JP2024521335A - プラグソケット - Google Patents

Abstract

本発明は、第１の挿入口（２）が形成されているハウジング（１）と、少なくとも１つの電気接点要素（１７）のための少なくとも１つの接点支持体（１５）と、挿入された相補的プラグコネクタのためのロック機構（２５、２６）とを備えた電気プラグコネクタ、特にシャーシソケットに関する。ロックアーム（２５）は、受動位置から能動位置に手動で移動可能な作動要素（２６）によって、相補的プラグコネクタとの係合から外れた状態に保持できる。プラグコネクタの可能な限り短い構成を可能にするために、作動部（３２）は作動要素（２６）の最も外側の後端に配置され、作動要素（２６）のどの部分もそれより後方に越え出ていない。【選択図】 図４

Description

本発明は、特許請求項１の前提部に記載された電気プラグコネクタに関する。

このようなプラグコネクタの典型的な例は、シャーシソケットとも呼ばれるプラグソケットの形式で、欧州特許出願ＥＰ１９７２０３７Ｂｌ号に記載されており、相補的プラグコネクタ、特にケーブルプラグとの電気プラグ接続を行うために設けられている。プラグソケットは、一方ではＸＬＲ仕様の電気プラグ接続を行うための電気接点要素を有しており、これは特にオーディオ用途で一般的であり、相応に標準化されている。しかしまた、ジャックプラグからＲＪ４５接続などのデータプラグまで、他の任意の実施形態も実現できる。プラグソケットのハウジングは、ケーブルプラグの挿入を可能にするために相応の挿入口があり、その中に相補的プラグコネクタを挿入軸線方向に挿入することができる。電気接点要素は、少なくとも１つの接点支持体内に支持されている。

既にオーストリア特許出願ＡＴ３９９４２７Ｂ号で説明されているように、このようなプラグソケットは、挿入された相補的ケーブルプラグを意図せず抜けないように固定するためにロック機構を有することができる。この場合、例えばロック突起を備えた少なくとも１つの弾性的に変位可能なロックアームが存在しており、ケーブルプラグが挿入された状態で、例えば切抜き部、アンダーカット又は類似のノッチに進入して係合する。手動で受動位置から、ロックアームに作用してこれを相補的ロック構造との係合から外れた状態に保持する作動要素により、ロックを解除してプラグ接続を外すことができる。

米国特許出願ＵＳ２０１１１３６３６６Ａｌ号は、相手プラグのロック機構を備えた電気プラグを開示している。ロック機構は２つの部分からなり、ロックアームはその端部に２つの尖った突起を持ち、これが相手プラグの凹部に進入して係合し、ロック解除用の作動要素はハウジングの凹部内に直線的に移動するように支持されている。実質的に平坦な作動要素が移動すると、その平坦な端部が第１のロックアームの傾斜部に押し付けられて、ロックアームが押し上げられ、突起が凹部から持ち上げられる。これによりプラグ接続のロックが解除される。

同様に、米国特許出願ＵＳ７５３４１２５Ｂｌ号も、２つの部分からなるロック機構を開示している。ロックアームはやはり相手プラグの凹部に進入して係合する２つの尖った突起を有する。この場合も実質的に平坦なロック解除用の作動要素が、ハウジング凹部内に直線的に移動するように案内されている。作動要素の平坦な端部は、長手方向に能動位置に移動するとロックアームの傾斜面と相互作用してロックアームを持ち上げ、相手プラグとの係合を外す。

本発明の課題は、従来技術の欠点を克服し、必要な設置スペースが少なく、特に挿入方向でより短いハウジング寸法を可能にし、同時に機能信頼性を高め、製造を容易にする装置を提供することであった。

上記の課題は、特許請求項１の特徴部による装置によって解決される。その他の任意の特徴は従属請求項に定義され、詳細な記述及び図面に開示されている。

この課題を解決するために、本発明による装置は、作動部が少なくとも１つの舌片によって形成されており、舌片は作動要素の長手方向軸線及び／又は挿入軸線に対して平行に向けられた曲げ軸を中心に曲げられて、作動要素の最も外側の後端に配置され、作動要素のどの部分もそれより後方に越え出ていないことを特徴とする。この場合、作動要素の後縁が、作動要素の後端面を形成する。これにより、ロック解除のために実際に作動する領域が作動要素の後端の前方に位置する従来の設計に対して、作動要素、ひいては作動要素が移動するように支持されているハウジング全体の構成を大幅に短くすることが可能になる。

少なくとも１つの舌片によって形成された作動部は、打抜き・曲げ加工によって容易に製造することができ、この作動要素の後端を開いた形状にすることにより、製造設備のバルク品コンテナ内で個々の部品が互いに引っ掛かって動けなくなるのを回避できる。更に、この構成は機能安定性と操作品質の向上に寄与する。なぜなら、作動要素とロックアームの相対移動の軸線に対して平行な軸線を中心に曲げる際の曲げ角度の誤差が作動要素の半径方向寸法に及ぼす影響は、従来の作動要素で舌片がこの相対移動の方向に向けられて曲げられる場合のように、相対移動に対して横断方向の軸線を中心に曲げる際の誤差の影響程強くないからである。

作動要素とロックアームのスムーズな滑動を保証するために、作動部は背面側に面取り部を有している。それにより材料に手厚い設計となり、傷や溝などを避けることで高い機能信頼性にも寄与する。

ロック解除過程で良好なてこ比を確保するために、ロックアームの後部にロック解除面が配置されているようにすることが好ましい。これにより、ロック解除要素を構造的に比較的小さく保つことができ、ロック解除に必要な運動量も小さく保つことができるため、全体として見てハウジングの小型化にも寄与する。

この利点は、本発明の好適な実施形態において、ロック機構のどの部分もロック解除面より後方に越え出ていないことによって特に強化される。

本発明の有利な実施形態は更に、作動要素が、接点支持体の凹部内に挿入軸線に対して平行に移動可能に支持されているようになっている。これにより一方では、作動要素が受動位置と能動位置との間で移動するための最適なガイドにより機能信頼性が保証され、他方では、作動要素がハウジングの中心に近い位置にあるため、可能な限り小さいサイズが得られる。

本発明によるプラグコネクタの別の実施形態は、作動要素（２６）が、断面拡大部を有し、及び／又はハウジングには作動要素の受動位置から能動位置への移動経路に相応の断面縮小部が配置されており、それによって作動要素の受動位置から能動位置に至る作動距離が制限されて、作動部の受動位置における位置からロックアームの後方限界を越えるまでの距離よりも小さいことを特徴とする。これにより、作動部がロックアームの端部の後方に達して、再びその初期位置又はほぼ初期位置に跳ね戻り、そのためロックアームと作動要素が引っ掛かって離れられずその位置に固定されたままになることが確実に防止される。

本発明によるプラグコネクタは更に、第１の挿入口とは反対側にカバーと、別のプラグコネクタのための第２の反対向きの挿入口が配置されていて、好ましくは同様にロック機構が装備されていることを特徴とすることができる。この場合もちろん、これまでに説明した設計のロック機構を使用することが特に好適である。なぜなら、このロック機構は、同様のケーブルプラグを備えたケーブルと接続するためのそのようなケーブルプラグカプラの可能な限り短い全長を保証するからである。

従来のプラグコネクタ、特にプラグソケット又はシャーシソケットの形式のプラグコネクタにおいて、本発明の別の特徴によれば、ハウジングの内側の長さは、挿入軸線に対して平行なロックアームの長さと等しい。これにより、可能な限り最小のハウジング寸法が可能になり、奥行が非常に小さいプラグソケットを提供できるようになり、例えばビデオウォールや非常に薄い機器などの用途のために奥行を更に小さくすることが可能になる。

この利点は、これらの用途のために本発明によるプラグコネクタの背面側に別のソケットが使用され、そのために第２の挿入口の挿入軸線が、第１の挿入口の挿入軸線に対して横断方向に向けられているようにすると、一層強化される。

ここで有利には、ハウジング及び／又は接点支持体に少なくとも１つの好ましくは導電性の構成要素が固定されており、この構成要素はカバーまで延びて、これと機械的に、好ましくは導電的にも接続されている。この構造は、両挿入口間のアース接続のほかに、プラグソケットの全体的配置を機械的に保持することも保証する。

好適には、本発明によるプラグコネクタは、挿入口の少なくとも１つとそれらの接点支持体及び電気接点要素は、データプラグ、好ましくはＲＪ４５プラグと接続するために設計されている。

本発明をよりよく理解するために、以下の図面を参照してより詳細に説明する。

図面は非常に簡略化された概略図である。

本発明によるプラグソケットの好適な実施形態の斜視図である。 図１のプラグソケットの分解斜視図である。 図１のプラグソケットの垂直中心面に沿った縦断面図である。 図１のプラグソケットの接点支持体とロック機構の作動要素の好適な実施形態の斜視図である。 図１のプラグソケットの接点支持体とロック機構の作動要素を作動要素の上方から半径方向に見た図である。 図１から図５に示す施形態の作動要素を前方から見た斜視図である。 図１から図５に示す実施形態の作動要素を後方から見た斜視図である。 図１から図５に示す実施形態の作動要素の側面図である。 図１から図５に示す実施形態の作動要素の背面図である。 ケーブルプラグが挿入されてロック位置にある本発明によるプラグソケットとそのロック機構の実施形態の縦断面図である。 図１０に示すロック解除位置における実施形態と配置の縦断面図である。

最初に確認しておくと、記載された異なる実施形態において同じ部材には同じ参照符号若しくは同じ部材名称を付す。この場合、説明全体に含まれている開示内容は同じ参照符号若しくは同じ部材名称を有する同じ部材に転用することができる。説明の中で選択された位置を表す言葉、例えば上、下、横なども直接説明されている表示された図を基準としており、これらの位置を表す言葉は位置が変化した場合には新しい位置に準用される。特に、「前部」という用語はここでは、プラグソケット、ハウジング又はすべての構成要素の挿入口に近い側であるものと理解されたい。したがって「後」は挿入口とは反対側にある位置を意味する。

図１には、本発明による内蔵プラグコネクタ、例えばデータプラグ、特にＲＪ４５データプラグ用のシャーシソケットの形式の第１の実施形態が斜視図で示されている。もちろん、本発明による構造は他の形式の内蔵プラグコネクタ又はカプラにも転用可能である。そのため本発明による解決策は、ＸＬＲ規格によるプラグコネクタ、ジャックプラグ、光ファイバープラグ、そのようなシステムの組み合わせなどにも使用することができる。

図２にすべての重要な構成要素若しくはアセンブリと共に分解図で詳細に示されている、図１の電気内蔵プラグコネクタは、相補的コネクタ（図示せず）用の挿入口２を備えたハウジング１を含んでいる。ハウジング１の前面の挿入側端部には、張り出した接続フランジ３が設けられていて、好ましくはハウジング１から直角に、好ましくはその全周にわたって突出している。接続フランジ３は貫通孔若しくは一部開いた切欠き部４を有しており、これを介して固定手段、典型的には固定ねじ、リベットなどを通すことにより、プラグインコネクタを電気器具の壁Ｇ、制御パネル又は同様の要素に固定することができる。切欠き部４は、好適には挿入口２の中心軸線Ｍを挟んで互いに対向する、矩形の接続フランジ３の２つの角に配置されている。挿入口２の中心軸線は、好ましくはハウジング若しくはプラグコネクタ全体の中心軸線及び長手方向軸線も表している。言うまでもないが、接続フランジ３の他の輪郭形状、例えば円形や多角形などの輪郭も可能である。接続フランジ３のすべての角に貫通孔４が存在することもできる。

内蔵プラグコネクタを組み立てた状態でハウジング１の接続フランジ３の前面に、挿入側のフランジプレート５が対向している。フランジプレート５は、ハウジング１の挿入口２と同軸に配置された相補的プラグコネクタ用の挿入口６を有する。更に、フランジプレート５には組付け孔７が加工されていて、接続フランジ３の切欠き部４と同軸に配置され、機器壁面や制御パネルなどと接続するための内蔵プラグコネクタの固定手段を通すように設計されている。

機器壁面や制御パネルなどに対して密閉するために、好ましくは板状のシーリング８が、直接フランジプレート５とハウジング１の間に挿入されて、これらの構成要素の間に締め付けられて保持されている。このシーリング８は、少なくとも挿入口２に対応する大きさで、挿入口２と同軸に配置された中央切抜き部９を有する。中央切抜き部９は、好ましくは全周シールリップ１０によって区切られており、その内径は挿入口２、６の内径よりもやや小さく、そのため挿入口２、６内に半径方向に突出し、相補的コネクタが挿入されると挿入されたプラグコネクタの外側と挿入口２、６との間の環状隙間を密閉する。フランジプレート５の組付け孔７若しくは接続フランジ３の切欠き部４の位置では、シーリング８にも固定要素のための貫通孔１１が加工されている。

相補的プラグコネクタが挿入されたときに挿入口２、６がシーリング８のシールリップ１０によって密閉されることのほかに、挿入されていない状態でも密閉する可能性が与えられていることが有利である。この目的のために、シーリング８に少なくとも１つの半径方向に突出した接続ストリップ１２が成形されている。接続ストリップ１２の外端には密閉栓１３が固定されており、その外径は最大で挿入口２、６の内径に等しく、好適には挿入口２を密閉するシーリング８のシールリップ１０の内径よりわずかに大きい。密閉栓１３の取り扱いを容易にするため、接続ストリップ１２と反対側には、全面が閉じた又は好適にはポット状に開いて形成されたグリップタブ１４が突出している。

ハウジング１は、好ましくは中心軸線Ｍと同心の内側の接点支持体１５を一体的に形成している。場合によっては、接点支持体は、ハウジング１内で任意の保持機構によって固定された別個のプラグイン部品によって形成することもできる。接点支持体１５には通常はアース接点１６も保持されている。アース接点１６は、好ましくは別の挿入口２４を画定するための後部カバー２３が存在する実施形態では、このカバー２３まで続いている。この場合、カバー２３自体は導電性材料であり、アース接点１６とカバー２３は、例えばはんだ付けによって機械的にも電気的にも接続されている。

しかし、接点支持体１５は、挿入された相補的プラグコネクタとの導電接続を形成する役割を果たす電気接点要素１７も保持する。これらの接点要素１７は接点セット１８の一部であり、接点セット１８はその中央部に電気絶縁材料からなる少なくとも１つの絶縁体１９を有している。絶縁体１９は、接点要素１７と、それらの反対側の、好ましくは同様に別のプラグコネクタに対する接点要素２０として形成された端部とを、互いの相対位置に固定している。図示されたプラグソケットの実施形態では、接点要素２０はハウジングキャップ２１を通して、特にすべての接点要素２０に共通の、ハウジング１の後端の連通口２２を通して、再び外側に導かれている。好ましくは金属製、場合によってはプラスチック製のカバー２３が、ハウジングキャップ２１の背面側に被されて、接点要素２０と別のプラグソケットに対する保護を形成する。この別のプラグソケットの挿入口２４は、中心軸線若しくは挿入軸線Ｍに対して横断方向に延びる挿入軸線Ｎによって示されているように、ハウジング１の中心軸線Ｍに対して横断方向に向けられている。しかしまた、接点要素１７はハウジングキャップ２１を通しても回路基板に導かれ、その側部又は内部にはんだ付けされることもできる。

最後に、ハウジング１の内部又は側部に更にロック機構２５、２６が配置されており、その少なくとも１つのロックアーム２５は、作動要素２６によって再びロック解除することもできる。この作動要素２６、好ましくは平坦な若しくはわずかに湾曲した中心部分を備えた、好ましくは打抜き・曲げ加工部品は、使用者が容易に到達して操作できるように、ハウジング１の挿入側端部を越えて前方に突出している。作動要素２６が配置されている箇所では、半径方向外向きの切欠き部２７がハウジング１の挿入口２から、及びフランジプレート５の挿入口６からも延びており、この切欠き部２７を通って作動要素２６がフランジプレート５の前側に突出することができる。シーリング８は、有利には一体成形されたドーム２８を有しており、その中に作動要素２６が、好ましくは手動で容易に操作できる操作タブ２９によって進入する。操作タブ２９は、図示の実施例では、ハウジング１の中心軸線Ｍ及び作動要素２６の長手方向軸線Ｏに対して直角であり、ハウジング１の中心軸線Ｍ及び作動要素２６の長手方向軸線Ｏに対して横断方向に向けられた軸線Ｐを中心に曲げられている（図６～図９参照）。

接点支持体１５には、好ましくは上側の縦長の凹部３０に弾性ロックアーム２５が支持されている。ロックアーム２５は、ハウジング１の中心長手方向軸線Ｍとは反対側に少なくとも１つのロック構造を、ここでは平坦なロックアーム２５の外縁で上方に折り曲げられて側面図で鼻形をした２つのロック突起３１の形式で有する。これらのロック突起３１により、ロックアーム２５は、相補的プラグコネクタＫが挿入口２に挿入された状態で、このプラグコネクタＫの対応する相補的ロック構造、好ましくはこのプラグコネクタのソケット状挿入部３８の少なくとも１つのロック凹部に進入して係合し、それによりプラグコネクタＫが、図１０に見られるように、挿入口２から意図せず又は所望せず抜け出ることを防止する。相補的コネクタの挿入時にロック突起３１がロック凹部に嵌入して留まることを可能若しくは容易にするために、これらの突起は公知のように衝突斜面を有する。全長の大部分にわたって実質的に直線状に延びる、好ましくは金属製のロックアーム２５は、図示の実施例では、挿入口２に近い接点支持体１５の前部領域の固定箇所を起点として、ハウジング１の後端に向かって延びている。ロックアーム２５の他の形状、例えば図１０及び図１１に示すＵ字形に曲げた形状も可能であり、この場合、Ｕ字形ロックアーム２５の一方の直線脚部は接点支持体１５上に載り、そこで支持される。ロックアーム２５の前方に位置する湾曲部に続く他方の脚部は、ロック突起３１で１８０度後方に曲げられている。

ロックアーム２５を挿入されたプラグコネクタＫのロック構造との係合から外して、挿入口２から引き抜けるように解放するために、作動要素２６は、最大限ハウジング１を越えて前方に突出する図示された受動位置を起点として、ハウジング１と接点支持体１５の長手方向中心軸線Ｍに平行に後方の能動位置に移動可能である。このために作動要素２６は接点支持体１５に、好ましくはロックアーム２５の上方で、好ましくは接点支持体１５の凹部３０内に移動可能に支持されており、それによりロックアーム２５と作動要素２６を互いに相対的に最適に案内できるようにする。

作動要素２６が受動位置から能動位置に移動すると、作動要素２６の作動部３２は、好ましくはロックアーム２５のロック解除面である傾斜面３３に作用して、これをハウジング１と接点支持体１５の中心軸線Ｍに向かって曲げ、それによってロック突起３１は挿入されたプラグコネクタＫのソケット形状挿入部３８内のロック構造との係合から外れ、それによってプラグコネクタＫは解放されて挿入口２から引き抜けるようになる。傾斜面３３は、いかなる形状のロックアーム２５においても、挿入口２とは反対側の端部に位置するのが好ましい。作動要素２６が使用者によって再び解放されると、ばね弾性的なロックアーム２５は再びその初期位置に戻り、作動要素２６もその受動位置に戻す。

作動要素２６、ひいてはコネクタソケット全体の特に短い構成を達成するために、作動部３２は作動要素２６の最も外側の後端に配置されている。図４～図９にはっきり見られるように、作動要素２６の他のどの部分も作動部３２より後方に、即ち作動要素２６の長手方向軸線の方向に、ハウジング１の長手方向中心軸線Ｍの方向に、及び受動位置から能動位置に移動するに越え出ていない。この場合、作動部３２の後縁を形成するのは、好ましくは作動要素２６の基部と共に、作動要素の背面若しくは後端面である。

図４～図９に見られるように、作動要素２６は、実質的に平坦な若しくはわずかに湾曲した中央部分から横に突出した２つのラグ３９を有する。このような断面拡大部、又は他の種類の断面拡大部は、片側だけに設けることもできる。これらの、好ましくは前部の挿入口２に近い位置に置かれた２つのラグ３９、又は他の種類の断面拡大部は、ハウジング１に設けた少なくとも１つの対応するストッパ４０と協働する。作動要素２６の受動位置Ｐから、ロックアーム２５がそのロック位置から外れる能動位置Ａに移動する経路内のストッパ４０に対応する断面縮小部は、ハウジング１と一体的に加工することができ、又は別個の要素としてハウジング１と機械的に接続することができる。

ラグ３９とストッパ４０のシステムの有利な作用形式が図１０と図１１に示されている。これらの図から、ラグ３９がストッパ４０に当接することにより同じ運動方向にそれ以上動くことが阻止されるため、作動要素２６の受動位置Ｐから能動位置Ａに至る作動距離が制限されていることがわかる。作動要素２６の作動距離の長さは、ｄｂで表示されている。

作動要素２６と共に、その作動部３２も作動要素２６の受動位置Ｐにおける位置から能動位置Ａの方向に移動される。もし制限されなければ、作動部３２はロックアーム２５の後端、特に傾斜面３３の後部限界を越え出ることができよう。この望ましくない状態が生じる距離は、ｄｖで表示されている。この距離の長さを、ハウジング１の長手方向中心軸線Ｍに対して平行に求める際には、言うまでもなくロックアーム２５の変位を考慮する必要があり、この変位により後端はハウジング１の背面側に向かってわずかにずれる。

作動要素２６の受動位置Ｐでは、ラグ３９とストッパ４０との間の距離、したがって受動位置Ｐと能動位置Ａとの間の作動距離ｄｂは、距離ｄｖよりも小さく選択されている。これにより、作動部３２がロックアーム２５の端部より後方に達し、この位置で引っ掛かって離れられずに固定されたままになることが確実に防止される。

受動位置と能動位置との間の距離は、操作タブ２９がハウジング１の前端壁に当接することによっても制限することができよう。

図面に示す本発明の好適な実施形態によれば、作動部３２はここでは少なくとも１つの舌片によって形成されており、舌片は作動要素２６の長手方向軸線Ｏ若しくはハウジング１の長手方向中心軸線Ｍに対して平行に向けられた曲げ軸線Ｏを中心に折り曲げられている。好ましくは、この曲げ軸線Ｏは作動要素２６の平面内にあり、作動要素２６の平坦な若しくはわずかに湾曲した中心部分を通る長手方向軸線と同軸上にある。好適には、作動部３２はその背面側に面取り部を有する。作動要素２６の後端部はその開いた形状のために、製造設備のバルク品コンテナ内で互いに引っ掛かった部品を引き離すための機械的作業又は手作業を回避できるので製造も容易である。更に、作動部３２を作動要素２６の長手方向軸線、即ち作動要素２６とロックアーム２５の相対移動の方向に対して平行な軸線を中心に曲げる際の曲げ角度の誤差は、作動部３２の半径方向寸法にわずかな影響しか及ぼさない。これにより製造中に曲げ角度の比較的大きいばらつきが生じても、プラグコネクタのロック解除に十分なロックアーム２５の変位が常に保証され、再現可能な機能安定性と操作品質につながる。

ロックアーム２５における傾斜面３３は、好ましくはロックアーム２５の後部に配置されていて、この構成要素も短く保つことができる。それにもかかわらず十分なてこの作用が得られるので、作動要素２６を受動位置から能動位置に移動させるために過大な力を使う必要がない。それゆえ、ロックアーム２５のどの部分もロック解除面より後方に越え出ないことが、ロックアーム２５にとっても有利である。また、特に作動要素２６が能動位置に最大限動かされた場合でも、作動要素２６のどの部分もロック解除面３３より後方にも突出しないことも有利である。

協働する傾斜面を作動要素２６とロックアーム２５に設ける代わりに、これらの構成要素の一方のみがそのような傾斜面を有し、両構成要素の他方は傾斜面と協働する突起を有することもできよう。また、ロックアーム２５をロック位置に向かって付勢する別のばね弾性要素、及び／又は作動要素２６が使用者によって解放されると受動位置に押し戻されるようにする別のばね弾性要素が存在することもできよう。

ロックアーム２５をバネ弾性的に設計する代わりに、ロックアーム２５も接点支持体１５に旋回可能に支持されて、別個のバネ要素によって、ハウジング１に挿入された相補的プラグコネクタのロック構造に進入して係合する位置に付勢されることもできよう。

本発明によるプラグコネクタは、２つの同種のプラグコネクタ、好ましくはケーブルコネクタのためのカップリングとしての実施形態において、第１の挿入口とは反対側に、別のプラグコネクタのための第２の反対向きの挿入口を有することができる。この挿入口も、これまでに説明した構成形態のロック機構を装備されている。これにより、この種のカップリングに対しても、可能な限り短い全長を達成できる。

図３に明らかに見られるように、プラグソケット又はシャーシソケットの形態のプラグコネクタのハウジング１は、後部カバー２１までの内側の長さを有する。この内側の長さは、ロックアーム２５の後端、若しくは作動要素２６が完全に後方に移動した最大能動位置におけるその後端に一致する。これにより、著しく短いハウジング１、ひいては挿入方向の奥行が非常に小さいプラグソケットを実現することが可能である。このことは、特に図１～図３に例示する実施形態に当てはまる。この実施形態では、ハウジング１の背面側に挿入口２４を備えた別のプラグソケットが配置されており、その挿入軸線Ｎは、ハウジング１の長手方向中心軸線Ｍに対して横断方向に、若しくは第１の挿入口２の挿入軸線に対して横断方向に向けられている。

受動位置にある作動要素２６は、図示の例では接点支持体１５及び／又はハウジング１と協働する停止要素３５によって、挿入口２に向かって更に前方へ移動しないようにされている。好適には、この停止要素３５は、打抜き加工された舌片で、作動要素２６の長手方向に延び、前部、即ち挿入口２に近い位置で作動要素２６の中央部の平面から上方へ持ち上げられている。停止要素３５と、作動要素２６の平坦な又はわずかに湾曲した中央部分との間には切込み部３６が設けられている。

同様に、作動要素２６の有利な実施形態によれば、作動要素２６の平坦な若しくはわずかに湾曲した中央部と作動部３２との間に、別の切込み部３７を設けることもできる。しかしまた、作動部３２も停止要素３５も切込み部３６、３７なしで、例えば打抜き切断によって作動要素２６から製作工することもできる。

実施例は可能な実施形態を示すものであり、この箇所で注記しておくと、本発明は特別に図示された実施態様に限定されるものではなく、むしろ個々の実施態様を互いに様々に組み合わせることも可能であり、この変形可能性は本発明による技術的行為に関する教示に基づき当該技術分野に従事する当業者の能力の範囲内にある。

１ ハウジング
２ 挿入口
３ 接続フランジ
４ 切欠き部
５ フランジプレート
６ 挿入口
７ 組付け孔
８ シーリング
９ 切抜き部
１０ シールリップ
１１ 貫通孔
１２ 接続ストリップ
１３ 密閉栓
１４ グリップタブ
１５ 接点支持体
１６ アース接点
１７ 接点要素
１８ 接点セット
１９ 絶縁体
２０ 接点要素
２１ ハウジングキャップ
２２ 連通孔
２３ カバー
２４ 挿入口
２５ ロックアーム
２６ 作動要素
２７ 切欠き部
２８ ドーム
２９ 操作タブ
３０ 凹部
３１ ロック突起
３２ 作動部
３３ 傾斜面
３４ 面取り部
３５ 停止要素
３６ 切込み部
３７ 切込み部
３８ 挿入部
３９ ラグ
４０ ストッパ
Ｍ 長手方向中心軸線
Ｏ 曲げ軸線
Ｋ ケーブルコネクタ
Ｐ 受動位置
Ａ 能動位置

実施例は可能な実施形態を示すものであり、この箇所で注記しておくと、本発明は特別に図示された実施態様に限定されるものではなく、むしろ個々の実施態様を互いに様々に組み合わせることも可能であり、この変形可能性は本発明による技術的行為に関する教示に基づき当該技術分野に従事する当業者の能力の範囲内にある。
〔構成１〕
相補的プラグコネクタ、特にケーブルプラグと、前記相補的プラグコネクタを挿入軸線方向に挿入できる第１の挿入口（２）が形成されているハウジング（１）と、
少なくとも１つの接点支持体（１５）と、
前記接点支持体（１５）に保持されている少なくとも１つの電気接点要素（１７）と、
前記相補的プラグコネクタのためのロック機構（２５、２６）と、を備えた、電気プラグ接続を行うための電気プラグコネクタ、特にシャーシソケットであって、
それぞれ少なくとも１つの第１のロック構造（３１）、特にロック突起を備えた、少なくとも１つの弾性的に変位可能若しくは移動可能なロックアーム（２５）と、
第１のロック構造（３１）は、前記相補的プラグコネクタが完全に挿入された状態で前記相補的プラグコネクタの第２の相補的ロック構造に突入連結し、受動位置（Ｐ）から前記挿入軸線に対して平行に能動位置（Ａ）へ手動で移動可能な少なくとも１つの作動要素（２６）と、
前記能動位置（Ａ）で前記ロックアーム（２５）に作用してそのロック構造（３１）を前記相補的ロック構造との係合から外れた状態に保持する、前記作動要素（２６）に設けた少なくとも１つの作動部（３２）、作動突起と、
前記作動部（３２）が前記能動位置（Ａ）で係合する、前記ロックアーム（２５）に設けた少なくとも１つのロック解除面（３３）、傾斜面と、を有するものにおいて、
前記作動部（３２）は、少なくとも１つの舌片によって形成されており、前記舌片は前記作動要素（２６）の長手方向軸線及び／又は前記挿入軸線（Ｍ）に対して平行に向けられた曲げ軸線（Ｏ）を中心に曲げられて、前記作動要素（２６）の最も外側の後端に配置され、前記作動要素（２６）のどの部分もそれより後方に突き出ず、前記作動要素（２６）の後端面を形成していることを特徴とするプラグコネクタ。
〔構成２〕
前記作動部（３２）は、その背面側に面取り部（３４）を有することを特徴とする、構成１に記載のプラグコネクタ。
〔構成３〕
前記ロックアーム（２５）の後部に前記ロック解除面（３３）が配置されていることを特徴とする、構成１又は２に記載のプラグコネクタ。
〔構成４〕
前記ロックアーム（２５）及び／又は前記作動要素（２６）のどの部分も、前記ロック解除面（３３）より後方に越え出ていないようになっていることを特徴とする、構成３に記載のプラグコネクタ。
〔構成５〕
前記作動要素（２６）は、前記接点支持体（３０）の凹部（３０）内に前記挿入軸線に対して平行に移動可能に支持されていることを特徴とする、構成１から４のいずれかに記載のプラグコネクタ。
〔構成６〕
前記作動要素（２６）は、断面拡大部を有し、及び／又は前記ハウジング（１）には前記作動要素（２６）の前記受動位置（Ｐ）から前記能動位置（Ａ）への移動経路に相応の断面縮小部が配置されており、それによって前記作動要素（２６）の前記受動位置（Ｐ）から前記能動位置（Ａ）に至る作動距離（ｄｂ）が制限されて、前記作動部（３２）の前記受動位置（Ｐ）における位置から前記ロックアーム（２５）の後方限界を越えるまでの距離（ｄｖ）よりも小さいことを特徴とする、構成１から５のいずれかに記載のプラグコネクタ。
〔構成７〕
第１の挿入口（２）とは反対側にカバー（２３）と、別のプラグコネクタのための第２の反対向きの挿入口（２４）が配置されていて、同様にロック機構、特に構成１から６のいずれかに記載のロック機構が装備されていることを特徴とする、構成１から６のいずれかに記載のプラグコネクタ。
〔構成８〕
前記ハウジング（１）の内側の長さが、前記挿入軸線に対して平行な前記ロックアーム（２５）の長さと等しいことを特徴とする、構成１から７のいずれかに記載のプラグコネクタ。
〔構成９〕
前記第２の挿入口（２４）の前記挿入軸線（Ｎ）は、前記第１の挿入口（２）の前記挿入軸線に対して横断方向に向けられていることを特徴とする、構成８に記載のプラグコネクタ。
〔構成１０〕
前記ハウジング（１）及び／又は前記接点支持体（１５）に少なくとも１つの導電性の構成要素（１６）が固定されており、前記構成要素（１６）は前記カバー（２３）まで延びて、これと機械的に、導電的にも接続されていることを特徴とする、構成７から９の１つに記載のプラグコネクタ。
〔構成１１〕
前記挿入口（２、２４）の少なくとも１つとそれらの前記接点支持体及び電気接点要素（１７、２０）は、データプラグ、ＲＪ４５プラグと接続するために設計されていることを特徴とする、構成１から１０のいずれかに記載のプラグコネクタ。

Claims (11)

1. 相補的プラグコネクタ、特にケーブルプラグと、前記相補的プラグコネクタを挿入軸線方向に挿入できる第１の挿入口（２）が形成されているハウジング（１）と、
   少なくとも１つの接点支持体（１５）と、
   前記接点支持体（１５）に保持されている少なくとも１つの電気接点要素（１７）と、
   前記相補的プラグコネクタのためのロック機構（２５、２６）と、を備えた、電気プラグ接続を行うための電気プラグコネクタ、特にシャーシソケットであって、
   それぞれ少なくとも１つの第１のロック構造（３１）、特にロック突起を備えた、少なくとも１つの弾性的に変位可能若しくは移動可能なロックアーム（２５）と、
   第１のロック構造（３１）は、前記相補的プラグコネクタが完全に挿入された状態で前記相補的プラグコネクタの第２の相補的ロック構造に突入連結し、受動位置（Ｐ）から前記挿入軸線に対して平行に能動位置（Ａ）へ手動で移動可能な少なくとも１つの作動要素（２６）と、
   前記能動位置（Ａ）で前記ロックアーム（２５）に作用してそのロック構造（３１）を前記相補的ロック構造との係合から外れた状態に保持する、前記作動要素（２６）に設けた少なくとも１つの作動部（３２）、作動突起と、
   前記作動部（３２）が前記能動位置（Ａ）で係合する、前記ロックアーム（２５）に設けた少なくとも１つのロック解除面（３３）、傾斜面と、を有するものにおいて、
   前記作動部（３２）は、少なくとも１つの舌片によって形成されており、前記舌片は前記作動要素（２６）の長手方向軸線及び／又は前記挿入軸線（Ｍ）に対して平行に向けられた曲げ軸線（Ｏ）を中心に曲げられて、前記作動要素（２６）の最も外側の後端に配置され、前記作動要素（２６）のどの部分もそれより後方に突き出ず、前記作動要素（２６）の後端面を形成していることを特徴とするプラグコネクタ。
2. 前記作動部（３２）は、その背面側に面取り部（３４）を有することを特徴とする、請求項１に記載のプラグコネクタ。
3. 前記ロックアーム（２５）の後部に前記ロック解除面（３３）が配置されていることを特徴とする、請求項１又は２に記載のプラグコネクタ。
4. 前記ロックアーム（２５）及び／又は前記作動要素（２６）のどの部分も、前記ロック解除面（３３）より後方に越え出ていないようになっていることを特徴とする、請求項３に記載のプラグコネクタ。
5. 前記作動要素（２６）は、前記接点支持体（３０）の凹部（３０）内に前記挿入軸線に対して平行に移動可能に支持されていることを特徴とする、請求項１から４のいずれか１項に記載のプラグコネクタ。
6. 前記作動要素（２６）は、断面拡大部を有し、及び／又は前記ハウジング（１）には前記作動要素（２６）の前記受動位置（Ｐ）から前記能動位置（Ａ）への移動経路に相応の断面縮小部が配置されており、それによって前記作動要素（２６）の前記受動位置（Ｐ）から前記能動位置（Ａ）に至る作動距離（ｄｂ）が制限されて、前記作動部（３２）の前記受動位置（Ｐ）における位置から前記ロックアーム（２５）の後方限界を越えるまでの距離（ｄｖ）よりも小さいことを特徴とする、請求項１から５のいずれか１項に記載のプラグコネクタ。
7. 第１の挿入口（２）とは反対側にカバー（２３）と、別のプラグコネクタのための第２の反対向きの挿入口（２４）が配置されていて、同様にロック機構、特に請求項１から６のいずれか1項に記載のロック機構が装備されていることを特徴とする、請求項１から６のいずれか１項に記載のプラグコネクタ。
8. 前記ハウジング（１）の内側の長さが、前記挿入軸線に対して平行な前記ロックアーム（２５）の長さと等しいことを特徴とする、請求項１から７のいずれか１項に記載のプラグコネクタ。
9. 前記第２の挿入口（２４）の前記挿入軸線（Ｎ）は、前記第１の挿入口（２）の前記挿入軸線に対して横断方向に向けられていることを特徴とする、請求項８に記載のプラグコネクタ。
10. 前記ハウジング（１）及び／又は前記接点支持体（１５）に少なくとも１つの導電性の構成要素（１６）が固定されており、前記構成要素（１６）は前記カバー（２３）まで延びて、これと機械的に、導電的にも接続されていることを特徴とする、請求項７から９の１つに記載のプラグコネクタ。
11. 前記挿入口（２、２４）の少なくとも１つとそれらの前記接点支持体及び電気接点要素（１７、２０）は、データプラグ、ＲＪ４５プラグと接続するために設計されていることを特徴とする、請求項１から１０のいずれか１項に記載のプラグコネクタ。

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