JP2024534971A - セロリ種子抽出物を有効成分として含む筋力弱化関連疾患の予防、改善または治療用組成物 - Google Patents

セロリ種子抽出物を有効成分として含む筋力弱化関連疾患の予防、改善または治療用組成物 Download PDF

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Abstract

Figure 2024534971000001
本発明は、セロリ種子抽出物を含む筋力弱化関連疾患の予防、改善または治療用組成物に関し、本発明によるセロリ種子抽出物は、天然物を用いることで、副作用がないか又は少なく、筋肉量及び筋力を増加させることができるので、筋力弱化を防止するだけでなく、体重及び体脂肪の増加を抑制し、血中脂質濃度及び肝毒性指標(GOT及びGPT)を減少させることができるので、筋力弱化関連疾患、代謝疾患あるいは肝疾患などを予防、改善、または治療するのに有用に使用できると期待される。
【選択図】図2A

Description

本発明は、セロリ種子抽出物を含む筋力弱化関連疾患の予防、改善または治療用組成物に関する。
本出願は、2021年09月10日に出願された大韓民国特許出願第10-2021-0121287号及び2022年07月12日に出願された大韓民国特許出願第10-2022-0085416号に基づく優先権の利益を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された全ての内容は本出願に援用される。
骨格筋は、人体において最も大きな部分を占める器官であって、全体重の40~50%を占め、エネルギー恒常性及び熱生成などをはじめとする体内の様々な代謝機能においても重要な役割をする。人の身体は、老化による構成成分の変化として、体脂肪と体タンパク質の再分布が起こり、約50歳になると、筋細胞内のタンパク質の合成速度が分解速度よりも遅くなり、筋肉が急激に退化し始める。
筋肉減少症は、普段の自分の体質量の約13~24%が減少した状態をいうもので、タンパク質の含量、線維直径、筋力生産及び疲労抵抗(fatigue resistance)の減少を示す。筋肉減少症は、敗血症、癌、腎不全症、グルココルチコイドの過剰、神経除去、筋肉の未使用、肥満、そして老化過程など、様々な原因によって発生する。主に、老化が進行するにつれて起こる骨格筋の量と質の漸進的減少を原因として挙げることができる。
一方、老化によって筋肉量や筋力の減少と共に、体脂肪量が増加する筋肉減少性肥満が問題となっている。老人における肥満と筋肉減少症は、互いに相乗作用して、機能障害及び代謝障害のリスクだけでなく、死亡のリスクまでさらに悪化させると推定され、病因論的な観点から相互間に強力な相互作用をするものと示唆されている。したがって、過体重者又は肥満者、あるいは正常体重であるが体脂肪量が高い人の場合、筋肉量を増大させ、体脂肪を減少させることによって、糖尿病、高血圧などの代謝疾患を予防及び治療することができる。筋肉量の増大により基礎代謝エネルギーが増加して、ヨーヨー現象のない効率的なダイエットが可能であるので、筋肉量の増大のために、運動、食事療法及び運動能力向上補助剤(ergogenic aids)などが使用されているが、市販の運動能力向上補助剤は、化学的化合物を含んでいるため、致命的な副作用を伴う。
そのため、本発明者らは、副作用がなく、効果が優れた筋力弱化関連治療剤を開発しようと努力した結果、肥満又は老化マウスからセロリ種子抽出物が筋肉量及び筋力を増加させることを確認することによって本発明を完成した。
本発明者らは、筋力弱化関連疾患を予防、改善または治療することができる天然物由来の活性物質を開発しようと努力した結果、肥満又は老化マウスからセロリ種子抽出物の優れた筋肉量増加効果及び筋肉代謝改善効果を確認することによって、これに基づいて本発明を完成した。
これによって、本発明は、セロリ種子抽出物を有効成分として含む筋力弱化関連疾患の予防または治療用薬学的組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、セロリ種子抽出物を有効成分として含む筋力弱化関連疾患の予防または改善用食品組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、セロリ種子抽出物を有効成分として含む筋力強化用飼料または飼料添加剤を提供することを目的とする。
しかし、本発明が達成しようとする技術的課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及していない他の課題は、以下の記載から、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
上記のような目的を達成するために、本発明は、セロリ種子抽出物を有効成分として含む、筋力弱化関連疾患の予防または治療用薬学的組成物を提供する。
また、本発明は、セロリ種子抽出物を有効成分として含む、筋力弱化関連疾患の予防または改善用食品組成物を提供する。
また、本発明は、セロリ種子抽出物を有効成分として含む筋力強化用組成物を提供する。
また、本発明は、セロリ種子抽出物を有効成分として含む、筋力強化用飼料または飼料添加剤を提供する。
本発明の一具現例として、前記セロリ種子抽出物は、水、炭素数1~6個のアルコール(alcohol)、アセトン(acetone)、エーテル(ether)、ベンゼン(benzene)、クロロホルム(chloroform)、酢酸エチル(ethyl acetate)、塩化メチレン(methylene chloride)、ヘキサン(hexane)、シクロヘキサン(cyclohexane)、石油エーテル(petroleum ether)、亜臨界流体、及び超臨界流体からなる群から選択された1つ以上の溶媒による抽出物であってもよいが、これに制限されない。
本発明の他の具現例として、前記筋力弱化関連疾患は、筋肉減少症、筋萎縮症、筋肉退行萎縮(muscle dystrophy)及び心臓萎縮症からなる群から選択される1つ以上であってもよいが、これに制限されない。
本発明の更に他の具現例として、前記筋肉減少症は、老化性筋肉減少症または肥満性筋肉減少症であってもよいが、これに制限されない。
本発明の更に他の具現例として、前記組成物は、以下の特徴のうちの1つ以上の効果を有してもよいが、これに制限されない:
(a)筋肉量の増加、
(b)筋肉量減少の抑制、
(c)筋力の増加、
(d)筋肉組織の脂質含量の増加の抑制、または
(e)筋肉組織の線維化の抑制。
本発明の更に他の具現例として、前記組成物は、以下の特徴のうちの1つ以上の効果をさらに有してもよいが、これに制限されない:
(a)体重及び体脂肪の増加の抑制、
(b)肝組織又は脂肪組織の線維化の抑制、
(c)血漿脂質濃度の増加の抑制、
(d)肝組織の脂質含量の増加の抑制、
(e)血漿肝毒性指標の増加の抑制、
(f)脂質過酸化物の増加の抑制及び抗酸化能の増加、または
(g)腸内微生物の不均衡の改善。
また、本発明は、セロリ種子抽出物を含む組成物を、これを必要とする個体に投与するステップを含む、筋力弱化関連疾患;代謝疾患;あるいは肝疾患の予防または治療方法を提供する。
また、本発明は、セロリ種子抽出物を含む組成物の筋力弱化関連疾患;代謝疾患;あるいは肝疾患の予防または治療用途を提供する。
また、本発明は、筋力弱化関連疾患;代謝疾患;あるいは肝疾患の治療用薬剤の製造のためのセロリ種子抽出物の用途を提供する。
また、本発明は、セロリ種子抽出物を有効成分として含む、代謝疾患の予防、改善、または治療用組成物を提供する。
また、本発明は、セロリ種子抽出物を有効成分として含む、肝疾患の予防、改善、または治療用組成物を提供する。
また、本発明は、セロリ種子抽出物を含む組成物を、これを必要とする個体に投与するステップを含む、筋力強化方法を提供する。
また、本発明は、セロリ種子抽出物を含む組成物の筋力強化用途を提供する。
また、本発明は、筋力強化用薬剤を製造するためのセロリ種子抽出物の用途を提供する。
本発明に係るセロリ種子抽出物は、天然物を用いることで、副作用がないか又は少なく、筋肉量及び筋力を増加させることができるので、筋力の弱化を防止するだけでなく、体重及び体脂肪の増加を抑制し、血中脂質濃度及び肝毒性指標(GOT及びGPT)を減少させることができるので、筋力弱化関連疾患、代謝疾患あるいは肝疾患などを予防、改善、または治療するのに有用に使用できると期待される。
セロリ種子抽出物の肥満性筋肉減少に対する効果を評価するための肥満誘導マウスモデルを用いた実験デザインを簡略に示した図である。 正常食群(ND)、高脂肪食群(HFD)、及びセロリ種子抽出物添加群(CS)のマウスに20週間給餌した後、腓腹筋(gastrocnemius)、大腿筋(quadriceps)、前脛骨筋(tibialis anterior)、腎臓(kidney)、及び肝臓(liver)を摘出し、重量を測定して、体重100g当たりの重量で示した図である(HFD vs.ND:*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001;HFD vs.CS:#p<0.05、##p<0.01、###p<0.001、以下同様)。 正常食群(ND)、高脂肪食群(HFD)、及びセロリ種子抽出物添加群(CS)のマウスの体重を20週間にわたって、一週間隔で測定し、飼育期間による体重の変化(左側)及び体重増加抑制効能(右側)を比較して示した図である。 正常食群(ND)、高脂肪食群(HFD)、及びセロリ種子抽出物添加群(CS)のマウスの食餌摂取量(Food intake)、エネルギー摂取量(Energy intake)、及び食餌効率(FER)の測定結果を比較して示した図である。 正常食群(ND)、高脂肪食群(HFD)、及びセロリ種子抽出物添加群(CS)のマウスに20週間給餌した後、部位別の白色脂肪組織(White Adipose Tissue;WAT)を摘出し、重量を測定して、体重100g当たりの重量で示した図である(Epididymal:副睾丸、Perirenal:腎周囲、Retroperitoneum:後腹膜腔、Mesenteric:腸間膜、Visceral:内臓、Subcutaneous:皮下、interscapular WAT:肩甲骨間白色脂肪、interscapular BAT:肩甲骨間褐色脂肪)。 正常食群(ND)、高脂肪食群(HFD)、及びセロリ種子抽出物添加群(CS)のマウスに20週間給餌した後、20週目の筋肉組織の形態学的変化を観察した図である(上段:H&E染色/下段:シリウスレッド(sirius red)染色)。スケールバー=100μm。 正常食群(ND)、高脂肪食群(HFD)、及びセロリ種子抽出物添加群(CS)のマウスに20週間給餌した後、20週目の副睾丸白色脂肪組織の形態学的変化を観察した図である(上段:H&E染色/下段:マッソントリクローム(Masson’s trichrome)染色)。スケールバー=100μm。 正常食群(ND)、高脂肪食群(HFD)、及びセロリ種子抽出物添加群(CS)のマウスに20週間給餌した後、20週目の肝組織の形態学的変化を観察した図である(上段:H&E染色/下段:マッソントリクローム染色)。スケールバー=100μm。 正常食群(ND)、高脂肪食群(HFD)、及びセロリ種子抽出物添加群(CS)のマウスの4週目及び20週目の太腿の厚さ(上段)及び19週目の引張力(下段)の測定結果を示した図である。 正常食群(ND)、高脂肪食群(HFD)、及びセロリ種子抽出物添加群(CS)のマウスの筋肉組織の脂質含量の測定結果を示した図である(FA:遊離脂肪酸、TG:中性脂肪、CHOL:コレステロール)。 正常食群(ND)、高脂肪食群(HFD)、及びセロリ種子抽出物添加群(CS)のマウスの肝組織の脂質含量及び脂質代謝酵素(PAP)の活性度の測定結果を示した図である(FA:遊離脂肪酸、TG:中性脂肪、CHOL:コレステロール)。 正常食群(ND)、高脂肪食群(HFD)、及びセロリ種子抽出物添加群(CS)のマウスの筋肉細胞成長関連タンパク質の発現の変化を比較して示した図である。 正常食群(ND)、高脂肪食群(HFD)、及びセロリ種子抽出物添加群(CS)のマウスの週別の血漿中性脂肪(左側)及び血漿総コレステロール(右側)の測定結果を比較して示した図である。 正常食群(ND)、高脂肪食群(HFD)、及びセロリ種子抽出物添加群(CS)のマウスの血漿GOT(glutamic oxaloacetic transaminase)及びGPT(glutamic pyruvic transaminase)の測定結果を比較して示した図である。 正常食群(ND)、高脂肪食群(HFD)、及びセロリ種子抽出物添加群(CS)のマウスの血漿及び肝組織のパラオキソナーゼ(PON)の測定結果を比較して示した図である。 正常食群(ND)、高脂肪食群(HFD)、及びセロリ種子抽出物添加群(CS)のマウスの赤血球及び肝組織の脂質過酸化物(TBARS)の測定結果を比較して示した図である。 正常食群(ND)、高脂肪食群(HFD)、及びセロリ種子抽出物添加群(CS)のマウスの赤血球及び肝組織のグルタチオン(GSH)の測定結果を比較して示した図である。 セロリ種子抽出物の老化性筋肉減少に対する効果を評価するための老化マウスモデルを用いた実験デザインを簡略に示した図である。 若いマウス群(YC)、老化マウス群(NC)、及びセロリ種子抽出物添加群(CS)の体重を12週間にわたって、一週間隔で測定し、飼育期間による体重の変化を確認した結果を示した図である(YC vs.NC:*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001;NC vs.CS:&p<0.05、&&p<0.01、&&&p<0.001、以下同様)。 若いマウス群(YC)、老化マウス群(NC)、及びセロリ種子抽出物添加群(CS)の食餌摂取量(Food intake)及び食餌効率(FER)の測定結果を比較して示した図である。 若いマウス群(YC)、老化マウス群(NC)、及びセロリ種子抽出物添加群(CS)に実験食を12週間給餌した後、部位別の白色脂肪組織(White Adipose Tissue;WAT)を摘出し、重量を測定して、体重100g当たりの重量で示した図である(Epididymal:副睾丸、Perirenal:腎周囲、Retroperitoneum:後腹膜腔、Mesenteric:腸間膜、Visceral:内臓、Subcutaneous:皮下、interscapular WAT:肩甲骨間白色脂肪、interscapular BAT:肩甲骨間褐色脂肪)。 若いマウス群(YC)、老化マウス群(NC)、及びセロリ種子抽出物添加群(CS)に実験食を12週間給餌した後、腓腹筋(gastrocnemius)、大腿筋(quadriceps)、前脛骨筋(tibialis anterior)を摘出し、重量を測定して、体重100g当たりの重量で示した図である。 若いマウス群(YC)、老化マウス群(NC)、及びセロリ種子抽出物添加群(CS)の12週目の引張力を測定した結果を示した図である。 若いマウス群(YC)、老化マウス群(NC)、及びセロリ種子抽出物添加群(CS)の4週目及び12週目の太腿の厚さの測定結果を示した図である。 若いマウス群(YC)、老化マウス群(NC)、及びセロリ種子抽出物添加群(CS)の筋肉組織の脂質含量の測定結果を示した図である(FA:遊離脂肪酸、TG:中性脂肪、CHOL:コレステロール)。 若いマウス群(YC)、老化マウス群(NC)、及びセロリ種子抽出物添加群(CS)に実験食を12週間給餌した後、12週目の筋肉組織の形態学的変化を観察した図である(上段:H&E染色/下段:シリウスレッド染色)。スケールバー=100μm。 若いマウス群(YC)、老化マウス群(NC)、及びセロリ種子抽出物添加群(CS)に実験食を12週間給餌した後、免疫化学分析でIGF-1及びミオスタチン(Myostatin)の発現を確認した結果を示した図である。スケールバー=100μm。 若いマウス群(YC)、老化マウス群(NC)、及びセロリ種子抽出物添加群(CS)に実験食を12週間給餌した後、筋萎縮関連遺伝子(FoxO1、FoxO3、Atrogin、及びMuRF1)の発現を確認した結果を示した図である。 若いマウス群(YC)、老化マウス群(NC)、及びセロリ種子抽出物添加群(CS)に実験食を12週間給餌した後、筋線維タンパク質(Igf-1R、FoxO1、及びsirt3)の発現を確認した結果を示した図である。 若いマウス群(YC)、老化マウス群(NC)、及びセロリ種子抽出物添加群(CS)に実験食を12週間給餌した後、ブドウ糖負荷を検査した結果を示した図である。 若いマウス群(YC)、老化マウス群(NC)、及びセロリ種子抽出物添加群(CS)に実験食を12週間給餌した後、肝重量を測定して、体重100g当たりの重量で示した図である。 若いマウス群(YC)、老化マウス群(NC)、及びセロリ種子抽出物添加群(CS)に実験食を12週間給餌した後、肝損傷指標である血漿GOT及びGPTを測定した結果を示した図である。 若いマウス群(YC)、老化マウス群(NC)、及びセロリ種子抽出物添加群(CS)に実験食を12週間給餌した後、肝組織の脂質含量の測定結果を示した図である。 若いマウス群(YC)、老化マウス群(NC)、及びセロリ種子抽出物添加群(CS)に実験食を12週間給餌した後、肝組織、赤血球及び血漿のグルタチオン(GSH)の含量を測定した結果を示した図である。 若いマウス群(YC)、老化マウス群(NC)、及びセロリ種子抽出物添加群(CS)に実験食を12週間給餌した後、肝組織及び赤血球のスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)の活性度を測定した結果を示した図である。 若いマウス群(YC)、老化マウス群(NC)、及びセロリ種子抽出物添加群(CS)に実験食を12週間給餌した後、ミトコンドリア、細胞基質及び赤血球のHの含量を測定した結果を示した図である。 若いマウス群(YC)、老化マウス群(NC)、及びセロリ種子抽出物添加群(CS)に実験食を12週間給餌した後、短鎖脂肪酸である酢酸(Acetate)、プロピオン酸(Propionate)、及び酪酸(Butyrate)の含量を測定した結果を示した図である。 若いマウス群(YC)、老化マウス群(NC)、及びセロリ種子抽出物添加群(CS)に実験食を12週間給餌した後、腸内微生物を分析した結果を示した図であって、大腸炎及び炎症反応に関与する腸内微生物を分析した結果を示した図である。 若いマウス群(YC)、老化マウス群(NC)、及びセロリ種子抽出物添加群(CS)に実験食を12週間給餌した後、腸内微生物を分析した結果を示した図であって、肥満及び短鎖脂肪酸の生成に関与する腸内微生物を分析した結果を示した図である。
本発明者らは、筋力弱化関連疾患を予防、改善または治療することができる天然物由来の活性物質を開発しようと努力した結果、肥満又は老化マウスからセロリ種子抽出物の優れた筋肉量増加効果及び筋肉代謝改善効果を確認することによって、これに基づいて本発明を完成した。
これによって、本発明は、セロリ種子抽出物を有効成分として含む筋力弱化関連疾患の予防または治療用薬学的組成物を提供する。
また、本発明は、セロリ種子抽出物を有効成分として含む筋力強化用組成物を提供する。
本発明の「セロリ種子(celery seed)」は、繖形花目セリ科の植物であるセロリの種子であって、粟粒の大きさで黄褐色であり、セロリのような香りを有しているので、香辛料として使用されている。セロリ種子は、青臭さと苦味を特徴とし、消炎、利尿、鎮静、催淫、抗リウマチ、関節炎などに効能があると知られている。
本発明において「抽出物」は、前記セロリ種子の抽出処理によって得られる抽出液、前記抽出液の希釈液や濃縮液、前記抽出液を乾燥して得られる乾燥物、前記抽出液の粗精製物や精製物、またはこれらの混合物など、抽出液自体及び抽出液を用いて形成可能な全ての剤形の抽出物を含む。
本発明に係るセロリ種子を抽出する方法は、特に制限されず、当該技術分野で通常用いる方法により抽出することができる。前記抽出方法の非制限的な例としては、熱水抽出法、超音波抽出法、濾過法、還流抽出法などが挙げられ、これらは単独で行われるか、または2種以上の方法を併用して行われてもよい。
本発明において、前記セロリ種子を抽出するのに使用される抽出溶媒の種類は、特に制限されず、天然物から抽出物を抽出する当業界で公知された通常の方法により、すなわち、通常の温度、圧力の条件下で通常の溶媒を使用して抽出することができる。例えば、本発明において、セロリ種子抽出物は、水、炭素数1~6個の有機溶媒、及び亜臨界又は超臨界流体からなる群から選択された1つ以上の溶媒で抽出されてもよい。前記炭素数1~6個の有機溶媒は、炭素数1~6個のアルコール(alcohol)、アセトン(acetone)、エーテル(ether)、ベンゼン(benzene)、クロロホルム(chloroform)、酢酸エチル(ethyl acetate)、塩化メチレン(methylene chloride)、ヘキサン(hexane)、シクロヘキサン(cyclohexane)及び石油エーテル(petroleum ether)からなる群から選択された1つ以上であってもよいが、これに制限されるものではない。本発明において、前記セロリ種子抽出物は、好ましくは、エタノールで抽出されてもよい。
本発明において、前記セロリ種子抽出物は、セロリ種子粉末70~130g、70~110g、70~100g、70~80g、80~130g、100~130g、110~130g、90~110g、95~105g、70g、80g、90g、または100gに、40~95%、40~85%、40~75%、40~65%、40~55%、40~50%、40~47%、40~45%、40~43%、40~41%、50~55%、55~65%、65~75%、68~75%、70~75%、73~75%、65~73%、65~70%、65~68%、75~85%、85~95%、88~95%、90~95%、90~92%、90~91%、40%、50%、60%、65%、68%、69%、70%、71%、72%、75%、78%、80%、または90%濃度のエタノール700mL~1.3L、700mL~1.1L、700mL~1L、700mL~900mL、900mL~1L、1L~1.1L、1L~1.3L、1.2L~1.3L、700mL、800mL、900mL、または1Lを追加して、30~90℃、30~70℃、30~50℃、40~50℃、50~70℃、55~75℃、60~70℃、60~65℃、60~63℃、70~90℃、80~90℃、85~90℃、30℃、40℃、50℃、55℃、または60℃で、1時間30分~3時間30分、1時間30分~3時間、1時間30分~2時間、2時間~2時間30分、2時間30分~3時間、3時間~3時間30分、2時間、2時間30分、2時間50分、または3時間抽出を、1~5回、1~3回、1~2回、2回~4回、4回~5回、1回、2回、または3回繰り返した後、抽出された液を濾過して減圧・濃縮し、凍結乾燥したものであってもよいが、これに制限されない。
前記製造された抽出物は、その後、濾過、濃縮または乾燥過程を行って溶媒を除去することができ、濾過、濃縮及び乾燥を全て行うことができる。例えば、濾過は、濾過紙または減圧濾過器を用いることができ、濃縮は減圧濃縮機、乾燥は凍結乾燥法などを行うことができるが、これに制限されるものではない。
本発明において、「有効成分」は、単独で目的とする活性を示すか、またはそれ自体は活性がない担体などと共に目的とする活性を示すことができる成分を意味する。
本発明において、「筋力弱化関連疾患」とは、筋肉組織あるいは筋細胞が減少又は消失されるあらゆる疾患を意味する。前記筋力弱化は、ある一つの筋肉、体の片側、上肢や下肢などに限定されたり、全身にわたって現れたり、先天的又は後天的に現れたりし得る。また、筋疲労や筋肉痛を含む主観的な筋力弱化症状は、理学的検診を通じて客観的な方法で定量化され得る。
前記筋力弱化関連疾患とは、筋力の弱化により発生し得るあらゆる疾患を意味し、例えば、筋肉減少症、筋萎縮症、筋肉退行萎縮(muscle dystrophy)または心臓萎縮症が挙げられるが、これに制限されない。
本発明において、「筋肉減少症」とは、老化、肥満などの様々な理由で体の筋肉(筋肉量、筋力)が異常に減少又は弱化して身体活動が円滑でない状態であって、症状がひどくなると、障害に至り、死亡のリスクを高める。筋肉減少症は、筋肉自体を越え、骨と血管、神経、肝臓、心臓、膵臓などの身体全般にわたって広範囲な影響を及ぼす。特に、骨は、筋肉によってストレス(刺激)を受けて密度を維持するため、筋肉減少症と骨粗鬆症は非常に密接な相関性を有する。また、筋肉が減少すると、新しい血管と神経が生じるのを妨げ、認知機能の低下、脂肪肝、糖尿病の発生リスクが高いと知られている。
本発明において、前記筋肉減少症は、老化性筋肉減少症または肥満性筋肉減少症であってもよいが、これに制限されない。
前記「老化性筋肉減少症」は、老化による漸進的な筋肉量の減少、または筋肉の密度及び機能が次第に弱くなることを意味するもので、直接的に筋力の低下を誘発し、その結果、各種身体機能の減少及び障害を起こし得る状態を意味する。
前記「肥満性筋肉減少症」は、肥満により筋肉内に脂肪が沈着して筋肉量が減少すると共に、肥満細胞由来の炎症因子が増加し、筋肉内のミトコンドリアの機能が低下することによって、筋肉の機能が弱くなる現象を意味するもので、肥満によりインシュリンの分泌に異常が発生する場合、細胞にエネルギーを適切に供給できないため、筋肉の発達に障害を引き起こすことがある。
前記「筋萎縮症」は、四肢の筋肉が次第に萎縮していくもので、脊髄にある運動神経線維及び細胞の進行性変性を誘発して、筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic lateral sclerosis、ALS)及び脊髄性進行性筋萎縮症(Spinal progressive muscular atrophy、SPMA)を起こすことがある。
前記「筋肉退行萎縮(muscle dystrophy)」は、漸進的な筋萎縮及び筋衰弱が現れる疾患であって、病理学的に筋線維の壊死を特徴とする退行性筋肉病症を意味する。
前記「心臓萎縮症」は、心臓が外部的又は内部的な要因によって萎縮していくもので、飢餓、消耗性疾患、老衰によって心筋線維がやせ細り、脂肪組織の減少を誘発する症状として現れる。
本発明で使用される用語「筋力強化」とは、運動動作能力の強化、最大持久力の強化、筋肉量の増加、筋肉回復の強化、筋肉疲労の減少、エネルギー収支の改善、またはこれらの組み合わせの効果をいう。
本発明の一実施例では、高脂肪食誘導筋肉減少性肥満マウスモデルにおいて、セロリ種子抽出物が筋肉量及び筋力を増加させ、筋肉組織の線維化を抑制し、筋肉組織の脂質含量の増加を抑制し、筋萎縮抑制関連タンパク質PGC1α、及びタンパク質の蓄積に関与するタンパク質MyD88とTraf6の発現を増加させ、筋細胞の分化及び死滅の抑制に関与するAktとPi3kタンパク質を活性化させるだけでなく、体重及び体脂肪の増加を抑制し、肝組織及び脂肪組織の線維化を抑制し、肝組織の脂質含量の増加を抑制し、血漿脂質濃度の増加を抑制し、血漿肝毒性指標の増加を抑制し、脂質過酸化物の増加を抑制し、抗酸化能を増加させることを確認した(実施例I参照)。
本発明の他の実施例では、老化マウスモデルにおいて、セロリ種子抽出物が筋肉量及び筋力を増加させ、筋肉組織の線維化を抑制し、筋肉組織の脂質含量の増加を抑制し、筋肉組織の合成に関与するIGF-1の発現を増加させ、筋肉組織の分解に関与するミオスタチン(Myostatin)の発現を減少させ、筋萎縮関連遺伝子の発現を減少させ、筋線維タンパク質の合成に関与するigf-1Rの発現を増加させ、筋萎縮に関与するFoxO1の発現を減少させるだけでなく、体脂肪の増加を抑制し、血糖を降下させ、血漿脂質濃度の増加を抑制し、血漿肝毒性指標の増加を抑制し、肝組織の脂質含量の増加を抑制し、抗酸化能を増加させ、短鎖脂肪酸を増加させ、腸内微生物の不均衡を改善することを確認した(実施例II参照)。
これによって、セロリ種子抽出物は、筋力弱化関連疾患の予防、改善または治療に適用できるだけでなく、代謝疾患あるいは肝疾患の予防、改善または治療にも適用することができる。
したがって、本発明において、本発明に係る組成物は、以下の特徴のうちの1つ以上を満たすことによって、筋力弱化関連疾患を予防、改善、または治療することができる:
(a)筋肉量の増加、
(b)筋肉量減少の抑制、
(c)筋力の増加、
(d)筋肉組織の脂質含量の増加の抑制、または
(e)筋肉組織の線維化の抑制。
また、本発明において、本発明に係る組成物は、以下の特徴のうちの1つ以上をさらに満たすことによって、筋力弱化関連疾患、代謝疾患あるいは肝疾患を予防、改善、または治療することができる:
(a)体重及び体脂肪の増加の抑制、
(b)肝組織又は脂肪組織の線維化の抑制、
(c)血漿脂質濃度の増加の抑制、
(d)肝組織の脂質含量の増加の抑制、
(e)血漿肝毒性指標の増加の抑制、
(f)脂質過酸化物の増加の抑制及び抗酸化能の増加、または
(g)腸内微生物の不均衡の改善。
本発明において、「腸内微生物の不均衡の改善」とは、腸内有益菌の増殖又は生長を促進し、腸内有害菌の増殖又は生長を抑制するものの、腸内有益菌と有害菌の均衡を維持することを意味する。微生物が腸器官内に生息し始め、その集団が平衡に達することによって腸内微生物を形成するようになり、腸内微生物を構成する個々の微生物は、ビタミン供給、感染防止及び腸機能などに関与し、これにより、腸内微生物の組成は、便秘、腸関連疾患の発生などと深い関係があると知られている。
前記「腸内有益菌」とは、腸内に生息しながら、人体に有益な効能を及ぼす微生物を総称することができる。例えば、腸内有益菌は、プロバイオティクスを含むことができる。例えば、前記腸内有益菌は、これに制限されず、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)、ラクトバシラス属(Lactobacillus)、ラクトコッカス属(Lactococcus)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、アッケルマンシア属(Akkermansia)、フィーカリバクテリウム属(Faecalibacterium)、ロゼブリア属(Roseburia)、ラクノスピラ綱(Lachnospiraceae)、またはエンテロコッカス属(Enterococcus)を含むことができる。但し、エンテロコッカス属(Enterococcus)の場合、ラクトバシラス属(Lactobacillus)と共に腸内有益菌及び抗菌活性として分類される菌株もあるが、一部の腸内球菌は、高い抗生剤抵抗性によりバンコマイシン耐性腸内球菌(VRE)による炎症、尿路感染症、感染性心内膜炎などの疾病を引き起こす有害菌として分類されることもあるため、エンテロコッカス属(Enterococcus)のプロバイオティクスの潜在性及び安定性に関するさらなる研究が必要である。
前記「腸内有害菌」とは、腸内に生息しながら、腸炎などのように人体に有害な効果を及ぼす微生物を総称することができる。例えば、前記腸内有害菌は、これに制限されず、大腸菌(Escherichia coli)、フソバクテリウム属(Fusobacterium)、クロストリジウム属(Clostridium)、スタフィロコッカス属(Staphylococcus)、デスルホビブリオ属(Desulfovibrio)、デスルホビブリオ科(Desulfovibrionaceae)、エリシペラトクロストリジウム属(Erysipelatoclostridium)、エンテロハブダス属(Enterorhabdus)、またはポルフィロモナス属(Porphyromonas)を含むことができる。
本発明において、「短鎖脂肪酸(short chain fatty acid)」は、腸内微生物の主要代謝産物であって、炭素数が6個以下と少ない脂肪酸を意味する。短鎖脂肪酸が増加すると、腸内環境を酸性化して排便活動を活性化させ、脂肪の吸収を阻害して体内脂肪量を減少させると共に、血液中の中性脂肪を減少させることができるので、肥満などの代謝疾患を予防、改善、または治療することができる。本発明の一実施例によれば、本発明において前記短鎖脂肪酸は、酢酸(Acetate)、プロピオン酸(Propionate)、及び酪酸(Butyrate)である。
本発明において、「肥満」とは、エネルギーの摂取と消耗の不均衡により体内にエネルギーが過剰蓄積し、脂肪組織が異常に増加した状態をいい、表面上は正常体重に見えても、体脂肪の比率が高ければ肥満といえる。肥満は、一つの原因よりは様々な原因が複合的に作用して発生し、西欧化された食習慣を含め、誤った食習慣と活動量の減少、情緒的要因、遺伝的要因などを原因として挙げられる。本発明において前記肥満は、筋肉減少性肥満であってもよいが、これに制限されない。
本発明において、「筋肉減少性肥満」とは、老化又は肥満に起因して、筋肉量や筋力の減少と共に、体脂肪量が増加した状態、すなわち、筋肉の脂肪への転換により、肥満と筋肉減少症の複合的な形態を有することを意味する。一例として、類似のボディマス指数を有している人において、体脂肪量が増加しており、筋肉量は減少していれば、体脂肪量と筋肉量が均衡をなしている人に比べて機能障害(functional limitation)や代謝疾患の発生のリスクが高いと知られている。
本発明において、「代謝疾患」とは、肥満と密接に関連性があるか、または肥満に起因する状態あるいは疾患を意味し、例えば、異常脂質血症;薬物性肝損傷、ウイルス性肝損傷、肝炎、肝硬変、肝癌または肝性昏睡を含む肝毒性疾患;または脂肪肝であってもよいが、これに制限されない。
本発明において、「肝疾患」は、非アルコール性脂肪肝疾患及び肝癌からなる群から選択されるいずれか1つ以上であってもよい。
本発明において、「非アルコール性脂肪肝疾患(Nonalcoholic fatty liver disease;NAFLD)」は、過量のアルコールを摂取していない患者において、肝に脂肪が蓄積したときに発生する脂肪肝のタイプの一つであって、炎症反応を伴わない単純脂肪肝、及びこれによって進展し、肝細胞の炎症反応、肝線維化及び肝硬変を含む広い範囲の疾患を意味する。非アルコール性脂肪肝疾患は、初期段階で発見した場合、良い結果を得ることができるが、そうでない場合、様々な理由により非アルコール性脂肪肝炎(NASH)に進行し得、さらに肝硬変症と肝癌を引き起こすことがある。
前記非アルコール性脂肪肝疾患は、原因によって原発性と続発性とに分けられ、原発性は、代謝症候群の特徴である高脂血症、糖尿病、または肥満などによって発生し、続発性は、栄養的原因(急激な体重減少、飢餓、腸バイパス術)、様々な薬物、毒性物質(毒キノコ、細菌毒素)、代謝性原因、及びその他の要因によって発生する。原発性の要因である代謝症候群の重要な特徴である糖尿病及び肥満と関連する非アルコール性脂肪肝疾患の発生率は、糖尿病患者の約50%、肥満患者の約76%であって、肥満である糖尿病患者のほとんどにおいて非アルコール性脂肪肝疾患が発生すると知られている。
前記非アルコール性脂肪肝疾患は、単純性脂肪肝疾患、栄養性脂肪肝疾患、飢餓性脂肪肝疾患、肥満性脂肪肝疾患、糖尿病性脂肪肝疾患、脂肪肝炎、肝線維化、及び肝硬変からなる群から選択されるいずれか1つ以上であってもよいが、これに制限されない。
本発明による「薬学的組成物」は、薬学的組成物の製造に通常使用する適切な担体、賦形剤及び希釈剤をさらに含むことができる。前記賦形剤は、例えば、希釈剤、結合剤、崩解剤、滑沢剤、吸着剤、保湿剤、フィルムコーティング物質、及び制御放出添加剤からなる群から選択された1つ以上であってもよい。
本発明による薬学的組成物は、それぞれ通常の方法によって、散剤、顆粒剤、徐放性顆粒剤、腸溶性顆粒剤、液剤、点眼剤、エリキシル剤、乳剤、懸濁液剤、酒精剤、トローチ剤、芳香水剤、リモナーデ剤、錠剤、徐放性錠剤、腸溶性錠剤、舌下錠、硬質カプセル剤、軟質カプセル剤、徐放性カプセル剤、腸溶性カプセル剤、丸剤、チンキ剤、軟稠エキス剤、乾燥エキス剤、流動エキス剤、注射剤、カプセル剤、灌流液、硬膏剤、ローション剤、パスタ剤、噴霧剤、吸入剤、パッチ剤、滅菌注射溶液、またはエアゾールなどの外用剤などの形態で剤形化して使用されてもよく、前記外用剤は、クリーム、ジェル、パッチ、噴霧剤、軟膏剤、硬膏剤、ローション剤、リニメント剤、パスタ剤またはカタプラズマ剤などの剤形を有してもよい。
本発明による薬学的組成物に含まれ得る担体、賦形剤及び希釈剤としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、オリゴ糖、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、澱粉、アカシアゴム、アルジネート、ゼラチン、カルシウムホスフェート、カルシウムシリケート、セルロース、メチルセルロース、微晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、水、メチルヒドロキシベンゾエート、プロピルヒドロキシベンゾエート、タルク、マグネシウムステアレート及び鉱物油が挙げられる。
製剤化する場合には、通常使用する充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩解剤、界面活性剤などの希釈剤または賦形剤を使用して調製される。
本発明による錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、丸剤、トローチ剤の添加剤として、トウモロコシ澱粉、ジャガイモ澱粉、小麦澱粉、乳糖、白糖、ブドウ糖、果糖、D-マンニトール、沈降炭酸カルシウム、合成ケイ酸アルミニウム、リン酸一水素カルシウム、硫酸カルシウム、塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、精製ラノリン、微結晶セルロース、デキストリン、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カオリン、尿素、コロイド状シリカゲル、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)1928、HPMC2208、HPMC2906、HPMC2910、プロピレングリコール、カゼイン、乳酸カルシウム、プリモジェルなどの賦形剤;ゼラチン、アラビアゴム、エタノール、寒天粉、酢酸フタル酸セルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ブドウ糖、精製水、カゼインナトリウム、グリセリン、ステアリン酸、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、微結晶セルロース、デキストリン、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシメチルセルロース、精製セラック、澱粉糊、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの結合剤が使用されてもよく、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、トウモロコシ澱粉、寒天粉、メチルセルロース、ベントナイト、ヒドロキシプロピルデンプン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クエン酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、無水ケイ酸、1-ヒドロキシプロピルセルロース、デキストラン、イオン交換樹脂、酢酸ポリビニル、ホルムアルデヒド処理カゼイン及びゼラチン、アルギン酸、アミロース、グアーゴム(Guar gum)、重曹、ポリビニルピロリドン、リン酸カルシウム、ゲル化澱粉、アラビアゴム、アミロペクチン、ペクチン、ポリリン酸ナトリウム、エチルセルロース、白糖、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、D-ソルビトール液、硬質無水ケイ酸などの崩解剤;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、水素化植物油(Hydrogenated vegetable oil)、タルク、石松子、カオリン、ワセリン、ステアリン酸ナトリウム、カカオ脂、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸マグネシウム、ポリエチレングリコール(PEG)4000、PEG6000、流動パラフィン、水素添加大豆油(Lubri wax)、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ラウリル硫酸ナトリウム、酸化マグネシウム、マクロゴール(Macrogol)、合成ケイ酸アルミニウム、無水ケイ酸、高級脂肪酸、高級アルコール、シリコーン油、パラフィン油、ポリエチレングリコール脂肪酸エーテル、澱粉、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、dl-ロイシン、硬質無水ケイ酸などの滑沢剤;が使用されてもよい。
本発明による液剤の添加剤としては、水、希塩酸、希硫酸、クエン酸ナトリウム、モノステアリン酸スクロース類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル類(ツインエステル)、ポリオキシエチレンモノアルキルエーテル類、ラノリンエーテル類、ラノリンエステル類、酢酸、塩酸、アンモニア水、炭酸アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、プロラミン、ポリビニルピロリドン、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどが使用されてもよい。
本発明によるシロップ剤としては、白糖の溶液、他の糖類あるいは甘味剤などが使用されてもよく、必要に応じて、芳香剤、着色剤、保存剤、安定剤、懸濁化剤、乳化剤、粘稠剤などが使用されてもよい。
本発明による乳剤としては、精製水が使用されてもよく、必要に応じて、乳化剤、保存剤、安定剤、芳香剤などが使用されてもよい。
本発明による懸濁剤としては、アカシア、トラガカンタ、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、微結晶セルロース、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、HPMC1828、HPMC2906、HPMC2910などの懸濁化剤が使用されてもよく、必要に応じて、界面活性剤、保存剤、安定剤、着色剤、芳香剤が使用されてもよい。
本発明による注射剤としては、注射用蒸留水、0.9%塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、デキストロース注射液、デキストロース+塩化ナトリウム注射液、PEG、乳酸リンゲル注射液、エタノール、プロピレングリコール、非揮発性油-ごま油、綿実油、落花生油、大豆油、トウモロコシ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、安息香酸ベンゼンのような溶剤;安息香酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、尿素、ウレタン、モノエチルアセトアミド、ブタゾリジン、プロピレングリコール、ツイーン類、ニコチン酸アミド、ヘキサミン、ジメチルアセトアミドのような溶解補助剤;弱酸及びその塩(酢酸と酢酸ナトリウム)、弱塩基及びその塩(アンモニア及び酢酸アンモニウム)、有機化合物、タンパク質、アルブミン、ペプトン、ガム類のような緩衝剤;塩化ナトリウムのような等張化剤;重亜硫酸ナトリウム(NaHSO)二酸化炭素ガス、メタ重亜硫酸ナトリウム(Na)、亜硫酸ナトリウム(NaSO)、窒素ガス(N)、エチレンジアミンテトラ酢酸のような安定剤;重亜硫酸ナトリウム0.1%、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、チオウレア、エチレンジアミンテトラ酢酸ジナトリウム、アセトン重亜硫酸ナトリウムのような硫酸化剤;ベンジルアルコール、クロロブタノール、塩酸プロカイン、ブドウ糖、グルコン酸カルシウムのような無痛化剤;CMCナトリウム、アルギン酸ナトリウム、ツイン80、モノステアリン酸アルミニウムのような懸濁化剤を含むことができる。
本発明による坐剤としては、カカオ脂、ラノリン、ウィテップゾール、ポリエチレングリコール、グリセロゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸とオレイン酸の混合物、スバナル(Subanal)、綿実油、落花生油、ヤシ油、カカオバター+コレステロール、レシチン、ラネットワックス、モノステアリン酸グリセロール、ツイーン又はスパン、イムハウゼン(Imhausen)、モノレン(モノステアリン酸プロピレングリコール)、グリセリン、アデプスソリダス(Adeps solidus)、ブチラムテゴ-G(Buytyrum Tego-G)、セベスファーマ16(Cebes Pharma16)、ヘキサライドベース95、コトマー(Cotomar)、ヒドロコテSP、S-70-XXA、S-70-XX75(S-70-XX95)、ヒドロコテ(Hydrokote)25、ヒドロコテ711、イドロポスタル(Idropostal)、マッサエストラリウム(Massa estrarium、A、AS、B、C、D、E、I、T)、マッサ-MF、マスポール、マスポール-15、ネオスポスタル-N、パラマウンド-B、スポシロ(OSI、OSIX、A、B、C、D、H、L)、坐剤基剤IVタイプ(AB、B、A、BC、BBG、E、BGF、C、D、299)、スポスタル(N、Es)、ウェコビー(W、R、S、M、Fs)、テゼスタートリグリセリド基剤(TG-95、MA、57)のような基剤が使用されてもよい。
経口投与のための固形製剤には、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤などが含まれ、このような固形製剤は、前記抽出物に少なくとも1つ以上の賦形剤、例えば、澱粉、炭酸カルシウム(calcium carbonate)、スクロース(sucrose)又はラクトース(lactose)、ゼラチンなどを混ぜて調剤される。また、単純な賦形剤以外に、ステアリン酸マグネシウム、タルクのような潤滑剤も使用される。
経口投与のための液状製剤としては、懸濁剤、内用液剤、乳剤、シロップ剤などが該当するが、よく使用される単純希釈剤である水、流動パラフィン以外に様々な賦形剤、例えば、湿潤剤、甘味剤、芳香剤、保存剤などが含まれてもよい。
非経口投与のための製剤には、滅菌された水溶液、非水性溶剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥製剤、坐剤が含まれる。非水性溶剤、懸濁剤としては、プロピレングリコール(propylene glycol)、ポリエチレングリコール、オリーブオイルのような植物性油、オレイン酸エチルのような注射可能なエステルなどが使用されてもよい。
本発明による薬学的組成物は、薬学的に有効な量で投与する。本発明において、「薬学的に有効な量」は、医学的治療に適用可能な合理的なベネフィット/リスクの比率で疾患を治療するのに十分な量を意味し、有効用量のレベルは、患者の疾患の種類、重症度、薬物の活性、薬物に対する敏感度、投与時間、投与経路及び排出比率、治療期間、同時使用される薬物を含む要素、並びにその他の医学分野によく知られている要素によって決定され得る。
本発明による薬学的組成物は、個別治療剤として投与するか、または他の治療剤と併用して投与してもよく、従来の治療剤とは順次または同時に投与されてもよく、単一または多重投与されてもよい。前記の要素を全て考慮して、副作用なしに最小限の量で最大の効果を得ることができる量を投与することが重要であり、これは、本発明の属する技術分野における通常の技術者によって容易に決定され得る。
本発明の薬学的組成物は、個体に様々な経路で投与されてもよい。投与の全ての方式は、予想可能であるが、例えば、経口服用、皮下注射、腹腔投与、静脈注射、筋肉注射、脊髄周囲空間(硬膜内)注射、舌下投与、頬粘膜投与、直腸内挿入、膣内挿入、眼球投与、耳投与、鼻腔投与、吸入、口又は鼻を通じた噴霧、皮膚投与、経皮投与などによって投与されてもよい。
本発明の薬学的組成物は、治療する疾患、投与経路、患者の年齢、性別、体重、疾患の重症度などの様々な関連因子と共に、活性成分である薬物の種類によって決定される。
また、本発明は、セロリ種子抽出物を含む組成物を、これを必要とする個体に投与するステップを含む、筋力弱化関連疾患の予防または治療方法を提供する。
また、本発明は、セロリ種子抽出物を含む組成物の筋力弱化関連疾患の予防または治療用途を提供する。
また、本発明は、セロリ種子抽出物の筋力弱化関連疾患の治療用薬剤の製造のための用途を提供する。
本発明において、「個体」とは、疾病の治療を必要とする対象を意味し、より具体的には、ヒト又は非ヒトである霊長類、マウス(mouse)、ラット(rat)、イヌ、ネコ、ウマ及びウシなどの哺乳類を意味する。
本発明において、「投与」とは、任意の適切な方法で個体に所定の本発明の組成物を提供することを意味する。
本発明において、「予防」とは、目的とする疾患の発病を抑制又は遅延させるあらゆる行為を意味し、「治療」とは、本発明による薬学的組成物の投与によって、目的とする疾患とそれによる代謝異常症状が好転したり、有益に変更されたりするあらゆる行為を意味する。
また、本発明は、本発明の他の態様として、セロリ種子抽出物を有効成分として含む筋力弱化関連疾患の予防または改善用食品組成物を提供する。
本発明において、「改善」とは、本発明による組成物の投与によって、目的とする疾患に関連するパラメータ、例えば、症状の程度を減少させるあらゆる行為を意味する。このとき、前記健康機能食品組成物は、筋力弱化関連疾患、代謝疾患、あるいは肝疾患の予防または改善のために、当該疾患の発病前又は発病後に、治療のための薬剤と同時に又は別個に使用されてもよい。
本発明のセロリ種子抽出物を食品添加物として使用する場合、前記セロリ種子抽出物をそのまま添加するか、または他の食品あるいは食品成分と共に使用することができ、通常の方法によって適切に使用することができる。有効成分の混合量は、使用目的(予防、健康又は治療的処置)に応じて好適に決定され得る。一般に、食品又は飲料の製造時に、本発明のセロリ種子抽出物は、原料に対して15重量%以下、または10重量%以下の量で添加されてもよい。しかし、健康及び衛生を目的とするか、または健康調節を目的とする長期間の摂取の場合、前記量は、前記範囲以下であってもよく、安全性の面で何の問題もないため、有効成分は、前記範囲以上の量で使用されてもよい。
前記食品の種類には特に制限はない。前記物質を添加できる食品の例としては、肉類、ソーセージ、パン、チョコレート、キャンデー類、スナック類、菓子類、ピザ、ラーメン、その他の麺類、ガム類、アイスクリーム類を含む酪農製品、各種スープ、飲料、茶、ドリンク剤、アルコール飲料及びビタミン複合剤などがあり、通常の意味での健康機能食品を全て含む。
本発明による健康飲料組成物は、通常の飲料のように様々な香味剤又は天然炭水化物などを追加成分として含有することができる。上述した天然炭水化物は、ブドウ糖及び果糖のようなモノサッカライド、マルトース及びスクロースのようなジサッカライド、デキストリン及びシクロデキストリンのようなポリサッカライド、並びにキシリトール、ソルビトール及びエリスリトールなどの糖アルコールである。甘味剤としては、タウマチン、ステビア抽出物のような天然甘味剤や、サッカリン、アスパルテームのような合成甘味剤などを使用することができる。前記天然炭水化物の割合は、本発明の組成物100mL当たり約0.01~0.20g、または約0.04~0.10gである。
前記以外に、本発明の組成物は、様々な栄養剤、ビタミン、電解質、風味剤、着色剤、ペクチン酸及びその塩、アルギン酸及びその塩、有機酸、保護性コロイド増粘剤、pH調節剤、安定化剤、防腐剤、グリセリン、アルコール、炭酸飲料に使用される炭酸化剤などを含有することができる。その他に、本発明の組成物は、天然果物ジュース、果物ジュース飲料及び野菜飲料の製造のための果肉を含有することができる。このような成分は、独立して、または組み合わせて使用してもよい。このような添加剤の割合は、それほど重要ではないが、本発明の組成物100重量部当たり0.01~0.20重量部の範囲で選択されることが一般的である。
本発明において、前記食品組成物は健康機能食品組成物であってもよいが、これに制限されない。
本発明において、「健康機能食品」とは、特定の保健用食品(food for special health use、FoSHU)と同じ用語であって、栄養供給以外にも生体調節機能が効率的に現れるように加工された医学、医療効果の高い食品を意味し、前記食品は、筋力弱化関連疾患、代謝疾患、あるいは肝疾患の予防または改善に有用な効果を得るために、錠剤、カプセル、粉末、顆粒、液状、丸などの様々な形態で製造されてもよい。
本発明において、「健康機能食品組成物」は、担体、希釈剤、賦形剤及び添加剤のうちの1つ以上を含んで、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、粉末剤、カプセル剤及び液剤の剤形からなる群から選択された1つに剤形されたことを特徴とする。
本発明の健康機能食品は、当業界で通常用いられる方法によって製造可能であり、前記製造時には、当業界で通常添加する原料及び成分を添加して製造することができる。また、一般の薬品とは異なって食品を原料とするので、薬品の長期服用時に発生し得る副作用などがないという利点があり、携帯性に優れる。
また、本発明は、本発明の他の態様として、セロリ種子抽出物を有効成分として含む筋力強化用飼料または飼料添加剤を提供することができる。
本発明において、「飼料」とは、動物の生命を維持するのに必要な有機又は無機栄養素を供給する物質を意味する。前記飼料は、家畜などの動物が必要とするエネルギー、タンパク質、脂質、ビタミン、鉱物質などの栄養素を含み、穀物類、根果類、食品加工副産物類、藻類、繊維質類、油脂類、澱粉類、ウリ類、穀物副産物類などの植物性飼料、またはタンパク質類、無機物類、油脂類、鉱物性類、単細胞タンパク質などの動物性飼料であってもよいが、これに制限されるものではない。
本発明において、「飼料添加剤」とは、動物の生産性の向上や健康を増進させるために飼料に添加される物質を意味し、特にこれに制限されないが、成長促進、疾病予防などのためのアミノ酸剤、ビタミン剤、酵素剤、香味剤、ケイ酸塩剤、緩衝剤、抽出剤、オリゴ糖などがさらに含まれてもよい。
前記筋力強化用飼料または飼料添加剤に含まれるセロリ種子抽出物の含量は、特にこれに制限されないが、0.001~1%(w/w)であってもよく、好ましくは0.005~0.9%(w/w)であってもよく、最も好ましくは0.01~0.5%(w/w)であってもよい。
以下、本発明の理解を助けるために、好ましい実施例を提示する。しかし、下記の実施例は、本発明をさらに容易に理解するために提供されるものに過ぎず、下記の実施例によって本発明の内容が限定されるものではない。
[実施例]
実施例I.肥満性筋肉減少に対するセロリ種子の効果
<実験材料及び方法>
1.セロリ種子抽出物の製造
実験に使用されたセロリ種子粉末は、(株)ES食品原料から購入して使用した。原材料であるセロリ種子粉末100gに70%エタノール(Ethanol)1Lを追加し、60℃で3時間抽出を3回繰り返した後、抽出された液を濾過して減圧・濃縮し、凍結乾燥した。セロリ種子抽出物パウダーを収得して冷凍保管した後、食餌の製造に使用した。抽出収率は10.02%であった。
2.実験動物モデル
2-1.実験動物
セロリ種子抽出物の摂取が及ぼす影響を確認するために、高脂肪食誘導筋肉減少性肥満マウスモデルを用いて、図1に示した模式図のように実験を設計して行った。具体的には、4週齢雄C57BL/6Jマウス(JA BIO、Korea)を、JOONGAH BIOから購入して使用した。ペレット(pellet)状の食餌を1週間提供して適応させた後、乱塊法(randomized complete block design)によって、マウスを正常食群(ND)、高脂肪食群(HFD;20% fat、1% cholesterol)及びセロリ種子抽出物添加群(CS、HFD+0.1%(w/w) celery seed ethanol extract)に分けて実験食を提供し、20週間飼育した。動物飼育室は、恒温(24±2℃)、恒湿(50±5%)及び12時間間隔(AM6:00~PM18:00)の光周期で一定の条件を維持し、一匹ずつ個々のケージ(cage)内で実験食と水を自由に摂取するように提供した。
2-2.実験食の組成
ND群、HFD群及びCS群の実験食の組成は、下記の表1に示した。ND群は、正常食群であって、AIN-76準合成飼料(semisynthetic diet)を製造して給餌し、HFD群は、AIN-76飼料(diet)にラード(lard)とコレステロール(cholesterol)を添加して、20%脂肪(fat)及び1%コレステロール(cholesterol)を含む高脂肪食を製造して給餌した。CS群は、高脂肪食に食餌の0.1%の用量でセロリ種子抽出物を添加して給餌した。
3.試料の収集
3-1.血液試料の収集
飼育期間の間、4週毎に12時間絶食させた後、麻酔なしに尾から採血して血中脂質濃度を測定した。飼育終了時点で12時間絶食させた後、イソフルラン(isoflurane)(5mg/kg body weight、Baxter、USA)で麻酔させ、腹部下大静脈(inferior vena cava)から血液を採取した。採取した血液は、ヘパリン(heparin)で処理した後、3,000rpm、4℃で15分間遠心分離した後、血漿を収集し、試料の分析時まで-70℃で保管した。
3-2.組織試料の収集
前記3-1.において腹部下大静脈から血液を採取した後、マウスを犠牲にして収得した肝臓、腎臓、副睾丸白色脂肪、腎周囲白色脂肪、肩甲骨間白色脂肪・褐色脂肪及び筋肉組織を食塩水(0.9% saline solution)溶液で数回濯いだ後、表面の水分を除去して秤量し、実験用途に合わせて分類し、液体窒素で急冷させ、分析時まで-70℃で保管した。
4.太腿の厚さ及び引張力(Whole-limb grip strength)の測定
飼育期間の間、4週間隔でマウスの太腿の厚さをキャリパ(calipers)を用いて測定した。
実験食の給餌19週目にマウスの引張力の測定のために、3日間測定機器に適応させた後、5日間連続して引張力を測定した。マウスを測定機器のグリッド(grid)の上端に載せ、4本の足すべてでグリッドを掴むようにして、マウスの胴部とグリッドが平行に維持しながら、尾を掴んで後ろに優しくゆっくりと引っ張るとき、マウスが力を入れてグリッドを掴む力の最大筋力値を記録した。
5.血漿脂質濃度の分析
血漿中性脂肪(triglyceride;TG)、総コレステロール、HDLコレステロールの濃度は、ASAN製薬(Asan Pharm Co.,Seoul、Korea)の酵素キットを用いて測定した。遊離脂肪酸(free fatty acid;FA)の含量は、酵素法を用いた発色法原理を用いた遊離脂肪酸測定用試液(Non-Esterified fatty acid、NEFA kit、Shinyang Chemical)を使用して測定した。血漿アポリポタンパク質A-1(apolipoprotein A-1;Apo A-1)及びアポリポタンパク質B(apolipoprotein B;Apo B)の濃度は、Apo A-1及びApo B測定用キット(日東紡績株式会社、Tokyo、Japan)を使用して測定した。
6.組織の脂質含量の測定
脂質含量の測定のために、肝及び筋肉組織の脂質をFolchなど(1957)の方法によって抽出した後、抽出液を37℃で窒素ガスで揮発させ、イソプロパノール(isopropanol)で希釈した。定量のために、酵素試薬に、乳化剤として3mMのコール酸(cholic acid)及び発色時に起こる濁度を除去するための0.5%トライトン(登録商標)(Triton)X-100を混合して、脂質成分を抽出した後、血漿中性脂肪、コレステロール及び遊離脂肪酸の定量法と同様に定量した。
7.酵素活性度の測定
7-1.赤血球の酵素原の分離
McCordとFridovich(1969)の方法に準拠して、ヘパリン処理された血液を3,000rpm、4℃で15分間遠心分離して、血漿とバフィーコート(buffy coat)を完全に除去した後、0.9%生理食塩水で3回洗浄した。洗浄した赤血球は、同量の蒸留水で溶血させて抗酸化酵素の活性度の測定に使用した。
7-2.肝組織の酵素原の分離
肝組織内の酵素原の分離のために、Hulcherなど(1973)が行った分離方法を一部修正して適用した。肝組織0.5gに0.1Mトリエタノールアミン、0.02Mエチレンジアミンテトラアセテート(ethylenediamine tetracetate;EDTA、pH7.4)、0.002Mジチオトレイトール(DTT)が含まれた緩衝溶液を添加して、氷冷状態でガラステフロン(登録商標)ホモジナイザー(glass teflon homogenizer)(Glascol、099C K44、USA)で均質化した後、3,000rpm、4℃で15分間遠心分離し、上澄み液のみを再び13,000rpm、4℃で15分間遠心分離した。この中で上澄み液と分離された下層の沈殿物は、ミトコンドリア(mitochondria)分画として使用し、上澄み液は、32,500rpm、4℃で1時間、超遠心分離機(Beckman、Optima TLX-120、USA)を用いて上澄み液の細胞質(cytosol)分画を収得した。ミクロソーム(microsome)分画は、上澄み液の細胞質分画と分離されたペレットに同一の緩衝溶液を添加し、33,000rpm、4℃で40分間、再び超遠心分離した後、ペレットを1ml緩衝溶液に溶かして-70℃で保管した後、分析及びタンパク質の定量に使用した。
7-3.脂質代謝酵素の活性度の測定(Phosphatidate phosphohydrolase)
PAP(Phosphatidate phosphohydrolase)の活性の測定は、Waltonなど(1985)の方法に準拠して測定した。0.05M Tris-HCl(pH7.0)、1.25mM Na-EDTA、1mM MgClの添加及び無添加の反応液50μlを0.9%NaCl溶液に溶解させ、1mMホスファチジン酸(phosphatidate)及びホスファチジルコリン(phosphatidylcholine)を含有した基質50μlを加えた後、ミクロソーム(microsome)分画0.1mLを加えて反応を開始した。37℃で15分間反応させた後、1.8M HSO0.1mLを加えて反応を停止させ、その後、0.13%硫酸ドデシルナトリウム(sodium dodecyl sulfate;SDS)溶液0.1mLと、1.25%アスコルビン酸(ascorbic acid)及び0.32%モリブデン酸アンモニウム(ammonium molybdate)をそれぞれ0.25mLずつ加え、45℃で20分間反応・発色させた後、820nmで吸光度を測定した。
7-4.抗酸化酵素の活性度の測定
7-4-a.パラオキソナーゼ(Paraoxonase)の活性度の測定
パラオキソナーゼ(Paraoxonase;PON)の活性度は、Macknessなど(1991)の方法を修正・補完して測定した。反応液として2mM CaClを含む0.1M Tris-HCl緩衝液(buffer)(pH8.0)940μlに、酵素原である血漿及び肝組織のミクロソーム30μlを添加し、基質である100mMパラオキソン(paraoxon)(O,O-diethyl-O-p-nitrophenylphosphate,Sigma Chemical Co.)を30μl加え、25℃、405nmで90秒間生成されるp-ニトロフェノール(extinction coefficient:17,000M-1cm-1)の吸光度の増加を測定した。
7-4-b.グルタチオン(Glutathione;GSH)の含量の測定
グルタチオンの含量は、酸化型GSHと還元型GSHの両方を含み、Fialaなど(1976)の方法を修正・補完して測定した。肝組織0.5gを、0.1Mトリエタノールアミン(triethanolamine)、0.02M EDTA(pH7.4)、0.002M DTTが含まれた緩衝溶液に添加し、氷冷状態でガラステフロン(登録商標)ホモジナイザー(Glascol、099C K44、USA)で均質化した。均質液0.2mLに蒸留水0.3mLと4%スルホサリチル酸(sulfosalicylic acid)を0.5mL添加し、25,000rpm、4℃で10分間遠心分離して上澄み液を収得した。0.3mLの上澄み液に0.1Mジスルフィド試薬(disulfide reagent)(5.5’-dithiobis+0.1M sodiumphosphate buffer、pH8.0)を2.7mL添加し、室温で20分間反応させた後、412nmで吸光度を測定した。
8.赤血球及び肝組織の脂質過酸化物(TBARS)の含量の測定
8-1.赤血球の脂質過酸化物の含量の測定
赤血球の脂質過酸化物の含量の測定は、Tarladgisなど(1964)の方法を用いた。赤血球50μlに5%トリクロロ酢酸(trichloroacetic acid;TCA)3mLと0.06Mチオバルビツール酸(thiobarbituric acid;TBA)1mLを添加し、80℃で90分間反応させた。これを室温に冷却させ、2,000rpm、25℃で15分間遠心分離した後、上澄み液を取って535nmで吸光度を測定した。脂質過酸化(Lipid Peroxidation)(MDA)標準溶液はテトラメトキシプロパン(tetramethoxypropane;TMP)を加水分解して、267nmで出たTBA反応物質の量を、MDA吸光係数で計算した。すなわち、TMP 1mmolを0.01N HCl溶液100mLに溶かし、50℃で60分間反応させた後、室温に冷却させ、MDAでTMPを加水分解した。加水分解されたTMP溶液1mLを0.01M NaPO(pH7.0)緩衝液(buffer)100mLに希釈させてMDA標準溶液(1×10-4M)を製造した。267nmでMDA標準溶液の吸収スペクトルを得、吸光係数(extinction coefficient)から正確な濃度を計算して補正した後、TBA-MDA chromophore標準曲線を得、この曲線からTBA反応物質の量をMDA吸光係数で算出した。
8-2.肝組織の脂質過酸化物の含量の測定
肝組織の脂質過酸化物の含量は、Ohkawaなど(1979)の方法を用いて、肝組織0.5gに0.1Mトリエタノールアミン(triethanolamine)、0.02M EDTA(pH7.4)、0.002M DTTが含まれた緩衝溶液を添加し、氷冷状態でガラステフロン(登録商標)ホモジナイザー(Glascol、099C K44、USA)で均質化した。均質液0.2mL、8.1%硫酸ドデシルナトリウム(SDS)溶液0.2mL及び蒸留水0.6mLを混合して室温で5分間放置した後、20%酢酸(acetate)(pH3.5)緩衝液1.5mL及び0.8%TBA1.5mLを添加し、95℃で1時間反応させた。反応後、試料を室温に冷却させ、蒸留水1mL及びn-ブタノール:ピリジン(15:1)溶液5mLを添加し、3,000rpm、20℃で15分間遠心分離した後、上澄み液の吸光度を532nmで測定した。MDA標準溶液はTMPを加水分解して、267nmで出たTBA反応物質の量を、MDA吸光係数で算出した。
9.組織の形態学的分析
組織の形態学的観察のためにマウスから摘出した肝臓、副睾丸白色脂肪及び筋肉組織の一部を10%ホルムアルデヒド(formaldehyde)溶液に24時間固定した後、同じ溶液で2回交換し、2倍のエタノールで脱水し、パラフィン(paraffin)に包埋する過程を経て、ポリ-L-リジンで処理された5μmの厚さの組織切片を作製した後、ヘマトキシリン・エオジン(H&E)染色し、光学顕微鏡で200倍の倍率で観察した。コラーゲンと筋線維を染色するために、肝臓及び脂肪組織はマッソントリクローム(結合組織は青色、核は暗赤色、細胞質はピンクに染色される)染色、筋肉組織はシリウスレッド(sirius red)染色(筋線維は黄色、コラーゲンは赤色に染色される)を行い、光学顕微鏡で200倍の倍率で観察した。
10.ウエスタンブロット(Western blot)測定
筋肉組織0.1gを3mmビーズ(beads)と溶解バッファー(lysis buffer)(T-PER buffer,Thermo Scientific,Rockford,IL,USA)1mlを追加して均質化(homogenize)させた後、14,000rpmで15分間遠心分離して上澄み液のみを集め、新しいチューブに移し、タンパク質を抽出して実験に使用した。タンパク質の定量は、Quick StartTMBradford Reagent(Bio-rad,Hercules,CA,USA)を用いた。同じ量のタンパク質をSDS-ポリアクリルアミドゲル(polyacrylamide gel)に電気泳動(SDS-PAGE)した。電気泳動を通じてゲルに分けられたタンパク質を、ポリビニリデンフルオリド(polyvinylidene fluoride;PVDF)膜(Merck Millipore,New Jersey,USA)にトランスファした後、5%スキムミルク(skim milk)/Tris-buffered saline with tween20(TBST;20mM Tris-HCl、pH7.4、150mM NaCl、0.1%Tween20)で常温で1時間ブロッキング(blocking)し、4℃で一晩、1次抗体と反応させた。1次抗体は、anti-PGC1α(1:1000,abcam,ab191838)、anti-Akt(1:1000,cell signaling,#9272)、anti-phospho Akt(1:1000,cell signaling,#4058)、anti-Pi3k(1:1000,cell signaling,#4292)、anti-phospho Pi3k(1:1000,cell signaling,#4228)、anti-mTOR(1:1000,cell signaling,#2983)、anti-MyD88(1:1000,cell signaling,#4283)、anti-Sirt1(1:1000,cell signaling,#3931)、及びanti-Traf6(1:1000,abcam,ab33915)を、5%BSAに希釈して使用し、ローディングコントロールとしてαチューブリン(alpha tubulin)(1:1000,cell signaling,#2125)を使用した。2次抗体は、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)-conjugated anti-rabbit IgG(1:5000;Cell Signaling、#7074S)を5%スキムミルク(skim milk)に希釈し、常温で1時間反応させた。それぞれの反応後、TBST緩衝液で10分間3回ずつ洗浄した後に進行した。洗浄した膜(membrane)は、バンドを現像させる増強化学発光(Enhanced Chemiluminescent;ECL)キット(super-signal west pico plus,34580,Thermo Scientific,Rockford,IL,USA)を用いて視覚化し、G-box(50S;BI System Co.)を用いて定量化して分析した。
11.統計分析
実験結果は、コンピュータ統計プログラムの一つであるSPSSパッケージプログラムのversion 25.0(Statistical Package for the Social Sciences,SPSS Inc.,Chicago)を用いて算出した。ND群とHFD群との間の有意性検定、及びHFD群とCS群との間の有意性検定のためにスチューデントt検定(Student’s t-test)を行った。全ての結果は、平均±S.E(standard error)で表示した。
<実験結果>
1.セロリ種子抽出物による組織重量変化及び体重変化の分析
1-1.筋肉及び臓器の重量の変化
筋肉及び臓器の重量の変化を分析するために、腓腹筋、大腿筋、前脛骨筋、腎臓及び肝臓を摘出して重量を測定した後、体重100g当たりの重量で示して比較した。
その結果、図2Aに示されたように、筋肉の場合、HFD群の全ての部位別の筋肉組織の重量がND群に比べて有意に減少したのに対し、CS群の腓腹筋及び大腿筋の重量は、HFD群に比べて有意に増加した。腎臓の場合、ND群に比べてHFD群の重量が有意に減少したのに対し、CS群の場合、HFD群よりも腎臓の重量が有意に増加した。肝臓の場合、ND群に比べてHFD群の重量が有意に増加したのに対し、CS群の場合、HFD群よりも肝臓重量が有意に減少したことが確認できた。前記結果を通じて、セロリ種子抽出物が筋肉量を増加させ、肝臓重量の増加を抑制し、腎臓重量の減少を抑制する効果があることが確認できた。
1-2.体重の変化
セロリ種子抽出物の摂取が体重の増加に及ぼす影響を調べるために、飼育期間中、週1回体重及び食餌摂取量を測定した。
その結果、図2Bに示されたように、HFD群の場合、ND群と比較して体重が急激に増加したのに対し、CS群の場合、実験食の給餌12週目からHFD群よりも体重が有意に減少したことが確認できた。
また、20週間の体重増加量(body weight gain)を1日間の体重増加量(g/day)に換算した場合、HFD群に比べてCS群の体重増加が有意に抑制されたことが確認できた。
一方、図2Cに示されたように、1日平均食餌摂取量(Food intake)及びエネルギー摂取量(Energy intake)は、CS群とHFD群との間に有意差は現れなかったが、エネルギー摂取量に対する体重増加量を示す食餌効率(Food efficiency ratio;FER)は、エネルギー密度が高いHFD群の場合、エネルギー密度が低いND群と比較して有意に増加したのに対し、CS群の場合、HFD群と比較して有意に減少したことが確認できた。前記結果から、セロリ種子抽出物が、同一のエネルギーを摂取する環境で体重を有意に減少させる効果があることが分かった。
1-3.脂肪組織の重量変化
脂肪組織の重量変化を分析するために、マウスの脂肪組織を摘出して重量を測定した後、体重100g当たりの重量で示して比較した。
その結果、図2Dに示されたように、HFD群の場合、全ての部位別の脂肪組織の重量がND群に比べて有意に増加したため、高脂肪食によって肥満が誘導されたことが確認できた。反面、セロリ種子抽出物を補充したCS群の場合、内臓脂肪に該当する腎周囲白色脂肪組織及び腸間膜白色脂肪組織の重量が有意に減少し、内臓脂肪及び総白色脂肪組織の重量が減少した。前記結果から、セロリ種子抽出物が、エネルギーを貯蔵する白色脂肪組織の重量を有意に減少させることによって、体脂肪を減少させる効果があることが分かった。
2.セロリ種子抽出物が肝組織、脂肪組織及び筋肉組織の形態学的変化に及ぼす影響の分析
2-1.筋肉組織
マウスの腓腹筋をH&E染色で観察した結果、図3Aに示したように、筋肉細胞束の形態及び構造が、ND群に比べてHFD群で不規則に示されたが、CS群の場合、筋肉細胞の形態が正常レベルに改善されたことが確認できた(図3Aの上段)。
さらに、筋肉組織内のコラーゲン繊維の組織学的視覚化のためにシリウスレッド染色を行った結果、筋肉組織において染色されたコラーゲンが、ND群に比べてHFD群で多く観察されたが、CS群の場合、高脂肪食による筋組織の線維化が抑制されたことが分かった(図3Aの下段)。
2-2.脂肪組織
図3Bに示したように、副睾丸白色脂肪組織(Epididymal WAT)をH&E染色で観察した結果、ND群に比べてHFD群の脂肪細胞の大きさが大きいことが観察され、CS群は、HFD群に比べて脂肪細胞の大きさが小さいことが確認できた(図3Bの上段)。
さらに、セロリ種子抽出物が脂肪組織の線維化(fibrosis)に及ぼす影響を調べるために、マッソントリクローム染色を行った結果、HFD群の脂肪細胞において、ND群に比べて線維化された結合組織が顕著に観察され、CS群の場合、高脂肪食による脂肪組織の線維化が抑制されたことが分かった(図3Bの下段)。
2-3.肝組織
肝組織にH&E染色を行った結果、図3Cに示したように、HFD群の場合、肝組織の肝門脈(portal vein)を中心に最も多くの脂肪球(lipid droplet)蓄積を示したが、セロリ種子抽出物を補充したCS群の場合、HFD群に比べて脂肪球の数が減少したことが分かった。
また、セロリ種子抽出物が肝組織の線維化に及ぼす影響を調べるために、マッソントリクローム染色を行った結果、HFD群の場合、肝門脈の周辺に結合組織が多く蓄積されていたが、CS群の場合、高脂肪食による肝組織の線維化が抑制されたことが確認できた。
3.セロリ種子抽出物が太腿の厚さ及び筋力に及ぼす影響の分析
マウスの太腿の厚さを測定した結果、図4に示したように、実験食の給餌4週目に測定した後肢の太腿の厚さは、HFD群においてND群よりも有意に高かったが、CS群とHFD群との間に有意差は現れなかった。しかし、実験食の給餌20週目には、CS群の右後肢と左後肢の太腿の厚さのいずれもが、HFD群に比べて有意に増加したことが確認できた。
また、実験食の給餌19週目に行った引張力の測定結果、ND群とHFD群との間に有意差は現れなかったが、CS群の場合、HFD群よりも引張力が有意に増加したことが確認できた。したがって、前記結果から、セロリ種子抽出物が、高脂肪食によって減少した太腿の厚さを改善させ、筋力を増加させる効果があることが確認できた。
4.セロリ種子抽出物が組織の脂質含量に及ぼす影響の分析
セロリ種子抽出物が組織の脂質含量に及ぼす影響を分析するために、組織の単位重量当たりの遊離脂肪酸、中性脂肪及びコレステロールの含量を比較した結果を図5に示した。
4-1.筋肉組織の脂質含量
図5Aに示したように、筋肉組織の中性脂肪、遊離脂肪酸及びコレステロールの含量は、HFD群において有意に増加したのに対し、CS群の場合、遊離脂肪酸及びコレステロールの含量がHFD群に比べて有意に減少したことを確認した。前記結果から、セロリ種子抽出物は、筋肉組織の脂質含量の増加を抑制するので、前記1-1.及び3.で増加した筋肉の重量及び厚さが、脂質の蓄積によるものではないことが分かった。
4-2.肝組織の脂質含量及び脂質代謝酵素の活性度
肝組織の中性脂肪合成に関連する酵素であるホスファチジン酸ホスホヒドロラーゼ(phosphatidate phosphohydrolase;PAP)の活性度を測定した結果、図5Bに示したように、HFD群がND群に比べて有意に高く観察され、高脂肪食により増加したPAPの活性度は、セロリ種子抽出物の補充により有意に減少したことが確認できた。
また、高脂肪食を摂取したHFD群の場合、肝組織の脂質含量が正常食を摂取したND群に比べて有意に増加したが、セロリ種子抽出物を補充したCS群の場合、肝組織の遊離脂肪酸及び総コレステロールの含量がHFD群に比べて有意に減少したことが確認できた。前記結果から、セロリ種子抽出物が肝組織の脂質含量を減少させることが確認できた。
5.セロリ種子抽出物が筋肉細胞成長に関連するタンパク質の発現に及ぼす影響の分析
セロリ種子抽出物が筋肉組織細胞の成長メカニズムに及ぼす影響を確認するために、筋肉細胞の分化を促進し、筋線維タンパク質の蓄積に関与するPi3k/Akt/mTOR経路のタンパク質の発現量を測定した。
その結果、図6に示されたように、筋肉組織内で炎症及び筋萎縮を抑制するのに関与するPGC1α(peroxisome proliferator-activated receptor gamma coactivator1-alpha)タンパク質、及びPi3k/Akt/mTOR経路の上流因子であるMyD88(Myeloid differentiation primary response88)とTraf6(Tumor necrosis factor receptor associated factor6)タンパク質の場合、HFD群に比べてCS群で発現が有意に増加した。
一方、筋細胞の分化及び死滅の抑制に関与するAkt(Protein kinase B)及びPi3k(phosphoinositide3-kinase)タンパク質の場合、Akt及びPi3kの活性化された形態であるpAkt及びpPi3kタンパク質の発現が増加したことが確認できた。前記結果から、セロリ種子抽出物が筋肉代謝を改善させる効果があることが確認できた。
6.セロリ種子抽出物の血漿脂質濃度に及ぼす影響の分析
6-1.血漿中性脂肪及び総コレステロールの濃度
実験期間中、毎週1回、血漿中性脂肪及び総コレステロールの濃度を測定した結果、HFD群の総コレステロールの濃度は、図7に示されたように、実験食の給餌4週後から、ND群と比較して有意に増加し、CS群の場合、実験食の給餌16週目に、HFD群に比べて血漿総コレステロール濃度が有意に減少したことが確認できた。
一方、中性脂肪の濃度は、群間に有意差を示さなかった。
6-2.血漿脂質濃度
血漿の遊離脂肪酸、中性脂肪、総コレステロールの濃度、及びnonHDLコレステロール濃度の場合、HFD群に比べてCS群で有意に減少したのに対し、総コレステロールに対するHDLコレステロールの比率(HDL-C/Total C ratio;HTR)は、HFD群に比べてCS群で有意に増加した。さらに、抗動脈硬化指数(atherogenic intex、AI)及び血漿アポリポタンパク質B(apolipoprotein B;Apo B)のレベルは、HFD群に比べてCS群で有意に低いことが確認できた。したがって、前記結果から、セロリ種子抽出物が血漿脂質濃度を減少させることが分かった。
7.セロリ種子抽出物の血漿肝毒性指標に及ぼす影響の分析
セロリ種子抽出物が肝毒性に及ぼす影響を確認するために、肝損傷と密接な関連があるグルタミン酸オキザロ酢酸トランスアミナーゼ(glutamic oxaloacetic transaminase;GOT)及びグルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(glutamic pyruvic transaminase;GPT)の活性度を、ASAN製薬(Asan Pharm Co.,Seoul,Korea)の酵素キットを用いて測定した。
その結果、図8に示したように、HFD群の場合、ND群に比べて血漿GOT及びGPTの数値が有意に増加し、CS群の場合、HFP群に比べて血漿GOT及びGPTの数値が著しく減少したことを確認した。前記結果から、セロリ種子抽出物が肝毒性を抑制する効能があることを確認した。
8.セロリ種子抽出物の抗酸化関連バイオマーカーに及ぼす影響の分析
8-1.パラオキソナーゼ(paraoxonase;PON)の活性度
血漿脂質タンパク質(lipoprotein)粒子の酸化を抑制するPON活性度の比較結果、図9Aに示したように、血漿PONの活性度の場合、HFD群は、ND群に比べて減少する傾向を示したのに対し、CS群は、HFD群に比べて有意に増加したことが確認できた。また、肝組織のPON活性度の場合、HFD群で最も低い活性度を示し、CS群は、HFD群に比べて有意に増加したことが確認できた。
8-2.脂質過酸化物(Thiobarbituricacid reactive substance;TBARS)
赤血球及び肝組織のTBARSの比較結果、図9Bに示したように、赤血球のTBARSの場合、HFD群は、ND群に比べて有意に増加したが、CS群は、HFD群に比べて有意に減少したことが確認できた。また、肝組織のTBARSの場合、HFD群はND群に比べて有意に増加したが、CS群は減少する傾向を示すことが確認できた。
8-3.グルタチオン(glutathione;GSH)
抗酸化関連バイオマーカーであるGSHの赤血球及び肝組織での含量を比較した結果、図9Cに示したように、HFD群は、高脂肪食によって肝組織のGSH含量がND群に比べて減少したが、CS群は、HFD群に比べて増加したことが確認できた。前記結果から、セロリ種子抽出物が脂質過酸化物の増加を抑制し、抗酸化能を増加させる効果があることが確認できた。
実施例II.老人性筋肉減少に対するセロリ種子の効果
<実験材料及び方法>
1.セロリ種子抽出物の製造
セロリ種子粉末は、(株)ES食品原料から購入して使用した。原材料であるセロリ種子粉末100gに70%エタノール1Lを追加し、60℃で3時間抽出を3回繰り返した後、抽出された液を濾過して減圧・濃縮し、凍結乾燥した。セロリ種子の酒精抽出物パウダーを収得して冷凍保管した後、食餌の製造に使用し、抽出物の収率は10.02%であった。
2.実験動物モデル
2-1.実験動物
実験動物は、8週齢雄C57BL/6Jマウス及び50週齢雄C57BL/6Jマウス(JA BIO,Korea)をJOONGAH BIOから購入して使用した。図10に示されたように、ペレット状の食餌を2週間提供して適応させた後、乱塊法によって、実験動物を若いマウス群(YC、Young control、n=8)、老化マウス群(NC、Negative control、n=7)、及び老化マウス群にセロリ種子抽出物を添加した食餌を提供する群(CS、0.1%(w/w)celery seed ethanol extract、n=7)に分けて実験食を提供しながら12週間飼育した。動物飼育室は、恒温(24±2℃)、恒湿(50±5%)及び12時間間隔(AM6:00~PM18:00)の光周期で一定の条件を維持し、一匹ずつ個々のケージ内で実験食と水を自由に摂取するように提供した。12週間の実験期間の間、食餌摂取量及び体重を毎週1回測定し、食餌効率(food efficiency ratio;FER)は、1日体重増加量を1日エネルギー摂取量で割った値を使用した。
2-2.実験食の組成
実験食の組成は、表3に示した通りである。全ての群にAIN-93G dietを製造して給餌し、CS群は、正常食に食餌の0.1%の用量でセロリ種子抽出物を添加して給餌した。
3.試料の収集
飼育終了時点で実験動物を12時間絶食させた後、イソフルラン(5mg/kg body weight、Baxter、USA)を用いて麻酔させた後、腹部下大静脈(inferior vena cava)から血液を採取した。採取した血液は、ヘパリンで処理した後、3,000rpm、4℃で15分間遠心分離した後、血漿を収集し、試料の分析時まで-70℃で保管した。
実験動物の肝臓、腎臓、副睾丸白色脂肪、腎周囲白色脂肪、肩甲骨間白色・褐色脂肪及び筋肉組織を摘出し、食塩水(0.9% saline solution)溶液で数回濯いだ後、表面の水分を除去して秤量し、実験用途に合わせて分類し、液体窒素で急冷させ、分析時まで-70℃で保管した。
4.太腿の厚さ及び引張力の測定
実験期間の間、4週間隔でマウスの太腿の厚さをキャリパを用いて測定した。
実験食の給餌12週目に実験動物の引張力を測定するために、3日間測定機器に適応させた後、5日間連続して引張力を測定した。
具体的には、実験動物を測定機器のグリッド(grid)の上端に載せ、4本の足すべてでグリッドを掴むようにして、マウスの胴部とグリッドが平行に維持しながら、尾を掴んで後ろに優しくゆっくりと引っ張るとき、マウスが力を入れてグリッドを掴む力の最大筋力値を記録した。
5.生化学的分析
5-1.血漿脂質濃度の分析
血漿中性脂肪、総コレステロール、HDLコレステロールの濃度は、ASAN製薬(Asan Pharm Co.,Seoul,Korea)の酵素キットを用いて測定した。遊離脂肪酸の含量は、酵素法を適用した発色法原理を用いた遊離脂肪酸測定用試液(Non-Esterified fatty acid、NEFA kit、Shinyang Chemical)を使用して測定した。
5-2.組織の脂質含量の測定
肝及び筋肉組織の脂質含量は、Folchなど(1957)の方法によって抽出した後、抽出液を37℃で窒素ガスで揮発させ、イソプロパノールで希釈した。定量のために、酵素試薬に、乳化剤として3mMのコール酸及び発色時に起こる濁度を除去するための0.5%トライトン(登録商標)(Triton)X-100を混合して、脂質成分を抽出した後、血漿中性脂肪、コレステロール及び遊離脂肪酸の定量法と同様に定量した。
5-3.酵素原の分離
5-3-a.赤血球の酵素原の分離
赤血球は、McCordとFridovich(1969)の方法に準拠して、ヘパリン処理された血液を3,000rpm、4℃で15分間遠心分離して、血漿とバフィーコートを完全に除去した後、0.9%生理食塩水で3回洗浄した。洗浄した赤血球は、同量の蒸留水で溶血させて抗酸化酵素の活性度の測定に使用した。
5-3-b.肝組織の酵素原の分離
肝組織内の酵素原の分離のために、Hulcherなど(1973)が行った分離方法を一部修正して適用した。肝組織0.5gに0.1Mトリエタノールアミン、0.02Mエチレンジアミンテトラアセテート(EDTA、pH7.4)、0.002Mジチオトレイトール(DTT)が含まれた緩衝溶液を添加して、氷冷状態でガラステフロン(登録商標)ホモジナイザー(Glascol、099C K44、USA)で均質化した後、3,000rpm、4℃で15分間遠心分離し、上澄み液のみを再び13,000rpm、4℃で15分間遠心分離した。この中で上澄み液と分離された下層の沈殿物は、ミトコンドリア分画として使用し、上澄み液は、32,500rpm、4℃で1時間、超遠心分離機(Beckman、Optima TLX-120、USA)を用いて上澄み液の細胞質(cytosol)分画を収得した。ミクロソーム分画は、上澄み液の細胞質分画と分離されたペレットに同一の緩衝溶液を添加し、33,000rpm、4℃で40分間、再び超遠心分離した後、ペレットを1ml緩衝溶液に溶かして-70℃で保管した後、分析及びタンパク質の定量に使用した。
5-4.抗酸化酵素の活性度の測定
5-4-a.グルタチオンの含量の測定
グルタチオン(Glutathione;GSH)の含量は、酸化型GSHと還元型GSHの両方を含み、Fialaなど(1976)の方法を修正・補完して測定した。肝組織0.5gを、0.1Mトリエタノールアミン、0.02M EDTA(pH7.4)、0.002M DTTが含まれた緩衝溶液に添加し、氷冷状態でガラステフロン(登録商標)ホモジナイザー(Glascol、099C K44、USA)で均質化した。均質液0.2mLに蒸留水0.3mLと4%スルホサリチル酸0.5mLを添加し、25,000rpm、4℃で10分間遠心分離して上澄み液を収得した。0.3mLの上澄み液に0.1Mジスルフィド試薬(disulfide reagent)(5.5’-dithiobis+0.1M sodiumphosphate buffer、pH8.0)を2.7mL添加し、室温で20分間反応させた後、412nmで吸光度を測定した。
5-4-b.スーパーオキシドジスムターゼ(superoxide dismutase;SOD)の活性度の測定
SODは、スーパーオキシドアニオンラジカル(superoxide anion radical)(O2-・)をHとOに分解させる反応を触媒する酵素であって、活性度の測定は、Marklundなど(1974)の方法を修正・補完して、アルカリ状態でピロガロール(pyrogallol)の自動酸化による発色の程度を用いて測定した。10mM EDTAを含む50mMトリスヒドロキシメチルアミノメタン緩衝液(Tris-hydroxymethyl-aminomethane buffer)(pH8.5)1.5mLに、肝組織及び赤血球の酵素原0.1mLと7.2mMピロガロール溶液0.1mLを入れ、25℃で10分間反応させた後、1N HCl溶液50μLを添加して反応を終結させ、420nm(Beckman 650 spectrophotometer、USA)で吸光度の変化を測定して、ピロガロールの自動酸化を妨げるのに必要な細胞質タンパク質(cytosolic protein)、及び赤血球のヘモグロビン(hemoglobin)に対するSODユニットで計算した(SOD unit/mg cytosolic protein,SOD unit/g hemoglobin)。
6.腹腔内ブドウ糖負荷検査
マウスを12時間絶食させた後、ブドウ糖溶液を体重1kg当たり0.5gずつ腹腔内に投与した後、それぞれ0、30、60、及び120分経過した後に、尾静脈を通じて血液を収集し、血糖計を用いて測定した。
7.血漿GOT及びGPTの活性度の測定を通じた肝組織毒性の分析
肝細胞損傷と密接な関連があるGOT及びGPTの活性度は、ASAN製薬(Asan Pharm Co.,Seoul,Korea)の酵素キットを用いて測定した。
8.組織細胞の形態学的分析
組織の形態学的観察のために、動物を犠牲にしたときに摘出した筋肉組織の一部を10%ホルムアルデヒド溶液に24時間固定した後、同じ溶液で2回交換し、2倍のエタノールで脱水し、パラフィンに包埋する過程を経て、ポリ-L-リジンで処理された5μmの厚さの組織切片を作製した後、H&E染色し、光学顕微鏡で200倍の倍率で観察し、筋線維を染色するために、シリウスレッド染色を行い、光学顕微鏡で200倍の倍率で観察した。免疫化学的分析のために、免疫組織化学(Immunohistochemistry;IHC)染色を通じてIgf-1R及びミオスタチン(Myostatin)を染色し、光学顕微鏡で400倍の倍率で観察した。
9.リアルタイム(Real-time)PCR
筋肉組織からRNAを分離してPrime Script Real time reagent kit(Takara、Japan)を使用してcDNAを合成した。cDNAは、RNAse遊離水(free water)に希釈して-20℃で保管し、リアルタイム(Real-time)RT-PCRを行う際に使用した。リアルタイムRT-PCR遺伝子発現の分析のために、SYBR Green PCR kit(Takara、Japan)を使用した。各遺伝子の発現を分析することができるプライマー(primer)は、(株)Geno Tech(Daejeon,Korea)で合成した。このとき、各サイクル毎の蛍光信号をモニタし、現れるthreshold cycle(Ct)を分析して、各実験群間のmRNAの発現をCFX96リアルタイムシステム(Bio-rad、USA)で定量分析した。使用したプライマーは、表4に示した。
10.ウエスタンブロット測定
冷凍された筋肉組織0.1gを3mmビーズ(beads)と溶解バッファー(lysis buffer)(T-PER buffer,Thermo Scientific,Rockford,IL,USA)1mlを追加して均質化させた後、14,000rpmで15分間遠心分離して上澄み液のみを集め、新しいチューブに移し、タンパク質を抽出して実験に使用した。タンパク質の定量は、Quick StartTMBradford Reagent(Bio-rad,Hercules,CA,USA)を用いた。同じ量のタンパク質をSDS-ポリアクリルアミドゲル(polyacrylamide gel)に電気泳動(SDS-PAGE)した。電気泳動を通じてゲルに分けられたタンパク質を、ポリビニリデンフルオリド(polyvinylidene fluoride;PVDF)膜(Merck Millipore,New Jersey,USA)にトランスファした後、5%スキムミルク(skim milk)/Tris-buffered saline with tween20(TBST;20mM Tris-HCl、pH7.4、150mM NaCl、0.1%Tween20)で常温で1時間ブロッキング(blocking)し、4℃で一晩、1次抗体と反応させた。2次抗体は、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)-conjugated anti-rabbit IgG(1:5000;Cell Signaling、#7074S)を5%スキムミルク(skim milk)に希釈し、常温で1時間反応させた。それぞれの反応後、TBST緩衝液で10分間3回ずつ洗浄した後に進行した。洗浄した膜(membrane)は、バンドを現像させる増強化学発光(Enhanced Chemiluminescent;ECL)キット(super-signal west pico plus,34580,Thermo Scientific,Rockford,IL,USA)を用いて視覚化し、G-box(50S;BI System Co.)を用いて定量化して分析した。
11.短鎖脂肪酸の分析
収得した生糞便を一定量秤量し、比率に合わせて3次蒸留水で希釈して十分に撹拌した後、13,000rpm、3分、RT(room temperature)で遠心分離した。
上澄み液150μLを短鎖脂肪酸分析用バイアル(vial)に移した後、GC緩衝液(buffer)150μLを分注した。短鎖脂肪酸分析用キャップ(cap)で密封して、HP-lnnowaxカラムを装着したAgilent Headspace 7697A+Agilent GC7890B+水素炎イオン化検出器(Flame ionization Detector)を用いて10分間分析した。分析しようとする短鎖脂肪酸を、それぞれ最適の分析濃度で製造して混合した後、3次蒸留水で連続希釈(serial dilution)し、低い濃度から分析を始め、各濃度別に5回繰り返し分析して結果を導出した。
12.腸内微生物の分析方法
生糞便バクテリアDNAの抽出は、Mag-Bind(登録商標)Universal Pathogen Kit(Omega Bio-tek)を使用した。製造メーカーのプロトコルに従って、糞便サンプルをSLX-Mlus緩衝液(Buffer)に懸濁させた後、粉砕、分離及び洗浄した。抽出された糞便微生物DNAは、16SアンプリコンPCRフォワードプライマー(5’-TCGTCGGCAGCGTCAGATGTATAAGAGACAGCCTACGGGNGGCWGCAG-3’)、及び16SアンプリコンPCRリバースプライマー(5’-GTCTCGTGGGCTCGGAGATGTGTATAAGACCAGAGTATCACTACH)で増幅した。PCRは、95℃で3分間行い、30秒間95℃、30秒間55℃、30秒間72℃、5分間72℃の8周期、及びPCR反応のために4℃で維持した。整理段階の後、ライブラリーの濃度は、1×dsDNA HS分析溶液(ThermoFisher Scientific)と共に、Qubit 4.0(ThermoFisher Scientific)を用いて確認した後、Illumina Miseqシステムを用いてシーケンシングした。読み取りは、各PCR製品に対する固有のバーコードを用いて整列した。シーケンシングの結果は、Qiime2生物情報学パイプラインを用いて分析し、分類学的割り当てはSilva参照データベースで行った。
13.統計分析
実験結果は、コンピュータ統計プログラムの一つであるSPSSパッケージプログラムのversion 25.0(Statistical Package for the Social Sciences,SPSS Inc.,Chicago)を用いて算出した。各YC群とNC群との間の有意性検定、及びNC群とCS群との間の有意性検定のためにスチューデントt検定(Student’s t-test)を行った。全ての結果は、平均±S.E(standard error)で表示した。
<実験結果>
1.セロリ種子抽出物による体重変化
実験食を給餌した12週間の平均体重変化は、図11に示した。YC群とNC群との体重は、実験開始前から終了時点まで有意差を示したが、NC群とCS群との体重及び体重増加量は有意差を示さなかった。
2.食餌摂取量及び食餌効率に対するセロリ種子抽出物の効果
図12に示したように、1日平均食餌摂取量(g/day)は、YC群に比べてNC群で増加したが、CS群とNC群との間には有意差がなかった。食餌効率(Food efficiency ratio;FER)は、成長により体重が増加したYC群において、体重変化がほとんどなかったNC群に比べて有意に増加し、NC群とCS群との間の有意差はなかった。
3.脂肪組織の重量に対するセロリ種子抽出物の効果
単位体重当たりの脂肪組織の重量を測定した結果、図13に示したように、NC群の副睾丸白色脂肪組織、腎周囲白色脂肪組織、腸間膜白色脂肪組織、内臓白色脂肪組織、肩甲骨間白色脂肪組織及び総白色脂肪組織の重量がYC群に比べて有意に増加し、セロリ種子抽出物の補充により、副睾丸白色脂肪組織、腎周囲白色脂肪組織、腸間膜白色脂肪組織、内臓白色脂肪組織、肩甲骨間白色脂肪組織及び総白色脂肪組織の重量が有意に減少したことが確認できた。
4.筋肉組織の重量、引張力及び後肢の太腿の厚さに対するセロリ種子抽出物の効果
体重100g当たりの筋肉組織の重量及び筋力の変化を図14A及び図14Bに示した。実験終了後、実験動物の腓腹筋、大腿筋、前脛骨筋を摘出して測定した結果、図14Aに示したように、NC群の腓腹筋、前脛骨筋及び総筋肉組織の重量がYC群に比べて有意に減少し、CS群の場合、老化により減少した腓腹筋及び総筋肉量を、NC群に比べて有意に増加させた。
実験12週目に行った引張力の測定結果、図14Bに示したように、NC群の引張力は、YC群に比べて有意に減少したのに対し、CS群は、減少した引張力がYC群のレベルに正常化したことが確認できた。
実験食の給餌期間の間、後肢の太腿の厚さを測定した結果、図14Cに示したように、実験食の給餌4週目には全ての群で有意性が観察されなかったが、実験食の給餌12週目に、CS群の右後肢と左後肢の太腿の厚さのいずれもが、NC群に比べて有意に増加したことが確認できた。
5.筋肉組織の脂質含量に対するセロリ種子抽出物の効果
筋肉組織の単位重量当たりの遊離脂肪酸(FA)、中性脂肪(TG)及びコレステロール(CHOL)の含量を比較した結果、図15に示したように、筋肉組織の中性脂肪、遊離脂肪酸及びコレステロールの含量がNC群で有意に増加し、セロリ種子抽出物の補充により、NC群と比較してCS群で有意に減少した。
6.筋肉組織の形態学的分析
腓腹筋の形態学的分析のために、H&E染色を行った結果、図16に示したように、筋肉細胞束の形態及び構造が、YC群に比べてNC群で不規則に示されたが、セロリ種子抽出物の補充により、正常レベルに改善されたことが確認できた。筋肉組織内のコラーゲン繊維の組織学的視覚化のためにシリウスレッド染色を行った。筋肉組織において染色されたコラーゲンは、YC群に比べてNC群で顕著に観察され、CS群でセロリ種子抽出物の補充により筋肉組織の線維化が抑制されたことが確認できた。
7.筋肉組織の免疫化学的分析
セロリ種子抽出物が、筋肉組織の合成と分解に関与するIGF-1及びミオスタチン(Myostatin)の発現度に及ぼす影響を確認した結果、図17に示したように、IGF-1は、YC群に比べてNC群で筋肉組織の細胞と細胞との間で低く発現されたのに対し、セロリ種子抽出物の補充により、減少したIGF-1の発現が増加したことが確認できた。
また、ミオスタチンの発現は、セロリ種子抽出物の補充により、YC群と類似のレベルに減少したことが確認できた。
8.筋機能に関連する遺伝子の発現に対するセロリ種子抽出物の効果
腓腹筋において筋萎縮関連遺伝子(FoxO1、FoxO3、Atrogin、及びMuRF1)の発現を比較した結果、図18に示したように、全ての筋萎縮関連遺伝子の発現は、YC群と比較してNC群で有意に増加し、セロリ種子抽出物の補充により有意に減少したことが確認できた。
9.筋線維タンパク質の発現に対するセロリ種子抽出物の効果
セロリ種子抽出物の補充による筋肉組織細胞の成長メカニズムを確認するために、筋肉細胞の分化を促進し、筋線維タンパク質の蓄積に関与するIgf-1R経路のタンパク質の発現量を測定した。その結果、図19に示したように、筋線維タンパク質の合成に関与するIgf-1R(Igf-1Receptor)タンパク質の発現は、CS群で最も濃く発現されたのに対し、NC群では発現量が減少したことが確認できた。筋肉組織内で炎症代謝及び筋萎縮に関与するFoxO1の場合、YC群と比較してNC群で最も鮮明に発現され、CS群で発現が減少したことが確認できた。
また、ミトコンドリア内で抗酸化代謝を調節するSirt3タンパク質の発現は、NC群と比較して、CS群で発現が増加したことが確認できた。
10.腹腔内ブドウ糖負荷検査
実験食の給餌12週目に行ったブドウ糖負荷検査の結果、図20に示したように、腹腔内にブドウ糖を注射した後、30分経過したとき、全ての群の血糖が高くなり、120分経過後、NC群と比較して、YC群及びCS群の血糖は有意に減少し、正常数値を示すことが確認できた。
11.血漿脂質濃度に対するセロリ種子抽出物の効果
実験食を12週間給餌した後、マウスを犠牲にして得た血漿で測定した血漿総コレステロール及びその他の脂質の濃度は、表5に示した。表5に示したように、CS群の総血漿コレステロール濃度及びnonHDLコレステロール濃度は、NC群に比べて有意に減少した。反面、HDLコレステロール濃度、及び総コレステロールに対するHDLコレステロールの比率(HDL-C/Total C ratio;HTR)は、NC群に比べてCS群で有意に増加した。
12.肝組織の重量、肝毒性指標及び脂質含量に対するセロリ種子抽出物の効果
体重100g当たりの肝組織の重量は、図21Aに示したように、YC群に比べてNC群で肥大現象が観察された。
肝毒性の指標であるGOT及びGPTは、肝細胞に存在する酵素であって、一般に、血漿において高いGOT及びGPT数値は肝損傷を意味する。図21Bに示したように、血漿GOT及びGPT数値は、YC群と比較してNC群で有意に増加し、セロリ種子抽出物の補充により有意に減少した。
また、図21Cに示したように、NC群の肝組織の脂質含量は、YC群に比べて有意に増加したのに対し、CS群の肝組織の脂質含量は、NC群に比べて有意に減少したことが確認できた。
13.抗酸化関連バイオマーカー
抗酸化関連バイオマーカーであるGSHの含量を比較した結果、図22Aに示したように、肝組織、赤血球及び血漿のGSHの含量は、NC群で減少したが、セロリ種子抽出物の補充によりYC群のレベルに増加したことが確認できた。
また、肝組織及び赤血球でのSODの代謝活性度は、図22Bに示したように、YC群に比べてNC群で有意に減少したが、セロリ種子抽出物の補充により有意に増加した。
肝組織(ミトコンドリア及び細胞基質)及び赤血球のHの含量は、図22Cに示したように、YC群に比べてNC群で有意に増加し、セロリ種子抽出物の補充により有意に減少した。
14.腸内微生物の分析
飼育期間11~12週目に収集されたマウスの生糞便を用いて短鎖脂肪酸の含量及び微生物菌叢に対する比較分析結果を図23に示した。短鎖脂肪酸の分析結果、図23に示したように、NC群に比べてYC群で高い数値を示し、特に、酢酸塩(acetate)で有意差を示すことが確認できた。また、セロリ種子抽出物の補充は、老化により減少した短鎖脂肪酸の含量をYC群のレベルに正常化させることが分かった。
腸内微生物菌叢の分析は、属(Genus)の段階で分析した結果を示した。炎症性腸疾患及び大腸炎の発生と関連する微生物を分析した結果、図24Aに示したように、セロリ種子抽出物の補充により、老化によって増加した数値がYC群のレベルに正常化したことが確認できた。また、図24Bに示したように、腸内微生物の不均衡に関連する微生物(デスルホビブリオ科系統(Desulfovibrionaceae)、エリシペラトクロストリジウム属(Erysipelatoclostridium))は、YC群に比べてNC群で有意に増加し、CS群でNC群と比較して有意に減少した。肥満/代謝疾患と関連する微生物(ラクトバシラス属(Lactobacillus))は、NC群に比べてCS群で有意に増加した。短鎖脂肪酸の合成に関連する微生物の分析結果、酢酸塩(acetate)の生成に関与するラクノスピラ綱(Lachnospiraceae)は、YC群に比べてNC群で減少する傾向を示し、ロゼブリア属(Roseburia)は、セロリ種子抽出物の補充により増加する傾向を示した。
前述した本発明の説明は例示のためのものであり、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更せずに他の具体的な形態に容易に変形可能であるということを理解できるであろう。したがって、以上で記述した実施例は、すべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。
本発明によるセロリ種子抽出物は、天然物を用いることで、副作用がないか又は少なく、筋肉量及び筋力を増加させることができるので、筋力弱化を防止するだけでなく、体重及び体脂肪の増加を抑制し、血中脂質濃度及び肝毒性指標(GOT及びGPT)を減少させることができるので、筋力弱化関連疾患、代謝疾患あるいは肝疾患などを予防、改善、または治療するのに有用に使用することができるので、産業上の利用可能性がある。

Claims (16)

  1. セロリ種子抽出物を有効成分として含む、筋力弱化関連疾患の予防または治療用薬学的組成物。
  2. 前記セロリ種子抽出物は、水、炭素数1~6個のアルコール(alcohol)、アセトン(acetone)、エーテル(ether)、ベンゼン(benzene)、クロロホルム(chloroform)、酢酸エチル(ethyl acetate)、塩化メチレン(methylene chloride)、ヘキサン(hexane)、シクロヘキサン(cyclohexane)、石油エーテル(petroleum ether)、亜臨界流体、及び超臨界流体からなる群から選択された1つ以上の溶媒による抽出物であることを特徴とする、請求項1に記載の薬学的組成物。
  3. 前記筋力弱化関連疾患は、筋肉減少症、筋萎縮症、筋肉退行萎縮(muscle dystrophy)及び心臓萎縮症からなる群から選択される1つ以上であることを特徴とする、請求項1に記載の薬学的組成物。
  4. 前記筋肉減少症は、老化性筋肉減少症または肥満性筋肉減少症であることを特徴とする、請求項3に記載の薬学的組成物。
  5. 前記組成物は、以下の特徴のうちの1つ以上の効果を有することを特徴とする、請求項1に記載の薬学的組成物:
    (a)筋肉量の増加、
    (b)筋肉量減少の抑制、
    (c)筋力の増加、
    (d)筋肉組織の脂質含量の増加の抑制、または
    (e)筋肉組織の線維化の抑制。
  6. 前記組成物は、以下の特徴のうちの1つ以上の効果をさらに有することを特徴とする、請求項5に記載の薬学的組成物:
    (a)体重及び体脂肪の増加の抑制、
    (b)肝組織又は脂肪組織の線維化の抑制、
    (c)血漿脂質濃度の増加の抑制、
    (d)肝組織の脂質含量の増加の抑制、
    (e)血漿肝毒性指標の増加の抑制、
    (f)脂質過酸化物の増加の抑制及び抗酸化能の増加、または
    (g)腸内微生物の不均衡の改善。
  7. セロリ種子抽出物を有効成分として含む、筋力弱化関連疾患の予防または改善用食品組成物。
  8. 前記セロリ種子抽出物は、水、炭素数1~6個のアルコール(alcohol)、アセトン(acetone)、エーテル(ether)、ベンゼン(benzene)、クロロホルム(chloroform)、酢酸エチル(ethyl acetate)、塩化メチレン(methylene chloride)、ヘキサン(hexane)、シクロヘキサン(cyclohexane)、石油エーテル(petroleum ether)、亜臨界流体、及び超臨界流体からなる群から選択された1つ以上の溶媒による抽出物であることを特徴とする、請求項7に記載の食品組成物。
  9. 前記筋力弱化関連疾患は、筋肉減少症、筋萎縮症、筋肉退行萎縮(muscle dystrophy)及び心臓萎縮症からなる群から選択される1つ以上であることを特徴とする、請求項7に記載の食品組成物。
  10. 前記筋肉減少症は、老化性筋肉減少症または肥満性筋肉減少症であることを特徴とする、請求項9に記載の食品組成物。
  11. 前記組成物は、以下の特徴のうちの1つ以上の効果を有することを特徴とする、請求項7に記載の食品組成物:
    (a)筋肉量の増加、
    (b)筋肉量減少の抑制、
    (c)筋力の増加、
    (d)筋肉組織の脂質含量の増加の抑制、または
    (e)筋肉組織の線維化の抑制。
  12. 前記組成物は、以下の特徴のうちの1つ以上の効果をさらに有することを特徴とする、請求項11に記載の食品組成物:
    (a)体重及び体脂肪の増加の抑制、
    (b)肝組織又は脂肪組織の線維化の抑制、
    (c)血漿脂質濃度の増加の抑制、
    (d)肝組織の脂質含量の増加の抑制、
    (e)血漿肝毒性指標の増加の抑制、
    (f)脂質過酸化物の増加の抑制及び抗酸化能の増加、または
    (g)腸内微生物の不均衡の改善。
  13. セロリ種子抽出物を有効成分として含む、筋力強化用飼料または飼料添加剤。
  14. セロリ種子抽出物を含む組成物を、これを必要とする個体に投与するステップを含む、筋力弱化関連疾患の予防または治療方法。
  15. セロリ種子抽出物を含む組成物の筋力弱化関連疾患の予防または治療用途。
  16. 筋力弱化関連疾患の治療用薬剤の製造のためのセロリ種子抽出物の用途。
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