JP2024513219A - 頸管粘液バリア特性の強化のための膣用避妊組成物 - Google Patents

頸管粘液バリア特性の強化のための膣用避妊組成物 Download PDF

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Abstract

本開示は、1つ以上の有効成分及び生理的に許容されるゲル化剤又は生理的に許容される担体から選択される少なくとも1つの製剤化合物を含む膣用避妊組成物であって、1つ以上の有効成分の少なくとも1つが、粘膜付着性ポリマーであり、前記粘膜付着性ポリマーが、90,000Da~350,000Daの分子量を有し、前記粘膜付着性ポリマーが、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、又はこれらの組合せを介して互いに結合された複数のモノマー単位からなり、前記モノマー単位が、C6糖、アミノ官能化C6糖、アミノ酸、又はこれらの組合せから選択され、モノマー単位の少なくとも50%が、少なくとも1つのアミノ基を含む、膣用避妊組成物に関する。本開示は、さらに、膣用避妊組成物の使用、治療に使用するための膣用避妊組成物、避妊薬又は避妊剤として使用するための膣用避妊組成物及び産児制限又は産児制限治療に使用するための膣用避妊組成物に関する。【選択図】図1

Description

技術分野
本発明は、1つ以上の有効成分及び生理的に許容されるゲル化剤又は生理的に許容される担体から選択される少なくとも1つの製剤化合物を含む膣用避妊組成物であって、1つ以上の有効成分の少なくとも1つが、粘膜付着性ポリマーである、膣用避妊組成物に関する。本発明はまた、治療又は避妊におけるこのような膣用避妊組成物の使用に関する。粘膜付着性ポリマーは、粘液を凝集させずに粘液層を架橋することができる。
背景技術
本明細書における特許文献の引用及び援用は、便宜上行われるに過ぎず、このような特許文献の妥当性、特許性、及び/又は権利行使可能性のいずれの概説も反映しない。
ホルモン避妊薬に不満がある女性が急速に増加しているが、便利(埋め込みなし、使用しやすい、柔軟に使用できる)且つ有効(典型的な使用の場合に90%を超える有効性)である代替法を見出すことができない。実際に、欧州及び米国における1億2500万組のカップルが、産児制限を使用しており、ホルモン避妊薬(ピル、パッチ、インプラント、リングなど)が、群を抜いて最も多く使用されている産児制限方法である。しかしながら、ホルモンによって引き起こされる副作用への意識の高まりが、避妊薬の市場に強い影響を与えている。現在、ホルモン避妊薬の副作用についての確かな証拠がある。50万~180万人の女性を含む3つの研究は、ホルモン避妊薬の使用が、抗うつ薬を摂取する女性の割合を23%増加させ、ティーンエイジャーではその割合はほぼ2倍になり(Charlotte Wessel Skovlund,Lina Steinrud Morch,Lars Vedel Kessing,and Ojvind Lidegaard. 2016. “Association of Hormonal Contraception With Depression.” JAMA Psychiatry 73(11):1154-62)、自殺未遂の女性の割合を197%増加させ、自殺率を308%増加させ(Charlotte Wessel Skovlund,Lina Steinrud Morch,Lars Vedel Kessing,Theis Lange,and Ojvind Lidegaard. 2017. “Association of Hormonal Contraception With Suicide Attempts and Suicides.” The American Journal of Psychiatry,November)、乳癌を発症するリスクを、1年未満使用される場合に9%増加させ、10年間使用される場合に最大で38%増加させる(Lina S. Morch, Charlotte W. Skovlund,Philip C. Hannaford,Lisa Iversen,Shona Fielding,and Ojvind Lidegaard. 2017. “Contemporary Hormonal Contraception and the Risk of Breast Cancer.” The New England Journal of Medicine 377(23):2228-39)ことを示す。多くの女性は、ホルモン避妊をやめることを望んでいるが、好適な代替法を見出すことができない。現行の代替法は、不便(コンドーム、ペッサリー)又は侵襲的(銅及びホルモン溶出インプラント)のいずれかであり、実際の使用の場合に有効性が低いことがある(例えばコンドームは、平均して85%有効であるに過ぎない)。
肺、消化管、及び女性生殖管を含め、ヒトの体内に隠された400平方メートル超の上皮表面がある。湿潤した上皮表面は、脱水、せん断応力、及び感染からの保護のために粘液ゲルに依存している。水のほか、粘液は、主に、タンパク質、脂質、及び塩と混合されたムチンバイオポリマーを含有する。ムチンは、分子の分子量の最大で50%を占め得るオリゴ糖と密にコンジュゲートされた伸長した中心タンパク質コアからなる大型の糖タンパク質である。ムチンは、保護機能における中心的役割を果たし、サイズ排除及び親和性に基づく選択フィルタとして働くバリアを生成し、多くの有害な分子が上皮表面に到達するのを防ぐ。
粘膜付着性ポリマーは、それらの付着特性のため、薬物送達に使用されている。例えば、それらは、薬物を炎症部位に送達するのに使用されている。
粘膜付着性ポリマーは、典型的に、薬物と一緒に、材料又はゲルへと組み立てられ、これは、薬物を、粘液層の表面に集め、薬物送達を改善することを意図している。
国際公開第2004069230号は、生理的に活性な薬剤、すなわち薬物、及び、組成物からの活性薬剤の放出を長くするように働く持続放出又は粘膜付着性薬剤、例えばキトサンを含有する医薬組成物に関する。
キトサンの別の使用は、女性の避妊における使用である。これの一例は、CN102895256号に見られ、これは、女性の避妊及び殺真菌効果のために好適なキトサンゲル発泡剤及びその調製方法に関し、発泡剤製造の技術分野に属する。本開示によれば、キトサン分子が、ポリアクリル酸とともに固体発泡体マトリックス中に捕捉され、これが、物理的に、精子の通過を防ぐ。さらに、キトサンが、2,000~5,000Daの分子量分布、95%超の脱アセチル化度、5~10重量%の濃度を有する一方、ポリアクリル酸は、1~3重量%の濃度である。
女性の避妊のためのキトサンの別の例は、国際公開第2018185321号に見られ、これは、粘液を凝集させずに粘液層を架橋することができる、粘膜付着性ポリマー、より特定的にキトサンに関する。キトサンは、4~20個のモノマー単位及び50%超の脱アセチル化度からなる。
第3の例は、米国特許第4474769号に見られ、これは、キトサン製剤を、長期間にわたって女性の子宮腔内に直接注入して、哺乳動物精子を殺滅又は不活性化するための方法に関する。
粘膜付着性分子が、粘膜組織の緊密性(tightness)及び増粘(thickening)を促進するか又はバリア機能を強化することが知られているが、使用は、粘膜付着性ポリマー及び粘液浸透性ナノ粒子が、粘液を架橋し、凝集させて、高度に膨張した相互浸透ポリマー網目構造の形成をもたらすことが示されている。したがって、粘液の凝集は、粘液内の細孔の開口をもたらし、粘液のバリア特性を弱める。したがって、凝集なしで粘液を架橋する改善を示す組成物に対する、当該技術分野における必要性が依然としてある。
したがって、本発明の目的は、粘液を凝集させずに、又は当該技術分野における先行する組成物と比較してより少ない程度の凝集で、女性の子宮頸部入口、すなわち、子宮頚膣部の粘液層を架橋することができる粘膜付着性ポリマーを提供することである。子宮頚膣部は、子宮頸部の外部の保護粘膜である。好ましくは、粘膜付着性ポリマーはまた、子宮頸管の粘膜である子宮頚内膜において女性の子宮頸部入口の粘液層を架橋し得る。架橋は、運動精子が粘液層を通って移動するのを防ぐのに十分なものであるべきである。
本発明の別の目的は、細胞及び微生物、例えば、細菌、ウイルス、及び/又は精子が、架橋された粘液に侵入し、粘膜内に拡散するのを防ぐためのより信頼性の高いバリア効果を提供する粘膜付着性ポリマーを提供することである。
本発明のさらに別の目的は、妊娠及び/又は性感染症(STI)を防ぐのに十分なバリア効果を提供する粘膜付着性ポリマーを提供することである。
概要
ここで、非侵襲的で、使用しやすく、有効な、ホルモン避妊の代替法を提供する新たに開発された技術が、発見された。この手法は、膣と子宮との間の身体の天然のバリアである頸管粘液を、精子細胞に対して一時的に不透過性にすることに依拠する。頸管粘液は、女性を感染症から保護し、主に、その月を通して異物細胞に対して不透過性である。しかしながら、排卵日前後に、ホルモンの変化が、粘液を緩くし、その後、精子細胞に対して非常に透過性になる。頸管粘液への粘膜付着性(バイオ)ポリマーの送達が、粘液ゲルの微細構造を変化させ、それによって、身体自身の天然のバリアを強化し、受精を防ぎ得ることが見出された。
4~20個のモノマーを含有する低分子量粘膜付着性ポリマー(例えば国際公開第2018185321号又はBiomacromolecules,2018,19,3,872-882を参照)が、前記粘液を架橋することによって粘液バリア特性を強化する理想的な粘膜付着性ポリマーであることが以前に明記された。ポリマーの小さいサイズが、分子を、粘液の内部で有利に拡散させるという見解であった。これは、粘膜付着性ポリマーの、粘膜中への拡散を改善して、粘液を凝集させずに、厚い厚さにわたって粘液層を架橋することを可能にするはずである。それによって、小さい粘膜付着性ポリマー複合体は、網目構造の細孔を塞ぎ、バリア特性を強化するであろう。しかしながら、例えばキトサンによるバリア特性のこのような強化は、ブタ胃粘素及び結腸ムチン細胞株において小さいキトサンサイズについて機能することが示されたが、避妊用組成物としての用途では、標的化する必要がある粘液が、消化管中のムチンと非常に異なっている。排卵時に、頸管粘液は、ゲルを通した精子の通過を可能にするように緩くなる。胃粘液又は結腸粘液と比較して、ムチン含量は減少され、全体的な粘液構造及び組成が、非常に異なる。したがって、粘液層が、粘液を凝集させずに、運動精子が粘液層を通って移動するのを十分に防ぐほど十分に架橋されることが非常に重要である。
粘液の凝集は、ムチンポリマーが、粘膜付着性ポリマーの周りで凝縮するときに起こる。この結果は、非常に密なムチンポリマー凝集体の領域の生成及び非常に目の粗い及び非常に緩いムチン網目構造の領域の生成である。これらの目の粗い領域は、精子を通過させ得る。
したがって、本発明は、1つ以上の有効成分及び生理的に許容されるゲル化剤又は生理的に許容される担体から選択される少なくとも1つの製剤化合物を含む膣用避妊組成物であって、1つ以上の有効成分の少なくとも1つが、粘膜付着性ポリマーであり、前記粘膜付着性ポリマーが、90,000Da~350,000Daの分子量を有し、前記粘膜付着性ポリマーが、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、又はこれらの組合せを介して互いに結合された複数のモノマー単位からなり、前記モノマー単位が、C6糖、アミノ官能化C6糖、アミノ酸、又はこれらの組合せから選択され、モノマー単位の少なくとも50%が、少なくとも1つのアミノ基を含む、膣用避妊組成物に関する。
胃粘液及び結腸粘液について上述される4~20個のモノマーの粘膜付着性ポリマーによる治療が、実際に、排卵粘液中の粘液バリアの有効な強化に好適でないことが示されることが、本明細書に開示される。少なくとも90,000Daのより大きな粘膜付着性ポリマーが、例えば粘液バリアに侵入しようとする精子細胞に対するバリアを形成する際にはるかに有効であることが示される。
本明細書に開示される組成物は、例えば膣用ゲル中で製剤化される場合、子宮頸部に効率的に送達され得る。ゲルの成分は、立体障害効果によって又は粘膜付着性ポリマー及びゲルと凝集体を形成する分子間相互作用によって、ゲルから粘液中への粘膜付着性ポリマーの拡散を防ぐことができ、例えば、粘膜付着性ポリマーが、ゲル化剤として典型的に使用されるカルボキシメチルセルロース(CMC)ベースの賦形剤軟質ゲルとして提供される場合、この成分は、例えば、粘膜付着性ポリマーとして使用される場合、キトサンと強く相互作用する。少なくとも2つの異なるタイプのゲル化剤が、女性の排卵頸管粘液中への粘膜付着性ポリマーの浸透及び/又は架橋結合を防がず、粘膜付着性ポリマーによって得られるバリア強化効果を妨げずに、天然及び正荷電で、膣用製剤に好適である。ゲル化剤は、粘膜付着性ポリマーとの強い相互作用を避けるために、天然又は正荷電のいずれかである必要がある。別の例では、粘膜付着性ポリマーが、チオール基を介して粘液と相互作用する場合、賦形剤は、チオール基を含有してはならない。或いは、有効成分は、例えばより高い濃度を使用する場合、製剤の粘度を増加させるようにも機能し得、この場合には、製剤は、ゲル化剤を含まなくてもよく、その代わりに、全ての有効成分を溶解させ、適切な濃度を提供するのを助けるために、生理的に許容される担体を用いるだけでよい。さらに、組成物は、膣用ゲルの形態である必要がなく、例えば膣用フィルム、錠剤、又は油性製剤で提供され得る。
本発明は、避妊剤としての膣用避妊組成物の使用であって、前記膣用避妊組成物が、1つ以上の有効成分及び生理的に許容されるゲル化剤又は生理的に許容される担体から選択される少なくとも1つの製剤化合物を含み、1つ以上の有効成分の少なくとも1つが、粘膜付着性ポリマーであり、前記粘膜付着性ポリマーが、90,000Da~350,000Daの分子量を有し、前記粘膜付着性ポリマーが、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、又はこれらの組合せを介して互いに結合された複数のモノマー単位からなり、前記モノマー単位が、C6糖、アミノ官能化C6糖、アミノ酸、又はこれらの組合せから選択され、モノマー単位の少なくとも50%が、少なくとも1つのアミノ基を含む、使用にさらに関する。
本発明はまた、治療に使用するための膣用避妊組成物であって、膣用避妊組成物が、1つ以上の有効成分及び生理的に許容されるゲル化剤又は生理的に許容される担体から選択される少なくとも1つの製剤化合物を含み、1つ以上の有効成分の少なくとも1つが、粘膜付着性ポリマーであり、前記粘膜付着性ポリマーが、90,000Da~350,000Daの分子量を有し、前記粘膜付着性ポリマーが、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、又はこれらの組合せを介して互いに結合された複数のモノマー単位からなり、前記モノマー単位が、C6糖、アミノ官能化C6糖、アミノ酸、又はこれらの組合せから選択され、モノマー単位の少なくとも50%が、少なくとも1つのアミノ基を含む、膣用避妊組成物に関する。
さらに、本発明は、避妊薬又は避妊剤として使用するための膣用避妊組成物であって、膣用避妊組成物が、1つ以上の有効成分及び生理的に許容されるゲル化剤又は生理的に許容される担体から選択される少なくとも1つの製剤化合物を含み、1つ以上の有効成分の少なくとも1つが、粘膜付着性ポリマーであり、前記粘膜付着性ポリマーが、90,000Da~350,000Daの分子量を有し、前記粘膜付着性ポリマーが、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、又はこれらの組合せを介して互いに結合された複数のモノマー単位からなり、前記モノマー単位が、C6糖、アミノ官能化C6糖、アミノ酸、又はこれらの組合せから選択され、モノマー単位の少なくとも50%が、少なくとも1つのアミノ基を含む、膣用避妊組成物に関する。
本発明は、産児制限又は産児制限治療に使用するための膣用避妊組成物であって、膣用避妊組成物が、1つ以上の有効成分及び生理的に許容されるゲル化剤又は生理的に許容される担体から選択される少なくとも1つの製剤化合物を含み、1つ以上の有効成分の少なくとも1つが、粘膜付着性ポリマーであり、前記粘膜付着性ポリマーが、90,000Da~350,000Daの分子量を有し、前記粘膜付着性ポリマーが、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、又はこれらの組合せを介して互いに結合された複数のモノマー単位からなり、前記モノマー単位が、C6糖、アミノ官能化C6糖、アミノ酸、又はこれらの組合せから選択され、モノマー単位の少なくとも50%が、少なくとも1つのアミノ基を含む、膣用避妊組成物にさらに関する。
最後に、本発明は、治療の方法、妊娠を避ける方法、避妊の方法、及び/又は産児制限若しくは産児制限治療の方法であって、1つ以上の有効成分及び生理的に許容されるゲル化剤又は生理的に許容される担体から選択される少なくとも1つの製剤化合物を含む膣用避妊組成物を使用する工程を含み、1つ以上の有効成分の少なくとも1つが、粘膜付着性ポリマーであり、前記粘膜付着性ポリマーが、90,000Da~350,000Daの分子量を有し、前記粘膜付着性ポリマーが、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、又はこれらの組合せを介して互いに結合された複数のモノマー単位からなり、前記モノマー単位が、C6糖、アミノ官能化C6糖、アミノ酸、又はこれらの組合せから選択され、モノマー単位の少なくとも50%が、少なくとも1つのアミノ基を含む、方法に関する。
図面の簡単な説明
ヒト子宮頸部排卵粘液を通した精子侵入。粘液は、非処理(w/o)であるか、100mMの乳酸溶液(LAC)で処理されたか、又は100mMの乳酸溶液に溶解された、95/50として指定され、102.3kDaの分子量を有するキトサンで処理された。 ヒト子宮頸部排卵粘液を通した精子侵入。粘液は、非処理(w/o)であるか、100mMの乳酸溶液(LAC)で処理されたか、又は100mMの乳酸溶液に溶解された、95/100として指定され、150.0kDaの分子量を有するキトサンで処理された。 ヒト子宮頸部排卵粘液を通した精子侵入。粘液は、非処理(w/o)であるか、100mMの乳酸溶液(LAC)で処理されたか、又は100mMの乳酸溶液に溶解された、95/100_2として指定され、175.6kDaの分子量を有するキトサンで処理された。 ヒト子宮頸部排卵粘液を通した精子侵入。粘液は、非処理(w/o)であるか、32.5mMの乳酸溶液(LAC)で処理されたか、又は32.5mMの乳酸溶液に溶解された、Z43として指定され、251.8kDaの分子量を有するキトサンで処理された。 ヒト子宮頸部排卵粘液を通した精子侵入。粘液は、非処理(w/o)であるか、100mMの乳酸溶液(LAC)で処理されたか、又は100mMの乳酸溶液に溶解された、95/1000として指定され、290.9kDaの分子量を有するキトサンで処理された。 ヒト子宮頸部排卵粘液を通した精子侵入。粘液は、非処理(w/o)であるか、32.5mMの乳酸溶液(LAC)で処理されたか、又は32.5mMの乳酸溶液に溶解された、Z47として指定され、315.9kDaの分子量を有するキトサンで処理された。 95/50キトサン(102.3kDa)、CsH(131.8kDa)を含有するか、又はキトサンを含有しない製剤の投与後の、雌羊の遠位子宮頸部中の精子数(A)又は雌羊の子宮中の精子数(B)。投与の後、蛍光標識された雄羊の精子による人工授精、続いて、蛍光内視顕微鏡検査による精子の検出及び計数が行われた。 95/50キトサン(102.3kDa)、CsH(131.8kDa)を含有するか、又はキトサンを含有しない製剤の投与後の、雌羊の遠位子宮頸部中の精子数(A)又は雌羊の子宮中の精子数(B)。投与の後、蛍光標識された雄羊の精子による人工授精、続いて、蛍光内視顕微鏡検査による精子の検出及び計数が行われた。 ヒト子宮頸部排卵粘液を通した精子侵入。粘液は、非処理(w/o)であるか、32.5mMの乳酸溶液(LAC)で処理されたか、又は32.5mMの乳酸溶液に溶解された、PLLとして指定され、290.6kDaの分子量を有するポリ-L-リジンで処理された。 子宮頸部排卵粘液を通した精子侵入:水(HO)のみ(A)、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)(B)、又は100mMの乳酸(LAC)(C)を含有するpH5.5溶液中の0.5%(w/v)COキトサン。 子宮頸部排卵粘液を通した精子侵入:水(HO)のみ(A)、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)(B)、又は100mMの乳酸(LAC)(C)を含有するpH5.5溶液中の0.5%(w/v)COキトサン。 子宮頸部排卵粘液を通した精子侵入:水(HO)のみ(A)、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)(B)、又は100mMの乳酸(LAC)(C)を含有するpH5.5溶液中の0.5%(w/v)COキトサン。 ヒト子宮頸部排卵粘液を通した精子侵入(A-7.1kDa及びB-18.9kDa)。(A)粘液は、非処理(w/o)であるか、100mMの乳酸溶液(LAC)で処理されたか、又は100mMの乳酸溶液に溶解された真菌ベースのキトサンで処理された。(B)粘液は、非処理(w/o)であるか、32.5mMの乳酸溶液(LAC)で処理されたか、又は32.5mMの乳酸溶液に溶解された真菌ベースのキトサンで処理された。使用されるキトサンのモル質量が、グラフの左側に示される。 ヒト子宮頸部排卵粘液を通した精子侵入(A-7.1kDa及びB-18.9kDa)。(A)粘液は、非処理(w/o)であるか、100mMの乳酸溶液(LAC)で処理されたか、又は100mMの乳酸溶液に溶解された真菌ベースのキトサンで処理された。(B)粘液は、非処理(w/o)であるか、32.5mMの乳酸溶液(LAC)で処理されたか、又は32.5mMの乳酸溶液に溶解された真菌ベースのキトサンで処理された。使用されるキトサンのモル質量が、グラフの左側に示される。
詳細な説明
1つ又は複数の要素に関連した「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、又は「含有する(containing)」などの用語を用いた、本発明のいずれかの態様又は実施形態の本明細書における説明は、特に記載しない限り又は文脈上明白に矛盾しない限り、その特定の1つ又は複数の要素「からなる(consists of)」、「から本質的になる(consists essentially of)」、又はそれを「実質的に含む(substantially comprises)」本発明の同様の態様又は実施形態に対する裏付けを提供することが意図され、例えば、特定の要素を含む本明細書に記載される組成物は、特に記載しない限り又は文脈上明白に矛盾しない限り、その要素からなる組成物も記載するものと理解されるべきである。「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」及び/又は「含む(including)」という用語は、本明細書において使用される際、記載される特徴、整数、工程、操作、要素、及び/又は成分の存在を規定するが、1つ以上の他の特徴、整数、工程、操作、要素、成分、及び/又はその群の存在又は追加を除外しないことがさらに理解されるであろう。
特に定義されない限り、本明細書において使用される全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、本発明が関連する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書において定義されるものなどの用語が、関連技術の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、本明細書において定義されるように表されない限り、理想的な又は過度に形式的な意味で解釈されないことが、さらに理解されるであろう。
本明細書において使用される際、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上特に明記されない限り、「少なくとも1つ」を含め、複数形を含むことが意図される。「少なくとも1つ」は、「a」又は「an」を限定するものと解釈されるべきではない。
本明細書において提供されるあらゆる例、又は例示的な用語(例えば、「など」)の使用は、本発明をよりよく例示することが意図されるに過ぎず、特に権利請求されていない限り、本発明の範囲に限定を課すものではない。本明細書におけるいかなる用語も、権利請求されていない要素を本発明の実施に不可欠であると示すものと解釈されるべきではない。
以下の実施形態、態様、及び定義を説明する際、本発明は、開示される態様と組み合わされた全ての開示される実施形態及び定義を想定している。さらに、全ての可能な実施形態の組合せ及び変更は、明確に記載されていない。それにもかかわらず、特定の手段が、互いに異なる従属請求項に記載されるか、又は異なる実施形態に記載されるという事実だけで、これらの手段の組合せが、利益をもたらすように使用することができないことを示すものではない。本発明は、記載される実施形態の全ての可能な組合せ及び変更を想定している。
本発明の第1の態様に開示されるのは、1つ以上の有効成分及び生理的に許容されるゲル化剤又は生理的に許容される担体から選択される少なくとも1つの製剤化合物を含む膣用避妊組成物であって、1つ以上の有効成分の少なくとも1つが、粘膜付着性ポリマーであり、前記粘膜付着性ポリマーが、90,000Da~350,000Daの分子量を有し、前記粘膜付着性ポリマーが、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、又はこれらの組合せを介して互いに結合された複数のモノマー単位からなり、前記モノマー単位が、C6糖、アミノ官能化C6糖、アミノ酸、又はこれらの組合せから選択され、モノマー単位の少なくとも50%が、少なくとも1つのアミノ基を含む、膣用避妊組成物である。
本発明の第2の態様に開示されるのは、避妊剤としての膣用避妊組成物の使用であって、前記膣用避妊組成物が、1つ以上の有効成分及び生理的に許容されるゲル化剤又は生理的に許容される担体から選択される少なくとも1つの製剤化合物を含み、1つ以上の有効成分の少なくとも1つが、粘膜付着性ポリマーであり、前記粘膜付着性ポリマーが、90,000Da~350,000Daの分子量を有し、前記粘膜付着性ポリマーが、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、又はこれらの組合せを介して互いに結合された複数のモノマー単位からなり、前記モノマー単位が、C6糖、アミノ官能化C6糖、アミノ酸、又はこれらの組合せから選択され、モノマー単位の少なくとも50%が、少なくとも1つのアミノ基を含む、使用である。
本発明の第3、第4、及び第5の態様に開示されるのは、治療に使用するため、避妊薬又は避妊剤として使用するため、及び産児制限又は産児制限治療において使用するための膣用避妊組成物であって、膣用避妊組成物が、1つ以上の有効成分及び生理的に許容されるゲル化剤又は生理的に許容される担体から選択される少なくとも1つの製剤化合物を含み、1つ以上の有効成分の少なくとも1つが、粘膜付着性ポリマーであり、前記粘膜付着性ポリマーが、90,000Da~350,000Daの分子量を有し、前記粘膜付着性ポリマーが、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、又はこれらの組合せを介して互いに結合された複数のモノマー単位からなり、前記モノマー単位が、C6糖、アミノ官能化C6糖、アミノ酸、又はこれらの組合せから選択され、モノマー単位の少なくとも50%が、少なくとも1つのアミノ基を含む、膣用避妊組成物である。
本発明の第6、第7、第8、及び第9の態様に開示されるのは、治療の方法、妊娠を避ける方法、避妊の方法、及び産児制限若しくは産児制限治療の方法であって、1つ以上の有効成分及び生理的に許容されるゲル化剤又は生理的に許容される担体から選択される少なくとも1つの製剤化合物を含む膣用避妊組成物を使用する工程を含み、1つ以上の有効成分の少なくとも1つが、粘膜付着性ポリマーであり、前記粘膜付着性ポリマーが、90,000Da~350,000Daの分子量を有し、前記粘膜付着性ポリマーが、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、又はこれらの組合せを介して互いに結合された複数のモノマー単位からなり、前記モノマー単位が、C6糖、アミノ官能化C6糖、アミノ酸、又はこれらの組合せから選択され、モノマー単位の少なくとも50%が、少なくとも1つのアミノ基を含む、方法である。
本明細書に開示される際、避妊用組成物は、精子が卵子又は卵に到達するのを防ぎ、性感染症から保護するのにさらに役立ち得るバリア方法によって、卵細胞及び精子細胞を引き離しておくことによって、女性が妊娠するのを防ぐ組成物である。子宮頚膣部及び子宮頚内膜にバリアを生成し、それによって、膣(又は膣管)内に精子細胞を保持することによって、精子が卵子又は卵に到達するのが防がれる。したがって、精子細胞は、子宮頸部を通して子宮に入り、それによってファローピウス管(又は卵管)に入って、卵に到達する機会を有さないであろう。精子細胞は、その代わりに、膣内で酸性の流体によって殺滅されてしまうか、又は「逆流」中に失われる。
本明細書に開示される際、有効成分は、避妊能力を提供する、すなわち、精子が卵子又は卵に到達するのを防ぐことによって、女性が妊娠するのを防ぐ、避妊用組成物中の1つ以上の化合物である。
粘膜付着性ポリマーは、粘膜付着を示すポリマーである。粘膜付着は、生体材料と粘液又は粘膜との間の引力などの、2つの生体材料を結び付ける界面張力として本明細書に記載される。したがって、粘膜付着性ポリマーとは、粘液又は粘膜に対する引力を有するポリマーを意味する。
粘液は、全ての上皮表面の保護カバーであり、これは、上皮層の潤いを保ち、微生物が上皮に侵入するのを防ぐ。粘液は微生物を捕捉し、それらの遠位の輸送を促進するため、天然の保護効果が達成される。粘膜付着性ポリマーによって達成されるバリア効果に言及する際、それは、ポリマーの架橋による粘液の強化である。強化されたバリアの効果は、拡散を停止させる架橋された粘液の緊密性、及び粘液が複合体化された粘膜付着性ポリマーによってどのくらい長く強化されるかに基づく。後者は、架橋されたポリマーを含む粘液を除去する、粘膜から細胞によって分泌される粘液の天然のターンオーバーによって決定される。
子宮頸部の粘膜における粘液層は、月経周期の4つの段階に応じてレオロジー特性が異なる。排卵時に、頸管粘液は、ゲルを通した精子の通過を可能にするほど緩く、したがって、粘液の孔径も増加されるであろう。バリア層の厚さは、精子などの比較的大きい細胞に対して不透過性であるように調整され得るが、それはまた、細菌、ウイルス、又は微生物若しくは病原体に対して不透過性であることが必要とされ得る、さらに緊密なバリア層へと調整されてもよい。
頸管粘液の増粘が生じ得るという有効なバリアを前提として、頸管粘液バリア特性が、避妊方法として利用され得ることが広く認められている。実際に、レボノルゲストレル子宮内避妊システム(LNG-IUS)及びプロゲスチンのみのミニピルの避妊の主要な機構は、頸管粘液が増粘することによる。本明細書に開示される手法は、バリアの性質によってではなく、バリアを生成する手段によってこれらの手法と異なる:非ホルモン性、非侵襲的であり、副作用のない要求に応じた避妊薬である。
したがって、粘膜付着性ポリマーは、細胞及び微生物、例えば、細菌、ウイルス、及び精子が、架橋された粘液に侵入し、粘膜中に拡散するのを防ぐ、より信頼性の高いバリア効果を提供する。膣用避妊組成物は、最も小さい微生物でさえ侵入するのを防ぎ、それによって、妊娠だけでなく、性感染症(STI)も防ぎ得るほど緊密な架橋された粘液を作製する。
したがって、いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、組成物は、避妊用組成物である。さらに、本発明は、望ましくない副作用を有するホルモン又は化学物質を含まない避妊用組成物を提供する。望ましくない作用は、塞栓、片頭痛、又は月経周期に影響を及ぼすなどの軽度の副作用を含み得る。本発明に係る粘膜付着性ポリマーの有効時間は、粘液のターンオーバーによって決定され、これは、避妊効果が一時的であることを意味する。それはまた、形成されるバリアの厚さによって決定され得る。有効時間及び受胎の影響がなくなった後、避妊は解消される。十分な避妊の時間は、粘液の生物学的ターンオーバー、粘膜付着性ポリマーの濃度、粘膜付着性ポリマーのサイズなどのいくつかの因子によって影響される。避妊効果は、所定の時間、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10時間、1、2、3日間或いは最大で10日間にわたって持続し、これは、精子細胞が子宮頸部に入るのを阻止するのに十分な時間である。精子が子宮頸部に入るのを阻止することによって、膣の酸性環境が、精子の運動性を低下させ、精子を弱めて、卵子を受精させることができないようにする。天然条件下で、精子細胞は、生存するために数分以内に子宮頸部に入る必要がある。完全な避妊効果が、1回の適用から得られ、これは、避妊用組成物の非同期の(non-coherent)使用が、同期の(coherent)使用と同じ保護を提供することを意味する。完全な避妊効果が1回の適用から得られることはまた、頸管粘液の、避妊用組成物との一時的な接触が、頸管粘液との持続した接触と同じ完全な保護を提供し得ることを意味し得る。
粘膜付着性ポリマーのサイズは、分子が粘液の内部で拡散することを可能にする。粘膜中への粘膜付着性ポリマーのこの拡散は、それが、粘液を凝集させずに、運動精子が粘液を通して移動するのを防ぐのに十分に厚い厚さにわたって粘液層を架橋し得るのを可能にする。或いは、粘膜付着性ポリマーのサイズは、それが粘液の細孔内にわずかに拡散するのみであるように非常に大きく、その代わりに、粘液層の外部で架橋されたバリアを形成する。いずれにせよ、粘膜付着性ポリマーは、粘液と複合体を形成し、それによって、網目構造の細孔を塞ぎ、そのバリア特性を強化する。排卵時に、頸管粘液は、ゲルを通した精子の通過を可能にするように緩く、したがって、粘液の孔径も、非排卵粘液と比較して増加されるであろう。したがって、粘膜付着性ポリマーのサイズは、排卵頸管粘液のこの増加した孔径へと調整されるべきである。排卵頸管粘液の増加した孔径のために役立つ粘膜付着性ポリマーのサイズはまた、頸管粘液の孔径が排卵により増加しないとき、有効に働く。
さらに、粘膜付着性ポリマーのサイズは、一般に、より低い分子量でより可溶性であり、より少ない立体障害を有する。粘膜付着性ポリマーが大きい場合、それは、粘液の細孔を通して通過、又は通り抜けできず、したがって、それは、結局、増加した数のムチン分子と相互作用することになり、それによって、ゲルを通して拡散しないが、それが小さ過ぎる場合、それは、ムチン分子と相互作用せずに直ぐに通過し得る。したがって、粘膜付着性ポリマーが粘液の細孔を通して最後まで浸透するのを避けるための、より大きいサイズであるが、大き過ぎないサイズと、対象の粘膜への適切な送達のための高い十分な溶解性を得るためのより小さいサイズとの間で調整が必要とされる。これによって、粘膜付着性ポリマーは、粘膜により効率的に送達され得、これは、ひいてはより強く、有効な架橋を可能にする。
粘膜付着性ポリマーは、一般に、カチオン性であり、モノマーの少なくとも50%が荷電している。モノマー単位は、例えば、物理的pHが正に荷電したアミノ基を含み得る。それはまた、疎水性であり得、例えばモノマーの最大で50%が、疎水性側鎖を有する。粘膜付着性ポリマーのこれらの2つの特徴は、適合する賦形剤を選択する場合、役割を果たし得る。
アミノ基は、化学において、水素原子、アルキル基、アリール基、又はこれら3つの組合せへの単結合によって結合された窒素原子からなる官能基である。アミノ基を含有する有機化合物は、アミンと呼ばれる。アミンは、無機化合物アンモニア、NHの誘導体である。アンモニア中の水素の1つ、2つ、又は3つ全てが、アルキル又はアリール基で置換されるとき、得られる化合物はそれぞれ、第一級、第二級、又は第三級アミンとして知られている。アンモニアのように、アミンは、窒素原子の非共有電子対が、プロトンと配位結合を形成し得るため、弱塩基である。水不溶性アミンは、酸を加えて、その水溶性アミン塩を形成することによって、溶解可能にされ得る。アミノ基は、粘膜付着性ポリマーを塩基性にし、これは、それが含む大量の負荷電分子のため、粘膜へのそれらの結合に有利である。塩基性アミノ基は、特に、より効率的な架橋を提供する。さらに、粘膜付着性ポリマーのモノマーの一部、最大で50%が、疎水性基を含むとき、粘膜付着性ポリマーはまた、粘膜に付着し、その中に拡散して、粘液を凝集させずに粘膜を架橋し得る。本発明に関して、アミノ基は-NHであり、ここで、1つ又は両方の水素原子が、基Rで置換され得、又はアミノ基は、3つのR基を有する第四級アミノ基、すなわち、-Nであり得る。Rは、1つ以上の-OH、-SH、又は-NHで任意に置換されるC1~C4アルキルから選択され得る。2つ以上のRが、同じ窒素原子上に存在する場合、これらは、同じ又は異なるR基であり得る。Rが、4個以下の炭素原子を有する限り、特に、R基の水素原子が、1つ以上の-OH、-SH、又は-NHで置換されるとき、本明細書に開示されるアミノ基は、一般に、塩基性であると見られる。例えば5個以上の炭素原子を有するより長いアルキル鎖は、アミノ基の塩基性を隠し得るが、5個以上の炭素原子のアルキルを有するアミノ基はまた、本発明に関してアミノ基と見なされる。同様に、糖は、アミド基、例えば-CONHCH、又は-NHCHOも含み得るが、このような基は、本発明に関してアミノ基と見なされない。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、アミノ基は、10個以上の炭素原子のアルキルを含まない。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、アミノ基は、9個以上の炭素原子のアルキルを含まない。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、アミノ基は、8個以上の炭素原子のアルキルを含まない。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、アミノ基は、6個以上の炭素原子のアルキルを含まない。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、アミノ基は、5個以上の炭素原子のアルキルを含まない。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、モノマー単位の少なくとも55%、例えばモノマー単位の少なくとも60%、例えばモノマー単位の少なくとも65%、例えばモノマー単位の少なくとも70%が、少なくとも1つのアミノ基を含む。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、少なくとも1つのアミノ基の1つ以上は、第一級アミンである。本発明に関して、第一級アミンは、いずれの水素原子も基R置換で置換されていないアミノ基(すなわち-NH)である。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、少なくとも1つのアミノ基は、第一級アミンである。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、膣用避妊組成物は、少なくとも50mOsm/kg、例えば少なくとも75mOsm/kg、又は例えば少なくとも100mOsm/kgの重量オスモル濃度(osmolality)を有する。いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、膣用避妊組成物は、少なくとも0.050Osm/kg、例えば少なくとも0.075Osm/kg、又は例えば少なくとも0.100Osm/kgの重量オスモル濃度を有する。
容量オスモル濃度(osmolarity)及び重量オスモル濃度は、混同され、不正確に入れ替えられることが多い。容量オスモル濃度が、1Lの溶媒当たりの溶質粒子の数を指す一方、重量オスモル濃度は、1kgの溶媒中の溶質粒子の数である。希薄溶液の場合、容量オスモル濃度と重量オスモル濃度との違いは重要でない。容量オスモル濃度の測定は、溶媒の容量が温度により変化するため、温度依存性である(すなわち、容量は、より高い温度でより大きい)。対照的に、溶媒の質量を基準にした重量オスモル濃度は、温度に依存しない。この理由から、重量オスモル濃度が、生物系のための基本語である。重量オスモル濃度は、Osm/kg溶媒(例えばHO)の単位を有する。生理溶液の希薄な性質のため及び水が通常、溶媒であるため、重量オスモル濃度は、溶媒のキログラム当たりのミリオスモル(mOsm/kg)としても表され得る。これらの値は、溶液の浸透圧の測定及びどのように溶媒が半透膜にわたって拡散(浸透)して、異なる浸透圧濃度の2つの溶液を分離するかの決定を可能にする。塩などのイオン性化合物は、溶液中で解離してそれらの成分イオンになり得るため、溶液の重量モル濃度と重量オスモル濃度との間に1対1の関係はない。例えば、塩化ナトリウム(NaCl)は、解離してNa及びClイオンになる。したがって、溶液中のNaClの1モルごとに、2オスモルの溶質粒子がある(すなわち、1mol/LのNaCl溶液は、2osmol/LのNaCl溶液である)。ナトリウム及び塩化物イオンの両方とも、溶液の浸透圧に影響を与える。別の例は、塩化マグネシウム(MgCl)であり、これは、解離してMg2+及び2Clイオンになる。溶液中のMgClの1モルごとに、3オスモルの溶質粒子がある。非イオン性化合物は解離せず、1モルの溶質当たり1オスモルのみの溶質を形成する。例えば、グルコースの1mol/L溶液は、1osmol/Lである。複数の化合物が、溶液の容量オスモル濃度/重量オスモル濃度に寄与し得る。例えば、3Osm溶液は、3モルのグルコース、又は1.5モルのNaCl、又は1モルのグルコース+1モルのNaCl、又は2モルのグルコース+0.5モルのNaCl、又は任意の他のこのような組合せからなり得る。
所与の重量オスモル濃度を得るために、NaClのような塩又は緩衝成分が、組成物に添加され得る。ゲル化剤、担体、グリセロール、ポリエチレングリコール、及びグルコース又はフルクトースのような糖のような他の賦形剤も、目標とされた重量オスモル濃度を得るために、組成物に添加され得る。
膣液の重量オスモル濃度から外れた変化が、膣上皮の刺激をもたらすという臨床的及び非臨床的エビデンスがある。典型的な膣液重量オスモル濃度は、月経周期中に300~480mOsm/kgで変化する。高浸透圧膣用製剤は、特に、細胞傷害性であり、マウスモデルにおいて性器ヘルペス感染の伝播リスクの増加をもたらすことが示された。したがって、3000mOsmol/kgを超える範囲などの高重量オスモル濃度は、避けられる必要がある。
本発明の組成物の容量オスモル濃度は、浸透圧計を用いて測定され得、これは、凝固点降下、蒸気圧降下、又は沸点上昇などの束一性を測定する。或いは、容量オスモル濃度は、組成物中の化合物を基準にして計算され得る。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、膣用避妊組成物は、3.000Osmol/kg未満、例えば2.000Osmol/kg未満、例えば1.000Osmol/kg未満、例えば0.750Osmol/kg未満、又は例えば0.500Osmol/kg未満の重量オスモル濃度を有する。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、膣用避妊組成物は、0.050Osmol/kg~3.000Osmol/kg、例えば0.050Osmol/kg~2.000Osmol/kg、例えば0.050Osmol/kg~1.000Osmol/kg、例えば0.050Osmol/kg~0.750Osmol/kg、又は例えば0.050Osmol/kg~0.100Osmol/kgの重量オスモル濃度を有する。全ての端点が、上記の範囲に含まれる。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、膣用避妊組成物は、0.050Osmol/kg~3.000Osmol/kg、例えば0.100Osmol/kg~3.000Osmol/kg、例えば0.750Osmol/kg~3.000Osmol/kg、例えば1.000Osmol/kg~3.000Osmol/kg、又は例えば2.000Osmol/kg~3.000Osmol/kgの重量オスモル濃度を有する。全ての端点が、上記の範囲に含まれる。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、容量オスモル濃度は、少なくとも5mM、例えば少なくとも10mM、例えば少なくとも15mM、例えば少なくとも20mM、例えば少なくとも25mM、例えば少なくとも50mM、例えば少なくとも75mM、又は例えば少なくとも100mMの濃度の食塩水を含む組成物によって得られる。
食塩水(又は塩水)は、限定はされないが、塩化ナトリウムなどの高濃度の溶解塩を含有する水である。開示される食塩水濃度は、活性化合物と一緒になった最終製剤中の塩の得られる濃度に対応する。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、容量オスモル濃度は、500mM未満、例えば450mM未満、例えば400mM未満、例えば350mM未満、例えば300mM未満、例えば250mM未満、例えば200mM未満、又は例えば175mM未満の濃度の食塩水を含む組成物によって得られる。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、容量オスモル濃度は、5~500mM、例えば10~450mM、例えば15~400mM、例えば20~350mM、例えば25~300mM、例えば50~250mM、例えば75~200mM、又は例えば100~175mMの濃度の食塩水を含む組成物によって得られる。
膣用避妊組成物は、1つ以上の有効成分及び生理的に許容されるゲル化剤又は生理的に許容される担体から選択される少なくとも1つの製剤化合物を含む。1つ以上の有効成分は、生理的に許容されるゲル化剤又は担体中で投与され得、これは、1つ以上の有効成分が、それが使用される条件で可溶性であることを確実にし、1つ以上の有効成分が、標的領域中で均一に分布されるのを確実にする。本明細書において、均一に分布されるとは、標的とされる粘液領域が、粘液中に拡散し、粘液バリアを強化するのに十分な有効成分を含む少なくとも最小量の組成物に供されることを意味する。
したがって、いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、1つ以上の有効成分は、少なくとも1つの生理的に許容されるゲル化剤中で投与される。いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、組成物は、1つ以上の有効成分及び生理的に許容されるゲル化剤を含む。いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、少なくとも1つの製剤化合物は、生理的に許容されるゲル化剤である。
生理的に許容されるゲル化剤とは、有効用量で、ヒト及び/又は動物生物に対して化学的にも物理的にも毒性でない非毒性化合物を意味する。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、生理的に許容されるゲル化剤は、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、グリセロール、マンニトール又はソルビトールなどのポリオール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース、グアーガム、又はこれらの組合せから選択される。任意の好適な医薬品ゲル化剤は、ゲル化剤が、1つ以上の有効成分、特に粘膜付着性ポリマーと相互作用しない限り、使用され得る。
生理的に許容されるゲル化剤との組合せによって、組成物と粘液との接触面積が最大化される。増加した接触面積は、最大量の粘膜付着性ポリマーが、粘液層中に拡散し、その特性を変更し得るのを確実にするのに役立ち得る。また、増加した拡散に寄与するのは、組成物の高い密度である。例えば、半固体ゲル中などで、水の組成密度と同様の高い組成密度を有することによって、適用される組成物は、形状を変化させ、子宮頸部入口の全表面を覆うことができる。
ヒドロキシエチルセルロース(又はエチルセルロース)は、セルロースに由来するゲル化剤及び増粘剤である。それは、化粧品、清浄液、及び他の家庭用品において広く使用されている。ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシメチルセルロース(又はメチルセルロース)は、消化管液における薬物の溶解を改善するために、カプセル製剤中で疎水性薬物とともに使用されることが多い。このプロセスは、親水化として知られている。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、生理的に許容されるゲル化剤は、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、又はこれらの組合せから選択される。
グリセリン(glycerine)又はグリセリン(glycerin)とも呼ばれるグリセロールは、単純なポリオール化合物である。それは、無色で無臭の粘性液体であり、甘い味がし、非毒性である。グリセロール骨格は、グリセリドとして知られている多くの脂質に見られる。それは、食品産業において甘味料として、及び医薬製剤中の湿潤剤として広く使用されている。グリセロールは、その水への溶解性及びその吸湿性に関与する3つのヒドロキシル基を有する。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、生理的に許容されるゲル化剤は、グリセロールである。
ヒプロメロースとも呼ばれるヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)は、様々な市販の製品に見られる、点眼剤、並びに経口薬剤中の賦形剤及び制御送達成分として使用される、半合成の、不活性の、粘弾性のポリマーである。食品添加物として、ヒプロメロースは、乳化剤、増粘剤、及び懸濁化剤であり、動物ゼラチンの代替である。そのコーデックス委員会コード(Codex Alimentarius code)(E番号)は、E464である。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、生理的に許容されるゲル化剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)である。
ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)は、水溶性及び有機溶解性の両方を有するセルロースの誘導体である。それは、賦形剤、及び局所眼保護剤及び滑沢剤として使用されている。HPCは、繰り返しグルコース単位中のヒドロキシル基のいくつかが、プロピレンオキシドを用いてヒドロキシプロキル化(hydroxypropylated)-OCHCH(OH)CH基を形成した、セルロースのエーテルである。グルコース単位当たりの置換ヒドロキシル基の平均数は、置換度(DS)と呼ばれる。完全な置換は、3のDSを提供するであろう。加えられるヒドロキシプロピル基は、ヒドロキシル基を含有するため、これはまた、HPCの調製中にエーテル化され得る。これが起こるとき、グルコース環当たりのヒドロキシプロピル基のモル数であるモル置換度(MS)は、3より大きくなり得る。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、生理的に許容されるゲル化剤は、ヒドロキシプロピルセルロースである。
グアランとも呼ばれるグアーガムは、食物、飼料、及び工業用途において有用な増粘及び安定化特性を有するグアー豆から抽出されるガラクトマンナン多糖である。グアーの種子は、機械的に殻を取り除かれ、水和され、粉砕され、用途に応じて選別される。それは、典型的に、自由流動性の、オフホワイトの粉末として生成される。化学的に、グアーガムは、糖ガラクトース及びマンノースから構成される菌体外多糖である。骨格は、ガラクトース残基が、2マンノースごとに1,6-結合して、短い側鎖を形成するβ 1,4-結合マンノース残基の直鎖である。グアーガムは、5分間にわたって80℃の温度に耐える能力を有する。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、生理的に許容されるゲル化剤は、グアーガムである。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、生理的に許容されるゲル化剤は、膣用避妊組成物の総重量の0.05重量%~50.0重量%、例えば膣用避妊組成物の総重量の0.10重量%~50.0重量%、例えば0.10重量%~40.0重量%、例えば0.10重量%~30.0重量%、例えば0.10重量%~20.0重量%、例えば0.05重量%~10.0重量%、例えば0.10重量%~10.0重量%、又は例えば0.50重量%~10.0重量%の濃度である。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、1つ以上の有効成分は、少なくとも1つの生理的に許容される担体中で投与される。いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、組成物は、1つ以上の有効成分及び生理的に許容される担体を含む。いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、少なくとも1つの製剤化合物は、生理的に許容される担体である。
生理的に許容される担体とは、有効用量で、ヒト及び/又は動物生物に対して化学的にも物理的にも毒性でない非毒性化合物を意味する。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、薬学的に許容される担体は、水、ジメチルスルホキシド(DMSO)、生理食塩水(生理食塩溶液)、又はそれらの組合せから選択される。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、生理的に許容される担体は、膣用避妊組成物の総重量の5.0重量%~99.0重量%、例えば膣用避妊組成物の総重量の5.0重量%~90.0重量%、例えば5.0重量%~80.0重量%、例えば10.0重量%~75.0重量%、例えば10.0重量%~70.0重量%、例えば10.0重量%~60.0重量%、例えば10.0重量%~50.0重量%、例えば少なくとも5.0重量%、又は例えば少なくとも10.0重量%の濃度である。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、1つ以上の有効成分は、少なくとも1つの生理的に許容されるゲル化剤、及び少なくとも1つの生理的に許容される担体中で投与される。いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、組成物は、1つ以上の有効成分、生理的に許容されるゲル化剤、及び生理的に許容される担体を含む。いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、少なくとも1つの製剤化合物は、少なくとも生理的に許容されるゲル化剤及び生理的に許容される担体である。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、膣用避妊組成物は、フォームでない。
フォームは、液体又は固体中にガスのポケットを捕捉することによって形成される物体である。ほとんどのフォームでは、ガスの体積が大きく、液体又は固体の薄膜が、ガスの領域を分離している。
粘膜付着性ポリマーは、C6糖が、エーテル、エステル、又はアミド結合を介して互いに結合された多糖であり得る。C6糖のモノマーは、例えば任意のエーテル結合を介して結合され得、例えば2つの隣接するC6糖のC及びCが結合され得、又は2つの隣接するC6糖のC及びCが結合され得る。特に、モノマーが、C6糖、例えばグルコースである場合、モノマー、例えばグルコースモノマーは、β 1,4-結合を介して結合され得る。
少なくとも1つのアミノ基は、グルコースモノマー、例えばC又はCの任意の炭素原子に結合され得る。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、粘膜付着性ポリマーは、エーテル結合を介して互いに結合された複数のモノマー単位からなる。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、モノマー単位は、C6糖、アミノ官能化C6糖、又はこれらの組合せから選択される。
C6糖は、分子が6個の炭素を有する炭水化物(すなわち、ヘキソース)である。このクラスの最もよく知られた例は、セルロース及びデンプン分子の主成分であるグルコースである。
アミノ官能化C6糖(又はアミノ糖)は、ヒドロキシル基がアミン基で置換された糖分子である。60を超えるアミノ糖が知られており、最も多いものの1つは、キチンの主成分であるN-アセチル-D-グルコサミンである。アミノ-官能化は、C6糖のC、C、C、及び/又はC上であり得る。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、モノマー単位は、アミノ官能化C6糖である。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、モノマー単位は、D-グルコサミン及びN-アセチル-D-グルコサミンの組合せである。
D-グルコサミン(C13NO)は、アミノ糖であり、グリコシル化タンパク質及び脂質の生化学的合成における代表的な前駆体である。D-グルコサミンは、多糖類、キトサン、及びキチンの構造の一部である。D-グルコサミンは、最も多い単糖類の1つである。それは、甲殻類の外骨格の加水分解によって又は、一般的ではないが、トウモロコシ又はコムギなどの穀物の発酵によって、商業的に生成される。
Figure 2024513219000002
N-アセチル-D-グルコサミン(GlcNAc、C15NO)は、単糖及びグルコースの誘導体である。それは、いくつかの生物系において重要である。それは、細菌細胞壁中のバイオポリマーの一部であり、これは、MurNAcの乳酸残基においてオリゴペプチドと架橋された、GlcNAc及びN-アセチルムラミン酸(MurNAc)の交互の単位から構築される。この層状構造は、ペプチドグリカンと呼ばれる(以前はムレインと呼ばれていた)。GlcNAcは、昆虫及び甲殻類の外皮を形成する、ポリマーキチンのモノマー単位である。
Figure 2024513219000003
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、モノマー単位の少なくとも50%が、D-グルコサミンである一方、モノマー単位の50%以下は、N-アセチル-D-グルコサミンであり、例えば、50%~100%が、D-グルコサミンであり、0%~50%が、N-アセチル-D-グルコサミンである。
モノマー単位の少なくとも50%がD-グルコサミンであるとは、粘膜付着性ポリマー中のモノマーの総量の少なくとも50%がD-グルコサミンに由来することを意味する。同様に、モノマー単位の50%以下がN-アセチル-D-グルコサミンであるとは、粘膜付着性ポリマー中のモノマーの総量の50%以下がN-アセチル-D-グルコサミンに由来することを意味する。さらに、50%~100%又は0%~50%とは、粘膜付着性ポリマー中のモノマーの総量の50%~100%又は0%~50%が前記モノマー単位に由来することを意味し、全ての端点(0%、50%、及び100%)が含まれる。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、モノマー単位の少なくとも65%が、D-グルコサミンである一方、モノマー単位の35%以下は、N-アセチル-D-グルコサミンであり、例えば、65%~100%が、D-グルコサミンであり、0%~35%が、N-アセチル-D-グルコサミンである。端点が含まれる。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、粘膜付着性ポリマーは、キトサンであり、ここで、グルコースモノマーの少なくとも50%が、-NH基を有する。キトサンは、少なくとも50%脱アセチル化されたとも示され得る。
キトサンは、ランダムに分布したβ 1,4-結合D-グルコサミン(脱アセチル化単位)及びN-アセチル-D-グルコサミン(アセチル化単位)から構成される線状多糖である。それは、エビ及び他の甲殻類のキチン殻を、水酸化ナトリウムのようなアルカリ性物質で処理することによって作製されるか、又はそれは、真菌細胞壁などの別の供給源から抽出され得る。
粘膜付着性ポリマーがキトサンである場合、例えば、高分子量ポリアクリル酸の存在を避けることが重要であるが、これは、アクリルモノマー中のカルボキシル官能基が、キトサン鎖中の塩基性アミノ基とイオン錯体を形成し、これが、高度に膨張した相互浸透性ポリマー網目構造の形成をもたらすためである。これは、粘液の凝集をもたらし、ひいては、粘液内の細孔の開口をもたらし、粘液のバリア特性を弱める。
キトサンは、強く粘膜付着性の分子であり、これは、それが、粘液ゲルを構成するムチン糖タンパク質と絡み合い、それに結合することができることを意味する。したがって、それらは、粘膜薬物送達デバイスにおいて使用されており、市販の止血製品に含まれる。しかしながら、本明細書に開示される際に使用されるキトサンは、典型的に、高いモル質量のものであり、したがって、粘液ゲル中であまり拡散せず、粘液を凝集及び凝縮させる傾向がある。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、粘膜付着性ポリマーは、キトサンであり、ここで、グルコースモノマーの少なくとも50%が、-NH基を有し、グルコースモノマーの40%以下が、-CONHCH基を有する。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、粘膜付着性ポリマーは、キトサンであり、ここで、グルコースモノマーの少なくとも50%が、-NH基を有し、グルコースモノマーの20%以下が、-CONHCH基を有する。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、粘膜付着性ポリマーは、キトサンであり、ここで、グルコースモノマーの少なくとも70%が、-NH基を有する。キトサンは、少なくとも70%脱アセチル化されたとも示され得る。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、粘膜付着性ポリマーは、キトサンであり、ここで、グルコースモノマーの少なくとも70%が、-NH基を有し、グルコースモノマーの20%以下が、-CONHCH基を有する。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、粘膜付着性ポリマーは、キトサン、キトサン-トリメチル、キトサン-チオグリコール酸、キトサン-イミノチオラン、キトサン-チオエチルアミジン、又はこれらの組合せから選択される。
キトサン-トリメチルは、キトサンの四級化親水性誘導体である。キトサンのこの四級化誘導体は、正電荷を有し、広範囲のpHにわたって可溶性である。
キトサン-チオグリコール酸、キトサン-イミノチオラン、及びキトサン-チオエチルアミジンは、異なるチオール基の導入によって修飾されたキトサン誘導体である。チオール基は、カルボジイミドによって媒介されるアミド結合形成によってキトサンに導入される。それによって、得られるポリマーの特性は、元のポリマーと比較して、水溶性、粘膜付着、生分解性及びインサイチュゲル化に関して改変される。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、粘膜付着性ポリマーは、90,000Da~350,000Daの分子量を有するキトサンである。いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、粘膜付着性ポリマーは、100,000Da~350,000Da、例えば100,000Da~300,000Da、例えば100,000Da~275,000Da、例えば100,000Da~250,000Da、例えば101,000Da~250,000Da、又は例えば105,000Da~250,000Daの分子量を有する。全ての端点が、上記の範囲に含まれる。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、粘膜付着性ポリマーは、例えば90,000Da~340,000Da、例えば90,000Da~330,000Da、例えば90,000Da~325,000Da、例えば90,000Da~320,000Daの分子量、例えば90,000Da~310,000Daの分子量、例えば90,000Da~300,000Daの分子量、例えば90,000Da~275,000Daの分子量、又は例えば90,000Da~250,000Daの分子量を有する。全ての端点が、上記の範囲に含まれる。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、粘膜付着性ポリマーは、例えば100,000Da~340,000Da、例えば100,000Da~330,000Da、例えば100,000Da~325,000Da、例えば100,000Da~320,000Daの分子量、例えば100,000Da~310,000Daの分子量、例えば100,000Da~300,000Daの分子量、例えば100,000Da~275,000Daの分子量、例えば100,000Da~250,000Daの分子量、又は例えば100,000Da~200,000Daの分子量を有する。全ての端点が、上記の範囲に含まれる。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、粘膜付着性ポリマーは、例えば101,000Da~340,000Da、例えば101,000Da~330,000Da、例えば101,000Da~325,000Da、例えば101,000Da~320,000Daの分子量、例えば101,000Da~310,000Daの分子量、例えば101,000Da~300,000Daの分子量、例えば101,000Da~275,000Daの分子量、例えば101,000Da~250,000Daの分子量、又は例えば101,000Da~200,000Daの分子量を有する。全ての端点が、上記の範囲に含まれる。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、粘膜付着性ポリマーは、102,000Da~350,000Da、例えば102,000Da~340,000Da、例えば102,000Da~330,000Da、例えば102,000Da~325,000Da、例えば102,000Da~320,000Daの分子量、例えば102,000Da~310,000Daの分子量、例えば102,000Da~300,000Daの分子量、例えば102,000Da~275,000Daの分子量、又は例えば102,000Da~250,000Daの分子量を有する。全ての端点が、上記の範囲に含まれる。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、粘膜付着性ポリマーは、例えば110,000Da~340,000Da、例えば110,000Da~330,000Da、例えば110,000Da~325,000Da、例えば110,000Da~320,000Daの分子量、例えば110,000Da~310,000Daの分子量、例えば110,000Da~300,000Daの分子量、例えば110,000Da~275,000Daの分子量、又は例えば110,000Da~250,000Daの分子量を有する。全ての端点が、上記の範囲に含まれる。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、粘膜付着性ポリマーは、150,000Da、例えば149,000Da~151,000Daの分子量を有さない。全ての端点が、上記の範囲に含まれる。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、粘膜付着性ポリマーは、101,000Da~149,000Da又は151,000Da~350,000Da、例えば102,000Da~149,000Da又は151,000Da~350,000Da、例えば105,000Da~149,000Da又は151,000Da~350,000Da、又は例えば110,000Da~149,000Da又は151,000Da~350,000Daの分子量を有する。全ての端点が、上記の範囲に含まれる。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、粘膜付着性ポリマーは、101,000Da~149,000Da又は151,000~340,000Da、例えば101,000Da~149,000Da又は151,000~330,000Da、例えば101,000Da~149,000Da又は151,000~330,000Da、例えば101,000Da~149,000Da又は151,000~320,000Da、例えば101,000Da~149,000Da又は151,000~310,000Da、例えば101,000Da~149,000Da又は151,000~300,000Da、例えば101,000Da~149,000Da又は151,000~275,000Da、又は例えば101,000Da~149,000Da又は151,000~250,000Daの分子量を有する。全ての端点が、上記の範囲に含まれる。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、粘膜付着性ポリマーは、251,000Da~252,000Da、例えば250,000Da~253,000Daの分子量を有さない。全ての端点が、上記の範囲に含まれる。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、粘膜付着性ポリマーは、101,000Da~149,000Da又は151,000~251,000Da又は252,000Da~350,000Da、例えば110,000Da~149,000Da又は151,000~251,000Da又は252,000Da~350,000Da、例えば120,000Da~149,000Da又は151,000~251,000Da又は252,000Da~350,000Da、例えば125,000Da~149,000Da又は151,000~251,000Da又は252,000Da~350,000Daの分子量を有する。全ての端点が、上記の範囲に含まれる。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、粘膜付着性ポリマーは、101,000Da~149,000Da又は151,000~251,000Da又は252,000Da~340,000Da、例えば101,000Da~149,000Da又は151,000~251,000Da又は252,000Da~330,000Da、例えば101,000Da~149,000Da又は151,000~251,000Da又は252,000Da~320,000Da、例えば101,000Da~149,000Da又は151,000~251,000Da又は252,000Da~310,000Da、例えば101,000Da~149,000Da又は151,000~251,000Da又は252,000Da~300,000Da、例えば101,000Da~149,000Da又は151,000~251,000Da又は252,000Da~275,000Da、例えば101,000Da~149,000Da又は151,000~251,000Daの分子量を有する。全ての端点が、上記の範囲に含まれる。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、粘膜付着性ポリマーは、アミド結合を介して結合された469~4,661アミノ酸の長さのペプチド分子である。粘膜付着性ポリマーが、アミノ酸を含む場合、アミノ酸の少なくとも50%が塩基性基を有する限り、又はアミノ酸の少なくとも50%が必要に応じて疎水性基を有する限り、又はアミノ酸の少なくとも50%がチオール基を有するか、又はこれら3つの組合せ(塩基性、疎水性、及びチオール)である限り、任意のアミノ酸が含まれ得る。粘膜付着性ポリマーは、天然アミノ酸に限定されず、アミノ酸が、非毒性であり、対象によって耐容されることが好ましい。粘膜付着性ポリマーが、D-アミノ酸を含まず、粘膜付着性ポリマーに含まれる任意のアミノ酸がL-アミノ酸であることが好ましい。
一般に、以下のアミノ酸:アルギニン、リジン、ヒスチジン、オルニチン、及びβ-アラニンは、塩基性であると考えられ、一実施形態において、粘膜付着性ポリマーは、アミノ酸のポリペプチドであり、ここで、アミノ酸の少なくとも50%が、アルギニン、リジン、ヒスチジン、オルニチン、及びβ-アラニンからなるリストから選択される。残りのアミノ酸は、任意のアミノ酸、例えば、遺伝子コードから定義される20のアミノ酸のいずれかから選択され得るが、特に、グリシン、セリン、トレオニン、アスパラギン、及びグルタミンである。粘膜付着性ポリマーの特定の実施形態は、ポリ-リジン、ポリ-オルニチン、及び/又はポリ-アルギニンを含む。塩基性アミノ酸を使用する利点は、それらが水溶液における良好な溶解性を有することである。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、粘膜付着性ポリマーは、469~4,661アミノ酸の長さのペプチド分子であり、ここで、アミノ酸の少なくとも50%が、疎水性基を有し、このアミノ酸は、アラニン、メチオニン、システイン、フェニルアラニン、ロイシン、バリン、及びイソロイシンからなるリストから選択される。残りのアミノ酸は、グリシン、セリン、トレオニン、アスパラギン、及びグルタミンからなるリストから選択され得、又は残りのアミノ酸は、任意のアミノ酸、例えば、遺伝子コードから定義される20のアミノ酸のいずれかから選択され得る。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、粘膜付着性ポリマーは、アミノ酸を含み、ここで、アミノ酸の少なくとも50%が、アルギニン、リジン、ヒスチジン、オルニチン、及びβ-アラニンからなる群から選択され、又はアミノ酸の50%が、疎水性基を有し、アラニン、メチオニン、システイン、フェニルアラニン、ロイシン、バリン、及びイソロイシンからなる群から選択される。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、粘膜付着性ポリマーは、アミド結合を介して結合されたペプチド分子であり、ここで、アミノ酸の少なくとも50%が、アルギニン、リジン、ヒスチジン、オルニチン、及びβ-アラニンからなるリストから選択される。別の実施形態において、アミノ酸の少なくとも60%が、アルギニン、リジン、ヒスチジン、オルニチン、及びβ-アラニンからなるリストから選択される。さらに別の実施形態において、アミノ酸の少なくとも70%が、アルギニン、リジン、ヒスチジン、オルニチン、及びβ-アラニンからなるリストから選択される。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、粘膜付着性ポリマーは、アミド結合を介して結合されたペプチド分子であり、ここで、アミノ酸の少なくとも50%がリジンである。別の実施形態において、アミノ酸の少なくとも60%がリジンである。さらに別の実施形態において、アミノ酸の少なくとも70%がリジンである。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、粘膜付着性ポリマーは、L-リジンであるアミノ酸を含む。いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、粘膜付着性ポリマーは、ポリ-L-リジン(PLL)である。
アミノ酸又は疎水性アミノ酸は生分解性であるため、アミノ酸又は疎水性アミノ酸を使用することが有利である。粘液タンパク質とポリマーとの間のタンパク質-ペプチド相互作用は、粘膜付着を促進し得る。さらに、アミノ酸ポリマーは、細菌を用いて組換えにより又は合成的に生成され得る。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、粘膜付着性ポリマーは、糖モノマー、例えばC6糖モノマー、及びアミノ酸の両方を含み、ここで、モノマーの少なくとも50%が塩基性であり、例えばアミノ基を有し、又はモノマーの少なくとも50%が疎水性であり、例えば疎水性基を有する。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、粘膜付着性ポリマーは、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、又はこれらの組合せを介して互いに結合された616~2,054個のモノマー単位、例えば、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、又はこれらの組合せを介して互いに結合された、800~2,054個のモノマー単位、例えば800~1,800個のモノマー単位、例えば1,000~1,800個のモノマー単位、例えば1,200~1,600個のモノマー単位からなる。粘膜付着性ポリマーのサイズは、それが、ポリマーが、緊密な架橋網目構造を形成して、粘液層の界面に又は粘液層の細孔の細部に有効なバリアを得るのを確実にするため、非常に重要である。緊密とは、例えば、微生物又は精子細胞に対して不透過性であることを意味する。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、粘膜付着性ポリマーは、低分子量を有するポリマーから選択され、これは、粘膜付着性ポリマーが、粘液と安定した複合体を形成するのを確実にする、90~約350kDaの範囲の分子量を提供する重合度(DP)を有するべきである。
サイズ又はポリマーは、ポリマーが、使用される条件において可溶性であること、及びポリマーが、粘液の細孔を通って拡散し、厚い緊密なバリアを形成し得るか、又は粘液層中にわずかに拡散するのみであり、これによって、粘液層の界面に緊密な架橋網目構造を形成し得ることを確実にする。
粘膜付着性ポリマーは、女性の腹部中で低いpHである、標的とされる粘膜の環境において安定しているべきである。したがって、粘膜付着性ポリマーが安定しているpH範囲は、1~8の範囲である。pH環境に応じて、ポリマーの異なるタイプ及びサイズが使用され得る。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、膣用避妊組成物のpHは、2.0~7.0、例えば2.5~6.5、例えば3.0~6.0である。全ての端点が、上記の範囲に含まれる。
組成物のpHが2.0~7.0であるとは、pHが、測定される場合、2つの値の間であること、及び粘膜付着性ポリマーが、この範囲内で安定していることを意味する。組成物のより低いpHは、組成物が、女性の腹部、特に女性の膣(ここで、pH値は、3~5の範囲である)に適用されるべきである場合に好ましい。
組成物中のpHを特定のレベルに維持するために、緩衝液又は他のpH安定化溶液が、組成物に添加されてもよく、それによって、1つ以上の有効成分は、生理的に許容される緩衝液中で投与され、これは、1つ以上の有効成分が、それが使用される条件において可溶性であること、1つ以上の有効成分が、標的領域中で均一に分布されること、有効成分が、適切に充填されること、及び女性の腹部、特に女性の膣への天然のpH値が、組成物が適用されるときに維持されることを確実にする。
したがって、いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、組成物は、1つ以上の有効成分、生理的に許容されるゲル化剤又は生理的に許容される担体から選択される少なくとも1つの製剤化合物、及び生理的に許容される緩衝液を含む。いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、1つ以上の有効成分は、少なくとも1つの生理的に許容されるゲル化剤及び少なくとも1つの生理的に許容される緩衝液中で投与される。いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、組成物は、1つ以上の有効成分、生理的に許容されるゲル化剤、及び生理的に許容される緩衝液を含む。いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、1つ以上の有効成分は、少なくとも1つの生理的に許容される担体及び少なくとも1つの生理的に許容される緩衝液中で投与される。いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、組成物は、1つ以上の有効成分、生理的に許容される担体、及び生理的に許容される緩衝液を含む。いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、組成物は、1つ以上の有効成分、生理的に許容されるゲル化剤、生理的に許容される担体、及び生理的に許容される緩衝液を含む。
生理的に許容される緩衝液とは、ヒト及び/又は動物生物に対して化学的にも物理的にも毒性でない、pHを維持する有効濃度で非毒性の緩衝液を意味する。
一態様に係る1つ以上の実施形態において、生理的に許容される緩衝液は、乳酸溶液、クエン酸溶液、酢酸溶液、コハク酸溶液、リンゴ酸溶液、クエン酸と組み合わされた酒石酸及び酒石酸水素カリウム、又はこれらの組合せから選択される。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、緩衝液は、1mM~350mMの濃度、例えば1mM~325mMの濃度、例えば1mM~300mMの濃度、例えば2mM~300mMの濃度、例えば3mM~300mMの濃度、例えば4mM~300mMの濃度、例えば5mM~300mMの濃度、例えば10mM~300mMの濃度、例えば15mM~300mMの濃度、例えば20mM~300mMの濃度、例えば20mM~250mMの濃度、又は例えば20mM~200mMの濃度である。全ての端点が、上記の範囲に含まれる。
より長い期間にわたって安定した組成物を維持するために、例えば、このような組成物の貯蔵寿命を最大にするために、防腐剤が、組成物に添加されてもよく、それによって、1つ以上の有効成分は、生理的に許容される防腐剤中で投与され、これは、これは、最終化合物の許容される貯蔵寿命を確実にする。
防腐剤は、微生物増殖によるか又は望ましくない化学変化による分解を防ぐために、食品、飲料、医薬品、塗料、生体試料、化粧品、木材、及び多くの他の製品などの製品に添加される物質又は化学物質である。一般に、保存が、2つのモード、化学的及び物理的モードで実施される。化学的保存は、化学化合物を製品に添加することを伴う。物理的保存は、冷凍又は乾燥などのプロセスを伴う。
したがって、いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、組成物は、1つ以上の有効成分、生理的に許容されるゲル化剤又は生理的に許容される担体から選択される少なくとも1つの製剤化合物、及び少なくとも1つの生理的に許容される防腐剤を含む。いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、1つ以上の有効成分は、少なくとも1つの生理的に許容されるゲル化剤及び少なくとも1つの生理的に許容される防腐剤中で投与される。いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、組成物は、1つ以上の有効成分、生理的に許容されるゲル化剤、及び生理的に許容される防腐剤を含む。いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、1つ以上の有効成分は、少なくとも1つの生理的に許容される担体及び少なくとも1つの生理的に許容される防腐剤中で投与される。いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、組成物は、1つ以上の有効成分、生理的に許容される担体、及び生理的に許容される防腐剤を含む。いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、組成物は、1つ以上の有効成分、生理的に許容されるゲル化剤、生理的に許容される担体、及び生理的に許容される防腐剤を含む。いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、組成物は、生理的に許容される緩衝液及び生理的に許容される防腐剤の両方を、1つ以上の有効成分及び生理的に許容されるゲル化剤又は生理的に許容される担体から選択される少なくとも1つの製剤化合物と組み合わせて含む。
生理的に許容される防腐剤とは、ヒト及び/又は動物生物に対して化学的にも物理的にも毒性でない、有効濃度で非毒性の防腐剤を意味する。
一態様に係る1つ以上の実施形態において、生理的に許容される防腐剤は、化学防腐剤である。
一態様に係る1つ以上の実施形態において、生理的に許容される防腐剤は、ソルビン酸、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸塩、安息香酸、安息香酸塩、パラベン、二酸化硫黄、亜硫酸塩、亜硝酸塩、硝酸塩、乳酸、プロピオン酸、プロピオン酸塩、クエン酸、ギ酸、デヒドロ酢酸、フェネチルアルコール、カプリリルグリコール、又はこれらの組合せから選択される。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、防腐剤は、膣用避妊組成物の総重量の0.05重量%~5.0重量%、例えば膣用避妊組成物の総重量の0.05重量%~3.0重量%、例えば0.05重量%~3.0重量%、例えば0.05重量%~2.5重量%、例えば0.08重量%~2.5重量%、例えば0.10重量%~2.5重量%、例えば0.10重量%~2.3重量%、例えば0.10重量%~2.2重量%、又は例えば0.10重量%~2.0重量%の濃度である。
粘膜付着性ポリマーの拡散は、粘膜付着性ポリマーが、粘液に付着するときに起こる。治療における粘膜付着性ポリマーの使用は、良好な粘膜付着をもたらす、その重合度及びアセチル化度により可能である。これは、ポリマーが粘液中に拡散し、粘液の細孔を一時的に塞ぐのを可能にする。これは、粘液の一時的な架橋効果のため起こり、これは、粘液の正常なターンオーバー及び粘膜付着性ポリマーの生分解性によって制御される。したがって、有効な架橋時間は、例えば1mg/mL~150mg/mLの濃度、例えば1mg/mL~100mg/mLの濃度、例えば1mg/mL~75mg/mLの濃度、例えば1mg/mL~50mg/mLの濃度、例えば1mg/mL~25mg/mLの濃度、例えば5mg/mLの範囲の濃度などの、粘膜付着性ポリマーの様々な濃度に粘液を供することによって調整され得る。全ての端点が、上記の範囲に含まれる。
いずれかの態様に係る1つ以上の実施形態において、粘膜付着性ポリマーは、膣用避妊組成物の総重量の0.05重量%~15.0重量%、例えば、膣用避妊組成物の総重量の例えば0.05重量%~10.0重量%、例えば0.5重量%~10.0重量%、例えば1.0重量%~10.0重量%、例えば2.5重量%~10.0重量%.例えば5.0重量%~10.0重量%、例えば0.05重量%~10.0重量%、例えば0.05重量%~8.0重量%、例えば0.05重量%~6.0重量%、例えば0.05重量%~4.0重量%の濃度である。
0.05重量%~10.0重量%とは、膣用避妊組成物の総重量の0.05%~10.0%が、粘膜付着性ポリマーに由来することを意味する。全ての端点が、上記の範囲に含まれる。
粘膜付着性ポリマーは、その付着特性及びサイズのため、粘液に浸透し、粘液の表面中に拡散して、厚い層を形成する。次に、粘膜付着性ポリマーは、粘液と複合体を形成し、それによって、網目構造の細孔を塞いで、強化されたバリア特性を粘液に与える。粘液が強化されるとき、それは、粒子に対して不透過性であり、例えば外部から誘導された液体、粒子及び細胞、例えば精子の通過を防ぐ。粘液中で形成された複合体は、特定のサイズの細胞に対して標的化され得、それによって、20~30nmの範囲のサイズのビリオン(又はウイルス)、0.3μmの範囲のマイコプラズマ、0.5~5μmの範囲の細菌、又は3μmの範囲の精子に対して不透過性である。
処理された粘液が、精子に対して一時的に不透過性であるため、避妊剤としての、粘膜付着性ポリマー及び少なくとも1つの製剤化合物機能を含む本発明の組成物。本発明に関連する避妊効果は、単回の使用によって達成される非外科的な及びホルモン作用のないバリア効果による、妊娠の可逆的及び一時的な防止を意味し、これは、避妊効果が、1回の適用によって達成され、例えば組み合わされた経口避妊ピル(産児制限ピル又は口語で「ピル」と呼ばれることが多い)などのホルモンピルの場合のように所定の時間にわたって濃度が増加されることを必要としないことを意味する。
一時的な効果とは、粘液に適用される場合、粘膜付着性ポリマーの効果が可逆的であることを示唆する。逆戻りが起こる率は、粘液中に拡散されるポリマーの量及び粘液自体の生物学的ターンオーバーによって決定される。
別の態様において、本発明は、粘膜付着性ポリマー及び生理的に許容されるゲル化剤又は生理的に許容される担体から選択される少なくとも1つの製剤化合物を含む膣用避妊組成物、例えば上記の避妊用組成物、並びにアプリケータを含む、パーツのキットである。一実施形態において、アプリケータは、アプリケータが、シリンジを介して又は膣に溶解されてゲルを放出する軟質ゲルカプセルの導入によって膣内に挿入される、ゲルの形態の膣用避妊組成物を含む、方法を用いる送達デバイスである。ゲルは、アプリケータから展開され、頸管粘液に適用され;それによって、粘液は、粘膜付着性ポリマーによって架橋される。一実施形態において、アプリケータは、膣用避妊組成物を含み、排出機構によって中身を排出され得る容器である。
粘膜付着性ポリマー及び生理的に許容されるゲル化剤又は生理的に許容される担体から選択される少なくとも1つの製剤化合物を含む組成物は、アプリケータをさらに含むキットのパーツであり得る。アプリケータは、組成物を、例えば子宮頸部の表面に適用するのに使用され得る。
一実施形態において、アプリケータは、シリンジである。別の実施形態において、アプリケータは、軟質ゲルカプセルである。
さらなる実施形態において、キットは、膣用避妊組成物、アプリケータ、及び使用説明書を含む。
いずれかの実施形態に係る膣用避妊組成物は、性交の前に、一日のうちのいずれの時間に使用されてもよい。好ましくは、性交の24時間から30秒前である。膣用避妊組成物は、妊娠を防ぐために意図的に使用され得、それは、シリンジ又は軟質ゲルカプセルのいずれかを用いて、膣内投与によって1~5mLの量で投与され得る。膣用避妊組成物は、指又はアプリケータのいずれかを用いて、膣内内に挿入される。
いずれかの実施形態に係る膣用避妊組成物が、以下によって生成され得る:
・キトサン粉末などの有効成分粉末が、ヒドロキシエチルセルロースNatrosol 250 HX(HEC)などの、ゲル化剤又は担体と混合され;
・任意に、例えば乳酸及びコハク酸から構成される緩衝液組成物が添加され;
・次に、任意に、水が、成分を懸濁させるために添加され、ボルテックスミキサーで連続的に撹拌されて、均質なゲルが得られ;
・任意に、NaOH及び/又はHCl溶液が、溶液のpHを調整するために、滴下して添加され得;
・半固体製剤が、任意に遠心分離されて、ゲルに閉じ込められた空気が除去され得;及び
・防腐剤、例えば安息香酸が、ゲル製剤に添加され得る。
本発明は、保護の範囲を限定するものと解釈されるべきではない以下の実施例によってさらに例示される。上記の説明及び以下の実施例に開示される特徴は、別々に又はそれらの任意の組合せで、その多様な形態で本発明を実現するための材料であり得る。
様々な実施例が、図を参照して、本明細書において後述される。図は、実施例の説明を容易にすることを目的としたものであるに過ぎないことにも留意されたい。それらは、権利請求される発明の包括的な説明であると意図されておらず、又は権利請求される発明の範囲を限定するものであると意図されてもいない。さらに、例示的な実施例は、示される全ての態様又は利点を有する必要はない。特定の実施例とともに説明される一態様又は利点は、必ずしもその実施例に限定されるわけではなく、そのように例示されていない場合でも、又はそのように明示的に説明されていない場合でも、いずれの他の実施例においても実施され得る。
実施例
ここで、ブタ胃粘素及び結腸細胞株によって生成される粘液層のヒドロゲルが、低モル質量キトサン(2,000Da未満)によって改変され得、これが、バリア特性を強化し、ヒドロゲルを介した、デキストランポリマー及びコレラ毒素のサブユニットの拡散を減速し得ることが示される。
全ての粘液ゲルは、同様の特性を共有するが、それらはまた、いくつかの点で異なる。これは、ムチン収縮(例えば孔径)、ムチン濃度並びに関連するタンパク質及び脂質のタイプ、並びに塩濃度を含む。さらに、それらはまた、pH、せん断応力への曝露、細菌への曝露、及び異なるターンオーバー速度などの環境因子が異なる。したがって、これらの差異を前提とすると、ブタムチンヒドロゲルのために設計された治療が、頸管粘液のバリア特性を強化する際にも機能し得ることは明らかではない。
材料及び方法
キトサンの調製
全てのキトサンを、0.5%(w/vキトサン)の濃度の100mM又は32.5mMの乳酸溶液に溶解させ、0.1又は1Mの塩酸(HCl、Merck KgaA,Germany)、及び0.1又は1Mの水酸化ナトリウム(NaOH、CPAchem Ltd.,Bulgaria)又は50%のNaOH(Sigma-Aldrich,USA)の使用によって、pH5.5(pH±0.02)に調整した。
Figure 2024513219000004
精液評価
Andrology,Sexual Medicine,Transmedicine,clinic(ANOVA,Karolinska University Hospital,Sweden)において採取された患者及びボランティアの精液サンプルを、採取後3時間以内に標準的な精液運動解析及び精子侵入アッセイによって行った。データを、採取時間、禁欲時間、及び精液量について取得した。マスターベーションによる精液の完全な採取後、精液を、37℃まで加熱されたインキュベーションチャンバ中でロッカーにおいて30分間にわたって穏やかに液化した。精液の粘度を、視覚的に及びピペッティングによって決定した。精液を、6μlの試料を、予め温めたLeja(登録商標)(Netherland)計数チャンバスライド(20μm)中にピペッティングすることによって顕微鏡によって分析した。続いて、試料を、ステージ加熱器MS 100(37℃、Linkam Scientific Instruments,UK)、5倍の総倍率で、10倍対物レンズ(Ph1)及び0.5倍電荷結合素子カメラUI-1540LE-M-HQ(IDS Imaging Development Systems GmbH,Germany)を備えた臨床ECLIPSE 50i顕微鏡(Nikon Instruments、日本)によって評価した。このシステムを、Computer Aided Semen Analysis software QualiSperm(v3.0.9.486,AKYmed,Switzerland)に連結した。精子濃度[106/ml]のほか、前進運動性[%]、運動性[%]、不動性[%]、速度[μm/秒]、精子サイズ[μm2]、及び細胞数を測定した。以下の基準を満たす精液サンプルが、この試験に含まれていた:>1.5mlの容量、>15×106/mlの濃度及び>40%の前進運動性。これらの基準は、世界保健機関(World Health Organization)(WHO)の基準限度(“WHO Laboratory Manual for the Examination and Processing of Human Semen” 2010)及びBjoerndahl(Lars Bjoerndahl. 2011. “What Is Normal Semen Quality? On the Use and Abuse of Reference Limits for the Interpretation of Semen Analysis Results.” Human Fertility 14(3):179-86)に記載される正常な精子の値を反映している。各試験において、10の値を、2つのチャンバ中の5つの視野を評価することによって生成した。
頸管粘液評価
排卵頸管粘液(CVM)(最も高い浸透性を有するCVM)を、Karolinska University Hospitalにおいて健常なドナーから採取した。ドナーは、ホルモン避妊薬を使用しておらず、18~30歳であり、19~25のBMIを有し、非喫煙者であり、投薬中でもなく慢性疾患に罹患してもいなかった。CVMの採取の前に、それぞれの健常な定期的にサイクリングしているボランティアのホルモン状態を、Karolinska University Laboratoryにおいて血液検査によって調べた。提供の時点で、女性のFSH、LH、及びエストラジオールのレベルを分析したところ、排卵の障害が判明した。粘液を、子宮内膜カテーテルGynebiops standard CH9(GYNEAS,France)及び子宮内膜生検用のPipelle de Cornier(PRODiMED,France)を用いて、外子宮口において採取した。
精子侵入の位相差顕微鏡法
精液の液化、及び精液及びCVMの評価の後、100μlの緩衝液のみ及び緩衝液中のキトサンを、隔壁を備えたキャップ(55°ショアー、Teknolab Sorbent AB,Sweden)によって閉じられ、37℃で予熱されたガラスバイアル(ND9、1.5ml、VWR,USA)中に充填した。排卵CVMのアリコートを、2つの特注のキャピラリー中に吸引し、キャピラリーを、上述されるように破断端部においてシールした。キャップの隔壁を、CVMを充填されたキャピラリーのシールされた末端によって貫通させた。キャップを通して埋め込まれたキャピラリーを、まず、37℃で30分間にわたってキトサン溶液を含むガラスバイアルに入れた(溶液中5mmの深さ)。次に、キャピラリーを、37℃で30分間にわたって精子の侵入のために、100μlの精液を含むガラスバイアルに移した(溶液中5mmの深さ)。1つの対照実験では、キトサン溶液を緩衝液のみで置き換えた以外は同じプロセスを繰り返した。別の対照実験では、排卵CVMを充填されたキャピラリーを精子に直接浸漬した以外は同じプロセスを繰り返した。インキュベーションの後、キャピラリーを、距離0.5、1、2、3、4、及び5cmで印を付けられた特注の顕微鏡のスライドガラス上に置き、予熱された(37℃)ステージ加熱器DC 95(Linkam Scientific Instruments,UK)上に配置し、顕微鏡法によって観察した。
UI-3240LE-C-HQカメラ(IDS Imaging Development Systems,Germany)を備えたEclipse Ci位相差顕微鏡(Nikon、日本)の使用によって、キャピラリーの開始部(0.1cm)を含むスライドガラス上で印を付けられた距離において映像を記録した。10倍の倍率を、対物レンズ(Ph1)及びカメラに使用して、100倍の総倍率を生成した。記録された顕微鏡視野は、0.21×0.27mmであり、0.0567mm2に相当していた。1280×1024画素の解像度を、秒当たり30枚の写真で、各距離の3つの視野の画像を記録するのに使用した。記録は、キャピラリーの上側外面から開始し、続いて、キャピラリーを通して下側面に達するまで焦点を当て、キャピラリーを通した3-Dスキャンを得た。精子を、容量(0.017mm)で計数した。アッセイを、様々なボランティアの精液を用いて、3連で行った。
≧1.5mlの容量、≧1500万個の精子/mlの精子数及び少なくとも40%の前進運動率を有する、ピペットで採取可能な(pipettable)精液を使用した。最も精子浸透性の(sperm-epenetrative)、透明期の排卵頸管粘液のみを使用した。粘液の排卵品質(ovulatory quality)を、光学顕微鏡下でムチンのシダ状結晶形成並びに黄体形成ホルモン、卵胞刺激ホルモン及びエストラジオールのレベルによって確認した。Inslerスコアリングに従って12点中少なくとも8点と採点された粘液のみを使用した。粘液の許容されるpH範囲は、6.5~8.5であった。
キトサン製剤処理後の雌羊におけるインビボ精子侵入
インビボ試験を、イル・ド・フランス種雌羊に対して行う。発情期を、人工授精(AI)の14日前に挿入されたプロゲステロン(progesten)膣内スポンジ(フルオロゲストンアセテート30mg、Sanofi Animal Health)を用いて同期させる。雌を、2週間にわたって現場条件で飼育し、スポンジを回収し、400IUの妊馬の血清ゴナドトロピン(PMSG)を、各雌羊に注入して、最適化された生殖状態を誘導する。人工授精を、発情期の検出なしでスポンジ取り出しの72時間後に行う。
試験を、ラコーヌ種雄羊によって生成された精液を用いて行う。採取された精液をろ過し、品質を、位相差顕微鏡法(BH2-RFCA顕微鏡、Olympus)によって評価する。精子濃度を、吸光度分光光度計比色計254(Ciba Corning)を用いて推定する。質量運動性(mass motility)スコアが4を超え、精子濃度が、少なくとも3×109個の精子/mLであるとき、精液を使用する。採取された精液を、精子及び鞭毛の表面にわたってR18蛍光色素(0.01%v/v)(オクタデシルローダミンBクロリド、O-246、invitrogen)で標識し、精子のミトコンドリアをMitoTracker Green FM(0.01%v/v)で標識して、インキュベートする。精液及び色素を、不連続なパーコール勾配(45%v/v及び90%v/v)で遠心分離(800g、40分、37℃)によって洗い落とす。精液を、温かい(37℃)脱脂粉乳(11%w/v)中で1×10個の精子/mLの最終濃度に希釈する。最終的な精液溶液の1mLのシリンジを、各雌羊の人工授精のために調製する。
膣及び子宮頸部入口の調査を、製剤化及び精子による授精の前にCellvizio蛍光内視顕微鏡を用いて行う。対照を、共焦点プローブを用いて行って、最終的な遠赤色蛍光発光及び自己蛍光のレベルを記録する。
キトサン製剤適用の1時間後、雌羊を人工授精させる。AIの4時間後、動物を殺処分し、共焦点蛍光内視顕微鏡検査(Cellvizio)を、以下の領域:膣、後部子宮頸部、前部子宮頸部、子宮、子宮及び卵管の接合部及び卵管において行う。精子及びキトサンの定量化を、Image Jソフトウェアを用いて評価する。画像列を、生殖管の様々な領域について記録する。キトサン蛍光強度の定量化を、Cellvizio ICビューアーを用いて分析し、視野当たりの精子の総数を計数し、運動性分析に供して、運動精子のパーセンテージを得る。
実施例1
ヒト排卵頸管粘液のバリア特性に対するキトサンの影響を、様々なモル質量の製剤含有キトサンを用いて試験した。このアッセイにおいて、ヒト排卵頸管粘液を、乳酸中で可溶化されたキトサンを含有する製剤に曝露し、次に、キトサン製剤を除去し、採取したばかりのヒト精液で置き換える。30分後にキャピラリーを通した精子分布を測定し、非処理の粘液と比較することによって、粘液のバリア特性を強化するこのようなキトサン製剤の能力を強調することができる。
試験される各キトサンを、サイズ排除クロマトグラフィーによって特性評価して、それらの分子量を決定した。
実施例1の結果
図1~6に示されるこれらの結果は、排卵頸管粘液が、かなりの数の精子が、精液への30分の曝露の間にキャピラリーチューブに浸透するのを可能にすることを示す。キトサンを溶解させるのに使用される乳酸溶液による頸管粘液の処理は、精子侵入に対して強い効果を与えなかった。30分間にわたるキトサン溶液への排卵頸管粘液の曝露の後、排卵頸管粘液は、精子に対して浸透性が低くなった。これらの結果は、102.3、150.0、175.6、251.8、290.9、及び315.9kDaであると測定されたキトサンによる排卵頸管粘液の処理が全て、乳酸で処理された又は非処理の排卵頸管粘液のいずれかと比較して、排卵頸管粘液に浸透する精子の能力を有意に低下させたことを実証する。
実施例2
また、キトサン製剤のバリア強化効果を、異なるサイズの2つのキトサン、CsH(131.8kDa)及び95/50(102.3kDa)を用いて、インビボモデルにおいて確認した。実施例1の精子侵入アッセイと同様に、排卵頸管粘液を、キトサン溶液に曝露し、次に、精子の侵入を評価する。しかしながら、ここでは、処理を、動物において行い、精子侵入は、膣から子宮へと、動物の生殖管を通したものである。精子の蛍光標識及び蛍光内視顕微鏡検査技術の組合せは、キトサン処理後の生殖管を通した精子の検出を可能にする。
子宮頸管へのキトサンの適切な送達のために、キトサン製剤は、製剤の滞留時間を増加させ、漏れを避けるために、溶液の粘度を増加させる賦形剤を含有すべきである。賦形剤が、粘液成分との完全な相互作用を許容するようキトサンと相互作用しないことが重要である。選択されたゲル化賦形剤は、少なくとも、それらの良好な生体適合性について知られ、キトサンの正電荷と相互作用し得る負電荷を有さず、キトサンとの知られた相互作用を有さない必要がある。ヒドロキシエチルセルロースは、相溶性の増粘剤と見なされ、これらの試験に使用された。
実施例2の結果
排卵中に人工受精されたが、キトサンで前処理されなかった対照の雌羊は、遠位子宮頸部及び子宮内で検出された多くの精子を有していた。遠位子宮頸部及び子宮内で検出された精子の数は、キトサン製剤が、人工授精の1時間前に雌羊の膣に最初に入れられたとき、有意に減少した。この実験は、インビボで102.3kDa(95/50)及び131.8kDa(CsH)のキトサンを含有する製剤のバリア強化効果を実証する。結果が、図7に示される。
実施例3
この実施例は、「アミノ酸モノマー」による粘液強化を実証するためのものである。本実施例において、ポリ-L-リジン(PLL)の溶液にまず曝露され、乳酸溶液(32.5mMの乳酸)に5mg/mLで溶解されたヒト排卵頸管粘液中へのヒト精子の侵入が試験される。結果が、図8に示され、これは、ヒト排卵粘液において行われる精子侵入アッセイを示している。精子数を、非希釈精子への曝露の30分後に評価した。
実施例3において使用される材料及び方法は、粘度測定によって測定した際に290.6kDaの範囲の分子量で、キトサンをPLLで置き換えて行った以外は、実施例1において使用される材料及び方法と同様である。
実施例3の結果
より少ない精子が、乳酸溶液単独で処理されたか又は非処理の場合より、PLL溶液で前処理された排卵頸管粘液を充填されたキャピラリーに通して検出された。PLL化合物が、精子に対するヒト排卵頸管粘液のバリア特性を強化することができることが推論され得る。
比較例1
キトサンモル質量の影響が、ヒト排卵頸管粘液を通した様々なサイズの蛍光標識されたキトサンの拡散を試験することによって証明された。動物起源のキトサン(甲殻類の殻から抽出された、CO)及び真菌ベースのキトサン(Z49、Z56)の両方について。ヒト排卵頸管粘液のバリア特性に対するキトサンのモル質量の影響を、様々なモル質量の製剤含有キトサンを用いて試験した。精子侵入アッセイ、ヒト精子、及び排卵頸管粘液を使用することによって、ブタ胃粘素ヒドロゲル及び結腸細胞株によって発現された粘液を強化するのに有効であったより小さいキトサンが、粘液を通したヒト精子の侵入を停止させることができなかったことが、確認されるであろう。これは、5.5のpH及び乳酸緩衝液中で、いくつかの様々な緩衝系におけるCOキトサンについて明らかに証明された(図9)。
同様に、7.1及び18.9kDaの真菌キトサン、それぞれZ49及びZ56も、精子侵入を停止させるのに有効でなかったことが示された(図10)。
本発明は、これ以降、以下の非限定的な項目によって説明される。
1.1つ以上の有効成分及び生理的に許容されるゲル化剤又は生理的に許容される担体から選択される少なくとも1つの製剤化合物を含む膣用避妊組成物であって、1つ以上の有効成分の少なくとも1つが、粘膜付着性ポリマーであり、前記粘膜付着性ポリマーが、90,000Da~350,000Daの分子量を有し、前記粘膜付着性ポリマーが、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、又はこれらの組合せを介して互いに結合された複数のモノマー単位からなり、前記モノマー単位が、C6糖、アミノ官能化C6糖、アミノ酸、又はこれらの組合せから選択され、モノマー単位の少なくとも50%が、少なくとも1つのアミノ基を含む、膣用避妊組成物。
2.組成物が、1つ以上の有効成分、生理的に許容されるゲル化剤、及び生理的に許容される担体を含む、項目1に記載の膣用避妊組成物。
3.生理的に許容される担体が、膣用避妊組成物の総重量の5.0重量%~99.0重量%、例えば膣用避妊組成物の総重量の5.0重量%~90.0重量%、例えば5.0重量%~80.0重量%、例えば10.0重量%~75.0重量%、例えば10.0重量%~70.0重量%、例えば10.0重量%~60.0重量%、例えば10.0重量%~50.0重量%、例えば少なくとも5.0重量%、又は例えば少なくとも10.0重量%の濃度である、いずれかの先行する項目に記載の膣用避妊組成物。
4.生理的に許容されるゲル化剤が、膣用避妊組成物の総重量の0.05重量%~50.0重量%、例えば膣用避妊組成物の総重量の0.10重量%~50.0重量%、例えば0.10重量%~40.0重量%、例えば0.10重量%~30.0重量%、例えば0.10重量%~20.0重量%、例えば0.05重量%~10.0重量%、例えば0.10重量%~10.0重量%、又は例えば0.50重量%~10.0重量%の濃度である、いずれかの先行する項目に記載の膣用避妊組成物。
5.膣用避妊組成物が、少なくとも50mOsm/kg、例えば少なくとも75mOsm/kg、又は例えば少なくとも100mOsm/kgの重量オスモル濃度を有する、いずれかの先行する項目に記載の膣用避妊組成物。
6.膣用避妊組成物が、フォームでない、いずれかの先行する項目に記載の膣用避妊組成物。
7.粘膜付着性ポリマーが、100,000Da~350,000Da、例えば101,000Da~350,000Daの分子量を有する、いずれかの先行する項目に記載の膣用避妊組成物。
8.粘膜付着性ポリマーが、102,000Da~350,000Da、例えば102,000Da~325,000Daの分子量を有する、いずれかの先行する項目に記載の膣用避妊組成物。
9.粘膜付着性ポリマーが、110,000Da~350,000Da、例えば110,000Da~325,000Daの分子量を有する、いずれかの先行する項目に記載の膣用避妊組成物。
10.粘膜付着性ポリマーが、120,000Da~350,000Da、例えば120,000Da~325,000Daの分子量を有する、いずれかの先行する項目に記載の膣用避妊組成物。
11.粘膜付着性ポリマーが、100,000Da~149,000Da又は151,000~350,000Da、例えば101,000Da~149,000Da又は151,000~350,000Da、例えば101,000Da~149,000Da又は151,000~325,000Da、例えば110,000Da~149,000Da又は151,000~325,000Da、例えば120,000Da~149,000Da又は151,000~325,000Da、又は例えば125,000Da~149,000Da又は151,000~325,000Daの分子量を有する、いずれかの先行する項目に記載の膣用避妊組成物。
12.前記粘膜付着性ポリマーが、エーテル結合を介して互いに結合された複数のモノマー単位からなる、いずれかの先行する項目に記載の膣用避妊組成物。
13.モノマー単位の少なくとも55%が、少なくとも1つのアミノ基を含む、いずれかの先行する項目に記載の膣用避妊組成物。
14.モノマー単位の少なくとも60%が、少なくとも1つのアミノ基を含む、いずれかの先行する項目に記載の膣用避妊組成物。
15.モノマー単位の少なくとも65%が、少なくとも1つのアミノ基を含む、いずれかの先行する項目に記載の膣用避妊組成物。
16.モノマー単位の少なくとも70%が、少なくとも1つのアミノ基を含む、いずれかの先行する項目に記載の膣用避妊組成物。
17.少なくとも1つのアミノ基の1つ以上が、第一級アミンである、いずれかの先行する項目に記載の膣用避妊組成物。
18.モノマー単位が、C6糖、アミノ官能化C6糖、又はこれらの組合せから選択される、いずれかの先行する項目に記載の膣用避妊組成物。
19.モノマー単位が、アミノ官能化C6糖である、いずれかの先行する項目に記載の膣用避妊組成物。
20.モノマー単位が、D-グルコサミン及びN-アセチル-D-グルコサミンの組合せである、いずれかの先行する項目に記載の膣用避妊組成物。
21.少なくとも50%が、D-グルコサミンである、項目20に記載の膣用避妊組成物。
22.50%以下が、N-アセチル-D-グルコサミンである、項目20~21のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
23.50%~100%が、D-グルコサミンである、項目20~22のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
24.0%~50%が、N-アセチル-D-グルコサミンである、項目20~23のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
25.少なくとも65%が、D-グルコサミンである、項目20~24のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
26.35%以下が、N-アセチル-D-グルコサミンである、項目20~25のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
27.65%~100%が、D-グルコサミンである、項目20~26のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
28.0%~35%が、N-アセチル-D-グルコサミンである、項目20~27のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
29.粘膜付着性ポリマーが、アミド結合を介して結合された469~4,661アミノ酸の長さのペプチド分子である、項目1~11のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
30.粘膜付着性ポリマーが、アミノ酸のポリペプチドであり、ここで、アミノ酸の少なくとも50%が、アルギニン、リジン、ヒスチジン、オルニチン、及びβ-アラニンからなるリストから選択される、項目29に記載の膣用避妊組成物。
31.粘膜付着性ポリマーが、ポリ-リジン、ポリ-オルニチン、及び/又はポリ-アルギニンを含む、項目29~30のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
32.粘膜付着性ポリマーが、ポリ-リジンを含む、項目31に記載の膣用避妊組成物。
33.粘膜付着性ポリマーが、469~4,661アミノ酸の長さのペプチド分子であり、ここで、アミノ酸の少なくとも50%が、疎水性基を有し、このアミノ酸は、アラニン、メチオニン、システイン、フェニルアラニン、ロイシン、バリン、及びイソロイシンからなるリストから選択され、残りのアミノ酸は、グリシン、セリン、トレオニン、アスパラギン、及びグルタミンからなるリストから選択され得る、項目1~11のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
34.粘膜付着性ポリマーが、アミノ酸を含み、ここで、アミノ酸の少なくとも50%が、アルギニン、リジン、ヒスチジン、オルニチン、及びβ-アラニンからなる群から選択され、又はアミノ酸の50%が、疎水性基を有し、アラニン、メチオニン、システイン、フェニルアラニン、ロイシン、バリン、及びイソロイシンからなる群から選択される、項目1~11のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
35.粘膜付着性ポリマーが、アミド結合を介して結合されたペプチド分子であり、ここで、アミノ酸の少なくとも50%が、アルギニン、リジン、ヒスチジン、オルニチン、及びβ-アラニンからなるリストから選択される、項目1~11のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
36.アミノ酸の少なくとも60%が、アルギニン、リジン、ヒスチジン、オルニチン、及びβ-アラニンからなるリストから選択される、項目35に記載の膣用避妊組成物。
37.アミノ酸の少なくとも70%が、アルギニン、リジン、ヒスチジン、オルニチン、及びβ-アラニンからなるリストから選択される、項目35~36のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
38.粘膜付着性ポリマーが、アミド結合を介して結合されたペプチド分子であり、ここで、アミノ酸の少なくとも50%がリジンである、項目1~11のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
39.アミノ酸の少なくとも60%、例えば少なくとも70%がリジンである、項目38に記載の膣用避妊組成物。
40.粘膜付着性ポリマーが、L-リジンであるアミノ酸を含む、項目1~11のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
41.粘膜付着性ポリマーが、ポリ-L-リジン(PLL)である、項目40に記載の膣用避妊組成物。
42.生理的に許容されるゲル化剤が、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、グリセロール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース、グアーガム、又はこれらの組合せから選択される、いずれかの先行する項目に記載の膣用避妊組成物。
43.前記粘膜付着性ポリマーが、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、又はこれらの組合せによって互いに結合された616~2,054個のモノマー単位からなる、いずれかの先行する項目に記載の膣用避妊組成物。
44.前記粘膜付着性ポリマーが、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、又はこれらの組合せを介して互いに結合された800~2,054個のモノマー単位からなる、いずれかの先行する項目に記載の膣用避妊組成物。
45.前記粘膜付着性ポリマーが、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、又はこれらの組合せを介して互いに結合された800~1,800個のモノマー単位からなる、いずれかの先行する項目に記載の膣用避妊組成物。
46.前記粘膜付着性ポリマーが、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、又はこれらの組合せを介して互いに結合された1,000~1,800個のモノマー単位からなる、いずれかの先行する項目に記載の膣用避妊組成物。
47.前記粘膜付着性ポリマーが、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、又はこれらの組合せを介して互いに結合された1,200~1,600個のモノマー単位からなる、いずれかの先行する項目に記載の膣用避妊組成物。
48.粘膜付着性ポリマーが、膣用避妊組成物の総重量の0.05重量%~10.0重量%の濃度である、いずれかの先行する項目に記載の膣用避妊組成物。
49.組成物のpHが、2.0~7.0である、いずれかの先行する項目に記載の膣用避妊組成物。
50.組成物のpHが、2.5~6.5である、いずれかの先行する項目に記載の膣用避妊組成物。
51.組成物のpHが、3.0~6.0である、いずれかの先行する項目に記載の膣用避妊組成物。
52.組成物が、避妊用組成物である、いずれかの先行する項目に記載の膣用避妊組成物。
53.避妊剤としての、項目1~52のいずれかに記載の膣用避妊組成物の使用。
54.治療に使用するための膣用避妊組成物であって、膣用避妊組成物が、1つ以上の有効成分及び生理的に許容されるゲル化剤又は生理的に許容される担体から選択される少なくとも1つの製剤化合物を含み、1つ以上の有効成分の少なくとも1つが、粘膜付着性ポリマーであり、前記粘膜付着性ポリマーが、90,000Da~350,000Daの分子量を有し、前記粘膜付着性ポリマーが、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、又はこれらの組合せを介して互いに結合された複数のモノマー単位からなり、前記モノマー単位が、C6糖、アミノ官能化C6糖、アミノ酸、又はこれらの組合せから選択され、モノマー単位の少なくとも50%が、少なくとも1つのアミノ基を含む、膣用避妊組成物。
55.避妊薬又は避妊剤として使用するための膣用避妊組成物であって、膣用避妊組成物が、1つ以上の有効成分及び生理的に許容されるゲル化剤又は生理的に許容される担体から選択される少なくとも1つの製剤化合物を含み、1つ以上の有効成分の少なくとも1つが、粘膜付着性ポリマーであり、前記粘膜付着性ポリマーが、90,000Da~350,000Daの分子量を有し、前記粘膜付着性ポリマーが、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、又はこれらの組合せを介して互いに結合された複数のモノマー単位からなり、前記モノマー単位が、C6糖、アミノ官能化C6糖、アミノ酸、又はこれらの組合せから選択され、モノマー単位の少なくとも50%が、少なくとも1つのアミノ基を含む、膣用避妊組成物。
56.産児制限又は産児制限治療に使用するための膣用避妊組成物であって、膣用避妊組成物が、1つ以上の有効成分及び生理的に許容されるゲル化剤又は生理的に許容される担体から選択される少なくとも1つの製剤化合物を含み、1つ以上の有効成分の少なくとも1つが、粘膜付着性ポリマーであり、前記粘膜付着性ポリマーが、90,000Da~350,000Daの分子量を有し、前記粘膜付着性ポリマーが、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、又はこれらの組合せを介して互いに結合された複数のモノマー単位からなり、前記モノマー単位が、C6糖、アミノ官能化C6糖、アミノ酸、又はこれらの組合せから選択され、モノマー単位の少なくとも50%が、少なくとも1つのアミノ基を含む、膣用避妊組成物。
57.組成物が、1つ以上の有効成分、生理的に許容されるゲル化剤、及び生理的に許容される担体を含む、項目54又は55又は56に記載の膣用避妊組成物。
58.生理的に許容される担体が、膣用避妊組成物の総重量の5.0重量%~99.0重量%、例えば膣用避妊組成物の総重量の5.0重量%~90.0重量%、例えば5.0重量%~80.0重量%、例えば10.0重量%~75.0重量%、例えば10.0重量%~70.0重量%、例えば10.0重量%~60.0重量%、例えば10.0重量%~50.0重量%、例えば少なくとも5.0重量%、又は例えば少なくとも10.0重量%の濃度である、項目54~57のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
59.生理的に許容されるゲル化剤が、膣用避妊組成物の総重量の0.05重量%~50.0重量%、例えば膣用避妊組成物の総重量の0.10重量%~50.0重量%、例えば0.10重量%~40.0重量%、例えば0.10重量%~30.0重量%、例えば0.10重量%~20.0重量%、例えば0.05重量%~10.0重量%、例えば0.10重量%~10.0重量%、又は例えば0.50重量%~10.0重量%の濃度である、項目54~58のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
60.膣用避妊組成物が、少なくとも50mOsm/kg、例えば少なくとも75mOsm/kg、又は例えば少なくとも100mOsm/kgの重量オスモル濃度を有する、項目54~59のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
61.膣用避妊組成物が、フォームでない、項目54~60のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
62.粘膜付着性ポリマーが、100,000Da~350,000Da、例えば101,000Da~350,000Daの分子量を有する、項目54~61のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
63.粘膜付着性ポリマーが、110,000Da~350,000Da、例えば110,000Da~325,000Daの分子量を有する、項目54~62のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
64.粘膜付着性ポリマーが、120,000Da~350,000Da、例えば120,000Da~325,000Daの分子量を有する、項目54~63のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
65.粘膜付着性ポリマーが、125,000Da~350,000Da、例えば125,000Da~325,000Daの分子量を有する、項目54~64のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
66.粘膜付着性ポリマーが、101,000Da~149,000Da又は151,000~350,000Da、例えば101,000Da~149,000Da又は151,000~325,000Da、例えば110,000Da~149,000Da又は151,000~325,000Da、例えば120,000Da~149,000Da又は151,000~325,000Da、又は例えば125,000Da~149,000Da又は151,000~325,000Daの分子量を有する、項目54~65のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
67.前記粘膜付着性ポリマーが、エーテル結合を介して互いに結合された複数のモノマー単位からなる、項目54~66のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
68.モノマー単位の少なくとも55%が、少なくとも1つのアミノ基を含む、項目54~67のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
69.モノマー単位の少なくとも60%が、少なくとも1つのアミノ基を含む、項目54~68のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
70.モノマー単位の少なくとも65%が、少なくとも1つのアミノ基を含む、項目54~69のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
71.モノマー単位の少なくとも70%が、少なくとも1つのアミノ基を含む、項目54~70のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
72.少なくとも1つのアミノ基が、第一級アミンである、項目54~71のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
73.モノマー単位が、C6糖、アミノ官能化C6糖、又はこれらの組合せから選択される、項目54~72のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
74.モノマー単位が、アミノ官能化C6糖である、項目54~73のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
75.モノマー単位が、D-グルコサミン及びN-アセチル-D-グルコサミンの組合せである、項目54~74のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
76.少なくとも50%が、D-グルコサミンである、項目75に記載の膣用避妊組成物。
77.50%以下が、N-アセチル-D-グルコサミンである、項目75~76のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
78.50%~100%が、D-グルコサミンである、項目75~77のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
79.0%~50%が、N-アセチル-D-グルコサミンである、項目75~78のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
80.少なくとも65%が、D-グルコサミンである、項目75~79のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
81.35%以下が、N-アセチル-D-グルコサミンである、項目75~80のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
82.65%~100%が、D-グルコサミンである、項目75~81のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
83.0%~35%が、N-アセチル-D-グルコサミンである、項目75~82のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
84.粘膜付着性ポリマーが、アミド結合を介して結合された469~4,661アミノ酸の長さのペプチド分子である、項目54~66のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
85.粘膜付着性ポリマーが、アミノ酸のポリペプチドであり、ここで、アミノ酸の少なくとも50%が、アルギニン、リジン、ヒスチジン、オルニチン、及びβ-アラニンからなるリストから選択される、項目84に記載の膣用避妊組成物。
86.粘膜付着性ポリマーが、ポリ-リジン、ポリ-オルニチン、及び/又はポリ-アルギニンを含む、項目84~85のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
87.粘膜付着性ポリマーが、ポリ-リジンを含む、項目86に記載の膣用避妊組成物。
88.粘膜付着性ポリマーが、469~4,661アミノ酸の長さのペプチド分子であり、ここで、アミノ酸の少なくとも50%が、疎水性基を有し、このアミノ酸は、アラニン、メチオニン、システイン、フェニルアラニン、ロイシン、バリン、及びイソロイシンからなるリストから選択され、残りのアミノ酸は、グリシン、セリン、トレオニン、アスパラギン、及びグルタミンからなるリストから選択され得る、項目54~66のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
89.粘膜付着性ポリマーが、アミノ酸を含み、ここで、アミノ酸の少なくとも50%が、アルギニン、リジン、ヒスチジン、オルニチン、及びβ-アラニンからなる群から選択され、又はアミノ酸の50%が、疎水性基を有し、アラニン、メチオニン、システイン、フェニルアラニン、ロイシン、バリン、及びイソロイシンからなる群から選択される、項目54~66のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
90.粘膜付着性ポリマーが、アミド結合を介して結合されたペプチド分子であり、ここで、アミノ酸の少なくとも50%が、アルギニン、リジン、ヒスチジン、オルニチン、及びβ-アラニンからなるリストから選択される、項目54~66のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
91.アミノ酸の少なくとも60%が、アルギニン、リジン、ヒスチジン、オルニチン、及びβ-アラニンからなるリストから選択される、項目90に記載の膣用避妊組成物。
92.アミノ酸の少なくとも70%が、アルギニン、リジン、ヒスチジン、オルニチン、及びβ-アラニンからなるリストから選択される、項目90~91のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
93.粘膜付着性ポリマーが、アミド結合を介して結合されたペプチド分子であり、ここで、アミノ酸の少なくとも50%がリジンである、項目54~66のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
94.アミノ酸の少なくとも60%、例えば少なくとも70%がリジンである、項目93に記載の膣用避妊組成物。
95.粘膜付着性ポリマーが、L-リジンであるアミノ酸を含む、項目54~66のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
96.粘膜付着性ポリマーが、ポリ-L-リジン(PLL)である、項目95に記載の膣用避妊組成物。
97.生理的に許容されるゲル化剤が、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、グリセロール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース、グアーガム、又はこれらの組合せから選択される、項目54~96のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
98.前記粘膜付着性ポリマーが、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、又はこれらの組合せを介して互いに結合された616~2,054個のモノマー単位からなる、項目54~97のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
99.前記粘膜付着性ポリマーが、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、又はこれらの組合せを介して互いに結合された800~2,054個のモノマー単位からなる、項目54~98のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
100.前記粘膜付着性ポリマーが、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、又はこれらの組合せを介して互いに結合された800~1,800個のモノマー単位からなる、項目54~99のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
101.前記粘膜付着性ポリマーが、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、又はこれらの組合せを介して互いに結合された1,000~1,800個のモノマー単位からなる、項目54~100のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
102.前記粘膜付着性ポリマーが、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、又はこれらの組合せを介して互いに結合された1,200~1,600個のモノマー単位からなる、項目54~101のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
103.粘膜付着性ポリマーが、膣用避妊組成物の総重量の0.05重量%~10.0重量%の濃度である、項目54~102のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
104.組成物のpHが、2.0~7.0である、項目54~103のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
105.組成物のpHが、2.5~6.5である、項目54~104のいずれかに記載の膣用避妊組成物。
106.組成物のpHが、3.0~6.0である、項目54~105のいずれかに記載の膣用避妊組成物。

Claims (15)

  1. 1つ以上の有効成分及び生理的に許容されるゲル化剤又は生理的に許容される担体から選択される少なくとも1つの製剤化合物を含む膣用避妊組成物であって、前記1つ以上の有効成分の少なくとも1つが、粘膜付着性ポリマーであり、前記粘膜付着性ポリマーが、90,000Da~350,000Daの分子量を有し、前記粘膜付着性ポリマーが、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、又はこれらの組合せを介して互いに結合された複数のモノマー単位からなり、前記モノマー単位が、C6糖、アミノ官能化C6糖、アミノ酸、又はこれらの組合せから選択され、前記モノマー単位の少なくとも50%が、少なくとも1つのアミノ基を含む、膣用避妊組成物。
  2. 前記組成物が、1つ以上の有効成分、生理的に許容されるゲル化剤、及び生理的に許容される担体を含む、請求項1に記載の膣用避妊組成物。
  3. 前記生理的に許容される担体が、前記膣用避妊組成物の総重量の5.0重量%~99.0重量%、例えば前記膣用避妊組成物の総重量の5.0重量%~90.0重量%、例えば5.0重量%~80.0重量%、例えば10.0重量%~75.0重量%、例えば10.0重量%~70.0重量%、例えば10.0重量%~60.0重量%、例えば10.0重量%~50.0重量%、例えば少なくとも5.0重量%、又は例えば少なくとも10.0重量%の濃度である、請求項1又は2に記載の膣用避妊組成物。
  4. 前記生理的に許容されるゲル化剤が、前記膣用避妊組成物の総重量の0.05重量%~50.0重量%、例えば前記膣用避妊組成物の総重量の0.10重量%~50.0重量%、例えば0.10重量%~40.0重量%、例えば0.10重量%~30.0重量%、例えば0.10重量%~20.0重量%、例えば0.05重量%~10.0重量%、例えば0.10重量%~10.0重量%、又は例えば0.50重量%~10.0重量%の濃度である、請求項1~3のいずれか一項に記載の膣用避妊組成物。
  5. 前記膣用避妊組成物が、少なくとも50mOsm/kg、例えば少なくとも75mOsm/kg、又は例えば少なくとも100mOsm/kgの重量オスモル濃度を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の膣用避妊組成物。
  6. 前記膣用避妊組成物が、フォームでない、請求項1~5のいずれか一項に記載の膣用避妊組成物。
  7. 前記組成物が、避妊用組成物である、請求項1~6のいずれか一項に記載の膣用避妊組成物。
  8. 前記組成物が、1つ以上の有効成分、生理的に許容されるゲル化剤、及び生理的に許容される緩衝液を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の膣用避妊組成物。
  9. 前記緩衝液が、1mM~350mMの濃度、例えば1mM~325mMの濃度、例えば1mM~300mMの濃度、例えば2mM~300mMの濃度、例えば3mM~300mMの濃度、例えば4mM~300mMの濃度、例えば5mM~300mMの濃度、例えば10mM~300mMの濃度、例えば15mM~300mMの濃度、例えば20mM~300mMの濃度、例えば20mM~250mMの濃度、又は例えば20mM~200mMの濃度である、請求項8に記載の膣用避妊組成物。
  10. 前記組成物が、1つ以上の有効成分、生理的に許容されるゲル化剤、及び生理的に許容される防腐剤を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の膣用避妊組成物。
  11. 前記粘膜付着性ポリマーが、101,000Da~350,000Daの分子量を有し;前記粘膜付着性ポリマーが、150,000Da、例えば149,000Da~151,000Daの分子量を有さず;前記粘膜付着性ポリマーが、251,000Da~252,000Da、例えば250,000Da~253,000Daの分子量を有さない、請求項1~10のいずれか一項に記載の膣用避妊組成物。
  12. 避妊剤としての、請求項1~11のいずれか一項に記載の膣用避妊組成物の使用。
  13. 治療に使用するための膣用避妊組成物であって、請求項1~11のいずれか一項に記載の膣用避妊組成物である、膣用避妊組成物。
  14. 避妊薬又は避妊剤として使用するための膣用避妊組成物であって、請求項1~11のいずれか一項に記載の膣用避妊組成物である、膣用避妊組成物。
  15. 産児制限又は産児制限治療に使用するための膣用避妊組成物であって、請求項1~11のいずれか一項に記載の膣用避妊組成物である、膣用避妊組成物。
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