JP2024512905A - 新規のpd-1結合ドメインを含む多重特異性結合部位 - Google Patents

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Abstract

本開示は、参照PD-1結合ドメインよりも、ヒトPD-1に対してより高い結合親和性を有する新規のPD-1結合ドメインを含む、多重特異性結合部位に関連する。そのような多重特異性結合部位は、参照PD-1抗体と比較して、同等の、またはそれ以上の、ヒトPD-1へのリガンド結合を阻害する効力を、さらに提供する。本開示は、具体的には新規のPD-1結合ドメインとLAG-3結合ドメインとを含む多重特異性結合部位に関連する。また、疾患を、具体的には癌などの抑制された免疫系に関連する疾患を、本開示の多重特異性結合部位を用いて治療するための方法も、提供される。本開示はさらに、新規のPD-1結合ドメインとLAG-3結合ドメインとをコードする核酸を含む、ベクターおよび細胞に関連する。【選択図】 なし

Description

本開示は、抗体の分野に関連する。具体的には、異常細胞(aberrant cells)が関わる疾患の治療のための、治療用抗体の分野に関連する。さらに具体的には、ヒトPD-1に結合する新規の結合ドメインを含む、多重特異性結合部位に関連する。
癌は、その疾患の治療において多くの進歩がなされ、癌に至る分子事象についての知識が増加したにもかかわらず、依然として世界における主要な死因である。従来、癌の創薬のほとんどは、細胞に不可欠な機能を阻害し、分裂中の細胞を死滅させる薬剤に焦点を当ててきた。しかしながら、進行癌の場合、患者が治療により生命を脅かす副作用に苦しむほどまで、どんなに積極的に適用しても、化学療法によって完全治癒することはほとんどない。ほとんどの場合、患者の腫瘍は増殖を止めるか、または一時的に縮小する(寛解と呼ばれる)が、再び、時にはより急速に増殖を開始し(再発と呼ばれる)、ますます治療が困難になる。過去数年間、癌の医薬品開発の焦点は、広範な細胞毒性化学療法から、毒性のより少ない標的細胞増殖抑制療法へと移ってきた。標的療法による進行癌の治療は、白血病および他のいくつかの癌で臨床的に検証されている。しかしながら、大多数の癌腫において、標的アプローチは、大多数の患者で癌を完全に消滅させるのに十分な効果がないことが、依然として証明されている。
癌の標的化は、例えば、癌が生存および/または増殖のために依存するシグナル伝達タンパク質に向ける小分子;腫瘍特異性タンパク質を用いたワクチン;腫瘍細胞を積極的に死滅させる免疫細胞を用いた細胞療法、および、細胞傷害性分子を腫瘍へ標的とし、シグナル伝達を妨げる抗体、および/またはホストの免疫系を腫瘍細胞へ(再度)向ける抗体、などを含む、様々な異なる方法を使用して達成されてきた。
治療用抗体の開発中のクラスは、二重特異性抗体であり、それは異なる抗原または同じ抗原上の異なるエピトープに結合する、2つの異なる結合サイトを含む。二重特異性抗体は、いくつかの応用のために設計されうる。第一に、二重特異性抗体は、単一特異性抗体よりも高い組織特異性を与えうる。いくつかの腫瘍関連抗原は、腫瘍細胞によって(過剰)発現されるだけでなく、正常で健康な細胞上にも発現される。特定のタイプの癌に関わる2つの異なる腫瘍関連抗原に向けられる二重特異性抗体は、抗体を腫瘍サイトへ特異的に標的とすることができ、そこで抗体は腫瘍細胞の死滅を誘導し、それにより抗原の一方のみを発現する非腫瘍細胞への結合を防ぎ、その結果、オフサイト毒性を減少させる。他の作用機序には、例えば免疫細胞の腫瘍細胞へのエンゲージメント、および腫瘍増殖のために必要な2つのシグナル伝達経路の破壊などを含む。
例えばPD-1、PD-L1、CTLA-4、LAG-3、およびTIM-3のような免疫チェックポイントタンパク質は、抗体療法の興味深い標的である。現在までに、PD-1を標的とする多くの単一特異性抗体が、PD-1標的結合ドメインを含むある二重特異性抗体と同様に、報告されている。しかしながら、これらの二重特異性抗体の各々は、効果的な治療薬の生産において独自の課題を有する。従って、新規の効果的なPD-1×LAG-3二重特異性抗体の開発が、依然として必要とされている。
本開示の目的のひとつは、ヒト疾患の治療のための、具体的には癌の治療のための新たな医薬品を提供することである。この目的は、新規の抗ヒトPD-1結合ドメインを含む多重特異性結合部位の提供によって、具体的には新規の抗ヒトPD-1結合ドメインと抗ヒトLAG-3結合ドメインとを含む二重特異性抗体によって、満たされる。
ある実施形態において、本開示は、抗ヒトPD-1結合ドメインを含む多重特異性結合部位であって、
参照抗ヒトPD-1結合ドメインよりも、ヒトPD-1に対してより高い結合親和性を有し、
前記参照抗ヒトPD-1結合ドメインは、
配列番号34に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域
および
配列番号35に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域
を含む、
多重特異性結合部位を提供する。
ある実施形態において、本開示はまた、抗ヒトPD-1結合ドメインを含む多重特異性結合部位であって、
前記抗ヒトPD-1結合ドメインは、参照抗ヒトPD-1抗体と比較して、少なくとも同等の、またはそれ以上の、PD-1へのリガンド結合を阻害する効力(potency)を与え、
前記参照抗ヒトPD-1抗体は、
配列番号34に示されるアミノ酸配列を有する2つの重鎖可変領域
および
配列番号35に示されるアミノ酸配列を有する2つの軽鎖可変領域
を含む、
多重特異性結合部位を提供する。
ある実施形態において、本開示は、本明細書に記載されたPD-1結合ドメインとヒトLAG-3に結合する結合ドメインとを含む、多重特異性抗体をさらに提供する。
ある実施形態において、本開示は、本明細書に記載された多重特異性結合部位の有効量を含む、医薬組成物をさらに提供する。
ある実施形態において、本開示はまた、疾患の治療、例えば抑制された免疫系に関連する疾患または癌の治療に使用するための、本明細書に記載された多重特異性結合部位、および本明細書に記載された医薬組成物を提供する。
ある実施形態において、本開示は、疾患を治療するための方法であって、
本明細書に記載された、多重特異性結合部位の有効量、または医薬組成物を、それを必要とする個体へ投与するステップを含む
方法を提供する。
ある実施形態において、本開示は、癌を治療するための方法であって、
本明細書に記載された、多重特異性結合部位の有効量、または医薬組成物を、それを必要とする個体へ投与するステップを含む
方法を提供する。
ある実施形態において、本開示は、
本明細書に記載された抗ヒトPD-1結合ドメインの重鎖可変領域をコードする核酸配列と、本明細書に記載された抗ヒトLAG-3結合ドメインの重鎖可変領域をコードする核酸配列とを含む、
ベクターをさらに提供する。
ある実施形態において、本開示は、
本明細書に記載された抗ヒトPD-1結合ドメインの重鎖可変領域をコードする核酸配列と、本明細書に記載された抗ヒトLAG-3結合ドメインの重鎖可変領域をコードする核酸配列とを含む、
細胞をさらに提供する。
本開示は、本明細書に記載された多重特異性結合部位を産生する細胞を、さらに提供する。
ある実施形態において、本開示は、本明細書に記載された多重特異性結合部位を産生する方法、およびそれらのバリアントを産生する方法を提供する。
PD-1/PD-L1レポーターアッセイにおける、親和性成熟バリアントのスクリーニング結果を示す。A)配列番号1、配列番号2、および配列番号6に示されるアミノ酸配列を有する親和性成熟重鎖可変領域を含むIgGが;配列番号9に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む親抗体(parental antibody)、陽性対照としてニボルマブアナログ(配列番号18/配列番号22)、および陰性対照(配列番号23/配列番号24)と比較された。B)配列番号3、配列番号4、および配列番号5に示されるアミノ酸配列を有する親和性成熟重鎖可変領域を含むIgGが;配列番号10に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む親抗体、陽性対照としてニボルマブアナログ(配列番号18/配列番号22、および配列番号19/配列番号22)、および陰性対照(配列番号23/配列番号24)と比較された。 PD-1/PD-L1レポーターアッセイにおける、二重特異性抗体のスクリーニング結果を示す。A)配列番号1と配列番号11、配列番号6と配列番号11、配列番号5と配列番号11;配列番号1と配列番号12、配列番号6と配列番号12、および配列番号5と配列番号12に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む二重特異性抗体が、陽性対照としてニボルマブアナログ(配列番号20/配列番号22)、および陰性対照(配列番号23/配列番号24)と比較された。B)配列番号1と配列番号13、配列番号6と配列番号13、配列番号5と配列番号13;配列番号1と配列番号14、配列番号6と配列番号14、および配列番号5と配列番号14に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む二重特異性抗体が、陽性対照としてニボルマブアナログ(配列番号20/配列番号22)、および陰性対照(配列番号23/配列番号24)と比較された。C)配列番号1と配列番号15、配列番号6と配列番号15、配列番号5と配列番号15;配列番号1と配列番号16、配列番号6と配列番号16、および配列番号5と配列番号16に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む二重特異性抗体が、陽性対照としてニボルマブアナログ(配列番号20/配列番号22)、および陰性対照(配列番号23/配列番号24)と比較された。 PD-1/PD-L1レポーターアッセイにおける、二重特異性抗体のスクリーニング結果を示す。A)配列番号1、配列番号6、または配列番号5に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む二重特異性抗体の、効力の比較。ニボルマブアナログ3(ニボルマブ*)と比較された。B)配列番号7または配列番号8に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む二重特異性抗体の、平均EC50値。ニボルマブアナログ4(ニボルマブ*)と比較された。 配列番号1、配列番号6、または配列番号5に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含むPD-1結合ドメインの結合親和性を、2価の単一特異性フォーマットで示す。2価の単一特異性ニボルマブアナログ1(配列番号18/配列番号22;4通り)、および2価の二重特異性抗体(配列番号18/配列番号22×配列番号23/配列番号24)の一部としてのニボルマブアナログ1のPD-1結合ドメインと、比較された。 PD-1/LAG-3レポーターアッセイにおける、二重特異性抗体のスクリーニング結果を示す。A)配列番号1と配列番号11、配列番号1と配列番号12、配列番号1と配列番号13;配列番号1と配列番号14、配列番号1と配列番号15、および配列番号1と配列番号16に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む二重特異性抗体が、陽性対照としてニボルマブアナログ(配列番号20/配列番号22)、ニボルマブアナログとレラトリマブアナログとの組合せ(配列番号20/配列番号22+配列番号27/配列番号28)、および陰性対照(配列番号23/配列番号24)と比較された。B)配列番号6と配列番号11、配列番号6と配列番号12、配列番号6と配列番号13;配列番号6と配列番号14、配列番号6と配列番号15、および配列番号6と配列番号16に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む二重特異性抗体が、ニボルマブアナログとレラトリマブアナログとの組合せ(配列番号20/配列番号22+配列番号27/配列番号28)、および陰性対照として配列番号23/配列番号24を含む2価の単一特異性抗体およびモタビズマブアナログ(配列番号25/配列番号26)と比較された。C)配列番号5と配列番号11、配列番号5と配列番号12、配列番号5と配列番号13;配列番号5と配列番号14、配列番号5と配列番号15、および配列番号5と配列番号16に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む二重特異性抗体が、ニボルマブアナログとレラトリマブアナログとの組合せ(配列番号20/配列番号22+配列番号27/配列番号28)、および陰性対照(配列番号23/配列番号24)と比較された。 SEBアッセイにおける、二重特異性抗体のスクリーニング結果を示す。A)配列番号1と配列番号11、配列番号1と配列番号12、配列番号1と配列番号13;配列番号1と配列番号14、配列番号1と配列番号15、および配列番号1と配列番号16に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む二重特異性抗体が、ニボルマブアナログとレラトリマブアナログとの組合せ(配列番号20/配列番号22+配列番号27/配列番号28)、および陰性対照(配列番号23/配列番号24)と比較された。B)配列番号6と配列番号11、配列番号6と配列番号12、配列番号6と配列番号13;配列番号6と配列番号14、配列番号6と配列番号15、および配列番号6と配列番号16に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む二重特異性抗体が、ニボルマブアナログとレラトリマブアナログとの組合せ(配列番号20/配列番号22+配列番号27/配列番号28)、および陰性対照(配列番号23/配列番号24)と比較された。C)配列番号5と配列番号11、配列番号5と配列番号12、配列番号5と配列番号13;配列番号5と配列番号14、配列番号5と配列番号15、および配列番号5と配列番号16に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む二重特異性抗体が、ニボルマブアナログとレラトリマブアナログとの組合せ(配列番号20/配列番号22+配列番号27/配列番号28)、および陰性対照(配列番号23/配列番号24)と比較された。 抗原リコールアッセイにおける、二重特異性抗体のスクリーニング結果を示す。A)配列番号1と配列番号11、配列番号1と配列番号12、配列番号1と配列番号13;配列番号1と配列番号14、配列番号1と配列番号15、および配列番号1と配列番号16に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む二重特異性抗体が、ニボルマブアナログとレラトリマブアナログとの組合せ(配列番号20/配列番号22+配列番号27/配列番号28)、および陰性対照(配列番号23/配列番号24)と比較された。B)配列番号6と配列番号11、配列番号6と配列番号12、配列番号6と配列番号13;配列番号6と配列番号14、配列番号6と配列番号15、および配列番号6と配列番号16に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む二重特異性抗体が、ニボルマブアナログとレラトリマブアナログとの組合せ(配列番号20/配列番号22+配列番号27/配列番号28)、および陰性対照(配列番号23/配列番号24)と比較された。C)配列番号5と配列番号11、配列番号5と配列番号12、配列番号5と配列番号13;配列番号5と配列番号14、配列番号5と配列番号15、および配列番号5と配列番号16に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む二重特異性抗体が、ニボルマブアナログとレラトリマブアナログとの組合せ(配列番号20/配列番号22+配列番号27/配列番号28)、および陰性対照(配列番号23/配列番号24)と比較された。 インビボマウス試験における、二重特異性抗体の有効性を示す。A)二重特異性抗体1(10mg/kg)、二重特異性抗体2(10mg/kg)、および二重特異性抗体3(10mg/kg)(図8A)、および、二重特異性抗体4(10mg/kg)、および二重特異性抗体5(10mg/kg)(図8B)の、腫瘍体積を減少させるための有効性が、IgG1対照抗体(10mg/kg)、IgG4対照抗体(10mg/kg)、ペムブロリズマブ(10mg/kg)、レラトリマブアナログ(10mg/kg)、およびペムブロリズマブ(10mg/kg)とレラトリマブアナログ(10mg/kg)との組合せと比較された。C)二重特異性抗体1、二重特異性抗体2、または二重特異性抗体3で治療されたマウスから得られた腫瘍において測定された、制御性T細胞(Treg)の割合。IgG1対照抗体、IgG4対照抗体、ペムブロリズマブ、レラトリマブアナログ、およびペムブロリズマブとレラトリマブアナログとの組合せと比較された。D)二重特異性抗体1、二重特異性抗体2、または二重特異性抗体3で治療されたマウスから得られた腫瘍において測定された、CD8T細胞の割合(左グラフ)、およびこのCD8T細胞集団内の制御性T細胞の割合(右グラフ)。IgG1対照抗体、IgG4対照抗体、ペムブロリズマブ、レラトリマブアナログ、およびペムブロリズマブとレラトリマブアナログとの組合せと比較された。 配列番号7と配列番号17、および配列番号8と配列番号17を含む二重特異性抗体の、ヒトおよびカニクイザルPD-1およびLAG-3に対する結合親和性を示す。ニボルマブアナログ(配列番号21/配列番号22)、およびレラトリマブアナログ(配列番号27/配列番号28)と比較された。
本開示は、いくつかの抗ヒトPD-1結合ドメイン、配列番号1~8に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、およびそのような抗ヒトPD-1結合ドメインを含む多重特異性結合部位を記載する。
プログラム細胞死1タンパク質(PD-1)は、受容体のCD28ファミリーに属する細胞表面受容体であり、T細胞およびプロB細胞上に発現する。PD-1は現在、2つのリガンド、PD-L1およびPD-L2に結合することが知られている。PD-1は、免疫チェックポイントとして機能し、T細胞の活性化を阻害することによって免疫系をダウンレギュレーションさせる際に重要な役割を果たし、その結果、自己免疫を減少させ、自己寛容を促進する。PD-1の阻害効果は、リンパ節の抗原特異性T細胞におけるアポトーシス(プログラム細胞死)を促進すると同時に、制御性T細胞(サプレッサーT細胞)におけるアポトーシスを減少させるという、二重のメカニズムを通じて達成されると考えられている。PD-1はまた、PDCD1;プログラム細胞死1;全身性エリテマトーデス感受性2;タンパク質PD-1;HPD-1;PD1;プログラム細胞死1タンパク質;CD279抗原;CD279;HPD-L;HSLE1;SLEB2;およびPD-1などの、多くの異なる別名でも知られている。PD-1の外部IDは、HGNC:8760;Entrez Gene:5133;Ensembl:ENSG00000188389;OMIM:600244;およびUniProtKB:Q15116である。PD-1の活性を阻害する新しいクラスの薬剤、PD-1阻害剤は、腫瘍を攻撃する免疫系を活性化し、それゆえある種の癌の治療に一定の成功を収めている。
LAG-3は、リンパ球活性化3;リンパ球活性化遺伝子3;CD223抗原;タンパク質FDC;CD223;LAG-3;またはFDCなどの、多くの異なる名称で知られている。LAG-3の外部IDは:HGNC:6476;Entrez Gene:3902;Ensembl:ENSG00000089692;OMIM:153337;およびUniProtKB:P18627である。LAG-3は、CD4と密接な関係がある。LAG-3は、ヒト12番染色体(12p13.32)上に、CD4遺伝子に隣接して位置しており、その配列は、CD4と約20%同一である。LAG-3タンパク質は、CD4よりも高い親和性で、主要組織適合遺伝子複合体2(MHCクラスII)の非正則領域(nonholomorphic region)に結合する。LAG-3は、制御性T細胞(Treg)およびアレルギー性T細胞の両方で協調的にアップレギュレーションする、様々な免疫チェックポイント受容体の1つである。LAG-3は、T細胞の増殖、活性化および恒常性を、逆方向に制御しうる。
ある実施形態において、多重特異性結合部位の抗ヒトPD-1結合ドメインは、少なくとも重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む。軽鎖可変領域は、本明細書でさらに説明されるように、任意の適切な軽鎖可変領域でありうる。ある実施形態において、軽鎖可変領域は、好ましくは、異なるエピトープ特異性を有する複数の重鎖と対合可能である軽鎖の、軽鎖可変領域である。そのような軽鎖はまた、当該技術分野では「一般的な軽鎖」とも呼ばれる。
ある実施形態において、本開示は、抗ヒトPD-1結合ドメインを含む多重特異性結合部位であって、
前記抗ヒトPD-1結合ドメインは、参照抗ヒトPD-1結合ドメインよりも、ヒトPD-1に対してより高い結合親和性を有し、
前記参照抗ヒトPD-1結合ドメインは、
配列番号34に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域
および
配列番号35に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域
を含む、
多重特異性結合部位を提供する。
ある実施形態において、本開示は、抗ヒトPD-1結合ドメインを、具体的には単一の抗ヒトPD-1結合ドメインを含む、多重特異性結合部位であって、
前記多重特異性結合部位は、参照抗ヒトPD-1抗体よりも、ヒトPD-1に対してより高い結合親和性を有し、
前記参照抗ヒトPD-1抗体は、
配列番号34に示されるアミノ酸配列を有する2つの重鎖可変領域
および
配列番号35に示されるアミノ酸配列を有する2つの軽鎖可変領域
を含む、
多重特異性結合部位を提供する。
抗ヒトPD-1結合ドメインが、参照抗ヒトPD-1結合ドメインよりも、ヒトPD-1に対してより高い結合親和性を有するかどうかを決定するには、両方の抗ヒトPD-1結合ドメインの結合親和性を、同じタイプのアッセイで、同じアッセイ条件を使用して、測定することにより行うことができる。従って、ある実施形態において、抗ヒトPD-1結合ドメインの、または多重特異性結合部位の結合親和性、および、参照抗ヒトPD-1結合ドメインの、または参照抗ヒトPD-1抗体の結合親和性は、同じタイプのアッセイで、同じアッセイ条件を使用して、測定される。ある実施形態において、アッセイは、Biacore(登録商標)のバイオセンサーシステム、または溶液平衡滴定(SET)などの、結合親和性を測定するために表面プラズモン共鳴(SPR)を使用するアッセイである(Friguet B et al. (1985) J. Immunol Methods; 77(2): 305-319、およびHanel C et al. (2005) Anal Biochem; 339(1): 182-184参照)。本明細書で提供される、PD-1結合ドメインの、または多重特異性結合部位の結合親和性値は、実施例4に記載された方法で得られる。
簡単に言うと、実施例4は、Biacore 8K装置を使用して25℃で、SPRを行うことを記載する。抗ヒトFc抗体は、SシリーズセンサーチップCM5のフローセル上にアミンカップリングを介して固定化され、固定化レベルは~9000RUである。抗PD-1抗体の所望の捕捉レベル(100~150RU)は、予め決められた濃度の抗PD-1抗体を、各チャンネルのアクティブフローセルを通して10μL/分の流速で60秒間流すことにより、達成される。PD-1の3倍連続希釈濃度シリーズ(合計7濃度、最高300nM)およびランニングバッファは、240秒間(結合時間)注入され、すぐに480秒間(解離時間)45μL/分の流速でランニングバッファが続く。30μL/分の流速で3M MgClを30秒間注入し、表面が再生される。結合キネティクス(binding kinetics)および親和性パラメータは、1対1結合モデルへのデータのグローバルフィッティングから得られる。
好ましくは、SPRはIgGフォーマットで抗ヒトPD-1結合ドメインを用いて行われ、PD-1との1価相互作用の結合親和性を測定する。
ある実施形態において、抗ヒトPD-1結合ドメインまたは多重特異性結合部位は、本明細書に記載される、例えば実施例4に記載される、SPRによって測定されるように、参照抗ヒトPD-1結合ドメインまたは参照抗ヒトPD-1抗体よりも、ヒトPD-1に対して少なくとも10倍高い結合親和性を有する。ある実施形態において、抗ヒトPD-1結合ドメインまたは多重特異性結合部位は、本明細書に記載される、例えば実施例4に記載される、SPRによって測定されるように、参照抗ヒトPD-1結合ドメインまたは参照抗ヒトPD-1抗体よりも、ヒトPD-1に対して10~50倍、10~40倍、10~30倍、または10~20倍高い結合親和性を有する。ある実施形態において、抗ヒトPD-1結合ドメインまたは多重特異性結合部位は、本明細書に記載される、例えば実施例4に記載される、SPRによって測定されるように、参照抗ヒトPD-1結合ドメインまたは参照抗ヒトPD-1抗体よりも、ヒトPD-1に対して10倍高い結合親和性を有する。
ある実施形態において、抗ヒトPD-1結合ドメインまたは多重特異性結合部位は、本明細書に記載される、例えば実施例4に記載される、SPRによって測定されるように、約0.1~1.0nMの範囲の、具体的には約0.3~0.8nMの範囲の、より具体的には約0.38~0.78nMの範囲の、ヒトPD-1に対する結合親和性を有する。ある実施形態において、抗ヒトPD-1結合ドメインまたは多重特異性結合部位は、本明細書に記載される、例えば実施例4に記載される、SPRによって測定されるように、0.1~1.0nMの範囲の、具体的には0.3~0.8nMの範囲の、より具体的には0.38~0.78nMの範囲の、ヒトPD-1に対する結合親和性を有する。ある実施形態において、結合親和性は、PD-1との1価相互作用の結合親和性である。
ある実施形態において、結合親和性は、本開示の抗ヒトPD-1結合ドメインおよび参照抗ヒトPD-1結合ドメインの両方を用いて、2価の単一特異性IgGフォーマットで測定される。ある実施形態において、結合親和性は、本開示の抗ヒトPD-1結合ドメインおよび参照抗ヒトPD-1結合ドメインの両方を用いて、2価の二重特異性IgGフォーマットで測定される。ある実施形態において、結合親和性は、本開示の抗ヒトPD-1結合ドメインを用いて、2価の二重特異性IgGフォーマットで、および参照抗ヒトPD-1結合ドメインを用いて、2価の単一特異性IgGフォーマットで、測定される。2価の二重特異性IgGフォーマットは、例えば、本開示のPD-1結合ドメイン、または参照抗ヒトPD-1結合ドメイン、および無関係な標的と結合する結合ドメインを含みうる。
ある実施形態において、本開示はまた、抗ヒトPD-1結合ドメインを、具体的には単一の抗ヒトPD-1結合ドメインを含む、多重特異性結合部位であって、
前記抗ヒトPD-1結合ドメインは、参照抗ヒトPD-1抗体と比較して、少なくとも同等の、またはそれ以上の、PD-1へのリガンド結合を阻害する効力を与え、
前記参照抗ヒトPD-1抗体は、
配列番号34に示されるアミノ酸配列を有する2つの重鎖可変領域
および
配列番号35に示されるアミノ酸配列を有する2つの軽鎖可変領域
を含む、
多重特異性結合部位を提供する。
ある実施形態において、本開示はまた、抗ヒトPD-1結合ドメインを、具体的には単一の抗ヒトPD-1結合ドメインを含む、多重特異性結合部位であって、
前記多重特異性結合部位は、参照抗ヒトPD-1抗体と比較して、少なくとも同等の、またはそれ以上の、PD-1へのリガンド結合を阻害する効力を有し、
前記参照抗ヒトPD-1抗体は、
配列番号34に示されるアミノ酸配列を有する2つの重鎖可変領域
および
配列番号35に示されるアミノ酸配列を有する2つの軽鎖可変領域
を含む、
多重特異性結合部位を提供する。
抗ヒトPD-1結合ドメインまたは多重特異性結合部位が、参照抗ヒトPD-1抗体と比較して、同等の、またはそれ以上の、PD-1へのリガンド結合を阻害する効力を与えるかどうかを決定するには、両方の抗ヒトPD-1結合ドメインの効力を、または多重特異性結合部位と参照抗体との効力を、同じタイプのアッセイで、同じアッセイ条件を使用して、測定することにより行うことができる。従って、ある実施形態において、多重特異性結合部位の抗ヒトPD-1結合ドメインの、または多重特異性結合部位の、PD-1へのリガンド結合を阻害する効力、および参照抗ヒトPD-1結合抗体の、PD-1へのリガンド結合を阻害する効力は、同じタイプのアッセイで、同じアッセイ条件を使用して、測定される。ある実施形態において、アッセイは、PD-1/PD-L1レポーターアッセイまたはPD-1/LAG-3レポーターアッセイである。本明細書で提供される、PD-1結合ドメインの、または多重特異性結合部位の効力データは、実施例2に記載されるPD-1/PD-L1レポーターアッセイを用いて、および実施例5に記載されるPD-1/LAG-3レポーターアッセイを用いて得られる。
簡単に言うと、実施例2に記載されるPD-1/PD-L1レポーターアッセイは、PD-L1 aAPC/CHO-K1細胞(ヒトPD-L1と、抗原非依存的にコグネートTCRを活性化するように設計された改変細胞表面タンパク質とを発現する、CHO-K1細胞である)、およびJurkat T細胞(ヒトPD-1と、NFAT応答エレメント(NFAT-RE)によって駆動されるルシフェラーゼレポーターとを発現する)を使用して、行われる。PD-L1細胞またはPBSを含むアッセイプレートは、37℃、5%CO、相対湿度95%で、一晩インキュベートされる。インキュベート後、ウェルは空にされ、試験および対照IgGが連続希釈で加えられ、10μg/mlから始めて、6段階4倍滴定を行う。IgG無しの対照であるベース対照もまた、調製される。活性が直接比較される必要のあるIgGは、同じプレート上でインキュベートされる。Jurkat T細胞が加えられ、アッセイプレートは、37℃、5%CO、相対湿度95%で、6時間インキュベートされる。6時間のインキュベートに続き、プレートは室温で10分間放置され、ルシフェラーゼ活性が測定される。
簡単に言うと、実施例5に記載されるPD-1/LAG-3レポーターアッセイは、PD-L1 Raji細胞と、Jurkat PD-1およびLAG-3エフェクター細胞とを使用して、行われる。6~300μg/mlの間で開始し、2~10の間の希釈倍率(最終アッセイ濃度は20~100μg/mlの間で開始する)である、6倍連続希釈の試験および対照IgG25μlが、25μlのJurkat PD-1およびLAG-3エフェクター細胞またはPBSを含むアッセイプレートに、加えられる。活性が直接比較される必要のあるIgGは、同じアッセイプレート上でインキュベートされる。同じ体積のPD-L1 Raji細胞懸濁液が、同じ体積のSED溶液(100ng/mlのブドウ球菌エンテロトキシンD)と混合され、25μlのRaji/SED混合物が、アッセイプレートに加えられる。アッセイプレートは、37℃、5%CO、相対湿度95%で、6時間インキュベートされる。6時間のインキュベートの後、アッセイプレートは室温で10分間放置され、ルシフェラーゼ活性が測定される。
好ましくは、本開示の抗ヒトPD-1結合ドメインおよび参照抗ヒトPD-1結合ドメインは、同じ濃度で、好ましくは両方とも2価の単一特異性IgGフォーマットで使用される。
ある実施形態において、PD-1-リガンド阻害活性における同等の効力とは、参照抗ヒトPD-1抗体のPD-1へのリガンド結合を阻害する効力の5倍の範囲内の効力であり、参照抗ヒトPD-1抗体のPD-1へのリガンド結合を阻害する効力から5、4、3、および2倍の、好ましくは3倍の、偏差を含む。
ある実施形態において、PD-1-リガンド阻害活性におけるより高い効力とは、参照抗ヒトPD-1抗体のPD-1へのリガンド結合を阻害する効力よりも、5、4、3、または2倍、好ましくは3倍高い効力である。ある実施形態において、PD-1-リガンド阻害活性における少なくとも同等の、またはそれ以上の効力とは、参照抗ヒトPD-1抗体のPD-1へのリガンド結合を阻害する効力よりも、1.1~2.0倍、好ましくは1.2~1.8倍または1.2~1.6倍、より好ましくは1.2~1.4倍高い効力である。
参照抗ヒトPD-1結合ドメインは、ニボルマブアナログ抗体のPD-1結合ドメインであり、好ましくは比較の対象となる多重特異性結合部位の抗ヒトPD-1結合ドメインと同じ産生方法を使用して、産生される。参照抗ヒトPD-1結合抗体は、ニボルマブアナログ抗体であり、好ましくは比較の対象となる多重特異性結合部位と同じ産生方法を使用して、産生される。ニボルマブアナログ抗体は、ニボルマブと同じ重鎖可変領域配列(配列番号20)を有する。ニボルマブアナログ抗体は、ニボルマブと同じ軽鎖可変領域配列(配列番号21)を有する。
ある実施形態において、多重特異性結合部位の抗ヒトPD-1結合ドメインは、重鎖可変領域を含み、前記重鎖可変領域は、配列番号1~8に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域のうちの1つの、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3)を含む。
CDR配列は、以下を含む様々な方法を使用して定義されうるが、これらに限定されない:Kabatナンバリングスキーム(Kabat et al., J. Biol. Chem.252:6609-6616 (1977);および/またはKabat et al., U.S. Dept. of Health and Human Services, “Sequences of proteins of immunological interest” (1991))、Chothiaナンバリングスキーム(Chothia et al., J. Mol. Biol.196:901-917 (1987);Chothia et al., Nature 342: 877-883, 1989;および/またはAl-Lazikani B. et al., J. Mol. Biol., 273: 927-948 (1997))、HoneggerとPluckthunのナンバリングシステム(Honegger and Pluckthun, J. Mol. Biol., 309:657-670 (2001))、MacCallumのナンバリングシステム(MacCallum et al., J. Mol. Biol.262:732-745 (1996);および/またはAbhinandan and Martin, Mol. Immunol., 45: 3832-3839 (2008))、Lefrancのナンバリングシステム(Lefranc M.P. et al., Dev. Comp. Immunol., 27: 55-77 (2003);および/またはHonegger and Pluckthun, J. Mol. Biol., 309:657-670 (2001))、またはIMGTに従う(Giudicelli et al., Nucleic Acids Res. 25: 206-21 1 (1997)で議論される)。
これらのナンバリングスキームの各々は、重鎖または軽鎖可変領域のアミノ酸残基が抗原結合に寄与すると予測されることに基づいて、CDRを定義する。従って、CDRを同定する各方法は、本開示の結合ドメインのCDRを同定するために使用されうる。ある実施形態において、本開示の結合ドメインの重鎖CDRは、Kabat、Chothia、またはIMGTに従う。ある実施形態において、本開示の結合ドメインの重鎖CDRは、Kabatに従う。ある実施形態において、本開示の結合ドメインの重鎖CDRは、Chothiaに従う。ある実施形態において、本開示の結合ドメインの重鎖CDRは、IMGTに従う。
ある実施形態において、抗ヒトPD-1結合ドメインは、重鎖可変領域を含み、
前記重鎖可変領域は、
配列番号1~8からなる群からのアミノ酸配列を有する重鎖可変領域からの重鎖CDR1(HCDR1);
配列番号1~8からなる群からのアミノ酸配列を有する重鎖可変領域からの重鎖CDR2(HCDR2);
および
配列番号1~8からなる群からのアミノ酸配列を有する重鎖可変領域からの重鎖CDR3(HCDR3)
を含む。
Kabatに従ったHCDRは、本明細書で提供される配列リスト中で、太字および下線で示される。
ある実施形態において、多重特異性結合部位の抗ヒトPD-1結合ドメインの重鎖可変領域は、以下を含み:
-それぞれ、配列番号36、配列番号37、および配列番号38に示されるアミノ酸配列を有する、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
-それぞれ、配列番号39、配列番号40、および配列番号41に示されるアミノ酸配列を有する、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
-それぞれ、配列番号42、配列番号43、および配列番号44に示されるアミノ酸配列を有する、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
-それぞれ、配列番号45、配列番号46、および配列番号47に示されるアミノ酸配列を有する、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
-それぞれ、配列番号48、配列番号49、および配列番号50に示されるアミノ酸配列を有する、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
-それぞれ、配列番号51、配列番号52、および配列番号53に示されるアミノ酸配列を有する、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
-それぞれ、配列番号54、配列番号55、および配列番号56に示されるアミノ酸配列を有する、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
または
-それぞれ、配列番号57、配列番号58、および配列番号59に示されるアミノ酸配列を有する、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
ここで前記HCDRの各々は、多くとも3つ、2つ、または1つのアミノ酸置換を含んでもよい。
ある実施形態において、多重特異性結合部位の抗ヒトPD-1結合ドメインの重鎖可変領域は、以下を含む:
-それぞれ、配列番号36、配列番号37、および配列番号38に示されるアミノ酸配列を有する、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
-それぞれ、配列番号39、配列番号40、および配列番号41に示されるアミノ酸配列を有する、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
-それぞれ、配列番号42、配列番号43、および配列番号44に示されるアミノ酸配列を有する、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
-それぞれ、配列番号45、配列番号46、および配列番号47に示されるアミノ酸配列を有する、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
-それぞれ、配列番号48、配列番号49、および配列番号50に示されるアミノ酸配列を有する、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
-それぞれ、配列番号51、配列番号52、および配列番号53に示されるアミノ酸配列を有する、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
-それぞれ、配列番号54、配列番号55、および配列番号56に示されるアミノ酸配列を有する、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
または
-それぞれ、配列番号57、配列番号58、および配列番号59に示されるアミノ酸配列を有する、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3)。
ある実施形態において、本開示の多重特異性結合部位のPD-1結合ドメインはまた、PD-1結合ドメインバリアントをも含み、ここで前記HCDRの各々は、多くとも3つ、2つ、または1つのアミノ酸置換を含んでもよい。ある実施形態において、1つまたは2つのHCDRのみが、多くとも3つ、2つ、または1つのアミノ酸置換を含んでもよい。
例えば、アミノ酸バリエーションを導入するための適切な位置には、HCDR1の第1、第2、および/または第4アミノ酸;HCDR2の第3、第7、第8、第9、第10、第11、第13、第14、および/または第16アミノ酸;および/または、HCDR3の第6および/または第13アミノ酸を含むが、それらに限定されない。Kabatに従ったCDR配列は、本明細書で提供される配列リスト中で、太字および下線で示される。
ある実施形態において、本開示は従ってまた、以下を含む抗ヒトPD-1結合ドメインをも提供する:
-アミノ酸配列XFXSを有するHCDR1であって、
は、F、Y、T、またはHであってもよく;
は、Y、Q、E、H、またはDであってもよく;
は、W、またはYであってもよい;
および/または
-アミノ酸配列YIXYSGXPXKXを有するHCDR2であって、
は、Y、V、またはIであってもよく;
は、S、またはGであってもよく;
は、T、Y、S、H、N、W、L、またはQであってもよく;
は、S、またはNであってもよく;
は、F、V、またはLであってもよく;
は、N、またはSであってもよく;
は、SまたはAであってもよく;
は、FまたはLであってもよく;
は、S、T、G、D、R、またはNであってもよい;
および/または
-アミノ酸配列GGYTGXGGDWFDXを有するHCDR3であって、
は、Y、H、V、またはAであってもよく;
は、P、V、Y、W、F、T、Q、H、またはSであってもよい。
アミノ酸バリエーションを導入するための他の適切な位置には、HCDR1の第2、第3、第4、および/または第5アミノ酸;HCDR2の第3、第4、第5、第6、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、および/または第17アミノ酸;および/または、HCDR3の第1、第2、第6、第7、第9、第10、第14、第15、第16および/または第18アミノ酸を含むが、それらに限定されない。Kabatに従ったCDR配列は、本明細書で提供される配列リスト中で、太字および下線で示される。
ある実施形態において、本開示は従ってまた、以下を含む抗ヒトPD-1結合ドメインをも提供する:
-アミノ酸配列RXを有するHCDR1であって、
は、F、またはYであってもよく;
は、T、A、またはVであってもよく;
は、M、L、またはVであってもよく;
は、S、H、N、V、またはTであってもよい;
および/または
-アミノ酸配列WIXGX1011121314を有するHCDR2であって、
は、N、またはDであってもよく;
は、P、S、またはTであってもよく;
は、N、またはQであってもよく;
は、T、またはDであってもよく;
は、N、S、T、K、L、またはEであってもよく;
は、P、Y、A、H、またはFであってもよく;
は、T、またはSであってもよく;
は、Y、F、またはHであってもよく;
は、A、G、V、またはFであってもよく;
10は、Q、R、N、L、T、またはSであってもよく;
11は、D、A、G、またはSであってもよく;
12は、F、V、またはAであってもよく;
13は、T、K、H、Gであってもよく;
14は、G、N、E、またはDであってもよい;
および/または
-アミノ酸配列XGYCXDXCYPNXDXを有するHCDR3であって、
は、I、S、またはVであってもよく;
は、L、Q、またはNであってもよく;
は、N、G、S、またはDであってもよく;
は、T、S、P、N、またはEであってもよく;
は、N、またはIであってもよく;
は、W、G、Q、H、W、A、またはLであってもよく;
は、I、V、またはLであってもよく;
は、F、L、またはIであってもよく;
は、Y、S、N、I、R、H、V、T、K、A、またはLであってもよい。
ある実施形態において、本開示の多重特異性結合部位の抗ヒトPD-1結合ドメインは、
配列番号1~8のいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有する、
または
これらに対して少なくとも80%、好ましくは85%、より好ましくは90%、または最も好ましくは95%の配列同一性を有する
重鎖可変領域を含む。
ある実施形態において、本開示の多重特異性結合部位のPD-1結合ドメインはまた、PD-1結合ドメインバリアントをも含み、これは、上記で言及されたHCDRにおけるバリエーションに加えて、フレームワーク領域における1または複数のバリエーションを含む。ある実施形態において、本開示の多重特異性結合部位のPD-1結合ドメインバリアントは、CDR領域におけるバリエーションを含まないが、フレームワーク領域における1または複数のバリエーションを含む。そのようなバリアントは、本明細書で開示される配列に対して少なくとも80%、好ましくは85%、より好ましくは90%、または最も好ましくは95%の配列同一性を有し、PD-1結合特異性を保持することが期待される。従って、ある実施形態において、本開示の多重特異性結合部位のPD-1結合ドメインは、以下を含む:
-配列番号1に示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、好ましくは85%、より好ましくは90%、または最も好ましくは95%の配列同一性を有する重鎖可変領域;
この重鎖可変領域は、配列番号36に示されるHCDR1アミノ酸配列;配列番号37に示されるHCDR2アミノ酸配列;および配列番号38に示されるHCDR3アミノ酸配列を含む;
-配列番号2に示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、好ましくは85%、より好ましくは90%、または最も好ましくは95%の配列同一性を有する重鎖可変領域;
この重鎖可変領域は、配列番号39に示されるHCDR1アミノ酸配列;配列番号40に示されるHCDR2アミノ酸配列;および配列番号41に示されるHCDR3アミノ酸配列を含む;
-配列番号3に示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、好ましくは85%、より好ましくは90%、または最も好ましくは95%の配列同一性を有する重鎖可変領域;
この重鎖可変領域は、配列番号42に示されるHCDR1アミノ酸配列;配列番号43に示されるHCDR2アミノ酸配列;および配列番号44に示されるHCDR3アミノ酸配列を含む;
-配列番号4に示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、好ましくは85%、より好ましくは90%、または最も好ましくは95%の配列同一性を有する重鎖可変領域;
この重鎖可変領域は、配列番号45に示されるHCDR1アミノ酸配列;配列番号46に示されるHCDR2アミノ酸配列;および配列番号47に示されるHCDR3アミノ酸配列を含む;
-配列番号5に示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、好ましくは85%、より好ましくは90%、または最も好ましくは95%の配列同一性を有する重鎖可変領域;
この重鎖可変領域は、配列番号48に示されるHCDR1アミノ酸配列;配列番号49に示されるHCDR2アミノ酸配列;および配列番号50に示されるHCDR3アミノ酸配列を含む;
-配列番号6に示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、好ましくは85%、より好ましくは90%、または最も好ましくは95%の配列同一性を有する重鎖可変領域;
この重鎖可変領域は、配列番号51に示されるHCDR1アミノ酸配列;配列番号52に示されるHCDR2アミノ酸配列;および配列番号53に示されるHCDR3アミノ酸配列を含む;
-配列番号7に示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、好ましくは85%、より好ましくは90%、または最も好ましくは95%の配列同一性を有する重鎖可変領域;
この重鎖可変領域は、配列番号54に示されるHCDR1アミノ酸配列;配列番号55に示されるHCDR2アミノ酸配列;および配列番号56に示されるHCDR3アミノ酸配列を含む;
または
-配列番号8に示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、好ましくは85%、より好ましくは90%、または最も好ましくは95%の配列同一性を有する重鎖可変領域;
この重鎖可変領域は、配列番号57に示されるHCDR1アミノ酸配列;配列番号58に示されるHCDR2アミノ酸配列;および配列番号59に示されるHCDR3アミノ酸配列を含む。
ある実施形態において、本開示の多重特異性結合部位のPD-1結合ドメインは、軽鎖可変領域を含む。適切な軽鎖可変領域の例は、軽鎖CDR1(LCDR1)、軽鎖CDR2(LCDR2)、および軽鎖CDR3(LCDR3)を含む軽鎖可変領域であり、それぞれ配列番号60、配列番号61、および配列番号62に示されるアミノ酸配列を有し、ここで前記LCDRの各々は、多くとも3つ、2つ、または1つのアミノ酸置換を含んでもよい。ある実施形態において、適切な軽鎖可変領域は、軽鎖CDR1(LCDR1)、軽鎖CDR2(LCDR2)、および軽鎖CDR3(LCDR3)を含む軽鎖可変領域であり、それぞれ配列番号60、配列番号61、および配列番号62に示されるアミノ酸配列を有する。ある実施形態において、そのような軽鎖可変領域は、配列番号24に示されるアミノ酸配列を有する、またはこれに対して少なくとも80%、好ましくは85%、より好ましくは90%、または最も好ましくは95%の配列同一性を有する、軽鎖可変領域を含んでもよい。これらのLCDRおよび/または軽鎖可変領域を含む、軽鎖または軽鎖可変領域は、当該技術分野においてVK1-39/JK1と呼ばれる軽鎖である。これは一般的な軽鎖である。
ある実施形態において、本開示の多重特異性結合部位のPD-1結合ドメインは、配列番号24に示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、好ましくは85%、より好ましくは90%、または最も好ましくは95%の配列同一性を有する軽鎖可変領域を含み、この軽鎖可変領域は、配列番号60に示されるLCDR1アミノ酸配列;配列番号61に示されるLCDR2アミノ酸配列;および配列番号62に示されるLCDR3アミノ酸配列を含む。
本開示による「一般的な軽鎖」という用語は、複数の異なる重鎖、すなわち異なる抗原またはエピトープ結合特異性を有する重鎖と、対合可能である軽鎖を指す。一般的な軽鎖は、例えば二重特異性抗体の作製において特に有用であり、両方の結合ドメインが同じ軽鎖を含む場合、抗体産生はより効率的になる。「一般的な軽鎖」という用語は、同一であるか、またはアミノ酸配列にいくつかの差異を有するが、全長抗体の結合特異性に影響を与えない軽鎖を包含する。例えば保存的なアミノ酸変化、すなわち重鎖と対合したときに結合特異性に寄与しないか部分的にしか寄与しない領域のアミノ酸の変化などを、導入し試験することにより、同一ではないが機能的には同等である軽鎖を調製または見出すことは、本明細書で使用される一般的な軽鎖の定義の範囲内で、例えば可能である。
上記で言及されたLCDRおよび/または軽鎖可変領域を含む一般的な軽鎖とは別に、当該技術分野で知られる他の一般的な軽鎖が使用されうる。そのような一般的な軽鎖の例には、以下を含むが、これらに限定されない:
VK1-39/JK5は、配列番号63に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域の、軽鎖CDR1(LCDR1)、軽鎖CDR2(LCDR2)、および軽鎖CDR3(LCDR3)を含む、軽鎖可変領域を含む。IMGTに従ったLCDRは、その中で太字および下線で示される。ある実施形態において、軽鎖は、配列番号63に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域の、軽鎖CDR1(LCDR1)、軽鎖CDR2(LCDR2)、および軽鎖CDR3(LCDR3)を含む、軽鎖可変領域を含み、ここでLCDRの各々は、多くとも3つ、2つ、または1つのアミノ酸置換を含んでもよい。ある実施形態において、軽鎖は、配列番号63に示されるアミノ酸配列を有する、またはこれに対して少なくとも80%、好ましくは85%、より好ましくは90%、または最も好ましくは95%の配列同一性を有する、軽鎖可変領域を含む;
VK3-15/JK1は、配列番号64に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域の、軽鎖CDR1(LCDR1)、軽鎖CDR2(LCDR2)、および軽鎖CDR3(LCDR3)を含む、軽鎖可変領域を含む。IMGTに従ったLCDRは、その中で太字および下線で示される。ある実施形態において、軽鎖は、配列番号64に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域の、軽鎖CDR1(LCDR1)、軽鎖CDR2(LCDR2)、および軽鎖CDR3(LCDR3)を含む、軽鎖可変領域を含み、ここでLCDRの各々は、多くとも3つ、2つ、または1つのアミノ酸置換を含んでもよい。ある実施形態において、軽鎖は、配列番号64に示されるアミノ酸配列を有する、またはこれに対して少なくとも80%、好ましくは85%、より好ましくは90%、または最も好ましくは95%の配列同一性を有する、軽鎖可変領域を含む;
VK3-20/JK1は、配列番号65に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域の、軽鎖CDR1(LCDR1)、軽鎖CDR2(LCDR2)、および軽鎖CDR3(LCDR3)を含む、軽鎖可変領域を含む。IMGTに従ったLCDRは、その中で太字および下線で示される。ある実施形態において、軽鎖は、配列番号65に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域の、軽鎖CDR1(LCDR1)、軽鎖CDR2(LCDR2)、および軽鎖CDR3(LCDR3)を含む、軽鎖可変領域を含み、ここでLCDRの各々は、多くとも3つ、2つ、または1つのアミノ酸置換を含んでもよい。ある実施形態において、軽鎖は、配列番号65に示されるアミノ酸配列を有する、またはこれに対して少なくとも80%、好ましくは85%、より好ましくは90%、または最も好ましくは95%の配列同一性を有する、軽鎖可変領域を含む;
および
VL3-21/JL3は、配列番号66に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域の、軽鎖CDR1(LCDR1)、軽鎖CDR2(LCDR2)、および軽鎖CDR3(LCDR3)を含む、軽鎖可変領域を含む。IMGTに従ったLCDRは、その中で太字および下線で示される。ある実施形態において、軽鎖は、配列番号66に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域の、軽鎖CDR1(LCDR1)、軽鎖CDR2(LCDR2)、および軽鎖CDR3(LCDR3)を含む、軽鎖可変領域を含み、ここでLCDRの各々は、多くとも3つ、2つ、または1つのアミノ酸置換を含んでもよい。ある実施形態において、軽鎖は、配列番号66に示されるアミノ酸配列を有する、またはこれに対して少なくとも80%、好ましくは85%、より好ましくは90%、または最も好ましくは95%の配列同一性を有する、軽鎖可変領域を含む。
VK1-39は、免疫グロブリン可変カッパ1-39遺伝子の略である。この遺伝子はまた、免疫グロブリンカッパ可変1-39;IGKV139;IGKV1-39;IgVκ1-39としても知られる。この遺伝子の外部IDは、HGNC:5740;Entrez Gene:28930;Ensembl:ENSG00000242371である。VK1-39の好ましいアミノ酸配列は、配列番号67として与えられる。これは、V領域の配列である。V領域は、5つのJ領域のうちの1つと結合しうる。2つの好ましい結合配列は、VK1-39/JK1およびVK1-39/JK5として示され;別名は、IgVκ1-39*01/IGJκ1*01またはIgVκ1-39*01/IGJκ5*01である(IMGTデータベース(ワールドワイドウェブimgt.org)に従った命名法)。これらの名称は典型的なものであり、遺伝子セグメントのアレルバリアントを包含する。
VK3-15は、免疫グロブリン可変カッパ3-15遺伝子の略である。この遺伝子はまた、免疫グロブリンカッパ可変3-15;IGKV315;IGKV3-15;IgVκ3-15としても知られる。この遺伝子の外部IDは、HGNC:5816;Entrez Gene:28913;Ensembl:ENSG00000244437である。VK3-15の好ましいアミノ酸配列は、配列番号68として与えられる。これは、V領域の配列である。V領域は、5つのJ領域のうちの1つと結合しうる。好ましい結合配列は、VK3-15/JK1として示され;別名は、Vκ3-15*01/IGJκ1*01である(IMGTデータベース(ワールドワイドウェブimgt.org)に従った命名法)。この名称は典型的なものであり、遺伝子セグメントのアレルバリアントを包含する。
VK3-20は、免疫グロブリン可変カッパ3-20遺伝子の略である。この遺伝子はまた、免疫グロブリンカッパ可変3-20;IGKV320;IGKV3-20;IgVκ3-20としても知られる。この遺伝子の外部IDは、HGNC:5817;Entrez Gene:28912;Ensembl:ENSG00000239951である。VK3-20の好ましいアミノ酸配列は、配列番号69として与えられる。これは、V領域の配列である。V領域は、5つのJ領域のうちの1つと結合しうる。好ましい結合配列は、VK3-20/JK1として示され;別名は、IgVκ3-20*01/IGJκ1*01である(IMGTデータベース(ワールドワイドウェブimgt.org)に従った命名法)。この名称は典型的なものであり、遺伝子セグメントのアレルバリアントを包含する。
VL3-21は、免疫グロブリン可変ラムダ3-21遺伝子の略である。この遺伝子はまた、免疫グロブリンラムダ可変3-21;IGLV321;IGLV3-21;IgVλ3-21としても知られる。この遺伝子の外部IDは、HGNC:5905;Entrez Gene:28796;Ensembl:ENSG00000211662.2である。VL3-21の好ましいアミノ酸配列は、配列番号70として与えられる。これは、V領域の配列である。V領域は、5つのJ領域のうちの1つと結合しうる。好ましい結合配列は、VL3-21/JL3として示され;別名は、IgVλ3-21/IGJλ3である(IMGTデータベース(ワールドワイドウェブimgt.org)に従った命名法)。この名称は典型的なものであり、遺伝子セグメントのアレルバリアントを包含する。
さらに、当該技術分野において利用可能なPD-1抗体の任意の軽鎖可変領域が、使用されうるか、または、本発明のPD-1結合ドメインと対合したとき抗原結合活性を示すことによる、例えば抗体ディスプレイライブラリなどから容易に入手されうる任意の他の軽鎖可変領域が、使用されうる。
ある実施形態において、本開示の多重特異性結合部位のPD-1結合ドメインは、CH1およびCL領域をさらに含みうる。任意のCH1ドメイン、具体的にはヒトCH1ドメインが、使用されうる。適切なCH1ドメインの例は、配列番号29として提供されるアミノ酸配列によって提供される。任意のCLドメイン、具体的にはヒトCLが、使用されうる。適切なCLドメインの例は、配列番号71として提供されるアミノ酸配列によって提供される。
「結合部位」とは、タンパク質性分子を指し、例えば以下のような、当該技術分野において利用可能なすべての抗体フォーマットを含む:完全長IgG抗体、免疫複合体、ダイアボディ(diabodies)、BiTE、Fabフラグメント、scFv、タンデムscFv、シングルドメイン抗体(VHHおよびVなど)、ミニボディ(minibodies)、scFab、scFv-ジッパー、ナノボディ(nanobodies)、DART分子、TandAb、Fab-scFv、F(ab)′2、F(ab)′2-scFv2、およびイントラボディ(intrabodies)。
一実施形態において、多重特異性結合部位は、多重特異性抗体である。本開示に記載された多重特異性抗体は、少なくとも2つの異なる標的またはエピトープに対して特異性を有する、少なくとも2つの結合ドメインを含む、任意の抗体フォーマットの抗体である。ある実施形態において、本発明の多重特異性抗体は、二重特異性抗体である。ある実施形態において、本開示の多重特異性抗体は、Fc領域またはその一部をさらに含みうる。ある実施形態において、本開示の多重特異性結合部位は、IgG1抗体である。
ある実施形態において、本開示の多重特異性結合部位は、免疫エフェクター細胞上に発現する細胞表面部位に結合する、結合ドメインをさらに含む。
ある実施形態において、本開示の多重特異性結合部位は、本明細書に記載されるPD-1結合ドメインと、抗ヒトLAG-3結合ドメインとを含む。適切な抗ヒトLAG-3結合ドメインは、以下を含む重鎖可変領域を含み:
-配列番号11に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
-配列番号12に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
-配列番号13に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
-配列番号14に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
-配列番号15に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
-配列番号16に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
および
-配列番号17に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
ここで前記HCDRの各々は、多くとも3つ、2つ、または1つのアミノ酸置換を含んでもよい。HCDRは、本明細書で提供される配列リスト中の参照される配列番号中で、太字および下線で示される。
ある実施形態において、抗ヒトLAG-3結合ドメインは、以下を含む重鎖可変領域を含む:
-配列番号11に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
-配列番号12に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
-配列番号13に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
-配列番号14に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
-配列番号15に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
-配列番号16に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
および
-配列番号17に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3)。
ある実施形態において、本開示のLAG-3結合ドメインは、LAG-3結合ドメインバリアントを含み、ここで前記HCDRの各々は、多くとも3つ、2つ、または1つのアミノ酸置換を含んでもよい。このようなバリアントは、LAG-3結合特異性を保持することが期待される。
例えば、アミノ酸バリエーションを導入するための適切な位置には、HCDR1の第2、および/または第3アミノ酸;HCDR2の第3、第7、第10、第13、および/または第16アミノ酸;および/または、HCDR3の第1アミノ酸を含むが、それらに限定されない。Kabatに従ったHCDR配列は、本明細書で提供される配列リスト中で、太字および下線で示される。
ある実施形態において、抗ヒトLAG-3結合ドメインは、以下を含む:
-アミノ酸配列SXWSを有するHCDR1であって、
は、YまたはFであってもよく;
は、YまたはSであってもよい;
および/または
-アミノ酸配列YIXYSGXTNXNPXLKXを有するHCDR2であって、
は、YまたはDであってもよく;
は、S、またはTであってもよく;
は、YまたはFであってもよく;
は、S、またはFであってもよく;
は、SまたはIであってもよい;
および/または
-アミノ酸配列XLLYKWNYVEGFDIを有するHCDR3であって、
は、DまたはHであってもよい。
例えば、アミノ酸バリエーションを導入するための適切な位置には、HCDR1の第1、第3、および/または第4アミノ酸;HCDR2の第7、第10、および/または第12アミノ酸;および/または、HCDR3の第3アミノ酸を含むが、それらに限定されない。Kabatに従ったHCDR配列は、本明細書で提供される配列リスト中で、太字および下線で示される。
ある実施形態において、抗ヒトLAG-3結合ドメインは、以下を含む:
-アミノ酸配列XYXHを有するHCDR1であって、
は、S、N、またはRであってもよく;
は、GまたはDであってもよく;
X3は、M、TまたはIであってもよい;
および/または
-アミノ酸配列VISYDGXNKXYXDSVKGを有するHCDR2であって、
は、SまたはNであってもよく;
は、Y、F、またはHであってもよく;
は、A、E、またはVであってもよい;
および/または
-アミノ酸配列ERXWDVFDIを有するHCDR3であって、
は、GまたはDであってもよい。
例えば、アミノ酸バリエーションを導入するための適切な位置には、HCDR1の第1、および/または第3アミノ酸;HCDR2の第5、および/または第8アミノ酸;および/または、HCDR3の第3アミノ酸を含むが、それらに限定されない。Kabatに従ったHCDR配列は、本明細書で提供される配列リスト中で、太字および下線で示される。
ある実施形態において、抗ヒトLAG-3結合ドメインは、以下を含む:
-アミノ酸配列XYXMHを有するHCDR1であって、
は、SまたはNであってもよく;
は、GまたはAであってもよい;
および/または
-アミノ酸配列VISYXGSXKYYADSVKGを有するHCDR2であって、
は、DまたはHであってもよく;
は、NまたはDであってもよい;
および/または
-アミノ酸配列DGDNWDXFDIを有するHCDR3であって、
は、VまたはAであってもよい。
ある実施形態において、本開示の抗ヒトLAG-3結合ドメインは、
配列番号11~17のいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有する、
または
これらに対して少なくとも80%、好ましくは85%、より好ましくは90%、または最も好ましくは95%の配列同一性を有する
重鎖可変領域を含む。
ある実施形態において、本開示のLAG-3結合ドメインはまた、LAG-3結合ドメインバリアントをも含み、これは、HCDRにおけるバリエーションに加えて、フレームワーク領域における1または複数のバリエーションを含む。ある実施形態において、本開示のLAG-3結合ドメインバリアントは、CDR領域におけるバリエーションを含まないが、フレームワーク領域における1または複数のバリエーションを含む。そのようなバリアントは、本明細書で開示される配列に対して少なくとも80%、好ましくは85%、より好ましくは90%、または最も好ましくは95%の配列同一性を有し、LAG-3結合特異性を保持することが期待される。従って、ある実施形態において、本開示の多重特異性結合部位のLAG-3結合ドメインは、以下を含む:
-配列番号11に示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、好ましくは85%、より好ましくは90%、または最も好ましくは95%の配列同一性を有する重鎖可変領域;
この重鎖可変領域は、配列番号74に示されるHCDR1アミノ酸配列;配列番号75に示されるHCDR2アミノ酸配列;および配列番号76に示されるアミノ酸配列のHCDR3アミノ酸配列を含む;
-配列番号12に示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、好ましくは85%、より好ましくは90%、または最も好ましくは95%の配列同一性を有する重鎖可変領域;
この重鎖可変領域は、配列番号77に示されるHCDR1アミノ酸配列;配列番号78に示されるHCDR2アミノ酸配列;および配列番号79に示されるアミノ酸配列のHCDR3アミノ酸配列を含む;
-配列番号13に示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、好ましくは85%、より好ましくは90%、または最も好ましくは95%の配列同一性を有する重鎖可変領域;
この重鎖可変領域は、配列番号80に示されるHCDR1アミノ酸配列;配列番号81に示されるHCDR2アミノ酸配列;および配列番号82に示されるアミノ酸配列のHCDR3アミノ酸配列を含む;
-配列番号14に示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、好ましくは85%、より好ましくは90%、または最も好ましくは95%の配列同一性を有する重鎖可変領域;
この重鎖可変領域は、配列番号83に示されるHCDR1アミノ酸配列;配列番号84に示されるHCDR2アミノ酸配列;および配列番号85に示されるアミノ酸配列のHCDR3アミノ酸配列を含む;
-配列番号15に示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、好ましくは85%、より好ましくは90%、または最も好ましくは95%の配列同一性を有する重鎖可変領域;
この重鎖可変領域は、配列番号86に示されるHCDR1アミノ酸配列;配列番号87に示されるHCDR2アミノ酸配列;および配列番号88に示されるアミノ酸配列のHCDR3アミノ酸配列を含む;
-配列番号16に示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、好ましくは85%、より好ましくは90%、または最も好ましくは95%の配列同一性を有する重鎖可変領域;
この重鎖可変領域は、配列番号89に示されるHCDR1アミノ酸配列;配列番号90に示されるHCDR2アミノ酸配列;および配列番号91に示されるアミノ酸配列のHCDR3アミノ酸配列を含む;
または
-配列番号17に示されるアミノ酸配列に対して、少なくとも80%、好ましくは85%、より好ましくは90%、または最も好ましくは95%の配列同一性を有する重鎖可変領域;
この重鎖可変領域は、配列番号92に示されるHCDR1アミノ酸配列;配列番号93に示されるHCDR2アミノ酸配列;および配列番号94に示されるアミノ酸配列のHCDR3アミノ酸配列を含む。
ある実施形態において、本開示のLAG-3結合ドメインは、軽鎖可変領域をさらに含む。適切な軽鎖可変領域の例は、本明細書に記載される軽鎖可変領域であり、例えば、本開示のPD-1結合ドメインについて本明細書に記載される軽鎖可変領域である。当該技術分野において利用可能なLAG-3抗体の軽鎖可変領域が、使用されうるか、または、本開示のLAG-3結合ドメインと対合したとき抗原結合活性を示すことによる、例えば抗体ディスプレイライブラリなどから容易に入手されうる任意の他の軽鎖可変領域が、使用されうる。好ましくは、本開示のLAG-3結合ドメインは、VK1-39/JK1、VK1-39/JK5、VK3-15/JK1、VK3-20/JK1、またはVL3-21/JL3軽鎖可変領域を含む。
ある実施形態において、本開示の抗ヒトLAG-3結合ドメインは、CH1およびCL領域をさらに含みうる。任意のCH1ドメイン、具体的にはヒトCH1ドメインが、使用されうる。適切なCH1ドメインの例は、配列番号29として提供されるアミノ酸配列によって提供される。任意のCLドメイン、具体的にはヒトCLが、使用されうる。適切なCLドメインの例は、配列番号71として提供されるアミノ酸配列によって提供される。
ある実施形態において、本明細書に開示されるPD-1結合ドメインは、本開示の多重特異性結合部位を産生するために、本明細書に開示される任意のLAG-3結合ドメインと結合されうる。本開示は従ってまた、表1に示されるように、多重特異性結合部位PB1~PB35をも提供する。
一実施形態において、本開示の多重特異性結合部位は、以下を含む:
-配列番号1に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3)を含む、本開示のPD-1結合ドメイン;
および
-配列番号15に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3)を含む、本開示のLAG-3結合ドメイン。
一実施形態において、本開示の多重特異性結合部位は、以下を含む:
-配列番号6に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3)を含む、本開示のPD-1結合ドメイン;
および
-配列番号12に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3)を含む、本開示のLAG-3結合ドメイン。
一実施形態において、本開示の多重特異性結合部位は、以下を含む:
-配列番号6に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3)を含む、本開示のPD-1結合ドメイン;
および
-配列番号13に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3)を含む、本開示のLAG-3結合ドメイン。
一実施形態において、本開示の多重特異性結合部位は、以下を含む:
-配列番号6に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3)を含む、本開示のPD-1結合ドメイン;
および
-配列番号14に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3)を含む、本開示のLAG-3結合ドメイン。
一実施形態において、本開示の多重特異性結合部位は、以下を含む:
-配列番号6に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3)を含む、本開示のPD-1結合ドメイン;
および
-配列番号15に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3)を含む、本開示のLAG-3結合ドメイン。
一実施形態において、本開示の多重特異性結合部位は、以下を含む:
-配列番号5に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3)を含む、本開示のPD-1結合ドメイン;
および
-配列番号14に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3)を含む、本開示のLAG-3結合ドメイン。
一実施形態において、本開示の多重特異性結合部位は、以下を含む:
-配列番号7に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3)を含む、本開示のPD-1結合ドメイン;
および
-配列番号17に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3)を含む、本開示のLAG-3結合ドメイン。
一実施形態において、本開示の多重特異性結合部位は、以下を含む:
-配列番号8に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3)を含む、本開示のPD-1結合ドメイン;
および
-配列番号17に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3)を含む、本開示のLAG-3結合ドメイン。

一実施形態において、本開示の多重特異性結合部位は、以下を含み:
-配列番号1に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3)を含む、本開示のPD-1結合ドメイン、
および
-配列番号15に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3)を含む、本開示のLAG-3結合ドメイン;
ここでPD-1結合ドメインおよびLAG-3結合ドメインは、配列番号60に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1(LCDR1)、配列番号61に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2(LCDR2)、および配列番号62に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3(LCDR3)を含む。
一実施形態において、本開示の多重特異性結合部位は、以下を含み:
-配列番号6に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3)を含む、本開示のPD-1結合ドメイン、
および
-配列番号12に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3)を含む、本開示のLAG-3結合ドメイン;
ここでPD-1結合ドメインおよびLAG-3結合ドメインは、配列番号60に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1(LCDR1)、配列番号61に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2(LCDR2)、および配列番号62に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3(LCDR3)を含む。
一実施形態において、本開示の多重特異性結合部位は、以下を含み:
-配列番号6に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3)を含む、本開示のPD-1結合ドメイン、
および
-配列番号13に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3)を含む、本開示のLAG-3結合ドメイン;
ここでPD-1結合ドメインおよびLAG-3結合ドメインは、配列番号60に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1(LCDR1)、配列番号61に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2(LCDR2)、および配列番号62に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3(LCDR3)を含む。
一実施形態において、本開示の多重特異性結合部位は、以下を含み:
-配列番号6に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3)を含む、本開示のPD-1結合ドメイン、
および
-配列番号14に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3)を含む、本開示のLAG-3結合ドメイン;
ここでPD-1結合ドメインおよびLAG-3結合ドメインは、配列番号60に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1(LCDR1)、配列番号61に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2(LCDR2)、および配列番号62に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3(LCDR3)を含む。
一実施形態において、本開示の多重特異性結合部位は、以下を含み:
-配列番号6に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3)を含む、本開示のPD-1結合ドメイン、
および
-配列番号15に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3)を含む、本開示のLAG-3結合ドメイン;
ここでPD-1結合ドメインおよびLAG-3結合ドメインは、配列番号60に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1(LCDR1)、配列番号61に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2(LCDR2)、および配列番号62に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3(LCDR3)を含む。
一実施形態において、本開示の多重特異性結合部位は、以下を含み:
-配列番号5に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3)を含む、本開示のPD-1結合ドメイン、
および
-配列番号14に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3)を含む、本開示のLAG-3結合ドメイン;
ここでPD-1結合ドメインおよびLAG-3結合ドメインは、配列番号60に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1(LCDR1)、配列番号61に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2(LCDR2)、および配列番号62に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3(LCDR3)を含む。
一実施形態において、本開示の多重特異性結合部位は、以下を含み:
-配列番号7に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3)を含む、本開示のPD-1結合ドメイン、
および
-配列番号17に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3)を含む、本開示のLAG-3結合ドメイン;
ここでPD-1結合ドメインおよびLAG-3結合ドメインは、配列番号60に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1(LCDR1)、配列番号61に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2(LCDR2)、および配列番号62に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3(LCDR3)を含む。
一実施形態において、本開示の多重特異性結合部位は、以下を含み:
-配列番号8に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3)を含む、本開示のPD-1結合ドメイン、
および
-配列番号17に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3)を含む、本開示のLAG-3結合ドメイン;
ここでPD-1結合ドメインおよびLAG-3結合ドメインは、配列番号60に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1(LCDR1)、配列番号61に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2(LCDR2)、および配列番号62に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3(LCDR3)を含む。
一実施形態において、本開示の多重特異性結合部位は、以下を含む:
-配列番号1に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、本開示のPD-1結合ドメイン、
および
-配列番号15に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、本開示のLAG-3結合ドメイン。
一実施形態において、本開示の多重特異性結合部位は、以下を含む:
-配列番号6に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、本開示のPD-1結合ドメイン、
および
-配列番号12に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、本開示のLAG-3結合ドメイン。
一実施形態において、本開示の多重特異性結合部位は、以下を含む:
-配列番号6に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、本開示のPD-1結合ドメイン、
および
-配列番号13に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、本開示のLAG-3結合ドメイン。
一実施形態において、本開示の多重特異性結合部位は、以下を含む:
-配列番号6に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、本開示のPD-1結合ドメイン、
および
-配列番号14に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、本開示のLAG-3結合ドメイン。
一実施形態において、本開示の多重特異性結合部位は、以下を含む:
-配列番号6に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、本開示のPD-1結合ドメイン、
および
-配列番号15に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、本開示のLAG-3結合ドメイン。
一実施形態において、本開示の多重特異性結合部位は、以下を含む:
-配列番号5に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、本開示のPD-1結合ドメイン、
および
-配列番号14に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、本開示のLAG-3結合ドメイン。
一実施形態において、本開示の多重特異性結合部位は、以下を含む:
-配列番号7に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、本開示のPD-1結合ドメイン、
および
-配列番号17に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、本開示のLAG-3結合ドメイン。
一実施形態において、本開示の多重特異性結合部位は、以下を含む:
-配列番号8に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、本開示のPD-1結合ドメイン、
および
-配列番号17に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、本開示のLAG-3結合ドメイン。
一実施形態において、本開示の多重特異性結合部位は、以下を含み:
-配列番号1に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、本開示のPD-1結合ドメイン、
および
-配列番号15に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、本開示のLAG-3結合ドメイン;
ここでPD-1結合ドメインおよびLAG-3結合ドメインは、配列番号24に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む。
一実施形態において、本開示の多重特異性結合部位は、以下を含み:
-配列番号6に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、本開示のPD-1結合ドメイン、
および
-配列番号12に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、本開示のLAG-3結合ドメイン;
ここでPD-1結合ドメインおよびLAG-3結合ドメインは、配列番号24に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む。
一実施形態において、本開示の多重特異性結合部位は、以下を含み:
-配列番号6に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、本開示のPD-1結合ドメイン、
および
-配列番号13に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、本開示のLAG-3結合ドメイン;
ここでPD-1結合ドメインおよびLAG-3結合ドメインは、配列番号24に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む。
一実施形態において、本開示の多重特異性結合部位は、以下を含み:
-配列番号6に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、本開示のPD-1結合ドメイン、
および
-配列番号14に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、本開示のLAG-3結合ドメイン;
ここでPD-1結合ドメインおよびLAG-3結合ドメインは、配列番号24に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む。
一実施形態において、本開示の多重特異性結合部位は、以下を含み:
-配列番号6に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、本開示のPD-1結合ドメイン、
および
-配列番号15に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、本開示のLAG-3結合ドメイン;
ここでPD-1結合ドメインおよびLAG-3結合ドメインは、配列番号24に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む。
一実施形態において、本開示の多重特異性結合部位は、以下を含み:
-配列番号5に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、本開示のPD-1結合ドメイン、
および
-配列番号14に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、本開示のLAG-3結合ドメイン;
ここでPD-1結合ドメインおよびLAG-3結合ドメインは、配列番号24に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む。
一実施形態において、本開示の多重特異性結合部位は、以下を含み:
-配列番号7に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、本開示のPD-1結合ドメイン、
および
-配列番号17に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、本開示のLAG-3結合ドメイン;
ここでPD-1結合ドメインおよびLAG-3結合ドメインは、配列番号24に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む。
一実施形態において、本開示の多重特異性結合部位は、以下を含み:
-配列番号8に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、本開示のPD-1結合ドメイン、
および
-配列番号17に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、本開示のLAG-3結合ドメイン;
ここでPD-1結合ドメインおよびLAG-3結合ドメインは、配列番号24に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む。
ある実施形態において、本開示のPD-1×LAG-3多重特異性抗体は、配列番号34に示されるアミノ酸配列を有する2つの重鎖可変領域、および配列番号35に示されるアミノ酸配列を有する2つの軽鎖可変領域を含む、参照抗ヒトPD-1抗体よりも、ヒトPD-1に対してより高い結合親和性を有する。
PD-1×LAG-3多重特異性抗体が、参照抗ヒトPD-1抗体よりも、ヒトPD-1に対してより高い結合親和性を有するかどうかを決定するには、両抗体の結合親和性を、同じタイプのアッセイで、同じアッセイ条件を使用して、測定することにより行うことができる。従って、ある実施形態において、PD-1×LAG-3多重特異性抗体の結合親和性、および参照抗ヒトPD-1抗体の結合親和性は、同じタイプのアッセイで、同じアッセイ条件を使用して、測定される。ある実施形態において、アッセイは、Biacore(登録商標)のバイオセンサーシステム、または溶液平衡滴定(SET)などの、結合親和性を測定するために表面プラズモン共鳴(SPR)を使用するアッセイである(Friguet B et al. (1985) J. Immunol Methods; 77(2): 305-319、およびHanel C et al. (2005) Anal Biochem; 339(1): 182-184参照)。本明細書で提供される、PD-1×LAG-3多重特異性抗体の結合親和性値は、実施例12に記載された方法で得られる。
簡単に言うと、実施例12は、BIAcore-T200装置上でSPRを使用して、CM5シリーズSセンサーチップ上に固定化された抗ヒトIgG抗体を使用して、二重特異性IgGフォーマットで結合親和性を決定することを記載する。使用される単量体組換え抗原は、以下の通りである:ヒトLAG-3(huLAG-3-His、Sino Biological、カタログ番号16498-H08H)、カニクイザルLAG-3(cyLAG-3-His、Sino Biological、カタログ番号90841-C08H)、ヒトPD-1(huPD-1-His、Sino Biological,カタログ番号10377-H08H)、およびカニクイザルPD-1(cyPD-1-His、R&D Systems、カタログ番号8509-PD)。CM5センサーチップの4つのフローチャンネル上へのヤギ抗ヒトIgG Fcの固定化は、10mM酢酸pH5.0に希釈された40μg/mlの抗体を使用して、アミンカップリングにより行われた。以下の条件が使用される:活性化時間420秒、不活性化時間420秒、不活性化バッファ:1MエタノールアミンpH8.5。固定化密度は、9158~9428RUの範囲である。試験および対照抗体は、CM5センサーチップ上に固定化された抗ヒトIgG抗体により、30μl/分の流速で60秒間捕捉される。捕捉抗体濃度は、PD-1親和性決定には20nM、LAG-3親和性決定には10nMである。この後、流速30μl/分のバッファで、60秒の安定化時間が続く。抗原の5段階2倍連続希釈液が、捕捉抗体を含むフローセルと参照フローセル(捕捉抗体無し)との両方に、30μl/分で60秒間注入される。抗原濃度は、ヒトPD-1およびカニクイザルPD-1には80nM~2.5nM、ヒトLAG-3およびカニクイザルLAG-3には40~1.25nMである。バッファ効果に対するバックグラウンド補正は、バッファのみの注入により行われ、バックグラウンド除去のために、参照フローセルが使用される。抗体-抗原相互作用に続き、30μl/分で300秒のオフレート洗浄(off-rate wash)が行われる。サイクル間の再生は、10mMグリシンpH1.5の注入を、30μl/分で15μlずつ2回使用して行われ、その後90μl/分で90秒の安定化ステップが続く。PD-1親和性決定には、HBS-EP+バッファが使用され、一方LAG-3には、HBS-EP+は、最終濃度500mM NaClまでNaClが加えられた。結果は、Biacore T200 Evaluation Softwareで分析される。未処理のRUシグナルは、ブランク減算され(捕捉抗体無しのチャンネルで)、バッファ効果に対してバックグラウンド補正される(2回目の注入で抗原の代わりにバッファを使用し、捕捉抗体による実行を減算する)。1:1結合ラングミュアフィッティングが、試料曲線の組に適用され、Biacore T200 Evaluation Softwareの同時フィッティングオプションを使用して、結合率(ka)、解離率(kd)、および親和性(KD)を計算する。
ある実施形態において、PD-1×LAG-3多重特異性抗体は、本明細書に記載される、例えば実施例12に記載される、SPRによって測定されるように、参照抗ヒトPD-1抗体よりも、ヒトPD-1に対して少なくとも10倍高い結合親和性を有する。ある実施形態において、PD-1×LAG-3多重特異性抗体は、本明細書に記載されるSPRによって測定されるように、参照抗ヒトPD-1結合ドメインよりも、ヒトPD-1に対して10~50倍、好ましくは10~40倍、10~30倍、または10~20倍高い結合親和性を有する。ある実施形態において、PD-1×LAG-3多重特異性抗体は、本明細書に記載される、例えば実施例12に記載される、SPRによって測定されるように、参照抗ヒトPD-1結合ドメインよりも、ヒトPD-1に対して10倍高い結合親和性を有する。
参照抗ヒトPD-1抗体は、ニボルマブアナログ抗体であり、好ましくは比較の対象となるPD-1×LAG-3多重特異性抗体と同じ産生方法を使用して、産生される。ニボルマブアナログ抗体は、ニボルマブと同じ重鎖可変領域配列(配列番号20)を有する。ニボルマブアナログ抗体は、ニボルマブと同じ軽鎖可変領域配列(配列番号21)を有する。
ある実施形態において、PD-1×LAG-3多重特異性抗体は、本明細書に記載される、例えば実施例12に記載される、SPRによって測定されるように、約0.1~1.0nMの範囲の、具体的には約0.2~0.4nMの範囲の、より具体的には約0.32~0.34nMの範囲の、ヒトPD-1に対する結合親和性を有する。
ある実施形態において、PD-1×LAG-3多重特異性抗体は、本明細書に記載される、例えば実施例12に記載される、SPRによって測定されるように、0.1~1.0nMの範囲の、具体的には0.2~0.4nMの範囲の、より具体的には0.32~0.34nMの範囲の、ヒトPD-1に対する結合親和性を有する。
ある実施形態において、結合親和性は、本開示のPD-1×LAG-3多重特異性抗体を用いて、2価の二重特異性フォーマットで、および参照抗ヒトPD-1抗体を用いて、2価の単一特異性IgGフォーマットで、測定される。
ヒトPD-1に対する結合親和性は従って、2価の二重特異性PD-1×LAG-3抗体の1価の結合親和性を表す。
ある実施形態において、本開示のPD-1×LAG-3多重特異性抗体は、本明細書に記載される、例えば実施例12に記載される、表面プラズモン共鳴(SPR)によって測定されるように、2価の二重特異性抗体フォーマットで、約0.4~3.0nMの範囲の、カニクイザルPD-1に対する結合親和性を有する。ある実施形態において、本開示のPD-1×LAG-3多重特異性抗体は、本明細書に記載される、例えば実施例12に記載される、表面プラズモン共鳴(SPR)によって測定されるように、2価の二重特異性抗体フォーマットで、0.4~3.0nMの範囲の、カニクイザルPD-1に対する結合親和性を有する。カニクイザルPD-1に対する結合親和性は従って、2価の二重特異性PD-1×LAG-3抗体の1価の結合親和性を表す。
ある実施形態において、本開示のPD-1×LAG-3多重特異性抗体は、本明細書に記載される、例えば実施例12に記載される、表面プラズモン共鳴(SPR)によって測定されるように、2価の二重特異性抗体フォーマットで、約1~2nMの範囲の、ヒトLAG-3に対する結合親和性を有する。ある実施形態において、本開示のPD-1×LAG-3多重特異性抗体は、本明細書に記載される、例えば実施例12に記載される、表面プラズモン共鳴(SPR)によって測定されるように、2価の二重特異性抗体フォーマットで、1~2nMの範囲の、ヒトLAG-3に対する結合親和性を有する。ヒトLAG-3に対する結合親和性は従って、2価の二重特異性PD-1×LAG-3抗体の1価の結合親和性を表す。
ある実施形態において、本開示のPD-1×LAG-3多重特異性抗体は、本明細書に記載される、例えば実施例12に記載される、表面プラズモン共鳴(SPR)によって測定されるように、2価の二重特異性抗体フォーマットで、約0.2~0.4nMの範囲の、カニクイザルLAG-3に対する結合親和性を有する。ある実施形態において、本開示のPD-1×LAG-3多重特異性抗体は、本明細書に記載される、例えば実施例12に記載される、表面プラズモン共鳴(SPR)によって測定されるように、2価の二重特異性抗体フォーマットで、0.2~0.4nMの範囲の、カニクイザルLAG-3に対する結合親和性を有する。カニクイザルPD-1に対する結合親和性は従って、2価の二重特異性PD-1×LAG-3抗体の1価の結合親和性を表す。
ある実施形態において、本開示の多重特異性結合部位は、ヒトPD-1への結合に対して1価であり、多重特異性結合部位が、本開示のPD-1結合ドメインを1つだけ含むことを意味する。ある実施形態において、PD-1への結合に対して1価の本開示の多重特異性結合部位は、同等の濃度で、当該技術分野で記載されるPD-1への結合に対して、2価の単一特異性結合部位および/または少なくとも2価の多重特異性結合部位と比較して、同等の、またはそれ以上の、PD-1に対する結合親和性を有する。ある実施形態において、そのような2価の単一特異性結合部位は、本明細書に記載されるニボルマブアナログ抗体である。ある実施形態において、PD-1への結合に対して1価の本開示の多重特異性結合部位は、同等の濃度で、参照多重特異性結合部位よりも高い効力を有する。ある実施形態において、そのような参照多重特異性結合部位は、本明細書に記載されるニボルマブアナログ抗体である。
ある実施形態において、本明細書でさらに提供されるのは、本開示の多重特異性結合部位を産生するために有用な、ベクターである。ある実施形態において、そのような発現ベクターは、本明細書に記載される抗ヒトPD-1結合ドメインの重鎖可変領域をコードする核酸配列と、本明細書に記載される抗ヒトLAG-3結合ドメインの重鎖可変領域をコードする核酸配列とを含む。ある実施形態において、本開示のベクターは、CH1領域、および、好ましくはヒンジ、CH2およびCH3領域をコードする核酸配列をさらに含みうる。ある実施形態において、本開示のベクターは、軽鎖可変領域、および好ましくはCL領域をコードする、少なくとも1の核酸配列をさらに含みうる。ある実施形態において、軽鎖可変領域は、本明細書に記載される一般的な軽鎖可変領域でありうる。
ある実施形態において、本開示はまた、本明細書に記載される抗ヒトPD-1結合ドメインの重鎖可変領域をコードする核酸配列と、本明細書に記載される抗ヒトLAG-3結合ドメインの重鎖可変領域をコードする核酸配列とを含む、細胞を提供する。ある実施形態において、本開示の細胞は、CH1領域、および、好ましくはヒンジ、CH2およびCH3領域をコードする核酸配列をさらに含みうる。ある実施形態において、本開示の細胞は、軽鎖可変領域、および好ましくはCL領域をコードする、少なくとも1の核酸配列をさらに含みうる。ある実施形態において、軽鎖可変領域は、本明細書に記載される一般的な軽鎖可変領域でありうる。
ある実施形態において、本開示はまた、本明細書に記載される多重特異性結合部位を産生する、細胞を提供する。ある実施形態において、そのような細胞は、本開示のベクターで形質転換された、組換え細胞でありうる。
ある実施形態において、本明細書でさらに提供されるのは、本開示の多重特異性結合部位のバリアントを産生するための方法であり、前記方法は、以下の各ステップを含む:
-本明細書に記載されるPD-1重鎖可変領域および/またはLAG-3重鎖可変領域の配列バリアントを、作製するステップ;
および
-本明細書に記載される配列バリアント(複数可)および軽鎖可変領域を、細胞内で発現させるステップ。
配列バリアントを作製する方法は、当該技術分野でよく知られている。配列バリアントの作製にはランダムアプローチ、または標的アプローチを取ることができ、例えば、結合親和性を増減させると思われるバリエーションを導入することを目的としうる。抗体結合ドメインを親和性成熟させるための通常の方法は、当該技術分野で広く知られており、例えばTabasinezhad M. et al. Immunol Lett. 2019; 212: 106-113参照。また、結合ドメイン、またはそのような結合ドメインを含む部位を大規模に産生することを視野に入れ、発展性リスクを軽減するバリエーションを導入することも目的としうる。結合特異性の喪失を引き起こさず、および/または結合親和性に影響しないと思われるバリエーションが、導入されうる。CDRおよび/またはフレームワーク領域内のアミノ酸残基が、例えば保存的アミノ酸残基で、結合特異性および/または親和性を失うことなく、または実質的に失うことなく置換されうるかどうかは、当該技術分野でよく知られた方法により決定されうる。実験例には、例えば以下を含むが、これらに限定されない:アラニンスキャニング(Cunningham BC, Wells JA. Science. 1989; 244(4908): 1081-5)および深層変異スキャニング(Araya CL, Fowler DM. Trends Biotechnol. 2011; 29(9): 435-42)。例えばSruthi CK, Prakash M. PLoS One. 2020; 15(1): e0227621、Choi Y. et al. PLoS One. 2012; 7(10): e46688、およびMunro D, Singh M. Bioinformatics. 2020; 36(22-23): 5322-9に記載されるような、アミノ酸バリエーションの効果を予測できる計算手法もまた、開発されている。
ある実施形態において、本明細書でさらに提供されるのは、任意のバリアント多重特異性結合部位、任意のバリアント多重特異性結合部位を含む医薬組成物;前記バリアント多重特異性結合部位のいずれかのバリアント結合ドメインをコードする核酸;前記核酸を含むベクターおよび細胞;および、癌の治療のための前記バリアント多重特異性結合部位または医薬組成物の使用である。
[医薬組成物および方法]
本開示の多重特異性結合部位は、薬学的に許容される担体とともに医薬組成物中で使用されて、疾患を、例えば抑制された免疫系に関連する疾患を、具体的には癌を効果的に治療しうる。治療には、多重特異性結合部位の有効量、または医薬組成物の、それを必要とする対象への投与を含む。
ある実施形態において、本開示は、治療に使用するための、本明細書に記載される多重特異性結合部位、または医薬組成物を提供する。
ある実施形態において、本開示は、抑制された免疫系に関連する疾患の、具体的には癌の治療における使用のための、本明細書に記載される多重特異性結合部位、または医薬組成物を提供する。
ある実施形態において、本開示は、疾患を治療するための方法を提供し、前記方法は、本明細書に記載される多重特異性結合部位の有効量、または医薬組成物を、それを必要とする個体へ投与するステップを含む。
ある実施形態において、本開示は、抑制された免疫系に関連する疾患を、具体的には癌を治療するための方法を提供し、前記方法は、本明細書に記載される多重特異性結合部位の有効量、または医薬組成物を、それを必要とする個体へ投与するステップを含む。
本明細書で使用される「個体(individual)」、「対象(subject)」および「患者(patient)」という用語は、互換的に使用され、ヒト、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、ウサギ、ネコ、イヌ、サル、ウシ、ウマ、ブタなどの哺乳動物(例えば、癌を有するヒト患者などの、患者)を指す。
本明細書で使用される「治療する(treat)」、「治療する(treating)」、および「治療(treatment)」という用語は、疾患またはその症状を治癒または改善する目的で、対象に対して行われる任意のタイプの介入または過程、または、活性薬剤または活性薬剤の組合せを対象へ投与することを指す。これには、疾患に関連する症状、合併症、状態または生化学的兆候を逆転させ、緩和し、改善し、阻害しまたは減速させること、および、疾患に関連する症状、合併症、状態または生化学的兆候の、発症、進行、進展、重症化または再発を予防することを含む。
本明細書で使用される「有効な治療(effective treatment)」または「肯定的な治療反応(positive therapeutic response)」とは、有益な効果を、疾患または障害の、例えば癌の、例えば少なくとも1の症状の改善を、生み出す治療を指す。有益な効果は、ベースラインに対する改善の形をとることができ、本方法に従った治療の開始前に行われた測定または観察に対する改善を含む。例えば、有益な効果は、疾患の臨床的または診断的症状の、または癌のマーカーの、減少または消失によって証明されるように、任意の臨床段階において、対象における癌の進行を遅らせ、安定化し、停止し、または逆転させる形をとることができる。有効な治療は、例えば、腫瘍の大きさの減少、循環腫瘍細胞の存在の減少、腫瘍の転移の減少または予防、腫瘍増殖の遅延または阻止、および/または、腫瘍の再発または再燃の予防または遅延でありうる。
「治療量(therapeutic amount)」または「有効量(effective amount)」という用語は、所望の生物学的、治療的、および/または予防的結果を与える、薬剤または薬剤の組合せの量を指す。その結果は、疾患の1または複数の徴候、症状、または原因の、減少、改善、緩和(palliation)、軽減、遅延、および/または緩和(alleviation)、または、生物学的システムの任意の他の所望の変化でありうる。いくつかの実施形態において、治療量は、腫瘍の進展を遅延させるのに十分な量である。いくつかの実施形態において、治療量は、腫瘍の再発を予防または遅延させるのに十分な量である。
薬剤または組成物の有効量は、以下のことをしうる:(i)癌細胞の数を減少させる;(ii)腫瘍の大きさを減少させる;(iii)癌細胞の末梢器官への浸潤を阻害し、妨害し、ある程度遅らせ、および停止する;(iv)腫瘍転移を阻害する;(v)腫瘍増殖を阻害する;(vi)腫瘍の発生および/または再発を予防または遅延させる;および/または(vii)癌に関連する1または複数の症状をある程度除去する。
有効量は、治療される個体の疾患状態、年齢、性別、および体重、および、個体における所望の反応を誘発する薬剤または薬剤の組合せの能力などの因子に従って、変化しうる。
有効量は、1または複数回投与で、投与されうる。
有効量はまた、薬剤または薬剤の組合せによる任意の毒性または有害な影響と、治療上有益な影響とのバランスをとる量をも含む。
「薬剤(agent)」という用語は、治療上の活性物質を指し、本開示の場合、本開示のPD-1結合ドメイン、本開示の結合部位(例えば、抗ヒトPD-1結合ドメインを含む多重特異性結合部位)、または本開示の医薬組成物を指す。
[一般用語]
本明細書で使用される「含む(to comprise)」およびその活用形は、その単語の後に続く項目が含まれる(included)が、特に言及されていない項目が除外されないことを意味する、非限定的な意味で使用される。
冠詞「a」および「an」は、冠詞の文法上の目的語の1または複数を指すために、本明細書で使用される。例として、「an element」とは、1または複数の要素を意味する。
本明細書における特許文書または他の事項への言及は、その文書または事項が公知であったこと、またはそれが含む情報が請求項のいずれかの優先日における技術常識の一部であったことを認めるものとして、受け取られるべきではない。
本明細書中で引用されるすべての特許および参考文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
なお本明細書において、特に断りのない限り、抗体または抗体フラグメントの可変領域においてCDRおよびフレームワークに割り当てられるアミノ酸位置は、Kabatのナンバリングに従って特定される(Sequences of Proteins of Immunological Interest(National Institute of Health, Bethesda, Md., 1987 and 1991)参照)。定常領域におけるアミノ酸は、EUナンバリングシステムに従って示される。
アクセッション番号は主に、標的を同定するさらなる方法を提供するために与えられ、結合するタンパク質の実際の配列は、例えばいくつかの癌などで起こるようなコード遺伝子における変異のために、変化しうる。抗原結合サイトは、いくつかの抗原陽性の免疫細胞または腫瘍細胞により発現されるものなど、抗原およびその様々なバリアントと結合する。
本明細書で遺伝子、タンパク質に対して言及がなされる場合、その言及は、好ましくは遺伝子またはタンパク質のヒト型に対してなされる。本明細書で遺伝子またはタンパク質に対して言及がなされる場合、その言及は、天然の遺伝子またはタンパク質に対して、および腫瘍、癌などで検出されうるような、好ましくはヒト腫瘍、癌などで検出されうるような、遺伝子またはタンパク質のバリアント型に対してなされる。
HGNCとは、HUGO遺伝子命名法委員会(HUGO Gene Nomenclature Committee)の略である。略語に続く番号は、アクセッション番号であり、その番号で遺伝子および遺伝子によりコードされるタンパク質に関する情報が、HGNCデータベースから検索できる。Entrez Geneは、アクセッション番号または遺伝子IDを提供し、その番号で遺伝子または遺伝子によりコードされるタンパク質に関する情報が、NCBI(アメリカ国立生物工学情報センター、National Center for Biotechnology Information)データベースから検索できる。Ensembleは、アクセッション番号を提供し、その番号で遺伝子または遺伝子によりコードされるタンパク質に関する情報が、Ensembleデータベースから入手できる。Ensemblは、EMBL-EBIとWellcome Trust Sanger Instituteの共同プロジェクトであり、選択された真核生物ゲノムについて、自動アノテーションを作成および維持するソフトウェアシステムを開発している。
[図面の簡単な説明]
図中において、2価の単一特異性抗体は、配列番号Aのフォーマットで示され、配列番号Aは、両結合ドメインの重鎖可変配列を指す。単一特異性抗体の各結合ドメインは、軽鎖を含む。本開示を説明するために使用されるが、本開示を何ら限定することを意図するものではない実施例において、単一特異性抗体の各結合ドメインは、配列番号24に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、および配列番号71に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖定常領域を含む。単一特異性抗体は、好ましくはCH1、ヒンジ、CH2、およびCH3を含む、IgG1抗体である。本開示を説明するために使用されるが、本開示を何ら限定することを意図するものではない実施例において、単一特異性抗体は、IgG1フォーマットでスクリーニングされ、PD-1結合重鎖は、配列番号29に示されるアミノ酸配列を有するCH1、配列番号72に示されるアミノ酸配列を有するCH2、および配列番号73に示されるアミノ酸配列を有するCH3を含む。
2価の二重特異性抗体は、配列番号A×配列番号Bのフォーマットで示され、配列番号AおよびBの両方は、重鎖可変配列を指す。二重特異性抗体の各結合ドメインは、軽鎖を含む。本開示を説明するために使用されるが、本開示を何ら限定することを意図するものではない実施例において、単一特異性抗体の各結合ドメインは、配列番号24に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、および配列番号71に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖定常領域を含む。二重特異性抗体は、好ましくはCH1、ヒンジ、CH2、およびCH3を含む、IgG1抗体である。本開示を説明するために使用されるが、本開示を何ら限定することを意図するものではない実施例において、二重特異性抗体は、IgG1フォーマットでスクリーニングされ、PD-1結合重鎖は、配列番号29に示されるアミノ酸配列を有するCH1、配列番号30に示されるアミノ酸配列を有するCH2、および配列番号31に示されるアミノ酸配列を有するCH3を含み;および、LAG-3結合重鎖は、配列番号29に示されるアミノ酸配列を有するCH1、配列番号32に示されるアミノ酸配列を有するCH2、および配列番号33に示されるアミノ酸配列を有するCH3を含む。
2価の単一特異性ニボルマブおよびレラトリマブアナログ抗体は、配列番号A/配列番号Bのフォーマットで示され、配列番号Aはそれぞれの重鎖配列を指し、配列番号Bはそれぞれの軽鎖配列を指す。2価の単一特異性ニボルマブアナログ抗体は、2つのPD-1結合ドメインを含む。2価の単一特異性レラトリマブアナログ抗体は、2つのLAG-3結合ドメインを含む。ニボルマブおよびレラトリマブアナログの組合せは、配列番号A/配列番号B+配列番号C/配列番号Dのフォーマットで示され、配列番号Aは、ニボルマブまたはレラトリマブアナログのいずれかの重鎖配列を指し、配列番号Bは、ニボルマブまたはレラトリマブアナログのいずれかの軽鎖配列を指し、および、配列番号Cは、他方の重鎖配列を指し、配列番号Dは、他方の軽鎖配列を指す。ニボルマブアナログ抗体は、IgG1またはIgG4フォーマットで使用され、各結合ドメインは軽鎖を含む。レラトリマブアナログ抗体は、IgG1フォーマットで使用され、各結合ドメインは軽鎖を含む。
以下の実施例は、本開示を説明するが、本開示を何ら限定することを意図するものではない。
[実施例1 - 抗ヒトPD-1結合ドメインの作製]
抗ヒトPD-1結合ドメインは、例えばWO2019/009728に記載されるような、当該技術分野において知られる方法により入手されうる。一般的なIGKV1-39軽鎖を含むトランスジェニックマウス(MeMo(登録商標)マウス)をヒトPD-1抗原部位で免疫化する(DNA、タンパク質、および細胞ベースの抗原送達の様々な形の使用を含む)ことにより、重鎖可変領域の大きいパネルが得られた。配列番号9および配列番号10の重鎖可変領域が、親和性成熟のために選択された。その結果、202の親和性成熟バリアントが得られ、そのうちのいくつかが、PD-1/PD-L1レポーターアッセイでのさらなる特性評価のために選択された。
[実施例2 - PD-1 IgGの効力および二重特異性抗体(Abs)産生のための選択]
IgGフォーマットでの親和性成熟PD-1重鎖可変領域が、それらの親IgGと少なくとも同程度の効力があることを確認するために、親和性成熟バリアントが、PD-1/PD-L1レポーターアッセイでスクリーニングされた。またアッセイには、親抗PD-1 IgG、陽性対照として、ニボルマブの重鎖(配列番号18)と軽鎖(配列番号22)とを含む抗PD-1抗体(Fc-silenced IgG1ニボルマブアナログ1)、およびニボルマブの重鎖(配列番号19)と軽鎖(配列番号22)とを含む抗PD-1抗体(IgG4ニボルマブアナログ2)、および、陰性対照として、配列番号23を有する重鎖可変領域と配列番号24を有する軽鎖可変領域とを含む抗RSV-G抗体も含まれた。このカラムの最後の2ウェルは、ベースレベル対照としてIgG無しで残された。
PD-1―PD-L1レポーターアッセイは、製造業者のプロトコル(Promega、カタログ番号J1255)に従って行われ、以下の2つの細胞株を使用する―PD-L1 aAPC/CHO-K1細胞(ヒトPD-L1と、抗原非依存的にコグネートTCRを活性化するように設計された改変細胞表面タンパク質とを発現する、CHO-K1細胞である)(Promega、カタログ番号J109A);および、PD-1エフェクター細胞:Jurkat T細胞(ヒトPD-1と、NFAT応答エレメント(NFAT-RE)によって駆動されるルシフェラーゼレポーターとを発現する)(Promega、カタログ番号J115A)。
1日目に、PD-L1細胞のための細胞回収培地が、室温で調製された:10%FBS(Sigma、カタログ番号F2442)、DMEM/F12(Life Technologies、カタログ番号21765)中。必要な数のPD-L1細胞バイアル(J109A;試験される32のIgGにつき1バイアル)が冷凍庫から取り出され、37℃で急速解凍され、細胞が50mlチューブに移された。細胞回収培地は、14.5ml/バイアル、体積が毎分2倍になるように、ゆっくりと細胞に加えられた。ハーフエリアプレート(Corning、カタログ番号3688)のウェルは、この細胞懸濁液で50μl/ウェル、または50μl PBS(Invitrogen、カタログ番号10010)で満たされた。アッセイプレートは、37℃、5%CO、相対湿度95%で、一晩インキュベートされた。
2日目に、2倍濃縮アッセイバッファが、室温で調製された:4%FBS(Sigma、カタログ番号F2442)、RPMI1640(Promega kitまたはLife Technologies、カタログ番号21875)中。2倍濃縮の試験および対照IgG溶液が、PBS中に調製された。試験および対照IgGの連続希釈がまた、U底プレート(Nunc、カタログ番号268152)中のPBS中で行われ、10μg/mlから始めて、6段階4倍滴定を行った。陽性および陰性対照IgG連続希釈液は、別々のディープウェルプレート(Greiner Bio-one、カタログ番号780270)上のPBS中に、調製された。IgG無しの対照であるベース対照もまた、調製された。活性が直接比較される必要のあるIgGは、プレート間の変動を避けるため、できるだけ同じプレート上でインキュベートされた。
アッセイプレートは、インキュベータから取り出され、空のウェルに移された。20μlのIgG溶液が、アッセイプレートに加えられ、同じピペットチップを用いて、最低濃度のIgGから移し始めて、順に高濃度になるようにした。
必要な数のPD-1エフェクター細胞(J115A;試験される32のIgGにつき1バイアル)が冷凍庫から取り出され、37℃で急速解凍され、上下にピペッティングすることにより静かに混合された。すべてのバイアルからの細胞が、50mlチューブに移された。2倍濃縮アッセイバッファ(細胞1バイアルあたり5.9ml)が、体積が毎分2倍になるように、ゆっくりと細胞に加えられた。20μlのエフェクター細胞懸濁液が、アッセイプレート上のウェルに加えられた。プレートは、37℃、5%CO、相対湿度95%で、6時間インキュベートされた。6時間のインキュベートに続き、プレートは室温で10分間プレインキュベートされた。
ルシフェラーゼ活性は、Bio-Glo(商標) luciferase Assay System(Promega、カタログ番号G7941)を使用して、測定された。Bio-Glo(商標) Luciferase Assay Buffer(遮光)は、一晩室温に平衡化され、Bio-Glo(商標) Luciferase Assay Substrateと十分に混合された。40μlのBio-Gloルシフェラーゼが、アッセイプレート上の各ウェルに加えられ、5~10分後にEnVisionプレートリーダー(PerkinElmer、Model 2104-0040A Luminescence mode)上で、発光が測定された。読み出しは、相対光単位(RLU)値で得られた。対照活性に対する実験活性の比であるFold Inductionが、IgG-XのRLU値/IgG無しのRLU値として、計算された。Fold Inductionは、対数IgG濃度に対してプロットされ、GraphPad Prismを使用して、非線形回帰およびlog(阻害剤)vs.応答(3パラメータ)式を使用して、シグモイド曲線がフィッティングされた。
結果は図1に示される。すべての対照は、期待された活性を示し、異なるプレートにおいても一貫していた。親和性成熟バリアントは、それらの親IgGと少なくとも同程度の効力があり、ニボルマブアナログ1以上の効力があった。親和性成熟バリアントおよび親抗体のEC50値は、表2に示される。

3つの親和性成熟PD-1バリアントが、二重特異性抗体の作製のために選択され、ヒトPD-1結合アームが、ヒトLAG-3結合アームと結合された。これら3つのPD-1バリアントは、配列番号1;5;および6に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含み、6つの異なる抗ヒトLAG-3結合アームと結合された。6つの抗ヒトLAG-3結合アームは、配列番号11、12、13、14、15、および16に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む。結果得られた18個の二重特異性抗体は、FACSを使用してヒトPD-1およびヒトLAG-3への結合について試験された。
[実施例3 - FACS分析]
ヒトLAG-3またはアカゲザルLAG-3で安定的にトランスフェクトされた細胞株、または、ヒトPD-1またはカニクイザルPD-1で過渡的にトランスフェクトされた細胞株を使用して、二重特異性抗体の結合がFACSにより分析された。この目的のために、293FF細胞が、ヒトPD-1およびアカゲザルPD-1をコードするpVAX発現構築物で過渡的にトランスフェクトされ、293FF細胞が、ヒトLAG-3およびアカゲザルLAG-3をコードするpVAX発現構築物で安定的にトランスフェクトされた。IgG特異性結合は、50ug/mlから始まる8段階5倍希釈を使用して、FACSにより測定された。ヤギ抗ヒトPEが、二次検出抗体として使用された。染色していない細胞または二次検出抗体のみは、陰性アッセイ対照として含まれた。このアッセイでPD-1およびLAG-3に結合すると知られている、配列番号18を有する重鎖と配列番号22を有する軽鎖とを含む2価の単一特異性PD-1抗体(ニボルマブアナログ1)、および配列番号27を有する重鎖と配列番号28を有する軽鎖とを含む2価の単一特異性LAG-3抗体(25F7/レラトリマブアナログ)が、それぞれ陽性対照として使用された。配列番号23を有する重鎖可変領域と配列番号24を有する軽鎖可変領域とを含む2価の単一特異性RSV-G抗体(Fc-silenced IgG1アイソタイプ対照)が、陰性対照として使用された。
陽性および陰性対照は、予想通りの挙動を示した。すべての二重特異性抗体は、ヒトLAG-3およびアカゲザルLAG-3に結合した。すべての二重特異性抗体はまた、ヒトPD-1およびカニクイザルPD-1に結合した。
[実施例4 - PD-1/PD-L1レポーターアッセイ]
PD-1/PD-L1レポーターアッセイで、実施例2に記載されたプロトコルに従って、二重特異性抗体がスクリーニングされた。
二重特異性抗体は、最終濃度100ug/mlから始まる6段階6倍希釈され、2通りに試験された。IgG希釈液は、PBSで調製された。陽性対照として、配列番号20に示されるアミノ酸配列を有する重鎖と配列番号22を有する軽鎖とを含む2価の単一特異性PD-1抗体(IgG4ニボルマブアナログ3)の、100μg/ml(最終濃度)から始まる6段階6倍滴定が、含まれた。PD-1×LAG-3二重特異性抗体のアイソタイプ対照として、配列番号23に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域と配列番号24を有する軽鎖可変領域とを含む、RSV-Gに結合する2価の単一特異性抗体(Fc-silenced IgG1アイソタイプ対照)の、100μg/ml(最終濃度)から始まる4段階6倍滴定が、使用された。アイソタイプカラムの最後の2ウェルは、ベースレベル対照としてIgG無しで残された。抗体は、37℃、5%CO、相対湿度95%で、6時間インキュベートされた。Bio-Gloルシフェラーゼが加えられ、Envisionプレートリーダー(PerkinElmer)上で、発光が測定された。各抗体によって誘導されたFold Iductionは、抗体を含まないウェル(ベース)に対する相対値として、計算された。
抗体がPD-1/PD-L1軸を阻害すれば、これによりTCRシグナルの阻害が除去される。そしてTCRシグナルは活性化し、遺伝子転写およびルシフェラーゼ活性を引き起こす。ルシフェラーゼ活性は、抗体結合および軸阻害と相関する。
結果は図2に示される。陽性および陰性対照は、予想通りの挙動を示した。すべての二重特異性抗体は、PD-1/PD-L1軸の阻害を示す。
図3Aは、3つの二重特異性抗体とPD-1参照抗体ニボルマブアナログ3との間の、ルシフェラーゼレポーターアッセイにおける効力の比較を示す。配列番号6に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を有するPD-1結合ドメインを含む二重特異性抗体の効力は、参照PD-1抗体の効力と同様である。この二重特異性抗体は従って、PD-1への結合に対して2価である参照抗体と同様の効力を、単一のPD-1結合ドメインで達成する。
2つのさらなる二重特異性抗体の効力もまた、PD-1/PD-L1レポーターアッセイで評価され、配列番号21に示されるアミノ酸配列を有する重鎖と配列番号22を有する軽鎖とを含む2価の単一特異性PD-1抗体(ニボルマブアナログ4)と、比較された。アッセイは、各試料を3回ずつ繰り返して2回行われた。平均EC50値は、図3Bに示される。
配列番号1、5、および6を有するPD-1結合ドメインは、PD-1に対する結合親和性を決定するために、2価の単一特異性フォーマットでSPRにより試験され、参照抗体ニボルマブのアナログと比較された。従来の研究は、これらのPD-1結合ドメインのPD-1に対する結合親和性は、2価の単一特異性フォーマットおよび二重特異性フォーマットで、同様であることを示していた。ニボルマブアナログの結合親和性は、2価の単一特異性フォーマットおよびPD-1(PD-1×RSV)に対して1価の二重特異性フォーマットで決定された。
SPR実験は、Biacore 8K装置(GE Healthcare)を使用して、25℃で行われた。SPRランニングバッファ(10mM HEPES、150mM NaCl、3mM EDTA、および0.05%v/v Surfactant P20、pH7.4)は、10倍HBS-EP Buffer(GE Healthcare)から調製された。抗ヒトFc抗体(GE Healthcare)は、SシリーズセンサーチップCM5(GE Healthcare)の全16のフローセル上に、アミンカップリングを介して固定化された。固定化レベルは、すべてのフローセルで~9000RUである。抗PD-1抗体の所望の捕捉レベル(100~150RU)は、適切な濃度の抗PD-1抗体を、各チャンネルのアクティブフローセルを通して10μL/分の流速で60秒間流すことにより、達成された。次に、PD-1ストック(R&D 8986-PD)から調製されたPD-1の3倍連続希釈濃度シリーズ(合計7濃度、最高300nM)およびランニングバッファ(0濃度)は、240秒間(結合時間)注入され、すぐに480秒間(解離時間)45μL/分の流速でランニングバッファが続いた。30μL/分の流速で3M MgClを30秒間注入し、表面が再生された。結合キネティクスおよび親和性パラメータは、1対1結合モデルへのデータのグローバルフィッティングから得られた。
結果は図4に示される。3つの二重特異性抗体のPD-1結合ドメインは、両方の抗体フォーマットで、ニボルマブアナログよりも、PD-1に対して少なくとも10倍高い結合親和性を有する。
[実施例5 - PD-1/LAG-3レポーターアッセイ]
PD-L1 Raji細胞(Promega、カタログ番号CS1978B03)は、2百万細胞/mlに達するように、細胞をアッセイ培地(1%hiFBS(Gibco、Gibco/Thermo Fisher、カタログ番号10270106)、RPMI1640(+25mM HEPES)(Life Technologies、カタログ番号52400)中、室温)に懸濁することにより、調製された。Jurkat PD-1およびLAG-3エフェクター細胞(Promega、カタログ番号CS1978B02)は、4百万細胞/mlに達するように、細胞をアッセイ培地に懸濁することにより、調製された。3倍濃縮の試験および対照IgG溶液は、PBSで調製され、すなわち、6~300μg/mlの間で開始し6倍連続希釈により、2~10の間の希釈倍率であった(最終アッセイ濃度は20~100μg/mlの間で開始)。
このアッセイは使用されるFBSのバッチに非常に敏感でありうるため、アッセイを行う前にFBSのバッチが検証されるべきである。
アッセイプレートは、25μlのJurkat PD-1およびLAG-3エフェクター細胞、またはPBSで満たされた。25μlの試験および対照IgG溶液が、加えられた。活性が直接比較される必要のあるIgGは、プレート間変動(プレート効果)の影響を避けるため、できるだけ同じアッセイプレート上でインキュベートされるべきである。
同じ体積のPD-L1 Raji細胞懸濁液が、同じ体積のSED溶液(100ng/mlのブドウ球菌エンテロトキシンD(Toxin Technologies、カタログ番号PD303)、アッセイ培地中)と混合された。25μlのRaji/SED混合物が、アッセイプレートに加えられた。
アッセイプレートは、37℃、5%CO、相対湿度95%で、6時間インキュベートされた。
6時間のインキュベートの後、アッセイプレートは室温で10分間放置された。75μlのSteady-Gloルシフェラーゼ(Promega、カタログ番号E2510)がウェルに加えられ、5~10分後にEnvisionプレートリーダー上で、発光が測定された(発光プロトコルに従う;PerkinElmer、Model2104-0020A)。
各抗体によって誘導されたFold Inductionは、IgG無しのウェルに対する相対値として、計算された。
IgGは、陽性対照と、および2価の単一特異性PD-1抗体ニボルマブアナログ3と2価の単一特異性LAG-3抗体25F7/レラトリマブアナログとの組合せと、最高濃度50μg/ml+50μg/mlで、比較された。すべてのIgGは、3回繰り返して試験された。
結果は図5に示される。陽性および陰性対照は、予想通りの挙動を示した。すべての二重特異性抗体は、PD-1およびLAG-3参照抗体の組合せよりも、PD-1およびLAG-3経路の阻害活性を引上げるのに、より効力があった。陽性対照に対する曲線下面積(AUC)の割合およびEC50値は、表3に示される。
[実施例6 - SEBアッセイ]
IgGは、50μg/ml(最終濃度)から始まる6段階7倍希釈滴定で試験された。IgG希釈液は、アッセイ培地で最終濃度の4倍に調製された。陽性対照として、2価の単一特異性PD-1抗体ニボルマブアナログ3と2価の単一特異性LAG-3抗体25F7/レラトリマブアナログとの組合せが、最高濃度25μg/ml+25μg/mlで、含まれた。すべてのIgGは、3回繰り返して試験された。
抗LAG-3および抗PD-1/PD-L1 IgGに反応すると知られている凍結保存PBMC約200000個が、二重特異性抗体および対照抗体、およびSEBとともに、最終濃度2ug/mlで、37℃、5%CO、相対湿度90%で、3日間インキュベートされた。3日後、上澄みが採取され、4倍に希釈され、LuminexでIL-2レベルが測定された。
アッセイは、2人のドナーからのPBMCを用いて行われた。1人のドナーからのデータが、図6に示される。陽性および陰性対照は、予想通りの挙動を示した。多くの二重特異性抗体は、PD-1およびLAG-3参照抗体の組合せよりも効果的に、IL-2放出を誘導した。陽性対照に対する曲線下面積(AUC)値の割合は、表3に示される。
[実施例7 - 抗原リコールアッセイ]
IgGは、10μg/ml(最終濃度)から始まる6段階5倍希釈滴定で試験された。陽性対照として、2価の単一特異性PD-1抗体ニボルマブアナログ3と2価の単一特異性LAG-3抗体25F7/レラトリマブアナログとの組合せが、最高濃度5μg/ml+5μg/mlで、含まれた。陰性対照として、配列番号23を有する重鎖可変領域と配列番号24を有する軽鎖可変領域とを含むRSV-Gに対する抗体(Fc-silenced IgG1アイソタイプ対照)の、10μg/mlから始まる4段階5倍希釈が、使用された。陰性対照として、2ウェルがペプチドプール無しで残された。すべてのIgGは、3回繰り返して試験された。
選択されたドナーからの一晩休ませたPBMC約300000個が、IgGおよびCEFT MHC-II CD4ペプチドとともに、最終濃度1ug/mlで、37℃、5%CO、相対湿度90%で、6日間インキュベートされた。上澄みが採取され、LuminexでIFN-γおよびTNF-αレベルが測定された。
結果は図7に示される。陽性および陰性対照は、予想通りの挙動を示した。多くの二重特異性抗体は、PD-1およびLAG-3参照抗体の組合せよりも効果的に、IFN-γ放出を誘導した。TNF-αの読み出し結果は、IFN-yの結果と同様であった。陽性対照に対する曲線下面積(AUC)値の割合は、表3に示される。

[実施例8 - インビボ試験]
MDA-MB-231腫瘍を持つhu-CD34マウスにおいて、5つの二重特異性PD-1×LAG-3抗体の有効性が、評価された。
ヒト化CD34 NSGマウス(Jackson Laboratories)は、100μlの無血清培地およびマトリゲルマトリックス(Corning)に等体積で懸濁された合計3×10のMDA-MB-231腫瘍細胞を、皮下接種された。腫瘍が約80~100mmに達した時、マウスは、1群10匹のマウスで8群に無作為に分けられ、1倍PBS(Life Technologies)で以下が投与された:1)IgG1(10mg/kg);2)IgG4(10mg/kg);3)ペムブロリズマブ(10mg/kg);4)レラトリマブアナログ(10mg/kg);5)ペムブロリズマブ(10mg/kg)+レラトリマブアナログ(10mg/kg);6)PD-1×LAG-3二重特異性抗体1(10mg/kg);7)PD-1×LAG-3二重特異性抗体2(10mg/kg);および8)PD-1×LAG-3二重特異性抗体3(10mg/kg)、および、別の実験において:9)PD-1×LAG-3二重特異性抗体4(10mg/kg);および10)PD-1×LAG-3二重特異性抗体5(10mg/kg)。
PD-1×LAG-3二重特異性抗体1は、配列番号6に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域(PD-1)と、配列番号13に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域(LAG-3)とを含む。
PD-1×LAG-3二重特異性抗体2は、配列番号6に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域(PD-1)と、配列番号14に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域(LAG-3)とを含む。
PD-1×LAG-3二重特異性抗体3は、配列番号5に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域(PD-1)と、配列番号14に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域(LAG-3)とを含む。
PD-1×LAG-3二重特異性抗体4は、配列番号7に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域(PD-1)と、配列番号17に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域(LAG-3)とを含む。
PD-1×LAG-3二重特異性抗体5は、配列番号8に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域(PD-1)と、配列番号17に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域(LAG-3)とを含む。
二重特異性抗体の結合ドメインは、配列番号29に示されるアミノ酸配列を有するCH1を含みうる。二重特異性抗体のPD-1結合重鎖は、それぞれ配列番号30と31に示されるアミノ酸配列を有するCH2とCH3とを含みうる。二重特異性抗体のLAG-3結合重鎖は、それぞれ配列番号32と33に示されるアミノ酸配列を有するCH2とCH3とを含みうる。PD-1およびLAG-3結合ドメインは、配列番号24に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域と、配列番号60に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖定常領域とを含みうる。
動物は、5日ごとに20日間(図8A)、または5日ごとに34日間(図8B)、腹腔内投与された。腫瘍は、ノギスを使用して計測され、式:l(長さ)×w(幅)×1/2を使用して楕円体に同化することにより、腫瘍体積が計算された。有効性試験における統計的有意性は、一元配置分散分析(One-Way ANOVA)により決定された。体重もまた、試験を通してモニターされた。腫瘍は、治療後に採取され、顕微解剖され、製造業者のガイドラインに従ってTumor Dissociation Kit(Miltenyi Biotec)を使用して消化され、その後フローサイトメトリー分析が行われた。
[フローサイトメトリー分析]
投与開始の29日後にインビボ段階を終了した時点で、腫瘍細胞がフローサイトメトリー分析によって分析された。この目的のために、腫瘍が採取され、3mLのDMEM培地を含む15mLのCチューブ(Miltenyi Biotec)内に移された。フローサイトメトリー分析のための単一細胞懸濁液を得るために、腫瘍は顕微解剖され、Tumor Dissociation Kit(Miltenyi Biotec)を使用して製造業者の指示に従って、消化された。腫瘍細胞の分析は、生死細胞のためのViability dye、および白血球マーカーとしてヒトCD45に対するフルオロクロム標識抗体を使用して、行われた。本試験のフローサイトメトリーパネルは、以下の通りである:
抗体カクテルを加える前に、試料は、ヒトおよびマウスFc受容体に対して、10分間室温で阻害された。生死染色は、抗体カクテルを加える前に、室温で15分間行われた。カクテルを30分間室温でインキュベートした後、試料は十分に洗浄され、2%PFAで固定された。細胞は、BD Symphony Flow Cytometry analyzerおよびFlowJoソフトウェアパッケージを使用して、実行および分析された。
[結果]
結果は図8に示される。すべての二重特異性抗体は、単剤または併用で、単一特異性抗体よりも高い有効性を示した(図8AおよびB)。投与20日後、二重特異性抗体治療群において移植片対宿主病の徴候が増加したため、1つの試験は中止せねばならなかった(図8A)。これは二重特異性抗体での治療により免疫活性が増加したためかもしれない。しかしながら、この現象は他の群には観察されなかった。
有効性試験の中止後、フローサイトメトリーによる免疫PD分析のために、腫瘍は解離された。前述のように、治療時のTILsを評価するために、14色のフローサイトメトリーパネルがデザインされ、実行された。TILsを評価したところ、評価された二重特異性抗体はすべて、腫瘍におけるTregであるヒトT細胞の割合の減少を示した(図8C)。さらに、評価された二重特異性抗体はすべて、腫瘍におけるCD8/Treg比の増加を示した(図8D)。
[実施例12 - 結合特性]
二重特異性抗体の結合親和性および同時結合は、SPRによって行われた。
ヒトPD-1、カニクイザルPD-1、ヒトLAG-3、およびカニクイザルLAG-3に対する二重特異性抗体の結合親和性は、PD-1×LAG-3二重特異性抗体フォーマットで決定され、参照抗体ニボルマブおよびレラトリマブのアナログと比較された。
結合親和性は、BIAcore-T200装置上でSPRを使用して、CM5シリーズSセンサーチップ上に固定化された抗ヒトIgG抗体を使用して、二重特異性IgGフォーマットで決定された。また2つのヒトタンパク質が、二重特異性抗体によって同時にエンゲージされうるかどうかも評価された。配列番号7を有する重鎖可変領域を含むPD-1結合ドメイン、または配列番号8を有する重鎖可変領域を含むPD-1結合ドメイン、および配列番号17を有する重鎖可変領域を含むLAG-3結合ドメインを含む二重特異性抗体の、ヒトPD-1、カニクイザルPD-1、ヒトLAG-3、およびカニクイザルLAG-3に対する結合親和性が、決定された。二重特異性抗体の結合親和性は、参照抗体ニボルマブのアナログ(配列番号21/配列番号22)および参照抗体レラトリマブのアナログ(配列番号27/配列番号28)の結合親和性と、比較された。結合の陰性対照として、無関係な標的に対する抗体が使用された。
使用された単量体組換え抗原は、以下の通りであった:ヒトLAG-3(huLAG-3-His、Sino Biological、カタログ番号16498-H08H)、カニクイザルLAG-3(cyLAG-3-His、Sino Biological、カタログ番号90841-C08H)、ヒトPD-1(huPD-1-His、Sino Biological、カタログ番号10377-H08H)、およびカニクイザルPD-1(cyPD-1-His、R&D Systems、カタログ番号8509-PD)。
[固定化:]
CM5センサーチップ(GE Healthcare;カタログ番号BR-1005-30)の4つのフローチャンネル上への、ヤギ抗ヒトIgG Fc(JIR、カタログ番号109-005-098)の固定化は、10mM酢酸pH5.0に希釈された40μg/mlの抗体を使用して、アミンカップリングにより行われた。以下の条件が使用された:活性化時間420秒、不活性化時間420秒、不活性化バッファ:1MエタノールアミンpH8.5。9158~9428RUの範囲である、高い固定化密度が達成された。
[親和性決定:]
親和性決定のために、試験および対照抗体は、CM5センサーチップ上に固定化された抗ヒトIgG抗体により、30μl/分の流速で60秒間、1つのフローセルのみで捕捉された。捕捉抗体濃度は、PD-1親和性決定には20nM、LAG-3親和性決定には10nMであった。この後、流速30μl/分のバッファで、60秒の安定化時間が続いた。抗原の5段階2倍連続希釈液が、捕捉抗体を含むフローセルと参照フローセル(捕捉抗体無し)との両方に、30μl/分で60秒間注入された。抗原濃度は、ヒトPD-1およびカニクイザルPD-1には80nM~2.5nM、ヒトLAG-3およびカニクイザルLAG-3には40~1.25nMであった。バッファ効果に対するバックグラウンド補正は、バッファのみの注入により行われ、バックグラウンド除去のために、参照フローセルが使用された。
抗体-抗原相互作用に続き、30μl/分で300秒のオフレート洗浄が行われた。サイクル間の再生は、10mMグリシンpH1.5の注入を、30μl/分で15μlずつ2回使用して行われ、その後90μl/分で90秒の安定化ステップが続いた。全再生およびアッセイの一貫性を確認するために、アッセイの終了時に、試験されたすべての抗原について、試験されたすべての抗原濃度で、参照抗体の繰り返し実行が行われた。
PD-1親和性決定には、HBS-EP+バッファが使用され、一方LAG-3には、非特異性結合を避けるために、HBS-EP+は、最終濃度500mM NaClまでNaClが加えられた。
結果は、Biacore T200 Evaluation Softwareで分析された。未処理のRUシグナルは、ブランク減算され(捕捉抗体無しのチャンネルで)、バッファ効果に対してバックグラウンド補正された(2回目の注入で抗原の代わりにバッファを使用し、捕捉抗体による実行を減算した)。1:1結合ラングミュアフィッティングが、試料曲線の組に適用され、Biacore T200 Evaluation Softwareの同時フィッティングオプションを使用して、結合率(ka)、解離率(kd)、および親和性(KD)を計算した。
捕捉された二重特異性および参照抗体は、それぞれの組換え抗原への結合を示した。陰性対照抗体への抗原の結合は、観察されなかった。
データの概要は図9に示される。PD-1×LAG-3二重特異性抗体は、レラトリマブアナログよりも、ヒトLAG-3に対してより低い親和性を有し、ニボルマブアナログよりも、ヒトおよびカニクイザルPD-1に対してより高い親和性を有する。PD-1×LAG-3二重特異性抗体は、ヒトPD-1およびヒトLAG-3へ同時に結合する。
[同時結合:]
二重特異性抗体のヒトLAG-3およびヒトPD-1への同時結合は、親和性決定と同様のセットアップでアッセイされた。固定化された抗ヒトIgGは、二重特異性抗体を捕捉するために使用された。陽性対照としてニボルマブアナログおよびレラトリマブアナログ参照抗体の混合物が含まれ、陰性対照として無関係な標的に対する抗体が含まれた。次に、抗原の1つが飽和濃度(ヒトPD-1には80nM、ヒトLAG-3には40nM)で300秒間注入され、すべての抗原結合サイトを占有させた。第2の抗原は、注入1で使用されたのと同じ濃度で、(すべての結合サイトが占有されたままであることを確認するために)単独または第1の抗原と併用して、順次注入された。ヒトLAG-3非特異性結合を防ぐために、全工程で高塩バッファが使用された。
データの概要は図9に示される。PD-1×LAG-3二重特異性抗体は、ヒトPD-1およびヒトLAG-3へ同時に結合する。
[配列表]
配列番号1-重鎖可変領域-CDRはKabatに従って太字および下線で示される
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSNGSLGFDFWSWIRQPPGRGLEWIGYIYYSGSWSLNPSFKGRVTMSVDTSKNQFSLNLRSVTAADTAVYYCARGGYTGYGGDWFDPWGQGTLVTVSS
配列番号2-重鎖可変領域-CDRはKabatに従って太字および下線で示される
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSNGSLGFEFWSWIRQPPGRGLEWIGYIVYSGSHSVSPSLKTRVTMSVDTSKNQFSLNLRSVTAADTAVYYCARGGYTGHGGDWFDTWGQGTLVTVSS
配列番号3-重鎖可変領域-CDRはKabatに従って太字および下線で示される
QVQLVQSGSELKKPGASVKVSCKASGYTFTRFALSWVRQAPGQGLEWMGWIDPNTGTPTYAQDFTGRFVFSLDTSVTTAYLQISSLKAEDTAVYYCARSLGYCGSDICYPNGILDNWGQGTLVTVSS
配列番号4-重鎖可変領域-CDRはKabatに従って太字および下線で示される
QVQLVQSGSELKKPGASVKVSCKASGYTFTRFAVNWVRQAPGQGLEWMGWIDPNTGTPTYAQGVTNRFVFSLDTSVTTAYLQISSLKAEDTAVYYCARSLGYCSSDICYPNLIFDNWGQGTLVTVSS
配列番号5-重鎖可変領域-CDRはKabatに従って太字および下線で示される
QVQLVQSGSELKKPGASVKVSCKASGYTFTRFALHWVRQAPGQGLEWMGWIDPNTGTPTFAQGVTGRFVFSLDTSVTTAYLQISSLKAEDTAVYYCARSLGYCDSDICYPNWIFDNWGQGTLVTVSS
配列番号6-重鎖可変領域-CDRはKabatに従って太字および下線で示される
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSDGSIGYHFWSWIRQPPGRGLEWIGYIVYSGSYNVNPSLKTRVTMSVDTSKNQFSLNLRSVTAADTAVYYCARGGYTGYGGDWFDPWGQGTLVTVSS
配列番号7-重鎖可変領域-CDRはKabatに従って太字および下線で示される
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSEGSIGYHFWSWIRQPPGRGLEWIGYIVYSGSYNVNPSLKTRVTMSVDTSKNQFSLNLRSVTAADTAVYYCARGGYTGYGGDWFDPWGQGTLVTVSS
配列番号8-重鎖可変領域-CDRはKabatに従って太字および下線で示される
QVQLVQSGSELKKPGASVKVSCKASGYTFTRFALHWVRQAPGQGLEWMGWIDPNTGTPTFAQGVTGRFVFSLDTSVTTAYLQISSLKAEDTAVYYCARSLGYCDSDICYPNWIFDNWGQGTLVTVSS
配列番号9-重鎖可変領域-CDRはKabatに従って太字および下線で示される
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSNGSLGFYFWSWIRQPPGRGLEWIGYIYYSGSTSFNPSLKSRVTMSVDTSKNQFSLNLRSVTAADTAVYYCARGGYTGYGGDWFDPWGQGTLVTVSS
配列番号10-重鎖可変領域-CDRはKabatに従って太字および下線で示される
QVQLVQSGSELKKPGASVKVSCKASGYTFTRFTMSWVRQAPGQGLEWMGWINPNTGNPTYAQDFTGRFVFSLDTSVTTAYLQISSLKAEDTAVYYCARILGYCNTDNCYPNWIFDYWGQGTLVTVSS
配列番号11-重鎖可変領域-CDRはKabat IMGTに従って太字および下線で示される
QVQLQESGPGLVRPSETLSLTCTVSGGSISSYSWSWIRQPPGKGLEWIGYIDYSGSTNYNPSLKSRVTISVDTSKTQFSLKLSSVSAADTAVYYCAKDLLYKWNYVEGFDIWGQGTTVTVSS
配列番号12-重鎖可変領域-CDRはKabatに従って太字および下線で示される
EVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFSSYDTHWVRQAPGKGLEWVAVISYDGSNKYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAMYYCARERGWDVFDIWGQGTLVTVSS
配列番号13-重鎖可変領域-CDRはKabatに従って太字および下線で示される
EVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFSSYGMHWVRQAPGKGLEWVAVISYHGSDKYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARDGDNWDVFDIWGQGTLVTVSS
配列番号14-重鎖可変領域-CDRはKabatに従って太字および下線で示される
EVQLVQSGSELKKPGASVKVSCKASGYTFTTNALNWVRQAPGQGLEWMGWINTHTGNPTYAQGFIGRFVFSLDTSVSTAYLQIRSLKAEDTAVYYCAREPNWGVYFDYWGQGTLVTVSS
配列番号15-重鎖可変領域-CDRはKabatに従って太字および下線で示される
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYGISWVRQAPGQGLEWMGWISAYSGNTNYAQKLQGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARDGSGWDDFDYWGQGTLVTVSS
配列番号16-重鎖可変領域-CDRはKabatに従って太字および下線で示される
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYGISWVRQAPGQGLEWMGWISAYSGNTNYAQKLQGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARGSILAAQMWGDIWGQGTLVTVSS
配列番号17-重鎖可変領域-CDRはKabatに従って太字および下線で示される
QVQLVQSGSELKKPGASVKVSCKASGYTFTTNALNWVRQAPGQGLEWMGWINTHTGNPTYAQGFIGRFVFSLDTSVSTAYLQIRSLKAEDTAVYYCAREPNWGVYFDYWGQGTLVTVSS
配列番号18-重鎖ニボルマブアナログ1
QVQLVESGGGVVQPGRSLRLDCKASGITFSNSGMHWVRQAPGKGLEWVAVIWYDGSKRYYADSVKGRFTISRDNSKNTLFLQMNSLRAEDTAVYYCATNDDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKRVEPKSCDKTHTCPPCPAPELGRGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号19-重鎖ニボルマブアナログ2
QVQLVESGGGVVQPGRSLRLDCKASGITFSNSGMHWVRQAPGKGLEWVAVIWYDGSKRYYADSVKGRFTISRDNSKNTLFLQMNSLRAEDTAVYYCATNDDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号20-重鎖ニボルマブアナログ3
QVQLVESGGGVVQPGRSLRLDCKASGITFSNSGMHWVRQAPGKGLEWVAVIWYDGSKRYYADSVKGRFTISRDNSKNTLFLQMNSLRAEDTAVYYCATNDDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号21-重鎖ニボルマブアナログ4
QVQLVESGGGVVQPGRSLRLDCKASGITFSNSGMHWVRQAPGKGLEWVAVIWYDGSKRYYADSVKGRFTISRDNSKNTLFLQMNSLRAEDTAVYYCATNDDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号22-軽鎖ニボルマブ
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYDASNRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQSSNWPRTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
配列番号23-重鎖可変領域陰性対照
EVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFSNYGMHWVRQAPGKGLEWVAVISYDGSTKYSADSLKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRADDTAVYYCAKEGWSFDSSGYRSWFDSWGQGTLVT
配列番号24-軽鎖可変領域陰性対照
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSYSTPPTFGQGTKVEIK
配列番号25-重鎖モタビズマブアナログ
QVTLRESGPALVKPTQTLTLTCTFSGFSLSTAGMSVGWIRQPPGKALEWLADIWWDDKKHYNPSLKDRLTISKDTSKNQVVLKVTNMDPADTATYYCARDMIFNFYFDVWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号26-軽鎖モタビズマブアナログ
DIQMTQSPSTLSASVGDRVTITCSASSRVGYMHWYQQKPGKAPKLLIYDTSKLASGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPDDFATYYCFQGSGYPFTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
配列番号27-重鎖レラトリマブアナログ
QVQLQQWGAGLLKPSETLSLTCAVYGGSFSDYYWNWIRQPPGKGLEWIGEINHRGSTNSNPSLKSRVTLSLDTSKNQFSLKLRSVTAADTAVYYCAFGYSDYEYNWFDPWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号28-軽鎖レラトリマブアナログ
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSISSYLAWYQQKPGQAPRLLIYDASNRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQRSNWPLTFGQGTNLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
配列番号29-CH1
ASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKRV
配列番号30-CH2
APELGRGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAK
配列番号31-CH3
GQPREPQVYTDPPSREEMTKNQVSLTCEVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号32-CH2
APELGRGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAK
配列番号33-CH3
GQPREPQVYTKPPSREEMTKNQVSLKCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号34-ニボルマブアナログ重鎖可変領域
QVQLVESGGGVVQPGRSLRLDCKASGITFSNSGMHWVRQAPGKGLEWVAVIWYDGSKRYYADSVKGRFTISRDNSKNTLFLQMNSLRAEDTAVYYCATNDDYWGQGTLVTVSS
配列番号35-ニボルマブアナログ軽鎖可変領域
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYDASNRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQSSNWPRTFGQGTKVEIK
配列番号36-Kabatに従ったHCDR1
FDFWS
配列番号37-Kabatに従ったHCDR2
YIYYSGSWSLNPSFKG
配列番号38-Kabatに従ったHCDR3
GGYTGYGGDWFDP
配列番号39-Kabatに従ったHCDR1
FEFWS
配列番号40-Kabatに従ったHCDR2
YIVYSGSHSVSPSLKT
配列番号41-Kabatに従ったHCDR3
GGYTGHGGDWFDT
配列番号42-Kabatに従ったHCDR1
RFALS
配列番号43-Kabatに従ったHCDR2
WIDPNTGTPTYAQDFTG
配列番号44-Kabatに従ったHCDR3
SLGYCGSDICYPNGILDN
配列番号45-Kabatに従ったHCDR1
RFAVN
配列番号46-Kabatに従ったHCDR2
WIDPNTGTPTYAQGVTN
配列番号47-Kabatに従ったHCDR3
SLGYCSSDICYPNLIFDN
配列番号48-Kabatに従ったHCDR1
RFALH
配列番号49-Kabatに従ったHCDR2
WIDPNTGTPTFAQGVTG
配列番号50-Kabatに従ったHCDR3
SLGYCDSDICYPNWIFDN
配列番号51-Kabatに従ったHCDR1
YHFWS
配列番号52-Kabatに従ったHCDR2
YIVYSGSYNVNPSLKT
配列番号53-Kabatに従ったHCDR3
GGYTGYGGDWFDP
配列番号54-Kabatに従ったHCDR1
YHFWS
配列番号55-Kabatに従ったHCDR2
YIVYSGSYNVNPSLKT
配列番号56-Kabatに従ったHCDR3
GGYTGYGGDWFDP
配列番号57-Kabatに従ったHCDR1
RFALH
配列番号58-Kabatに従ったHCDR2
WIDPNTGTPTFAQGVTG
配列番号59-Kabatに従ったHCDR3
SLGYCDSDICYPNWIFDN
配列番号60-IMGTに従ったLCDR1
QSISSY
配列番号61-IMGTに従ったLCDR2
AAS
配列番号62-IMGTに従ったLCDR3
QQSYSTPPT
配列番号63-軽鎖可変領域-CDRはIMGTに従って太字および下線で示される
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSYSTPPITFGQGTRLEIK
配列番号64-軽鎖可変領域-CDRはIMGTに従って太字および下線で示される
EIVMTQSPATLSVSPGERATLSCRASQSVSSNLAWYQQKPGQAPRLLIYGASTRATGIPARFSGSGSGTEFTLTISSLQSEDFAVYYCQQYNNWPWTFGQGTKVEIK
配列番号65-軽鎖可変領域-CDRはIMGTに従って太字および下線で示される
EIVLTQSPGTLSLSPGERATLSCRASQSVSSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYGASSRATGIPDRFSGSGSGTDFTLTISRLEPEDFAVYYCQQYGSSPWTFGQGTKVEIK
配列番号66-軽鎖可変領域-CDRはIMGTに従って太字および下線で示される
SYVLTQPPSVSVAPGETARITCGGDNIGRKSVYWYQQKSGQAPVLVIYYDSDRPSGIPERFSGSNSGNTATLTISRVEAGDEADYYCQVWDGSSDHWVFGGGTKLTVL
配列番号67-V領域
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSYSTP
配列番号68-V領域
EIVMTQSPATLSVSPGERATLSCRASQSVSSNLAWYQQKPGQAPRLLIYGASTRATGIPARFSGSGSGTEFTLTISSLQSEDFAVYYCQQYNNWP
配列番号69-V領域
EIVLTQSPGTLSLSPGERATLSCRASQSVSSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYGASSRATGIPDRFSGSGSGTDFTLTISRLEPEDFAVYYCQQYGSSP
配列番号70-V領域
SYVLTQPPSVSVAPGETARITCGGDNIGRKSVYWYQQKSGQAPVLVIYYDSDRPSGIPERFSGSNSGNTATLTISRVEAGDEADYYCQVWDGSSDH
配列番号71-軽鎖定常領域
RTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
配列番号72-CH2
APELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYASTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAK
配列番号73-CH3
GQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号74-Kabatに従ったHCDR1
SYSWS
配列番号75-Kabatに従ったHCDR2
YIDYSGSTNYNPSLKS
配列番号76-Kabatに従ったHCDR3
DLLYKWNYVEGFDI
配列番号77-Kabatに従ったHCDR1
SYDTH
配列番号78-Kabatに従ったHCDR2
VISYDGSNKYYADSVKG
配列番号79-Kabatに従ったHCDR3
ERGWDVFDI
配列番号80-Kabatに従ったHCDR1
SYGMH
配列番号81-Kabatに従ったHCDR2
VISYHGSDKYYADSVKG
配列番号82-Kabatに従ったHCDR3
DGDNWDVFDI
配列番号83-Kabatに従ったHCDR1
TNALN
配列番号84-Kabatに従ったHCDR2
WINTHTGNPTYAQGFIG
配列番号85-Kabatに従ったHCDR3
EPNWGVYFDY
配列番号86-Kabatに従ったHCDR1
SYGIS
配列番号87-Kabatに従ったHCDR2
WISAYSGNTNYAQKLQG
配列番号88-Kabatに従ったHCDR3
DGSGWDDFDY
配列番号89-Kabatに従ったHCDR1
SYGIS
配列番号90-Kabatに従ったHCDR2
WISAYSGNTNYAQKLQG
配列番号91-Kabatに従ったHCDR3
GSILAAQMWGDI
配列番号92-Kabatに従ったHCDR1
TNALN
配列番号93-Kabatに従ったHCDR2
WINTHTGNPTYAQGFIG
配列番号94-Kabatに従ったHCDR3
EPNWGVYFDY

Claims (44)

  1. 抗ヒトPD-1結合ドメインを含む多重特異性結合部位であって、
    前記抗ヒトPD-1結合ドメインは、参照抗ヒトPD-1結合ドメインよりも、ヒトPD-1に対してより高い結合親和性を有し、
    前記参照抗ヒトPD-1結合ドメインは、
    配列番号34に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域
    および
    配列番号35に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域
    を含む、
    多重特異性結合部位。
  2. 抗ヒトPD-1結合ドメインを含む多重特異性結合部位であって、
    前記抗ヒトPD-1結合ドメインは、参照抗ヒトPD-1抗体と比較して、同等の、またはそれ以上の、PD-1へのリガンド結合を阻害する効力(potency)を与え、
    前記参照抗ヒトPD-1抗体は、
    配列番号34に示されるアミノ酸配列を有する2つの重鎖可変領域
    および
    配列番号35に示されるアミノ酸配列を有する2つの軽鎖可変領域
    を含む、
    多重特異性結合部位。
  3. 請求項1または2に記載された多重特異性結合部位であって、
    前記抗ヒトPD-1結合ドメインは、少なくとも重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含み、
    および
    前記軽鎖可変領域は、好ましくは、異なるエピトープ特異性を有する複数の重鎖と対合可能である軽鎖の、軽鎖可変領域である
    多重特異性結合部位。
  4. 請求項1または3に記載された多重特異性結合部位であって、
    前記結合親和性は、表面プラズモン共鳴により測定される
    多重特異性結合部位。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載された多重特異性結合部位であって、
    前記抗ヒトPD-1結合ドメインは、前記参照抗ヒトPD-1結合ドメインよりも、ヒトPD-1に対して少なくとも10倍高い結合親和性を有する
    多重特異性結合部位。
  6. 請求項1~4のいずれか一項に記載された多重特異性結合部位であって、
    前記抗ヒトPD-1結合ドメインは、前記参照抗ヒトPD-1結合ドメインよりも、ヒトPD-1に対して10倍高い結合親和性を有する
    多重特異性結合部位。
  7. 請求項1~6のいずれか一項に記載された多重特異性結合部位であって、
    前記抗ヒトPD-1結合ドメインは、ヒトPD-1に対して、約0.1~1.0nMの範囲の、具体的には約0.3~0.8nMの範囲の、より具体的には約0.38~0.78nMの範囲の結合親和性を有する
    多重特異性結合部位。
  8. 請求項1、および3~7のいずれか一項に記載された多重特異性結合部位であって、
    前記結合親和性は、前記抗ヒトPD-1結合ドメインおよび前記参照抗ヒトPD-1結合ドメインの両方を用いて、2価の単一特異性IgGフォーマットで測定される
    多重特異性結合部位。
  9. 請求項1、および3~7のいずれか一項に記載された多重特異性結合部位であって、
    前記結合親和性は、
    前記抗ヒトPD-1結合ドメインを用いて、2価の二重特異性IgGフォーマットで
    および
    前記参照抗ヒトPD-1結合ドメインを用いて、2価の単一特異性IgGフォーマットで
    測定される
    多重特異性結合部位。
  10. 請求項2、3、または5~9のいずれか一項に記載された多重特異性結合部位であって、
    ここでPD-1へのリガンド結合を阻害する前記効力は、PD-1/PD-L1またはPD-1/LAG-3レポーターアッセイで測定される
    多重特異性結合部位。
  11. 請求項2、3、または5~10のいずれか一項に記載された多重特異性結合部位であって、
    ここでPD-1へのリガンド結合を阻害する同等の効力とは、前記参照抗ヒトPD-1抗体のPD-1へのリガンド結合を阻害する効力の5倍の範囲内の効力であり、前記参照抗ヒトPD-1抗体のPD-1へのリガンド結合を阻害する前記効力から5、4、3、および2倍の偏差を含む
    多重特異性結合部位。
  12. 請求項1~11のいずれか一項に記載された多重特異性結合部位であって、
    前記重鎖可変領域は、以下を含み:
    a)それぞれ、配列番号36、配列番号37、および配列番号38に示されるアミノ酸配列を有する、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
    b)それぞれ、配列番号39、配列番号40、および配列番号41に示されるアミノ酸配列を有する、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
    c)それぞれ、配列番号42、配列番号43、および配列番号44に示されるアミノ酸配列を有する、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
    d)それぞれ、配列番号45、配列番号46、および配列番号47に示されるアミノ酸配列を有する、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
    e)それぞれ、配列番号48、配列番号49、および配列番号50に示されるアミノ酸配列を有する、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
    f)それぞれ、配列番号51、配列番号52、および配列番号53に示されるアミノ酸配列を有する、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
    g)それぞれ、配列番号54、配列番号55、および配列番号56に示されるアミノ酸配列を有する、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
    または
    h)それぞれ、配列番号57、配列番号58、および配列番号59に示されるアミノ酸配列を有する、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
    ここで前記HCDRの各々は、多くとも3つ、2つ、または1つのアミノ酸置換を含んでもよい;
    多重特異性結合部位。
  13. 請求項1~12のいずれか一項に記載された多重特異性結合部位であって、
    前記多重特異性結合部位は、
    配列番号1~8のいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有する、
    または
    これらに対して少なくとも80%、好ましくは85%、より好ましくは90%、または最も好ましくは95%の配列同一性を有する
    重鎖可変領域を含む
    多重特異性結合部位。
  14. 請求項3~13のいずれか一項に記載された多重特異性結合部位であって、
    前記抗ヒトPD-1結合ドメインは、CH1およびCL領域をさらに含む
    多重特異性結合部位。
  15. 抗ヒトPD-1結合ドメインを含む多重特異性結合部位であって、
    前記抗ヒトPD-1結合ドメインは、重鎖可変領域を含み、
    前記重鎖可変領域は、
    配列番号1~8からなる群からのアミノ酸配列を有する重鎖可変領域からの重鎖CDR1(HCDR1)、
    配列番号1~8からなる群からのアミノ酸配列を有する重鎖可変領域からの重鎖CDR2(HCDR2)、
    および
    配列番号1~8からなる群からのアミノ酸配列を有する重鎖可変領域からの重鎖CDR3(HCDR3)
    を含む
    多重特異性結合部位。
  16. 請求項15に記載された多重特異性結合部位であって、
    前記重鎖可変領域は、以下を含み:
    a)それぞれ、配列番号36、配列番号37、および配列番号38に示されるアミノ酸配列を有する、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
    b)それぞれ、配列番号39、配列番号40、および配列番号41に示されるアミノ酸配列を有する、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
    c)それぞれ、配列番号42、配列番号43、および配列番号44に示されるアミノ酸配列を有する、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
    d)それぞれ、配列番号45、配列番号46、および配列番号47に示されるアミノ酸配列を有する、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
    e)それぞれ、配列番号48、配列番号49、および配列番号50に示されるアミノ酸配列を有する、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
    f)それぞれ、配列番号51、配列番号52、および配列番号53に示されるアミノ酸配列を有する、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
    g)それぞれ、配列番号54、配列番号55、および配列番号56に示されるアミノ酸配列を有する、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
    または
    h)それぞれ、配列番号57、配列番号58、および配列番号59に示されるアミノ酸配列を有する、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
    ここで前記HCDRの各々は、多くとも3つ、2つ、または1つのアミノ酸置換を含んでもよい;
    多重特異性結合部位。
  17. 請求項15または16に記載された多重特異性結合部位であって、
    前記多重特異性結合部位は、
    配列番号1~8のいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有する、
    または
    これらに対して少なくとも80%、好ましくは85%、より好ましくは90%、または最も好ましくは95%の配列同一性を有する、
    重鎖可変領域を含む
    多重特異性結合部位。
  18. 請求項15~17のいずれか一項に記載された多重特異性結合部位であって、
    前記抗ヒトPD-1結合ドメインは、CH1およびCL領域をさらに含む
    多重特異性結合部位。
  19. 請求項1~18のいずれか一項に記載された多重特異性結合部位であって、
    免疫エフェクター細胞上に発現する細胞表面部位に結合する、結合ドメインをさらに含む
    多重特異性結合部位。
  20. 請求項1~19のいずれか一項に記載された多重特異性結合部位であって、
    抗ヒトLAG-3結合ドメインをさらに含む
    多重特異性結合部位。
  21. 請求項20に記載された多重特異性結合部位であって、
    前記抗ヒトLAG-3結合ドメインは、以下を含む重鎖可変領域を含み:
    a)配列番号11に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
    b)配列番号12に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
    c)配列番号13に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
    d)配列番号14に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
    e)配列番号15に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
    f)配列番号16に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
    または
    g)配列番号17に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域の、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、および重鎖CDR3(HCDR3);
    ここで前記HCDRの各々は、多くとも3つ、2つ、または1つのアミノ酸置換を含んでもよい;
    多重特異性結合部位。
  22. 請求項20または21に記載された多重特異性結合部位であって、
    前記抗ヒトLAG-3結合ドメインは、
    配列番号11~17のいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有する、
    または
    これらに対して少なくとも80%、好ましくは85%、より好ましくは90%、または最も好ましくは95%の配列同一性を有する、
    重鎖可変領域を含む
    多重特異性結合部位。
  23. 請求項20~22のいずれか一項に記載された多重特異性結合部位であって、
    前記抗ヒトLAG-3結合ドメインは、軽鎖可変領域を、好ましくは異なるエピトープ特異性を有する複数の重鎖と対合可能である軽鎖の軽鎖可変領域を、具体的には前記抗ヒトPD-1結合ドメインの軽鎖可変領域と同じ軽鎖可変領域を、さらに含む
    多重特異性結合部位。
  24. 請求項20~23のいずれか一項に記載された多重特異性結合部位であって、
    前記抗ヒトLAG-3結合ドメインは、CH1およびCL領域をさらに含む
    多重特異性結合部位。
  25. 請求項15~24のいずれか一項に記載された多重特異性結合部位であって、
    前記結合部位は、2価の単一特異性抗ヒトPD-1抗体と比較して、同等の、またはそれ以上の、PD-1へのリガンド結合を阻害する効力を有し、
    前記2価の単一特異性抗ヒトPD-1抗体は、
    配列番号34に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、
    および
    配列番号35に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域
    を含む、2つの結合ドメインを含む
    多重特異性結合部位。
  26. 請求項25に記載された多重特異性結合部位であって、
    ここでPD-1へのリガンド結合を阻害する前記効力は、PD-1/PD-L1またはPD-1/LAG-3レポーターアッセイで測定される
    多重特異性結合部位。
  27. 請求項25または26に記載された多重特異性結合部位であって、
    ここでPD-1へのリガンド結合を阻害する同等の効力とは、前記参照抗ヒトPD-1抗体のPD-1へのリガンド結合を阻害する効力の5倍の範囲内の効力であり、前記参照抗ヒトPD-1抗体のPD-1へのリガンド結合を阻害する前記効力から5~2倍の、好ましくは5、4、3、または2倍の偏差を含む
    多重特異性結合部位。
  28. 請求項1~27のいずれか一項に記載された多重特異性結合部位であって、
    前記結合部位は、ヒトPD-1への結合に対して1価である
    多重特異性結合部位。
  29. 請求項1~28のいずれか一項に記載された多重特異性結合部位の有効量と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
  30. 治療に使用するための、請求項1~28のいずれか一項に記載された多重特異性結合部位、または請求項29に記載された医薬組成物。
  31. 抑制された免疫系に関連する疾患の治療に使用するための、請求項1~28のいずれか一項に記載された多重特異性結合部位、または請求項29に記載された医薬組成物。
  32. 癌の治療に使用するための、請求項1~28のいずれか一項に記載された多重特異性結合部位、または請求項29に記載された医薬組成物。
  33. 疾患を治療するための方法であって、
    請求項1~28のいずれか一項に記載された多重特異性結合部位の有効量、または請求項29に記載された医薬組成物を、それを必要とする個体へ投与するステップを含む
    方法。
  34. 抑制された免疫系に関連する疾患を治療するための方法であって、
    請求項1~28のいずれか一項に記載された多重特異性結合部位の有効量、または請求項29に記載された医薬組成物を、それを必要とする個体へ投与するステップを含む
    方法。
  35. 癌を治療するための方法であって、
    請求項1~28のいずれか一項に記載された多重特異性結合部位の有効量、または請求項29に記載された医薬組成物を、それを必要とする個体へ投与するステップを含む
    方法。
  36. 請求項1~28のいずれか一項に規定された抗ヒトPD-1結合ドメインの前記重鎖可変領域をコードする核酸配列と、請求項21または22に規定された抗ヒトLAG-3結合ドメインの前記重鎖可変領域をコードする核酸配列とを含む、
    ベクター。
  37. 請求項36に記載されたベクターであって、
    前記ベクターは、CH1領域、および、好ましくはヒンジ、CH2およびCH3領域をコードする核酸配列をさらに含む
    ベクター。
  38. 請求項36または37に記載されたベクターであって、
    前記ベクターは、軽鎖可変領域、および好ましくはCL領域をコードする、少なくとも1の核酸配列をさらに含む
    ベクター。
  39. 請求項38に記載されたベクターであって、
    前記軽鎖可変領域は、異なるエピトープ特異性を有する複数の重鎖と対合可能である軽鎖の、軽鎖可変領域である
    ベクター。
  40. 請求項1~28のいずれか一項に規定された抗ヒトPD-1結合ドメインの前記重鎖可変領域をコードする核酸配列と、請求項21または22に規定された抗ヒトLAG-3結合ドメインの前記重鎖可変領域をコードする核酸配列とを含む、
    細胞。
  41. 請求項40に記載された細胞であって、
    前記細胞は、CH1領域、および、好ましくはヒンジ、CH2およびCH3領域をコードする核酸配列をさらに含む
    細胞。
  42. 請求項40または41に記載された細胞であって、
    前記細胞は、軽鎖可変領域、および好ましくはCL領域をコードする、少なくとも1の核酸配列をさらに含む
    細胞。
  43. 請求項1~28のいずれか一項に記載された多重特異性結合部位を産生する、細胞。
  44. 請求項43に記載された細胞であって、
    前記細胞は、組換え細胞であり、請求項36~39のいずれか一項に記載されたベクターで形質転換された
    細胞。
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