JP2024523109A - C5又はc6アルカンジオールを生成するための分離プロセス - Google Patents

C5又はc6アルカンジオールを生成するための分離プロセス Download PDF

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Abstract

Figure 2024523109000001
又はCアルカンジオールと、軽質汚染物質と、C10若しくはC12直鎖エステル、又はC10若しくはC12環状アセタール若しくはケタールのうちの1つ以上を含む重質汚染物質とを含む粗生成物流からC又はCアルカンジオールを分離するためのプロセスが開示される。プロセスは、第1の蒸留ゾーンであって、そこに粗生成物流が供給され、底流として取り出される重質流中で重質汚染物質がそこから除去される第1の蒸留ゾーンと、第2の蒸留ゾーンであって、第1の蒸留ゾーンで形成された、C若しくはC環状エステル、又はC若しくはCアルデヒドのうちの1つ以上を含む反応生成物からC又はCアルカンジオールがそこで分離され、そこから精製生成物流中でC又はCアルカンジオールが回収される、第2の蒸留ゾーンとを含む分離システムに、粗生成物流を供給することを含む。プロセスは、反応生成物が、第1の蒸留ゾーン又は第2の蒸留ゾーンのいずれかからのサイドドローとして取り出される反応生成物流中で回収され、軽質汚染物質が、第1の蒸留ゾーン又は第2の蒸留ゾーンのいずれかからのオーバーヘッド流として取り出される軽質流中に除去されることを特徴とする。

Description

本発明は、C又はCアルカンジオールと、C10若しくはC12直鎖エステル、又はC10若しくはC12環状アセタール若しくはケタールのうちの1つ以上を含む重質汚染物質とを含む粗生成物流からC又はCアルカンジオールを分離するためのプロセスに関する。
特に、排他的ではないが、本発明は、C又はCアルカンジオールと、C10若しくはC12直鎖エステル、又はC10若しくはC12環状アセタール若しくはケタールのうちの1つ以上を含む重質汚染物質とを含む粗生成物流から又はCアルカンジオールを分離するためのプロセスに関し、ここで粗生成物流は、C若しくはCジカルボン酸のジアルキルエステル、又はCケト酸のアルキルエステルを更に含む。
本発明は、特に、排他的ではないが、1,6ヘキサンジオールと、6-ヒドロキシヘキシル6-ヒドロキシヘキサノエート及び6-(オキセパン-2-イルオキシ)ヘキサン-1-オールのうちの1つ以上を含む重質汚染物質とを含む粗生成物流から1,6ヘキサンジオールを分離するプロセスに関し、特に、排他的ではないが、1,6ヘキサンジオールと、6-ヒドロキシヘキシル6-ヒドロキシヘキサノエート及び6-(オキセパン-2-イルオキシ)ヘキサン-1-オールのうちの1つ以上を含む重質汚染物質とを含む粗生成物流から1,6ヘキサンジオールを分離するプロセスであって、粗生成物流がアジピン酸ジアルキル及び軽質汚染物質を更に含むプロセスに関する。
本発明はまた、C若しくはCジカルボン酸のジアルキルエステル、又はCケト酸のアルキルエステルからC若しくはCアルカンジオールを生成するプロセス、特に、排他的ではないが、アジピン酸ジアルキルから1,6ヘキサンジオールを生成するプロセスに関する。
1,6-ヘキサンジオールへのいくつかの合成経路が知られているが、1つのプロセスは、出発物質としてアジピン酸を使用する。アジピン酸をアルカノール、通常はメタノールなどのC~Cアルカノールでエステル化して、対応するアジピン酸ジアルキルを得、次いでこれを水素化分解に供して1,6-ヘキサンジオール及びアルカノールを得、これをリサイクルして更なるアジピン酸ジアルキルを生成することができる。
出発物質としてレブリン酸を使用して1,4ペンタンジオールを生成するための、及び出発物質としてグルタル酸を使用して1,5ペンタンジオールを生成するための類似のプロセスも知られている。レブリン酸をレブリン酸アルキルにエステル化することができ、これを水素化分解に供して1,4ペンタンジオールを形成する。グルタル酸をグルタル酸ジアルキルにエステル化することができ、これを水素化分解に供して1,5ペンタンジオールを形成する。
水素化分解はまた、副生成物の生成をもたらす。例えば、アジピン酸ジメチルなどのアジピン酸ジアルキルの水素化分解によって、カプロラクトン及びオキセパンの形成をもたらし得る。更なる例として、レブリン酸アルキルの水素化分解は、γ-バレロラクトン及び2-メチルテトラヒドロフランの形成をもたらし得、グルタル酸ジアルキルの水素化分解は、テトラヒドロ-2H-ピラン-2-オン及びテトラヒドロ-2H-ピランの形成をもたらし得る。更に、水素化分解生成物混合物は、通常、以下を少量で含有する:対応するアジピン酸ジアルキル、レブリン酸アルキル又はグルタル酸ジアルキル;エステル化に使用されるアルカノール(例えば、メタノール);ヘキサノール(1,6-ヘキサンジオールを生成する場合)又はペンタノール(ペンタンジオールを生成する場合);水及び他の微量不純物。
種々の成分及び生成物は、一般に、従来の蒸留を使用する多数の蒸留工程によって、又は分離壁カラムの使用によって分離及び精製される。
米国特許第7064239号、米国特許第6727395(B1)号、米国特許第6288286(B1)号、米国特許第6008418(A)号及び米国特許第5981769(A)号は、1,6-ヘキサンジオールの製造方法を開示している。
米国特許第7329330号は、1,6-ヘキサンジオールの分離及び精製のための分離壁蒸留カラムを開示している。
欧州特許2614056(B1)号には、ジカルボン酸溶液(DCL)から1,6-ヘキサンジオール及び高度に純粋なe-カプロラクトンを生成するための方法が開示されており、方法は、(a)DCLをアルコールでエステル化する工程、(b)エステルを部分的に触媒水素化する工程、(c)頂部生成物として、1,6-ヘキサンジオールと低沸点留分とを蒸留によって分離する工程、及び(d)底部留分中に含まれる6-ヒドロキシカプロン酸エステルを、カプロラクトンの沸点を越える温度で沸騰するアルコールの存在下で環化する工程を含む。
米国特許第8513472号には蒸留プロセスが開示され、プロセスは、4つの工程:a)第1の蒸留工程において、水、及びエステル化に使用されたアルコールの沸点よりも低い沸点を有する成分を水素化によって得られた混合物から分離すること;b)第2の蒸留工程において、1,6-ヘキサンジオールより高い沸点を有するEV成分を更に分離すること;c)第3の蒸留工程において、1,6-ヘキサンジオールよりも低い沸点を有するEV成分を更に分離すること;及びd)第4の蒸留工程において、1,6-ヘキサンジオールを得ることを、この順序で含む。米国特許第8513472号は、本発明者らが、ε-カプロラクトン又は6-ヒドロキシカプロン酸エステルを含む低沸点エステル価(EV)成分を、第2の蒸留工程後の第3の蒸留工程において分離すると、高収率で高純度の1,6-ヘキサンジオールを得ることができることを見出したことに言及している。蒸留カラムの順序を逆にして、ε-カプロラクトンなどの低沸点EV成分を先に分離及び除去すると、次の蒸留カラムでの高沸点EV成分の分離中に、カプロラクトンなどの低沸点EV成分が再度生成され、エステル価の低い1,6-ヘキサンジオールを得ることができない。米国特許第8513472号における粗生成物流は、グルカル酸、アジピン酸及び6-ヒドロキシカプロン酸を含むカルボン酸の混合物のエステル化及び水素化から生じ、したがって1,5ペンタンジオールなどのC種を含有する。米国特許第8513472号の蒸留システムは、一連のカラムであり、1,6-ヘキサンジオールの沸点よりも低い沸点を有するEV成分の分離が、4つの工程の第3の工程で行われる。1,6-ヘキサンジオール、及び1,6-ヘキサンジオールと6-ヒドロキシカプロン酸とのエステルを主に含有する底流は、第2の工程から水素化にリサイクルされる。
本出願人は、実験により、1,6-ヘキサンジオール、カプロラクトン、オキセパン、アルカノール及び水の混合物が、アジピン酸ジアルキルの水素化分解による1,6-ヘキサンジオール生成の段階で起こり得るように、種々の反応を被り、先行技術に記載された手段によってこれらの混合物を蒸留し、高純度ヘキサンジオールを得るという課題を更に困難にすることを発見した。反応は水素化工程、更には蒸留工程で起こり、それにより少量の重質及び軽質成分が生成される。これらの例は、トランスエステル、例えば6ヒドロキシヘキシルメチルアジペート、又は重質エーテルである。
重大な重質汚染物質は、1,6-ヘキサンジオール及びカプロラクトンから形成される6-ヒドロキシヘキシル6-ヒドロキシヘキサノエートであることが見出されている。6-ヒドロキシヘキシル6-ヒドロキシヘキサノエートの形成は、6-ヒドロキシヘキシル6-ヒドロキシヘキサノエートが特定の条件下でヘキサンジオール及びカプロラクトンに戻ることができる、平衡反応である。形成される別の重大な重質汚染物質は、アセタール、6-(オキセパン-2-イルオキシ)ヘキサン-1-オールであり、これは、1,6-ヘキサンジオールより重いが、特定の条件下で、アルデヒド、6-ヒドロキシヘキサナール(1,6-ヘキサンジオールより軽い)に戻ることができる。
1,4ペンタンジオールの生成において類似の反応を起こすことができ、それにより、1,4ペンタンジオール及びγ-バレロラクトンに戻ることができる4-ヒドロキシペンチル4-ヒドロキシペンタノエート、並びに/又は4-ヒドロキシペンタナールに戻ることができる5-((2-メチルテトラヒドロフラン-2-イル)オキシ)ペンタン-2-オールを生成する。加えて、5-ヒドロキシペンタン-2-イル4-ヒドロキシペンタノエートが形成されてもよく、これは、1,4ペンタンジオール及びγ-バレロラクトンに戻ることができる。加えて、4-((2-メチルテトラヒドロフラン-2-イル)オキシ)ペンタン-1-オールが形成されてもよく、これも4-ヒドロキシペンタナールに戻ることができる。加えて、4-((5-メチルテトラヒドロフラン-2-イル)ペンタン-1オール及び/又は5-((5-メチルテトラヒドロフラン-2イル)オキシペンタン-2-オールが形成されてもよく、これは4-オキソペンタナールに戻ることができる。
1,5ペンタンジオールの生成において、1,5ペンタンジオール及びテトラヒドロ-2H-ピラン-2-オンに戻ることができる5-ヒドロキシペンチル5-ヒドロキシペンタノエート、並びに/又は5-ヒドロキシペンタナールに戻ることができる5-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)ペンタン-1-オールを生成してもよい。
1,6ヘキサンジオールを分離するための従来技術の蒸留システムでは、これらの重質汚染物質は、従来のカラム又は分離壁カラムの底部に分留され得る。カラムリボイラー及びサンプの高温及び高滞留時間領域では、6-ヒドロキシヘキシル6-ヒドロキシヘキサノエート又は6-(オキセパン-2-イルオキシ)ヘキサン-1-オールなどの重質汚染物質が反応して、カプロラクトン又は6-ヒドロキシヘキサナールを含むより軽質の成分を再形成し、次いで、これらはカラムを逆に移動して、頂部又はサイドドロー生成物が取り出される場合に生成物を汚染するおそれがある。
加えて、6-ヒドロキシヘキサナールは、真空操作されたカラム中の空気の侵入に起因する酸素の存在下で、カラムのサンプ中に形成することができる。このアルデヒドは軽質であり、頂部又はサイドドロー生成物を取り出すように配置された従来技術の蒸留システムでは1,6ヘキサンジオール生成物を汚染する。
カプロラクトン又は6-ヒドロキシヘキサナールを含む生成物の汚染は、下流のポリマープロセスにおいて品質問題を引き起こし得る。6-ヒドロキシヘキサナールはまた、空気と接触すると、過酸化物、例えば7-ヒドロペルオキシオキセパン-2-オール又は1-ヒドロペルオキシヘキサン-1,6-ジオールの形成を起こしやすく、これもポリマープロセスにおいて品質問題を引き起こす。
例えば、米国特許第7329330号に記載されているような分離壁構成では、カラムのサンプからの蒸気は、サンプ内の重質成分の反応からの軽質成分を含有する。これらの軽質成分は、分離壁の生成物側に移動し、生成物ドローを軽質成分で汚染する可能性がある。これは、生成物ドローからの軽質成分の完全な除去が通常予想される非反応性混合物中の成分には当てはまらない。米国特許第8513472号の従来技術のシステムは、カラムのサンプにおけるε-カプロラクトン形成の問題に対する解決策を提案しているが、米国特許第8513472号におけるカラムの直線状の連鎖は、最も費用効果の高い解決策及び効率的な全体的プロセスを提供しない可能性がある。
本出願人はまた、先行技術のシステムによってエステル価汚染物質として処理されてもよい、より軽質の成分のいくつか、例えばエステル(未反応アジピン酸ジアルキルを含む)、ラクトン及びアルデヒドは、有用な1,6-ヘキサンジオール生成物に更に水素化することができ、したがって、これらの成分を回収することが有益であることを確認した。しかしながら、そのように経済的に行うためには、1,6-ヘキサンジオール生成物から、及び軽質汚染物質などの使用不可能な他の副生成物からこれらの成分を効率的に分離する必要がある。このような分離は、カラムの長い連鎖において実行され得るが、このようなスキームは、高価な解決策であり得る。より費用効果の高い構成が必要とされる。
本出願人は、同様の汚染の問題及び機会が、他のC又はCアルカンジオール、例えば1,4ペンタンジオール又は1,5ペンタンジオールの生成において起こり得ることを確認した。
高純度の1,6-ヘキサンジオール、及び他のC又はCアルカンジオール、例えば1,4ペンタンジオール又は1,5ペンタンジオールの低コストでの生成に対して継続的な需要が存在する。したがって、1,6-ヘキサンジオールなどのC又はCアルカンジオールを生成するための改善されたプロセス、特にロスを減らし、収率を上げ、有用性及び供給原料を効率的に使用するプロセスを提供することが望ましい。粗製C又はCアルカンジオール流、例えば粗製1,6ヘキサンジオール流を精製するための改善された分離システムも必要とされている。
本発明の第1の態様によれば、C若しくはCアルカンジオール、軽質汚染物質、及びC10若しくはC12直鎖エステル、又はC10若しくはC12環状アセタール若しくはケタールのうちの1つ以上を含む重質汚染物質を含む粗生成物流から、C又はCアルカンジオールを分離するプロセスが提供され、プロセスは、第1の蒸留ゾーンであって、そこに粗生成物流が供給され、底流として取り出される重質流中で重質汚染物質がそこから除去される第1の蒸留ゾーンと、第2の蒸留ゾーンであって、第1の蒸留ゾーンで形成された、C若しくはC環状エステル、又はC若しくはCアルデヒドのうちの1つ以上を含む反応生成物からC又はCアルカンジオールがそこで分離され、そこから精製生成物流中でC又はCアルカンジオールが回収される、第2の蒸留ゾーンとを含む分離システムに粗生成物流を供給することを含み、反応生成物が、第1の蒸留ゾーン又は第2の蒸留ゾーンのいずれかからサイドドローとして取り出される反応生成物流において回収されることを特徴とし、軽質汚染物質は、第1の蒸留ゾーン又は第2の蒸留ゾーンのいずれかからオーバーヘッド流として取り出される軽質流中で除去される。
精製生成物流は、第2の蒸留ゾーンから回収される。好ましくは、反応生成物流及び軽質流は同じ蒸留ゾーンから取り出される。
好ましくは、第1及び第2の蒸留ゾーンは単一のカラム内に収容され、第2の蒸留ゾーンは、バッフルによって第1の蒸留ゾーンから分離され、バッフルはカラムの底部から始まり、粗生成物流が第1の蒸留ゾーンに供給される供給ポイント及び精製生成物流が第2の蒸留ゾーンから回収される回収ポイントの両方の上方に延びる。好ましくは、反応生成物流は、バッフルの頂部の上方からサイドドローとして取り出される。
第1及び第2の蒸留ゾーンは別々のカラム内にあってもよい。好ましくは、別個のカラムは、一次カラム及び二次カラムを含み、第1の中間流は、二次カラムのオーバーヘッド出口を一次カラムのサイド入口に接続し、軽質流は、一次カラムからオーバーヘッド流として回収され、反応生成物流は、一次カラムのサイド入口の上方でサイドドローとして一次カラムから取り出される。好ましくは、第2の中間流は、一次カラムのサイド出口を二次カラムのサイド入口に接続し、一次カラムのサイド出口は、第1の中間流が接続する一次カラムのサイド入口の下方にある。好ましくは、一次カラムはコンデンサーを含み、二次カラムはコンデンサーを含まない。好ましくは、一次カラムに含まれるコンデンサーを使用して、C又はCアルカンジオールの生成において使用される供給流、例えば上流のエステル化において使用されるアルカノール流を気化させる。
好ましくは、粗生成物流は、C若しくはCジカルボン酸のジアルキルエステル又はCケト酸のアルキルエステルを含む未反応供給材料を更に含み、未反応供給材料は反応生成物流において回収される。
好ましくは、C又はCアルカンジオールは、式Iによる化合物である:
式中、RがHであり、nが3若しくは4である;又はRがCHであり、nが2である、のいずれかである。
好ましくは、C10又はC12直鎖エステルは、式IIによる化合物である:
式中、R及びRがHであり、nが3若しくは4である;又はR及びRがCHであり、nが2である、のいずれかである。
好ましくは、C10又はC12環状アセタール又はケタールは、式IIIによる化合物である:
式中、R及びRがHであり、nが3若しくは4である;又はR及びRがCHであり、nが2である、のいずれかである。
好ましくは、C又はC環状エステルは、式IVによる化合物である:
式中、R及びRがHであり、nが3若しくは4である;又はR及びRがCHであり、nが2である、のいずれかである。
好ましくは、C又はCアルデヒドは、式Vの化合物である:
式中、RがHであり、nが3若しくは4である;又はRがCHであり、nが2である、のいずれかである。
好ましくは、未反応供給材料は、式VIによる化合物である:
式中、RはC~Cアルキル基、好ましくはC~Cアルキル基、最も好ましくはメチル又はエチルであり、式中、nが2であり、RがCHである;又はnが3若しくは4であり、RがR-O-であり、RがC~Cアルキル基、好ましくはC~Cアルキル基、最も好ましくはメチル若しくはエチルである、のいずれかである。
以下のいずれかが好ましい:
a)C又はCアルカンジオールは1,6ヘキサンジオールであり、各々が存在する場合、C10又はC12直鎖エステルは6-ヒドロキシヘキシル6-ヒドロキシヘキサノエートであり、C10又はC12環状アセタール又はケタールは6-(オキセパン-2-イルオキシ)ヘキサン-1-オールであり、C又はC環状エステルはカプロラクトンであり、C又はCアルデヒドは6-ヒドロキシヘキサナールであり、未反応供給材料はアジピン酸ジアルキル、好ましくはアジピン酸ジメチルである。
b)C又はCアルカンジオールは1,5ペンタンジオールであり、各々が存在する場合、C10又はC12直鎖エステルは5-ヒドロキシペンチル5-ヒドロキシペンタノエートであり、C10又はC12環状アセタール又はケタールは5-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)ペンタン-1-オールであり、C又はC環状エステルはテトラヒドロ-2H-ピラン-2-オンであり、C又はCアルデヒドは5-ヒドロキシペンタナールであり、未反応供給材料はグルタル酸ジアルキル、好ましくはグルタル酸ジメチルである。
c)C又はCアルカンジオールは1,4ペンタンジオールであり、各々が存在する場合、C10又はC12直鎖エステルは4-ヒドロキシペンチル4-ヒドロキシペンタノエートであり、C10又はC12環状アセタール又はケタールは5-((2-メチルテトラヒドロフラン-2-イル)オキシ)ペンタン-2-オールであり、C又はC環状エステルはγバレロラクトンであり、C又はCアルデヒドは4-ヒドロキシペンタナールであり、未反応供給材料はレブリン酸アルキル、好ましくはレブリン酸メチルである。
重質汚染物質は、C10又はC12分岐エステル、特にC10分岐エステルを更に含んでもよい。このような分岐エステルは、特にC又はCアルカンジオールが1,4ペンタンジオールである場合に生じ得、その場合、分岐エステルは5-ヒドロキシペンタン-2-イル4-ヒドロキシペンタノエートであり得る。
重質汚染物質は、2つ以上のC10又はC12環状アセタール又はケタールを含んでもよい。いくつかの実施形態では、重質汚染物質は、C10又はC12環状アセタール及びC10又はC12環状ケタールの両方を含んでもよい。いくつかの実施形態では、重質汚染物質は、2つ以上のC10又はC12環状アセタールを含んでもよい。いくつかの実施形態では、重質汚染物質は、2つ以上のC10又はC12環状ケタールを含んでもよい。いくつかの実施形態では、重質汚染物質は、2つ以上のC10又はC12環状アセタール及び2つ以上のC10又はC12環状ケタールの両方を含んでもよい。特に、C又はCアルカンジオールが1,4ペンタンジオールである場合、重質汚染物質は、5-((2-メチルテトラヒドロフラン-2-イル)オキシ)ペンタン-2-オール、4-((2-メチルテトラヒドロフラン-2-イル)オキシ)ペンタン-1-オール、4-((5-メチルテトラヒドロフラン-2-イル)ペンタン-1オール及び5-((5-メチルテトラヒドロフラン-2イル)オキシペンタン-2-オールのうちの1つ以上、2つ以上、3つ以上又は4つ全てを含んでもよい。
最も好ましくは、C又はCアルカンジオールは1,6ヘキサンジオールであり、各々が存在する場合、C10又はC12直鎖エステルは6-ヒドロキシヘキシル6-ヒドロキシヘキサノエートであり、C10又はC12環状アセタール又はケタールは6-(オキセパン-2-イルオキシ)ヘキサン-1-オールであり、C又はC環状エステルはカプロラクトンであり、C又はCアルデヒドは6-ヒドロキシヘキサナールであり、未反応供給材料はアジピン酸ジアルキル、好ましくはアジピン酸ジメチルである。その場合、本発明の第1の態様の好ましい形態によれば、1,6ヘキサンジオール、軽質汚染物質、並びに6-ヒドロキシヘキシル6-ヒドロキシヘキサノエート及び6-(オキセパン-2-イルオキシ)ヘキサン-1-オールのうちの1つ以上を含む重質汚染物質を含む粗生成物流から、1,6ヘキサンジオールを分離するプロセスが提供され、プロセスは、第1の蒸留ゾーンであって、そこに粗生成物流が供給され、底流として取り出される重質流中で重質汚染物質がそこから除去される第1の蒸留ゾーンと、第2の蒸留ゾーンであって、第1の蒸留ゾーンで形成された、カプロラクトン及び6-ヒドロキシヘキサナールのうちの1つ以上を含む反応生成物から1,6ヘキサンジオールがそこで分離され、そこから精製生成物流中で1,6ヘキサンジオールが回収される、第2の蒸留ゾーンとを含む分離システムに粗生成物流を供給することを含み、反応生成物が、第1の蒸留ゾーン又は第2の蒸留ゾーンのいずれかからサイドドローとして取り出される反応生成物流において回収されることを特徴とし、軽質汚染物質は、第1の蒸留ゾーン又は第2の蒸留ゾーンのいずれかからオーバーヘッド流として取り出される軽質流中で除去される。C又はCアルカンジオールが1,6ヘキサンジオールであり、他の化合物が上記の(a)に列挙した通りであるプロセスを参照して、上記のものを含む本発明の第1の態様の好ましい有利な特徴をここでより詳細に説明する。このようなプロセスは、高純度、低コストの1,6ヘキサンジオールを生成するプロセスが特に望ましいので、特に有利であり得る。しかしながら、当業者であれば、上記の情報が与えられれば、以下の考察が、第1の態様、及び他のC又はCアルカンジオールを用いたプロセス、特に上記の(b)及び(c)に記載の化合物を用いたプロセスに、どのようにより一般的に適用され得るかを理解するであろう。
粗生成物流が供給されるゾーンである第1の蒸留ゾーンから底流として取り出される重質流中の重質汚染物質を除去することは、有利には、第1の蒸留ゾーンにおける6-ヒドロキシヘキシル6-ヒドロキシヘキサノエート及び6-(オキセパン-2-イルオキシ)ヘキサン-1-オールの分解によって形成される反応生成物を、第2の蒸留ゾーンにおいて1,6-ヘキサンジオールから分離することができることを意味する。6-ヒドロキシヘキシル6-ヒドロキシヘキサノエート及び6-(オキセパン-2-イルオキシ)ヘキサン-1-オールは既に除去されているので、それらが存在して第2の蒸留ゾーンにおいて反応することはなく、高品質の1,6-ヘキサンジオール精製生成物流を得ることができる。有利には、本発明はまた、第1及び第2の蒸留ゾーンを使用して、軽質汚染物質及び反応生成物を分離する。反応生成物流の分離は、有利には、第1の蒸留ゾーンにおける反応で生成された有用なより軽い成分を、典型的には上流の水素化分解にリサイクルさせることができることを意味する。反応生成物流を第1又は第2の蒸留ゾーンのいずれかからのサイドドローとして取り出すことによって、その流れは、第1の蒸留ゾーンからの反応生成物を含有することもでき、これは、精製生成物流では望ましくないが、プロセスの上流で再循環される場合には依然として価値を有する。更に、これらの貴重な成分の回収は、追加の高価な蒸留カラムなしで達成される。
粗生成物流中の1,6-ヘキサンジオールがアジピン酸ジアルキルの水素化分解から生成される場合、粗生成物流は未反応アジピン酸ジアルキルも含み得ることが理解されるであろう。その未反応アジピン酸ジアルキルを水素化分解にリサイクルさせることが有利であり、特に、別のリサイクル流の設備費用が発生しないように、反応生成物流中でそうすることが特に有利である。したがって、好ましくは、粗生成物流はアジピン酸ジアルキルを更に含み、アジピン酸ジアルキルは反応生成物流中で回収される。
好ましくは、反応生成物流及び軽質流は同じ蒸留ゾーンから取り出される。したがって、反応生成物流は、第1の蒸留ゾーンからのサイドドローとして取り出されてもよく、軽質流は、第1の蒸留ゾーンからのオーバーヘッド流として取り出されてもよい。反応生成物流は、第2の蒸留ゾーンからのサイドドローとして取り出されてもよく、軽質流は、第2の蒸留ゾーンからのオーバーヘッド流として取り出されてもよい。反応生成物流及び軽質流を同じ蒸留ゾーンから取り出すことによって、2つの蒸留ゾーンを最も効果的に寸法決めすることができる。特に、反応生成物流及び軽質流が取り出されない蒸留ゾーンの大きさ、したがって設備コストを抑えることができる。更に、いくつかの実施形態において、その蒸留ゾーンは、他の蒸留ゾーンと熱的に統合されてもよく、したがって、更なる装置コストを節約する。
特に好ましい構成では、第1及び第2の蒸留ゾーンは単一のカラム内に収容されてもよく、第2の蒸留ゾーンは、バッフルによって第1の蒸留ゾーンから分離され、バッフルはカラムの底部から始まり、粗生成物流が第1の蒸留ゾーンに供給される供給ポイント及び精製生成物流が第2の蒸留ゾーンから回収される回収ポイントの両方の上方に延びる。同じ底部容積を共有する従来技術の分離壁カラムとは異なり、カラムの底部から始まり、粗生成物流が第1の蒸留ゾーンに供給される供給ポイント及び精製生成物流が第2の蒸留ゾーンから回収される回収ポイントの両方の上方に延びるバッフルを設けることによって、本発明は、有利には、第1の蒸留ゾーンから重質流中に取り出される重質成分の反応によって形成される生成物による、精製生成物流の汚染を防止する。例えば、供給物中に入る6-ヒドロキシヘキシル6-ヒドロキシヘキサノエート及び6-(オキセパン-2-イルオキシ)ヘキサン-1-オールは、バッフルが供給ポイントの上方に延在するので、第1の蒸留ゾーン内を下方に移動する。6-ヒドロキシヘキシル6-ヒドロキシヘキサノエート及び6-(オキセパン-2-イルオキシ)ヘキサン-1-オールが反応して、第1の蒸留ゾーンの底部においてカプロラクトン及び6-ヒドロキシヘキサナールを形成する場合、カプロラクトン及び6-ヒドロキシヘキサナールは、第1の蒸留ゾーンを上方に、バッフルの頂部まで移動する。カプロラクトン及び6-ヒドロキシヘキサナールは、1,6-ヘキサンジオールよりも軽い。したがって、1,6-ヘキサンジオールは、第2の蒸留ゾーンを下降して、精製生成物流が第2の蒸留ゾーンから回収される回収ポイントまで移動するので、それは、カプロラクトン及び6-ヒドロキシヘキサナールがカラムを上昇して、精製生成物流用の回収ポイントを通過する従来技術の分離壁カラムと同様に、カプロラクトン及び6-ヒドロキシヘキサナールで汚染されない。好ましくは、バッフルの頂部は、1,6-ヘキサンジオールがバッフルの頂部を通過することができるが、6-ヒドロキシヘキシル6-ヒドロキシヘキサノエート及び6-(オキセパン-2-イルオキシ)ヘキサン-1-オールは通過しないように配置される。
好ましくは、反応生成物流は、バッフルの頂部の上方からサイドドローとして取り出される。本出願人は、6-ヒドロキシヘキシル6-ヒドロキシヘキサノエート及び6-(オキセパン-2-イルオキシ)ヘキサン-1-オールから形成される反応生成物は、精製生成物流中では望ましくないが、プロセスの上流でリサイクルされる場合には依然として価値があることを理解している。反応生成物流をバッフルの頂部の上方からのサイドドローとして取り出すことによって、第1の蒸留ゾーンの底部で形成される成分、例えばカプロラクトン及び6-ヒドロキシヘキサナールを反応生成物流中で取り出すことができる。同様に、粗生成物流がアジピン酸ジアルキル(これも1,6-ヘキサンジオールより軽い)を含む場合、それもバッフルの頂部を通過して反応生成物流中で回収することができる。反応生成物流は、好ましくは、例えば上流の水素化分解にリサイクルされる。
第1及び第2の蒸留ゾーンは、有利には別々のカラムに配置されていてもよい。好ましくは、別々のカラムは、一次カラム及び二次カラムを含み、第1の中間流は、二次カラムのオーバーヘッド出口を一次カラムのサイド入口に接続する。したがって、二次カラムは、分離の特定の部分を処理してもよく、二次カラム内のより軽い成分は、分離のために一次カラムに送られる。反応生成物流は二次カラムから取り出すことができ、軽質成分は、例えば二次カラムに有益な一体化還流の一部として一次カラムに戻され、次いで軽質流は一次カラムから回収される。しかしながら、好ましくは、反応生成物流及び軽質流の両方が一次カラムから回収される。したがって、軽質流は、好ましくは、一次カラムからのオーバーヘッド流として回収され、反応生成物流は、好ましくは、一次カラムのサイド入口の上方のサイドドローとして一次カラムから取り出される。そのような構成は、二次カラムの設計及び操作を特定の分離に集中させることができるので、二次カラム及びプロセス全体のサイズ及びコストを低減させることができる。
例えば、二次カラムは第1の蒸留ゾーンであってもよく、重質流は第2のカラムの底部から分離され、残りの材料は軽質流、反応生成物流及び精製生成物流の分離のために一次カラムに送られる。このようにして、二次カラムのサイズ及びコストを低く抑えることができ、重質流、特に、この実施形態では第2の蒸留ゾーンを収容する一次カラムにおける精製生成物流の分離前に有利に除去される、反応性6-ヒドロキシヘキシル6-ヒドロキシヘキサノエート及び6-(オキセパン-2-イルオキシ)ヘキサン-1-オールの除去に集中させることができる。このような構成は、6-ヒドロキシヘキシル6-ヒドロキシヘキサノエート及び6-(オキセパン-2-イルオキシ)ヘキサン-1-オールを第1の蒸留ゾーンで除去するが、その第1の蒸留ゾーンを収容する追加のカラムの費用を最小限に抑えるという利点を提供する。
好ましくは、第2の中間流は、一次カラムのサイド出口を二次カラムのサイド入口に接続し、一次カラムのサイド出口は、第1の中間流が接続する一次カラムのサイド入口の下方にある。
一次カラムと二次カラムとの間のそのような接続は、いくつかの点で有利であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、二次カラムは第2の蒸留ゾーンであってもよい。これらの実施形態では、重質流、軽質流及び反応生成物流は、好ましくは一次カラムで取り出される。好ましくは、これらの実施形態では、二次カラムは、一次カラムの中間セクションからの材料を処理して、精製生成物流をより軽質の成分から分離し、これが第1の中間流で一次カラムに戻され、そこで反応生成物流と軽質流とに分離される。第2の中間流は、有利には、二次カラムでの更なる分離のために、一次カラムの中間セクションから材料を回収する。そのような構成は、精製生成物流中の1,6-ヘキサンジオールと、反応生成物流中の反応生成物、例えば6-ヒドロキシヘキサナール又はカプロラクトンとの間の最も困難な分離を、その目的のために特別に設計された二次カラムで行うことを可能にし得る。例えば二次カラムから反応生成物流を回収するのではなく、二次カラムからのオーバーヘッド流を一次カラムに戻すことによって、二次カラムは、反応生成物流からの軽質流の分離を処理する必要がない。したがって、二次カラムのサイズ及び操作条件を最適化して、精製生成物流中の1,6-ヘキサンジオールと反応生成物との分離を可能な限り費用効率的にすることができる。
一次カラムと二次カラムとの間のそのような接続を提供する第2の中間流の別の利点は、一次カラムと二次カラムとの間の有益な熱統合が可能であることである。これは、第1の蒸留ゾーンが一次カラム内にあり、かつ第2の蒸留ゾーンが二次カラム内にあるか、又はその逆であるかにかかわらず有益であり得る。特に、一次カラムは、二次カラムのための還流を提供してもよく、したがって、二次カラム上のコンデンサーの必要性を排除する。このように装置の数を減らすことで、プロセスのコストを有利に削減することができる。
好ましくは、精製生成物流は、1,6-ヘキサンジオールを少なくとも98重量%;より好ましくは少なくとも99重量%;、更により好ましくは少なくとも99.5重量%;更により好ましくは少なくとも99.9重量%含む。
粗生成物流は、1重量%~20重量%のカプロラクトン、好ましくは5重量%~15重量%のカプロラクトンを含んでもよい。反応生成物流の組成及び量は、アジピン酸ジアルキルの変換に影響を及ぼす水素化分解触媒の寿命などの要因に基づいて変動し得る。
反応生成物流の量は、触媒寿命にわたって、例えばプラント処理能力の約20重量%まで上昇し得る。したがって、反応生成物流の質量流量は、プロセス処理能力の5重量%~30重量%の範囲であってもよい。好ましくは、反応生成物流は、20重量%以下、より好ましくは15重量%以下、最も好ましくは10重量%以下のカプロラクトンを含有する。好ましくは、反応生成物流は、少なくとも1重量%、より好ましくは少なくとも2重量%又は少なくとも5重量%のカプロラクトンを含有する。好ましくは、反応生成物流は、90重量%以下、より好ましくは80重量%以下のアジピン酸ジアルキルを含有する。好ましくは、反応生成物流は、少なくとも10重量%、より好ましくは少なくとも50重量%のアジピン酸ジアルキルを含む。同様の量及び組成物を、上記の他のC又はCアルカンジオールを用いるプロセスのための対応する化合物に適用してもよい。
第1の蒸留ゾーン及び第2の蒸留ゾーンの各々は、約0.05~約1絶対バール、好ましくは約0.05~約0.1絶対バールの圧力で操作されてもよい。このように、第1及び第2の蒸留ゾーンは、好ましくは真空蒸留ゾーンである。第1の蒸留ゾーンは、好ましくは、約190℃~約220℃の底部温度、すなわち第1の蒸留ゾーンの底部における温度で操作される。第1の蒸留ゾーンは、好ましくは、約170℃~約190℃の頂部温度、すなわち第1の蒸留ゾーンの頂部の温度で操作される。第2の蒸留ゾーンは、好ましくは約180℃~約200℃の底部温度で操作される。第2の蒸留ゾーンは、好ましくは約80℃~約160℃の頂部温度で、より好ましくは約80℃~120℃の頂部温度で操作される。第1及び第2の蒸留ゾーンについての上記の温度は、アルカンジオールが1,6-ヘキサンジオールである場合に特に有利であり得るが、上記の他のC又はCアルカンジオールを用いるプロセスにも適用され得る。第1及び第2の蒸留ゾーンは、棚段式であってもよく、又は構造化パッキングを使用してもよく、好ましくは構造化パッキングを使用する。第1及び第2の蒸留ゾーンは各々、10~100の理論段数、好ましくは15~60の理論段数を含み得る。
本発明の第2の態様によれば、C若しくはCジカルボン酸のジアルキルエステル又はCケト酸のアルキルエステルを含む供給材料からC又はCアルカンジオールを生成するプロセスが提供され、プロセスは、供給材料がC又はCアルカンジオールへの水素化分解を被る水素化分解工程と;分離工程とを含み、分離工程では、C又はCアルカンジオール、軽質汚染物質、及びC10若しくはC12直鎖エステル、又はC10若しくはC12環状アセタール若しくはケタールのうちの1つ以上を含む重質汚染物質を含む粗生成物流を、重質汚染物質を含む重質流、C又はCアルカンジオールを含む精製生成物流、軽質汚染物質を含む軽質流、及び分離工程で形成されるC若しくはC環状エステル、又はC若しくはCアルデヒドのうちの1つ以上を含む反応生成物を含む反応生成物流へと分離し、ここで精製生成物流は回収され、反応生成物流は水素化分解工程にリサイクルされる。
本発明の第2の態様の分離工程は、上述した本発明の第1の態様に従って実施され、その第1の態様に関連して上述した利点から利益を得られ得ることが理解されよう。
好ましくは、供給材料は、アルカノールによるC若しくはCジカルボン酸又はCケト酸のエステル化によって生成される。アルカノールは、好ましくはエタノール又はメタノールであり、最も好ましくはメタノールである。アルカノールは、好ましくはエステル化のために蒸気相であり、プロセスの他の部分との熱統合の機会を提供する。特に、分離工程は、典型的にはオーバーヘッド流を濃縮するための、1つ以上のコンデンサーを有する1つ以上の蒸留ゾーンを含むことが好ましい。液体アルカノールをこれらのコンデンサーの1つ以上に供給して気化させることによって、オーバーヘッド流から回収された熱をアルカノールを気化させるために使用することができる。このようにして、プロセスの全体的な効率及び熱消費が改善される。したがって、好ましくは、アルカノールの少なくとも一部は、分離工程において高温流との熱交換によって気化する。好ましくは、アルカノールの少なくとも一部は、分離工程においてコンデンサーでの熱交換によって気化する。
好ましくは、C又はCアルカンジオールは、式Iによる化合物である:
式中、RがHであり、nが3若しくは4である;又はRがCHであり、nが2である、のいずれかである。
好ましくは、C10又はC12直鎖エステルは、式IIによる化合物である:
式中、R及びRがHであり、nが3若しくは4である;又はR及びRがCHであり、nが2である、のいずれかである。
好ましくは、C10又はC12環状アセタール又はケタールは、式IIIによる化合物である:
式中、R及びRがHであり、nが3若しくは4である;又はR及びRがCHであり、nが2である、のいずれかである。
好ましくは、C又はC環状エステルは、式IVによる化合物である:
式中、R及びRがHであり、nが3若しくは4である;又はR及びRがCHであり、nが2である、のいずれかである。
好ましくは、C又はCアルデヒドは、式Vの化合物である:
式中、RがHであり、nが3若しくは4である;又はRがCHであり、nが2である、のいずれかである。
好ましくは、供給材料は、式VIによる化合物である:
式中、RはC~Cアルキル基、好ましくはC~Cアルキル基、最も好ましくはメチル又はエチルであり、式中、nが2であり、RがCHである;又はnが3若しくは4であり、RがR-O-であり、RがC~Cアルキル基、好ましくはC~Cアルキル基、最も好ましくはメチル若しくはエチルである、のいずれかである。
好ましくは、C若しくはCジカルボン酸又はCケト酸は、式VIIによる化合物である:
式中、RがOHであり、nが3若しくは4であるか、又はRがCHであり、nが2である、のいずれかである。
以下のいずれかが好ましい:
a)C又はCアルカンジオールは1,6ヘキサンジオールであり、各々が存在する場合、C10又はC12直鎖エステルは6-ヒドロキシヘキシル6-ヒドロキシヘキサノエートであり、C10又はC12環状アセタール又はケタールは6-(オキセパン-2-イルオキシ)ヘキサン-1-オールであり、C又はC環状エステルはカプロラクトンであり、C又はCアルデヒドは6-ヒドロキシヘキサナールであり、供給材料はアジピン酸ジアルキル、好ましくはアジピン酸ジメチルであり、C若しくはCジカルボン酸又はCケト酸はアジピン酸である。
b)C又はCアルカンジオールは1,5ペンタンジオールであり、各々が存在する場合、C10又はC12直鎖エステルは5-ヒドロキシペンチル5-ヒドロキシペンタノエートであり、C10又はC12環状アセタール又はケタールは5-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)ペンタン-1-オールであり、C又はC環状エステルはテトラヒドロ-2H-ピラン-2-オンであり、C又はCアルデヒドは5-ヒドロキシペンタナールであり、供給材料はグルタル酸ジアルキル、好ましくはグルタル酸ジメチルであり、C若しくはCジカルボン酸又はCケト酸はグルタル酸である。
c)C又はCアルカンジオールは1,4ペンタンジオールであり、各々が存在する場合、C10又はC12直鎖エステルは4-ヒドロキシペンチル4-ヒドロキシペンタノエートであり、C10又はC12環状アセタール又はケタールは5-((2-メチルテトラヒドロフラン-2-イル)オキシ)ペンタン-2-オールであり、C又はC環状エステルはγバレロラクトンであり、C又はCアルデヒドは4-ヒドロキシペンタナールであり、供給材料はレブリン酸アルキル、好ましくはレブリン酸メチルであり、C若しくはCジカルボン酸又はCケト酸はレブリン酸である。
最も好ましくは、C又はCアルカンジオールは1,6ヘキサンジオールであり、各々が存在する場合、C10又はC12直鎖エステルは6-ヒドロキシヘキシル6-ヒドロキシヘキサノエートであり、C10又はC12環状アセタール又はケタールは6-(オキセパン-2-イルオキシ)ヘキサン-1-オールであり、C又はC環状エステルはカプロラクトンであり、C又はCアルデヒドは6-ヒドロキシヘキサナールであり、供給材料はアジピン酸ジアルキル、好ましくはアジピン酸ジメチルであり、C若しくはCジカルボン酸又はCケト酸はアジピン酸である。その場合、本発明の第2の態様の好ましい形態によれば、アジピン酸ジアルキルから1,6ヘキサンジオールを生成するプロセスが提供され、プロセスは、アジピン酸ジアルキルが1,6ヘキサンジオールへの水素化分解を被る水素化分解工程と;分離工程とを含み、分離工程では、1,6ヘキサンジオール、軽質汚染物質、並びに6-ヒドロキシヘキシル6-ヒドロキシヘキサノエート及び6-(オキセパン-2-イルオキシ)ヘキサン-1-オールのうちの1つ以上を含む重質汚染物質を含む粗生成物流を、重質汚染物質を含む重質流、1,6ヘキサンジオールを含む精製生成物流、軽質汚染物質を含む軽質流、並びに分離工程で形成される、カプロラクトン及び6-ヒドロキシヘキサナールのうちの1つ以上を含む反応生成物を含む反応生成物流へと分離し、ここで精製生成物流は回収され、反応生成物流は水素化分解工程にリサイクルされる。C又はCアルカンジオールが1,6ヘキサンジオールであり、他の化合物が上記の(a)に列挙した通りであるプロセスを参照して、上記のものを含む、本発明の第2の態様の好ましい有利な特徴をここでより詳細に説明する。このようなプロセスは、高純度、低コストの1,6ヘキサンジオールを生成するプロセスが特に望ましいので、特に有利であり得る。しかしながら、当業者であれば、上記の情報が与えられれば、以下の考察が、第2の態様、他のC又はCアルカンジオールを用いたプロセス、特に上記の(b)及び(c)に記載の化合物を用いたプロセスに、どのようにより一般的に適用され得るかを理解するであろう。
このようなプロセスは、分離システムで生じる反応が、単に高純度の精製生成物流の生成において対処すべき問題ではなく、水素化分解で生成された重質副生成物から有用な材料を回収する機会でもあることを有利に認識する。反応生成物の回収及びリサイクルは、プロセスからのロスを有利に減らし、効率を高め、コストを削減する。
好ましくは、粗生成物流中の未反応供給材料、例えば未反応のアジピン酸ジアルキルも反応生成物流中でリサイクルされる。未反応供給材料を有用な反応生成物と共に分離工程からリサイクルさせることは、全ての有益な成分を単一の装置流でリサイクルさせ、したがってプロセスのコストを有利に低減する。
分離工程は、好ましくは1つ以上の蒸留ゾーンを含む。好ましくは、水素化分解工程と分離工程との間にアルカノール除去工程がある。例えば、反応器排出物は、水素化分解工程から回収され、アルカノール除去工程に送られてもよい。アルカノール除去工程では、アルカノール、好ましくはメタノールが、好ましくは蒸留によって反応器排出物から除去される。アルカノールが除去された反応器排出物は、粗生成物流となる。好ましくは90重量%、より好ましくは95重量%、更により好ましくは99重量%のアルカノールが、アルカノール除去工程において反応器排出物から除去される。好ましくは、アルカノール除去工程において水も反応器排出物から除去される。好ましくは90重量%、より好ましくは95重量%、更により好ましくは99重量%の水が、アルカノール除去工程において反応器排出物から除去される。
第1の蒸留ゾーン及び第2の蒸留ゾーンが単一のカラム内に設けられ、第2の蒸留ゾーンが、バッフルによって第1の蒸留ゾーンから分離され、バッフルはカラムの底部から始まり、粗生成物流が第1の蒸留ゾーンに供給される供給ポイント及び精製生成物流が第2の蒸留ゾーンから回収される回収ポイントの両方の上方に延びていることは、それ自体、本発明のとりわけ特別な有利な態様である。そのようなシステムは、分離からの反応生成物が反応生成物流中で回収されるかどうかにかかわらず、1,6-ヘキサンジオール、又は他のC若しくはCアルカンジオールの高純度精製生成物流を効率的に生成するのに有利であり得る。このように、本発明の第3の態様によれば、C若しくはCアルカンジオール、及びC10若しくはC12直鎖エステル、又はC10若しくはC12環状アセタール若しくはケタールのうちの1つ以上を含む重質汚染物質を含む粗生成物流から、C又はCアルカンジオールを分離するプロセスが提供され得、プロセスは、第1の蒸留ゾーンであって、そこに粗生成物流が供給され、底流として取り出される重質流中で重質汚染物質がそこから除去される第1の蒸留ゾーンと、第2の蒸留ゾーンであって、第1の蒸留ゾーンで形成された、C若しくはC環状エステル、又はC若しくはCアルデヒドのうちの1つ以上を含む反応生成物からC又はCアルカンジオールがそこで分離され、そこから精製生成物流中でC又はCアルカンジオール、好ましくは1,6ヘキサンジオールが回収される、第2の蒸留ゾーンとを含む分離システムに粗生成物流を供給することを含み、第1及び第2の蒸留ゾーンが単一のカラム内に収容され、第2の蒸留ゾーンがバッフルによって第1の蒸留ゾーンから分離され、バッフルはカラムの底部から始まり、粗生成物流が第1の蒸留ゾーンに供給される供給ポイント、及び精製生成物流が第2の蒸留ゾーンから回収される回収ポイントの両方の上方に延びていることを特徴とする。
好ましくは、C又はCアルカンジオールは、式Iによる化合物である:
式中、RがHであり、nが3若しくは4である;又はRがCHであり、nが2である、のいずれかである。
好ましくは、C10又はC12直鎖エステルは、式II:による化合物である:
式中、R及びRがHであり、nが3若しくは4である;又はR及びRがCHであり、nが2である、のいずれかである。
好ましくは、C10又はC12環状アセタール又はケタールは、式IIIによる化合物である:
式中、R及びRがHであり、nが3若しくは4である;又はR及びRがCHであり、nが2である、のいずれかである。
好ましくは、C又はC環状エステルは、式IVによる化合物である:
式中、R及びRがHであり、nが3若しくは4である;又はR及びRがCHであり、nが2である、のいずれかである。
好ましくは、C又はCアルデヒドは、式Vの化合物である:
式中、RがHであり、nが3若しくは4である;又はRがCHであり、nが2である、のいずれかである。
以下のいずれかが好ましい:
a)C又はCアルカンジオールは1,6ヘキサンジオールであり、各々が存在する場合、C10又はC12直鎖エステルは6-ヒドロキシヘキシル6-ヒドロキシヘキサノエートであり、C10又はC12環状アセタール又はケタールは6-(オキセパン-2-イルオキシ)ヘキサン-1-オールであり、C又はC環状エステルはカプロラクトンであり、C又はCアルデヒドは6-ヒドロキシヘキサナールである。
b)C又はCアルカンジオールは1,5ペンタンジオールであり、各々が存在する場合、C10又はC12直鎖エステルは5-ヒドロキシペンチル5-ヒドロキシペンタノエートであり、C10又はC12環状アセタール又はケタールは5-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)ペンタン-1-オールであり、C又はC環状エステルはテトラヒドロ-2H-ピラン-2-オンであり、C又はCアルデヒドは5-ヒドロキシペンタナールである。
c)C又はCアルカンジオールは1,4ペンタンジオールであり、各々が存在する場合、C10又はC12直鎖エステルは4-ヒドロキシペンチル4-ヒドロキシペンタノエートであり、C10又はC12環状アセタール又はケタールは5-((2-メチルテトラヒドロフラン-2-イル)オキシ)ペンタン-2-オールであり、C又はC環状エステルはγバレロラクトンであり、C又はCアルデヒドは4-ヒドロキシペンタナールである。
最も好ましくは、C又はCアルカンジオールは1,6ヘキサンジオールであり、各々が存在する場合、C10又はC12直鎖エステルは6-ヒドロキシヘキシル6-ヒドロキシヘキサノエートであり、C10又はC12環状アセタール又はケタールは6-(オキセパン-2-イルオキシ)ヘキサン-1-オールであり、C又はC環状エステルはカプロラクトンであり、C又はCアルデヒドは6-ヒドロキシヘキサナールである。その場合、本発明の第3の態様の好ましい形態によれば、1,6ヘキサンジオール、並びに6-ヒドロキシヘキシル6-ヒドロキシヘキサノエート及び6-(オキセパン-2-イルオキシ)ヘキサン-1-オールのうちの1つ以上を含む重質汚染物質を含む粗生成物流から、1,6ヘキサンジオールを分離するプロセスが提供され、プロセスは、第1の蒸留ゾーンであって、そこに粗生成物流が供給され、底流として取り出される重質流中で重質汚染物質がそこから除去される第1の蒸留ゾーンと、第2の蒸留ゾーンであって、第1の蒸留ゾーンで形成された、カプロラクトン及び6-ヒドロキシヘキサナールのうちの1つ以上を含む反応生成物から1,6ヘキサンジオールがそこで分離され、そこから精製生成物流中で1,6ヘキサンジオールが回収される、第2の蒸留ゾーンとを含む分離システムに粗生成物流を供給することを含み、第1及び第2の蒸留ゾーンが単一のカラム内に収容され、第2の蒸留ゾーンがバッフルによって第1の蒸留ゾーンから分離され、バッフルはカラムの底部から始まり、粗生成物流が第1の蒸留ゾーンに供給される供給ポイント、及び精製生成物流が第2の蒸留ゾーンから回収される回収ポイントの両方の上方に延びていることを特徴とする。C又はCアルカンジオールが1,6ヘキサンジオールであり、他の化合物が上記の(a)に列挙した通りであるプロセスを参照して、上記のものを含む本発明の第3の態様の好ましい有利な特徴をここでより詳細に説明する。このようなプロセスは、高純度、低コストの1,6ヘキサンジオールを生成するプロセスが特に望ましいので、特に有利であり得る。しかしながら、当業者であれば、上記の情報が与えられれば、以下の考察が、第3の態様、及び他のC又はCアルカンジオールを用いたプロセス、特に上記の(b)及び(c)に記載の化合物を用いたプロセスに、どのようにより一般的に適用され得るかを理解するであろう。
第1及び第2の蒸留ゾーンを単一のカラム内で組み合わせると、別個のカラムに関連するコストの多くを有利に削除する。生成、輸送及び導入のための唯一のカラムが存在し、別個のカラム間を接続する必要がなく、2つの蒸留ゾーンは互いに熱的に統合される。これらの利点は、1,6-ヘキサンジオールを含む粗生成物流の精製において特に実現され得、なぜなら最も困難な分離は、1,6-ヘキサンジオールと、精製生成物流において望ましくないカプロラクトン及び6-ヒドロキシヘキサナールなどの成分との間の分離であるからである。カラムの底部における1,6-ヘキサンジオールからの6-ヒドロキシヘキシル6-ヒドロキシヘキサノエート及び6-(オキセパン-2-イルオキシ)ヘキサン-1-オールの分離は、より簡単であり、これは、カラムのサイズを著しく増加させることなく、バッフルを用いてカラムの下部を2つに分割し、カラムの下部に第2の蒸留ゾーンを含む空間があることを意味する。したがって、第1及び第2の蒸留ゾーンは、この場合、第1の蒸留ゾーンのみを収容するのに必要とされるのと同様のサイズのカラム内に設けることができる。このような構成は、有利にコスト削減をもたらすことができると理解されるであろう。同じ底部容積を共有する従来技術の分離壁カラムとは異なり、カラムの底部から始まり、粗生成物流が第1の蒸留ゾーンに供給される供給ポイント及び精製生成物流が第2の蒸留ゾーンから回収される回収ポイントの両方の上方に延びるバッフルを設けることによって、本発明は、有利には、単一カラム内に第1及び第2の蒸留ゾーンを収容しながら、更に、第1の蒸留ゾーンから重質流中に取り出される重質成分の反応によって形成される生成物による、精製生成物流の汚染を防止するという利点を確保する。例えば、供給物中に入る6-ヒドロキシヘキシル6-ヒドロキシヘキサノエート及び6-(オキセパン-2-イルオキシ)ヘキサン-1-オールは、バッフルが供給ポイントの上方に延在するので、第1の蒸留ゾーン内を下方に移動する。6-ヒドロキシヘキシル6-ヒドロキシヘキサノエート及び6-(オキセパン-2-イルオキシ)ヘキサン-1-オールが反応して、第1の蒸留ゾーンの底部においてカプロラクトン及び6-ヒドロキシヘキサナールを形成する場合、カプロラクトン及び6-ヒドロキシヘキサナールは、第1の蒸留ゾーンを上方に、バッフルの頂部まで移動する。カプロラクトン及び6-ヒドロキシヘキサナールは、1,6-ヘキサンジオールよりも軽い。したがって、1,6-ヘキサンジオールは、第2の蒸留ゾーンを下降して、精製生成物流が第2の蒸留ゾーンから回収される回収ポイントまで移動するので、それは、カプロラクトン及び6-ヒドロキシヘキサナールがカラムを上昇して、精製生成物流用の回収ポイントを通過する従来技術の分離壁カラムと同様に、カプロラクトン及び6-ヒドロキシヘキサナールで汚染されない。好ましくは、バッフルの頂部は、1,6-ヘキサンジオールがバッフルの頂部を通過することができるが、6-ヒドロキシヘキシル6-ヒドロキシヘキサノエート及び6-(オキセパン-2-イルオキシ)ヘキサン-1-オールは通過しないように配置される。
単一カラムは、好ましくは2つのリボイラーを含み、1つは第1の蒸留ゾーンに接続され、1つは第2の蒸留ゾーンに接続される。2つのリボイラーを備えることにより、有利には、第1及び第2の蒸留ゾーンの底部温度の独立した制御を可能にすることができる。
当業者は、本発明の一態様に関連して説明される本発明の特徴が、本発明の別の態様において等しく適用可能であり得ることを理解するであろう。例えば、本発明の第3の態様に関連して上述した利点は、本発明の第3の態様自体の使用、又は本発明の第1若しくは第2の態様における本発明の第3の態様の使用に等しく適用することができることが理解されよう。本発明のいくつかの特徴は、本発明のいくつかの態様に適用できない場合があり、本発明のいくつかの態様から除外される場合があることが理解されよう。
以下の図面を参照して、本発明を例としてここで説明する。
本発明の態様によるプロセスである。 本発明の態様によるプロセスである。 本発明の態様によるプロセスである。 本発明の態様によるプロセスである。 本発明の態様によるプロセスである。 本発明の態様によるプロセスである。
図1において、粗生成物流1は、二次カラムに含まれる第1の蒸留ゾーンA1に供給される。粗生成物流1は、ヘキサンジオール、カプロラクトン、オキセパン、アジピン酸ジメチル、ヘキサノール、ヒドロキシヘキサン酸メチル、トランスエステル(例えば、6ヒドロキシヘキシルメチルアジペート)、エーテル(例えば、ヒドロキシヘキシル-メチルエーテル又は他の重質エーテル)、6-ヒドロキシヘキシル6-ヒドロキシヘキサノエート、6-(オキセパン-2-イルオキシ)ヘキサン-1-オール、6-ヒドロキシヘキサノール、他の微量不純物、及び残留アルカノールなどの軽質汚染物質、及び/又は水を含む混合物を含む。いくつかの実施形態では、別個の一次カラムに含まれる第2の蒸留ゾーンB1からの重質成分を含有するリサイクル流7も、好ましくは同じ供給ポイントで、又は第1の蒸留ゾーンA1の更に下方で第1の蒸留ゾーンA1に供給されてもよい。粗生成物流1及びリサイクル流7からの重質成分は、第1の蒸留ゾーンA1の下部セクションで濃縮され、重質流2中に除去される。第1の蒸留ゾーンA1は、リボイラーH2を含む。
重質成分は、第1の蒸留ゾーンA1のサンプ中で反応して1,6-ヘキサンジオールを形成する6-ヒドロキシヘキシル6-ヒドロキシヘキサノエート、及びカプロラクトンを含む。6-(オキセパン-2-イルオキシ)ヘキサン-1-オールはまた、サンプ中で反応して6-ヒドロキシヘキサナールを形成し、更なる6-ヒドロキシヘキサナールが、第1の蒸留ゾーンA1への空気の進入による酸素の存在下で形成される。次いで、カプロラクトン及び6-ヒドロキシヘキサナールは、より軽く、第1の蒸留ゾーンA1に上昇して戻る。6-ヒドロキシヘキシル6-ヒドロキシヘキサノエート及び6-(オキセパン-2-イルオキシ)ヘキサン-1-オールを含む重質成分は、第1の蒸留ゾーンA1の上部セクションにおいて組成が減少し、オーバーヘッド蒸気ドロー3及び/又はオーバーヘッド液体ドロー4a中の重質成分含量が減少する。オーバーヘッド蒸気ドロー3及びオーバーヘッド液体ドロー4aは、第1の蒸留ゾーンA1を含む二次カラムのオーバーヘッド出口を第2の蒸留ゾーンB1を含む一次カラムのサイド入口と接続する、第1の中間流の例である。コンデンサーH1は、第1の蒸留ゾーンA1の頂部に設けられ、第1の蒸留ゾーンA1への還流戻り4bを提供するための部分的又は完全なコンデンサーであり得る。コンデンサーH1が部分的コンデンサーである場合、オーバーヘッド蒸気ドロー3は、第2の蒸留ゾーンB1に供給される。その場合、オーバーヘッド液体ドロー4aも第2の蒸留ゾーンB1送られてもよい。コンデンサーH1が完全なコンデンサーである場合、オーバーヘッド蒸気ドロー3は存在せず、オーバーヘッド液体ドロー4aが第2の蒸留ゾーンB1に供給される。コンデンサーH1は、冷却水によって、又はプロセス全体のために熱を有用に回収することによって、例えば蒸気を起こすことによって、又はプロセスに供給されるメタノールなどのアルカノールを気化させることによって従来通りに冷却することができる。サンプ中の6-ヒドロキシヘキシル6-ヒドロキシヘキサノエートと6-(オキセパン-2-イルオキシ)ヘキサン-1-オールとの反応からのカプロラクトン及び6-ヒドロキシヘキサノールは、オーバーヘッド蒸気ドロー3及び/又はオーバーヘッド液体ドロー4a中に現れる。より軽い他の成分、例えばアジピン酸ジメチル、ヒドロキシヘキサン酸メチル、ヒドロキシヘキシルメチルエーテル、ヘキサノール、残留アルカノール、オキセパン、及び供給物からの水もまた、オーバーヘッド蒸気ドロー3及び/又はオーバーヘッド液体ドロー4a中に現れる。
第2の蒸留ゾーンB1は、還流5bを蒸留ゾーンBに提供するコンデンサーH3を含む。コンデンサーH3は、冷却水によって、又はプロセス全体のために熱を有用に回収することによって、例えば蒸気を起こすことによって、又はプロセスに供給されるメタノールなどのアルカノールを気化させることによって従来通りに冷却することができる。第2の蒸留ゾーンB1は、リボイラーH4を更に含む。1,6-ヘキサンジオールは、サイドドロー精製生成物流6、又は第2の蒸留ゾーンB1の底部セクションからの底部精製生成物流6aとして回収することができる。この組合せによって、粗生成物流1中の軽質成分及び重質成分、及び第1の蒸留ゾーンA1のサンプ中での反応によって生成された軽質成分が除去され、精製生成物流6又は6a中の組成が減少する。底部精製生成物流6aが取り出される場合、生成物1,6-ヘキサンジオールと比較して軽い、第2の蒸留ゾーンB1のサンプへの空気の進入に起因する酸素の存在下で形成される任意の更なるアルデヒドは、第2の蒸留ゾーンB1の上部に移動し、底部精製生成物流6aを汚染する傾向を低減する。サイド精製生成物流6を取り出せば、重質物7のパージを第1の蒸留ゾーンA1にリサイクルさせることができる。サイドドロー精製生成物流6の取り出しはまた、更なる重質成分が第2の蒸留ゾーンB1のサンプ中で生成される場合に、精製生成物流6のあらゆる重質汚染を低減する。軽質成分は、第2の蒸留ゾーンB1の上部セクションで濃縮される。軽質汚染物質は軽質流5a中に除去される。反応生成物流8は、アジピン酸ジメチルエステル及びヒドロキシヘキサン酸メチルエステル、及び第1の蒸留ゾーンからの反応生成物、例えばカプロラクトン及び6-ヒドロキシヘキサナールを含み、第2の蒸留ゾーンB1からのサイドドローとして回収される。反応生成物流を、全体的な1,6-ヘキサンジオール生成プロセス中の水素化分解工程にリサイクルして、より多くの1,6-ヘキサンジオールを生成することができる。軽質流5aの調節によって、軽質汚染物質の除去を最大化し、エステル、カプロラクトン及びアルデヒドのロスを最小化する。これにより、第1の蒸留ゾーンA1からの未変換エステル材料及び反応生成物が効率的にリサイクル及び水素化され、1,6-ヘキサンジオール生成の効率が向上する。パージ9を反応生成物流8から取り出して、1,6-ヘキサンジオールに変換することができず、別途1,6-ヘキサンジオール生成物を汚染するであろう他の中間ボイラーを除去することができる。
同じ項目は同じ番号が付けられ、再度説明はされない図2において、第1の蒸留ゾーンA1を含む二次カラム及び第2の蒸留ゾーンB1を含む一次カラムの熱的に一体化された配置が使用される。図1のコンデンサーH1及びH3の役割は、図2のコンデンサーH3で組み合わせることができ、設置される機器の数を省く。第1の蒸留ゾーンA1からのオーバーヘッド蒸気ドロー3は、二次カラムのオーバーヘッド出口を一次カラムのサイド入口と接続する第1の中間流である。液体サイドドロー4は、第2の蒸留ゾーンB1から取り出され、第1の蒸留ゾーンA1への還流を提供する。したがって液体サイドドロー4は、一次カラムのサイド出口を二次カラムのサイド入口に接続する第2の中間流であり、一次カラムのサイド出口は、第1の中間流であるオーバーヘッド蒸気流3が接続する一次カラムのサイド入口の下方にある。
図3では、図1及び2と同じ組成を有する粗生成物流1が、一次カラムに含まれる第1の蒸留ゾーンA2に供給される。いくつかの実施形態では、別個の二次カラムに含まれる第2の蒸留ゾーンB2からの重質成分を含有するリサイクル流17も、好ましくは同じ供給ポイントで、又は第1の蒸留ゾーンA2の更に下方で第1の蒸留ゾーンA2に供給されてもよい。粗生成物流1及びリサイクル流17からの重質成分は、第1の蒸留ゾーンA2の下部で濃縮され、重質流12中に除去される。第1の蒸留ゾーンA2は、リボイラーH12を含む。
上記のように、重質成分は、第1の蒸留ゾーンA2のサンプ中で反応して1,6-ヘキサンジオールを形成する6-ヒドロキシヘキシル6-ヒドロキシヘキサノエート、及びカプロラクトンを含む。6-(オキセパン-2-イルオキシ)ヘキサン-1-オールはまた、サンプ中で反応して更なる6-ヒドロキシヘキサナールを形成し、更なる6-ヒドロキシヘキサナールが、第1の蒸留ゾーンA2への空気の進入による酸素の存在下で形成される。次いで、カプロラクトン及び6-ヒドロキシヘキサナールは、より軽く、第1の蒸留ゾーンA2に上昇して戻る。6-ヒドロキシヘキシル6-ヒドロキシヘキサノエート及び6-(オキセパン-2-イルオキシ)ヘキサン-1-オールを含む重質成分は、粗生成物流1の第1の蒸留ゾーンA2への供給ポイント上方で組成が減少し、サイドドロー13中の重質成分含量が減少する。サイドドロー13は、一次カラムのサイド出口を二次カラムのサイド入口に接続する第2の中間流である。コンデンサーH11を第1の蒸留ゾーンA2の頂部に設けて、還流15bを第1の蒸留ゾーンA2に提供する。コンデンサーH11は、冷却水によって、又はプロセス全体のために熱を有用に回収することによって、例えば蒸気を起こすことによって、又はプロセスに供給されるメタノールなどのアルカノールを気化させることによって従来通りに冷却することができる。サンプ中の6-ヒドロキシヘキシル6-ヒドロキシヘキサノエートと6-(オキセパン-2-イルオキシ)ヘキサン-1-オールとの反応からのカプロラクトン及び6-ヒドロキシヘキサナールは、サイドドロー13中に現れる。このサイドドロー13は、粗生成物流1の供給ポイントの上方から取り出され得る。他の軽質成分(例えばアジピン酸ジメチル)、ヒドロキシヘキサン酸メチル、ヒドロキシヘキシル-メチルエーテル、ヘキサノール、オキセパン、及び残留アルカノールなどの軽質汚染物質、及び粗生成物流1からの水もまた、サイドドロー13中に出現し得る。これらは、第2の蒸留ゾーンB2で除去され、第2の蒸留ゾーンB2を含む二次カラムのオーバーヘッド出口を第1の蒸留ゾーンA2を含む一次カラムのサイド入口に接続する第1の中間流14を介して、第1の蒸留ゾーンA2に戻される。サイドドロー13が取り出されるサイド出口は、第1の中間流14が供給されるサイド入口の下方にある。第2の蒸留装置B2のための還流は、部分的コンデンサーH13によって提供されてもよい。生成物1,6-ヘキサンジオールは、サイドドロー精製生成物流16又は底部精製生成物流16aとして取り出すことができる。第2の蒸留ゾーンB2は、リボイラーH14を含む。
このプロセスによって、供給物1中の軽質成分及び重質成分、及び第1の蒸留ゾーンA2のサンプ中での反応によって生成された軽質成分は除去され、精製生成物流16又は16a中の組成が減少する。サイド精製生成物流16を取り出せば、次いで重質物のパージをリサイクル流17によって第1の蒸留ゾーンA2にリサイクルさせることができる。軽質成分は、第1の蒸留ゾーンA2の上部セクションで濃縮される。軽質汚染物質は、オーバーヘッド軽質流15a中に除去される。反応生成物流18は、第1の蒸留ゾーンA2からサイドドローとして取り出される。反応生成物流18は、エステル、アジピン酸ジメチル及びヒドロキシヘキサン酸メチルを含み、第1の蒸留ゾーンA2のサンプからの反応生成物、例えばカプロラクトンを含み、これを全体的な1,6-ヘキサンジオール生成プロセスにおいて水素化にリサイクルさせて、より多くの1,6-ヘキサンジオールを生成することができる。パージ19を反応生成物流18から取り出して、1,6-ヘキサンジオールに変換することができず、別途精製生成物流16又は16aを汚染するであろう他の中間ボイラーを除去することができる。
同し項目は同じ番号が付けられ、再度説明はされない図4において、第1の蒸留ゾーンA2を含む一次カラム及び第2の蒸留ゾーンB2を含む二次カラムの熱的に一体化された配置が使用される。図3のコンデンサーH11及びH13の役割は、図4のコンデンサーH11で組み合わせることができ、設置される機器の数を省く。コンデンサーH11は、冷却水によって、又はプロセス全体のために熱を有用に回収することによって、例えば蒸気を起こすことによって、又はプロセスに供給されるメタノールなどのアルカノールを気化させることによって従来通りに冷却することができる。第1の蒸留ゾーンA2からのサイドドロー13は、一次カラムのサイド出口を二次カラムのサイド入口に接続する第2の中間流である。第1の中間流14は、第2の蒸留ゾーンB2を含む二次カラムのオーバーヘッド出口を、第1の蒸留ゾーンA2を含む一次カラムのサイド入口と接続する。一次カラムのサイド出口は、第1の中間流14が接続する一次カラムのサイド入口の下方にある。この実施形態では、第2の蒸留ゾーンB2を含む二次カラムは、第1の蒸留ゾーンA2を含む一次カラムの中間セクションからの材料のための追加の蒸留ゾーンとして効果的に作用する。その材料はサイドドロー13で回収され、精製生成物流16、16aと反応生成物流18との間の最も困難な分離に焦点を合わせた第2の蒸留ゾーンB2で分離され、いかなる軽質汚染物質及び反応生成物も第1の中間流14によって第1の蒸留ゾーンA2に戻され、軽質流15a及び反応生成物流18で分離及び回収され、精製生成物流16又は16aは第2の蒸留ゾーンB2から回収される。
図5は、第1の蒸留ゾーンA3及び第2の蒸留ゾーンB3の別の構成を示す。図5に示されるように、第1の蒸留ゾーンA3及び第2の蒸留ゾーンB3は、有利には、カラムの底部まで完全に延在する封止された分離バッフル20を使用することによって単一のカラムに組み合わされてもよい。バッフル20は、先の図と同じ組成を有する、粗生成物流1の第1の蒸留ゾーンA3への供給ポイントより上のポイントまでカラムの上方に延びている。バッフル20はまた、第2の蒸留ゾーンB3からの精製生成物流26、26aの回収ポイントの上方に延びている。単一のカラムは、2つのリボイラーH22及びH24を含む。重質流22は、第1の蒸留ゾーンA3の底部から取り出され、一方、特に、精製生成物流26がサイドドローとして取り出される場合、重質パージ流27は、粗生成物流1の供給ポイントにおいて、又はその下方で第2の蒸留ゾーンB3から第1の蒸留ゾーンA3にリサイクルされてもよい。代替的に又は追加的に、精製生成物流26aを底流として取り出してもよい。精製生成物流26及び26aの利点は、精製生成物流6及び6aに関して上述した通りである。実際、分離に関する図5の操作は、図1及び図2の操作と非常に類似しており、図5は、単一のカラムであること、及び完全に熱的に統合されていることから利益を得る。したがって、第1の蒸留ゾーンA3のサンプからの反応生成物は、反応生成物流8と同様に、可能なパージ29と共に反応生成物流28中に回収される。軽質汚染物質は、軽質流5aと同じ方法で軽質流25a中に回収され、還流25bは、還流5b及びコンデンサーH3のときと同様にコンデンサーH23によって提供される。反応生成物がバッフル20を上昇し、次いで反応生成物流28中に除去されるまで第2の蒸留ゾーンB3中を上昇し続けるので、高純度の1,6-ヘキサンジオールが精製生成物流26、26a中に得られる。したがって、それらは第2の蒸留ゾーンB3を降下せず、精製生成物流26、26aを汚染しない。図5のように、第1の蒸留ゾーンA3と第2の蒸留ゾーンB3とを単一のカラム内に組み合わせると、組み合わされた(バッフル20によって分離された)第1の蒸留ゾーンA3の役割及び第2の蒸留ゾーンB3の下部セクションの役割に必要なカラムの直径は、バッフル20の上方の第2の蒸留ゾーンB3の上部セクションに必要な直径と同様であるので、本明細書に記載される分離にとって特に有利である。したがって、単一のカラム中で役割を組み合わせると、必要なカラムは、図1又は図2の第2の蒸留ゾーンB1を含む一次カラムと同様のサイズであり、設備コストの大幅な節約をもたらす。
図6において、アジピン酸101はエステル化装置201に供給され、メタノールなどのアルカノールでエステル化される。アルカノールは、下流のアルカノール及び水除去工程203からのリサイクルアルカノール102と、補給アルカノール103とを含む。エステル化装置201の生成物はアジピン酸ジアルキル104を含む。エステル化装置201において使用されるアルカノールは、生成物分離プロセス204、例えば、本発明の第1若しくは第3の態様による、又は上記の図1~5に関連して説明されたプロセスからの熱を使用して気化させることができる。したがって、生成物分離プロセス204は、上記のような蒸留ゾーンを含み、これらの蒸留ゾーンからの熱を使用して、液体アルカノール105を気化させることができる。例えば、液体アルカノールは、コンデンサー、例えば上記の図1~5におけるコンデンサーH1、H3又はH11に供給されてもよく、そこでコンデンサーを通過する流れとの熱交換に供されて、その流れを冷却し、液体アルカノール105を気化させることができ、次いでこれをアルカノール蒸気106としてエステル化装置201にフィードバックすることできる。アジピン酸ジアルキル104は、リサイクルされたエステル108と共に水素化202に供給され、1,6ヘキサンジオールへと水素化され、反応器排出物109中に取り出される。アルカノール及び水は、アルカノール及び水除去工程203における蒸留によって除去され、残りの粗生成物流110は、生成物分離プロセス204に供給される。図1~5に関連して上述したように、分離プロセス204において粗生成物流110は、1,6ヘキサンジオールを含む精製生成物流(111)と、重質流(112)と、軽質流113と、生成物分離プロセス204において形成されたエステル及び/又はカプロラクトン及び6-ヒドロキシヘキサナールを含み得る反応生成物流108とに分離される。パージ114は、反応生成物流108から取り出すことができる。
上記の実施形態は、C又はCアルカンジオールが、1,6ヘキサンジオールであり、各々が存在する場合、C10又はC12直鎖エステルは6-ヒドロキシヘキシル6-ヒドロキシヘキサノエートであり、C10又はC12環状アセタール又はケタールが6-(オキセパン-2-イルオキシ)ヘキサン-1-オールであり、C又はC環状エステルがカプロラクトンであり、C又はCアルデヒドが6-ヒドロキシヘキサナールであり、供給材料又は未反応供給材料がアジピン酸ジアルキル、好ましくはアジピン酸ジメチルであり、C又はCジカルボン酸又はCケト酸がアジピン酸である例に関連しているが、当業者であれば、本明細書の他の箇所の教示が与えられれば、それらの例の特徴を、他のC及びCアルカンジオール、及び本明細書の他の箇所に記載されるそれらの対応する化合物を用いたプロセスにどのように適用するか理解するであろう。
当業者であれば、上記の実施形態は単なる例として説明されており、本発明の範囲内で変更及び修正が可能であることを理解するであろう。例えば、図5の単一カラム構成は、反応生成物流28が軽質流25aとは別個に回収されない場合であっても有利である。

Claims (17)

  1. 若しくはCアルカンジオール、軽質汚染物質、及びC10若しくはC12直鎖エステル、又はC10若しくはC12環状アセタール若しくはケタールのうちの1つ以上を含む重質汚染物質を含む粗生成物流から、前記C又はCアルカンジオールを分離するプロセスであって、第1の蒸留ゾーンであって、そこに前記粗生成物流が供給され、底流として取り出される重質流中で前記重質汚染物質がそこから除去される第1の蒸留ゾーンと、第2の蒸留ゾーンであって、前記第1の蒸留ゾーンで形成された、C若しくはC環状エステル、又はC若しくはCアルデヒドのうちの1つ以上を含む反応生成物から前記C又はCアルカンジオールがそこで分離され、そこから精製生成物流中で前記C又はCアルカンジオールが回収される、第2の蒸留ゾーンとを含む分離システムに前記粗生成物流を供給することを含み、前記反応生成物が、前記第1の蒸留ゾーン又は前記第2の蒸留ゾーンのいずれかからサイドドローとして取り出される反応生成物流において回収されることを特徴とし、前記軽質汚染物質が、前記第1の蒸留ゾーン又は前記第2の蒸留ゾーンのいずれかからオーバーヘッド流として取り出される軽質流中で除去される、プロセス。
  2. 前記反応生成物流及び前記軽質流が同じ蒸留ゾーンから取り出される、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記第1及び第2の蒸留ゾーンが単一のカラム内に収容され、前記第2の蒸留ゾーンが、バッフルによって前記第1の蒸留ゾーンから分離され、バッフルが前記カラムの底部から始まり、前記粗生成物流が前記第1の蒸留ゾーンに供給される供給ポイント、及び前記精製生成物流が前記第2の蒸留ゾーンから回収される回収ポイントの両方の上方に延びる、請求項1又は2に記載のプロセス。
  4. 前記反応生成物流が、前記バッフルの頂部の上方からサイドドローとして取り出される、請求項3に記載のプロセス。
  5. 前記第1及び第2の蒸留ゾーンが別個のカラム内にある、請求項1又は2に記載のプロセス。
  6. 前記別個のカラムが一次カラム及び二次カラムを含み、第1の中間流が、前記二次カラムのオーバーヘッド出口を前記一次カラムのサイド入口に接続し、前記軽質流が、前記一次カラムからオーバーヘッド流として回収され、前記反応生成物流が、前記一次カラムの前記サイド入口の上方でサイドドローとして前記一次カラムから取り出される、請求項5に記載のプロセス。
  7. 第2の中間流が、前記一次カラムのサイド出口を前記二次カラムのサイド入口に接続し、前記一次カラムの前記サイド出口が、前記第1の中間流が接続する前記一次カラムの前記サイド入口の下方にある、請求項6に記載のプロセス。
  8. 前記一次カラムがコンデンサーを含み、前記二次カラムがコンデンサーを含まない、請求項7に記載のプロセス。
  9. 前記粗生成物流が、C若しくはCジカルボン酸のジアルキルエステル又はCケト酸のアルキルエステルを含む未反応供給材料を更に含み、前記未反応供給材料が反応生成物流において回収される、請求項1~8のいずれか一項に記載のプロセス。
  10. 若しくはCジカルボン酸のジアルキルエステル又はCケト酸のアルキルエステルを含む供給材料からC又はCアルカンジオールを生成するプロセスであって、前記供給材料が前記C又はCアルカンジオールへの水素化分解を被る水素化分解工程と;分離工程とを含み、分離工程において、前記C又はCアルカンジオール、軽質汚染物質、及びC10若しくはC12直鎖エステル、又はC10若しくはC12環状アセタール若しくはケタールのうちの1つ以上を含む重質汚染物質を含む粗生成物流を、前記重質汚染物質を含む重質流、前記C又はCアルカンジオールを含む精製生成物流、前記軽質汚染物質を含む軽質流、及び前記分離工程で形成される、C若しくはC環状エステル、又はC若しくはCアルデヒドのうちの1つ以上を含む反応生成物を含む反応生成物流へと分離し、前記精製生成物流が回収され、前記反応生成物流が前記水素化分解工程にリサイクルされる、プロセス。
  11. 前記分離工程が、請求項1~9のいずれか一項に記載のプロセスに従って行われる、請求項10に記載のプロセス。
  12. 前記供給材料が、アルカノールによるC若しくはCジカルボン酸又はCケト酸のエステル化によって生成される、請求項10又は11に記載のプロセス。
  13. 前記アルカノールの少なくとも一部が、前記分離工程においてコンデンサーでの熱交換によって気化する、請求項12に記載のプロセス。
  14. 又はCアルカンジオール、及びC10若しくはC12直鎖エステル又はC10若しくはC12環状アセタール若しくはケタールのうちの1つ以上を含む重質汚染物質を含む粗生成物流から、前記C又はCアルカンジオールを分離するプロセスであって、第1の蒸留ゾーンであって、そこに前記粗生成物流が供給され、底流として取り出される重質流中で前記重質汚染物質がそこから除去される第1の蒸留ゾーンと、第2の蒸留ゾーンであって、前記第1の蒸留ゾーンで形成された、C若しくはC環状エステル、又はC若しくはCアルデヒドのうちの1つ以上を含む反応生成物から前記C又はCアルカンジオールがそこで分離され、そこから精製生成物流中で前記C又はCアルカンジオール、好ましくは1,6ヘキサンジオールが回収される、第2の蒸留ゾーンとを含む分離システムに前記粗生成物流を供給することを含み、前記第1及び第2の蒸留ゾーンが単一のカラム内に収容され、前記第2の蒸留ゾーンがバッフルによって前記第1の蒸留ゾーンから分離され、前記バッフルは前記カラムの前記底部から始まり、前記粗生成物流が前記第1の蒸留ゾーンに供給される供給ポイント、及び前記精製生成物流が前記第2の蒸留ゾーンから回収される回収ポイントの両方の上方に延びていることを特徴とする、プロセス。
  15. 前記C又はCアルカンジオールが、式Iによる化合物であり:
    式中、RがHであり、nが3若しくは4である;又はRがCHであり、nが2である、のいずれかであり;
    前記C10又はC12直鎖エステルが、式IIによる化合物であり:
    式中、R及びRがHであり、nが3若しくは4である;又はR及びRがCHであり、nが2である、のいずれかであり;
    前記C10又はC12環状アセタール又はケタールが、式IIIによる化合物であり:
    式中、R及びRがHであり、nが3若しくは4である;又はR及びRがCHであり、nが2である、のいずれかであり;
    前記C又はC環状エステルが、式IVによる化合物であり:
    式中、R及びRがHであり、nが3若しくは4である;又はR及びRがCHであり、nが2である、のいずれかであり;
    前記C又はCアルデヒドが、式Vによる化合物であり:
    式中、RがHであり、nが3若しくは4である;又はRがCHであり、nが2である、のいずれかであり:
    存在する場合、前記供給材料又は前記未反応供給材料が、式VIによる化合物であり:
    式中、RがC~Cアルキル基、好ましくはC~Cアルキル基、最も好ましくはメチル又はエチルであり、式中、nが2であり、RがCHである;又はnが3若しくは4であり、RがR-O-であり、RがC~Cアルキル基、好ましくはC~Cアルキル基、最も好ましくはメチル若しくはエチルである、のいずれかであり;
    存在する場合、前記C若しくはCジカルボン酸又はCケト酸は、式VIIによる化合物であり:
    式中、RがOHであり、nが3若しくは4であるか、又はRがCHであり、nが2である、のいずれかである、請求項1~14のいずれか一項に記載のプロセス。
  16. a.前記C又はCアルカンジオールが1,6ヘキサンジオールであり、前記C10又はC12直鎖エステルが6-ヒドロキシヘキシル6-ヒドロキシヘキサノエートであり、前記C10又はC12環状アセタール又はケタールが6-(オキセパン-2-イルオキシ)ヘキサン-1-オールであり、前記C又はC環状エステルがカプロラクトンであり、前記C又はCアルデヒドが6-ヒドロキシヘキサナールであり、存在する場合、前記供給材料又は前記未反応供給材料がアジピン酸ジアルキル、好ましくはアジピン酸ジメチルであり、前記C若しくはCジカルボン酸又がCケト酸がアジピン酸である、
    b.前記C又はCアルカンジオールが1,5ペンタンジオールであり、各々が存在する場合、前記C10又はC12直鎖エステルが5-ヒドロキシペンチル5-ヒドロキシペンタノエートであり、前記C10又はC12環状アセタール又はケタールが5-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)ペンタン-1-オールであり、前記C又はC環状エステルがテトラヒドロ-2H-ピラン-2-オンであり、前記C又はCアルデヒドが5-ヒドロキシペンタナールであり、存在する場合、前記供給材料又は前記未反応供給材料がグルタル酸ジアルキル、好ましくはグルタル酸ジメチルであり、前記C若しくはCジカルボン酸又はCケト酸がグルタル酸である、
    c.前記C又はCアルカンジオールが1,4ペンタンジオールであり、各々が存在する場合、前記C10又はC12直鎖エステルが4-ヒドロキシペンチル4-ヒドロキシペンタノエートであり、前記C10又はC12環状アセタール又はケタールが5-((2-メチルテトラヒドロフラン-2-イル)オキシ)ペンタン-2-オールであり、前記C又はC環状エステルがγバレロラクトンであり、前記C又はCアルデヒドが4-ヒドロキシペンタナールであり、存在する場合、前記供給材料又は前記未反応供給材料がレブリン酸アルキル、好ましくはレブリン酸メチルであり、前記C若しくはCジカルボン酸又はCケト酸がレブリン酸である、
    のいずれかである、請求項1~15のいずれか一項に記載のプロセス。
  17. 前記C又はCアルカンジオールが1,6ヘキサンジオールであり、前記C10又はC12直鎖エステルが6-ヒドロキシヘキシル6-ヒドロキシヘキサノエートであり、前記C10又はC12環状アセタール又はケタールが6-(オキセパン-2-イルオキシ)ヘキサン-1-オールであり、前記C又はC環状エステルがカプロラクトンであり、前記C又はCアルデヒドが6-ヒドロキシヘキサナールであり、存在する場合、前記供給材料がアジピン酸ジアルキル、好ましくはアジピン酸ジメチルであり、前記C若しくはCジカルボン酸又はCケト酸がアジピン酸である、請求項1~16のいずれか一項に記載のプロセス。
JP2023569790A 2021-07-05 2022-07-04 C5又はc6アルカンジオールを生成するための分離プロセス Pending JP2024523109A (ja)

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