凝固反応の活
性を汎用の測定機器を利用して簡便に測定することが可
能であり、医学的治療や臨床検査の分野において益する
ところ大なるものである。
〔従来の技術〕 血液凝固反応には血管外の組織中の凝固因子(組織ト
ロンボプラスチン)の関与する外因系の血液凝固反応
と、血漿中の凝固因子のみの反応からなる内因系の血液
凝固反応と2種類の反応系がある。
その一方の外因系の血液凝固反応は、血栓の予防治療
薬投与患者への投薬量、肝機能障害の診断などのモニタ
ーとして重要である。
その外因系の血液凝固反応系は、血液凝固第7、第1
0、第5、第2因子により構成される。通常血管内の血
液ではそれら凝固因子は不活性な状態にある。出血など
のため、血液が組織トロンボプラスチンと接触すること
により、まず第7因子が活性化され、その活性化された
第7因子が第10因子を活性化し、活性化された第10因子
は第5因子を補酵素とし、リン脂質相上で第2因子を活
性化する。活性化された第2因子は第1因子に働きか
け、反応後の第1因子はゲル化して血液を凝固させる。
以上の反応は、第7因子の活性化から第1因子のゲル化
まですべてカルシウムイオンの存在を必要とする。それ
ら諸因子のうち、不活性な第2因子はプロトロンビン、
活性化された第2因子はトロンビン、不活性な第1因子
はフィブリノーゲン、トロンビンの働きによって変化し
凝血性を得た第1因子はフィブリンという呼称を用いて
示されることが多い。
これまで外因系血液凝固反応は、一般的にいわゆる
「クイック試験」(A.J.Quick著、Am.J.Physiol.第118
巻、260ページ、1937年参照)及びその改良形、あるい
はその変形による方法で測定されてきた。
ここでいう「クイック試験」とはその要点をいえば、
動物組織から出力された組織トロンボプラスチンとカル
シウムイオンを含有する試薬液に血液・血漿を加えて動
物の体温およびその近くの温度でインキュベートし、そ
れにより起こる血液凝固反応の反応活性を試薬液と血漿
の混和からその混和物の凝固の確認されるまでの時間で
測定する試験法一般を指す。
上記の「クイック試験」の試薬には、スクリーニング
用に通常用いられるプロトロンビン時間測定試薬(PT試
薬)、ウシ吸着血漿を含み血漿凝固第2、第7、第10因
子の活性を測定するトロンボテスト、ヘパプラスチンテ
ストなどがあり、それらはいずれも基本的には血漿中の
フィブリノーゲンが、試薬に含まれる組織トロンボプラ
スチンの働きにより生成されたトロンビンによてフィブ
リン(繊維素)に転ずることによりなる凝固現象を利用
している。
上記の外因系血液凝固反応測定用試薬を用いる場合に
は、その測定において、凝固反応の目視確認に技能上の
熟練を要する、あるいは測定法にしたがったそれ独自の
測定機器を必要とし、しかもそれが大量測定に不向きで
あるという欠点を有する。
PT試薬については、パラニトロアニリドや5−アミノ
−2−ニトロ安息香酸あるいそれらの誘導体など発色性
の化合物を分解生成物とするペプチド性トロンビン基質
を用いて、トロンビンによる分解反応の結果解離された
それら分解生成物の吸光反応の測定をもってフィブリン
生成による凝固確認に代えるものもある。この方法によ
れば、試料血漿中のフィブリノーゲン濃度に測定値が依
存すること無く外因系血液凝固反応系の活性を測定で
き、機器を用いて測定を自動化することへの道も開け
る。
しかし、それら合成基質を用いた試薬についても、組
織トロンボプラスチンによる分解作用のため基質が試薬
の保存中に分解を受けている恐れがある。また、分解生
成物の吸光域が試料血漿や組織トロンボプラスチンの吸
光域と重複することから血漿の希釈を必要とするなど測
定上の困難と欠点が大きい。加えて、試料血漿と試薬液
の混和からトロンビンの働きが現れるまでの時間を計測
するというPT試薬の測定原理はそのままであるため、測
定法にしたがったそれ独自の測定機器を必要とし、それ
が大量測定に不向きであるという欠点は克服されていな
い。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、合成基質を用いて保存安定性が優れ
た、かつ汎用の機器による測定が可能な外因系血液凝固
反応測定用試薬及びそれを用いた測定法を提供すること
である。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは鋭意研究を重ね、トロンビン基質H−D
−フェニルアラニル−プロリル−アルギニル−3−カル
ボキシ−4−ヒドロキシアニリドが組織トロンボプラス
チンによる分解作用を受けにくいことを発見し、この知
見をもとにその基質を用いた外因系血液凝固反応測定用
試薬の開発を検討した結果、トロンボテストと良好の相
関性を有し、汎用の分光光度計及び臨床自動分析装置に
よる測定が可能な試薬をえられることを見出し本発明を
完成した。
すなわち本発明は、合成基質、組織トロンボプラスチ
ン及びカルシウム塩を主成分として含む外因系血液凝固
反応の測定用試薬において、合成基質にH−D−フェニ
ルアラニル−プロリル−アルギニル−3−カルボキシ−
4−ヒドロキシアニリドまたはその塩を用いることを特
徴とする外因系血液凝固反応測定用試薬である。
また本発明は、血漿試料を上記の外因系血液凝固反応
測定用試薬に加えてインキュベートし、血漿試料の血液
凝固反応系が該試料中の組織トロンブポラスチンによっ
て活性化されて生成するトロンビンと該試験中の合成基
質との酵素反応により生じる5−アミノサリチル酸を測
定して、血漿試料の外因系血液凝固反応の活性を測定す
ることを特徴とする外因系血液凝固反応活性の測定法で
ある。
本発明においては、合成基質としてH−D−フェニル
アラニル−プロリル−アルギニル−3−カルボキシ−4
−ヒドロキシアニリドまたはその塩を用いる。
この合成基質は下記式 で表わされ、トロンビン測定用基質として公知のもので
あり(特公平1−43559)、通常のペプチド合成法を利
用することによって合成できる。
合成基質の塩は、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、ギ酸塩、
酢酸塩、プロピオン酸塩など様々の水溶性の無機酸と有
機酸との塩を用いることが可能であるが、その中でも特
に2塩酸塩の形態を採るものを用いることが好ましい。
本発明の試薬中での合成基質の濃度は、0.1μM〜20m
Mの範囲で使用可能である。
用いられる組織トロンボプラスチンは、望む任意の源
から抽出されたものが使用可能であり、好ましくは一般
に用いられているウサギ、ウシ、サル、ヒトの脳、肺、
胎盤由来のものである。
一般に、組織トロンボプラスチンの量は少なすぎると
血液凝固反応を開始させることができず、大きすぎると
過剰量となってやはり反応阻害を引き起こす。
本発明の試薬における組織トロンボプラスチンの添加
量は、トロンゲン生成に要求される最小量からトロンビ
ン生成を抑制しない量まで変化できる。ウシ脳アセトン
パウダーから、その19倍重量の生理食塩水を用いて常法
により抽出された組織トロンボプラスチンの懸濁液にお
いては、その懸濁液が本発明の試薬中に0.6〜3.5%含ま
れることが好ましいことがわかったが、組織トロンボプ
ラスチンの試薬中の含有量は、前述の濃度からさらに広
く変化できる。
組織トロンボプラスチン及び合成基質と共存させるカ
ルシウム塩は、ハロゲン化塩、蟻酸塩、酢酸塩などすべ
ての易溶性塩が可能であるが、その中でも特に好ましい
のは塩化カルシウムである。
その濃度範囲は、1〜10mMが好ましい。
本発明の試薬のpHを安定させるために用いる緩衝剤
は、トリス、HEPES(N−(2−ヒドロキシエチル)−
ピペラジン−N′−2−エタンスルホン酸)、グリシル
グリシン、EPPS(4−(2−ヒドロキシエチル)−1−
ピペラジンプロパンスルホン酸)、イミダゾール、バル
ビタール酸などが使用可能である。
本発明の試薬のpHは7.3〜8.5、好ましくは7.8〜8.2に
設定され、その際の緩衝剤の濃度は、トリスの場合30mM
〜150mMが適当である。
本発明の試薬の性質を向上させるための補助的に加え
る調整用添加剤としては、合成基質の溶解性と検量線の
直線性向上のためにポリエチレングリコール、ポリビニ
ルピロリドンのような水和性の高分子加工物、その中で
もとくにポリエチレングリコール6000を添加することが
有効である。
その濃度は0.2〜15%、好ましくは1〜10%である。
このほか調整用添加剤として、イオン強度調節のため
に塩化ナトリウムを、本発明の試薬の保存性を向上させ
るためにヘマセルを、ヘパリン抑制剤としてプロタミン
塩またはアルドリッチ社よりポリブレン(polybren)の
名称で市販されるカチオン性ポリマーを、また本発明の
試薬を凍結乾燥品とするときには安定化剤としてデキス
トランを加えることも可能である。
このほか測定感度を向上させるため、反応加速剤とし
て動物血より分離精製した血液凝固第5因子を加えても
良い。
本発明の試薬を長期保存するには、凍結乾燥品とする
ことが好ましい。
本発明の試薬の形態は、合成基質と組織トロンブエプ
ラスチンを共存させるほうが保存上も測定上も取扱いに
便利であるが、このことは合成基質と組織トロンボプラ
スチンを別々にして、反応時に混合する試薬構成とする
ことを妨げるものではない。
本発明の試薬による外因系血液凝固反応の活性の測定
は通常次のように実施する。
ガラス以外の材質、好ましくは合成樹脂製の透明試験
管を用い、試料の血漿を本発明の測定用試薬に加えて素
早く撹拌し30〜40℃、好ましくは37℃で4〜6分インキ
ュベートする。この反応過程で血漿の血液凝固反応系が
活性化され、生成されたトロンビンにより合成基質が分
解されて5−アミノサリチル酸が解離される。次にその
反応液に停止呈色試薬を加えて上記の温度で呈色反応が
判定になるまでインキュベートし、分光光度計にて600
〜700nmで吸光度を測定する。この反応過程で解離され
た5−アミノサリチル酸が発色性物質に転化される。
尚、本発明においては、血漿の血液凝固反応系が活性
化されて生成するヒトロンビンと合成基質との酵素反応
の測定はエンドポイント法が通常採用される。
上記操作にしたがって市販の標準血漿とその生理食塩
水による希釈血漿について吸光度を求め、標準血漿のそ
れを外因系凝固反応活性100%とし、希釈血漿の活性は
希釈倍数の逆数のパーセンテージとして2点検量線を作
成する。
被検者検体の血漿の外因系凝固反応活性は、上記操作
にしたがって得た吸光度を上記検量線に当てはめて求め
る。
上記の呈色反応のための停止呈色試薬は、チモールあ
るいはペンタシアノアミンフェロエートを主成分とする
ものを用いることが好ましい。
チモールを主成分とする停止呈色試薬の試薬組成は以
下のようなものが可能である。
チモールの濃度は50〜200mMに設定しうる。
発色反応に必要な酸化剤としてチモールに共存させる
メタ過ヨウ素酸ナトリウムについては、5〜15mM添加す
ることが好ましい。
ペンタシアノアミンフェロエートを主成分とする停止
呈色試薬の試薬組成は以下のようなものが可能である。
ペンタシアノアミンフェロエートの濃度は0.5%〜2
%に設定しうる。この試薬には、SDSのような界面活性
剤、あるいはクエン酸塩のような安定化剤を加えること
も可能である。
停止呈色試薬のpHはいずれも11以上に設定するのが好
ましい。とくにペンタシアノンアミンフェロエートを用
いた試薬についてはそのpHを安定化させるために緩衝域
がpH10以上に及ぶ緩衝剤を添加することも可能である。
また、チモールを用いる試薬は、チモール溶液とメタ過
ヨウ素酸溶液の2液系とするのが好ましく、ペンタシア
ノアミンフェロエートを用いた試薬は、凍結乾燥品とし
て保存することが好ましい。
〔発明の効果〕
本発明の試薬及びそれを用いた測定法は以下の諸点の
長所を有する。
まず、用いられる合成基質は、H−D−フェニルアラ
ニル−L−ピペコリル−L−アルギニル−パラニトロア
ニリド・2塩酸塩(特開昭55−124071)など既知の合成
基質と比較したとき、組織トロンボプラスチンによる分
解作用を受けにくい。このため、本発明の試薬中で合成
基質と組織トロンボプラスチンとを共存させて保存する
ことが可能であり、このことが原因のブランクアップと
誤差の発生の心配がない。加えて、トロンビンに対する
反応性、基質特異性、水あるいは緩衝液に対する溶解性
も高い。
次に、本発明の測定法では、吸光度測定域が600〜700
nmと血漿の吸光域と異なるため血漿希釈の必要もない。
加えて、フィブリンの析出を確認するものではないの検
体として使用する血漿の量も少なくて済む。
更に、本発明では、凝固反応の活性化により生成する
トロンビンと合成基質との酵素反応の測定法としてはい
わゆるエンドポイント法が通常採用されるので、従来の
血液学的検査においていずれかは必要不可欠とされた検
査上の特殊技能の熟練と専用の特殊な機器の代わりに、
汎用の分光光度計あるいは自動分析装置を用いて通常の
生化学的検査と同様に大量の検体を高速で測定すること
が可能である。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、
本発明はこれによって限定されるものではない。
各実施例で吸光度を測定する際用いられる分光光度計
は、断りのない限り日立220A型分光光度計である。
また、これ以後合成基質や化合物が略号で表記された
ときその略号が指し示す物質は次のとおりである。
Phe=フェニルアラニン Pro=プロリン Arg=アルギニン Gly=グリシン Leu=ロイシン Pip=ピペコリン pNA=パラニトロアニリン CNA=3−カルボキシ−4−ニトロアニリン McNA=3−メトキシカルボニル−4−ニトロアニリン CHA=3−カルボキシ−4−ヒドロキシアニリン Tos=トルシ基 PEG=ポリエチレングリコール 実施例1 H−D−フェニルアラニル−プロリル−アルギニル−
3−カルボキシ−4−ヒドロキシアニリド2mMを以下の
組成の緩衝液(pH8.1)に溶解させた。
トリス 25mM 塩化ナトリウム 50mM 塩化カルシウム 5mM ポリブレン 0.25mg/ 上記の合成基質液を0.3ml採り、オルソ・ダイアグノ
スティク・システム社製の組織トロンボプラスチン製
剤、トロンボファックス0.1mlを混合し、37℃で1時間
インキュベートした。
インキュベート後、上記の反応液に2mlのペンタシア
ノアミンフェロエート停止呈色試薬液を加え、さらに10
分間37℃で呈色反応させ700nmでの吸光度を測定した。
次に同様の操作で、H−D−フェニルアラニル−プロ
リル−アルギニル−3−カルボキシ−4−ヒドロキシア
ニリド以外の合成基質について組織トロンボプラスチン
との反応を測定した。
合成基質を含まない緩衝液についてもやはり同様の操
作で測定し、それをブランクとして基質とトロンボプラ
スチンとの反応液で得た吸光度との差を求めた。
結果を第1表に示す。
ただし、実施例と比較例1〜3は2塩酸塩を用いた。
この結果から本発明の試薬において用いられるH−D
−フェニルアラニル−プロリル−アルギニル−3−カル
ボキシ−4−ヒドロキシアニリドは組織トロンボプラス
チンによる分解作用を被りにくいことが分かる。
実施例2 常法によりウサギ脳アセトンパウダーからその19倍量
の生理食塩水を用いて抽出した組織トロンボプラスチン
液を、 HEPES 25mM 塩化カルシウム 5mM 塩化ナトリウム 50mM からなる組成の緩衝液(pH8.1)に1.5%となるように加
えた。
これにさらに合成基質H−D−フェニルアラニル−プ
ロリル−アルギニル−3−カルボキシ−4−ヒドロキシ
アニリド(H−D−Phe−Pro−Arg−CHA)・2塩酸塩、
あるいはH−D−フェニルアラニル−ピペコリル−アル
ギニル−パラニトロアニリド(H−D−Phe−Pip−Arg
−pNA)・2塩酸塩を溶解し、それぞれについて37℃で
1日インキュベートして、組織トロンボプラスチンの基
質分解作用を比較した。
H−D−Phe−Pro−Arg−CHAは825μMとなるように
溶解し、その合成基質液1mlにペンタシアノアミンフェ
ロエート系の停止呈色試薬液を2ml加えて700nmで吸光度
を測定した。
H−D−Phe−Pip−Arg−pNAは50μMとなるように溶
解し、その合成基質液3mlを405nmで吸光度を測定した。
それぞれのブランクには、合成基質溶解直後インキュ
ベートをしないで測定したものを用いた。結果を以下の
第2表に示す。
基質濃度のはるかに大きなH−D−フェニルアラニル
−プロリル−アルギニル−3−カルボキシ−4−ヒドロ
キシアニリドのほうがH−D−フェニルアラニル−ピペ
コリル−アルギニル−パラニトロアニリドと比較したと
き吸光度の上昇が半分以下に小さい。この結果からも本
発明の試薬において用いられるH−D−フェニルアラニ
ル−プロリル−アルギニル−3−カルボキシ−4−ヒド
ロキシアニリドが組織トロンボプラチンによる分解作用
を被りにくい合成基質であることが示される。
実施例3 常法によりウシ脳アセントパウダーからその19倍重量
の生理食塩水を用いて、組織トロンボプラスチン抽出液
を調製した。
また、トロンビン生成反応促進剤として生化学工業株
式会社製ウシフィブリノーゲン結晶乾燥粉末をpH7.6の
バルビタール酸12.7mM緩衝液に1%となるように溶解し
それに、エタノールを溶液全体の8%となるように加え
てそのうわずみ液を得た。これは、ウシの血液凝固第5
因子を高濃度、かつ高純度に含有すると考えられるもの
である。
H−D−Pha−Pro−Arg−CHE 1.67mM 尿素 180 mM 塩化カルシウム 8 mM 塩化ナトリウム 0.19mM トリス 66.7 mM 組織トロンボプラスチン抽出液 3 % トロンビン生成反応促進剤 8.3 % という組成からなるpH8.1の試薬について、そのポリエ
チレングリコール6000濃度を0%、0.67%、3.33%、と
変化させて以下の測定条件で検量線を作成した。
市販の標準血漿ベリハイノーマルシトレート(ゼネラ
ル・ダイアグノスティック社製)を添付書記載の方法で
溶解し、無希釈のものと生理食塩水によって血漿濃度が
10%、30%、50%、60%、80%に希釈された試料、およ
びブランクに用いる生理食塩水を用意する。
上記の試薬300μを5分間37℃でインキュベート
し、その後これに試料血漿10μを加えて10分間インキ
ュベートする。つぎにペンタシアノアミンフェロエート
系の停止呈色試薬を3ml加えて10分間インキュベート
し、それを700nmで吸光度を測定した。
結果を第1図に示す。
ポリエチレングリコール6000をまったく含まないもの
に比べたときポリエチレングリコール6000を含むもの
は、検量線の直線性が高い事が明らかである。
実施例4 同一の患者血漿をオーレン社から販売されているトロ
ンボテストと、ウシ脳およびウサギ脳より抽出された組
織トロンボプラスチンを用いて調製した本発明の試薬で
その外因系血液凝固反応機構の活性を測定し、測定値間
の相関係数と回帰式を求めた。
トロンボテストによる測定では、添付書記載の方法で
試薬を調製、操作して血漿の血液凝固活性を求め、得ら
れた血漿凝固までの時間を添付された検量線に当てはめ
て活性値をパーセントで表示した。
この実施例における本発明の試薬の試薬組成は、 H−D−Phe−Pro−Arg−CHA 0.27mM 塩化カルシウム 6.7 mM PEG6000 4 % トリス 66.7 mM ヘマセル 0.27% 塩化ナトリウム 0.3 % でpHを8.1に設定したものに、組織トロンボプラスチン
とポリブレンを添加することからなる。
組織トロンボプラスチンがウシ脳由来のものは、その
試薬中の濃度を2.3%、ポリブレンの試薬中の濃度を2.6
ppmとした。
ウサギ脳由来のものは、その試薬中の濃度を1.15%、
ポリブレンの試薬中の濃度を6.6ppmとした。
上記の組成の試薬を用いて次の操作で試料の凝固活性
を求めた。
日立7050型自動分析装置を用いて、サンプルは無希釈
血漿3μ、R−1に上記試薬液375μ、R−2にチ
モール系停止呈色試薬液375μ、アッセイコードは最
終測光点においてエンドポイント法を指定し、660nmで
吸光度を測定した。検量線はベリハイノーマルシトレー
トの無希釈血漿と生理食塩水による20倍希釈血漿をそれ
ぞれ活性100%、5%として作成した。
その結果、トロンボテストによって得られた活性値を
x、本発明による試薬によって得られた活性値をyとし
たとき、ウシ脳由来の組織トロンボプラスチンを用いた
場合の相関性は、試料数51のとき、y=0.94x+0.29,r
=0.949、ウサギ脳由来の組織トロンボプラスチンを用
いた場合の相関性は、試料数50のとき、y=1.00x+2.3
4,r=0.965であった。
いずれも非常に良好な相関性を示す。
【図面の簡単な説明】
第1図はポリエチレングリコール6000添加の効果を示す
もので、標準血漿とその生理食塩水希釈系列を試料に用
いて作成した検量線である。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合成基質、組織トロンボプラスチン及びカ
    ルシウム塩を主成分として含む外因系血液凝固反応測定
    用試薬において、合成基質がH−D−フェニルアラニル
    −プロリル−アルギニル−3−カルボキシ−4−ヒドロ
    キシアニリドまたはその塩であることを特徴とする外因
    系血液凝固反応測定用試薬。
  2. 【請求項2】請求項1においてさらにポリエチレングリ
    コールを含む外因系血液凝固反応測定用試薬。
  3. 【請求項3】請求項2においてポリエチレングリコール
    を0.2〜15%の濃度で含む外因系血液凝固反応測定用試
    薬。
  4. 【請求項4】血漿試料を請求項1の外因系血液凝固反応
    測定用試薬に加えてインキュベートし、血漿試料の血液
    凝固反応系が該試薬中の組織トロンボプラスチンによっ
    て活性化されて生成するトロンビンと該試薬中の合成基
    質との酵素反応により生じる5−アミノサリチル酸を測
    定して、血漿試料の外因系血液凝固反応の活性を測定す
    ることを特徴とする外因系血液凝固反応活性の測定法。
  5. 【請求項5】請求項4においてエンドポピント法により
    酵素反応を測定する外因系血液凝固反応活性の測定法。
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