JP2502764B2 - デ―タ記憶装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、複数個のデータ記憶ディスクがハウジング
内に装架されて１つの共通の軸心周りで回転するように
なった、データ記憶装置に関する。

［従来の技術］ あるよく知られた型式のデイスク駆動装置では、垂直
軸で回転するハブ上に同心的に相互に離間して水平に設
置された複数個のデイスク上に磁気データが記憶され
る。デイスクの一方の記録面がサーボ又は位置出しデー
タに割当てられ、他方の記録面が作業データに割当てら
れる。キヤリジが複数個の変換ヘツドを支持する。キヤ
リジは可動であり、そしてその動きによつてヘツドをデ
イスクの半径方向に選択的に位置出しする。そのキヤリ
ジの動きとデイスクの回転との組合せによつて、各ヘツ
ドをそれぞれの記録面上の任意の所要の場合に選択的に
位置出しすることができる。キヤリジの動きが線状運動
と回転運動とのいずれであつてもよい。いずれの場合で
あつても、音声コイルモータが備えられてキヤリジの動
きと位置とを制御する。

アクチユエータは普通、デイスク駆動デツキ又はハウ
ジングに直接取付けられる剛性の部材である。キヤリジ
／アクチユエータとハウジングは、高速で且つ方向が頻
繁に反転するキヤリジの動きを、スピンドルの回転、空
気の撹乱等によつて振動を受ける。このような振動は特
に共振周波数であつた場合駆動装置に様々な問題を惹起
する。例えば、トラツク探索モードからトラツク追従モ
ードへ切換わるとき、ある特定の周波数（例えば約500
ヘルツ）は共振状態を作り、データ誤り又は設定遅延を
起させることがある。より高い約２キロヘルツの周波数
では、共振が生ずると、サーボデータヘッドに対する作
業データヘッドの機械的不整合が生じ、データ誤りを生
じさせてしまう。デイスク駆動装置のメーカーは不断
に、駆動装置を向上させるためデイスク上の選択された
データトラツクに対するヘツドのアクセスタイムを小さ
くするようにしているから、望ましくない振動の作用を
無くすことは緊急な課題なのである。

デイスク駆動装置を通して伝達される振動のエネルギ
ーを減少させる１つのよく知られている手段は弾性材料
を使つて振動エネルギーを吸収することである。例えば
米国特許第4,216,505号（グラント）は、テープ駆動装
置内の変換ヘツドの振動を緩衝する手段を開示する。具
体的には、変換ヘツドシールドと金属本体との間に粘弾
性ポリマ層を取付け、金属本体を押圧して変換ヘツドに
摩擦係合させる。本体と変換ヘツドとの間の相対変位が
振動を緩衝するといわれている。

米国特許第4,703,470号（カスタガ）はデイスク駆動
装置の望ましくない振動と共振を消散させる動的緩衝装
置を記載する。この装置では振動のエネルギーに対抗す
るための粘弾性リンク要素が緩衝器のベースと緩衝器の
本体との間に設けられる。緩衝器のベースは、例えば音
声コイルの下のベース又はハウジング上あるいはキヤリ
ジ上でデイスク駆動装置に直接取付けられる。デイスク
駆動装置に特に関連する用例ではないが、米国特許第4,
657,361号（エイテル等）は、光学装置の鏡の振動を阻
止する技術に関するものであり、ここにおいては、鏡と
これを支持する比較的質量のある装架プレートとの間、
鏡の後方へ延出するカラーとこれを取囲む装架リングと
の間、及びカラーの後面と裏当てプレートとの間に粘弾
性緩衝材料を装架することを開示している。装架プレー
トを鏡に装架するボルトにベンビル座金又はバネ座金が
備えられてプレートと鏡との間の粘弾性層に圧縮荷重を
加える。

［発明が解決しようとする課題］ デイスク駆動装置に関しては、アクチユエータとハウ
ジングとの間に緩衝テープ又は粘弾性ポリマの層を備え
ることによつて振動による問題を、少なくても短期間の
内は、実質的に解消できることが知られている。しかし
時間が経つと、比較的質量のあるアクチユエータの重さ
又はボルトのトルクによつて、圧縮可能な粘弾性材料は
クリープ型の変形、すなわち、回復しない変形を受ける
（圧縮力に長時間さらされていると、弾性的な回復力は
次第に減少していき、ついには、圧縮力を取り去っても
弾性的に元に戻らない性質が、粘弾性材料にはある）。
この変形の別の望ましくない結果は、アクチユエータを
ハウジングに固定するネジが、最初は所要のトルクで締
付けていても、次第に緩んできて多変換ヘツドを傾け、
そして最終的に累積する高さの誤差を生じることであ
る。この点に関しては先述の低周波における問題は一層
大きくなる。固定ネジと共にベルビル座金を使用するこ
とはエラストマ層に対する一定の力を維持するのに相当
程度まで有効であることが知られている。この有効性に
も拘らず、ベルビル座金を使用した場合望ましくないク
リープ又は変形が生じる。エラストマの不均等な変形は
アクチユエータとキヤリジを少しく傾けさせ、この結果
トラツク追従誤りを生じさせる。

そこで本発明の目的は、アクチユエータとキヤリジと
の位置の一体性を損なうことなく、実質的な振動の吸収
と消散を行うことができる、デイスク駆動装置に対する
キヤリジ及びアクチユエータ組立体の装架装置を有する
データ記憶装置を提供することである。

本発明の他の目的は、弾性層の長期間使用の変形を避
けるような方式を以つて弾性層を介してデイスク駆動装
置アクチユエータをデイスク駆動装置ハウジングに装架
するようにしたデータ記憶装置を提供することである。

本発明の更に他の目的は、デイスク駆動装置ハウジン
グに対するアクチユエータの垂直方向変位を実質的に阻
止するが、アクチユエータとハウジングとの間のエラス
トマ層に剪断応力を生じ、この結果変化をもたらすよう
なある制限された水平方向変位を許す如き、デイスク駆
動装置ハウジングに対するアクチユエータの装架装置を
有するデータ記憶装置を提供することである。

［課題を解決するための手段］ 本発明は、データ記憶装置において、 実質的に剛性のハウジングであって、ほぼ平らな第１
界面を有し、そして複数個のデータ記憶ディスクが該ハ
ウジング内に装架されて１つの共通の軸心周りで回転す
るようになっている、前記ハウジングと、 該ハウジング内のキャリッジ組立体であって、キャリ
ッジ、このキャリッジから前記ディスクの方へ延出する
複数個のヘッド支持アーム、及び複数個のデータ変換ヘ
ッドを含み、これらヘッドがそれぞれに対応する１つの
前記ディスクに近接して配置され、且つ対応する１つの
前記アームに支持され、前記キャリッジが前記ハウジン
グに対して可動であって前記ディスクに対して前記ヘッ
ドを動かすようになった、前記キャリッジ組立体と、 前記ハウジング内の実質的に剛性のアクチュエータで
あって、前記キャリッジを制御可能に動かすことにより
前記ディスクに対する前記交換ヘッドの制御可能な可変
位置決めを行わせることができるようになっており、ま
たほぼ平らな第２界面を形成する装置を備えている、前
記アクチュエータと、 複数個の実質的に剛性のスペーサ部材であって、前記
アクチュエータと前記ハウジングとの間に配置され且つ
前記第１界面及び前記第２界面に対してほぼ垂直な長手
方向に延びていて、前記第１界面と前記第２界面とが相
互に選択された距離だけ前記長手方向に離間して平行し
て対向するようにさせて前記アクチュエータの位置を前
記ハウジングに対して保持するようにされ、前記ハウジ
ングに対して前記アクチュエータが前記長手方向に動く
のを実質的に阻止するが、前記ハウジングに対する前記
アクチュエータの、前記第１界面及び前記第２界面に平
行な方向の或る制限された変位を許容するに充分な可撓
性を有している、前記スペーサ部材と、 前記アクチュエータと前記ハウジングとの間にあって
前記第１界面と前記第２界面とに接合する弾性緩衝層で
あって、前記或る制限された変位に応答して剪断ひずみ
を受けるようになった、前記弾性緩衝層と、 を備えることを特徴とする。

外ネジ条を付けられた複数個の締め具が、スペーサ部
材の内ネジ条付き開口に挿入されて、スペーサ部材を整
合面に面係合させる。スペーサ部材の好適な形状は、ア
クチユエータ整合面に対し位置出しするため長手方向又
は上方向へ突出する直円筒である。

必要であれば、応力集中を無くし、又各スペーサ部材
の長さを効果的に増大させるために、各スペーサ部材の
基部でハウジングに環状の切込みを付けてもよい。その
結果スペーサ部材は垂直方向には実質的に剛性である
が、ハウジングに対するスペーサ部材の限定された水平
方向変位を許容するに充分な可撓性を備えるようにす
る。

好適には、実質的に平らで均等な厚さの緩衝プレート
がアクチユエータの底部に取外し可能に取付けられる。
この場合その緩衝プレートの底面が第２界面を形成す
る。この方式によれば弾性層をアクチユエータに対して
直接設置する必要がなくなり、従つて、弾性層を動かし
たり損傷したりすることなく、例えば修理のために時々
アクチユエータを駆動装置の他の部分から容易に取外せ
るようになる。

好適な弾性層はハウジングに対するアクチユエータの
横方向変位により剪断変形する粘弾性ポリマである。剪
断変形はひずみを大きくし、この結果エネルギーを効果
的に消散させ、従つて緩衝をより効果的に行う。

スペーサ部材は協働して、ハウジングに対するアクチ
ユエータの垂直方向位置を積極的に決定する。それらス
ペーサ部材は実質的にアクチユエータの全重量を支える
ので、エストラマ層がアクチユエータ及びキヤリジ組立
体によつて過大に圧縮されるのを防ぐ。更にスペーサ部
材の長さはエストラマ層の厚さが幾分より大きくなるよ
うに選択でき、従つてエストラマ層の垂直方向の圧縮の
量を制御できる。エストラマ層が剪断変形により振動を
緩衝する能力を保持するための好適な圧縮量は僅少で、
例えば５％から７％程度である。スペーサ部材はその構
造及びアクチユエータとの間の直接的な金属対金属界面
によつてアクチユエータ及びキヤリジ組立体のどんな傾
斜も防止する。こうしてキヤリジとアクチユエータの位
置の一体性は保たれ、しかもなおキヤリジの動きで生じ
る振動エネルギーは実質的に緩衝される。

本発明の上述の又その他の特徴と長所は添付図面と関
連して以下に続ける実施例の記述によつて更に容易に理
解されよう。

［実施例］ 第１図に示されるように、磁気デイスク駆動装置16は
これの剛性の鋳造アルミニウムのデツキ又はハウジング
24内にあつて複数個のデイスク18,20,22上の磁気データ
の記憶と検索を行う。それらデイスク18,20,22はその磁
気記録面を水平に置くようにして、相互に離間して同心
的に重ねられた状態に装架される。それらデイスクは更
に１つの中心ハブ26に固定され、従つてこのハブ26がモ
ータ28によつて垂直駆動軸心30周りで回転駆動される
と、デイスクはそのハブと一緒に回転する。

ハウジング24内には又、実質的に剛性のキヤリジ32を
含むキヤリジ／アクチユエータ組立体が収納される。変
換ヘツド支持アーム34,36,38が相互に整合してキヤリジ
32から水平方向に延出する。アーム34がキヤリジ32と反
対側の自由端部にサスペンシヨン42を介して変換ヘツド
40を支持する。そのサスペンシヨンは当該技術で周知の
撓み及びジンバル装備を含むことができる。アーム36は
同様にサスペンシヨン44と変換ヘツド46を支持し、そし
てアーム38はサスペンシヨン48と変換ヘツド50を支持す
る。各アームはそれぞれ変換ヘツドをそれぞれのデイス
ク18,20,22のデータ記録面に対向させるように支持す
る。変換ヘツドはそれぞれの記録面に接触してもよい。
あるいは又、そしてこの型式の駆動装置では典型的に、
各デイスクの回転がそのデイスクと変換ヘツドとの間に
薄い空気層を作り、これによつてヘツドが記録面から僅
かに離れて懸架される。

アクチユエータ又は音声コイル52がハウジング内に装
架されてキヤリジ32の動きを制御し、これによつてデイ
スクに対する変換ヘツドの位置を制御する。より特定し
ていうと、アクチユエータ52はハウジング24に対し固定
装架される剛性の部材である。アクチユエータ52に対し
て回転できるように枢架されたキヤリジ32の垂直軸54が
垂直軸心56周りでキヤリジをアクチユエータとハウジン
グに対して回転できるようにする。キヤリジ32を駆動
し、選択的に位置出しするため、アクチユエータ52はワ
イヤコイル又は巻線を備え、これに電流が通されると周
知のようにしてキヤリジに装架のコイル58を動かす。

ここに記述した回転式キヤリジは当該技術で周知のも
のであることを留意すべきである。変化形として、線状
に作動されるキヤリジ組立体も本発明の装架装置におい
て使用できる。いずれの場合にしろキヤリジは、変換ヘ
ツドをデイスクの一般的に半径方向に選択的に位置出し
するように動く。即ち、キヤリジ32は動いて、デイスク
の回転との組合せにより、変換ヘツドをそれぞれの記録
面上のある選択された又は所要の場所に選択的に位置出
しすることができる。

変換ヘツド40と50はそれぞれの記録面上の作業データ
の読取りと記録を行う。これに対して変換ヘツド46は、
デイスク20上に記録されたサーボデータに従つてヘツド
40と50との指定された一方のヘツドの位置出しに用いら
れるサーボ又は位置出し変換器である。１つの特定のデ
イスク又は記録面と位置出し情報に割当て、その１つの
位置出し情報面を多数のデータ記録面と関連して用いる
技術は周知である。又、図示しないが、デイスクはしば
しばその上面だけでなく下面にもデータを記録される。
この場合、アーム34,36,38はそれぞれ１個の変換ヘツド
でなく２個の変換ヘツドを支持する。

第２図はハウジング又はデツキ24を示す。この図面で
はハウジングを明瞭に示すため駆動装置の他の成分は取
外されている。ハウジング24は、床又はベース60及び４
つの直立する壁、即ち前壁62、後壁64、そして２つの側
壁66と68を備える。ハウジングの前部分にデイスク及び
モータ28を取付けるための大きな円形の開口70がベース
60を貫通して備えられる。デツキ24の後部分でベースを
貫通する四角形の凹部72がアクチユエータ52の直下の個
所に備えられる。ベース60は凹部72の両側に設けられる
２つの平らで水平なランデイング74と76を備える。スペ
ーサ部材を構成する、２つの円柱形ポスト、すなわち柱
78と80がベース60と一体に形成され、ランデイング74よ
り上方のある地点まで上方へ突出する。同様に凹部72の
反対側のランデイング76から円筒形ポスト82が上方へ突
出する。それらポストの水平な頂端面84,86,88は共に、
ランデイング74と76の平面から上方へ離間した１つの水
平な平面を画成する。

第３図に見られるように、アクチユエータ52はこれの
両側部に、それぞれにランデイング74と76の形状に全体
的に対応する形状をもつたフランジ部分90と92を備え
る。これら側部フランジ部分90と92はアクチユエータの
他の部分と一体に形成される比較的質量の大きい剛性の
部分である。アクチユエータ52に対応してキヤリジ32が
矢印94で示されるように円弧状に動き、ヘツド40,46,50
をそれぞれのデイスクの半径方向に位置出しする。

フランジ部分90と92はランデイング74と76上に直接着
座せず、２つのそれぞれのスペーサプレート上に装架し
て着座するようにされる。第４図に示されるスペーサプ
レート96はランデイング74に対応し、そしてそのランデ
イング74上への挿入を容易にするため全体的に三角形の
形状を有する。プレート96はハウジング24と同じくアル
ミニウムその他の金属で作られ、そしてポスト78に嵌合
するノツチ98を形成されている。後述のようにアクチユ
エータのフランジ部分90にプレート96を締結するため３
つの小さな内ネジ付き開口102,104,106を備える。

スペーサプレート96は第５図に示される弾性ポリマの
緩衝層108を介してランデイング74上に装架される。層1
08は好適には、プレート96に対応する形状をもつた粘弾
性ポリマの薄いフイルム又はウエブとされ、そしてノツ
チ110と開口112を備える。緩衝層108のための好適な材
料としては、3Mカンパニー（ミネソタ州、セントポー
ル）から商品名スコツチダンプとして発売されているSJ
2015（Type110粘弾性ポリマがある。層108は厚さ0.38mm
（0.015インチ）であるが、この厚さは用例に応じて変
えられよう。層108は、これがプレート96の底面とラン
デイング74の上面との間に取付けられたときそれら両面
に接着できるよう、両面が「粘着性」又は感圧性をもつ
たテープである。

第２図に見られるように、ランデイング76に対しても
これに装架される相応のプレート114と緩衝層116が備え
られる。

第６図はアクチユエータ52、特にそのフランジ部分90
がハウジング24に対して装架される様態を示す。ネジ山
付きの締め具118,120,122がプレート96をアクチユエー
タ52のフランジ部分90の底部に対して一体に固定する。
ネジ山付きの締め具118,120,122の装着は、ネジ126,128
が締め付けられた後になされる。すなわち、層108上に
プレート96を置き、アクチュエータ52をネジ126,128を
締め付けることによって取り付ける。次に、ネジ付きの
締め具118,120,122を締め付けるのである。こうしてプ
レート96の底面124はアクチユエータの一体部分とな
る。

ネジ126と128がアクチユエータのフランジ部分90をハ
ウジングのベース又はデツキ60に対して一体に固定す
る。より詳細にいうと、フランジ部分90の底面130がポ
スト78と80の頂端面84と86に対して当てられる。そこで
それらポストがデツキ60の残余部より上方へ突出する高
さが、アクチユエータ底部とデツキとの間の間隔を決定
する。更にそれらポストは、プレート96の厚さ（垂直方
向寸法）と協働して、プレート96の水平底面124とラン
デイング74との間の垂直方向間隔を決定する。駆動装置
の反対側のポスト82が同様にアクチユエータのフランジ
部分92に固定され、そしてポスト78,80と協働して、ハ
ウジング、特にその床又はベースに対するアクチユエー
タの垂直方向位置を固定することは理解されよう。

そのようにしてプレート底面124とランデイング74と
は平行な対向した界面を提供し、そしてこれら界面間の
スペースはそれら両界面に接続する粘弾性ポリマ層108
によつて占有される。層108が面124とランデイング74の
両方に確実に接触するようにするため、層108の称呼厚
さ即ち無応力状態の厚さは上記両界面間の垂直方向距離
を超えるように選ぶのが好適である。特定の実施例にお
いて、その厚さは0.38mm（0.015インチ）、そして界面
間垂直方向距離は0.36mm（0.014インチ）とするのが好
適であることが知られている。

更に、緩衝層であるポリマ層108の厚さは次の２つの
相反する条件に従って選択される。第１に、その厚さは
前述したような圧縮を収容するのに十分な厚さであっ
て、圧縮量はポリマ層108がほとんど応力を受けないよ
うなわずかなものとすべきである。例えば、上記実施例
の場合には約６％程度圧縮されているに過ぎない。然
し、第２に、ポリマ層108が振動エネルギを吸収する能
力は、水平方向の剪断力によるひずみの量が大となるほ
ど向上される。床又はベース60に対してアクチュエータ
52が所定量だけ水平方向に変位してポリマ層108に剪断
力が加えられた場合、ポリマ層108の厚さが厚いと、生
ずるひずみ成分は小さくなって、振動エネルギを十分に
吸収し得ない。

かように、ポリマ層108の厚さに関して相反する要請
を勘案して、意図する用途に対応して、ポリマ層108の
厚さを適切に決定しなければならない。

柱又はポスト78,80,82も同様に特定の用例に合わせて
設計される。特にそれら円筒形ポストの高さと直径と
は、アクチユエータとハウジングの共振周波数に対して
中間又は不協和である共振周波数を作るように選択され
る。例えば本発明の実施例においてそれら両者の共振は
約500Hz、1KHz、及び2KHzにおいて生じる。従つてポス
ト78,80,82は約800Hzの共振周波数を作るような寸法
（高さ約12.7mm（1/2インチ）、直径約9.53mm（3/8イン
チ））にされる。

132と134で示されるように、ポスト78と80の基部にお
いて床60に環状切込みが形成される。これら切込み132,
134の丸味を付けられた面はポスト基部における応力集
中を防ぐ。更にそれら切込みは後述するような理由でポ
ストの長さを増大するために役立つ。

実際において、アクチユエータ／キヤリジ組立体のデ
ツキ60への組立ては先ずプレート96の底面124にポリマ
層108を着けることから始められる。ポリマ層116が同様
にプレート114に固定される。次いでプレート96と114
が、その層108と116をハウジングのランデイング74と76
にそれぞれ接着させることによって、それらランデイン
グに固定される。必要であれば、緩衝層108,116を着け
る前に、プレート96,114とランデイング74,76にプライ
マ（primer）を着けてもよい。それからアクチユエータ
が駆動装置内に置かれ、そしてネジ山付きの締め具126,
128とフランジ部分90を取り付けるためのネジ付きの締
め具（図示せず）がベース60内に締結され、各頂端面8
4,86,88をアクチユエータの水平底面に対して固定す
る。この底面は整合面として働いてアクチユエータをデ
ツキに対する正確な垂直位置に位置決めする。この締結
段階は又、プレート96,114の下面をランデイング76,74
より上方の所要の0.36mm（0.014インチ）の位置に位置
決めする。この位置はポリマ層108,116を少しく圧縮し
て両界面にぴつたり接触させる。それら層の接着を確実
に行わせるため加熱硬化が用いられる。

デイスク駆動装置が使用されるとき、キヤリジ32が回
されるとキヤリジはその運動成分によつてアクチユエー
タ52を振動させる。これによつてアクチユエータ52は、
ポスト78,80,82の形状、具体的にはポストの長さが直径
より大きいという形状のために、ベース60に対し僅かに
一時的に水平方向に変位する。上記のようなポストの形
状は、ポストが金属製であること及びポストが内ネジ開
口を備えてネジ山付きの締め具を受けることと相俟つ
て、そのアクチユエータの結合部を、垂直方向には剛性
であるが、水平方向には僅かに撓曲するようなものにす
る。プレート96とデツキ60との両界面にぴつたり接着す
る粘弾性層108はその水平方向変位の結果剪断ひずみを
受ける。その層108の剪断ひずみ又同様に層116の剪断ひ
ずみが振動エネルギーを実質的に消散させ、従つて約50
0Hzと2000Hzにおいて共振する振動の振幅を小さくする
のである。こうして本発明によれば、アクチユエータ／
キヤリジ組立体は垂直方向には固定状態に装架される
が、しかもなお振動エネルギーを実質的に消散させて探
索誤りとデータ誤りを無くし、この結果より迅速なデー
タアクセスタイムを得ることができるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるデイスク駆動装置の概略側立面
図、 第２図は第１図のデイスク駆動装置のハウジングの詳細
斜視図、 第３図は第１図のデイスク駆動装置のキヤリジ／アクチ
ユエータ組立体の頂面図、 第４図は本発明のキヤリジ／アクチユエータ組立体の装
架に使用される緩衝プレートの斜視図、 第５図は第４図の緩衝プレートに対応する緩衝層の平面
図、 第６図はアクチユエータと緩衝プレートとハウジングと
の組立様態を示す断面立面図である。 16…デイスク駆動装置、18,20,22…デイスク、24…ハウ
ジング、32…キヤリジ、40,46,50…変換ヘツド、52…ア
クチユエータ、60…ベース、74,76…ランデイング、78,
80,82…ポスト、90,92…フランジ、96,114…スペーサプ
レート、108,116…緩衝層、132,134…切込み。

Claims (10)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】データ記憶装置において、 実質的に剛性のハウジングであって、ほぼ平らな第１界
   面を有し、そして複数個のデータ記憶ディスクが該ハウ
   ジング内に装架されて１つの共通の軸心周りで回転する
   ようになっている、前記ハウジングと、 該ハウジング内のキャリッジ組立体であって、キャリッ
   ジ、このキャリッジから前記ディスクの方へ延出する複
   数個のヘッド支持アーム、及び複数個のデータ変換ヘッ
   ドを含み、これらヘッドがそれぞれに対応する１つの前
   記ディスクに近接して配置され、且つ対応する１つの前
   記アームに支持され、前記キャリッジが前記ハウジング
   に対して可動であって前記ディスクに対して前記ヘッド
   を動かすようになった、前記キャリッジ組立体と、 前記ハウジング内の実質的に剛性のアクチュエータであ
   って、前記キャリッジを制御可能に動かすことにより前
   記ディスクに対する前記変換ヘッドの制御可能な可変位
   置決めを行わせることができるようになっており、また
   ほぼ平らな第２界面を形成する装置を備えている、前記
   アクチュエータと、 複数個の実質的に剛性のスペーサ部材であって、前記ア
   クチュエータと前記ハウジングとの間に配置され且つ前
   記第１界面及び前記第２界面に対してほぼ垂直な長手方
   向に延びていて、前記第１界面と前記第２界面とが相互
   に選択された距離だけ前記長手方向に離間して平行して
   対向するようにさせて前記アクチュエータの位置を前記
   ハウジングに対して保持するようにされ、前記ハウジン
   グに対して前記アクチュエータが前記長手方向に動くの
   を実質的に阻止するが、前記ハウジングに対する前記ア
   クチュエータの、前記第１界面及び前記第２界面に平行
   な方向の或る制限された変位を許容するに充分な可撓性
   を有している、前記スペーサ部材と、 前記アクチュエータと前記ハウジングとの間にあって前
   記第１界面と前記第２界面とに接合する弾性緩衝層であ
   って、前記或る制限された変位に応答して剪断ひずみを
   受けるようになった、前記弾性緩衝層と、 を備えるデータ記憶装置。
2. 【請求項２】複数個の外ネジ付きの締め具を含み、これ
   ら締め具の１つは前記スペーサ部材のそれぞれと協働し
   て前記アクチュエータと一体に前記スペーサ部材を装架
   するようになっており、これらスペーサ部材は前記締め
   具を受けるための内ネジを有している、請求項１記載の
   データ記憶装置。
3. 【請求項３】前記長手方向が垂直であり、そして前記第
   １界面及び前記第２界面が平らで且つ水平に配置され
   る、請求項２記載のデータ記憶装置。
4. 【請求項４】各前記スペーサ部材が垂直方向に向いた円
   柱を含み、この円柱の長さがその直径より大きい、請求
   項３記載のデータ記憶装置。
5. 【請求項５】前記円柱の各々の基部周囲で前記ハウジン
   グに円形の切込みを形成する装置を含む、請求項４記載
   のデータ記憶装置。
6. 【請求項６】前記第２界面を形成する装置は、前記アク
   チュエータと前記ハウジングとの間に設置された実質的
   に剛性でほぼ均等な厚さのプレートを含み、更に、この
   プレートを前記アクチュエータに一体に且つ取り外し可
   能に固定する装置を含む、請求項１記載のデータ記憶装
   置。
7. 【請求項７】前記弾性緩衝層が前記長手方向にわずかに
   弾性的に圧縮された状態に維持される、請求項１記載の
   データ記憶装置。
8. 【請求項８】前記弾性緩衝層が、前記ハウジングに対す
   る前記アクチュエータの制限された変位によって変形さ
   れる粘弾性ポリマによって基本的に構成されている、請
   求項１記載のデータ記憶装置。
9. 【請求項９】前記弾性緩衝層は前記第１界面及び前記第
   ２界面に付着されている、請求項１記載のデータ記憶装
   置。
10. 【請求項１０】前記円柱は金属で構成され、その高さと
    直径とは、各該円柱が前記アクチュエータ及び前記ハウ
    ジングの共振周波数においては共振しない共振周波数を
    有するように、選択されている、請求項４記載のデータ
    記憶装置。