JP2024522349A - C-x-cモチーフケモカイン受容体6(cxcr6)結合分子及びその使用方法 - Google Patents

C-x-cモチーフケモカイン受容体6(cxcr6)結合分子及びその使用方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、様々な実施形態において、C-X-Cモチーフケモカイン受容体6(CXCR6)(例えば、ヒトCXCR6)に特異的に結合するポリペプチドを提供する。本発明はまた、様々な実施形態において、ポリペプチド、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、ポリペプチドの発現に適したベクター及び宿主細胞の1つ又は複数を含む融合タンパク質、並びに疾患又は障害(例えば、免疫系の疾患又は癌)を治療、診断及び/又は予後診断するための組成物及び方法を提供する。

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年5月25日に出願された米国仮特許出願第63/193,060号の利益を主張する。上記出願の全教示は、参照により本明細書に組み込まれる。
ASCIIテキストファイルへの資料の参照による組込み
本出願は、本明細書と同時に提出されている以下のASCIIテキストファイルに含まれる配列表を参照により組み込む。
ファイル名:57471000001_SequenceListing.txt;2022年5月24日に作成され、サイズは164,000バイトである。
CD4 T細胞及びCD8 T細胞の両方を含むTリンパ球は、免疫障害及び腫瘍において極めて重要な役割を果たす。T細胞の活性化は、2つの必須シグナルを含む。最初に、T細胞受容体(TCR)は、抗原提示細胞(APC)上の抗原負荷MHC分子に結合する。第2に、T細胞上のCD28及びCD40Lは、それぞれAPC上のB7及びCD40と相互作用する(共刺激シグナル伝達)。適切なT細胞活性化シグナル伝達は、サイトカイン産生及び増殖並びに腫瘍細胞の活発な殺傷をもたらす。過度の活性化を制限するために、T細胞を、細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA-4)及びプログラム細胞死タンパク質1(PD-1)等の阻害性分子を発現するように誘導して、それぞれAPC及びPD-L1によって発現されるB7に結合することによって共阻害性シグナルを伝達する。PD-L1は腫瘍及びAPCによって発現される。
高分化高活性化T細胞のサブセットである病原性T細胞は、自己免疫疾患、同種移植片拒絶、急性又は慢性移植片対宿主病、骨髄移植、T細胞主導サイトカインストーム、アレルギー性疾患及び急性ウイルス感染等の免疫障害における炎症及び組織損傷の原動力である。現在利用可能な免疫抑制薬には、ステロイド、シクロスポリンA、細胞傷害性剤(例えば、シクロホスファミド及びメトトレキサート)、ナタリズマブ(白血球接着を遮断する)、及びフィンゴリモド(リンパ系組織からのリンパ球移出を防止する)等が含まれる。これらの薬物は、正常な免疫系及び免疫防御も損なうので、疾患症状を改善することができるが、しばしば重篤な副作用及び許容できない感染リスクを引き起こす。したがって、免疫障害を治療するためには、病原性T細胞を選択的に標的とする新しい治療薬が必要である。
腫瘍病理の対照的なシナリオでは、T細胞が腫瘍に浸潤して腫瘍細胞を排除する。しかしながら、腫瘍内の免疫抑制性微小環境のために、浸潤したT細胞は、サイトカイン産生、細胞傷害性、増殖及び生存の障害を伴う機能的疲弊に向かって変化することが多い。現在利用可能な抗体治療薬は、細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA4)、プログラム細胞死タンパク質1(PD1)、及びプログラム死リガンド1(PD-L1)等の免疫チェックポイント阻害剤を遮断する。これらの薬物は免疫系を非選択的に活性化するので、重篤な自己免疫症状の孤立した症例をもたらした。したがって、腫瘍浸潤T細胞を選択的に標的とする新しい治療法が、癌を治療するために必要とされている。
本明細書に開示される発明は、C-X-Cモチーフケモカイン受容体6(CXCR6)が病原性T細胞の精巧なマーカであり、腫瘍に浸潤した免疫コンピテントT細胞の特異的マーカであるという発見に少なくとも部分的に基づく。
一態様では、本発明は、CXCR6に特異的に結合するポリペプチドであって、配列番号11~46に示される少なくとも1つの免疫グロブリン重鎖可変領域(V)のHCDR1、HCDR2及びHCDR3とそれぞれ少なくとも約90%同一である重鎖相補性決定領域HCDR1、HCDR2及びHCDR3を含むポリペプチドを提供する。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、ヒト及びカニクイザルCXCR6に結合する(例えば、ポリペプチドは、それぞれ、配列番号11~17に示される少なくとも1つの免疫グロブリン重鎖可変領域(VH)に示される少なくとも1つの免疫グロブリン重鎖可変領域(VH)のHCDR1、HCDR2及びHCDR3と少なくとも約90%同一である重鎖相補性決定領域HCDR1、HCDR2及びHCDR3を含む)。いくつかの実施形態では、ポリペプチドはヒトCXCR6に結合するが、カニクイザルCXCR6には結合しない(例えば、ポリペプチドは、それぞれ、配列番号18~46に示される少なくとも1つの免疫グロブリン重鎖可変領域(VH)に示される少なくとも1つの免疫グロブリン重鎖可変領域(V)のHCDR1、HCDR2及びHCDR3と少なくとも約90%同一である重鎖相補性決定領域HCDR1、HCDR2及びHCDR3を含む)。
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、配列番号47~82に示される少なくとも1つの免疫グロブリン軽鎖可変領域(V)の、それぞれLCDR1、LCDR2及びLCDR3と少なくとも90%同一である軽鎖相補性決定領域LCDR1、LCDR2及びLCDR3を更に含む。
別の態様では、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドの1つ又は複数を含む融合タンパク質を提供する。
別の態様では、本発明は、本明細書に記載のポリペプチド又は融合タンパク質の1つ又は複数をコードする1つ又は複数のポリヌクレオチドを提供する。
別の態様では、本発明は、本明細書に記載のポリヌクレオチドの1つ又は複数を含む発現ベクターを提供する。
別の態様では、本発明は、本明細書に記載のポリヌクレオチド又は発現ベクターの1つ又は複数を含む宿主細胞(例えば、発現宿主細胞)を提供する。
別の態様では、本発明は、本明細書に記載のポリペプチド、融合タンパク質、ポリヌクレオチド、発現ベクター又は宿主細胞の1つ又は複数を含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、組成物は医薬組成物である。いくつかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載のポリペプチド又は融合タンパク質の1つ又は複数を含む。
別の態様では、本発明は、CXCR6陽性白血球を本明細書に記載のポリペプチド、融合タンパク質又は組成物の1つ又は複数と接触させることを含む、CXCR6陽性白血球を調節する方法を提供する。
別の態様では、本発明は、CXCR6陽性白血球を本明細書に記載のポリペプチド、融合タンパク質又は組成物の1つ又は複数と接触させることを含む、CXCR6陽性白血球の走化性を遮断する方法を提供する。
別の態様では、本発明は、CXCR6陽性白血球を本明細書に記載のポリペプチド、融合タンパク質又は組成物の1つ又は複数と接触させることを含む、CXCR6陽性白血球を不活性化する方法を提供する。
別の態様では、本発明は、CXCR6陽性白血球を本明細書に記載のポリペプチド、融合タンパク質又は組成物の1つ又は複数と接触させることを含む、CXCR6陽性白血球を殺傷する方法を提供する。
別の態様では、本発明は、CXCR6陽性白血球を本明細書に記載のポリペプチド、融合タンパク質又は組成物の1つ又は複数と接触させることを含む、CXCR6陽性白血球を活性化する方法を提供する。
別の態様では、本発明は、CXCR6陽性白血球を本明細書に記載のポリペプチド、融合タンパク質又は組成物の1つ又は複数と接触させることを含む、CXCR6陽性白血球の生存を維持する方法を提供する。
別の態様では、本発明は、本明細書に記載の1つ又は複数の組成物(例えば、医薬組成物)の有効量を対象に投与することを含む、CXCR6陽性白血球の枯渇を必要とする対象においてCXCR6陽性白血球を枯渇させる方法を提供する。
別の態様では、本発明は、本明細書に記載の組成物(例えば、医薬組成物)の1つ又は複数の有効量を対象に投与することを含む、疾患の治療又は予防を必要とする対象の疾患を治療又は予防する方法を提供する。
別の態様では、本発明は、本明細書に記載の1つ又は複数の組成物(例えば、医薬組成物)の有効量を対象に投与することを含む、CXCR6陽性細胞の活性化を必要とする対象においてCXCR6陽性細胞を活性化させる方法を提供する。
別の態様では、本発明は、有効量の本明細書に記載の組成物(例えば、医薬組成物)の1つ又は複数を対象に投与することを含む、CXCR6陽性細胞の生存をそれを必要とする対象において維持する方法を提供する。
特許又は出願ファイルは、カラーで作成された少なくとも1つの図面を含む。カラー図面を伴うこの特許又は特許出願公開の写しは、請求及び必要な料金の支払いに応じて特許庁によって提供される。
上記は、異なる図を通して同様の参照符号は同じ部分を指す、添付の図面に示されているように、例示的な実施形態の以下のより具体的な説明から明らかになるであろう。図面は必ずしも縮尺通りではなく、代わりに実施形態を示すことに重点が置かれている。
CXCR6陽性病原性T細胞のCXCR6モノクローナル抗体(mAb)媒介枯渇による急性移植片対宿主病(aGvHD)治療のスキームを示す図である。 CXCR6陽性免疫コンピテントT細胞のCXCR6 mAb媒介増殖による癌治療のスキームを示す図である。 CXCR6陽性CD4 T細胞が、炎症促進性サイトカインインターロイキン(IL)-17及びインターフェロンガンマ(IFNγ)を産生するコラーゲン誘導性関節炎における主要な集団であることを示す図であり、脾臓のCXCR6陰性又はCXCR6陽性CD4 T細胞におけるサイトカインプロファイルを示す。各記号は個々のマウスを表す。**:p<0.01;***:p<0.001。黒丸:CXCR6陰性CD4 T細胞。黒三角:CXCR6陽性CD4 T細胞。 CXCR6陽性CD4 T細胞が、炎症促進性サイトカインインターロイキン(IL)-17及びインターフェロンガンマ(IFNγ)を産生するコラーゲン誘導性関節炎における主要な集団であることを示す図であり、リンパ節のCXCR6陰性又はCXCR6陽性CD4 T細胞におけるサイトカインプロファイルを示す。各記号は個々のマウスを表す。**:p<0.01;***:p<0.001。黒丸:CXCR6陰性CD4 T細胞。黒三角:CXCR6陽性CD4 T細胞。 CXCR6陽性T細胞がaGvHD(C57BL/6からBALB/C)に蓄積することを示す図であり、aGvHD罹患マウスにおける体重の減少を示す。各記号は個々のマウスを表す。***:p<0.001。 CXCR6陽性T細胞がaGvHD(C57BL/6からBALB/C)に蓄積することを示す図であり、aGvHD罹患マウスにおける早期死亡を示す。各記号は個々のマウスを表す。***:p<0.001。 CXCR6陽性T細胞がaGvHD(C57BL/6からBALB/C)に蓄積することを示す図であり、ナイーブマウスとaGvHDマウスとの間のリンパ節及び脾臓におけるCXCR6陽性CD4及びCD8 T細胞の割合を比較する。各記号は個々のマウスを表す。***:p<0.001。 CXCR6陽性T細胞がaGvHDにおける主要な病原性T細胞であることを示す図である。高度に炎症誘発性の亜集団であるIFNγ及びGzmB二重陽性細胞は、CD4及びCD8細胞の両方において排他的にCXCR6陽性であった。各記号は個々のマウスを表す。*:p<0.05;**:p<0.01;***:p<0.001。 CXCR6がaGvHD発症において必須でないことを示す図である。WT C57BL/6又はCxcr6-/-C57BL/6ドナー細胞のいずれかを受けたBALB/Cマウスは、体重の同様に実質的且つ長期的な減少によって判断されるように、同等に重度のaGvHDを発症し、ドナー細胞上のCxcr6の欠損は生存を増加させなかった。 抗CXCR6抗体治療がaGvHDマウスの生存を増加させたことを示す図である。WT C57BL/6ドナー細胞を受けたBALB/Cマウスを、指示された日にアイソタイプ対照抗体又は抗CXCR6抗体で治療し、生存をモニターした。 CXCR6CD4及びCD8 T細胞が腫瘍浸潤リンパ球(TIL)において濃縮されていることを示す図であり、アイソタイプ対照mAb又は抗PD-1 mAbで治療したB16メラノーママウスにおけるTIL中のCXCR6発現CD4及びCD8 T細胞の平均(±SEM)パーセントを示す。記号は個々のマウスを表す。*:p<0.05;**:p<0.01;***:p<0.001。 CXCR6CD4及びCD8 T細胞が腫瘍浸潤リンパ球(TIL)において濃縮されていることを示す図であり、MC38結腸腫瘍マウスにおけるTIL中のCXCR6発現CD4及びCD8 T細胞の平均(±SEM)パーセントを示す。記号は個々のマウスを表す。*:p<0.05;**:p<0.01;***:p<0.001。 CXCR6陽性CD4 T細胞が、B16メラノーマモデルにおけるTIL中の主要なIFN-γ及びGM-CSF産生細胞であることを示す図である。CXCR6陰性CD4 T細胞と比較して、CXCR6陽性細胞は、IFN-γ及びGM-CSFを産生する能力がより高い。図9Aは、代表的なフローサイトメトリー結果を示す。記号は個々のマウスを表す。*:p<0.05;**:p<0.01。 CXCR6陽性CD4 T細胞が、B16メラノーマモデルにおけるTIL中の主要なIFN-γ及びGM-CSF産生細胞であることを示す図である。図9Bは、データの統計分析を示す。記号は個々のマウスを表す。*:p<0.05;**:p<0.01。 CXCR6陽性CD8 T細胞が、B16メラノーマモデルにおけるTIL中の主要なグランザイムB産生体であることを示す図である。CXCR6陰性CD8 T細胞と比較して、CXCR6陽性細胞はIFN-γ及びグランザイムBの両方を産生する能力が高い。図10Aは、代表的なフローサイトメトリーの結果を示す。記号は個々のマウスを表す。*:p<0.05;**:p<0.01。 CXCR6陽性CD8 T細胞が、B16メラノーマモデルにおけるTIL中の主要なグランザイムB産生体であることを示す図である。図10Bは、データの統計分析を示す。記号は個々のマウスを表す。*:p<0.05;**:p<0.01。 ヒト、カニクイザル又はマウスCXCR6を過剰発現する細胞への9つの候補抗体の結合を示す図である。CNGs-1B7、CNE-6E10、COX-1B10、COX-2D2及びBeacon1-G12はヒトCXCR6に結合する。Genovac1-G2、Beacon2-G5、Genovac2-C1及びBeacon1-B2は、ヒト及びカニクイザルCXCR6の両方に結合する。 ヒト特異的mAbがヒトCXCR6の細胞外N末端内のエピトープ残基に結合することを示す図である。 ヒト/カニクイザル交差種mAbがヒトCXCR6の細胞外N末端内のエピトープ残基に結合しないことを示す図である。 ヒト/カニクイザル交差種mAbがcyno-CXCR6の細胞外N末端内のエピトープ残基に結合しないことを示す図である。 ヒトCXCR6への結合について、Genovac2-C1ではなくCOX-1B10がR&Dシステム由来抗ヒトCXCR6 mAbと競合したことを示す図である。 図14Aのカラー版である。 キメラ抗体が全長マウスIgG1の結合能力及び高親和性を保持することを示す図であり、COX-1B10及びGenovac2-C1がヒトCXCR6に結合することを示す。 キメラ抗体が全長マウスIgG1の結合能力及び高親和性を保持することを示す図であり、COX-1B10及びGenovac2-C1がカニクイザルCXCR6に結合することを示す。 CXCL-16の存在下又は非存在下でのヒトCXCR6過剰発現細胞へのキメラGenovac2-C1の結合を示す図である。 ヒト/マウスキメラCXCR6 mAbの抗体依存性細胞傷害性(ADCC)アッセイを示す図である。
例示的な実施形態の説明を以下に続ける。
本発明のいくつかの態様は、例示のみを目的として実施例を参照して以下に記載される。本発明の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細、関係、及び方法が記載されていることを理解されたい。しかしながら、当業者であれば、特定の詳細のうちの1つ又は複数を用いずに本発明を実施することができ、又は他の方法、プロトコール、試薬、細胞株及び動物を用いて実施することができることを容易に認識するであろう。本発明は、いくつかの動作が異なる順序で、及び/又は他の動作若しくは事象と同時に起こり得るため、動作又は事象の図示された順序によって限定されない。更に、本発明による方法を実施するために、全ての例示された動作、工程、又はイベントが必要とされるわけではない。本明細書に記載又は参照される技術及び手順の多くは、当業者によって従来の方法論を使用してよく理解され、一般的に採用されている。
本開示のCXCR6結合ポリペプチド
本発明は、一般に、C-X-Cモチーフケモカイン受容体6(CXCR6)タンパク質に結合するポリペプチド(例えば、抗体又はその抗原結合断片)及びその使用に関する。一態様では、本発明は、CXCR6に結合するポリペプチドであって、配列番号11~46に示される少なくとも1つの免疫グロブリン重鎖可変領域(V)のHCDR1、HCDR2及びHCDR3とそれぞれ少なくとも80%同一である重鎖相補性決定領域HCDR1、HCDR2及びHCDR3を含むポリペプチドを提供する。配列番号11~46として同定された配列を本明細書の表2に示す。
用語「ポリペプチド」、「ペプチド」又は「タンパク質」は、長さ又は翻訳後修飾(例えば、グリコシル化又はリン酸化)にかかわらず、アミド結合によって共有結合された少なくとも2つのアミノ酸のポリマーを意味する。タンパク質、ペプチド又はポリペプチドは、任意の適切なL-及び/又はD-アミノ酸、例えば、共通のα-アミノ酸(例えば、アラニン、グリシン、バリン)、非α-アミノ酸(例えば、β-アラニン、4-アミノ酪酸、6-アミノカプロン酸、サルコシン、スタチン)、及び異常なアミノ酸(例えば、シトルリン、ホモシトルリン、ホモセリン、ノルロイシン、ノルバリン、オルニチン)を含むことができる。ペプチド上のアミノ、カルボキシル及び/又は他の官能基は、遊離していてもよく(例えば、未改変)、又は適切な保護基で保護されていてもよい。アミノ基及びカルボキシル基に適した保護基、並びに保護基を付加又は除去する方法は、当技術分野で公知であり、例えば、グリーン(Green)及びウッツ(Wuts)、「有機合成における保護基(Protecting Groups in Organic Synthesis)」、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ(John Wiley and Sons)、1991年に開示されている。タンパク質、ペプチド又はポリペプチドの官能基は、当技術分野で公知の方法を使用して誘導体化(例えば、アルキル化)又は標識(例えば、検出可能な標識、例えば、フルオロゲン又はハプテンを用いて)することもできる。タンパク質、ペプチド又はポリペプチドは、必要に応じて、1つ又は複数の修飾(例えば、アミノ酸リンカー、アシル化、アセチル化、アミド化、メチル化、末端修飾剤(例えば、環化修飾)、N-メチル-α-アミノ基置換)を含むことができる。更に、タンパク質、ペプチド又はポリペプチドは、公知の及び/又は天然に存在するペプチドの類似体、例えば、保存的アミノ酸残基置換を有するペプチド類似体であり得る。
「特異的に結合すること」又は「特異的に結合する」という用語は、他の抗原又はアミノ酸配列と比較して、優先的な相互作用、すなわち、例えば抗体又はその抗原結合断片とそのエピトープとの間の有意に高い結合親和性を指す。いくつかの実施形態では、ポリペプチド、例えば抗体は、ヒトCXCR6に特異的に結合する。
いくつかの実施形態では、ポリペプチド、融合タンパク質又は組成物は、野生型CXCR6タンパク質、例えば野生型ヒトCXCR6(配列番号1)、野生型カニクイザル(カニクイザル)CXCR6(配列番号6)、又はその両方に結合する。配列番号1及び配列番号6として同定された配列を本明細書の表1に示す。
いくつかの実施形態では、ポリペプチド、融合タンパク質又は組成物は、CXCR6タンパク質の細胞外N末端、例えばヒトCXCR6の細胞外N末端(配列番号2)、カニクイザルCXCR6の細胞外N末端(配列番号7)、又はその両方に結合する。配列番号2及び配列番号7として同定された配列を本明細書の表1に示す。
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、CXCR6タンパク質の1つ又は複数の細胞外ループ、例えばヒトCXCR6の細胞外ループ1(配列番号3)、カニクイザルCXCR6の細胞外ループ1(配列番号8)、ヒトCXCR6の細胞外ループ2(配列番号4)、カニクイザルCXCR6の細胞外ループ2(配列番号9)、ヒトCXCR6の細胞外ループ3(配列番号5)、カニクイザルCXCR6の細胞外ループ3(配列番号10)、又はそれらの組合せに結合する。配列番号3~5及び8~10として同定された配列を本明細書の表1に示す。
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、野生型CXCR6と比較して(例えば、配列番号1又は配列番号6と比較して)1つ又は複数のアミノ酸置換、欠失及び/又は挿入を含むCXCR6タンパク質の変異体に結合する。いくつかの実施形態では、CXCR6変異体は、野生型CXCR6配列に対して少なくとも約90%の配列同一性、例えば野生型CXCR6配列に対して少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、又は99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、配列同一性は、約90~99.9%、90~99.8%、92~99.8%、92~99.6%、94~99.6%、94~99.5%、95~99.5%、95~99.4%、96~99.4%、96~99.2%、97~99.2%又は97~99%である。
本明細書で使用される場合、「配列同一性」という用語は、パーセンテージとして表される最大レベルの同一性を達成するように配列を整列させた場合に、2つのヌクレオチド配列又は2つのアミノ酸配列が同じ位置に同じ残基を有する程度を指す。配列アラインメント及び比較のために、典型的には、試験配列が比較される参照配列として1つの配列が指定される。参照配列と試験配列との間の配列同一性は、最大レベルの同一性を達成するための参照配列及び試験配列のアラインメント時に、参照配列及び試験配列が同じヌクレオチド又はアミノ酸を共有する、参照配列の全長にわたる位置のパーセンテージとして表される。例えば、最大レベルの同一性を達成するためのアラインメント時に、試験配列が参照配列の全長にわたって同じ位置の80%に同じヌクレオチド又はアミノ酸残基を有する場合、2つの配列は80%の配列同一性を有すると見なされる。
最大レベルの同一性を達成するための比較のための配列のアラインメントは、適切なアラインメント方法又はアルゴリズムを使用して当業者によって容易に行うことができる。場合によっては、アラインメントは、最大レベルの同一性を提供するために導入されたギャップを含むことができる。例えば、スミス&ウォーターマン(Smith&Waterman)の局所相同性アルゴリズム、応用数学における進歩(Adv.Appl.Math)、第2巻、p.482、1981年、ニードルマン(Needleman)及びブンシュ(Wunsch)の相同性アラインメントアルゴリズム、ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー(J.Mol.Biol.)、第48巻、p.443、1970年、ピアソン(Pearson)及びリプマン(Lipman)の類似法に対する調査、米国科学アカデミー紀要(Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA)、第85巻、p.2444、1988年、これらのアルゴリズムのコンピュータ化された実装(ウィスコンシン遺伝子ソフトエアパッケージ(Wisconsin Genetics Software Package)、遺伝子コンピュータグループ(Genetics Computer Group)、575、サイエンスドクター、マディソン、ウィス(Science Dr.,Madison,Wis)におけるGAP、BESTFIT、FASTA及びTFASTA)並びに目視検査を参照されたい(概して、オーズベル(Ausubel)ら著、分子生物学実験プロトコール(Current Protocols in Molecular Biology)を参照されたい)。
一例では、配列比較アルゴリズムを使用する場合、試験配列及び参照配列がコンピュータに入力され、必要に応じて後続の座標が指定され、配列アルゴリズムプログラムパラメータが指定される。次いで、配列比較アルゴリズムは、指定されたプログラムパラメータに基づいて、参照配列に対する試験配列(又は試験配列)の配列同一性パーセントを計算する。配列同一性パーセントを決定するために一般的に使用されるツールは、米国国立衛生研究所(NIH)の国立バイオテクノロジー情報センター、国立医学図書館を通じて入手可能なタンパク質基本局所アラインメント検索ツール(BLASTP)である(アルトシュル(Altschul)ら著、1990年を参照されたい)。
本明細書で使用される場合、「相補性決定領域(CDR)」という用語は、抗体の抗原結合部位を指す。CDRは、様々な用語を使用して定義され得る:(i)配列可変性(ウー(Wu)及びカバト(Kabat)ジャーナルオブエクスペリメンタルメディスン(J.Exp.Med.)、第132巻:p.211-50、1970年;カバト(Kabat)ら著、免疫学的関心のタンパク質の配列(Sequences of Proteins of Immunological Interest)、第5版、公衆衛生局、国立衛生研究所、ベゼスタ、メリーランド州、1991年)に基づいて、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3;(ii)コチア(Chothia)及びレスク(Lesk)によって定義された構造に基づく「超可変領域」(HVR又はHV)H1、H2、H3、L1、L2及びL3(コチア(Chothia)及びレスク(Lesk)、モレキュラーバイオロジー(J.Mol.Biol.)、第196巻、p.901~17、1987年));(iii)国際イムノジェネティクス(International ImMunoGeneTics)(IMGT)データベース(www_imgt_org)は、抗原結合部位の標準化された番号付け及び定義を提供する。CDR、HV、及びIMGTの描写間の対応は、ルフラン(Lefranc)ら著、免疫学の発展及び比較(Dev.Comparat.Immunol.)第27巻、p.55~77、2003年を参照されたい。本明細書で使用される「CDR」、「HCDR1」、「HCDR2」、「HCDR3」、「LCDR1」、「LCDR2」及び「LCDR3」という用語は、特に明記しない限り、カバト(Kabat)、コチア(Chothia)及びレスク(Lesk)、又はIMGTに記載の方法のいずれかによって定義されるCDRを含む。表5及び6は、IMGTに基づいて定義されたHCDR及びLCDRアミノ酸配列を示す。表7及び8は、カバト(Kabat)ら著(例えば、http://www.bioinf.org.uk/abs/を参照されたい)に基づいて定義されたHCDR及びLCDRアミノ酸配列を示す。
1つ又は複数のCDR残基の置換又は1つ又は複数のCDRの省略が可能である。例えば、パドラン(Padlan)ら著、「抗体における特異性決定残基の同定(Identification of specificity-determining residues in antibodies)」、FASEBジャーナル(FASEB J.)9(1)、p.133~9、1995年を参照されたい。公開されている結晶構造に基づく抗体とそれらの抗原との間の接触領域の分析により、CDR残基の約1/5~1/3のみが実際に抗原と接触するという結論が導かれた。1つ又は複数のCDR残基は、省かれてもよく、又は別のヒト抗体配列又はそのような配列のコンセンサスにおいて対応する位置を占めるアミノ酸で置換されてもよい。置換位置及び置換するアミノ酸は経験的に選択することができる。
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、それぞれ、配列番号11~46に示される少なくとも1つの免疫グロブリンVのHCDR1、HCDR2及びHCDR3と少なくとも約85%同一であるHCDR1、HCDR2及びHCDR3を含む。例えば、配列同一性は、少なくとも約90%、95%、98%又は99%、又は約:85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%であり得る。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、それぞれ、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号17、配列番号19、配列番号20及び配列番号21(例えば、配列番号11又は配列番号20)に示される少なくとも1つの免疫グロブリンVのHCDR1、HCDR2及びHCDR3と少なくとも約85%(例えば、少なくとも約90%)同一であるHCDR1、HCDR2及びHCDR3を含む。
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、配列番号11~46に示される免疫グロブリンVのHCDR1、HCDR2及びHCDR3とそれぞれ同一のHCDR1、HCDR2及びHCDR3を含む。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号17、配列番号19、配列番号20及び配列番号21(例えば、配列番号11又は配列番号20)に示される免疫グロブリンVのHCDR1、HCDR2及びHCDR3とそれぞれ同一のHCDR1、HCDR2及びHCDR3を含む。
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、それぞれ、配列番号47~82に示される少なくとも1つの免疫グロブリン軽鎖可変領域(V)のLCDR1、LCDR2及びLCDR3と少なくとも約80%同一であるLCDR1、LCDR2及びLCDR3を更に含む。例えば、配列同一性は、少なくとも約85%、90%、95%、98%若しくは99%又は約81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%若しくは99%であり得る。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、それぞれ、配列番号47、配列番号48、配列番号49、配列番号53、配列番号55、配列番号56及び配列番号57(例えば、配列番号47又は配列番号56)に示される少なくとも1つの免疫グロブリンVのLCDR1、LCDR2及びLCDR3と少なくとも約85%(例えば、少なくとも約90%)同一であるLCDR1、LCDR2及びLCDR3を更に含む。
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、配列番号47~82に示される免疫グロブリンVのLCDR1、LCDR2及びLCDR3とそれぞれ同一のLCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、配列番号47、配列番号48、配列番号49、配列番号53、配列番号55、配列番号56及び配列番号57(例えば、配列番号47又は配列番号56)に示される免疫グロブリンVのLCDR1、LCDR2及びLCDR3とそれぞれ同一のLCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む。
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、V及びVを含む抗体のHCDR1、HCDR2及びHCDR3、並びにそれぞれLCDR1、LCDR2及びLCDR3と少なくとも約80%同一(例えば、少なくとも約:85%、90%、95%又は99%同一、又は同一)であるHCDR1、HCDR2及びHCDR3、並びにLCDR1、LCDR2及びLCDR3を含み、抗体のV及びVは、以下のV/Vの組合せから選択される。
配列番号11/配列番号47(Genovac2-C1);
配列番号12/配列番号48(Genovac1-G2);
配列番号13/配列番号49(Beacon2-G5);
配列番号14/配列番号50(Beacon2-F1);
配列番号15/配列番号51(CNE-6E5-C1);
配列番号16/配列番号52(CNGs-3B2);
配列番号17/配列番号53(Beacon1-B2);
配列番号18/配列番号54(CNGs-1B7);
配列番号19/配列番号55(CNE-6E10);
配列番号20/配列番号56(COXs-1B10);
配列番号21/配列番号57(COXs-2D2);
配列番号22/配列番号58(Beacon1-D10);
配列番号23/配列番号59(Beacon1-G12);
配列番号24/配列番号60(COXs-1B11);
配列番号25/配列番号61(COXs-2D4);
配列番号23/配列番号62(COXs-4H5);
配列番号26/配列番号63(COXs-7A7);
配列番号27/配列番号64(COXs-7E6);
配列番号28/配列番号65(COXs-9D6);
配列番号29/配列番号65(COXs-11E5);
配列番号30/配列番号66(COXs-11H4);
配列番号31/配列番号67(COXs-12E7);
配列番号32/配列番号68(CNE-7B1);
配列番号33/配列番号69(CNF-2F8);
配列番号34/配列番号70(CNGs-1C1);
配列番号35/配列番号71(CNGs-2F11);
配列番号36/配列番号72(CNE-6H7-G7);
配列番号37/配列番号73(CNGs-1B7-E4);
配列番号38/配列番号74(CNGs-1E1-G5);
配列番号39/配列番号75(CNGs-3G6-G5);
配列番号40/配列番号76(CNGs-3H2-B7);
配列番号41/配列番号77(Beacon2-A3);
配列番号42/配列番号78(Beacon2-A7);
配列番号43/配列番号69(Beacon2-D5);
配列番号44/配列番号79(Beacon2-E5);
配列番号45/配列番号80(Genovac1-D12);
配列番号18/配列番号81(Genovac2-H2);及び
配列番号46/配列番号82(Beacon1-A4)。
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、V及びVを含む抗体のHCDR1、HCDR2及びHCDR3、並びにそれぞれLCDR1、LCDR2及びLCDR3と少なくとも約80%同一(例えば、少なくとも約:85%、90%、95%又は99%同一、又は同一)であるHCDR1、HCDR2及びHCDR3、並びにLCDR1、LCDR2及びLCDR3を含み、抗体のV及びVは、以下のV/Vの組合せから選択される。
配列番号11/配列番号47;
配列番号12/配列番号48;
配列番号13/配列番号49;
配列番号17/配列番号53;
配列番号19/配列番号55;
配列番号20/配列番号56;又は
配列番号21/配列番号57。
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、それぞれ、配列番号11/配列番号47に示されるV/Vの組合せを含む抗体のHCDR1、HCDR2及びHCDR3、並びにLCDR1、LCDR2及びLCDR3と少なくとも約80%同一(例えば、少なくとも約:85%、90%、95%又は99%同一、又は同一)であるHCDR1、HCDR2及びHCDR3、並びにLCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む。
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、それぞれ、配列番号12/配列番号48に示されるV/Vの組合せを含む抗体のHCDR1、HCDR2及びHCDR3、並びにLCDR1、LCDR2及びLCDR3と少なくとも約80%同一(例えば、少なくとも約:85%、90%、95%又は99%同一、又は同一)であるHCDR1、HCDR2及びHCDR3、並びにLCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む。
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、それぞれ、配列番号13/配列番号49に示されるV/Vの組合せを含む抗体のHCDR1、HCDR2及びHCDR3、並びにLCDR1、LCDR2及びLCDR3と少なくとも約80%同一(例えば、少なくとも約:85%、90%、95%又は99%同一、又は同一)であるHCDR1、HCDR2及びHCDR3、並びにLCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む。
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、それぞれ、配列番号17/配列番号53に示されるV/Vの組合せを含む抗体のHCDR1、HCDR2及びHCDR3、並びにLCDR1、LCDR2及びLCDR3と少なくとも約80%同一(例えば、少なくとも約:85%、90%、95%又は99%同一、又は同一)であるHCDR1、HCDR2及びHCDR3、並びにLCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む。
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、それぞれ、配列番号19/配列番号55に示されるV/Vの組合せを含む抗体のHCDR1、HCDR2及びHCDR3、並びにLCDR1、LCDR2及びLCDR3と少なくとも約80%同一(例えば、少なくとも約:85%、90%、95%又は99%同一、又は同一)であるHCDR1、HCDR2及びHCDR3、並びにLCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む。
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、それぞれ、配列番号20/配列番号56に示されるV/Vの組合せを含む抗体のHCDR1、HCDR2及びHCDR3、並びにLCDR1、LCDR2及びLCDR3と少なくとも約80%同一(例えば、少なくとも約:85%、90%、95%又は99%同一、又は同一)であるHCDR1、HCDR2及びHCDR3、並びにLCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む。
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、それぞれ、配列番号21/配列番号57に示されるV/Vの組合せを含む抗体のHCDR1、HCDR2及びHCDR3、並びにLCDR1、LCDR2及びLCDR3と少なくとも約80%同一(例えば、少なくとも約:85%、90%、95%又は99%同一、又は同一)であるHCDR1、HCDR2及びHCDR3、並びにLCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む。
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、V及びVを含む免疫グロブリン分子である。
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、
a)配列番号11~46に示される少なくとも1つの配列と少なくとも約60%同一であるV
b)配列番号47~82に示される少なくとも1つの配列と少なくとも約60%同一であるV;又は
c)a)及びb)の両方
を含む。
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、配列番号11~46に示される少なくとも1つの配列と少なくとも約60%同一のVを含む。例えば、配列同一性は、少なくとも約65%、70%、75%、80%、85%、90%又は95%、又は約61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%であり得る。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号17、配列番号19、配列番号20又は配列番号21(例えば、配列番号11又は配列番号20)に示される少なくとも1つの配列と少なくとも約60%(例えば、少なくとも約:70%、80%、90%又は95%)同一のVを含む。
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、配列番号47~82に示される少なくとも1つの配列と少なくとも約60%同一のVを含む。例えば、配列同一性は、少なくとも約65%、70%、75%、80%、85%、90%又は95%、又は約61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%であり得る。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、配列番号47、配列番号48、配列番号49、配列番号53、配列番号55、配列番号56及び配列番号57(例えば、配列番号47又は配列番号56)に示される少なくとも1つの配列と少なくとも約60%(例えば、少なくとも約:70%、80%、90%又は95%)同一のVを含む。
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、
a)配列番号11~46に示される少なくとも1つの配列に対して1つ又は複数のアミノ酸置換を含むV
b)配列番号47~82に示される少なくとも1つの配列に対して1つ又は複数のアミノ酸置換を含むV;又は
c)a)及びb)の両方
を含む。
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、配列番号11~46に示される少なくとも1つの配列に対して1つ又は複数のアミノ酸置換を含むVを含む。例えば、アミノ酸置換の数は、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19若しくは20、又は約1~20、1~19、2~19、2~18、2~17、3~17、3~16、4~16、4~15、5~15、5~14、6~14、6~13、7~13、7~12、8~12、8~11若しくは9~11であり得る。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号11~46に示される少なくとも1つの配列に対して、約1~20、1~15、1~10又は1~5個のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号17、配列番号19、配列番号20又は配列番号21(例えば、配列番号11又は配列番号20)に示される少なくとも1つの配列に対して、約1~20、1~15、1~10又は1~5個のアミノ酸置換を含む。
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、配列番号47~82に示される少なくとも1つの配列に対して1つ又は複数のアミノ酸置換を含むVを含む。例えば、アミノ酸置換の数は、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19若しくは20、又は約1~20、1~19、2~19、2~18、2~17、3~17、3~16、4~16、4~15、5~15、5~14、6~14、6~13、7~13、7~12、8~12、8~11若しくは9~11であり得る。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号47~82に示される少なくとも1つの配列に対して、約1~20、1~15、1~10又は1~5個のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号47、配列番号48、配列番号49、配列番号53、配列番号55、配列番号56及び配列番号57(例えば、配列番号47又は配列番号56)に示される少なくとも1つの配列に対して、約1~20、1~15、1~10又は1~5個のアミノ酸置換を含む。
いくつかの実施形態では、1つ又は複数のアミノ酸置換は保存的置換である。本明細書で使用される場合、「保存的アミノ酸置換」又は「保存的置換」という用語は、アミノ酸置換についてBLOSUM62マトリックス中で0以上の値を有するアミノ酸置換を指す。
いくつかの実施形態では、1つ又は複数のアミノ酸置換は高度に保存的な置換である。本明細書中で使用されるとき、用語「高度に保存的なアミノ酸置換」又は「高度に保存的な置換」とは、BLOSUM62において少なくとも1(例えば、2以上)の値を有するアミノ酸置換のことを指す。
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、
a)配列番号11~46のいずれか1つに記載の配列を含むV
b)配列番号47~82のいずれか1つに記載の配列を含むV;又は
c)a)及びb)の両方
を含む。
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、以下のV/Vの組合せのいずれか1つと同一のV/Vの組合せを含む:
配列番号11/配列番号47;
配列番号12/配列番号48;
配列番号13/配列番号49;
配列番号14/配列番号50;
配列番号15/配列番号51;
配列番号16/配列番号52;
配列番号17/配列番号53;
配列番号18/配列番号54;
配列番号19/配列番号55;
配列番号20/配列番号56;
配列番号21/配列番号57;
配列番号22/配列番号58;
配列番号23/配列番号59;
配列番号24/配列番号60;
配列番号25/配列番号61;
配列番号23/配列番号62;
配列番号26/配列番号63;
配列番号27/配列番号64;
配列番号28/配列番号65;
配列番号29/配列番号65;
配列番号30/配列番号66;
配列番号31/配列番号67;
配列番号32/配列番号68;
配列番号33/配列番号69;
配列番号34/配列番号70;
配列番号35/配列番号71;
配列番号36/配列番号72;
配列番号37/配列番号73;
配列番号38/配列番号74;
配列番号39/配列番号75;
配列番号40/配列番号76;
配列番号41/配列番号77;
配列番号42/配列番号78;
配列番号43/配列番号69;
配列番号44/配列番号79;
配列番号45/配列番号80;
配列番号18/配列番号81;及び
配列番号46/配列番号82。
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、以下のV/Vの組合せのいずれか1つと同一のV/Vの組合せを含む:
配列番号11/配列番号47;
配列番号12/配列番号48;
配列番号13/配列番号49;
配列番号17/配列番号53;
配列番号19/配列番号55;
配列番号20/配列番号56;及び
配列番号21/配列番号57。
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、配列番号11/配列番号47に記載のV/Vの組合せを含む。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、配列番号12/配列番号48に記載のV/Vの組合せを含む。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、配列番号13/配列番号49に記載のV/Vの組合せを含む。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、配列番号17/配列番号53に記載のV/Vの組合せを含む。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、配列番号19/配列番号55に記載のV/Vの組合せを含む。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、配列番号20/配列番号56に記載のV/Vの組合せを含む。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、配列番号21/配列番号57に記載のV/Vの組合せを含む。
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、
a)抗体重鎖定常領域配列;
b)抗体軽鎖定常領域配列;又は
c)a)及びb)の両方
を含む。
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、抗体(例えば、全抗体、インタクト抗体)又はその抗原結合断片等の免疫グロブリン分子である。
免疫グロブリンは、重鎖定常ドメインアミノ酸配列に応じて、5つの主要なクラス:IgA、IgD、IgE、IgG及びIgMに割り当てられ得る。IgAは、アイソタイプIgA、IgAとして更に下位分類される。IgGは、IgG、IgG、IgG及びIgGとして更に下位分類される。任意の脊椎動物種の抗体軽鎖は、それらの定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、2つの明確に異なるタイプ、すなわちカッパ(κ)及びラムダ(λ)のうちの1つに割り当てることができる。
いくつかの実施形態では、抗体重鎖定常領域は、IgA定常領域、IgD定常領域、IgE定常領域、IgG定常領域及びIgM定常領域からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、抗体重鎖定常領域はIgG定常領域である。いくつかの実施形態では、IgG定常領域はIgG1定常領域、IgG2定常領域、IgG3定常領域又はIgG4定常領域である。いくつかの実施形態では、IgG2定常領域は、IgG2a、IgG2b定常領域又はIgG2c定常領域である。いくつかの実施形態では、抗体重鎖定常領域はIgG1定常領域(例えば、IGHV5-51)である。いくつかの実施形態では、抗体重鎖定常領域はIgG4定常領域である。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるポリペプチドは抗体である。「抗体」という用語は、免疫グロブリン分子の可変領域に位置する少なくとも1つの抗原認識部位を介して、ポリペプチド、炭水化物、ポリヌクレオチド又は脂質等の標的に特異的に結合することができる免疫グロブリン分子を指す。本明細書で使用される場合、「抗体」という用語は、ジスルフィド結合又はその多量体(例えば、IgM)によって相互に連結された2本の重(H)鎖及び2本の軽(L)鎖を含む完全長抗体を指す。各重鎖は、重鎖可変領域(V)及び重鎖定常領域(ドメインCH1、ヒンジCH2及びCH3を含む)を含む。各軽鎖は、軽鎖可変領域(V)及び軽鎖定常領域(CL)を含む。V領域及びV領域は、フレームワーク領域(FR)内に散在するCDRと呼ばれる超可変領域に更に細分することができる。V及びVはそれぞれ、アミノ末端からカルボキシ末端に向かって以下の順序で配置された3つのCDR及び4つのFRセグメントを含む:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3及びFR4。
いくつかの実施形態では、ポリペプチドはモノクローナル抗体である。「モノクローナル抗体」とは、抗体重鎖からのC末端リジンの除去等の可能な周知の変更を除いて、各重鎖及び各軽鎖に単一のアミノ酸組成を有する抗体集団を指す。モノクローナル抗体は、抗体集団内で不均一なグリコシル化を有し得る。モノクローナル抗体は、一価、二価又は多価であり得る。モノクローナル抗体は、単一特異性(1つの抗原エピトープに結合する)又は多重特異性(2つ(二重特異性)以上の異なる抗原又はエピトープに結合する)であり得る。
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、免疫チェックポイントタンパク質及びCXCR6に結合する二重特異性抗体である。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、プログラム細胞死タンパク質1(PD-1)及びCXCR6に結合する二重特異性抗体である。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、プログラム死リガンド1(PD-L1)及びCXCR6に結合する二重特異性抗体である。
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、単離された抗体又はその抗原結合断片であり、すなわち、他の抗体を実質的に含まない(例えば、CXCR6タンパク質に特異的に結合しない抗体)。いくつかの実施形態では、抗CXCR6抗体又はその抗原結合断片は、少なくとも80%純粋であり、例えば約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%純粋である。
抗体は、マウス抗体又はヒト抗体等の任意の種のものであり得る。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、キメラ抗体、ヒト化抗体又はヒト抗体である。いくつかの実施形態では、ポリペプチドはヒト抗体である。
いくつかの実施形態では、ポリペプチドのV、V又は両方は、1つ又は複数のヒトフレームワーク領域を含む。
「ヒト化抗体」は、抗原結合部位が非ヒト種に由来し、可変領域フレームワークがヒト免疫グロブリン配列に由来する抗体を指す。ヒト化抗体は、フレームワークが、発現されたヒト免疫グロブリン又は生殖系列遺伝子配列の正確なコピーではない可能性があるように、フレームワーク領域に意図的に導入された突然変異を含み得る。
「ヒト抗体」は、フレームワーク及び抗原結合部位の両方がヒト起源の配列に由来する重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を有する抗体を指す。抗体が定常領域又は定常領域の一部を含む場合、定常領域もヒト起源の配列に由来する。抗原結合部位が非ヒト種に由来する抗体は、「ヒト抗体」の定義に含まれない。
当業者には理解されるように、特定のFcアイソタイプを有する抗体を、異なるFcアイソタイプを有する抗体に変換することができる。例えば、マウスIgG1 Fcを有する抗体は、可変ドメインを変化させることなくヒトIgG4を有する抗体に変換することができ、抗原への結合特性は、Fcドメインの性質にかかわらず同一又は実質的に同様であると予想される。いくつかの実施形態では、IgG4 Fcドメインは、米国特許出願公開第20100331527号明細書に開示されているような2つ以上のアミノ酸変化を含む。いくつかの実施形態では、ヒトIgG4 Fcは、二量体安定化を促進するために、ヒンジ領域にセリンからプロリンへの変異(S108P)を含む。
ヒト抗体は、抗体の可変領域がヒト生殖細胞系免疫グロブリン又は再編成免疫グロブリン遺伝子を使用する系から得られる場合、ヒト起源の配列に由来する重鎖可変領域又は軽鎖可変領域を含む。非限定的な例示的システムには、ファージ上に提示されるヒト免疫グロブリン遺伝子ライブラリー、及びヒト免疫グロブリン遺伝子座を有するマウス又はラット等のトランスジェニック非ヒト動物が含まれる。ヒト抗体は、典型的には、例えば、天然に存在する体細胞変異、フレームワーク又は抗原結合部位における意図的な置換、及び非ヒト動物におけるクローニング又はVDJ組換え中に導入された置換に起因して、ヒト生殖系列又は再編成された免疫グロブリン配列と比較した場合のアミノ酸の相違を含む。典型的には、ヒト抗体は、ヒト生殖細胞系又は再編成された免疫グロブリン遺伝子によってコードされるアミノ酸配列とアミノ酸配列が少なくとも80%同一である。例えば、約:80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%同一である。いくつかの場合、ヒト抗体は、ヒトフレームワーク配列分析(例えば、カナピック(Knappik)ら著、ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー(J.Mol.Biol.)、第296巻:p.57~86、2000年、を参照されたい)に由来するコンセンサスフレームワーク配列、又はファージ上に提示されたヒト免疫グロブリン遺伝子ライブラリーに組み込まれた合成HCDR3(例えば、シ(Shi)ら著、ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー(J.Mol.Biol.)、第397巻:p.385~96、2010年、及び国際公開第2009/085462号パンフレットを参照されたい)を含み得る。
いくつかの実施形態では、抗体重鎖定常領域配列は、ヒトIgG1(例えば、配列番号345)又はヒトIgG4(例えば、配列番号346)と少なくとも約60%同一である。例えば、抗体重鎖定常領域配列は、ヒトIgG1(例えば、配列番号345)又はヒトIgG4(例えば、配列番号346)と、少なくとも約65%、70%、75%、80%、85%、90%若しくは95%、又は約:60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%同一であり得る。いくつかの実施形態では、抗体重鎖定常領域配列はヒトIgG1(例えば、配列番号345)又はヒトIgG4(例えば、配列番号346)と同一である。配列番号345及び配列番号346として特定される配列を以下に示す:
Figure 2024522349000001
いくつかの実施形態では、抗体重鎖定常領域配列は、ヒトIgG1(例えば、配列番号345)又はヒトIgG4(例えば、配列番号346)と比較して1つ又は複数のアミノ酸置換を含む。例えば、アミノ酸置換の数は、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19若しくは20、又は約1~20、1~19、2~19、2~18、2~17、3~17、3~16、4~16、4~15、5~15、5~14、6~14、6~13、7~13、7~12、8~12、8~11若しくは9~11であり得る。いくつかの実施形態では、抗体重鎖定常領域配列は、ヒトIgG1(例えば、配列番号345)又はヒトIgG4(例えば、配列番号346)と比較して約1~10個のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のアミノ酸置換は保存的置換である。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のアミノ酸置換は高度に保存的な置換である。
いくつかの実施形態では、抗体軽鎖定常領域は、κ定常領域及びλ定常領域からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、抗体軽鎖定常領域はκ定常領域である。
いくつかの実施形態では、抗体軽鎖定常領域配列は、配列番号347又は配列番号348と少なくとも約60%同一である。例えば、抗体軽鎖定常領域配列は、配列番号347若しくは配列番号348と、少なくとも約65%、70%、75%、80%、85%、90%若しくは95%、又は約60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくは100%同一であり得る。いくつかの実施形態では、抗体軽鎖定常領域配列は、配列番号347と同一である。いくつかの実施形態では、抗体軽鎖定常領域配列は、配列番号348と同一である。配列番号347又は配列番号348として特定される配列を以下に示す:
RTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号347)
GQPKANPTVTLFPPSSEELQANKATLVCLISDFYPGAVTVAWKADGSPVKAGVETTKPSKQSNNKYAASSYLSLTPEQWKSHRSYSCQVTHEGSTVEKTVAPTECS(配列番号348)
いくつかの実施形態では、抗体軽鎖定常領域配列は、配列番号347又は配列番号348と比較して1つ又は複数のアミノ酸置換を含む。例えば、アミノ酸置換の数は、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19若しくは20、又は約1~20、1~19、2~19、2~18、2~17、3~17、3~16、4~16、4~15、5~15、5~14、6~14、6~13、7~13、7~12、8~12、8~11若しくは9~11であり得る。いくつかの実施形態では、抗体軽鎖定常領域配列は、配列番号347又は配列番号348と比較して、約1~10個のアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のアミノ酸置換は保存的置換である。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のアミノ酸置換は高度に保存的な置換である。
いくつかの実施形態では、抗体重鎖定常領域はIgG1定常領域であり、抗体軽鎖定常領域はκ定常領域である。いくつかの実施形態では、抗体重鎖定常領域はIgG1定常領域であり、抗体軽鎖定常領域はλ定常領域である。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるポリペプチドは、断片、例えば抗原結合断片である。「抗原結合断片」という用語は、親完全長抗体の抗原結合特性を保持する免疫グロブリン分子(例えば、抗体)の一部を指す。抗原結合断片の非限定的な例としては、LCDR1、2及び/又は3、HCDR1、2及び/又は3、V領域、V領域、Fab断片、F(ab’)断片、Fd断片、Fv断片、及び1つのVドメイン又は1つのVドメインからなるドメイン抗体(dAb)等が挙げられる。Vドメイン及びVドメインは、合成リンカーを介して互いに連結されて、V/Vドメインが分子内で対形成する種々のタイプの一本鎖抗体設計を形成してもよく、又はVドメイン及びVドメインが別々の鎖によって発現される場合には分子間で対形成して、一本鎖Fv(scFv)又はダイアボディ等の一価抗原結合部位を形成してもよい。例えば、内容が本明細書に組み込まれる、国際公開第1998/44001号パンフレット、国際公開第1988/01649号パンフレット、国際公開第1994/13804号パンフレット及び国際公開第1992/01047号パンフレットを参照されたい。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるポリペプチドは、Fab、F(ab’)、Fab’、scFv、又はFvから選択される抗原結合断片である。いくつかの実施形態では、ポリペプチドはscFvである。
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは抗体模倣物である。「抗体模倣物」という用語は、抗原に結合する抗体の能力を模倣することができるが、天然の抗体構造とは構造的に異なるポリペプチドを指す。抗体模倣物の非限定的な例としては、アドネクチン、アフィボディ、アフィリン、アフィマー、アフィチン、アルファボディ、アンチカリン、アビマー、DARPins、フィノマー、クニッツドメインペプチド、モノボディ、ナノボディ、ナノCLAMP及びバーサボディが挙げられる。
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは組換え生産される。「組換え」には、組換え手段によって調製、発現、作製又は単離される抗体及び他のタンパク質が含まれる。
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは合成的に産生される。
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、異種部分にコンジュゲートされる。「コンジュゲート」という用語は、共有結合又は非共有結合相互作用を介して結合していることを指す。コンジュゲーションは、任意の適切な連結剤を使用することができる。非限定的な例としては、ペプチドリンカー、化合物リンカー、及び化学架橋剤が挙げられる。
いくつかの実施形態では、異種部分は、治療剤、診断剤又はそれらの組合せである。
いくつかの実施形態では、異種部分は診断剤である。いくつかの実施形態では、診断剤は、検出可能な標識、レポーター分子、又はその両方を含む。診断剤の非限定的な例としては、放射性同位体(例えば、H、14C、32P、35S、又は125l)、蛍光部分(例えば、フルオレセインイソチオシアネート又はローダミン)、化学発光部分及び酵素(例えば、アルカリホスファターゼ、β-ガラクトシダーゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ又はルシフェラーゼ)が挙げられる。
いくつかの実施形態では、異種部分は、ヒト炎症促進性メディエーター、ヒトサイトカイン、又はそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、異種部分は、ヒト炎症促進性メディエーターを含む。ヒト炎症促進性メディエーターの非限定的な例としては、パーフォリン-A及びグランザイムA(GzmA)が挙げられる。いくつかの実施形態では、異種部分は、サイトカイン、例えばヒトサイトカインを含む。ヒトサイトカインの非限定的な例としては、腫瘍壊死因子α(TNF-α)、インターロイキン(IL)-17(IL-17)、IL-6、IL-12、IL-21、IL-23、インターフェロンガンマ(IFNγ)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、IL-2、IL-7及びIL-15が挙げられる。いくつかの実施形態では、異種部分は、TNF-α、IL-17、IL-6、IL-12、IL-21、IL-23、IFNγ若しくはGM-CSF、又はそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、異種部分は、IL-2、IL-7若しくはIL-15、又はそれらの組合せを含む。
いくつかの実施形態では、異種部分は、ポリエチレングリコール(PEG)、アヘキサデカン酸、ナノ粒子、ヒドロゲル、多量体化ドメイン及び/又はキャリアペプチドである。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、脂質ナノ粒子である。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、ポリマーナノ粒子である。いくつかの実施形態では、ポリマーは両親媒性ポリマーである。他の実施形態では、ポリマーは、疎水性又は親水性ポリマーである。ポリマーの例には、ポリ(乳酸)-ポリ(エチレングリコール)、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)-ポリ(エチレングリコール)、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)(PLGA)、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)-d-α-トコフェリルポリエチレングリコールスクシネート、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)-エチレンオキシドフマレート、ポリカプロラクトン-ポリ(エチレングリコール)、ポリ(グリコール酸)-ポリ(エチレングリコール)、又はそれらの任意の塩が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、ポリマーナノ粒子は、ポリ(乳酸-co-グリコール)酸(PLGA)を含む。
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは「中和抗体」である。本明細書で使用される場合、「中和抗体」という用語は、CXCR6への結合がCXCR6の少なくとも1つの生物学的活性の阻害をもたらす抗体を指す。例えば、本発明の抗体は、肝病態におけるNK T細胞等の特定の環境での走化性機能を遮断し得る。
融合タンパク質
別の態様では、本発明は、本明細書に記載のポリペプチドの1つ又は複数を含む融合タンパク質を提供する。
「融合タンパク質」という用語は、合成、半合成、又は組換え単一タンパク質分子を指す。融合タンパク質は、共有結合(例えば、ペプチド結合)によって結合された2つ以上の異なるタンパク質及び/又はポリペプチドの全部又は一部を含むことができる。
本発明の融合タンパク質は、当技術分野で周知の日常的な方法及び試薬を使用して、例えば組換え又は合成により製造することができる。例えば、本発明の融合タンパク質は、当技術分野で公知の方法に従って、適切な宿主細胞(例えば、細菌細胞)中で組換え生産することができる。例えば、分子生物学実験プロトコール(Current Protocols in Molecular Biology)、第2版、オーズベル(Ausubel)ら編、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ(John Wiley&Sons)、1992年、及びモレキュラークローニング:実験室マニュアル(Molecular Cloning:a Laboratory Manual)、第2版、サンブルック(Sambrook)ら著、1989年、コールドスプリングハーバーラボラトリープレス(Cold Spring Harbor Laboratory Press)を参照されたい。例えば、本明細書に記載の融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子は、適切な宿主細胞(例えば、大腸菌(E.coli)に導入して発現させることができ、発現した融合タンパク質は、常套的な方法及び容易に入手可能な試薬を使用して宿主細胞(例えば、封入体)から単離/精製することができる。例えば、異なるタンパク質配列(例えば、光応答性ドメイン、異種ペプチド成分)をコードするDNA断片を、従来の技術に従ってインフレームで一緒に連結することができる。別の実施形態では、融合遺伝子は、自動DNA合成機を含む従来の技術によって合成することができる。或いは、核酸断片のPCR増幅は、アンカープライマーを使用して行うことができ、アンカープライマーは、2つの連続する核酸断片間に相補的なオーバーハングを生じさせ、その後アニールし、再増幅してキメラ核酸配列を生成することができる(オーズベル(Ausubel)ら著、分子生物学実験プロトコール(Current Protocols in Molecular Biology)、1992年を参照されたい)。
核酸、発現ベクター、発現宿主細胞
別の態様では、本発明は、本明細書に記載のポリペプチド又は融合タンパク質のいずれか1つをコードする1つ又は複数のポリヌクレオチドを提供する。いくつかの実施形態では、本発明のポリペプチド又は融合タンパク質は、単一のポリヌクレオチドによってコードされる。いくつかの実施形態では、本発明のポリペプチド又は融合タンパク質は、複数のポリヌクレオチドによってコードされる。ポリヌクレオチドの非限定的な例としては、線状デオキシリボ核酸(DNA)、線状リボ核酸(RNA)、環状DNA及び環状RNA等が挙げられる。
いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、選択された宿主細胞に対してコドン最適化されたヌクレオチド配列を含む。
別の態様では、本発明は、本明細書に記載のポリヌクレオチドのいずれか1つ又は複数を含む発現ベクターを提供する。
「発現ベクター」という用語は、発現ベクターが適切な発現宿主細胞に形質転換されたときに1つ又は複数のタンパク質が発現され得る複製可能な核酸を指す。
いくつかの実施形態では、発現ベクターは、ポリヌクレオチドに作動可能に連結された発現制御ポリヌクレオチド配列、選択マーカをコードするポリヌクレオチド配列、又はその両方を更に含む。いくつかの実施形態では、発現制御ポリヌクレオチド配列は、プロモーター配列、エンハンサー配列、又はその両方を含む。いくつかの実施形態では、発現制御ポリヌクレオチド配列は誘導性プロモーター配列を含む。「プロモーター」という用語は、RNAポリメラーゼが結合し、遺伝子の転写を開始するDNAの領域を指す。用語「作動可能に連結された」は、核酸が、それが連結されている要素(例えば、プロモーター)の制御下で核酸の発現を可能にするように、組換えポリヌクレオチド、例えばベクター中に配置されることを意味する。「選択マーカ要素」という用語は、人為的選択に適した形質を付与する要素である。選択可能なマーカ要素は、陰性又は陽性の選択マーカであり得る。
別の態様では、本発明は、本明細書に記載のポリヌクレオチド又は発現ベクターのいずれか1つ又は複数を含む発現宿主細胞を提供する。
「発現宿主細胞」という用語は、ベクターを受け取り、維持し、再生し、増幅するのに有用な細胞を指す。発現宿主細胞の非限定的な例としては、哺乳動物細胞、例えばハイブリドーマ細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、COS細胞、ヒト胎児腎臓(HEK)、酵母細胞、例えばピキア・パストリス細胞、又は細菌細胞、例えばDH5α等が挙げられる。
組成物
別の態様では、本発明は、本明細書に記載のポリペプチド、融合タンパク質、ポリヌクレオチド、発現ベクター又は宿主細胞の1つ又は複数を含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載のポリペプチド又は融合タンパク質の1つ又は複数を含む。いくつかの実施形態では、組成物は医薬組成物である。
いくつかの実施形態では、組成物(例えば、医薬組成物)は、薬学的に許容される担体、賦形剤、安定剤、希釈剤又は張化剤を更に含む(レミントンの薬学(Remington’s Pharmaceutical Sciences)第16版、オソル(Osol)、A.編、1980年)。適切な薬学的に許容される担体、賦形剤、又は安定剤は、使用される投与量及び濃度でレシピエントに対して非毒性である。薬学的に許容され得る担体、賦形剤、安定剤、希釈剤又は等張剤の非限定的な例としては、緩衝剤(例えば、ホスフェート、シトレート、ヒスチジン)、酸化防止剤(例えば、アスコルビン酸又はメチオニン)、保存剤、タンパク質(例えば、血清アルブミン、ゼラチン又は免疫グロブリン);親水性ポリマー、アミノ酸、炭水化物(例えば、単糖類、二糖類、グルコース、マンノース又はデキストリン);キレート剤(例えば、EDTA)、糖(例えば、スクロース、マンニトール、トレハロース又はソルビトール)、塩形成対イオン(例えば、ナトリウム)、金属錯体(例えば、Zn-タンパク質複合体);非イオン性界面活性剤(例えば、Tween)、プルロニック(PLURONICS(商標))及びポリエチレングリコール(PEG)が挙げられる。
様々な送達系を使用して、本発明の医薬組成物を投与することができ、例えば、リポソーム(例えば、ランガー(Langer)、「薬物送達のための新しい方法(New methods of drug delivery)」、サイエンス(Science)、249巻(4976)、p.1527~33、1990年を参照されたい)、マイクロ粒子、マイクロカプセル、変異ウイルスを発現することができる組換え細胞、受容体媒介エンドサイトーシス(例えば、ウー及びウー(Wu&Wu)著、「可溶型DNA担体系による、受容体媒介インビトロ遺伝子転換(Receptor-mediated in vitro gene transformation by a soluble DNA carrier system)」、ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J Biol Chem)、第262第10号、p.4429~32、1987年)に封入することができる。本発明の組成物(例えば、医薬組成物)を送達するためのナノ粒子の使用も本明細書で企図される。抗体コンジュゲート化ナノ粒子及び調製方法及び使用方法に関する更なる情報については、例えば、アルエボ(Arruebo)ら著、「生物医学的応用のための抗体コンジュゲートナノ粒子(Antibody-Conjugated Nanoparticles for Biomedical Applications)」、ナノマテリアルのジャーナル(Journal of Nanomaterials)、2009年及び米国特許第8,257,740号明細書及び米国特許第8,246,995号明細書を参照されたく、その内容は、その全体が本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物(例えば、医薬組成物)は、適切な投与経路のために製剤化される。投与経路の非限定的な例としては、経口、経鼻、経膣、直腸、粘膜、静脈内、筋肉内、皮下、皮内、腹腔内、肺、局所及び経粘膜(経口、鼻腔内、膣内又は直腸内)が挙げられる。いくつかの実施形態では、組成物は静脈内投与用に製剤化される。いくつかの実施形態では、組成物は、皮下投与用に製剤化される。いくつかの実施形態では、組成物(例えば、医薬組成物)は、水溶液又は乾燥製剤(例えば、凍結乾燥)の形態で保存される。いくつかの実施形態では、投与経路の非限定的な例としては、経口、経鼻、経膣、直腸、粘膜、静脈内、筋肉内、皮下及び局所が挙げられる。
いくつかの実施形態では、組成物(例えば、医薬組成物)は、併用療法として追加の治療剤(例えば、第2の治療剤)と共に投与されるように製剤化される。
いくつかの実施形態では、組成物(例えば、医薬組成物)は、以下のV/Vの組合せを含むポリペプチドを含む:
配列番号11/配列番号47;
配列番号12/配列番号48;
配列番号13/配列番号49;
配列番号14/配列番号50;
配列番号15/配列番号51;
配列番号16/配列番号52;
配列番号17/配列番号53;
配列番号18/配列番号54;
配列番号19/配列番号55;
配列番号20/配列番号56;
配列番号21/配列番号57;
配列番号22/配列番号58;
配列番号23/配列番号59;
配列番号24/配列番号60;
配列番号25/配列番号61;
配列番号23/配列番号62;
配列番号26/配列番号63;
配列番号27/配列番号64;
配列番号28/配列番号65;
配列番号29/配列番号65;
配列番号30/配列番号66;
配列番号31/配列番号67;
配列番号32/配列番号68;
配列番号33/配列番号69;
配列番号34/配列番号70;
配列番号35/配列番号71;
配列番号36/配列番号72;
配列番号37/配列番号73;
配列番号38/配列番号74;
配列番号39/配列番号75;
配列番号40/配列番号76;
配列番号41/配列番号77;
配列番号42/配列番号78;
配列番号43/配列番号69;
配列番号44/配列番号79;
配列番号45/配列番号80;
配列番号18/配列番号81;又は
配列番号46/配列番号82。
いくつかの実施形態では、組成物(例えば、医薬組成物)は、以下のV/Vの組合せを含むポリペプチドを含む:
配列番号11/配列番号47;
配列番号12/配列番号48;
配列番号13/配列番号49;
配列番号17/配列番号53;
配列番号19/配列番号55;
配列番号20/配列番号56;又は
配列番号21/配列番号57。
いくつかの実施形態では、組成物(例えば、医薬組成物)は、配列番号11/配列番号47のV/Vの組合せを含むポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、組成物(例えば、医薬組成物)は、配列番号12/配列番号48のV/Vの組合せを含むポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、組成物(例えば、医薬組成物)は、配列番号13/配列番号49のV/Vの組合せを含むポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、組成物(例えば、医薬組成物)は、配列番号17/配列番号53のV/Vの組合せを含むポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、組成物(例えば、医薬組成物)は、配列番号19/配列番号55のV/Vの組合せを含むポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、組成物(例えば、医薬組成物)は、配列番号20/配列番号56のV/Vの組合せを含むポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、組成物(例えば、医薬組成物)は、配列番号21/配列番号57のV/Vの組合せを含むポリペプチドを含む。
使用方法
別の態様では、本発明は、CXCR6陽性白血球を本明細書に記載のポリペプチド、融合タンパク質又は組成物の1つ又は複数と接触させ、それによりCXCR6陽性白血球を調節することを含む、CXCR6陽性白血球を調節する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、CXCR6陽性白血球は、CD4 T細胞、CD8 T細胞、ガンマデルタ(γδ)T細胞、ナチュラルキラー(NK)T細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞若しくは好中球、又はそれらの組合せを含む。
一部の実施形態では、方法は、CXCR6陽性白血球を、少なくとも約0.01μg/mlの濃度で、本発明のポリペプチド(例えば、抗CXCR6抗体)と接触させることを含む。例えば、いくつかの実施形態では、濃度は少なくとも約0.02μg/ml、0.03μg/ml、0.04μg/ml、0.05μg/ml、0.10μg/ml、0.25μg/ml、0.50μg/ml、0.75μg/ml、1μg/ml、2μg/ml、3μg/ml、4μg/ml、5μg/ml、6μg/ml、7μg/ml、8μg/ml、9μg/ml、10μg/ml、11μg/ml、12μg/ml、13μg/ml、14μg/ml、15μg/ml、16μg/ml、17μg/ml、18μg/ml、19μg/ml、20μg/ml、25μg/ml、30μg/ml、40μg/ml、50μg/ml若しくは100μg/ml、又は約:0.01~100μg/ml、0.02~100μg/ml、0.02~50μg/ml、0.03~50μg/ml、0.03~40μg/ml、0.04~40μg/ml、0.04~30μg/ml、0.05~30μg/ml又は0.05~20μg/mlである。
いくつかの実施形態では、方法は、CXCR6陽性白血球を本発明のポリペプチド(例えば、抗CXCR6抗体)と少なくとも約1分間、例えば少なくとも約2分間、3分間、4分間、5分間、6分間、7分間、8分間、9分間、10分間、12分間、15分間、20分間、25分間、30分間、35分間、40分間、45分間、50分間、55分間、60分間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、12時間、18時間、24時間、30時間、36時間、42時間、48時間、54時間、60時間、66時間、72時間、78時間、84時間、90時間、96時間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間又は10日間接触させることを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、CXCR6陽性白血球を本発明のポリペプチド(例えば、抗CXCR6抗体)と約1分~10日間、例えば3分~10日、3分~8日、10分~8日、10分~6日、15分~6日、15分~4日、30分~4日、30分~48時間、45分~48時間、45分~36時間、1~36時間、1~24時間、2~24時間、2~18時間、3~18時間、3~12時間、4~12時間又は4~6時間、接触させることを含む。
いくつかの実施形態では、方法はCXCR6陽性白血球を殺傷させる。いくつかの実施形態では、方法は、抗体依存性細胞傷害性(ADCC)によってCXCR6陽性白血球を殺傷させる。いくつかの実施形態では、方法は補体依存性細胞傷害性(CDC)によってCXCR6陽性白血球を殺傷させる。いくつかの実施形態では、方法は、抗体依存性細胞食作用(ADCP)によってCXCR6陽性白血球を殺傷させる。いくつかの実施形態では、方法は、中間代謝を変化させること及び/又は壊死を誘導することによってCXCR6陽性白血球を殺傷させる。いくつかの実施形態では、方法は、ADCC、CDC若しくはADCPによって、又は壊死を誘導することによって、又はそれらの組合せによってCXCR6陽性白血球を殺傷させる。
いくつかの実施形態では、方法は、CXCR6陽性白血球の走化性を低下させる(例えば、阻害又は遮断する)。
いくつかの実施形態では、方法はCXCR6陽性白血球(例えば、シグナル伝達を介して)を不活性化する。いくつかの実施形態では、CXCR6陽性白血球を不活性化する方法は、CXCR6陽性白血球を、約0.05~20μg/mlの濃度で、例えば、ヒト体内での抗体の半減期の通常の範囲の後、数分間から数日間まで、本発明のポリペプチド(例えば、抗CXCR6抗体)と接触させることを含む。ヒトにおける抗体半減期は様々であり、例えば、用量(より高い用量は半減期を有意に延長することができる)及び抗体の免疫原性(抗薬物抗体の存在は半減期を有意に短縮することができる)に応じて、例えば、数日から10日より長い範囲である。いくつかの実施形態では、CXCR6陽性白血球を不活性化する方法は、CXCR6陽性白血球を本発明のポリペプチド(例えば、抗CXCR6抗体)と少なくとも約1分間、例えば少なくとも約2分間、3分間、4分間、5分間、6分間、7分間、8分間、9分間、10分間、12分間、15分間、20分間、25分間、30分間、35分間、40分間、45分間、50分間、55分間、60分間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、12時間、18時間、24時間、30時間、36時間、42時間、48時間、54時間、60時間、66時間、72時間、78時間、84時間、90時間、96時間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間又は10日間接触させることを含む。いくつかの実施形態では、CXCR6陽性白血球の生存を不活性化する方法は、CXCR6陽性白血球を本発明のポリペプチド(例えば、抗CXCR6抗体)と約1分~10日間、例えば3分~10日、3分~8日、10分~8日、10分~6日、15分~6日、15分~4日、30分~4日、30分~48時間、45分~48時間、45分~36時間、1~36時間、1~24時間、2~24時間、2~18時間、3~18時間、3~12時間、4~12時間、又は4~6時間、接触させることを含む。
いくつかの実施形態では、方法は、
a)増殖及び/又はサイトカイン産生を増加させることによってCXCR6陽性白血球を活性化するか、
b)CXCR6陽性白血球の生存を維持するか、又は
c)a)及びb)の両方
である。
いくつかの実施形態では、方法はCXCR6陽性白血球を活性化する。いくつかの実施形態では、方法はCXCR6陽性白血球の生存を維持する。いくつかの実施形態では、CXCR6陽性白血球を活性化及び/又は生存を維持する方法は、CXCR6陽性白血球を、本発明のポリペプチド、融合タンパク質又は組成物(例えば、抗CXCR6抗体)と、例えば、約0.05~20μg/mlの濃度で、ヒト体内での抗体の半減期の通常の範囲の後の数日間までの数分間接触させることを含む。いくつかの実施形態では、CXCR6陽性白血球を活性化及び/又は生存を維持する方法は、CXCR6陽性白血球を本発明のポリペプチド(例えば、抗CXCR6抗体)と少なくとも約1分間、例えば少なくとも約2分間、3分間、4分間、5分間、6分間、7分間、8分間、9分間、10分間、12分間、15分間、20分間、25分間、30分間、35分間、40分間、45分間、50分間、55分間、60分間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、12時間、18時間、24時間、30時間、36時間、42時間、48時間、54時間、60時間、66時間、72時間、78時間、84時間、90時間、96時間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間又は10日間接触させることを含む。いくつかの実施形態では、CXCR6陽性白血球の生存を活性化及び/又は維持する方法は、CXCR6陽性白血球を本発明のポリペプチド(例えば、抗CXCR6抗体)と約1分~10日間、例えば約:3分~10日、3分~8日、10分~8日、10分~6日、15分~6日、15分~4日、30分~4日、30分~48時間、45分~48時間、45分~36時間、1~36時間、1~24時間、2~24時間、2~18時間、3~18時間、3~12時間、4~12時間、又は4~6時間、接触させることを含む。
別の態様では、本発明は、有効量の本明細書に記載される組成物(例えば、薬学的に許容され得る担体と、活性成分として、本明細書に記載のポリペプチド及び/又は融合タンパク質とを含む医薬組成物)を対象に投与することを含む、CXCR6陽性白血球の枯渇を必要とする対象においてCXCR6陽性白血球を枯渇させる方法を提供する。
「対象」又は「患者」という用語は、動物(例えば、哺乳動物)を指す。いくつかの実施形態では、対象は哺乳動物である。いくつかの実施形態では、対象は、イヌ、ネコ、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、ウマ、ブタ、ヒツジ、ウシ、チンパンジー、マカク、カニクイザル及びヒトからなる群より選択される哺乳動物である。いくつかの実施形態では、対象は霊長類(例えば、カニクイザル)である。いくつかの実施形態では、対象はヒトである。
いくつかの実施形態では、対象は小児患者である。いくつかの実施形態では、対象は若年患者である。いくつかの実施形態では、対象は成人患者である。
いくつかの実施形態では、対象は、2歳以上、例えば、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12歳以上である。いくつかの実施形態では、対象は、4歳又はそれ以上である。いくつかの実施形態では、対象は、5歳又はそれ以上である。いくつかの実施形態では、対象は、6歳又はそれ以上である。いくつかの実施形態では、対象は、12歳又はそれ以上である。いくつかの実施形態では、対象は、18歳又はそれ以上である。いくつかの実施形態では、対象は18~75歳である。いくつかの実施形態では、対象は、40歳以上、例えば、少なくとも45、50、55、60、65、70、75、80、85又は90歳である。
いくつかの実施形態では、対象は、疾患(例えば、自己免疫疾患)を有するか、又は発症するリスクがある。いくつかの実施形態では、対象は、急性GvHD(aGvHD)、慢性GvHD(cGvHD)、同種移植片拒絶、喘息、自己免疫性肝炎、自己免疫性ブドウ膜炎、接触性皮膚炎、クローン病、若年性関節リウマチ、多発性硬化症、非アルコール性脂肪性肝炎、乾癬、乾癬性関節炎、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、ブドウ膜炎又は潰瘍性大腸炎を有するか、又は発症するリスクがある。いくつかの実施形態では、対象はaGvHDを有するか、又はaGvHDを発症する危険性がある。
別の態様では、本発明は、有効量の本発明の組成物(例えば、本明細書に記載の医薬組成物)を対象に投与することを含む、それを必要とする対象の疾患(例えば、自己免疫疾患)を治療又は予防する方法を提供する。
「治療する」又は「治療」という用語は、本明細書に例示される特定の適応症等の疾患、病理学的状態、又は障害を改善、改善、改善、安定化(すなわち、悪化させない)、予防、又は治癒することを意図した対象の医学的管理を指す。この用語には、積極的治療(疾患、病的状態又は障害を改善することを目的とした治療)、原因治療(関連する疾患、病的状態又は障害の原因に対する治療)、緩和治療(症状の緩和のために設計された治療)、予防治療(関連する疾患、病的状態、又は障害の発症を最小限に抑えること、又は部分的若しくは完全に抑制することを目的とした治療)、及び支持療法(別の治療を補うために用いられる治療)が含まれる。治療には、疾患、障害又は状態の程度の減少;疾患、障害又は状態の拡大の防止;疾患、障害又は状態の進行を遅延又は遅くさせること;疾患、障害又は状態の改善又は緩和;検出可能であろうと検出不能であろうと、(部分的であろうと全体的であろうと)寛解を含む。疾患、障害又は状態を「改善する」又は「緩和する」とは、治療なしの場合の程度又は時間経過と比較して、疾患、障害又は状態の程度及び/又は望ましくない臨床症状が軽減され、並びに/或いは進行の時間経過が遅くなるか又は長くなることを意味する。「治療」はまた、治療の非存在下での予想される生存と比較して、生存を延長することを意味し得る。治療を必要とする者には、疾患、障害又は状態を既に伴う(例えば、有する、含む、罹患している)者、並びに状態又は障害を有する傾向がある者、又は疾患、障害又は状態が予防されるべきである者が含まれる。
本明細書に記載の方法に従って治療される対象は、特定の症状(例えば、自己免疫疾患)と診断された対象、又はそのような症状を発症するリスクがある対象であり得る。診断は、当技術分野で公知の任意の方法又は技術によって行うことができる。当業者は、本開示に従って治療される対象が、標準的な試験に供されていてもよく、又は検査なしで、疾患又は状態に関連する1つ又は複数の危険因子の存在に起因して危険性があると同定されていてもよいことを理解するであろう。
いくつかの実施形態では、疾患は、aGvHD、cGvHD、同種移植片拒絶、喘息、自己免疫性肝炎、自己免疫性ブドウ膜炎、接触性皮膚炎、クローン病、若年性関節リウマチ、多発性硬化症、非アルコール性脂肪性肝炎、乾癬、乾癬性関節炎、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、ブドウ膜炎又は潰瘍性大腸炎である。いくつかの実施形態では、疾患はaGvHDである。
いくつかの実施形態では、方法は予防療法に使用される。いくつかの実施形態では、有効投与量は、対象が疾患又は状態(例えば、自己免疫疾患)を発症するのを予防するのに十分である。
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)、IL-1β、IL-17、IL-6、IL-12、IL-21、IL-23、IFNγ若しくはGM-CSF、又はそれらの組合せを含む異種部分を含む。
いくつかの実施形態では、方法は、治療有効量の少なくとも1つの更なる治療剤を対象に投与する工程を更に含む。更なる治療剤の非限定的な例としては、モノクローナル抗体、ステロイド(例えば、コルチコステロイド)及び免疫抑制剤(例えば、IL-23/IL-17軸を標的とする薬剤)が挙げられる。いくつかの実施形態では、ポリペプチド、融合タンパク質又は組成物(例えば、医薬組成物)及び少なくとも1つの更なる治療剤を同時に投与する。いくつかの実施形態では、組成物及び少なくとも1つの更なる治療剤は、連続的に又は別々に投与される。
いくつかの実施形態では、更なる作用物質は抗体、例えばモノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、モノクローナル抗体は、抗CD20モノクローナル抗体(例えば、リツキシマブ)、抗IL-1βモノクローナル抗体(例えば、カナキヌマブ)、抗IL-6モノクローナル抗体(例えば、クラザキズマブ、シルツキシマブ又はシルクマブ)又は抗IL-6受容体モノクローナル抗体(例えば、オロキズマブ、サリルマブ、サトラリズマブ、トシリズマブ若しくはボバリリズマブ)、抗IL-12/IL-23p40阻害剤(例えば、ウステキヌマブ)又は抗TNFαモノクローナル抗体(例えば、アダリムマブ、セルトリズマブペゴール又はインフリキシマブ)である。
いくつかの実施形態では、ステロイドはプレドニゾンである。
いくつかの実施形態では、免疫抑制剤はシクロホスファミド、フィンゴリモド、メトトレキサート又はヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤である。いくつかの実施形態では、免疫抑制剤はシクロホスファミド、フィンゴリモド又はメトトレキサートである。いくつかの実施形態では、免疫抑制剤はJAK阻害剤である。いくつかの実施形態では、JAK阻害剤は、ルキソリチニブ(INCB018424)、モメロチニブ、フェドラチニブ(TG101348)又はトファシチニブである。
別の態様では、本発明は、有効量の本明細書に記載のポリペプチド、融合タンパク質及び/又は組成物(例えば、薬学的に許容され得る担体と、活性成分として、本明細書に記載のポリペプチド及び/又は融合タンパク質とを含む医薬組成物)を対象に投与することを含む、癌の治療を必要とする対象において癌を治療する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、対象は、癌を有するヒト患者である。いくつかの実施形態では、対象は、癌を発症するリスクがあるヒト患者である。いくつかの実施形態では、対象は、15歳又はそれ以上である。
いくつかの実施形態では、癌は、乳癌、結腸癌、胃癌、肝臓癌、肺癌、リンパ腫、メラノーマ、非小細胞肺癌又は食道癌(oesophageal cancer))(すなわち、食道癌(esophageal cancer))である。いくつかの実施形態では、癌は結腸癌である。
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、ヒトIgG4定常領域配列(例えば、配列番号346)を含む。IgG4は、ADCC又はCDCを介して腫瘍浸潤T細胞を殺傷させない。
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、免疫チェックポイントタンパク質及びCXCR6に結合する二重特異性抗体である。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、PD-1及びCXCR6に結合する二重特異性抗体である。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、PD-L1及びCXCR6に結合する二重特異性抗体である。
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、IL-2、IL-7若しくはIL-15、又はそれらの組合せを含む異種部分を含む。
いくつかの実施形態では、組成物(例えば、医薬組成物)は、化学療法剤、標的化抗癌療法、癌治療のための標準的なケア薬物、又は免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて投与される。
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、抗PD-L2抗体、抗リンパ球活性化遺伝子3(LAG-3)抗体、抗TIM3抗体、又は抗CTLA-4抗体である。
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は抗PD-1抗体である。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体はニボルマブ、ペンブロリズマブ、スパルタリズマブ、セミプリマブ、カムレリズマブ、チスレリズマブ、ドスタリマブ、MEDI-0680又はSSI-361である。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体はニボルマブである。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体はペンブロリズマブである。抗PD-1抗体の非限定的な例に関する更なる情報については、例えば、米国特許第7,595,048号明細書(ニボルマブ)、米国特許第8,952,136号明細書(ペンブロリズマブ)、米国特許第9,683,048号明細書(スパルタリズマブ)、米国特許第9,987,500号明細書(セミプリマブ)、米国特許第10,344,090号明細書(カムレリズマブ)、米国特許第8,735,553号明細書(チスレリズマブ)、米国特許第9,815,897号明細書(ドスタリマブ)、米国特許第8,609,089号明細書(MEDI-0680)及び米国特許第10,913,797号明細書(SSI-361)を参照されたく、これらの内容はその全体が本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は、
a)それぞれ配列番号349及び配列番号350;
b)それぞれ配列番号351及び配列番号352;
c)それぞれ配列番号353及び配列番号354;又は
d)それぞれ配列番号355及び配列番号356
のV及びVアミノ酸配列を含む。
配列番号349~356として同定された配列を本明細書の表9に示す。
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は抗PD-L1抗体である。いくつかの実施形態では、抗PD-L1抗体はアテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、BMS-936559又はエンバフォリマブである。いくつかの実施形態では、抗PD-L1抗体はアテゾリズマブである。いくつかの実施形態では、抗PD-L1抗体はアベルマブである。いくつかの実施形態では、抗PD-L1抗体はデュルバルマブである。抗PD-L1抗体の非限定的な例に関する更なる情報については、例えば、米国特許第8,217,149号明細書(アテゾリズマブ)、米国特許第9,624,298号明細書(アベルマブ)及び米国特許第8,779,108号明細書(デュルバルマブ)、米国特許第7,943,743号明細書(BMS-936559)並びに米国特許出願公開第20180327494号明細書(エンバフォリマブ)を参照されたく、これらの内容はその全体が本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、抗PD-L1抗体は、
a)それぞれ配列番号357及び配列番号358;
b)それぞれ配列番号359及び配列番号360;又は
c)それぞれ配列番号361及び配列番号362
のV及びVアミノ酸配列を含む。
配列番号357~362として同定された配列を本明細書の表9に示す。
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は抗PD-L2抗体である。
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は抗LAG-3抗体である。いくつかの実施形態では、抗LAG-3抗体は、レラトリマブ、BMS-986016又はREGN3767である。また、例えば、米国特許第10,344,089号明細書を参照されたく、その内容はその全体が本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は抗TIM-3抗体である。いくつかの実施形態では、抗TIM-3抗体は、MGB453、TSR-022、Sym023、BGBA425、R07121661、LY3321367、ICAGN02390又はBMS-986258である。抗TIM-3抗体に関する更なる情報については、例えば、アチャラ(Acharya)ら著、「Tim-3は、癌免疫療法ランドスケープにおいてその場所を見出す(Tim-3 finds its place in the cancer immunotherapy landscape)」、(J Immunother Cancer)第8章、第1号、p.e000911、2020年を参照されたく、その内容はその全体が本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、抗TIM-3抗体は、
a)それぞれ配列番号363及び配列番号364;又は
b)それぞれ配列番号365及び配列番号366
のV及びVアミノ酸配列を含む。
配列番号363~366として同定された配列を本明細書の表9に示す。
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は抗CTLA-4抗体である。いくつかの実施形態では、抗CTLA-4抗体はイピリムマブである。
抗PD-1、抗PD-L1、抗PD-L2、抗LAG3、抗TIM3及び抗CTLA-4抗体は、デノボで生成され得る。
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤はプロボディ(例えば、CX-072(パクミリマブ))である。
いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は組換え融合タンパク質(例えば、AMP-224)である。
いくつかの実施形態では、ポリペプチド、融合タンパク質又は組成物(例えば、医薬組成物)及び免疫チェックポイント阻害剤を同時に投与する。いくつかの実施形態では、ポリペプチド、融合タンパク質又は組成物及び免疫チェックポイント阻害剤は、連続的に又は別々に投与される。
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、放射線療法、化学療法、手術又はそれらの組合せを投与することを更に含む。放射線療法の非限定的な例には、外部ビーム放射線、強度変調放射線療法(IMRT)、集束放射線、及びGAMMA KNIFE(登録商標)、CYBERKNIFE(登録商標)、線形加速器(Linac)、及び間質性放射線(例えば、埋め込まれた放射性シード、GliaSiteバルーン)を含む任意の形態の放射線手術が含まれる。
使用され得る集束放射線法には、定位的放射線手術、分割定位放射線手術、及び強度変調放射線療法(IMRT)が含まれる。定位的放射線手術は、周囲の非腫瘍性正常組織を回避しながら、腫瘍性組織、例えば脳腫瘍への放射線の正確な送達を伴うことが明らかである。定位的放射線手術を用いて適用される放射線の線量は、典型的には1Gy~約30Gyで変動し得、例えば、線量が1Gy~5Gy、10Gy、15Gy、20Gy、25Gy、最大30Gyを含む中間範囲を包含し得る。非侵襲的固定装置のために、定位放射線は単一の治療で送達される必要はない。治療計画は、毎日確実に反復することができ、それによって複数の分割線量の放射線を送達することができる。経時的に腫瘍を治療するために使用される場合、放射線手術は「分割定位放射線手術」又はFSRと呼ばれる。対照的に、定位的放射線手術は、1回限りの治療を指す。分割定位放射線手術は、高い治療比、すなわち腫瘍細胞の高い殺傷率及び正常組織に対する低い効果をもたらし得る。腫瘍及び正常組織は、高単回線量の放射線対複数のより少ない線量の放射線に対する異なる応答を示す。1回の高線量の放射線は、数回の低線量の放射線よりも多くの正常組織を殺傷させ得る。したがって、複数回のより少ない線量の放射線は、正常組織を温存しながらより多くの腫瘍細胞を殺傷させることができる。分割定位放射線を使用して適用される放射線の線量は、1Gy~約50Gyの範囲で変化し得、例えば、低分割線量における1Gy~5Gy、10Gy、15Gy、20Gy、25Gy、30Gy、40Gy、最大50Gyを含む中間範囲を包含し得る。強度変調放射線療法(IMRT)も使用され得る。IMRTは、高精度3次元原体放射線療法(3DCRT)の先進モードであり、コンピュータ制御線形加速器を使用して悪性腫瘍又は腫瘍内の特定の領域に正確な放射線量を送達する。3DCRTでは、各放射ビームのプロファイルは、マルチリーフコリメータ(MLC)を使用してビームの視線(BEV)からターゲットのプロファイルに適合するように成形され、それによって多数のビームを生成する。IMRTは、複数の小体積の放射線ビームの強度を調節することによって、放射線量が腫瘍の三次元(3D)形状により正確に適合することを可能にする。したがって、IMRTは、周囲の正常な重要な構造への線量を最小限に抑えながら、より高い放射線量を腫瘍内の領域に集中させることを可能にする。IMRTは、例えば、腫瘍が脊髄又は主要な器官又は血管等の脆弱な構造の周りに巻き付けられた場合に、治療体積を凹状腫瘍形状に適合させる能力を改善する。
治療的投与
「治療有効量」、「有効量」又は「有効投与量」は、所望の治療結果(例えば、生理学的応答又は状態の治療、治癒、阻害又は改善等)を達成するために、必要な投与量及び期間で有効な量である。完全な治療効果は、必ずしも1用量の投与によって生じるわけではなく、一連の用量の投与後にのみ生じ得る。したがって、治療有効量を1回又は複数回の投与で投与することができる。治療有効量は、哺乳動物の疾患状態、年齢、性別及び体重、投与様式及び治療薬の能力、又は治療薬の組合せ等の因子に応じて変化し、個体において所望の応答を誘発し得る。
投与される薬剤(例えば、本明細書に記載の化合物又は組成物)の有効量は、本明細書に提供されるガイダンス及び当技術分野で公知の他の方法を使用して、当業者によって決定することができる。関連因子としては、所与の薬剤、医薬製剤、投与経路、疾患又は障害の種類、対象(例えば、年齢、性別、体重)又は治療されている宿主の同一性等が挙げられる。例えば、適切な投与量は、治療当たり約0.001mg/kg~約100mg/kg、約0.01mg/kg~約100mg/kg、約0.01mg/kg~約10mg/kg、約0.01mg/kg~約1mg/kg体重であり得る。特定の薬剤、対象及び疾患の投与量を決定することは、十分に当業者の能力の範囲内である。好ましくは、投与量は、副作用を引き起こさないか、又は最小限に抑える。
所望の応答又は所望の結果には、細胞レベル、組織レベル又は臨床結果での効果が含まれる。したがって、「治療有効量」又はそれと同義語は、それが適用されている文脈に依存する。例えば、いくつかの実施形態では、組成物の投与なしで得られた応答と比較して、治療応答を達成するのに十分な組成物の量である。他の実施形態では、それは、対照と比較して対象において有益な又は所望の結果をもたらす量である。本明細書で定義されるように、本開示の組成物の治療有効量は、当業者によって、当技術分野で公知の日常的な方法によって容易に決定され得る。投与計画及び投与経路は、最適な治療応答を提供するように調整され得る。
「薬学的に許容される担体」は、対象に対して非毒性である、活性成分以外の医薬組成物中の成分を指す。薬学的に許容される担体には、緩衝剤、賦形剤、安定剤又は保存剤が含まれるが、これらに限定されない。担体は、希釈剤、アジュバント、賦形剤、又はポリペプチドが投与されるビヒクルであり得る。そのようなビヒクルは、落花生油、大豆油、鉱油、ゴマ油等の石油、動物、植物又は合成起源のものを含む、液体、例えば水及び油であり得る。例えば、0.4%生理食塩水及び0.3%グリシンを使用することができる。これらの溶液は無菌であり、一般に粒子状物質を含まない。それらは、従来の周知の滅菌技術(例えば、濾過)によって滅菌することができる。組成物は、pH調整剤及び緩衝剤、安定化剤、増粘剤、潤滑剤及び着色剤等の生理学的条件に近似するために必要に応じて、薬学的に許容される補助物質を含有し得る。そのような薬学的製剤中のポリペプチド抗体の濃度は、広く、すなわち、約0.5%未満、少なくとも約1%、又は15%若しくは20%、25%、30%、35%、40%、45%若しくは50重量%まで変動し得る。濃度は、投与様式に応じて、主に必要な用量、液量、粘度等に基づいて選択される。他のヒトタンパク質、例えばヒト血清アルブミンを含む適切なビヒクル及び製剤は、例えば、レミントン(Remington):薬学の化学及び実行(The Science and Practice of Pharmacy)、第21版、トロイ(Troy)、D.B編、リピンコットウィリアムズ(Lipincott Williams)及びウィルキンンズ(Wilkins)、フィラデルフィア、ペンシルベニア州、2006年、第5部、ファーマスーティカルマニュファクチャリング(Pharmaceutical Manufacturing)、p.691~1092(例えば、958~89ページ)に記載される。
例えば、ポリペプチド、融合タンパク質、ポリヌクレオチド、発現ベクター又は宿主細胞又は組成物(例えば、医薬組成物)の投与様式は、本明細書に記載されるものを含む任意の適切な非経口又は非経口投与であり得る。投与経路の非限定的な例としては、経口、経鼻、経膣、直腸、粘膜、静脈内、筋肉内、皮下、皮内、腹腔内、肺、局所及び経粘膜(経口、鼻腔内、膣内又は直腸内)が挙げられる。いくつかの実施形態では、組成物は静脈内投与用に製剤化される。
いくつかの実施形態では、組成物(例えば、医薬組成物)は静脈内注入によって投与される。いくつかの実施形態では、静脈内注入は、15、30、45又は60分かけて行われる。いくつかの実施形態では、静脈内注入は、1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12時間にわたって行われる。
用量、例えば、対象(例えば、ヒト患者)に与えられる組成物、ポリヌクレオチド、融合タンパク質又はポリペプチドの用量は、治療されている疾患を緩和又は少なくとも部分的に停止させるのに十分である(「治療有効量」)。治療有効量の非限定的な例としては、約0.005mg~約100mg/kg、例えば約0.05~30、5~25、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、40、50、60、70、80、90又は100mg/kgが挙げられる。いくつかの実施形態では、用量は、患者の表面積、例えば500、400、300、250、200又は100mg/mに基づく。固定単位用量はまた、例えば、少なくとも約0.1mg、例えば、少なくとも約1、5、10、50、100、200、500若しくは1000mg、又は約:0.1~800mg、1~600mg、5~500mg、又は10~400mgの初期用量として与えられてもよい。
投与量はまた、疾患に依存し得る。通常、1~8用量、例えば、1、2、3、4、5、6、7又は8用量が投与され得る。いくつかの実施形態では、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20又はそれを超える用量が投与され得る。
投与、例えば、ポリペプチド、融合タンパク質又は組成物(例えば、医薬組成物)の投与を繰り返してもよい。いくつかの実施形態では、初期用量の後に、第2の用量又は複数の後続用量の組成物(例えば、医薬組成物)が投与され、後続用量は、例えば、少なくとも1~3日、例えば、少なくとも1、2、3、4、5若しくは6日、1、2、3、4、5、6若しくは7週間、又は1、2、3、4、5若しくは6ヶ月、又はそれを超える期間だけ隔てられる。
いくつかの実施形態では、反復投与は、初期用量の量とほぼ同じ又はそれ未満の量である。いくつかの実施形態では、反復投与は、より高い用量である量である。例えば、ポリペプチド(例えば、抗体)は、8週間にわたって毎週間隔をおいて8mg/kg又は16mg/kgで投与され、続いて更に16週間にわたって2週間ごとに8mg/kg又は16mg/kgで投与され、続いて静脈内注入によって4週間ごとに8mg/kg又は16mg/kgで投与され得る。いくつかの実施形態では、投与はサイクル、例えば毎週、隔週、28日又は毎月である。いくつかの実施形態では、対象は、本明細書に記載の治療を以前に受けていたか又は投与されていた。他の実施形態では、対象は治療未経験である。
検出方法
別の態様では、本発明は、試料(例えば、対象由来の生物学的試料)を本明細書に記載のポリペプチド、融合タンパク質又は組成物と接触させること、及びCXCR6が試料中に存在するかどうかを判定すること、及び/又は試料中のCXCR6のレベルを測定することを含む、CXCR6を検出及び/又は定量する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本方法は、対象のCXCR6関連疾患又は障害(例えば、自己免疫疾患)を診断又は予後判定するために使用される。
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、検出可能な標識又はレポーター分子(例えば、そのN末端又はC末端又はその近くに)とコンジュゲートされる。或いは、本発明の非標識ポリペプチド(例えば、抗CXCR6抗体)は、検出可能に標識された二次抗体と組み合わせて使用される。検出可能な標識又はレポーター分子の非限定的な例としては、ビオチン、放射性同位体(例えば、H、14C、32P、35S、又は125l)、蛍光又は化学発光部分(例えば、フルオレセインイソチオシアネート又はローダミン)、及び酵素(例えば、アルカリホスファターゼ、β-ガラクトシダーゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ又はルシフェラーゼ)が挙げられる。
適切なアッセイの非限定的な例としては、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、蛍光活性化細胞選別(FACS)及びラジオイムノアッセイ(RIA)が挙げられる。
生物学的試料の非限定的な例には、正常又は病理学的条件下で、検出可能な量のCXCR6タンパク質又はその断片を含む、対象(例えば、ヒト患者)から得られる任意の組織又は体液試料が含まれる。
いくつかの実施形態では、生物学的試料中のCXCR6のレベルを、CXCR6のベースライン又は標準レベルと比較する。いくつかの実施形態では、CXCR6に関連する疾患に罹患していない対象(例えば、健康な対象)から得られた生物学的試料中のCXCR6のレベルを、CXCR6のベースライン又は標準レベルとして使用する。
例示
自己免疫障害の治療の背後にある原理は、非病原性T細胞に影響を及ぼすことなく病原性T細胞を選択的に欠失させるか又は危険にさらすことであり、それによって副作用を最小限に抑え、保護的T細胞機能を維持する。腫瘍治療の原理は、副作用を回避するために最小限に操作された他のT細胞集団を残しながら、腫瘍浸潤T細胞を選択的に増殖及び/又は活性化することである。結果として、両方の場合における主要な課題は、免疫障害における病原性T細胞及び腫瘍に浸潤した免疫コンピテントT細胞を特異的に同定するために使用することができるマーカを見出すことである。
CXCR6は、CD186又はBonzo又はSTRL33とも呼ばれ、一般にGPCRと呼ばれるGタンパク質共役受容体のファミリーに属する。CXCR6は、活性化T細胞、γδ T細胞、NK細胞及びNK T細胞のサブセットによって発現されることが最初に見出されたケモカイン受容体である。CXCR6陽性T細胞は、乾癬、同種移植片拒絶反応、多発性硬化症、クローン病、野兎病(Francisella tularensis)生ワクチン株による肺感染等を含む多くの免疫障害に関与している。しかしながら、マウスモデルにおけるCXCR6の遺伝的欠損は、上記の全ての免疫障害の免疫病理学をわずかに改善するだけであり、又は免疫病理学に影響を及ぼさない。したがって、CXCR6の発現の変化は、炎症及び免疫障害の治療に有効ではない可能性がある。
CXCR6の有意性は、炎症促進性サイトカインIL-17、GM-CSF及びIFNγを高産生;炎症組織が高度に濃縮されている;細胞傷害性顆粒を含有する、の特性を有する、多発性硬化症における病原性T細胞の優れたマーカとして定義された。抗CXCR6モノクローナル抗体(mAb)によるこの集団の枯渇は、多発性硬化症の動物モデルを劇的に逆転させ、CXCR6が病原性CD4細胞をマークすることを確認した。本明細書に開示されるように、CXCR6は、コラーゲン誘導性関節炎及び急性移植片対宿主病(aGvHD)において、ほとんどの病原性CD4及び/又はCD8 T細胞によって高度に発現される。更に、移植免疫細胞におけるCXCR6分子の欠損はaGvHDを改善しなかったが、抗CXCR6 mAbの投与はaGvHD疾患を大幅に改善し、CXCR6発現がaGvHDにおける病原性細胞を同定することを示した。
CXCR6は、腫瘍に浸潤した免疫コンピテントT細胞の特異的マーカとして本明細書で更に定義される。CXCR6は、主に腫瘍浸潤CD4及びCD8 T細胞、特にCD4 T細胞の中でより高いIFN-γ及びGM-CSF産生、並びにCD8 T細胞の中でより高いグランザイム-B発現を有する免疫コンピテント細胞によって発現される。CXCR6T細胞は末梢免疫器官内のごく少数の集団であるので、それらの活性化は全身免疫活性化又は重度の副作用を誘導する可能性は低い。
注目すべきことに、CXCR6は、これらの障害におけるCD4及びCD8 T細胞の機能には必須ではないが、CXCR6は、肝臓の炎症及び線維形成を媒介するNK T細胞のサブセットに必須であることが報告された。また、CXCR6陽性CD8 T細胞は、自己攻撃的活性化機構を介して非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を媒介することが報告された。
したがって、CXCR6に特異的に結合する新規ペプチド(例えば、抗体又はその抗原結合断片)等の新規薬剤が必要とされている。例えば、ヒト起源のCXCR6及び非ヒト哺乳動物起源のCXCR6の両方に特異的に結合する抗CXCR6抗体は、治療薬として、並びに前臨床及び臨床インビボ研究に有用であり得る。特異的な高親和性抗CXCR6抗体は、その天然リガンドCXCL-16とのCXCR6相互作用を遮断するために必要とされ得る。ADCC、ADCP及び/又はCDCを誘導する抗CXCR6抗体は、自己免疫疾患、NASH、aGvHD、同種移植片拒絶、急性ウイルス感染又はT細胞主導サイトカインストーム(図1)等の疾患においてCXCR6陽性病原性T細胞を枯渇させるために必要とされ得る。ADCC、ADCP及びCDCを誘導するか又は誘導しない抗CXCR6抗体もまた、腫瘍浸潤CXCR6陽性T細胞を活性化して、例えば直接活性化又は複合成長因子(図2)を介して腫瘍を治療するために必要とされ得る。
実施例1.CXCR6はコラーゲン誘導性関節炎における病原性CD4 T細胞を同定する
図3A~3Bに示す実験は、CXCR6がコラーゲン誘導性関節炎において病原性CD4 T細胞を同定することを実証している。コラーゲン誘導性関節炎を、雄のDBA/1マウスにおいて、1日目に完全フロイントアジュバント及びII型コラーゲンのエマルジョンで免疫化し、21日目に同じエマルジョンで追加免疫することによって誘導した。追加免疫後、マウスのほぼ100%が29日目までにヒト関節リウマチと同様の関節炎症状を示した。このモデルでは、自己反応性CD4 T細胞が関節炎の推進力である。35日目にマウスを屠殺し、脾臓(図3A)とリンパ節(図3B)の両方を免疫学的評価に供した。CXCR6陰性及びCXCR6陽性CD4 T細胞におけるサイトカインプロファイルは、CXCR6陽性CD4 T細胞が炎症促進性サイトカインIL-17及びIFNγを産生する主要な集団であることを示唆している。
実施例2.CXCR6陽性T細胞はaGvHDにおける主要な病原性T細胞である
図4A~4Cに示される実験は、CXCR6陽性T細胞が急性移植片対宿主病(aGvHD)における主要な病原性T細胞であることを実証している。aGvHDを、C57BL/6マウス(ドナー)に由来する骨髄細胞及び脾細胞を致死量の放射線を照射したBALB/Cマウス(レシピエント)に移入することによって誘導した。「照射のみ」として特定される照射レシピエントの一群は、細胞移入を受けず、14日目までに死亡した。「BALB/CへのBALB/C」として識別される別の群の放射線照射レシピエントは、同じ系統から骨髄及び脾細胞を受け、正常に生存した。「BALB/CへのC57BL/6」として特定されるC57BL/6由来骨髄細胞及び脾細胞を投与されたレシピエントBALB/Cマウスは、体重減少(図4A)及び早期死亡(図4B)として現れるaGvHD疾患を発症した。移入後6日目に、レシピエントマウスの脾臓及びリンパ節においてCXCR6陽性CD4及びCD8 T細胞の有意な蓄積が観察されたが(図4C)、これらはナイーブBALB/Cマウスでは検出されなかった。
CXCR6陽性CD4及びCD8 T細胞は病原性が高く、CXCR6陰性細胞と比較して有意に増加したサイトカインを産生した。特に、高度に炎症誘発性の亜集団であるIFNγ及びGzmB二重陽性細胞は、CD4及びCD8細胞の両方において排他的にCXCR6陽性であった(図5)。
実施例3.CXCR6はaGvHD発症において分注可能であるが、CXCR6陽性T細胞を枯渇させるとaGvHDが改善される
図6に示す実験は、CXCR6がaGvHD発達において必須でないことを実証している。BALB/Cマウスに致死量の放射線を照射し、WT C57BL/6又はCxcr6-/-C57BL/6マウス由来の骨髄及び脾細胞を移入した。WT C57BL/6又はCxcr6-/-C57BL/6ドナー細胞のいずれかを投与されたBALB/Cマウスは、両方の群において同様に実質的で長期にわたる体重減少によって証明されるように、同等に重度のaGvHDを発症し、ドナー細胞上のCxcr6の欠損は生存を増加させなかった(図6)。対照的に、BALB/Cドナー由来の細胞を移入した対照群のマウスは、初期体重減少から十分に回復し、全て生存した(図6)。
図7に示す異なる実験は、CXCR6がaGvHDにおける病原性T細胞のマーカとしてのみ機能し得、抗CXCR6抗体治療が生存を改善することによってaGvHD疾患を改善することを実証する。
実施例4.B16メラノーマ及びMC38結腸腫瘍モデルにおけるCXCR6T細胞
図8A~図10Bに示す実験は、CXCR6陽性T細胞が腫瘍浸潤リンパ球(TIL)において濃縮されていることを実証する。B16は、強い免疫応答を誘発しない「冷たい腫瘍」である。対照的に、MC38は強い免疫応答を誘発する。B16メラノーマモデルを作製するために、野生型CB7BL/6マウスにB16メラノーマを接種し、4日ごとにアイソタイプ対照mAb又は抗PD-1 mAbで治療した。マウスを20日目に屠殺し、脾細胞及びTILをフローサイトメトリーによって分析した。MC38結腸腫瘍モデルを作製するために、野生型CB7BL/6マウスにMC38結腸腫瘍細胞を接種し、20日目に屠殺した。脾細胞及びTILをフローサイトメトリーによって分析した。CXCR6CD4及びCD8 T細胞は、B16メラノーマモデル及びMC38結腸腫瘍モデルの両方においてTILが濃縮されていた(図8A-8B)。CXCR6T細胞は、TILに優先的に蓄積し(図8A-8B)、PD-1抗体処理によって増殖させることができた(図8A)。
B16メラノーマモデルにおいて、マウスを20日目に屠殺し、TILを、サイトカイン発現についてフローサイトメトリーによって分析する前に、ブレフェルジンA(BFA)(10μg/ml)の存在下においてホルボールミリステートアセテート(PMA)/イオノマイシンで4時間刺激した。図9A~図9Bに示すように、CXCR6陽性CD4 T細胞は、TILにおける主要なIFN-γ及びGM-CSF産生細胞であり、これらがTILにおける主要なエフェクター細胞であることを示唆している。図10A~10Bに示すように、CXCR6陽性CD8 T細胞は、TILにおける主要なグランザイムB産生細胞であり、これらがTILにおける主要なキラー細胞であることを示唆している。
実施例5.抗体の産生及び特性評価
野生型C57BL/6マウスを免疫し、完全長ヒトCXCR6ベクターで追加免疫した。免疫化の前に、ベクターを、トランスフェクトされた哺乳動物細胞株上の天然ヒトCXCR6の細胞表面発現についてフローサイトメトリーによって試験して、免疫化及びスクリーニングの成功を確実にした。遺伝子免疫化を、DNA被覆金粒子を野生型C57BL/6マウスの皮膚に安定的に送達して、標的特異的免疫応答を誘発することによって行った。ヒトCXCR6及びカニクイザルCXCR6の両方に十分な抗体結合力価を示す血清試験後、マウスを屠殺した。単一のB細胞プラットフォームを使用して、ヒト及びカニクイザルCXCR6の両方への結合について骨髄抗体産生形質細胞を連続的にスクリーニングした。従来のハイブリドーマ技術を脾細胞及びリンパ節細胞に使用した。親細胞ではなく、ヒト及び/又はカニクイザルCXCR6過剰発現細胞に特異的に結合する候補クローンを同定した。V及びVを配列決定した後、異なるCDRを有するクローンを完全長マウス抗体又はヒトキメラ抗体として更に発現させた。ヒトCXCR6(hu-CXCR6)、カニクイザルCXCR6(cyno-CXCR6)又はマウスCXCR6を過剰発現する細胞に結合する個々の抗体の能力を試験した。
ヒトCXCR6(hu-CXCR6)、カニクイザルCXCR6(cyno-CXCR6)又はマウスCXCR6を過剰発現する細胞を、10%FCSを含有するDMEM培地で培養した。使用前に、細胞を回収し、洗浄し、0.5%ウシ血清アルブミン(BSA)を含有する氷冷リン酸緩衝生理食塩水(PBS)に再懸濁し、連続希釈した抗体で染色した。PBS/0.5%BSA緩衝液で2回洗浄した後、更に蛍光色素標識二次抗体で染色した。更に2回洗浄した後、細胞をPBS/0.5%BSAに再懸濁し、固定し、フローサイトメトリーによって収集し、分析した。
スクリーニング段階でヒト若しくはカニクイザルCXCR6又はブランク細胞株への結合について、表2及び3の全ての抗体を試験した(「はい」又は「いいえ」を得るための単一濃度)。配列番号11~17はヒト/カニクイザル交差種結合剤であり、残り(配列番号18~46)は全てヒトのみの結合剤である。
図11は、様々な濃度の抗体によるトップヒットの更なる分析である。最初のスクリーニングデータに基づいて、ヒトのみの結合剤の5つのトップヒットを選択し(CNGs-1B7、CNE-6E10、COX-1B10、COX-2D2及びBeacon1-G12)、それらのうちの3つ(CNE-6E10、COX-1B10及びCOX-2D2)が他の2つのクローン(CNGs-1B7及びBeacon1-G12)よりも高い親和性を有することが見出され、これは図11から結論付けることができる。次いで、更なる特性評価のために3つのヒトのみ結合剤(CNE-6E10、COX-1B10及びCOX-2D2)を選択した。
ヒト/カニクイザル交差種結合剤に関して、図11の4つの試験クローンのうち3つを更なる特性評価のために進めた(図12)。Beacon1-B2は、その抗体がユニークであるヒト、カニクイザル及びマウスCXCR6の全てに結合するので、図12に示される実験では更に特徴づけられなかった。更に、ヒトCXCR6に対するBeacon1-B2の親和性は、他の3つのヒト/カニクイザル交差種結合剤ほど優れていない。
図12A~14に示す実験は、ヒト特異的モノクローナル抗体及びヒト/カニクイザル交差種モノクローナル抗体がCXCR6の異なるエピトープ残基に結合することを実証している。ヒトCXCR6のみに結合する3つの候補抗体、及びヒトCXCR6及びカニクイザルCXCR6の両方に結合する3つの候補抗体を更に分析して、それらのエピトープ残基を特定した。ヒトCXCR6の細胞外N末端とヒトIgG1のFc領域を連結してN末端融合タンパク質を作製した。ヒトCXCR6を過剰発現する細胞を染色する前に、候補抗体(1μg/ml)をN末端融合タンパク質(25μg/ml)と室温で15分間プレインキュベートした。ヒトCXCR6にのみ結合し、カニクイザル又はマウスCXCR6には結合しない市販の抗体(R&Dシステム、ミネソタ州ミネアポリス)を対照抗体として使用した。図12Aに示すように、ヒトのみのバインダーは、ヒトCXCR6の細胞外N末端に結合する。図12Bに示すように、ヒト/カニクイザル二重結合剤は、ヒトCXCR6の細胞外N末端に結合しない。結果は、ヒト/カニクイザル二重結合剤がヒトCXCR6の1つ又は複数の細胞外ループに結合することを示唆している。
これらの3つのヒト/カニクイザル二重結合剤がカニクイザルCXCR6の細胞外N末端に結合するかどうかを独立して試験するために、カニクイザルCXCR6の細胞外N末端とヒトIgG1のFc領域とを連結する融合タンパク質を生成した。カニクイザルCXCR6を過剰発現する細胞を染色する前に、抗体(1μg/ml)を融合タンパク質(25μg/ml)と共に室温で15分間プレインキュベートした。図13に示すように、ヒト/カニクイザル二重結合剤はまた、カニクイザルCXCR6の細胞外N末端に結合せず、これらがカニクイザルCXCR6の1つ又は複数の細胞外ループに結合する可能性が高いことを示唆する。
これらの結論は、抗体競合実験の結果と一致している(図14A~14B)。ヒトCXCR6過剰発現細胞を、COX-1B10(ヒトのみの結合剤)又はGenovac2-C1(ヒト/カニクイザル交差種結合剤)のいずれかと15分間プレインキュベートし、続いてAPC標識抗マウスIgG(二次抗体)で染色した。細胞を洗浄し、フィコエリトリン(PE)標識ヒトのみの結合剤(R&Dシステム、ミネソタ州ミネアポリス)で染色した。図14A~14Bに示すように、ヒト/カニクイザル交差種結合剤(Genovac2-C1)のみが、ヒトのみの結合剤(COX-1B10)ではなく、ヒトCXCR6を過剰発現する細胞を市販のヒトのみの結合剤(R&Dシステム、ミネソタ州ミネアポリス)と共染色することができた。したがって、Genovac2-C1はヒトCXCR6の1つ又は複数の細胞外ループに結合し、COX-1B10はヒトCXCR6の細胞外N末端に結合する。
実施例6.COX-1B10及びGenovac2-C1キメラ抗体
図15A~図15Bに示す実験は、キメラ抗体が完全長マウスIgG1の結合能及び高親和性を保持することを実証している。ヒトCXCR6単独に対して最も良好な親和性を有するクローンであるCOX-1B10、並びにヒト及びカニクイザルCXCR6に対して最も良好な親和性を有するクローンであるGenovac2-C1を、マウス由来のV及びVをヒトIgG1抗体に移植することによってヒトキメラmAbとして発現させた。マウス及びヒトキメラ抗体の両方を、ヒト及びカニクイザルCXCR6へのそれらの結合について試験した。図15A及び図15Bに示すように、両方のクローンが結合特異性及び親和性を維持した。キメラGenovac2-C1クローンは、そのマウス対応物と比較して改善された特性さえ示す。したがって、キメラ抗体は、全長マウスIgG1の結合能及び高い親和性を保持する。
図16に示す実験は、ヒト/マウスキメラmAbがCXCL-16の存在下で結合特異性及び親和性を保持することを実証している。ヒトCXCR6過剰発現細胞を、1,500ng/mlのhuCXCL-16(全長ヒトCXCL-16のAsn49-Pro137、MW:10KD)の有無にかかわらず5分間プレインキュベートし、次いで、キメラGenovac2-C1を添加し、室温で更に15分間染色した。洗浄及び二次抗体による染色の後、細胞をフローサイトメトリーによって分析した。ヒトCXCR6へのhuCXCL-16結合のED50は10~50ng/mlである。したがって、1,500ng/mlのhuCXCL-16は、キメラGenovac2-C1と競合するための圧倒的な濃度である。huCXCL-16の非存在下では、ヒトCXCR6へのキメラGenovac2-C1結合のED50は0.5μg/mlであった(図16)。huCXCL-16(1,500ng/ml)の存在下では、ヒトCXCR6へのキメラGenovac2-C1結合のED50は1.5μg/mlであった(図16)。したがって、ヒト/マウスキメラmAbは、CXCL-16の存在下で結合特異性及び親和性を保持する。
実施例7.キメラCXCR6 mAbの抗体依存性細胞傷害性(ADCC)
図17に示す実験は、結合エピトープ(すなわち、CXCR6のN末端又は細胞外ループ(ECL)にかかわらず、試験した全ての抗体がインビトロで堅牢なADCC機能を誘導できることを実証している。(N末端結合剤は典型的にはヒトCXCR6のみを認識し、ECL結合剤は典型的にはヒトCXCR6及びカニクイザルCXCR6の両方を認識する)。
クローンCNE-6E10、COX-2D2及びCOX-1B10はヒトCXCR6に結合し、クローンGenovac1-G2及びGenovac2-C1はヒト及びカニクイザルCXCR6の両方に結合する。全てのクローンは、ヒトIgG1 Fcを有するヒト/マウスキメラ抗体であった。
エフェクター細胞は、健康なヒトドナーの新鮮血液から調製した末梢血単核細胞(PBMC)から単離した。等体積のPBSで希釈し、血液をHistopaque(登録商標)-1077密度勾配細胞分離培地(シグマアルドリッチ、ミズーリ州セントルイス)の上に置いた後、室温で400gで30分間(休みなく)遠心分離した。遠心分離後、単層を回収し、洗浄し、完全培地(10%FBSを含有するRPMI-1640)に再懸濁した。NK細胞を、磁気ビーズを使用して新たに調製したPBMCから単離した。
標的細胞、CXCR6過剰発現293F(CXCR6293F)細胞を、96ウェルU底プレートに15分間播種した。各ウェルは、mAbを有さないか、又は10μg/mlの異なる抗CXCR6 mAbクローンのいずれかを有する。
自発的な細胞死を測定するために、等量のNK細胞を96ウェルプレートのウェルに添加した。各試験ウェルは、抗CXCR6 mAbクローンの存在下で共培養されたNK(エフェクター)細胞及びCXCR6293F(標的)細胞を含む。陰性対照ウェルは、エフェクター細胞のみ、標的細胞のみ、又は抗CXCR6 mAbクローンの非存在下でのエフェクター及び標的細胞の共培養を含む。各培養条件を反復した。96ウェルプレートを37℃及び5%COの細胞培養インキュベーター内で更に4時間インキュベートした。
乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)活性を定量するための標準曲線を作成した。既知の数の段階希釈した標的細胞を、Triton X-100の存在下、37℃及び5%COで4時間、完全培地中で培養した。培養体積はADCC反応アッセイ体積と同じであった。
LDH活性を測定するために、96ウェルプレートを細胞培養プロセスの最後に遠心分離し、上清(約50μl)を除去した。LDH活性を、LDHアッセイキットを使用して測定し、OD値をプレートリーダーで報告した。LDHは死細胞からのみ漏出するので、上清中に検出されるLDH活性は細胞死を反映する。各試験ウェルからの細胞の最終死比を標準曲線に対して正規化した。データ(図17)は、結合エピトープにかかわらず、全ての試験抗体がインビトロで堅牢なADCC機能を誘導できることを実証している。
本明細書に引用される全ての特許、公開出願及び参考文献の教示は、その全体が参照により組み込まれる。
例示的な実施形態を特に示し説明したが、添付の特許請求の範囲に含まれる実施形態の範囲から逸脱することなく、形態及び詳細の様々な変更を行うことができることが当業者には理解されよう。
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Claims (65)

  1. 配列番号11~46に示される少なくとも1つの免疫グロブリン重鎖可変領域(V)のそれぞれHCDR1、HCDR2及びHCDR3と少なくとも90%同一である重鎖相補性決定領域HCDR1、HCDR2及びHCDR3を含む、C-X-Cモチーフケモカイン受容体6(CXCR6)に特異的に結合するポリペプチド。
  2. 配列番号47~82に示される少なくとも1つの免疫グロブリン軽鎖可変領域(V)のそれぞれLCDR1、LCDR2及びLCDR3と少なくとも90%同一である軽鎖相補性決定領域LCDR1、LCDR2及びLCDR3を更に含む、請求項1に記載のポリペプチド。
  3. 及びVを含む抗体の前記HCDR1、HCDR2及びHCDR3並びにLCDR1、LCDR2及びLCDR3を含み、前記抗体の前記V及びVが、以下のV/Vの組合せ:
    配列番号11/配列番号47;
    配列番号12/配列番号48;
    配列番号13/配列番号49;
    配列番号14/配列番号50;
    配列番号15/配列番号51;
    配列番号16/配列番号52;
    配列番号17/配列番号53;
    配列番号18/配列番号54;
    配列番号19/配列番号55;
    配列番号20/配列番号56;
    配列番号21/配列番号57;
    配列番号22/配列番号58;
    配列番号23/配列番号59;
    配列番号24/配列番号60;
    配列番号25/配列番号61;
    配列番号23/配列番号62;
    配列番号26/配列番号63;
    配列番号27/配列番号64;
    配列番号28/配列番号65;
    配列番号29/配列番号65;
    配列番号30/配列番号66;
    配列番号31/配列番号67;
    配列番号32/配列番号68;
    配列番号33/配列番号69;
    配列番号34/配列番号70;
    配列番号35/配列番号71;
    配列番号36/配列番号72;
    配列番号37/配列番号73;
    配列番号38/配列番号74;
    配列番号39/配列番号75;
    配列番号40/配列番号76;
    配列番号41/配列番号77;
    配列番号42/配列番号78;
    配列番号43/配列番号69;
    配列番号44/配列番号79;
    配列番号45/配列番号80;
    配列番号18/配列番号81;及び
    配列番号46/配列番号82
    から選択される、請求項2に記載のポリペプチド。
  4. 前記抗体の前記V及びVが、以下のV/Vの組合せ:
    配列番号11/配列番号47;
    配列番号12/配列番号48;
    配列番号13/配列番号49;
    配列番号17/配列番号53;
    配列番号19/配列番号55;
    配列番号20/配列番号56;及び
    配列番号21/配列番号57
    から選択される、請求項3に記載のポリペプチド。
  5. 及びVを含む免疫グロブリン分子である、請求項1~4のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  6. a)前記ポリペプチドの前記Vが、配列番号47~82に示される少なくとも1つの配列と少なくとも85%同一であるか、
    b)前記ポリペプチドの前記Vが、配列番号11~46に示される少なくとも1つの配列と少なくとも85%同一であるか、又は
    c)a)及びb)の両方
    である、請求項5に記載のポリペプチド。
  7. 以下のV/Vの組合せ:
    配列番号11/配列番号47;
    配列番号12/配列番号48;
    配列番号13/配列番号49;
    配列番号14/配列番号50;
    配列番号15/配列番号51;
    配列番号16/配列番号52;
    配列番号17/配列番号53;
    配列番号18/配列番号54;
    配列番号19/配列番号55;
    配列番号20/配列番号56;
    配列番号21/配列番号57;
    配列番号22/配列番号58;
    配列番号23/配列番号59;
    配列番号24/配列番号60;
    配列番号25/配列番号61;
    配列番号23/配列番号62;
    配列番号26/配列番号63;
    配列番号27/配列番号64;
    配列番号28/配列番号65;
    配列番号29/配列番号65;
    配列番号30/配列番号66;
    配列番号31/配列番号67;
    配列番号32/配列番号68;
    配列番号33/配列番号69;
    配列番号34/配列番号70;
    配列番号35/配列番号71;
    配列番号36/配列番号72;
    配列番号37/配列番号73;
    配列番号38/配列番号74;
    配列番号39/配列番号75;
    配列番号40/配列番号76;
    配列番号41/配列番号77;
    配列番号42/配列番号78;
    配列番号43/配列番号69;
    配列番号44/配列番号79;
    配列番号45/配列番号80;
    配列番号18/配列番号81;及び
    配列番号46/配列番号82
    のいずれか1つと同一のV/Vの組合せを含む、請求項6に記載のポリペプチド。
  8. 以下のV/Vの組合せ:
    配列番号11/配列番号47;
    配列番号12/配列番号48;
    配列番号13/配列番号49;
    配列番号17/配列番号53;
    配列番号19/配列番号55;
    配列番号20/配列番号56;及び
    配列番号21/配列番号57
    のいずれか1つと同一のV/Vの組合せを含む、請求項7に記載のポリペプチド。
  9. 抗体又はその抗原結合断片である、請求項1~8のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  10. 前記抗原結合断片が、Fab、F(ab’)、Fab’、scFv、又はFvから選択される、請求項9に記載のポリペプチド。
  11. 前記抗原結合断片がscFvである、請求項10に記載のポリペプチド。
  12. a)抗体重鎖定常領域の配列、
    b)抗体軽鎖定常領域の配列、又は
    c)a)及びb)の両方
    を更に含む、請求項9に記載のポリペプチド。
  13. 前記抗体重鎖定常領域がヒトIgG重鎖定常領域である、請求項12に記載のポリペプチド。
  14. 前記抗体重鎖定常領域がIgG1重鎖定常領域である、請求項12又は13に記載のポリペプチド。
  15. 前記抗体軽鎖定常領域がヒト定常領域である、請求項12~14のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  16. 前記抗体軽鎖定常領域がκ軽鎖定常領域である、請求項12~15のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  17. 前記CXCR6が霊長類CXCR6である、請求項1~16のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  18. 前記霊長類CXCR6がヒトCXCR6(配列番号1)である、請求項1~17のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  19. 前記霊長類CXCR6がカニクイザルCXCR6(配列番号6)である、請求項17に記載のポリペプチド。
  20. 配列番号2で示されるアミノ酸配列内のエピトープに特異的に結合する、請求項1~19のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  21. 配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号8、配列番号9、配列番号10、又はそれらの組合せで示されるアミノ酸配列内のエピトープに特異的に結合する、請求項1~19のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  22. 異種部分にコンジュゲートされている、請求項1~21のいずれか一項に記載のポリペプチド。
  23. 前記異種部分が、治療剤、診断剤又はそれらの組合せである、請求項22に記載のポリペプチド。
  24. 請求項1~23のいずれか一項に記載のポリペプチドを含む、融合タンパク質。
  25. 請求項1~23のいずれか一項に記載のポリペプチド又は請求項24に記載の融合タンパク質をコードする配列を含む、ポリヌクレオチド。
  26. 線状デオキシリボ核酸(DNA)、線状リボ核酸(RNA)、環状DNA又は環状RNAである、請求項25に記載のポリヌクレオチド。
  27. 請求項25又は26に記載のポリヌクレオチドを含む、発現ベクター。
  28. 請求項25若しくは26に記載のポリヌクレオチド又は請求項27に記載の発現ベクターを含む、宿主細胞。
  29. 請求項1~23のいずれか一項に記載のポリペプチド、請求項24に記載の融合タンパク質、請求項25若しくは26に記載のポリヌクレオチド、請求項27に記載の発現ベクター、又は請求項28に記載の宿主細胞を含む、組成物。
  30. 医薬賦形剤、希釈剤、又は担体のうちの1つ又は複数を更に含む、請求項29に記載の組成物。
  31. CXCR6陽性白血球を調節する方法であって、前記CXCR6陽性白血球を請求項29又は30に記載の組成物と接触させることを含む、方法。
  32. CXCR6陽性白血球の走化性を遮断する方法であって、前記CXCR6陽性白血球を請求項29又は30に記載の組成物と接触させることを含む、方法。
  33. CXCR6陽性白血球を不活性化する方法であって、前記CXCR6陽性白血球を請求項29又は30に記載の組成物と接触させることを含む、方法。
  34. CXCR6陽性白血球を殺傷する方法であって、前記CXCR6陽性白血球を請求項29又は30に記載の組成物と接触させることを含む、方法。
  35. 前記CXCR6陽性白血球が、CD4 T細胞、CD8 T細胞、γδ T細胞、ナチュラルキラー(NK)T細胞、NK細胞又は好中球である、請求項31~34のいずれか一項に記載の方法。
  36. 前記CXCR6陽性白血球を請求項29又は30に記載の組成物と約1分間~約10日間接触させることを含み、前記組成物が、約0.05~20μg/mlの請求項1~23のいずれか一項に記載のポリペプチドを含む、請求項31~35のいずれか一項に記載の方法。
  37. 抗体依存性細胞傷害性(ADCC)、抗体依存性細胞食作用(ADCP)、補体依存性細胞傷害性(CDC)又はそれらの組合せによって前記CXCR6陽性白血球を殺傷させる、請求項34~36のいずれか一項に記載の方法。
  38. CXCR6陽性白血球を活性化する方法であって、前記CXCR6陽性白血球を請求項29又は30に記載の組成物と接触させることを含む、方法。
  39. CXCR6陽性白血球の生存を維持する方法であって、前記CXCR6陽性白血球を請求項29又は30に記載の組成物と接触させることを含む、方法。
  40. 前記CXCR6陽性白血球が、CD4 T細胞、CD8 T細胞、γδ T細胞、NK T細胞、NK細胞又は好中球である、請求項38又は39に記載の方法。
  41. 前記CXCR6陽性白血球を請求項29又は30に記載の組成物と約1分間~約10日間接触させることを含み、前記組成物が、約0.05~20μg/mlの請求項1~23のいずれか一項に記載のポリペプチドを含む、請求項38~40のいずれか一項に記載の方法。
  42. CXCR6陽性白血球の枯渇を必要とする対象においてCXCR6陽性白血球を枯渇させる方法であって、有効量の請求項29又は30に記載の組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
  43. 疾患の治療又は予防を必要とする対象において疾患を治療又は予防する方法であって、有効量の請求項29又は30に記載の組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
  44. 前記対象が、急性移植片対宿主病(aGvHD)、同種移植片拒絶、喘息、自己免疫性肝炎、自己免疫性ブドウ膜炎、接触性皮膚炎、クローン病、若年性関節リウマチ、多発性硬化症、非アルコール性脂肪性肝炎、乾癬、乾癬性関節炎、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、ブドウ膜炎又は潰瘍性大腸炎を有するか、又は発症するリスクがある、請求項42又は43に記載の方法。
  45. 前記対象が、aGvHD、多発性硬化症又は関節リウマチを有するか、又は発症するリスクがある、請求項44に記載の方法。
  46. 前記対象がヒトである、請求項42~44のいずれか一項に記載の方法。
  47. 請求項29又は30に記載の組成物が静脈内投与される、請求項42~46のいずれか一項に記載の方法。
  48. 請求項29又は30に記載の組成物が皮下投与される、請求項42~46のいずれか一項に記載の方法。
  49. 治療有効量の更なる治療剤を前記対象に投与することを更に含む、請求項42~48のいずれか一項に記載の方法。
  50. 前記更なる治療剤が、モノクローナル抗体、ステロイド、免疫抑制剤、又はIL-23/IL-17軸を標的とする薬剤である、請求項49に記載の方法。
  51. 前記更なる治療剤が、CD20、IL-6、IL-1β、IL-6受容体、IL-12、IL-23p40、TNFα、又はそれらの組合せに特異的に結合するモノクローナル抗体である、請求項50に記載の方法。
  52. 前記更なる治療剤がプレドニゾンである、請求項50に記載の方法。
  53. 前記更なる治療剤が、シクロホスファミド、フィンゴリモド又はメトトレキサートである、請求項50に記載の方法。
  54. 前記更なる治療剤がヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤である、請求項50に記載の方法。
  55. 前記JAK阻害剤が、ルキソリチニブ(INCB018424)、モメロチニブ、フェドラチニブ(TG101348)又はトファシチニブである、請求項54に記載の方法。
  56. CXCR6陽性細胞の活性化を必要とする対象においてCXCR6陽性細胞を活性化する方法であって、有効量の請求項29又は30に記載の組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
  57. 前記対象が、癌を有するか、又は癌を発症するリスクがある、請求項56に記載の方法。
  58. 前記癌が、乳癌、結腸癌、胃癌、肝臓癌、肺癌、リンパ腫、メラノーマ、非小細胞肺癌又は食道癌である、請求項57に記載の方法。
  59. 前記癌が結腸癌である、請求項58に記載の方法。
  60. 前記対象がヒトである、請求項56~59のいずれか一項に記載の方法。
  61. 請求項29又は30に記載の組成物が静脈内投与される、請求項56~60のいずれか一項に記載の方法。
  62. 請求項29又は30に記載の組成物が皮下投与される、請求項56~60のいずれか一項に記載の方法。
  63. 治療有効量の更なる治療剤を前記対象に投与することを更に含む、請求項56~62のいずれか一項に記載の方法。
  64. 前記更なる治療剤が、化学療法剤又は免疫チェックポイント阻害剤である、請求項63に記載の方法。
  65. 前記免疫チェックポイント阻害剤が、抗PD-1抗体又は組換え融合タンパク質、抗PD-L1抗体又はプロボディ、抗PD-L2抗体、抗LAG-3抗体、抗TIM-3抗体又は抗CTLA-4抗体である、請求項64に記載の方法。
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