JP2024512942A - アイソタクチックポリプロピレンの生成のための方法及び触媒系 - Google Patents

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Abstract

プロピレン重合の方法は、高い反応器温度でポリプロピレンアイソタクチック性に有利に働くビス-ビフェニル-フェノキシプロ触媒を組み込む。本方法は、触媒系の存在下でプロピレンを重合させて、プロピレン系ポリマーを生成することを含む。触媒系は、ビス-ビフェニル-フェノキシプロ触媒から選択される金属-配位子錯体を含む。重合反応は、110℃~190℃又は160℃~190℃の反応温度で、アイソタクチックトライアドの百分率によって測定される場合90%超のアイソタクチック性を有するポリプロピレンをもたらす。

Description

本開示の実施形態は、概して、プロピレン重合の方法に関し、より具体的には、ビス-ビフェニル-フェノキシプロ触媒を組み込んだプロピレン重合のための方法に関し、ビス-ビフェニル-フェノキシプロ触媒は、高い反応器温度であっても、ポリプロピレンのアイソタクチック性に有利に働く。
ポリプロピレンなどのプロピレン系ポリマーは、様々な触媒系を介して生成され、触媒系の選択は、ポリマーの特徴及び特性に寄与する重要な因子であり得る。ポリプロピレンについて関心のある多くの特徴の中には、アイソタクチック性がある。よく理解されているように、ポリプロピレンは、ペンダントメチル基が結合したキラル炭素原子(C)を含む繰り返し単位(-CHH(CH)-)を有する。完全にアイソタクチックなポリプロピレンでは、ポリマー骨格中のキラル炭素原子の全てが同じキラリティーを有する。完全にシンジオタクチックなポリプロピレンでは、この炭素原子のキラリティーは、連続する各繰り返し単位と交互になっている。アタクチックポリプロピレンでは、この炭素原子のキラリティーは、ポリマー鎖を通してランダムである。
プロピレンアイソタクチック性は、様々な分析技術によって定量化することができる。1つのそのような技術は、NMRによるアイソタクチックトライアドの定量化であり、これは、全ポリプロピレン鎖に沿って3つの隣接モノマー単位(トライアド)ごとに、ポリマー鎖中のトライアドの総数に対して、何パーセントのトライアド(mm%)が3つのアイソタクチックモノマーを有するかを評価する。シンジオタクチットシティは、ポリマー鎖中のトライアドの総数に対して、何パーセントのトライアド(rr%)がシンジオタクチックであるかを定量化することによって、同様の様式で評価され得る。
ポリプロピレン生成においては、多くの化学プロセスと同様に、重合反応器温度を上昇させることによって、反応器処理量を増加させることができ、反応器効率の利点を得ることができることが理解される。しかし、プロピレン重合に適用可能な多くの触媒系は、反応器温度が特に130℃超に上昇するにつれて、典型的には効率が低下し、高レベルのポリマーアイソタクチック性(例えば、mm%トライアドによって測定される場合)を生成する能力を失う場合がある。
したがって、高い反応器温度であっても、得られるポリプロピレンにおけるアイソタクチック性の著しい損失なしに、好適な触媒活性及びポリマー分子量特徴を呈するプロピレン重合プロセス及び触媒系に対する継続的な必要性が残っている。
前述の背景に対して、本明細書に開示される例示的な実施形態は、触媒系の存在下でプロピレンを重合させて、プロピレン系ポリマーを生成することを含むプロピレン重合プロセスを対象とし、触媒系は、式(I)に従う金属-配位子錯体を含む:
式(I)において、Mは、ジルコニウム又はハフニウムであり、A及びAは、本明細書で後述する式(I-a)を有する3,5-二置換フェニルラジカル及び本明細書で後述する式(I-b)を有する二置換カルバゾリルラジカルからなる群から独立して選択され、B及びBは、独立して、(C~C40)ヒドロカルビルであり、R1a、R1b、R2a、R2b、R3a、R3b、R4a、及びR4bは、-H、(C~C40)ヒドロカルビル、(C~C40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R、-Ge(R、-P(R、-N(R-OR、-SR、-NO、-CN、-CF、RS(O)-、RS(O)-、(RC=N-、RC(O)O-、ROC(O)-、RC(O)N(R)-、(RNC(O)-、及びハロゲンから独立して選択され、Lは、-(CH-、-(CH-、-(CH-、-(CH(CH)CHCH(CH))-、-(CHCH(R)CH)-、-CHSi(RCH-、及び-CHGe(RCH-からなる群から選択され、式(I)中の各R、R、及びRは、独立して、(C~C30)ヒドロカルビル、(C~C30)ヘテロヒドロカルビル、又は-Hである。
上記の全般的な説明及び下記の詳細な説明の両方は、様々な実施形態を説明し、特許請求される主題の性質及び特徴を理解するための概要又は枠組みの提供を意図していることを理解されたい。添付の図面は、様々な実施形態の更なる理解を提供するために含まれ、かつ本明細書に組み込まれ、その一部を構成する。図面は、本明細書に記載される様々な実施形態を例示し、説明とともに、特許請求される主題の原則及び動作を説明する役目を果たす。
これより、プロピレン重合方法及び関連する触媒系の特定の実施形態を説明する。本開示の重合方法及び関連触媒系は、異なる形態で実施されてもよく、本開示に記載される具体的な実施形態に限定されると解釈されるべきではないことを理解されたい。むしろ、実施形態は、本開示が、徹底的かつ完全であり、主題の範囲を当業者に完全に伝えるように提供される。
一般的な略語を以下に列挙する。
Me:メチル、Et:エチル、Ph:フェニル、Bn:ベンジル、i-Pr:イソ-プロピル(1-メチルエチル)、t-Bu:tert-ブチル(1,1-ジメチルエチル)、t-Oct:tert-オクチル(1,1,3.3-テトラメチルブチル)、THF:テトラヒドロフラン、EtO:ジエチルエーテル、CHCl:ジクロロメタン、C:重水素化ベンゼン又はベンゼン-d6:CDCl:重水素化クロロホルム、NaSO:硫酸ナトリウム、MgSO:硫酸マグネシウム、HCl:塩化水素、n-BuLi:ブチルリチウム、HfCl:塩化ハフニウム(IV)、HfBn:ハフニウム(IV)テトラベンジル、ZrCl:塩化ジルコニウム(IV)、ZrBn:ジルコニウム(IV)テトラベンジル、ZrBnCl(OEt):ジルコニウム(IV)ジベンジルジクロリドモノ-ジエチルエーテル化物、HfBnCl(OEt):ハフニウム(IV)ジベンジルジクロリドモノ-ジエチルエーテル化物、N:窒素ガス、PhMe:トルエン、PPR:並列重合反応器、MAO:メチルアルミノキサン、MMAO:修飾メチルアルミノキサン、NMR:核磁気共鳴、mmol:ミリモル、mL:ミリリットル、M:モル濃度、min又はmins:分、h又はhrs:時間、d:日、rpm:1分間当たりの回転数、STP:標準圧力及び温度。
「独立して選択される」という用語は、本明細書において可変基に関して使用されて、任意の他の可変基の同一性に関係なく、可変基が同一であっても異なっていてもよいことを示す。可変基に関連する化学名は、化学名の化学構造に対応するものとして当該技術分野で認識されている化学構造を伝えることを意図している。したがって、化学名は、当業者に既知の構造的定義を補足及び例示することを意図しており、排除することを意図するものではない。
「プロ触媒」という用語は、活性化剤と組み合わせたときに触媒活性を有する化合物を指す。「活性化剤」という用語は、プロ触媒を触媒的に活性な触媒に変換するようにプロ触媒と化学的に反応する化合物を指す。本明細書で使用される場合、「共触媒」及び「活性化剤」という用語は、互換的な用語である。
ある特定の炭素原子含有化学基を説明するために使用される場合、「(C~C)」の形態を有する括弧付きの表現は、化学基の非置換形態が、x及びyを含むx個の炭素原子~y個の炭素原子を有することを意味する。例えば、(C~C50)アルキルは、その非置換形態において、1~50個の炭素原子を有するアルキル基である。いくつかの実施形態及び一般構造において、ある特定の化学基は、Rなどの1つ以上の置換基によって置換され得る。括弧付きの「(C~C)」を使用して定義されるR置換化学基は、任意の基Rの同一性に従ってy個を超える炭素原子を含有し得る。例えば、「Rがフェニル(-C)である、正確に1つの基Rで置換された(C~C50)アルキル」は、7~56個の炭素原子を含有し得る。したがって、概して、括弧付きの「(C~C)」を使用して定義される化学基が、1個以上の炭素原子含有置換基Rによって置換される場合、化学基の炭素原子の最小及び最大総数は、xとyとの両方に、全ての炭素原子含有置換基R由来の炭素原子の総数を加えることによって、決定される。
「置換」という用語は、対応する非置換化合物又は官能基の炭素原子又はヘテロ原子に結合した少なくとも1個の水素原子(-H)が、置換基(例えば、R)によって置換されることを意味する。「過置換」という用語は、対応する非置換化合物又は官能基の炭素原子又はヘテロ原子に結合した全ての水素原子(H)が置換基(例えばR)によって置き換えられることを意味する。「多置換」という用語は、対応する非置換化合物若しくは官能基の炭素原子又はヘテロ原子に結合した少なくとも2個の、ただし全部よりは少ない水素原子が、置換基によって置き換えられることを意味する。
「-H」という用語は、別の原子に共有結合した水素又は水素ラジカルを意味する。「水素」及び「-H」は、互換可能であり、明記されていない限り、同一の意味を有する。
「(C~C50)ヒドロカルビル」という用語は、1~50個の炭素原子の炭化水素ラジカルを意味し、「(C~C50)ヒドロカルビレン」という用語は、1~50個の炭素原子の炭化水素ジラジカルを意味し、各炭化水素ラジカル及び各炭化水素ジラジカルは、芳香族又は非芳香族、飽和又は不飽和、直鎖又は分岐鎖、環式(3個以上の炭素を有し、単環式及び多環式、縮合及び非縮合の多環式、並びに二環式を含む)又は非環式であり、1つ以上のRによって置換されているか、又は置換されていない。
本開示では、(C~C50)ヒドロカルビルは、非置換又は置換の(C~C50)アルキル、(C~C50)シクロアルキル、(C~C20)シクロアルキル-(C~C20)アルキレン、(C~C40)アリール、又は(C~C20)アリール-(C~C20)アルキレン(例えば、ベンジル(-CH-C))であり得る。
「(C~C50)アルキル」及び「(C~C18)アルキル」という用語は、非置換、又は1つ以上のRによって置換された、それぞれ、1~50個の炭素原子の飽和直鎖又は分岐鎖炭化水素ラジカル、及び1~18個の炭素原子の飽和直鎖又は分岐鎖炭化水素ラジカルを意味する。非置換(C~C50)アルキルの例は、非置換(C~C20)アルキル、非置換(C~C10)アルキル、非置換(C~C)アルキル、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、1-ブチル、2-ブチル、2-メチルプロピル、1,1-ジメチルエチル、1-ペンチル、1-ヘキシル、1-ヘプチル、1-ノニル、及び1-デシルである。置換(C~C40)アルキルの例は、置換(C~C20)アルキル、置換(C~C10)アルキル、トリフルオロメチル、及び[C45]アルキルである。「[C45]アルキル」という用語は、置換基を含むラジカル中に最大45個の炭素原子が存在し、例えば、それぞれ、(C~C)アルキルである1つのRによって置換された(C27~C40)アルキルであることを意味している。各(C~C)アルキルは、メチル、トリフルオロメチル、エチル、1-プロピル、1-メチルエチル、又は1,1-ジメチルエチルであり得る。
「(C~C50)アリール」という用語は、6~40個の炭素原子を有し、そのうちの少なくとも6~14個の炭素原子が芳香環炭素原子である、非置換であるか、又は(1つ以上のRによって)置換された、単環式、二環式、又は三環式芳香族炭化水素ラジカルを意味する。単環式芳香族炭化水素ラジカルは、1つの芳香環を含み、二環式芳香族炭化水素ラジカルは、2つの環を有し、三環式芳香族炭化水素ラジカルは、3つの環を有する。二環式又は三環式の芳香族炭化水素ラジカルが存在するとき、そのラジカルの環のうちの少なくとも1つは、芳香族である。芳香族ラジカルの他の1つの環又は複数の環は独立して、縮合又は非縮合、及び芳香族又は非芳香族であり得る。非置換(C~C50)アリールの例としては、非置換(C~C20)アリール、非置換(C~C18)アリール、2-(C~C)アルキル-フェニル、フェニル、フルオレニル、テトラヒドロフルオレニル、インダセニル、ヘキサヒドロインダセニル、インデニル、ジヒドロインデニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、及びフェナントレンが挙げられる。置換(C~C40)アリールの例としては、置換(C~C20)アリール、置換(C~C18)アリール、2,4-ビス([C20]アルキル)-フェニル、ポリフルオロフェニル、ペンタフルオロフェニル、及びフルオレン-9-オン-1-イルが挙げられる。
「(C~C50)シクロアルキル」という用語は、非置換、又は1つ以上のRで置換された、3~50個の炭素原子の飽和環式炭化水素ラジカルを意味する。他のシクロアルキル基(例えば、(C~C)シクロアルキル)は、x~y個の炭素原子を有し、非置換であるか、又は1つ以上のRによって置換されているかのいずれかとして、同様の様式で定義される。非置換(C~C40)シクロアルキルの例は、非置換(C~C20)シクロアルキル、非置換(C~C10)シクロアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、及びシクロデシルである。置換(C~C40)シクロアルキルの例は、置換(C~C20)シクロアルキル、置換(C~C10)シクロアルキル、シクロペンタノン-2-イル、及び1-フルオロシクロヘキシルである。
(C~C50)ヒドロカルビレンの例としては、非置換又は置換の(C~C50)アリーレン、(C~C50)シクロアルキレン、及び(C~C50)アルキレン(例えば、(C~C20)アルキレン)が挙げられる。ジラジカルは、同じ炭素原子上(例えば、-CH-)若しくは隣接する炭素原子上(すなわち、1,2-ジラジカル)に存在し得るか、又は1、2、若しくは3個以上の介在する炭素原子によって離隔されている(例えば、1,3-ジラジカル、1,4-ジラジカルなど)。いくつかのジラジカルとしては、1,2-、1,3-、1,4-、又はα,ω-ジラジカルが挙げられ、他のものとしては1,2-ジラジカルが挙げられる。α,ω-ジラジカルは、ラジカル炭素間に最大の炭素骨格間隔を有するジラジカルである。(C~C20)アルキレンα,ω-ジラジカルのいくつかの例としては、エタン-1,2-ジイル(すなわち、-CHCH-)、プロパン-1,3-ジイル(すなわち、-CHCHCH-)、2-メチルプロパン-1,3-ジイル(すなわち、-CHCH(CH)CH-)が挙げられる。(C~C50)アリーレンα,ω-ジラジカルのいくつかの例としては、フェニル-1,4-ジイル、ナフタレン-2,6-ジイル、又はナフタレン-3,7-ジイルが挙げられる。
「(C~C50)アルキレン」という用語は、非置換、又は1つ以上のRによって置換された、1~50個の炭素原子の飽和直鎖又は分岐鎖ジラジカル(すなわち、ラジカルは、環原子上にはない)を意味する。非置換(C~C50)アルキレンの例は、非置換-CHCH-、-(CH-、-(CH-、-(CH-、-(CH-、-(CH-、-(CH-、-CHHCH、及び-(CH(H)(CH)を含む、非置換(C~C20)アルキレンであり、式中、「C」は、水素原子が除去されて、二級又は三級アルキルラジカルを形成している炭素原子を示す。置換(C~C50)アルキレンの例は、置換(C~C20)アルキレン、-CF-、-C(O)-、及び-(CH14C(CH(CH-(すなわち、6,6-ジメチル置換ノルマル-1,20-エイコシレン)である。前述のように、2つのRは、一緒になって、(C~C18)アルキレンを形成し得るため、置換(C~C50)アルキレンの例としては、1,2-ビス(メチレン)シクロペンタン、1,2-ビス(メチレン)シクロヘキサン、2,3-ビス(メチレン)-7,7-ジメチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、及び2,3-ビス(メチレン)ビシクロ[2.2.2]オクタンも挙げられる。
「(C~C50)シクロアルキレン」という用語は、非置換、又は1つ以上のRによって置換された3~50個の炭素原子の環状ジラジカル(すなわち、ラジカルは、環原子上にある)を意味する。
「ヘテロ原子」という用語は、水素又は炭素以外の原子を指す。1個又は2個以上のヘテロ原子を含有する基の例としては、O、S、S(O)、S(O)、Si(R、P(R)、N(R)、-N=C(R、-Ge(R-、又は-Si(R)-が挙げられ、式中、各R及び各Rは、非置換(C~C18)ヒドロカルビル又は-Hであり、式中、各Rは、非置換(C~C18)ヒドロカルビルである。「ヘテロ炭化水素」という用語は、炭化水素の1個以上の炭素原子がヘテロ原子で置き換えられている分子又は分子骨格を指す。「(C~C50)ヘテロヒドロカルビル」という用語は、1~50個の炭素原子を有するヘテロ炭化水素ラジカルを意味し、「(C~C50)ヘテロヒドロカルビレン」という用語は、1~50個の炭素原子を有するヘテロ炭化水素ジラジカルを意味する。(C~C50)ヘテロヒドロカルビル又は(C~C50)ヘテロヒドロカルビレンのヘテロ炭化水素は、1個以上のヘテロ原子を有する。ヘテロヒドロカルビルのラジカルは、炭素原子上又はヘテロ原子上に存在し得る。ヘテロヒドロカルビレンの2つのラジカルは、単一の炭素原子上又は単一のヘテロ原子上に存在し得る。追加的に、ジラジカルの2つのラジカルのうちの一方は、炭素原子上に存在してもよく、他方のラジカルは、異なる炭素原子上に存在してもよく、2つのラジカルのうちの一方は、炭素原子上に、他方はヘテロ原子上に存在してもよく、又は2つの基のうちの一方は、ヘテロ原子上に存在し得、他方の基は、異なるヘテロ原子上に存在し得る。各(C~C50)ヘテロヒドロカルビル及び(C~C50)ヘテロヒドロカルビレンは、非置換又は(1つ以上のRによって)置換され得るが、芳香族又は非芳香族、飽和又は不飽和、直鎖又は分岐鎖、環式(単環式及び多環式、縮合及び非縮合多環式を含む)又は非環式であり得る。
(C~C50)ヘテロヒドロカルビルは、非置換又は置換であり得る。(C~C50)ヘテロヒドロカルビルの非限定的な例としては、(C~C50)ヘテロアルキル、(C~C50)ヒドロカルビル-O-、(C~C50)ヒドロカルビル-S-、(C~C50)ヒドロカルビル-S(O)-、(C~C50)ヒドロカルビル-S(O)-、(C~C50)ヒドロカルビル-Si(R-、(C~C50)ヒドロカルビル-N(R)-、(C~C50)ヒドロカルビル-P(R)-、(C~C50)ヘテロシクロアルキル、(C~C19)ヘテロシクロアルキル-(C~C20)アルキレン、(C~C20)シクロアルキル-(C~C19)ヘテロアルキレン、(C~C19)ヘテロシクロアルキル-(C~C20)ヘテロアルキレン、(C~C50)ヘテロアリール、(C~C19)ヘテロアリール-(C~C20)アルキレン、(C~C20)アリール-(C~C19)ヘテロアルキレン、又は(C~C19)ヘテロアリール-(C~C20)ヘテロアルキレンが挙げられる。
「(C~C50)ヘテロアリール」という用語は、合計4~50個の炭素原子及び1~10個のヘテロ原子を有する、非置換であるか、又は(1つ以上のRによって)置換されている単環式、二環式、又は三環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルを意味する。単環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルとしては、1つのヘテロ芳香環を含み、二環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルは、2つの環を有し、三環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルは、3つの環を有する。二環式又は三環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルが存在する場合、ラジカルにおける環のうちの少なくとも1つは、ヘテロ芳香族である。ヘテロ芳香族ラジカルの他の1つ又は複数の環は、独立して、縮合又は非縮合、及び芳香族又は非芳香族であり得る。他のヘテロアリール基(例えば、(C~C12)ヘテロアリールなどの(C~C)ヘテロアリール全般)は、x~y個の炭素原子(4~12個の炭素原子など)を有し、かつ非置換であるか、又は1個又は2個以上のRで置換されているものとして、同様の様式で定義される。単環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルは、5員環又は6員環である。5員環単環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルは、5マイナスh個の炭素原子を有し、hは、ヘテロ原子の数であり、1、2、又は3であり得、それぞれのヘテロ原子は、O、S、N、又はPであり得る。
5員環ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルの例としては、ピロール-1-イル、ピロール-2-イル、フラン-3-イル、チオフェン-2-イル、ピラゾール-1-イル、イソオキサゾール-2-イル、イソチアゾール-5-イル、イミダゾール-2-イル、オキサゾール-4-イル、チアゾール-2-イル、1,2,4-トリアゾール-1-イル、1,3,4-オキサジアゾール-2-イル、1,3,4-チアジアゾール-2-イル、テトラゾール-1-イル、テトラゾール-2-イル、及びテトラゾール-5-イルが挙げられる。6員環単環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルは、6マイナスh個の炭素原子を有し、hは、ヘテロ原子の数であり、1又は2であり得、ヘテロ原子は、N又はPであり得る。
6員環ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルの例としては、ピリジン-2-イル、ピリミジン-2-イル、及びピラジン-2-イルが挙げられる。二環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルは、縮合5,6-又は6,6-環系であり得る。縮合5,6-環系二環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルの例は、インドール-1-イル、及びベンズイミダゾール-1-イルである。縮合6,6-環系二環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルの例は、キノリン-2-イル、及びイソキノリン-1-イルである。三環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルは、縮合5,6,5-、5,6,6-、6,5,6-、又は6,6,6-環系であり得る。縮合5,6,5-環系の例は、1,7-ジヒドロピロロ[3,2-f]インドール-1-イルである。縮合5,6,6-環系の例は、1H-ベンゾ[f]インドール-1-イルである。縮合6,5,6-環系の例は、9H-カルバゾール-9-イルである。縮合6,5,6-環系の例は、9H-カルバゾール-9-イルである。縮合6,6,6-環系の例は、アクリジン-9-イルである。
「(C~C50)ヘテロアルキル」という用語は、1~50個の炭素原子及び1個以上のヘテロ原子を含有する飽和直鎖又は分岐鎖ラジカルを意味する。「(C~C50)ヘテロアルキレン」という用語は、1~50個の炭素原子及び1個又は2個以上のヘテロ原子を含有する飽和直鎖又は分岐鎖ジラジカルを意味する。ヘテロアルキル又はヘテロアルキレンのヘテロ原子には、Si(R、Ge(R、Si(R、Ge(R、P(R、P(R)、N(R、N(R)、N、O、OR、S、SR、S(O)、及びS(O)が含まれ得、ヘテロアルキル及びヘテロアルキレン基の各々は、非置換であるか、又は1つ以上のRによって置換されている。
非置換(C~C40)ヘテロシクロアルキルの例としては、非置換(C~C20)ヘテロシクロアルキル、非置換(C~C10)ヘテロシクロアルキル、アジリジン-1-イル、オキセタン-2-イル、テトラヒドロフラン-3-イル、ピロリジン-1-イル、テトラヒドロチオフェン-S,S-ジオキシド-2-イル、モルホリン-4-イル、1,4-ジオキサン-2-イル、ヘキサヒドロアゼピン-4-イル、3-オキサ-シクロオクチル、5-チオ-シクロノニル、及び2-アザ-シクロデシルが挙げられる。
「ハロゲン原子」又は「ハロゲン」という用語は、フッ素原子(F)、塩素原子(Cl)、臭素原子(Br)、又はヨウ素原子(I)のラジカルを意味する。「ハライド」という用語は、ハロゲン原子のアニオン形態、フルオリド(F)、クロリド(Cl)、ブロミド(Br)、又はヨージド(I)を意味する。
「飽和」という用語は、炭素-炭素二重結合、炭素-炭素三重結合、及び(ヘテロ原子含有基において)炭素-窒素二重結合、炭素-リン二重結合、及び炭素-ケイ素二重結合を欠くことを意味する。飽和化学基が1つ以上の置換基Rによって置換されている場合、1つ以上の二重結合及び/又は三重結合が、任意選択的に、置換基R中に存在していてもよい。「不飽和」という用語は、1個以上の炭素-炭素二重結合若しくは炭素-炭素三重結合、又は(ヘテロ原子含有基において)1個以上の炭素-窒素二重結合、炭素-リン二重結合、又は炭素-ケイ素二重結合を含有し、置換基R(存在する場合)、又は芳香環若しくはヘテロ芳香環(存在する場合)中に存在し得る二重結合を含まないことを意味する。
ここで、プロピレン重合プロセスの実施形態を詳細に参照する。実施形態によれば、プロピレン重合プロセスは、触媒系の存在下でプロピレンを重合させて、プロピレン系ポリマーを生成することを含み得る。この触媒系は、式(I)に従う金属-配位子錯体を含み得る。
式(I)において、Mは、ジルコニウム又はハフニウムから選択される金属である。金属は、+2、+3、又は+4の形式酸化状態を有し得る。いくつかの実施形態では、金属は、+4の形式酸化状態を有する。いくつかの実施形態では、Mは、ジルコニウムである。いくつかの実施形態では、Mは、ハフニウムである。
式(I)の金属-配位子錯体中の金属Mは、金属-配位子錯体を調製するために、続いて一段合成又は多段合成に供される金属前駆体に由来し得る。好適な金属前駆体は、単量体(1つの金属中心)若しくは二量体(2つの金属中心)であることができるか、又は3つ以上の複数の金属中心、例えば、3、4、5、若しくは6つ以上の金属中心を有することができる。好適なハフニウム及びジルコニウム前駆体の具体例としては、例えば、HfCl、HfMe、Hf(CHPh)、Hf(CHCMe、Hf(CHSiMe、Hf(CHPh)Cl、Hf(CHCMeCl、Hf(CHSiMeCl、Hf(CHPh)Cl、Hf(CHCMeCl、Hf(CHSiMeCl、Hf(NMe、Hf(NEt、及びHf(N(SiMeCl;ZrCl、ZrMe、Zr(CHPh)、Zr(CHCMe、Zr(CHSiMe、Zr(CHPh)Cl、Zr(CHCMeCl、Zr(CHSiMeCl、Zr(CHPh)Cl、Zr(CHCMeCl、Zr(CHSiMeCl、Zr(NMe、Zr(NEt、Zr(NMeCl、Zr(NEtCl、及びZr(N(SiMeClが挙げられるが、これらに限定されない。これらの例のルイス塩基付加物も金属前駆体として好適であり、例えば、エーテル、アミン、チオエーテル、及びホスフィンがルイス塩基として好適である。具体例としては、HfCl(THF)、HfCl(SMe、及びHf(CHPh)Cl(OEt)が挙げられる。活性化金属前駆体は、(M(CHPh) )(B(C )又は(M(CHPh) )(PhCHB(C )などのイオン性又は双性イオン性化合物であってもよく、式中、Mは、Hf又はZrである。
式(I)において、A及びAは、式(I-a)を有するラジカル及び式(I-b)を有するラジカルからなる群から独立して選択される:
式(I-a)において、R21a及びR21bの各々は、-H、(C~C40)ヒドロカルビル、(C~C40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R、-Ge(R、-P(R、-N(R、-OR、-SR、-NO、-CN、-CF、RS(O)-、RS(O)-、(RC=N-、RC(O)O-、ROC(O)-、RC(O)N(R)-、(RNC(O)-、又はハロゲンから独立して選択される。いくつかの実施形態では、R21a及びR21bは、同一である。いくつかの実施形態では、R21a及びR21bは、tert-ブチルである。
式(I-b)において、R31a、R31b、R32a、及びR32bの各々は、-H、(C~C40)ヒドロカルビル、(C~C40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R、-Ge(R、-P(R、-N(R、-OR、-SR、-NO、-CN、-CF、RS(O)-、RS(O)-、(RC=N-、RC(O)O-、ROC(O)-、RC(O)N(R)-、(RNC(O)-、又はハロゲンから独立して選択される。いくつかの実施形態では、R31a、R31b、R32a、R32bは、独立して、-H又は(C~C40)ヒドロカルビルである。いくつかの実施形態では、R31a、R31b、R32a、及びR32bは、独立して、-H又はtert-ブチルである。いくつかの実施形態では、R31a及びR31bは、(C~C40)ヒドロカルビルであり、R32a及びR32bは、-Hである。いくつかの実施形態では、R32a及びR32bは、(C~C40)ヒドロカルビルであり、R31a及びR31bは、-Hである。いくつかの実施形態では、R31a及びR31bは、tert-ブチルであり、R32a及びR32bは、-Hである。いくつかの実施形態では、R32a及びR32bは、tert-ブチルであり、R31a及びR31bは、-Hである。
いくつかの実施形態では、A及びAの両方は、式(I-a)に従う独立して選択される基である。いくつかの実施形態では、A及びAの両方は、式(I-b)に従う独立して選択される基である。いくつかの実施形態では、A及びAは、同一である。いくつかの実施形態では、A及びAは、式(I-b)を有するラジカルであり、式中、R31a及びR31bは、(C~C40)ヒドロカルビルであり、R32a及びR32bは、-Hである。いくつかの実施形態では、A及びAは、式(I-b)を有するラジカルであり、式中、R32a及びR32bは、(C~C40)ヒドロカルビルであり、R31a及びR31bは、-Hである。いくつかの実施形態では、A及びAは、式(I-b)を有するラジカルであり、式中、R31a及びR31bは、tert-ブチルであり、R32a及びR32bは、-Hである。いくつかの実施形態では、A及びAは、式(I-b)を有するラジカルであり、式中、R32a及びR32bは、tert-ブチルであり、R31a及びR31bは、-Hである。
式(I)において、B及びBは、独立して、(C~C40)ヒドロカルビルである。例示的な実施形態では、B及びBは、独立して、メチル又はtert-オクチルである。いくつかの実施形態では、B及びBは、同一である。例示の実施形態では、B及びBの両方は、メチルである。例示的な実施形態では、B及びBの両方は、tert-オクチルである。
式(I)において、R1a、R1b、R2a、R2b、R3a、R3b、R4a、及びR4bの各々は、-H、(C~C40)ヒドロカルビル、(C~C40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R、-Ge(R、-P(R、-N(R-OR、-SR、-NO、-CN、-CF、RS(O)-、RS(O)-、(RC=N-、RC(O)O-、ROC(O)-、RC(O)N(R)-、(RNC(O)-、及びハロゲンから独立して選択される。例示的な実施形態では、R1a、R1b、R2a、R2b、R3a、R3b、R4a、及びR4bの各々は、-H、(C~C)ヒドロカルビル、-Si(R、及びハロゲンから独立して選択される。例示的な実施形態では、R1a、R1b、R2a、R2b、R3a、R3b、R4a、及びR4bの各々は、-H、(C~C)ヒドロカルビル、クロロ、及びフルオロから独立して選択される。例示的な実施形態では、R1a、R1b、R2a、R2b、R3a、R3b、R4a、及びR4bの各々は、-H、(C~C)ヒドロカルビル、-Si(R、クロロ、及びフルオロから独立して選択されるが、ただし、R1a、R2a、R3a、及びR4aのうちの少なくとも1つは、-Hではなく、R1b、R2b、R3b、及びR4bのうちの少なくとも1つは、-Hではない。いくつかの実施形態では、R1a、R1b、R2a、R2b、R3a、R3b、R4a、及びR4bの各々は、-H、(C~C)ヒドロカルビル、-Si(CH(n-オクチル)、クロロ、及びフルオロから独立して選択される。例示的な実施形態では、R1a、R1b、R2a、R2b、R3a、R3b、R4a、及びR4bの各々は、-H、メチル、tert-ブチル、クロロ、及びフルオロから独立して選択される。いくつかの実施形態では、R1a及びR1bは同一であり、R2a及びR2bは同一であり、R3a及びR3bは同一であり、R4a及びR4bは同一である。
式(I)において、Lは、-(CH-、-(CH-、-(CH-、-(CH(CH)CHCH(CH))-、-(CHCH(R)CH)-、-CHSi(RCH-、及び-CHGe(RCH-からなる群から選択される。例示的な実施形態では、Lは、-(CH-、-(CH-、-(CH-、-(CH(CH)CHCH(CH))-、-(CHCH(R)CH)-、-CHSi(RCH-、及び-CHGe(RCH-からなる群から選択され、式中、各Rは、(C~C10)ヒドロカルビルであるか、各Rは、(C~C)ヒドロカルビルであるか、又は各Rは、メチル、エチル、プロピル、イソ-プロピル、若しくはtert-ブチルから選択される。更なる例示的な実施形態では、Lは、-(CH-、-(CH-、及び-(CH-からなる群から選択される。更なる例示的な実施形態では、Lは、-(CHCH(R)CH)-であり、式中、Rは、メチル又はtert-ブチルである。更なる例示的な実施形態では、Lは、-CHSi(RCH-及び-CHGe(RCH-からなる群から選択され、式中、各Rは、イソプロピルである。非限定的な特定の実施形態では、Lは、-CHGe(RCH-であり、式中、各Rは、イソプロピルである。
他に定義されない限り、式(I-a)のラジカル又は式(I-b)のラジカルに含まれることによって式(I)の一部分であるR、R、及びRを含む、式(I)における各R、R、及びRは、独立して、(C~C30)ヒドロカルビル、(C~C30)ヘテロヒドロカルビル、又は-Hである。
プロピレン重合プロセスの例示的な非限定的実施形態では、触媒系は、先に定義された式(I)に従う金属-配位子錯体を含み、式中、A及びAは、式(I-b)を有するラジカルであり、R31a及びR31bは、(C~C40)ヒドロカルビルであり、R32a及びR32bは、-Hであるか、又は、A及びAは、式(I-b)を有するラジカルであり、式中、R32a及びR32bは、(C~C40)ヒドロカルビルであり、R31a及びR31bは、-Hである。
プロピレン重合プロセスの例示的な非限定的実施形態では、触媒系は、先に定義された式(I)に従う金属-配位子錯体を含み、式中、B及びBは、tert-オクチルである。
プロピレン重合プロセスの例示的な非限定的な実施形態では、触媒系は、先に定義された式(I)に従う金属-配位子錯体を含み、式中、R3a及びR3bは、フルオロである。更なる例示的な実施形態では、触媒系は、先に定義された式(I)に従う金属-配位子錯体を含み、式中、R3a及びR3bは、フルオロであり、R1a、R1b、R2a、R2b、R4a、及びR4bの各々は、-Hである。
プロピレン重合プロセスの例示的な非限定的実施形態では、触媒系は、先に定義された式(I)に従う金属-配位子錯体を含み、式中、A及びAは、式(I-b)を有するラジカルであり、R31a及びR31bは、tert-ブチルであり、R32a及びR32bは、-Hであり、B及びBは、tert-オクチルであり、R1a、R1b、R2a、R2b、R3a、R3b、R4a、及びR4bは、-H、メチル、tert-ブチル、クロロ、及びフルオロから独立して選択される。
プロピレン重合プロセスの例示的な非限定的実施形態では、触媒系は、先に定義された式(I)に従う金属-配位子錯体を含み、式中、Mは、ハフニウムであり、A及びAは、式(I-b)を有するラジカルであり、式中、R31a及びR31bは、tert-ブチルであり、R32a及びR32bは、-Hであり、B及びBは、tert-オクチルであり、R1a、R1b、R2a、R2b、R3a、R3b、R4a、及びR4bは、-H、メチル、tert-ブチル、クロロ、及びフルオロから独立して選択される。
プロピレン重合プロセスの例示的な非限定的実施形態では、触媒系は、先に定義された式(I)に従う金属-配位子錯体を含み、式中、Mは、ハフニウムであり、A及びAは、式(I-b)を有するラジカルであり、式中、R31a及びR31bは、tert-ブチルであり、R32a及びR32bは、-Hであり、B及びBは、tert-オクチルであり、R1a、R1b、R2a、R2b、R4a、及びR4bは、-H、メチル、tert-ブチル、クロロ、及びフルオロから独立して選択され、R3a及びR3bは、フルオロである。プロピレン重合プロセスの更なる特定の非限定的な実施形態では、触媒系は、先に定義された式(I)に従う金属-配位子錯体を含み、式中、Mは、ハフニウムであり、A及びAは、式(I-b)を有するラジカルであり、式中、R31a及びR31bは、tert-ブチルであり、R32a及びR32bは、-Hであり、B及びBは、tert-オクチルであり、R1a、R1b、R2a、R2b、R4a、及びR4bは、-Hであり、R3a及びR3bは、フルオロである。プロピレン重合プロセスの更なる特定の非限定的な実施形態では、触媒系は、先に定義された式(I)に従う金属-配位子錯体を含み、式中、Mは、ハフニウムであり、A及びAは、式(I-b)を有するラジカルであり、式中、R31a及びR31bは、tert-ブチルであり、R32a及びR32bは、-Hであり、B及びBは、tert-オクチルであり、R2a、R2b、R4a、及びR4bは、-Hであり、R1a及びR1bは、メチルであり、R3a及びR3bは、フルオロである。
プロピレン重合プロセスの1つの特定の非限定的な実施形態では、触媒系は、先に定義された式(I)に従う金属-配位子錯体を含み、式中、Mは、ハフニウムであり、A及びAは、式(I-b)を有するラジカルであり、式中、各R31a及びR31bは、tert-ブチルであり、各R32a及びR32bは、-Hであり、B及びBは、tert-オクチルであり、R1a、R1b、R2a、R2b、R4a、及びR4bは、-Hであり、R3a及びR3bは、フルオロであり、Lは、-CHGe(RCH-であり、式中、各Rは、イソプロピルである。
プロ触媒活性化
先に記載したように、本開示の実施形態によるプロピレン重合プロセスにおいて、触媒系は、式(I)に従う金属-従配位子錯体を含む。式(I)に従う金属-配位子錯体は、触媒的に活性な形態であるか、又は触媒的に不活性であるか、もしくは少なくとも触媒的に活性な形態よりも実質的に触媒的に活性が低いプロ触媒形態である。一般的に、金属Mに結合した2個のメチル基を含む式(I)に従う金属-配位子錯体は、金属-配位子錯体の触媒的に不活性なプロ触媒形態である。プロ触媒形態の式(I)の金属-配位子錯体を含む系は、プロピレン重合反応の金属系触媒を活性化するための当該技術分野で既知の任意の技術により触媒的に活性にされ得る。例えば、式(I)の金属-配位子錯体は、金属-配位子錯体を活性化助触媒と接触させるか、又は金属-配位子錯体を活性化助触媒と組み合わせることにより、触媒的に活性化され得る。好適な活性化技術の別の例としては、バルク電気分解が挙げられる。前述の活性化助触媒及び技法のうちの1つ以上の組み合わせもまた企図される。プロ触媒形態の式(I)に従う金属-配位子錯体をかかる活性化技術のいずれかに供すると、式(I)に従う金属-配位子錯体の触媒的に活性化された形態が得られる。いくつかの実施形態では、式(I)に従う金属-配位子錯体の触媒的に活性化された形態は、前述の活性化技術のいずれかによって、式(I)に従う金属-配位子錯体からプロ触媒形態の金属Mに結合した2個のメチル基のうちの少なくとも1個を分裂させた結果であり得る。
助触媒成分
任意選択で、本開示のプロピレン重合プロセスの実施形態における触媒系は、活性化共触媒を更に含んでもよい。好適な活性化助触媒としては、アルキルアルミニウム、ポリマー又はオリゴマーアルモキサン(アルミノキサンとしても知られている)、中性ルイス酸、及び非ポリマー、非配位性、イオン形成化合物(酸化条件下でのそのような化合物の使用を含む)が挙げられる。好適な活性化技術は、バルク電気分解である。前述の活性化助触媒及び技法のうちの1つ以上の組み合わせもまた企図される。「アルキルアルミニウム」という用語は、モノアルキルアルミニウムジヒドリド若しくはモノアルキルアルミニウムジハライド、ジアルキルアルミニウムヒドリド若しくはジアルキルアルミニウムハライド、又はトリアルキルアルミニウムを意味する。ポリマー又はオリゴマーのアルモキサンの例としては、メチルアルモキサン、トリイソブチルアルミニウム修飾メチルアルモキサンなどの修飾メチルアルモキサン(modified methylalumoxane、MMAO)、及びイソブチルアルモキサンが挙げられる。
ルイス酸活性化剤(助触媒)としては、本明細書に記載されるような、1~3個の(C~C20)ヒドロカルビル置換基を含有する第13族金属化合物が挙げられる。一実施形態では、第13族金属化合物は、トリ((C~C20)ヒドロカルビル)-置換アルミニウム、トリ((C~C20)ヒドロカルビル)-ホウ素化合物、トリ((C~C10)アルキル)アルミニウム、トリ((C~C18)アリール)ホウ素化合物、及びそれらのハロゲン化(過ハロゲン化を含む)誘導体である。更なる実施形態では、第13族金属化合物は、トリス(フルオロ置換フェニル)ボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランである。いくつかの実施形態では、活性化助触媒は、テトラキス((C~C20)ヒドロカルビルボレート又はトリ((C~C20)ヒドロカルビル)アンモニウムテトラキス((C~C20)ヒドロカルビル)ボレート(例えば、ビス(オクタデシル)メチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート)である。本明細書で使用される場合、「アンモニウム」という用語は、((C~C20)ヒドロカルビル)、((C~C20)ヒドロカルビル)N(H)、((C~C20)ヒドロカルビル)N(H) 、(C~C20)ヒドロカルビルN(H) 、又はN(H) である窒素カチオンを意味し、各(C~C20)ヒドロカルビルは、2つ以上存在する場合、同じであっても異なっていてもよい。
中性ルイス酸活性化材(助触媒)の組み合わせとしては、トリ((C~C)アルキル)アルミニウムと、ハロゲン化トリ((C~C18)アリール)ホウ素化合物、特にトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランとの組み合わせを含む混合物が挙げられる。他の実施形態は、そのような中性ルイス酸混合物と、ポリマー又はオリゴマーのアルモキサンとの組み合わせ、及び単一の中性ルイス酸、特にトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランと、ポリマー又はオリゴマーのアルモキサンとの組み合わせである。(金属-配位子錯体):(トリス(ペンタフルオロ-フェニルボラン):(アルモキサン)[例えば、4族金属-配位子錯体):(トリス(ペンタフルオロ-フェニルボラン):(アルモキサン)]のモル数の比率は、1:1:1~1:10:100であり、他の実施形態では、1:1:1.5~1:5:30である。
式(I)の金属-配位子錯体を含む触媒系を活性化して、1つ以上の助触媒、例えば、カチオン形成性助触媒、強ルイス酸、又はこれらの組み合わせを組み合わせることによって、活性触媒組成物を形成し得る。好適な活性化助触媒としては、ポリマー又はオリゴマーのアルミノキサン、特にメチルアルミノキサン、並びに不活性、相溶性、非配位性、イオン形成性の化合物が挙げられる。例示的な好適な助触媒としては、変性メチルアルミノキサン(MMAO)、ビス(水素化タローアルキル)メチル、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(1)アミン(すなわち、[HNMe(C1837][B(C])及びそれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。
いくつかの実施形態では、前述の活性化助触媒のうちの1つ以上は、互いに組み合わせて使用される。特に好ましい組み合わせは、トリ((C~C)ヒドロカルビル)アルミニウム、トリ((C~C)ヒドロカルビル)ボラン、又はホウ酸アンモニウムと、オリゴマー又はポリマーのアルモキサン化合物との混合物である。式(I)の1つ以上の金属-配位子錯体の総モル数の、1つ以上の活性化助触媒の総モル数に対する比は、1:10,000~100:1である。いくつかの実施形態では、この比は、少なくとも1:5000であり、他のいくつかの実施形態では、少なくとも1:1000及び10:1以下であり、他のいくつかの実施形態では、1:1以下である。アルモキサンを単独で活性化助触媒として使用する場合、用いられるアルモキサンのモル数は、式(I)の金属-配位子錯体のモル数の少なくとも100倍であることが好ましい。トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランを単独で活性化助触媒として使用するとき、他の実施形態では、式(I)の1つ以上の金属-配位子錯体の総モル数に対して用いられるトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランのモル数は、0.5:1~10:1、1:1~6:1、又は1:1~5:1である。残りの活性化助触媒は、概して、式(I)の1つ以上の金属-配位子錯体の総モル量におおよそ等しいモル量で用いられる。
プロピレン及び任意選択のα-オレフィン
本開示の実施形態によるプロピレン重合プロセスでは、式(I)に従う金属-配位子錯体を含む触媒系の存在下で、プロピレンを重合させることは、プロピレン系ポリマーを生成する。本開示の実施形態によるプロピレン重合プロセスは、プロピレンが唯一の反応物質であり、かつプロピレンが追加のα-オレフィンなどの追加の反応物質と共重合される実施形態を含む。プロピレンが唯一の反応物である実施形態では、プロピレン系ポリマーは、ポリプロピレンのホモポリマーである。追加のα-オレフィンがプロピレンとともに含まれる実施形態では、プロピレン系ポリマーは、プロピレンと追加のα-オレフィンとのコポリマーであり、このコポリマーは、本開示の実施形態によって生成され得るポリプロピレンホモポリマー中に存在するものと同様のアイソタクチック性特徴を呈するポリプロピレンブロックを含み得る。追加のα-オレフィンコモノマーの例は、典型的には、少なくとも2個の炭素原子及び20個未満の炭素原子を有する。例えば、α-オレフィンコモノマーは、2~10個の炭素原子、2~8個の炭素原子、3~10個の炭素原子、又は3~8個の炭素原子を有し得る。例示的なα-オレフィンコモノマーとしては、エチレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、及び4-メチル-1-ペンテンが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、1つ以上のα-オレフィンコモノマーは、エチレン、1-ブテン、1-ヘキセン、及び1-オクテンからなる群から選択され得る。いくつかの実施形態では、追加のα-オレフィンは、エチレンを含んでもよく、プロピレン系ポリマーは、プロピレン系ポリマーの総重量に基づいて、エチレンに由来する50重量%未満の単位、エチレンに由来する30重量%未満の単位、エチレンに由来する25重量%未満の単位、エチレンに由来する20重量%未満の単位、又はエチレンに由来する10重量%未満の単位を含む。いくつかの実施形態では、追加のα-オレフィンコモノマーは、存在する場合、エチレンを含まず、それによって、プロピレン系ポリマーは、エチレンに由来するモノマー単位を含まない。
プロピレン系ポリマー、例えば、プロピレンのホモポリマー、並びに/又は、プロピレン及び任意の1つ以上のα-オレフィンなどのコモノマーのインターポリマー(コポリマーを含む)は、プロピレン系ポリマーの総重量に基づいて、プロピレンに由来する単位を少なくとも50重量パーセント含み得る。「少なくとも50重量%から」によって包含される全ての個々の値及び部分範囲は、別個の実施形態として本明細書に開示され、例えば、エチレン系ポリマー、プロピレンのホモポリマー、及び/又はプロピレンと任意選択的にα-オレフィンなどの1つ以上のコモノマーとのインターポリマー(コポリマーを含む)は、プロピレン系ポリマーの総重量に基づいて、プロピレンに由来する少なくとも60重量%の単位、プロピレンに由来する少なくとも70重量%の単位、プロピレンに由来する少なくとも80重量%の単位、又はプロピレンに由来する50重量%~100重量%の単位、プロピレンに由来する80重量%~100重量%の単位、プロピレンに由来する90重量%~100重量%の単位、プロピレンに由来する95重量%~100重量%の単位、プロピレンに由来する99重量%~100重量%の単位、プロピレンに由来する99.9重量%~100重量%の単位、又はプロピレンに由来する100重量%の単位を含み得る。
いくつかの実施形態では、プロピレン系ポリマーは、プロピレンに由来する単位を少なくとも50モルパーセント含み得る。少なくとも90モル%からの全ての個々の値及び部分範囲は本明細書に含まれ、別個の実施形態として本明細書に開示される。例えば、プロピレン系ポリマーは、プロピレンに由来する少なくとも93モル%の単位、プロピレンに由来する少なくとも96モルパーセントの単位、プロピレンに由来する少なくとも97モルパーセントの単位、又は代替的に、プロピレンに由来する90モル%~100モル%の単位、プロピレンに由来する90モル%~99.5モル%の単位、若しくはプロピレンに由来する97モル%~99.5モル%の単位を含み得る。
プロピレン系ポリマーのいくつかの実施形態では、追加のα-オレフィンの量は、存在する場合に限り、50モル%未満であり、他の実施形態では、少なくとも1モルパーセント(モル%)~20モル%を含み、更なる実施形態では、追加のα-オレフィンの量は、少なくとも5mol%~10mol%を含む。
重合プロセス
プロピレンが式(I)に従う金属-配位子錯体を含む触媒系の存在下で重合される、本明細書に記載されるプロピレン重合プロセスの実施形態では、任意の他の従来の重合プロセスが、プロピレン系ポリマーを生成するために用いられ得る。そのような従来の重合プロセスとしては、1つ以上の従来の反応器、例えばループ反応器、等温反応器、流動床気相反応器、撹拌槽型反応器、バッチ反応器などの並列、直列、又はそれらの任意の組み合わせを使用する、溶液重合プロセス、気相重合プロセス、スラリー相重合プロセス、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、プロピレンを重合させることは、二重反応器系、例えば、二重ループ反応器系において、溶液重合を介して行うことができ、プロピレン及び任意選択的に1つ以上のα-オレフィンは、本明細書に記載の触媒系及び任意選択的に1つ以上の共触媒の存在下で重合される。別の実施形態では、プロピレン系ポリマーは、二重反応器系、例えば、二重ループ反応器系において、溶液重合によって生成することができ、そこでは、プロピレン及び任意選択的に1つ以上のα-オレフィンは、本開示及び本明細書に記載の触媒系並びに任意選択的に1つ以上の他の触媒の存在下で重合される。本明細書に記載の触媒系は、任意選択的に1つ以上の他の触媒と組み合わせて、第1の反応器又は第2の反応器において組み込むことができる。一実施形態では、プロピレン系ポリマーは、二重反応器系、例えば、二重ループ反応器系において、溶液重合によって生成することができ、そこでは、プロピレン及び任意選択的に1つ以上のα-オレフィンは、本明細書に記載の触媒系の存在下で両方の反応器において重合される。別の実施形態では、プロピレン系ポリマーは、単一反応器系、例えば単一ループ反応器系において、溶液重合により生成することができ、ここで、プロピレン、及び任意選択的に1つ以上のα-オレフィンは、本開示内に記載の触媒系及び任意選択的に1つ以上の助触媒の存在下で、先に記載したように重合される。
いくつかの実施形態では、プロピレンを重合させることは、先に記載したように触媒系の存在下でプロピレン及び少なくとも1つの追加のα-オレフィンを重合させることを含み得る。1つ以上の実施形態では、触媒系は、助触媒又は追加の触媒なしに、その触媒的に活性な形態の式(I)に従う金属-配位子錯体を含み得る。更なる実施形態では、触媒系は、少なくとも1つの助触媒と組み合わせて、そのプロ触媒形態、その触媒的に活性な形態、又は両形態の組み合わせで、式(I)に従う金属-配位子錯体を含み得る。更なる実施形態では、触媒系は、少なくとも1つの助触媒及び少なくとも1つの追加の触媒と組み合わせて、そのプロ触媒形態の式(I)に従う金属-配位子錯体を含み得る。更なる実施形態では、触媒系は、第1の触媒、少なくとも1つの追加の触媒、及び、任意選択的に少なくとも1つの助触媒を含んでもよく、ここで、第1の触媒は、その触媒的に活性な形態の式(I)に従う金属-配位子錯体である。
例示的な実施形態による重合プロセスでは、反応器は、所定の量及び濃度のプロピレン及び水素で充填される。反応器を所定の設定温度に加熱し、エチレンを充填する。次いで、活性化触媒混合物を反応器中に注入する。反応器温度は、必要に応じて反応器を冷却することによって一定に保持することができる。断熱反応器において、例えば、重合熱は、低温で反応物を注入することによって除去され得る。非断熱反応器では、例えば、重合熱は、低温供給及び/又は熱交換器による熱伝達によって除去される。小規模では、重合熱は、連続撹拌槽型反応器(continuous stirred tank reactor、CSTR)のジャケット冷却によって除去され得る。所定の時間後、得られた熱溶液を窒素パージした容器に移してもよく、そこからプロピレン系ポリマーが乾燥後に回収される。小規模バッチ反応器系の場合、反応器流出物は、窒素パージされた容器に移され、次いで、脱揮を終了するために真空下で高温オーブン内に配置されたトレイに手動で移されてもよい(部分的なポリマー-溶媒分離を伴う)。商業規模の系では、反応器流出物は、溶媒、未反応プロピレン、及び/又は未反応追加α-オレフィン、並びに水素をプロピレン系ポリマーから蒸発させ、分離するために、1つ以上の脱揮段階を通して処理される。
プロピレン重合プロセスの例示的な実施形態では、プロピレン重合プロセスは、110℃~190℃の重合温度で実行される。プロピレン重合プロセスの更なる例示的な実施形態では、プロピレン重合プロセスは、130℃~190℃の重合温度で実行される。プロピレン重合プロセスのなお更なる例示的な実施形態では、プロピレン重合プロセスは、160℃以上の重合温度で実行される。プロピレン重合プロセスのなお更なる例示的な実施形態では、プロピレン重合プロセスは、160℃~190℃の重合温度で実行される。
任意選択の添加剤
いくつかの実施形態では、プロピレンを重合させることは、任意選択で、反応に1つ以上の添加剤を添加して、1つ以上の添加剤を含有するプロピレン系ポリマーを生成することを含み得る。そのような添加剤の例としては、帯電防止剤、色増強剤、染料、潤滑剤、顔料、一次酸化防止剤、二次酸化防止剤、加工助剤、紫外線安定剤、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。添加剤が重合プロセスに含まれる場合、プロピレン系ポリマーは、所望の用途に適した任意の量のそのような添加剤を含有し得る。例えば、添加剤が含まれる場合、プロピレン系ポリマーは、1つ以上の添加剤を含むプロピレン系ポリマーの総重量に基づいて、合計して0重量%超~約10重量%のそのような添加剤を含み得る。添加剤は充填剤を更に含んでもよく、充填剤としては、有機充填剤又は無機充填剤を挙げることができるが、これらに限定されない。そのような充填剤が含まれる場合、プロピレン系ポリマーは、プロピレン系ポリマーと全ての添加剤又は充填剤の合計重量に基づいて、例えば炭酸カルシウム、タルク、又はMg(OH)などの0%超~約20重量パーセントの充填剤を含有し得る。本明細書の実施形態による方法は、プロピレン系ポリマーを1つ以上のポリマーとブレンドしてブレンドを形成することを更に含み得る。
プロピレン系ポリマーの特徴
いくつかの実施形態では、式(I)の金属-配位子錯体を含む触媒系から得られたプロピレン系ポリマーは、1~10の多分散指数(PDI)を有し、PDIは、M/Mとして定義され、Mは、重量平均分子量であり、Mは、数平均分子量である。他の実施形態では、プロピレン系ポリマーは、1~6の分子量分布(molecular weight distribution、MWD)を有し得る。他の実施形態では、プロピレン系ポリマーは、1~3のPDIを有してもよく、他の実施形態では、プロピレン系ポリマーは、1.5~2.5のPDIを有してもよい。
実施形態では、式(I)の金属-配位子錯体を含む触媒系から得られたプロピレン系ポリマーは、炭素-13NMR分析によって決定される場合、90%超のアイソタクチックトライアド又は95%超のアイソタクチックトライアドを有するポリプロピレンである。いくつかの実施形態では、式(I)の金属-配位子錯体を含む触媒系から得られるプロピレン系ポリマーは、重合が160℃~、170℃超、180℃超、160℃~190℃、170℃~190℃、又は160℃~190℃の反応温度で行われる場合、炭素-13NMR分析によって決定される場合、90%超のアイソタクチックトライアド又は95%超のアイソタクチックトライアドを有するポリプロピレンである。
以下の実施例は、説明のためだけに提供され、限定することを意味しない。
ポリプロピレン試料は、記載されるような式(I)に従う金属-配位子錯体を含む触媒系の存在下で、様々な温度及び圧力で所定量のプロピレンを重合させることによって、小規模バッチ反応器内で生成された。触媒効率は、反応器に添加された触媒中の金属M1グラム当たりのキログラムの単位でのポリマーで決定された。ポリプロピレン試料を、アイソタクチック性(mm%)、シンジオタクチック性(rr%)、分子量(キログラム/モル)、及び多分散性(polydispersity、PDI)を決定するために特徴付けた。
プロ触媒
これらの実施例に記載される実験において、試験されたプロ触媒は、供給業者を通して入手されたか、又は米国特許出願公開第2020/0017611号、同第2020/0109220号、同第2020/0247917号、同第2020/0270282号、及び同第2020/0277412号のうちの1つ以上に開示されるものなどの公知の手順によって合成された。様々な触媒系の触媒性能及びポリマー特徴を、プロ触媒金属-配位子錯体として以下に示す比較プロ触媒1を含む他の点では同一の系と比較した。
試験した様々な系のプロ触媒は、式(II)、式(III)、式(IV)、又は式(V)のうちの1つを有し、これらの各々は、先に記載したような式(I)のサブセットである。以下の表は、式(II)、式(III)、式(IV)、又は式(V)についての構造を、これらの実施例において試験されたプロ触媒の各々についての完全な構造定義とともに提供する。
バッチ式反応器動作
撹拌された1ガロンのオートクレーブ反応器に、所定の量及び濃度のIsopar(商標)-E(ExxonMobilから入手可能な合成イソパラフィン系炭化水素流体)、プロピレン、及び水素を充填した。次いで、反応器を設定温度に加熱し、エチレンを充填した。試薬及び溶媒の量は、初期反応器圧力が、選択された反応器温度で430psigになるように計算した。次いで、活性化触媒混合物を反応器中に注入した。反応器温度は、必要に応じて反応器を冷却することによって一定に維持した。10分後、熱溶液を窒素パージした樹脂ケトルに移した。ベントフード及びその後の真空オーブン中で完全に乾燥させた後、コポリマーを回収した。反応器をバッチ間で熱溶媒で十分にすすいで、前の実験からの微量のコポリマーを除去した。
試験は、表1にまとめたように、反応器条件A~Kのセットのうちの1つによって行った:
13C NMR分析
13C NMR分析用の試料は、0.025MのCr(acac)を含有するテトラクロロエタン-d2/o-ジクロロベンゼンの約2.74gの50/50(v/v)混合物を、Norell1001-7の10mmのNMRチューブ内の0.2gのポリマー試料に添加することによって調製した。チューブを窒素で1分間手動でパージすることにより、酸素を除去した。ヒートガンを最小限に使用して、加熱ブロック使用して、管及びその内容物を約150℃まで加熱することにより、試料を溶解して、均質化した。各試料を視覚的に検査して、均質性を確実にした。代表的で均質な試料を確保するために、分析の直前に試料を十分に混合し、加熱したNMRプローブに挿入するまで冷えないようにした。
データは、Bruker400MHz分光計を用いて収集した。データは、1データファイル当たり160回のトランジェント、6秒のパルス反復遅延を使用して、120℃の試料温度で取得した。全ての測定を、ロックモードの非回転試料で行った。試料は、データ取得前に7分間熱平衡化された。13C NMR化学シフトは、21.9ppmのmmmmmペンタッドを内部参照した。
DSC分析
試料を示差走査熱分析(Differential Scanning Calorimetry、DSC)に供した。「PPC-H」方法を以下の熱シーケンスで使用した:工程1:5-10mgの試料を試料パンに入れる。工程2:試料を230.0℃で平衡化し、温度を5.0分間維持する。工程3:試料の温度を10.0℃/分で-40.0℃まで上昇させる。工程4:温度を-40.0℃で5.0分間維持する。工程5:試料の温度を10.0℃/分で230.0℃まで上昇させる。
GPC分析
ポリマーを、高感度IR-5検出器を備えたPolymer Char GPC IR高温ゲル浸透クロマトグラフィー(gel permeation chromatography、GPC)ユニットで分析した。オーブン温度を150℃に設定した。溶媒は、約200ppmの2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール(2,6-di-t-butyl-4-methylphenol、BHT)を含む窒素パージされた1,2,4-トリクロロベンゼン(1,2,4-trichlorobenzene、TCB)であった。流量は、1.0mL/分であり、注入量は200μLであった。穏やかに撹拌しながら、160℃で30分間、窒素パージし、予熱したTCB(200ppmのBHTを含有する)に試料を溶解することによって、2.0mg/mLの試料濃縮物を調製する。
20個の狭分子量分布ポリスチレン標準物質を用いることによって、GPCカラム設定を較正した。標準物質の分子量(molecular weight、MW)は、580g/モル~8,400,000g/モルの範囲で、標準物質は、6つの「カクテル」混合物中に含有された。四次多項式近似を溶出体積の関数として使用して、対数分子量較正を生成した。同等のポリプロピレン分子量は、以下の等式を使用して、ポリプロピレンの報告されているマーク-ホーウインク係数を用いて計算した。
データ分析
先に記載したように回収され、表1のバッチ反応器操作プロトコルA~Kのうちの1つによって行われたプロピレン重合反応から得られたプロ触媒効率及びプロピレン系ポリマー特徴を、以下の表2に提示する。「NS」と記されたエントリは、データが収集されなかったエントリである。
13C NMR分析は、反応器中のプロピレン濃度[C3]が、調製されたアイソタクチックプロピレン系ポリマーの立体規則性にほとんど影響を及ぼさなかったことを示唆する。注目すべきことに、56g/L及び156g/Lのプロピレン濃度での比較例C1、並びに56g/L及び156g/Lのプロピレン濃度でのプロ触媒2についてのmm%トライアドは、実験誤差内で異ならなかった。プロ触媒6の立体規則性測定は、反応条件A(20ミリモルのHを有する56g/L[C3])から反応条件F(10ミリモルのHを有する177g/L[C3])まで有意に変化しなかった。立体規則性に対する分子量の影響は、ここでは観察されなかった。水素は、モノマーに対する触媒部位の面選択性に影響を及ぼすとは予想されない。GPC分析は、予想どおり、分子量がより高いプロピレン濃度とともに増加するので、分子量と反応器中のプロピレン濃度[C3]との明確な相関関係を明らかにした。
結晶化度/組成
比較例C1のプロ触媒は、144℃のTmを有する平均96.1mm%トライアドであった。表2に表にしたように試験された化合物の大部分(24個の独特な構造のうち17個)は、92.5mm%超のアイソタクチックトライアドレベルを有し、92.7%~97.8mm%トライアドの範囲であった。このセットのポリマー融点(DSCによるTm)は、122℃~155℃の範囲であり、mm%トライアドとTmとの間の一般的な相関を示した。24種の化合物のうち2種(プロ触媒18及びプロ触媒21)のみが完全に非晶質であり、DSCによる結晶化度を示さなかった。
理論に束縛されるものではないが、プロ触媒中の底部フェニル環の電子特性は、電子求引性置換基が多いほど、得られるプロピレン系ポリマーのより低い立体規則性をもたらしたように、結晶化度に影響を及ぼした可能性がある。例えば、プロ触媒2中のパラ-フルオロ置換をプロ触媒4中のパラ-クロロ置換で置き換えると、ポリプロピレン中のアイソタクチック性は、ほぼ2mm%トライアドだけ減少した。これは、融解温度Tmの約5℃の低下に反映される。この減少は、複数のフッ素化底部リングを有する触媒系についても観察された。プロ触媒11は、その底部環上に単純なパラ-フルオロ置換を含むが、プロ触媒14は、3,4-ジフルオロ置換及び1.5%低いレベルのmmトライアドを有し、Tmがほぼ9℃低下する。ゲルマニウム類似体であるプロ触媒13及びプロ触媒1もそれぞれ、Tmの低下を示したが、大きさはそれほど有意ではなかった(約3℃)。
ゲルマニウムブリッジ系触媒は、シリコン系触媒よりも高い結晶化度の傾向を示した。例えば、プロ触媒13は、1.2mm%トライアドを有し、かつプロ触媒11よりも5℃高いTmを有する樹脂を生じた。プロ触媒1は、プロ触媒14よりも11℃高いTmを呈したので、3,4-ジフルオロ置換触媒もこの傾向を反映している。同様の結果が、プロ触媒2及びプロ触媒3の類似の対について観察され、プロ触媒3は、プロ触媒2のC3架橋基Lに対して、C4架橋基Lを有するより高い結晶化度を示した。
理論に束縛されるものではないが、プロ触媒の底部フェニル環上のオルト-メチル基の置換は、プロ触媒2及び6並びにプロ触媒4及び5において観察されるように、より高い結晶化度のプロピレン系ポリマーをもたらすと考えられる。mm%トライアドレベルは、親化合物に対してオルト-メチル触媒について、それぞれ1.5%及び3%高かった。Tm値は、それぞれ5℃及び6℃高かった。プロ触媒6は、109℃の反応温度で最も高度にアイソタクチック試料のうちの1つを生成し、96.2mm%トリアッドを有した。
プロ触媒23及び24は、110℃の反応温度で、それぞれ97.4及び97.8mm%を有する顕著に高い結晶化度のポリプロピレンを生成した。両方の触媒によって生成されたポリマーのTmは、約155℃であった。これらの触媒の注目すべき特性は、meso-配置(プロ触媒23)又はrac-配置(プロ触媒24)のいずれかにおいて、1,3-ジメチルプロピルである架橋基Lである。
分子量
110℃の重合温度で調製した試料をGPC分析に供した。一般に、3又は4原子の架橋基Lを有するハフニウム系触媒は、高いMwを有するポリマーを提供し、同様のジルコニウム系触媒は、より低いMwのポリマーを提供した。例えば、比較例C1は、276kg/モルのMwを提供したが、プロ触媒25は、36kg/モルのMwを有するポリマーを提供した。
プロ触媒配位子の電子的性質の変化は、高分子量ポリマーを生成するプロ触媒の能力にほとんど影響を与えないようであった。例えば、プロ触媒2及び4は、それぞれ559kg/モル及び510kg/モルの分子量Mwを有するポリマーを生成した。同様に、プロ触媒11及び14は両方とも、145kg/モルのMwを有するポリマーを生成した。プロ触媒11及び14においてゲルマニウムをケイ素と交換することからの効果は観察されなかった。
プロ触媒8及び10は、同じ条件下でわずか135kg/モルのMwを有するポリマーを生成した比較例C1と比較して、110℃の反応温度で約248kg/モルのMwを有する非常に高分子量のポリマーを生成した。
高反応器温度アイソタクチック性
多くの公知のポリプロピレン触媒の共通の特性は、アイソタクチック性に対する反応器温度の上昇の悪影響である。したがって、約130℃、160℃、及び190℃(表2の反応器条件I、J、及びK)で行った更なる実験は、本開示の式(I)に従う多くのプロ触媒が、上昇した反応温度であっても高度にアイソタクチックポリプロピレンを生成する能力を示す。
比較例C1のプロ触媒から生成されたポリマーは、反応温度を110℃から160℃に上昇させたことにより、1mm%の減少を呈した。追加の2mm%の減少が190℃で観察され、アイソタクチックトライアドの測定レベルは93.7mm%であった。したがって、110℃から190℃への温度上昇に伴う比較例C1のmm%の全体的な減少は、96.6から93.7であった。比較すると、プロ触媒2及び13を用いて反応器温度を110℃から160℃に上昇させても、測定されたアイソタクチック性は有意に変化しなかった。温度を190℃に上昇させると、プロ触媒2及び1mm%プロ触媒13についてアイソタクチックトライアドが2.5mm%減少した。110℃~190℃の温度範囲にわたって試験した触媒のうち、プロ触媒6のみが、アイソタクチック性のレベルにおいて顕著な応答を示し、110℃~160℃で2.7mm%の減少、190℃で更に4mm%の減少を示した。
別段定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的及び科学的用語は、本発明が属する当業者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態のみを記載する目的のためであり、限定することは意図されない。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形の「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明らかに他を示していない限り、複数形も含むことが意図される。
本明細書では、「実質的に」及び「約」という用語は、任意の定量的比較、値、測定、又は他の表現に起因し得る固有の不確実性の程度を表すために利用され得ることに留意されたい。これらの用語はまた、問題である主題の基本的な機能に変化をもたらすことなく、定量的表現が記載された基準から変化し得る程度を表すためにも、本明細書において利用される。

Claims (20)

  1. プロピレン重合プロセスであって、
    触媒系の存在下でプロピレン及び任意選択の追加のα-オレフィンコモノマーを重合させて、プロピレン系ポリマーを生成することであって、前記プロピレン系ポリマーが、前記プロピレン系ポリマーの総重量に基づいて、プロピレンに由来する少なくとも80重量%のモノマー単位を含み、前記触媒系が、式(I)に従う金属-配位子錯体を含み:

    式中、
    Mが、ジルコニウム又はハフニウムであり、
    及びAが、式(I-a)を有するラジカル及び式(I-b)を有するラジカルからなる群から独立して選択され:

    21a、R21b、R31a、R31b、R32a、及びR32bの各々が、-H、(C~C40)ヒドロカルビル、(C~C40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R、-Ge(R、-P(R、-N(R、-OR、-SR、-NO、-CN、-CF、RS(O)-、RS(O)-、(RC=N-、RC(O)O-、ROC(O)-、RC(O)N(R)-、(RNC(O)-、又はハロゲンから独立して選択され、
    及びBが、独立して、(C~C40)ヒドロカルビルであり、
    1a、R1b、R2a、R2b、R3a、R3b、R4a、及びR4bが、-H、(C~C40)ヒドロカルビル、(C~C40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R、-Ge(R、-P(R、-N(R-OR、-SR、-NO、-CN、-CF、RS(O)-、RS(O)-、(RC=N-、RC(O)O-、ROC(O)-、RC(O)N(R)-、(RNC(O)-、及びハロゲンから独立して選択され、
    Lが、-(CH-、-(CH-、-(CH-、-(CH(CH)CHCH(CH))-、-(CHCH(R)CH)-、-CHSi(RCH-、及び-CHGe(RCH-からなる群から選択され、
    式(I)中の各R、R、及びRが、独立して、(C~C30)ヒドロカルビル、(C~C30)ヘテロヒドロカルビル、又は-Hである、プロピレン重合プロセス。
  2. 及びAが、式(I-b)を有するラジカルであり、式中、R31a及びR31bが、(C~C40)ヒドロカルビルであり、R32a及びR32bが、-Hであるか、又は
    及びAが、式(I-b)を有するラジカルであり、式中、R32a及びR32bが、(C~C40)ヒドロカルビルであり、R31a及びR31bが、-Hである、請求項1に記載のプロピレン重合プロセス。
  3. 及びBが、tert-オクチルである、請求項1又は2に記載のプロピレン重合プロセス。
  4. 3a及びR3bが、フルオロである、請求項1~3のいずれか一項に記載のプロピレン重合プロセス。
  5. 及びAが、式(I-b)を有するラジカルであり、式中、R31a及びR31bが、tert-ブチルであり、R32a及びR32bが、-Hであり、
    及びBが、tert-オクチルであり、
    1a、R1b、R2a、R2b、R3a、R3b、R4a、及びR4bが、-H、メチル、tert-ブチル、クロロ、及びフルオロから独立して選択される、請求項1に記載のプロピレン重合プロセス。
  6. Mが、ハフニウムであり、
    及びAが、式(I-b)を有するラジカルであり、式中、R31a及びR31bが、tert-ブチルであり、R32a及びR32bが、-Hであり、
    及びBが、tert-オクチルであり、
    1a、R1b、R2a、R2b、R3a、R3b、R4a、及びR4bが、-H、メチル、tert-ブチル、クロロ、及びフルオロから独立して選択される、請求項1に記載のプロピレン重合プロセス。
  7. 3a及びR3bが、フルオロである、請求項6に記載のプロピレン重合プロセス。
  8. 1a及びR1bが、メチルであり、
    2a、R2b、R4a、及びR4bが、-Hである、請求項7に記載のプロピレン重合プロセス。
  9. 1a、R1b、R2a、R2b、R4a、及びR4bが、-Hである、請求項7に記載のプロピレン重合プロセス。
  10. Lが、-(CH-、-(CH-、及び-(CH-からなる群から選択される、請求項1~9のいずれか一項に記載のプロピレン重合プロセス。
  11. Lが、-(CHCH(R)CH)-であり、Rが、メチル又はtert-ブチルである、請求項1~9のいずれか一項に記載のプロピレン重合プロセス。
  12. Lが、-CHSi(RCH-及び-CHGe(RCH-からなる群から選択される、請求項1~9のいずれか一項に記載のプロピレン重合プロセス。
  13. Lが、-CHSi(RCH-及び-CHGe(RCH-からなる群から選択され、式中、各Rが、イソプロピルである、請求項1~9のいずれか一項に記載のプロピレン重合プロセス。
  14. Lが、-CHGe(RCH-であり、各Rが、イソプロピルである、請求項1~9のいずれか一項に記載のプロピレン重合プロセス。
  15. 前記重合させることが、110℃~190℃の重合温度で実行される、請求項1~14のいずれか一項に記載のプロピレン重合プロセス。
  16. 前記重合させることが、130℃~190℃の重合温度で実行される、請求項1~14のいずれか一項に記載のプロピレン重合プロセス。
  17. 前記重合が、160℃以上の重合温度で実行される、請求項1~14のいずれか一項に記載のプロピレン重合プロセス。
  18. 前記重合させることが、160℃~190℃の重合温度で実行される、請求項1~14のいずれか一項に記載のプロピレン重合プロセス。
  19. 前記プロピレン系ポリマーが、90%超のアイソタクチックトライアドを有するポリプロピレンである、請求項1~18のいずれか一項に記載のプロピレン重合プロセス。
  20. 前記プロピレン系ポリマーが、95%超のアイソタクチックトライアドを有するポリプロピレンである、請求項1~18のいずれか一項に記載のプロピレン重合プロセス。
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