JP2501987B2 - 作業機械における上部旋回体の旋回停止制御方法及び装置 - Google Patents

作業機械における上部旋回体の旋回停止制御方法及び装置

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JP2501987B2
JP2501987B2 JP28307591A JP28307591A JP2501987B2 JP 2501987 B2 JP2501987 B2 JP 2501987B2 JP 28307591 A JP28307591 A JP 28307591A JP 28307591 A JP28307591 A JP 28307591A JP 2501987 B2 JP2501987 B2 JP 2501987B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、上部旋回体を備えたク
レーン等の作業機械において、その旋回の強制停止を自
動的に行うための制御方法及び装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、上部旋回体を備えたクレーン等
の作業機械においては、その旋回方向の切換は運転者に
よるレバー操作、すなわち手動操作により行われてい
る。しかしながら、アウトリガジャッキの張出し状態や
機械周囲の障害物の存在に応じて上部旋回体の旋回範囲
が規制されている場合には、この旋回範囲から上部旋回
体が外れないうちに上部旋回体を自動的に強制停止させ
ることが安全上望ましい。
【0003】従来、このような旋回の自動停止を行う装
置としては、特公昭60−20319号公報に示される
もの等が知られている。この装置は、クレーン運転者に
よる旋回操作レバーの操作に応じてスイッチを連動させ
ることにより、その操作方向に応じた旋回停止制御を行
うものであり、具体的には、上記旋回操作レバーが危険
側、すなわち限界旋回領域に近づく側に操作されている
場合にのみ、一定のタイミングで旋回制動を開始するよ
うに構成されている。すなわち、上部旋回体の旋回方向
は操作レバーの操作位置により判別されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般に、上記旋回操作
レバーは左旋回指令状態、右旋回指令状態、及び中立状
態のいずれかに切換可能に構成されているが、この旋回
操作レバーが中立状態に切換えられた場合、機械によっ
ては、中立ブレーキ制御が行われる場合と、中立フリー
制御が行われる場合とがあり得る。ここで中立ブレーキ
制御とは、ブームをどちら方向にも旋回駆動することな
く制動のみを行う制御をいい、中立フリー制御とは、ブ
ームを積極的に制動させることなく自由旋回状態に放置
する制御をいう。
【0005】従って、上記公報に示されるような装置、
すなわち、旋回操作レバーの操作方向によって旋回停止
制御を行うか否かが決定される装置を、旋回操作レバー
が中立位置にある状態で中立フリー制御が行われる装置
に適用した場合には、旋回操作レバーが一旦危険側に操
作されて旋回制動が開始されても、この制動中に旋回操
作レバーが中立位置に戻されると上記旋回制動が解除さ
れて自由旋回状態となるため、ブームがその慣性力で旋
回し続けることにより、限界旋回領域を超えてしまうお
それがある。
【0006】なお、このような不都合を回避する手段と
して、上記ブームの旋回方向を旋回操作レバーの操作方
向で判別するのではなく、ブームの旋回角の時間変化量
を演算してその値の正負から旋回方向の判定を行うこと
が考えられる。しかしながら、このような手法では、上
記判別を行うのに複雑な回路を要するとともに、判定結
果がノイズに影響され易い欠点がある。
【0007】本発明は、このような事情に鑑み、上部旋
回体の旋回方向を簡易かつ確実に把握し、しかも適切な
旋回停止制御を確実に行うことができる旋回停止制御方
法及び装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上部旋回体の
旋回状態を右方向旋回状態、左方向旋回状態、及び自由
旋回状態の少なくとも3状態に手動切換するための操作
手段を備え、この操作手段の操作内容に応じて上部旋回
体の旋回駆動が制御される作業機械において、上記操作
手段の操作内容を検出し、この操作内容検出手段の検出
信号に基づいて上部旋回体の旋回方向を判別し、この旋
回方向に基づいて上部旋回体の強制停止制御を行うとと
もに、この旋回停止制御を開始した後は上記操作手段の
操作内容にかかわらず少なくとも上記上部旋回体の旋回
速度が一定値以下になるまでは旋回停止制御を続けるも
のである(請求項1)。
【0009】また本発明は、上記方法を実施するための
装置として、上記上部旋回体の旋回速度を検出する旋回
速度検出手段と、上記操作手段の操作内容を検出する操
作内容検出手段と、この操作内容検出手段の検出信号に
基づいて上部旋回体の旋回方向を判別する判別手段と、
この判別手段で判別された旋回方向に基づいて上部旋回
体の強制停止制御を行う旋回停止制御手段とを備えると
ともに、この強制停止制御を開始した後は上記操作手段
の操作内容にかかわらず少なくとも上記旋回速度検出手
段で検出された旋回速度が一定値以下になるまでは旋回
停止制御を続けるように旋回停止制御手段を構成したも
のである(請求項2)。
【0010】
【作用】上記構成によれば、操作手段の操作内容に基づ
いて上部旋回体の旋回方向が判別され、強制停止制御が
実行されるが、この強制停止制御が一旦開始された後
は、上記操作手段の操作内容にかかわらず、上記旋回状
態検出手段で検出された旋回速度が一定値以下になるま
では旋回停止制御が続けられる。従って、上記強制停止
制御実行中においては、たとえ操作手段が自由旋回状態
へ向かう方向に切換えられても、これによって強制停止
制御が中止されることはない。
【0011】
【実施例】図2は本発明が適用される建設機械の一例と
してクレーンCRを示したものである。なお、本発明
は、このようなクレーンCRに限らず、上部旋回体を備
えた様々な建設機械について適用が可能なものである。
【0012】このクレーンCRは、鉛直方向の旋回軸1
01周りに旋回可能なブームフット(上部旋回体を構
成)102を備え、このブームフット102に、N個の
ブーム部材B1〜BNからなる伸縮可能なブーム(上部旋
回体を構成)BMが取付けられている。このブームBM
は、水平方向の回動軸103を中心に回動可能(起伏可
能)に構成され、その先端部(ブームポイント)にロー
プ104で吊り荷Cが吊り下げられている。このクレー
ンCRのロアフレーム106の前後左右の4隅には、側
方に張り出されるアウトリガジャッキ105が配設され
ている。
【0013】図3,4は、上記上部旋回体を旋回駆動す
るための旋回油圧回路100を示したものである。な
お、この回路100は、中立ブレ―キ制御と中立フリ―
制御のいずれも選択的に実行可能に構成されたものであ
るが、本発明は中立フリー制御のみが実行される旋回駆
動装置に対してもその効果を十分に発揮できるものであ
る。
【0014】図3,4において、油圧ポンプ1の吐出口
に主回路10が接続され、この主回路10に旋回ユニッ
トUの入口ポ―ト及びメインリリ―フ弁17が接続され
ている。メインリリ―フ弁17のベント回路には電磁切
換弁18が設けられ、この電磁切換弁18は、同回路を
ブロックしてポンプ1をオンロ―ドさせる位置と、タン
ク7に連通させてアンロ―ドさせる位置とに切換可能に
構成されている。
【0015】上記旋回ユニットUにおいて、入口ポ―ト
には第1,第2,第3の主通路11,12,13がパラ
レルに接続され、各主通路11,12,13にポンプ1
側への逆流を防止するチェック弁14,15,16が設
けられている。選択弁2はパイロット切換弁で構成さ
れ、電磁切換弁24と、アキュムレ―タ等を備えた操作
用油圧源25とにより、上記各主通路11,12,13
と第1,第2,第3の各中間通路21,22,23とを
個々に連通させる位置2a(中立ブレ―キモ―ド)と、
すべて連通させる位置2b(中立フリ―モ―ド)とに切
換可能とされている。
【0016】方向切換弁3は操作レバ―30によって切
換えられる8ポ―ト3位置の手動切換弁であり、その第
1,第2,第3の各ポ―ト31,32,33に各中間通
路21,22,23が接続され、第4,第5ポ―ト3
4,35にモ―タ側通路41,42が接続され、第6,
第7,第8の各ポ―ト36,37,38にタンク7への
戻り油回路71が接続されている。なお、43,44は
バイパス通路で、チェック弁43a,44aを具備して
いる。45,46はオ―バ―ロ―ドリリ―フ弁、47,
48はアンチキャビテ―ションチェック弁、72は背圧
弁である。
【0017】上記モ―タ側通路41,42と、旋回モ―
タ6の両側ポ―トに接続された通路61,62との間に
は、それぞれ方向切換弁3から旋回モ―タ6側への流入
を許容するチェック弁51,52と、旋回モ―タ6から
方向切換弁3側への排出油の圧力を制御する電磁比例圧
力制御弁5の親弁53,54とがパラレルに接続され、
各親弁53,54の圧力制御部にチェック弁55,56
を介して共通の子弁57が接続されている。電磁比例圧
力制御弁5の親弁53,54と子弁57とは基本的には
バランスピストン形リリ―フ弁の親弁と子弁とで構成さ
れ、子弁57は電磁比例リリ―フ弁で構成されており、
その下流はドレン接続となっている。
【0018】この旋回油圧回路100には、コントロー
ラ90からの制御信号が入力され、この制御信号に応じ
て子弁57の設定圧力すなわち電磁比例圧力制御弁5の
設定圧力が適当な範囲で制御されるようになっている。
【0019】このコントローラ90には、図1に示すよ
うなレバー操作位置検出センサ81、各速度センサ8
2、旋回角センサ83、中立モード選択スイッチ84の
他、図外のクレ―ンの吊上荷重検出器、ブ―ム長さ検出
器、ブ―ム角度検出器、アウトリガの張出し状態検出
器、旋回角度検出器、旋回速度検出器等の各検出器から
の検出信号が入力される。上記レバー操作位置検出セン
サ81は、上記方向切換弁3の操作レバー30近傍に設
けられ、この操作レバー30の操作位置(操作内容)を
検出するものである。
【0020】これに対し、コントローラ90は、同図に
示すような旋回方向判別手段91、旋回停止制御手段9
2、及び中立モード切換手段93を備えている。
【0021】旋回方向判別手段91は、上記レバー操作
位置検出センサ91で検出されたレバー操作位置に基づ
き、現在のブームBMの旋回方向を判別するものであ
る。
【0022】旋回停止制御手段92は、各種検出器の検
出信号と、上記旋回方向判別手段91で判別されたブー
ムBMの旋回方向と、予め記憶された吊上能力とに基づ
いて旋回停止制御開始時期を決定し、この時期が来た
時、すなわち旋回停止の必要が生じた時に、電磁切換弁
18に切換信号を出力するとともに、電磁比例圧力制御
弁5の子弁57に所定のパタ―ンで制御信号を出力する
ものである。
【0023】具体的に、この実施例では、上記旋回停止
制御の開始時期は、上記吊上能力や吊上げ荷重W(図2
参照)等により決定される限界作業領域と、実際のブー
ムBMの作業半径R(図1,5)及び角速度Ωとの関係
に基づいて設定される。
【0024】この設定要領の一例を図5を用いて説明す
る。図において、DRは限界作業領域の境界線、P1は
ブームポイントの現在位置であり、P3は作業半径Rが
一定のままで位置P1から旋回を行った時にブームポイ
ントが上記限界作業領域の境界線DR上に到達する位置
を示す。また、θrは旋回速度Ωの状態から一定の制動
角加速度β(<0)で制動を開始した時にブームBMが
完全に停止するまでに要する所要角度であり、従って、
この所要角度θrだけ上記位置P3から遡った位置P2
が旋回停止制御を開始すべき位置となる。換言すれば、
現在位置P1から上記位置P2までの余裕角度Δθが0
となった時点が旋回停止制御開始時期となる。
【0025】なお、上記制動角加速度βは、吊り荷Cを
吊り下げるロープ長l(図2参照)等を考慮してなるべ
く荷振れの生じない制動角加速度に設定することが好ま
しい。
【0026】さらに、この装置の特徴として、この旋回
停止制御手段92は、一旦旋回制動を開始した後は、操
作レバー30の操作位置にかかわらず、角速度センサ8
2で検出される旋回速度Ωが0となるまでは旋回停止制
御を続けるように構成されている。
【0027】中立モード切換手段93は、中立モード選
択スイッチ84で選択された中立モードに基づき、図
3,4に示す方向切換弁24の切換制御を行うための制
御信号を出力し、実際に中立フリーモードと中立ブレー
キモードとの切換を行うものである。
【0028】次に、この装置の作用について説明する。
【0029】まず、中立モード選択スイッチ84によっ
て中立フリーモードが選択されると、中立モード切換手
段93から発せられる制御信号により、図3に示すよう
に電磁切換弁24が右位置に切換えられ、操作用油圧源
25からの圧油が選択弁2のパイロット部に導かれ、選
択弁2が左位置2bに切換えられる。この状態でレバ―
30を手動で矢印A方向に倒し、方向切換弁3を旋回位
置3aの方向に切換えると、その過渡位置3a′で、ポ
ンプ1の吐出油の一部がポ―ト33からスプ―ルの絞り
(ノッチ)を経てブリ―ドオフ制御されながらポ―ト3
7に流出し、矢印イ方向に導かれてタンク7に流出す
る。残りの吐出油はポ―ト32,35を経て矢印ロ方向
に導かれ、モ―タ6に流入し、これによりモ―タ6が矢
印B方向に回転加速する。
【0030】さらに、レバ―30の操作角を大きくする
と、ポンプ1からタンク7への流出流量が次第に小さく
なるとともに、ポンプ1からモ―タ6への流入流量が次
第に大きくなり、最終的に、レバ―30を矢印A方向に
フルレバ―操作して方向切換弁3を旋回位置3aに切換
えると、ポンプ1からタンク7への圧油の流出が阻止さ
れ、ポンプ1からモ―タ6に最大流量の圧油が流入す
る。これにより方向切換弁3のスプ―ルストロ―クに応
じた速度でモ―タ6が回転し、旋回体が旋回する。
【0031】これに対し、方向切換弁3を旋回位置3a
から中立位置に戻すと、モ―タ6は慣性により引続いて
矢印B方向に回転するので、その排出油が矢印ハ方向に
導かれ、電磁比例圧力制御弁5の親弁53に流入する。
このとき、その設定圧力が制御最低値に保持されたまま
であるので、この電磁比例圧力制御弁5によるブレ―キ
作用は働かず、モ―タ6の排出油は親弁53を通って矢
印ニ方向に導かれる。
【0032】ここで、方向切換弁3の過渡位置3a′に
おいて、メ―タアウト側で、モ―タ6から矢印ニ方向に
導かれた排出油がポ―ト34からポ―ト36を経てタン
ク7に流出される際に、スプ―ルの絞りによって流出流
量が絞られることになるが、このとき排出油の一部が矢
印リ方向に導かれ、バイパス通路43および選択弁2の
左位置を経てポ―ト33に流入され、さらにポ―ト37
を経てタンク7に流出される。その後、方向切換弁3が
上記過渡位置3a′から中立位置に戻されると、方向切
換弁3の各ポ―ト31〜38が選択弁2の左位置2bに
よってすべて連通されるため、ポンプ1の吐出油が矢印
イ方向に導かれてタンク7にブリ―ドオフされ、モ―タ
6の吸込み側に駆動圧力が発生しなくなる。これによ
り、モータ6は引続いて慣性により回転し、モ―タ6か
ら矢印ハ,ニ方向に導かれた排出油が方向切換弁3の中
立位置および選択弁2の左位置を経て矢印ロ方向に流入
され、モ―タ6の吸込み側に流入される。したがって、
モ―タ6は直ちに停止することはなく、慣性によって回
転し、旋回体は風等の外力および油に対する配管抵抗等
によって徐々に減速し、停止する。
【0033】一方、上記旋回作業中においては、旋回方
向判別手段91により判別された旋回方向と、各検出器
からの検出信号とに基づいて旋回停止制御手段92によ
り旋回体が安全領域にあるか否かが判別され、危険領域
近傍になると、上記旋回停止制御手段92から自動的に
強制停止信号が出力される。この信号に基づき、電磁切
換弁18が右位置に切換えられ、メインリリ―フ弁17
のベント回路がタンク7に連通され、ポンプ1の吐出油
が矢印ヘ方向に導かれてタンク7にアンロ―ドされる。
これによって仮に方向切換弁3を旋回位置3aに切換え
た状態であっても、モ―タ6の吸込み側の圧力(加速圧
力)がなくなる。
【0034】また、上記信号に応じて電磁比例圧力制御
弁5の子弁57の設定圧力が適当な圧力に制御され、こ
れによってモ―タ6から矢印ハ方向に排出されている油
の圧力が上記設定圧力に対応する圧力まで上昇し、その
圧力でモ―タ6が減速され、旋回体が制動される。この
ような制動が一旦開始されると、たとえその途中で操作
レバー30が中立方向に操作されても、旋回停止制御手
段92による旋回制動制御は中止されず、旋回速度が0
となる安全状態に至るまで制動が続けられる。これによ
り、ブームBMは確実に安全領域内で停止することとな
る。
【0035】なお、上記中立モード選択スイッチ84に
より中立ブレーキモードが選択された場合には、図4に
示すように電磁切換弁24が消磁されて図の左位置に切
換えられ、選択弁2が図の右位置2aに切換えられる
が、このモードにおいても旋回駆動及び旋回自動停止制
御は中立フリーモードと同様にして行われる。
【0036】以上のように、この装置は、旋回停止制御
を開始する前の状態では、レバー操作位置に基づいて旋
回方向を判別し、この旋回方向に基づいて旋回停止制御
開始時期を判断するのに対し、一旦旋回停止制御を開始
した後は、上記レバー操作位置に関係なく、旋回速度が
0となるまで旋回停止制御を続行するようにしたもので
あるので、旋回停止制御を開始するにあたっての旋回方
向の判別は上記レバー操作位置に基づいて簡易かつ確実
に行う一方、旋回停止制御終了時期はブームBMの旋回
速度に基づいて行うことにより、上記レバー操作位置に
惑わされることなく安全な状態に至るまで確実に旋回停
止制御を実行することができる。
【0037】なお、本発明はこのような実施例に限定さ
れるものでなく、例として次のような態様をとることも
可能である。
【0038】(1) 上記実施例では、旋回角センサ83で
検出される旋回速度が完全に0となるまで制動を続ける
装置を示したが、安全性を確保できる範囲で、旋回速度
が微小値以下となった時点で制動を止めるようにしても
よい。逆に、旋回速度が完全に0となった後も、余裕を
見て一定時間が経過するまで強制停止制御動作を続ける
ようにしてもよい。
【0039】(2) 上記実施例では、操作レバー30の操
作により直接、方向切換弁3を切換える装置を示した
が、本発明はこれに限らず、操作レバーの操作位置をセ
ンサ等で検出してこれをコントローラ90に入力し、こ
のコントローラ90からの制御信号で旋回方向切換用の
方向切換弁を切換えるようにしてもよい。
【0040】(3) 本発明では、旋回停止制御開始時期の
具体的な判断基準を問わず、少なくとも上部旋回体の旋
回方向を考慮して旋回停止制御時期が決定される種々の
作業機械に適用することが可能である。
【0041】
【発明の効果】以上のように本発明は、旋回停止制御を
開始する前の状態では、操作内容検出手段で検出される
操作手段の操作内容に基づいて旋回方向を判別し、この
旋回方向に基づいて旋回停止制御開始時期を判断する一
方、一旦旋回停止制御を開始した後は、上記操作内容に
関係なく、旋回速度が一定値以下となるまで旋回停止制
御を続行するようにしたものであるので、旋回停止制御
を開始するにあたっての旋回方向の判別は上記操作内容
に基づいて簡易かつ確実に行い、しかも、旋回停止制御
終了時期は上部旋回体の旋回速度に基づいて行うことに
より、上記操作内容に惑わされることなく、上部旋回体
が安全な状態に至るまで確実に旋回停止制御を実行する
ことができ、安全性をより高めることができる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例においてクレーンに備えられ
るコントローラの機能構成を示したブロック図である。
【図2】上記クレーンの側面図である。
【図3】上記クレーンにおける上部旋回体を旋回駆動す
るための旋回油圧回路を示した図であって中立フリーモ
ードが選択された状態を示した図である。
【図4】上記クレーンにおける上部旋回体を旋回駆動す
るための旋回油圧回路を示した図であって中立ブレーキ
モードが選択された状態を示した図である。
【図5】上記クレーンにおいて旋回停止制御開始時期の
判断要領の一例を説明するための説明図である。
【符号の説明】
30 操作レバー(操作手段) 81 レバー操作位置検出センサ(操作内容検出手段) 82 角速度センサ(旋回速度検出手段) 90 コントローラ 91 旋回方向判別手段 92 旋回停止制御手段 100 旋回油圧回路 102 ブームフット(上部旋回体を構成) BM ブーム(上部旋回体を構成)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部旋回体の旋回状態を右方向旋回状
    態、左方向旋回状態、及び自由旋回状態の少なくとも3
    状態に手動切換するための操作手段を備え、この操作手
    段の操作内容に応じて上部旋回体の旋回駆動が制御され
    る作業機械において、上記操作手段の操作内容を検出
    し、この操作内容検出手段の検出信号に基づいて上部旋
    回体の旋回方向を判別し、この旋回方向に基づいて上部
    旋回体の強制停止制御を行うとともに、この旋回停止制
    御を開始した後は上記操作手段の操作内容にかかわらず
    少なくとも上記上部旋回体の旋回速度が一定値以下にな
    るまでは旋回停止制御を続けることを特徴とする作業機
    械における上部旋回体の旋回停止制御方法。
  2. 【請求項2】 上部旋回体の旋回状態を右方向旋回状
    態、左方向旋回状態、及び自由旋回状態の少なくとも3
    状態に手動切換するための操作手段を備え、この操作部
    の操作内容に応じて上部旋回体の旋回駆動が制御される
    作業機械において、上記上部旋回体の旋回速度を検出す
    る旋回速度検出手段と、上記操作手段の操作内容を検出
    する操作内容検出手段と、この操作内容検出手段の検出
    信号に基づいて上部旋回体の旋回方向を判別する判別手
    段と、この判別手段で判別された旋回方向に基づいて上
    部旋回体の強制停止制御を行う旋回停止制御手段とを備
    えるとともに、この強制停止制御を開始した後は上記操
    作手段の操作内容にかかわらず少なくとも上記旋回速度
    検出手段で検出された旋回速度が一定値以下になるまで
    は旋回停止制御を続けるように旋回停止制御手段を構成
    したことを特徴とする作業機械における上部旋回体の旋
    回停止制御装置。
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