JP2503283Y2 - 中空糸膜モジュ―ル - Google Patents

中空糸膜モジュ―ル

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JP2503283Y2
JP2503283Y2 JP9260991U JP9260991U JP2503283Y2 JP 2503283 Y2 JP2503283 Y2 JP 2503283Y2 JP 9260991 U JP9260991 U JP 9260991U JP 9260991 U JP9260991 U JP 9260991U JP 2503283 Y2 JP2503283 Y2 JP 2503283Y2
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sealing
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fiber membrane
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和雄 三原
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、逆浸透、限外濾過、精
密濾過、パーベーパレーション(浸透気化)、ガス分離
や脱気などに使用できる中空糸膜モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術と考案が解決しようとする課題】逆浸透、
限外濾過などには、中空糸膜モジュールが汎用されてい
る。この中空糸膜モジュールは、通常、円筒状ケーシン
グ内に収容された多数の中空糸膜からなる束と、前記束
の両端部とケーシングの両端部との間を封止する封止部
と、ケーシングの両端部に装着される蓋体と、前記ケー
シングの端面と蓋体との間に設けられたパッキンとを備
えている。また、封止部はエポキシ樹脂などの封止剤で
形成され、封止部の端面において、中空糸膜の中空部は
開口している。このようなモジュールにおいては、一方
の蓋体の供給口から高圧で被処理流体が供給されるの
で、前記ケーシングの端面と蓋体との間をシールする必
要がある。
【0003】実開昭63−106446号公報には、封
止部の端面に環状パッキンを配し、環状パッキンの内径
と、蓋体の内周面に形成された環状溝の内径とを特定の
比率とする中空糸膜型の処理装置が開示されている。し
かし、この構造では、ケーシングと封止部との界面が剥
離すると、剥離部が前記環状パッキンの外方側に位置す
るので、前記環状パッキンではシールできなくなる。
【0004】また、特開昭63−302907号公報に
は、封止部の端面とケーシングのフランジとが面一に形
成され、前記封止部の端面と蓋体との対向面に第1のO
−リングが配されていると共に、ケーシングのフランジ
と蓋体のフランジとの対向面に第2のO−リングが配さ
れたモジュールが開示されている。このモジュールで
は、O−リングを二重に配しているため、ケーシングと
封止部との界面が剥離しても剥離界面からの液洩れを抑
制できる。しかし、前記2つのO−リングが同一面上に
配されているため、蓋体の一方の側をケーシングに対し
て挾圧すると、他方の側のO−リングによるシール性が
低下する。そのため、二重に配されたO−リングを全体
として平均的に挾圧するのが容易ではなく、二重のO−
リングによるシール性を高めることができない。
【0005】本出願人は、実開平3−32930号公報
において、スクリューキャップを用いた中空糸膜モジュ
ールを提案した。図7はスクリューキャツプ方式の中空
糸膜モジュールを示す断面図である。
【0006】このモジュールは、ステンレス製円筒状ケ
ーシング61内に中空糸膜62の束63が収容され、前
記ケーシング61の両端部に、接着剤により封止部64
a,64bが形成されている。前記ケーシング61の両
端部にはスクリューキャップ65a,65bが螺合され
る。
【0007】前記封止部64a,64bの端面とスクリ
ューキャップ65a,65bとの間には、第1のO−リ
ング66a,66bが配され、前記ケーシング61の両
端部外面とスクリューキャップ65a,65bとの間に
は、第2のO−リング67a,67bが配されている。
【0008】また、スクリューキャップ65a,65b
の螺合により、封止部64a,64bの回動ずれ及び中
心方向への位置ずれを防止するため、前記封止部64
a,64bが形成されるケーシング61の端部内面に
は、段差部68a,68bが形成されている。
【0009】このようなモジュールでは、スクリューキ
ャップ65a,65bをケーシング61の端部に螺合す
る際、段差部68a,68bにより、封止部64a,6
4bの回動位置ずれ及び中心方向への位置ずれを防止で
き、二重に配したO−リング66a,66b,67a,
67bにより高いシール性を確保できる。しかし、この
モジュールでは、スクリューキャップ65a,65bの
螺合により、O−リング66a,66b,67a,67
bに、周方向のみならず中心方向の力が作用し、O−リ
ング66a,66b,67a,67bが損傷し易い。特
に、封止部64a,64bの端面に位置するO−リング
66a,66bが回転しながら封止部64a,64bの
樹脂に押付けられるため、封止部64a,64bの端面
が損傷し易い。さらにフッ素系樹脂のような硬質のO−
リングを用いる場合には、損傷の程度が大きくなる。そ
のため、シール性を高めるには限度がある。
【0010】従って、本考案の目的は、O−リング及び
封止部の損傷を防止できると共に、O−リングを二重に
配しても容易かつ確実にシールできる中空糸膜モジュー
ルを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本考案者は鋭意検討の結果、蓋体に、ケーシングの
端部側面を覆う筒状部を形成し、蓋体をケーシングの軸
方向に移動させて前記ケーシングと蓋体とを挾圧すると
共に、O−リングを特定の位置に二重に配すると、O−
リング及び封止部の損傷を容易かつ確実に防止でき、シ
ール性が高まることを見いだし、本考案を完成した。
【0012】すなわち、本考案は、ケーシング内に収容
された中空糸膜の束と、この中空糸膜の中空部が少なく
とも一方の端面で開口した状態で、前記束の少なくとも
一方の端部とケーシングとの間を封止する封止部と、こ
の封止部側のケーシングに装着され、供給口又は流出口
が形成された蓋体と、前記封止部と蓋体との間に設けら
れた環状封止部材とを備えているモジュールであって、
前記蓋体が、前記ケーシングの端部側面を覆う筒状部を
有すると共に、前記封止部の端面と蓋体との間に第1の
環状封止部材が配され、前記ケーシングの外面と筒状部
の内面との間に第2の環状封止部材が配され、前記ケー
シングと蓋体とが挾圧手段により挾圧されている中空糸
膜モジュールを提供する。
【0013】
【作用】本考案のモジュールでは、前記蓋体を、前記ケ
ーシングに対して軸方向に移動させることにより、ケー
シングの端部側面を覆うことができ、第1及び第2の環
状封止部材に、周方向の捩れ力が作用するのを防止でき
る。すなわち、第1及び第2の環状封止部材が回転しな
がら封止部の端面に押圧されたり、第2の環状封止部材
が回転しながら挿入されることがない。
【0014】そして、前記ケーシングと蓋体とを挾圧手
段により挾圧すると、前記封止部の端面と蓋体との間に
配された第1の環状封止部材により、供給側の液が透過
側へ洩れるのを防止できる。前記ケーシングの外面と筒
状部の内面との間に配された第2の環状封止部材によ
り、ケーシングと封止部との界面が剥離しても、この剥
離部からケーシングの外への液洩れを防止できる。
【0015】
【実施例】以下に、添付図面を参照しつつ、本考案の実
施例をより詳細に説明する。
【0016】図1は本考案の一実施例である中空糸膜モ
ジュールの概略断面図である。
【0017】このモジュールは、円筒状のステンレス製
ケーシング1と、このケーシング1内に収容された中空
糸膜5の束6とを備えている。前記ケーシング1には、
中空糸膜5を透過した成分を流出させる流出口2,3が
形成されていると共に、両端部にはフランジ4a,4b
が形成されている。
【0018】前記中空糸膜5の中空部が両端面で開口し
た状態で、前記束6の両端部とケーシング1の両端部と
が、エポキシ樹脂などの封止剤により形成された封止部
7により接着封止されている。
【0019】前記ケーシング1の両端部には、供給口9
aが形成された蓋体8aと、流出口9bが形成された蓋
体8bが装着される。これらの蓋体8a,8bには、そ
れぞれ、前記ケーシング1の両端部の該周面を覆う筒状
部10a,10bが形成されている。そのため、蓋体8
a,8bはケーシング1の軸方向に平行に移動可能であ
る。また、筒状部10a,10bにはフランジ11a,
11bが形成されている。
【0020】また、前記封止部7の端面と、蓋体8a,
8bの内面との間には、第1の環状封止部材としての弾
性O−リング12が配され、前記ケーシング1の両端部
外面と、筒状部10a,10bの内面との間には、第2
の環状封止部材としての弾性O−リング13が配されて
いる。なお、蓋体8a,8bの内面と筒状部10a,1
0bの内面には、第1のO−リング12、第2のO−リ
ング13の位置ずれを防止するための環状溝14,15
が形成されている。
【0021】そして、前記ケーシング1のフランジ4
a,4bと蓋体8a,8bのフランジ11a,11b
は、挾圧手段としてのボルト・ナット12a,12bに
よりフランジ接合される。このフランジ接合により、前
記O−リング12,13を介して、前記ケーシング1と
蓋体8a,8bとが緊密に挾圧される。
【0022】このようなモジュールにより被処理流体の
分離は、通常、次のようにして行なわれる。一方の蓋体
8aの供給口9aから被処理流体を、必要に応じて加熱
し、高圧で供給し、前記中空糸膜5を透過しなかった成
分を、他方の蓋体8bの流出口9bから濃縮して流出さ
せる。また、中空糸膜5を透過した成分を、ケーシング
1の流出口2,3から流出させる。
【0023】このようなモジュールでは、ケーシング1
の軸方向に平行に蓋体8a,8bを移動させることによ
り、蓋体8a,8bの筒状部10a,10bで、ケーシ
ング1の両端部の側面を覆うことができる。そして、蓋
体8a,8bの装着及びフランジ接合の際、第1及び第
2のO−リング12,13には、周方向の回転力や捩れ
力が作用しない。そのため、第1及び第2のO−リング
12,13の損傷を防止できるだけでなく、硬質のO−
リングを用いても、封止部7の端面が損傷しない。
【0024】しかも、蓋体8aの供給口9aから被処理
流体を高圧で供給しても、第1のO−リング12によ
り、供給側の流体が、中空糸膜5の透過側へ洩れるのを
防止できる。また、ケーシング1と封止部7との界面が
剥離しても、第2のO−リング13により、中空糸膜5
を透過した成分が、剥離部を通じてケーシング1の外に
洩れるのを防止できる。従って、O−リング12,13
及び封止部7の損傷がないことと相まって、極めて高い
シール性を確保できる。
【0025】本考案において、ケーシングと蓋体とは、
挾圧手段により挾圧できればよく、前記挾圧手段の種類
は特に制限されない。図2は本考案の他の実施例である
中空糸膜モジュールを示す要部概略断面図である。な
お、前記図1に示すモジュールと同一の要素には同一の
符号を付して説明する(以下、同じ)。
【0026】図2に示すモジュールでは、フランジ接合
に代えて、袋ナットによりケーシングと蓋体とを挾圧し
接合している。すなわち、ケーシング21の外面には螺
合溝22が形成され、蓋体23の筒状部24の外周には
係止部としての段部25が形成されている。一方、袋ナ
ット26の内周面には、前記螺合溝22と螺合するネジ
部が形成されていると共に、袋ナット26には、前記筒
状部24の段部25と係止するフック部27が形成され
ている。
【0027】このような挾圧手段では、ケーシング21
の端部に蓋体23を装着した後、袋ナット26のフック
部27を蓋体23の段部25に係止させて、袋ナット2
6をケーシング21の螺合溝22に螺合することによ
り、ケーシング21と蓋体23とを接合できる。また、
袋ナット26の螺合に伴なって、蓋体23がケーシング
21の軸方向に移動すると共に、第1のO−リング12
は蓋体23により封止部7の端面に押圧され、第2のO
−リング13は、筒状部24によりケーシング21の端
部周面に押圧される。そのため、O−リング12,13
には回転力や捩れ力が殆ど作用せず、O−リング12,
13及び封止部7の端面が損傷しない。
【0028】しかも、図1に示すモジュールの効果に加
えて、第2のO−リング13だけでなく、袋ナット26
によっても、中空糸膜5を透過した成分が、ケーシング
1と封止部7との剥離部を通じてケーシング1の外に洩
れるのを防止できる。
【0029】なお、図2に示す実施例において、上記と
は逆に、ケーシングに、袋ナットと係止する係止部を形
成し、筒状部に、袋ナットと螺合する螺合溝を形成して
もよい。すなわち、ケーシング及び筒状部の一方の部材
の外面に袋ナットと係止する係止部が形成され、他方の
部材の外面に袋ナットと螺合する螺合溝が形成されてい
ればよい。また、係止部は、ケーシング及び筒状部のい
ずれか一方に、部分的に形成してもよい。
【0030】図3は本考案のさらに他の実施例である中
空糸膜モジュールの要部断面図、図4は、図3に示すモ
ジュールの側面図である。この例では、ケーシング及び
蓋体のフランジにテーパを形成し、このテーパを利用し
て蓋体をケーシングの軸方向へ移動させている。
【0031】すなわち、ケーシング31の端部にはフラ
ンジ32が形成され、蓋体33の筒状部34にはフラン
ジ35が形成されている。これらのフランジ32,35
の内外側面は末広がり状のテーパー面を構成する。すな
わち、ケーシング31に形成されたフランジ32のうち
内側の側面には、ケーシング31の径方向に対して基部
側が外方へ傾斜したテーパー面が形成されている。ま
た、筒状部34に形成されたフランジ35の外側の側面
には、上記とは反対方向に傾斜したテーパー面が形成さ
れている。
【0032】これらのフランジ32,35は、ヒンジ3
6により回動自在に連結された、半月状に湾曲した挾圧
部材37a,37bにより挾圧され接合される。すなわ
ち、各湾曲挾圧部材37a,37bの内面には、前記フ
ランジ32,35のテーパー面に対応した傾斜面を有す
る環状溝38が形成されている。この環状溝38の開口
部側の幅は、前記フランジ32,35の途中部のテーパ
ー面間の距離よりも小さい。各湾曲挾圧部材37a,3
7bの端部には、ボルト・ナット40により接合するた
めの接合部39a,39bが形成されている。
【0033】このようなモジュールでは、ケーシング3
1の端部に蓋体33を装着すると共に、湾曲挾圧部材3
7a,37bを装着し、ボルト・ナット40により接合
部39a,39bを締付けることにより、各フランジ3
2,35を接合できる。その際、各フランジ32,35
に形成されたテーパー面と湾曲挾圧部材37a,37b
の傾斜面により、蓋体33がケーシング31の軸方向に
移動すると共に、筒状部34はケーシング31の中心方
向に押圧される。そのため、第1及び第2のO−リング
12,13には、回転力が作用しないだけでなく、第1
のO−リング12は、軸方向に移動する蓋体33により
封止部7の端面に挾圧され、第2のO−リング13は、
筒状部34によりケーシング31の端部周面に挾圧され
る。従って、第1及び第2のO−リング12,13の損
傷を防止できると共に、封止部7の端面の損傷を防止で
き、高いシール性を確保できる。
【0034】なお、湾曲状挾圧部材の環状溝には、前記
傾斜面に限らず、フランジの末広がり状のテーパー面
を、ケーシングの軸方向及び径方向に押圧する押圧部、
例えば断面膨出状押圧部や断面湾曲凹状押圧部などが形
成されていればよい。前記環状溝38には、全周に亘っ
て前記傾斜面や押圧部が形成されている必要はなく、部
分的に、例えば等間隔に、前記傾斜面を有する凸部や押
圧部などが形成されていてもよい。
【0035】本考案において、ケーシングはステンレス
製に限らず、剛性で強靭な材料、例えば、他の金属、プ
ラスチック、ガラス、セラミックなどであってもよい。
また、ケーシングは中空であればよく、ケーシングとそ
の両端部の外形は多角形状であってもよい。
【0036】前記中空糸膜の種類は限定されない。中空
糸膜を構成するポリマーとしては、例えば、酢酸セルロ
ースなどのセルロース系ポリマー;ポリエチレン、エチ
レン−プロピレン共重合体、エチレン−アクリル酸エチ
ル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノ
マー、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合
体、ポリ−4−メチルペンテン−1などのオレフィン系
ポリマー;ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロト
リフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、テ
トラフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフル
オロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共
重合体などのフッ素含有ポリマー;ポリ塩化ビニル;ア
クリロニトリル系ポリマー;アクリル系ポリマー;シリ
コーン樹脂;ポリアミド;ポリイミド;ポリエーテルサ
ルホン;ポリサルホン;ポリフェニレンオキサイド;ポ
リフェニレンスルフィド;ポリアリレート;ポリエーテ
ルエーテルケトン;ポリエーテルイミド;ポリカーボネ
ート;ポリビニルアルコール系ポリマーなどが例示され
る。
【0037】さらに、中空糸膜の中空部は、少なくとも
一方の端面で開口していればよい。また、ケーシングは
少なくとも一方の端面が開口していればよい。図5は本
考案の他の実施例である中空糸膜モジュールを示す要部
概略断面図である。この例では、一方の端部だけが開口
したケーシング41内に、中空糸膜42の束43が収容
され、前記束43の一方の端部には封止部44が形成さ
れている。また、中空糸膜42の中空部は、前記封止部
44の接着剤により閉塞されている。
【0038】また、図6は本考案のさらに他の実施例で
ある中空糸膜モジュールを示す要部概略図である。この
例では、一方の端部だけが開口したケーシング51内に
は、中空糸膜52の束53の両端部を集束して収容され
ている。すなわち、中空糸膜52の束53が折曲げら
れ、各中空糸膜52の両端部はケーシング51の一方の
端部に位置する。中空糸膜52の束53の両端部は、前
記と同様に封止部(図示せず)で封止されており、中空
糸膜52の端面は開口している。
【0039】また、封止部はエポキシ樹脂に限らず、種
々の接着剤、好ましくは熱硬化性接着剤で形成できる。
【0040】蓋体の筒状部は、前記ケーシングの断面形
状に対応して、その端部の側面を覆うものであればよ
く、図2〜図4に示す構造の挾圧手段でケーシングと蓋
体とを挾圧して接合する場合には、可撓性を有していて
もよい。また、ケーシングの軸方向へ蓋体を容易に装着
するため、筒状部の内面とケーシングの外面には、ケー
シングの軸方向に延びる案内手段を形成してもよい。こ
の案内手段は、例えば、ケーシングの端部外面と筒状部
の内面とのいずれか一方の部材に形成された、軸方向に
延びる突条と、他方の部材に形成された案内溝などによ
り構成できる。
【0041】環状封止部材は、前記O−リングに限ら
ず、封止部の外形、ケーシングの外形に対応して、多角
形状であってもよい。また、蓋体をケーシングの軸方向
に移動させながら挾圧するため、封止部の端面が第1の
O−リングにより殆ど損傷しない。従って、従来の構造
のモジュールと異なり、軟質の環状封止部材だけでな
く、硬質の環状封止部材も使用できる。このことは、被
処理流体の種類に応じて、環状封止部材の材質を幅広く
選択できることを意味する。
【0042】なお、図1〜図6に示すモジュールにおい
て、ケーシングの流出口から被処理流体を供給し、蓋体
の供給口および流出口から中空糸膜を透過した成分を流
出させてもよい。被処理流体としては、液体、気体のい
ずれも使用できるが、好ましくは液体が使用される。
【0043】本考案の好ましい態様は次の通りである。
【0044】ケーシング及び筒状部にフランジが形成さ
れ、このフランジが挾圧手段により挾圧され接合されて
いる中空糸膜モジュール。
【0045】ケーシング及び筒状部の一方の部材の外面
に係止部が形成され、他方の部材の外面に螺合溝が形成
されていると共に、挾圧手段が、前記係止部と係合可能
であり、かつ前記螺合溝と螺合するリング状部材で構成
されている中空糸膜モジュール。
【0046】ケーシング及び筒状部に形成されたフラン
ジの内外側面に、末広がり状のテーパー面が形成され、
挾圧手段が、互いに回動自在に連結され、かつリング状
挾圧部材を構成する複数の挾圧部材と、前記挾圧部材を
締結する締結手段とで構成されていると共に、前記挾圧
部材の内面に、前記締結手段による締結に伴なって、ケ
ーシングの軸方向及び径方向に蓋体を押圧する、環状凹
部からなる押圧部が形成されている中空糸膜モジュー
ル。
【0047】前記挾圧部材の内面に、前記テーパー面に
対応する傾斜面を有し、かつ開口部側の幅がフランジの
途中部のテーパー面間の距離よりも小さな環状溝が形成
されている中空糸膜モジュール。
【0048】
【考案の効果】本考案の中空糸膜モジュールによれば、
挾圧手段によりケーシングと蓋体とを挾圧すると、蓋体
がケーシングの軸方向に移動し、第1の環状封止部材及
び第2の環状封止部材に回転力が作用しないので、環状
封止部材び封止部の損傷を防止できる。また、環状封止
部材を二重に配しても容易かつ確実にシールできる。
【0049】
【実験例】以下に、実験例に基づいて本考案をより詳細
に説明する。
【0050】図1に示す中空糸膜モジュールと、図7に
示す従来の中空糸膜モジュールとをそれぞれ10個組立
て、フッ素含有ポリマーからなる硬質のO−リングの損
傷度および封止部の損傷度を比較した。
【0051】その結果、図7に示すモジュールでは、封
止部64a,64bの端面とスクリューキャップ65
a,65bとの間に配される第1のO−リング66a,
66bが5個のうち1個の割合で損傷した。また、図7
に示すモジュールでは、封止部64a,64bのエポキ
シ樹脂が2個のうち1個の割合で損傷した。従って、図
7に示すモジュールでは、封止部64a,64bのエポ
キシ樹脂が損傷する毎に、エポキシ樹脂を盛って乾燥硬
化させ、さらに旋盤で切除する必要があった。これに対
して、図1のモジュールでは、封止部7の端面と蓋体8
a,8bとの間に配される第1のO−リング12および
封止部7の樹脂には一度も損傷が認められなかった。従
って、O−リング12として、硬質及び軟質のいずれの
O−リングも使用できた。
【0052】また、図7に示すモジュールでは、ケーシ
ング61の両端部外面とスクリューキャップ65a,6
5bとの間に配した第2のO−リング67a,67b
も、10個のうち1個の割合で損傷したが、図1に示す
モジュールでは、O−リング13に一度も損傷が認めら
れなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例である中空糸膜モジュールの
概略断面図である。
【図2】本考案の他の実施例である中空糸膜モジュール
を示す要部概略断面図である。
【図3】本考案のさらに他の実施例である中空糸膜モジ
ュールの要部断面図である。
【図4】図3に示すモジュールの側面図である。
【図5】本考案の他の実施例である中空糸膜モジュール
を示す要部概略断面図である。
【図6】本考案の更に他の実施例である中空糸膜モジュ
ールを示す要部概略図である。
【図7】従来のスクリューキャツプ方式の中空糸膜モジ
ュールを示す断面図である。
【符号の説明】
1,21,31,41,51…ケーシング 5,42,52…中空糸膜 6,43,53…束 4a,4b,32…フランジ 7,44…封止部 8a,8b,23,33…蓋体 10a,10b,24,34…筒状部 11a,11b,35…フランジ 12,13…O−リング 12a,12b,40…ボルト・ナット 26…袋ナット 37a,37b…湾曲挾圧部材

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシング内に収容された中空糸膜の束
    と、この中空糸膜の中空部が少なくとも一方の端面で開
    口した状態で、前記束の少なくとも一方の端部とケーシ
    ングとの間を封止する封止部と、この封止部側のケーシ
    ングに装着され、供給口又は流出口が形成された蓋体
    と、前記封止部と蓋体との間に設けられた環状封止部材
    とを備えているモジュールであって、前記蓋体が、前記
    ケーシングの端部側面を覆う筒状部を有すると共に、前
    記封止部の端面と蓋体との間に第1の環状封止部材が配
    され、前記ケーシングの外面と筒状部の内面との間に第
    2の環状封止部材が配され、前記ケーシングと蓋体とが
    挾圧手段により挾圧されている中空糸膜モジュール。
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