JP2025035452A - 負極および二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】電池に適用した際にレート特性が良好な電極、特に負極と、それを備えた電池を提供すること。【解決手段】集電体と、前記集電体の表面に備えられた、活物質、導電助剤およびバインダを含む活物質層と、を含む負極であって、前記活物質は、非球形の粒子を含み、前記活物質層のX線回折法による002面におけるピーク強度I(002)と、110面におけるピーク強度I(110)との回折強度比I(002)/I(110)が、100以上300以下であることを特徴とする、負極。【選択図】なし

Description

本発明は、負極および二次電池に関する。
リチウムイオン電池等に用いる電極は、集電体上に電極活物質層が形成されている。電極を作製するにあたり、集電体上に活物質を形成する方法は多数存在するが、活物質を含む電極混合物をスラリー化するか否かの観点からは、湿式法と乾式法に大別することができる。湿式法では、活物質、ポリマー、溶媒等を混合してスラリーを得て、得られたスラリーを集電体上に塗布し、乾燥することにより電極を形成する。一方、乾式法では、溶媒と活物質とをスラリー化した状態で塗布する工程を経ずに電極を形成する。例えば、活物質を含む造粒体をあらかじめ形成し、これを集電体に圧着することにより電極を形成する。
特許文献1は、活物質を含む造粒体をあらかじめ形成しておき、それを集電体上に転写する技術を開示する。特許文献1には、造粒粉末を使用した活物質層の形成不良を抑制するために、造粒粉末と、扁平状の活物質粒子とを混合し、前記扁平状の活物質粒子の粒子径やアスペクト比を定めている。また、特許文献2には、高圧プレスを行った場合でも電極合剤層の過度の緻密化を防止し、剥離強度を高めるために、プレスを行う前に磁場を印加して電極合剤中で細長い形状の黒鉛を集電箔に対して略垂直に配向する発明が開示されている。
特開2016-100127号公報 特開2013-131379号公報
リチウムイオン二次電池においては、急速充放電への要求にこたえるために、レート特性が優れている、すなわち大電流での充放電に耐えうる電極を用いることが望ましい。特許文献1では、扁平状の黒鉛粒子と造粒体を混合することで、ダマになること等を防いで均質な電極が得られることが記載されており、圧延ロールの間隔で所望の活物質層の厚みや空隙率を調整している。しかしながら、特許文献1の電極は、レート特性の改善が不十分の可能性がある。また、特許文献2では、集電箔に略垂直に配向した細長い黒鉛に優先的に圧力をかけて電極合剤を潰れにくくしているが、特許文献2の方法では、垂直に配向した粒子以外にはプレス圧力がかかりにくいため、造粒体が活物質層または集電箔から脱落するおそれがある。したがって特許文献2の電極も、レート特性が十分ではないと推測される。
本発明者らが検討を行ったところ、非球形の粒子を含む活物質と導電助剤およびバインダとから構成される造粒体を用いた活物質層を含む負極において、活物質の配向を適切に調整することで、集電体からの活物質層の脱落が少なく、レート特性が良好な負極が得られることを見出した。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、集電体との密着性が高い活物質層を形成した負極および当該負極を用いたレート特性が良好な二次電池を提供するものである。
すなわち、本発明によれば、以下に示す負極および二次電池が提供される。
1.集電体と、
前記集電体の表面に備えられた、活物質、導電助剤およびバインダを含む活物質層と、
を含む負極であって、
前記活物質は、非球形の粒子を含み、
前記活物質層のX線回折法による002面におけるピーク強度I(002)と、110面におけるピーク強度I(110)との回折強度比I(002)/I(110)が、100以上300以下であることを特徴とする、負極。
2.上記1.に記載の負極と、正極とがセパレータを介して複数積層され、場合により巻回されて、外装容器に収容され、前記正極と電気的に接続される正極端子と、前記負極と電気的に接続される負極端子とが前記外装容器から引き出された、二次電池。
本発明によれば、レート特性が良好な二次電池およびそれに用いる負極を提供することができる。
以下に、本発明の実施形態について説明する。
本発明の一の実施形態は、集電体と、前記集電体の表面に備えられた、活物質、導電助剤およびバインダを含む活物質層と、を含む負極である。ここで前記活物質は、非球形の粒子を含み、前記活物質層のX線回折法による002面におけるピーク強度I(002)と、110面におけるピーク強度I(110)との回折強度比I(002)/I(110)が、100以上300以下であることを特徴とする。
一の実施形態において負極は、特に限定されるものではないが、非水系二次電池材料に用いられる負極のことを指す。負極は、集電体と、集電体の表面に備えられた活物質層とから構成され、活物質層は、活物質、導電助剤およびバインダを含む。集電体として、例えば銅、ニッケル、チタン、ステンレス等の金属を用いることができる。集電体は、平面形状の金属、特に金属の箔を用いることが好ましい。集電体については、詳細には後述する。
一の実施形態で用いられる活物質は非球形の粒子を含む。非球形とは、球形ではない形状全般を指す。活物質の粒子のすべてが非球形の粒子であるとは限らないが、すべてが非球形の粒子であっても良い。活物質の粒子は球形の粒子と非球形の粒子をともに含んでいて良い。活物質として、炭素系活物質を用いることができる。炭素系活物質としては、天然黒鉛、人造黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン、カーボンブラックまたはこれらの任意の混合物を選択することができる。天然黒鉛は粒子表面に非晶質炭素を被覆した天然黒鉛を含み、同様に人造黒鉛は粒子表面に非晶質炭素を被覆した人造黒鉛を含む。これらの天然黒鉛および人造黒鉛は、一次粒子または、一次粒子が凝集して二次粒子を形成した粒子、およびこれらの混合物を用いることができる。また、負極活物質は、炭素系活物質とケイ素系活物質の混合物を用いてもよい。負極活物質にはアルミニウム、リチウム、銀、ビスマス、カルシウム、セリウム、インジウム、マグネシウム、錫、亜鉛、ニッケルなどの金属材料を含んでもよい。負極活物質については、詳細には後述する。
導電助剤は、電極の抵抗を低減するための材料である。導電助剤として、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、活性炭、黒鉛、メソポーラスカーボン、フラーレン類、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノブラシ等のカーボン繊維等が挙げられる。導電助剤については、詳細には後述する。
バインダは、たとえば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂、ポリアニリン類、ポリチオフェン類、ポリアセチレン類、ポリピロール類等の導電性ポリマー、スチレンブタジエンラバー(SBR)、ブタジエンラバー(BR)、クロロプレンラバー(CR)、イソプレンラバー(IR)、アクリロニトリルブタジエンラバー(NBR)等の合成ゴム、あるいはカルボキシメチルセルロース(CMC)、キサンタンガム、グアーガム、ペクチン等の多糖類を挙げることができる。また、バインダとして、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸リチウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウム、ポリメタクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸カリウム;ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリルおよびこれらの任意の混合物を用いることができる。またバインダとしてさらにセルロースの誘導体であるカルボキシメチルセルロース(「CMC」と称する。)、またはカルボキシメチルセルロースの金属塩(たとえば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカリウム)を用いることもできる。バインダについては、詳細には後述する。
一の実施形態において、活物質層は造粒体から構成される。造粒体は、活物質と、導電助剤と、バインダとを含み、これらが凝集したものである。
一の実施形態において、活物質層は以下の特徴を有する:X線回折法による002面におけるピーク強度I(002)と、110面におけるピーク強度I(110)との回折強度比I(002)/I(110)が、100以上300以下である。ここでX線回折法は、CuKα線をX線源とする単色X線を照射して散乱されたX線のスペクトルを測定する方法であり、X線を照射した物質の構造に特有のピークが観察される。一の実施形態では、活物質層にX線を入射し、散乱されたX線スペクトルを測定し、回折角2θ=26~27度付近に検出される(002)面回折ピークと、回折角2θ=70~80度付近に検出される(110)面回折ピークの強度に着目する。(002)面におけるピーク強度I(002)と110面におけるピーク強度I(110)との比に着目する。回折強度比I(002)/I(110)が、100以上300以下であることが好ましい。回折強度比I(002)/I(110)が、100以上300以下であることは、活物質層を構成する造粒体が配向しすぎていないことを意味する。リチウムイオンのパスとなる集電体から活物質層の表面まで連通する空隙(経路)と、その数を維持することが、一の実施形態の負極を用いた二次電池のレート特性を向上させる上で重要である。
X線回折法で、上記のような回折強度比が観察されるような構造を有する活物質層を得るために、活物質と導電助剤とバインダとが凝集した造粒体をまず形成し、ついで造粒体を集電体に積層して活物質層を形成することが好ましい。ここで造粒体とは、上記の活物質、導電助剤およびバインダならびに場合により溶剤の混合物を原料とし、これらを凝集させた粒体(造粒物)のことである。一の実施形態の負極に用いる活物質層は、活物質、導電助剤およびバインダが凝集した造粒体を乾式コーティング法により集電体の表面に塗工して形成する。いったん造粒体を形成した状態で活物質層を形成した後に、プレスの条件を適宜調整しながら、所望の密度が得られるように活物質層をプレスすることができる。活物質層のプレスの際に、造粒体が徐々に崩れることで、活物質粒子が配向しすぎることがないと考えられる。活物質、導電助剤およびバインダを混合したスラリーを用いる湿式コーティング法により形成した活物質層と比べると、造粒体を用いて形成した一の実施形態における活物質層は、活物質層の厚み方向に向かう空孔の経路の数が多いか同程度である。活物質の粒径やバインダ量等を同じにして(すなわち同じ造粒体を使用して)、プレスの回数や圧力などのプレス条件を変化させることで空孔の経路長を調整することもできる。ここで造粒体を用いて形成した活物質層であっても、プレス条件を調整せずに密度を高めると、造粒体がもとの活物質粒子の状態まで解砕されて、結果的に活物質が配向するため、このような活物質層を含む負極を用いた二次電池のレート特性は悪化してしまう。
ここで造粒体の平均粒径は、好ましくは15μm以上、より好ましくは20μm以上、さらに好ましくは40μm以上であり、そして、好ましくは90μm以下、より好ましくは80μm以下、さらに好ましくは70μm以下である。一の実施形態において、造粒体の平均粒径とは、レーザー回折散乱法により測定した粒度分布(体積基準)における積算値50%での粒子径(メジアン径:D50)を意味する。
活物質粒子の平均粒径は、導電助剤の活物質表面への付着の観点から、好ましくは1.0μm以上、より好ましくは1.5μm以上、さらに好ましくは2.0μm以上である。そして、好ましくは20.0μm以下、より好ましくは10.0μm以下、さらに好ましくは5.0μm以下である。一の実施形態において、活物質粒子の平均粒径とは、レーザー回折散乱法により測定した粒度分布(体積基準)における積算値50%での粒子径(メジアン径:D50)を意味する。
負極活物質は、炭素系活物質を含む。炭素系活物質は、天然黒鉛、人造黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン、またはこれらの任意の混合物であることが好ましい。ここで黒鉛とは、六方晶系六角板状結晶の炭素材料であり、石墨、グラファイト等と称されることがある。天然黒鉛および人造黒鉛は、非晶質炭素による被覆を有する天然黒鉛、および非晶質炭素による被覆を有する人造黒鉛を含む。
ここで、非晶質炭素とは、部分的に黒鉛に類似するような構造を有していてもよい、微結晶がランダムにネットワークした構造をとった、全体として非晶質である炭素材料のことである。非晶質炭素として、カーボンブラック、コークス、活性炭、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ、ハードカーボン、ソフトカーボン、メソポーラスカーボン等が挙げられる。人造黒鉛を用いる場合、層間距離d値(d002)が0.33nm以上のものであることが好ましい。
人造黒鉛の結晶の構造は、一般的に天然黒鉛よりも薄い。人造黒鉛を非水電解質二次電池、特にリチウムイオン二次電池用負極活物質として用いる場合は、リチウムイオンが挿入可能な層間距離を有している必要がある。リチウムイオンの挿脱が可能な層間距離はd値(d002)で見積もることができ、d値が0.33nm以上であれば問題なくリチウムイオンの挿脱が行われる。また、負極活物質は、SiOx(式中、xは、0.5≦x≦1.6を満たす数である。)を含むケイ素系活物質(A)と、炭素系活物質とを含んでもよい。
負極活物質のアスペクト比は、1.1以上5以下であることが好ましい。当該範囲のアスペクト比を備えた負極活物質で主に構成された造粒体を作成すると、プレス条件によって活物質層の配向を調整しやすく、配向を調整した活物質層を有する負極を用いた二次電池の電気特性が安定する。負極活物質のアスペクト比が1.1未満になると、活物質粒子が緻密に充填されすぎて活物質層の配向を調整することができず、このような負極を用いた二次電池において優れたレート特性を得ることができない。一方で、アスペクト比が5を超える活物質を用いて造粒体を形成した場合、所望の密度を得ようとプレスの条件を調整すると、活物質層に形成される経路長が長くなりすぎて配向をいくら調整してもこのような負極を用いた二次電池のレート特性は低下する傾向にある。なお、活物質層の配向は、活物質層の回折強度比I(002)/I(110)で求めることができる。活物質層の回折強度比I(002)/I(110)は、より好ましくは50以上であり、さらに好ましくは100以上である。また活物質層の回折強度比I(002)/I(110)は、より好ましくは300以下であり、さらに好ましくは125以下である。なお、活物質層の配向の異方性が大きくなるほど回折強度I(002)は小さくなり、回折強度I(110)は増加する。
一の実施形態において、造粒体の全体を100質量部としたとき、活物質の含有量は、好ましくは95.0質量部以上、より好ましくは96質量部以上、さらに好ましくは97質量部以上、そして好ましくは99.5質量部以下、より好ましくは99.0質量部以下、さらに好ましくは98.5質量部以下である。活物質のうち、造粒体の形成に関わる活物質の割合は、少なくとも95%以上であり、好ましくは97%以上であり、さらに好ましくは99%以上である。
導電助剤はカーボンブラック、カーボンナノファイバーおよびカーボンナノチューブからなる群から選ばれる少なくとも1以上を含むことが好ましい。
導電助剤として用いられるカーボンブラックは、ナノ粒子径を持ったカーボンが数珠状につながったアグリゲート構造を備えることが好ましい。また、カーボンブラックとしては、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどを用いることができる。また、導電助剤としては、グラフェン等の炭素原子で構成される物質を直径数nmで長さ数mmの円筒状に形成したカーボンナノチューブを用いることもできる。特に、円筒の周囲が略単層で形成された単層カーボンナノチューブがバンドル化されたものか、円筒の周囲が複層から形成される多層カーボンナノチューブを用いることができる。
一の実施形態において、造粒体の全体を100質量部としたとき、導電助剤の含有量は、好ましくは0.05質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上、さらに好ましくは0.3質量部以上、そして、好ましくは2.0質量部以下、より好ましくは1.5質量部以下、さらに好ましくは0.5質量部以下である。
一の実施形態において、造粒体は、さらにバインダを含む。導電助剤およびバインダが活物質粒子の表面に存在し、かつバインダおよび導電助剤が造粒体の表面および内部に存在することが好ましい。このようにすることで造粒体をプレスしたときに、活物質粒子間の空孔を潰し過ぎず、また配向させ過ぎずに、所望の密度を得ることが出来る。
バインダは、たとえば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリビニルピロリドン(PVP)、プリテトラフルオロエチレン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド等、スチレンブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、あるいはこれらを2種以上含んでもよいがこれに限らず、溶媒に応じて適宜変更することができる。
一の実施形態において、造粒体の全体を100質量部としたとき、バインダの含有量は、好ましくは0.5量部以上、より好ましくは0.7質量部以上、さらに好ましくは1.0質量部以上、そして好ましくは5.0質量部以下、より好ましくは3.0質量部以下、さらに好ましくは2.0質量部以下である。
一の実施形態の負極を製造する方法としては、活物質粒子を混合、攪拌しながら、導電助剤が分散した分散液を活物質粒子に噴霧しながら加えて造粒体を形成する工程と、造粒体を集電体上に配置してプレスする工程を含むのが好ましい。また、造粒体を形成する際の方式は特に限定されず、たとえば、噴霧造粒方式、攪拌造粒方式、流動層造粒方式、転動造粒方式、押出造粒方式、圧縮造粒方式などの方法が挙げられる。これらの造粒方法を任意に選択あるいは組み合わせてもよい。噴霧造粒方式として、噴霧乾燥造粒方式が挙げられる。噴霧乾燥造粒方式では、たとえば、負極活物質及び導電助剤が分散した分散液をスプレードライヤー内の高温気体中に噴霧することで造粒される。攪拌造粒方式では、たとえば、負極活物質を混合、攪拌しながら、導電助剤が分散した分散液を負極活物質粒子に噴霧しながら加えて造粒される。造粒粒子の平均粒径は、好ましくは15μm以上、より好ましくは20μm以上、さらに好ましくは40μm以上であり、そして、好ましくは90μm以下、より好ましくは80μm以下、さらに好ましくは70μm以下である。造粒粒子の平均粒径は、レーザー回折散乱法により測定した粒度分布(体積基準)における積算値50%での粒子径(メジアン径:D50)を意味する。このように形成した造粒体を含む活物質層に対して、プレス回数とプレス圧力を調整することで、集電体と活物質層の密着性が高く、所望の活物質粒子間の空孔の経路を維持して所望の電極密度を得ることができる。
予め高分散した導電助剤とバインダを含む分散液を、ほかの有機溶媒を含まない状態で活物質粒子に付着させることで、表面に導電助剤が均一に形成された活物質を準備することができる。形成する造粒体の直径は、これらの材料を混合、攪拌する設備によっても異なるが、導電助剤とバインダの分散液を噴霧投入する量やタイミングや、混合、攪拌時間等の条件で制御することが可能である。また、形成した造粒体を篩にかけて分級することで、任意の粒度分布の造粒体を得ることが可能である。
一の実施形態において、集電体の材質は特に限定されないが、集電体が正極集電体である場合、好ましくはアルミニウム箔が好ましい。また、集電体が負極集電体である場合、銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタンまたはこれらの合金をからなる群から選択されるが、特に銅が好ましい。集電体層の形状については、箔状、平板状、またはメッシュ状のものなど特に限定されない。例えば厚さは0.001mm以上0.5mm以下である。
造粒体を集電体表面または集電体の表面に配置してプレスする場合、プレスの方式は、電極活物質を含んだ電極用造粒体を集電体上に形成することが出来れば特に限定されるものではない。一の実施形態では、ロール式の加圧成形方式を用いることが好ましい。ロール式の加圧成形方式においては、長尺の集電体がロール状に巻かれたロール体から集電体を巻き出し、巻き取るまでのあいだに集電体が一対のロールのあいだを通過するように配置されている。造粒体はロールを通過する前に集電体上に供給され、ロール間を通過する際に圧縮され、電極シートとして形成される。造粒体の供給量を調整するために、造粒体はロール間に供給される前にスキージ等で表面をならしながら厚さを供給するのが好ましい。集電体には、造粒体との結着性を高めるためのバインダを含む集電体表面層を予め形成しておくことが好ましい。電極シートのプレス回数、プレス圧力、温度等を調整することで、活物質層と集電体の密着性や、活物質粒子間の空隙の経路の長さを調整することができる。
本発明の二の実施形態は、上記の負極と、正極とがセパレータを介して複数積層され、場合により巻回されて、外装容器に収容され、前記正極と電気的に接続される正極端子と、前記負極と電気的に接続される負極端子とが前記外装容器から引き出された、二次電池である。二の実施形態の二次電池は、上記負極を用い、公知の方法に準じて作製することができる。
二の実施形態において、正極は、特に限定されるものではないが、非水系二次電池材料に用いられる正極のことを指す。たとえば、正極は、正極集電体と、正極集電体の表面に備えられた正極活物質層とから構成され、活物質層は、正極活物質、導電助剤およびバインダを含む。正極活物質、導電助剤およびバインダを含む正極活物質層は、正極集電体の少なくとも一方の面に形成することができる。
正極集電体には、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン及びアルミニウムの表面にカーボン、ニッケル、チタン若しくは銀で表面処理した正極集電体を用いることができる。
正極活物質は、リチウム-ニッケル複合酸化物、リチウム-コバルト複合酸化物、リチウム-マンガン複合酸化物、リチウム-ニッケル-マンガン複合酸化物、リチウム-ニッケル-コバルト複合酸化物、リチウム-ニッケル-アルミニウム複合酸化物、リチウム-ニッケル-コバルト-アルミニウム複合酸化物、リチウム-ニッケル-マンガン-コバルト複合酸化物、リチウム-ニッケル-マンガン-アルミニウム複合酸化物、リチウム-ニッケル-コバルト-マンガン-アルミニウム複合酸化物等のリチウムと遷移金属との複合酸化物;TiS2、FeS、MoS等の遷移金属硫化物;MnO、V、V13、TiO等の遷移金属酸化物;及びオリビン型リチウムリン酸化物からなる群から選択される一種または二種以上を含む。オリビン型リチウムリン酸化物は、例えばMn、Cr、Co、Cu、Ni、V、Mo、Ti、Zn、Al、Ga、Mg、B、Nb及びFeからなる群から選択される一種または二種以上の元素と、リチウムと、リンと、酸素とを含む。これらの化合物はその特性を向上させるために一部の元素を部分的に他の元素に置換したものであってもよい。なかでも正極活物質としては、平均粒径3~15μmの、LiNiMnCo(但し、a、b、c、d、xは、0.9≦a≦1.2、0<b<1、0<c≦0.5、0<d≦0.5、0≦x≦0.3、b+c+d=1を満たし、Mは、Ti、Zr、Nb、W、P、Al、Mg、V、Ca、SrおよびCrからなる群から選ばれる少なくとも1種である)で表されるニッケルマンガンコバルト酸リチウムを用いるのが好ましい。
正極活物質とともに正極かつ物質層を形成するバインダとして、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂、ポリアニリン類、ポリチオフェン類、ポリアセチレン類、ポリピロール類等の導電性ポリマー、スチレンブタジエンラバー(SBR)、ブタジエンラバー(BR)、クロロプレンラバー(CR)、イソプレンラバー(IR)、アクリロニトリルブタジエンラバー(NBR)等の合成ゴム、あるいはカルボキシメチルセルロース(CMC)、キサンタンガム、グアーガム、ペクチン等の多糖類を挙げることができる。
導電助剤として、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、活性炭、黒鉛、メソポーラスカーボン、フラーレン類、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、カーボンナノブラシ等のカーボン繊維等が挙げられる。その他、正極活物質層には、増粘剤、分散剤、安定剤等の、電極形成のために一般的に用いられる電極添加剤を適宜使用することができる。
二の実施形態において、セパレータとしては、たとえば多孔性セパレータが挙げられる。セパレータの形態としては、膜、フィルム、不織布等が挙げられる。多孔性セパレータとしては、ポリプロピレン系、ポリエチレン系等のポリオレフィン系多孔性セパレータ;ポリビニリデンフルオリド、ポリエチレンオキシド、ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンフルオリドヘキサフルオロプロピレン共重合体等により形成された多孔性セパレータが挙げられる。
セパレータにはセラミック粒子等の無機粒子を含むか、無機粒子を含む層をさらに含んでいてもよい。
二の実施形態の二次電池において、負極と、正極とがセパレータを介して複数積層され、場合により巻回されて、外装容器に収容されている。そして、二次電池は、正極と電気的に接続される正極端子と、負極と電気的に接続される負極端子とが外装容器から引き出されて成る。外装容器には、例えば、基材となるアルミニウム等の金属の層の表裏面に樹脂層を設けた可撓性フィルム、あるいは、アルミニウム、鉄、ステンレス等の金属の缶を用いることができる。また正極端子にはアルミニウムやアルミニウム合金で構成されたもの、負極端子には銅や銅合金あるいはそれらにニッケルメッキを施したもの等を用いることができる。
二の実施形態に係る二次電池の形状としては、たとえばアルミニウム缶、鉄缶、ステンレス缶等を用いた外装容器に収容された角型、円筒型、コイン型、ボタン型の形状が挙げられる。また主としてアルミニウムフィルムで形成された外装容器に収容されたパウチ型の形状の二次電池も好ましい。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。また、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<負極の製造>
(実施例1~4および比較例1)
導電層及び接着層の形成とは別に、負極活物質層の造粒粒子を準備した。負極活物質粒子である平均粒径12μmの人造黒鉛と平均粒径5μmの一酸化ケイ素、導電助剤としてシングルウォールカーボンナノチューブ(SWCNT)と、バインダとしてポリアクリル酸(PAA)及びスチレンブタジエンゴム(SBR)とを溶媒とともに高分散させた負極の分散液を準備した。次いで上記の手順で準備した負極の分散液をスプレードライヤー中にアトマイザを所定の回転数で回転させ噴霧することで、造粒体を得た。なお、人造黒鉛/一酸化ケイ素/SWCNT/PAA/SBRの質量比は93.45:4.0:0.05:0.5:2.0であった。
人造黒鉛は日本黒鉛工業株式会社社、PAAは富士フィルム和光純薬株式会社、SWCNTはOCSiAl社製のものを使用することができる。
次いで、得られた造粒体を、スキージで表面をならしながら所定量、電極塗工機の巻き出し側から巻き取り側に向かって走行する集電体上に供給した。なお、集電体表面には予めカーボンブラックとバインダ(CMCとSBR)とを含む接着補助層を形成しておいた。造粒体を集電体上に供給後、プレスロールによって造粒体が圧縮されるまでのあいだに、スキージロールによってプレスロールに供給される造粒体の量が調整され、その後プレスロール間を通過させて所望の密度の活物質層を形成した。回折強度比I(002)/I(110)を変化させた負極を用意した。
(比較例2)
負極活物質である黒鉛、導電助剤としてアセチレンブラック、バインダとしてのスチレン・ブタジエン共重合体ゴム(SBR)を含有するスラリーを作成し、ダイコータを用いて負極集電体である銅箔に塗布し乾燥させ、その後ロールプレス機でプレスして、密度1.65g/cmの負極を得た。黒鉛は日本黒鉛工業株式会社のものを用いた。
<電池の製造>
正極活物質として平均粒径4.5μm、LiNi0.92Mn0.03Co0.05で表されるニッケルマンガンコバルト酸リチウムを用い、導電助剤としてカーボンブラック、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)を含有するスラリーを正極集電体であるアルミニウム箔に塗布し、その後プレスして密度3.5g/cmの正極を得た。
当該正極8層と、先に得られている実施例あるいは比較例のそれぞれの負極9層とを、ポリオレフィン系多孔性セパレータを介して積層し、各負極と電気的に接続された負極端子および各正極と電気的に接続された正極端子を設け、積層体を得た。次いで、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの混合溶媒(エチレンカーボネート:ジエチルカーボネート=3:7(体積比))に、電解質としてLiPFを1.0mol/Lの濃度となるように溶解させた電解液を、得られた積層体とともに可撓性フィルムをケースとする容器に収容し、正極端子と負極端子を外部に引き出した状態で密封することで二次電池を得た。
<レート特性>
作製した電池を、0.2Cで4.2Vまで定電流充電し、4.2Vに到達後に定電圧に切り替えて0.015Cになるまで充電し、放電を0.2Cと3Cで2.5Vになるまで定電流で行い、2.5Vにおける3C放電と0.2C放電の容量の割合である3C/0.2Cをレート特性とした。一般的に電流値が大きいほど容量は低下しやすくなる傾向になることから、100%に近いほどレート特性が良いことを意味する。
<回折強度比>
活物質層のX線回折法による002面におけるピーク強度I(002)と110面におけるピーク強度I(110)との比である回折強度比I(002)/I(110)を算出した。X線回折装置(SmartLab9kW、リガク)により、実施例および比較例の負極の活物質層の(002)及び(110)回折ピークを測定し各ピークトップ強度から、回折強度比I(002)/I(110)を算出した。X線回折法において、X線源:CuKα線/40KV/20mA、ステップ幅0.02°とした。
表1が示すように、回折強度比が100~300の活物質層を持つ負極を用いた二次電池(実施例2、3、4)は良好なレート特性が得られた。回折強度比が50の活物質層を持つ負極を用いた二次電池(実施例1)のレート特性がやや低いのは、本発明の造粒体を用いた活物質層において回折強度比が50になるようにするためにプレス後の活物質層の密度を十分上げることができなかったため、活物質粒子間の導電助剤の接触が不十分になり、急速な充放電にやや追従しにくかったためと推察できる。
一方で、回折強度比が400を超える活物質層を持つ負極は、集電体表面と負極表面に垂直な方向に向かう経路が少なく、相対的に集電体表面と電極表面に対して平行な方向に向かう経路が多いため、リチウムイオンの経路長が長くなり、レート特性が悪化したものと考えられる。
以上、本発明のリチウムイオン二次電池用の電極およびリチウムイオン二次電池について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態および上記実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。

Claims (4)

  1. 集電体と、
    前記集電体の表面に備えられた、活物質、導電助剤およびバインダを含む活物質層と、
    を含む負極であって、
    前記活物質は、非球形の粒子を含み、
    前記活物質層のX線回折法による002面におけるピーク強度I(002)と、110面におけるピーク強度I(110)との回折強度比I(002)/I(110)が、100以上300以下であることを特徴とする、負極。
  2. 前記活物質層は、前記活物質、前記導電助剤および前記バインダが凝集した造粒体を含む、請求項1に記載の負極。
  3. 前記非球形の粒子のアスペクト比が、1.1以上5以下である、請求項1に記載の負極。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の負極と、正極とがセパレータを介して複数積層され、場合により巻回されて、外装容器に収容され、前記正極と電気的に接続される正極端子と、前記負極と電気的に接続される負極端子とが前記外装容器から引き出された、二次電池。
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