JP2025035447A - 負極および二次電池 - Google Patents

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Abstract

Figure 2025035447000001
【課題】電池に適用した際に、レート特性が良好な電極、特に負極と、それを備えた電池を提供すること。
【解決手段】集電体と、前記集電体の表面に備えられた、活物質、導電助剤およびバインダを含む活物質層と、を含む負極であって、前記活物質層は、前記集電体に接触する表面から前記集電体に接触する表面に対向する表面までつながる連続的な経路を備え、前記活物質層において、前記活物質層の平均厚みxに対する、前記経路の長さLの比を曲路率τとし、曲路率τを示す経路の数nを計測したとき、曲路率の最頻値τmaxが1.55以下であり、前記曲路率の最頻値τmaxを示す経路の数をnmaxとし、前記曲路率の最頻値τmaxを示す経路の数nmaxの50%の経路数を示す曲路率τのうち、前記曲路率の最頻値τmaxよりも小さい曲路率をτ50としたとき、τ50が1.48以下であることを特徴とする、負極。
【選択図】図1

Description

本発明は、負極および二次電池に関する。
リチウムイオン電池等に用いる電極は、集電体上に活物質層が形成されている。電極を作製するにあたり、集電体上に活物質層を形成する方法は多数存在するが、活物質を含む電極混合物をスラリー化するか否かの観点からは、湿式法と乾式法に大別することができる。湿式法では、活物質、ポリマー、溶媒等を混合してスラリーを得て、得られたスラリーを集電体上に塗布し、乾燥することにより電極を形成する。一方、乾式法では、溶媒と活物質とをスラリー化した状態で塗布する工程を経ずに電極を形成する。例えば、活物質を含む造粒体をあらかじめ形成し、これを集電体に転写することにより電極を形成する。
特許文献1は、活物質と導電剤と溶媒を混合した電極スラリーを用いてリチウムイオン二次電池を製造する湿式法の電極の製造方法を開示する。特許文献1では、水分量を調整することで電極と集電体との密着性を向上させている。また、特許文献2は、活物質を含む造粒体をあらかじめ形成しておき、それを集電体上に転写する技術を開示する。特許文献2には、活物質粒子と、バインダと、溶媒とを含む、湿潤状態の造粒体を得る造粒工程と、前記造粒工程で得られた前記造粒体の集合物を、平面状またはブロック状に成形した成形体を得る成形工程と、前記成形工程で得られた前記成形体を成膜し、集電体に転写する工程とを含む、電極シートの製造方法が開示されている。
国際公開第2017/188043号 特開2015-201318号公報
リチウムイオン二次電池においては、急速充放電への要求にこたえるために、レート特性が優れている、すなわち大電流での充放電に耐えうる電極を用いることが望ましい。ところが、特許文献1や特許文献2に開示された技術を用いても、電極のレート特性が十分ではないことがあった。
本発明者らが検討を行ったところ、活物質層においてリチウムイオンが通過可能な経路(活物質間のイオンパス)を適切に形成することで、レート特性が良好な電極が得られることを見出した。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、電池に適用した際にレート特性が良好な電極、特に負極と、それを備えた二次電池を提供するものである。
すなわち、本発明によれば、以下に示す負極および二次電池が提供される。
1.集電体と、
前記集電体の表面に備えられた、活物質、導電助剤およびバインダを含む活物質層と、
を含む負極であって、
前記活物質層は、前記集電体に接触する表面から前記集電体に接触する表面に対向する表面までつながる連続的な経路を備え、
前記活物質層において、前記活物質層の平均厚みxに対する、前記経路の長さLの比を曲路率τとし、曲路率τを示す経路の数nを計測したとき、曲路率の最頻値τmaxが1.55以下であり、
前記曲路率の最頻値τmaxを示す経路の数をnmaxとし、前記曲路率の最頻値τmaxを示す経路の数nmaxの50%の経路数を示す曲路率τのうち、前記曲路率の最頻値τmaxよりも小さい曲路率をτ50としたとき、τ50が1.48以下であることを特徴とする、負極。
2.上記1.に記載の負極と、正極とがセパレータを介して複数積層され、場合により巻回されて、外装容器に収容され、前記正極と電気的に接続される正極端子と、前記負極と電気的に接続される負極端子とが前記外装容器から引き出された、二次電池。
本発明によれば、レート特性が良好な二次電池およびそれに用いる負極を提供することができる。
活物質層の厚み方向に貫通する経路の曲路率τの分布曲線である。実線は本発明(実施例1)の活物質層の分布曲線であり、破線は比較例1、点線は比較例2による活物質層の分布曲線である。
以下に、本発明の実施形態について説明する。
本発明の一の実施形態は、集電体と、前記集電体の表面に備えられた、活物質、導電助剤およびバインダを含む活物質層と、を含む負極である。ここで前記活物質層は、前記集電体に接触する表面から前記集電体に接触する表面に対向する表面までつながる連続的な経路を備え、
前記活物質層において、前記活物質層の平均厚みxに対する、前記経路の長さLの比を曲路率τとし、曲路率τを示す経路の数nを計測したとき、曲路率の最頻値τmaxが1.55以下であり、
前記曲路率の最頻値τmaxを示す経路の数をnmaxとし、前記曲路率の最頻値τmaxを示す経路の数nmaxの50%の経路数を示す曲路率τのうち、前記曲路率の最頻値τmaxよりも小さい曲路率をτ50としたとき、τ50が1.48以下であることを特徴とする。
一の実施形態において負極は、特に限定されるものではないが、非水系二次電池材料に用いられる負極のことを指す。負極は、集電体と、集電体の表面に備えられた活物質層とから構成され、活物質層は、活物質、導電助剤およびバインダを含む。集電体として、例えば銅、ニッケル、チタン、ステンレス等の金属を用いることができる。集電体は、平面形状の金属、特に金属の箔を用いることが好ましい。集電体については、詳細には後述する。
活物質として、炭素系活物質を用いることができる。炭素系活物質としては、天然黒鉛、人造黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン、カーボンブラックまたはこれらの任意の混合物を選択することができる。天然黒鉛は粒子表面に非晶質炭素を被覆した天然黒鉛を含み、同様に人造黒鉛は粒子表面に非晶質炭素を被覆した人造黒鉛を含む。これらの天然黒鉛および人造黒鉛は、一次粒子または、一次粒子が凝集して二次粒子を形成した粒子、およびこれらの混合物を用いることができる。また、負極活物質は、炭素系活物質とケイ素系活物質の混合物を用いてもよい。負極活物質にはアルミニウム、リチウム、銀、ビスマス、カルシウム、セリウム、インジウム、マグネシウム、錫、亜鉛、ニッケルなどの金属材料を含んでもよい。負極活物質については、詳細には後述する。
導電助剤は、電極の抵抗を低減するための材料である。導電助剤として、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、活性炭、黒鉛、メソポーラスカーボン、フラーレン類、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノブラシ等のカーボン繊維等が挙げられる。導電助剤については、詳細には後述する。
バインダは、たとえば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂、ポリアニリン類、ポリチオフェン類、ポリアセチレン類、ポリピロール類等の導電性ポリマー、スチレンブタジエンラバー(SBR)、ブタジエンラバー(BR)、クロロプレンラバー(CR)、イソプレンラバー(IR)、アクリロニトリルブタジエンラバー(NBR)等の合成ゴム、あるいはカルボキシメチルセルロース(CMC)、キサンタンガム、グアーガム、ペクチン等の多糖類を挙げることができる。また、バインダとして、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸リチウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウム、ポリメタクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸カリウム;ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリルおよびこれらの任意の混合物を用いることができる。またバインダとしてさらにセルロースの誘導体であるカルボキシメチルセルロース(「CMC」と称する。)、またはカルボキシメチルセルロースの金属塩(たとえば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカリウム)を用いることもできる。バインダについては、詳細には後述する。
一の実施形態において、活物質層は、集電体に接触する表面から集電体に接触する表面に対向する表面までつながる連続的な経路を備えている。ここで経路とは、活物質層内の空隙あるいは孔のことであり、一の実施形態においては、活物質層が集電体に接触する表面から集電体に接触する表面に対向する表面まで貫通する経路であることが好ましい。一の実施形態において、活物質層に、このような貫通する経路が存在することで、集電体と接触する表面から集電体と接触する表面と対向する表面まで、あるいは集電体と接触する表面に対向する表面から集電体と接触する表面まで、イオンが通過することができる。
活物質層は、ある所定の厚みを有し、活物質層の平均厚みをxとする。一方、前記の経路の長さをLとしたとき、活物質層の平均厚みxに対する、経路の長さLの比である曲路率τを算出することができる。曲路率τは、活物質層の厚み方向に貫通する経路の長さが厚み方向の長さの何倍であるか、すなわち、経路の迂回の程度を表す値であり、屈曲度とも呼ばれる。曲路率の最小値は1である。曲路率の値が1であることは、経路が活物質層の厚み方向にまっすぐ貫通していることを表し、曲路率が1より大きいことは、経路が曲がっている、あるいは1以上の迂回点を持って貫通していることを表す。
活物質層の曲路率τは、集束イオンビーム装置による連続的な断面調製と走査型電子顕微鏡観察とを組み合わせる方法や、X線CT(コンピュータ断層撮影)法で求めることができる。
ある活物質層について、曲路率τを示す経路の数nを計測し、曲路率に対する経路の数をプロットすると、活物質層中に存在する経路の分布を評価することができる。曲路率τを示す経路の数nを計測し、曲路率に対する経路の数をプロットしたものは、たとえば図1に示すことができる。たとえば、曲路率τの値が2.0となる経路の数nが多い場合、この活物質層には、活物質層の厚み方向に貫通する経路に屈曲や迂回が相当多いと評価できる。一方、曲路率τの値が1.0となる経路の数nが多い場合、この活物質層には、活物質層の厚み方向に真っ直ぐ貫通する経路が多いと評価できる。このように、曲路率τとなる経路の数nのピーク、すなわち曲路率の最頻値τmax、および経路の曲路率τの分布曲線の形状は、活物質層の経路の状態を評価するのに役立つ。本発明者らは、活物質層の曲路率τの最頻値を可能な限り小さくすることで、活物質層中のイオンの通過を妨げることなく(すなわち活物質層の抵抗を低減し)、大電流での充放電が必要とされる電池用の電極を作製することができることを見出した。
一の実施形態において、曲路率の最頻値τmaxが1.55以下であることが好ましい。ここで図1を参照の上、曲路率の分布について説明する。曲路率の最頻値τmaxを示す経路の数をnmaxとする。曲路率の最頻値τmaxを示す経路の数nmaxの50%の経路数を示す曲路率τのうち、曲路率の最頻値τmaxよりも小さい曲路率をτ50とする。このとき、τ50が1.48以下であることが好ましい。図1に描画されている3本の分布曲線のうち、実線は、一の実施形態の負極における活物質層の分布曲線である。一方、点線および破線で表される分布曲線は、従来技術の負極における活物質層のものである。一の実施形態の活物質層の厚み方向に貫通する経路の曲路率の分布曲線と、従来技術のそれらとを比較すると、本発明の活物質層には曲路率が小さい経路が多く存在していることがわかる。一の実施形態において、曲路率の最頻値τmaxを示す経路の数nmaxが1790以上であることが特に好ましい。これにより活物質層におけるイオンの通過経路が十分に確保できるため、活物質層の抵抗が減少すると考えられる。
一の実施形態において、活物質層は、活物質、導電助剤およびバインダが凝集した造粒体を含むことが好ましい。ここで造粒体とは、上記の活物質、導電助剤およびバインダならびに場合により溶剤の混合物を原料とし、これらを凝集させた粒体(造粒物)のことである。一の実施形態の負極に用いる活物質層は、活物質、導電助剤およびバインダが凝集した造粒体を乾式コーティング法により集電体の表面に塗工して形成する。まず、造粒体を、所望の表面および内部の構造(具体的には、所望の経路の構造)を有するように形成し、これを集電体表面上に乾式コーティング法により塗工し、プレス条件を調整しながら所望の密度が得られるようにプレスすることにより、上記の所望の曲路率分布を有する活物質層を形成することができる。活物質、導電助剤およびバインダが凝集した造粒体を用いて活物質層を形成することにより、所望の曲路率分布を有する活物質層を形成することができる理由は、定かではないが、プレスの際に造粒体が徐々に崩れることで活物質粒子間の空隙を無くさずに活物質層が形成されるためであると考えられる。活物質、導電助剤およびバインダを混合したスラリーを用いる湿式コーティング法により形成した活物質層と比べると、一の実施形態における活物質層は、活物質層の厚み方向を貫通する経路の数が多いか同程度であり、経路の曲路率が全体的に小さくなると推測される。
曲路率は、活物質の粒径やバインダ量が同じであっても、また、湿式法でも乾式法でも、プレス圧力やプレス回数などのプレス条件により調整することができるが、調整方法はこの限りではない。乾式法で活物質層を作成すると、同じ体積あたりの空隙の量が湿式法と同程度であっても、貫通経路の太さを湿式法よりも大きくすることができ、曲路率を制御し易くなることが分かった。ただし、乾式法であっても、プレス条件を調整することなく活物質層の密度を高めると、造粒体がもとの活物質粒子に近い状態まで解砕されてしまうため、結果的に、形成された活物質層に存在する経路の曲路率が全体的に大きくなってしまう。
ここで造粒体の平均粒径は、好ましくは15μm以上、より好ましくは20μm以上、さらに好ましくは40μm以上であり、そして、好ましくは90μm以下、より好ましくは80μm以下、さらに好ましくは70μm以下である。一の実施形態において、造粒体の平均粒径とは、レーザー回折散乱法により測定した粒度分布(体積基準)における積算値50%での粒子径(メジアン径:D50)を意味する。
活物質粒子の平均粒径は、導電助剤の活物質表面への付着の観点から、好ましくは1.0μm以上、より好ましくは1.5μm以上、さらに好ましくは2.0μm以上である。そして、好ましくは20.0μm以下、より好ましくは10.0μm以下、さらに好ましくは5.0μm以下である。一の実施形態において、活物質粒子の平均粒径とは、レーザー回折散乱法により測定した粒度分布(体積基準)における積算値50%での粒子径(メジアン径:D50)を意味する。
負極活物質は、炭素系活物質を含む。炭素系活物質は、天然黒鉛、人造黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン、またはこれらの任意の混合物であることが好ましい。ここで黒鉛とは、六方晶系六角板状結晶の炭素材料であり、石墨、グラファイト等と称されることがある。天然黒鉛および人造黒鉛は、非晶質炭素による被覆を有する天然黒鉛、および非晶質炭素による被覆を有する人造黒鉛を含む。
ここで、非晶質炭素とは、部分的に黒鉛に類似するような構造を有していてもよい、微結晶がランダムにネットワークした構造をとった、全体として非晶質である炭素材料のことである。非晶質炭素として、カーボンブラック、コークス、活性炭、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ、ハードカーボン、ソフトカーボン、メソポーラスカーボン等が挙げられる。人造黒鉛を用いる場合、層間距離d値(d002)が0.33nm以上のものであることが好ましい。
人造黒鉛の結晶の構造は、一般的に天然黒鉛よりも薄い。人造黒鉛を非水電解質二次電池、特にリチウムイオン二次電池用負極活物質として用いる場合は、リチウムイオンが挿入可能な層間距離を有している必要がある。リチウムイオンの挿脱が可能な層間距離はd値(d002)で見積もることができ、d値が0.33nm以上であれば問題なくリチウムイオンの挿脱が行われる。また、負極活物質は、SiOx(式中、xは、0.5≦x≦1.6を満たす数である。)を含むケイ素系活物質(A)と、炭素系活物質とを含んでもよい。
一の実施形態において、造粒体の全体を100質量部としたとき、活物質の含有量は、好ましくは95.0質量部以上、より好ましくは96質量部以上、さらに好ましくは97質量部以上、そして好ましくは99.5質量部以下、より好ましくは99.0質量部以下、さらに好ましくは98.5質量部以下である。活物質のうち、造粒体の形成に関わる活物質の割合は、少なくとも95%以上であり、好ましくは97%以上であり、さらに好ましくは99%以上である。
導電助剤はカーボンブラック、カーボンナノファイバーおよびカーボンナノチューブからなる群から選ばれる少なくとも1以上を含むことが好ましい。
導電助剤として用いられるカーボンブラックは、ナノ粒子径を持ったカーボンが数珠状につながったアグリゲート構造を備えることが好ましい。また、カーボンブラックとしては、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどを用いることができる。また、グラフェン等の炭素原子で構成される物質を直径数nmで長さ数mmの円筒状に形成したカーボンナノチューブを用いることもできる。特に、円筒の周囲が略単層で形成された単層カーボンナノチューブがバンドル化されたものか、円筒の周囲が複層から形成される多層カーボンナノチューブを用いることができる。この中でも、単層または多層カーボンナノチューブを用いるのが好ましい。
一の実施形態において、造粒体の全体を100質量部としたとき、導電助剤の含有量は、好ましくは0.01質量部以上、好ましくは0.05質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上、さらに好ましくは0.3質量部以上、そして、好ましくは2.0質量部以下、より好ましくは1.5質量部以下、さらに好ましくは0.5質量部以下である。
一の実施形態において、造粒体は、さらにバインダを含む。導電助剤およびバインダが活物質粒子の表面に存在し、かつバインダおよび導電助剤が造粒体の表面および内部に存在することが好ましい。このようにすることで造粒体をプレスしたときに、活物質粒子間の空孔径を潰し過ぎずに所望の密度を得ることが出来る。
バインダは、たとえば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリビニルピロリドン(PVP)、プリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアクリル酸(PAA)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等から1種、あるいはこれらを2種以上含んでもよいがこれに限らず、溶媒に応じて適宜変更することができる。好ましくは、少なくとも接着力が強い第1バインダと、乾燥後に柔軟さが得られる第2バインダの2種以上を組み合わせて用いるのが好ましく、たとえば、ポリアクリル酸とスチレンブタジエンゴムなどを含むのが好ましい。
一の実施形態において、造粒体の全体を100質量部としたとき、バインダの含有量は、好ましくは0.3量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、さらに好ましくは1.0質量部以上、そして好ましくは5.0質量部以下、より好ましくは3.0質量部以下、さらに好ましくは2.0質量部以下である。
一の実施形態の負極を製造する方法としては、活物質粒子を混合、攪拌しながら、導電助剤が分散した分散液を活物質粒子に噴霧しながら加えて造粒体を形成する工程と、造粒体を集電体上に配置してプレスする工程を含むのが好ましい。また、造粒体を形成する際の方式は特に限定されず、たとえば、噴霧造粒方式、攪拌造粒方式、流動層造粒方式、転動造粒方式、押出造粒方式、圧縮造粒方式などの方法が挙げられる。これらの造粒方法を任意に選択あるいは組み合わせてもよい。噴霧造粒方式として、噴霧乾燥造粒方式が挙げられる。噴霧乾燥造粒方式では、たとえば、負極活物質及び導電助剤が分散した分散液をスプレードライヤー内の高温気体中に噴霧することで造粒される。攪拌造粒方式では、たとえば、負極活物質を混合、攪拌しながら、導電助剤が分散した分散液を負極活物質粒子に噴霧しながら加えて造粒される。造粒粒子の平均粒径は、好ましくは15μm以上、より好ましくは20μm以上、さらに好ましくは40μm以上であり、そして、好ましくは90μm以下、より好ましくは80μm以下、さらに好ましくは70μm以下である。造粒粒子の平均粒径は、レーザー回折散乱法により測定した粒度分布(体積基準)における積算値50%での粒子径(メジアン径:D50)を意味する。このように形成した造粒体を含む活物質層に対して、プレス回数とプレス圧力を調整することで、集電体と活物質層の密着性が高く、所望の活物質粒子間の空孔の経路を維持して所望の電極密度を得ることができる。
予め高分散した導電助剤とバインダとを含む分散液を、ほかの有機溶媒を含まない状態で活物質粒子に付着させることで、表面に導電助剤が均一に形成された活物質を準備することができる。形成する造粒体の直径は、これらの材料を混合、攪拌する設備によっても異なるが、導電助剤とバインダの分散液を噴霧投入する量やタイミングや、混合、攪拌時間等の条件で制御することが可能である。また、形成した造粒体を篩にかけて分級することで、任意の粒度分布の造粒体を得ることが可能である。
一の実施形態において、集電体の材質は特に限定されないが、集電体が正極集電体である場合、好ましくはアルミニウム箔が好ましい。また、集電体が負極集電体である場合、銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタンまたはこれらの合金をからなる群から選択されるが、特に銅が好ましい。集電体の形状については、箔状、平板状、またはメッシュ状のものなど特に限定されない。例えば厚さは0.001mm以上0.5mm以下である。
造粒体を集電体表面または集電体の表面に配置してプレスする場合、プレスの方式は、電極活物質を含んだ電極用造粒体を集電体上に堆積させることが出来れば特に限定されるものではない。一の実施形態では、ロール式の加圧成形方式を用いることが好ましい。ロール式の加圧成形方式においては、長尺の集電体がロール状に巻かれたロール体から集電体を巻き出し、巻き取るまでのあいだに集電体が一対のロールのあいだを通過するように配置されている。造粒体はロールを通過する前に集電体上に供給され、ロール間を通過する際に圧縮され、電極シートとして形成される。造粒体の供給量を調整するために、造粒体はロール間に供給される前にスキージ等で表面をならしながら厚さを供給するのが好ましい。集電体には、造粒体との結着性を高めるためのバインダを含む集電体表面層を予め形成しておくことが好ましい。電極シートのプレス回数、プレス圧力、温度等を調整することで、活物質層と集電体の密着性や、活物質粒子間の空隙の経路の長さを調整することができる。
本発明の二の実施形態は、上記の負極と、正極とがセパレータを介して複数積層され、場合により巻回されて、外装容器に収容され、前記正極と電気的に接続される正極端子と、前記負極と電気的に接続される負極端子とが前記外装容器から引き出された、二次電池である。二の実施形態の二次電池は、上記負極を用い、公知の方法に準じて作製することができる。
二の実施形態において、正極は、特に限定されるものではないが、非水系二次電池材料に用いられる正極のことを指す。たとえば、正極は、正極集電体と、正極集電体の表面に備えられた正極活物質層とから構成され、活物質層は、正極活物質、導電助剤およびバインダを含む。正極活物質、導電助剤およびバインダを含む正極活物質層は、正極集電体の少なくとも一方の面に形成することができる。
正極集電体には、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン及びアルミニウム又はステンレススチールの表面にカーボン、ニッケル、チタン若しくは銀で表面処理した正極集電体を用いることができる。
正極活物質は、リチウム-ニッケル複合酸化物、リチウム-コバルト複合酸化物、リチウム-マンガン複合酸化物、リチウム-ニッケル-マンガン複合酸化物、リチウム-ニッケル-コバルト複合酸化物、リチウム-ニッケル-アルミニウム複合酸化物、リチウム-ニッケル-コバルト-アルミニウム複合酸化物、リチウム-ニッケル-マンガン-コバルト複合酸化物、リチウム-ニッケル-マンガン-アルミニウム複合酸化物、リチウム-ニッケル-コバルト-マンガン-アルミニウム複合酸化物等のリチウムと遷移金属との複合酸化物;TiS、FeS、MoS等の遷移金属硫化物;MnO、V、V13、TiO等の遷移金属酸化物;及びオリビン型リチウムリン酸化物からなる群から選択される一種または二種以上を含む。オリビン型リチウムリン酸化物は、例えばMn、Cr、Co、Cu、Ni、V、Mo、Ti、Zn、Al、Ga、Mg、B、Nb及びFeからなる群から選択される一種または二種以上の元素と、リチウムと、リンと、酸素とを含む。これらの化合物はその特性を向上させるために一部の元素を部分的に他の元素に置換したものであってもよい。なかでも正極活物質としては、平均粒径3~15μmの、LiNiMnCo(但し、a、b、c、d、xは、0.9≦a≦1.2、0<b<1、0<c≦0.5、0<d≦0.5、0≦x≦0.3、b+c+d=1を満たし、Mは、Ti、Zr、Nb、W、P、Al、Mg、V、Ca、SrおよびCrからなる群から選ばれる少なくとも1種である)で表されるニッケルマンガンコバルト酸リチウムを用いるのが好ましい。
正極活物質とともに正極活物質層を形成するバインダとして、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂、ポリアニリン類、ポリチオフェン類、ポリアセチレン類、ポリピロール類等の導電性ポリマー、スチレンブタジエンラバー(SBR)、ブタジエンラバー(BR)、クロロプレンラバー(CR)、イソプレンラバー(IR)、アクリロニトリルブタジエンラバー(NBR)等の合成ゴム、あるいはカルボキシメチルセルロース(CMC)、キサンタンガム、グアーガム、ペクチン等の多糖類を挙げることができる。
導電助剤として、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、活性炭、黒鉛、メソポーラスカーボン、フラーレン類、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、カーボンナノブラシ等のカーボン繊維等が挙げられる。その他、正極活物質層には、増粘剤、分散剤、安定剤等の、電極形成のために一般的に用いられる電極添加剤を適宜使用することができる。
二の実施形態において、セパレータとしては、たとえば多孔性セパレータが挙げられる。セパレータの形態としては、膜、フィルム、不織布等が挙げられる。多孔性セパレータとしては、ポリプロピレン系、ポリエチレン系等のポリオレフィン系多孔性セパレータ;ポリビニリデンフルオリド、ポリエチレンオキシド、ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンフルオリドヘキサフルオロプロピレン共重合体等により形成された多孔性セパレータが挙げられる。
セパレータにはセラミック粒子等の無機粒子を含むか、無機粒子を含む層をさらに含んでいてもよい。
二の実施形態の二次電池において、負極と、正極とがセパレータを介して複数積層され、場合により巻回されて、外装容器に収容されている。そして、二次電池は、正極と電気的に接続される正極端子と、負極と電気的に接続される負極端子とが外装容器から引き出されて成る。外装容器には、例えば、基材となるアルミニウム等の金属の層の表裏面に樹脂層を設けた可撓性フィルム、あるいは、アルミニウム、鉄、ステンレス等の金属の缶を用いることができる。また正極端子にはアルミニウムやアルミニウム合金で構成されたもの、負極端子には銅や銅合金あるいはそれらにニッケルメッキを施したもの等を用いることができる。
二の実施形態に係る二次電池の形状としては、たとえば、アルミニウム缶、鉄缶、ステンレス缶等を用いた外装容器に収容された角型、円筒型、コイン型、ボタン型の形状が挙げられる。また、主としてアルミニウムフィルムで形成された外装容器に収容されたパウチ型の形状の二次電池も好ましい。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。また、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<負極の製造>
(実施例1)
導電層及び接着層の形成とは別に、負極活物質層の造粒粒子を準備した。負極活物質粒子である平均粒径12μmの人造黒鉛と平均粒径5μmの一酸化ケイ素、導電助剤としてシングルウォールカーボンナノチューブ(SWCNT)と、バインダとしてポリアクリル酸(PAA)及びスチレンブタジエンゴム(SBR)とを溶媒とともに高分散させた負極の分散液を準備した。次いで上記の手順で準備した負極の分散液をスプレードライヤー中にアトマイザを所定の回転数で回転させ噴霧することで、造粒体を得た。なお、人造黒鉛/一酸化ケイ素/SWCNT/PAA/SBRの質量比は93.45:4.0:0.05:0.5:2.0とした。
人造黒鉛は日本黒鉛工業株式会社、PAAは富士フィルム和光純薬株式会社、SWCNTはOCSiALl社のものを使用することができる。
次いで、得られた造粒体を、電極塗工機の巻き出し側から巻き取り側に向かって走行する集電体上に一定の供給量で供給した。なお、集電体表面には予めカーボンブラックとバインダ(CMCとSBR)とを含む接着補助層を形成しておいた。造粒体を集電体上に供給後、プレスロールによって造粒体が圧縮されるまでのあいだに、スキージロールによってプレスロールに供給される造粒体の量が調整され、その後プレスロール間を通過させて所望の密度の活物質層を形成した。実施例では、0.9t/cmの線圧で1回プレスを通過させることで、密度が1.65g/cmの負極を得た。
(比較例1)
実施例1と同じ造粒体を用い、ロールプレスの条件としてプレスロール0.3t/cmの線圧で3回プレスし、密度1.65g/cmの負極を得た。
(比較例2)
負極活物質である黒鉛、導電助剤としてアセチレンブラック、バインダとしてのスチレン・ブタジエン共重合体ゴム(SBR)を含有するスラリーを作成し、ダイコータを用いて負極集電体である銅箔に塗布して乾燥させ、その後ロールプレス機でプレスして、密度1.65g/cmの負極を得た。黒鉛は日本黒鉛工業株式会社のものを用いた。
<電池の製造>
正極活物質として平均粒径4.5μm、LiNi0.92Mn0.03Co0.05で表されるニッケルマンガンコバルト酸リチウムを用い、導電助剤としてカーボンブラック、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)を含有するスラリーを正極集電体であるアルミニウム箔に塗布し、その後プレスして密度3.5g/cmの正極を得た。
当該正極8層と、先に得られている実施例1の負極9層とを、ポリオレフィン系多孔性セパレータを介して積層し、各負極と電気的に接続された負極端子および各正極と電気的に接続された正極端子を設け、積層体を得た。比較例1または2の負極についても同様に積層体を用意した。次いで、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの混合溶媒(エチレンカーボネート:ジエチルカーボネート=3:7(体積比))に、電解質としてLiPFを1.0mol/Lの濃度となるように溶解させた電解液を、得られた積層体とともに可撓性フィルムをケースとする容器に収容し、正極端子と負極端子を外部に引き出した状態で密封することで二次電池を得た。
<レート特性>
作製した電池を、0.2Cで4.2Vまで定電流充電し、4.2Vに到達後に定電圧に切り替えて0.015Cになるまで充電し、放電を0.2Cと3Cで2.5Vになるまで定電流で行い、2.5Vにおける3C放電と0.2C放電の容量の割合である3C/0.2Cをレート特性とした。一般的に電流値が大きいほど容量は低下しやすくなる傾向になることから、100%に近いほどレート特性が良いことを意味する。
<曲路率>
曲路率は、リガク社製nano-3DXを用い、X線CT分析により空隙の画像解析を行った。1voxelを(0.5)μmとし、視野範囲(67.6)μmで測定した。この視野範囲の一辺は活物質層における集電体から電極表面にむかう電極厚み方向と平行であり、すなわち一辺67.6μmが活物質層の平均厚みxに相当する。結果を表1に示す。また実施例1、比較例1、2の曲路率の分布曲線を図1に示す。
Figure 2025035447000002
表1および図1が示すように、本実施例においては良好なレート特性が得られている。これはリチウムイオンの経路の長さの指標となる曲路率の最頻値が1.55と短く、経路の数が多いためだと推察できる。また、曲路率がさらに小さい側の経路の数も、曲路率最頻値における経路の数の半分となる曲路率は1.48と小さい。すなわち実施例1の活物質層には、より短い経路が多数存在していることが分かる。
一方で、曲路率の大きい経路がより多く存在した活物質層を備えた負極を用いた比較例1、2においては、実施例に比べてレート特性が劣っている。
以上、本発明の負極および二次電池について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態および上記実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。

Claims (8)

  1. 集電体と、
    前記集電体の表面に備えられた、活物質、導電助剤およびバインダを含む活物質層と、
    を含む負極であって、
    前記活物質層は、前記集電体に接触する表面から前記集電体に接触する表面に対向する表面までつながる連続的な経路を備え、
    前記活物質層において、前記活物質層の平均厚みxに対する、前記経路の長さLの比を曲路率τとし、曲路率τを示す経路の数nを計測したとき、曲路率の最頻値τmaxが1.55以下であり、
    前記曲路率の最頻値τmaxを示す経路の数をnmaxとし、前記曲路率の最頻値τmaxを示す経路の数nmaxの50%の経路数を示す曲路率τのうち、前記曲路率の最頻値τmaxよりも小さい曲路率をτ50としたとき、τ50が1.48以下であることを特徴とする、負極。
  2. 前記活物質層は、前記活物質、前記導電助剤および前記バインダが凝集した造粒体を含む、請求項1に記載の負極。
  3. 前記造粒体の平均粒径が、15μm以上90μm以下である、請求項2に記載の負極。
  4. 前記曲路率の最頻値τmaxを示す経路の数nmaxが1790以上である、請求項1に記載の負極。
  5. 前記曲路率の最頻値τmaxを示す経路の数nmaxが1790以上である、請求項2に記載の負極。
  6. 前記曲路率の最頻値τmaxを示す経路の数nmaxが1790以上である、請求項3に記載の負極。
  7. 前記活物質が負極活物質である、請求項1~6のいずれかに記載の負極。
  8. 請求項7項に記載の負極と、正極とがセパレータを介して複数積層され、場合により巻回されて、外装容器に収容され、前記正極と電気的に接続される正極端子と、前記負極と電気的に接続される負極端子とが前記外装容器から引き出された、二次電池。

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