JP2503751Y2 - 自動分析装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、自動分析装置に係り、特に複数種の分析項
目のために一連の反応容器へ種々の試薬を次々と分注す
る自動分析装置に関する。

〔従来の技術〕

複数種の分析項目を分析する自動分析装置は従来から
知られている。例えば、特開昭54-5790号公報には、反
応ライン上を移送される反応容器の分析項目に応じて種
々の試薬をピペット装置によって次々と選択的に反応容
器に分注する分析装置が記載されている。また、特開昭
57-82769号公報には、各種の試薬びん内の試薬液残量を
液面センサを用いて測定する分析装置が記載されてい
る。特開昭56-155855号公報にも試薬分注技術が示され
ている。これらの従来技術では、特定の分析項目に使用
される特定試薬のびんは、試薬設置部に１つだけ準備さ
れる。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記従来技術は、他の分析項目に比べて測定依頼の多
い特定の分析項目を測定する点に配慮がされておらず、
試薬残量が一定量以下になった項目を測定するために
は、測定者が測定中又は装置停止時に試薬びんを新しい
ものに交換しなければならなかった。このため、測定者
の手を煩わすことや時間のロス等の問題があった。

本考案の目的は、他の分析項目よりも測定依頼の多い
特定の分析項目があっても、連続した分析操作の途中で
その項目に必要な試薬の不足を招かずに済む自動分析装
置を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、試薬ディスクによって試薬吸入位置に位置
づけられた試薬びんから試薬分注プローブ内に試薬を吸
入し、その吸入した試薬を対応する反応容器に加え、そ
の反応容器内の内容物を測光する自動分析装置におい
て、特定の分析項目用の同じ種類の特定試薬が入った少
なくとも第１と第２の試薬びんが配置された試薬ディス
ク上の複数の配置ポジションを設定しておき、かつ、こ
の複数の配置ポジション上の上記試薬びんの使用順序を
定めておく試薬登録部と、特定の分析項目のための試薬
分注時に試薬吸入位置に位置づけられていた第１の配置
ポジションの試薬びんを試薬量の減少により交換時期で
あることを判定する試薬交換判定部と、その判定に基づ
いて特定の分析項目のためのその後の試薬分注時に第１
の配置ポジションに代えて第２の配置ポジションを試薬
吸入位置に位置づける位置づけ装置を備えたことを特徴
とする。

〔作用〕

測定依頼の多い分析項目について複数の試薬ポジショ
ンを設定することによって、同じ種類の試薬を従来の試
薬量の複数倍使用可能とすることができる。ある項目に
ついて試薬ディスク上の最初に測定に用いる試薬ポジシ
ョンをａ、次に用いる試薬ポジションをｂとすると、試
薬ポジションａの試薬残量が、試薬交換判定部によりそ
の項目の測定に支障をきたす量であることが判定された
時、自動的に測定に用いる試薬ポジションをｂに変更し
て同じ分析項目の測定を続行する。これを最初に設定し
た試薬ポジション分繰り返すことができる。これによ
り、従来ある分析項目について処理できた検体数の複数
倍の処理が可能となる。

〔実施例〕

本考案の一実施例を第１図および第２図を参照して説
明する。

第１図は本考案の自動分析装置の一実施例の全体構成
を示す概略図である。第１図において、試料を入れた試
料カップ１は、試料ディスク２の上に複数個設置され
る。試料ディスク２は、各機構部の動作を制御するコン
ピュータ３によりインターフェース４を介して制御され
る。試料ディスク２は、試料分注プローブ５の下まで回
転移動し、試料分注プローブ５に連結された試料用ポン
プ６により、試料は反応容器７の中に所定量分注され
る。試料を分注された反応容器７は、恒温槽８に連絡さ
れた反応槽９の中を第１試薬添加位置まで移動する。反
応容器搬送体の間欠的回転によって反応容器７の列を搬
送する搬送装置上で第１試薬添加位置まで移動された反
応容器７には、試薬残量判別機能付試薬分注プローブ10
に連結された試薬用ポンプ11により、試薬ディスク12に
置かれて吸入位置に移動された試薬びん13からプローブ
10内に吸引された所定量の第１試薬が加えられる。試薬
残量判別機能は特開昭57-82769号公報に示されたものと
同様の試薬残量測定機を有しており、試薬残量が液面セ
ンサを兼ねたプローブ10と液面検知信号を処理するコン
ピュータ３によって演算される。

第１試薬添加後の反応容器７は、撹拌装置14の位置ま
で移動し、最初の撹拌が行われる。内容物が撹拌された
反応容器７は光源15から発した光束を通過し、この時光
度計16によって検出された光学的物理量の信号はアナロ
グ／デジタル（A/D）コンバータを経由し、インターフ
ェース４を介してコンピュータ３に入り、試料中の測定
対象項目の濃度に変換される。濃度変換されたデータ
は、インターフェース４を介してプリンタ17から印字出
力されるか、CRT画面18上に表示される。測定の終了し
た反応容器７は、洗浄機構19の位置まで移動し、容器洗
浄ポンプ20により内部の液を排出後、水で洗浄され次の
分析に供される。

次に、試薬ディスク12の動きについて詳細に説明す
る。第２図は、試薬ディスク12の測定時における説明図
である。ある分析項目Ａを測定する際の試薬びんに配置
ポジションをa,b,cの３箇所に設定し、これらの試薬び
んの使用順序をａ→ｂ→ｃとしてコンピュータ３に登録
しておき、分析項目Ａの測定には第２図（１）に示すよ
うに、まず配置ポジションａの試薬びんの試薬が分注に
用いられる。配置ポジションa,b,cの各試薬びん内の試
薬は分析項目Ａ用の同じ種類の試薬である。

試薬残量判別機能付試薬分注プローブ10により分注さ
れる試薬びん配置ポジションａの試薬が一定量以下であ
ると判定された時、項目Ａの測定は、自動的に試薬びん
配置ポジションｂの試薬で行うよう切りかわり、第２図
（２）に示すように、試薬ディスク12を項目Ａの分注時
にポジションｂを試薬吸入位置に位置づけ、試薬残量判
別機能付試薬分注プローブ10は、項目Ａを測定するため
に試薬びんポジションｂの試薬を分注する。すなわち、
第２図から明らかなようにプローブ10が位置づけられる
所定の試薬吸入位置に試薬ディスク12上のポジションｂ
の試薬びんが移送され停止される。分注プローブ10に付
された試薬残量判別機能は、コンピュータ３と共に試薬
交換判定部として働き、試薬ディスク12の駆動部とコン
ピュータが変更されたポジションへの位置づけ装置とし
て働く。同様に、試薬びんポジションｂの試薬が一定量
以下であると判定された時、項目Ａの測定は、自動的に
試薬びんポジションｃの試薬で行うよう切りかわり、第
２図（３）に示すように、試薬残量判別機能付試薬分注
プローブ10は、項目Ａを測定するために試薬びんポジシ
ョンｃの試薬を分注する。前述のように試薬びんポジシ
ョンa,b,cの試薬は同じ分析項目用の同じ種類の試薬で
あるから、試薬吸入位置に位置づけられる試薬びんのポ
ジションがａからｂへ、あるいはｂからｃへと変更にな
った時もキャリブレーションをする必要がなく、連続的
に項目Ａの測定ができる。

〔考案の効果〕 本考案によれば、他の分析項目よりも測定依頼の多い
特定の分析項目に使用される試薬の入った特定の試薬び
んを、試薬ディスク上に他の分析項目用の試薬びんと違
って複数個配置でき、特定の分析項目のために使用され
る特定の試薬が適正な分注に供し得ないほど減少した場
合に、同じ種類の特定試薬が入った新しい試薬びんを試
薬吸入位置に自動的に位置づけることができるので、測
定依頼数の多い特定分析項目があっても、連続した分析
操作の途中で試薬不足を生ずることを防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す概略図、第２図は第１
図の試薬ディスクの測定時における説明図である。 10……試薬残量判別機能付試薬分注プローブ、12……試
薬ディスク、13……試薬びん、a,b,c……試薬びん配置
ポジション。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】試薬ディスクの動作に伴い試薬吸入位置に
   位置づけられた試薬びんから試薬分注プローブ内に試薬
   を吸入し、その吸入した試薬を対応する反応容器に加
   え、その反応容器内の内容物を測光する自動分析装置に
   おいて、特定の分析項目用の同じ種類の特定試薬が入っ
   た少なくとも第１と第２の試薬びんが配置された上記試
   薬ディスク上の複数の配置ポジションを設定しておき、
   かつ、上記複数の配置ポジション上の上記試薬びんの使
   用順序を定めておく試薬登録部と、上記特定の分析項目
   のための試薬分注時に上記試薬吸入位置に位置づけられ
   ていた第１の配置ポジションの試薬びんが試薬量の減少
   により交換時期であることを判定する試薬交換判定部
   と、その判定に基づいて上記特定の分析項目のためのそ
   の後の試薬分注時に上記第１の配置ポジションに代えて
   第２の配置ポジションを上記試薬吸入位置に位置づける
   位置づけ装置を備えたことを特徴とする自動分析装置。