JP2500263B2 - ガラス繊維強化複合材料 - Google Patents

ガラス繊維強化複合材料

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JP2500263B2 JP2412387A JP41238790A JP2500263B2 JP 2500263 B2 JP2500263 B2 JP 2500263B2 JP 2412387 A JP2412387 A JP 2412387A JP 41238790 A JP41238790 A JP 41238790A JP 2500263 B2 JP2500263 B2 JP 2500263B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明はガラス繊維強化複合材料の製造法
に関する。さらに特に本発明は、ガラス製造の特別なシ
ラ処理が複合材料の改良された衝撃強度を促進するとい
う上述の方法に関する。
【0002】広範なプラスチツク材料をガラス及び他の
繊維で強化することによつて複合材料を製造することは
公知である。この方法で強化しうるプラスチツク材料に
は、ポリアミド、熱可塑性ポリエステル、熱硬化性樹脂
及びポリオレフインがある。ポリオレフインマトリツク
ス及びガラス繊維強化材を含む複合材料は、他の種類の
プラスチツク材料を用いた同様の材料と比べて機械的性
能が貧弱である。この貧弱な機械的性質はポリオレフイ
ンマトリツクスとガラス繊維との間の固有の接着の弱さ
に帰することができる。ポリオレフイン及び特にポリプ
ロピレンは非常に低い極性をもち、従つてその他の材料
への接着は非常に貧弱である。例えば表面の予備処理し
ないと塗料やシール剤がポリプロピレン表面に付着しな
いということは工業において良く知られている。
【0003】ガラス繊維及び/又はポリオレフインの表
面を改変することによつてガラス繊維強化ポリオレフイ
ンの性質を改善する試みがなされてきた。例えば米国特
許第4,451,592号はガラス繊維をアミノシラン及びカル
ボキシル化ポリオレフイン/ラテツクスフイルム形成材
料の混合物で処理し、同時にポリオレフインをカルボン
酸例えばイソフタル酸又はテレフタル酸で処理する方法
を記述している。この方法では酸がポリプロピレン鎖と
反応し且つグラフトし、一方アミノシランはガラス繊維
の表面上に塩基性基を与える。結果としてガラス繊維は
酸改変ポリオレフインと接触した時に、繊維とポリオレ
フインの間に塩様の静電的結合が生じ、複合材利用の衝
撃強度が改善される。
【0004】酸グラフト化ポリオレフイン共重合体をポ
リオレフイン組成物中に導入し、そして得られるポリオ
レフイン、組成物をアミノシラン処理のガラス繊維と共
に用いて、複合材料の機械的性質を改善することも公知
である。このように改変したポリプロピレンは「カツプ
ルド・ポリプロピレン」としての文献には記述され、中
でも米国特許第3,416,990号及び第3,849,516号に開示さ
れている。
【0005】テンプル(Temple)の米国特許4,455,343号
は、ポリプロピレンを含む熱可塑性重合体に対する強化
マツトに使用するガラス繊維糸の処理法を記述してい
る。この方法ではガラス繊維糸を、1つがビニル含有試
剤であり且つ他が飽和アミノシランカツプリング剤であ
る、但し存在するシランの全重量に基づいてビニル含有
試剤が60〜99重量%そしてアミノシランカツプリング剤
が40〜1重量%である有機シランカツプリング剤を含ん
でなる水性組成物で処理する。水性組成物は熱に安定な
有機化酸化物、ガラス繊維潤滑剤及び非イオン性表面活
性剤を更に含んでなる。フイルム形成重合体及び/又は
軟化剤も水性組成物中に導入することができる。
【0006】ゴドリユースキー(Godlewski)らの、本特
許願と同一譲受人による米国特許第4,481,322号は、ポ
リオレフインを含む熱可塑性重合体へのガラス繊維の接
着を改善するための組成物を記述している。この組成物
はガラス繊維と熱可塑性重合体の間の塩様静電的結合の
生成に依存しなくても、むしろ1つの間の共有結合の生
成に依存する。結果としてこの組成物をポリプロピレン
と共に用いる時、ポリプロピレンをカツプリングさせる
又はさもなければ改変する必要がない。ユニオン・カー
バイド社(Union Carbide Corp.)から商品名ウカルシル
(UCARSIL)PCのなで市販されているこの組成物は、
(a)少くとも2つの重合性飽和基を有する重合しうる
不飽和有機化合物、(b)ビニル重合性不飽和の、加水
分解しうるシラン、及び(c)遊離基発生剤、を含んで
なる。この3つの部分からなる系は「繊維共有結合剤」
として言及されよう。この組成物は普通混練り操作中に
ガラス繊維及びポリオレフインに添加される。(上述の
米国特許第4,481,322号に記述されている方法におい
て、繊維共有結合剤は無機充填剤及び表面活性剤も含有
しうる。しかしながら、表面活性剤はいくつかの場合に
省略でき、そして繊維共有結合剤を用いてガラス繊維/
ポリオレフイン複合材料を製造する場合、ガラス繊維は
特許に記述されている無機充填剤、例えば雲母にとつて
代わる)。
【0007】繊維共有結合組成物を用いることの利点は
文献に記述されている。参照ゴドリユースキー、雲母充
填ポリオレフインにおける有機珪素化学品、第38回強化
プラスチツク/複合物会議、S.P.I.,テキサス週ヒユー
ストン市、1983年2月9日、及びギレツト(Guillet)、
充填及び強化ポリオレフインにおけるシランとの化学的
カツプリング、「混練り88」会議、英国ロンドン市、19
88年2月16日〜17日。これらの刊行物に記述されている
ように、繊維共有結合剤によつて形成される繊維−樹脂
共有結合は、従来法の酸で改変したポリプロピレン/ア
ミン処理したガラス繊維生成物で得られたものと同等の
未老化複合物の機械的性質を与えるが、繊維共有結合剤
で結合した複合物は苛酷な環境条件下においてより安定
である。有湿雰囲気中で老化後、酸改変のポリプロピレ
ン/アミンで処理したガラス繊維生成物は、耐衝撃性の
劇的な低下を示すが、同様の条件において繊維共有結合
剤で結合した生成物は殆んど又は全然性質を変化させな
い。
【0008】繊維共有結合剤組成物はシラン及びポリオ
レフイン間のラジカル付加反応によつて作用するから、
ガラス繊維はアミノシランで予備処理することは必ずし
も必要でない。悪いことに、市販のガラス繊維は普通通
常の酸で改変したポリオレフインと共に用いるのに最適
化されたサイジング組成物で処理されている。従つてポ
リオレフインに基づく複合物の製造において繊維共結合
剤から最適の性能を得るために、処理した繊維がポリオ
レフインマトリツクスへの共有結合に関与する能力を高
めるガラス繊維の予備処理工程が必要である。本発明は
そのようなガラス繊維の予備処理を含んだガラス繊維強
化複合材料の製造法を提供する。
【0009】本発明は、ガラス繊維を、アミン官能基を
有するシラン分子及びエチレン性不飽和官能基を有する
シラン分子を含んでなるシラン組成物で処理し、この処
理したガラス繊維を、ポリオレフイン樹脂並びに(a)
少くとも2つの重合性不飽和基を有する重合しうる不飽
和有機化合物0.05〜15重量%及び(b)ビニル重合しう
る不飽和の、加水分解しうるシラン0.05〜5重量%を含
んでなる繊維結合剤と混合し、但し成分(a)及び
(b)の重量%は処理したガラス繊維の全重量に基づく
ものであり、得られる混合物中に、処理したガラス繊維
をポリオレフイン樹脂と結合させるのに十分な量の遊離
基を発生させ、ガラス繊維、ポリオレフイン樹脂、及び
繊維結合剤の得られる混合物を、繊維強化複合材料を生
成せしめるのに十分な温度及び圧力の条件にさらす、こ
とを含んでなるガラス繊維強化複合材料の製造法を提供
する。
【0010】遊離基は、プラスチツク加工装置での熱及
び剪断力作用により或いは(c)処理されるガラス繊維
の全重量に基づいて0.0025〜2.5重量%の遊離基発生剤
を、処理したガラス繊維、ポリオレフイン樹脂及び繊維
と混合することにより発生せしめうる。
【0011】更に本発明は、ポリオレフインマトリツク
ス、及びポリオレフインマトリツクス中に分散された複
数のガラス繊維、を含んでなる、但し該ガラス繊維が、
アミン官能基を有するシラン分子及びエチレン性不飽和
官能基を有するシラン分子を含んでなるシラン組成物
の、(a)少くとも2つの重合性不飽和基を有する重合
しうる不飽和有機化合物0.05〜15重量%、及び(b)ビ
ニル重合性不飽和の、加水分解しうるシラン0.05〜5重
量%との、遊離基開始剤0.0025〜2.5重量%の有無下に
おける、反応生成物によりポリオレフインマトリツクス
に結合されており、但し、成分(a)〜(c)の重量%
が処理したガラス繊維の全重量に基づくものである、繊
維強化複合材料を提供する。
【0012】本発明の方法において、ガラス繊維を、ア
ミン官能基及びエチレン性不飽和官能基の双方を有する
シラン組成物で予備処理する。このシラン組成物はアミ
ン官能基がエチレン性不飽和官能基を同一の分子中に有
する少くとも1種のシランを含むことができる。他にシ
ラン組成物はアミン官能基を有する第1のシラン及びエ
チレン性不飽和官能基を有する第2のシランを含んでい
てもよい。
【0013】アミン官能基とエチレン性不飽和官能基を
同一の分子中に有する好適なシランは米国特許第4,584,
138号及び第4,668,716号に記述されているものである。
【0014】これらのシランは一般式
【0015】
【化2】 Y[N(Y)cR2-c]x[N(W)R1]y[N(Y)bR2 2-b]x(HX)w [式中、R及びRはそれぞれ炭素数2〜6の2価のア
ルキレン基、炭素数6〜12の2価のアリーレン基、炭素
数7〜20の2価の置換アリーレン基、及び式-C(=O)R3-
の2価の基からなる群から選択され、但しR3は炭素数
2〜6の2価のアルキレン基であり、炭素数1〜10の1
価のアルキル又はアリール基或いは水素であり、wは水
素又は-C(=O)R4-であり、但しR4は炭素数8〜24の、少
くとも1つの二重結合を含む1価の炭化水素基であり、
Yは水素、-C(=O)R4-、R2及び-R5Si(OR6)3-a(R7)aから
なる群から選択され、但しR4は上述の通りであり、R5
は炭素数2〜6の2価のアルキレン基であり、R6及び
7はそれぞれ炭素数1〜6の1価のアルキル又はアリ
ール基であり、そしてさらにR6は珪素含有残基であつ
てよく、なおこの場合酸素原子がR6の珪素含有残基の
珪素原子に直接結合し、aは0、1又は2の値を有し、
bは0、1又は2の値を有し、cは0又は1の値を有
し、x及びyはx+yが0〜30に等しいような値を有
し、但しxは少くとも1であり、zは0又は1の値を有
し、Xはハロゲン原子或いはエステルヒドロキシル又は
無水物基であり、wは0からx+y+zの合計までに等
しい値を有し、但しwは遊離のアミン形の全窒素原子を
越えず、但し少くとも1つのYが-R5Si(OR6)3-a(R7)a
び少くとも1つのYが-C(=O)R4-であり、そしてx=
1、y=0及びz=0のとき、c=1]によつて表わさ
れるある脂肪族エテノイドアシルアミノ有機シラン化合
物である。これらのシランのうちシラン分子の実質的な
割合において分子当り2つの珪素を有するように合成さ
れる組成物は、米国特許第4,668,716号に開示されてい
るようにそのようなシランがより良好な性能を与えるか
ら好適である。特に好適なものはビス−シラン構造をも
つリノレニルアミドシランである。特に好適なシラン
は、[(MeO)3SiCH2CH2CH2]2[NHCH2CH2NH]及び[CH3(CH2CH
=CH)3(CH2)7CO][NCH2CH2NH][CH2CH2CH2Si(OMe)3]2、即
ち異性体の混合物である。好適な市販の2官能性シラン
組成物はユニオン・カーバイド社から商品名Y−9708と
して販売されているものである。
【0016】シラン組成物がアミン官能基を有する第1
のシラン及びエチレン性不飽和を有する第2のシランを
含んでなる時、好適なシランは以下の通りである(化合
物名に続くA及びY番号はユニオン・カーバイド社の販
売するこれらの製品の商品名である):γ-アミノプロ
ピルトリエトキシシラン(A-1100)、γ-アミノプロピ
ルトリメトキシシラン(A-1110)、ビス(トリメトキ
シシリルプロピル)アミン(Y以下9492)、1,2-ビス-
(トリメトキシシリルプロピル)エタンジアミン及びそ
の異性体、及びトリメトキシシリルプロピル置換ジエチ
レントリアミン(A-1130)。
【0017】γ-アミノプロピルトリエトキシシラン及
びγ-アミノプロピルトリメトキシシランは特に好適で
ある。
【0018】好適なエチレン性不飽和シランはビニルシ
ラン、例えばビニルトリメトキシシラン(A-171)、ビ
ニルトリエトキシシラン(A-151)、ビニルトリス(2
-メトキシエトキシ)シラン(A-172)及びγ−メタク
リロキシプロピルトリメトキシシラン(A-174)であ
る。
【0019】繊維共有結合剤は表面活性剤を含有する必
要がないけれど、繊維結合剤がガラス繊維の重量に基づ
いて高々約2.5重量%の表面活性剤、即ち (i)少くとも炭素数12の珪素に結合したアルキル基を
少くとも1つ含有するシロキサン、或いは (ii)一端においてはシロキサンブロツクにそれぞれ結
合するポリオキシアルキレンブロツク1つ又はそれ以
上、少くとも炭素数12のアルキル基、又はアルケニル基
を有し、そして他端においてアルコキシ基、シロキサン
ブロツク又はヒドロキシ基に結合するポリオキシアルキ
レン化合物、 を含んでなる表面活性剤を含むことが好適である。繊維
結合剤は、普通にはガラス繊維に基づいて高々約15重量
%の不活性な無機担体を含有していてもよい。好適な無
機担体は抗性シリカ、シリケート、アルミナ、アルミノ
シリケート及び重合体物質である。
【0020】本方法においてガラス繊維に適用すべきシ
ランの量は上述の従来の方法で用いたものと同様であ
り、そして特別なシラン組成物及びガラス繊維の組合せ
物に対する最適な量は日常的試行試験によって容易に決
定できる。シラン組成物がアミン官能基を有する第1の
シラン及びエチレン性不飽和官能基を有する第2のシラ
ンを含んでなる場合、第1のシランと第2のシランのモ
ル比は広い範囲内で変えることができ、典型的には1:9
〜9:1の範囲である。特別な組成物に対する最適な比は
日常的試行実験によって容易に決定することができる。
しかしながら少割合のアミノシランは触媒として作用し
うるから、シラ組成物はアミノシランを少割合で及び不
飽和シランを主割合で含んでなることが一般に推奨され
る。技術的に通常のように、本方法におけるシラン組成
物はシラン以外の成分を含有するサイズ浴の形態をとっ
てもよい。望ましくはそのようなサイズ浴はシランを0.
1〜2重量%で含有することができる。典型的には、そ
のようなサイズ浴はフイルム形成材料、例えばポリ酢酸
ビニル、アクリレート、ポリオレフイン、ポリエステ
ル、フエノキシ樹脂、フエノール−ホルムアルデヒド樹
脂、尿素、ポリウレタン、及びエポキシ樹脂も含んでな
る。本方法で使用するための好適なフイルム形成材料は
アミノシランと反応するという点でエポキシ樹脂であ
り、この付加反応は複合材料の衝撃強度を向上させる点
で付加的利点を提供しうる。好ましくは、フイルム形成
材料はサイズ浴の1〜20重量%をなす。
【0021】シラン組成物のガラス繊維への適用は同業
者には公知の通常の技術のいずれかによって行なうこと
ができる。即ち処理されるガラス繊維は、連続ガラス繊
維糸、連続ガラス繊維、練紡、マット、織布又は切断繊
維糸の形であってもよい。シラン組成物は繊維形成後に
直接ロール式適用機を通してガラス繊維に適用すること
ができる。他にシラン組成物は、カラス繊維を形成せし
めた時又はガラス繊維乾燥後に、ガラス繊維にシラン組
成物を噴霧する又は繊維を組成物に浸すことによって適
用しうる。前述したいように、シラン組成物は付加的成
分例えばフイルム形成材料を含有するサイズ浴中に導入
してもよい。他にシラン組成物及び通常のサイズ浴を、
例えば2重ロール式適用機により、或いは乾燥後のガラ
ス繊維の噴霧、浸漬又は後処理のための2つの別々の適
用機系により、ガラス繊維に別々に適用することができ
る。しかしながらシランと他のサイズ浴成分のある組合
せの性能は、それを単一の浴から一緒に適用するか又は
別々に適用するかに依存して変化することを特記してお
く必要があろう。いくつかのサイズ浴は単なる混合物で
なく、シランと浴の他の成分、特にフイルム形成材料と
の間で実質的な相互作用が起こる。特にアミノシランは
サイズ浴に使用される好適なエポキシ樹脂に付加しよ
う。これと同じことはイソシアネートのプレポレマー及
びホルムフルデヒド樹脂の場合に真実である。これらの
フイルム形成材料のいずれかをサイズ浴においてアミノ
シランと共に用いる場合、シランとフイルム形成材料の
添加順序は最終複合材料の性能に影響しうる。下記の実
施例で詳細に示すように、フイルム形成材料の影響は重
要であり、その濃度と共に変化する。与えられたフイル
ム形成材料に対して特別な最適濃度があるように見え、
これは材料の種類と共に変化する。
【0022】シラン組成物はサイズ浴の形であるかない
かに関係なく、水又は有機溶媒を含有しうる。シランが
水性組成物に含まれる場合、シランを水に添加し、その
逆であってはならない。更にシランを、他の成分を含む
水性サイズ浴に導入する場合、望ましくはシランを別に
加水分解し、次いでサイズ浴の残りの成分に添加する。
【0023】本方法では他のポリオレフイン例えばポリ
エチレン及びエチレンとプロピレンの共重合体が使用で
きるけれど、好適なポリオレフイン樹脂はポリプロピレ
ンである。
【0024】本発明で使用される繊維共有結合剤の詳細
は全開示が本明細書に参考文献として引用されるゴドリ
ユスキーの米国特許第4,481,322号に完全に記述されて
おり、従ってこれらの組成物は本明細書には詳細に記述
しない。繊維共有結合剤において、少くとも2つの重合
性不飽和基を有する重合しうる不飽和有機化合物は、望
ましくは1種又はそれ以上の、ポリ(ビニルアルコー
ル)、ペンタエリスリトール、メチロールプロパン、ジ
ペンタエリスリトールのトリ、テトラ又はペンタアクリ
レート、或いはペンタエリスリトール、メチロールプロ
パン、又はジペンタエリスリトールのペンタメタクリレ
ートである。ビニル重合性不飽和の、加水分解しうるシ
ランは望ましくはγ-メタクリロキシプロピルトリメト
キシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ
(2-メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリメトキシ
シラン、ビニルトリクロルシラン、γ-アクリロキシプ
ロピルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラ
ン、エチニルエトキシシラン及び2-プロピニルトリク
ロルシランのいずれか1つ又はそれ以上である。
【0025】遊離基発生剤は望ましくは、ジクミルパー
オキサイド、ラウリルパーオキサイド、アゾビスイソブ
チロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、tert-ブチ
ルパーベンゾエート、ジ-(tert-ブチル)パーオキサイ
ド、クメンハイドパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-
ジ-(tert-ブチルパーオキシ)-ヘキサン、tert-ブチル
ハイドロパーオキサイド及びイソプロピルパーカーボネ
ートのいずれか1つ又はそれ以上である。他に遊離基は
プラスチック加工装置(例えばポリオレフインとガラス
繊維を混合するために用いた押出し機)の熱及び剪断力
の作用によって生じさせることができ、この場合には化
学的遊離基発生剤の添加量を減じ又はその必要性を排除
する。
【0026】次の実施例は、単なる例示ではあるけれ
ど、本発明の方法に用いる好適な試剤、条件及び技術の
詳細を示すために記述される。すべての部及び割合は断
らない限り重量によるものとする。これらの実施例で用
いる略号及び測定条件は次の通りである:LOI−540℃で
2時間燃焼時の消失LOI(外側)−LOI(内側) 移動指数=2×平均LOI 但し(外側)及び(内側)は実施例1のBに記述するよ
うに生成するケークの内側及び外側表面に関するもので
ある。
【0027】引張り性−ISOR527−67による。I型試料
を23℃で用い且つ引張り速度は50mm/分。
【0028】チヤーピー(Charpy Impact Strengt
h)−ISO179−82による。刻目なしの試料を使用。
【0029】熱歪温度(HDT)−ISO75−74による。再現
性ある結果を得るために必要であることがわかっている
150℃で3分間の予調整後、110×10×4mmの試料を1820
MPa下に0.32mmたわませて使用。
【0030】次の実施例では、燃焼試験において2つの
異なった消失を用いた。「ガラス繊維LOI」として同定
される第1のものは、ガラス繊維だけの燃焼によって決
定され、単にガラス繊維上のサイズを測定する。「複合
物LOI」として同定される第2のものは最終の複合物材
料の燃焼によって決定され、主たる重量損失は勿論複合
材料のポリオレフインマトリックスの燃焼に由来する。
即ち複合物LOIは複合材料中のポリオレフイン及びガラ
ス繊維の割合を測定する。
【0031】
【実施例1】本実施例は、シラン組成物がアミノ及びビ
ニル両官能基を有する単一のシランを含んでなる本発明
の方法を例示する。
【0032】A.サイズ浴の調製 リノレニルアミドシラン50gを蒸留水2500gに撹拌しなが
ら添加し、得られた混合物をpH6で30分間放置して加水
分解させた。シランの添加後、希酢酸を用いてpHをこ
の値に調節した。
【0033】別にアセトン7gで希釈した自己分散性エ
ポキシ樹脂[エピコート(Epikote)255、シエル・オ
イル社(Shell Oil Co.)から市販]150gを、40℃
に予熱した蒸留水の他の2500gに強く撹拌しながらゆっ
くり添加した。得られる分散液を冷却し、シラン溶液と
混合した。最後に希酢酸でpH5.0に調節し、最終サイズ
浴とした。
【0034】B.サイズ処理したガラス繊維の製造 ガラス繊維を次の組成のEガラスから製造した: SiO2:54.4 Na2O:0.5 K2O:0.2 Al23:14.1 Fe23:0.2 MgO:0.4 CaO:22.4 B23:8.0 F2:0.4 このガラス組成物から、孔204個の大理石ブツシユ、120
0℃の床板温度、1200m/分の延伸速度、及び4分の延伸
時間を用いることにより、公称テイター(titer)68Tex
(フイラメント直径13μに相当)のガラス繊維を延伸
し、ガラス生産量80/分及び生成ケーク重量300gを得
た。上記Aで調製したサイズ浴を、形成直後の繊維に、
ロール式適用機を用いて8m/分で適用した。40のケー
クを製造し、110℃で10時間、次いで120℃で2時間炉中
で乾燥した。
【0035】次いで炉を40℃まで冷却し、ケークを取り
出した。36のケークから30m/分の巻き速度で約2400Tex
の練紡(rovings)を製造した。この巻き速度は繊維の
粘着、輪状物の生成及びブレーキ板上の付着物によって
制限されたが、正しい形の、表面が僅かに黄色がかった
練紡が生成した。この繊維の性質は次の通りである: ガラス繊維LOI :0.46% 移動指数 :1.9 繊維テイツター :62Tex 引張り強度 :53cN/tex (500mmの試料を200mm/分の引張速度で使用) C.複合物の根練りと射出成形 上記Bで製造した練紡を、長さ/直径比25:1及び38mmの
2軸スクリューを有するコマク・プラスト(Comac P
last)EB-386押出し機中でポリプロピレン単独重合体
[モブレン(Moplen)C30G、MFI(230℃、2.1n)6dg
/分]と混練りした。押出し機を100rpm、溶融温度225
℃、及び溶融物圧力49バールで運転した。押出し機内の
温度傾向の次の通りであった: 重合体供給 :238℃ 区域2 :240℃ 区域3 :235℃ 繊維供給 :230℃ 区域5 :230℃ ノズル :220℃ 口金 :220℃ 本方法で用いた繊維共有結合剤は、実質的に等モル量の
トリメチロールプロパントリアクリレート及びγ-メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシランの1:1混合物4
部の、ジクミルパーオキサイドの8%ビニルトリエトキ
シシラン中溶液1重量部との混合物を含んでなった。取
り扱いの容易さのために、この溶液混合物を等重量の不
活性な担体[デグツサ(Dequssa)から商品名シパーナ
ト(SIPERNAT)22として販売]と混合し、50%乾燥粉末
濃縮物とした。
【0036】押出し機で用いた割合は、ポリプロピレン
67.6%、ガラス繊維練紡30%及び繊維供給結合剤を含む
乾燥粉末濃厚物2.4%であった。ポリプロピレンを繊維
共有結合剤濃厚物と混合し、そして得られた混合物を、
秤量供給機を通してペレットで供給し、混練ラインに送
った。(繊維共有結合剤は他の方法で複合物材料の他の
成分と混合することができた。例えば繊維共有結合剤
は、ガラス繊維を押出し機中に別々に導入する又はポリ
オレフインと同一のホッパーへ切断形で導入することと
関係なく、ガラス繊維に添加することができた。)この
サイズ処理したガラス繊維を4×2400Tex練紡として溶
融区域の終点に導入した。押出し物を水浴で冷却し、ペ
レットに切断した。
【0037】このようにして得た複合物のペレットを、
直径30mm及び長さ/直径比20のアービツド(Arbid)ス
クリユー及びシリンダーにより、75トンのアーバーグ・
オールラウンダー(Arburg Allrounder)プレスで射
出成形した。装置は次の条件で運転した:スクリユー速
度30rpm、サイクル時間55秒、及び次の温度傾向: 供給 :220℃ 区域2 :218℃ 区域3 :220℃ ノズル :220℃ 型 :60℃ D.複合物の性質 成形複合材料は次の性質を有した: 複合物LOI :70% 降伏引張り強度 :99MPa 引張り伸張 :1.8% 降伏曲げ強度 :112MPa 曲げモジユラス :4190MPa 刻目なしチヤーピー衝撃強度 :36J/m2 HDT :161℃ HFI(230℃ 21.6N) :5.2/10分
【0038】
【対照実施例A】本実施例は、アミノ官能基だけを含有
し、不飽和官能基をもたないシランの使用が実施例1で
達成されたものと同程度に良好な複合物の性質を与えな
いということを例示する。
【0039】サイズ浴が次の組成を有する以外実施例1
を繰返した: γ-アミノプロピルトリエトキシシラン 0.6% エビコート255 3.0% 水 96.4% 製造した成形複合物材料は次の性質を有した: 複合物LOI :69% 降伏引張り強度 :98MPa 引張り伸張 :2.2% 降伏曲げ強度 :110MPa 曲げモジユラス :4470MPa 刻目なしチヤーピー衝撃強度 :25J/m2 HDT :161℃ HFI(230℃ 21.6N) :5.6g/10分 これらの値を実施例1に示したものと比べると、2つの
組成物の多くの性質は類似しているけれど、シランが不
飽和官能基を有してない対照組成物は実施例1で達成さ
れたものの約70%にずきないチヤーピー衝撃強度しか有
さないことが見られよう。
【0040】
【実施例2】本実施例は、シラン組成物がアミノ及びビ
ニル両官能基を有する単一のシランを含んでなるが、サ
イズ浴に用いるフイルム形成材料が実施例1に用いたも
のと異なる本発明の方法を例示する。
【0041】エピコート255の代りに、ヘキスト社(Ho
echst Corp.)から市販されている酸化されたポリエ
チレン乳化液のホーダマー(Hordamer)PE-03を用いる
以外実施例1を繰返した。即ちサイズ浴の組成は次の通
りであった: シラン 1.0% ホーダマーPE-03フィルム形成剤 3.0% 水 96.0% 酸化されたポリエチレン乳化液フイルム形成材料の使用
は練紡の製造において加工問題が生じないという利点を
有し、斯くして練紡は300m/分で巻くことができ且つ良
好な品質であった。
【0042】得られた複合物の性質は次のとおりであっ
た: 複合物LOI :71% 降伏引張り強度 :97MPa 引張り伸張 :1.8% 降伏曲げ強度 :112MPa 曲げモジユラス :4500MPa 刻目なしチヤーピー衝撃強度 :25J/m2 HDT :160℃ HFI(230℃ 21.6N) :4.7g/10分
【0043】
【対照実施例B】本実施例は、アミノ官能基だけを含有
し、不飽和官能基をもたないシランの使用が実施例2で
達成されたものと同程度に良好な複合物の性質を与えな
いということを例示する。
【0044】シランを対照実施例Aで用いたもので代替
する以外実施例2を繰返した。斯くしてサイズ浴は次の
組成を有した: γ-アミノプロピルトリエトキシシラン 0.6% ホーダマーPE-03 3.0% 水 96.4% 製造した成形複合物材料は次の性質を有した: 複合物LOI :68% 降伏引張り強度 :90MPa 引張り伸張 :1.7% 降伏曲げ強度 :107MPa 曲げモジユラス :4970MPa 刻目なしチヤーピー衝撃強度 :20J/m2 HDT :160℃ HFI(230℃ 21.6N) :4.4g/10分 これらの値を実施例2に示したものと比べると、2つの
組成物の多くの性質は類似しているけれど、シランが不
飽和官能基を有していない対照組成物は実施例1で達成
されたものの約80%にずきないチヤーピー衝撃強度しか
有さないことが見られよう。
【0045】
【対照実施例C】本願実施例は、(多分酸改変ポリオレ
フインと共有するために処理されている)市販のガラス
繊維練紡の使用は実施例1で達成されたものほど良好な
複合物の性質を与えないということを例示する。
【0046】実施例1の練紡の代りに市販のガラス繊維
の練紡ベテロテツクス(Vetrotex)P365を用いる以外
実施例1を繰返した。製造された成形複合物材料は次の
性質を有した: 複合物LOI :69% 降伏引張り強度 :88MPa 引張り伸張 :2.0% 降伏曲げ強度 :100MPa 曲げモジユラス :4170MPa 刻目なしチヤーピー衝撃強度 :22J/m2 HDT :160℃ HFI(230℃ 21.6N) :4.4g/10分 これらの値を実施例1に示したものと比べると、2つの
組成物の多くの性質は類似しているけれど、対照組成物
は実施例1で達成されたものの約60%にずきないチヤー
ピー衝撃強度しか有さないことが見られよう。
【0047】
【実施例3及び4並びに対照例D及びE】これらの実施
例は、シラン組成物がアミノ官能基を有する第1のシラ
ン及びビニル官能基を有する第2のシランを含んでなる
本発明の方法を例示する。比較のために、これら2つの
シラン各を単独で同様のサイズ浴に用いた場合の対照実
施例を示す。
【0048】用いたシランが以下の通りである以外実施
例1を繰返した(示す割合は各シランのサイズ浴中のパ
ーセントである): 実施例3:ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン
0.35%及びγ-アミノプロピルトリエトキシシラン0.30
%の混合物; 実施例4:メタクリロキシプロピルトリメトキシ0.30%及
びγ-アミノプロピルトリエトキシシラン0.30%の混合
物; 対照実施例D:ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シ
ラン0.7%;及び 対照実施例E:メタクリロキシプロピルトリメトキシ0.6
%。
【0049】製造された組成物の性質を下表に示す。簡
便のために、この表は、用いたシランがγ-アミノプロ
ピルトリエトキシシラン0.6%である対照実施例Aから
の結果も繰返す。
【0050】
【表1】 対照 対照 対照 実施例3 実施例4 実施例D 実施例E 実施例AL OI(%) 31 30 31 32 31 引張り強度(MPa) 102 100 96 95 98 引張り伸張(%) 2.6 2.4 1.4 0.5 2.2 曲げ強度(MPa) 112 110 110 106 110 曲げモジユラス(MPa) 4230 3940 4560 4310 4470 チヤーピー衝撃強度(J/m2) 35 33 23 23 25 HDT(160℃) 161 161 162 161 161 HFI(g/10分) - - 8.2 5.3 5.6 上記表のデータから、実施例3及び4に用いたアミノシ
ラン及びビニルシランの混合物は、成分シランのいずれ
かを単独で用いた場合よりも実質的に大きいチヤーピー
衝撃強度をもたらすということで理解されよう。
【0051】本発明の特徴及び態様は以下の通りであ
る: 1.ガラス繊維を、アミン官能基を有するシラン分子及び
エチレン性不飽和官能基を有するシラン分子を含んでな
るシラン組成物で処理し、この処理したガラス繊維を、
ポリオレフイン樹脂並びに(a)少くとも2つの重合性
不飽和基を有する重合しうる不飽和有機化合物0.05〜15
重量%及び(b)ビニル重合しうる不飽和の、加水分解
しうるシラン0.05〜5重量%を含んでなる繊維結合剤と
混合し、但し成分(a)及び(b)の重量%は処理した
ガラス繊維の全重量に基づくものであり、得られる混合
物中に、処理したガラス繊維をポリオレフイン樹脂と結
合させるのに十分な量の遊離基を発生させ、ガラス繊
維、ポリオレフイン樹脂、及び繊維結合剤の得られる混
合物を、繊維強化複合材料を生成せしめるのに十分な温
度及び圧力の条件にさらす、ことを含んでなるガラス繊
維強化複合材料の製造法。
【0052】2.ガラス繊維を、アミン官能基を有するシ
ラン分子及びエチレン性不飽和官能基を有するシラン分
子を含んでなるシラン組成物で処理し、この処理したガ
ラス繊維を、ポリオレフイン樹脂並びに(a)少くとも
2つの重合性不飽和基を有する重合しうる不飽和有機化
合物0.05〜15重量%、(b)ビニル重合しうる不飽和
の、加水分解しうるシラン0.05〜5重量%及び(c)遊
離基発生剤0.0025〜2.5重量%を含んでなる繊維結合剤
と混合し、但し成分(a)及び(c)の重量%は処理し
たガラス繊維の全重量に基づくものであり、ガラス繊
維、ポリオレフイン樹脂、及び繊維結合剤の得られる混
合物を、繊維強化複合材料を生成せしめるのに十分な温
度及び圧力の条件にさらす、ことを含んでなるガラス繊
維強化複合材料の製造法。
【0053】3.シラン組成物がアミン官能基及びエチレ
ン性不飽和官能基を同一分子内に有するシランを少くと
も1種含んでなる上記2の方法。
【0054】4.シラン組成物が一般式
【0055】
【化3】 Y[N(Y)cR2-c]x[N(W)R1]y[N(Y)bR2 2-b]x(HX)w [式中、R及びRはそれぞれ炭素数2〜6の2価のア
ルキレン基、炭素数6〜12の2価のアリーレン基、炭素
数7〜20の2価の置換アリーレン基、及び式-C(=O)R3-
の2価の基からなる群から選択され、但しRは炭素数
2〜6の2価のアルキレン基であり、Rは炭素数1〜
10の1価のアルキル又はアリール基或いは水素であり、
wは水素又は-C(=O)R4-であり、但しR4は炭素数8〜24
の、少くとも1つの二重結合を含む1価の単価水素基で
あり、Yは水素、-C(=O)R4-、R2及び-R5Si(OR6)3-a(R7)
aからなる群から選択され、但しR4は上述の通りであ
り、R5は炭素数2〜6の2価のアルキレン基であり、
6及びR7はそれぞれ炭素数1〜6の1価のアルキル又
はアリール基であり、そしてさらにR6は珪素含有残基
であつてよく、なおこの場合酸素原子がR6の珪素含有
残基の珪素原子に直接結合し、aは0、1又は2の値を
有し、bは0、1又は2の値を有し、cは0又は1の値
を有し、x及びyはx+yが0〜30に等しいような値を
有し、但しxは少くとも1であり、zは0又は1の値を
有し、Xはハロゲン原子或いはエステルヒドロキシル又
は無水物基であり、wは0からx+y+zの合計までに
等しい値を有し、但しwは遊離のアミン形の全窒素原子
を越えず、但し少くとも1つのYが-R5Si(OR6)3-a(R7)a
及び少くとも1つのYが-C(=O)R4-であり、そしてx=
1、y=0及びz=0のとき、c=1]によつて表わさ
れる脂肪族エテノイドアシルアミノ有機シランを含んで
なる上記1〜3の方法。
【0056】5.シラン組成物が
【0057】
【化4】 [CH3(CH2CH=CH)3(CH2)7CO][NCH2CH2NH][CH2CH2CH2Si(OM
e)3]2 を含んでなる上記4の方法。
【0058】6.シラン組成物が、アミン官能基を有する
第1のシラン及びエチレン性不飽和官能基を有する第2
のシランを含んでなる上記2の方法。
【0059】7.第1のシランがγ−アミノプロピルトリ
エトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン、1,2
−ビス−(トリメトキシシリルプロピル)エタンジアミ
ン及びその異性体、及びトリメトキシシルプロピル置換
ジエチレントリアミン、の少くとも1種である上記6の
方法。
【0060】8.第1のシランが、γ−アミノプロピルト
リエトキシシラン及びγ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、の少くとも1つである上記7の方法。
【0061】9.第2のシランがビニルシランである上記
6の方法。
【0062】10.第2のシランが、ビニルトリメトキシ
シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2
−メトキシエトキシ)シラン及びγ−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシランの少くとも1種である上記9
の方法。
【0063】11.繊維結合剤がガラス繊維の重量に基づ
いて高々約2.5重量%の、 (i)少くとも炭素数12の珪素に結合したアルキル基を
少くとも1つ含有するシロキサン、或いは (ii)一端においてはシロキサンブロツクにそれぞれ結
合するポリオキシアルキレンブロツク1つ又はそれ以
上、少くとも炭素数12のアルキル基、又はアルケニル基
を有し、そして他端においてアルコキシ基、シロキサン
ブロツク又はヒドロキシ基に結合するポリオキシアルキ
レン化合物、を含んでなる表面活性剤を更に含んでなる
上記2の方法。
【0064】12.繊維結合剤がガラス繊維の重量に基づ
いて高々約15重量%の不活性な担体を更に含んでなる上
記2の方法。
【0065】13.不活性な無機担体が孔性シリカ、珪酸
塩、アルミナ、アルミノシリケート及び重合体材料のい
ずれ1つ又はそれ以上を含んでなる上記12の方法。
【0066】14.ガラス繊維をその0.01〜1重量%に等
しい量のシランで処理する上記2の方法。
【0067】15.ガラス繊維を、シラン0.1〜2重量%を
含有するサイズ浴で処理する上記2の方法。
【0068】16.サイズ浴がフイルム形成材料を更に含
んでなる上記9の方法。
【0069】17.フイルム形成材料がポリ酢酸ビニル、
アクリレート、ポリオレフイン、ポリエステル、フエノ
キシ樹脂、フエノール−ホルムアルデヒド樹脂、尿素、
ポリウレタン、エポキシ樹脂、及びフエノキシ樹脂の少
くとも1つを含んでなる上記16の方法。
【0070】18.フイルム形成材料が少くとも1種のエ
ポキシ上記を含んでなる上記17の方法。
【0071】19.フイルム形成材料がサイズ浴の1〜20
重量%をなす上記17の方法。 20.ポリオレフイン樹脂がポリプロピレンである上記2
の方法。
【0072】21.繊維結合剤において、少くとも2つの
重合性飽和基を有する重合しうる不飽和有機化合物が、
ポリ(ビニルアルコール)、ペンタエリスリトール、メ
チロールプロパン、ジペンタエリスリトールのトリ、テ
トラ又はペンタアクリレート、或いはペンタエリスリト
ール、メチロールプロパン、又はジペンタエリスリトー
ルのエンタメタクリレートからなる群から選択される上
記2の方法。
【0073】22.繊維結合剤において、ビニル重合性
の、加水分解しうるシランが、γ−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、
ビニルトリ(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルト
リメトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、γ−アク
リロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリアセ
トキシシラン、エチニルトリエトキシシラン及び2−プ
ロピニルトリクロルシラン、からなる群から選択される
上記2の方法。
【0074】23.繊維結合剤において、有利基発生剤が
ジクミルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、ア
ゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイシルパーオキサイ
ド、tert−ブチルパーベンゾエート、ジ−(tert−ブチ
ル)パーオキサイド、クロンハイドロパーオキサイド、
2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)
−ヘキサン、tert−ブチルハイドロパーオキサイド及び
イソプロピルパーカーボネートからなる群から選択され
る上記2の方法。
【0075】24.繊維結合剤を、その液体成分の、孔性
不活性担体上への吸収によつて製造される粉末形で添加
する上記2の方法。
【0076】25.上記2の方法によつて製造される繊維
強化複合材料。
【0077】26.ポリオレフインマトリツクス、及びポ
リオレフインマトリツクス中に分散された複数のガラス
繊維、を含んでなる、但し該ガラス繊維が、アミン官能
基を有するシラン分子及びエチレン性不飽和官能基を有
するシラン分子を含んでなるシラン組成物の、(a)少
くとも2つの重合性不飽和基を有する重合しうる不飽和
有機化合物0.05〜15重量%、及び(b)ビニル重合性不
飽和の、加水分解しうるシラン0.05〜5重量%との、遊
離基開始剤0.0025〜2.5重量%の有無下における、反応
生成物によりポリオレフインマトリツクスに結合されて
おり、但し、成分(a)〜(c)の重量%が処理したガ
ラス繊維の全重量に基づくものである、繊維強化複合材
料。
【0078】27.反応生成物が、アミン官能基及びエチ
レン性不飽和官能基を同一の分子中に有する少くとも1
つのシランを含んでなるシラン組成物に由来する上記26
の繊維強化複合物材料。
【0079】28.シラン組成物が一般式
【0080】
【化5】 Y[N(Y)cR2-c]x[N(W)R1]y[N(Y)bR2 2-b]x(HX)w [式中、R及びRはそれぞれ炭素数2〜6の2価のア
ルキレン基、炭素数6〜12の2価のアリーレン基、炭素
数7〜20の2価の置換アリーレン基、及び式-C(=O)R3-
の2価の基からなる群から選択され、但しRは炭素数
2〜6の2価のアルキレン基であり、Rは炭素数1〜
10の1価のアルキル又はアリール基或いは水素であり、
wは水素又は-C(=O)R4-であり、但しRは炭素数8〜2
4の、少くとも1つの二重結合を含む1価の炭化水素基
であり、Yは水素、-C(=O)R4-、R2及び-R5Si(OR6)3-a(R
7)aからなる群から選択され、但しRは上述の通りで
あり、Rは炭素数2〜6の2価のアルキレン基であ
り、R及びRはそれぞれ炭素数1〜6の1価のアル
キル又はアリール基であり、そしてさらにRは珪素含
有残基であつてよく、なおこの場合酸素原子がRの珪
素含有残基の珪素原子に直接結合し、aは0、1又は2
の値を有し、bは0、1又は2の値を有し、cは0又は
1の値を有し、x及びyはx+yが0〜30に等しいよう
な値を有し、但しxは少くとも1であり、zは0又は1
の値を有し、Xはハロゲン原子或いはエステルヒドロキ
シル又は無水物基であり、wは0からx+y+zの合計
までに等しい値を有し、但しwは遊離のアミン形の全窒
素原子を越えず、但し少くとも1つのYが-R5Si(OR6)
3-a(R7)a及び少くとも1つのYが-C(=O)R4-であり、そ
してx=1、y=0及びz=0のとき、c=1]によつ
て表わされるある脂肪族エテノイドアシルアミノ有機シ
ランを含んでなる上記27の繊維強化複合物材料。
【0081】29.シラン組成物が
【0082】
【化6】 [CH3(CH2CH=CH)3(CH2)7CO][NCH2CH2NH][CH2CH2CH2Si(OM
e)3]2 を含んでなる上記28の繊維強化複合物材料。
【0083】30.反応生成物が、アミン官能基を有する
第1のシラン及びエチレン性不飽和官能基を有する第2
のシランを含んでなるシラン組成物に由来する上記2bの
繊維強化複合物材料。
【0084】31.第1のシランが、γ−アミノプロピル
トリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン、
1,2−ビス−(トリメトキシシリルプロピル)エタンジ
アミン及びその異性体、並びにトリメトキシシリルプロ
ピル置換ジエチレントリアミン、の少くとも1種である
上記30の繊維強化複合物材料。
【0085】32.第1のシランがγ−アミノプロピルト
リエトキシシラン及びγ−アミノプロピルトリメトキシ
シランの少くとも1つである繊維強化複合物材料。
【0086】33.第2のシランがビニルシランである上
記30の繊維強化複合物材料。
【0087】34.第2のシランが、ビニルトリメトキシ
シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2
−メトキシエトキシ)シラン、及びγ−メタクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン、の少くとも1つである上
記9の方法。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 23/00 KFU C08L 23/00 KFU 51/06 LLD 51/06 LLD // C08L 23:00 23:00 (72)発明者 フレツド・デイ・オスターホルツ アメリカ合衆国ニユーヨーク州10570プ レザントビル・オークドライブ81

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス繊維を、アミン官能基を有するシラ
    ン分子及びエチレン性不飽和官能基を有するシラン分子
    を含んでなるシラン組成物で処理し、 この処理したガラス繊維を、ポリオレフイン樹脂並びに
    (a)少くとも2つの重合性不飽和基を有する重合しう
    る不飽和有機化合物0.05〜15重量部%及び(b)ビニル
    重合しうる不飽和の、加水分解しうるシラン0.05〜5重
    量%を含んでなる繊維結合剤と混合し、但し 成分(a)及び(b)の重量%は処理したガラス繊維の
    全重量に基づくものであり、 得られる混合物中に、処理したガラス繊維をポリオレフ
    イン樹脂と結合させるのに十分な量の遊離基を発生さ
    せ、 ガラス繊維、ポリオレフイン樹脂、及び繊維結合剤の得
    られる混合物を、繊維強化複合材料を生成せしめるのに
    十分な温度及び圧力の条件にさらす、 ことを含んでなるガラス繊維強化複合材料の製造法。
  2. 【請求項2】ガラス繊維を、アミン官能基を有するシラ
    ン分子及びエチレン性不飽和官能基を有するシラン分子
    を含んでなるシラン組成物で処理し、 この処理したガラス繊維を、ポリオレフイン樹脂並びに
    (a)少くとも2つの重合性不飽和基を有する重合しう
    る不飽和有機化合物0.05〜15重量%、(b)ビニル重合
    しうる不飽和の、加水分解しうるシラン0.05〜5重量%
    及び(c)遊離基発生剤0.0025〜2.5重量%を含んでな
    る繊維結合剤と混合し、但し 成分(a)及び(c)の重量%は処理したガラス繊維の
    全重量に基づくものであり、 ガラス繊維、ポリオレフイン樹脂、及び繊維結合剤の得
    られる混合物を、繊維強化複合材料を生成せしめるのに
    十分な温度及び圧力の条件にさらす、 ことを含んでなるガラス繊維強化複合材料の製造法。
  3. 【請求項3】シラン組成物が一般式 【化1】 Y[N(Y)cR2-c]x[N(W)R1]y[N(Y)bR2 2-b]x(HX)w [式中、R及びRはそれぞれ炭素数2〜6の2価のア
    ルキレン基、炭素数6〜12の2価のアリーレン基、炭素
    数7〜20の2価の置換アリーレン基、及び式−C(=
    O)R−の2価の基からなる群から選択され、但しR
    は炭素数2〜6の2価のアルキレン基であり、 Rは炭素数1〜10の1価のアルキル又はアリール基或
    いは水素であり、 wは水素又は−C(=O)R−であり)、但し Rは炭素数8〜24の、少くとも1つの二重結合を含む
    1価の炭化水素基であり、 Yは水素、−C(=O)R−、R及び−RSi(OR
    3−a(Rからなる群から選択され、但しR
    は上述の通りであり、Rは炭素数2〜6の2価のア
    ルキレン基であり、R及びRはそれぞれ炭素数1〜
    6の1価のアルキル又はアリール基であり、そしてさら
    にRは珪素含有残基であつてよく、なおこの場合酸素
    原子がRの珪素含有残基の珪素原子に直接結合し、a
    は0、1又は2の値を有し、bは0、1又は2の値を有
    し、cは0又は1の値を有し、x及びyはx+yが0〜
    30に等しいような値を有し、但しxは少くとも1であ
    り、zは0又は1の値を有し、 Xはハロゲン原子或いはエステルヒドロキシル又は無水
    物基であり、 wは0からx+y+zの合計までに等しい値を有し、但
    し wは遊離のアミン形の全窒素原子を越えず、但し少くと
    も1つのYが−RSi(OR3−a(R及び少
    くとも1つのYが−C(=O)R−であり、そしてx
    =1、y=0及びz=0のとき、c=1] によつて表わされるある脂肪族エテノイドアシルアミノ
    有機シランを含んでなる請求項1又は2の方法。
  4. 【請求項4】ポリオレフインマトリツクス、及び ポリオレフインマトリツクス中に分散された複数のガラ
    ス繊維、 を含んでなる、但し 該ガラス繊維が、 アミン官能基を有するシラン分子及びエチレン性不飽和
    官能基を有するシラン分子を含んでなるシラン組成物
    の、(a)少くとも2つの重合性不飽和基を有する重合
    しうる不飽和有機化合物0.05〜15重量%、及び(b)ビ
    ニル重合性不飽和の、加水分解しうるシラン0.05〜5重
    量%との、遊離基開始剤0.0025〜2.5重量%の有無下に
    おける、反応生成物によりポリオレフイントマトリツク
    スに結合されており、但し、 成分(a)〜(c)の重量%が処理したガラス繊維の全
    重量に基づくものである、 繊維強化複合材料。
  5. 【請求項5】該反応生成物が処理したガラス繊維の全重
    量に基づいて0.0025〜2.5重量%の遊離基開始剤の存在
    下での反応によつて得られるものである請求項4の繊維
    強化複合材料。
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