JPH0533831U - 中空糸膜モジユール - Google Patents
中空糸膜モジユールInfo
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- JPH0533831U JPH0533831U JP9260991U JP9260991U JPH0533831U JP H0533831 U JPH0533831 U JP H0533831U JP 9260991 U JP9260991 U JP 9260991U JP 9260991 U JP9260991 U JP 9260991U JP H0533831 U JPH0533831 U JP H0533831U
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 中空糸膜モジュールにおいて、O−リング及
び封止部の損傷を防止し、容易かつ確実にシールする。 【構成】 ケーシング1内に収容された中空糸膜5の束
6の両端部は、中空糸膜5の中空部が開口した状態で、
封止部7で封止されている。ケーシング1の両端部に
は、挾圧手段としてのボルト・ナット12a,12bに
より、筒状部10a,10bを有する蓋体8a,8bが
締結される。ボルト・ナット12a,12bの締結に伴
なって、蓋体8a,8bがケーシング1の軸方向に移動
する。それにより、前記封止部7の端面と蓋体8a,8
bとの間の第1のO−リング12、前記ケーシング1の
両端部外面と筒状部10a,10bの内面との間の第2
のO−リング13に、回転力が作用するのを防止する。
び封止部の損傷を防止し、容易かつ確実にシールする。 【構成】 ケーシング1内に収容された中空糸膜5の束
6の両端部は、中空糸膜5の中空部が開口した状態で、
封止部7で封止されている。ケーシング1の両端部に
は、挾圧手段としてのボルト・ナット12a,12bに
より、筒状部10a,10bを有する蓋体8a,8bが
締結される。ボルト・ナット12a,12bの締結に伴
なって、蓋体8a,8bがケーシング1の軸方向に移動
する。それにより、前記封止部7の端面と蓋体8a,8
bとの間の第1のO−リング12、前記ケーシング1の
両端部外面と筒状部10a,10bの内面との間の第2
のO−リング13に、回転力が作用するのを防止する。
Description
【0001】
本考案は、逆浸透、限外濾過、精密濾過、パーベーパレーション(浸透気化) 、ガス分離や脱気などに使用できる中空糸膜モジュールに関する。
【0002】
逆浸透、限外濾過などには、中空糸膜モジュールが汎用されている。この中空 糸膜モジュールは、通常、円筒状ケーシング内に収容された多数の中空糸膜から なる束と、前記束の両端部とケーシングの両端部との間を封止する封止部と、ケ ーシングの両端部に装着される蓋体と、前記ケーシングの端面と蓋体との間に設 けられたパッキンとを備えている。また、封止部はエポキシ樹脂などの封止剤で 形成され、封止部の端面において、中空糸膜の中空部は開口している。このよう なモジュールにおいては、一方の蓋体の供給口から高圧で被処理流体が供給され るので、前記ケーシングの端面と蓋体との間をシールする必要がある。
【0003】 実開昭63−106446号公報には、封止部の端面に環状パッキンを配し、 環状パッキンの内径と、蓋体の内周面に形成された環状溝の内径とを特定の比率 とする中空糸膜型の処理装置が開示されている。しかし、この構造では、ケーシ ングと封止部との界面が剥離すると、剥離部が前記環状パッキンの外方側に位置 するので、前記環状パッキンではシールできなくなる。
【0004】 また、特開昭63−302907号公報には、封止部の端面とケーシングのフ ランジとが面一に形成され、前記封止部の端面と蓋体との対向面に第1のO−リ ングが配されていると共に、ケーシングのフランジと蓋体のフランジとの対向面 に第2のO−リングが配されたモジュールが開示されている。このモジュールで は、O−リングを二重に配しているため、ケーシングと封止部との界面が剥離し ても剥離界面からの液洩れを抑制できる。しかし、前記2つのO−リングが同一 面上に配されているため、蓋体の一方の側をケーシングに対して挾圧すると、他 方の側のO−リングによるシール性が低下する。そのため、二重に配されたO− リングを全体として平均的に挾圧するのが容易ではなく、二重のO−リングによ るシール性を高めることができない。
【0005】 本出願人は、実開平3−32930号公報において、スクリューキャップを用 いた中空糸膜モジュールを提案した。図7はスクリューキャツプ方式の中空糸膜 モジュールを示す断面図である。
【0006】 このモジュールは、ステンレス製円筒状ケーシング61内に中空糸膜62の束 63が収容され、前記ケーシング61の両端部に、接着剤により封止部64a, 64bが形成されている。前記ケーシング61の両端部にはスクリューキャップ 65a,65bが螺合される。
【0007】 前記封止部64a,64bの端面とスクリューキャップ65a,65bとの間 には、第1のO−リング66a,66bが配され、前記ケーシング61の両端部 外面とスクリューキャップ65a,65bとの間には、第2のO−リング67a ,67bが配されている。
【0008】 また、スクリューキャップ65a,65bの螺合により、封止部64a,64 bの回動ずれ及び中心方向への位置ずれを防止するため、前記封止部64a,6 4bが形成されるケーシング61の端部内面には、段差部68a,68bが形成 されている。
【0009】 このようなモジュールでは、スクリューキャップ65a,65bをケーシング 61の端部に螺合する際、段差部68a,68bにより、封止部64a,64b の回動位置ずれ及び中心方向への位置ずれを防止でき、二重に配したO−リング 66a,66b,67a,67bにより高いシール性を確保できる。しかし、こ のモジュールでは、スクリューキャップ65a,65bの螺合により、O−リン グ66a,66b,67a,67bに、周方向のみならず中心方向の力が作用し 、O−リング66a,66b,67a,67bが損傷し易い。特に、封止部64 a,64bの端面に位置するO−リング66a,66bが回転しながら封止部6 4a,64bの樹脂に押付けられるため、封止部64a,64bの端面が損傷し 易い。さらにフッ素系樹脂のような硬質のO−リングを用いる場合には、損傷の 程度が大きくなる。そのため、シール性を高めるには限度がある。
【0010】 従って、本考案の目的は、O−リング及び封止部の損傷を防止できると共に、 O−リングを二重に配しても容易かつ確実にシールできる中空糸膜モジュールを 提供することにある。
【0011】
上記目的を達成するため、本考案者は鋭意検討の結果、蓋体に、ケーシングの 端部側面を覆う筒状部を形成し、蓋体をケーシングの軸方向に移動させて前記ケ ーシングと蓋体とを挾圧すると共に、O−リングを特定の位置に二重に配すると 、O−リング及び封止部の損傷を容易かつ確実に防止でき、シール性が高まるこ とを見いだし、本考案を完成した。
【0012】 すなわち、本考案は、ケーシング内に収容された中空糸膜の束と、この中空糸 膜の中空部が少なくとも一方の端面で開口した状態で、前記束の少なくとも一方 の端部とケーシングとの間を封止する封止部と、この封止部側のケーシングに装 着され、供給口又は流出口が形成された蓋体と、前記封止部と蓋体との間に設け られた環状封止部材とを備えているモジュールであって、前記蓋体が、前記ケー シングの端部側面を覆う筒状部を有すると共に、前記封止部の端面と蓋体との間 に第1の環状封止部材が配され、前記ケーシングの外面と筒状部の内面との間に 第2の環状封止部材が配され、前記ケーシングと蓋体とが挾圧手段により挾圧さ れている中空糸膜モジュールを提供する。
【0013】
本考案のモジュールでは、前記蓋体を、前記ケーシングに対して軸方向に移動 させることにより、ケーシングの端部側面を覆うことができ、第1及び第2の環 状封止部材に、周方向の捩れ力が作用するのを防止できる。すなわち、第1及び 第2の環状封止部材が回転しながら封止部の端面に押圧されたり、第2の環状封 止部材が回転しながら挿入されることがない。
【0014】 そして、前記ケーシングと蓋体とを挾圧手段により挾圧すると、前記封止部の 端面と蓋体との間に配された第1の環状封止部材により、供給側の液が透過側へ 洩れるのを防止できる。前記ケーシングの外面と筒状部の内面との間に配された 第2の環状封止部材により、ケーシングと封止部との界面が剥離しても、この剥 離部からケーシングの外への液洩れを防止できる。
【0015】
以下に、添付図面を参照しつつ、本考案の実施例をより詳細に説明する。
【0016】 図1は本考案の一実施例である中空糸膜モジュールの概略断面図である。
【0017】 このモジュールは、円筒状のステンレス製ケーシング1と、このケーシング1 内に収容された中空糸膜5の束6とを備えている。前記ケーシング1には、中空 糸膜5を透過した成分を流出させる流出口2,3が形成されていると共に、両端 部にはフランジ4a,4bが形成されている。
【0018】 前記中空糸膜5の中空部が両端面で開口した状態で、前記束6の両端部とケー シング1の両端部とが、エポキシ樹脂などの封止剤により形成された封止部7に より接着封止されている。
【0019】 前記ケーシング1の両端部には、供給口9aが形成された蓋体8aと、流出口 9bが形成された蓋体8bが装着される。これらの蓋体8a,8bには、それぞ れ、前記ケーシング1の両端部の該周面を覆う筒状部10a,10bが形成され ている。そのため、蓋体8a,8bはケーシング1の軸方向に平行に移動可能で ある。また、筒状部10a,10bにはフランジ11a,11bが形成されてい る。
【0020】 また、前記封止部7の端面と、蓋体8a,8bの内面との間には、第1の環状 封止部材としての弾性O−リング12が配され、前記ケーシング1の両端部外面 と、筒状部10a,10bの内面との間には、第2の環状封止部材としての弾性 O−リング13が配されている。なお、蓋体8a,8bの内面と筒状部10a, 10bの内面には、第1のO−リング12、第2のO−リング13の位置ずれを 防止するための環状溝14,15が形成されている。
【0021】 そして、前記ケーシング1のフランジ4a,4bと蓋体8a,8bのフランジ 11a,11bは、挾圧手段としてのボルト・ナット12a,12bによりフラ ンジ接合される。このフランジ接合により、前記O−リング12,13を介して 、前記ケーシング1と蓋体8a,8bとが緊密に挾圧される。
【0022】 このようなモジュールにより被処理流体の分離は、通常、次のようにして行な われる。一方の蓋体8aの供給口9aから被処理流体を、必要に応じて加熱し、 高圧で供給し、前記中空糸膜5を透過しなかった成分を、他方の蓋体8bの流出 口9bから濃縮して流出させる。また、中空糸膜5を透過した成分を、ケーシン グ1の流出口2,3から流出させる。
【0023】 このようなモジュールでは、ケーシング1の軸方向に平行に蓋体8a,8bを 移動させることにより、蓋体8a,8bの筒状部10a,10bで、ケーシング 1の両端部の側面を覆うことができる。そして、蓋体8a,8bの装着及びフラ ンジ接合の際、第1及び第2のO−リング12,13には、周方向の回転力や捩 れ力が作用しない。そのため、第1及び第2のO−リング12,13の損傷を防 止できるだけでなく、硬質のO−リングを用いても、封止部7の端面が損傷しな い。
【0024】 しかも、蓋体8aの供給口9aから被処理流体を高圧で供給しても、第1のO −リング12により、供給側の流体が、中空糸膜5の透過側へ洩れるのを防止で きる。また、ケーシング1と封止部7との界面が剥離しても、第2のO−リング 13により、中空糸膜5を透過した成分が、剥離部を通じてケーシング1の外に 洩れるのを防止できる。従って、O−リング12,13及び封止部7の損傷がな いことと相まって、極めて高いシール性を確保できる。
【0025】 本考案において、ケーシングと蓋体とは、挾圧手段により挾圧できればよく、 前記挾圧手段の種類は特に制限されない。図2は本考案の他の実施例である中空 糸膜モジュールを示す要部概略断面図である。なお、前記図1に示すモジュール と同一の要素には同一の符号を付して説明する(以下、同じ)。
【0026】 図2に示すモジュールでは、フランジ接合に代えて、袋ナットによりケーシン グと蓋体とを挾圧し接合している。すなわち、ケーシング21の外面には螺合溝 22が形成され、蓋体23の筒状部24の外周には係止部としての段部25が形 成されている。一方、袋ナット26の内周面には、前記螺合溝22と螺合するネ ジ部が形成されていると共に、袋ナット26には、前記筒状部24の段部25と 係止するフック部27が形成されている。
【0027】 このような挾圧手段では、ケーシング21の端部に蓋体23を装着した後、袋 ナット26のフック部27を蓋体23の段部25に係止させて、袋ナット26を ケーシング21の螺合溝22に螺合することにより、ケーシング21と蓋体23 とを接合できる。また、袋ナット26の螺合に伴なって、蓋体23がケーシング 21の軸方向に移動すると共に、第1のO−リング12は蓋体23により封止部 7の端面に押圧され、第2のO−リング13は、筒状部24によりケーシング2 1の端部周面に押圧される。そのため、O−リング12,13には回転力や捩れ 力が殆ど作用せず、O−リング12,13及び封止部7の端面が損傷しない。
【0028】 しかも、図1に示すモジュールの効果に加えて、第2のO−リング13だけで なく、袋ナット26によっても、中空糸膜5を透過した成分が、ケーシング1と 封止部7との剥離部を通じてケーシング1の外に洩れるのを防止できる。
【0029】 なお、図2に示す実施例において、上記とは逆に、ケーシングに、袋ナットと 係止する係止部を形成し、筒状部に、袋ナットと螺合する螺合溝を形成してもよ い。すなわち、ケーシング及び筒状部の一方の部材の外面に袋ナットと係止する 係止部が形成され、他方の部材の外面に袋ナットと螺合する螺合溝が形成されて いればよい。また、係止部は、ケーシング及び筒状部のいずれか一方に、部分的 に形成してもよい。
【0030】 図3は本考案のさらに他の実施例である中空糸膜モジュールの要部断面図、図 4は、図3に示すモジュールの側面図である。この例では、ケーシング及び蓋体 のフランジにテーパを形成し、このテーパを利用して蓋体をケーシングの軸方向 へ移動させている。
【0031】 すなわち、ケーシング31の端部にはフランジ32が形成され、蓋体33の筒 状部34にはフランジ35が形成されている。これらのフランジ32,35の内 外側面は末広がり状のテーパー面を構成する。すなわち、ケーシング31に形成 されたフランジ32のうち内側の側面には、ケーシング31の径方向に対して基 部側が外方へ傾斜したテーパー面が形成されている。また、筒状部34に形成さ れたフランジ35の外側の側面には、上記とは反対方向に傾斜したテーパー面が 形成されている。
【0032】 これらのフランジ32,35は、ヒンジ36により回動自在に連結された、半 月状に湾曲した挾圧部材37a,37bにより挾圧され接合される。すなわち、 各湾曲挾圧部材37a,37bの内面には、前記フランジ32,35のテーパー 面に対応した傾斜面を有する環状溝38が形成されている。この環状溝38の開 口部側の幅は、前記フランジ32,35の途中部のテーパー面間の距離よりも小 さい。各湾曲挾圧部材37a,37bの端部には、ボルト・ナット40により接 合するための接合部39a,39bが形成されている。
【0033】 このようなモジュールでは、ケーシング31の端部に蓋体33を装着すると共 に、湾曲挾圧部材37a,37bを装着し、ボルト・ナット40により接合部3 9a,39bを締付けることにより、各フランジ32,35を接合できる。その 際、各フランジ32,35に形成されたテーパー面と湾曲挾圧部材37a,37 bの傾斜面により、蓋体33がケーシング31の軸方向に移動すると共に、筒状 部34はケーシング31の中心方向に押圧される。そのため、第1及び第2のO −リング12,13には、回転力が作用しないだけでなく、第1のO−リング1 2は、軸方向に移動する蓋体33により封止部7の端面に挾圧され、第2のO− リング13は、筒状部34によりケーシング31の端部周面に挾圧される。従っ て、第1及び第2のO−リング12,13の損傷を防止できると共に、封止部7 の端面の損傷を防止でき、高いシール性を確保できる。
【0034】 なお、湾曲状挾圧部材の環状溝には、前記傾斜面に限らず、フランジの末広が り状のテーパー面を、ケーシングの軸方向及び径方向に押圧する押圧部、例えば 断面膨出状押圧部や断面湾曲凹状押圧部などが形成されていればよい。前記環状 溝38には、全周に亘って前記傾斜面や押圧部が形成されている必要はなく、部 分的に、例えば等間隔に、前記傾斜面を有する凸部や押圧部などが形成されてい てもよい。
【0035】 本考案において、ケーシングはステンレス製に限らず、剛性で強靭な材料、例 えば、他の金属、プラスチック、ガラス、セラミックなどであってもよい。また 、ケーシングは中空であればよく、ケーシングとその両端部の外形は多角形状で あってもよい。
【0036】 前記中空糸膜の種類は限定されない。中空糸膜を構成するポリマーとしては、 例えば、酢酸セルロースなどのセルロース系ポリマー;ポリエチレン、エチレン −プロピレン共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−酢酸 ビニル共重合体、アイオノマー、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合 体、ポリ−4−メチルペンテン−1などのオレフィン系ポリマー;ポリテトラフ ルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライ ド、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パ ーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体などのフッ素含有ポリマー;ポリ塩 化ビニル;アクリロニトリル系ポリマー;アクリル系ポリマー;シリコーン樹脂 ;ポリアミド;ポリイミド;ポリエーテルサルホン;ポリサルホン;ポリフェニ レンオキサイド;ポリフェニレンスルフィド;ポリアリレート;ポリエーテルエ ーテルケトン;ポリエーテルイミド;ポリカーボネート;ポリビニルアルコール 系ポリマーなどが例示される。
【0037】 さらに、中空糸膜の中空部は、少なくとも一方の端面で開口していればよい。 また、ケーシングは少なくとも一方の端面が開口していればよい。図5は本考案 の他の実施例である中空糸膜モジュールを示す要部概略断面図である。この例で は、一方の端部だけが開口したケーシング41内に、中空糸膜42の束43が収 容され、前記束43の一方の端部には封止部44が形成されている。また、中空 糸膜42の中空部は、前記封止部44の接着剤により閉塞されている。
【0038】 また、図6は本考案のさらに他の実施例である中空糸膜モジュールを示す要部 概略図である。この例では、一方の端部だけが開口したケーシング51内には、 中空糸膜52の束53の両端部を集束して収容されている。すなわち、中空糸膜 52の束53が折曲げられ、各中空糸膜52の両端部はケーシング51の一方の 端部に位置する。中空糸膜52の束53の両端部は、前記と同様に封止部(図示 せず)で封止されており、中空糸膜52の端面は開口している。
【0039】 また、封止部はエポキシ樹脂に限らず、種々の接着剤、好ましくは熱硬化性接 着剤で形成できる。
【0040】 蓋体の筒状部は、前記ケーシングの断面形状に対応して、その端部の側面を覆 うものであればよく、図2〜図4に示す構造の挾圧手段でケーシングと蓋体とを 挾圧して接合する場合には、可撓性を有していてもよい。また、ケーシングの軸 方向へ蓋体を容易に装着するため、筒状部の内面とケーシングの外面には、ケー シングの軸方向に延びる案内手段を形成してもよい。この案内手段は、例えば、 ケーシングの端部外面と筒状部の内面とのいずれか一方の部材に形成された、軸 方向に延びる突条と、他方の部材に形成された案内溝などにより構成できる。
【0041】 環状封止部材は、前記O−リングに限らず、封止部の外形、ケーシングの外形 に対応して、多角形状であってもよい。また、蓋体をケーシングの軸方向に移動 させながら挾圧するため、封止部の端面が第1のO−リングにより殆ど損傷しな い。従って、従来の構造のモジュールと異なり、軟質の環状封止部材だけでなく 、硬質の環状封止部材も使用できる。このことは、被処理流体の種類に応じて、 環状封止部材の材質を幅広く選択できることを意味する。
【0042】 なお、図1〜図6に示すモジュールにおいて、ケーシングの流出口から被処理 流体を供給し、蓋体の供給口および流出口から中空糸膜を透過した成分を流出さ せてもよい。被処理流体としては、液体、気体のいずれも使用できるが、好まし くは液体が使用される。
【0043】 本考案の好ましい態様は次の通りである。
【0044】 ケーシング及び筒状部にフランジが形成され、このフランジが挾圧手段により 挾圧され接合されている中空糸膜モジュール。
【0045】 ケーシング及び筒状部の一方の部材の外面に係止部が形成され、他方の部材の 外面に螺合溝が形成されていると共に、挾圧手段が、前記係止部と係合可能であ り、かつ前記螺合溝と螺合するリング状部材で構成されている中空糸膜モジュー ル。
【0046】 ケーシング及び筒状部に形成されたフランジの内外側面に、末広がり状のテー パー面が形成され、挾圧手段が、互いに回動自在に連結され、かつリング状挾圧 部材を構成する複数の挾圧部材と、前記挾圧部材を締結する締結手段とで構成さ れていると共に、前記挾圧部材の内面に、前記締結手段による締結に伴なって、 ケーシングの軸方向及び径方向に蓋体を押圧する、環状凹部からなる押圧部が形 成されている中空糸膜モジュール。
【0047】 前記挾圧部材の内面に、前記テーパー面に対応する傾斜面を有し、かつ開口部 側の幅がフランジの途中部のテーパー面間の距離よりも小さな環状溝が形成され ている中空糸膜モジュール。
【0048】
本考案の中空糸膜モジュールによれば、挾圧手段によりケーシングと蓋体とを 挾圧すると、蓋体がケーシングの軸方向に移動し、第1の環状封止部材及び第2 の環状封止部材に回転力が作用しないので、環状封止部材び封止部の損傷を防止 できる。また、環状封止部材を二重に配しても容易かつ確実にシールできる。
【0049】
以下に、実験例に基づいて本考案をより詳細に説明する。
【0050】 図1に示す中空糸膜モジュールと、図7に示す従来の中空糸膜モジュールとを それぞれ10個組立て、フッ素含有ポリマーからなる硬質のO−リングの損傷度 および封止部の損傷度を比較した。
【0051】 その結果、図7に示すモジュールでは、封止部64a,64bの端面とスクリ ューキャップ65a,65bとの間に配される第1のO−リング66a,66b が5個のうち1個の割合で損傷した。また、図7に示すモジュールでは、封止部 64a,64bのエポキシ樹脂が2個のうち1個の割合で損傷した。従って、図 7に示すモジュールでは、封止部64a,64bのエポキシ樹脂が損傷する毎に 、エポキシ樹脂を盛って乾燥硬化させ、さらに旋盤で切除する必要があった。こ れに対して、図1のモジュールでは、封止部7の端面と蓋体8a,8bとの間に 配される第1のO−リング12および封止部7の樹脂には一度も損傷が認められ なかった。従って、O−リング12として、硬質及び軟質のいずれのO−リング も使用できた。
【0052】 また、図7に示すモジュールでは、ケーシング61の両端部外面とスクリュー キャップ65a,65bとの間に配した第2のO−リング67a,67bも、1 0個のうち1個の割合で損傷したが、図1に示すモジュールでは、O−リング1 3に一度も損傷が認められなかった。
【図1】本考案の一実施例である中空糸膜モジュールの
概略断面図である。
概略断面図である。
【図2】本考案の他の実施例である中空糸膜モジュール
を示す要部概略断面図である。
を示す要部概略断面図である。
【図3】本考案のさらに他の実施例である中空糸膜モジ
ュールの要部断面図である。
ュールの要部断面図である。
【図4】図3に示すモジュールの側面図である。
【図5】本考案の他の実施例である中空糸膜モジュール
を示す要部概略断面図である。
を示す要部概略断面図である。
【図6】本考案の更に他の実施例である中空糸膜モジュ
ールを示す要部概略図である。
ールを示す要部概略図である。
【図7】従来のスクリューキャツプ方式の中空糸膜モジ
ュールを示す断面図である。
ュールを示す断面図である。
1,21,31,41,51…ケーシング 5,42,52…中空糸膜 6,43,53…束 4a,4b,32…フランジ 7,44…封止部 8a,8b,23,33…蓋体 10a,10b,24,34…筒状部 11a,11b,35…フランジ 12,13…O−リング 12a,12b,40…ボルト・ナット 26…袋ナット 37a,37b…湾曲挾圧部材
Claims (1)
- 【請求項1】 ケーシング内に収容された中空糸膜の束
と、この中空糸膜の中空部が少なくとも一方の端面で開
口した状態で、前記束の少なくとも一方の端部とケーシ
ングとの間を封止する封止部と、この封止部側のケーシ
ングに装着され、供給口又は流出口が形成された蓋体
と、前記封止部と蓋体との間に設けられた環状封止部材
とを備えているモジュールであって、前記蓋体が、前記
ケーシングの端部側面を覆う筒状部を有すると共に、前
記封止部の端面と蓋体との間に第1の環状封止部材が配
され、前記ケーシングの外面と筒状部の内面との間に第
2の環状封止部材が配され、前記ケーシングと蓋体とが
挾圧手段により挾圧されている中空糸膜モジュール。
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JP9260991U JP2503283Y2 (ja) | 1991-10-15 | 1991-10-15 | 中空糸膜モジュ―ル |
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1991
- 1991-10-15 JP JP9260991U patent/JP2503283Y2/ja not_active Expired - Lifetime
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