JP2502071C - - Google Patents

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JP2502071C
JP2502071C JP2502071C JP 2502071 C JP2502071 C JP 2502071C JP 2502071 C JP2502071 C JP 2502071C
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三井石油化学工業株式会社
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、オレフィンの重合方法に関する。詳細にはアルミノオキサンの使用
量を減少させても優れた重合活性でオレフィンを重合することができかつ分子量
の大きいオレフィン重合体を製造することができる方法に関する。さらに詳細に
は、分子量分布が狭く、しかも二種以上のオレフィンの共重合に適用した場合に
は、分子量分布および組成分布が狭いオレフィン共重合体を優れた重合活性で重
合する方法に関する。 〔従来の技術〕 従来、α-オレフィン重合体、とくにエチレン重合体またはエチレン・α-オレ フィン共重合体の製造方法としては、チタン化合物と有機アルミニウム化合物か
らなるチタン系触媒またはバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物からなる
バナジウム系触媒の存在下に、エチレン又はエチレンおよびα-オレフィンを共
重合する方法が知られている。一般にチタン系触媒で得られるエチレン・α-オ
レフィン共重合体は分子量分布および組成分布が広くかつ透明性、表面非粘着性
および力学物性が劣っていた。また、バナジウム系触媒で得られるエチレン・α
-オレフィン共重合体はチタン系触媒で得られるものにくらべて分子量分布およ
び組成分布は狭くなりかつ透明性、表面非粘着性、力学物性はかなり改善される
が、これらの性能が要求される用途にはなお不充分であり、さらにこれらの性能
の改善されたα-オレフィン重合体、とくにエチレン・α-オレフィン共重合体が
要求されている。 一方、新しいチーグラー型オレフィン重合触媒としてジルコニウム化合物およ
びアルミノオキサンからなる触媒が最近提案されている。 特開昭58−19309号公報には、下記式 (シクロペンタジエニル)2Me R Hal 〔ここで、Rはシクロペンタジエニル、C1〜C6のアルキル、ハロゲンであり、
Meは遷移金属であり、Halはハロゲンである〕で表される遷移金属含有化合
物と、下記式 Al2OR4(Al(R)−O)n 〔ここで、Rはメチル又はエチルであり、nは4〜20の数である〕で表される
線状アルミノオキサンまたは下記式 〔ここで、Rおよびnの定義は上記と同じである〕で表される環状アルミノオキ
サンとから成る触媒の存在下、エチレン及びC3〜C12のα-オレフィンの1種又
は2種以上を−50℃〜200℃の温度で重合させる方法が記載されている。同
公開公報には、得られるポリエチレンの密度を調節するには、10重量%までの
少量の幾分長鎖のα-オレフィン又は混合物の存在下でエチレンの重合を行うべ
きことが記載されている。 特開昭59−95292号公報には、下記式、 〔ここで、nは2〜40であり、RはC1〜C6である〕で表される線状アルミノ
オキサンおよび下記式〔ここで、nおよびRの定義は上記と同じである〕で表される環状アルミノオキ
サンの製造法に関する発明が記載されている。同公報には、同製造法により製造
された、例えばメチルアミノオキサンとチタン又はジルコニウムのビス(シクロ
ペンタジエニル)化合物とを混合して、オレフィンの重合を行うと、1gの遷移
金属当り且つ1時間当り、25百万g以上のポリエチレンが得られると記載され
ている。 特開昭60−35005号公報には、下記式 〔ここで、R1はC1〜C10アルキルであり、R0はR1であるか又は結合して−O
−を表す〕で表されるアルミノオキサン化合物を先ずマグネシウム化合物と反応
させ、次いで反応生成物を塩素化し、さらにTi、V、Zr又はCrの化合物で
処理して、オレフィン用重合触媒を製造する方法が開示されている。同公報には
、上記触媒がエチレンとC3−C12α-オレフィンの混合物の共重合に特に好適で
あると記載されている。 特開昭60−35006号公報には、反応器ブレンドポリマー製造用触媒系と
して、異なる2種以上の遷移金属のモノ−、ジ−もしくはトリ−シクロペンタジ
エニル又はその誘導体(a)とアルミノオキサン(b)の組合せが開示されてい
る。同公報の実施例1には、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジメチルとアルミノオキサンを触媒として、エチレンとプロピレンを重合
せしめて、数平均分子量15,300、重量平均分子量36,400およびプロピ レン成分を3.4%含むポリエチレンが得られたことが開示されている。また、
同実施例2では、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロライド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライドおよ
びアルミノオキサンを触媒としてエチレンとプロピレンを重合し、数平均分子量
2,200、重量平均分子量11,900および30モル%のプロピレン成分を含
むトルエン可溶部分と数平均分子量3,000、重量平均分子量7,400及び4
.8モル%のプロピレン成分を含むトルエン不溶部分から成る数平均分子量2,0
00、重量平均分子量8,300及び7.1モル%のプロピレン成分を含むポリエ
チレンとエチレン・プロピレン共重合体のブレンド物を得ている。同様にして実
施例3には分子量分布(Mw/Mn)4.57及びプロピレン成分20.6モル%
の可溶性部分と分子量分布3.04及びプロピレン成分2.9モル%の不溶性部分
から成るLLDPEとエチレン−プロピレン共重合体のブレンド物が記載されて
いる。 特開昭60−35007号公報にはエチレンを単独で又は炭素数3以上のα-
オレフィンと共にメタロセンと下記式 〔ここで、Rは炭素数1〜5のアルキル基であり、nの定義は上記に同じである
〕で表される線状アルミノオキサンとを含む触媒系の存在下に重合させる方法が
記載されている。同方法により得られる重合体は、同公報の記載によれば、約5
00〜約140万の重量平均分子量を有し且つ1.5〜4.0の分子量分布を有す
る。 また、特開昭60−35008号公報には、少なくとも2種のメタロセンとア
ルミノオキサンを含む触媒系を用いることにより、巾広い分子量分布を有するポ
リエチレン又はエチレンとC3〜C10のα-オレフィンの共重合体が製造されるこ
とが記載されている。同公報には上記共重合体が分子量分布(Mw/Mn)2〜
50を有することが記載されている。 また、遷移金属化合物およびアルミノオキサンと有機アルミニウム化合物とか
らなる混合有機アルミニウム化合物から形成される触媒を用いてオレフィンを重
合する方法が特開昭60−260602号公報および特開昭60−130604 号公報に提案されており、有機アルミニウム化合物を添加することにより単位遷
移金属当りの重合活性が向上することが記載されている。しかし、これらの方法
ではいずれもアルミノオキサンの使用量が多くアルミノオキサン当りの活性は依
然として低いという問題点があった。さらに、これらの従来から知られている遷
移金属化合物およびアルミノオキサンから形成される触媒を用いて、α-オレフ
ィンたとえばエチレンとプロピレンを共重合させた場合には、分子量が充分に大
きい重合体を得ることが困難であるという欠点があった。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明者らは、分子量分布が狭く、しかも二種以上のオレフィンの共重合に適
用した場合には分子量分布および組成分布が狭いオレフィン共重合体、とくに分
子量分布および組成分布が狭いエチレン・α-オレフィン共重合体を少ないアル
ミノオキサンの使用において優れた重合活性で製造することができかつ分子量の
大きいα-オレフィン重合体を容易に製造することのできる方法を検討した結果
、特定の〔A〕周期律表第IVB族遷移金属化合物、〔B〕アルミノオキサンおよ
び〔C〕特定の有機アルミニウム化合物から形成される触媒を使用することによ
り、前述の目的が達成されることを見出し、本発明に到達した。 〔問題点を解決するための手段および作用〕 本発明によれば、 〔A〕周期律表第IVB族の遷移金属化合物、 〔B〕反応系内のアルミニウム原子に換算して0.02ないし1ミリグラム原子
/lのアルミノオキサン、および 〔C〕分枝鎖を有するアルキル基を3個有する有機アルミニウム化合物、 から形成される触媒の存在下に、オレフィンを重合または共重合させることを特
徴とするオレフィンの重合方法が提供される。 以下、本発明において詳細に説明する。 本発明において重合という語は単独重合のみならず共重合を包含した意で用い
られることがあり、また重合体という語は単独重合体のみならず共重合体を包含
した意で用いられることがある。 本発明において使用される触媒は3つの触媒成分〔A〕、〔B〕および〔C〕 から形成されるものである。 本発明の方法において使用される触媒成分〔A〕は、下記式 R1 k2 l3 m4 nM (I) 〔ここで、Mはチタン、ジルコニウムまたはハフニウムであり、R1はシクロア
ルカジエニル基であり、R2、R3およびR4はシクロアルカジエニル基、アリー
ル基、アルキル基、アラルキル基、ハロゲン原子または水素原子である。ただし
前記シクロアルカジエニル基はインデニル基、テトラヒドロインデニル基を含み
、また前記シクロアルカジエニル基、アリール基およびアラルキル基は置換基を
有していてもよく、さらにインデニル基、置換インデニル基およびその部分水素
化物からなる群から選ばれた少なくとも2個の基が低級アルキレン基を介して結
合していてもよい。k≧1、k+l+m+n=4である。〕で示される周期律表
IVB族の遷移金属化合物である。 シクロアルカジエニル基は、例えばシクロペンタジエニル基、メチルシクロペ
ンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニ
ル基、インデニル基、テトラヒドロインデニル基等である。R2、R3およびR4
のアルキル基としては例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基
、ブチル基などを例示することができ、アリール基としては、例えばフェニル基
、トリル基などを例示することができ、アラルキル基としてはベンジル基、ネオ
フィル基などを例示することができ、ハロゲン原子としてはフッ素、塩素、臭素
などを例示することができる。該ジルコニウム化合物としては次の化合物を例示
することができる。 ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムモノクロリドモノハイドライド、 ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムモノブロミドモノハイドライド、 ビス(シクロペンタジエニル)メチルジルコニウムハイドライド、 ビス(シクロペンタジエニル)エチルジルコニウムハイドライド、 ビス(シクロペンタジエニル)フェニルジルコニウムハイドライド、 ビス(シクロペンタジエニル)ベンジルジルコニウムハイドライド、 ビス(シクロペンタジエニル)ネオペンチルジルコニウムハイドライド、 ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムモノクロリドハイドライド
、 ビス(インデニル)ジルコニウムモノクロリドモノハイドライド、 ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、 ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジブロミド、 ビス(シクロペンタジエニル)メチルジルコニウムモノクロリド、 ビス(シクロペンタジエニル)エチルジルコニウムモノクロリド、 ビス(シクロペンタジエニル)シクロヘキシルジルコニウムモノクロリド、 ビス(シクロペンタジエニル)フェニルジルコニウムモノクロリド、 ビス(シクロペンタジエニル)ベンジルジルコニウムモノクロリド、 ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、 ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、 ビス(インデニル)ジルコニウムジブロミド、 ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムメチル、 ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジフェニル、 ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジベンジル、 さらに、インデニル基、置換インデニル基およびその部分水素化物からなる群
から選ばれた少なくとも2個の基が低級アルキレン基を介して結合した多座配位
化合物を配位子とするジルコニウム化合物を挙げることができる。該ジルコニウ
ム化合物としては次の化合物を例示することができる。 エチレンビス(インデニル)ジメチルジルコニウム、 エチレンビス(インデニル)ジエチルジルコニウム、 エチレンビス(インデニル)ジフェニルジルコニウム、 エチレンビス(インデニル)メチルジルコニウムモノクロリド、 エチレンビス(インデニル)エチルジルコニウムモノクロリド、 エチレンビス(インデニル)メチルジルコニウムモノブロミド、 エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、 エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジブロミド、 エチレンビス(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-インデニル)ジメチルジルコニウム
、 エチレンビス(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-インデニル)メチルジルコニウムモ
ノクロリド、 エチレンビス(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、 エチレンビス(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-インデニル)ジルコニウムジブロミ
ド、 エチレンビス(4-メチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、 エチレンビス(5-メチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、 エチレンビス(6-メチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、 エチレンビス(7-メチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、 エチレンビス(5-メトキシ-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、 エチレンビス(2,3-ジメチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、 エチレンビス(4,7-ジメチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、 エチレンビス(4,7-ジメトキシ-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド。 本発明の方法において使用される触媒成分〔B〕はアルミノオキサンである。
触媒成分として使用されるアルミノオキサンとして一般式(II)及び一般式(II
I) で表される有機アルミニウム化合物を例示することができる。該アルミノオキサ
ンにおいて、Rはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの炭化水素基
であり、好ましくはメチル基、エチル基、とくに好ましくはメチル基であり、m
は2以上、好ましくは5以上の整数である。該アルミノオキサンの製造法として
、たとえば次の方法を例示することができる。 (1)吸着水を含有する化合物、結晶水を含有する塩類、例えば塩化マグネシウ
ム水和物、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩化
第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液にトリアルキルアルミニウムを添
加して反応させる方法。 (2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどの媒体中 でトリアルキルアルミニウムに直接水を作用させる方法。これらの方法のうちで
は(1)の方法を採用するのが好ましい。なお、該アルミノオキサンには少量の
有機金属成分を含有していても差しつかえない。 本発明の方法において触媒構成成分として使用される有機アルミニウム化合物
〔C〕は、分枝鎖を有するアルキル基を3個有している。このような有機アルミ
ニウム化合物〔C〕としては、具体的には、トリイソプロピルアルミニウム、ト
リイソブチルアルミニウム、トリ2-メチルブチルアルミニウム、トリ3-メチルブ
チルアルミニウム、トリ2-メチルペンチルアルミニウム、トリ3-メチルペンチル
アルミニウム、トリ4-メチルペンチルアルミニウム、トリ2-メチルヘキシルアル
ミニウム、トリ3-メチルヘキシルアルミニウム、トリ2-エチルヘキシルアルミニ
ウムなどが挙げられる。なお、重合系内で上記有機アルミニウム化合物が形成さ
れるような化合物、例えば、ハロゲン化アルミニウムとアルキルリチウムまたは
ハロゲン化アルミニウムとアルキルマグネシウムなどを添加しても差しつかえな
い。 本発明の方法において、触媒成分〔A〕、〔B〕及び〔C〕を反応系にそれぞ
れ供給してもよく、また2つの触媒成分を予め混合したものと残り1つの触媒成
分をそれぞれ反応系に供給してもよく、また触媒成分すべてを予め混合した後、
反応系に供給してもよい。2つの触媒成分を予め混合する際においては、触媒成
分〔A〕と〔B〕を予め混合することが好ましい。 触媒成分〔A〕と〔B〕の予備混合において、該遷移金属原子の濃度として通
常は2.5×10-4ないし1.5×10-1グラム原子/l、好ましくは5.0×1
-4ないし1.0×10-1グラム原子/lの範囲であり、アルミノオキサンの濃
度はアルミニウム原子に換算して通常は0.05ないし5グラム原子/l、好ま
しくは0.1ないし3グラム原子/lの範囲である。予備混合における温度は通
常−50ないし100℃であり、混合時間は通常0.1分ないし50時間である
。 本発明の方法において、オレフィンの重合反応はスラリー重合法、溶液重合法
などの液相重合法または気相重合法のいずれかにおいて実施することができる。 本発明の方法を実施する際の該遷移金属原子化合物の使用割合は重合反応系内
の該遷移金属原子の濃度として通常は10-8ないし10-2グラム原子/l、好ま しくは10-7ないし10-3グラム原子/lの範囲である。 また、本発明の方法において、アルミノオキサンの使用量は反応系内のアルミ
ニウム原子に換算して好ましくは0.02ないし1ミリグラム原子/lの範囲で
ある。また、反応系内における該アルミノオキサン成分〔B〕および有機アルミ
ニウム化合物成分〔C〕の合計のアルミニウム原子の総量に対するアルミノオキ
サン成分〔B〕のアルミニウム原子の割合は通常1ないし80%、好ましくは2
ないし75%、とくに好ましくは5ないし70%の範囲にあり、同様に有機アル
ミニウム化合物成分〔C〕のアルミニウム原子の割合は通常は20ないし99%
、好ましくは25ないし98%、とくに好ましくは30ないし95%の範囲にあ
る。本発明の方法において、反応系内の該遷移金属原子に対する該アルミノオキ
サン成分〔B〕および有機アルミニウム化合物成分〔C〕の総量のアルミニウム
原子の比は通常は20ないし10000、好ましくは50ないし5000、とく
に好ましくは100ないし2000の範囲である。 本発明の方法は、オレフィン重合体、特にエチレン重合体及びエチレンとα-
オレフィンの共重合体の製造に有効である。本発明において使用することができ
るオレフィンの例として、エチレン及び炭素数が3ないし20のα-オレフィン
、たとえばプロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オク
テン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセ
ン、1-エイコセンなどを挙げることができる。必要に応じてジエンなどのポリエ
ンを共重合することもできる。 本発明の方法において、オレフィンの重合は、通常、気相であるいは液相、た
とえば溶液状で行われる。液相重合においては、不活性炭化水素を溶媒としても
よいし、オレフィン自身を溶媒とすることもできる。 炭化水素媒体として具体的には、ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、
オクタン、デカン、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカンなどの脂肪族系炭化
水素、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタ
ンなどの脂環族系炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系炭化
水素、ガソリン、灯油、軽油などの石油留分などが挙げられる。 本発明の方法において、通常重合温度は−50ないし200℃、好ましくは0 ないし120度の範囲である。重合圧力は通常常圧ないし100kg/cm2、好ま
しくは常圧ないし50kg/cm2の条件下であり、重合は、回分式、半連続式、連
続式のいずれの方法においても行うことができる。さらに重合の反応条件の異な
る2段以上に分けて行うことも可能である。重合体の分子量は水素及び/又は重
合温度によって調節することができる。 〔発明の効果〕 本発明におけるオレフィン重合、とくにエチレン重合又はエチレンとα-オレ
フィンとの共重合に適用した場合には、従来の方法にくらべて少ないアルミノオ
キサンの使用においても著しく高活性でありかつ分子量の大きい重合体を得るこ
とができるという特徴があり、しかも二種以上のオレフィンの共重合に適用した
場合には分子量分布および組成分布の狭いオレフィン共重合体を得ることができ
る。 〔実施例〕 次に、本発明の方法を実施例によって具体的に説明する。なお、Mw/Mn値
の測定は武内著、丸善発行の「ゲルパーミエーション・クロマトグラフィー」に
準じて次の如く行う。 (1)分子量既知の標準ポリスチレン(東洋ソーダ(株)製、単分散ポリスチレ
ン)を使用して、分子量MとそのGPC(Gel Permeation Chromato-graph)カウ
ントを測定し、分子量MとEV(Elution Volume)の相関図較正曲線を作製する
。この時の濃度は0.02wt%とする。 (2)GPC測定により試料のGPCクロマトグラフをとり、前記(1)により
ポリスチレン換算の数平均分子量Mn、重量平均分子量Mwを算出し、Mw/M
n値を求める。その際のサンプル調製条件およびGPC測定条件は以下の通りで
ある。 〔サンプル調製〕 (イ)試料を0.1wt%になるようにo-ジクロルベンゼン溶媒とともに三角フラ
スコに分取する。 (ロ)三角フラスコを140℃に加温し、約30分間攪拌し、溶解させる。 (ハ)その濾液をGPCにかける。 〔GPC測定条件〕 次の条件で実施した。 (イ)装 置 Waters社製(150C-ALC/GPC) (ロ)カ ラ ム 東洋ソーダ製(GMHタイプ) (ハ)サンプル量 400μl (ニ)温 度 140℃ (ホ)流 速 1ml/min 共重合体中のn-デカン可溶部量(可溶部量の少ないもの程組成分布が狭い)の
測定は、共重合体約3gをn-デカン450mlに加え、145℃で溶解後、23℃
まで冷却し濾過によりn-デカン不溶部を除き、濾液よりn-デカン可溶部を回収す
ることにより行った。 さらに、本発明のエチレン系共重合体のB値は以下のごとく定義される。 [式中、PEは共重合体中のエチレン成分の含有モル分率を示し、Poはα-オレ
フィン成分の含有モル分率を示し、POEは全dyad連鎖のα-オレフィン・エチレ
ン連鎖のモル分率を示す]B値は共重合体鎖中における各モノマー成分の分布状
態を表す指標であり、G.J.Ray(Macromolecules, 10, 773(1977))、J.C.Ra
ndall(Macromolecules, 15, 353(1982)、J.Polymer Science,Polymer Physics
Ed., 11, 275(1973)),K.Kimura(Polymer,25,441(1984))らの報告に基づ
いて、上記定義のPE、PoおよびPOEを求めることによって算出される。上記B
値が大きい程、ブロック的な連鎖が少なく、エチレン及びα-オレフィンの分布
が一様であり、組成分布の狭い共重合体であることを示している。 なお、組成分布B値は、10mmφの試料管中で約200mgの共重合体を1mlの
ヘキサクロロブタジエンに均一に溶解させた試料の13C−NMRのスペクトルを
、通常、測定温度120℃、測定周波数25.05MHz、スペクトル幅150
0Hz、フィルター幅1500Hz、パルス繰り返し時間4.2sec、パルス幅7
μsec、積算回数2000〜5000回の測定条件下で測定し、このスペクトル
か らPE、PoおよびPOEを求めることにより算出される。 実施例1アルミノオキサンの調製 充分に窒素置換した400mlのフラスコにAl2(SO43・14H2O 37
gとトルエン125mlを装入し、0℃に冷却後、トルエン125mlで希釈したト
リメチルアルミニウム500mmolを滴下した。次に、40℃まで昇温し、その温
度で10時間反応を続けた。反応後、濾過により固液分離を行い、更に濾液より
トルエンを除去することによって白色固体のアルミノオキサン13gを得た。ベ
ンゼン中での凝固点降下により求められた分子量は930であり、触媒成分〔B
〕中に示したm値は14であった。重合 充分に窒素置換した内容積1lのガラス製オートクレーブにトルエン500ml
を装入し、エチレンとプロピレンの混合ガス(それぞれ120l/hr、80l/
hr)を流通させ、20℃で10分間放置した。その後、トリイソブチルアルミニ
ウムを0.5ミリモル添加し、5分後にアルミノオキサンをアルミニウム原子換
算で0.25ミリグラム原子、引き続きビス(シクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリドを2.5×10-3ミリモル加え重合を開始した。エチレンとプロ
ピレンの混合ガスを連続的に供給し、常圧下、20℃で1時間重合を行った。重
合終了後、少量のメタノールを添加し重合を停止した。ポリマー溶液を大過剰の
メタノールに加え、ポリマーを析出させ、130℃で12時間減圧下に乾燥させ
た。その結果、MFR 0.31g/10min、13C−NMRで求めたエチレン含
量84.1モル%、Mw/Mn 2.39、B値1.13のポリマー19.1gが得
られた。 比較例1 実施例1の重合においてトリイソブチルアルミニウムを用いなかった以外は実
施例1と同様に行ったが、ポリマーはほとんど得られなかった。 実施例2〜7、比較例2〜6 表1に記載した条件により実施例1と同様の操作で重合を行った。結果を表2
に示す。 実施例8重合 充分に窒素置換した2lのステンレス製オートクレーブにヘキサン250mlと
4-メチル-1-ペンテン750mlを装入し、35℃まで昇温した、その後、トリイ
ソブチルアルミニウム0.25ミリモル、実施例1で合成したアルミノオキサン
をアルミニウム原子換算で0.5ミリグラム原子、ビス(シクロペンタジエニル
)ジルコニウムジクロリドを1×10-3ミリモル装入した。引き続きエチレンを
導入し重合を開始した、全圧を8kg/cm2ゲージに保つようにエチレンを連続的
に供給し、45℃で1時間重合を行った。その後の操作は実施例1と同様に行 2、室温デカン可溶部重量分率1.8wt%のポリマー33.1gを得た。 実施例9〜10、比較例7 表3に記載した条件により実施例8と同様の操作で重合を行った。結果を表4
に示す。 【表1】 【表2】 【表3】 【表4】 比較例8 実施例1の重合において、トリイソブチルアルミニウムを用いないで、アルミ
ノオキサンをアルミニウム原子換算で2.5ミリグラム原子を用い、30分間重
合した以外は実施例1と同様に行い、MFR 1.63g/10min、エチレン含 られた。 実施例11触媒成分〔A〕と〔B〕の予備混合 充分に窒素置換した100mlのガラス製フラスコに実施例1で合成したアルミ
ノオキサンのトルエン溶液(Al 0.85mol/l)を4.7ml、ビス(シクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液(Zr 0.01mol/
l)を2.4mlおよびトルエンを12.9ml加え22℃で1時間攪拌することによ
り黄色透明の溶液を得た。重合 充分に窒素置換した2lのステンレス製オートクレーブにヘキサン500ml、
4-メチル-1-ペンテン500mlおよびトリイソブチルアルミニウム0.5ミリモル
を装入し、47℃まで昇温した。その後、上記で調製した溶液2.5mlをエチレ
ンで圧入し、重合を開始した。全圧を7kg/cm2ゲージに保つようにエチレンを
連続的に供給し、50℃で1時間重合を行った。その後の操作は実施例1と同様 90、室温デカン可溶部重量分率1.5wt%のポリマー71.4gを得た。 実施例12触媒成分〔A〕と〔B〕の予備混合 実施例11においてビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドの
トルエン溶液(Zr 0.01mol/l)を4.8ml、トルエンを10.5ml用いた
以外は実施例11と同様に行った。重合 上記で調製した溶液を1.25ml用いた以外は実施例11と同様に重合を行い 室温デカン可溶部重量分率1.3wt%のポリマー46.1gを得た。 実施例13触媒成分〔A〕と〔B〕の予備混合 実施例11においてビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドの
トルエン溶液(Zr 0.04mol/l)を12.0ml、実施例1で合成したアル
ミノオキサンのトルエン溶液(Al 2.55mol/l)を6.3mlおよびトルエ
ンを1.7ml加え22℃で30分間攪拌することにより濃黄色透明の溶液を得た
重合 上記で調製した溶液を0.125ml、トリイソブチルアルミニウム1.0ミリモ
ルを用い、60℃で1時間重合を行った以外は実施例11と同様に行いMFRン可溶部重量分率1.3wt%のポリマー38.5gを得た。
【図面の簡単な説明】 第1図は、本発明のオレフィンの重合における触媒の調製の1例を示すフロー
チャート図面である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1) 〔A〕 R1 k2 l3 m4 nM (I) 〔ここで、Mはチタン、ジルコニウムまたはハフニウムであり、R1はシクロア
    ルカジエニル基であり、R2、R3およびR4はシクロアルカジエニル基、アリー
    ル基、アルキル基、アラルキル基、ハロゲン原子または水素原子である。ただし
    前記シクロアルカジエニル基はインデニル基、テトラヒドロインデニル基を含み
    、また前記シクロアルカジエニル基、アリール基およびアラルキル基は置換基を
    有していてもよく、さらにインデニル基、置換インデニル基およびその部分水素
    化物からなる群から選ばれた少なくとも2個の基が低級アルキレン基を介して結
    合していてもよい。k≧1、k+l+m+n=4である。〕 で示される周期律表第IVB族の遷移金属化合物、および 〔B〕反応系内のアルミニウム原子に換算して0.02ないし1ミリグラム原子
    /lのアルミノオキサン、および 〔C〕分枝鎖を有するアルキル基を3個有する有機アルミニウム化合物、 から形成される触媒の存在下に、オレフィンを重合または共重合させることを特
    徴とするオレフィンの重合方法。

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