JP2502235B2 - 内質に優れた極厚鋼板の圧延法 - Google Patents

内質に優れた極厚鋼板の圧延法

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JP2502235B2
JP2502235B2 JP260592A JP260592A JP2502235B2 JP 2502235 B2 JP2502235 B2 JP 2502235B2 JP 260592 A JP260592 A JP 260592A JP 260592 A JP260592 A JP 260592A JP 2502235 B2 JP2502235 B2 JP 2502235B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内質に優れた極厚鋼板
の圧延に関するものであって、特にスラブのセンターポ
ロシティーを効率よく圧延せしめて内質を改善すること
を目的とする。
【0002】
【従来の技術】内質に優れた極厚鋼板の圧延法について
は、従来種々の方法が提案されている。中でもポロシテ
ィー圧着の観点から、連続鋳造工程あるいは圧延工程で
スラブに部分的に差厚を形成せしめ、継続する圧延パス
における実質的圧延面積(圧延幅)を小さくすることに
よって大圧下圧延を実現する方法がいくつか提案されて
いる。例えば、特開昭57−127504では、被圧延
材幅方向の中央部に凸部を形成せしめ、90゜回転後長
手方向に大圧下圧延を行う方法が開示されている。この
方法では、鋼板の幅方向中央部については内質の改善が
可能であるが、連続鋳造スラブを用いた極厚鋼板の製造
においては、スラブ幅方向中央部のみならず、スラブ幅
方向端面近傍においても内質が問題となることから、ス
ラブ幅方向全面にわたっての内質の改善は望めない。ま
た、特開昭55−106601では、連続鋳造機後面に
段付ロール圧延機とフラットロール圧延機を連続して配
設し、段付ロールでスラブ全幅の40〜60%のスラブ
幅中央部を強圧下し、続いてフラットロールにより残り
の領域を強圧下する方法が開示されている。この方法で
はスラブ全幅にわたっての大圧下圧延は可能となるもの
の、2台の圧延機を設置する必要があり、経済性に劣
る。
【0003】
【従来技術の課題】上記のような従来技術においては、
スラブ幅方向全体にわたる内質改善のための大圧下圧延
が不可能であるか、可能であっても、過大な投資を要す
る等の問題があり、経済的かつ有効な内質改善技術とは
言い難い。
【0004】本発明は、上記従来技術の実情に鑑みてな
されたもので、既存の圧延設備を活用し、有効かつ経済
的な内質に優れた極厚鋼板の圧延法を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは以下の通りである。
【0006】内質に優れた極厚鋼板の圧延法において、
幅出し圧延時にスラブ幅方向の一部の領域を圧下したの
ち、90゜回転してスラブ長手方向に圧延を施し、さら
に90゜回転させて前記幅出し圧延を行った残りの領域
を圧下したのち、90゜回転してスラブ長手方向に圧延
を施すことを特徴とする内質に優れた極厚鋼板の圧延
法。
【0007】
【作用】以下、本発明の具体的な内容を説明する。
【0008】内質に優れた極厚鋼板の圧延において、幅
出し圧延過程のいづれかのパス時に、まずスラブ幅方向
の一部の領域を圧下する。スラブを水平方向に90゜回
転した後、引き続いてスラブ長手方向に圧延を実施す
る。さらにスラブを水平方向に90゜回転した後、幅方
向反対側についても最初に幅出し圧延を行った残りの領
域を圧下する。再度スラブを水平方向に90゜回転した
後、引き続いてスラブ長手方向に圧延を実施する。特
に、スラブ幅方向の1/2の領域を圧下した場合が、引
き続いて行う2度の長手方向圧延時の実質圧延幅を小さ
くすることになるため、圧延機の能力を最大限に生か
し、スラブのセンターポロシティを効率良く圧延するの
に最も有効的な方法である。以下に、この例を図面を参
照しながら説明する。
【0009】図1は本発明における圧延方法を示す。
【0010】幅出し圧延過程のいづれかのパス時に、ま
ずスラブ幅方向の1/2の領域を圧下する(図1a−
1)。ここで、W1 =W/2(図1a−2)。スラブを
水平方向に90゜回転した後(図1b−1)、引き続い
てスラブ長手方向に圧延を実施する(図1b−2)。さ
らにスラブを水平方向に90゜回転した後、幅方向反対
側についても最初に幅出し圧延を行った残りの領域を圧
下する(図1c−1)。ここで、W2 =W/2(図1c
−2)。再度スラブを水平方向に90゜回転した後(図
1d−1)、引き続いてスラブ長手方向に圧延を実施す
る(図1d−2)。以上のスラブ幅方向並びに長手方向
の圧延の組み合わせにより、結果としてスラブ全幅にわ
たる大圧下圧延が可能となる。すなわち、幅方向の圧延
によりスラブ断面に差厚を生じせしめ、90゜回転後、
引き続いて行う長手方向圧延時の実質圧延幅を小さくす
ることにより、未圧延部の大圧下圧延を行う。しかるの
ち、幅方向反対側についても同様の圧延を施すことによ
り、結果としてスラブ全幅にわたる大圧下圧延を可能と
するものである。ここで、スラブ幅方向の圧延に関して
は、スラブ全幅にわたる大圧下圧延を可能とするために
1 +W2 ≦Wとする必要がある。また、差厚を形成さ
せる方法としては、W1 またはW2 まで圧下した時点で
ロールの回転を逆転させる方法やロールギャップを上昇
させる方法などが考えられる。必要に応じて幅方向の圧
延を繰り返し行ってもよい。
【0011】なお、幅方向圧延時の圧下量並びにそれに
引き続く長手方向圧延時の圧下量は、ポロシティー圧着
のためには極力大きくすることが好ましいが、その量は
スラブサイズ、圧延温度、鋼種、圧延機の能力等によっ
て決定されるべきものである。
【0012】また、本発明は、内質確保の困難な極厚鋼
板の製造に適用されるものであるが、その効果は特に板
厚80mm以上の鋼板を製造する場合に有効である。
【0013】
【実施例】表1に、厚み300×幅2200×長さ37
00(mm)の連続鋳造スラブから板厚100×幅260
0(mm)の鋼板を製造する際、幅出し完了厚200mmの
条件下で粗圧延を実施した際の従来圧延法と本発明法の
パススケジュールの比較を示す。
【0014】
【表1】
【0015】従来圧延法では、圧延機の制約上、圧下量
を制限せざるをえず、その結果として、最大圧下量が2
0mmとなっている。これに対して、本発明法による幅方
向逆転圧延を施した場合、90゜回転後、引き続いて行
う長手方向圧延時の実質圧延幅を小さくすることによ
り、未逆転圧延部の大圧下圧延が可能となり、結果とし
て、34mmの圧下量が可能となる(パスNO4)。同様
に、幅方向反対側についても、本発明法による幅方向逆
転圧延を施した場合、90゜回転後、引き続いて行う長
手方向圧延時の実質圧延幅を小さくすることにより、未
逆転圧延部の大圧下圧延が可能となり、結果として、3
4mmの圧下量が可能となる(パスNO7)。2回の大圧
下圧延により、スラブ全幅にわたる大圧下圧延が可能と
なった。
【0016】
【効果】本発明により、既存の圧延設備を活用して、ス
ラブ幅方向全体にわたる内質改善のために大圧下圧延が
可能となった。この結果、内質に優れた極厚鋼板を有効
かつ経済的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における圧延方法を示す図面である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内質に優れた極厚鋼板の圧延法におい
    て、幅出し圧延時にスラブ幅方向の一部の領域を圧下し
    た後、90゜回転してスラブ長手方向に圧延を施し、さ
    らに90゜回転させて前記幅出し圧延を行った残りの領
    域を圧下した後、90゜回転してスラブ長手方向に圧延
    を施すことを特徴とする内質に優れた極厚鋼板の圧延
    法。
JP260592A 1992-01-10 1992-01-10 内質に優れた極厚鋼板の圧延法 Expired - Fee Related JP2502235B2 (ja)

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