JP2500348B2 - ヤング縞回折格子を用いた回折格子の製作方法 - Google Patents

ヤング縞回折格子を用いた回折格子の製作方法

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JP2500348B2 JP27497592A JP27497592A JP2500348B2 JP 2500348 B2 JP2500348 B2 JP 2500348B2 JP 27497592 A JP27497592 A JP 27497592A JP 27497592 A JP27497592 A JP 27497592A JP 2500348 B2 JP2500348 B2 JP 2500348B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、3個のヤング縞回折
格子を使用して写真乾板に干渉縞を記録して回折格子を
制作する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】第1の回折格子、第2の回折格子、第3
の回折格子の3個のそれぞれ直線の格子縞をもつ回折格
子と写真乾板を用い、第1の回折格子1(縞の空間周波
数f/2)を準平面波で照明し、第1の回折格子1から
の+1次及び−1次の回折光を発生させる。この+1次
回折光を第2の回折格子で−1次回折させ、また第1の
回折格子の−1次回折光を第3の回折格子で+1次回折
させたものを、写真乾板の上で重ねて干渉させ、干渉縞
を記録して回折格子を製作する方法において、すべての
回折格子が等間隔の直線の格子縞からなる完全な格子で
あれば、写真乾板上に直線の格子縞が記録されることが
知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現実に
は、完全な格子を用意するのは困難である。いずれかの
回折格子が等間隔の直線からずれた格子縞を持つとき
は、写真乾板上には、それらの歪みの和と差で表される
歪みを持つ格子縞が記録され、一般に歪みは、もとの回
折格子よりも増加してしまい、低歪みの格子を作製する
のは困難である。この発明は、3つの回折格子の格子縞
が直線からはずれていても格子縞の歪みを正確にバラン
スさせることで、写真乾板上の格子縞のひずみを小さく
することができる回折格子の製作方法を提供することを
目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】この目的に対応して、こ
の発明のヤング縞回折格子を用いた回折格子の製作方法
は、縞の空間周波数f/2(本/mm)の第1のヤング
縞回折格子と縞の空間周波数f(本/mm)の第2のヤ
ング縞回折格子と縞の空間周波数f(本/mm)の第3
のヤング縞回折格子及び写真乾板を備え、第1のヤング
縞回折格子を準単色の準平面波で照明して回折光を発生
させ、第1のヤング縞回折格子からの回折光を第2のヤ
ング縞回折格子で回折し、かつ第1のヤング縞回折格子
からの回折光を第3のヤング縞回折格子で回折し、第2
のヤング縞回折格子からの回折光と第3のヤング縞回折
格子からの回折光とを重ねて干渉させた干渉縞を写真乾
板上に記録して回折格子を製作する場合において、第1
のヤング縞回折格子を記録するときの点光源S1 および
2 と写真乾板の中心Oとの距離をr1 、第2のヤング
縞回折格子と第3のヤング縞回折格子とを記録するとき
の点光源S1 およびS2 と写真乾板の中心Oとの距離r
2 とするとき、λを用いる準単色光の中心となる波長と
して次の数式1を満す比となるようにとること
【数1】を特徴としている。
【0005】
【作用】2つの点光源からの球面光波の干渉縞(ヤング
縞)を記録した回折格子{縞の空間周波数f/2(本/
mm)及びf(本/mm)}3個と写真乾板を等距離に
配置し、第1の回折格子(縞の空間周波数f/2)を準
単色の準平面波で照明し、第1の回折格子1からの+1
次(上方に向かう光)及び−1次(下方に向かう光)の
回折光を発生させる。この+1次回折光を第2の回折格
子{縞の空間周波数f(本/mm)}で−1次回折さ
せ、また第1の回折格子の−1次回折光を第3の回折格
子3{縞の空間周波数f(本/mm)}で+1次回折さ
せたものを、写真乾板の上で重ねて干渉させ、干渉縞を
記録して回折格子を製作する。
【0006】
【実施例】以下、この発明の詳細を一実施例を示す図面
について説明する。まず、第1の回折格子1、第2の回
折格子2及び第3の回折格子3を準備する。レーザ光な
どの干渉性のよい光ビームをハーフミラー11で2つに
分割し、またミラー12で光路変更し、それぞれ顕微鏡
対物レンズ13で集光してピンホール14を通して点光
源とし、写真乾板15を照明する。第1の回折格子1は
図1に示すように距離r1 で2つの点光源S1 、S2
らの単色の球面波の干渉縞(ヤング縞)を記録したもの
で、縞の空間周波数はf/2(本/mm)である。第2
の回折格子2及び第3の回折格子3は距離r2 で2つの
点光源S1 、S2 からの単色の球面波の干渉縞(ヤング
縞)を記録したもので、縞の空間周波数はf(本/m
m)である。
【0007】これらの3つの回折格子は次のように配置
されて回折格子作成光学系4を構成する。すなわち、回
折格子作成光学系4では図2に示すように、光源レンズ
(図示せず)を一直線上に第1の回折格子1と対向させ
て配置し、その後方に写真乾板7を配置する。第1の回
折格子1と写真乾板7との間に第2の回折格子2及び第
3の回折格子3が位置する。第2の回折格子2は第1の
回折格子1の+1次回折光が入射する位置にある。第3
の回折格子は第1の回折格子1の−1次回折光が入射す
る位置にある。ただし、第2の回折格子2と第3の回折
格子3とは第1の回折格子と写真乾板7を結ぶ直線方向
の位置は同じであって、ともに第1の回折格子1からは
dの距離にある。第1の回折格子1と写真乾板7を結ぶ
直線上において、回折格子1と写真乾板7との間におい
て回折格子1からdの距離に遮蔽板8が設けられ、回折
格子1からの他次(高次または低次)の回折光を遮断
し、回折格子1からの他次の回折光が写真乾板7に入射
することを防止している。また写真乾板7は第2の回折
格子2の−1次回折光と第3の回折格子3の+1次回折
光が重なる位置に配置されている。
【0008】図2に示す構成において、第1の回折格子
1(縞の空間周波数f/2)を準単色の準平面波で照明
し、第1の回折格子1からの+1次(上方に向かう光)
及び−1次(下方に向かう光)の回折光を発生させる。
この+1次回折光を第2の回折格子2{縞の空間周波数
f(本/mm)}で−1次回折させ、また第1の回折格
子1の−1次回折光を第3の回折格子3{縞の空間周波
数f(本/mm)}で+1次回折させたものを、写真乾
板7の上で重ねて干渉させ、干渉縞を記録して回折格子
を製作する。これにより、空間周波数fの回折格子が製
作される。
【0009】第1の回折格子1の中心を通る光線が、回
折後に第2の回折格子2および第3の回折格子3のそれ
ぞれの中心を通り、写真乾板7の中心で交わるように、
回折格子1,2,3を配置する。第1の回折格子1を照
明する光は、必ずしも格子面に垂直に入射する必要はな
い。
【0010】図2の方法で、回折格子1,2,3が直線
の格子縞からなる完全な格子であれば、写真乾板7上に
直線の格子縞が記録されることが知られていることは前
述の通りである。しかしながら、現実には、完全な格子
を用意するのは困難である。回折格子1,2,3が直線
からずれた格子縞を持つときは、写真乾板7上には、そ
れらの歪みの和と差で表される歪みを持つ格子縞が記録
され、一般に歪みは、1,2,3よりも増加してしま
い、低歪みの格子を作製するのは困難であることも前述
の通りである。
【0011】2つの単色の球面波の干渉縞を記録した回
折格子1,2,3は、直線の格子縞でなく、双曲線の形
の縞を持つため、これらの格子からの回折光は、球面波
を直線の格子縞で回折した波面とはならず、図4のよう
に格子の歪を反映した歪んだ波面となる。しかしなが
ら、+1次回折の場合の波面と−1次回折の場合の波面
は、波面の変形の大きさは同じで向きが正反対となるた
め、例えば、回折格子1で+1次回折した波面を回折格
子2で−1次回折することにより、変形を打ち消すこと
が可能となる。この性質を利用して、第1の回折格子1
と第2の回折格子2及び第3の回折格子3の格子縞の歪
をバランスさせることで、この波面の整形作用を効果的
に働かせ、第2の回折格子2,第3の回折格子3から出
射する波面を平面波に近い波面にすることが可能であ
る。この整形作用により、第2の回折格子2,第3の回
折格子3からの出射光は、ほぼ平面となり、写真乾板7
上には、従来の2つの平行光束を用いた方法と同様の結
果である直線の干渉縞が格子縞として記録される。
【0012】異なる波長の光波成分を照明光として用い
る場合は、分光器でよく知られているように図5のよう
に、第1の回折格子1で異なる角度に回析されるが、第
2の回折格子2,第3の回折格子3の回析がそれと反対
符号の角度の回折作用を持つため、写真乾板7上には、
同じ位置に集光する。このため、単色でない光を入射光
として用いても、この方法は機能をする。回折格子1,
2,3が直線でない格子縞を持つために、波長により光
が写真乾板7に到着する位置は、わずかにずれるが、準
単色光であれば、この誤差は無視できるほど小さい。
【0013】ここで準平面波とは、平面波あるいは波面
の曲率半径が1メートル程度あるいは、それ以上の大き
さをもつ光波のことを指す。ここで準単色波とは、光波
に含まれる光の波長成分の波長の拡がりの幅Δλが、波
長λに比べて1%以下(Δλ/λ<1/100)程度あ
るいはそれ以下であることをいう。
【0014】この方法の実施例として、円形の開口部を
持つ回折格子を作製する場合を例にとる。図2で示す回
折格子作成光学系で作製される最終的な回折格子の縞の
直線からの歪誤差を最小化するためには、次の2つの条
件を満たすように、撮影系を構成する。第1の回折格子
1及び第2、第3の回折格子2,3(第2、第3の回折
格子2,3は同一の回折格子)を記録する時の点光源
(S1 およびS2 )と写真乾板7の中心Oとの距離r1
(回折格子1の記録時)r2 (回折格子2の記録時)
は、記録すべき縞の空間周波数を回折格子1:f/2
(本/mm)、回折格子2及び3:f(本/mm)とす
るとき、次の数式1を満たす比となるようにとる。
【0015】
【数1】
【0016】数式1で、λは用いる準単色光の中心とな
る波長である。
【0017】OS1 ,OS2 のなす角2θは、次の数式
2を満足するように選ぶことが、知られている。
【0018】
【数2】 回折格子1の記録時: sinθ=fλ/4 回折格子2の記録時: sinθ=fλ/2
【0019】ここで言う写真乾板7とは、光の強度分布
を透過率の変化や屈折率の変化として記録できる材料の
ことで、ハロゲン化銀剤、ホトレジスト剤、光有機高分
子剤などを含む。次に数式1が写真乾板上に記録されて
いる格子線の歪みを小さくするために効果を持つことを
説明する。図1上の回折格子を記録する説明図におい
て、写真乾板の中心Oを原点として写真乾板上にxy座
標をとる(紙面上にx座標がのるようにとるものとす
る)。また写真乾板上の任意の点をP(x,y)とし、
P点と2つの光源S,Sとの距離をPS、PS
2で表す。このときS,Sからの光波の干渉によ
り、P点にはOから数えて次の式で求められるn本目の
格子縞が形成される。 n=(1/λ)(PS−PS) …(a) 写真乾板上に記録される格子線に歪みがなければ、縞の
空間周波数はf/2(本/mm)であるから、P点では
次の式で表されるN本目の格子縞が形成されていなけ
ればならない。 N=(fx)/2 …(b) 従って写真乾板に記録される(a)式で表される格子線
の歪みの大きさΔn(本)は、次の式で求められる。 Δn=n−N ={(1/λ)(PS−PS)}−{(fx)/2} …(c) PSとPSの長さを図1上に与えられたr=OS
=OS,OSとOSのなす角度2θ及びP点
の座標(x,y)で表すと(c)式は、 Δn=(1/λ) ×[√{(x+rsinθ+y+r cosθ} −√{(x−rsinθ+y+r cosθ} ] −{(fx)/2} …(d) 写真乾板から2光源を見込む角度2θと格子の中心で
の周波数f/2(本/mm)の間には、 sinθ=(fλ)/4 …(e) の関係が成り立つことがよく知られている。(d)式で
x/r,y/rが1に比べて小さいことを利用し
て、平方根を展開し、(e)式の関係を使うとΔn
次のように近似される。 Δn=−{(fx)/4r } ×[{1−((fλ)/16)}x+y] …(f) 同様にして回折格子2及び3の歪みの大きさΔn,Δ
は、空間周波数をf/2(本/mm)からf(本/
mm)と2倍することで計算され、次のようになる。 Δn=Δn=−{(fx)/(2r )} ×[{1−((fλ)/4)}x+y] …(g) 回折格子1、2、3を配置した図2の光学系の図におい
て、格子1の中心Oを通過した光線は回折格子2、3の
中心をそれぞれ通過し、写真乾板の中心で重なるものと
する。回折格子1の歪みをΔnとするとき、+1次回
折光の波面の歪みはΔnで与えられ、−1次回折光の
歪みは−Δnで与えられることがよく知られている。
照明光が完全な平行光である場合は、回折格子1上の座
標点(x,y)を通過した光線は、回折格子2、3のそ
れぞれの座標点(x,y)を通過するし、準平行光の場
合も近似的に同様と考えられる。回折格子1で+1次回
折、回折格子2で−1次回折した光の波面の歪みはΔn
−Δnであり、回折格子1で−1次回折し、回折格
子3で+1次回折した波面の歪みは−Δn+Δn
与えられる。写真乾板上に記録される格子線の歪みΔn
は、これらの二つの回折光の歪みの差となり、次の式で
与えられる。 Δn=2Δn−Δn−Δn …(h) (f)式、(g)式を(h)式に代入し、また数式1を r=r√[2{1−(3/16)(fλ)} /{1−(3/64)(fλ)}] と変形して(h)式に代入すると、写真乾板上の格子線
の歪みΔnとして、次の式が導かれる。 Δn=[{9(fλ)} /[64{1−(3/16)(fλ)}]] ×{(fx)/4r }{−(x/3)+y} …(i) 写真乾板の歪みΔn((i)式)と回折格子1の歪みΔ
((f)式)を比較すると、近似的に(i)式の係
数である [9(fλ)}/[64{1−(3/16)(fλ)}] だけ写真乾板の歪みの方が小さくなっている。この値は
通常1に比べてかなり小さいから写真乾板の歪みΔnは
回折格子1の歪みΔnよりもかなり小さくなってお
り、本願の目的が達成されていることが判る。具体的な
数値としてf=800(本/mm),λ=633nmと
すると、この係数の値は0.038となり、写真乾板の
歪みが回折格子1の歪みの3.8%になることが判る。 (実験例) 具体的な実験例として、口径26mm×26mmで空間
周波数がそれぞれ400本/mm(回折格子1)及び8
00本/mm(回折格子2及び3)の回折格子を図1に
示す光学系で作製し、図2に示す光学系の回折格子1,
2,3として用いて、干渉計を構成した。図1で、回折
格子1,2,3を記録したときのパラメーターの値は、
=280mm,r=396mm,θ=7.27
degree,θ=14.6degreeであり、記
録に用いた光源の波長は633nmである。r/r
の比は、数式1を満たしている。この条件で記録された
回折格子1,2,3の格子縞の歪みの測定値は、格子縞
間隔を単位として22.4本になった。このようにして
作製した回折格子1,2,3を図2の光学系に配置し、
波長633nmの光で照明し、写真乾板の位置に形成さ
れる干渉縞を写真乾板に記録した。写真乾板に記録され
た干渉縞の直線縞からの歪みを測定した結果、約2本と
なり、回折格子1,2,3の歪み22.4本に比べて1
/10以下に歪みが減少していることが判った。実験に
用いた写真乾板が、十分良質なものでないため、その影
響が見られて、歪みは2本となったが、写真乾板として
良質なものを用いればさらに歪みは小さくなると予想さ
れる。
【0020】
【発明の効果】従来の光波の干渉縞を記録することによ
る回折格子の製作法には、2種類ある。第1の方法は、
レンズや放物面鏡を用いて平行光を作り、分割して2方
向から写真乾板を露光する方法であり、第2の方法は、
光波を2つのピンホールを通して点光源とした後、この
2つの光源からの発散する球面波で写真乾板を露光して
干渉縞(ヤング縞)を記録する方法である。第1の方法
と比較すると、この発明のの方法は、必ずしも平行光を
必要としないので、レンズや放物面鏡を必要としない利
点がある。平行光を作るレンズには、通常反射防止コー
ティングが施されているが、レンズの場所により光の入
射角が異なるため、反射防止は完全には機能せず、レン
ズ内部での反射がおこり、ノイズ光が発生する欠点があ
った。またレンズが数枚から成るときは、さらにレンズ
間での反射が反射回数を増加させるためノイズ光は大き
くなる。これらのノイズ光は、写真乾板上に空間周波数
が記録すべき縞と同程度の縞ノイズを発生する。この発
明の方法では、要素となる回折格子は平面で構成され、
また入射光は入射角がほぼ0°付近で大きくないため、
回折格子各々の裏面に反射防止コートを施すと内部反射
で発生するノイズ光は、レンズを用いる方法に比べてか
なり小さくすることができる。また、レンズや放物面鏡
が不要なことから、大口径の回折格子の作製にも適して
いる。
【0021】第2の方法と比較すると、この発明の方法
は、記録される縞の直線からずれが、より小さくなる利
点を持つ。従来の2つの点光源の方法では、(この発明
の方法の要素回折格子を作るのに用いられているよう
に)形成される干渉縞が直線ではなく、双曲線の集合体
となるため、縞の曲がりが実用となるくらい小さい回折
格子を作製するためには、点光源を十分に遠方に持って
行く必要があった。しかしながら、光源と写真乾板の間
にある空気の揺らぎにより、光波が乱されるので、光源
を遠方へ持ってゆくには限界がある。この理由で、第2
の方法は、大きい口径の回折格子の作製には、不向き
で、あまり用いられてなかった。この発明の方法は、こ
の第2の方法で作られた大きい歪を持つ3個の回折格子
が、お互いの格子の歪を打ち消しあうため、最終的に記
録される格子縞のゆがみ(収差)を極めて小さくする。
この効果の大きさを示すために、縞の直線からのずれが
縞間隔1本以内となる口径100mmの回折格子を波長
633nm付近の光で作る場合を例にとる。
【0022】従来の点光源の方法を用いた場合に必要な
写真乾板と点光源の距離、及びこの発明の方法で要素と
なる回折格子を記録するために必要な写真乾板と点光源
の距離(r1 とr2 の大きい方の距離)とを比較すると
図3のようになる。図3は収差1波長の回折格子を作る
のに必要な距離を示す。回折格子の口径100mmφ、
記録波長633nmとする。図で横軸は記録する回折格
子の縞の空間周波数である。例えば、1000本/mm
の回折格子を作るには、従来の方法で7.5mが必要で
あったのに対して、今回では、1.5mで十分であり、
実験室のスペースの大きな節約になっている。また、こ
の発明の方法では、3個の回折格子を照明する光源とし
て従来技術のように干渉性の良い単色光は必要でないの
で、発光ダイオード等の干渉性の劣る準単色な光源も利
用できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヤング縞回折格子の記録方法を示す説明図。
【図2】回折格子作製光学系を示す説明図。
【図3】写真乾板と点光源との間の距離と干渉縞の空間
周波数との関係を示すグラフ。
【図4】それぞれの回折格子における干渉縞のゆがみを
示す説明図。
【図5】異なる波長の回折状態を示す説明図。
【符号の説明】
1 第1の回折格子 2 第2の回折格子 3 第3の回折格子 4 回折格子作成光学系 7 写真乾板 11 ハーフミラー 12 ミラー 13 顕微鏡対物レンズ 14 ピンホール 15 写真乾板

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縞の空間周波数f/2(本/mm)の第
    1のヤング縞回折格子と縞の空間周波数f(本/mm)
    の第2のヤング縞回折格子と縞の空間周波数f(本/m
    m)の第3のヤング縞回折格子及び写真乾板を備え、第
    1のヤング縞回折格子を準単色の準平面波で照明して回
    折光を発生させ、前記第1のヤング縞回折格子からの回
    折光を前記第2のヤング縞回折格子で回折し、かつ前記
    第1のヤング縞回折格子からの回折光を前記第3のヤン
    グ縞回折格子で回折し、前記第2のヤング縞回折格子か
    らの回折光と前記第3のヤング縞回折格子からの回折光
    とを重ねて干渉させた干渉縞を前記写真乾板上に記録し
    て回折格子を製作する場合において、第1のヤング縞回
    折格子を記録するときの点光源S1 およびS2 と写真乾
    板の中心Oとの距離をr1 、第2のヤング縞回折格子と
    第3のヤング縞回折格子とを記録するときの点光源S1
    およびS2 と前記写真乾板の中心Oとの距離r2 とする
    とき、λを用いる準単色光の中心となる波長として次の
    数式1を満す比となるようにとること、 【数1】 を特徴とするヤング縞回折格子を用いた回折格子の製作
    方法
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