JP2024524324A - 統合失調症のアドオン処置において使用するためのバルベナジン - Google Patents

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エンジェル エス. アンゲロフ,
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ニューロクライン バイオサイエンシーズ,インコーポレイテッド
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Abstract

小胞モノアミン輸送体アイソフォーム2(VMAT2)阻害剤を使用する、統合失調症のアドオン処置のための方法が本明細書において提供される。ある特定の実施形態では、VMAT2阻害剤はバルベナジンまたはその薬学的に許容される塩である。ある態様では、統合失調症のアドオン処置のための方法であって、それを必要とする被験体に治療有効量の(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、被験体が統合失調症を処置するための少なくとも1種の共治療剤の投与も受けている、方法が本明細書において提供される。

Description

背景
統合失調症は、ヒトがどのように考えるか、感じるか、および行動するかに影響を及ぼす慢性かつ重度の精神障害である。この疾患の発生は、通常、青年期後期または成人期早期である。統合失調症は、典型的に、陽性症状、陰性症状および認知症状に分類される、症状の不均一な組合せを呈する。
統合失調症は、決定的な単一病因は特定されていないが、強力な遺伝的関与および顕著な遺伝子環境相互作用を含めた多因子病因性基礎を有する。統合失調症は、線条体、海馬および前頭皮質などの様々な脳構造のわずかな構造的および機能的異常を伴って現れる。統合失調症は、疫学的研究によって示される通り、高度に遺伝性であるが、純粋な遺伝性障害でも、単一遺伝子により引き起こされるわけでもない。むしろ、稀有なかつ一般的な遺伝的改変体の両方、環境的リスク因子およびそれらの相互作用の組合せに起因している可能性が高い。
総合的に、統合失調症を有する患者は、一層高い致死率および罹患率を有しており、予想される短い寿命は、一般集団の寿命よりも20年近く短いものとなる。
薬物療法が、統合失調症管理の主軸であり、抗精神病剤は、統合失調症および関連症状の処置に一般的に用いられる。しかし、一部の患者は、抗精神病剤に応答しない。さらに、抗精神病剤は、幅広い範囲の副作用を有する恐れがあり、薬物処置に伴う服薬遵守の不良が、統合失調症患者の間で頻度の高い問題となっている。抗精神病薬物治療に伴う非服薬遵守は、寛解状態の患者の場合、再発をもたらす恐れがあり、既存症状を有する患者の場合、持続的な症状をもたらす恐れがある。
簡単な概要
ある態様では、統合失調症のアドオン処置のための方法であって、それを必要とする被験体に、治療有効量の(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、被験体が、統合失調症を処置するための少なくとも1種の共治療剤(co-therapeutic agent)の投与も受けている、方法が本明細書において提供される。
ある態様では、統合失調症のアドオン処置のための方法であって、それを必要とする被験体に、治療有効量の(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、被験体が、陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)において、以下の症状:P1(妄想)、P3(幻覚)、P6(猜疑心)およびG9(不自然な思考内容)から選択される少なくとも1つの症状を有しており、さらに、被験体が、統合失調症を処置するための少なくとも1種の共治療剤の投与も受けている、方法が本明細書において提供される。
ある特定の実施形態では、被験体は、統合失調症の少なくとも1つの徴候または症状を有する。
ある特定の実施形態では、被験体は、統合失調症の少なくとも1つの陽性、陰性および/または認知徴候または症状を有する。
ある特定の実施形態では、少なくとも1つの徴候または症状は、妄想、幻覚、解体した会話、解体した行動もしくは注意、無快感症、緊張病性行動、感情の平坦化、アロギー、意欲喪失、概念の統合障害またはそれらの任意の組合せである。
ある特定の実施形態では、被験体は、合計PANSSスコア≧70を有する。
ある特定の実施形態では、被験体は、重症度の臨床全般印象度(Clinical Global Impression of Severity)スコア(CGI-S)≧4を有する。
ある特定の実施形態では、被験体は、安定なバックグラウンド抗精神病薬物治療用量を有する。
ある特定の実施形態では、被験体は、安定なPANSS合計スコアを有する。
ある特定の実施形態では、被験体は、残存症候性であるか、または統合失調症の第1選択もしくは第2選択処置後に、少なくとも1つの残留徴候もしくは症状を有する。
ある特定の実施形態では、被験体は、残存症候性である、または統合失調症の単独療法もしくは併用療法後に、少なくとも1つの残留徴候もしくは症状を有する。
ある特定の実施形態では、単独療法または併用療法は、初期治療である。
ある特定の実施形態では、少なくとも1種の共治療剤は、少なくとも1種の抗精神病剤である。
ある特定の実施形態では、抗精神病剤は、定型抗精神病剤である。
ある特定の実施形態では、定型抗精神病剤は、ベンペリドール、クロルプロマジン、ドロペリドール、フルペンチキソール、フルフェナジン、ハロペリドール、レボメプロマジン、ロキサピン、モリンドン、ペリシアジン、ペルフェナジン、ピモジド、プロクロルペラジン、プロマジン、スルピリド、チオチキセン、トリフルオペラジン、チオリダジン、ズクロペンチキソールまたはそれらの任意の組合せである。
ある特定の実施形態では、抗精神病剤は、非定型抗精神病剤である。
ある特定の実施形態では、非定型抗精神病剤は、クロザピン、オランザピン、リスペリドン、セルチンドール、クエチアピン、パリペリドン、アセナピン、ジプラシドン、スルモンチール、イロペリドン、アリピプラゾールまたはそれらの任意の組合せである。
ある特定の実施形態では、被験体は、治療量未満の用量の第2の抗精神病剤による併用処置を受けている。
ある特定の実施形態では、治療量未満の用量の第2の抗精神病剤による併用処置は、不眠症または不安を処置するために使用される。
ある特定の実施形態では、治療量未満の用量の第2の抗精神病剤による併用処置は、不応性陽性精神病症状以外の症状を処置するために使用される。
ある特定の実施形態では、被験体は、少なくとも1種の抗精神病剤に対して不適切な応答を有する。
ある特定の実施形態では、被験体は、少なくとも1種の抗精神病剤の少なくとも第2の臨床的使用にある。
ある特定の実施形態では、被験体は、リスペリドンおよび/またはリスペリドン等価物の投与も受けている。
ある特定の実施形態では、被験体は、総1日用量が約4mg~約8mgのリスペリドンおよび/またはリスペリドン等価物の投与も受けている。
ある特定の実施形態では、被験体は、総1日用量が約4mg~約8mgの表2によるリスペリドン等価物のバックグラウンド抗精神病剤療法を受けている。
ある特定の実施形態では、被験体は、安定な抗精神病剤の用量を有する。
ある特定の実施形態では、安定な抗精神病剤の用量は、リスペリドン等価物総1日用量における≦25%の変化として定義される。
ある特定の実施形態では、被験体は、最大で2種の抗精神病剤の投与も受けている。
ある特定の実施形態では、合計した抗精神病剤総用量は、約4mg~約8mgの1日用量の表2によるリスペリドン等価物である。
ある特定の実施形態では、抗精神病剤は、クロザピン以外である。
ある特定の実施形態では、被験体は、処方用量の臨床的に有意な変化を伴わない、安定なレジメンの抗精神病剤を用いて処置される。
ある特定の実施形態では、処方用量の臨床的に有意な変化がないこととは、用量の増加がないこと、または耐容性のための用量における≦25%の低下である。
ある特定の実施形態では、用量調節は予期されない。
ある特定の実施形態では、被験体は、注射可能な長期作用型抗精神病剤の投与も受けている。
ある特定の実施形態では、注射可能な長期作用型抗精神病剤の用量変更はない。
ある特定の実施形態では、不適切な応答は、
陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)総スコアが≧70であること、
PANSSスコアがP1(妄想)、P3(幻覚)、P6(猜疑心)およびG9(不自然な思考内容)から選択される少なくとも1つの症状に対して≧4であること、
重症度の臨床全般印象度(CGI-S)スコアが≧4であること、
表2によるリスペリドン等価物総1日用量における≦25%の変化の、安定なバックグラウンド抗精神病薬物治療用量、ならびに
≦15%の変化の、安定なPANSS合計スコア
から選択される、少なくとも1つのベースライン基準を含む。
ある特定の実施形態では、被験体は、≧18歳の被験体の場合、精神障害の診断および統計マニュアル、第5版(DSM-V)の精神病性障害に関する精神病性障害に関するMINIバージョン7.0.2、または13~17歳の被験体の場合、K-SADS-PLによって定義される、統合失調症の確定診断を有する。
ある特定の実施形態では、被験体は、少なくとも1年間、統合失調症の確定された初期診断を有する。
ある特定の実施形態では、被験体は、少なくとも50kgの体重を有する少なくとも13歳である。
ある特定の実施形態では、被験体は、安定な総体的症状を有する外来患者である。
ある特定の実施形態では、被験体は、併存パーキンソニズムを有していない、および/または修正Simpson Angus評価尺度(SAS;#10、アカシジアを除外)でのスコア>6によって定義される錐体外路の徴候もしくは症状の最小レベルを超えて示さない、もしくはこれを示す。
ある特定の実施形態では、被験体は、以下の基準:
処置抵抗性精神病に対するクロザピン処置の病歴;ならびに/または
被験体が最小限の改善を実証するかもしくはまったく改善を実証しない、複数の適切な抗精神病薬物治療試験および抗精神病薬物治療試験の失敗の病歴
のうちの少なくとも1つによって定義される、処置抵抗性統合失調症を有していない。
ある特定の実施形態では、被験体は、統合失調感情障害の診断;双極性障害の生涯診断;強迫性障害の生涯診断;パニック障害、うつエピソードおよび/またはMINIバージョン7.0.2に基づいて臨床的注意を要する他の併存精神医学的状態の最近の発生を有さない。
ある特定の実施形態では、被験体は、統合失調症に関するカルガリーうつスケール(Calgary Depression Scale for Schizophrenia)(CDSS)スコア>8によって測定されるうつの証拠を有さない。
ある特定の実施形態では、被験体は、自殺を試みたことがない、および/またはコロンビア自殺重症度評価尺度(Columbia-Suicide Severity Rating Scale)(C-SSRS)において項目番号4もしくは5に関して肯定的な答えを有さない。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩は、最適化用量が投与されるまでの約6週間以内の期間にわたり、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルの上方用量設定(up-titration)を含む用量設定(titration)スキームにより投与される。
ある特定の実施形態では、用量設定スキームは、約2週間、1日1回、約40mgの(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステル遊離塩基に等価な初期用量で、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩を投与するステップであって、但し、被験体は、初期用量に耐容性を示すこと、および被験体は適切な応答を有さなかったことを条件とする、ステップ、用量を増加するステップ、ならびに被験体に増加した用量を投与するステップを含む。
ある特定の実施形態では、増加した用量は、1日1回、約60mgの(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステル遊離塩基に等しい。
ある特定の実施形態では、増加した用量は、1日1回、約80mgの(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステル遊離塩基に等しい。
ある特定の実施形態では、用量設定スキームは、約2週間、増加した用量の(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩を投与するステップをさらに含む。
ある特定の実施形態では、被験体が、増加した用量に耐容性を示さない場合、最適化用量は、初期用量である。
ある特定の実施形態では、被験体が、増加した用量に耐容性を示す場合、および被験体が、適切な応答を有した場合、最適化用量は、増加した用量である。
ある特定の実施形態では、本開示の方法は、最適化用量の(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩を被験体に投与するステップをさらに含む。
ある特定の実施形態では、被験体が、増加した用量に耐容性を示す場合、および被験体が、適切な応答を有していない場合、本方法は、用量を増加するステップをさらに含む。
ある特定の実施形態では、さらに増加した用量は、1日1回、約80mgの(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステル遊離塩基に等しい。
ある特定の実施形態では、被験体が、さらに増加した用量に耐容性を示さない場合、最適化用量は、増加した用量である。
ある特定の実施形態では、被験体が、さらに増加した用量に耐容性を示す場合、および被験体が、適切な応答を有した場合、最適化用量は、さらに増加した用量である。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩は、午後または夕方に投与される。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩の投与前に、被験体は、リスペリドン等価物総1日用量における≦25%の変化を伴う抗精神病剤の安定なレジメンにより処置される。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩の投与前に、被験体は、処方用量の臨床的に有意な変化を伴わないで、抗精神病剤の安定なレジメンにより処置される。
ある特定の実施形態では、処方用量の臨床的に有意な変化がないこととは、用量の増加がないこと、または≧3週間、処方用量において、耐容性が理由となる用量の低下が≦25%であることである。
ある特定の実施形態では、用量調節は予期されない。
ある特定の実施形態では、被験体は、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩の投与前の8週間以内に、用量変更を伴わないで、注射可能な長期作用型抗精神病剤の投与も受けている。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩の投与前に、被験体は、統合失調症の精神障害の診断および統計マニュアル、第5版(DSM-V)の診断を有する。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩の投与前に、被験体は、≧18歳の被験体の場合、精神障害の診断および統計マニュアル、第5版(DSM-V)の精神病性障害に関するMINIバージョン7.0.2、または13~17歳の被験体の場合、K-SADS-PLによって定義される、統合失調症の確定診断を有する。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩の投与前に、被験体は、少なくとも1年間、統合失調症の確定された初期診断を有する。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩の投与前に、被験体は、陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)において、以下の症状:P1(妄想)、P3(幻覚)、P6(猜疑心)およびG9(不自然な思考内容)から選択される少なくとも1つの症状を有する。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩の投与前に、被験体は、≧70の合計PANSSスコアを有する。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩の投与前に、被験体は、≦15%の変化を伴う安定なPANSS合計スコアを有する。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩の投与前に、被験体は、≧4の重症度の臨床全般印象度(CGI-S)スコアを有する。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩の投与前に、被験体は、表2によるリスペリドン等価物総1日用量における≦25%の変化を伴う、安定なバックグラウンド抗精神病薬物治療用量を有する。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩の投与前に、被験体は、≧3週間、安定な総体的症状を有する外来患者である。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩の投与前に、被験体は、以下の基準:
処置抵抗性精神病に対するクロザピン処置の病歴;ならびに/または、
被験体が最小限の改善を実証するかもしくはまったく改善を実証しない、複数の適切な抗精神病薬物治療試験および抗精神病薬物治療試験の失敗の病歴
のうちの少なくとも1つによって定義される処置抵抗性統合失調症を有さない。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩の投与前に、被験体は、統合失調感情障害の診断;双極性障害の生涯診断;強迫性障害の生涯診断;パニック障害、うつエピソードおよび/またはMINIバージョン7.0.2に基づいて臨床的注意を要する他の併存精神医学的状態の最近の発生を有さない。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩の投与前に、被験体は、統合失調症に関するカルガリーうつスケール(CDSS)スコア>8によって測定されるうつの証拠を有さない。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩の投与前に、被験体は、1年以内に自殺を試みたことがない、および/またはコロンビア自殺重症度評価尺度(C-SSRS)において項目番号4もしくは5に関して肯定的な答えを有さない。
ある特定の実施形態では、アドオン処置は、分析ベースラインから10週目までに合計PANSSスコアの変化;分析ベースラインから10週目までに疾病のCGI-Sの変化、分析ベースラインから10週目までに個人的社会的機能遂行度(Personal and Social Performance)(PSP)スコアの変化、ベースラインから10週目までにEuroQol5次元5レベル(EuroQol 5 Dimensions 5 Level)(EQ-5D-5L;被験体≧18歳)もしくはEQ-5Dユース(EQ-5D Youth)(EQ-5D-Y;被験体13~17歳)のVASスコアの変化;および/またはベースラインから10週目までにシーハン障害尺度(SDS)の変化をもたらす。
ある特定の実施形態では、処置は、ベースライン時における被験体のスコアに比べ、被験体のCGI-S陽性症状の低下をもたらす。
ある特定の実施形態では、処置は、分析ベースラインから10週目までにEuroQol5次元5レベル(EQ-5D-5L)スコアの変化、および/または分析ベースラインから10週目までにシーハン障害尺度(SDS)の変化をもたらす。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩は、固体剤形の形態である。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩は、経口投与される。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩は、カプセルの形態である。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩は、毎日、投与される。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩は、1日1回または1日2回、投与される。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩は、1日1回、投与される。
ある特定の実施形態では、治療有効量は、約10mg~約90mgの(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステル遊離塩基に等しい量である。
ある特定の実施形態では、治療有効量は、約20mg~約80mgの(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステル遊離塩基に等しい量である。
ある特定の実施形態では、治療有効量は、約20mgの(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステル遊離塩基に等しい量である。
ある特定の実施形態では、治療有効量は、約40mgの(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステル遊離塩基に等しい量である。
ある特定の実施形態では、治療有効量は、約60mgの(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステル遊離塩基に等しい量である。
ある特定の実施形態では、治療有効量は、約80mgの(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステル遊離塩基に等しい量である。
ある特定の実施形態では、治療有効量は、約40mg/日の(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステル遊離塩基に等しい量である。
ある特定の実施形態では、治療有効量は、約60mg/日の(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステル遊離塩基に等しい量である。
ある特定の実施形態では、治療有効量は、約80mg/日の(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステル遊離塩基に等しい量である。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルは、遊離塩基である。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルは、塩である。ある特定の実施形態では、塩はトシル酸塩である。
ある特定の実施形態では、トシル酸塩は、構造式(I)の(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルトシル酸塩:
である。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;または薬学的に許容される塩は、結晶形態である。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;または薬学的に許容される塩の結晶形態は、243℃の2%以内に示差走査熱量測定(DSC)ピーク温度を有する、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルトシル酸塩の形態lである。
ある特定の実施形態では、DSCピーク温度は、243℃の1%以内にある。
ある特定の実施形態では、DSCピーク温度は、243℃の0.5%以内にある。
ある特定の実施形態では、結晶形態は、6.3°±0.2°の2シータ角度にピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。
ある特定の実施形態では、結晶形態は、17.9°±0.2°の2シータ角度にピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。
ある特定の実施形態では、結晶形態は、19.7°±0.2°の2シータ角度にピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。
ある特定の実施形態では、結晶形態は、約25℃および約60%の相対湿度に曝露時に安定である。
ある特定の実施形態では、結晶形態は、約70μMの長さのD90粒子サイズを有する。
ある特定の実施形態では、結晶形態は、約10μMの長さのD10粒子サイズを有する。
ある特定の実施形態では、結晶形態は、97重量%以上の純度の(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルトシル酸塩を有する。
ある特定の実施形態では、結晶形態は、98重量%以上の純度の(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルトシル酸塩を有する。
ある特定の実施形態では、結晶形態は、97重量%以上の純度の(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルトシル酸塩を有しており、6.3°±0.2°、17.9°±0.2°および19.7°±0.2°の2シータ角度にピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。
本開示のこれらの態様および他の態様が、以下の詳細説明を参照することで明白になろう。この目的のため、様々な参考文献が本明細書において説明されており、これは、ある特定の背景情報、手順、化合物および/または組成物をより詳細に記載し、それらの全体が参照によりそれぞれ、本明細書に組み込まれている。
図1は、試験設計の概略図を示す。試験は、最大で4週間のスクリーニング期間、2週間の二重盲検のプラセボ導入期間、8週間の無作為化二重盲検処置期間、および2週間のウォッシュアウト期間を含む。DB=二重盲検;V=訪問;VBZ=バルベナジン;Wk=週。
参照による組込み
本明細書において明記されている、刊行物、特許および特許出願はすべて、あたかも個々の刊行物、特許または特許出願のそれぞれが、具体的かつ個々に、参照により組み込まれるように示されているかのごとく、同じ程度に参照により本明細書に組み込まれている。
詳細な説明
本開示は、ドーパミン神経伝達に関連する疾患または障害を処置する方法を対象とする。
ドーパミン神経伝達は、統合失調症の基礎的な病態生理学に関連している。統合失調症のドーパミン仮説により、ドーパミン系の調節異常は、疾患の陽性症状、陰性症状および認知症状の一因となることが示唆される。理論によって拘束されることを望むものではないが、抗精神病剤への不適切な応答を有する被験体は、ドーパミンを一層高いレベルで生成することがあり、これによって、シナプスにおけるドーパミン遮断が統合失調症の症状を制御する上で不適切になると考えられている。
統合失調症の標準治療は、陽性症状を低減するため、および入院頻度を低下させるための、第1世代(D2アンタゴニスト)および第2世代(D2/HT2アンタゴニスト)抗精神病剤の使用である。しかし、統合失調症を有する被験体の20%もの多くが、処置の失敗を経験しており、標準抗精神病薬による2~3の処置レジメン後に、臨床的に重要な症状の改善が欠如していることによって定義される、標準抗精神病剤への抵抗性である。さらに、患者のさらに30%~40%は改善するが、抗精神病剤で処置しているにも関わらず、残存症候性である。ある特定の残存症候性患者には、クロザピン処置が提案されるが、この治療剤に対する副作用および経過観察の難しさのために、これらの患者の比較的少数しか、この薬物で維持されない。一部の患者に、2種の併用抗精神病剤が試みられているが、成功率は依然として低い。さらに現在利用可能な抗精神病剤は、大部分の患者を症状の寛解に戻すことに成功していない。
本開示は、小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)の阻害により、ドーパミン作動性伝達をモジュレートするための組成物および方法であって、VMAT2阻害剤を使用して、細胞質からの貯蔵および放出のためのシナプス小胞へのモノアミン取り込みを媒介する、組成物および方法を提供する。モノアミンとしては、例えば、カテコールアミン(例えば、ドーパミン、ノルエピネフリン)、トリプタミン(例えば、セロトニン)およびヒスタミンが挙げられる。VMAT2は、モノアミン作動性ニューロンにおける前シナプス小胞の膜に存在する輸送体である。それらの一次機能は、前シナプスニューロンの細胞質に由来するモノアミン(例えば、ドーパミン)を、その後のシナプスへの放出のために小胞にパッケージングすることのようである。VMAT2の阻害により、関連ニューロン回路の活動をモジュレートする。
バルベナジンは、VMAT2の阻害により、ドーパミン作動性伝達をモジュレートし、細胞質からの貯蔵および放出のためのシナプス小胞へのモノアミン取り込みを媒介する。一態様では、予想外なことに、バルベナジンなどのVMAT2阻害剤は、抗精神病剤と相乗的に作用し、放出に利用可能なドーパミンを低下させることによって、統合失調症の症状を制御する。
ある特定の実施形態では、それを必要とする被験体における、バルベナジンおよび少なくとも1種の抗精神病剤による統合失調症の補助処置またはアドオン処置により、症状が低減され、再発が予防され、ならびに/またはクオリティオブライフおよび機能が最大化される。他の実施形態では、それを必要とする被験体における、バルベナジンならびに少なくとも1種の第1世代(D2アンタゴニスト)抗精神病剤および/または少なくとも1種の第2世代(D2/HT2アンタゴニスト)抗精神病剤による統合失調症の補助処置またはアドオン処置は、陽性症状の低減および/または入院の頻度の低下に有効である。ある特定の実施形態では、統合失調症を有する個体の補助処置またはアドオン処置により、症状が低減され、再発が予防され、クオリティオブライフおよび機能が最大化される。
I.定義
以下の説明では、種々の実施形態の完全な理解をもたらすために、ある特定の具体的な詳細が記載される。しかし、当業者であれば、本開示はこれらの詳細を伴わずに実施されてもよいことを理解する。他の場合では、実施形態の不必要に不明瞭な説明を回避するために、周知の構造は示されもせず、詳述もされない。文脈が別段要求しない限り、本明細書およびそれに続く特許請求の範囲を通して、「含む(comprise)」という語ならびに「含む(comprises)」および「含む(comprising)」などのその変形は、非制限的かつ包括的な意味、すなわち「含むがこれらに限定されない」と解釈されるべきである。さらに、本明細書に提供される見出しは、簡便性のみを目的とし、特許請求される発明の範囲または意味を説明するものではない。
本明細書全体における「一実施形態」または「実施形態」または「一部の実施形態」または「ある特定の実施形態」に対する言及は、実施形態に関連して記載される特定の特色、構造または特徴が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通した様々な箇所での「一実施形態では」または「実施形態では」または「一部の実施形態では」または「ある特定の実施形態では」という語句の出現は、必ずしもすべて同じ実施形態を指すわけではない。さらに、特定の特色、構造または特徴は、1つまたは複数の実施形態で任意の好適な様態で組み合わされてもよい。
また、本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が別段明確に指示しない限り、複数の指示対象を含む。
本明細書で使用される場合、一部の実施形態では、「薬学的に許容される塩」とは、無機酸または有機酸との酸付加塩を指す。好適な塩の一覧表示は、そのそれぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれている、1987年9月11日に公開されたWO87/05297(Johnstonら);Remington's Pharmaceutical Sciences, 17th ed., Mack Publishing Company, Easton, Pa., 1985, p. 1418;およびJ. Pharm. Sci., 66, 2 (1977)に見出される。本開示の薬学的な塩の調製および選択に関する参照文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、P. H. Stahl & C. G. Wermuth "Handbook of Pharmaceutical Salts," Verlag Helvetica Chimica Acta, Zurich, 2002である。有機酸または無機酸としては、以下に限定されないが、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、スルファミン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンチルプロピオン酸、グリコール酸、グルタル酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、ソルビン酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ピクリン酸、桂皮酸、マンデル酸、フタル酸、ラウリン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタン-二スルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4-クロロベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、樟脳酸、カンファースルホン酸、4-メチルビシクロ[2.2.2]-オクタ-2-エン-1-カルボン酸、グルコヘプトン酸、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、tert-ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、安息香酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、シクロヘキシルスルファミン酸、キニン酸、ムコン酸などが挙げられる。一部の実施形態では、「薬学的に許容される塩」とは、無機塩基または有機塩基との塩基付加塩を指す。塩を調製するために使用することができる無機塩基としては、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、マンガン、アルミニウムの水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、リン酸塩などが挙げられる。特に、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウムおよびマグネシウムの水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩またはリン酸塩が好ましい。塩を調製するために使用することができる有機塩基としては、例えば、天然に存在する置換アミン、環式アミン、塩基性イオン交換樹脂などを含めた、具体的には、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミンおよびエタノールアミンなどの一級、二級および三級アミン、置換アミンが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「約」は、明記した値の±20%を意味し、より具体的には、明記した値の±10%、±5%、±2%および±1%の値を含む。
本明細書で使用される場合、「同時投与する」および「同時投与」ならびにそれらの変化形は、逐次に、同時に、ほぼ同時に、または結果として互いに時間的に近接した(例えば、同日、もしくは同週、もしくは30日の期間以内に、または少なくとも2種の薬物のそれぞれが同時に血漿中に検出できるのに十分に近接した)のいずれかで、患者に少なくとも2種の薬物(例えば、バルベナジンおよび共治療剤)を投与することを意味する。一部の実施形態では、2種の薬物は、任意の順序で逐次に投与される。一部の実施形態では、2種の薬物は、同時にまたはほぼ同時に投与される。一部の実施形態では、2種の薬物は逐次に投与される。
共投与の場合、2種またはそれより多くの活性剤は、同一組成物の一部として同時に製剤化されうるか、または別個の製剤として投与されうる。これはまた、本明細書において、「併用」投与またはその変化形と称されてもよい。
本明細書で使用される場合、「投与を調整する」、「投与を変更する」、「投薬を調整する」または「投薬を変更する」は、すべて等価であり、物質の用量を徐々に減らすこと、低減すること、もしくは増加すること、患者への物質の投与を中止すること、またはこの物質を異なる活性剤で置換することを意味する。
本明細書で使用される場合、「患者へ投与する」とは、当分野において認識されている導入手段により、患者に組成物または剤形を導入するプロセスを指す。
本明細書で使用される場合、用語「障害」は、すべてが、正常機能を損なう、特徴的な徴候および症状によって、典型的に、現れる、ヒトもしくは動物の身体、または身体の部分の1つの異常状態に反映するという点で、用語「疾患」、「症候群」および「状態」(医学的状態のような)と一般的に同義であることが意図されており、互換的に使用される。
本明細書で使用される場合、「ベースライン」とは、治療の開始直前の時間を指す。治療の開始直前の患者の状態は、患者のベースライン状態と称されうる。
本明細書で使用される場合、「デューテトラベナジン」とは、(RR,SS)-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-9,10-ジ(メトキシd3)-3-(2-メチルプロピル)-2H-ベンゾ[a]キノリジン-2-オンと称されうる。デューテトラベナジンは、以下の化合物:
を含有するラセミ混合物である。
米国特許第8,524,733号に開示されているデューテトラベナジン(またはd-テトラベナジン)が投与されると、指定時間にわたり、適切な濃度の代謝産物(+)a-3-イソブチル-9,10-d6-ジメトキシ-1,3,4,6,7,1 lbヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オール(血漿中の重水素化(+)a-HTBZまたは重水素化(+)β-HTBZ)をもたらす。d-テトラベナジンは、その開示の全体が参照により本明細書に組み込まれている、PCT公開WO2014/047167に開示されている製剤を含めた、様々な方法によって投与されうる。
本明細書で使用される場合、ジヒドロテトラベナジンは、2-ヒドロキシ-3-(2-メチルプロピル)-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-9,10-ジメトキシ-ベンゾ(a)キノリジンと称されることがある。この化合物は、3個のキラル中心を有しており、したがって理論的には、以下に示される合計8個の異性体形態:
で存在しうる。8個の異性体の合成および特徴付けは、Sun et al. (2011) Eur. J. Med. Chem. 1841-1848によって記載されている。
本明細書で使用される場合、「用量」は、患者によって一度に摂取される活性剤の測定される分量を意味する。活性剤がバルベナジン遊離塩基ではないある特定の実施形態では、分量は、バルベナジン遊離塩基の対応する量に対するモル当量である。例えば、多くの場合、薬物は、薬学的に許容される塩の形態、例えばバルベナジンジトシトレートで包装されており、強度に関する投薬量は、対応する遊離塩基であるバルベナジンのモル当量の質量を指す。例として、73mgのバルベナジントシル酸塩は、40mgのバルベナジン遊離塩基のモル当量である。
本明細書で使用される場合、「投薬レジメン」は、患者によって最初に摂取される活性剤の用量、および活性剤の任意の後続の用量が患者によって摂取される間隔(時間または症候性)、例えば1日1回約20~約160mg、例えば1日1回約20、約40、約60、約80、約100、約120または約160mgを意味する。活性剤の追加の用量は、最初に摂取される用量と異なってもよい。
本明細書で使用される場合、「投薬量」は、特定の期間にわたる、指定の量、数および頻度の用量の処方された投与のことである。
本明細書で使用される場合、薬剤、化合物、薬物、組成物または組合せの「有効量」および「治療有効量」は、非毒性の、かつ被験体または患者(例えば、ヒト被験体または患者)への投与の際にある程度の所望される治療効果を生じるのに有効な量である。被験体のための正確な治療有効量は、例えば被験体のサイズおよび健康、状態の性質および程度、投与のために選択された治療薬または治療薬の組合せ、ならびに当業者に公知の他の変数に依存してもよい。所与の状況に対する有効量は日常的な実験によって決定され、臨床医の判断の範囲内である。
本明細書で使用される場合、「知らせること」は、公開資料に言及するまたはそれを提供すること、例えば、活性剤を公開資料とともに使用者に提供すること、あるいは例えばセミナー、会議でのプレセンテーション、もしくは他の教育的プレセンテーションによって、医薬販売員と医療従事者の間の対話によって、または医療従事者と患者の間の対話によって口頭で情報を提示すること、あるいは理解を目的として使用者に所期の情報を示すことを意味する。
本明細書で使用される場合、「同位体改変体」は、そのような化合物を構成する原子の1個または複数で同位体の非天然の割合を含有する化合物を意味する。ある特定の実施形態では、化合物の「同位体改変体」は、これらに限定されないが、水素(H)、重水素(H)、トリチウム(H)、炭素-11(11C)、炭素-12(12C)、炭素-13(13C)、炭素-14(14C)、窒素-13(13N)、窒素-14(14N)、窒素-15(15N)、酸素-14(14O)、酸素-15(15O)、酸素-16(16O)、酸素-17(17O)、酸素-18(18O)、フッ素-17(17F)、フッ素-18(18F)、リン-31(31P)、リン-32(32P)、リン-33(33P)、硫黄-32(32S)、硫黄-33(33S)、硫黄-34(34S)、硫黄-35(35S)、硫黄-36(36S)、塩素-35(35Cl)、塩素-36(36Cl)、塩素-37(37Cl)、臭素-79(79Br)、臭素-81(81Br)、ヨウ素-123(123I)、ヨウ素-125(125I)、ヨウ素-127(127I)、ヨウ素-129(129I)、およびヨウ素-131(131I)を含む1つまたは複数の同位体の非天然の割合を含有する。ある特定の実施形態では、化合物の「同位体改変体」は、安定形態、すなわち非放射性である。ある特定の実施形態では、化合物の「同位体改変体」は、これらに限定されないが、水素(H)、重水素(H)、炭素-12(12C)、炭素-13(13C)、窒素-14(14N)、窒素-15(15N)、酸素-16(16O)、酸素-17(17O)、および酸素-18(18O)を含む1つまたは複数の同位体の非天然の割合を含有する。ある特定の実施形態では、化合物の「同位体改変体」は、不安定な形態、すなわち放射性である。ある特定の実施形態では、化合物の「同位体改変体」は、これらに限定されないが、トリチウム(H)、炭素-11(11C)、炭素-14(14C)、窒素-13(13N)、酸素-14(14O)および酸素-15(15O)を含む1つまたは複数の同位体の非天然の割合を含有する。本明細書に提供される化合物では、当業者の判断によって実行可能である場合、任意の水素は例としてHであってもよく、または任意の炭素は例として13Cであってもよく、または任意の窒素は例として15Nであってもよく、任意の酸素は例として18Oであってもよいことが理解される。ある特定の実施形態では、化合物の「同位体改変体」は、重水素の非天然の割合を含有する。
本明細書に提供される化合物に関して、特定の原子位置が重水素または「D」または「d」を有すると表記される場合、その位置における重水素の存在量は、約0.015%である重水素の天然の存在量より実質的に大きいことが理解される。ある特定の実施形態では、重水素を有すると表記される位置は、典型的に、各表記される重水素の位置に、少なくとも1000(15%重水素取り込み)、少なくとも2000(30%重水素取り込み)、少なくとも3000(45%重水素取り込み)、少なくとも3500(52.5%重水素取り込み)、少なくとも4000(60%重水素取り込み)、少なくとも4500(67.5%重水素取り込み)、少なくとも5000(75%重水素取り込み)、少なくとも5500(82.5%重水素取り込み)、少なくとも6000(90%重水素取り込み)、少なくとも6333.3(95%重水素取り込み)、少なくとも6466.7(97%重水素取り込み)、少なくとも6600(99%重水素取り込み)、または少なくとも6633.3(99.5%重水素取り込み)の最小同位体濃縮係数を有する。本明細書に提供される化合物の同位体濃縮は、質量分析、核磁気共鳴分光法および結晶学を含む、当業者に公知の従来の分析方法を使用して決定されてもよい。
本明細書で使用される場合、「表示」は、医薬品もしくは剤形上の、またはそのような医薬品もしくは剤形に付随するすべてのラベル、または他の書面の、印刷された、図形での、電子的な、言語または実演コミュニケーションの手段を意味する。
本明細書で使用される場合、「医療従事者」は、安全性、有効性、投薬、投与または薬物動態に関する情報を含む、それらの剤形を含む活性剤に関する情報を必要としうるまたは利用しうる保健医療分野の従事者を意味する。医療従事者の例として、医師、薬剤師、医師助手、看護師、補助者、世話人(家族または保護者を含みうる)、救急医療従事者および獣医が挙げられる。
本明細書で使用される場合、「薬物治療ガイド」は、医薬品を安全に使用する方法に関する患者向けの情報を含む、21 CFR 208および他の適用可能な規制に記載される規格に適合する、FDAによって承認された医薬品の患者用表示を意味する。薬物治療ガイドは科学的に正確であり、21 CFR 201.57の下で承認された医薬品の専門的表示に基づき、かつそれと矛盾しないが、文言は、それが対応する承認された表示のセクションと同一である必要はない。薬物治療ガイドは、典型的に、特別なリスク管理情報を伴う医薬品に利用可能である。
本明細書で使用される場合、「Mini精神疾患簡易構造化面接法(Mini International Neuropsychiatric Interview)」または「MINI」とは、改訂されたDSM第3版、DSM第4版、DSM-5、および疾病および関連保健問題の国際統計分類(第10版)(ICD-10)における、主要精神医学的障害(統合失調症を含む)に関する、簡易構造化診断面接法のことである。例えばSheehan DV, Lecrubier Y, Sheehan KH, et al. The Mini-International Neuropsychiatric Interview (M.I.N.I.): the development and validation of a structured diagnostic psychiatric interview for DSM-IV and ICD-10. J Clin Psychiatry. 1998;59 Suppl 20:22-33; quiz 4-57を参照されたい。検証および信頼性試験は、MINIと他の周知の精神医学的診断面接法とを比較して行われた。これらの試験の結果は、MINIは、これらの手段と類似の信頼性および妥当性の特性を有しているが、かなり一層短い時間で行うことができ、臨床医は、簡易的なトレーニングセッション後にこれを使用することができることを示している。例えば、Sheehan DV, Lecrubier Y, Sheehan KH, et al. The validity of the Mini International Neuropsychiatric Interview (MINI) according to the SCID-P and its reliability. Eur Psychiatry. 1997;12:232-41を参照されたい。
統合失調症に関する組み入れ基準の評価は、MINIバージョン7.0.2を使用して標準化される。MINIはまた、組み入れに対する被験体の適切さを評価する、併存精神医学的障害の存在を評価するために使用される。
本明細書で使用される場合、「学齢小児のための情動障害および総合失調症のための児童スケジュール、現在および生涯バージョン(Kiddie Schedule for Affective Disorder and Schizophrenia for School-Age Children, Present and Lifetime Version)」または「K-SADS-PL」は、DSM-5基準を使用して、6~18歳の年齢の子供および青年において、現在および過去の精神病理学エピソード(例えば、統合失調症および統合失調感情障害)を診断するために、次元評価手法と分類評価手法とを組み合わせた、子供および青年における、半構造化診断面接法のことである。例えば、Kaufman J, Birmaher B, Brent D, et al. Schedule for Affective Disorders and Schizophrenia for School-Age Children-Present and Lifetime Version (K-SADS-PL): initial reliability and validity data. J Am Acad Child Adolesc Psychiatry. 1997;36(7):980-88を参照されたい。
「シーハン障害尺度」または「SDS」とは、本明細書で使用される場合、障害に対する処置の効果を測定するための、いくつかの精神医学的障害における、機能的損傷の簡易的に検証された尺度のことである。例えば、Leon AC, Olfson M, Portera L, et al. Assessing psychiatric impairment in primary care with the Sheehan Disability Scale. Int J Psych Med. 1997 27(2):93-105を参照されたい。これは、仕事、社会生活および家族の生活が、現在の精神学的症状によって障害をどのように受けるかを測定するよう設計された3つの自己評価項目を含む。各項目は、視覚空間、数値および言語による説明アンカーを使用して混乱の程度(0[まったくなし]~10[極度])を表す、11点のアナログ尺度を含む。それは、また、過去1週間に被験体が仕事すること/通学することができなかった日数、および被験体の生産性が低かった日数を評価する。SDSは、評価のスケジュールに概説されている通りに行われる(表5を参照されたい)。
本明細書で使用される場合、「陽性・陰性症状評価尺度(Positive and Negative Symptoms Scale)」、「陽性・陰性症候群評価尺度(Positive and Negative Syndrome Scale)」または「PANSS」とは、統合失調症の様々な症状の重症度を評価するよう設計されている、信頼性が高く、周知で、幅広く使用されており、臨床医が行う検証済みの30項目尺度であり、抗精神病剤を摂取する患者における、症状の軽減を測定するために、抗精神病剤を含む臨床試験に一般的に用いられるものである。例えば、European Medicines Agency [EMA], Committee for Medicinal Products for Human Use. Guidance on the clinical investigation of medicinal products, including depot preparations in the treatment of schizophrenia. 2012; EMA/CHMP/40072/2010 Rev 1; Lehman AF, Lieberman JA, Dixon LB, et al. Treatment recommendations for patients with schizophrenia. In: Practice Guideline for the Treatment of Patients with Schizophrenia. Second edition. American Psychiatric Association; 2004: 3-35 (Part A);およびKay SR, Fiszbein A, Opler LA. The positive and negative syndrome scale (PANSS) for schizophrenia. Schizophr Bull. 1987;13(2):261-76を参照されたい。
PANSSの下位尺度、およびPANSSの5因子モデルが、統合失調症の様々な症状ドメインを評価するために一般的に用いられる。この尺度は、陽性症状(形質の存在として現れる疾患の症状)を評価するよう設計された7項目、陰性症状(形質の非存在として現れる症状)を評価するよう設計された7項目、および一般的な精神病理学に対処する16項目を含む、3つのセクションに分割される。各項目は、7点の重症度尺度(1=存在しない、2=最小限、3=軽度、4=中度、5=中度の重度、6=重度、7=極度)で評点される。この尺度はまた、侵害リスクプロファイルを構成する3つの補助項目を含む。しかし、これらの項目は、本試験に適用可能ではないので、評点しない。PANSS合計スコアは、各項目の総計から導かれる。
PANSS「陽性症状因子スコア」または「PSFS」は、統合失調症の臨床試験において幅広く使用されており、患者において、陽性症状の評価に関する良好な検査-再検査信頼性と妥当性の両方があることを実証している。例えば、Lehman AF, Lieberman JA, Dixon LB, et al. Practice guideline for the treatment of patients with schizophrenia, second edition. Am J Psychiatry. 2004 Feb;161(2 Suppl):1-56およびMarder SR, Davis JM, and Chouinard G. The effects of risperidone on the five dimensions of schizophrenia derived from factor analysis: combined results of the North American trials. J Clin Psychiatry. 1997; 58:538-46を参照されたい。
本明細書で使用される場合、「個人的社会的機能遂行度尺度」または「PSP尺度」とは、4つの主要領域(社会的に有用な活動、個人的社会的関係、セルフケアおよび不穏かつ攻撃的な行動)に関する疾病の重症度を等級付けする検証済みの手段である。例えば、Morosiniら、2000を参照されたい。4つのドメインにおける被験体の重症度の程度は、6点尺度(存在しない(この次元に関して問題がないことを意味する)から、軽度、明白、顕著、重度および非常に重度)に関して等級付けする。4つのドメインに関する評点から、0~100%の単回測定値を生成することができる。PSP尺度は、治験責任医師または他の認定施設職員によって行われて、評点される。
本明細書で使用される場合、「重症度の臨床全般印象度」または「CGI-S」は、患者の疾病の重症度を評価する7点尺度である。例えば、Busner J, Targum SD. The clinical global impressions scale: applying a research tool in clinical practice. Psychiatry (Edgmont). 2007;4(7):28-37を参照されたい。CGI-Sは、治験責任医師または他の認定施設職員によって行われて、評点される。
本明細書で使用される場合、「異常不随意運動尺度」または「AIMS」評価尺度は、10項目の合計を等級付けし、9項目が、0(ジスキネジアがない)から4(重度のジスキネジア)までの不随意運動を等級付けする。項目1から7までは、顔面および口の運動(項目1~4)、四肢運動(項目5~6)、および体幹運動(項目7)を含む。項目1~7に関するAIMSジスキネジア総スコアは、0~28の範囲である。スコアが高いほど、重症度が高いことに反映する。項目8、9および10は、総合的な判断を等級付けし、項目10は、0(自覚がない)から4(自覚がある、重度の苦痛)までの被験体による自身の異常運動の自覚に関する報告だけに基づいて等級付けされる。項目11および12は、歯および/または義歯の問題に関する、はい/いいえの質問である。AIMS総スコアは、0~40の範囲でありうる。例えば、Guy W. Ed. ECDEU Assessment Manual of Psychopharmacology, revised, 1976. US Department of Health, Education, and Welfare. Pub. No. (ADM), 76-338. Rockville (MD): National Institute of Mental Health - Clinical Global Impression - Improvement. p. 217-22を参照されたい。AIMSは、治験責任医師または他の認定者によって行われる。
本明細書で使用される場合、「修正Simpson Angus評価尺度」または「SAS」は、臨床実践および研究設定における、抗精神病剤誘発性パーキンソニズムを評価するために幅広く使用されている臨床医師が行う等級付け尺度である。例えば、Simpson GM, Angus JW. A rating scale for extrapyramidal side effects. Acta Psychiatr Scand Suppl. 1970;212:11-9を参照されたい。本明細書に記載されている試験は、SASの修正10項目バージョン(スクリーニングおよび適格性の1日目の評価の場合)を使用し、ここで、元のバージョンに含まれている「脚の揺れ(Leg Pendulousness)」および「頭落下(Head Dropping)」の項目は、統合失調症の臨床試験において使用されることが多い、「頭部回転」および「アカシジア」と置き換えられている。例えば、Moore TJ, Furberg CD. The harms of antipsychotic drugs: evidence from key studies. Drug Saf. 2017;40(1):3-14を参照されたい。各項目は、5点尺度(0~4)を使用して等級付けされる。修正SASスコアは、0~40の範囲とすることができる。
本明細書で使用される場合、「統合失調症に関するカルガリーうつスケール」または「CDSS」は、併存うつ症状を評価するよう特に設計されている、統合失調症を有する患者における大うつ障害の症状を評価するために使用される。例えば、Addington D, Addington J, Maticka-Tyndale E. Assessing depression in schizophrenia: the Calgary Depression Scale. Br J Psychiatry Suppl. 1993;(22):39-44を参照されたい。CDSSは、9項目:抑うつ気分、絶望、卑下(self-deprecation)、関係の罪悪感念慮(guilty ideas of reference)、病理的罪悪感(pathological guilt)、午前中のうつ悪化、早起き、自殺および観察されるうつからなる。各項目は、0~3点尺度(0~3)を使用して等級付けされる。CDSSスコアは、0~27の範囲とすることができる。CDSSに関する項目は、すべて、典型的なうつ症状であり、統合失調症の陰性症状と重ならないように思われる。CDSSは、治験責任医師または他の認定施設職員によって行われる。
本明細書で使用される場合、「プラセボ対照注意喚起スクリプト」または「PCRS」は、プラセボの影響の自覚の増大によるプラセボ効果の低減を目的とした、研究参加者によるプラセボ応答因子を注意深く検討するスクリプトである。PCRSスクリプトは、有効性評価の実施前に、各参加者に一読される。二重盲検臨床試験の理解、参加者の応答に関して評価者の中立の立場の認識、および率直なフィードバックを提示することの重要性を含めた、重要点に関する、評価者と参加者との間の協議が続く。PCRSは、プラセボ応答の増大に至らしめる期待バイアスを軽減する。例えば、Cohen EA, Hassman HH, Ereshefsky L, et al. Placebo response mitigation with a participant focused psychoeducational procedure: a randomized, single-blind, all placebo study in major depressive and psychotic disorders. Neuropsychopharmacology. 2021;46(4):844-50を参照されたい。
本明細書で使用される場合、「コロンビア自殺重症度評価尺度」または「C-SSRS」は、自殺評価に使用される、検証された証拠によって裏付けられた尺度であり、自殺念慮および行動を前向きに評価するものである。例えば、The World Wide Web at cssrs.columbia.eduを参照されたい。C-SSRSは、治験責任医師または認定試験施設職員によって行われ、評点される。
本明細書で使用される場合、「EuroQol5次元5レベル」または「EQ-5D-5L」は、健康を説明して評価するための一般的な単一指数尺度である(Herdmanら、2011)。それは、5つの次元:運動、セルフケア、日常の活動、疼痛/不快感および不安/うつに関する健康を定義するものである。各次元は、5レベル:問題なし、わずかに問題、中度の問題、重度の問題および極度の問題を有する。被験体は、最も適切な記述の隣の枠にチェックを入れることによって、その健康状態を記す。5つの次元でのスコアを合わせて、患者の健康状態を説明する5桁の番号にすることができる。被験体はまた、0~100のハッシュマーク付きの垂直視覚アナログスケール(VAS)で被験体の総合的な健康を等級付けする。エンドポイントは、「被験体が想像することができる最良の健康」および「被験体が想像することができる最悪の健康」と標識される。
EQ-5Dユース(EQ-5D-Y)バージョンは、子供および青年にとって好適なより包括的な手段である。EQ-5D-Yは、2頁:EQ-5D記述系およびEQ視覚的アナログスケール(EQ VAS)を含む。EQ-5D-Y記述系は、以下の5つの次元:運動、自分の世話、日常活動の実施、疼痛または不快感がある、および心配、悲しみまたは不幸を感じることを含む。各次元は、3レベル:問題なし、ある程度問題および問題が多数を有する。より若い患者は、5つの次元のそれぞれにおける最も適切な記述の隣の枠にレ点を入れることによって、その患者の健康状態を示すよう求められる。EQ VASは、垂直視覚的アナログスケールで被験体自身により等級付けられた健康を記録するものであり、この場合、エンドポイントは、「被験体が想像することができる最良の健康」および「被験体が想像することができる最悪の健康」と印される。EQ-5D-5L(被験体≧18歳)およびEQ-5D-Y(13~17歳の被験体)は、治験責任医師または認定被指名人によって行われる。
本明細書で使用される場合、「陽性症状」および「統合失調症の陽性症状」は、相互変換可能であり、以下に限定されないが、精神病、妄想、幻覚ならびに解体した会話および行動などの、正常では存在しない行動および思考を含む。
本明細書で使用される場合、「陰性症状」および「統合失調症の陰性症状」は、相互変換可能であり、以下に限定されないが、社会的離脱、感情の平坦化、無快感症および活力の低下を含めた、気力症候群(motivational syndrome)を含む。例えば、Fervaha G, Foussias G, Agid O, et al. Impact of primary negative symptoms on functional outcomes in schizophrenia. Eur Psychiatry. 2014 Sept; 29(7):449-55を参照されたい。
本明細書で使用される場合、「認知症状」および「統合失調症の認知症状」は、相互変換可能であり、以下に限定されないが、低い情報処理、目標に対する集中力の低下、ならびに作業記憶および学習の異常を含む(Kahn RS, Sommer IE, Murray RM, et al. Schizophrenia. Nat Rev Dis Primers. 2015 Nov;1:15067;およびvan Os J and Kapur S. Schizophrenia. The Lancet. 2009 Aug; 374:635-45)。
本明細書で使用される場合、「ヘルスケア利用質問票」は、被験体がいかなる試験にも関連しない医療提供者とのやり取りを行ったかどうかを評価するために設計された質問票である。この質問票は、過去30日間(最初の使用時)または最後の試験訪問以降(その後のすべての使用時)の入院、緊急処置室/緊急治療訪問および外来訪問のいずれかについて被験体に尋ねる、3つの質問を含む。
本明細書で使用される場合、「患者」または「個体」または「被験体」は、治療が所望されるヒトまたはものを含む哺乳動物を意味し、一般的に治療のレシピエントを指す。
本明細書で使用される場合、「患者用添付文書」は、FDAによって承認された表示の一部である、医薬品を安全に使用する方法に関する患者向けの情報を意味する。これは、専門的ではない用語での製品に関する消費者向け情報を提供する、製品の調剤時に患者に配布されうる医薬品の専門的表示の延長であり、例えば利益、リスク、リスクの認識方法、投薬量または投与について記載する場合がある。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される」は、生物学的または別様に望ましくないものではない材料を指し、すなわち、材料は、望ましくない生物学的効果を生じずに、またはそれが含有される組成物の他の成分のいずれかと有害な様態で相互作用せずに患者に投与される医薬組成物に組み込まれてもよい。用語「薬学的に許容される」が、薬学的担体または賦形剤を指すために使用される場合、担体または賦形剤は、毒性学的試験および製造試験の必要な標準を満たしていること、または米国食品医薬品局によって作成されている不活性成分のガイドに含まれていることが暗示される。「薬理学的に活性な」(または「活性な」)誘導体またはアナログにおけるような「薬理学的に活性な」(または「活性な」)は、親化合物と同じ種類の薬理学的活性を有し、程度がおよそ同等である誘導体またはアナログを指す。用語「薬学的に許容される塩」とは、例えば、塩酸もしくはリン酸などの無機酸、または酢酸、シュウ酸、酒石酸、マンデル酸、トシル酸などの有機酸と形成される酸付加塩を含む。遊離カルボキシル基と形成される塩はまた、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウムまたは水酸化第二鉄などの無機塩基、およびイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ヒスチジン、プロカインなどの有機塩基から誘導されうる。
「その同位体改変体;またはその薬学的に許容される塩」という語句は、本明細書で使用される場合、「本明細書において参照されている化合物の同位体改変体;もしくは薬学的に許容される塩;または本明細書において参照されている化合物の鏡像異性体もしくは鏡像異性体の混合物の同位体改変体;もしくは薬学的に許容される塩」という語句と同じ意味を有する。
本明細書で使用される場合、「製品」または「医薬品」は、活性剤の剤形と公開資料、および必要に応じて包装を意味する。
本明細書で使用される場合、「製品添付文書」は、医薬品の専門的表示(処方情報)、医薬品の患者用添付文書、または医薬品の薬物治療ガイドを意味する。
本明細書で使用される場合、「専門的表示」または「処方情報」は、薬物の安全かつ有効な使用に必要とされる本質的な科学的情報の概要、例えば適応症および用法、投薬量および投与、誰が摂取すべきか、有害事象(副作用)、特別な集団(妊婦、小児、老人など)に使用するための指示、患者向け安全性情報などを含む、医薬品の販売を規制する規制機関(例えば、FDAまたはEMEA)によって承認された医薬品の正式な説明を意味する。
本明細書で使用される場合、「公開資料」は、印刷、音声、視覚または電子媒体、例えばチラシ、広告、製品添付文書、印刷表示、インターネットウェブサイト、インターネットウェブページ、インターネットポップアップウィンドウ、ラジオまたはテレビ放送、コンパクトディスク、DVD、音声記録もしくは他の記録または電子媒体を含む、情報を提供する媒体を意味する。
本明細書で使用される場合、「リスク」は、医療処置から生じる有害反応、傷害または他の望ましくない転帰の確率または可能性を意味する。「許容されるリスク」は、個体または群が忍容性を示す医療処置から生じる害、傷害または疾患のリスクの尺度を意味する。リスクが「許容される」かどうかは、個体または群がリスクをとる代償として得られると知覚する利益、個体または群がリスクの規模に関して与えられるいかなる科学的および他の助言も受け入れるかどうか、ならびに政治的および社会的な数々の他の要因に依存する。有害反応の「許容されるリスク」は、有害反応が、その発生確率が低いもしくはその帰結が非常にわずかなものであるか、または活性剤の恩恵(知覚されるもしくは実際の)が非常に大きいため、社会における個体または群が、有害反応が生じうるリスクをとるまたはその対象となる意思があることを意味する。有害反応の「許容されないリスク」は、社会における個体または群が、有害反応の発生確率、有害反応の帰結、および活性剤の恩恵(知覚されるまたは実際の)を検討し、有害反応が生じうるリスクをとるまたはその対象となる意思がないことを意味する。「リスクにある」は、高レベルのリスクまたは感受性を特徴とする状況または状態にあることを意味する。リスクの評価は、製品の使用に関連するリスクの性質、頻度および重症度を特定し、特徴付けることからなる。
本明細書で使用される場合、「安全性」は、患者に関連する要因(例えば、年齢、性別、民族性、人種、標的疾病、腎もしくは肝機能の異常、併存疾病、代謝状態などの遺伝的特徴、または環境)および活性剤に関連する要因(例えば、用量、血漿レベル、曝露の継続時間または併用薬物治療)に関連する有害効果を含む、活性剤の投与に関連する有害事象の発生率または重症度を意味する。
本明細書で使用される場合、「VMAT2」は、モノアミン、特にドーパミン、ノルエピネフリン、セロトニンおよびヒスタミンなどの神経伝達物質を、細胞のサイトゾルからシナプス小胞まで輸送するように作用する内在性膜タンパク質であるヒト小胞モノアミン輸送体アイソフォーム2を指す。
本明細書で使用される場合、用語「VMAT2阻害剤」、「VMAT2を阻害する」または「VMAT2の阻害」とは、本明細書に開示されている化合物がVMAT2の機能を変更する能力を指す。VMAT2阻害剤は、阻害剤とVMAT2との間に可逆的もしくは非可逆的な共有結合を形成することにより、または非共有結合で結合した複合体の形成を通してVMAT2の活性を遮断または低減することができる。そのような阻害は、特定の細胞種においてのみに現れることがあるか、または特定の生物学的事象に付随することがある。「VMAT2阻害剤」、「VMAT2を阻害する」、または「VMAT2の阻害」という用語および/または語句は、VMAT2と天然基質との間に複合体が形成される確率を減少させることによって、VMAT2の機能を変更することも指す。
本明細書で使用される場合、「テトラベナジン」とは、1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-9,10-ジメトキシ-3-(2-メチルプロピル)-2H-ベンゾ[a]キノリジン-2-オンと称されうる。この化合物は、3および11b炭素原子にキラル中心を有しており、したがって理論的には、以下に示される合計4個の異性体形態:
で存在しうる。
市販のテトラベナジンは、RR異性体およびSS異性体のラセミ混合物である。テトラベナジンは、そのそれぞれの開示の全体が参照により本明細書に組み込まれている、PCT公開WO2010/018408、WO2011/019956およびWO2014/047167に開示されている製剤を含めた、様々な方法によって投与されうる。
本明細書で使用される場合、化合物の「上方用量設定」とは、患者にとって用量を制限する不耐容性の前に起こる、治療効果を達成する化合物の量の増加を指す。上方用量設定は、同じであってもよく、または異なってもよい、1つまたは複数の用量増分で達成されうる。
本明細書で使用される場合、「バルベナジン」は、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R、3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステル;またはL-バリン(2R,3R,11bR)-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-9,10-ジメトキシ-3-(2-メチルプロピル)-2H-ベンゾ[a]キノリジン-2-イルエステル、または以下の化学構造:
を有するNBI-98854と称することができる。
バルベナジン:4-トルエンスルホネート(1:2)(本明細書において、「バルベナジンジトシトレート」と称される)の製剤は、以前には、商標名INGREZZA(登録商標)で、FDAにより承認された薬物表示で報告されている。
バルベナジンは、そのそれぞれの開示の全体が参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第8,039,627号および同第8,357,697号に準拠して調製することができる。ある特定の実施形態では、本明細書において提供される組成物および方法において使用するためのバルベナジンは、その開示の全体が参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第10,0659,52号に開示されている多形形態Iである。
バルベナジンジトシトレート
別の実施形態では、式Iの(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネート):
もしくはその同位体改変体、またはそれらの溶媒和物の結晶形態が、本明細書において提供される。
バルベナジンジトシトレートの形態I
さらに別の実施形態では、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネート)(式I)もしくはその同位体改変体、またはそれらの溶媒和物の結晶形態であって、形態Iである、結晶形態が本明細書において提供される。
様々な実施形態では、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネート)(式I)の結晶形態Iは、X線回折パターンを有する。一部の実施形態では、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネート)(式I)の形態IのX線回折パターンは、ほぼ6.3、17.9および19.7°の2シータ角度において、XRP回折ピークを含む。一部の実施形態では、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネート)(式I)の形態IのX線粉末回折パターンは、ほぼ6.3、17.9または19.7°の2シータ角度において、XRP回折ピークを含む。別の実施形態では、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネート)(式I)の結晶形態Iは、ほぼ6.3°および19.7°の2シータ角度において、XRP回折ピークを含む。別の実施形態では、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネート)(式I)の結晶形態Iは、ほぼ6.3°の2シータ角度において、XRP回折ピークを含む。
一部の実施形態では、結晶形態Iは、ほぼ6.3°およびほぼ19.7°の2シータ角度において、1つまたは複数の特徴的なXRP回折ピークを有する。ある特定の実施形態では、結晶形態Iは、ほぼ6.3°、ほぼ17.9°およびほぼ19.7°の2シータ角度において、1つまたは複数の特徴的なXRP回折ピークを有する。一部の実施形態では、結晶形態Iは、ほぼ6.3°、ほぼ17.9°、ほぼ19.7°およびほぼ22.7°の2シータ角度において、1つまたは複数の特徴的なXRP回折ピークを有する。ある特定の実施形態では、結晶形態Iは、ほぼ6.3°、ほぼ15.6°、ほぼ17.9°、ほぼ19.7°およびほぼ22.7°の2シータ角度において、1つまたは複数の特徴的なXRP回折ピークを有する。一部の実施形態では、結晶形態Iは、ほぼ6.3°、ほぼ15.6°、ほぼ16.6°、ほぼ17.9°、ほぼ19.7°およびほぼ22.7°の2シータ角度において、1つまたは複数の特徴的なXRP回折ピークを有する。
様々な実施形態では、結晶形態Iは、吸熱性の示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する。一部の実施形態では、結晶形態Iは、約240℃の開始温度により吸熱事象、および約243℃においてピークを含む、DSCサーモグラムを有する。さらに別の実施形態では、結晶形態Iは、約25℃から約140℃まで加熱すると、約0.4%未満の質量喪失を含む、熱重量分析(TGA)プロットを有する。
様々な実施形態では、結晶形態Iは、重量蒸気システム(gravimetric vapor system)(GVS)プロットを有する。一部の実施形態では、結晶形態Iは、相対湿度約0%から相対湿度約95%までの上昇にさらされると、約1%の重量増加を示す。ある特定の実施形態では、吸着時に増加した質量は、相対湿度(RH)が、低下して約0%RHに戻ると失われる。さらに別の実施形態では、結晶形態Iは、約25℃および約60%の相対湿度への曝露時に安定である。さらに別の実施形態では、結晶形態Iは、約24か月間、約25℃および約60%の相対湿度への曝露時に安定である。同様に、別の実施形態では、結晶形態Iは、約3か月間、約25℃および約60%の相対湿度への曝露時に安定である。さらに別の実施形態では、結晶形態Iは、約25℃および約92%の相対湿度への曝露時に安定である。別の実施形態では、結晶形態Iは、約40℃および約75%の相対湿度への曝露時に安定である。別の実施形態では、結晶形態Iは、約6か月間、約40℃および約75%の相対湿度への曝露時に安定である。別の実施形態では、結晶形態Iは、約3か月間、約40℃および約75%の相対湿度への曝露時に安定である。
ある特定の実施形態では、形態Iにおける式Iの結晶形態は、式Iの塩を約95重量%以上、約97重量%以上、約98重量%以上、約99重量%以上または約99.5重量%以上含有することができる。同様に、結晶形態は、結晶形態Iを、約90重量%以上、約95重量%以上、約98重量%以上、約99重量%以上または99.5重量%以上、含有することができる。
ある特定の実施形態では、結晶形態Iは、約17.58、約18.58、約19.58、約26.75、約26.87、約26.96、約27.06、約27.75、約27.87、約27.97、約28.06、約28.75、約28.87、約28.97、約29.06、約27.45、約28.45、約29.45、約30.61、約31.61、約32.61、約32.17、約32.98、約33.17、約33.98、約34.17、約34.35、約34.98、約35.35、約36.35mg/mLの水溶解度を有する。ある特定の実施形態では、結晶形態Iは、ほぼpH1.2において約31.61および約33.17、ほぼpH3において約28.45および約27.97、ほぼpH4において約28.06および約27.77、ほぼpH5において約18.58および約27.87、ほぼpH6.8において約33.98および約35.35の水溶解度を有する。
ある特定の実施形態では、結晶形態Iは、約0.1重量%以下、約0.11重量%以下、約0.12重量%以下、約0.13重量%以下、約0.14重量%以下、約0.15重量%以下、約0.16重量%以下、約0.17重量%以下、約0.18重量%以下、約0.19重量%以下、約0.2重量%以下、約0.21重量%以下、約0.22重量%以下、約0.23重量%以下、約0.24重量%以下、約0.25重量%以下、約0.26重量%以下、約0.27重量%以下、約0.28重量%以下、約0.29重量%以下、約0.3重量%以下、約0.31重量%以下、約0.32重量%以下、約0.33重量%以下、約0.34重量%以下、約0.35重量%以下、約0.36重量%以下、約0.37重量%以下、約0.38重量%以下、約0.39重量%以下、約0.4重量%以下、約0.5重量%以下、約0.6重量%以下、約0.7重量%以下、約0.8重量%以下、約0.9重量%以下、約1重量%以下、約2重量%以下、約3重量%以下、約4重量%または約5重量%以下の水を含有することがある。
ある特定の実施形態では、形態Iは、粒子分析によって特徴付けることができる。ある特定の実施形態では、形態Iの試料は、菱形結晶幾何形状を有する粒子を含む。さらに別の実施形態では、形態Iの試料は、長さが、約100、約90、約80、約70、約60、約50、約40、約30、約20、約10、約5μMの粒子を含む。一部の実施形態では、形態Iの試料は、長さが、約70、約60、約40、約20、約10μMの粒子を含む。他の実施形態では、形態Iの試料は、長さが、約69.39、約56.22、約34.72、約17.84、約10.29μMの粒子を含む。
II.医薬組成物
同様に、バルベナジンおよび(+)-α-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オールまたはその薬学的に許容される塩および/もしくは同位体改変体から選択される小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害剤を必要とする患者を処置するための組成物であって、治療有効量のVMAT2阻害剤を含む、組成物が提供される。
ある特定の実施形態では、組成物は、神経学的または精神医学的疾患または障害を処置するためのものである。ある特定の実施形態では、神経学的または精神医学的疾患または障害は、統合失調症である。ある特定の実施形態では、処置は、アドオン処置または補助処置である。
ある特定の実施形態では、組成物は、約20mg~約120mgのVMAT2阻害剤のバルベナジン遊離塩基に等しい量で投与される。ある特定の実施形態では、組成物は、約20mgのVMAT2阻害剤のバルベナジン遊離塩基に等しい量で投与される。ある特定の実施形態では、組成物は、約40mgのVMAT2阻害剤のバルベナジン遊離塩基に等しい量で投与される。ある特定の実施形態では、組成物は、約80mgのVMAT2阻害剤のバルベナジン遊離塩基に等しい量で投与される。ある特定の実施形態では、組成物は、約60mgのVMAT2阻害剤のバルベナジン遊離塩基に等しい量で投与される。ある特定の実施形態では、組成物は、約120mgのVMAT2阻害剤のバルベナジン遊離塩基に等しい量で投与される。
ある特定の実施形態では、組成物は、第1の量のVMAT2阻害剤で第1の期間、投与され、次に、この量が第2の量まで増加される。ある特定の実施形態では、第1の期間は、1週間である。ある特定の実施形態では、第1の量は、約40mgのバルベナジン遊離塩基に等しい。ある特定の実施形態では、第2の量は、約80mgのバルベナジン遊離塩基に等しい。
同様に、神経学的または精神医学的疾患または障害の処置に使用するための医薬組成物であって、1種または複数の薬学的に許容される担体または賦形剤と組み合わせた、活性医薬成分としてのVMAT2阻害剤を含む、医薬組成物が本明細書において提供される。
賦形剤の選択は、特定の投与様式、活性成分の溶解度および安定性に対する賦形剤の効果、ならびに剤形の性質などの要因に大幅に依存する。
本明細書に提供される医薬組成物は、単位剤形または複数剤形で提供されてもよい。単位剤形は、本明細書で使用される場合、ヒトおよび動物被験体への投与に好適であり、当技術分野で公知のように個々に包装される物理的に別個の単位を指す。各単位用量は、必要とされる薬学的担体または賦形剤と関連して、所望の治療効果を生じるのに十分な活性成分の所定の分量を含有する。単位剤形の例として、アンプル、シリンジならびに個々に包装される錠剤およびカプセルが挙げられる。単位剤形は、その一部または複数で投与されてもよい。複数剤形は、分離された単位剤形で投与されるように単一の容器に包装された複数の同一の単位剤形である。複数剤形の例として、バイアル、錠剤もしくはカプセルのボトル、またはパイントもしくはガロンのボトルが挙げられる。
本明細書に提供される医薬組成物は、単独で、または本明細書に提供される1種もしくは複数の他の化合物、1種もしくは複数の他の活性成分との組合せで投与されてもよい。本明細書に提供される医薬組成物は、経口、非経口および局所的投与のための種々の剤形で製剤化されてもよい。医薬組成物はまた、遅延放出、延長放出(extended-release)、延長放出(prolonged-release)、持続放出、パルス放出、制御放出、加速放出および高速放出、標的化放出、プログラム化放出ならびに胃滞留剤形を含む改変された放出剤形として製剤化されてもよい。これらの剤形は、当業者に公知の従来の方法および技術に従って調製されてもよい。本明細書に提供される医薬組成物は、1回で、または時間間隔をおいて複数回で投与されてもよい。正確な投薬量および処置の継続時間は、処置されている患者の年齢、体重および状態とともに変化してもよく、公知の試験プロトコールを使用して経験的に、あるいはin vivoもしくはin vitro試験または診断データからの外挿によって決定されてもよいことが理解される。任意の特定の個体に関して、特定の投薬量レジメンは、個体の必要性および製剤を投与するまたは投与を監視する者の専門的な判断に応じて経時的に調整されるべきであることがさらに理解される。
III.使用方法
バルベナジンは、そのそれぞれの開示の全体が参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第10,857,137号;同第10,874,648号;同第10,912,771号;同第10,940,141号;同第10,952,997号;同第10,857,148号;および同第10,993,941号に開示されている方法にしたがって、統合失調症のアドオン処置のために投与することができる。バルベナジンは、そのそれぞれの開示の全体が参照により本明細書に組み込まれている、米国特許出願第17/080,343号および米国特許第11,04,029号に開示されている方法にしたがって、統合失調症のアドオン処置のために投与することができる。一部の実施形態では、バルベナジンは、統合失調症の補助処置のために投与される。
ある態様では、統合失調症のアドオン処置のための方法であって、それを必要とする被験体に、治療有効量の(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、被験体が、統合失調症を処置するための少なくとも1種の共治療剤(co-therapeutic agent)の投与も受けている、方法が本明細書において提供される。
ある態様では、統合失調症のアドオン処置のための方法であって、それを必要とする被験体に、治療有効量の(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、被験体が、陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)において、以下の症状:P1(妄想)、P3(幻覚)、P6(猜疑心)およびG9(不自然な思考内容)から選択される少なくとも1つの症状を有しており、さらに、被験体が、統合失調症を処置するための少なくとも1種の共治療剤の投与も受けている、方法が本明細書において提供される。
一態様では、それを必要とする被験体に、治療有効量の(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩を投与するステップを含む、統合失調症の補助処置のための方法であって、被験体が、統合失調症を処置するための少なくとも1種の共治療剤の投与も受けている、方法が本明細書において提供される。
一態様では、それを必要とする被験体に、治療有効量の(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩を投与するステップを含む、統合失調症の補助処置のための方法であって、被験体が、陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)において、以下の症状:P1(妄想)、P3(幻覚)、P6(猜疑心)およびG9(不自然な思考内容)から選択される少なくとも1つの症状を有しており、さらに、被験体が、統合失調症を処置するための少なくとも1種の共治療剤の投与も受けている、方法が本明細書において提供される。
ある特定の実施形態では、被験体は、統合失調症の少なくとも1つの徴候または症状を有する。ある特定の実施形態では、被験体は、寛解期の後に症状の再発または悪化を有する。ある特定の実施形態では、被験体は、統合失調症の再発の症状を示す。
ある特定の実施形態では、被験体は、統合失調症の少なくとも1つの陽性、陰性および/または認知徴候または症状を有する。
ある特定の実施形態では、少なくとも1つの徴候または症状は、妄想、幻覚、解体した会話、解体した行動もしくは注意、無快感症、緊張病性行動、感情の平坦化、アロギー、意欲喪失、概念の統合障害またはそれらの任意の組合せである。
ある特定の実施形態では、被験体は、合計PANSSスコア≧70を有する。
ある特定の実施形態では、被験体は、重症度の臨床全般印象度(Clinical Global Impression of Severity)スコア(CGI-S)≧4を有する。
ある特定の実施形態では、被験体は、安定なバックグラウンド抗精神病薬物治療用量を有する。
ある特定の実施形態では、被験体は、安定なPANSS合計スコアを有する。
ある特定の実施形態では、被験体は、残存症候性であるか、または統合失調症の第1選択もしくは第2選択処置後に、少なくとも1つの残留徴候もしくは症状を有する。
ある特定の実施形態では、被験体は、残存症候性である、または統合失調症の単独療法もしくは併用療法後に、少なくとも1つの残留徴候もしくは症状を有する。
ある特定の実施形態では、単独療法または併用療法は、初期治療である。
ある特定の実施形態では、少なくとも1種の共治療剤は、少なくとも1種の抗精神病剤である。
ある特定の実施形態では、抗精神病剤は、定型抗精神病剤である。
ある特定の実施形態では、定型抗精神病剤は、ベンペリドール、クロルプロマジン、ドロペリドール、フルペンチキソール、フルフェナジン、ハロペリドール、レボメプロマジン、ロキサピン、モリンドン、ペリシアジン、ペルフェナジン、ピモジド、プロクロルペラジン、プロマジン、スルピリド、チオチキセン、トリフルオペラジン、チオリダジン、ズクロペンチキソールまたはそれらの任意の組合せである。
ある特定の実施形態では、抗精神病剤は、非定型抗精神病剤である。
ある特定の実施形態では、非定型抗精神病剤は、クロザピン、オランザピン、リスペリドン、セルチンドール、クエチアピン、パリペリドン、アセナピン、ジプラシドン、スルモンチール、イロペリドン、アリピプラゾールまたはそれらの任意の組合せである。
ある特定の実施形態では、被験体は、治療量未満の用量の第2の抗精神病剤による併用処置を受けている。
ある特定の実施形態では、治療量未満の用量の第2の抗精神病剤による併用処置は、不眠症または不安などの特定の症状を処置するために使用される。
ある特定の実施形態では、治療量未満の用量の第2の抗精神病剤による併用処置は、不応性陽性精神病症状以外の症状を処置するために使用される。
ある特定の実施形態では、被験体は、少なくとも1種の抗精神病剤に対して不適切な応答を有する。
ある特定の実施形態では、被験体は、少なくとも1種の抗精神病剤の少なくとも第2の臨床的使用にある。
ある特定の実施形態では、被験体は、リスペリドンおよび/またはリスペリドン等価物の投与も受けている。
ある特定の実施形態では、被験体は、総1日用量が約4mg~約8mgのリスペリドンおよび/またはリスペリドン等価物の投与も受けている。
ある特定の実施形態では、被験体は、総1日用量が約4mg~約8mgの表2によるリスペリドン等価物のバックグラウンド抗精神病剤療法を受けている。
ある特定の実施形態では、被験体は、安定な抗精神病剤の用量を有する。
ある特定の実施形態では、安定な抗精神病剤の用量は、リスペリドン等価物総1日用量における≦25%の変化として定義される。
ある特定の実施形態では、被験体は、最大で2種の抗精神病剤の投与も受けている。
ある特定の実施形態では、合計した抗精神病剤総用量は、約4mg~約8mgの1日用量の表2によるリスペリドン等価物である。
ある特定の実施形態では、抗精神病剤は、クロザピン以外である。
ある特定の実施形態では、被験体は、処方用量の臨床的に有意な変化を伴わない、安定なレジメンの抗精神病剤を用いて処置される。
ある特定の実施形態では、処方用量の臨床的に有意な変化がないこととは、用量の増加がないこと、または耐容性が理由の用量の≦25%の低下である。
ある特定の実施形態では、用量調節は予期されない。
ある特定の実施形態では、被験体は、注射可能な長期作用型抗精神病剤の投与も受けている。
ある特定の実施形態では、注射可能な長期作用型抗精神病剤の用量変更はない。
ある特定の実施形態では、不適切な応答は、
陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)総スコアが≧70であること、
PANSSスコアがP1(妄想)、P3(幻覚)、P6(猜疑心)およびG9(不自然な思考内容)から選択される少なくとも1つの症状に対して≧4であること、
重症度の臨床全般印象度(CGI-S)スコアが≧4であること、
表2によるリスペリドン等価物総1日用量における≦25%の変化の、安定なバックグラウンド抗精神病薬物治療用量、ならびに
≦15%の変化の、安定なPANSS合計スコア
から選択される、少なくとも1つのベースライン基準を含む。
ある特定の実施形態では、被験体は、≧18歳の被験体の場合、精神障害の診断および統計マニュアル、第5版(DSM-V)の精神病性障害に関する精神病性障害に関するMINIバージョン7.0.2、または13~17歳の被験体の場合、K-SADS-PLによって定義される、統合失調症の確定診断を有する。
ある特定の実施形態では、被験体は、少なくとも1年間、統合失調症の確定された初期診断を有する。
ある特定の実施形態では、被験体は、少なくとも50kgの体重を有する少なくとも13歳である。
ある特定の実施形態では、被験体は、18歳より若い。ある特定の実施形態では、被験体は、≧13歳である。ある特定の実施形態では、被験体は、12~17歳である。ある特定の実施形態では、被験体は、18~64歳である。ある特定の実施形態では、被験体は、≧65歳である。
ある特定の実施形態では、被験体は、安定な総体的症状を有する外来患者である。
ある特定の実施形態では、被験体は、併存パーキンソニズムを有していない、および/または修正Simpson Angus評価尺度(SAS;#10、アカシジアを除外)でのスコア>6によって定義される錐体外路の徴候もしくは症状の最小レベルを超えて示さない、もしくはこれを示す。
ある特定の実施形態では、被験体は、以下の基準:
処置抵抗性精神病に対するクロザピン処置の病歴;ならびに/または
被験体が最小限の改善を実証するかもしくはまったく改善を実証しない、複数の適切な抗精神病薬物治療試験および抗精神病薬物治療試験の失敗の病歴
のうちの少なくとも1つによって定義される、処置抵抗性統合失調症を有さない。一部の実施形態では、薬物治療に耐容性を示さないことは、応答できないことを構成するものではない。
ある特定の実施形態では、被験体は、統合失調感情障害の診断;双極性障害の生涯診断;強迫性障害の生涯診断;パニック障害、うつエピソードおよび/またはMINIバージョン7.0.2に基づいて臨床的注意を要する他の併存精神医学的状態の最近の発生を有さない。ある特定の実施形態では、被験体は、統合失調感情障害の以前の生涯診断歴(historical prior lifetime diagnosis)を有するが、被験体の総合的な病歴、ならびに現在の臨床的提示および病歴は、統合失調感情障害ではなく、統合失調症と最も一致する。
ある特定の実施形態では、被験体は、統合失調症に関するカルガリーうつスケール(Calgary Depression Scale for Schizophrenia)(CDSS)スコア>8によって測定されるうつの証拠を有さない。
ある特定の実施形態では、被験体は、自殺を試みたことがない、および/またはコロンビア自殺重症度評価尺度(Columbia-Suicide Severity Rating Scale)(C-SSRS)において項目番号4もしくは5に関して肯定的な答えを有さない。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩は、最適化用量が投与されるまでの約6週間以内の期間にわたり、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルの上方用量設定(up-titration)を含む用量設定(titration)スキームにより投与される。
ある特定の実施形態では、用量設定スキームは、約2週間、1日1回、約40mgの(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステル遊離塩基に等価な初期用量で、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩を投与するステップであって、但し、被験体は、初期用量に耐容性を示すこと、および被験体は適切な応答を有さなかったことを条件とする、ステップ、用量を増加するステップ、ならびに被験体に増加した用量を投与するステップを含む。
ある特定の実施形態では、増加した用量は、1日1回、約60mgの(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステル遊離塩基に等しい。
ある特定の実施形態では、増加した用量は、1日1回、約80mgの(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステル遊離塩基に等しい。
ある特定の実施形態では、用量設定スキームは、約2週間、増加した用量の(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩を投与するステップをさらに含む。
ある特定の実施形態では、被験体が、増加した用量に耐容性を示さない場合、最適化用量は、初期用量である。
ある特定の実施形態では、被験体が、増加した用量に耐容性を示す場合、および被験体が、適切な応答を有した場合、最適化用量は、増加した用量である。
ある特定の実施形態では、本開示の方法は、最適化用量の(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩を被験体に投与するステップをさらに含む。
ある特定の実施形態では、被験体が、増加した用量に耐容性を示す場合、および被験体が、適切な応答を有していない場合、本方法は、用量を増加するステップをさらに含む。
ある特定の実施形態では、さらに増加した用量は、1日1回、約80mgの(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステル遊離塩基に等しい。
ある特定の実施形態では、被験体が、さらに増加した用量に耐容性を示さない場合、最適化用量は、増加した用量である。
ある特定の実施形態では、被験体が、さらに増加した用量に耐容性を示す場合、および被験体が、適切な応答を有した場合、最適化用量は、さらに増加した用量である。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩は、午後または夕方に投与される。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩の投与前に、被験体は、リスペリドン等価物総1日用量における≦25%の変化を伴う抗精神病剤の安定なレジメンにより処置される。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩の投与前に、被験体は、処方用量の臨床的に有意な変化を伴わないで、抗精神病剤の安定なレジメンにより処置される。
ある特定の実施形態では、処方用量の臨床的に有意な変化がないこととは、用量の増加がないこと、または≧3週間、処方用量において、耐容性が理由となる用量の低下が≦25%であることである。
ある特定の実施形態では、用量調節は予期されない。
ある特定の実施形態では、被験体は、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩の投与前の8週間以内に、用量変更を伴わないで、注射可能な長期作用型抗精神病剤の投与も受けている。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩の投与前に、被験体は、統合失調症の精神障害の診断および統計マニュアル、第5版(DSM-V)の診断を有する。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩の投与前に、被験体は、≧18歳の被験体の場合、精神障害の診断および統計マニュアル、第5版(DSM-V)の精神病性障害に関するMINIバージョン7.0.2、または13~17歳の被験体の場合、K-SADS-PLによって定義される、統合失調症の確定診断を有する。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩の投与前に、被験体は、少なくとも1年間、統合失調症の確定された初期診断を有する。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩の投与前に、被験体は、陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)において、以下の症状:P1(妄想)、P3(幻覚)、P6(猜疑心)およびG9(不自然な思考内容)から選択される少なくとも1つの症状を有する。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩の投与前に、被験体は、≧70の合計PANSSスコアを有する。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩の投与前に、被験体は、≦15%の変化を伴う安定なPANSS合計スコアを有する。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩の投与前に、被験体は、≧4の重症度の臨床全般印象度(CGI-S)スコアを有する。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩の投与前に、被験体は、表2によるリスペリドン等価物総1日用量における≦25%の変化を伴う、安定なバックグラウンド抗精神病薬物治療用量を有する。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩の投与前に、被験体は、≧3週間、安定な総体的症状を有する外来患者である。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩の投与前に、被験体は、以下の基準:
処置抵抗性精神病に対するクロザピン処置の病歴;ならびに/または、
被験体が最小限の改善を実証するかもしくはまったく改善を実証しない、複数の適切な抗精神病薬物治療試験および抗精神病薬物治療試験の失敗の病歴
のうちの少なくとも1つによって定義される処置抵抗性統合失調症を有さない。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩の投与前に、被験体は、統合失調感情障害の診断;双極性障害の生涯診断;強迫性障害の生涯診断;パニック障害、うつエピソードおよび/またはMINIバージョン7.0.2に基づいて臨床的注意を要する他の併存精神医学的状態の最近の発生を有さない。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩の投与前に、被験体は、統合失調症に関するカルガリーうつスケール(CDSS)スコア>8によって測定されるうつの証拠を有さない。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩の投与前に、被験体は、1年以内に自殺を試みたことがない、および/またはコロンビア自殺重症度評価尺度(C-SSRS)において項目番号4もしくは5に関して肯定的な答えを有さない。
ある特定の実施形態では、アドオン処置は、分析ベースラインから10週目までに合計PANSSスコアの変化;分析ベースラインから10週目までに疾病のCGI-Sの変化、分析ベースラインから10週目までに個人的社会的機能遂行度(Personal and Social Performance)(PSP)スコアの変化、ベースラインから10週目までにEuroQol5次元5レベル(EuroQol 5 Dimensions 5 Level)(EQ-5D-5L;被験体≧18歳)もしくはEQ-5Dユース(EQ-5D Youth)(EQ-5D-Y;被験体13~17歳)のVASスコアの変化;および/またはベースラインから10週目までにシーハン障害尺度(SDS)の変化をもたらす。
ある特定の実施形態では、処置は、ベースライン時における被験体のスコアに比べ、被験体のCGI-S陽性症状の低下をもたらす。
ある特定の実施形態では、処置は、分析ベースラインから10週目までにEuroQol5次元5レベル(EQ-5D-5L)スコアの変化、および/または分析ベースラインから10週目までにシーハン障害尺度(SDS)の変化をもたらす。
一部の実施形態では、バルベナジンは、統合失調症を有する被験体であって、抗精神病剤に不適切な応答を有した被験体において、補助処置として1日1回(QD)、経口投与される。
一部の実施形態では、統合失調症を有する被験体であって、抗精神病剤に不適切な応答を有した被験体において、補助処置として、バルベナジンを1日1回(QD)、経口投与すると、被験体におけるバックグラウンド抗精神病薬物治療の用量安定性が増大する。
一部の実施形態では、統合失調症を有する被験体であって、抗精神病剤に不適切な応答を有した被験体において、補助処置として、バルベナジンを1日1回(QD)、経口投与すると、被験体における処置服薬遵守および症状安定性が向上する。一部の実施形態では、統合失調症を有する被験体であって、抗精神病剤に不適切な応答を有した被験体において、補助処置として、バルベナジンを1日1回(QD)、経口投与すると、被験体の寛解がもたらされるか、または被験体が寛解に戻る。本明細書に開示されている統合失調症の補助療法のための方法のある特定の実施形態では、被験体は、寛解期の後に症状の再発または悪化を有する。ある特定の実施形態では、寛解は、被験体の行動を妨害しない総体的症状(symptomology)のレベルである、および/または統合失調症の診断に必要なものを下回る。
本明細書に開示されている統合失調症の補助療法のための方法のある特定の実施形態では、被験体は、統合失調症の再発の症状を示す。本明細書に開示されている統合失調症の補助療法のための方法のある特定の実施形態では、治療により再発が予防または回避される。
一部の実施形態では、統合失調症を有する被験体であって、抗精神病剤に不適切な応答を有した被験体において、補助処置として、バルベナジンを1日1回(QD)、経口投与すると、被験体における、統合失調症の総体的症状の安定性、処置服薬遵守が増大する、および/またはバックグラウンド抗精神病薬物治療の用量安定性が増大する。
一部の実施形態では、統合失調症を有する被験体であって、抗精神病剤に不適切な応答を有した被験体において、補助処置として、バルベナジンの1日1回(QD)の経口投与(バルベナジンは、一定期間、初期用量、次いで、予定用量で投与される)は増大する。ある特定の実施形態では、初期用量のための期間は、1週間である。ある特定の実施形態では、初期用量は、約40mgの(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステル遊離塩基に等しい。ある特定の実施形態では、増加した用量は、約60mgの(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステル遊離塩基に等しい。ある特定の実施形態では、増加した用量は、約80mgの(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステル遊離塩基に等しい。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩は、固体剤形の形態である。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩は、経口投与される。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩は、カプセルの形態である。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩は、毎日、投与される。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩は、1日1回または1日2回、投与される。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩は、1日1回、投与される。
ある特定の実施形態では、治療有効量は、約10mg~約90mgの(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステル遊離塩基に等しい量である。
ある特定の実施形態では、治療有効量は、約20mg~約80mgの(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステル遊離塩基に等しい量である。
ある特定の実施形態では、治療有効量は、約20mgの(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステル遊離塩基に等しい量である。
ある特定の実施形態では、治療有効量は、約40mgの(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステル遊離塩基に等しい量である。
ある特定の実施形態では、治療有効量は、約60mgの(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステル遊離塩基に等しい量である。
ある特定の実施形態では、治療有効量は、約80mgの(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステル遊離塩基に等しい量である。
ある特定の実施形態では、治療有効量は、約40mg/日の(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステル遊離塩基に等しい量である。
ある特定の実施形態では、治療有効量は、約60mg/日の(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステル遊離塩基に等しい量である。
ある特定の実施形態では、治療有効量は、約80mg/日の(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステル遊離塩基に等しい量である。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルは、遊離塩基である。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルは、塩である。ある特定の実施形態では、塩はトシル酸塩である。
ある特定の実施形態では、トシル酸塩は、構造式(I)の(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルトシル酸塩:
である。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;または薬学的に許容される塩は、結晶形態である。
ある特定の実施形態では、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;または薬学的に許容される塩の結晶形態は、243℃の2%以内に示差走査熱量測定(DSC)ピーク温度を有する、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルトシル酸塩の形態lである。
ある特定の実施形態では、DSCピーク温度は、243℃の1%以内にある。
ある特定の実施形態では、DSCピーク温度は、243℃の0.5%以内にある。
ある特定の実施形態では、結晶形態は、6.3°±0.2°の2シータ角度にピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。
ある特定の実施形態では、結晶形態は、17.9°±0.2°の2シータ角度にピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。
ある特定の実施形態では、結晶形態は、19.7°±0.2°の2シータ角度にピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。
ある特定の実施形態では、結晶形態は、約25℃および約60%の相対湿度に曝露時に安定である。
ある特定の実施形態では、結晶形態は、約70μMの長さのD90粒子サイズを有する。
ある特定の実施形態では、結晶形態は、約10μMの長さのD10粒子サイズを有する。
ある特定の実施形態では、結晶形態は、97重量%以上の純度の(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルトシル酸塩を有する。
ある特定の実施形態では、結晶形態は、98重量%以上の純度の(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルトシル酸塩を有する。
ある特定の実施形態では、結晶形態は、97重量%以上の純度の(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルトシル酸塩を有しており、6.3°±0.2°、17.9°±0.2°および19.7°±0.2°の2シータ角度にピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。
一部の実施形態では、統合失調症のアドオン処置のための方法であって、患者が、強力なシトクロムP450 2D6(CYP2D6)阻害剤の投与も受けており、
患者に、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルによって測定される約40mgに等しい量で、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルおよびその薬学的に許容される塩から選択される、小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害剤を、1日1回、経口投与するステップ
を含む、方法が本明細書において提供される。
一部の実施形態では、統合失調症のアドオン処置のための方法であって、患者が、シトクロムP450 2D6(CYP2D6)低代謝群であり、
患者に、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルによって測定される約40mgに等しい量で、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルおよびその薬学的に許容される塩から選択される、小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害剤を、1日1回、経口投与するステップ
を含む、方法が本明細書において提供される。
一部の実施形態では、統合失調症のアドオン処置のための方法であって、
(a)患者に、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルおよびその薬学的に許容される塩から選択される、治療有効量の小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害剤を経口投与するステップ、
(b)続いて、患者が、シトクロムP450 2D6(CYP2D6)低代謝群であることを決定するステップ、ならびに
(c)患者に投与されるVMAT2阻害剤の投薬量を、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルによって測定すると、1日1回の約40mgに等しい量まで減量するステップ
を含む、方法が本明細書において提供される。
一部の実施形態では、統合失調症のアドオン処置のための方法であって、
患者が、シトクロムP450 2D6(CYP2D6)の低代謝群であるかどうかを決定するステップ、および
患者が、シトクロムP450 2D6(CYP2D6)の低代謝群である場合、患者に、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルおよびその薬学的に許容される塩から選択される、第1の治療有効量の小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害剤を経口投与するステップであって、第1の治療有効量が、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルによって測定すると、1日1回、約40mgに等しい量である、ステップ、または
患者が、シトクロムP450 2D6(CYP2D6)の低代謝群ではない場合、患者に、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルおよびその薬学的に許容される塩から選択される、第2の治療有効量の小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害剤を経口投与するステップであって、第2の治療有効量が、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルによって測定すると、1週間、1日1回、約40mgに等しい量である、ステップ、および続いて、1週間後に、増加量のVMAT2阻害剤を投与するステップ
を含む、方法が本明細書において提供される。
一部の実施形態では、統合失調症のアドオン処置のための方法であって、
(a)患者に、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルのジトシル酸塩である、治療有効量の小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害剤を経口投与するステップであって、治療有効量が、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルによって測定すると、1日1回、約40mgに等しい量である、ステップ、
(b)続いて、患者が、シトクロムP450 2D6(CYP2D6)の低代謝群であることを決定するステップ、および
(c)同じ治療有効量のVMAT2阻害剤を患者に投与するステップ
を含む、方法が本明細書において提供される。
一部の実施形態では、統合失調症のアドオン処置のための方法であって、患者が、シトクロムP450 2D6(CYP2D6)低代謝群であり、
患者に、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルおよびその薬学的に許容される塩から選択される、治療有効量の小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害剤を1日1回、経口投与するステップ
を含む、方法が本明細書において提供される。
一部の実施形態では、患者が強力なシトクロムP450 3A4(CYP3A4)誘発因子により処置されている、バルベナジンおよび(+)-α-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オールまたはその薬学的に許容される塩、もしくはそれらの同位体改変体から選択される、小胞モノアミン輸送体(VMAT2)阻害剤を投与する方法であって、
強力なCYP3A4誘発因子の処置を中止し、次に、VMAT2阻害剤を患者に投与し、これによって、強力なCYP3A4誘発因子と組み合わせてVMAT2阻害剤を使用することを回避する、ステップ
を含む、方法が本明細書において提供される。
一部の実施形態では、それを必要とする患者における統合失調症のアドオン処置のための方法であって、患者が、強力なシトクロムP450 3A4(CYP3A4)誘発因子の投与を受けており、
強力なCYP3A4誘発因子の処置を中止するステップ、および次に、
患者に、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルおよびその薬学的に許容される塩から選択される、治療有効量の小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害剤を1日1回、経口投与し、これによって、VMAT2阻害剤の強力なCYP3A4誘発因子との同時使用を回避する、ステップ
を含む、方法が本明細書において提供される。
一部の実施形態では、統合失調症のアドオン処置のための方法であって、患者が、強力なシトクロムP450 3A4(CYP3A4)阻害剤の投与も受けており、
患者に、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルによって測定される約40mgに等しい量で、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルおよびその薬学的に許容される塩から選択される、小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害剤を、1日1回、経口投与するステップ
を含む、方法が本明細書において提供される。
一部の実施形態では、患者における、統合失調症のアドオン処置のための方法であって、
(a)患者に、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルおよびその薬学的に許容される塩から選択される、治療有効量の小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害剤を経口投与するステップ、
(b)続いて、患者が、強力なシトクロムP450 3A4(CYP3A4)阻害剤の投与を受けていることを決定するステップ、ならびに
(c)患者に投与されるVMAT2阻害剤の投薬量を、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルによって測定すると、1日1回、約40mgに等しい量まで減量するステップ
を含む、方法が本明細書において提供される。
一部の実施形態では、患者における、統合失調症のアドオン処置のための方法であって、
(a)患者に、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルのジトシル酸塩である、治療有効量の小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害剤を経口投与するステップであって、治療有効量が、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルによって測定すると、1日1回、約40mgに等しい量である、ステップ、
(b)続いて、患者が、強力なシトクロムP450 3A4(CYP3A4)阻害剤の投与を受けていることを決定するステップ、および
(c)同じ治療有効量のVMAT2阻害剤を患者に投与するステップ
を含む、方法が本明細書において提供される。
一部の実施形態では、統合失調症のアドオン処置のための方法であって、患者が、ジゴキシンの共投与も受けており、
(a)患者に、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステル、(+)-α-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オールならびにその薬学的に許容される塩、および同位体改変体から選択される、治療有効量の小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害剤を投与するステップ、
(b)患者の血液中のジゴキシンの濃度をモニタリングするステップ、ならびに
(c)患者の血液におけるジゴキシン曝露が、ジゴキシンの単独投与を受けている患者におけるジゴキシンレベルと比べて向上している場合、ジゴキシンの用量を低減するステップ
を含む、方法が本明細書において提供される。
一部の実施形態では、統合失調症のアドオン処置のための方法であって、患者がジゴキシンによる処置も必要としており、
患者に、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルジトシトレートである、治療有効量の小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害剤を経口投与するステップ、および
ジゴキシンとVMAT2阻害剤の共投与に起因する曝露の予期される増大を相殺するため、患者に低減された用量のジゴキシンを投与するステップであって、
患者がVMAT2阻害剤の投与を受けていない場合に、低減された用量が、患者が投与を受けると思われるものに対してのものである、ステップ
を含む、方法が本明細書において提供される。
一部の実施形態では、それを必要とする被験体に、治療有効量の(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩を投与するステップを含む、統合失調症の補助処置のための方法であって、被験体が、統合失調症を処置するための少なくとも1種の共治療剤の投与も受けている方法が、本明細書において提供される。
それを必要とする患者における、統合失調症の補助処置のための方法であって、有効量の小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害剤を投与するステップを含む方法が、本明細書において提供される。
同様に、それを必要とする患者における、統合失調症の1つまたは複数の症状の補助処置のための方法であって、有効量の小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害剤を投与する、ステップを含む方法が提供される。
同様に、それを必要とする患者における、残存症状の処置のための方法であって、患者に治療有効量の小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害剤を投与するステップを含む、方法が提供される。
一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、バルベナジン、またはその薬学的に許容される塩および/もしくは同位体改変体から選択される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、バルベナジンまたはその薬学的に許容される塩である。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、バルベナジントシル酸塩である。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、バルベナジンのジトシル酸塩である。
一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、L-バリン(2R,3R,11bR)-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-9,10-ジ(メトキシ-d3)-3-(2-メチルプロピル)-2H-ベンゾ[a]キノリジン-2-イルエステルである同位体改変体、またはその薬学的に許容される塩である。
一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、テトラベナジン(9,10-ジメトキシ-3-イソブチル-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オン)またはその薬学的に許容される塩および/もしくは同位体改変体である。一部の実施形態では、テトラベナジンは、テトラベナジンのRR、SS、RSおよびSR異性体ならびにそれらの混合物から選択される。一部の実施形態では、テトラベナジンは、RRおよびSS異性体の混合物である。
一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、デューテトラベナジンである。
一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、ジヒドロテトラベナジン(2-ヒドロキシ-3-(2-メチルプロピル)-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-9,10-ジメトキシ-ベンゾ(a)キノリジン)またはその薬学的に許容される塩および/もしくは同位体改変体から選択される。一部の実施形態では、ジヒドロテトラベナジンは、ジヒドロテトラベナジンのRRR、SSS、SSRR、RSS、SSR、RRS、RSRおよびSRS異性体ならびにそれらの混合物から選択される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、RRR異性体((+)-α-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オール)またはその薬学的に許容される塩および/もしくは同位体改変体である。
一部の実施形態では、患者は、統合失調症の処置のための1種または複数の抗精神病薬物治療の投与も受けている。一部の実施形態では、患者は、1つまたは複数の抗精神病薬物治療に不適切な応答を有する。一部の実施形態では、患者は、1つまたは複数の抗精神病薬物治療の少なくとも第2の臨床的使用中である。
一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、最適化用量が投与されるまでの約6週間以内の期間にわたり、VMAT2阻害剤の上方用量設定を含む、用量設定スキームにより投与される。
一部の実施形態では、用量設定スキームは、VMAT2阻害剤を、約2週間、1日1回、約40mgのバルベナジン遊離塩基に等価な初期用量で投与するステップ(但し、患者は、初期用量に耐容性を示すこと、および患者が適切な応答を有さないことを条件とする)、用量を増加するステップ、および増加した用量を患者に投与するステップを含む。
一部の実施形態では、増加した用量は、1日1回の約60mgのバルベナジン遊離塩基に等しい。
一部の実施形態では、用量設定スキームは、約2週間、前記増加した用量のVMAT2阻害剤を投与するステップをさらに含む。
一部の実施形態では、患者が、増加した用量に耐容性を示さない場合、最適化用量は、初期用量である。
一部の実施形態では、患者が、増加した用量に耐容性を示す場合、および患者が、適切な応答を有した場合、最適化用量は、増加した用量である。
一部の実施形態では、本方法は、最適化用量のVMAT2阻害剤を患者に投与するステップをさらに含む。
一部の実施形態では、患者が、増加した用量に耐容性を示す場合、および患者が、適切な応答を有していない場合、本方法は、用量を増加するステップをさらに含む。
一部の実施形態では、さらに増加した用量は、1日1回の約80mgのバルベナジン遊離塩基に等しい。
一部の実施形態では、患者が、さらに増加した用量に耐容性を示さない場合、最適化用量は、増加した用量である。
一部の実施形態では、患者が、さらに増加した用量に耐容性を示す場合、および患者が、適切な応答を有した場合、最適化用量は、さらに増加した用量である。
一部の実施形態では、本方法は、最適化用量のVMAT2阻害剤を患者に投与するステップをさらに含む。
一部の実施形態では、処置の安全性は、以下の評価:錐体外路症状評価尺度-(ESRS-A)およびコロンビア自殺重症度評価尺度(C-SSRS)のうちの1つまたは複数によって測定される。一部の実施形態では、処置の安全性は、PANSS、CGI-S、PSP、EQ-5D-5L(またはEQ-5D-Y)、SASおよびSDSのうちの1つまたは複数によって測定される。
一部の実施形態では、簡易遵守評価尺度(BARS尺度)を使用して、試験処置および/またはバックグラウンド抗精神病剤遵守をモニタリングする。一部の実施形態では、薬物治療遵守モバイルアプリケーションを使用して、試験処置および/またはバックグラウンド抗精神病剤遵守をモニタリングする。
一実施形態では、ヒト小胞モノアミン輸送体アイソフォーム2(VMAT2)の処置阻害のための方法であって、被験体に、非晶質形態または結晶形態I、II、III、IV、VもしくはVIの、治療有効量の(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネート)(式I)もしくはその同位体改変体;またはそれらの溶媒和物を投与するステップを含む、方法が本明細書において提供される。
一実施形態では、ヒト小胞モノアミン輸送体アイソフォーム2(VMAT2)の処置阻害のための方法であって、被験体に、非晶質形態または結晶形態IもしくはIIの、治療有効量の(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエートジヒドロクロリド(式II)もしくはその同位体改変体;またはそれらの溶媒和物を投与するステップを含む、方法が本明細書において提供される。
経口投与
本明細書に提供される医薬組成物は、経口投与のための固体、半固体または液体剤形で提供されてもよい。本明細書で使用される場合、経口投与は、頬側、舌および舌下投与も含む。好適な経口剤形として、これらに限定されないが、錠剤、カプセル、丸剤、トローチ、ロゼンジ、錠剤(pastille)、カシェ剤、ペレット、薬用チューイングガム、顆粒、バルク粉末、発泡性または非発泡性粉末または顆粒、溶液、エマルジョン、懸濁物、溶液、ウエハ、スプリンクル(sprinkle)、エリキシルおよびシロップが挙げられる。活性成分に加え、医薬組成物は、これらに限定されないが、結合剤、充填剤、希釈剤、崩壊剤、湿潤剤、滑沢剤、流動促進剤(glidant)、着色剤、染料移行阻害剤、甘味剤および矯味矯臭剤を含む1種または複数の薬学的に許容される担体または賦形剤を含有してもよい。
結合剤または造粒剤(granulator)は、圧縮後に錠剤がインタクトなままであることを保証するために、錠剤に粘着性を付与する。好適な結合剤または造粒剤として、これらに限定されないが、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプンおよびアルファ化デンプン(例えば、STARCH1500)などのデンプン;ゼラチン;スクロース、グルコース、デキストロース、糖蜜およびラクトースなどの糖;アカシア、アルギン酸、アルギン酸塩、ヤハズツノマタの抽出物、パンワーガム、ガッティガム、イサゴールハスク(isabgol husk)の粘液、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン(PVP)、Veegum、カラマツアラビノガラクタン(arabogalactan)、粉末状トラガカントおよびグアーガムなどの天然および合成ガム;エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などのセルロース;AVICEL-PH-101、AVICEL-PH-103、AVICEL RC-581、AVICEL-PH-105(FMC Corp.、Marcus Hook、Pa)などの微結晶性セルロース;ならびにこれらの混合物が挙げられる。好適な充填剤として、これらに限定されないが、タルク、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、粉末状セルロース、デキストレート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプンおよびこれらの混合物が挙げられる。結合剤または充填剤は、本明細書に提供される医薬組成物中約50~約99重量%存在してもよい。
好適な希釈剤として、これらに限定されないが、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、ラクトース、ソルビトール、スクロース、イノシトール、セルロース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプンおよび粉糖が挙げられる。マンニトール、ラクトース、ソルビトール、スクロース、およびイノシトールなどのある特定の希釈剤は、十分な分量で存在する場合、一部の圧縮錠剤に、噛むことによって口の中での崩壊を可能にする特性を付与することができる。そのような圧縮錠剤は、咀嚼可能な錠剤として使用されてもよい。
好適な崩壊剤として、これらに限定されないが、アガー;ベントナイト;メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースなどのセルロース;木質製品;天然のスポンジ;カチオン交換樹脂;アルギン酸;グアーガムおよびVee gum HVなどのガム;柑橘類の果肉;クロスカルメロースなどの架橋セルロース;クロスポビドンなどの架橋ポリマー;架橋デンプン;炭酸カルシウム;デンプングリコール酸ナトリウムなどの微結晶性セルロース;ポラクリリンカリウム;トウモロコシ(com)デンプン、ジャガイモデンプ
ン、タピオカデンプン、およびアルファ化デンプンなどのデンプン;粘土;ならびにこれらの混合物が挙げられる。本明細書に提供される医薬組成物中の崩壊剤の量は、製剤の種類によって異なり、当業者に容易に識別可能である。本明細書に提供される医薬組成物は、約0.5~約15重量%または約1~約5重量%の崩壊剤を含有してもよい。
好適な滑沢剤として、これらに限定されないが、ステアリン酸カルシウム;ステアリン酸マグネシウム;鉱油;軽油(light mineral oil);グリセリン;ソルビトール;マンニトール;ベヘン酸グリセロールおよびポリエチレングリコール(PEG)などのグリコール;ステアリン酸;ラウリル硫酸ナトリウム;タルク;ピーナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油およびダイズ油を含む水素添加植物油;ステアリン酸亜鉛;オレイン酸エチル;ラウリン酸エチル;アガー;デンプン;セキショウシ;AEROSIL(登録商標)200(W.R. Grace Co.、Baltimore、MD)およびCAB-O-SIL(登録商標)(Boston、MassのCabot Co.)などのシリカまたはシリカゲル;ならびにこれらの混合物が挙げられる。本明細書に提供される医薬組成物は、約0.1~約5重量%の滑沢剤を含有してもよい。好適な流動促進剤として、コロイド状二酸化ケイ素、CAB-O-SIL(登録商標)(Boston、MassのCabot Co.)およびアスベスト非含有タルクが挙げられる。着色剤として、承認された、認定された水溶性FD&C染料、およびアルミナ水和物に懸濁された水不溶性FD&C染料およびレーキ顔料、ならびにこれらの混合物のいずれかが挙げられる。レーキ顔料は、水溶性染料を重金属の水和酸化物に吸着させ、染料の不溶性形態を生じることによる組合せである。矯味矯臭剤として、果実などの植物から抽出された天然の香料、ならびにペパーミントおよびサリチル酸メチルなどの心地良い味覚を生じる化合物の合成ブレンドが挙げられる。甘味剤として、スクロース、ラクトース、マンニトール、シロップ、グリセリンならびにサッカリンおよびアスパルテームなどの人工甘味料が挙げられる。好適な乳化剤として、ゼラチン、アカシア、トラガカント、ベントナイトおよびポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)20)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート80(TWEEN(登録商標)80)などの界面活性剤、およびトリエタノールアミンオレエートが挙げられる。懸濁化剤および分散剤として、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ペクチン、トラガカント、Veegum、アカシア、カルボメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびポリビニルピロリドンが挙げられる。保存剤として、グリセリン、メチルパラベンおよびプロピルパラベン、安息香酸(benzoic add)、安息香酸ナトリウムならびにアルコールが挙げられる。湿潤剤として、プロピレングリコールモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ジエチレングリコールモノラウレートおよびポリオキシエチレンラウリルエーテルが挙げられる。溶媒として、グリセリン、ソルビトール、エチルアルコールおよびシロップが挙げられる。エマルジョンで利用される非水性液体の例として、鉱油および綿実油が挙げられる。有機酸として、クエン酸および酒石酸が挙げられる。二酸化炭素の供給源として、重炭酸ナトリウムおよび炭酸ナトリウムが挙げられる。
多くの担体および賦形剤が、同じ製剤内においても複数の機能を果たす場合があることが理解されるべきである。本明細書に提供される医薬組成物は、圧縮錠剤、錠剤粉砕物、咀嚼可能なロゼンジ、急速溶解性錠剤、複数圧縮錠剤または腸溶性コーティング錠剤、糖コーティングもしくはフィルムコーティングされた錠剤として提供されてもよい。腸溶性コーティングされた錠剤は、胃酸の作用に抵抗するが腸内で溶解または崩壊し、それにより胃の酸性環境から活性成分を保護する物質でコーティングされた圧縮錠剤である。腸溶性コーティングとして、これらに限定されないが、脂肪酸、脂肪、サリチル酸フェニル、ワックス、シェラック、アンモニア化シェラックおよび酢酸フタル酸セルロースが挙げられる。糖コーティングされた錠剤は、不快な味または臭いを隠すこと、および錠剤を酸化から保護することに有益でありうる糖コーティングによって囲まれた圧縮錠剤である。フィルムコーティングされた錠剤は、水溶性材料の薄層またはフィルムで覆われた圧縮錠剤である。フィルムコーティングとして、これらに限定されないが、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリコール4000および酢酸フタル酸セルロースが挙げられる。フィルムコーティングは、糖コーティングと同じ一般的な特徴を付与する。複数圧縮錠剤は、1回より多くの圧縮サイクルによって作製された圧縮錠剤であり、層状錠剤、およびプレスコーティングまたはドライコーティングされた錠剤を含む。
錠剤の剤形は、単独、または結合剤、崩壊剤、制御放出ポリマー、滑沢剤、希釈剤および/もしくは着色剤を含む本明細書に記載される1種もしくは複数の担体もしくは賦形剤との組合せの、粉末状、結晶性または顆粒状形態の活性成分から調製されてもよい。矯味矯臭剤および甘味剤は、咀嚼可能な錠剤およびロゼンジの形成に特に有用である。
本明細書に提供される医薬組成物は、ゼラチン、メチルセルロース、デンプンまたはアルギン酸カルシウムから作製されうる軟質または硬質カプセルとして提供されてもよい。乾燥充填カプセル(DFC)としても公知の硬質ゼラチンカプセルは、1つが他方にすっぽり被さった2つの部分からなるため、活性成分を完全に封入する。軟質弾性カプセル(SEC)は、グリセリン、ソルビトールまたは同様のポリオールの添加によって可塑化されるゼラチンシェルなどの軟質の球状シェルである。軟質ゼラチンシェルは、微生物の成長を防止するための保存剤を含有してもよい。好適な保存剤は、メチルパラベンおよびプロピルパラベンならびにソルビン酸を含む本明細書に記載されるものである。本明細書に提供される液体、半固体および固体剤形は、カプセルにカプセル化されてもよい。好適な液体および半固体剤形は、炭酸プロピレン、植物油またはトリグリセリド中溶液および懸濁物を含む。カプセルはまた、活性成分の溶解を改変するまたは持続させるために、当業者に公知のようにコーティングされてもよい。
本明細書に提供される医薬組成物は、エマルジョン、溶液、懸濁物、エリキシルおよびシロップを含む液体および半固体剤形で提供されてもよい。エマルジョンは、1種の液体が小球の形態で別の液体中に分散された2相系であり、水中油または油中水であってもよい。エマルジョンは、薬学的に許容される非水性液体または溶媒、乳化剤および保存剤を含んでもよい。懸濁物は、薬学的に許容される懸濁化剤および保存剤を含んでもよい。アルコール水溶液は、低級アルキルアルデヒドのジ(低級アルキル)アセタール(「低級」という用語は、1~6個の間の炭素原子を有するアルキルを意味する)などの薬学的に許容されるアセタール、例えばアセトアルデヒドジエチルアセタール、ならびにプロピレングリコールおよびエタノールなどの1つまたは複数のヒドロキシル基を有する水混和性溶媒を含んでもよい。エリキシルは、透明な、甘味が付与された水アルコール溶液(hydroalcoholic solution)である。シロップは、糖、例えばスクロースの濃縮水溶液であり、保存剤も含有してもよい。液体剤形では、例えば、ポリエチレングリコール中溶液が、投与のために好都合に測定されるのに十分な分量の薬学的に許容される液体担体、例えば水で希釈されてもよい。
他の有用な液体および半固体剤形として、これらに限定されないが、本明細書に提供される活性成分、および1,2-ジメトキシメタン、ジグリム、トリグリム、テトラグリム、ポリエチレングリコール-350-ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール-550-ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール-750-ジメチルエーテルを含むジアルキル化モノまたはポリアルキレングリコールを含有するものが挙げられ、ここで350、550、および750は、ポリエチレングリコールのおよその平均分子量を指す。これらの製剤は、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、ビタミンE、ヒドロキノン、ヒドロキシクマリン、エタノールアミン、レシチン、セファリン、アスコルビン酸、リンゴ酸、ソルビトール、リン酸、重亜硫酸塩、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオジプロピオン酸およびそのエステル、ならびにジチオカルバメートなどの1種または複数の酸化防止剤をさらに含んでもよい。
また、本明細書に提供される経口投与用医薬組成物は、リポソーム、ミセル、マイクロスフェアまたはナノシステムの形態で提供されてもよい。
本明細書に提供される医薬組成物は、液体剤形に再構成される非発泡性または発泡性の顆粒および粉末として提供されてもよい。非発泡性顆粒または粉末に使用される薬学的に許容される担体および賦形剤として、希釈剤、甘味料および湿潤剤を挙げることができる。発泡性顆粒または粉末に使用される薬学的に許容される担体および賦形剤として、有機酸および二酸化炭素の供給源を挙げることができる。着色剤および矯味矯臭剤は、上記の剤形のすべてで使用することができる。本明細書に提供される医薬組成物は、即時放出、または遅延放出形態、持続放出形態、パルス放出形態、制御放出形態、標的化放出形態およびプログラム化放出形態を含む改変された放出剤形として製剤化されてもよい。
本明細書に提供される医薬組成物は、所望の治療作用を付与しない他の活性成分と、または制酸薬、プロトンポンプ阻害剤およびH受容体アンタゴニストなどの所望の作用を補う物質と共製剤化されてもよい。
投薬量
統合失調症または他の状態、VMAT2阻害に関連する障害または疾患の症状の処置において、適切な投薬量レベルは、一般的に、1日あたり患者の体重kgあたり約0.001~100mg(1日あたりのmg/kg)、1日あたり約0.01~約80mg/kg、1日あたり約0.1~約50mg/kg、1日あたり約0.5~約25mg/kg、または1日あたり約1~約20mg/kgであり、これは単一または複数用量で投与されてもよい。この範囲内で、投薬量は、1日あたり0.005~0.05、0.05~0.5、または0.5~5.0、1~15、1~20または1~50mg/kgであってもよい。ある特定の実施形態では、投薬量レベルは、1日あたり約0.001~100mg/kgである。
ある特定の実施形態では、投薬量レベルは、1日あたり20~100mg/kg程度である。ある特定の実施形態では、投薬量レベルは、1日あたり約0.01~約40mg/kgである。ある特定の実施形態では、投薬量レベルは、1日あたり約0.1~約80mg/kgである。ある特定の実施形態では、投薬量レベルは、1日あたり約0.1~約50mg/kgである。ある特定の実施形態では、投薬量レベルは、1日あたり約0.1~約40mg/kgである。ある特定の実施形態では、投薬量レベルは、1日あたり約0.5~約80mg/kgである。ある特定の実施形態では、投薬量レベルは、1日あたり約0.5~約40mg/kgである。ある特定の実施形態では、投薬量レベルは、1日あたり約0.5~約25mg/kgである。ある特定の実施形態では、投薬量レベルは、1日あたり約1~約80mg/kgである。ある特定の実施形態では、投薬量レベルは、1日あたり約1~約75mg/kgである。ある特定の実施形態では、投薬量レベルは、1日あたり約1~約50mg/kgである。ある特定の実施形態では、投薬量レベルは、1日あたり約1~約40mg/kgである。ある特定の実施形態では、投薬量レベルは、1日あたり約1~約25mg/kgである。ある特定の実施形態では、投薬量レベルは、1日あたり約1~約20mg/kgである。
ある特定の実施形態では、投薬量レベルは、1日あたり5.0~150mg程度であり、ある特定の実施形態では、1日あたり10~100mgである。ある特定の実施形態では、投薬量レベルは、1日あたり約80mgである。ある特定の実施形態では、投薬量レベルは、1日あたり約40mgである。
経口投与では、医薬組成物は、処置される患者に対する投薬量の症候性調整のために、1.0~1,000mgの活性成分、特に約1、約5、約10、約15、約20、約25、約30、約40、約45、約50、約75、約80、約100、約150、約200、約250、約300、約400、約500、約600、約750、約800、約900および約1,000mgの活性成分を含有する錠剤またはカプセルの形態で提供されてもよい。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、約100mgの活性成分を含有する錠剤またはカプセルの形態で提供されてもよい。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、約80mgの活性成分を含有する錠剤またはカプセルの形態で提供されてもよい。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、約60mgの活性成分を含有する錠剤またはカプセルの形態で提供されてもよい。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、約50mgの活性成分を含有する錠剤またはカプセルの形態で提供されてもよい。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、約40mgの活性成分を含有する錠剤またはカプセルの形態で提供されてもよい。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、約20mgの活性成分を含有する、錠剤またはカプセルの形態で提供されうる。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、約25mgの活性成分を含有する、錠剤またはカプセルの形態で提供されうる。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、約20mgの活性成分を含有する、錠剤またはカプセルの形態で提供されうる。組成物は、1日1回、2回、3回および4回を含めた、1日あたり1~4回のレジメンで投与されてもよい。ある特定の実施形態では、本医薬組成物は、1日1回のレジメンで投与される。
しかし、任意の特定の対象に対する特定の用量レベルおよび投薬頻度は異なってもよく、用いられる特定の化合物の活性、その化合物の代謝安定性および作用の長さ、年齢、体重、全般的健康、性別、食事、投与様式および時間、排泄速度、薬物の組合せ、特定の状態の重症度、ならびに治療を受ける宿主を含む種々の要因に依存することが理解される。
本明細書に提供される化合物はまた、本明細書に提供される化合物が有用である疾患または状態、および抗精神病薬物治療によって一般的に処置される他の状態の1種または複数の症状の処置、予防または好転において有用な他の薬剤と組み合わされてもよく、またはそれらとの組合せで使用されてもよい。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される化合物はまた、定型抗精神病薬と組み合わされてもよく、またはそれらとの組合せで使用されてもよい。ある特定の実施形態では、定型抗精神病薬は、フルフェナジン、ハロペリドール、ロキサピン、モリンドン、ペルフェナジン、ピモジド、スルピリド、チオリダジンまたはトリフルオペラジンである。ある特定の実施形態では、抗精神病薬は、非定型抗精神病薬である。ある特定の実施形態では、非定型抗精神病薬は、クロザピン、アリピプラゾール、アセナピン、イロペリドン、オランザピン、パリペリドン、クエチアピン、リスペリドンまたはジプラシドンである。
そのような他の薬剤または薬物は、その一般的に使用される経路および量で、本明細書に提供される化合物と同時にまたは逐次的に投与されてもよい。本明細書に提供される化合物が1種または複数の他の薬物と同時に使用される場合、本明細書に提供される化合物に加えてそのような他の薬物を含有する医薬組成物が利用されてもよいが、必須ではない。したがって、本明細書において提供される医薬組成物は、本明細書において提供される化合物に加えて、1種または複数の他の活性成分または治療剤も含有するものを含む。
本明細書において提供される化合物の第2の活性成分に対する重量比は変化してもよく、各成分の有効用量に依存する。一般的に、それぞれの有効用量が使用される。したがって、例えば、本明細書において提供される化合物が第2の薬物、またはそのような他の薬物を含有する医薬組成物との組合せで使用される場合、粒子状物質の第2の薬物に対する重量比は、約1,000:1~約1:1,000、または約200:1~約1:200の範囲とすることができる。
本明細書において提供される粒子状物質と他の活性成分との組合せもまた、一般的に前述の範囲内にあるが、各場合において、各活性成分の有効用量が使用されるべきである。
ある特定の実施形態では、VMAT2阻害剤は、経口投与される。
ある特定の実施形態では、VMAT2阻害剤は、カプセルの形態で投与される。
ある特定の実施形態では、VMAT2阻害剤は、食物とともにまたは伴わずに投与される。
本明細書において提供される化合物はまた、本明細書において提供される化合物が有用である疾患または状態の1つまたは複数の症状の処置、予防または好転において有用な他の薬剤と組み合わされてもよく、またはそれらとの組合せで使用されてもよい。
一実施形態では、本明細書において提供される化合物はまた、統合失調症の処置に有用な他の薬剤と組み合わされてもよく、またはそれらとの組合せで使用されてもよい。
そのような他の薬剤または薬物は、その一般的に使用される経路および量で、本明細書において提供される化合物と同時にまたは逐次的に投与されてもよい。本明細書において提供される粒子状物質が、1種または複数の他の薬物と同時に使用される場合、本明細書において提供される化合物に加えてそのような他の薬物を含有する医薬組成物が利用されてもよいが、必須ではない。したがって、本明細書に提供される医薬組成物は、本明細書に提供される化合物に加えて1種または複数の他の活性成分または治療剤も含有するものを含む。
本明細書に提供される化合物の第2の活性成分に対する重量比は変化してもよく、各成分の有効用量に依存する。一般的に、それぞれの有効用量が使用される。したがって、例えば、本明細書に提供される化合物が第2の薬物、またはそのような他の薬物を含有する医薬組成物との組合せで使用される場合、粒子状物質の第2の薬物に対する重量比は、約1,000:1~約1:1,000、または約200:1~約1:200の範囲でありうる。 本明細書に提供される粒子状物質と他の活性成分との組合せも、一般的に前述の範囲内であるが、各場合において各活性成分の有効用量が使用されるべきである。
本開示の例示的な実施形態が以下の実施例に提供される。以下の実施例はほんの例示として、かつ本開示を使用する上で当業者を支援するために提示される。実施例は、決して本開示の範囲を別様に制限するものではない。
IV.実施例
(実施例1:統合失調症を有する被験体において、補助処置としてのバルベナジンの有効性、安全性および耐容性を評価するための、第3相無作為化二重盲検プラセボ対照試験)
ヒト被験体において、統合失調症の補助処置のためのバルベナジンの有効性、安全性および耐容性を、第3相無作為化二重盲検プラセボ対照臨床試験にしたがって評価する。
試験目的:この試験の一次目的は、抗精神病剤処置に不適切な応答を有する被験体における、統合失調症の症状に対する補助バルベナジン対プラセボの効果を評価することである。この試験の二次目的は、(1)抗精神病剤処置への不適切な応答を有する被験体における、疾病重症度および被験体の機能に対する補助バルベナジン対プラセボの効果を評価すること、ならびに(2)抗精神病剤処置に不適切な応答を有する被験体における、補助処置としてのバルベナジンの安全性および耐容性を評価することである。試験設計は、以下の通りである。
バルベナジンは、抗精神病剤処置に不適切な応答を有している統合失調症を有する被験体において、補助処置として1日1回(QD)、経口投与される。その後、被験体を評価する。
統合失調症は、精神障害の診断および統計マニュアル、第5大改訂版(DSM-5)によって定義され、Mini精神疾患簡易構造化面接法(MINI[バージョン7.0.2];被験体が≧18歳の場合)または学齢小児のための情動障害および総合失調症のための児童スケジュール、現在および生涯バージョン(K-SADS-PL;13~17歳の被験体の場合)によって確認する。MINIは、臨床的に関連性のある資格および統合失調症を有する患者を評価した文書化経験を有する医療従事者(例えば、精神科医、精神科看護師または精神分析医)によって行われる。評価者は、この試験において、MINIの施行に関して訓練を受けて、資格を有していなければならない。MINIは、18歳またはこれより歳上の被験体において、治験責任医師または他の認定施設職員によってスクリーニング時に行われ、統合失調症の診断を確定する。K-SADS-PLは、13~17歳(両端を含む)の被験体において、治験責任医師または他の認定施設職員によってスクリーニング時に行われ、統合失調症の診断を確定する。
試験処置の期間および試験への参加:この試験は、最大で4週間のスクリーニング期間、2週間の盲検化プラセボ導入期間、8週間の無作為化二重盲検処置期間、および2週間のウォッシュアウト期間を含む。各被験体に関する試験への参加の予測期間は、ほぼ16週間であり、最大で4週間のスクリーニング期間、2週間の盲検化プラセボ導入期間、8週間の無作為化二重盲検処置期間、および2週間のウォッシュアウト期間を含む。
被験体は全員が、盲検化プラセボ導入期間の間に、2週間、プラセボを受容する。無作為化被験体は、無作為化二重盲検処置期間が終了するまで、3週目に開始した試験処置(バルベナジンまたはプラセボ)をQDで受ける。被験体は、合計で10週間(プラセボを2週間および無作為化試験処置を8週間)、試験処置を受ける。
適格被験体は、盲検化プラセボ導入期間(1日目から2週目の終了まで)に、1日1回(QD)、プラセボの経口で受容し、これを使用して、統合失調性症状の試験処置および安定性を含む服薬遵守を評価する。プラセボ導入期間の終了時(訪問3)に、被験体のすべてを1:1に無作為化し、8週間の無作為化二重盲検処置期間(3週目から10週目の終了まで)の間、バルベナジンまたはプラセボを経口、QDで受容する。試験処置の最後の用量の後(12週目の終了)に、2週間のウォッシュアウト期間を行う。この試験設計の概略図を図1に示す。この試験期間および試験訪問の間に試験施設において行われる試験評価のリストが、評価のスケジュールに提示されている(表5)。
盲検化プラセボ導入期間のために施設盲検(site blind)を維持するため、2つの型の試験プロトコールを用意する:
・ 盲検化プラセボ導入期間に関する詳細を提供する非盲検化プロトコール、および
・ 臨床試験施設に提出するためのプロトコールの盲検型であり、この場合、盲検化プラセボ導入期間は、試験施設職員および被験体には伏せられて、無作為化二重盲検処置期間の部分として含まれる。
スクリーニング期間(-4週目~-1日目)
最大で4週間のスクリーニング期間の間、全被験体は、試験適格性の評価を受ける。あらゆる試験関連手順を行い得る前に、被験体は、書面のインフォームドコンセント(または未成年の場合、地域の要件に準拠した承認)を提出しなければならない。インフォームドコンセントフォーム(ICF)は、被験体または法定代理人(未成年の場合の承認のため)により再検討される。ICFは、あらゆるスクリーニング手順を開始する前に、署名がされていなければならない。
ICFに署名した後に、被験体レジストリーデータベースの確認を行い、被験体が複数の臨床試験に登録していないことを確認しなければならない;この確認は、不必要な手順を回避するため、スクリーニング訪問(訪問1)時にできる限り早期に行うべきである。このデータベースの確認のためのインフォームドコンセントは、ICFに含まれる。
インフォームドコンセントを提出して、Mini精神疾患簡易構造化面接法(MINI;≧18歳の被験体の場合)または学齢小児のための情動障害および総合失調症のための児童スケジュール、現在および生涯バージョン(K-SADS-PL;13~17歳の被験体の場合)によって定義される統合失調症の現状の診断に適合する被験体は、追加のスクリーニング評価を受けて、適格性が決定される。
被験体は、最大4週間のスクリーニング期間の間に、1回または複数回の訪問において完了されうるスクリーニング手順を受ける。バイタルサインは、臨床検査のため血液の採取前に収集すべきである。
スクリーニング訪問時に情報提供者が参加することが好ましい。情報提供者は、書面のインフォームドコンセントを提出し、スクリーニング期間の間、対面式面接に参加しなければならない。
スクリーニング期間全体を通じて、バックグラウンド抗精神病剤療法への遵守が評価されるので、薬物治療遵守モバイルアプリケーションがスクリーニング訪問時にダウンロードされなければならない。経口抗精神病剤を毎日使用する被験体は、スクリーニング(訪問1)時にプラットフォームに登録されなければならず、スクリーニング期間(訪問1)から1日目(訪問2)までの全体を通じて、毎日、被験体のバックグラウンド抗精神病剤に対して適切に遵守しているかを確認するよう依頼される。注射可能な長期作用型抗精神病剤を使用する被験体は、スクリーニング時(訪問1)にプラットフォームに登録されるべきであり、このプラットフォームを使用して、試験処置服用量だけを記録する。
施設は、スクリーニング期間の間、入手可能な調剤記録を得るよう求められる。併用薬物治療の使用時に、トレーニングが提供されるべきである。
スクリーニング期間の間、スポンサーまたは被指名人は、施設によって提供された、スクリーニング訪問(訪問1)からのデータに基づいて、選別された試験参加基準の施設とは独立した再検討を行う。
被験体は、4mg~8mgの間の総1日用量のリスペリドン等価物(表2を参照されたい)とともに、少なくとも1種(最大で2種)の抗精神病薬物治療を摂取しなければならず、これらの抗精神病薬物治療の少なくとも1種は、承認リストにあり、被験体の血漿中に検出可能でなければならない(表3を参照されたい)。
良好な健康状態にあり、治験責任医師の見解に従い本試験を完了して、試験適格性に関する基準を満たす被験体だけが、この試験に登録される。
試験適格性に関する基準を満たす被験体は、この試験の期間の間、安定用量で被験体の現行の抗精神病薬物治療を受け続けるべきである。安定なバックグラウンド抗精神病薬物治療用量は、≦25%の用量変化を有する被験体として定義される。スクリーニング期間(訪問1)と1日目(訪問2)との間の安定な抗精神病剤の用量を維持することができない被験体は、スクリーニングの失敗と見なされ、この試験を継続することができない。適格被験体は、試験評価のため、1日目に試験施設に戻る。
スクリーニングの失敗、再スクリーニングおよびスクリーニング期間
スクリーニング期間の間、抗精神病薬物治療の安定性基準または他の参加基準を満たさない被験体は、スクリーニングの失敗と見なされる。被験体は、スポンサーまたは被指名人の承認により、1度、再スクリーニングすることが考慮されてもよい。
スクリーニング期間は、個々の状況の議論後に、スポンサーまたは被指名人からの承認を受けて、ある特定の不可避の状況(COVID-19パンデミックなど)の場合に延長されてもよい。
盲検化プラセボ導入(1日目から2週目の終了まで)
スクリーニング後、適格被験体は、本試験に登録されて、1日目(訪問2)に、治験責任医師/施設および被験体に対して盲検化された2週間のプラセボ導入期間に入る。盲検化プラセボ導入期間を使用して、統合失調症の総体的症状の安定性、試験処置の服薬遵守、およびバックグラウンド抗精神病薬物治療の用量安定性を評価する。
1日目(訪問2)は、以下になるまで、行うことができない:
・ 抗精神病剤血漿アッセイ結果が、治験責任医師によって再検討され、許容と見なされている、
・ 情報提供者の同意が得られている、および
・ スポンサーまたは被指名人が、被験体の適格性を承認している(選別基準の施設とは独立した再検討を含む)。
適格被験体は、試験評価のため、1日目(訪問2)に試験施設に戻る(表5)。被験体が1日目(訪問2)に試験処置を開始することができる前に、治験責任医師は、被験体が継続して選別試験参加基準を満たしていることを確認しなければならない。
1日目に採取したPK評価用の血液試料を投与前に採取しなければならない。
1日目(訪問2)に、被験体の状態を薬物治療遵守モバイルアプリケーションにおいて更新し、盲検化プラセボ導入期間(1日目から2週目の終了)および無作為化二重盲検処置期間(3週目から10週目の終了まで)全体にわたり、試験処置服用量もモニタリングし、10週目の終了まで(訪問6)、被験体の毎日のバックグラウンド経口抗精神病剤使用の記録をとり続ける。
1日目(訪問2)の評価のすべてが完了した後、適格基準を継続して満たす被験体は、無作為化二重盲検処置期間の間に使用される試験処置と同じに見えるプラセボカプセルを受容する。被験体は、1日目にその最初の用量を摂取する。被験体は、14日間(1日目~2週目の終了まで)、2個のカプセルをQDで摂取するよう指示される。被験体は、1日目から2週目の終了まで、盲検化されたプラセボカプセルを2個、QDで経口摂取する。プラセボ導入の間に試験処置に耐容性を示すことができない被験体は、次の試験訪問まで、毎日、1個のプラセボカプセルに減量される。これは、用量減量と見なされる。1回の用量減量のみ、試験の間(1日目から10週目の終了まで)、許容される。
プラセボ導入期間の終了時に、処置服薬遵守および症状安定性により、有効性解析対象集団に組み込むための適格性が決定される。
無作為化二重盲検処置期間(3週目から10週目の終了まで)
ほぼ400名の被験体をバルベナジンまたはプラセボ処置アームのどちらか一方に1:1で無作為化する。被験体を双方向ウェブ応答システム(IWRS)により無作為化する。
無作為化は、以下の要因によって階層化する。
・ 地域(米国対非米国)
・ 年齢(<18歳、18~40歳および>40歳)
被験体は、2週目の終了時(訪問3)に1:1に無作為化され、8週間、QDで、バルベナジンまたはプラセボを受容する。被験体は、3週目に開始して無作為化二重盲検処置期間の終了(10週目の終了[訪問6])まで、試験処置の2錠のカプセルを経口摂取し続ける。
次に、無作為化試験処置は、8週間の無作為化二重盲検処置期間(3週から10週目の終了まで)全体にわたり、盲検で、QDで経口投与する。バルベナジン処置アームに無作為化した被験体は、無作為化試験処置(3週目)の最初の1週間、初期用量40mg、次いで、4週目に80mgへの予定された用量増加を受容する(試験期間あたりの最大試験処置用量に関しては、表1を参照されたい)。
プラセボ導入の間の用量減量を受け、続いて、訪問3の際にバルベナジンに無作為化された被験体は、この試験の期間にわたり、40mgのバルベナジンを摂取する。被験体は、4週目(訪問4)、6週目(訪問5)および10週目(訪問6)の終了時に試験施設に戻る。
各訪問時に、被験体は、表5に概説されている評価を受ける。この期間の間に行われる重要な有効性評価は、PANSS、CGI-S、PSP、EQ-5D-5L(またはEQ-5D-Y)およびSDS転帰尺度を含む。この期間の間に行われる重要な安全性評価は、バイタルサイン、ECG、臨床検査、身体検査、併用薬物治療およびAEの評価、ならびにC-SSRSおよびSASを使用した安全性評価を含む。さらに、バルベナジンのPK評価のために、血液試料を取得する。
表1. 試験期間あたりの最大試験処置用量
被験体の用量レベルは、試験の間(プラセボ導入期間を含む)に1回だけ、減量されてもよい。用量減量後の試験処置に対して依然として不耐容性のままである被験体は、試験処置を中止し、10週目の終了まで追跡する。被験体の用量は、1日目(訪問2)と6週目の終了(訪問5)との間でのみ、減量されてもよい。試験処置の最後の4週間の間に、用量変更は許容されない。
試験処置は、1日目に開始する午後または夕方に自己投与される。試験処置およびバックグラウンド抗精神病剤遵守は、モバイル技術システムによりモニタリングされる。試験処置は、試験の間、毎日、ほぼ同じ時間に投与されるべきである。
試験訪問は、1日目の訪問とほぼ同じ時刻に行い、有効性、安全性および薬物曝露を評価する時刻を標準化すべきである。訪問は、±3日のウインドウ(window)を有する。
ウォッシュアウト期間/経過観察期間(11週目から12週目の終了時)
試験処置の最後の用量後(10週目の最終)、被験体は、2週間のウォッシュアウト期間を有し、2週間の終了時(12週目の終了;訪問7)に最終の経過観察のための訪問に参加する。被験体は、安全性の経過観察のための訪問(12週目の終了[訪問7])のために、試験処置の最後の用量の14日後に試験施設に戻る。この訪問において行われる重要な安全性評価には、バイタルサインおよびAEの評価、ならびにC-SSRSが含まれる。
スクリーニング時(ベースライン/スクリーニングバージョン)ならびに試験全体を通じてベースラインおよび訪問時(最後の訪問以降バージョン)に使用するよう設計されたC-SSRS質問票のバージョンが存在する。C-SSRSのバージョンのすべてが、自殺念慮および自殺行動に関係する、一連のスクリーニング質問を含む。1つまたは複数のスクリーニングの質問に「はい」とした被験体の応答により、自殺念慮および/または行動の頻度および強度を評価する、追加の質問が促される。スクリーニング前の1年以内または1日目にタイプ4(具体的な計画のない、ある程度の行動意図を伴う積極的な自殺念慮)、またはタイプ5(具体的な計画および意図を伴う積極的な自殺念慮)の何らかの自殺行動または自殺念慮を有する被験体(C-SSRSに基づく)は、除外される。
試験処置期間(1日目~10週目の終了まで)
毎日のバックグラウンド経口抗精神病薬物治療への遵守を、試験処置全体(1日目[訪問2]から10週目の終了[訪問6]まで)を通じて評価する。注射可能な長期作用型抗精神病剤を使用する被験体は、薬物治療遵守モバイルアプリケーションを使用して、試験処置の服用だけを記録する。被験体は、モバイルアプリケーションにより、毎日のバックグラウンド薬物治療質問票を受け取る。
試験処置(バルベナジンまたはプラセボ)への遵守を盲検化プラセボ導入(1日目から2週目の終了まで)、および無作為化二重盲検処置期間(3週目から10週目の終了まで)の全体を通して、薬物治療遵守モバイルアプリケーションによりモニタリングする。
PANSS評価に情報提供者の面接が必要である。情報提供者は、現地訪問に出席することによって、またはバーチャル訪問により入力データを提供してもよい。
被験体が、訪問2から訪問6の4時間以内に、何らかの制限併用薬物治療(表7を参照されたい)を摂取した場合、施設は、評価の予定において規定したウインドウの範囲内で、これらの試験訪問評価を遅らせるか、または再計画すべきである(表5を参照されたい)。PANSSは、治験責任医師または他の認定施設職員によって行われて、評点される。被験体は、被験体とともに、≧2時間/週を費やすPANSSを完了するための入力を提供することができ、治験責任医師によって信頼性があると見なされる、成人の情報提供者を持たなければならない。追加の詳細に関しては、組み入れ基準#11を参照のこと。PANSSを行うための合計時間は、ほぼ45分間である。
PANSS評価は、試験全体を通して、オーディオおよびビデオで記録される。スクリーニング訪問時、およびスポンサーの自由裁量で他の訪問時に行われる評価は、等級付けの正確性を確実にするため、第3者によって再検討される。PANSS等級付けおよびフィードバックの許容性の確認は、1日目(訪問2)より前に試験者によって再検討されなければならない。
リスペリドン等価物用量
表2は、試験の間に処置として摂取されうる、現在上市されている抗精神病薬物治療(すべての参加国の場合)のおおよその用量当量を要約している。抗精神病薬物治療の全用量は、4mg~8mgの間のリスペリドン等価物でなければならない。表2中の情報は、公開文献、処方ガイダンス書類および製品ラベルから導いたものである;この情報は、参照薬物治療間の用量当量の概数と見なすべきである。例えば、Gardner DM, Murphy AL, O'Donnell H, Centorrino F, Baldessarini RJ. International consensus study of antipsychotic dosing. American Journal of Psychiatry. 2010;167(6):686-93; Leucht S, Samara M, Heres S, Patel MX, Furukawa T, Cipriani A, et al. Dose equivalents for second-generation antipsychotic drugs: the classical mean dose method. Schizophrenia bulletin. 2015;41(6):1397-402;およびRothe PH, Heres S, Leucht S. Dose equivalents for second generation long-acting injectable antipsychotics: The minimum effective dose method. Schizophrenia research. 2017を参照されたい。
13~17歳の被験体において、スポンサーまたは被指名人との相談後に、より少ないリスペリドン等価物用量が許容されてもよい。
バックグラウンド抗精神病薬物治療の用量は、被験体が登録されている国における製品ラベルに列挙されている用量範囲を超えるべきではない。被験体は、表3に列挙されている少なくとも1種の抗精神病薬物治療を摂取しなければならない。
表2. リスペリドン等価物用量
バックグラウンド抗精神病薬物治療
表3は、この試験に対して、被験体の血漿に検出されうる、承認および許可済みのバックグラウンド抗精神病薬物治療を要約している。
表3. 承認されているバックグラウンド抗精神病薬物治療
a これらの薬物治療はQT間隔を増大させることができ、スポンサーまたは被指名人によって承認された場合、許容されうる。ベースラインQTcFは、男性の場合、≦450 m秒であるか、または女性の場合≦470 m秒でなければならない。
試験集団
抗精神病薬物治療に対して不適切な応答を有した、統合失調症の診断を有する、13歳またはこれより歳上のほぼ400名の被験体の計画した総数が登録され、最低で300名の無作為化被験体を1:1の割り当て比(バルベナジン対プラセボ)で有効性解析対象集団にする。
ヒト被験体の可能性のある登録についてスクリーニングし、認定された場合、試験に登録する。試験に関する組み入れ基準および除外基準を以下に説明する。被験体は、試験に参加するため、すべての組み入れ基準および除外基準を満たさなければならない。
組み入れ基準
被験体は、以下の組み入れ基準を満たさなければならない:
1.治験審査委員会(IRB)/独立倫理委員会(IEC)ならびに現地の法律および規制に従って、成人被験体の書面のインフォームドコンセント、または被験体からの書面および立会による小児承認、ならびに被験体の法的保護者からの書面のインフォームドコンセントを完了している。
2.インフォームドコンセントの署名(または、小児被験体の場合、承認)時に、被験体は、少なくとも50kgの体重を有する、≧13歳でなければならない。
3.≧18歳(これを含む)の被験体の場合、DSM-5の精神病性障害に関するMINIバージョン7.0.2;または13~17歳の被験体の場合、K-SADS-PLによって定義された統合失調症の医学的確定診断。
4.統合失調症の初期診断が、スクリーニングの≧1年前でなければならない。
5.被験体は、調剤記録、および入手可能な場合、追加の記録/文書(例えば、医療/処方箋記録および/または主治医からの手紙)によって確認される、4mg~8mgの間の総1日用量のリスペリドン等価物(表2に概説)のバックグラウンド抗精神病剤療法(クロザピン以外)を受けている。治療量未満の用量の第2の抗精神病剤との併用処置は、不眠症または不安などの特定の症状の処置に使用される場合には許可されるが、不応性陽性精神病症状のために使用される場合は、許可されない。
・ 合計した抗精神病剤総用量は、4mg~8mgの間の1日用量のリスペリドン等価物に維持されなければならない。
・ 13~17歳の被験体では、登録前の承認のため、スポンサーまたは被指名人との相談後に、より少ないリスペリドン等価物用量が許容されてもよい。
6.被験体の抗精神病薬物治療の少なくとも1種に関する血漿中レベルは、利用可能なアッセイによって検出可能でなければならない(表3)。
7.被験体は、統合失調症の処置のための安定したレジメンの抗精神病薬物治療により処置されており、スクリーニングと1日目との間に、スクリーニング前の≧3週間、処方用量に臨床的に有意な変化がなく(用量の増加がない、耐容性のための用量における≦25%の減量)(調剤記録、および入手可能な場合、医療記録による確認)、試験への参加から10週目までの全体を通じて、予期される用量調節がない。
・ 被験体が、注射可能な長期作用型抗精神病剤を摂取している場合、スクリーニング前の8週間以内に、スクリーニング期間の間に、または試験への参加全体を通して予想される用量の変更がない。
8.スクリーニング時および1日目(訪問2)に以下の基準をすべて満たさなければならない:
・ 陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)総スコア≧70
・ 以下のうちの少なくとも1つに関して、≧4のPANSSスコア:
- P1(妄想)
- P3(幻覚)
- P6(猜疑心)
- G9(不自然な思考内容)
・ 重症度の臨床全般印象度(CGI-S)スコア≧4
・ スクリーニングと1日目の間に安定なバックグラウンド抗精神病薬物治療用量(リスペリドン等価物総1日用量における≦25%の変化)
・ スクリーニングと1日目との間の安定なPANSS合計スコア(≦15%変化)
9.被験体は、スクリーニング前の≧3週間に安定な総体的症状を有する外来患者である(例えば、統合失調症が理由の入院がない、統合失調症の症状の悪化による精神医学的治療のレベルの向上がない)。
10.被験体の診断、バックグラウンド抗精神病剤療法、および症状の重症度は、1日目の試験処置の最初の用量前にスポンサーまたは被指名人によって確認されなければならない。
11.被験体は、以下の要件を満たす成人の情報提供者(例えば、家族、ソーシャルワーカー、ケースワーカー、居住施設職員または看護師)を有しなければならない:
・ 被験体とともに≧2時間/週を過ごす
・ PANSSを含む試験評価尺度を完了する臨床医に入力を提供することが可能である
・ 書面のインフォームドコンセントを提供することが可能であり、かつその意志がある。情報提供者の同意は、被験体の書面のインフォームドコンセント(または、未成年の場合、承認)とは別にされ、被験体が試験に適格性があると見なされる前に署名されていなければならない
・ スクリーニング期間中に試験施設において少なくとも1回の対面面接またはビデオ面接に参加することが可能であり、対応する現地訪問または電話面接に参加することによって入力を継続的に提供することが可能である
・ 治験責任医師によって信頼性があると考えられる
12.スクリーニング時に、18.0~40.5kg/m(両端の値を含む)の肥満度指数(BMI)である(BMIは、被験体の体重(kg)を被験体の身長(メートル)の二乗により除算したものとして定義される)。
13.妊娠の可能性がある女性被験体は、スクリーニング時に、血清β-ヒト絨毛性ゴナドトロピン(β hCG)妊娠検査に陰性、および1日目の尿妊娠検査に陰性を有さなければならない。
14.妊娠可能性のある女性被験体は、試験薬の最後の用量後または最後の試験訪問後の30日間のどちらか長い方まで、スクリーニングから一貫して避妊を使用することに同意しなければならない。妊娠可能性のない女性は、以下のうちの1つを満たさなければならない:
・ 閉経後である(別の医学的原因なしに、12か月間、月経がないと定義され、閉経後の範囲と一致する卵胞刺激ホルモン(FSH)の上昇によって確認される)
・ 子宮摘出、両側卵管切除術または両側卵巣摘出などの永久避妊手順
避妊の許容される方法は、以下を含む:
・ 子宮内デバイス(IUD)または子宮内ホルモン放出システム(IUS)
・ スクリーニングの少なくとも3か月前に経口、膣内または経皮であってもよい、排卵抑制を伴う複合(エストロゲンおよびプロゲストーゲンを含む)ホルモン避妊
・ スクリーニングの少なくとも3か月前に経口、注射または埋め込みであってもよい、排卵抑制を伴うプロゲストーゲン単独ホルモン避妊
・ 両側卵管結紮術
・ 性行為の完全な禁欲(定期的な禁欲は許容されない)
・ スクリーニングの少なくとも3か月前に成功裏の手順が医学的に確認された精管切除術を受けた性的パートナー
15.男性被験体は、試験処置の最後の用量の30日後まで、スクリーニングから一貫して避妊を使用することに同意しなければならない。男性被験体の場合の避妊の許容される方法は、以下である:
・ 殺精子剤(クリーム、スプレー、フォーム、ゲル、坐剤またはポリマーフィルム)を伴うコンドーム
・ スクリーニングの少なくとも3か月前に成功裏の手順が医学的に確認された精管切除術
・ 性行為の完全な禁欲(定期的な禁欲は許容されない)
16.すべての試験手順および制限を遵守する意思がある。治験責任医師の見解では、被験体は、すべての試験手順および制限を理解し、これらを遵守することができる。この基準は、1日目の試験処置の初回用量前に再確認されなければならない。
除外基準
被験体が以下の基準のいずれかを満たす場合、この被験体はこの試験から除外される:
1.妊娠しているもしくは授乳している、または試験の間に妊娠する計画がある。この基準は、1日目の試験処置の初回用量前に再確認されなければならない。
2.バルベナジンの製剤のいずれかの構成成分に既知の過敏症がある。
3.治験責任医師によって評価された併存パーキンソニズム(薬物誘発性またはその他)を有するか、またはスクリーニング時に、>6となる修正Simpson Angus評価尺度(SAS;#10のアカシジアを除く)でのスコアによって実証される、最小レベルを超える錐体外路徴候/症状を示す。
4.以下の基準のいずれかによって定義される、処置抵抗性統合失調症の病歴を有する:
・ 処置抵抗性精神病が理由のクロザピン処置の病歴、または
・ 被験体が、最小限の改善を実証した、またはまったく改善を実証しない(薬物治療に耐容性を示さないことは応答の失敗を構成しない)、複数の適切な抗精神病薬物治療試験および抗精神病薬物治療試験の失敗の病歴
5.MINIバージョン7.0.2に基づく、統合失調感情障害の診断、双極性障害の生涯診断;または強迫性障害の生涯診断。統合失調感情障害の以前の生涯診断歴を有する被験体は、治験責任医師が被験体の全病歴、ならびに現在の臨床所見および病歴が統合失調感情障害ではなく統合失調症と最も一致していることを証明することができることを条件として、スポンサーまたは被指名人の承認を得て試験に登録することができる。
6.パニック障害、大うつエピソード、またはMINIバージョン7.0.2に基づいて、臨床的注意を現在必要とする他の併存精神医学的状態の最近(スクリーニング前の過去6か月以内に)の発生。この基準は、1日目の試験処置の初回用量前に再確認されなければならない。
7.スクリーニング時および1日目に、統合失調症に関するカルガリーうつスケール(CDSS)スコアが>8であることによって測定されるうつの証拠。
8.スクリーニング前の3週間以内の非薬理学的心理社会的な治療処置(例えば、日帰り入院処置、認知行動療法)の開始もしくは変更、または試験の長さ全体にわたる変更の予期。
9.自殺、または自分自身、他人もしくは物に危害を加える差し迫った危険があると治験責任医師によって考慮された場合、あるいは被験体がスクリーニング(訪問1)前の1年以内に自殺を試みたことがある。1日目に、コロンビア自殺重症度評価尺度(C-SSRS;最後の訪問以降)の項目番号4または5に関して、肯定的な回答を有する被験体は除外される。
10.MINIに基づくスクリーニング前の6か月以内に、中度または重度の物質使用障害(ニコチンまたはカフェイン依存症を除く)の診断。
11.アルコール検査、あるいはアンフェタミン;バルビツレート;コカイン;マリファナ;メタドン;メタンフェタミン;3,4-メチレンジオキシメタンフェタミン(MDMA);フェンシクリジン;または非処方ベンゾジアゼピンもしくはアヘン剤を含む禁止物質の尿中薬物スクリーニングが陽性。
・ 注:スクリーニング時にマリファナ検査が陽性の被験体は、治験責任医師の臨床評価により被験体がマリファナの常用者ではないことが示され、カウンセリングの後に、被験体が試験の期間の間、マリファナを使用しないことに同意することを条件として、試験に参加するのに適格であり得る。この状況下では、1日目の訪問時に局所尿ディップスティックによる薬物スクリーニングを実施し、その訪問時にいかなる他の試験手順も実施する前に陰性であることを確認しなければならない。
12.治験責任医師の判断におけるスクリーニング前の60日以内(軽度の医学的状態に関しては、スクリーニングの30日前)に臨床的に重要な不安定な医学的状態、またはスクリーニング訪問時に、治験責任医師によって臨床的に重要であると考えられる、正常範囲外の何らかの検査値を有する。
13.QT延長症候群または心不整脈の何らかの既知の病歴を有する。
14.フリデリシアの式を使用して心拍数を補正した三連の平均心電図(ECG)QT間隔(QTcF)が>450m秒(男性被験体)もしくは>470m秒(女性被験体)を有する、またはスクリーニング期間中に、臨床的に有意な何らかの心臓異常が存在する。
15.重度の肝障害の病歴、または以下の検査値のいずれかの慢性的な向上を有する:
・ 血清クレアチニン>1.5×正常上限値(ULN)
・ アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)≧2.5×ULN
・ アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)≧2.5×ULN
・ ガンマ-グルタミルトランスフェラーゼ(GGT)≧3.0×ULN
・ 総ビリルビン>1.5mg/dL。ギルバート症候群の実証された診断を有する被験体は、ビリルビン基準を満たす必要はない
16.スクリーニング時に以下の検査異常のいずれかがある:
・ ヘモグロビン<10g/dL
・ 白血球(WBC)数<3.0×10/mm
・ 血小板数<100,000/mm
・ 絶対好中球数<1.0×10/mm
17.切除された局所的な皮膚がんまたは子宮頸部上皮内癌を除く、スクリーニング前の3年以内に診断されたか、または寛解状態にない血液悪性疾患または固形腫瘍を有する。
18.神経弛緩薬性悪性症候群の何らかの既知の病歴を有する。
19.禁止薬物治療のいずれかを現在、摂取中である。過去においてこれらの薬物治療を受けた被験体は、スクリーニング訪問前の少なくとも30日間にわたって、これらの薬物治療を中止していなければならない。
20.以前にこの試験に参加したことがある;過去30日以内もしくはスクリーニング前の<5半減期のいずれか長い方の以内に、臨床試験の状況で何らかの活性な治験薬を使用したことがある;スクリーニング前の12か月以内に2件を超える臨床試験に参加している;または被験体データベースクエリごとに別の臨床試験に現在参加中である;またはこのプロトコールにより除外される精神医学的状態に関する臨床試験に参加したことがある。この基準は、1日目の試験処置の初回用量前に再確認されなければならない。
21.任意のVMAT2阻害剤(すなわち、バルベナジン、レセルピン、テトラベナジン、デューテトラベナジン(deutetrabanzine))の以前(スクリーニングから6か月以内)の使用があるもしくは併用している、またはVMAT2阻害剤に対して不耐容性の病歴がある。
22.被験体をこの試験に参加するのに不適切にする何らかの理由(例えば、被験体が、ホームレスである、処置もしくは医療手順に従うことが困難であることが分かっている、不正確な医療情報を提供することが分かっている、または臨床試験に不適切に参加しようとしている)がある。
治験薬、投薬量および投与様式
バルベナジン(バルベナジントシル酸塩、NBI-98854)は、Neurocrine Biosciences,Inc.(NBI)によって開発された、選択的な経口活性小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)阻害剤である。バルベナジンは、INGREZZA(登録商標)という商標名で、遅発性ジスキネジア(TD)を有する成人を処置するため、2017年4月に米国食品医薬品局(FDA)によって承認された。
バルベナジンは、薬理学的に関連する濃度において、シトクロムP450(CYP)酵素の阻害または誘発をほとんどまたはまったく引き起こさないようである。バルベナジンは、P-グリコタンパク質の中度の阻害剤であるが、胃腸管で達成することが可能な濃度に限り、一連の他の薬物輸送体の阻害剤にはならない。バルベナジンは、加水分解によって、NBI-98782([+]-α-ジヒドロテトラベナジン)に代謝される。続いて、NBI-98782は、CYP2D6によって一部が代謝される。バルベナジンとNBI-98782のどちらも、VMAT2に結合して阻害する能力を有する。しかし、NBI-98782は、最も強力であり、VMAT2阻害の観察される薬理学的活性の大部分を担っていると考えられる。マウス、ラットおよびイヌにおいて行われた、反復用量の非臨床的な毒物学研究により、マウスでは、60mg/kg/日、ラットでは、3mg/kg/日、およびイヌでは、15mg/kg/日の用量で有害作用を示さなかった。中枢神経系、呼吸器および心臓血管の安全性薬理学的試験における無毒性量(NOAEL)は、ヒトにおける最高提案治療用量において達成される全身性曝露よりも大きな、バルベナジンおよびNBI-98782への全身性曝露をもたらした。バルベナジンは、10mg/kg/日(3mg/kg/日のNOAEL)では、ラットの受胎能に中度の陰性影響を有した。ラットおよびウサギにおける胚/胎児の発生に対するNOAELは、それぞれ、15mg/kg/日および50mg/kg/日であった。ラットまたはウサギにおいて、催奇形性の証拠はなかった。バルベナジンは、遺伝毒性アッセイにおいて陰性であった(in vitro Amesおよび染色体異常アッセイ、およびin vivoラット小核試験)。ラットまたは半接合体Tg.rasH2マウスにおける発癌性試験では、バルベナジン投与により腫瘍は増大しなかった。
治験薬概要書(2021年4月10日)に関するデータカットオフに関しては、NBIによって実施されたバルベナジンの33の臨床試験が完了しており、最終的なデータが入手可能である:健常な被験体または特別な集団における16の第1相試験;TDを有する被験体では、7つの第2相または第3相試験、TDを有する被験体における2つの第4相試験、およびトウレット症候群(TS)を有する被験体における8つの第1b相、第2相または第2b相試験(成人において1つ、小児および青年において6つ;ならびに小児、青年および成人において1つ)。ハンチントン病(HD)を有する被験体では、2つの第3相試験が継続中である。
バルベナジン20、40、60および80mgの経口用カプセルを臨床開発プログラムに使用し、バルベナジンを最大で300mgの単回用量、および最大で100mgの反復用量で投与する。
TDを有する成人のバルベナジン臨床開発プログラムにおいて特定された最も一般的な有害反応(6週間の処置期間の3つのプラセボ対照試験において、被験体の≧2%において報告され、プラセボに対してバルベナジンに一層高い割合で報告された)には、傾眠(10.9%;傾眠、疲労、鎮静)、抗コリン作用(5.4%;ドライマウス、便秘、注意障害、目のかすみ、尿閉)、および平衡障害/転倒(4.1%;転倒、歩行障害、めまい、平衡感覚障害)が含まれる。バルベナジン処置群における出現率が>5%を有し、プラセボよりも出現率が高い、TSを有する小児被験体において共通した処置中に発生した有害事象(TEAE)には、頭痛、傾眠、鎮静、上気道感染症、不眠症、疲労、嘔吐および自殺念慮が含まれる。2021年4月10日時点のバルベナジン臨床開発プログラム全体において、バルベナジンにより処置された3名またはそれより多くの被験体において発生した処置中に出現した重篤な有害事象(SAE)は、それぞれ、統合失調症、自殺念慮、慢性閉塞性肺疾患、失神、腹痛、うつ、精神状態の変化および統合失調感情障害である。
NBIによって行われた完了したおよび継続中のバルベナジン試験において、10例の死亡が報告され、9例が、TDを有する成人被験体に起こり、1例が、HDを有する成人被験体に起こった。バルベナジンを服用した被験体では8例の死亡が起こり、プラセボを服用した被験体では1例の死亡が起こり、1例は盲検のままだった。すべての死亡は、治験薬に無関係であるか、または関連する可能性が低いと考えられた。
バルベナジンは、QT間隔を延ばす恐れがあるが、QT延長の程度は、推奨される投薬で予想される濃度では臨床的に有意ではない。強力なCYP2D6またはCYP3A4阻害剤を服用している被験体、またはCYP2D6低代謝群である被験体では、バルベナジン濃度が一層高くなり、QT延長が、臨床的に有意になりうる。
心臓血管、検査室またはバイタルサインに関連する安全性シグナルは、特定されていない。正常な検査値範囲を超える血清プロラクチンの増加が認められた。プラセボを受容した被験体における平均変化は、かなり小さかった。バルベナジンは、自殺傾向を増加させるとは思われない。
バルベナジンは、20mgおよび40mgのカプセルで供給される。バルベナジンは食物とともにまたは伴わずに摂取することができる。この試験におけるバルベナジンの用量は、40mgおよび80mgであり、遅発性ジスキネジア(TD)を有する成人における商業的に承認された用量、TDを有する成人における臨床試験、ハンチントン病(HD)における進行中の試験、およびトゥレット症候群(TS)を有する患者における小児試験(6~18歳)に基づいている。TDを有する成人における第3相試験では、開始用量は40mgであり、最大80mgまで用量設定した。提案されるバルベナジンの用量(QDで、40mgおよび80mg)は、累積的なバルベナジン薬物動態(PK)、安全性、耐容性および有効性データに基づいて選択した。
耐容性および安全性の評価に基づく用量最適化スキームにより、安定用量期間中に、各被験体が最適化用量を受容することが可能である。
参照治療、用量および投与様式
治験薬バルベナジンと外観が同一の適合プラセボカプセルを、バルベナジンを受容するものと同じスケジュールで、二重盲検で経口投与する(2個のプラセボカプセル)。プラセボは、食物とともにまたは伴わずに摂取することができる。
試験処置
試験処置を表4に要約する。
表4. 試験処置
試験処置投与
試験処置は、1日目(訪問2)に開始して自宅において自己投与される;試験処置遵守はモバイル技術システムによりモニタリングする。試験処置は、試験の間、毎日、午後または夕方のほぼ同じ時間に行われるべきである。被験体が、所与の日に試験処置の摂取を忘れた場合、または摂取できない場合、被験体は、同日に2用量を服用すべきではない。被験体は、通常の投薬を翌日に再開すべきである。
バルベナジンは、20mgおよび40mgのカプセルで供給される。被験体は、食物とともにまたは伴わずに、バルベナジンを摂取してもよい。
治験薬バルベナジンと外観が同一の適合プラセボカプセルを、バルベナジンを受容するものと同じスケジュールで、二重盲検で経口投与する(2個のプラセボカプセル)。
被験体は全員が、プラセボ導入期間の間に、2週間、プラセボを受容する。被験体は、2週目の終了時(訪問3)に開始して、無作為化二重盲検処置期間の終了(10週目の終了;訪問6)まで無作為化試験処置をQDで受ける。被験体は、合計で10週間(プラセボを2週間および無作為化試験処置を8週間)、試験処置を受容する。
試験処置および抗精神病剤治療遵守
薬物治療に伴う不遵守は、統合失調症の試験における大きな難題であるため、この試験は、試験において被験体のすべてに対して薬物治療遵守モバイルアプリケーションを使用して、試験処置および経口抗精神病薬物治療への遵守をモニタリングする。このプラットフォームは、スマートフォンのアプリケーションで供給され、人工知能を使用して、試験処置の摂取を確認する。ビルトインリマインダーおよびコミュニケーションシステムにより、服用を忘れた場合、リアルタイムで介入することが可能となる。適切な投薬スケジュールの強化およびデータの完全性を改善するため、試験におけるすべての被験体にプラットフォームの使用が要求される。
(i)試験処置遵守
試験処置(バルベナジンまたはプラセボ)への遵守を盲検化プラセボ導入期間(1日目から2週目の終了まで)、および無作為化二重盲検処置期間(3週目から10週目の終了まで)の全体を通して、薬物治療遵守モバイルアプリケーションによりモニタリングする。
試験処置に伴う不遵守は、訪問間で<75%の遵守となる被験体を含む(デジタル式遵守技術により評価される不遵守を含む)。試験処置薬物治療に伴う一貫した不遵守である被験体は、医療用モニターを用いて議論されるべきであるか、またはスポンサーの自由裁量で試験処置を中止してもよい。
(ii)抗精神病剤治療遵守
スクリーニングの間、被験体のバックグラウンド抗精神病薬物治療への遵守は、患者または介護人の報告、血液試料の採取、および臨床記録または調剤記録からのデータの再検討に基づいて評価される。
(a)薬物治療遵守アプリケーション:抗精神病薬物治療
薬物治療遵守モバイルアプリケーションもまた使用して、この試験全体を通して(スクリーニング[訪問1]から10週目の終了[訪問6]まで)、毎日のバックグラウンドの経口抗精神病薬物治療に対する遵守をモニタリングする。被験体は、毎日、バックグラウンド薬物治療の使用に関する質問票に回答するよう指示されるべきである。
経口抗精神病剤を毎日使用する被験体は、スクリーニング(訪問1)時にプラットフォームに登録されて、1日目の前に遵守を確実にするために、そのバックグラウンド抗精神病剤への適切な遵守の確認を開始しなければならない。注射可能な長期作用型抗精神病剤を使用する被験体は、スクリーニング時(訪問1)にプラットフォームに登録されなければならず、このプラットフォームを使用して、試験処置服用量のみを記録する。1日目(訪問2)に、被験体の全員が、このプラットフォームの使用を開始して、試験処置服用量をモニタリングし、被験体のバックグラウンド抗精神病剤の使用を継続して記録する。
注射可能な長期作用型抗精神病剤を使用する被験体は、薬物治療遵守モバイルアプリケーションを使用して、試験処置の服用だけを記録する。
(b)調剤記録
バックグラウンド抗精神病薬物治療に対する最近の遵守(すなわち、スクリーニング前の連続する2~6か月)を、入手可能な調剤記録の再検討に基づいて評価する。スクリーニング期間の間に、施設は、過去2か月分の入手可能な調剤記録を取得しなければならない。さらに、施設は、連続する>2~≦6か月の入手可能な調剤記録(必要に応じる)を得るよう求められる。
(c)抗精神病薬物治療についての血液試料
抗精神病薬物治療(表3を参照されたい)が検出可能レベルにあるかどうかを評価するための血液試料をスクリーニング時、および表5に表示されている時間点に得る。
表5. 評価のスケジュール
AE=有害事象; AIMS=異常不随意運動尺度; CDSS=統合失調症に関するカルガリーうつスケール; CGI=臨床全般印象度; CGI-S=重症度の臨床全般印象度; C-SSRS; コロンビア自殺重症度評価尺度; ECG=心電図; EQ-5D-5L=EuroQol 5次元5レベル; EQ-5D-Y=EuroQol 5次元ユース; ET=早期中止; K-SADS-PL=学齢小児のための情動障害および総合失調症のための児童スケジュール、現在および生涯バージョン; MINI=Mini精神疾患簡易構造化面接法; PANSS=陽性・陰性症候群評価尺度; PK=薬物動態; PSP=個人的社会的機能遂行度; s=血清; SDS=シーハン障害尺度; u=尿
a試験 (または 早期中止)を完了した被験体の最後の試験訪問。
bあらゆる試験手順を行い得る前に、インフォームドコンセント (または未成年の場合、地域の要件に準拠した承認)を得なければならない。被験体データベースインフォームドコンセントも得る。
cスクリーニング (訪問1)時またはスクリーニング期間中に取得しなければならない。情報提供者との最初の議論は、口頭でのインフォームドコンセントを含むことができる。
d必要なすべての識別子が採集されると速やかに行うべきである。
e被験体と情報提供者の両方に行う。
f試験被験体は、食物とともにまたは伴わずに、夕方にQDで試験処置を摂取するよう指示される。
g被験体は、各試験訪問時に未使用試験処置のすべてを返却する。
h身体検査は、靴を含まない体重および身長の測定を含む(スクリーニング時のみ)。
i標準的な12誘導ECGは、被験体が少なくとも5分間、仰臥位で休憩した後に、三連で(少なくとも1分間隔かつ15分以内)実施される。評価されるECGパラメータとしては、ECG機器の読取り値に基づいた、心拍数、QT、QTcF、PR間隔、およびQRS期間(QTcFは、計算が必要となりうる)が挙げられる。
j妊娠検査は、妊娠可能性のある女性のすべてに必要である。血清妊娠検査は、スクリーニング時に行う。尿妊娠検査は、その後の現地訪問のすべての際に行われる。
k臨床検査には、血液学、臨床化学および尿検査が含まれる。血液試料はすべて、非絶食条件下で取得される。
l治験責任医師の臨床的判断時の任意の時間に繰り返されてもよい。試験の実施中の尿中薬物スクリーニングまたはアルコール検査の陽性はいずれも、スポンサーまたは被指名人と議論して、被験体の処分を決定する。
m1日目のPK試料は、投与前でなければならない。
n18歳またはこれより歳上の被験体の場合。
o13~17歳より若い被験体の場合。
pEQ-5D-5Lは、≧18歳の被験体に、EQ-5D-Yは、13~17歳の被験体に行われる。
被験体の制限
以前の薬物治療および併用薬物治療
スクリーニング(訪問1)前の30日以内に被験体によって服用された、すべての処方薬物治療および店頭の薬物治療、栄養サプリメント(ビタミンを含む)ならびにハーブサプリメントを電子症例報告書(eCRF)に記録する。最後の1年以内に摂取した他の抗精神病薬物治療は、eCRFに記録される。これらの薬物治療の用量のいかなる追加または変更も、適応症、用量、経路および薬物投与日とともにeCRFに入力される。
精神医学的および医学的状態を処置するための薬物治療:併存している疾患または状態のすべてが、一般的な医療実践に準拠して処置されるべきである。薬物治療のすべてが、スクリーニング手順前の最低で21日間、安定な処置レジメン(進行中の薬物治療の用量および頻度に変更がないこと、および薬物治療の中止がないことを含む)にあるべきである。ベンゾジアゼピンは、スクリーニング前の2週間、安定用量になければならない。
禁止薬物治療:以下の薬物治療クラスは、表6に明記されている通り、スクリーニング(訪問1)(特に明記しない限り)の30日前から、最後の試験訪問(または早期中止)まで禁止される。
表6. 禁止併用薬物治療のクラス
時間制限薬物治療:表7に要約されている薬物治療クラスは、スクリーニングから10週目の終了まで制限される。時間制限薬物治療の任意の間欠的使用は、試験訪問前に服用された最後の用量の日時を含めて文書化されるべきである。時間制限薬物治療の文書化が、不安もしくは動揺、錐体外路運動症状または不眠症の処置に必要に応じて適用される。被験体の処方された毎日の処置レジメンは、この要件から除外される。しかし、許容可能な投薬量範囲は、従われなければならない。表7に指定されている通り、時間制限薬物治療の間欠的使用は、訪問2から6まで、または早期中止(ET)訪問において、いかなる一次または重要な二次有効性評価の開始まで≧4時間であるべきである。
ベンゾジアゼピンは、スクリーニング前の2週間の3mg/日のロラゼパムの当量に等しいか、またはこれ未満の安定用量になければならない。必要に応じて、ベンゾジアゼピンの使用は制限される。ベンゾジアゼピンは、被験体の来院の4時間前に投与されるべきではない(表7)。
除外/許容薬物治療に関するさらなる詳細なガイダンスは、試験施設に提示される別個の参照文書で供給されてもよい。
表7. 併用薬物治療の時間制限クラス: スクリーニングから10週目の終了まで許容される長期または間欠的使用
注:試験訪問2から6の前の最後の用量の日にちを含め、時間制限薬物治療のいずれの使用も、文書化されるべきである。
a時間制限薬物治療の一覧表示は、表8に提示されている。
bスポンサーまたは被指名人によって承認された場合、QT間隔を増大させることが知られている薬物治療の使用が許可される。ベースラインQTcFは、男性の場合、≦450m秒または女性の場合、≦470m秒でなければならない。
この試験における時間制限併用薬物治療の名称には、以下に限定されないが、表8に列挙されている薬物治療を含む。無作為化二重盲検処置期間の間のこれらの薬物治療の一部の投薬制限が、表7に提示されている。無作為化二重盲検処置の間の有効性評価前のこれらの薬物治療の一部の間欠的使用(必要に応じて)の時間制限が、本明細書において記載されている。
表8. 時間制限併用薬物治療の一覧表示
試験処置の中止
被験体の試験処置の中止が早すぎる場合、治験責任医師は、関連する元の書類およびeCRFに中止の理由を記録する。いかなる転帰尺度、特に、一次および二次エンドポイント、ならびに安全性経過観察に関するデータも収集することが重要である。処置を中止した被験体は、この試験に継続して参加し、すべての残りの訪問に出席する。試験処置遵守に関わらず、被験体は、試験への参加の同意/承認が撤回されない限り、処置中止のために試験から離脱されるべきではない。
試験処置の中止の理由には、以下を含むが、以下に限定されない:
・ 被験体/介護人による試験処置からの離脱
・ 死亡
・ 経過観察に現れず
・ スポンサーによる施設の終了
・ スポンサーによる試験中止
・ AE
・ 妊娠
・ プロトコールの逸脱
・ スポンサーの決定
治験責任医師は、被験体が以下のいずれかを経験した場合、試験処置を中止しなければならない:
・ 任意のAEのタイプ、頻度または重症度が許容されない/不耐容性になる場合
・ 被験体が、最低許容用量に耐容性を示すことができない場合
・ 任意のECG図に関して、QTcFが>500m秒である(心臓専門医の確認)
・ 被験体が妊娠したと確認された場合
・ 親/介護人または被験体による、試験処置投与に関する合意/承認の撤回
試験定義の終了
一次完了:一次完了日は、試験が計画どおりに終了したか、または早期に終了したかに関わらず、最後の被験体が評価された日、または一次エンドポイントに使用されるデータの最終収集のために介入を受けた日として定義される。この試験の予定される一次完了日は、最後の被験体が10週目(訪問6)の評価を完了した日である。試験が早期に終了した場合、一次完了日は、試験における最後の被験体の最後の訪問日になる。
試験の終了:試験の終了は、最後の被験体の最後の訪問日、または世界規模での試験において最後の被験体に対する評価のスケジュールに示されている最後の計画手順の日として定義される。
エンドポイント
一次有効性エンドポイント:ベースラインから10週目までのPANSS合計スコアの変化。
重要な二次有効性エンドポイント:ベースラインから10週目までのCGI-Sスコアの変化。
追加的な二次有効性エンドポイント:ベースラインから10週目までの個人的社会的機能遂行度尺度(PSP)スコアの変化。
他のエンドポイント:(1)ベースラインから10週目までのEuroQol5次元5レベル(EQ-5D-5L;被験体≧18歳)またはEQ-5Dユース(EQ-5D-Y;被験体13~17歳)のVASスコアの変化。(2)ベースラインから10週目までのシーハン障害尺度(SDS)の変化。
薬物動態
この試験の間に、血漿中バルベナジンおよび代謝産物の濃度の分析のための血液試料を採取する。
安全性評価
試験全体を通して、安全性および耐容性をモニタリングする。安全性は、有害事象(AE)の発生、臨床検査(血液学、血清化学および尿検査)、バイタルサインの測定(起立時血圧および脈拍数を含む)、身体検査(体重を含む)、12-誘導心電図(ECG)、コロンビア自殺重症度評価尺度(C-SSRS)、統合失調症に関するカルガリーうつスケール(CDSS)およびSimpson Angus評価尺度(SAS)により評価する。
併用薬物治療およびAEを、本明細書に記載されている試験全体を通してモニタリングする。
臨床的に重要であると見なされるあらゆる異常な安全性評価の場合も、治験責任医師は、異常の原因が決定されるまで、および/または値がベースライン(または正常範囲内)に戻るまで、または治験責任医師が、その異常は臨床的有意性がないとみなすまで、適切な経過観察評価(例えば、反復分析)を行う。
治験責任医師によって決定される、任意の試験処置により現れた自殺行動または臨床的に重要な自殺念慮に対して、適切な精神医学的評価および介入が提供される。
バイタルサインの測定
バイタルサインは、以下:起立性収縮期および拡張期血圧、起立性脈拍数、呼吸数および体温に関して測定される。血圧は、被験体が少なくとも5分間、仰臥位になった後、および約2分間の起立後に、較正済み自動血圧カフを使用して測定する。
スクリーニング時に、バイタルサインの測定値を得た後に、任意の予定された血液試料を採取する。
病歴
スクリーニング訪問時および試験全体を通じて必要に応じて、病歴および精神医学的病歴が取得される。
身体検査(身長および体重を含む)
全身体検査は、一般的な外見、皮膚および粘膜、頭部、眼、耳、鼻、咽頭、頸部(甲状腺を含む)、リンパ節、胸部/肺、心臓血管、腹部、四肢、筋骨格ならびに神経学的系の評価からなる。体重もまた測定される。体重および身長(スクリーニング時のみ測定)は、被験体は靴を脱いで測定され、体重は、被験体は上着(例えば、ジャケットまたはコート)を着用しないで測定される。
心電図
標準的な12誘導ECGは、被験体が少なくとも5分間、仰臥位で休憩した後に、三連で(少なくとも1分間隔かつ15分以内)実施される。評価されるECGパラメータには、心拍数、PR間隔、QRS期間、QT間隔、およびフリデリシア補正を使用して心拍数に関して補正したQT間隔(QTcF)(機械読み取り値または計算値)を含む。さらに、脱分極および再分極、リズム障害または他の異常の発生を評価する。これらのパラメータの再検討に基づいて、治験責任医師は、ECGが正常であるか、臨床的に重要ではない異常であるか、または臨床的に重要な異常であるかを記す。ECGが、臨床的に重要な異常である場合、治験責任医師は、AE eCRFに記録される異常の説明を提示する。
臨床検査評価
臨床検査評価はすべて、中央検査室によって行われる。中央検査室は、指示を提供し、試験開始前に試験職員に供給され、指示は、検査室マニュアルに含まれる。以下の臨床的な安全性検査室アッセイを行う。
血液学:分別白血球数(WBC)、赤血球数(RBC)、ヘモグロビン、ヘマトクリット、および血小板数、平均赤血球ヘモグロビン(MCH)、平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC)、平均赤血球体積(MCV)、赤血球分布幅(RDW)、平均血小板体積(MPV)を含む完全血球算定。
臨床化学:ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、塩化物、血中尿素窒素、炭酸水素塩、クレアチニン、尿酸、アルブミン、アルカリホスファターゼ、乳酸デヒドロゲナーゼ、AST、ALT、ガンマ-グルタミルトランスフェラーゼ、クレアチンキナーゼ、総ビリルビン、総タンパク質、総コレステロール、トリグリセリドおよび非絶食時グルコース。
尿検査:尿円柱、結晶、比重、亜硝酸塩、ケトン、タンパク質、ウロビリノーゲン、グルコース、ビリルビン、白血球エステラーゼ、潜血およびpH;沈渣の顕微鏡検査は、尿検査試験紙評価の結果が、亜硝酸塩、タンパク質、白血球エステラーゼまたは血液について陽性である場合にのみ実行される。
以下の追加的な臨床検査を行う:
尿中薬物スクリーニングおよびアルコール試験:尿中薬物スクリーニング(UDS)は、アンフェタミン、バルビツレート、コカイン、マリファナ、メタドン、メタンフェタミン、3,4-メチレンジオキシメタンフェタミン(MDMA)、フェンシクリジンおよび非処方ベンゾジアゼピンまたはアヘン剤に関して検査する。UDSは、中央検査室によって、スクリーニング時に行われる。
アルコール検査は、スクリーニング時および1日目に、試験施設において行われる。
プロラクチン:血清プロクラチン試料は、分析のために中央検査室に送られる。プロクラチンの結果は、データベースがロックされるまで、治験責任医師、被験体、CROおよびスポンサーに対して盲検化状態のままである。DMCは、試験過程の間に、非盲検化プロクラチンデータを再検討してもよい。
妊娠検査:妊娠検査は、妊娠可能性のある女性被験体について、試験全体を通して行われる。血清ベータ-ヒト絨毛性ゴナドトロピン(β-hCG)妊娠検査をスクリーニング時に行い、尿妊娠検査(中央検査室によって提供される尿妊娠キットを使用)は、表5に表示されている時間点に行われる。
CYP2D6状態
CYP2D6表現型決定は、バルベナジンのPK、安全性および有効性に及ぼすその影響を理解するために行われる。1日目に、CYP2D6状態(すなわち、正常代謝群(normal metabolizer)、中間代謝群(intermediate metabolizer)、低代謝群(poor metabolizer)または超高速代謝群(ultrarapid metabolizer))の分析のため、登録済み被験体から血液試料を採取する。ほぼ4mLの血液を、エチレンジアミン四酢酸二カリウム(EDTA K)を含有する管に採取する。試料を取得した後、徹底的に混合すべきである。バイアルに栓をして、試験バーコードおよび被験体番号で標識する。医療情報の収集および提出は、専門的な機密保持基準を厳守して行われる。被験体から採取された遺伝子型決定用血液試料は、分析するために中央検査室に送られる。
薬物動態評価
抗精神病薬物治療の血液試料
抗精神病薬物治療が検出可能レベルにあるかどうかを評価するための血液試料を、スクリーニング時および表5に示される時間点に取得する。試験への組込みの部分として、被験体は、スクリーニング時にバックグラウンド抗精神病薬物治療の検出可能レベルを有さなければならない。被験体が一旦、無作為化されると、追加の試料を10週目の終了時(訪問6)に採取し、被験体のバックグラウンド抗精神病薬物治療への遵守を評価する。この評価のために採取された最大血液体積は、4mL以下である。
バルベナジンのPKのための血液試料
バルベナジンおよび代謝産物の血漿中濃度を決定するための血液試料は、評価のスケジュール(表5を参照されたい)において特定された時間点に採取する。
各試料に関して、エチレンジアミン四酢酸二カリウム(EDTA K)を含有する管に、ほぼ2mLの血液を採取する。時間および分でのサンプリングの正確な時間を、すべての薬物動態(PK)血液試料について記録する。PK試料は、試験から早期に離脱した被験体から採取すべきである。血液試料を処理し、検査室マニュアルに指定されている手順に準拠して保管する。ドライアイス上の試料を保管のために中央検査室に送付する。中央検査室は、分析のためにPK検査室に試料を送る。
有害事象
すべてのAEは、治験責任医師によって観察されたか、被験体によって報告されたか、検査所見から指摘されたか、または他の手段によって特定されたかに関わらず、被験体がICFに署名した時から被験体の最後の試験訪問まで記録される。
AEは、医薬製品が投与された患者または臨床試験被験体における、何らかの望ましくない医学的発生であって、この試験処置との因果関係を必ずしも有していない、発生である。したがって、AEは、医薬製品に関連していると見なされるかどうかに関わりなく、医療製品の使用に一時的に関連する好ましくないおよび意図しないあらゆる徴候(例えば、異常な検査所見などを含む)、症状または疾患となりうる。
AEは、以下のいずれかを含むが、以下に限定されない:
・ 試験の開始時に存在する状態の性質、重症度または頻度の悪化または変化
・ 原発性疾病のために予期されるものを超える被験体の悪化
・ 併発疾病
・ 薬物相互作用
訪問2の後の任意の時点において、C-SSRSの自殺念慮の項目に対する被験体の応答が、訪問2の評価よりも悪い場合、それは、AEとして文書化される。すべての自殺行動は、AEとして文書化される。
被験体またはその親/介護者は、任意の特定の症状の発生について尋ねることなく、一般的な方法で質問されるべきである。治験責任医師は、徴候、症状および/または他の臨床情報に基づいて、事象の診断を確立するよう努めるべきである。そのような場合、診断は、個々の徴候/症状ではなく、AEとして文書化されるべきである。質問および評価の後、すべてのAEは、治験責任医師によって試験処置に関連していると考えられるか、または無関係であると考えられるかに関わらず、治験責任医師の通常の臨床実践にしたがって、およびAE eCRF上に、被験体の医療記録に文書化されなければならない。AEはそれぞれ、期間、強度、頻度、重篤度、転帰、採用された他の行為および試験処置との関係性に関して評価されるべきである。
以下はAEとは見なされない:
・ 試験処置投与後に、予想外に進行した、または重症度が向上したことがない限り、試験処置投与前に継続して持続性の疾患/症状が存在する
・ 試験処置の失敗または有効性の欠如
・ 妊娠
・ いかなる臨床的徴候も症状も伴わない、試験処置または併用薬物治療のいずれかの過剰摂取
有害事象の強度
有害事象は、強度に関して等級付けされなければならない。表に定義されている通り、軽度、中度または重度という強度分類。強度を等級付けするために使用される用語「重度(severe)」とは、用語「重篤(serious)」とは同義ではないことに留意すべきである。
表9. 有害事象の強度
AE=有害事象。
試験処置との関係
治験責任医師は、表10に概説されている基準を使用して、処置に対するAEと試験処置との関係性の治験責任医師の見解を文書化する。
表10. 有害事象と試験処置との関係
重篤な有害事象
重篤な有害事象(SAE)はすべて、被験体がICFに署名した時から最後の試験訪問まで記録される。治験責任医師が、被験体が試験から離脱した後、または試験を完了した後のいかなる時点においても、死亡を含めたいかなるSAEも認識し、治験責任医師が、その事象を試験介入または試験への参加に関連していることが妥当と考える場合、治験責任医師は、スポンサーに速やかに通知しなければならない。
重篤な有害事象の定義
SAEは、以下の転帰のいずれかをもたらすあらゆるAEである。
・ 死亡
・ 生命を脅かすAE。生命を脅かすとは、治験責任医師またはスポンサーの観点で、被験体が、反応が起こった際に、この反応に起因する死亡のリスクが直ちにあることを意味する。生命を脅かすとは、事象がさらに重篤な形態で発生する場合に、この事象が、仮定として、死亡を引き起こし得ることを意味しない。
・ 入院、または既存の入院の長期化。選択的な処置のための入院または臨床的な試験の間に悪化しなかった既存の状態は、AEとは見なされない。介護者の休みの目的のための入院または在宅看護は、AEとは見なされない。入院中に発生した合併症はAEであり、合併症により入院が長引く場合、この事象は、重篤と見なされる。病院の緊急処置室での処置は、入院ではない。
・ 正常な生命機能を行うためのヒトの能力の持続的もしくは顕著な不能、または実質的な破壊
・ 先天性異常/出生時欠損
・ 死亡に至ることがない、生命を脅かすことがない、または入院を必要とし得ない重要な医学的事象。これらの事象は、適切な医学的判断に基づいて、被験体の健康を危険にさらす恐れがあり、列挙された転帰の1つを予防するための医学的介入または外科的介入が必要となることがある場合、重篤と見なされることがある。治験責任医師によって、重篤であると考えられた他のいずれの事象も、この項目において詳述する報告要件に従いやはり報告されるべきである。そのような医学的事象の例としては、緊急処置室または自宅での集中処置を必要とするアレルギー性気管支痙攣、血液悪液質、入院に至らない痙攣、または薬物依存症もしくは薬物乱用の発生が挙げられる。
統計学的方法
本明細書において、一次および二次目的の計画された一次分析の簡単に説明を提示する。
統計学的仮説
一次エンドポイントの帰無仮説は、有効性解析対象集団における分析ベースラインから10週目までのPANSS合計スコアの変化に、バルベナジン群とプラセボ群の間で差異がないことである。言い換えれば、H:μ=μであり、ここで、μは、10週目におけるプラセボ群のPANSS合計スコアの分析ベースラインからの変化であり、μは、10週目におけるバルベナジン処置群におけるPANSS合計スコアの分析ベースラインからの変化である。対立仮説は、10週目におけるPANSS合計スコアの分析ベースラインからの変化において、バルベナジン群はプラセボ群とは異なるということである(すなわち、H:μ≠μ)。
統計学的推定対象
一次推定対象は、あたかもすべての被験体が処置を遵守して、試験に留まったかのように記述されている、最初に無作為化された処置(バルベナジン対プラセボ)の効果を推定する仮説戦略を使用する。ヒト使用向け医薬品規制調和国際会議(ICH)E9付録に一致させると、4つの属性は、以下である:
・ 集団:
- 試験組み入れ基準/除外基準によって定義される統合失調症の診断を有し、ならびに試験処置服薬遵守(すなわち、訪問2と訪問3の間は、≧75%の服薬遵守)、プラセボ導入期間中に試験処置用量減量がないこと、および盲検化プラセボ導入期間中の症状安定性(すなわち、訪問1および訪問3の間のPANSSスコアの変化が≦15%である)を実証する被験体。
・ エンドポイント:
- 一次:ベースラインから10週目までのPANSS合計スコアの変化。
- 重要な二次:ベースラインから10週目までのCGI-Sスコアの変化。
・ 併発事象は、比較される処置の一部と見なされる。
・ 要約尺度:
- 一次:バルベナジン群とプラセボ群との間の10週目における、PANSS合計スコアのベースラインからの変化の平均値の差異。
- 重要な二次:バルベナジン群とプラセボ群との間の10週目における、CGI-Sスコアのベースラインからの変化の平均値の差異。
併発事象の発生に関わりなく、訪問4、5および6からの利用可能なすべての評価を使用する。
試料サイズの決定
バルベナジン対プラセボにほぼ1:1に無作為化されたほぼ300名の被験体(有効性解析対象集団内)の計画された試料サイズは、一次エンドポイントの検出力計算に基づく。2試料t検定に基づいて、処置群あたり150名の被験体の試料サイズは、ほぼ80%の検出力を有して、両側5%の有意性レベルで効果量0.375に相当する処置の差異を検出し、20%のドロップアウト率と仮定する。
効果量は、文献中に見出される統合失調症を有する被験体におけるPANSS合計スコアの変化に関する分析結果に基づく。PANSS合計スコアの標準偏差は、約8~12の範囲であり、標準偏差10が、これらの計算の仮定となる。PANSS合計スコアのベースラインからの変化における約3~4の処置の差異は、補助処置にとって臨床的に有意と見なされる。
安定なPANSS合計スコア(訪問1と訪問3との間の変化が≦15%)を有し、プラセボ導入期間中に試験処置に従い(≧75%の服薬遵守)、プラセボ導入期間の間に試験処置用量の減量を有さず、スクリーニングおよびプラセボ導入期間の間に安定したバックグラウンド抗精神病剤の用量(変化が<25%)を維持する被験体だけが、有効性解析対象集団に含められる。登録された被験体の約25%が、有効性解析対象集団に適格ではないことが予期されるので、この試験は、一次分析に必要な300名の被験体をもたらすよう、約400名の被験体を登録するよう計画される。
非盲検中間解析は、180名の被験体(有効性解析対象集団内)が、8週間の無作為化処置を完了(10週目)する機会が得られた際に行われる。この時点では、試料サイズは、有望なゾーン方法論に基づいて再推定される。中間解析における結果が有望に見える場合、最終解析で80%の条件付き検出力を維持するよう試料サイズを増加させてもよい。解析用の試料サイズ全体の合計は、有効性解析対象集団(約587名が登録)における、最大で440名の被験体まで増やしてもよい。前述の試料サイズと検出力の推定値は、nQuery(登録商標)Advisor Version8から取得した。
解析対象集団(analysis set)
この試験に使用した統計解析対象集団を表11に定義する。さらなる解析対象集団は、統計解析計画書(SAP)において指定されてもよい。
表11. 解析対象集団
統計解析
この試験からのデータを要約するために、記述統計学的方法を使用する。記述統計学は、通常、被験体数(n)、平均値、標準偏差(SD)または標準誤差(SE)、メジアン、第1四分位数(Q1)および第3四分位数(Q3)、最小値、最大値、および連続変数に関する信頼区間が含まれ、カテゴリー変数の被験体の数および割合を指す。記述統計学は、二重盲検の無作為処置期間中の、各訪問時のPANSS合計スコアの観察値およびベースラインからの変化について処置群ごとに提示する。
CGI-Sスコアにおけるベースラインからの変化の重要な二次エンドポイントに関する記述統計学は、各ベースライン後訪問時の処置群によって提示される。ベースラインから10週目の終了までの変化に関する処置比較は、一次エンドポイントと同様に解析される。重要な二次エンドポイントは、一次エンドポイントが、0.05の有意性レベルで統計学的に有意と見なされる場合に限り、統計学的有意性について検定を行う。
一次有効性解析に使用される解析集団には、訪問2と3との間で試験処置服薬遵守の基準を満たし、訪問1と訪問3との間に症状安定を実証し、抗精神病薬物治療の限定された用量変更(訪問1と3との間の用量の<25%変化)を有し、プラセボ導入期間の間、試験処置用量減量を有さず、および少なくとも1つの有効性評価を有した無作為化被験体のすべてを含む、有効性解析対象集団中のすべての被験体を含む。試験処置の早期中止後に収集されたデータを含めた、入手可能なすべてのデータが一次解析に含まれる。
安全性評価は、試験処置によって記述的に要約される。無作為化され、試験処置の少なくとも1用量の投与を受けた被験体のすべてを、安全性解析に含ませる。
バルベナジン対プラセボにおよそ1:1に無作為化されたほぼ300名の被験体(有効性解析対象集団内)の計画された試料サイズは、一次エンドポイントの検出力計算に基づく。2試料t検定に基づいて、処置群あたり150名の被験体の試料サイズは、ほぼ80%の検出力を有して、両側5%の有意性レベルで効果量0.375に相当する処置の差異を検出し、20%のドロップアウト率と仮定する。
有効性解析
すべての有効性解析は、プラセボ導入期間の後、および無作為化処置の初回投与の直前に収集されたデータをベースライン値として使用する。
一次エンドポイントおよび二次エンドポイントの一次解析のために計画された統計学的方法の要約は、以下の通りである。
(i)多重比較を制御するための手順
逐次検定を一次エンドポイントと重要な二次エンドポイントとの間で行う。
重要な二次エンドポイントは、一次エンドポイントが5%の有意性レベルで統計学的に有意と見なされる場合のみ検定する。
他のすべてのp値を多重度について補正せず、名目p値と見なすべきである。
(ii)一次エンドポイント
10週目のPANSS合計スコアのベースラインからの変化の一次エンドポイントは、4週目、6週目および10週目の終了時のスコアを使用する線形混合効果反復測定モデルを使用して解析する。このモデルは、共変量としてベースラインのPANSS合計スコア、ならびに固定効果として、地域(米国対非米国)、年齢(<18歳、18~40歳および>40歳)、処置群(バルベナジンまたはプラセボ)、訪問、および処置群・訪問の相互作用を含む。被験体は、ランダム効果として含まれる。有意性検定は、両側有意レベル0.05を使用した最小二乗平均に基づく。一次比較は、10週目における処置群間の対比である。
有効性解析対象集団は、一次解析に使用される。
(iii)重要な二次エンドポイント
ベースラインから10週目の終了までのCGI-Sスコアにおける変化に関する処置比較は、入手可能なベースライン後の値(4週目、6週目および10週目)を使用して、一次エンドポイントと同様に解析する。
有効性解析対象集団を一次解析に使用する。
(iv)追加の二次エンドポイント
10週目におけるPSPスコアにおける分析ベースラインからの変化を測定する連続二次エンドポイントは、入手可能なベースライン後の値(4週目、6週目および10週目)を使用して、一次エンドポイントと同様に解析する。
有効性解析対象集団をすべての二次エンドポイントに対する一次解析に使用する。
安全性解析
この試験からの安全性データは、安全性解析対象集団を使用して解析する。処置により発現したAEの被験体の出現率は、AE、SAE、致死性AE、および試験処置の中止に至らしめるAEについて、処置群によって集計する。選択した検査室分析物、バイタルサイン、ECGパラメータ、C-SSRSおよびSASなどを含めた、追加の安全性データに関する、処置群による記述統計学を生成する。
中間解析
本明細書において記載されている通り、この試験において計画された中間解析が1つ、および試験の継続中のモニタリングが存在する。
非盲検中間解析は、無作為化が完了する前、および最初の60%(N=180)の無作為化被験体(有効性解析対象集団内)の結果が、8週間の無作為化処置(すなわち、10週目)を完了する機会を有した時に行われる。この時点では、試料サイズは、有望なゾーン方法論に基づいて再推定される。中間解析における結果が有望に見える場合、最終解析で80%の条件付き検出力を維持するよう試料サイズを増加させてもよい。中間解析には、条件付き検出力手法を使用した拘束力のない(独立データモニタリング委員会[DMC]に対してのみ非盲検化)無益性解析が含まれる。さらに、有望なゾーンアプローチ(MehtaおよびPocock(2011))に基づいて、非盲検化試料サイズの再推定を行う。中間解析結果に基づいて、解析のための試料サイズ全体の合計は、有効性解析対象集団(約587人が登録)のうち、最大440名の無作為化被験体まで増加させてもよい。試料サイズが増加した場合、試験の完全性を維持するために、ステップ関数を利用する。最終解析では、Cui-Hung-Wang(CHW)加重組合せ統計量を使用して一次エンドポイントを検定する。例えば、Cui L, Hung HM, and Wang SJ. Modification of sample size in group sequential clinical trials. Biometrics. 1999 Sep;55(3):853-7を参照されたい。
(実施例2:製剤/試験薬物治療)
20、40、60および80mgの用量強度のバルベナジンの組成を以下の表に提示する。
表12. 製剤1: 製剤1: バルベナジンカプセル, 20, 40, 60, および80mg (遊離塩基当量)の定量的組成
表13. 製剤2: バルベナジンカプセル, 40mg (遊離塩基当量)の定量的組成
本開示は、上記の実施例を参照して記載されているが、本開示の趣旨および範囲内に改変および変形が包含されることが理解される。上記の様々な実施形態が組み合わされて、さらなる実施形態が得られる。この明細書に言及されている、および/または出願データシートに一覧表示されている米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願および非特許公開のすべてが、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれている。実施形態の態様は、必要な場合、修正されて、様々な特許、出願および公開物の概念を使用して、さらなる実施形態を提示することができる。
上記の詳細説明に照らし合わせて、これらの変更および他の変更を実施形態に行うことができる。一般的に、以下の特許請求の範囲において、使用される用語は、本明細書および特許請求の範囲に開示されている特定の実施形態に特許請求の範囲を制限すると解釈されるべきではないが、そのような特許請求の範囲に権利が与えられる均等物の全範囲を伴う可能なすべての実施形態を含むと解釈されるべきである。したがって、特許請求の範囲は、本開示によって限定されない。

Claims (112)

  1. 統合失調症のアドオン処置のための方法であって、それを必要とする被験体に、治療有効量の(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、前記被験体が、統合失調症を処置するための少なくとも1種の共治療剤の投与も受けている、方法。
  2. 前記被験体が、統合失調症の少なくとも1つの徴候または症状を有する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記被験体が、統合失調症の少なくとも1つの陽性、陰性および/または認知徴候または症状を有する、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記少なくとも1つの徴候または症状が、妄想、幻覚、解体した会話、解体した行動もしくは注意、無快感症、緊張病性行動、感情の平坦化、アロギー、意欲喪失、概念の統合障害またはそれらの任意の組合せである、請求項2または3に記載の方法。
  5. 統合失調症のアドオン処置のための方法であって、それを必要とする被験体に、治療有効量の(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、前記被験体が、陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)において、以下の症状:P1(妄想)、P3(幻覚)、P6(猜疑心)およびG9(不自然な思考内容)から選択される少なくとも1つの症状を有しており、さらに、前記被験体が、統合失調症を処置するための少なくとも1種の共治療剤の投与も受けている、方法。
  6. 前記被験体が、合計PANSSスコア≧70を有する、請求項5に記載の方法。
  7. 前記被験体が、重症度の臨床全般印象度スコア(CGI-S)≧4を有する、請求項5または6に記載の方法。
  8. 前記被験体が、安定なバックグラウンド抗精神病薬物治療用量を有する、請求項5~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記被験体が、安定なPANSS合計スコアを有する、請求項5~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記被験体が、残存症候性であるか、または統合失調症の第1選択もしくは第2選択処置後に、少なくとも1つの残留徴候もしくは症状を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記被験体が、残存症候性である、または統合失調症の単独療法もしくは併用療法後に、少なくとも1つの残留徴候もしくは症状を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記単独療法または併用療法が、初期治療である、請求項11に記載の方法。
  13. 前記少なくとも1種の共治療剤が、少なくとも1種の抗精神病剤である、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記抗精神病剤が、定型抗精神病剤である、請求項13に記載の方法。
  15. 前記定型抗精神病剤が、ベンペリドール、クロルプロマジン、ドロペリドール、フルペンチキソール、フルフェナジン、ハロペリドール、レボメプロマジン、ロキサピン、モリンドン、ペリシアジン、ペルフェナジン、ピモジド、プロクロルペラジン、プロマジン、スルピリド、チオチキセン、トリフルオペラジン、チオリダジン、ズクロペンチキソールまたはそれらの任意の組合せである、請求項14に記載の方法。
  16. 前記抗精神病剤が、非定型抗精神病剤である、請求項13に記載の方法。
  17. 前記非定型抗精神病剤が、クロザピン、オランザピン、リスペリドン、セルチンドール、クエチアピン、パリペリドン、アセナピン、ジプラシドン、スルモンチール、イロペリドン、アリピプラゾールまたはそれらの任意の組合せである、請求項16に記載の方法。
  18. 前記被験体が、治療量未満の用量の第2の抗精神病剤による併用処置を受けている、請求項13~17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 治療量未満の用量の第2の抗精神病剤による前記併用処置が、不眠症または不安を処置するために使用される、請求項18に記載の方法。
  20. 治療量未満の用量の第2の抗精神病剤による前記併用処置が、不応性陽性精神病症状以外の症状を処置するために使用される、請求項19に記載の方法。
  21. 前記被験体が、前記少なくとも1種の抗精神病剤に対して不適切な応答を有する、請求項13~20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記被験体が、前記少なくとも1種の抗精神病剤の少なくとも第2の臨床的使用にある、請求項13~21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記被験体が、リスペリドンおよび/またはリスペリドン等価物の投与も受けている、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記被験体が、総1日用量が約4mg~約8mgのリスペリドンおよび/またはリスペリドン等価物の投与も受けている、請求項23に記載の方法。
  25. 前記被験体が、総1日用量が約4mg~約8mgの表2によるリスペリドン等価物のバックグラウンド抗精神病剤療法を受けている、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記被験体が、安定な抗精神病剤用量を有する、請求項25に記載の方法。
  27. 前記安定な抗精神病剤用量が、リスペリドン等価物総1日用量≦25%の変化として定義される、請求項26に記載の方法。
  28. 前記被験体が、最大で2種の抗精神病剤の投与も受けている、請求項13~27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 合計した抗精神病剤総用量が、約4mg~約8mgの1日用量の表2によるリスペリドン等価物である、請求項28に記載の方法。
  30. 前記抗精神病剤がクロザピン以外である、請求項13~29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記被験体が、処方用量の臨床的に有意な変化を伴わない、安定なレジメンの抗精神病剤を用いて処置される、請求項13~30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記処方用量の臨床的に有意な変化がないことが、用量の増加がないこと、または耐容性のための用量における≦25%の低下である、請求項31に記載の方法。
  33. 用量調節が予期されない、請求項32に記載の方法。
  34. 前記被験体が、注射可能な長期作用型抗精神病剤の投与も受けている、請求項13~33のいずれか一項に記載の方法。
  35. 前記注射可能な長期作用型抗精神病剤の用量変更がない、請求項34に記載の方法。
  36. 前記不適切な応答が、
    陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)総スコアが≧70であること、
    PANSSスコアがP1(妄想)、P3(幻覚)、P6(猜疑心)およびG9(不自然な思考内容)から選択される少なくとも1つの症状に対して≧4であること、
    重症度の臨床全般印象度(CGI-S)スコアが≧4であること、
    表2によるリスペリドン等価物総1日用量における≦25%の変化の、安定なバックグラウンド抗精神病薬物治療用量、ならびに
    ≦15%の変化の、安定なPANSS合計スコア
    から選択される少なくとも1つのベースライン基準を含む、請求項21~35のいずれか一項に記載の方法。
  37. 前記被験体が、≧18歳の被験体の場合、精神障害の診断および統計マニュアル、第5版(DSM-V)の精神病性障害に関する精神病性障害に関するMINIバージョン7.0.2、または13~17歳の被験体の場合、K-SADS-PLによって定義される、統合失調症の確定診断を有する、請求項1~36のいずれか一項に記載の方法。
  38. 前記被験体が、少なくとも1年間、統合失調症の確定された初期診断を有する、請求項1~37のいずれか一項に記載の方法。
  39. 前記被験体が、少なくとも50kgの体重を有する少なくとも13歳である、請求項1~38のいずれか一項に記載の方法。
  40. 前記被験体が、安定な総体的症状を有する外来患者である、請求項1~39のいずれか一項に記載の方法。
  41. 前記被験体が、併存パーキンソニズムを有していない、および/または修正Simpson Angus評価尺度(SAS;#10、アカシジアを除外)でのスコア>6によって定義される錐体外路の徴候もしくは症状の最小レベルを超えて示さない、もしくはこれを示す、請求項1~40のいずれか一項に記載の方法。
  42. 前記被験体が、以下の基準:
    処置抵抗性精神病に対するクロザピン処置の病歴;ならびに/または
    被験体が最小限の改善を実証するかもしくはまったく改善を実証しない、複数の適切な抗精神病薬物治療試験および抗精神病薬物治療試験の失敗の病歴
    のうちの少なくとも1つによって定義される、処置抵抗性統合失調症を有していない、請求項1~41のいずれか一項に記載の方法。
  43. 前記被験体が、統合失調感情障害の診断;双極性障害の生涯診断;強迫性障害の生涯診断;パニック障害、うつエピソードおよび/またはMINIバージョン7.0.2に基づいて臨床的注意を要する他の併存精神医学的状態の最近の発生を有さない、請求項1~42のいずれか一項に記載の方法。
  44. 前記被験体が、統合失調症に関するカルガリーうつスケール(CDSS)スコア>8によって測定されるうつの証拠を有さない、請求項1~43のいずれか一項に記載の方法。
  45. 前記被験体が、自殺を試みたことがない、および/またはコロンビア自殺重症度評価尺度(C-SSRS)において項目番号4もしくは5に関して肯定的な答えを有さない、請求項1~44のいずれか一項に記載の方法。
  46. 前記(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩が、最適化用量が投与されるまでの約6週間以内の期間にわたり、前記(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルの上方用量設定を含む用量設定スキームにより投与される、請求項1~45のいずれか一項に記載の方法。
  47. 前記用量設定スキームが、約2週間、1日1回、約40mgの(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステル遊離塩基に等価な初期用量で、前記(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩を投与するステップであって、但し、患者が、前記初期用量に耐容性を示すこと、および前記患者が適切な応答を有さないことを条件とする、ステップ、前記用量を増加するステップ、ならびに前記被験体に増加した用量を投与するステップを含む、請求項46に記載の方法。
  48. 前記増加した用量が、1日1回、約60mgの前記(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステル遊離塩基に等しい、請求項47に記載の方法。
  49. 前記増加した用量が、1日1回、約80mgの前記(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステル遊離塩基に等しい、請求項47に記載の方法。
  50. 前記用量設定スキームが、約2週間、前記増加した用量の前記(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩を投与するステップをさらに含む、請求項46~49のいずれか一項に記載の方法。
  51. 前記被験体が、前記増加した用量に耐容性を示さない場合、前記最適化用量は、前記初期用量である、請求項46~49のいずれか一項に記載の方法。
  52. 前記被験体が、前記増加した用量に耐容性を示す場合、および前記被験体が、適切な応答を有した場合、前記最適化用量は、前記増加した用量である、請求項50に記載の方法。
  53. 前記最適化用量の前記(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩を前記被験体に投与するステップをさらに含む、請求項51または52に記載の方法。
  54. 前記被験体が、前記増加した用量に耐容性を示す場合、および前記被験体が、適切な応答を有していない場合、前記用量を増加するステップをさらに含む、請求項50に記載の方法。
  55. さらに増加した用量が、1日1回、約80mgの(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステル遊離塩基に等しい、請求項54に記載の方法。
  56. 前記被験体が、前記さらに増加した用量に耐容性を示さない場合、前記最適化用量が、前記増加した用量である、請求項54または55に記載の方法。
  57. 前記被験体が、前記さらに増加した用量に耐容性を示す場合、および前記被験体が、適切な応答を有した場合、前記最適化用量が、前記さらに増加した用量である、請求項54または55に記載の方法。
  58. 前記最適化用量の前記(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩を前記被験体に投与するステップをさらに含む、請求項56または57に記載の方法。
  59. 前記(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩が、午後または夕方に投与される、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  60. 前記(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩の投与前に、前記被験体が、リスペリドン等価物総1日用量における≦25%の変化を伴う抗精神病剤の安定なレジメンにより処置される、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  61. 前記(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩の投与前に、前記被験体が、前記処方用量の臨床的に有意な変化を伴わないで、抗精神病剤の安定なレジメンにより処置される、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  62. 前記処方用量の臨床的に有意な変化がないこととは、用量の増加がないこと、または≧3週間、前記処方用量において、耐容性のための用量の低下が≦25%であることである、請求項51に記載の方法。
  63. 用量調節が予期されない、請求項52に記載の方法。
  64. 前記被験体が、前記(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩の投与前の8週間以内に、用量変更を伴わないで、注射可能な長期作用型抗精神病剤の投与も受けている、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  65. 前記(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩の投与前に、前記被験体が、統合失調症の精神障害の診断および統計マニュアル、第5版(DSM-V)の診断を有する、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  66. 前記(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩の投与前に、前記被験体が、≧18歳の被験体の場合、精神障害の診断および統計マニュアル、第5版(DSM-V)の精神病性障害に関するMINIバージョン7.0.2、または13~17歳の被験体の場合、K-SADS-PLによって定義される、統合失調症の確定診断を有する、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  67. 前記(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩の投与前に、前記被験体が、少なくとも1年間、統合失調症の確定された初期診断を有する、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  68. 前記(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩の投与前に、前記被験体が、陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)において、以下の症状:P1(妄想)、P3(幻覚)、P6(猜疑心)およびG9(不自然な思考内容)から選択される少なくとも1つの症状を有する、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  69. 前記(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩の投与前に、前記被験体が、≧70の合計PANSSスコアを有する、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  70. 前記(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩の投与前に、前記被験体が、≦15%の変化を伴う安定なPANSS合計スコアを有する、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  71. 前記(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩の投与前に、前記被験体が、≧4の重症度の臨床全般印象度(CGI-S)スコアを有する、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  72. 前記(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩の投与前に、前記被験体が、表2によるリスペリドン等価物総1日用量における≦25%の変化を伴う、安定なバックグラウンド抗精神病薬物治療用量を有する、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  73. 前記(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩の投与前に、前記被験体が、≧3週間、安定な総体的症状を有する外来患者である、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  74. 前記(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩の投与前に、前記被験体が、以下の基準:
    処置抵抗性精神病に対するクロザピン処置の病歴;ならびに/または、
    被験体が最小限の改善を実証するかもしくはまったく改善を実証しない、複数の適切な抗精神病薬物治療試験および抗精神病薬物治療試験の失敗の病歴
    のうちの少なくとも1つによって定義される処置抵抗性統合失調症を有さない、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  75. 前記(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩の投与前に、前記被験体が、統合失調感情障害の診断;双極性障害の生涯診断;強迫性障害の生涯診断;パニック障害、うつエピソードおよび/またはMINIバージョン7.0.2に基づいて臨床的注意を要する他の併存精神医学的状態の最近の発生を有さない、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  76. 前記(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩の投与前に、前記被験体が、統合失調症に関するカルガリーうつスケール(CDSS)スコア>8によって測定されるうつの証拠を有さない、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  77. 前記(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩の投与前に、前記被験体が、1年以内に自殺を試みたことがない、および/またはコロンビア自殺重症度評価尺度(C-SSRS)において項目番号4もしくは5に関して肯定的な答えを有さない、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  78. 前記アドオン処置が、分析ベースラインから10週目までに合計PANSSスコアの変化;分析ベースラインから10週目までに疾病のCGI-Sの変化、分析ベースラインから10週目までに個人的社会的機能遂行度(PSP)スコアの変化、ベースラインから10週目までにEuroQol5次元5レベル(EQ-5D-5L;被験体≧18歳)もしくはEQ-5Dユース(EQ-5D-Y;被験体13~17歳)のVASスコアの変化;および/またはベースラインから10週目までにシーハン障害尺度(SDS)の変化をもたらす、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  79. 前記処置が、ベースライン時における前記被験体のスコアに比べ、前記被験体のCGI-S陽性症状の低下をもたらす、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  80. 前記処置が、分析ベースラインから10週目までにEuroQol5次元5レベル(EQ-5D-5L)スコアの変化、および/または分析ベースラインから10週目までにシーハン障害尺度(SDS)の変化をもたらす、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  81. 前記(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩が、固体剤形の形態である、請求項1~80のいずれか一項に記載の方法。
  82. 前記(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩が、経口投与される、請求項1~81のいずれか一項に記載の方法。
  83. 前記(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩が、カプセルの形態である、請求項1~82のいずれか一項に記載の方法。
  84. 前記(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩が、毎日、投与される、請求項1~83のいずれか一項に記載の方法。
  85. 前記(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩が、1日1回または1日2回、投与される、請求項1~84のいずれか一項に記載の方法。
  86. 前記(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;またはそれらの薬学的に許容される塩が、1日1回、投与される、請求項1~85のいずれか一項に記載の方法。
  87. 前記治療有効量が、約10mg~約90mgの(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステル遊離塩基に等しい量である、請求項1~86のいずれか一項に記載の方法。
  88. 前記治療有効量が、約20mg~約80mgの(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステル遊離塩基に等しい量である、請求項1~87のいずれか一項に記載の方法。
  89. 前記治療有効量が、約20mgの(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステル遊離塩基に等しい量である、請求項1~88のいずれか一項に記載の方法。
  90. 前記治療有効量が、約40mgの(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステル遊離塩基に等しい量である、請求項1~89のいずれか一項に記載の方法。
  91. 前記治療有効量が、約60mgの(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステル遊離塩基に等しい量である、請求項1~89のいずれか一項に記載の方法。
  92. 前記治療有効量が、約80mgの(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステル遊離塩基に等しい量である、請求項1~89のいずれか一項に記載の方法。
  93. 前記治療有効量が、約40mg/日の(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステル遊離塩基に等しい量である、請求項1~89のいずれか一項に記載の方法。
  94. 前記治療有効量が、約60mg/日の(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステル遊離塩基に等しい量である、請求項1~89のいずれか一項に記載の方法。
  95. 前記治療有効量が、約80mg/日の(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステル遊離塩基に等しい量である、請求項1~89のいずれか一項に記載の方法。
  96. 前記(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルが、遊離塩基である、請求項1~95のいずれか一項に記載の方法。
  97. 前記(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルが、塩である、請求項1~95のいずれか一項に記載の方法。
  98. 前記塩がトシル酸塩である、請求項1~97のいずれか一項に記載の方法。
  99. 前記トシル酸塩が、構造式(I):
    の(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルトシル酸塩である、請求項98に記載の方法。
  100. 前記(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;または薬学的に許容される塩が、結晶形態である、請求項1~99のいずれか一項に記載の方法。
  101. 前記(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルもしくはその同位体改変体;または薬学的に許容される塩の前記結晶形態が、243℃の2%以内に示差走査熱量測定(DSC)ピーク温度を有する、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルトシル酸塩の形態lである、請求項100に記載の方法。
  102. 前記DSCピーク温度が、243℃の1%以内にある、請求項100または101に記載の結晶形態。
  103. 前記DSCピーク温度が、243℃の0.5%以内にある、請求項100~102のいずれか一項に記載の結晶形態。
  104. 6.3°±0.2°の2シータ角度にピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを有する、請求項100~103のいずれか一項に記載の結晶形態。
  105. 17.9°±0.2°の2シータ角度にピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを有する、請求項100~104のいずれか一項に記載の結晶形態。
  106. 19.7°±0.2°の2シータ角度にピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを有する、請求項100~105のいずれか一項に記載の結晶形態。
  107. 約25℃および約60%の相対湿度に曝露時に安定である、請求項100~106のいずれか一項に記載の結晶形態。
  108. 約70μMの長さのD90粒子サイズを有する、請求項100~107のいずれか一項に記載の結晶形態。
  109. 約10μMの長さのD10粒子サイズを有する、請求項100~107のいずれか一項に記載の結晶形態。
  110. 97重量%以上の純度の(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルトシル酸塩を有する、請求項100~109のいずれか一項に記載の結晶形態。
  111. 98重量%以上の純度の(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルトシル酸塩を有する、請求項100~110のいずれか一項に記載の結晶形態。
  112. 97重量%以上の純度の(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルトシル酸塩を有しており、6.3°±0.2°、17.9°±0.2°および19.7°±0.2°の2シータ角度にピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを有する、請求項100~111のいずれか一項に記載の結晶形態。
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PLAGUE Division of Anti-Infective Products Office of Antimicrobial Products Center for Drug Evaluation and Research, FDA
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