JP2024512624A - Mek阻害剤としての3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2h,7h)-ジオン - Google Patents

Mek阻害剤としての3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2h,7h)-ジオン Download PDF

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Abstract

本発明は、式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩[式中、R1、R2、R3およびR4は、本明細書で定義される通りである]に関する。本発明はさらに、そのような化合物および塩を含む医薬組成物、ならびにそれを必要とする対象におけるがんを含む異常細胞成長の処置のための方法、およびそのような化合物、塩および組成物の使用に関する。本発明はさらに、8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの固体形態に関する。【化1】TIFF2024512624000140.tif5154【図1】TIFF2024512624000141.tif90128

Description

本発明は、MEK阻害剤として作用し、患者における異常細胞成長、例えばがんの処置に有用な、新規な3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン化合物または薬学的に許容できるその塩に関する。本発明はまた、化合物を含有している医薬組成物、ならびにそれを必要とする対象における異常細胞成長、例えばがんの処置において化合物および組成物を使用する方法に関する。本発明はまた、8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの固体形態、固体形態を含有している医薬組成物、ならびにそれを必要とする対象における異常細胞成長、例えばがんの処置において固体形態およびその組成物を使用する方法に関する。
MEKキナーゼ(マイトジェン活性化タンパク質キナーゼキナーゼ(MAPKK))は、Ras-RAF-MEK-ERK細胞生存経路の重要な構成成分である。Ras経路は、成長因子、サイトカイン、およびホルモンの、それらの同族受容体への結合によって活性化される。しかし、この経路は、がん細胞においては構成的に活性化され、がん細胞の生存、細胞増殖、血管新生、および転移の増大をもたらす。経路の構成的活性化を示す腫瘍には、結腸、膵臓、乳房、脳、卵巣、肺、および皮膚の腫瘍が含まれるが、これらに限定されない。Rasの活性化(上流シグナル伝達に起因して、またはRas癌遺伝子における点変異の活性化の結果として)は、Rafキナーゼのリン酸化および活性化をもたらし、次にこれがMEK1およびMEK2(MAPKK1およびMAPKK2としても公知)をリン酸化し、活性化する。MEK1およびMEK2は、二重特異性キナーゼであり、ERK1/2キナーゼ(MAPキナーゼとも呼ばれる)をリン酸化し、活性化することによってERK1およびERK2を活性化し、これが細胞生存およびアポトーシスに関与するMcl-1、BimおよびBadなどのタンパク質をさらにリン酸化し、その機能を調節する。したがって、このリン酸化の活性化により媒介されたカスケードは、腫瘍形成表現型の開始および維持に必要な細胞増殖の増強、細胞生存、および細胞死の低減をもたらす。この経路の阻害、特にMEK活性を阻害することは、過剰増殖性疾患を処置するのに有益であることが公知である。MEK阻害剤は、BRAF V600変異黒色腫、NRAS変異黒色腫、低悪性度漿液性卵巣がん、叢状神経線維腫、甲状腺がん、および低悪性度神経膠腫を含むいくつかの設定において可変的な活性度が示されているが、KRAS変異膵臓がんまたは肺がんにおける応答は、より限られている。
脳に転移する頻度が高いがん、例えば、黒色腫および非小細胞肺がんは、MAPK経路活性化変化、例えばBRAF V600EおよびKRAS G12変異を有していることが公知である(Cancer Genome Atlas N.、Cell 2015;161:1681~96)。活性化変異は、古典的経路において様々なレベルで生じ得るが、これらはすべて、増殖および生存を増大させるために、マイトジェン/細胞外シグナル調節キナーゼ(MEK)を介するシグナル伝達を必要とする(Schubbert S、Shannon K、Bollag G.、Nat Rev Cancer.2007;7:295~308)。悪性腫瘍におけるMAPK経路、ならびにMEKの中心および下流位置の一般的な活性化では、潜在的に興味深いMEK阻害剤が頭蓋内腫瘍の処置にも使われる。
血液脳界面は、血液脳関門(BBB)を形成する大脳微小血管内皮および血液CSF関門(BCSFB)を形成する脈絡叢上皮を含む。血液脳関門(BBB)は、CNSを血液と分ける高度に選択的な、物理的な輸送および代謝バリアである。BBBは、ある特定の薬物が脳組織に入るのを防止することができ、したがって、多くの末梢投与された薬剤のCNSへの送達を制限する要因である。中枢神経系腫瘍における分子的に標的にされた多くの薬剤の有効性は、血液脳関門(BBB)への浸透によって制限され、この血液脳関門は、脳を保護する物理的障壁として働く密着結合によってつながっている内皮細胞の単層から構成されている。加えて、これらの内皮細胞は、脳から多くの抗がん剤を排除することが公知のP糖タンパク質(P-gp)および乳がん耐性タンパク質(BCRP)を含む多剤排出輸送体を発現する(OhtsukiおよびTerasaki、2007、Pharm Res 24:1745~1758;Agarwalら、2011、Pharm Res 24:1745~1758)。血液脳関門と同様に、血液CSF関門は、ほとんどの血液由来物質の脳への通過を防止するように機能し、一方では特定の物質の脳への通過を選択的に可能にし、脳代謝物および代謝産物の血液への除去を促進する。
したがって、BBBおよび/またはBCSFBに浸透し、CNSにおける腫瘍を標的にすることができる治療を含む、MEKによって媒介される腫瘍の処置のための治療が、いまだに必要とされている。
本明細書では、一つには、式Iおよび式IIの化合物、ならびに薬学的に許容できるその塩が提供される。そのような化合物は、MEKの活性を阻害し、それによって生物学的機能をもたらすことができ、MEK関連腫瘍を有している対象を処置するのに有用であり得る。また本明細書では、8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの固体形態が提供される。また、MEK関連腫瘍を有している対象を処置するのに単独でまたはさらなる抗がん治療と組み合わせて有用であり得る、本明細書で記載される式のいずれかに従う化合物、および薬学的に許容できるその塩を含む医薬組成物および医薬が提供される。また本明細書では、本明細書で記載される式のいずれかおよび薬学的に許容できるその塩に従う化合物、薬学的に許容できる塩、および医薬組成物を調製するための方法、ならびに前述のものを使用する方法が提供される。この概要は、選択された概念を、以下の詳細な説明においてさらに記載される簡素化形態に導入するために提供される。この概要は、特許請求されている主題の非常に重要な特色または必須の特色を特定することを意図するものでも、特許請求されている主題の範囲を決定する助けとして切り離して使用されることを意図するものでもない。
本発明の実施形態に従って、本明細書では、式Iの化合物
Figure 2024512624000002
または薬学的に許容できるその塩が提供される[式中、
は、H、Br、C1~C6アルキルまたはフェニルであり、
は、H、ハロゲンまたはCH-であり、
は、H、ヒドロキシC1~C6アルキル-、ヒドロキシC1~C6アルコキシ-、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシ、C3~C6シクロアルキル、または(C3~C6シクロアルキル)C1~C6アルコキシ-であり、
は、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6アルキルチオ、フルオロC1~C6アルキルチオ、フルオロC1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシ、C3~C6シクロアルキル、およびC1~C6アルキル-C(=O)-から独立に選択される1、2または3個の置換基で置換されているフェニルである]。
また本明細書では、式IIの化合物
Figure 2024512624000003
または薬学的に許容できるその塩が提供される[式中、
は、H、Br、C1~C6アルキルまたはフェニルであり、
は、H、ハロゲンまたはCH-であり、
は、H、ヒドロキシC1~C6アルキル-、ヒドロキシC1~C6アルコキシ-、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシ、C3~C6シクロアルキル、または(C3~C6シクロアルキル)C1~C6アルコキシ-であり、
およびRは、独立に、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6アルキルチオ、フルオロC1~C6アルキルチオ、フルオロC1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシ、C3~C6シクロアルキル、およびC1~C6アルキル-C(=O)-から選択される]。
一実施形態において、本明細書では、8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの固体形態が提供される。
一実施形態において、本明細書では、本明細書で記載される式のいずれかに従う化合物または薬学的に許容できるその塩、および薬学的に許容できる担体または賦形剤を含む医薬組成物が提供される。一部の実施形態において、医薬組成物は、2種以上の薬学的に許容できる担体および/または賦形剤を含む。
一実施形態において、本明細書では、本明細書で記載される式のいずれかに従う化合物または薬学的に許容できるその塩を対象に投与することを含む治療方法および使用が提供される。
一実施形態において、本明細書では、それを必要とする対象における異常細胞成長、例えば腫瘍、例えばMEK関連腫瘍の処置のための方法であって、対象に、治療有効量の本明細書で記載される式のいずれかに従う化合物または薬学的に許容できるその塩を投与することを含む方法が提供される。本明細書で記載される式のいずれかに従う化合物は、単剤として投与することができ、または1種もしくは複数の抗がん治療と組み合わせて投与することができる。
一実施形態において、本明細書では、それを必要とする対象における異常細胞成長、例えば腫瘍、例えばMEK関連腫瘍の処置のための方法であって、対象に、ある量の本明細書で記載される式のいずれかに従う化合物または薬学的に許容できるその塩を、ある量のさらなる抗がん剤と組み合わせて投与することを含み、それらの量が、前記異常細胞成長を処置するのに一緒になって有効である、方法が提供される。
一実施形態において、本明細書では、医薬として使用するための、本明細書で記載される式のいずれかに従う化合物または薬学的に許容できるその塩が提供される。
一実施形態において、本明細書では、異常細胞成長、例えば腫瘍、例えばMEK関連腫瘍の処置において使用するための、本明細書で記載される式のいずれかに従う化合物または薬学的に許容できるその塩が提供される。
一実施形態において、本明細書では、対象における異常細胞成長、例えば腫瘍、例えばMEK関連腫瘍の処置のための医薬の製造のための、本明細書で記載される式のいずれかに従う化合物または薬学的に許容できるその塩の使用が提供される。
一実施形態において、本明細書では、本明細書で記載される式のいずれかに従う化合物または薬学的に許容できるその塩、および少なくとも1種の薬学的に許容できる担体または賦形剤を含む医薬組成物が提供される。
本明細書で記載される式のいずれかに従う化合物の実施形態のそれぞれは、それが組み合わされる実施形態(複数可)と矛盾しない本明細書で記載される式のいずれかに従う化合物の他の1つまたは複数の実施形態と組み合わせることができる。
前述の概要および以下の詳細な説明は、共に、単に例示的および説明的なものであり、特許請求されている本発明を制限するものではないことが理解されるべきである。
結晶性無水8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態1の粉末X線回折パターンを示す。 結晶性無水8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態2の粉末X線回折パターンを示す。 結晶性一水和物8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態3の粉末X線回折パターンを示す。 非晶質8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態4の粉末X線回折パターンを示す。 結晶性一水和物8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態3の収着等温線を示す。
一態様では、本発明は、式Iの化合物
Figure 2024512624000004
または薬学的に許容できるその塩を提供する[式中、
は、H、Br、C1~C6アルキルまたはフェニルであり、
は、H、ハロゲンまたはCH-であり、
は、H、ヒドロキシC1~C6アルキル-、ヒドロキシC1~C6アルコキシ-、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシ、C3~C6シクロアルキル、または(C3~C6シクロアルキル)C1~C6アルコキシ-であり、
は、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6アルキルチオ、フルオロC1~C6アルキルチオ、フルオロC1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシ、C3~C6シクロアルキル、およびC1~C6アルキル-C(=O)-から独立に選択される1、2または3個の置換基で置換されているフェニルである]。
本明細書で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、置換基に言及する場合、別段指定されない限り、複数の言及対象を含む。例えば、「1つの置換基」は、1つまたは複数の置換基を含む。
本明細書で用いられる複雑な化学名について、置換基は、典型的にそれが結合する基の前に名称が置かれる。例えば、メトキシエチルは、メトキシ置換基を有しているエチル骨格を含む。
「ハロゲン」という用語は、-F(時として本明細書では「フルオロ(fluoro)」または「フルオロ(fluoros)」と呼ばれる)、-Cl、-Brおよび-Iを意味する。
「C1~C6アルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、1~6個の炭素原子の飽和の直鎖または分岐鎖の一価炭化水素ラジカルを指す。アルキル基の例として、メチル、エチル、1-プロピル、イソプロピル、1-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、2-メチル-2-プロピル、ペンチル、ネオペンチル、およびヘキシルが挙げられるが、これらに限定されない。
「ヒドロキシC1~C6アルキル-」という用語は、本明細書で使用される場合、水素原子の1個がヒドロキシ基で置き換えられている、本明細書で定義されるC1~C6アルキルラジカルを指す。
「ヒドロキシ」という用語は、-OH基を指す。
「C3~C6シクロアルキル」という用語は、3~6個の環炭素原子を有している、完全に飽和の炭素環式環を意味する。例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられる。
「フルオロC1~C6アルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、1、2または3個の水素原子が、それぞれ1、2または3個のフルオロ原子で置き換えられている、本明細書で定義されるC1~C6アルキルラジカルを指す。例として、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2-フルオロエチル、2,2-ジフルオロエチル、および2,2,2-トリフルオロエチルが挙げられるが、これらに限定されない。
「C1~C6アルコキシ」という用語は、本明細書で使用される場合、酸素原子に単結合している、本明細書で定義されるC1~C6アルキルラジカルを指し、このラジカルは、酸素原子上にある(すなわち、C1~C6-O-)。アルコキシ基の例として、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、およびイソプロポキシが挙げられるが、これらに限定されない。
「フルオロC1~C6アルコキシ」という用語は、本明細書で使用される場合、1、2または3個の水素原子が、それぞれ1、2または3個のフルオロ原子で置き換えられている、本明細書で定義されるC1~C6アルコキシを指す。例として、トリフルオロメトキシが挙げられるが、これに限定されない。
「(C3~C6シクロアルキル)C1~C6アルコキシ-」という用語は、水素原子の1個が、本明細書で定義されるC3~C6シクロアルキル基で置き換えられている、本明細書で定義されるC1~C6アルコキシ-を指す。
「C1~C6アルキルチオ」という用語は、本明細書で使用される場合、C1~C6アルキル部分が本明細書で定義される通りである、(C1~C6アルキル)S-ラジカルを指す。
「フルオロC1~C6アルキルチオ」という用語は、本明細書で使用される場合、1、2または3個の水素原子が、それぞれ1、2または3個のフルオロ原子で置き換えられている、本明細書で定義されるC1~C6アルキルチオ基を指す。
式Iの一実施形態において、Rは、Hである。
式Iの一実施形態において、Rは、Brである。
式Iの一実施形態において、Rは、C1~C6アルキルである。式Iの一実施形態において、Rは、メチルである。
式Iの一実施形態において、Rは、フェニルである。
式Iの一実施形態において、Rは、Hである。
一実施形態において、Rは、ハロゲンである。
式Iの一実施形態において、Rは、Fである。
式Iの一実施形態において、Rは、Clである。
式Iの一実施形態において、Rは、Brである。
式Iの一実施形態において、Rは、Iである。
式Iの一実施形態において、Rは、CH-である。
式Iの一実施形態において、Rは、Hであり、Rは、Hである。
式Iの一実施形態において、Rは、Hである。
式Iの一実施形態において、Rは、ヒドロキシC1~C6アルキル-である。非限定的な例として、2-ヒドロキシエチルが挙げられる。
式Iの一実施形態において、Rは、ヒドロキシC1~C6アルコキシ-である。非限定的な例として、それぞれ、構造
Figure 2024512624000005
を有する2-ヒドロキシエトキシおよび2-ヒドロキシプロポキシが挙げられる。
式Iの一実施形態において、Rは、C1~C6アルコキシである。非限定的な例として、メトキシ、エトキシ、1-メチルエトキシ、および2,2-ジメチルエトキシが挙げられる。
式Iの一実施形態において、Rは、フルオロC1~C6アルコキシである。非限定的な例として、2,2-ジフルオロエトキシが挙げられる。
式Iの一実施形態において、Rは、C3~C6シクロアルキルである。非限定的な例は、シクロプロピルである。
式Iの一実施形態において、Rは、(C3~C6シクロアルキル)C1~C6アルコキシ-である。非限定的な例は、シクロプロピルメトキシである。
式Iの一実施形態において、Rは、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、エチル、プロピル、イソプロピル、メチルチオ、ジフルオロメチルチオ、トリフルオロメチル、メトキシ、ジフルオロメトキシ、シクロプロピル、およびC1~C6アルキル-C(=O)-から独立に選択される1、2または3個の置換基で置換されているフェニルである。
式Iの一実施形態において、Rは、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6アルキルチオ、フルオロC1~C6アルキルチオ、フルオロC1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシ、C3~C6シクロアルキル、およびC1~C6アルキル-C(=O)-から独立に選択される1または2個の置換基で置換されているフェニルである。
式Iの一実施形態において、Rは、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、エチル、プロピル、イソプロピル、メチルチオ、ジフルオロメチルチオ、トリフルオロメチル、メトキシ、ジフルオロメトキシ、シクロプロピル、およびC1~C6アルキル-C(=O)-から独立に選択される1または2個の置換基で置換されているフェニルである。
式Iの一実施形態において、Rは、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6アルキルチオ、フルオロC1~C6アルキルチオ、フルオロC1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシ、C3~C6シクロアルキル、およびC1~C6アルキル-C(=O)-から選択される1個の置換基で置換されているフェニルである。
式Iの一実施形態において、Rは、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、エチル、プロピル、イソプロピル、メチルチオ、ジフルオロメチルチオ、トリフルオロメチル、メトキシ、ジフルオロメトキシ、シクロプロピル、およびC1~C6アルキル-C(=O)-から選択される1個の置換基で置換されているフェニルである。
式Iの一実施形態において、Rは、構造
Figure 2024512624000006
から選択される。
式Iの一実施形態において、Rは、
Figure 2024512624000007
である。
式Iの一実施形態において、Rは、
Figure 2024512624000008
である。
式Iの一実施形態において、Rは、構造
Figure 2024512624000009
から選択される。
式Iの一実施形態において、Rは、構造
Figure 2024512624000010
から選択される。
一実施形態において、Rは、構造
Figure 2024512624000011
を有しており、式中、RおよびRは、独立に、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6アルキルチオ、フルオロC1~C6アルキルチオ、フルオロC1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシ、C3~C6シクロアルキル、およびC1~C6アルキル-C(=O)-から選択される。一実施形態において、Rは、ハロゲンである。一実施形態において、Rは、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6アルキルチオ、またはフルオロC1~C6アルコキシである。一実施形態において、Rは、ハロゲンであり、Rは、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6アルキルチオ、またはフルオロC1~C6アルコキシである。
一実施形態において、本明細書では、式IIの化合物
Figure 2024512624000012
または薬学的に許容できるその塩が提供される[式中、
は、H、Br、C1~C6アルキルまたはフェニルであり、
は、H、ハロゲンまたはCH-であり、
は、H、ヒドロキシC1~C6アルキル-、ヒドロキシC1~C6アルコキシ-、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシ、C3~C6シクロアルキル、または(C3~C6シクロアルキル)C1~C6アルコキシ-であり、
およびRは、独立に、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6アルキルチオ、フルオロC1~C6アルキルチオ、フルオロC1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシ、C3~C6シクロアルキル、およびC1~C6アルキル-C(=O)-から選択される]。
式IIの一実施形態において、Rは、Hである。
式IIの一実施形態において、Rは、Brである。
式IIの一実施形態において、Rは、C1~C6アルキルである。式IIの一実施形態において、Rは、メチルである。
式IIの一実施形態において、Rは、フェニルである。
式IIの一実施形態において、Rは、Hである。
式IIの一実施形態において、Rは、ハロゲンである。
式IIの一実施形態において、Rは、Fである。
式IIの一実施形態において、Rは、Clである。
式IIの一実施形態において、Rは、Brである。
式IIの一実施形態において、Rは、Iである。
式IIの一実施形態において、Rは、CH-である。
式IIの一実施形態において、Rは、HまたはCH-である。
式IIの一実施形態において、Rは、Hであり、Rは、HまたはCH-である。
式IIの一実施形態において、Rは、Hであり、Rは、Hである。
式IIの一実施形態において、Rは、Hである。
式IIの一実施形態において、Rは、ヒドロキシC1~C6アルキル-である。非限定的な例として、2-ヒドロキシエチルが挙げられる。
式IIの一実施形態において、Rは、ヒドロキシC1~C6アルコキシ-である。非限定的な例として、それぞれ、構造
Figure 2024512624000013
を有する2-ヒドロキシエトキシおよび2-ヒドロキシプロポキシが挙げられる。
式IIの一実施形態において、Rは、C1~C6アルコキシである。非限定的な例として、メトキシ、エトキシ、1-メチルエトキシ、および2,2-ジメチルエトキシが挙げられる。
式IIの一実施形態において、Rは、フルオロC1~C6アルコキシである。非限定的な例として、2,2-ジフルオロエトキシが挙げられる。
式IIの一実施形態において、Rは、C3~C6シクロアルキルである。非限定的な例は、シクロプロピルである。
式IIの一実施形態において、Rは、(C3~C6シクロアルキル)C1~C6アルコキシ-である。非限定的な例は、シクロプロピルメトキシである。
式IIの一実施形態において、Rは、HまたはヒドロキシC1~C6アルコキシ-である。
式IIの一実施形態において、Rは、ハロゲンである。式IIの一実施形態において、Rは、フルオロまたはクロロである。式IIの一実施形態において、Rは、フルオロである。
式IIの一実施形態において、Rは、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、エチル、プロピル、イソプロピル、メチルチオ、ジフルオロメチルチオ、トリフルオロメチル、メトキシ、ジフルオロメトキシ、シクロプロピル、またはCHC(=O)-である。
式IIの一実施形態において、Rは、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6アルキルチオ、またはフルオロC1~C6アルコキシである。
式IIの一実施形態において、Rは、ブロモ、ヨード、エチル、メチルチオ、またはジフルオロメトキシである。式IIの一実施形態において、Rは、メチルチオである。
式IIの一実施形態において、Rは、フルオロであり、Rは、メチルチオである。
式IIの一実施形態において、Rは、ハロゲンであり、Rは、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6アルキルチオ、フルオロC1~C6アルキルチオ、フルオロC1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシ、C3~C6シクロアルキル、またはC1~C6アルキル-C(=O)-である。
式IIの一実施形態において、Rは、ハロゲンであり、Rは、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6アルキルチオ、またはフルオロC1~C6アルコキシである。
式IIの一実施形態において、Rは、ハロゲンであり、Rは、ハロゲンである。式IIの一実施形態において、Rは、ハロゲンであり、Rは、ハロゲンであり、Rは、Hであり、Rは、Hである。
式IIの一実施形態において、Rは、ハロゲンであり、Rは、C1~C6アルキルである。式IIの一実施形態において、Rは、ハロゲンであり、Rは、C1~C6アルキルであり、Rは、Hであり、Rは、Hである。
式IIの一実施形態において、Rは、ハロゲンであり、Rは、C1~C6アルキルチオである。式IIの一実施形態において、Rは、ハロゲンであり、Rは、C1~C6アルキルチオであり、Rは、Hであり、Rは、Hである。
式IIの一実施形態において、Rは、ハロゲンであり、Rは、フルオロC1~C6アルキルチオである。式IIの一実施形態において、Rは、ハロゲンであり、Rは、フルオロC1~C6アルキルチオであり、Rは、Hであり、Rは、Hである。
式IIの一実施形態において、Rは、フルオロであり、Rは、メチルチオであり、Rは、Hであり、Rは、Hである。
式IIの一実施形態において、Rは、ハロゲンであり、Rは、フルオロC1~C6アルキルである。式IIの一実施形態において、Rは、ハロゲンであり、Rは、フルオロC1~C6アルキルであり、Rは、Hであり、Rは、Hである。
式IIの一実施形態において、Rは、ハロゲンであり、Rは、C1~C6アルコキシである。式IIの一実施形態において、Rは、ハロゲンであり、Rは、C1~C6アルコキシであり、Rは、Hであり、Rは、Hである。
式IIの一実施形態において、Rは、ハロゲンであり、Rは、フルオロC1~C6アルコキシである。式IIの一実施形態において、Rは、ハロゲンであり、Rは、フルオロC1~C6アルコキシであり、Rは、Hであり、Rは、Hである。
式IIの一実施形態において、Rは、ハロゲンであり、Rは、C3~C6シクロアルキルである。式IIの一実施形態において、Rは、ハロゲンであり、Rは、C3~C6シクロアルキルであり、Rは、Hであり、Rは、Hである。
式IIの一実施形態において、Rは、ハロゲンであり、Rは、C1~C6アルキル-C(=O)-である。式IIの一実施形態において、Rは、ハロゲンであり、Rは、C1~C6アルキル-C(=O)-であり、Rは、Hであり、Rは、Hである。
式IIの一実施形態において、Rは、Hであり、Rは、HまたはCH-であり、Rは、HまたはヒドロキシC1~C6アルコキシ-であり、Rは、ハロゲンであり、Rは、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6アルキルチオ、フルオロC1~C6アルキルチオ、フルオロC1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシ、C3~C6シクロアルキル、またはC1~C6アルキル-C(=O)-である。
式IIの一実施形態において、Rは、Hであり、Rは、HまたはCH-であり、Rは、HまたはヒドロキシC1~C6アルコキシ-であり、Rは、ハロゲンであり、Rは、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6アルキルチオ、またはフルオロC1~C6アルコキシである。
式IIの上記の実施形態のいずれかの一実施形態において、基
Figure 2024512624000014
は、構造
Figure 2024512624000015
から選択される。
「化合物」という用語は、本明細書で使用される場合、図示されている構造のすべての立体異性体、幾何異性体、互変異性体、および同位体を含むことを意味する。特定の一つの互変異性型として名称または構造によって本明細書で特定されている化合物は、別段特定されない限り、他の互変異性型を含むことを意図されている。
本明細書で提供される式の化合物は、不斉炭素原子を有することができる。本発明の化合物の炭素と炭素の結合は、本明細書では、実線(
Figure 2024512624000016
)、実線くさび形(
Figure 2024512624000017
)、または点線くさび形(
Figure 2024512624000018
)を使用して図示され得る。不斉炭素原子への結合を図示するための実線の使用は、その炭素原子において可能なすべての立体異性体(例えば、特定の鏡像異性体、ラセミ混合物など)が含まれることを示すことを意味している。不斉炭素原子への結合を図示するための実線くさび形または点線くさび形のいずれかの使用は、示されている立体異性体だけが含まれることを意味することを示すことを意味している。本発明の化合物は、2個以上の不斉炭素原子を含有し得ることが可能である。それらの化合物において、不斉炭素原子への結合を図示するための実線の使用は、すべての可能な立体異性体が含まれることを意味することを示し、結合している立体中心を示すことを意味する。例えば、別段記述されない限り、本発明の化合物は、鏡像異性体およびジアステレオマーとして、またはラセミ体およびそれらの混合物として存在できることが意図されている。本発明の化合物における1つまたは複数の不斉炭素原子への結合を図示するための実線の使用、および同じ化合物における他の不斉炭素原子への結合を図示するための実線くさび形または点線くさび形の使用は、ジアステレオマー混合物が存在することを示すことを意味する。
キラル中心を有している本発明の化合物は、立体異性体、例えばラセミ体、鏡像異性体、またはジアステレオマーとして存在することができる。
本明細書の式の化合物の立体異性体には、2つ以上のタイプの異性を示す化合物を含む本発明の化合物のシスおよびトランス異性体、光学異性体、例えば(R)および(S)鏡像異性体、ジアステレオマー、幾何異性体、回転異性体、アトロプ異性体、立体構造異性体、および互変異性体、ならびにそれらの混合物(例えば、ラセミ体およびジアステレオマーの対)が含まれ得る。
対イオンが光学的に活性である酸付加塩もしくは塩基付加塩、例えば、d-乳酸塩もしくはl-リシン、またはラセミである酸付加塩もしくは塩基付加塩、例えば、dl-酒石酸塩もしくはdl-アルギニンも含まれる。
任意のラセミ体が結晶化する場合、2つの異なるタイプの結晶が可能である。第1のタイプは、両方の鏡像異性体を等モル量で含有する1つの均質な結晶形態が生じる、上述のラセミ化合物(真のラセミ体)である。第2のタイプは、単一鏡像異性体をそれぞれ含む2つの結晶形態が等モル量で生じる、ラセミ混合物または集合体である。
個々の鏡像異性体の調製/単離のための従来技術には、光学的に純粋な好適な前駆体からのキラル合成、または例えばキラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)もしくは超流動臨界クロマトグラフィー(SFC)を使用するラセミ体(または塩もしくは誘導体のラセミ体)の分割が含まれる。
代替として、ラセミ体(またはラセミ前駆体)は、光学的に活性な好適な化合物、例えばアルコールと反応させるか、または化合物が酸性もしくは塩基性部分を含有している場合には、酒石酸もしくは1-フェニルエチルアミンなどの酸もしくは塩基と反応させることができる。生じたジアステレオマー混合物は、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶化によって分離し、そのジアステレオ異性体の一方または両方を、当業者に周知の手段によって対応する純粋な鏡像異性体(複数可)に変換することができる。
本発明のキラル化合物(およびそのキラル前駆体)は、クロマトグラフィー、典型的にHPLCを、不斉樹脂上で、炭化水素、典型的に0~50%イソプロパノール、典型的に2~20%イソプロパノール、および0~5%アルキルアミン、典型的に0.1%ジエチルアミンを含有しているヘプタンまたはヘキサンからなる移動相と共に使用して、鏡像異性的に濃縮された形態で得ることができる。溶離液を濃縮すると、濃縮された混合物が得られる。
立体異性集合体は、当業者に公知の従来技術によって分離することができる。例えば、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるE L Elielによる「Stereochemistry of Organic Compounds」(Wiley、New York、1994)を参照されたい。
本明細書で記載される化合物の鏡像異性体純度は、鏡像体過剰率(ee)の単位で記載することができ、これは、試料が、一方の鏡像異性体を他方の鏡像異性体よりも多い量で含有している度合いを示す。ラセミ混合物は、0%eeを有しているが、単一の完全に純粋な鏡像異性体は、100%eeを有している。同様に、ジアステレオマー純度は、ジアステレオマー過剰(de)の単位で記載することができる。
本発明の化合物は、互変異性および構造的異性の現象を示すことができる。例えば、化合物は、エノールおよびイミンの形態、ならびにケトおよびエナミンの形態を含む、いくつかの互変異性型、ならびに幾何異性体、ならびにそれらの混合物で存在することができる。そのようなすべての互変異性型が、本発明の化合物の範囲内に含まれる。互変異性体は、溶液中では互変異性セットの混合物として存在する。固体形態では、通常、1種の互変異性体が優勢である。1種の互変異性体が記載されていることがあるとしても、本発明は、提供されている式の化合物のすべての互変異性体を含む。式Iの化合物の互変異性体は、例えば、Rが水素である場合、
Figure 2024512624000019
が生じ得る。
加えて、本発明の化合物のいくつかは、アトロプ異性体(例えば、置換ビアリール)を形成することができる。アトロプ異性体は、分子中の単結合周囲での回転が妨げられるかまたは大幅に緩徐される場合、分子の他の部分との立体相互作用の結果として生じ、単結合の両端における置換基が非対称な配座立体異性体である。アトロプ異性体の相互変換は、所定の条件下で分離および単離を可能にするのに十分緩慢である。熱的ラセミ化に対するエネルギー障壁は、キラル軸を形成する1つまたは複数の結合の自由回転に対する立体障害によって決定され得る。
本発明はまた、1個または複数の原子が、自然において通常見出される原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって置きかえられているということを除いて、提供されている式の1つにおいて列挙されているものと同一の、薬学的に許容できる同位体標識化合物を含む。
本発明の同位体標識化合物は、一般に、当業者に公知の従来技術によってまたは本明細書で記載されるものに類似の方法によって、他の場合に用いられる非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を使用して調製することができる。
本発明の化合物に組み込まれ得る同位体の例として、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素および塩素の同位体、例えば限定されるものではないが、H、H、13C、14C、15N、18O、17O、32P、35S、18Fおよび36Clが挙げられる。本発明のある特定の同位体標識化合物、例えばH、Hまたは14Cなどの放射性同位元素が組み込まれているものは、薬物または基質組織分布アッセイの一方または両方において有用である。トリチウム標識、すなわちH、および炭素14、すなわち14C同位体は、それらの調製および検出が容易であるため特に好ましい。さらに、重水素、すなわちHなどのより重い同位体による置換は、より高い代謝安定性から生じるある特定の治療上の利点、例えばインビボ半減期の増大または必要投与量の低減をもたらすことができ、したがって、いくつかの環境において好ましい場合がある。11C、18F、15Oおよび13Nなどの陽電子放出同位体による置換は、基質受容体占有率を調査するための陽電子放出断層撮影(PET)研究において有用であり得る。本発明の同位体標識化合物は、一般に、非同位体標識試薬の代わりに同位体標識試薬を使用することによって、以下のスキームならびに/または実施例および調製で開示されている手順を行うことによって調製することができる。
本発明に従う薬学的に許容できる溶媒和物には、結晶化の溶媒が同位体で置換されていてよいもの、例えば、DO、d-アセトン、d-DMSOが含まれる。
別段指定されない限り、本明細書における本発明の化合物へのすべての言及は、その塩、溶媒和物、水和物および複合物、ならびにその多形、立体異性体および同位体標識型を含むその塩の溶媒和物、水和物および複合物への言及を含む。
本発明の化合物は、例えば、本明細書において提供されている式の1つの化合物の酸付加塩および塩基付加塩などの薬学的に許容できる塩の形態で存在することができる。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容できる塩」という用語は、親化合物の生物学的効果および特性を保持している塩を指す。「薬学的に許容できる塩(複数可)」という句は、本明細書で使用される場合、別段指定されない限り、本明細書で開示される式の化合物中に存在し得る酸性または塩基性基の塩を含む。
例えば、塩基性の性質である本発明の化合物は、様々な無機および有機酸と共に多種多様な塩を形成することができる。そのような塩は、動物への投与のために薬学的に許容できるものでなくてはならないが、多くの場合、最初に、本発明の化合物を薬学的に許容されない塩として反応混合物から単離し、次に、アルカリ性試薬での処理によって後者を遊離塩基化合物に単に変換し戻し、その後、後者の遊離塩基を薬学的に許容できる酸付加塩に変換することが、実際には望ましい。本発明の塩基化合物の酸付加塩は、塩基化合物を、実質的に当量の選択された無機または有機酸で、水性溶媒媒体中、またはメタノールもしくはエタノールなどの好適な有機溶媒中で処理することによって調製することができる。溶媒を蒸発させると、所望の固体塩が得られる。所望の酸塩は、適切な無機または有機酸を溶液に添加することによって、有機溶媒中の遊離塩基の溶液から沈殿させることもできる。
酸は、非毒性の酸付加塩を形成するものなどの塩基性化合物の薬学的に許容できる酸付加塩、すなわち、薬理学的に許容できるアニオンを含有している塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、過リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、クエン酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、パントテン酸塩、酒石酸水素塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グロクロン酸塩、サッカリン酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩およびパモ酸塩を調製するために使用され得る。
塩の例として、酢酸塩、アクリル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩(例えば、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、およびメトキシ安息香酸塩)、炭酸水素塩、重硫酸塩、亜硫酸水素塩、酒石酸水素塩、ホウ酸塩、臭化物、ブチン-1,4-二酸塩、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、カプロン酸塩、カプリル酸塩、クラブラン酸塩、クエン酸塩、デカン酸塩、二塩酸塩、リン酸二水素塩、エデト酸塩、エジスリエート(edislyate)、エストレート、エシル酸塩、エチルコハク酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプチン酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキシン-1,6-二酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、γヒドロキシ酪酸塩、ヨウ化物、イソ酪酸塩、イソチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メタリン酸塩、メタンスルホン酸塩、メチル硫酸塩、リン酸一水素塩、ムチン酸塩、ナプシル酸塩、ナフタレン-1-スルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩(エンボン酸塩)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニル酪酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フタル酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、プロパンスルホン酸塩、プロピオン酸塩、プロピオール酸塩、ピロリン酸塩、ピロ硫酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、スベリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩、亜硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩および吉草酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。
好適な塩の例示的な例として、グリシンおよびアルギニンなどのアミノ酸、アンモニア、第一級、第二級および第三級アミン、ならびにピペリジン、モルホリンおよびピペラジンなどの環状アミンから誘導された有機塩、ならびにナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、銅、亜鉛、アルミニウムおよびリチウムから誘導された無機塩が挙げられる。
アミノ基などの塩基性部分を含む本発明の化合物は、上述した酸に加えて、様々なアミノ酸と共に薬学的に許容できる塩を形成することができる。
代替として、酸性の性質である有用な化合物は、様々な薬理学的に許容できるカチオンと共に塩基塩を形成することができる。そのような塩の例として、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩、特にナトリウムおよびカリウム塩が挙げられる。これらの塩は、すべて従来技術によって調製される。本発明の薬学的に許容できる塩基塩を調製するための試薬として使用される化学塩基は、本明細書における酸性化合物と共に非毒性塩基塩を形成するものである。これらの塩は、任意の好適な方法、例えば、無機または有機塩基、例えばアミン(第一級、第二級または第三級)、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物などによる遊離酸の処理によって調製され得る。これらの塩は、対応する酸性化合物を、所望の薬理学的に許容できるカチオンを含有している水溶液で処理し、次に得られた溶液を好ましくは減圧下で蒸発乾固させることによって調製することもできる。代替として、塩は、酸性化合物の低級アルカノール溶液と所望のアルカリ金属アルコキシドとを一緒に混合し、次に得られた溶液を前述と同じ方式で蒸発乾固させることによって調製することもできる。いずれの場合も、反応の完全性および所望の最終生成物の最大収率を確実にするために、好ましくは化学量論的量の試薬が用いられる。
酸性の性質である本発明の化合物の薬学的に許容できる塩基塩を調製するための試薬として使用され得る化学塩基は、そのような化合物と共に非毒性塩基塩を形成するものである。そのような非毒性塩基塩として、そのような薬理学的に許容できるカチオン、例えばアルカリ金属カチオン(例えば、カリウムおよびナトリウム)およびアルカリ土類金属カチオン(例えば、カルシウムおよびマグネシウム)、アンモニウムまたは水溶性アミン付加塩、例えばN-メチルグルカミン(メグルミン)、ならびに薬学的に許容できる有機アミンの低級アルカノールアンモニウムおよび他の塩基塩から誘導されたものが挙げられるが、これらに限定されない。
酸および塩基のヘミ塩、例えば、ヘミ硫酸塩およびヘミカルシウム塩も形成され得る。
好適な塩に関する総説については、StahlおよびWermuthによるHandbook of Pharmaceutical Salts:Properties、Selection、and Use(Wiley VCH、2002)を参照されたい。本発明の化合物の薬学的に許容できる塩を作製するための方法、ならびに塩および遊離塩基形態を相互変換する方法は、当業者に公知である。
本発明の塩は、当業者に公知の方法に従って調製することができる。本発明の化合物の薬学的に許容できる塩は、化合物の溶液と所望の酸または塩基とを、適切に一緒に混合することによって、容易に調製することができる。塩は、溶液から沈殿し、濾過によって収集することができ、または溶媒の蒸発によって回収することができる。塩におけるイオン化度は、完全なイオン化からほぼ非イオン化まで変わり得る。
塩基性官能基を有している遊離塩基形態の本発明の化合物は、化学量論的過剰の適切な酸で処理することによって酸付加塩に変換され得ることが、当業者によって理解されよう。本発明の化合物の酸付加塩は、化学量論的過剰の好適な塩基、例えば炭酸カリウムまたは水酸化ナトリウムにより、典型的に水性溶媒の存在下、約0℃~100℃の間の温度で処理することによって、対応する遊離塩基に再変換され得る。遊離塩基形態は、有機溶媒による抽出などの従来の手段によって単離され得る。加えて、本発明の化合物の酸付加塩は、塩の示差溶解度、酸の揮発度もしくは酸性度を利点することによって、または適切に充填されたイオン交換樹脂で処理することによって交換され得る。例えば、交換は、本発明の化合物の塩と、わずかな化学量論的過剰の、出発塩の酸構成成分よりも低いpKの酸との反応によって影響を受け得る。この変換は、典型的に、約0℃から手順のための媒体として使用されている溶媒の沸点の間の温度で行われる。類似の交換が、塩基付加塩を用いて、典型的に遊離塩基形態の仲介により可能である。
本発明の化合物は、非溶媒和および溶媒和形態の両方で存在することができる。溶媒または水が密接に結合している場合、複合物は、湿度とは独立な十分に定義された化学量論量を有することになる。しかし、チャネル溶媒和物および吸湿性化合物のように溶媒または水が弱く結合している場合、水/溶媒含量は、湿度および乾燥条件に依存することになる。そのような場合、非化学量論量が基準となる。「溶媒和物」という用語は、本明細書において、本発明の化合物と、1つまたは複数の薬学的に許容できる溶媒分子、例えばエタノールとを含む分子複合物を説明するために使用される。「水和物」という用語は、溶媒が水である場合に用いられる。本発明に従う薬学的に許容できる溶媒和物には、結晶化の溶媒が同位体で置換されていてよい水和物および溶媒和物、例えば、DO、d6-アセトン、d6-DMSOが含まれる。
本発明はまた、本明細書で提供される式の化合物のプロドラッグに関する。したがって、それ自体は薬理活性をほとんどまたは全く有することができない本発明の化合物のある特定の誘導体は、患者に投与されると、例えば加水分解切断によって本発明の化合物に変換することができる。そのような誘導体は「プロドラッグ」と呼ばれる。プロドラッグの使用に関するさらなる情報は、「Prodrugs as Novel Delivery Systems、Vol.14、ACS Symposium Series(T HiguchiおよびW Stella);「Bioreversible Carriers in Drug Design」、Pergamon Press、1987(E B Roche編、American Pharmaceutical Association);Guarino,V.R;Stella,V.J.:Biotech Pharm.Aspects 2007 5(Pt2)133~187;およびJ.Rautioら、Nature Reviews Drug Discovery、17、559~587(2018)に見出すことができ、それらの開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
本発明に従うプロドラッグは、例えば、本発明の化合物に存在する適切な官能基を、例えば、H Bundgaardによる「Design of Prodrugs」(Elsevier、1985)に記載されている「プロ部分」として当業者に公知のある特定の部分で置き換えることによって生成することができ、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本発明に従うプロドラッグのいくつかの非限定的な例として、
(i)化合物がカルボン酸官能基(-COOH)を含有している場合、そのエステル、例えば(C1~C6)アルキルによる水素の置換え、
(ii)化合物がアルコール官能基(-OH)を含有している場合、そのエーテル、例えば、(C1~C6)アルカノイルオキシメチルまたはホスフェートエーテル基による水素の置換え、および
(iii)化合物が第一級または第二級アミノ官能基(NHまたはNHR、ここでRはHではない)を含有している場合、そのアミド、例えば、アミド、カルバメート、ウレア、ホスホネート、スルホネートなどの好適には代謝的に不安定な基による、一方または両方の水素の置換え
が挙げられる。
前述の例および他のプロドラッグタイプの例に従う置換え基のさらなる例は、前述の参考文献に見出され得る。
最後に、ある特定の本発明の化合物は、それ自体が他の本発明の化合物のプロドラッグとして作用することができる。
本発明の範囲内には、本明細書で記載される式の化合物の代謝産物、すなわち薬物を投与すると、多くの場合は酸化または脱アルキル化によってインビボで形成される化合物も含まれる。本発明に従う代謝産物のいくつかの例として、
(i)本発明の化合物がアルキル基を含有している場合、そのヒドロキシアルキル誘導体(-CH→-COH)、
(ii)本発明の化合物がアルコキシ基を含有している場合、そのヒドロキシ誘導体(-OR→-OH)、
(iii)本発明の化合物が第三級アミノ基を含有している場合、その第二級アミノ誘導体(-NRR’→-NHRまたは-NHR’)、
(iv)本発明の化合物が第二級アミノ基を含有している場合、その第一級誘導体(-NHR→-NH)、
(v)本発明の化合物がフェニル部分を含有している場合、そのフェノール誘導体(-Ph→-PhOH)、
(vi)本発明の化合物がアミド基を含有している場合、そのカルボン酸誘導体(-CONH→COOH)、および
(vii)化合物がヒドロキシまたはカルボン酸基を含有している場合、化合物は、例えばグルクロン酸とのコンジュゲーションにより代謝されて、グルクロニドを形成することができる
が挙げられるが、これらに限定されない。コンジュゲートによる代謝の他の経路が存在する。これらの経路は、多くの場合、第2相代謝として公知であり、それには、例えば硫酸化またはアセチル化が含まれる。NH基などの他の官能基も、コンジュゲーションを受け得る。
一実施形態において、本明細書では、8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの固体形態が提供される。一実施形態において、固体形態は、結晶形態である。一実施形態において、固体形態は、非晶質形態である。
「結晶性」という用語は、本明細書で使用される場合、分子または外部面平面の規則的に繰り返す配置を有していることを意味する。単一化合物は、様々な結晶形態を生じることができ、ここで各形態は、異なる別個の固体状態の物理的特性、例えば異なる溶解度プロファイル、溶解速度、融点温度、流動性、および/または異なるX線回折ピークを有している。物理的特性の差異は、薬学的パラメータ、例えば保存安定性、圧縮性および密度(製剤および製品の製造において重要となり得る)、ならびに溶解速度(バイオアベイラビリティにおいて重要な因子となり得る)に影響を及ぼし得る。
「非晶質」という用語は、材料が、分子レベルで長距離秩序を欠いており、温度に応じて固体または液体の物理的特性を示し得る状態を示す。典型的に、そのような材料は、特有のX線回折パターンを与えず、固体の特性を示していても、より形式的には液体として説明される。加熱すると固体の特性から液体の特性への変化が生じ、この変化は、典型的に二次的な状態変化(「ガラス転移」)によって特徴付けられる。
固体化学の当業者が固体形態を分析するために使用することができるいくつかの分析方法がある。粉末X線回折(PXRD)も、混合物中の1種の結晶性固体形態(または複数の形態)の量を定量化するのに適していることがある。粉末X線回折では、X線が結晶粉末に向けられ、回折されたX線の強度が、X線源と試料により回折されたビームとの間の角度の関数として測定される。これらの回折されたX線の強度は、グラフ上にピークとしてプロットすることができ、そのx軸は、X線源と回折されたX線との間の角度(これは「2シータ」角度として公知である)であり、y軸は、回折されたX線の強度である。このグラフは、粉末X線回折パターンまたは粉末パターンと呼ばれる。x軸上でのピークの場所は、結晶の固体構造の特性なので、異なる結晶性固体形態が異なる粉末パターンを示す。
当業者は、粉末パターンのピークの2シータx軸値の典型的な精度が、およそプラスまたはマイナス0.2度2シータ(±0.2度2シータ)であることを認識されよう。したがって、例えば、「約18.0度2シータ」において現れる回折ピークとは、そのピークが18.0±0.2度2シータで出現すること、すなわちほとんどの条件下でほとんどのX線回折計で測定された場合に、17.8度2シータ~18.2度2シータの間にあり得ることを意味する。さらに当業者は、相対ピーク強度が、装置間の変動、ならびに結晶度、好ましい配向度、調製された試料表面および当業者に公知の他の因子に起因する変動を示し、単に定性的方策と解釈されるべきであることを認識されよう。したがって、本明細書で使用される場合、粉末X線回折ピーク位置に言及する「本質的に同じ」という用語は、ピーク位置および強度の典型的な変動度が、およそ±0.2度2シータであることを意味する。
粉末X線回折は、結晶性固体形態を特徴付ける、および/または特定するために使用され得るいくつかの分析技術の単に1つにすぎない。結晶性固体形態を特徴付ける、および/または特定するために、分光学的技術、例えばラマン(顕微ラマンを含む)、赤外、および固体NMR分光法が使用され得る。これらの技術は、混合物中の1種または複数の結晶性固体形態の量を定量化するために使用することもでき、ピーク値は、ピーク値の前に「約」という修飾語を伴って報告することもできる。
「無水」という用語は、本明細書で使用される場合、結晶格子中にいかなる溶媒または水分子も含まない結晶形態を指す。
「水和物」という用語は、化合物および化学量論または非化学量論量の水を含む溶媒和物を指す。「一水和物」という用語は、化合物分子1個当たり水分子1個(すなわち、1:1の化学量論量の水と化合物)を含む水和物を指す。
一実施形態において、本発明は、結晶性無水8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態1を提供する。
一実施形態において、結晶性無水8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態1は、粉末X線回折(PXRD)(2シータ)によって特徴付けられる。
表Xは、結晶性無水8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態1についてのPXRDピークリストを度2シータ(±0.2度2シータ)で提供する。
Figure 2024512624000020
一実施形態において、本発明は、5.0、8.7、9.3、10.8、14.5、15.3、18.8および20.5度2シータ(±0.2度2シータ)における特徴的なピークを含むPXRDパターンを有している、結晶性無水8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態1を提供する。
一実施形態において、本発明は、図1に示されるものと本質的に同じ2シータ値におけるピークを含むPXRDパターンを有している、結晶性無水8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態1を提供する。
一実施形態において、本発明は、結晶性無水8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態2を提供する。
一実施形態において、結晶性無水8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態2は、粉末X線回折(PXRD)(2シータ)によって特徴付けられる。一実施形態において、結晶性無水8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態2のPXRD分析は、例えば実施例77に記載されている通り、25℃および10%を下回る相対湿度で実施される。
表Yは、結晶性無水8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態2についてのPXRDピークリストを度2シータ(±0.2度2シータ)で提供する。
Figure 2024512624000021
一実施形態において、本発明は、7.1、9.4、12.4、12.8、14.3、15.6、16.4、17.4、18.5、18.9、19.5、19.9、21.1、21.4、23.2、23.7、24.8、25.6、27.6、30.3、33.2、33.5、および37.5度2シータ(±0.2度2シータ)における特徴的なピークを含むPXRDパターンを有している、結晶性無水8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態2を提供する。
一実施形態において、本発明は、図2に示されるものと本質的に同じ2シータ値におけるピークを含むPXRDパターンを有している、結晶性無水8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態2を提供する。
一実施形態において、本発明は、結晶性一水和物8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態3を提供する。
一実施形態において、結晶性一水和物8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態3は、粉末X線回折(PXRD)(2シータ)によって特徴付けられる。一実施形態において、結晶性一水和物8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態3のPXRD分析は、25℃でおよび30%を上回る相対湿度で実施される。
表Zは、結晶性一水和物8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態3についてのPXRDピークリストを度2シータ(±0.2度2シータ)で提供する。
Figure 2024512624000022
一実施形態において、本発明は、13.7、18.0および18.3度2シータ(±0.2度2シータ)における特徴的なピークを含むPXRDパターンを有している、結晶性一水和物8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態3を提供する。
一実施形態において、本発明は、6.9、9.1、13.7、18.0および18.3度2シータ(±0.2度2シータ)における特徴的なピークを含むPXRDパターンを有している、結晶性一水和物8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態3を提供する。
一実施形態において、本発明は、6.9、9.1、11.8、12.0、13.7、14.0、15.2、15.8、18.0、18.3、19.0、19.3、20.2、20.9、21.6、22.6、23.6、24.0、24.9、25.2、25.8、27.5、28.1、28.4、29.8、30.9、31.7、32.3および36.5度2シータ(±0.2度2シータ)における特徴的なピークを含むPXRDパターンを有している、結晶性一水和物8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態3を提供する。
一実施形態において、本発明は、図3に示されるものと本質的に同じ2シータ値におけるピークを含むPXRDパターンを有している、結晶性一水和物8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態3を提供する。
一実施形態において、本発明は、非晶質8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態4を提供する。
一実施形態において、非晶質8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態4は、粉末X線回折(PXRD)(2シータ)によって特徴付けられる。
一実施形態において、本発明は、図4に示されるものと本質的に同じ2シータ値におけるピークを含むPXRDパターンを有している、非晶質8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態4を提供する。
本発明はさらに、本発明の化合物または薬学的に許容できるその塩を、単独で、または他の治療剤もしくは緩和剤と組み合わせて投与することを含む治療方法および使用を提供する。
式Iおよび式IIの化合物、ならびに薬学的に許容できるその塩は、MEKキナーゼ阻害剤で処置することができる疾患および障害、例えばMEK関連疾患および障害を処置するのに有用であり、例えば、異常細胞成長、例えば腫瘍、例えばMEK関連腫瘍の処置に有用である。式Iおよび式IIの化合物、ならびに薬学的に許容できるその塩がMEK阻害剤として作用する能力は、実施例Aに記載されるアッセイによって実証され得る。IC50値は、表Aに示されている。
したがって、一実施形態において、本明細書では、腫瘍を処置する方法であって、それを必要とする対象に、治療有効量の式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩を投与することを含む方法が提供される。一実施形態において、腫瘍は、MEK関連腫瘍である。
本明細書で使用される場合、「MEKキナーゼ阻害剤」および「MEK阻害剤」という用語は、交換可能に使用され、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼキナーゼ酵素MEK1および/またはMEK2を阻害する化合物を指す。
「MEK関連」および「MEK媒介性」という用語は、交換可能に使用され、MEK阻害剤で処置することができるMEKキナーゼの構成的活性化を有している疾患または障害を指す。例として、MEK関連異常細胞成長、例えば、MEK関連腫瘍、例えばMEK関連がんが挙げられる。一実施形態において、「MEK関連」という用語は、MEKキナーゼの発現もしくは活性の調節不全、またはBRAF遺伝子もしくはBRAFキナーゼの調節不全を有している疾患または障害を指す。
「MEKキナーゼの発現または活性の調節不全」という句は、MEKタンパク質の過剰発現をもたらす遺伝子増幅、または細胞におけるMEK遺伝子の過剰発現から生じる自己分泌活性を指し、これは、細胞におけるMEKタンパク質のキナーゼドメイン(例えば、MEKタンパク質の構成的に活性なキナーゼドメイン)の活性の病原性増大をもたらす。
「BRAF遺伝子またはBRAFキナーゼの調節不全」という句は、遺伝的変異(例えば、融合タンパク質の発現をもたらすBRAF遺伝子転座、野生型BRAFタンパク質と比較して少なくとも1つのアミノ酸の欠失を含むBRAFタンパク質の発現をもたらすBRAF遺伝子の欠失、または野生型BRAFタンパク質と比較して1つもしくは複数の点変異を有するBRAFタンパク質の発現をもたらすBRAF遺伝子の変異)を指す。別の例として、BRAF遺伝子、BRAFタンパク質、またはそのいずれかの発現もしくは活性、もしくはレベルの調節不全は、変異を含まないBRAF遺伝子によってコードされたタンパク質と比較して、構成的に活性であるか、または増大した活性を有しているBRAFタンパク質をコードするBRAF遺伝子の変異であってよい。例えば、BRAF遺伝子、BRAFタンパク質、またはそのいずれかの発現もしくは活性、もしくはレベルの調節不全は、機能的キナーゼドメインを含むBRAFの第1の部分と、パートナータンパク質(すなわち、BRAFではない)の第2の部分とを含有している融合タンパク質の発現をもたらす遺伝子または染色体転座の結果であってよい。
一実施形態において、MEK関連疾患または障害は、活性化BRAF変異を有している。一実施形態において、MEK関連疾患または障害は、活性化BRAF変異を有しているMEK関連がんである。BRAF変異の非限定的な例として、BRAF V600変異、例えばV600E、V600D、V600K、V600RおよびV600Sが挙げられる。一実施形態において、BRAF変異は、V600E変異である。一実施形態において、BRAF変異は、V600K変異である。
一実施形態において、MEK関連疾患または障害は、KIAA11549-BRAF、MKRN1-BRAF、TRIM24-BRAF、AGAP3-BRAF、ZC3HAV1-BRAF、AKAP9-BRAF、CCDC6-BRAF、AGK-BRAF、EPS15-BRAF、NUP214-BRAF、ARMC10-BRAF、BTF3L4-BRAF、GHR-BRAF、ZC3HAV1-BRAF、ZNF767-BRAF、CCDC91-BRAF、DYNC112-BRAF、ZKSCAN1-BRAF、GTF2I-BRAF、MZT1-BRAF、RAD18-BRAF、CUX1-BRAF、SLC12A7-BRAF、MYRIP-BRAF、SND1-BRAF、NUB1-BRAF、KLHL7-BRAF、TANK-BRAF、RBMS3-BRAF、STRN3-BRAF、STK35-BRAF、ETFA-BRAF、SVOPL-BRAF、JHDM1D-BRAF、またはBCAP29-BRAFを含むがこれらに限定されない、構成的キナーゼ活性化および変換をもたらす1つまたは複数のBRAF融合を有しているMEK関連腫瘍である。
一実施形態において、MEK関連疾患または障害は、BRAF融合タンパク質を有しているMEK関連腫瘍であり、腫瘍は、乳癌(例えば、侵襲性乳管癌)結腸直腸癌(例えば、結腸腺癌)、食道癌(例えば、食道腺癌)、神経膠腫(例えば、脳の線維形成性乳児神経節膠腫、脳の毛様細胞性星細胞腫、脳の多形性黄色星状細胞腫、脊髄の低悪性度神経膠腫(NOS)、退形成乏突起膠腫、退形成神経節膠腫)、頭部および頸部の癌腫(例えば、頭部および頸部の神経内分泌癌)、肺癌(例えば、肺腺癌、非小細胞肺がん(NOS))、黒色腫(例えば、スピッツ様皮膚黒色腫、非スピッツ様粘膜黒色腫、スピッツ様皮膚黒色腫、原発不明黒色腫、非スピッツ様皮膚黒色腫)、膵癌(例えば、腺癌、膵腺房細胞癌)、前立腺癌(例えば、前立腺腺房腺癌)、肉腫(悪性固形線維腫)、甲状腺癌(甲状腺乳頭状癌)、原発不明癌(例えば、原発不明腺癌)、胸膜中皮腫、直腸腺癌、子宮内膜癌(例えば、子宮内膜腺癌(NOS))または卵巣漿液性癌である。
一実施形態において、MEK関連がんは、表1に記載されているBRAF融合タンパク質を有しているがんから選択される(J.S.Rossら、Int、J.Cancer:138、881~890(2016))。
Figure 2024512624000023
Figure 2024512624000024
一実施形態において、MEK関連腫瘍は、BRAF野生型腫瘍である。
「野生型」という用語は、参照核酸またはタンパク質に関する疾患または障害を有していない対象において典型的に見出される核酸(例えば、BRAF遺伝子またはBRAF mRNA)を説明する。
「野生型BRAF」という用語は、活性化BRAF変異を有していない対象において見出されるBRAF核酸(例えば、BRAF遺伝子またはBRAF mRNA)またはBRAFタンパク質を説明する。
「異常細胞成長」は、本明細書で使用される場合、別段指定されない限り、正常な調節機序とは独立な細胞成長(例えば、接触阻止の喪失)、例えば腫瘍を指す。異常細胞成長は、良性(非がん性)、または悪性(がん性)であり得る。
「がん」または「がん性」という用語は、異常細胞成長によって引き起こされた任意の悪性および/または侵襲性の成長または腫瘍を指す。がんには、身体の特定の部位において始まる原発性がん、がんが開始した場所から身体の他の部分に拡大した転移性がん、軽快後の元の原発性がんからの再発、および二次原発性がんとは異なるタイプの過去のがんの病歴を有している患者における新しい原発性がんである二次原発性がんが含まれる。がんには、それらを形成する細胞型にちなんで命名された固形腫瘍、血液、骨髄、またはリンパ系のがんが含まれる。固形腫瘍は、通常は嚢胞または液体領域を含有していない組織の異常成長または腫瘤である。固形腫瘍の例は、肉腫、癌腫、およびリンパ腫である。白血病(血液のがん)は、一般に、固形腫瘍を形成しない(米国国立がん研究所、がん用語の辞書)。
本明細書で使用される場合、「処置する」または「処置」という用語は、治療的または緩和的方策を指す。有益なまたは所望の臨床結果には、検出可能であれ検出不可能であれ、疾患または障害または状態と関連する症状の全体的または部分的な軽減、疾患の程度の低下、疾患の安定化(すなわち、悪化していない)状態、疾患進行の遅延または緩徐、病状(例えば、疾患の1つまたは複数の症状)の寛解または緩和、および軽快(部分的であれ全体的であれ)が含まれるが、これらに限定されない。
がんを「処置する」または「処置すること」という用語は、本明細書で使用される場合、がんを有しているかまたはがんと診断された対象に本発明の化合物を投与して、少なくとも1つのプラスの治療効果、例えば、がん細胞の数の低減、腫瘍サイズの低減、周辺臓器へのがん細胞の浸潤速度の低減、または腫瘍転移もしくは腫瘍成長の速度の低減などを達成すること、そのような用語が適用される障害もしくは状態、またはそのような障害もしくは状態の1つもしくは複数の症状を好転させる、軽減するまたはそのプロセスを阻害することを意味する。「処置」という用語は、本明細書で使用される場合、別段指定されない限り、直前に定義されている「処置すること」として処置する行為を指す。「処置すること」という用語は、対象のアジュバントおよびネオアジュバント処置も含む。
本発明の目的では、有益なまたは所望の臨床結果には、以下の1つまたは複数が含まれるがそれらに限定されない。新生物もしくはがん性細胞の増殖の低減(もしくは破壊);転移もしくは新生物細胞の阻害;腫瘍サイズの縮小もしくは低下;対象の軽快期間の延長(例えば、処置を受けていないもしくは異なる処置を受けている類似のがんを有している対象における1つもしくは複数の測定基準(複数可)と比較して、または処置前の同じ対象における1つもしくは複数の測定基準(複数可)と比較して);がんから生じる症状の低減;がんに罹患している患者の生活の質の向上;がんを処置するのに必要な他の医薬の用量の低減;がんの進行の遅延;がんの治癒;がんの1つもしくは複数の耐性機序の克服;および/またはがんを有している患者の生存期間の延長。がんにおけるプラスの治療効果は、いくつかのやり方で測定することができる(W.A.Weber、Assessing tumor response to therapy、J.Nucl.Med.50 Suppl.1:1S~10S(2009))。例えば、腫瘍成長阻害(T/C)に関して、米国国立がん研究所(NCI)規格によれば、42%以下のT/Cは、最小限の抗腫瘍活性レベルである。<10%のT/Cは、高い抗腫瘍活性レベルとみなされ、T/C(%)=処置された腫瘍体積の中央値/対照の腫瘍体積の中央値×100である。
一実施形態において、本発明の化合物の投与によって達成された処置は、以下のいずれかに言及することによって定義される。部分奏効(PR)、完全奏効(CR)、全奏効(OR)、無増悪生存期間(PFS)、無病生存期間(DFS)および全生存期間(OS)。PFSは、「腫瘍進行までの時間」とも呼ばれ、処置中および処置後にがんが成長しない時間の長さを示し、患者がCRまたはPRを経験した時間の長さ、および患者が安定疾患(SD)を経験した時間の長さを含む。DFSは、処置中および処置後に患者が無病のままでいる時間の長さを指す。OSは、無処置または未処置の対象または患者と比較した平均余命の延長を指す。一実施形態において、本発明の化合物を用いる処置への応答は、PR、CR、OR、PFS、DFS、またはOSのいずれかであり、これは固形腫瘍(RECIST)1.1応答基準における応答評価基準を使用して評定される。
がん患者を処置するのに有効な本発明の化合物のための処置レジメンは、患者の病状、年齢および体重、ならびに対象において抗がん応答を引き出す治療の能力などの因子に従って変わり得る。本発明の態様のいずれかの実施形態は、すべての対象においてプラスの治療効果を達成するのに有効となり得るわけではないが、当技術分野で公知の任意の統計検定、例えばスチューデントt検定、カイ二乗検定 マン・ホイットニーによるU検定、クラスカル・ウォリス検定(H検定)、ヨンクヒール・タプストラ検定およびウィルコクソン検定によって決定される統計的に有意な数の対象においては実際に達成するはずである。
「処置レジメン」、「投与プロトコール」および「投与レジメン」という用語は、単独のまたは別の治療剤との組合せの本発明の化合物の用量および投与のタイミングを指すために、交換可能に使用される。
「寛解させること」とは、本明細書で記載される組合せを投与しない場合と比較して、その組合せで処置すると1つまたは複数の症状が低減することまたは改善することを意味する。「寛解させること」は、症状の持続時間を短縮することまたは低減することも含む。
本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、哺乳動物を含む任意の動物、例えばヒトを指す。一実施形態において、対象は、処置および/または防止されることになる疾患または障害の少なくとも1つ症状を経験していたおよび/または示していた。一実施形態において、対象は、MEK関連腫瘍を有すると特定または診断されていた(例えば、規制当局承認の、例えば、FDA承認のアッセイまたはキットを使用して決定される)。一実施形態において、対象は、BRAF変異について陽性であるMEK関連腫瘍を有している(例えば、規制当局承認のアッセイまたはキットを使用して決定される)。対象は、腫瘍がMEK変異を有している対象であってよい(例えば、腫瘍が、規制当局承認の、例えば、FDA承認のキットまたはアッセイを使用してそれ自体特定される場合)。一実施形態において、対象は、MEK関連腫瘍を有していると疑われる。一実施形態において、対象は、対象がBRAF変異を有するMEK関連腫瘍を有していることを示す臨床記録を有している(臨床記録は、対象が本明細書で提供される組成物のいずれかで処置されるべきであることを示していてもよい)。一実施形態において、対象は、ヒトである。一実施形態において、ヒト対象は、小児対象である。
「小児対象」という用語は、本明細書で使用される場合、診断または処置時に21歳未満の対象を指す。「小児」という用語は、以下を含む様々な亜集団にさらに分けることができる。新生児(出生から生後1カ月まで)、乳児(1カ月~2歳まで)、子ども(2歳~12歳まで)、および青年(12歳~21歳まで(22歳の誕生日までであるが、その日は含まない))。Berhman RE、Kliegman R、Arvin AM、Nelson WE、Nelson Textbook of Pediatrics、第15版、Philadelphia:W.B.Saunders Company、1996;Rudolph AMら、Rudolph’s Pediatrics、第21版、New York:McGraw-Hill、2002;およびAvery MD、First LR.Pediatric Medicine、第2版、Baltimore:Williams&Wilkins;1994。一実施形態において、小児対象は、出生から生後28日まで、生後29日~2歳未満まで、2歳~12歳未満まで、または12歳~21歳まで(22歳の誕生日までであるが、その日は含まない)である。一実施形態において、小児対象は、出生から生後28日まで、生後29日~1歳未満、1カ月~4カ月未満、3カ月~7カ月未満、6カ月~1歳未満、1歳~2歳未満、2歳~3歳未満、2歳~7歳未満、3歳~5歳未満、5歳~10歳未満、6歳~13歳未満、10歳~15歳未満、または15歳~22歳未満である。
一実施形態において、本明細書では、腫瘍を処置する方法であって、それを必要とする対象に、治療有効量の式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩を投与することを含む方法が提供される。一実施形態において、腫瘍は、MEK関連腫瘍である。一実施形態において、MEK関連腫瘍は、BRAF変異を有している。一実施形態において、BRAF変異は、V600Eおよび/またはV600Kおよび/またはV600Dおよび/またはV600Rおよび/またはV600Sである。一実施形態において、BRAF変異は、V600Eである。一実施形態において、BRAF変異は、V600Kである。一実施形態において、MEK関連腫瘍は、BRAF融合、例えば、本明細書で開示されるBRAF融合を有している。一実施形態において、MEK関連腫瘍は、BRAF野生型腫瘍である。
本明細書で記載される使用方法のいずれかの一実施形態において、腫瘍は、固形腫瘍である。本明細書で開示される方法のいずれかの一実施形態において、固形腫瘍は、MEK関連腫瘍である。一実施形態において、腫瘍は、頭蓋内である。一実施形態において、腫瘍は、頭蓋外である。本明細書で記載される方法のいずれかの一実施形態において、腫瘍(例えば、MEK関連腫瘍)は、悪性腫瘍(すなわち、がん)例えば、MEK関連がんである。本明細書で記載される使用方法のいずれかの一実施形態において、MEK関連がんは、黒色腫、結腸がん、結腸直腸がん、肺がん(例えば、小細胞肺癌または非小細胞肺癌)、甲状腺がん(例えば、乳頭状甲状腺がん、髄様甲状腺がん、分化甲状腺がん、再発甲状腺がん、または難治性分化甲状腺がん)、乳がん、卵巣がん、CNSのがん、骨がん、肛門、肛門管もしくは肛門直腸のがん、目のがん、胆管がん、非浸潤性乳管癌、肝臓がん、胆嚢もしくは胸膜のがん、口のがん、口腔がん、口唇がん、口腔咽頭がん、鼻、鼻腔もしくは中耳のがん、外陰部のがん、食道がん、子宮頸がん、消化管カルチノイド腫瘍、下咽頭がん、腎臓がん、喉頭がん、肝臓がん、肺がん、黒色腫、鼻咽頭がん、末梢神経系がん(例えば、神経芽細胞腫)、卵巣がん、膵臓がん、腹膜、網および腸間膜のがん、咽頭がん、前立腺がん、腎がん(例えば、腎細胞癌(RCC))、小腸がん、軟部組織がん、胃がん、精巣がん、子宮がん、尿管がん、または膀胱がんである。
本明細書で記載される使用方法のいずれかの一実施形態において、MEK関連がんは、頭蓋外がん(すなわち、頭蓋外腫瘍)である。一実施形態において、頭蓋外がんは、黒色腫、結腸直腸がん、甲状腺がん、非小細胞肺がん、卵巣がん、および神経芽細胞腫から選択される。一実施形態において、MEK関連がんは、黒色腫である。一実施形態において、MEK関連がんは、結腸直腸がんである。一実施形態において、MEK関連がんは、甲状腺がんである。一実施形態において、MEK関連がんは、非小細胞肺がんである。一実施形態において、MEK関連がんは、卵巣がんである。一実施形態において、MEK関連がんは、神経芽細胞腫である。
本明細書で記載される使用方法のいずれかの一実施形態において、MEK関連がんは、CNSがんである。
本明細書で記載される使用方法のいずれかの一実施形態において、MEK関連がんは、頭蓋内がん(脳腫瘍)である。
本明細書で記載される使用方法のいずれかの一実施形態において、がんは、転移性がんである。
「転移」という用語は、がん細胞が最初に形成した場所(原発部位)から対象における他の1つまたは複数の部位(1つまたは複数の二次部位)に拡大することを指す、当技術分野で公知の用語である。転移において、がん細胞は、元の(一次)腫瘍から抜け出し、血液またはリンパ系を介して移動し、身体の他の臓器または組織において新しい腫瘍(転移性腫瘍)を形成する。新しい転移性腫瘍は、原発性腫瘍と同じまたは類似のがん細胞を含む。二次部位において腫瘍細胞は増殖し、この遠位部位で二次腫瘍の成長または定着を始め得る。
「転移性がん」(「二次がん」としても公知)という用語は、本明細書で使用される場合、ある組織タイプにおいて始まるが、次に(一次)がんの起源から外側の1つまたは複数の組織に拡大するタイプのがんを指す。転移性脳腫瘍は、脳内のがん、すなわち脳以外の組織において始まり、脳に転移したがんを指す。
一実施形態において、式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩および式IIの化合物または薬学的に許容できるその塩は、脳および/またはCNSへの驚くべき浸透度を示す。そのような化合物は、BBBを横断し、脳および/または他のCNS構造においてMEKキナーゼを阻害することができる。したがって、一実施形態において、本明細書で提供される化合物は、CNS腫瘍、例えばCNSがんを処置するのに有用である。
一実施形態において、MEK関連腫瘍は、悪性CNS腫瘍(すなわち、MEK関連CNSがん)である。一実施形態において、MEK関連CNSがんは、BRAF変異を有している。一実施形態において、MEK関連CNSがんは、BRAF V600変異を有している。一実施形態において、BRAF変異は、V600Eおよび/またはV600Kおよび/またはV600Dおよび/またはV600Rおよび/またはV600Sである。一実施形態において、MEK関連CNSがんは、BRAF V600E変異を有している。一実施形態において、MEK関連CNSがんは、BRAF V600K変異を有している。一実施形態において、MEK関連腫瘍は、BRAF融合を有している。一実施形態において、MEK関連腫瘍は、BRAF野生型腫瘍である。
本明細書で交換可能に使用される「CNSがん」または「CNSのがん」という用語は、脳のがん(頭蓋内腫瘍としても公知)、脊髄のがん、ならびに脳および脊髄を取り囲む髄膜のがんを含む、CNSのがん(すなわち、悪性腫瘍)を指す。脳のがんには、転移性脳腫瘍(すなわち、転移性頭蓋内がん)および悪性原発性脳腫瘍が含まれる。
一実施形態において、MEK関連CNSがんは、MEK関連転移性脳腫瘍である。MEK関連転移性脳腫瘍は、対象が少なくとも1つの脳転移を発症した、本明細書で記載される任意のがんの結果であってよい。一実施形態において、転移性脳腫瘍は、黒色腫、結腸直腸がん、甲状腺がん、非小細胞肺がん、卵巣がん、または神経芽細胞腫である。一実施形態において、MEK関連転移性脳腫瘍は、転移性黒色腫、転移性結腸直腸がん、または転移性非小細胞肺がんである。一実施形態において、MEK関連転移性脳腫瘍は、転移性黒色腫である。一実施形態において、MEK関連転移性脳腫瘍は、転移性結腸直腸がんである。一実施形態において、MEK関連転移性脳腫瘍は、転移性非小細胞肺がんである。一実施形態において、MEK関連転移性脳腫瘍は、転移性卵巣がんである。一実施形態において、転移性脳腫瘍は、転移性甲状腺がんである。一実施形態において、MEK関連転移性脳腫瘍は、腎臓がんである。一実施形態において、がんは、少なくとも1つの脳転移(すなわち、転移性脳腫瘍)を伴うMEK関連転移性がんである。一実施形態において、がんは、少なくとも1つの脳転移を伴うMEK関連転移性黒色腫である。一実施形態において、がんは、少なくとも1つの脳転移を伴うMEK関連転移性結腸直腸がんである。一実施形態において、がんは、少なくとも1つの脳転移を伴うMEK関連転移性非小細胞肺がんである。一実施形態において、がんは、少なくとも1つの脳転移を伴うMEK関連転移性卵巣がんである。一実施形態において、がんは、少なくとも1つの脳転移を伴うMEK関連転移性甲状腺がんである。一実施形態において、がんは、少なくとも1つの脳転移を伴うMEK関連神経芽細胞腫である。前記MEK関連転移性脳腫瘍のいずれかの一実施形態において、がんは、BRAF変異を有している。一実施形態において、がんは、BRAF V600変異を有している。一実施形態において、BRAF変異は、V600Eおよび/またはV600Kおよび/またはV600Dおよび/またはV600Rおよび/またはV600Sである。一実施形態において、がんは、BRAF V600E変異を有している。一実施形態において、がんは、BRAF V600K変異を有している。一実施形態において、MEK関連腫瘍は、BRAF融合を有している。一実施形態において、MEK関連腫瘍は、BRAF野生型腫瘍である。
一実施形態において、MEK関連がんは、軟髄膜転移(軟髄膜疾患(LMD))である。LMDは、脳もしくは脊椎の内層において、および/もしくは脳脊髄液(CSF)において成長するCNS転移のサブセット、または軟髄膜癌腫症を現す。哺乳動物では、髄膜は、硬膜、くも膜、および軟膜である。CSFは、くも膜と軟膜との間のくも膜下腔に位置している。くも膜および軟膜は、時として、一緒に軟髄膜と呼ばれる。LMDが脊髄を取り囲む軟髄膜および/またはCSFに生じる場合、LMDは「頭蓋外LMD」と呼ばれることがある。LMDが脳の軟髄膜および/またはCSFに生じる場合、LMDは「頭蓋内LMD」と呼ばれることがある。LMDがん細胞は、CSFに懸濁することができるので、CNS中に急速に拡大することができる。結果として、LMDは予後不良であり、生存期間は典型的に数カ月と測定される。一実施形態において、転移性がんは、LMDである。一実施形態において、転移性がんは、MEK関連LMDである。一実施形態において、転移性がんは、MEK関連頭蓋内LMDである。一実施形態において、転移性がんは、MEK関連頭蓋外LMDである。一実施形態において、MEK関連LMDは、黒色腫転移から派生したLMDである(すなわち、LMDは、転移性黒色腫である)。一実施形態において、MEK関連LMDは、結腸直腸がん転移から派生したLMDである(すなわち、LMDは、転移性結腸直腸がんである)。一実施形態において、MEK関連LMDは、非小細胞肺がん転移から派生したLMDである(すなわち、LMDは、転移性非小細胞肺がんである)。前記MEK関連LMDのいずれかの一実施形態において、LMDは、BRAF変異を有している。一実施形態において、MEK関連LMDは、BRAF V600変異を有している。一実施形態において、BRAF変異は、V600Eおよび/またはV600Kおよび/またはV600Dおよび/またはV600Rおよび/またはV600Sである。一実施形態において、MEK関連LMDは、BRAF V600E変異を有している。一実施形態において、MEK関連LMDは、BRAF V600K変異を有している。一実施形態において、MEK関連LMDは、BRAF融合を有している。一実施形態において、MEK関連LMDは、BRAF野生型腫瘍である。
一実施形態において、MEK関連腫瘍は、転移の高リスクを有しているがんである。一実施形態において、転移の高リスクを有している腫瘍は、BRAF V600E、V600D、V600K、V600Rおよび/またはV600S変異を有しているがんである。一実施形態において、転移の高リスクを有しているがんは、BRAF融合、例えば、本明細書で開示されるBRAF融合のいずれかを有している。一実施形態において、転移の高リスクを有しているがんは、BRAF野生型腫瘍である。一実施形態において、転移の高リスクを有しているがんは、黒色腫、結腸直腸がん、甲状腺がん、非小細胞肺がん、卵巣がんまたは神経芽細胞腫である。一実施形態において、転移の高リスクを有しているがんは、黒色腫、結腸直腸がん、甲状腺がん、非小細胞肺がん、卵巣がんまたは神経芽細胞腫である。一実施形態において、転移の高リスクを有しているがんは、黒色腫である。一実施形態において、転移の高リスクを有しているがんは、BRAF V600E変異またはBRAF V600K変異を有している黒色腫である。一実施形態において、転移の高リスクを有しているがんは、結腸直腸がんである。一実施形態において、転移の高リスクを有しているがんは、BRAF V600E変異またはBRAF V600K変異を有している結腸直腸がんである。一実施形態において、転移の高リスクを有しているがんは、甲状腺がんである。一実施形態において、転移の高リスクを有しているがんは、BRAF V600E変異またはBRAF V600K変異を有している甲状腺がんである。一実施形態において、転移の高リスクを有しているがんは、非小細胞肺がんである。一実施形態において、転移の高リスクを有しているがんは、BRAF V600E変異またはBRAF V600K変異を有している非小細胞肺がんである。一実施形態において、転移の高リスクを有しているがんは、卵巣がんである。一実施形態において、転移の高リスクを有しているがんは、BRAF V600E変異またはBRAF V600K変異を有している卵巣がんである。一実施形態において、転移の高リスクを有しているがんは、神経芽細胞腫である。一実施形態において、転移の高リスクを有しているがんは、BRAF V600E変異またはBRAF V600K変異を有している神経芽細胞腫である。一実施形態において、転移の高リスクを有しているがんは、KIAA11549-BRAF融合を有している。
一実施形態において、CNS腫瘍は、原発性脳腫瘍である。原発性脳腫瘍は、脳または脊椎において開始する腫瘍であり、まとめて神経膠腫として公知である。「神経膠腫」という用語は、CNSに存在するグリア細胞において始まる腫瘍を説明するために使用される。脳腫瘍のWHO分類に従って、神経膠腫は、グレードI(良性CNS腫瘍)およびグレードII~IV(悪性CNS腫瘍)を含む尺度で細胞活性および侵襲度によって段階分けされる。
グレードIの神経膠腫(毛様細胞性星細胞腫):典型的に子どもの小脳または脳幹において生じ、時折大脳半球において生じ、ゆっくり成長する。グレードIは成人において生じることもある。グレードIの神経膠腫は良性(WHOグレードI)であるが、この疾患の治癒の困難により、それらの成長挙動が悪性になり、罹患率が高くなる(Rostami、Acta Neurochir(Wien).2017;159(11):2217~2221)。
グレードIIの神経膠腫(低悪性度神経膠腫):星状細胞腫、乏突起膠腫、および混合型乏突起星細胞腫を含む。グレードIIの神経膠腫は、典型的に若年成人(例えば、20~50歳)において生じ、ほとんどの場合、大脳半球に見出される。これらの腫瘍の浸潤性性質に起因して、再発が生じ得る。一部のグレードIIの神経膠腫は再発し、より高悪性度の腫瘍(グレードIIIまたはIV)に発達する。
グレードIIIの神経膠腫(悪性神経膠腫):退形成星状細胞腫、退形成乏突起膠腫、および退形成混合型乏突起星細胞腫を含む。グレードIIIの腫瘍は、侵襲性の高悪性度がんであり、触手様の突起で近くの脳組織に侵入して、外科手術による完全な除去をより困難にする。
グレードIVの神経膠腫:多形神経膠芽腫(GBM)および膠肉腫を含む。(GBM)は、悪性神経膠腫である。GBMは、最も侵襲性が高く、最も一般的な原発性脳腫瘍である。多形神経膠芽腫は、通常、急速に拡大し、触手様の突起で脳の他の部分に侵入して、外科手術による完全な除去をより困難にする。膠肉腫は、悪性がんであり、神経膠腫および肉腫構成成分からなる神経膠芽腫として定義される。
一実施形態において、原発性脳腫瘍は、神経膠腫である。一実施形態において、神経膠腫は、低悪性度神経膠腫である。一実施形態において、神経膠腫は、小児の低悪性度神経膠腫である。
一実施形態において、原発性脳腫瘍は、良性原発性脳腫瘍である。良性原発性脳腫瘍は、重度疼痛、恒久的脳損傷および死亡を引き起こすことがあり、ある場合には、悪性になる。良性原発性脳腫瘍の非限定的な例として、グレードIの神経膠腫、乳頭状頭蓋咽頭腫、髄膜腫(ラブドイド髄膜腫を含む)、非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍、および胚芽異形成性神経上皮腫瘍(DNT)、毛様細胞性星細胞腫、乏突起膠腫、混合型乏突起星細胞腫、退形成星状細胞腫、退形成乏突起膠腫、退形成混合型乏突起星細胞腫、びまん性星状細胞腫、上衣腫、多形性黄色星状細胞腫(PXA)、神経節膠腫、膠肉腫、または退形成神経節膠腫が挙げられる。
一実施形態において、がんは、末梢神経系がんである。一実施形態において、末梢神経系がんは、神経芽細胞腫である。
一実施形態において、本明細書では、MEK関連CNS腫瘍を処置する方法であって、それを必要とする対象に、治療有効量の式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩を、それを必要とする対象に投与する(例えば、経口投与する)ことを含む方法が提供される。一実施形態において、MEK関連CNS腫瘍は、BRAF V600変異を有している。一実施形態において、MEK関連CNS腫瘍は、BRAF V600Eおよび/またはV600Kおよび/またはV600Dおよび/またはV600R変異および/またはV600Sを有している。一実施形態において、MEK関連CNS腫瘍は、BRAF V600E変異を有している。一実施形態において、MEK関連CNS腫瘍は、BRAF V600K変異を有している。一実施形態において、MEK関連CNS腫瘍は、BRAF融合、例えば、本明細書で開示されるBRAF融合のいずれか、例えば、KIAA11549-BRAF融合を有している。一実施形態において、MEK関連CNS腫瘍は、BRAF野生型腫瘍である。一実施形態において、対象は、例えば本明細書で下記の通り、式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩の投与の前に、抗がん剤、外科手術および放射線療法から独立に選択される1種または複数の抗がん治療で処置されていた。一実施形態において、対象は、例えば本明細書で下記の通り、治療有効量の式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩と、1種もしくは複数の抗がん剤、外科手術および/または放射線療法から独立に選択される1種または複数の抗がん治療との組合せで処置される。一実施形態において、対象は、例えば本明細書で下記の通り、式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩の投与後に、抗がん剤、外科手術、および放射線療法から独立に選択される1種または複数の抗がん治療で処置される。一実施形態において、MEK関連腫瘍は、CNS腫瘍である。一実施形態において、MEK関連CNS腫瘍は、悪性CNS腫瘍(すなわち、CNSがん)である。一実施形態において、悪性CNS腫瘍は、転移性CNSがんである。一実施形態において、転移性CNSがんは、転移性黒色腫、転移性結腸直腸がん、転移性非小細胞肺がん、転移性甲状腺がん、および転移性卵巣がんから選択される。一実施形態において、転移性CNSがんは、転移性黒色腫である。一実施形態において、転移性CNSがんは、結腸直腸がんである。一実施形態において、転移性CNSがんは、転移性非小細胞肺がんである。一実施形態において、転移性CNSがんは、転移性甲状腺がんである。一実施形態において、転移性CNSがんは、転移性卵巣がんである。一実施形態において、MEK関連CNSがんは、LMDである。一実施形態において、LMDは、頭蓋内である。一実施形態において、LMDは、頭蓋外である。一実施形態において、LMDは、転移性黒色腫である。一実施形態において、LMDは、転移性黒色腫、転移性結腸直腸がん、および転移性非小細胞肺がんから選択される。一実施形態において、LMDは、転移性結腸直腸がんである。一実施形態において、LMDは、転移性非小細胞肺がんである。一実施形態において、MEK関連CNSがんは、原発性脳腫瘍である。一実施形態において、原発性脳腫瘍は、グレード2の神経膠腫である。一実施形態において、原発性脳腫瘍は、グレード3の神経膠腫である。一実施形態において、原発性脳腫瘍は、グレード4の神経膠腫である。一実施形態において、MEK関連CNS腫瘍は、良性腫瘍である。一実施形態において、良性CNS腫瘍は、乳頭状頭蓋咽頭腫、髄膜腫(ラブドイド髄膜腫を含む)、非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍、または胚芽異形成性神経上皮腫瘍(DNT)である。一実施形態において、化合物は、式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩である。一実施形態において、化合物は、式IIの化合物または薬学的に許容できるその塩である。一実施形態において、化合物は、実施例1~69の化合物または薬学的に許容できるその塩から選択される。
化合物がCNSがんを処置するのに好適であり得るかどうかを決定する能力は、本明細書で記載される通り、例えば、化合物が排出輸送体の基質であるかどうかを特定し、および/または細胞透過性を測定し、および/または遊離血漿に対する遊離血液の比を測定することによって決定され得る。
一実施形態において、式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩および式IIの化合物または薬学的に許容できるその塩は、高い細胞透過性を示す。本発明の化合物の透過性を決定するための方法は、実施例Bに記載されるアッセイに従って決定することができ、透過係数は、表B1に提供されている。
本発明の化合物は、低排出を示す。本発明の化合物が、排出輸送体P-糖タンパク質(P-gpまたは多剤耐性1(MDR1)タンパク質)および乳がん耐性タンパク質(BCRP)の基質であるかどうかを評価するインビトロ方法は、実施例Bに記載されており、本発明の化合物の排出比は、表B3に提供されている。
一実施形態において、本発明の化合物は、中程度から高い脳(非結合)/血漿(非結合)の比(すなわち、中程度から高い遊離脳/血漿比)を示す。本発明の化合物が対象(例えば、ヒト)のBBBに浸透する能力は、好適な動物モデル(例えば、げっ歯類、例えばマウス)において決定することができる。例えば、特定の化合物がマウスのBBBに浸透する能力は、例えば実施例Cに記載されている通り、マウスにおける非結合血漿に対する非結合脳濃度(遊離B/P)の比を評価することによって決定され、遊離血漿に対する遊離脳の比は、表C2に提供されている。化合物の遊離血漿に対する遊離脳の比を計算することにより、動物モデルにおける用量依存的曝露に基づいて、末梢および脳における有効性を達成するのに必要な有効濃度の予測が可能になる。これらの分布データは、関連薬物動態データと共に、モデルに対して利用し、ヒト患者における有効性を達成するのに必要な用量を予測することができる。
したがって、一実施形態において、本発明の方法は、それを必要とする対象におけるMEK関連CNSがんを処置するための方法であって、式IIの化合物または薬学的に許容できる塩を投与することを含み式IIの化合物の少なくとも一部が、好適な動物モデルにおいて実証されている通りBBBに浸透する、方法を含む。一実施形態において、全薬物の脳/血漿比は、対象への投与(例えば、経口または静脈内投与)後、少なくとも約0.3である。一実施形態において、全薬物の脳/血漿比は、対象への投与(例えば、経口または静脈内投与)後、少なくとも約0.35である。一実施形態において、全薬物の脳/血漿比は、対象への投与(例えば、経口または静脈内投与)後、少なくとも約0.4である。一実施形態において、全薬物の脳/血漿比は、対象への投与(例えば、経口または静脈内投与)後、少なくとも約0.45である。一実施形態において、全薬物の脳/血漿比は、対象への投与(例えば、経口または静脈内投与)後、少なくとも約0.5である。一実施形態において、全薬物の脳/血漿比は、対象への投与(例えば、経口または静脈内投与)後、少なくとも約0.55である。一実施形態において、全薬物の脳/血漿比は、対象への投与(例えば、経口または静脈内投与)後、少なくとも約0.6である。一実施形態において、全薬物の脳/血漿比は、対象への投与(例えば、経口または静脈内投与)後、少なくとも約0.65である。一実施形態において、全薬物の脳/血漿比は、対象への投与(例えば、経口または静脈内投与)後、少なくとも約0.7である。一実施形態において、全薬物の脳/血漿比は、対象への投与(例えば、経口または静脈内投与)後、少なくとも約0.75である。一実施形態において、全薬物の脳/血漿比は、対象への投与(例えば、経口または静脈内投与)後、少なくとも約0.8である。一実施形態において、全薬物の脳/血漿比は、対象への投与(例えば、経口または静脈内投与)後、少なくとも約0.85である。一実施形態において、全薬物の脳/血漿比は、対象への投与(例えば、経口または静脈内投与)後、少なくとも約0.9である。一実施形態において、全薬物の脳/血漿比は、対象への投与(例えば、経口または静脈内投与)後、少なくとも約0.95である。一実施形態において、全薬物の脳/血漿比は、対象への投与(例えば、経口または静脈内投与)後、少なくとも約1.0である。一実施形態において、全薬物の脳/血漿比は、対象への投与(例えば、経口または静脈内投与)後、少なくとも約1.0である。一実施形態において、全薬物の脳/血漿比は、対象への投与(例えば、経口または静脈内投与)後、少なくとも約1.1である。一実施形態において、全薬物の脳/血漿比は、対象への投与(例えば、経口または静脈内投与)後、少なくとも約1.2である。一実施形態において、全薬物の脳/血漿比は、対象への投与(例えば、経口または静脈内投与)後、少なくとも約1.3である。一実施形態において、全薬物の脳/血漿比は、対象への投与(例えば、経口または静脈内投与)後、少なくとも約1.4である。一実施形態において、全薬物の脳/血漿比は、対象への投与(例えば、経口または静脈内投与)後、少なくとも約1.5である。一実施形態において、全薬物の脳/血漿比は、対象への投与(例えば、経口または静脈内投与)後、少なくとも約1.6である。一実施形態において、全薬物の脳/血漿比は、対象への投与(例えば、経口または静脈内投与)後、少なくとも約1.7である。BBBに浸透する化合物のパーセンテージは、血漿に対する脳中の、所与の期間の濃度-時間曲線下面積(AUC0-t)に基づいて計算されることに留意すべきである。したがって、パーセンテージは、濃度比を表す。すなわち、化合物の(AUC0-24h)が、脳中20ng/mLであり、血漿中80ng/mLである場合には、BBBに浸透する化合物のパーセンテージは、20%である(脳中20ng/mLを全濃度(20ng/mL+80ng/mL)で割ったもの)(すなわち、血漿に対する脳の比が0.20)。一実施形態において、パーセンテージは、t=0(投与のタイミング)から定量化できる最終濃度点までの時間についての濃度-時間曲線下面積、すなわち(AUC0-last)に基づいて計算される。
脳への転移の頻度が高いがんは、MAPK経路活性化変化、例えば、本明細書で開示されるBRAF変異を含むBRAF変異、または本明細書で開示されるBRAF融合を含むBRAF融合を有していることが公知である。活性化変異は、古典的経路において様々なレベルで生じ得るが、これらはすべて、増殖および生存を増大させるために、マイトジェン/細胞外シグナル調節キナーゼ(MEK)を介するシグナル伝達を必要とする(Schubbert S、Shannon K、Bollag G.、Nat Rev Cancer.2007;7:295~308)。BRAF遺伝子の変異は、悪性黒色腫、甲状腺乳頭癌、結腸直腸癌、非小細胞肺癌(NSCLC)および卵巣癌、ならびにそれらの転移性腫瘍、ならびに原発性脳腫瘍において特定された(Davies H.ら、Nature 417(6892):949~954、2002)。例えば、BRAF変異、例えばBRAF V600変異は、黒色腫脳転移(Flaherty KTら、Nat Rev Cancer(2012)12(5):349~61)、結腸直腸癌の脳転移、ならびに非小細胞肺がん(Berghoff,AS、Preusser M.、Curr Opin Neurol(2014)27(6):689~696)、乳頭様甲状腺がん(Kim,WWら、J Otolaryngol Head Neck Surg.2018;47:4、1~6)、および卵巣がん(Grisham RN.ら、Cancer、2013;119:548~554)の脳転移を含む数々の転移性CNS腫瘍において観察された。
BRAF変異、例えば本明細書で開示されるBRAF変異、およびBRAF融合、例えば本明細書で開示されるBRAF融合は、小児および成人集団におけるグレードIVの神経膠腫、例えば、神経膠芽腫および膠肉腫、退形成星状細胞腫(高悪性度腫瘍)およびWHOグレードIIIの退形成神経節膠腫を含む悪性原発性脳腫瘍においても観察された(Berghoff,AS、Preusser M.、Curr Opin Neurol(2014)27(6):689~696);Schindlerら(Acta Neuropathol 121(3):397~405、2011);Behlingら(Diagn Pathol 11(1):55、2016);K.C.Schreckら、Cancers、2019、11、1262))。
BRAF変異、例えば本明細書で開示されるBRAF変異、およびBRAF融合、例えば本明細書で開示されるBRAF融合は、小児および成人集団における良性原発性脳腫瘍、例えばWHOグレードIIの星状細胞腫、WHOグレードIIの多形性黄色星状細胞腫(PXA)、退形成を伴う多形性黄色星状細胞腫、毛様細胞性星細胞腫(PA)、乳頭状頭蓋咽頭腫、神経節膠腫、星状芽細胞腫、毛様細胞性星細胞腫、非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍、ラブドイド髄膜腫においても観察された(Berghoff,AS、Preusser M.、Curr Opin Neurol(2014)27(6):689~696;Schindlerら(Acta Neuropathol 121(3):397~405、2011);Behlingら(Diagn Pathol 11(1):55、2016);(Behlingら、Diagn Pathol 11(1):55、2016;Brastianosら、Nat Genet 46(2):161~165、2014;Doughertyら、Neuro Oncol 12(7):621~630、2010;Lehmanら、Neuro Oncol 19(1):31~42、2017;Mordechaiら、Pediatr Hematol Oncol 32(3):207~211、2015;Myungら、Transl Oncol 5(6):430~436、2012;Schindlerら、Acta Neuropathol 121(3):397~405、2011))。
BRAF変異は、再発性神経芽細胞腫においても検出された(Eleveld,TFら、Nat Genet 47(8):864~871、2015)。神経芽細胞腫は、末梢神経系の小児腫瘍である。神経芽細胞腫の対象のほとんどは、最初に化学療法に応答する腫瘍を有しているが、対象の大部分は治療耐性の再発を経験することになる。
したがって、本明細書ではまた、MEK関連腫瘍、例えば本明細書で開示される例示的なMEK関連腫瘍のいずれかを有していると診断または特定された対象を処置するための方法であって、対象に、治療有効量の式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩を投与することを含み、対象が、例えば、対象もしくは対象からの生検試料におけるBRAF変異もしくは融合を特定するための規制当局承認の、例えばFDA承認の試験もしくはアッセイの使用によって、または本明細書で記載されるアッセイの非限定的な例のいずれかを実施することによって、BRAF融合のBRAF変異を有する腫瘍を有していると特定または診断された、方法が提供される。一実施形態において、試験またはアッセイは、キットとして提供される。一実施形態において、アッセイは、次世代シークエンシング、パイロシークエンシング、免疫組織化学的検査、蛍光顕微鏡法、ブレイクアパートFISH分析、サザンブロッティング、ウェスタンブロッティング、FACS分析、ノーザンブロッティング、またはPCRベース増幅(例えば、RT-PCRおよび定量的リアルタイムRT-PCR)を利用する。一実施形態において、アッセイは、規制当局承認のアッセイ、例えば、FDA承認のキットである。
一実施形態において、生検は、腫瘍生検(例えば、従来の外科手術中に得られた腫瘍試料、または定位的針生検、例えばCTもしくはMRIスキャンによってガイドされる定位的針生検)である。組織生検法は、総腫瘍組織量および/またはBRAF変異および/またはBRAF融合を検出するために使用することができる。
一実施形態において、BRAF変異または融合は、液体生検(流体生検または流体相生検と様々に呼ばれる)を使用して特定することができる。例えば、Karachialiouら、「Real-time liquid biopsies become a reality in cancer treatment」、Ann.Transl.Med.、3(3):36、2016を参照されたい。液体生検法は、総腫瘍組織量および/またはBRAF変異を検出するために使用することができる。液体生検は、対象から相対的に容易に得られる(例えば、簡単な採血により)生体試料で実施することができ、腫瘍組織量および/またはBRAF変異を検出するために使用されている従来の方法よりも一般に侵襲度が低い。一実施形態において、液体生検は、従来の方法よりも早期の段階でBRAF変異の存在を検出するために使用することができる。一実施形態において、液体生検において使用されることになる生体試料には、CSF、血液、血漿、尿、唾液、喀痰、気管支肺胞洗浄液、胆汁、リンパ液、嚢胞液、糞便、腹水、およびそれらの組合せが含まれ得る。一実施形態において、液体生検は、循環性腫瘍細胞(CTC)を検出するために使用することができる。一実施形態において、液体生検は、無細胞DNAを検出するために使用することができる。一実施形態において、液体生検を使用して検出された無細胞DNAは、腫瘍細胞から誘導される循環腫瘍DNA(ctDNA)である。ctDNAの分析(例えば、高感度検出技術、例えば限定されるものではないが、次世代シーケンシング(NGS)、従来のPCR、デジタルPCR、またはマイクロアレイ分析を使用する)は、BRAF変異またはBRAF融合を特定するために使用することができる。
一実施形態において、液体生検を使用して特定されたBRAF変異またはBRAF融合は、対象(例えば、腫瘍)に存在するがん細胞にも存在している。一実施形態において、いかなるタイプのBRAF変異または融合も、液体生検を使用して検出することができる。一実施形態において、液体生検により特定された遺伝的変異は、対象を特定の処置のための候補として特定するために使用することができる。
「腫瘍組織量」は、「腫瘍量」とも呼ばれ、体中に分布した腫瘍物質の総量を指す。腫瘍組織量は、リンパ節および骨髄を含む体中のがん細胞の総数または腫瘍(複数可)の総サイズを指す。腫瘍組織量は、当技術分野で公知の様々な方法によって、例えば対象から除去された際の腫瘍(複数可)の寸法を、例えばノギスを使用して測定するなどによって、または体内にある場合にはイメージング技術、例えば、磁気共鳴画像法(MRI)スキャン、コンピュータ断層撮影法(CT)、マルチ検出器CT(MDCT)、陽電子放出断層撮影(PET)、X線、超音波もしくは骨スキャンを使用して決定することができる。
「腫瘍サイズ」という用語は、腫瘍の長さおよび幅として測定することができる腫瘍の総サイズを指す。腫瘍サイズは、当技術分野で公知の様々な方法によって、例えば対象から除去された際の腫瘍(複数可)の寸法を、例えばノギスを使用して測定するなどによって、または体内にある場合にはイメージング技術、例えばMRIスキャン、骨スキャン、超音波もしくはCTを使用して決定され得る。
液体生検は、診断過程、モニタリング過程、および/または処置過程中に、限定されるものではないが対象への処置の投与後の疾患の進行または処置の有効性を含む1つまたは複数の臨床的に関連するパラメータを決定するために、複数の時点で実施することができる。例えば、診断過程、モニタリング過程、および/または処置過程中、第1の液体生検を、第1の時点で実施することができ、第2の液体生検を、第2の時点で実施することができる。一実施形態において、第1の時点は、対象が疾患を有すると診断される前の時点(例えば、対象が健康なとき)であってよく、第2の時点は、対象が疾患を発症した後の時点であってよい(例えば、第2の時点は、対象が疾患を有していると診断するために使用することができる)。一実施形態において、第1の時点は、対象が疾患を有すると診断される前の時点(例えば、対象が健康なとき)であってよく、その後、対象はモニタリングされ、第2の時点は、対象をモニタリングした後の時点であってよい。一実施形態において、第1の時点は、対象が疾患を有すると診断された後の時点であってよく、その後、処置が対象に投与され、第2の時点は、処置が投与された後の時点であってよい。そのような場合には、第2の時点は、処置の有効性を評定するために使用することができる(例えば、第1の時点で検出された遺伝的変異(複数可)が大量に低減するか、または検出不可能な場合)。
式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩は、異常細胞成長、例えばMEK関連腫瘍、例えばMEK関連がんを有している対象を処置するために、単独で、または1つもしくは複数の異なる形態の処置と組み合わせて使用され得る。
一実施形態において、式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩は、1種または複数の、例えば1種または複数のさらなる抗がん治療、例えば外科手術、放射線療法および同じまたは異なる作用機序によって働く抗がん剤から独立に選択される1種または複数の治療と組み合わせて使用され得る。一実施形態において、式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩を、例えば外科手術、放射線療法、および抗がん剤(例えば、本明細書で以下に記載される抗がん剤のいずれか、ここで抗がん剤は、式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩以外である)の1つまたは複数から独立に選択される1種または複数の、例えば1種または複数のさらなる治療と組み合わせて用いる、MEK関連がんを有している対象の処置は、単剤治療として式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩を用いる同じ対象または類似の対象の処置と比較して、増大した治療有効性を有することがある。併用治療が使用され、1種または複数の、例えば1種、2種のまたは3種の抗がん治療が、独立に、1種または複数の抗がん剤、例えば、本明細書で開示される抗がん剤のいずれかから選択される場合、抗がん剤(複数可)は、同時にまたは別々に、可変的な介在する時間制限を設けて、本発明の化合物との任意の順序で、任意の順序で様々な投与スケジュールを使用して投与され得る。一実施形態において、抗がん剤(複数可)は、本発明の化合物の投与の前に対象に投与される。別の実施形態において、抗がん剤(複数可)は、本発明の化合物の投与の後に対象に投与される。別の実施形態において、抗がん剤(複数可)は、本発明の化合物の投与と同時に対象に投与される。一実施形態において、式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩は、外科手術、放射線療法、または同じもしくは異なる作用機序によって働く抗がん剤である1種のさらなる抗がん治療と組み合わせて使用される。
したがって、一実施形態において、本明細書では、MEK関連腫瘍(例えば、本明細書で記載されるMEK関連腫瘍のいずれか)を有している対象を処置する方法であって、対象に、治療有効量の式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩を1種または複数のさらなる抗がん治療と組み合わせて投与することを含む方法が提供される。一実施形態において、抗がん治療は、式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩以外の1種または複数の抗がん剤である。一実施形態において、抗がん治療は、式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩以外の1種の抗がん剤である。一実施形態において、さらなる抗がん治療は、外科手術である。一実施形態において、さらなる抗がん治療は、放射線療法である。
また本明細書では、1種または複数の、例えば1種または複数の抗がん治療と組みあわせて使用するための、式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩が提供される。一実施形態において、さらなる抗がん治療は、独立に、外科手術、放射線療法、および/または同じもしくは異なる作用機序によって働く1種もしくは複数の抗がん剤から独立に選択される1種または複数の治療から選択される。
また本明細書では、式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩と組み合わせて使用するための、1種または複数の、例えば1種または複数の抗がん治療が提供される。一実施形態において、さらなる抗がん治療は、独立に、外科手術、放射線療法、および/または同じもしくは異なる作用機序によって働く1種もしくは複数の抗がん剤から独立に選択される1種または複数の治療から選択される。
また本明細書では、MEK関連腫瘍を処置するために、1種または複数の、例えば1種または複数のさらなる抗がん治療と組み合わせて使用するための、式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩が提供される。
また本明細書では、式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩との併用投与によってMEK関連腫瘍を処置するために使用するための、1種または複数の、例えば1種または複数のさらなる抗がん治療が提供される。
MEK関連腫瘍を有している対象を処置するための一実施形態において、対象は、式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩の投与の前に、式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩以外の1種または複数の抗がん治療を投与される。一実施形態において、1種または複数の抗がん治療は、外科手術、放射線療法、および同じまたは異なる作用機序によって働く抗がん剤から選択される。例えば、一実施形態において、それを必要とする対象は、式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩の投与の前に、腫瘍の少なくとも部分的な切除を受け得る。一実施形態において、腫瘍の少なくとも部分的な切除による処置は、式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩の1つまたは複数の用量の投与の前に、腫瘍サイズ(例えば、腫瘍組織量)を低減する。一実施形態において、それを必要とする対象は、式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩の投与の前に、放射線療法を受け得る。一実施形態において、それを必要とする対象は、式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩の投与の前に、式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩以外の1種または複数の抗がん剤を用いる処置を受け得る。一実施形態において、対象は、過去の1種または複数の治療に対して難治性または不耐性であるがんを有している。
したがって、一実施形態において、本明細書では、MEK関連腫瘍を有している対象を処置する方法であって、(i)1種または複数の、例えば1種または複数の抗がん治療を前記対象に投与すること、および(ii)(i)の後に、(a)式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩を単剤治療として投与するか、または(b)式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩を、1種または複数の、例えば1種または複数のさらなる抗がん治療と組み合わせて投与することを含む方法が提供される。一実施形態において、さらなる抗がん治療は、独立に、外科手術、放射線療法、および/または同じもしくは異なる作用機序によって働く1種もしくは複数の抗がん剤の1つまたは複数から選択される。一実施形態において、さらなる抗がん治療は、同じまたは異なる作用機序によって働く1種または複数の抗がん剤である。一実施形態において、さらなる抗がん治療は、同じまたは異なる作用機序によって働く1種の抗がん剤である。一実施形態において、さらなる抗がん治療は、外科手術である。一実施形態において、さらなる抗がん治療は、放射線療法である。
本明細書で記載される併用治療法のいずれかに従って、式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩と組み合わせて使用することができるさらなる抗がん剤の非限定的な例として、MEK阻害剤、BRAF阻害剤、EGFR阻害剤、HER2および/またはHER3の阻害剤、SHP2阻害剤、Axl阻害剤、PI3K阻害剤、SOS1阻害剤、シグナル伝達経路阻害剤、チェックポイント阻害剤、アポトーシス経路のモジュレーター、細胞傷害性化学療法薬、血管新生標的化治療、ならびに免疫療法を含む免疫標的化剤を含む、式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩以外のさらなるキナーゼ阻害剤が挙げられる。
一実施形態において、本明細書で記載される併用治療法のいずれかに従って、式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩と組み合わせて使用することができる抗がん剤は、標的化治療剤である。「標的化治療剤」は、本明細書で使用される場合、すべての急速分裂細胞を単に妨害することによって(例えば、従来の細胞傷害性化学療法を用いて)ではなく、発癌および腫瘍成長に必要な特定の標的化分子を妨害することによって、がん細胞の成長を遮断する分子を指し、それには、受容体チロシンキナーゼ標的化治療剤、シグナル伝達経路阻害剤(例えば、Ras-Raf-MEK-ERK経路阻害剤、PI3K-Akt-mTOR-S6K経路阻害剤(「PI3K阻害剤」))、およびアポトーシス経路のモジュレーターが含まれるが、これらに限定されない。
一実施形態において、本明細書で記載される併用治療法のいずれかに従って、式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩と組み合わせて使用することができる抗がん剤は、BRAF阻害剤である。他のBRAF阻害剤の非限定的な例として、エンコラフェニブ、ダブラフェニブ、ベムラフェニブ、N-[3-(5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イルカルボニル)-2,4-ジフルオロフェニル]プロパン-1-スルホンアミド(PLX4720)、および(3R)-N-(3-[[5-(2-シクロプロピルピリミジン-5-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル]カルボニル]-2,4-ジフルオロフェニル)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミド(PLX8394)、および薬学的に許容できるその塩、例えば、
N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-2,4-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド;
N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)フェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド;
N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4,5-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド;
N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド;
N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド;
N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-((5-メチル-3-(メチル-d3)-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-フェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド;
N‐{2‐クロロ‐3‐[(3,5‐ジメチル‐4‐オキソ‐3,4‐ジヒドロキナゾリン‐6‐イル)オキシ]‐4‐フルオロフェニル}プロパン‐1‐スルホンアミド;
N-(3-クロロ-4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-5-フルオロピリジン-2-イル)プロパン-1-スルホンアミド;および
N‐{2‐クロロ‐3‐[(3,5‐ジメチル‐4‐オキソ‐3,4‐ジヒドロキナゾリン‐6‐イル)オキシ]‐4‐フルオロフェニル}‐3‐フルオロプロパン‐1‐スルホンアミド;
から選択される化合物または薬学的に許容できるその塩を含む、PCT公報WO2020/261156A1として2020年12月30日公開の国際出願PCT/IB2020/055992に開示されている化合物、
ならびに例えばN-(2-クロロ-4-フルオロ-3-((5-フルオロ-3-メチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)フェニル)-2-アザビシクロ[2.1.1]ヘキサン-2-スルホンアミド、(R)-N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-((5-フルオロ-3-メチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)フェニル)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミド、およびN-(2-クロロ-3-((5-クロロ-3-メチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロアゼチジン-1-スルホンアミド、または薬学的に許容できるその塩を含む、2021年12月6日公開のPCT公報WO2021/250521に開示されている化合物
が挙げられる。
一実施形態において、BRAF阻害剤は、エンコラフェニブまたは薬学的に許容できるその塩、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドまたは薬学的に許容できるその塩、およびN-(2-クロロ-3-((5-クロロ-3-メチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロアゼチジン-1-スルホンアミドまたは薬学的に許容できるその塩から選択される。
一実施形態において、BRAF阻害剤は、エンコラフェニブまたは薬学的に許容できるその塩である。一実施形態において、BRAF阻害剤は、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドまたは薬学的に許容できるその塩である。一実施形態において、BRAF阻害剤は、N-(2-クロロ-3-((5-クロロ-3-メチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロアゼチジン-1-スルホンアミドまたは薬学的に許容できるその塩である。
BRAF阻害剤のさらなる例は、当技術分野で公知である。
一実施形態において、本明細書で記載される併用治療法のいずれかに従って、式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩と組み合わせて使用することができる抗がん剤は、EGFR阻害剤である。EGFR阻害剤の非限定的な例として、セツキシマブ(Erbitux(登録商標))、パニツムマブ(Vectibix(登録商標))、オシメルチニブ(メレレクチニブ(merelectinib)、Tagrisso(登録商標))、エルロチニブ(Tarceva(登録商標))、ゲフィチニブ(Iressa(登録商標))、ネシツムマブ(Portrazza(商標))、ネラチニブ(Nerlynx(登録商標))、ラパチニブ(Tykerb(登録商標))、バンデタニブ(Caprelsa(登録商標))、ブリガチニブ(Alunbrig(登録商標))、ならびにPCT公報WO2019/071351およびWO2017/117680に開示されているEGFRの阻害剤が挙げられる。EGFR阻害剤のさらなる例は、当技術分野で公知である。
一実施形態において、本明細書で開示される併用治療法のいずれかに従って、式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩と組み合わせて使用することができる抗がん剤は、SHP2阻害剤である。SHP2阻害剤の非限定的な例として、6-(4-アミノ-4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)ピラジン-2-アミン(SHP099)、[3-[(3S,4S)-4-アミノ-3-メチル-2-オキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル]-6-(2,3-ジクロロフェニル)-5-メチルピラジン-2-イル]メタノール(RMC-4550)RMC-4630、TNO155、ならびにWO2020/081848、WO2020/201991、WO2015/107493、WO2015/107494、WO2015/107495およびWO2019/075265に開示されている化合物が挙げられる。一実施形態において、SHP2阻害剤は、WO2020/201991に開示されている化合物である。一実施形態において、SHP2阻害剤は、(S)-1’-(6-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)チオ)-1,2,4-トリアジン-3-イル)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1-アミンまたは薬学的に許容できるその塩である。
一実施形態において、本明細書で開示される併用治療法のいずれかに従って、式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩と組み合わせて使用することができる抗がん剤は、PI3K阻害剤である。非限定的な例として、ブパルリシブ(BKM120)、アルペリシブ(BYL719)、サモトリシブ(LY3023414)、8-[(1R)-1-[(3,5-ジフルオロフェニル)アミノ]エチル]-N,N-ジメチル-2-(モルホリン-4-イル)-4-オキソ-4H-クロメン-6-カルボキサミド(AZD8186)、テナリシブ(RP6530)、ボクスタリシブ(voxtalisib)塩酸塩(SAR-245409)、ゲダトリシブ(PF-05212384)、パヌリシブ(panulisib)(P-7170)、タセリシブ(GDC-0032)、トランス-2-アミノ-8-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)シクロヘキシル]-6-(6-メトキシピリジン-3-イル)-4-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(PF-04691502)、デュベリシブ(ABBV-954)、N2-[4-オキソ-4-[4-(4-オキソ-8-フェニル-4H-1-ベンゾピラン-2-イル)モルホリン-4-イウム-4-イルメトキシ]ブチリル]-L-アルギニル-グリシル-L-アスパルチル-L-セリンアセテート(SF-1126)、ピクチリシブ(GDC-0941)、2-メチル-1-[2-メチル-3-(トリフルオロメチル)ベンジル]-6-(モルホリン-4-イル)-1H-ベンズイミダゾール-4-カルボン酸(GSK2636771)、イデラリシブ(GS-1101)、ウムブラリシブトシル酸塩(TGR-1202)、ピクチリシブ(GDC-0941)、コパンリシブ塩酸塩(BAY84-1236)、ダクトリシブ(BEZ-235)、1-(4-[5-[5-アミノ-6-(5-tert-ブチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピラジン-2-イル]-1-エチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピペリジン-1-イル)-3-ヒドロキシプロパン-1-オン(AZD-8835)、5-[6,6-ジメチル-4-(モルホリン-4-イル)-8,9-ジヒドロ-6H-[1,4]オキサジノ[4,3-e]プリン-2-イル]ピリミジン-2-アミン(GDC-0084)エベロリムス、ラパマイシン、ペリフォシン、シロリムス、およびテムシロリムスが挙げられる。
一実施形態において、本明細書で開示される併用治療法のいずれかに従って、式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩と組み合わせて使用することができる抗がん剤は、免疫療法である。「免疫療法」という用語は、免疫系をモジュレートする薬剤を指す。一実施形態において、免疫療法は、免疫系の調節物質の発現および/または活性を増大させることができる。一実施形態において、免疫療法は、免疫系の調節物質の発現および/または活性を低減することができる。一実施形態において、免疫療法は、免疫細胞の活性を動員および/または増強することができる。
一実施形態において、本明細書で開示される併用治療法のいずれかに従って、式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩と組み合わせて使用することができる免疫療法は、抗体治療(例えば、モノクローナル抗体、コンジュゲート抗体)である。一実施形態において、抗体治療は、ベバシズマブ(Mvasti(商標)、Avastin(登録商標))、トラスツズマブ(Herceptin(登録商標))、リツキシマブ(MabThera(商標)、Rituxan(登録商標))、エドレコロマブ(Panorex)、ダラツムマブ(Darzalex(登録商標))、オララツマブ(Lartruvo(商標))、オファツムマブ(Arzerra(登録商標))、アレムツズマブ(Campath(登録商標))、セツキシマブ(Erbitux(登録商標))、オレゴボマブ、ペムブロリズマブ(Keytruda(登録商標))、ジヌツキシマブ(Unituxin(登録商標))、オビヌツズマブ(Gazyva(登録商標))、トレメリムマブ(CP-675,206)、ラムシルマブ(Cyramza(登録商標))、ウブリツキシマブ(TG-1101)、パニツムマブ(Vectibix(登録商標))、エロツズマブ(Empliciti(商標))、ネシツムマブ(Portrazza(商標))、シルムツズマブ(cirmtuzumab)(UC-961)、イブリツモマブ(Zevalin(登録商標))、イサツキシマブ(SAR650984)、ニモツズマブ、フレソリムマブ(GC1008)、リリルマブ(INN)、モガムリズマブ(Poteligeo(登録商標))、フィクラツズマブ(AV-299)、デノスマブ(Xgeva(登録商標))、ガニツマブ、ウレルマブ、ピディリズマブ、アマツキシマブ、ブリナツモマブ(AMG103;Blincyto(登録商標))またはミドスタウリン(Rydapt)である。
一実施形態において、本明細書で開示される併用治療法のいずれかに従って、式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩と組み合わせて使用することができる免疫療法は、免疫チェックポイント阻害剤である。一実施形態において、免疫療法は、1種または複数の、例えば1種または2種の免疫チェックポイント阻害剤を含む。一実施形態において、免疫チェックポイント阻害剤は、CTLA-4阻害剤、PD-1阻害剤またはPD-L1阻害剤である。一実施形態において、CTLA-4阻害剤は、イピリムマブ(Yervoy(登録商標))またはトレメリムマブ(CP-675,206)である。一実施形態において、PD-1阻害剤は、ペムブロリズマブ(Keytruda(登録商標))、ニボルマブ(Opdivo(登録商標))およびササンリマブ(RN888)である。一実施形態において、PD-L1阻害剤は、アテゾリズマブ(Tecentriq(登録商標))、またはデュルバルマブ(Imfinzi(商標))である。
一実施形態において、本明細書で開示される併用治療法のいずれかに従って、式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩と組み合わせて使用することができる抗がん治療は、放射線療法である。放射線療法の非限定的な例として、外部放射線ビーム治療(例えば、キロボルテージX線またはメガボルテージX線を使用する外部ビーム治療)または内部放射線療法が挙げられる。内部放射線療法(近接照射療法とも呼ばれる)は、例えば、低線量内部放射線療法または高線量内部放射線療法の使用を含むことができる。低線量内部放射線療法は、例えば、対象のがん組織にまたはそれに近接して放射性小型ペレットを挿入することを含む。高線量内部放射線療法は、例えば、対象のがん組織にまたはそれに近接して細長い管(例えば、カテーテル)またはインプラントを挿入し、放射線機械を使用して高線量の放射線を細長い管またはインプラントに送達することを含む。がんを有している対象に対して放射線療法を実施するための方法は、当技術分野で公知である。腫瘍がCNS腫瘍である実施形態において、放射線療法には、全脳放射線療法(WBRT)または定位手術的照射(SRS)、例えばCyberknife(登録商標)、XKnife(登録商標)、Gamma knife(登録商標)もしくはExacTrac(登録商標)が含まれ得る。
一実施形態において、本明細書で開示される併用治療法のいずれかに従って、式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩と組み合わせて使用することができる抗がん治療は、外科手術である。外科手術の非限定的な例として、例えば、直視下手術または低侵襲外科手術が挙げられる。外科手術は、例えば、腫瘍の少なくとも部分的な切除、腫瘍全体の除去、腫瘍の減量、または対象において疼痛もしくは圧迫を引き起こしている腫瘍の除去を含むことができる。がんを有している対象に対して直視下手術および低侵襲外科手術を実施するための方法は、当技術分野で公知である。
一実施形態において、本明細書では、MEK関連腫瘍(例えば、本明細書で記載されるMEK関連腫瘍のいずれか)を処置する方法であって、それを必要とする対象に、治療有効量の式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩およびBRAF阻害剤(例えば、本明細書で開示されるBRAF阻害剤のいずれか)を任意の順序で、一緒にまたは別々に投与することを含む方法が提供される。一実施形態において、式Iの化合物は、実施例1~69から選択される化合物または薬学的に許容できるその塩である。
一実施形態において、本明細書では、MEK関連腫瘍(例えば、本明細書で記載されるMEK関連腫瘍のいずれか)を処置する方法であって、それを必要とする対象に、治療有効量の式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩およびEGFR阻害剤(例えば、本明細書で開示されるEGFR阻害剤のいずれか)を任意の順序で、一緒にまたは別々に投与することを含む方法が提供される。一実施形態において、式Iの化合物は、実施例1~69のいずれか1つから選択される化合物または薬学的に許容できるその塩である。
一実施形態において、本明細書では、MEK関連腫瘍(例えば、本明細書で記載されるMEK関連腫瘍のいずれか)を処置する方法であって、それを必要とする対象に、治療有効量の式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩およびSHP2阻害剤(例えば、本明細書で開示されるSHP2阻害剤のいずれか)を任意の順序で、一緒にまたは別々に投与することを含む方法が提供される。一実施形態において、式Iの化合物は、実施例1~69のいずれか1つから選択される化合物または薬学的に許容できるその塩である。
一実施形態において、本明細書では、MEK関連腫瘍(例えば、本明細書で記載されるMEK関連腫瘍のいずれか)を処置する方法であって、それを必要とする対象に、治療有効量の式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩およびチェックポイント阻害剤(例えば、本明細書で開示されるチェックポイント阻害剤のいずれか)を任意の順序で、一緒にまたは別々に投与することを含む方法が提供される。一実施形態において、式Iの化合物は、実施例1~69のいずれか1つから選択される化合物または薬学的に許容できるその塩である。
また本明細書では、それを必要とする対象におけるMEK関連腫瘍を処置するための薬学的組合せであって、(a)式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩、および(b)少なくとも1種のさらなる抗がん薬(例えば、本明細書で記載されるか、または当技術分野で公知の例示的なさらなる抗がん剤のいずれか)を含み、式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩、および1種または複数の、例えば1種または複数のさらなる抗がん剤が、腫瘍の処置のために同時または別々に使用するために別々に製剤化され、式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩の量およびさらなる抗がん剤(複数可)の量が、腫瘍を処置するのに一緒になって有効である、薬学的組合せ、(ii)腫瘍の処置のための医薬の調製のためのそのような組合せの使用、ならびに(iii)同時、別々、または逐次的に使用するために、組み合わされた調製物などの組合せを含む商業的パッケージまたは製品、ならびにそれを必要とする対象における腫瘍を処置する方法が提供される。
「薬学的組合せ」という用語は、本明細書で使用される場合、活性成分の非固定の組合せを指す。「非固定の組合せ」という用語は、式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩、および1種または複数の、例えば1種または複数のさらなる抗がん剤を、それを必要とする対象に同時にまたは別々に、可変的な介在する時間制限を設けて、任意の順序で投与することができ、そのような投与が、対象の体内で2種以上の化合物の有効レベルをもたらすように、別々の組成または投与量で製剤化されることを意味する。これらは、カクテル治療、例えば3種以上の活性成分の投与にも適用される。同様に、「組合せ」という用語は、1種または複数の抗がん剤の組合せとの併用における式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩に言及する場合、非固定の組合せを指す。
したがって、本明細書ではまた、MEK関連腫瘍を処置する方法であって、それを必要とする対象に、(a)式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩、および(b)腫瘍の処置のために同時、別々または逐次的に使用するための1種または複数の、例えば1種または複数のさらなる抗がん剤を含む、前記腫瘍を処置するための薬学的組合せを投与することを含み、式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩およびさらなる抗がん剤(複数可)の量が、腫瘍を処置するのに一緒になって有効である、方法が提供される。
一実施形態において、本明細書では、MEK関連腫瘍(例えば、良性、悪性、または転移性腫瘍)を処置する方法であって、それを必要とする対象に、治療有効量の式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩を投与することを含み、対象が、前記式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩の投与の前に、外科手術、放射線療法および同じまたは異なる作用機序によって働く抗がん剤から独立に選択される1種または複数の、例えば1種または複数の抗がん治療から選択される抗がん治療を用いる処置を受けていない、方法が提供される。一実施形態において、患者は、前記式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩の投与の前に、抗がん剤で処置されていない。一実施形態において、患者は、前記式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩の投与の前に、外科手術で処置されていない。一実施形態において、患者は、前記式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩の投与の前に、放射線療法で処置されていない。
一実施形態において、本明細書では、MEK関連腫瘍(例えば、良性、悪性、または転移性腫瘍)を有している対象を処置する方法であって、治療有効量の式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩を投与することを含み、対象が、過去の治療または標準治療(例えば、式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩以外の1種もしくは複数の抗がん剤を用いる処置および/または放射線療法および/または外科手術)で処置されており、MEK関連腫瘍が、前記過去の治療に対して難治性または不耐性になっている、方法が提供される。一実施形態において、対象は、前記過去の処置中に脳転移を発症した。
MEK関連腫瘍を有している対象を処置する、本明細書で開示される方法の一実施形態において、転移性黒色腫(例えば、BRAF V600変異またはBRAF融合を有する転移性黒色腫)を有している対象は、式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩を用いる処置の前に、BRAF阻害剤を用いる処置を受けていた。一実施形態において、対象は、エンコラフェニブ、ダブラフェニブ、ベムラフェニブ、N-[3-(5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イルカルボニル)-2,4-ジフルオロフェニル]プロパン-1-スルホンアミド、(3R)-N-(3-[[5-(2-シクロプロピルピリミジン-5-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル]カルボニル]-2,4-ジフルオロフェニル)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミド(PLX8394)から選択されるBRAF阻害剤で以前に処置された。一実施形態において、対象は、エンコラフェニブ、ダブラフェニブおよびベムラフェニブから選択されるBRAF阻害剤で以前に処置された。一実施形態において、対象は、前記過去の処置に対して難治性になった。一実施形態において、対象は、前記過去の処置中に脳転移を発症した。
MEK関連腫瘍を有している対象を処置する、本明細書で開示される方法の一実施形態において、転移性黒色腫(例えば、BRAF V600変異またはBRAF融合を有する転移性黒色腫)を有している対象は、式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩を用いる処置の前に、BRAF阻害剤およびMEK阻害剤を用いる処置を受けていた。一実施形態において、対象は、エンコラフェニブ、ダブラフェニブ、ベムラフェニブ、N-[3-(5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イルカルボニル)-2,4-ジフルオロフェニル]プロパン-1-スルホンアミド、および(3R)-N-(3-[[5-(2-シクロプロピルピリミジン-5-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル]カルボニル]-2,4-ジフルオロフェニル)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミド(PLX8394)から選択されるBRAF阻害剤、ならびにビニメチニブ、トラメチニブ、コビメチニブ、セルメチニブ、ピマセルチブ、レファメチニブ、N-[2(R),3-ジヒドロキシプロパオキシ]-3,4-ジフルオロ-2-(2-フルオロ-4-ヨードフェニルアミノ)ベンズアミド(PD-325901)、2-(2-クロロ-4-ヨードフェニルアミノ)-N-(シクロプロピルメトキシ)-3,4-ジフルオロベンズアミド(CI-1040)、および3-[2(R),3-ジヒドロキシプロピル]-6-フルオロ-5-(2-フルオロ-4-ヨードフェニルアミノ)-8-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-4,7(3H,8H)-ジオン(TAK-733)から選択されるMEK阻害剤で以前に処置された。一実施形態において、対象は、エンコラフェニブ、ダブラフェニブおよびベムラフェニブから選択されるBRAF阻害剤、ならびにビニメチニブ、トラメチニブおよびコビメチニブから選択されるMEK阻害剤で以前に処置された。一実施形態において、対象は、エンコラフェニブおよびビニメチニブで以前に処置された。一実施形態において、対象は、ダブラフェニブおよびトラメチニブで以前に処置された。一実施形態において、対象は、ベムラフェニブおよびコビメチニブで以前に処置された。一実施形態において、対象は、前記過去の処置に対して難治性になった。一実施形態において、対象は、前記過去の処置中に脳転移を発症した。
MEK関連腫瘍を有している対象を処置する、本明細書で開示される方法の一実施形態において、転移性黒色腫(例えば、BRAF V600変異またはBRAF融合を有する転移性黒色腫)を有している対象は、式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩を用いる処置の前に、1種または複数の、例えば1種または2種のチェックポイント阻害剤(例えば、本明細書で開示されるチェックポイント阻害剤のいずれか、例えば、CTLA-4阻害剤、PD-1阻害剤、および/またはPD-L1阻害剤)を用いる処置を受けていた。一実施形態において、対象は、イピリムマブ、ニボルマブ、およびペムブロリズマブから独立に選択される1種または複数の、例えば1種または2種のチェックポイント阻害剤で以前に処置された。一実施形態において、対象は、前記過去の処置に対して難治性になった。一実施形態において、対象は、前記過去の処置中に脳転移を発症した。
MEK関連腫瘍を有している対象を処置する、本明細書で開示される方法の一実施形態において、転移性黒色腫(例えば、BRAF V600変異またはBRAF融合を有する転移性黒色腫)を有している対象は、式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩を用いる処置の前に、1種または複数の、例えば1種または2種のPI3K阻害剤を用いる処置を受けていた。一実施形態において、対象は、ブパルリシブ(BKM120)、アルペリシブ(BYL719)、サモトリシブ(LY3023414)、8-[(1R)-1-[(3,5-ジフルオロフェニル)アミノ]エチル]-N,N-ジメチル-2-(モルホリン-4-イル)-4-オキソ-4H-クロメン-6-カルボキサミド(AZD8186)、テナリシブ(RP6530)、ボクスタリシブ塩酸塩(SAR-245409)、ゲダトリシブ(PF-05212384)、パヌリシブ(P-7170)、タセリシブ(GDC-0032)、トランス-2-アミノ-8-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)シクロヘキシル]-6-(6-メトキシピリジン-3-イル)-4-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(PF-04691502)、デュベリシブ(ABBV-954)、N2-[4-オキソ-4-[4-(4-オキソ-8-フェニル-4H-1-ベンゾピラン-2-イル)モルホリン-4-イウム-4-イルメトキシ]ブチリル]-L-アルギニル-グリシル-L-アスパルチル-L-セリンアセテート(SF-1126)、ピクチリシブ(GDC-0941)、2-メチル-1-[2-メチル-3-(トリフルオロメチル)ベンジル]-6-(モルホリン-4-イル)-1H-ベンズイミダゾール-4-カルボン酸(GSK2636771)、イデラリシブ(GS-1101)、ウムブラリシブトシル酸塩(TGR-1202)、ピクチリシブ(GDC-0941)、コパンリシブ塩酸塩(BAY84-1236)、ダクトリシブ(BEZ-235)、1-(4-[5-[5-アミノ-6-(5-tert-ブチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピラジン-2-イル]-1-エチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピペリジン-1-イル)-3-ヒドロキシプロパン-1-オン(AZD-8835)、5-[6,6-ジメチル-4-(モルホリン-4-イル)-8,9-ジヒドロ-6H-[1,4]オキサジノ[4,3-e]プリン-2-イル]ピリミジン-2-アミン(GDC-0084)エベロリムス、ラパマイシン、ペリフォシン、シロリムス、およびテムシロリムスから選択される1種または複数の、例えば1種または2種のPI3K阻害剤で以前に処置された。一実施形態において、対象は、単独または組合せのブパルリシブまたはアルペリシブで以前に処置された。一実施形態において、対象は、前記過去の処置に対して難治性になった。一実施形態において、対象は、前記過去の処置中に脳転移を発症した。一実施形態において、対象は、前記過去の処置中に脳転移を発症した。
MEK関連腫瘍を有している対象を処置する、本明細書で開示される方法の一実施形態において、転移性黒色腫(例えば、BRAF V600変異またはBRAF融合を有する転移性黒色腫)を有している対象は、式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩を用いる処置の前に、BRAF阻害剤および1種または複数の、例えば1種または2種のチェックポイント阻害剤(例えば、本明細書で開示されるチェックポイント阻害剤のいずれか、例えば、CTLA-4阻害剤、PD-1阻害剤、および/またはPD-L1阻害剤)を用いる処置を受けていた。一実施形態において、対象は、エンコラフェニブ、ダブラフェニブ、ベムラフェニブ、N-[3-(5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イルカルボニル)-2,4-ジフルオロフェニル]プロパン-1-スルホンアミド、および(3R)-N-(3-[[5-(2-シクロプロピルピリミジン-5-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル]カルボニル]-2,4-ジフルオロフェニル)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミド(PLX8394)から選択されるBRAF阻害剤、ならびにイピリムマブ、ニボルマブおよびペムブロリズマブから独立に選択される1種または複数の、例えば1種または2種のチェックポイント阻害剤で以前に処置された。一実施形態において、対象は、前記過去の処置に対して難治性になった。一実施形態において、対象は、前記過去の処置中に脳転移を発症した。
MEK関連腫瘍を有している対象を処置する、本明細書で開示される方法の一実施形態において、転移性黒色腫(例えば、BRAF V600変異またはBRAF融合を有する転移性黒色腫)を有している対象は、式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩を用いる処置の前に、BRAF阻害剤、MEK阻害剤、および1種または複数の、例えば1種または2種のチェックポイント阻害剤(例えば、本明細書で開示されるチェックポイント阻害剤のいずれか、例えば、CTLA-4阻害剤、PD-1阻害剤、および/またはPD-L1阻害剤)を用いる処置を受けていた。一実施形態において、対象は、エンコラフェニブ、ダブラフェニブ、ベムラフェニブ、N-[3-(5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イルカルボニル)-2,4-ジフルオロフェニル]プロパン-1-スルホンアミド(PLX4720)、および(3R)-N-(3-[[5-(2-シクロプロピルピリミジン-5-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル]カルボニル]-2,4-ジフルオロフェニル)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミド(PLX8394)から選択されるBRAF阻害剤、ビニメチニブ、トラメチニブ、コビメチニブ、セルメチニブ、ピマセルチブ、レファメチニブ、N-[2(R),3-ジヒドロキシプロパオキシ]-3,4-ジフルオロ-2-(2-フルオロ-4-ヨードフェニルアミノ)ベンズアミド(PD-325901)、2-(2-クロロ-4-ヨードフェニルアミノ)-N-(シクロプロピルメトキシ)-3,4-ジフルオロベンズアミド(CI-1040)、および3-[2(R),3-ジヒドロキシプロピル]-6-フルオロ-5-(2-フルオロ-4-ヨードフェニルアミノ)-8-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-4,7(3H,8H)-ジオン(TAK-733)から選択されるMEK阻害剤、ならびに1種または複数のチェックポイント阻害剤(例えば、本明細書で開示されるチェックポイント阻害剤のいずれか、例えば、CTLA-4阻害剤、PD-1阻害剤、および/またはPD-L1阻害剤)で以前に処置された。一実施形態において、対象は、エンコラフェニブ、ダブラフェニブおよびベムラフェニブから選択されるBRAF阻害剤、ビニメチニブ、トラメチニブおよびコビメチニブから選択されるMEK阻害剤、ならびにイピリムマブ、ニボルマブおよびペムブロリズマブから独立に選択される1種または複数の、例えば1種または2種のチェックポイント阻害剤で以前に処置された。一実施形態において、対象は、前記過去の処置に対して難治性になった。一実施形態において、対象は、前記過去の処置中に脳転移を発症した。
MEK関連腫瘍を有している対象を処置する、本明細書で開示される方法の一実施形態において、転移性黒色腫(例えば、BRAF V600変異またはBRAF融合を有する転移性黒色腫)を有している対象は、式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩を用いる処置の前に、1種または複数の、例えば1種または2種のアルキル化剤を用いる処置を受けていた。一実施形態において、対象は、テモゾロミド、フォテムスチン、ロムスチンおよびカルムスチンから選択されるアルキル化剤で以前に処置された。一実施形態において、対象は、テモゾロミドで以前に処置された。一実施形態において、対象は、前記過去の処置に対して難治性になった。一実施形態において、対象は、前記過去の処置中に脳転移を発症した。
MEK関連腫瘍を有している対象を処置する、本明細書で開示される方法の一実施形態において、転移性結腸直腸がん(例えば、BRAF V600変異またはBRAF融合を有している転移性結腸直腸がん)を有している対象は、式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIもしくは薬学的に許容できるその塩を用いる処置の前に、MEK阻害剤および1種または複数の、例えば1種または2種のチェックポイント阻害剤(例えば、本明細書で開示されるチェックポイント阻害剤のいずれか、例えば、CTLA-4阻害剤、PD-1阻害剤、および/またはPD-L1阻害剤)を用いる処置を受けていた。一実施形態において、対象は、ビニメチニブ、トラメチニブ、コビメチニブ、セルメチニブ、ピマセルチブ、レファメチニブ、N-[2(R),3-ジヒドロキシプロパオキシ]-3,4-ジフルオロ-2-(2-フルオロ-4-ヨードフェニルアミノ)ベンズアミド(PD-325901)、2-(2-クロロ-4-ヨードフェニルアミノ)-N-(シクロプロピルメトキシ)-3,4-ジフルオロベンズアミド(CI-1040)、および3-[2(R),3-ジヒドロキシプロピル]-6-フルオロ-5-(2-フルオロ-4-ヨードフェニルアミノ)-8-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-4,7(3H,8H)-ジオン(TAK-733)から選択されるMEK阻害剤、ならびに1種または複数のチェックポイント阻害剤(例えば、本明細書で開示されるチェックポイント阻害剤のいずれか、例えば、CTLA-4阻害剤、PD-1阻害剤、および/またはPD-L1阻害剤)で以前に処置された。一実施形態において、対象は、ビニメチニブ、トラメチニブおよびコビメチニブから選択されるMEK阻害剤、ならびにイピリムマブ、ニボルマブおよびペムブロリズマブから独立に選択される1種または複数の、例えば1種または2種のチェックポイント阻害剤で以前に処置された。一実施形態において、対象は、ビニメチニブであるMEK阻害剤、およびニボルマブ、イピリムマブまたはペムブロリズマブであるチェックポイント阻害剤で以前に処置された。一実施形態において、対象は、前記過去の処置に対して難治性になった。一実施形態において、対象は、前記過去の処置中に脳転移を発症した。
MEK関連腫瘍を有している対象を処置する、本明細書で開示される方法の一実施形態において、転移性結腸直腸がん(例えば、BRAF V600変異またはBRAF融合を有している転移性結腸直腸がん)を有している対象は、式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩を用いる処置の前に、1種または複数の、例えば1種または2種のチェックポイント阻害剤(例えば、本明細書で開示されるチェックポイント阻害剤のいずれか、例えば、CTLA-4阻害剤、PD-1阻害剤、および/またはPD-L1阻害剤)を用いる処置を受けていた。一実施形態において、対象は、イピリムマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、およびササンリマブから独立に選択される1種または複数の、例えば1種または2種のチェックポイント阻害剤で以前に処置された。一実施形態において、対象は、前記過去の処置に対して難治性になった。一実施形態において、対象は、前記過去の処置中に脳転移を発症した。
MEK関連腫瘍を有している対象を処置する、本明細書で開示される方法の一実施形態において、転移性結腸直腸がん(例えば、BRAF V600変異またはBRAF融合を有する変異転移性結腸直腸がん)を有している対象は、式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩を用いる処置の前に、1種または複数の細胞傷害性化学療法剤を用いる処置を受けていた。一実施形態において、対象は、式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩を用いる処置の前に、オキサリプラチン、イリノテカン、FOLFOXIRI(オキサリプラチン、イリノテカンおよびフルオロウラシル)、FOLFIRI(フォリン酸、フルオロウラシルおよびイリノテカン)またはCAPEOX(カペシタビンおよびオキサリプラチン)を用いる処置を受けていた。一実施形態において、対象は、前記過去の処置に対して難治性になった。一実施形態において、対象は、前記過去の処置中に脳転移を発症した。
MEK関連腫瘍を有している対象を処置する、本明細書で開示される方法の一実施形態において、転移性結腸直腸がん(例えば、BRAF V600変異またはBRAF融合を有している転移性結腸直腸がん)を有している対象は、式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩を用いる処置の前に、EGFR阻害剤、BRAF阻害剤、および1種または複数の細胞傷害性化学療法剤を用いる処置を受けていた。一実施形態において、転移性結腸直腸がんを有している対象は、セツキシマブ、パニツムマブ、オシメルチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ネシツムマブ、ネラチニブ、ラパチニブ、バンデタニブおよびブリガチニブから選択されるEGFR阻害剤、エンコラフェニブ、ダブラフェニブ、ベムラフェニブ、N-[3-(5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イルカルボニル)-2,4-ジフルオロフェニル]プロパン-1-スルホンアミド(PLX4720)、および(3R)-N-(3-[[5-(2-シクロプロピルピリミジン-5-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル]カルボニル]-2,4-ジフルオロフェニル)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミド(PLX8394)から選択されるBRAF阻害剤、ならびに1種または複数の細胞傷害性化学療法剤を用いる処置を以前に受けた。一実施形態において、対象は、セツキシマブおよびパニツムマブから選択されるEGFR阻害剤、ベムラフェニブであるBRAF阻害剤、ならびにイリノテカンである細胞傷害性化学療法剤を用いる処置を以前に受けた。一実施形態において、対象は、前記過去の処置に対して難治性になった。一実施形態において、対象は、前記過去の処置中に脳転移を発症した。
MEK関連腫瘍を有している対象を処置する、本明細書で開示される方法の一実施形態において、転移性結腸直腸がん(例えば、BRAF V600変異またはBRAF融合を有している転移性結腸直腸がん)を有している対象は、式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩、式IIの化合物または薬学的に許容できるその塩を用いる処置の前に、EGFR阻害剤および1種または複数の細胞傷害性化学療法剤を用いる処置を受けていた。一実施形態において、対象は、セツキシマブ、パニツムマブ、オシメルチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ネシツムマブ、ネラチニブ、ラパチニブ、バンデタニブおよびブリガチニブから選択されるEGFR阻害剤、ならびに1種または複数の化学療法剤を用いる処置を以前に受けた。一実施形態において、対象は、セツキシマブおよびパニツムマブから選択されるEGFR阻害剤、ならびにイリノテカンまたはFOLFIRI(フォリン酸、フルオロウラシルおよびイリノテカン)である細胞傷害性化学療法剤を用いる処置を以前に受けた。一実施形態において、対象は、前記過去の処置に対して難治性になった。一実施形態において、対象は、前記過去の処置中に脳転移を発症した。
MEK関連腫瘍を有している対象を処置する、本明細書で開示される方法の一実施形態において、転移性非小細胞肺がん(例えば、BRAF V600変異またはBRAF融合を有する転移性非小細胞肺がん)を有している対象は、式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩、式IIの化合物または薬学的に許容できるその塩を用いる処置の前に、1種または複数の、例えば1種または2種のEGFR阻害剤を用いる処置を受けていた。一実施形態において、対象は、セツキシマブ、パニツムマブ、オシメルチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ネシツムマブ、ネラチニブ、ラパチニブ、バンデタニブおよびブリガチニブから独立に選択される1種または複数の、例えば1種または2種のEGFR阻害剤で以前に処置された。一実施形態において、対象は、エルロチニブで以前に処置された。一実施形態において、対象は、ゲフィチニブで以前に処置された。一実施形態において、対象は、エルロチニブおよびゲフィチニブで以前に処置された。一実施形態において、対象は、前記過去の処置に対して難治性になった。一実施形態において、対象は、前記過去の処置中に脳転移を発症した。
MEK関連腫瘍を有している対象を処置する、本明細書で開示される方法の一実施形態において、転移性非小細胞肺がん(例えば、BRAF変異を有する転移性非小細胞肺がん)を有している対象は、式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩を用いる処置の前に、エンコラフェニブ、ダブラフェニブ、ベムラフェニブ、N-[3-(5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イルカルボニル)-2,4-ジフルオロフェニル]プロパン-1-スルホンアミド(PLX4720)、および(3R)-N-(3-[[5-(2-シクロプロピルピリミジン-5-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル]カルボニル]-2,4-ジフルオロフェニル)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミド(PLX8394)から選択されるBRAF阻害剤、ビニメチニブ、トラメチニブ、コビメチニブ、セルメチニブ、ピマセルチブ、レファメチニブ、N-[2(R),3-ジヒドロキシプロパオキシ]-3,4-ジフルオロ-2-(2-フルオロ-4-ヨードフェニルアミノ)ベンズアミド(PD-325901)、2-(2-クロロ-4-ヨードフェニルアミノ)-N-(シクロプロピルメトキシ)-3,4-ジフルオロベンズアミド(CI-1040)、および3-[2(R),3-ジヒドロキシプロピル]-6-フルオロ-5-(2-フルオロ-4-ヨードフェニルアミノ)-8-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-4,7(3H,8H)-ジオン(TAK-733)から選択されるMEK阻害剤、ならびにセツキシマブ、パニツムマブ、オシメルチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ネシツムマブ、ネラチニブ、ラパチニブ、バンデタニブおよびブリガチニブから選択されるEGFR阻害剤を用いる処置を以前に受けた。一実施形態において、対象は、式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩を用いる処置の前に、ベムラフェニブ、ダブラフェニブおよびエンコラフェニブから選択されるBRAF阻害剤、ならびにセツキシマブおよびパニツムマブから選択されるEGFR阻害剤で以前に処置された。一実施形態において、対象は、前記過去の処置に対して難治性になった。一実施形態において、対象は、前記過去の処置中に脳転移を発症した。
MEK関連腫瘍を有している対象を処置する、本明細書で開示される方法の一実施形態において、転移性甲状腺がん(例えば、BRAF V600変異またはBRAF融合を有する転移性甲状腺がん)を有している対象は、式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩、式IIの化合物または薬学的に許容できるその塩を用いる処置の前に、エンコラフェニブ、ダブラフェニブ、ベムラフェニブ、N-[3-(5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イルカルボニル)-2,4-ジフルオロフェニル]プロパン-1-スルホンアミド(PLX4720)、および(3R)-N-(3-[[5-(2-シクロプロピルピリミジン-5-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル]カルボニル]-2,4-ジフルオロフェニル)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミド(PLX8394)から選択されるBRAF阻害剤、ビニメチニブ、トラメチニブ、コビメチニブ、セルメチニブ、ピマセルチブ、レファメチニブ、N-[2(R),3-ジヒドロキシプロパオキシ]-3,4-ジフルオロ-2-(2-フルオロ-4-ヨードフェニルアミノ)ベンズアミド(PD-325901)、2-(2-クロロ-4-ヨードフェニルアミノ)-N-(シクロプロピルメトキシ)-3,4-ジフルオロベンズアミド(CI-1040)、および3-[2(R),3-ジヒドロキシプロピル]-6-フルオロ-5-(2-フルオロ-4-ヨードフェニルアミノ)-8-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-4,7(3H,8H)-ジオン(TAK-733)から選択されるMEK阻害剤、ならびにセツキシマブ、パニツムマブ、オシメルチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ネシツムマブ、ネラチニブ、ラパチニブ、バンデタニブおよびブリガチニブから選択されるEGFR阻害剤を用いる処置を以前に受けた。一実施形態において、対象は、式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩を用いる処置の前に、ベムラフェニブ、ダブラフェニブおよびエンコラフェニブから選択されるBRAF阻害剤で以前に処置された。一実施形態において、対象は、前記過去の処置に対して難治性になった。一実施形態において、対象は、前記過去の処置中に脳転移を発症した。
MEK関連腫瘍を有している対象を処置する、本明細書で開示される方法の一実施形態において、対象は、LMDを有しており、式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩、式IIの化合物または薬学的に許容できるその塩を用いる処置の前に、BRAF阻害剤、および1種または複数の、例えば1種または2種のチェックポイント阻害剤(例えば、本明細書で開示されるチェックポイント阻害剤のいずれか、例えば、CTLA-4阻害剤、PD-1阻害剤、および/またはPD-L1阻害剤)で以前に処置された。一実施形態において、対象は、エンコラフェニブ、ダブラフェニブ、ベムラフェニブ、N-[3-(5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イルカルボニル)-2,4-ジフルオロフェニル]プロパン-1-スルホンアミド(PLX4720)、および(3R)-N-(3-[[5-(2-シクロプロピルピリミジン-5-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル]カルボニル]-2,4-ジフルオロフェニル)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミド(PLX8394)から選択されるBRAF阻害剤、ならびにイピリムマブ、ニボルマブおよびペムブロリズマブから独立に選択される1種または複数の、例えば1種または2種のチェックポイント阻害剤で以前に処置された。一実施形態において、対象は、前記過去の処置に対して難治性になった。
MEK関連腫瘍を有している対象を処置する、本明細書で開示される方法の一実施形態において、対象は、LMDを有しており、式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩、式IIの化合物または薬学的に許容できるその塩を用いる処置の前に、BRAF阻害剤、MEK阻害剤、および1種または複数の、例えば1種または2種のチェックポイント阻害剤(例えば、本明細書で開示されるチェックポイント阻害剤のいずれか、例えば、CTLA-4阻害剤、PD-1阻害剤、および/またはPD-L1阻害剤)で以前に処置された。一実施形態において、対象は、エンコラフェニブ、ダブラフェニブ、ベムラフェニブ、N-[3-(5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イルカルボニル)-2,4-ジフルオロフェニル]プロパン-1-スルホンアミド(PLX4720)、および(3R)-N-(3-[[5-(2-シクロプロピルピリミジン-5-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル]カルボニル]-2,4-ジフルオロフェニル)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミド(PLX8394)から選択されるBRAF阻害剤、ビニメチニブ、トラメチニブ、コビメチニブ、セルメチニブ、ピマセルチブ、レファメチニブ、N-[2(R),3-ジヒドロキシプロパオキシ]-3,4-ジフルオロ-2-(2-フルオロ-4-ヨードフェニルアミノ)ベンズアミド(PD-325901)、2-(2-クロロ-4-ヨードフェニルアミノ)-N-(シクロプロピルメトキシ)-3,4-ジフルオロベンズアミド(CI-1040)、および3-[2(R),3-ジヒドロキシプロピル]-6-フルオロ-5-(2-フルオロ-4-ヨードフェニルアミノ)-8-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-4,7(3H,8H)-ジオン(TAK-733)から選択されるMEK阻害剤、ならびにチェックポイント阻害剤(例えば、本明細書で開示されるチェックポイント阻害剤のいずれか、例えば、CTLA-4阻害剤、PD-1阻害剤、および/またはPD-L1阻害剤)で以前に処置された。一実施形態において、対象は、エンコラフェニブ、ダブラフェニブおよびベムラフェニブから選択されるBRAF阻害剤、ビニメチニブ、トラメチニブおよびコビメチニブから選択されるMEK阻害剤、ならびにイピリムマブ、ニボルマブおよびペムブロリズマブから独立に選択される1種または複数の、例えば1種または2種のチェックポイント阻害剤で以前に処置された。一実施形態において、対象は、前記過去の処置に対して難治性になった。
MEK関連腫瘍を有している対象を処置する、本明細書で開示される方法の一実施形態において、対象は、LMDを有しており、式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩、式IIの化合物または薬学的に許容できるその塩を用いる処置の前に、1種または複数の、例えば1種または2種のチェックポイント阻害剤(例えば、本明細書で開示されるチェックポイント阻害剤のいずれか、例えば、CTLA-4阻害剤、PD-1阻害剤、および/またはPD-L1阻害剤)で以前に処置された。一実施形態において、対象は、イピリムマブ、ニボルマブ、およびペムブロリズマブから独立に選択される1種または複数の、例えば1種または2種のチェックポイント阻害剤で以前に処置された。一実施形態において、対象は、前記過去の処置に対して難治性になった。
MEK関連腫瘍を有している対象を処置する、本明細書で開示される方法の一実施形態において、対象は、神経膠腫を有しており、式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩、式IIの化合物または薬学的に許容できるその塩を用いる処置の前に、外科手術で以前に処置された。一実施形態において、対象は、前記過去の処置に対して難治性になった。一実施形態において、神経膠腫は、グレード2、グレード3またはグレード4の神経膠腫である。
MEK関連腫瘍を有している対象を処置する、本明細書で開示される方法の一実施形態において、対象は、神経膠腫を有しており、式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩、式IIの化合物または薬学的に許容できるその塩を用いる処置の前に、放射線療法(例えば、全脳放射線療法または定位手術的照射)で以前に処置された。一実施形態において、対象は、前記過去の処置に対して難治性になった。一実施形態において、神経膠腫は、グレード2、グレード3またはグレード4の神経膠腫である。
MEK関連腫瘍を有している対象を処置する、本明細書で開示される方法の一実施形態において、対象は、神経膠腫を有しており、式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩、式IIの化合物または薬学的に許容できるその塩を用いる処置の前に、1種または複数の細胞傷害性化学療法剤で以前に処置された。一実施形態において、対象は、シスプラチン、ペメトレキセド、ビノレルビンおよびパクリタキセルから独立に選択される1種または複数の細胞傷害性化学療法剤で以前に処置された。一実施形態において、対象は、前記過去の処置に対して難治性になった。一実施形態において、神経膠腫は、グレード2、グレード3またはグレード4の神経膠腫である。
MEK関連腫瘍を有している対象を処置する、本明細書で開示される方法の一実施形態において、対象は、MEK関連神経膠腫を有しており、式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩、式IIの化合物または薬学的に許容できるその塩を用いる処置の前に、オルニチンデカルボキシラーゼ阻害剤で以前に処置された。一実施形態において、対象は、エフロルニチン(ラセミ体、またはDもしくはL鏡像異性体として)であるオルニチンデカルボキシラーゼ阻害剤を用いる処置を以前に受けた。一実施形態において、対象は、前記過去の処置に対して難治性になった。一実施形態において、神経膠腫は、グレード2、グレード3またはグレード4の神経膠腫である。
MEK関連腫瘍を有している対象を処置する、本明細書で開示される方法の一実施形態において、対象は、MEK関連神経膠腫を有しており、式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩、式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩を用いる処置の前に、アルキル化剤で以前に処置された。一実施形態において、対象は、テモゾロミド、ロムスチン、およびカルムスチンから選択されるアルキル化剤を用いる処置を以前に受けた。一実施形態において、対象は、前記過去の処置に対して難治性になった。一実施形態において、神経膠腫は、グレード2、グレード3またはグレード4の神経膠腫である。
MEK関連腫瘍を有している対象を処置する、本明細書で開示される方法の一実施形態において、対象は、MEK関連神経膠腫を有しており、式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩、式IIの化合物または薬学的に許容できるその塩を用いる処置の前に、アルキル化剤およびオルニチンデカルボキシラーゼ阻害剤で以前に処置された。一実施形態において、対象は、テモゾロミド、ロムスチンおよびカルムスチンから選択されるアルキル化剤、ならびにエフロルニチン(ラセミ体、またはDもしくはL鏡像異性体として)であるオルニチンデカルボキシラーゼ阻害剤を用いる処置を以前に受けた。一実施形態において、対象は、前記過去の処置に対して難治性になった。一実施形態において、神経膠腫は、グレード2、グレード3またはグレード4の神経膠腫である。
MEK関連腫瘍を有している対象を処置する、本明細書で開示される方法の一実施形態において、対象は、MEK関連神経膠腫を有しており、式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩、式IIの化合物または薬学的に許容できるその塩を用いる処置の前に、放射線療法(例えば、全脳放射線療法または定位手術的照射)およびアルキル化剤で以前に処置された。一実施形態において、対象は、放射線療法(例えば、全脳放射線療法または定位手術的照射)、ならびにテモゾロミド、ロムスチンおよびカルムスチンから選択されるアルキル化剤を用いる処置を以前に受けた。一実施形態において、対象は、前記過去の処置に対して難治性になった。一実施形態において、神経膠腫は、グレード2、グレード3またはグレード4の神経膠腫である。
MEK関連腫瘍を有している対象を処置する、本明細書で開示される方法の一実施形態において、対象は、MEK関連神経膠腫を有しており、式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩、式IIの化合物または薬学的に許容できるその塩を用いる処置の前に、抗体治療で以前に処置された。一実施形態において、対象は、ベバシズマブである抗体治療を用いる処置を以前に受けた。一実施形態において、対象は、前記過去の処置に対して難治性になった。一実施形態において、神経膠腫は、グレード2、グレード3またはグレード4の神経膠腫である。
MEK関連腫瘍を有している対象を処置する、本明細書で開示される方法の一実施形態において、対象は、MEK関連神経膠腫を有しており、式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩、式IIの化合物または薬学的に許容できるその塩を用いる処置の前に、外科手術および放射線療法で以前に処置された。一実施形態において、対象は、前記過去の処置に対して難治性になった。一実施形態において、神経膠腫は、グレード2、グレード3またはグレード4の神経膠腫である。
MEK関連腫瘍を有している対象を処置する、本明細書で開示される方法の一実施形態において、対象は、MEK関連神経膠腫を有しており、式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩、式IIの化合物または薬学的に許容できるその塩を用いる処置の前に、外科手術、放射線療法およびアルキル化剤で以前に処置された。一実施形態において、対象は、外科手術、放射線療法(例えば、全脳放射線療法または定位手術的照射)、ならびにテモゾロミド、ロムスチンおよびカルムスチンから選択されるアルキル化剤で以前に処置された。一実施形態において、対象は、前記過去の処置に対して難治性になった。一実施形態において、神経膠腫は、グレード2、グレード3またはグレード4の神経膠腫である。
MEK関連腫瘍を有している対象を処置する、本明細書で開示される方法の一実施形態において、対象は、MEK関連神経膠腫を有しており、式IIの化合物または薬学的に許容できるその塩を用いる処置の前に、BRAF阻害剤で以前に処置された。一実施形態において、対象は、N-[3-(5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イルカルボニル)-2,4-ジフルオロフェニル]プロパン-1-スルホンアミド(PLX4720)、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、エンコラフェニブおよび(3R)-N-(3-[[5-(2-シクロプロピルピリミジン-5-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル]カルボニル]-2,4-ジフルオロフェニル)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミド(PLX8394)から選択されるBRAF阻害剤を用いる処置を以前に受けた。一実施形態において、対象は、前記過去の処置に対して難治性になった。一実施形態において、神経膠腫は、グレード2、グレード3またはグレード4の神経膠腫である。
MEK関連腫瘍を有している対象を処置する、本明細書で開示される方法の一実施形態において、対象は、MEK関連神経膠腫を有しており、式Iの化合物、もしくは薬学的に許容できるその塩、溶媒和物もしくは多形、または式IIの化合物、もしくは薬学的に許容できるその塩、溶媒和物もしくは多形を用いる処置の前に、BRAF阻害剤およびMEK阻害剤で以前に処置された。一実施形態において、対象は、N-[3-(5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イルカルボニル)-2,4-ジフルオロフェニル]プロパン-1-スルホンアミド(PLX4720)、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、エンコラフェニブおよび(3R)-N-(3-[[5-(2-シクロプロピルピリミジン-5-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル]カルボニル]-2,4-ジフルオロフェニル)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミド(PLX8394)から選択されるBRAF阻害剤、ならびにビニメチニブ、トラメチニブ、コビメチニブ、セルメチニブ、ピマセルチブ、レファメチニブ、N-[2(R),3-ジヒドロキシプロパオキシ]-3,4-ジフルオロ-2-(2-フルオロ-4-ヨードフェニルアミノ)ベンズアミド(PD-325901)、2-(2-クロロ-4-ヨードフェニルアミノ)-N-(シクロプロピルメトキシ)-3,4-ジフルオロベンズアミド(CI-1040)、および3-[2(R),3-ジヒドロキシプロピル]-6-フルオロ-5-(2-フルオロ-4-ヨードフェニルアミノ)-8-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-4,7(3H,8H)-ジオン(TAK-733)から選択されるMEK阻害剤を用いる処置を以前に受けた。一実施形態において、対象は、エンコラフェニブ、ダブラフェニブおよびベムラフェニブから選択されるBRAF阻害剤、ならびにビニメチニブ、トラメチニブおよびコビメチニブから選択されるMEK阻害剤で以前に処置された。一実施形態において、対象は、前記過去の処置に対して難治性になった。一実施形態において、神経膠腫は、グレード2、グレード3またはグレード4の神経膠腫である。
MEK関連腫瘍を有している対象を処置する、本明細書で開示される方法の一実施形態において、対象は、MEK関連脳幹部神経節膠腫を有しており、式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩、式IIの化合物または薬学的に許容できるその塩を用いる処置の前に、BRAF阻害剤で以前に処置された。一実施形態において、対象は、エンコラフェニブ、ダブラフェニブ、ベムラフェニブ、N-[3-(5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イルカルボニル)-2,4-ジフルオロフェニル]プロパン-1-スルホンアミド(PLX4720)、および(3R)-N-(3-[[5-(2-シクロプロピルピリミジン-5-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル]カルボニル]-2,4-ジフルオロフェニル)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミド(PLX8394)から選択されるBRAF阻害剤で以前に処置された。一実施形態において、対象は、エンコラフェニブ、ダブラフェニブおよびベムラフェニブから選択されるBRAF阻害剤で以前に処置された。一実施形態において、対象は、前記過去の処置に対して難治性になった。
腫瘍発生の遺伝的基盤は、異なるがん型の間で変わり得るが、転移に必要な細胞および分子機序は、すべての固形腫瘍型で類似していると思われる。転移カスケード中、がん細胞は、成長阻害応答を喪失し、接着性の変化を受け、細胞外マトリックス構成成分を分解することができる酵素を産生する。これにより、腫瘍細胞が元の腫瘍から脱離し、新しく形成された脈管構造を通じて循環に浸潤し、腫瘍細胞が好ましい遠隔部位に遊走および血管外遊出し、そこでコロニーを形成し得る。いくつかの遺伝子が転移の促進因子または抑制因子であると特定された。
したがって、本明細書ではまた、それを必要とする対象におけるMEK関連腫瘍の転移を処置する、阻害する、防止する、防止の助けにする、または低減するための方法であって、対象に治療有効量の式Iの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩または式IIの化合物もしくは薬学的に許容できるその塩を投与することを含む方法が提供される。一実施形態において、式Iの化合物または薬学的に許容できるその塩は、外科手術(例えば、腫瘍の少なくとも部分的な切除)、放射線療法、および抗がん剤から独立に選択される1種または複数の抗がん治療と組み合わせて使用される。
本明細書で使用される場合、「転移を処置すること」という用語は、1つまたは複数の転移のサイズ、進行、および/またはさらなる拡大を低減することを意味する。
本明細書で使用される場合、「転移を阻害すること」という用語は、1つもしくは複数の転移の発生(または再発)を低減すること、1つもしくは複数の転移の発生(または再発)を防止すること、または1つもしくは複数の転移の拡大を低減することを意味する。
一実施形態において、本明細書で開示される方法のいずれかに従って処置された対象は、RECIST(Response Evaluation Criteria in Solid Tumors、例えば、RECISTバージョン1.0、RECISTバージョン1.1、および修正RECIST 1.1(mRECIST 1.1))、RANO-BM(Response Assessment in Neuro-Oncology Brain Metastases)、Macdonald、RANO-LMD、およびNANO(Neurologic Assessment in Neuro-Oncology)を含む、当技術分野で公知の1つまたは複数の標準応答評定基準に従って評定され得る。前記基準のいずれかの一実施形態において、腫瘍は、イメージング研究(例えば、MRI、CT、MDCTまたはPET)によって評定される。一実施形態において、処置応答は、RECISTバージョン1.1に従って評定され、ここで完全奏効(CR)は、すべての腫瘍病変の完全な消失として定義され、部分奏効(PR)は、腫瘍測定値の合計の少なくとも30%の低減として定義され、進行性疾患(PD)は、腫瘍測定値の合計の少なくとも20%の増大として定義され(新しい病変の発生または非標的病変の実質的な進行もPDとして定義される)、ベースラインから少なくとも5mmの増大はPDとして評価され、安定疾患(SD)は、処置中の最小の合計直径を基準として、PRと認定するには縮小が不十分であり、PDと認定するには十分に増大していないこととして定義される。一実施形態において、評定には、頭蓋内応答(ガドリニウム増強MRIを使用する修正RECISTに従って評定される)、頭蓋外応答、網羅的応答速度、疾患制御速度(DCR)、奏効持続期間(DOR)、無増悪生存期間(PFS)、および全生存期間(OS)が含まれる。
本明細書で使用される場合、薬物、化合物または医薬組成物の「有効投与量」または「有効量」は、疾患の生化学的、組織学的および/または行動学的症状、その合併症、ならびに疾患の発症中に現れる中間の病理学的表現型を含む、任意の1つまたは複数の有益なまたは所望の効果をもたらすのに十分な量である。治療上の使用について、「治療有効量」は、処置される障害の症状の1つまたは複数をある程度軽減する、投与される化合物の量を指す。がんの処置に言及する治療有効量は、(1)腫瘍サイズを低減する、(2)腫瘍転移を阻害する(すなわち、ある程度緩徐する、好ましくは停止させる)、(3)腫瘍成長もしくは腫瘍侵襲性をある程度阻害する(すなわち、ある程度緩徐する、好ましくは停止させる)、(4)がんと関連する1つもしくは複数の徴候もしくは症状をある程度軽減する(または好ましくは排除する)、(5)疾患を処置するのに必要な他の医薬の用量を低減する、および/または(6)別の医薬の効果を増強する、および/または(7)患者における疾患の進行を遅延させる効果を有する量を指す。
有効投与量は、1回または複数の投与で投与することができる。本発明の目的では、薬物、化合物、または医薬組成物の有効投与量は、予防的または治療的処置を直接的または間接的に達成するのに十分な量である。臨床的文脈において理解される通り、薬物、化合物または医薬組成物の有効投与量は、別の薬物、化合物または医薬組成物と共に達成されることも達成されないこともある。
「医薬組成物」は、活性成分としての本発明の化合物の1つもしくは複数、または薬学的に許容できるその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグと、少なくとも1種の薬学的に許容できる担体または賦形剤との混合物を指す。一実施形態において、医薬組成物は、2種以上の薬学的に許容できる担体および/または賦形剤を含む。
一実施形態において、本発明は、本発明の化合物または薬学的に許容できるその塩、および少なくとも1種の薬学的に許容できる担体または賦形剤を含む医薬組成物を提供する。一実施形態において、医薬組成物は、2種以上の薬学的に許容できる担体および/または賦形剤を含む。
したがって、一実施形態において、本発明は、それを必要とする対象における異常細胞成長の処置において使用するための医薬組成物であって、本発明の化合物または薬学的に許容できるその塩、および少なくとも1種の薬学的に許容できる担体または賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容できる担体」は、生物に著しい刺激を引き起こさず、投与された化合物の生物活性および特性を抑止しない、担体または希釈剤を指す。
薬学的に許容できる担体は、任意の従来の薬学的担体または賦形剤を含むことができる。担体および/または賦形剤の選択は、特定の投与方法、溶解度および安定性に対する担体または賦形剤の効果、ならびに剤形の性質などの因子に応じて大きく変わることになる。
好適な医薬担体には、不活性希釈剤または充填剤、水および様々な有機溶媒(例えば、水和物および溶媒和物)が含まれる。医薬組成物は、所望に応じて、香味剤、バインダー、賦形剤などのさらなる成分を含有することができる。
「賦形剤」という用語は、本明細書では、本発明の化合物(複数可)以外の任意の成分を説明するために使用される。賦形剤の選択は、投与方法、溶解度および安定性に対する賦形剤の効果、ならびに剤形の性質などの因子に応じて大きく変わることになる。
本明細書で使用される場合、「賦形剤」は、生理的に適合性がある、ありとあらゆる溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤、担体、希釈剤などを含む。賦形剤の例として、水、生理食塩水、リン酸緩衝溶液、ブドウ糖、グリセロール、エタノールなど、およびそれらの組合せの1つまたは複数が挙げられ、組成物中に、等張剤、例えば糖、塩化ナトリウム、または多価アルコール、例えばマンニトールもしくはソルビトールを含むことができる。賦形剤の例として、様々な有機溶媒(例えば、水和物および溶媒和物)も挙げられる。医薬組成物は、所望に応じて、さらなる賦形剤、例えば、香味剤、バインダー/結合剤、滑沢剤、崩壊剤、甘味剤もしくは香味剤、着色物質、または染料などを含有することができる。例えば、経口投与については、クエン酸などの様々な賦形剤を含有している錠剤は、様々な崩壊剤、例えばデンプン、アルギン酸およびある特定の複合ケイ酸塩、ならびに結合剤、例えばスクロース、ゼラチンおよびアカシアと一緒に用いることができる。賦形剤の例として、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖および様々なタイプのデンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油、ならびにポリエチレングリコールが挙げられるが、これらに限定されない。したがって、経口投与については、クエン酸などの様々な賦形剤を含有している錠剤は、様々な崩壊剤、例えばデンプン、アルギン酸およびある特定の複合ケイ酸塩、ならびに結合剤、例えばスクロース、ゼラチンおよびアカシアと一緒に用いることができる。賦形剤の例として、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖および様々なタイプのデンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油、ならびにポリエチレングリコールが挙げられるが、これらに限定されない。加えて、錠剤化の目的では、滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよびタルクが有用であることが多い。類似のタイプの固体組成物が、軟および硬充填ゼラチンカプセルに入れて用いられることもある。したがって、その材料の非限定的な例として、ラクトースまたは乳糖および高分子量ポリエチレングリコールが挙げられる。水性懸濁液またはエリキシルが経口投与に望ましい場合、その中の活性化合物は、希釈剤、例えば水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、またはそれらの組合せと一緒に、様々な甘味剤または香味剤、着色物質もしくは染料、および所望に応じて乳化剤または懸濁化剤と組み合わせることができる。
賦形剤の例として、化合物の保存期間または有効性を増強する、薬学的に許容できる物質、例えば湿潤剤、または少量の補助物質、例えば湿潤剤もしくは乳化剤、防腐剤、もしくは緩衝液も挙げられる。
医薬組成物は、例えば錠剤、カプセル剤、丸剤、散剤、持続放出製剤、溶液懸濁液剤として経口投与に好適な形態、無菌溶液剤、懸濁液剤またはエマルション剤として非経口注射に好適な液体溶液剤(例えば、注射可能な不溶解性溶液剤)、軟膏剤またはクリーム剤として局所投与に好適な形態、散剤、リポソーム剤、および坐剤(例えば、坐剤として直腸投与に好適な)であってよい。例示的な非経口投与形態として、無菌水溶液中の活性化合物の溶液剤または懸濁液剤、例えば、プロピレングリコール水溶液またはデキストロース溶液が挙げられる。そのような剤形は、所望に応じて好適に緩衝化することができる。その形態は、意図された投与方法および治療適用に応じて決まる。
医薬組成物は、正確な投与量の単回投与に好適な単位剤形であってよい。
本発明の化合物は、経口投与することができる。経口投与は、化合物が胃腸管に入るようにする嚥下を伴うことがあり、または化合物が口から血流に直接入るようにする口腔内頬側もしくは舌下投与が用いられることがある。経口投与に好適な製剤には、固体製剤、例えば、錠剤、微粒子、液体または粉末を含有しているカプセル剤、舐剤(液体で充填されたものを含む)、咀嚼製剤、多重およびナノ微粒子剤、ゲル剤、固溶体剤、リポソーム剤、フィルム剤(粘膜付着性のものを含む)、膣座薬、スプレー剤、ならびに液体製剤が含まれる。そのようなカプセル剤または錠剤は、制御放出製剤を含むことができる。カプセル剤、錠剤、および丸剤の場合、剤形は緩衝剤を含むこともでき、または腸溶コーティングで調製することができる。
液体製剤には、懸濁液剤、溶液剤、シロップ剤およびエリキシル剤が含まれる。そのような製剤は、軟または硬カプセル中の充填剤として使用することができ、典型的に、担体またはアジュバント、例えば湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、香味剤(例えば、甘味剤)または賦香剤、例えば水、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルロース、または好適な油、ならびに1種または複数の乳化剤および/または懸濁化剤の1つまたは複数などが含まれる。液体製剤は、例えばサシェから固体を復元することによって調製することもできる。
本発明の化合物は、急速溶解性、急速崩壊性剤形、例えば、LiangおよびChenによるExpert Opinion in Therapeutic Patents、11(6)、981 986(2001)に記載されているもので使用することもでき、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
錠剤剤形について、薬物は、用量に応じて、剤形の1wt%~80wt%、より典型的には剤形の5wt%~60wt%を構成することができる。錠剤は、一般に、薬物に加えて崩壊剤を含有する。崩壊剤の例として、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルシウムカルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、微結晶性セルロース、低級アルキル置換ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、アルファ化デンプンおよびアルギン酸ナトリウムが挙げられる。一般に、崩壊剤は、剤形の1wt%~25wt%、好ましくは5wt%~20wt%を構成する。バインダーは、一般に、錠剤製剤に粘着質を付与するために使用される。好適なバインダーには、微結晶性セルロース、ゼラチン、糖、ポリエチレングリコール、天然および合成ガム、ポリビニルピロリドン、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースが含まれる。錠剤は、希釈剤、例えばラクトース(一水和物、スプレー乾燥させた一水和物、無水物など)、マンニトール、キシリトール、ブドウ糖、スクロース、ソルビトール、微結晶性セルロース、デンプンおよびリン酸水素カルシウム二水和物を含有することもできる。また錠剤は、表面活性剤、例えばラウリル硫酸ナトリウムおよびポリソルベート80、ならびに流動促進剤、例えば、二酸化ケイ素およびタルクを含んでいてもよい。存在する場合、表面活性剤は、典型的に、錠剤の0.2wt%~5wt%の量で存在し、流動促進剤は、典型的に、錠剤の0.2wt%~1wt%で存在する。錠剤はまた、一般に、滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、フマル酸ステアリルナトリウム、およびステアリン酸マグネシウムとラウリル硫酸ナトリウムの混合物を含有する。滑沢剤は、一般に、錠剤の0.25wt%~10wt%、好ましくは0.5wt%~3wt%の量で存在する。他の従来の成分には、抗酸化剤、着色剤、香味剤、防腐剤および矯味剤が含まれる。錠剤ブレンドは、直接的にまたはローラーによって圧縮されて、錠剤を形成することができる。代替として、錠剤ブレンドまたはブレンドの一部を、湿式、乾式もしくは溶融造粒し、溶融凝固させ、または押し出した後に錠剤化することができる。最終製剤は、1つまたは複数の層を含んでいてよく、コーティングされてもコーティングされなくてもよく、またはカプセル化されてもよい。経口投与のための固体製剤は、即時および/または修正放出するように製剤化することができる。修正放出製剤は、遅延、持続パルス、制御、標的化およびプログラム化放出を含む。
経口投与について、組成物は、患者への投与量を症候に合わせて調整するために、0.01、0.05、0.1、0.25、0.5、1.0、2.5、5.0、10.0、15.0、25.0、50.0、75.0、または100ミリグラムの活性成分を含有している錠剤またはカプセル剤の形態で提供することができる。医薬は、典型的に、約0.01mg~約100mgの活性成分を含有する。別の実施形態において、医薬は、約0.01~0.25mgの活性成分を含有する。別の実施形態において、医薬は、約0.25、0.5、1.0、5.0、15または25mgの活性成分を含有する。
本発明の化合物は、血流、筋肉、または内臓に直接投与することもできる。非経口投与に好適な手段には、静脈内、動脈内、腹腔内、髄腔内、脳室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内および皮下が含まれる。非経口投与に好適なデバイスには、針(マイクロニードルを含む)注射器、無針注射器および注入技術が含まれる。注射可能な調製物(すなわち、注射可能な無菌水性または油性懸濁液)は、好適な分散化剤、湿潤剤、または懸濁化剤の1種または複数を使用して、公知の技術に従って製剤化することができる。非経口製剤は、典型的に、塩、炭水化物および緩衝剤(好ましくは3~9のpHにする)などの賦形剤を含有し得る水溶液であるが、一部の適用では、無菌の非水溶液として、または好適なビヒクル、例えば、無菌の発熱物質不含水と併用されることになる乾燥形態として、より好適に製剤化することができる。無菌条件下での、例えば凍結乾燥による非経口製剤の調製は、当業者に周知の標準的な薬学的技術を使用して容易に達成することができる。非経口溶液剤の調製に使用される本発明の化合物の溶解度は、適切な製剤技術の使用により、例えば溶解度増強剤を組み込むことにより増大させることができる。
非経口投与のための製剤は、即時および/または修正放出されるように製剤化することができる。修正放出製剤は、遅延、持続、パルス、制御、標的化およびプログラム化放出を含む。したがって、本発明の化合物は、活性化合物の修正放出を提供する埋め込まれたデポーとして投与するために、固体、半固体、またはチキソトロピー性を有する液体として製剤化することができる。そのような製剤の例として、薬物コーティングステントおよびPGLAミクロスフェアが挙げられる。
本発明の化合物は、皮膚または粘膜に局所的に、すなわち、経皮的または経真皮的に、例えば経皮パッチもしくはイオン導入デバイス、眼内投与、または鼻腔内もしくは吸入投与により投与することもできる。局所製剤は、皮膚または他の患部を介する活性成分の吸収または浸透を増強する化合物を含むことができる。本発明の化合物が経皮デバイスによって投与される場合、投与は、リザーバーおよび多孔膜タイプの、または固体マトリックス種のいずれかのパッチを使用して達成される。この目的のための典型的な製剤には、ゲル剤、ヒドロゲル剤、ローション剤、溶液剤、クリーム剤、軟膏剤、散布用散剤、包帯剤、フォーム剤、フィルム剤、皮膚パッチ剤、ウェハ剤、インプラント剤、スポンジ剤、繊維剤、絆創膏剤およびマイクロエマルション剤が含まれる。リポソームを使用することもできる。典型的な担体には、アルコール、水、鉱物油、液体ワセリン、白色ワセリン、グリセリン、ポリエチレングリコールおよびプロピレングリコールが含まれる。浸透増強剤が組み込まれてよい。局所投与の他の手段には、電気穿孔、イオン導入、フォノフォレーシス、ソノフォレーシスおよびマイクロニードルまたは無針(例えば、Powderject(商標)、Bioject(商標)など)注射による送達が含まれる。
目への局所投与に好適な製剤には、例えば本発明の化合物が好適な賦形剤に溶解または懸濁している点眼薬が含まれる。眼または耳への投与に好適な典型的な製剤は、等張のpH調整された無菌生理食塩水中の微粒子化懸濁液または溶液の液滴の形態であってよい。眼または耳への投与に好適な他の製剤には、軟膏剤、生分解性(すなわち、吸収性ゲルスポンジ、コラーゲン)および非生分解性(すなわち、シリコーン)インプラント剤、ウェハ剤、レンズ剤および微粒子剤、または小胞系、例えばニオソームもしくはリポソームが含まれる。架橋ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸、セルロースポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースもしくはメチルセルロース、またはヘテロ多糖ポリマー、例えば、ゲランガムなどのポリマーを、塩化ベンザルコニウムなどの防腐剤と一緒に組み込むことができる。そのような製剤は、イオン導入により送達することもできる。
局所投与のための製剤は、即時および/または修正放出するように製剤化することができる。修正放出製剤は、遅延、持続、パルス、制御、標的化およびプログラム化放出を含む。
本発明の化合物は、鼻腔内または吸入により、典型的に乾燥粉末の形態(単独で、混合物として、例えば、ラクトースとの乾燥ブレンドで、または例えばホスファチジルコリンなどのリン脂質と混合された混合構成成分粒子として)で乾燥粉末吸入器から、またはエアロゾルスプレーとして加圧容器、ポンプ、スプレー、噴霧器(好ましくは、微細なミストを生じさせるために電磁流体力学を使用する噴霧器)またはネブライザーから、1,1,1,2テトラフルオロエタンまたは1,1,1,2,3,3,3ヘプタフルオロプロパンなどの好適な噴射剤を用いてまたは用いずに投与することもできる。鼻腔内使用については、散剤は、生体接着剤、例えば、キトサンまたはシクロデキストリンを含むことができる。加圧容器、ポンプ、スプレー、噴霧器またはネブライザーは、例えば、エタノール、エタノール水溶液または活性剤の分散、可溶化もしくはその放出の延長に好適な代替薬剤、溶媒としての噴射剤(複数可)および任意選択の界面活性剤、例えばトリオレイン酸ソルビタン、オレイン酸もしくはオリゴ乳酸を含む、本発明の化合物(複数可)の溶液または懸濁液を含有する。乾燥散剤または懸濁液製剤で使用する前に、薬物製品を、吸入による送達に好適なサイズ(典型的に5ミクロン未満)に微粒子化することができる。これは、任意の適切な破砕方法、例えばスパイラルジェット製粉、流動床ジェット製粉、ナノ粒子を形成するための臨界流体処理、高圧均質化またはスプレー乾燥によって達成することができる。
吸入器または吹送器において使用するための、カプセル剤(例えば、ゼラチンまたはHPMCから作製された)、ブリスターおよびカートリッジは、本発明の化合物、好適な粉末基剤、例えばラクトースまたはデンプン、および性能調整剤、例えばIロイシン、マンニトール、またはステアリン酸マグネシウムの粉末ミックスを含有するように製剤化することができる。ラクトースは、無水であっても一水和物の形態であってもよく、好ましくは後者である。他の好適な賦形剤には、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、スクロースおよびトレハロースが含まれる。
好適なフレーバー、例えばメントールおよびレボメントール、または甘味剤、例えばサッカリンまたはサッカリンナトリウムを、吸入/鼻腔内投与を意図されている本発明の製剤に加えることができる。
本発明の化合物は、直腸または膣内に、例えば、坐剤、ペッサリーまたは浣腸剤の形態で投与することができる。カカオバターは、従来の坐剤基剤であるが、様々な代替物を適切に使用することができる。
直腸/膣内投与のための製剤は、即時および/または修正放出するように製剤化することができる。修正放出製剤は、遅延、持続、パルス、制御、標的化およびプログラム化放出を含む。
本発明の化合物は、典型的に等張のpH調整された無菌生理食塩水中の微粒子化懸濁液または溶液の液滴の形態で、目または耳に直接投与することもできる。眼および耳への投与に好適な他の製剤には、軟膏剤、生分解性(すなわち、吸収性ゲルスポンジ、コラーゲン)および非生分解性(すなわち、シリコーン)インプラント剤、ウェハ剤、レンズ剤および微粒子剤、または小胞系、例えばニオソームもしくはリポソームが含まれる。架橋ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸、セルロースポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースもしくはメチルセルロース、またはヘテロ多糖ポリマー、例えば、ゲランガムなどのポリマーを、塩化ベンザルコニウムなどの防腐剤と一緒に組み込むことができる。そのような製剤は、イオン導入により送達することもできる。
眼/耳への投与のための製剤は、即時および/または修正放出するように製剤化することができる。修正放出製剤は、遅延、持続、パルス、制御、標的化およびプログラム化放出を含む。
調剤分野で公知の他の賦形剤および投与方法を使用することもできる。本発明の医薬組成物は、周知の調剤技術、例えば有効な製剤化および投与手順のいずれかによって調製することができる。有効な製剤化および投与手順に関する上述の考察は、当技術分野で周知であり、標準的な教科書に記載されている。薬物の製剤は、例えば、Hoover,John E.、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Co.、Easton、Pennsylvania、1975;Libermanら編、Pharmaceutical Dosage Forms、Marcel Decker、New York、N.Y.、1980、およびKibbeら編、Handbook of Pharmaceutical Excipients(第3版)、American Pharmaceutical Association、Washington、1999に論じられている。
許容できる賦形剤は、用いられる投与量および濃度で対象に非毒性であり、以下の1つまたは複数を含むことができる。1)緩衝液、例えば、リン酸塩、クエン酸塩、もしくは他の有機酸、2)塩、例えば、塩化ナトリウム、3)抗酸化剤、例えば、アスコルビン酸もしくはメチオニン、4)防腐剤、例えば、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、塩化ヘキサメトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、フェノール、ブチルもしくはベンジルアルコール、5)アルキルパラベン、例えば、メチルもしくはプロピルパラベン、カテコール、レゾルシノール、シクロヘキサノール、3-ペンタノール、もしくはm-クレゾール、6)低分子量(約10残基未満)ポリペプチド、7)タンパク質、例えば、血清アルブミン、ゼラチン、もしくは免疫グロブリン、8)親水性ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン、9)アミノ酸、例えば、グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、もしくはリシン、10)単糖、二糖、もしくはグルコース、マンノースもしくはデキストリンを含む他の炭水化物、11)キレート剤、例えば、EDTA、12)糖、例えば、スクロース、マンニトール、トレハロースもしくはソルビトール、13)塩形成対イオン、例えば、ナトリウム、金属複合体(例えば、Zn-タンパク質複合体)、または14)非イオン性界面活性剤、例えば、ポリソルベート(例えば、ポリソルベート20またはポリソルベート80)、ポロキサマーもしくはポリエチレングリコール(PEG)。
本発明の化合物を含有するリポソームは、当技術分野で公知の方法によって調製することができる(例えば、Chang,H.I.;Yeh,M.K.;Clinical development of liposome-based drugs:formulation、characterization、and therapeutic efficacy;Int J Nanomedicine 2012;7;49~60を参照されたい)。特に有用なリポソームは、ホスファチジルコリン、コレステロールおよびPEG誘導体化ホスファチジルエタノールアミン(PEG-PE)を含む脂質組成物を用いる逆相蒸発方法によって作成することができる。リポソームは、所望の直径を有するリポソームを得るために、定義された細孔径のフィルターを通して押し出される。
本発明の化合物は、例えばコアセルベーション技術または界面重合、例えばそれぞれヒドロキシメチルセルロースまたはゼラチン-マイクロカプセルおよびポリ-(メチルメタクリレート)マイクロカプセルによって、コロイド薬物送達系(例えば、リポソーム、アルブミンミクロスフェア、マイクロエマルション、ナノ粒子およびナノカプセル)またはマクロエマルション中で調製したマイクロカプセルに捕捉することもできる。そのような技術は、Remington、The Science and Practice of Pharmacy、第20版、Mack Publishing(2000)に開示されている。
持続放出調製物を使用することができる。持続放出調製物の好適な例として、本発明の化合物を含有している固体疎水性ポリマーの半透性マトリックスが挙げられ、マトリックスは、成形物品、例えば、フィルムまたはマイクロカプセルの形態である。持続放出マトリックスの例として、ポリエステル、ヒドロゲル(例えば、ポリ(2-ヒドロキシエチル-メタクリレート)またはポリ(ビニルアルコール))、ポリラクチド、L-グルタミン酸と7エチル-L-グルタメートのコポリマー、非分解性エチレン-酢酸ビニル、分解性乳酸-グリコール酸コポリマー、例えば、デポー懸濁液剤のために酢酸ロイプロリドにおいて使用されるもの(乳酸-グリコール酸コポリマーおよび酢酸ロイプロリドから構成された注射可能なミクロスフェア)、イソ酪酸酢酸スクロース、およびポリ-D-(-)-3-ヒドロキシ酪酸が挙げられる。
静脈内投与のために使用される製剤は、無菌でなければならない。これは、例えば無菌濾過膜を介する濾過によって容易に達成される。本発明の化合物は、一般に、無菌アクセスポートを有している容器、例えば、皮下注射針によって貫通可能なストッパーを有している静脈内溶液バッグまたはバイアル内に入れられる。
好適なエマルションは、商業的に入手可能な脂肪エマルション、例えばダイズ油を含む脂質エマルション、静脈内投与のための脂肪エマルション(例えば、水にベニバナ油、ダイズ油、卵ホスファチドおよびグリセリンを含む)、ダイズ油および中鎖トリグリセリドを含有しているエマルション、ならびに綿実油の脂質エマルションを使用して調製することができる。活性成分は、予め混合されたエマルション組成物に溶解させることができ、または代替として油(例えば、ダイズ油、ベニバナ油、綿実油、ゴマ油、トウモロコシ油またはアーモンド油)に溶解させることができ、エマルションは、リン脂質(例えば、卵リン脂質、ダイズリン脂質またはダイズレシチン)および水と混合すると形成される。エマルションの浸透圧を調整するために、他の成分、例えばグリセロールまたはグルコースを添加することができることを認識されよう。好適なエマルションは、典型的に、20%までの油、例えば5~20%の間の油を含有する。脂肪エマルションは、0.1~1.0μmの間、特に0.1~0.5μmの間の脂肪液滴を含み、5.5~8.0の範囲のpHを有することができる。
例えば、エマルション組成物は、本発明の化合物を、ダイズ油を含む脂質エマルションまたはその構成成分(ダイズ油、卵リン脂質、グリセロールおよび水)と混合することによって調製されたものであってよい。
薬物製品中間体(DPI)は、部分的に処理された材料であり、これはバルク薬物製品になる前にさらなる処理ステップを受けなければならない。本発明の化合物は、結晶形態よりも高い自由エネルギー形態の活性成分を含有している薬物製品中間体DPIに製剤化することができる。DPIを使用する理由の1つは、低溶解度に起因する経口吸収の特徴、緩慢溶解、上皮細胞に隣接する粘液層を介する改善された物質輸送、ならびにある場合には、生物学的障壁、例えば、代謝および輸送体に起因する制限を改善することである。他の理由には、改善された固体状態の安定性および下流での製造可能性が含まれ得る。一実施形態において、薬物製品中間体は、非晶質状態で単離され、安定化した本発明の化合物を含有している(例えば、非晶質固体分散液剤(ASD))。バルク薬物製品、例えば、スプレー乾燥分散液剤(SDD)、溶融押出物(HMEと呼ばれることが多い)、共沈殿物、非晶質薬物ナノ粒子、およびナノ吸着物に統合するのに好適な材料を生成するASDを製造するための、当技術分野で公知の多くの技術がある。一実施形態において、非晶質固体分散液剤は、本発明の化合物およびポリマー賦形剤を含む。他の賦形剤ならびに前記賦形剤および本発明の化合物の濃度は、当技術分野で周知であり、標準的な教科書に記載されている。例えば、Navnit Shahらによる「Amorphous Solid Dispersions Theory and Practice」を参照されたい。
別の態様では、本発明は、医薬、特に異常細胞成長の処置のための医薬として使用するための、本発明の化合物または薬学的に許容できるその塩を提供する。
さらに別の態様では、本発明は、対象における異常細胞成長、例えば対象における腫瘍、例えばMEK関連腫瘍の処置のための医薬の製造のための、本発明の化合物または薬学的に許容できるその塩の使用を提供する。
さらに別の態様では、本発明は、異常細胞成長、例えば腫瘍、例えばMEK関連腫瘍の処置において使用するための、本明細書で記載される式のいずれかに従う化合物または薬学的に許容できるその塩を提供する。
本発明の化合物の投与は、化合物を作用部位に送達することができるいかなる方法によっても行うことができる。これらの方法には、経口経路、十二指腸内経路、非経口注射(静脈内、皮下、筋肉内、血管内または注入を含む)、局所、および直腸投与が含まれる。
投与量レジメンは、最適な所望の応答をもたらすように調整することができる。例えば、単一ボーラスを投与することができ、いくつかの分割用量を経時的に投与することができ、または治療状況の危急によって示される通り用量を比例的に低減もしくは増大させることができる。投与の容易さおよび投与量の均一性のために、非経口組成物を単位剤形に製剤化することが特に有利である。単位剤形は、本明細書で使用される場合、処置される哺乳動物の対象のための単位投与量として適した物理的に個別の単位を指し、各単位は、必要な薬学的担体と共に所望の治療効果をもたらすように計算された所定量の活性化合物を含有する。本発明の単位剤形についての仕様は、(a)投与される化合物の独特の特徴および達成される特定の治療または予防効果、ならびに(b)個体の感受性の処置のためにそのような活性化合物を配合する分野に固有の制限によって、それらに直接依存して決まる。
したがって、当業者は、本明細書で提供される本開示に基づいて、用量および投与レジメンが治療分野で周知の方法に従って調整されることを認識されるはずである。すなわち、最大耐容用量を容易に確立することができ、患者に検出可能な治療利益をもたらすように各薬剤を投与するための時間的要件を決定することができるように、患者に検出可能な治療利益をもたらす有効量を決定することもできる。したがって、ある特定の用量および投与レジメンが本明細書で例示されているが、これらの例は、本発明の実施において患者に提供され得る用量および投与レジメンを決して制限するものではない。
投与量値は、軽減される状態のタイプおよび重症度に伴って変わり、単一または複数用量を含み得ることに留意すべきである。さらに、任意の特定の対象のための特定の投与量レジメンは、個々のニーズ、ならびに組成物を投与し、投与を監督する職員の専門的判断に従って経時的に調整されるべきであり、本明細書で記載される投与量範囲は、単に例示的なものであり、特許請求されている組成物の範囲または実施を制限することを意図されていないことが理解されるべきである。例えば、用量は、臨床的効果、例えば毒性効果および/または臨床検査値を含み得る薬物動態または薬力学的パラメータに基づいて調整することができる。したがって、本発明は、当業者によって決定される患者内用量漸増を包含している。化学療法剤の投与に適切な投与量およびレジメンの決定は、関連する技術分野で周知であり、本明細書で開示される教示が提供されたら、当業者によって包含されることが理解されるはずである。一実施形態において、有効投与量は、典型的に、体重1kg当たり1日約0.001~約100mgの範囲であり、単一または分割用量で約0.01~約35mg/kg/日になることが多い。70kgのヒトについては、約0.07mg/日~約7000mg/日、より一般的には約10mg/日~約1000mg/日の量になるはずである。時として、投与量は、約10、20、30、40、50、60、75、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、525、550、575、600、625、650、675、700、750、800、900または1000mg/日になる。時として、投与量は、約10mg/日~約1000mg/日、約10mg/日~約750mg/日、約10mg/日~約600mg/日、約10mg/日~約300mg/日、約10mg/日~約150mg/日、約20mg/日~約750mg/日、約20mg/日~約600mg/日、約20mg/日~約300mg/日、約20mg/日~約150mg/日、約50mg/日~約750mg/日、約50mg/日~約600mg/日、約50mg/日~約300mg/日、約50mg/日~約150mg/日、約75mg/日~約750mg/日、約75mg/日~約600mg/日、約75mg/日~約300mg/日、または約75mg/日~約150mg/日になる。ある場合には、前記範囲の下限未満の投与量レベルで十分な場合がある一方、他の場合には、任意の有害な副作用を引き起こさないさらにより大きい用量が使用される場合があり、このようなより大きい用量は、典型的に、1日を通して投与するためにいくつかのより小さい用量に分割される。一実施形態において、対象は、約50mg/日を投与される。
例えば、特定の疾患または状態を処置する目的で活性化合物の組合せを投与することが望ましい場合があるため、少なくとも一方が本発明に従う化合物を含有している2種以上の医薬組成物が、組成物の併用投与に好適なキットの形態で好都合に組み合わされ得ることは、本発明の範囲内である。したがって、本発明のキットは、少なくとも一方が本発明の化合物を含有している2種以上の別々の医薬組成物、および前記組成物を別々に保持するための手段、例えば容器、分割されたボトルまたは分割されたホイル小包を含む。そのようなキットの例は、錠剤、カプセル剤などの包装のために使用される、よく知られたブリスターパックである。
本発明のキットは、異なる剤形、例えば経口および非経口剤形を投与するため、別々の組成物を異なる投与間隔で投与するため、または別々の組成物を互いに対して滴定するために、特に好適である。服薬遵守を補助するために、キットは、典型的に投与指示書を含み、記憶補助を備えていてよい。一部の実施形態において、キットは、化合物またはその医薬組成物および診断剤を含む。他の実施形態において、キットは、化合物またはその医薬組成物、および1種または複数の治療剤、例えばBRAF阻害剤、例えば、N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-2,4-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド;N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)フェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド;N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4,5-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド;N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド;N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド;N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-((5-メチル-3-(メチル-d3)-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-フェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド;N‐{2‐クロロ‐3‐[(3,5‐ジメチル‐4‐オキソ‐3,4‐ジヒドロキナゾリン‐6‐イル)オキシ]‐4‐フルオロフェニル}プロパン‐1‐スルホンアミド;N-(3-クロロ-4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-5-フルオロピリジン-2-イル)プロパン-1-スルホンアミド;N‐{2‐クロロ‐3‐[(3,5‐ジメチル‐4‐オキソ‐3,4‐ジヒドロキナゾリン‐6‐イル)オキシ]‐4‐フルオロフェニル}‐3‐フルオロプロパン‐1‐スルホンアミド;N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-((5-フルオロ-3-メチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)フェニル)-2-アザビシクロ[2.1.1]ヘキサン-2-スルホンアミド、(R)-N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-((5-フルオロ-3-メチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)フェニル)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミド、およびN-(2-クロロ-3-((5-クロロ-3-メチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロアゼチジン-1-スルホンアミド;または薬学的に許容できるその塩から選択されるBRAF阻害剤を含む。
以下のスキームおよび書かれている説明は、本発明の化合物の調製に関する一般的な詳細を提供する。
本発明の化合物は、類似の構造の化合物の調製について当技術分野で公知のいかなる方法によっても調製することができる。特に、本発明の化合物は、以下のスキームを参照することにより記載されている手順によって、または実施例に記載されている特定の方法によって、またはそれらのいずれかに類似の方法によって調製することができる。
当業者は、以下のスキームに記載されている実験条件が、示されている変換をもたらすのに好適な条件の例であり、式Iの化合物、および式Iに含まれる化合物、例えば、式IIの化合物などの調製のために用いられる正確な条件を変更することが必要となるまたは望ましい場合があることを認識されよう。
加えて、当業者は、本発明の化合物の合成のいかなる段階でも、望ましくない副反応を防止するために、1つまたは複数の感受性基を保護することが必要となるまたは望ましい場合があることを認識されよう。特に、アミノまたはアルコール基を保護することが必要となるまたは望ましい場合がある。本発明の化合物の調製において使用される保護基(PG)は、従来の方式で使用され得る。例えば、そのような基の除去のための方法も記載している、参照により本明細書に組み込まれるTheodora W GreeneおよびPeter G M Wutsによる「Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis」、第3版(John WileyおよびSons、1999)、特に第7章(「アミノ基の保護」)および第2章(「1,2-および1,3-ジオールを含むヒドロキシ基の保護」)に記載されているものを参照されたい。
Figure 2024512624000025
スキーム1は、化合物8を調製するための一般法を記載しており、化合物8は、RがHであり、RがHであり、RがC3~C6シクロアルキルであり、Rが式Iについて定義されている通りである、式Iの化合物である。商業的に入手可能な2,6-ジクロロ-4-メチルニコチン酸(化合物1)を(トリメチルシリル)ジアゾメタンで処理すると、エステル類似体2に変換することができる。化合物2をN,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタールで処理すると、ジメチルアミノビニル中間体化合物3に変換することができる。化合物3を、好適な溶媒、例えば、エーテル中、好適な酸、例えば、塩酸で処理すると、アルデヒド中間体化合物4に変換することができる。化合物4の環化を、好適な溶媒、例えば、メタノール中、還元剤(例えば、シアノ水素化ホウ素ナトリウム)の存在下で、式RNH(式中、RはC3~C6シクロアルキルである)を有している試薬で化合物4を処理することによって達成して、化合物5を提供することができる。化合物5を、好適な溶媒、例えばアセトニトリル中、トリメチルシリルヨージドで処理すると、化合物6に変換することができる。化合物6を、好適な溶媒、例えば、THFの存在下、好適な塩基、例えばアルカリ炭酸塩、例えば炭酸カリウムの存在下で、ヨウ化メチルで処理することによってメチル化して、化合物7を提供することができる。化合物7を、好適な溶媒、例えばTHF中、強塩基、例えばリチウムヘキサメチルジシラジドの存在下で、式RNH(式中、Rは式Iについて定義されている通りである)を有している試薬で処理すると、芳香族求核置換を受けて、化合物8を提供することができる。
Figure 2024512624000026
スキーム2は、化合物17を調製するための一般法を記載しており、化合物17は、RがHであり、RがHであり、Rがヒドロキシ-C1~C6アルコキシ-、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシ、または(C3~C6シクロアルキル)C1~C6アルコキシ-であり、Rが式Iについて定義されている通りである、式Iの化合物である。商業的に入手可能な4-ブロモ-2,6-ジクロロピリジンを、試薬、例えば、リチウムジイソプロピルアミドでリチウム化し、二酸化炭素で捕捉して、カルボン酸10を得ることができる。化合物10を、塩基水溶液、例えば、4M水酸化ナトリウム中で還流させることによって化合物11に変換することができる。化合物11を、好適な溶媒、例えば、DMFの存在下、好適な塩基、例えばアルカリ炭酸塩、例えば炭酸カリウムの存在下で、ヨウ化メチルで処理することによってメチル化して、化合物12を提供することができる。化合物12を、好適な溶媒、例えば、1,4-ジオキサン中、触媒、例えば、メタンスルホネート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-i-プロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)およびアルカリ塩基(例えば、アルカリ炭酸塩、例えば、炭酸カリウム水溶液)を使用する、(E)-2-(2-エトキシビニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(化合物(i))との鈴木反応により、ビニルエーテル中間体13に変換することができる。化合物13を、好適な溶媒、例えば、1,4-ジオキサン中、トリエチルアミンおよびHClおよび加熱を使用して、式R3a-NHHCl(式中、R3aはPO-C1~C6アルコキシ-、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシ、または(C3~C6シクロアルキル)C1~C6アルコキシ-であり、Pはアルコール保護基、例えば、tert-ブチル、ベンジルまたはtert-ブチルジメチルシリルである)の試薬で処理すると、オキシイミン形成を受けて、化合物14を提供することができる。化合物14を、好適な溶媒、例えば、イソプロパノール中、適切な還元剤、例えば、シアノ水素化ホウ素ナトリウムを使用して、アルコキシアミン中間体15に還元することができる。化合物15を、好適な溶媒、例えばTHF中、強塩基、例えばリチウムヘキサメチルジシラジドの存在下で、式RNH(式中、Rは式Iについて定義されている通りである)を有している試薬で処理すると、芳香族求核置換を受け、それと同時に環化され、続いて化合物16がP保護基を含有している場合には、任意選択の脱保護(当業者に公知の標準的なアルコール脱保護条件、例えばリン酸、トリフルオロ酢酸またはフッ化テトラブチルアンモニウムを使用する)により、Rがヒドロキシ-C1~C6アルコキシ-、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシ、または(C3~C6シクロアルキル)C1~C6アルコキシ-である化合物17を提供することができる。
Figure 2024512624000027
スキーム3は、化合物20を調製するための一般法を記載しており、化合物20は、RがHであり、RがCH-であり、Rがヒドロキシ-C1~C6アルコキシ-、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシ、または(C3~C6シクロアルキル)C1~C6アルコキシ-であり、Rが式Iについて定義されている通りである、式Iの化合物である。スキーム2に記載されている通り調製した化合物15(式中、R3aはPO-C1~C6アルコキシ-、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシ、または(C3~C6シクロアルキル)C1~C6アルコキシ-であり、Pはアルコール保護基、例えば、tert-ブチル、ベンジルまたはtert-ブチルジメチルシリルであり、Rは式Iについて定義されている通りである)を、好適な溶媒、例えばTHF中、強塩基、例えばリチウムヘキサメチルジシラジドの存在下で、式RNH(式中、Rは式Iについて定義されている通りである)を有している試薬で処理すると環化して、化合物16を提供することができる。化合物16を、好適な溶媒、例えば、1:1 MeOH:THF中、n-ヨードスクシンイミドおよびp-トルエンスルホン酸を使用してヨウ素化して、化合物18を提供することができる。化合物18は、好適な溶媒、例えば、THF中、触媒、例えば、パラジウム触媒、例えば、ビス(トリ-t-ブチルホスフィン)パラジウム(0)を使用して、メチル亜鉛(II)クロリドとの根岸カップリングを受け、続いて化合物19が保護基を含有している場合には、任意選択の脱保護(当業者に公知の標準的なアルコール脱保護条件、例えばリン酸、トリフルオロ酢酸またはフッ化テトラブチルアンモニウムを使用する)を受けて、Rがヒドロキシ-C1~C6アルコキシ-、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシ、または(C3~C6シクロアルキル)C1~C6アルコキシである化合物20を提供することができる。
Figure 2024512624000028
スキーム4は、化合物24を調製するための一般法を記載しており、化合物24は、RがHであり、RがHであり、RがHであり、Rが式Iについて定義されている通りである、式Iの化合物である。スキーム2に記載されている通り調製した化合物13を、好適な溶媒、例えばTHF中、強塩基、例えばリチウムヘキサメチルジシラジドの存在下で、式RNH(式中、Rは式Iについて定義されている通りである)を有している試薬で処理すると、芳香族求核置換を受けて、化合物21を提供することができる。化合物21を、好適な溶媒、例えば、ジクロロメタン中、酸、例えば、トリフルオロ酢酸を使用する酸性条件下で、アルデヒド中間体22に加水分解することができる。化合物22を、好適な溶媒、例えば、ジクロロエタン中、還元剤、例えば、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを使用して、式P2-NH(式中、Pはアミン保護基、例えば、ベンジル、p-メトキシベンジルまたは2,4-ジメトキシベンジルである)を有している試薬で処理すると環化して、化合物23を提供することができる。化合物23の脱保護を、当業者に公知の標準的な脱保護条件、例えばトリフルオロ酢酸または塩酸を伴う加熱を使用して達成して、化合物24を提供することができる。
Figure 2024512624000029
スキーム5は、化合物27を調製するための一般法を記載しており、化合物27は、RがHであり、RがHであり、RがヒドロキシC1~C6アルキルであり、Rが式Iについて定義されている通りである、式Iの化合物である。スキーム2に記載されている通り調製した化合物13を、好適な酸、例えば、トリフルオロ酢酸を使用してアルデヒド中間体25に加水分解することができる。化合物25を、好適な溶媒、例えば、ジクロロエタン中、好適な還元剤、例えば、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムおよび酢酸を使用して、式PO-(C1~C6アルキル)-ONHHCl(式中、Pはアルコール保護基、例えば、tert-ブチルジメチルシリルである)の試薬と60℃で反応させて、環化した脱保護された化合物26を得ることができる。化合物26を、好適な溶媒、例えばTHF中、強塩基、例えばリチウムヘキサメチルジシラジドの存在下で、式RNH(式中、Rは式Iについて定義されている通りである)を有している試薬で処理すると、芳香族求核置換を受けて、化合物27を提供することができる。
Figure 2024512624000030
スキーム6は、化合物17を調製するための代替一般法を記載しており、化合物17は、RがHであり、RがHであり、Rがヒドロキシ-C1~C6アルコキシ-、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシ、または(C3~C6シクロアルキル)C1~C6アルコキシであり、Rが式Iについて定義されている通りである、式Iの化合物である。化合物13について記載されている方法に類似の方法に従って調製した化合物28を、好適な溶媒、例えばTHF中、強塩基、例えばリチウムヘキサメチルジシラジドの存在下で、式RNH(式中、Rは式Iについて定義されている通りである)を有している試薬で処理すると、芳香族求核置換を受けて、化合物29を提供することができる。化合物29を、好適な溶媒、例えば、1,4-ジオキサン中、トリエチルアミンおよびHClおよび加熱を使用して、式R3aNH HCl(式中、R3aはPO-C1~C6アルコキシ-、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシ、または(C3~C6シクロアルキル)C1~C6アルコキシであり、Pはアルコール保護基、例えば、tert-ブチル、ベンジルまたはtert-ブチルジメチルシリルである)の試薬で処理すると、オキシイミン形成を受けて、化合物30を提供することができる。化合物30を、好適な溶媒、例えば、イソプロパノール中、適切な還元剤、例えば、シアノ水素化ホウ素ナトリウムおよび酢酸を用いて環化し、続いて化合物30がP保護基を含有している場合には、任意選択の脱保護(当業者に公知の標準的なアルコール脱保護条件、例えばリン酸、トリフルオロ酢酸またはフッ化テトラブチルアンモニウムを使用する)により、Rがヒドロキシ-C1~C6アルコキシ-、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシ、または(C3~C6シクロアルキル)C1~C6アルコキシである化合物17を提供することができる。
Figure 2024512624000031
スキーム7は、化合物17を調製するための代替一般法を記載しており、化合物17は、RがHであり、RがHであり、RがヒドロキシC1~C6アルコキシであり、Rが式Iについて定義されている通りである、式Iの化合物である。化合物28を、好適な溶媒、例えば、1,4-ジオキサン中、トリエチルアミンおよびHClおよび加熱を使用して、式TBSO-(C1~C6アルキル)-ONH HClの試薬で処理すると、オキシイミン形成を受けて、化合物32を提供することができる。化合物32を、好適な溶媒、例えば、DMF中、tert-ブチルジメチルシリル塩化物および好適な塩基、例えば、イミダゾールを使用して、適切なアルコール保護基P、例えば、tert-ブチルジメチルシリルで保護して、化合物14を提供することができる。化合物14を、好適な溶媒、例えば、イソプロパノール中、適切な還元剤、例えば、シアノ水素化ホウ素ナトリウムを使用して、アルコキシアミン中間体15に還元することができる。化合物15を、好適な溶媒、例えばTHF中、強塩基、例えばリチウムヘキサメチルジシラジドの存在下で、式RNH(式中、Rは式Iについて定義されている通りである)を有している試薬で処理すると、芳香族求核置換を受けて、化合物16を提供することができる。化合物16を、当業者に公知の標準的なアルコール脱保護条件、例えばリン酸、トリフルオロ酢酸またはフッ化テトラブチルアンモニウムを使用して脱保護して、化合物17を提供することができる。
Figure 2024512624000032
スキーム8は、化合物20を調製するための代替一般法を記載しており、化合物20は、RがHであり、RがCH-であり、Rがヒドロキシ-C1~C6アルコキシ-、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシ、または(C3~C6シクロアルキル)C1~C6アルコキシであり、Rが式Iについて定義されている通りである、式Iの化合物である。化合物28を、好適な溶媒、例えばTHF中、強塩基、例えばリチウムヘキサメチルジシラジドの存在下で、式RNH(式中、Rは式Iについて定義されている通りである)を有している試薬で処理すると、芳香族求核置換を受けて、化合物29を提供することができる。化合物29を、好適な酸、例えば、トリフルオロ酢酸を使用して、アルデヒド中間体22に加水分解することができる。化合物22を、溶媒、例えば、ジクロロエタン中、好適な還元剤、例えば、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムおよび酢酸を使用して、式R3aNH HCl(式中、R3aはPO-C1~C6アルコキシ-、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシ、または(C3~C6シクロアルキル)C1~C6アルコキシであり、Pはアルコール保護基、例えば、tert-ブチル、ベンジルまたはtert-ブチルジメチルシリルである)の試薬と60℃で反応させて、環化した化合物16を得ることができる。化合物16を、好適な溶媒、例えば、1:1 MeOH:THF中、n-ヨードスクシンイミドおよびp-トルエンスルホン酸を使用してヨウ素化して、化合物18を提供することができる。化合物18は、好適な溶媒、例えば、THF中、触媒、例えば、ビス(トリ-t-ブチルホスフィン)パラジウム(0)を使用して、メチル亜鉛(II)クロリドとの根岸カップリングを受け、続いて化合物18がP保護基を含有している場合には、任意選択の脱保護(当業者に公知の標準的なアルコール脱保護条件、例えばリン酸、トリフルオロ酢酸またはフッ化テトラブチルアンモニウムを使用する)を受けて、Rがヒドロキシ-C1~C6アルコキシ-、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシ、または(C3~C6シクロアルキル)C1~C6アルコキシである化合物20を提供することができる。
Figure 2024512624000033
スキーム9は、化合物35を合成するための一般法を記載しており、化合物35は、RがHであり、Rがハロゲンであり、Rがヒドロキシ-C1~C6アルコキシ-、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシ、または(C3~C6シクロアルキル)C1~C6アルコキシであり、Rが式Iについて定義されている通りである、式Iの化合物である。化合物12を、好適な溶媒、例えばTHF中、強塩基、例えばリチウムヘキサメチルジシラジドの存在下で、式RNH(式中、Rは式Iについて定義されている通りである)を有している試薬で処理すると、芳香族求核置換を受けて、化合物33を提供することができる。化合物33を、好適な溶媒、例えば、1,4-ジオキサン中、触媒、例えば、パラジウム触媒、例えば、メタンスルホネート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-i-プロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)およびアルカリ塩基、例えば、アルカリ炭酸塩塩基、例えば、炭酸カリウム水溶液を使用する、(E)-2-(2-エトキシビニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランとの鈴木反応により、ビニルエーテル中間体21に変換することができる。化合物21を、好適な溶媒、例えば、1,4-ジオキサン中、トリエチルアミンおよびHClおよび加熱を使用して、式R3aNH HCl(式中、R3aはPO-C1~C6アルコキシ-、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシ、または(C3~C6シクロアルキル)C1~C6アルコキシであり、Pはアルコール保護基、例えば、tert-ブチル、ベンジルまたはtert-ブチルジメチルシリルである)の試薬で処理すると、オキシイミン形成を受けて、化合物30を提供することができる。化合物30を、好適な溶媒、例えば、イソプロパノール中、適切な還元剤、例えば、シアノ水素化ホウ素ナトリウムおよび酢酸で処理して、環化した化合物31を生じることができる。化合物31を、1:1 THF/MeOH中N-ヨードスクシンイミドおよびp-トルエンスルホン酸、または好適な溶媒、例えば、DMF中N-ブロモスクシンイミド、または好適な溶媒、例えば、DMF中N-クロロスクシンイミド、または好適な溶媒、例えば、アセトニトリル中Selectfluorで処理するなどの条件を使用してハロゲン化し、続いて化合物31がP保護基を有している場合には、任意選択の脱保護(例えば、リン酸、トリフルオロ酢酸またはフッ化テトラブチルアンモニウム)により、Rがそれぞれヨード、ブロモ、クロロまたはフルオロであり、Rがヒドロキシ-C1~C6アルコキシ-、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシ、または(C3~C6シクロアルキル)C1~C6アルコキシである化合物35を提供することができる。
Figure 2024512624000034
スキーム10は、化合物17を調製するための代替一般法を記載しており、化合物17は、RがHであり、RがHであり、Rがヒドロキシ-C1~C6アルコキシ-、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシ、または(C3~C6シクロアルキル)C1~C6アルコキシであり、Rが式Iについて定義されている通りである、式Iの化合物である。化合物12を、好適な溶媒、例えばTHF中、好適な塩基、例えばカリウムtert-ブトキシドの存在下で、式RNH(式中、Rは式Iについて定義されている通りである)を有している試薬で処理すると、芳香族求核置換を受けて、化合物36を提供することができる。化合物36を、溶媒、例えば、2-メチルテトラヒドロフラン中、触媒、例えば、パラジウム触媒、例えば、メタンスルホネート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-i-プロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)および好適な塩基、例えば、アルカリ塩基、例えば、アルカリ炭酸塩塩基、例えば、炭酸カリウム水溶液を使用する、(Z)-2-(2-エトキシビニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランとの鈴木反応により、ビニルエーテル中間体29に変換することができる。化合物29を、好適な溶媒、例えば、1,4-ジオキサン中、トリエチルアミンおよび塩酸を使用して、式R3aNH HCl(式中、R3aはPO-C1~C6アルコキシ-、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシ、または(C3~C6シクロアルキル)C1~C6アルコキシであり、Pはアルコール保護基、例えば、tert-ブチル、ベンジルまたはtert-ブチルジメチルシリルである)の試薬と反応させ、次に好適な還元剤、例えば、ピリジンボランおよび塩酸で処理し、60℃で加熱し、続いて化合物29がP保護基を有している場合には、任意選択の脱保護(例えば、リン酸、トリフルオロ酢酸またはフッ化テトラブチルアンモニウム)により、Rがヒドロキシ-C1~C6アルコキシ-、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシ、または(C3~C6シクロアルキル)C1~C6アルコキシである化合物17を得ることができる。
Figure 2024512624000035
スキーム11は、化合物43を調製するための方法を記載しており、化合物43は、Rがフェニルであり、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが式Iについて記載されている通りである、式Iの化合物である。商業的に入手可能な2,6-ジクロロ-4-ヨードピリジンを、試薬、例えば、リチウムジイソプロピルアミドでリチウム化し、二酸化炭素で捕捉して、化合物37を得ることができる。化合物37を、塩基水溶液、例えば、4M水酸化ナトリウム中で還流させることによって、化合物38に変換することができる。化合物38を、好適な溶媒、例えば、DMFの存在下、好適な塩基、例えばアルカリ炭酸塩、例えば炭酸カリウムの存在下で、ヨウ化メチルで処理することによってメチル化して、化合物39を提供することができる。化合物39を、好適な溶媒、例えば、1,4-ジオキサン中、好適な触媒、例えばパラジウム触媒(例えば、Pd(dppf)Cl)および塩基、例えば、アルカリ炭酸塩(例えば、炭酸カリウム水溶液)を使用する、4,4,5,5-テトラメチル-2-(1-フェニルビニル)-1,3,2-ジオキサボロランとの鈴木反応により、ビニルエーテル中間体40に変換することができる。化合物40を、好適な溶媒、例えば、THF中、強塩基、例えばリチウムヘキサメチルジシラジドの存在下で、式RNH(式中、Rは式Iについて定義されている通りである)を有している試薬で処理すると、芳香族求核置換を受けて、化合物41を提供することができる。化合物41を、好適な溶媒、例えば、トルエン中、ルイス酸、例えば、トリメチルアルミニウムの存在下で、加熱により(2,4-ジメトキシフェニル)メタンアミンと環化させて、化合物42を得ることができる。化合物42を、好適な酸、例えば、TFAと共に加熱することによって脱保護して、化合物43を得ることができる。
Figure 2024512624000036
スキーム12は、化合物51を調製する方法を記載しており、化合物51は、Rがメチルであり、Rが水素であり、Rがヒドロキシ-C1~C6アルコキシ-、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシ、または(C3~C6シクロアルキル)C1~C6アルコキシであり、Rが式Iについて定義されている通りである、式Iの化合物である。化合物44を、低温においてNH、Fe(NO.9HOおよびNaNHで処理し、続いてヨウ化メチルで処理して、化合物45を提供することができる。化合物45を、好適な溶媒、例えば、トルエン中、触媒、例えば、NiCl(dppe)を伴ってベンゾ[d][1,3,2]ジオキサボロールと共に加熱して、化合物46を提供することができる。化合物46を、例えば、好適な溶媒、例えば1種の溶媒混合物、例えば、トルエン/THF中、触媒、例えばパラジウム触媒、例えば、Pd(dppf)Cl、および塩基、例えば、KPO、KCO、KOtBu、CsCO、NaOH、またはトリエチルアミンの存在下で、鈴木反応条件を使用して化合物39と反応させることによって、化合物47に変換することができる。化合物47を、好適な溶媒、例えば、1,4-ジオキサン中、トリエチルアミンおよびHClおよび加熱を使用して、式R3aNH HCl(式中、R3aはPO-C1~C6アルコキシ-、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシ、または(C3~C6シクロアルキル)C1~C6アルコキシであり、Pはアルコール保護基、例えば、tert-ブチル、ベンジルまたはtert-ブチルジメチルシリルである)の試薬で処理すると、オキシイミン形成を受けて、化合物48を提供することができる。化合物48を、好適な溶媒、例えば、イソプロパノール中、適切な還元剤、例えば、シアノ水素化ホウ素ナトリウムおよび酢酸で処理して、環化した生成物49を生じることができる。化合物49を、好適な溶媒、例えばTHF中、強塩基、例えばリチウムヘキサメチルジシラジドの存在下で、式RNH(式中、Rは式Iについて定義されている通りである)を有している試薬で処理すると、芳香族求核置換を受け、続いて化合物49がP保護基を含有している場合には、任意選択の脱保護(当業者に公知の標準的なアルコール脱保護条件、例えばリン酸、トリフルオロ酢酸またはフッ化テトラブチルアンモニウムを使用する)により、Rがヒドロキシ-C1~C6アルコキシ-、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシ、または(C3~C6シクロアルキル)C1~C6アルコキシである、化合物51を提供することができる。
「アミン保護基」という用語は、本明細書で使用される場合、化合物上の他の官能基上で反応が行われている間にアミノ基をブロックまたは保護するために一般に用いられる基の誘導体を指す。本明細書で記載される方法のいずれかにおいて使用するのに好適な保護基の例として、カルバメート、アミド、アルキルおよびアリール基、イミン、ならびに多くのN-ヘテロ原子誘導体が挙げられ、それらは、所望のアミン基を再生するために除去することができる。アミン保護基の非限定的な例は、t-ブチルオキシカルボニル(「Boc」)、2-トリメチルシリルエトキシメチル(SEM)、およびp-メトキシベンジル(PMB)である。これらの基、および他の保護基のさらなる例は、T.W.Greeneら、Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis.New York:Wiley Interscience、2006に見出される。
「アルコール保護基」という用語は、本明細書で使用される場合、化合物上の他の官能基上で反応が行われている間にヒドロキシ基をブロックするために一般に用いられる基の誘導体を指す。本明細書で記載される方法のいずれかにおいて使用するのに好適な保護基の例として、ベンジル、トリチル、シリルエーテルなどが挙げられる。
中間体化合物7、15、18、22、26、29、30、および31は、上記のスキームに示されている通り、式Iの化合物の調製に有用な新規な中間体でもあり、本発明のさらなる実施形態を提供する。
一実施形態において、本明細書では、式Iの化合物を調製するための方法が提供され、その方法は、
(a)RがHであり、RがHであり、RがC3~C6シクロアルキルであり、Rが式Iについて定義されている通りである式Iの化合物については、式7の化合物
Figure 2024512624000037
を、式RNH(式中、Rが式Iについて定義されている通りである)を有している試薬と、強塩基の存在下で反応させること、または
(b)RがHであり、RがHであり、Rがヒドロキシ-C1~C6アルコキシ-、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシもしくは(C3~C6シクロアルキル)C1~C6アルコキシ-であり、Rが式Iについて定義されている通りである式Iの化合物については、式15の化合物
Figure 2024512624000038
[式中、R3aはPO-C1~C6アルコキシ-、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシ、または(C3~C6シクロアルキル)C1~C6アルコキシ-であり、Pはアルコール保護基である]を、式RNH(式中、Rが式Iについて定義されている通りである)を有している試薬の存在下、強塩基の存在下で環化させ、続いて存在する場合にはアルコール保護基が除去されてもよいこと、または
(c)RがHであり、RがCH-であり、Rがヒドロキシ-C1~C6アルコキシ-、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシもしくは(C3~C6シクロアルキル)C1~C6アルコキシ-であり、Rが式Iについて定義されている通りである式Iの化合物については、式18の化合物
Figure 2024512624000039
[式中、R3aはPO-C1~C6アルコキシ-、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシ、または(C3~C6シクロアルキル)C1~C6アルコキシである、Pはアルコール保護基であり、Rが式Iについて定義されている通りである]を、パラジウム触媒の存在下、メチル亜鉛(II)クロリドで処理し、続いて存在する場合にはアルコール保護基を除去すること、または
(d)RがHであり、RがHであり、RがHであり、Rが式Iについて定義されている通りである式Iの化合物については、式22の化合物
Figure 2024512624000040
[式中、Rが式Iについて定義されている通りである]を、式P2-NH(式中、Pはアミン保護基である)を有している試薬の存在下で環化し、続いてアミン保護基を除去すること、または
(e)RがHであり、RがHであり、RがヒドロキシC1~C6アルキルであり、Rが式Iについて定義されている通りである式Iの化合物については、式26の化合物
Figure 2024512624000041
[式中、Rが式Iについて定義されている通りである]を、強塩基の存在下、式RNHを有する試薬の存在下で反応させること、または
(f)RがHであり、RがHであり、RがヒドロキシC1~C6アルキルであり、Rが式Iについて定義されている通りである式Iの化合物については、式30の化合物
Figure 2024512624000042
[式中、Pがアルコール保護基であり、Rが式Iについて定義されている通りである]を、還元剤の存在下で環化させ、続いてアルコール保護基を除去すること、または
(g)RがHであり、Rがハロゲンであり、RがヒドロキシC1~C6アルコキシ-、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシもしくは(C3~C6シクロアルキル)C1~C6アルコキシ-であり、Rが式Iについて定義されている通りである式Iの化合物については、式31の化合物
Figure 2024512624000043
[式中、Rは式Iについて定義されている通りであり、R3aはPO-C1~C6アルコキシ-、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシ、または(C3~C6シクロアルキル)C1~C6アルコキシ-であり、Pはアルコール保護基である]をハロゲン化し、続いて存在する場合にはアルコール保護基を除去すること、または
(h)RがHであり、RがHであり、Rがヒドロキシ-C1~C6アルコキシ-、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシもしくは(C3~C6シクロアルキル)C1~C6アルコキシ-であり、Rが式Iについて定義されている通りである式Iの化合物については、式29の化合物
Figure 2024512624000044
[式中、Rは式Iについて定義されている通りである]を、式PO-(C1~C6アルキル)-ONHHCl(式中、Pはアルコール保護基である)の試薬と、トリエチルアミンおよび塩酸の存在下で反応させ、続いてアルコール保護基を除去すること、または
(i)Rがフェニルであり、Rが水素であり、Rが水素であり、Rが式Iについて記載されている通りである式Iの化合物については、式41を有する化合物
Figure 2024512624000045
[式中、Rは式Iについて定義されている通りである]を、(2,4-ジメトキシフェニル)メタンアミンで、ルイス酸の存在下、上昇させた温度で環化して、式42を有する化合物
Figure 2024512624000046
を提供し、続いて化合物42を酸で処理すること、または
(j)Rがメチルであり、Rが水素であり、Rがヒドロキシ-C1~C6アルコキシ-、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシもしくは(C3~C6シクロアルキル)C1~C6アルコキシであり、Rが式Iについて定義されている通りである式Iの化合物については、式49を有する化合物
Figure 2024512624000047
[式中、R3aはPO-C1~C6アルコキシ-、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシ、または(C3~C6シクロアルキル)C1~C6アルコキシ-であり、Pはアルコール保護基である]を、式RNH(式中、Rが式Iについて定義されている通りである)を有している試薬と、強塩基の存在下で反応させ、続いて存在する場合にはP保護基を除去すること、および
式Iの化合物を薬学的に許容できる塩に変換してもよいこと
を含む。
合成中間体3、4、5、6、7、13、14、15、16、18、21、22、23、25、26、28、29、30、32、33、36、37、38、39、40、41、42、47、48、および49も、新規であると考えられ、本発明のさらなる実施形態である。
本発明は、本発明の実施形態および本明細書に含まれる実施例の以下の詳細な説明を参照することによってさらに理解され得る。本発明は、特定の作製合成方法に限定されず、それらの方法は、当然のことながら変わり得ることが理解されるべきである。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することだけを目的とするものであり、限定することを意図されていないことも理解されるべきである。
E1.式Iの化合物
Figure 2024512624000048
または薬学的に許容できるその塩[式中、
は、H、Br、C1~C6アルキルまたはフェニルであり、
は、H、ハロゲンまたはCH-であり、
は、H、ヒドロキシC1~C6アルキル-、ヒドロキシC1~C6アルコキシ-、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシ、C3~C6シクロアルキル、または(C3~C6シクロアルキル)C1~C6アルコキシ-であり、
は、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6アルキルチオ、フルオロC1~C6アルキルチオ、フルオロC1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシ、C3~C6シクロアルキル、およびC1~C6アルキル-C(=O)-から独立に選択される1、2または3個の置換基で置換されているフェニルである]。
E2.Rが、Hである、実施形態E1に従う化合物または薬学的に許容できるその塩。
E3.Rが、Hである、実施形態E1もしくはE2に従う化合物または薬学的に許容できるその塩。
E4.Rが、CH-である、実施形態E1もしくはE2に従う化合物または薬学的に許容できるその塩。
E5.Rが、ヒドロキシC1~C6アルキル-である、実施形態E1~E4のいずれか1つに従う化合物または薬学的に許容できるその塩。
E6.Rが、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6アルキルチオ、フルオロC1~C6アルキルチオ、フルオロC1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシ、C3~C6シクロアルキル、およびC1~C6アルキル-C(=O)-から独立に選択される1または2個の置換基で置換されているフェニルである、実施形態E1~E5のいずれか1つに従う化合物または薬学的に許容できるその塩。
E7.Rが、ハロゲンおよびC1~C6アルキルチオから独立に選択される1または2個の置換基で置換されているフェニルである、実施形態E1~E6のいずれか1つに従う化合物または薬学的に許容できるその塩。
E8.式IIの化合物
Figure 2024512624000049
または薬学的に許容できるその塩[式中、
は、H、Br、C1~C6アルキルまたはフェニルであり、
は、H、ハロゲンまたはCH-であり、
は、H、ヒドロキシC1~C6アルキル-、ヒドロキシC1~C6アルコキシ-、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシ、C3~C6シクロアルキル、または(C3~C6シクロアルキル)C1~C6アルコキシ-であり、
およびRは、独立に、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6アルキルチオ、フルオロC1~C6アルキルチオ、フルオロC1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシ、C3~C6シクロアルキル、およびC1~C6アルキル-C(=O)-から選択される]。
E9.Rが、Hである、実施形態E8に従う化合物または薬学的に許容できるその塩。
E10.Rが、Hである、実施形態E8もしくはE9に従う化合物または薬学的に許容できるその塩。
E11.Rが、CH-である、実施形態E8もしくはE9に従う化合物または薬学的に許容できるその塩。
E12.Rが、ヒドロキシC1~C6アルキル-である、実施形態E8~E11のいずれか1つに従う化合物または薬学的に許容できるその塩。
E13.Rが、Hである、実施形態E8~E11のいずれか1つに従う化合物または薬学的に許容できるその塩。
E14.Rが、ハロゲンである、実施形態E8~E13のいずれか1つに従う化合物または薬学的に許容できるその塩。
E15.Rが、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6アルキルチオ、またはフルオロC1~C6アルコキシである、実施形態E8~E14のいずれか1つに従う化合物または薬学的に許容できるその塩。
E16.Rが、C1~C6アルキルチオである、実施形態E15に従う化合物または薬学的に許容できるその塩。
E17.
8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-シクロプロピル-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(シクロプロピルメトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-エトキシ-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
2-シクロプロピル-8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
2-シクロプロピル-8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((2-クロロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((4-ブロモ-2-クロロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((4-ブロモ-2,3-ジフルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((4-ブロモ-3-クロロ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((4-エチル-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((4-シクロプロピル-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((2-フルオロ-4-メトキシフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((2-フルオロ-4-((トリフルオロメチル)チオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((2-フルオロ-4-イソプロピルフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((2-クロロ-4-シクロプロピルフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((4-アセチル-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((2-クロロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((4-(ジフルオロメトキシ)-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((2-クロロ-4-エチルフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((2-フルオロ-4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((4-((ジフルオロメチル)チオ)-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-イソプロポキシ-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-2-イソプロポキシ-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
2-エトキシ-8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-2-メトキシ-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
2-(tert-ブトキシ)-8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
(S)-8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシプロポキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
(R)-8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシプロポキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
(S)-8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシプロポキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
(R)-8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシプロポキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
(R)-8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシプロポキシ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-5-クロロ-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
5-クロロ-8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-5-フルオロ-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-5-ヨード-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
5-ブロモ-8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
4-ブロモ-8-((2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((4-エチル-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((4-シクロプロピル-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((4-ヨード-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((4-エチル-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((4-シクロプロピル-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((4-(ジフルオロメトキシ)-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((2-フルオロ-4-プロピルフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((4-エチル-2-フルオロフェニル)アミノ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((4-シクロプロピル-2-フルオロフェニル)アミノ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((4-(ジフルオロメトキシ)-2-フルオロフェニル)アミノ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((4-ブロモ-2-クロロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエチル)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((4-(ジフルオロメトキシ)-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
2-(2,2-ジフルオロエトキシ)-8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-4-フェニル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-7-メチル-4-フェニル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-4,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-4,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-4,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-4,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
から選択される実施形態E1に従う化合物または薬学的に許容できるその塩。
E18.構造
Figure 2024512624000050
を有する8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンである化合物または薬学的に許容できるその塩。
E19.構造
Figure 2024512624000051
を有する8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンである化合物。
E20.8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンを含む結晶。
E21.結晶性無水8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態1。
E22.5.0、8.7、9.3、10.8、14.5、15.3、18.8および20.5度2シータ(±0.2度2シータ)における特徴的なピークを含むPXRDパターンを有している、実施形態E21に従う結晶性無水8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態1。
E23.図1に示されるものと本質的に同じ2シータ値におけるピークを含むPXRDパターンを有している、実施形態E21に従う結晶性無水8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態1。
E24.結晶性無水8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態2。
E25.7.1、9.4、12.4、12.8、14.3、15.6、16.4、17.4、18.5、18.9、19.5、19.9、21.1、21.4、23.2、23.7、24.8、25.6、27.6、30.3、33.2、33.5、および37.5度2シータ(±0.2度2シータ)における特徴的なピークを含むPXRDパターンを有している、実施形態E24に従う結晶性無水8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態2。
E26.図2に示されるものと本質的に同じ2シータ値におけるピークを含むPXRDパターンを有している、実施形態E24に従う結晶性無水8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態2。
E27.PXRDパターンが、25℃および10%を下回る相対湿度で実施されるPXRD分析によって得られる、実施形態E25またはE26に従う結晶性無水8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態2。
E28.結晶性一水和物8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態3。
E29.13.7、18.0および18.3度2シータ(±0.2度2シータ)におけるPXRDピークを有している、実施形態E28に従う結晶性一水和物8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態3。
E30.6.9、9.1、13.7、18.0および18.3度2シータ(±0.2度2シータ)におけるPXRDピークを有している、実施形態E28に従う結晶性一水和物8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態3。
E31.2シータの単位で6.9、9.1、11.8、12.0、13.7、14.0、15.2、15.8、18.0、18.3、19.0、19.3、20.2、20.9、21.6、22.6、23.6、24.0、24.9、25.2、25.8、27.5、28.1、28.4、29.8、30.9、31.7、32.3および36.5度2シータ(±0.2度2シータ)におけるPXRDピークを有している、実施形態E28に従う結晶性一水和物8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態3。
E32.図3に示されるものと本質的に同じ2シータ値におけるピークを含むPXRDパターンを有している、実施形態E28に従う結晶性一水和物8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態3。
E33.PXRDパターンが、25℃および35%を上回る相対湿度で実施されるPXRD分析によって得られる、実施形態E29~E32のいずれか1つに従う結晶性一水和物8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態3。
E34.非晶質8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態4。
E35.図4に示されるものと本質的に同じ2シータ値におけるピークを含むPXRDパターンを有している、実施形態E34に従う非晶質8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態4。
E36.実施形態E1~E35のいずれか1つに従う化合物または薬学的に許容できるその塩、および少なくとも1種の薬学的に許容できる賦形剤を含む医薬組成物。
E37.MEK関連腫瘍を処置する方法であって、それを必要とする対象に、治療有効量の実施形態E1~E35のいずれか1つに従う化合物または薬学的に許容できるその塩を投与することを含む方法。
E38.腫瘍が、V600E、V600K、V600D、V600RおよびV600Sから選択されるBRAF V600変異を有している、実施形態E37に従う方法。
E39.腫瘍が、BRAF V600E変異を有している、実施形態E37またはE38に従う方法。
E40.腫瘍が、頭蓋外腫瘍である、実施形態E37~E39のいずれか1つに従う方法。
E41.頭蓋外腫瘍が、黒色腫、結腸直腸がん、甲状腺がん、非小細胞肺がん、卵巣がん、および神経芽細胞腫から選択される、実施形態E40に従う方法。
E42.腫瘍が、CNS腫瘍である、実施形態E37~E39のいずれか1つに従う方法。
E43.CNS腫瘍が、頭蓋内腫瘍である、実施形態E42に従う方法。
E44.頭蓋内腫瘍が、脳腫瘍である、実施形態E43に従う方法。
E45.脳腫瘍が、転移性脳腫瘍である、実施形態E44に従う方法。
E46.転移性脳腫瘍が、転移性黒色腫、転移性結腸直腸がん、転移性非小細胞肺がん、転移性甲状腺がん、および転移性卵巣がんから選択される、実施形態E45に従う方法。
E47.CNS腫瘍が、頭蓋内LMDまたは頭蓋外LMDである、実施形態E42に従う方法。
E48.LMDが、転移性黒色腫、転移性結腸直腸がん、および転移性非小細胞肺がんから選択される、実施形態E47に従う方法。
E49.頭蓋内腫瘍が、原発性腫瘍である、実施形態E43に従う方法。
E50.原発性脳腫瘍が、悪性腫瘍である、実施形態E49の方法。
E51.原発性脳腫瘍が、グレード2の神経膠腫、グレード3の神経膠腫またはグレード4の神経膠腫である、実施形態E50に従う方法。
E52.原発性脳腫瘍が、良性腫瘍である、実施形態E49に従う方法。
E53.腫瘍が、BRAF融合を有している。実施形態E37に従う方法。
E54.腫瘍が、KIAA11549-BRAF、MKRN1-BRAF、TRIM24-BRAF、AGAP3-BRAF、ZC3HAV1-BRAF、AKAP9-BRAF、CCDC6-BRAF、AGK-BRAF、EPS15-BRAF、NUP214-BRAF、ARMC10-BRAF、BTF3L4-BRAF、GHR-BRAF、ZC3HAV1-BRAF、ZNF767-BRAF、CCDC91-BRAF、DYNC112-BRAF、ZKSCAN1-BRAF、GTF2I-BRAF、MZT1-BRAF、RAD18-BRAF、CUX1-BRAF、SLC12A7-BRAF、MYRIP-BRAF、SND1-BRAF、NUB1-BRAF、KLHL7-BRAF、TANK-BRAF、RBMS3-BRAF、STRN3-BRAF、STK35-BRAF、ETFA-BRAF、SVOPL-BRAF、およびJHDM1D-BRAFから選択されるBRAF融合を有している、実施形態E53に従う方法。
E55.腫瘍が、乳癌(例えば、侵襲性乳管癌)、結腸直腸癌(例えば、結腸腺癌)、食道癌(例えば、食道腺癌)、神経膠腫(例えば、脳の線維形成性乳児神経節膠腫、脳の毛様細胞性星細胞腫、脳の多形性黄色星状細胞腫、脊髄の低悪性度神経膠腫(NOS)、退形成乏突起膠腫、退形成神経節膠腫)、頭部および頸部の癌腫(例えば、頭部および頸部の神経内分泌癌)、肺癌(例えば、肺腺癌、非小細胞肺がん(NOS))、黒色腫(例えば、スピッツ様皮膚黒色腫、非スピッツ様粘膜黒色腫、スピッツ様皮膚黒色腫、原発不明黒色腫、非スピッツ様皮膚黒色腫)、膵癌(例えば、腺癌、膵腺房細胞癌)、前立腺癌(例えば、前立腺腺房腺癌)、肉腫(悪性固形線維腫)、甲状腺癌(甲状腺乳頭状癌)、原発不明癌(例えば、原発不明腺癌)、胸膜中皮腫、直腸腺癌、子宮内膜癌(例えば、子宮内膜腺癌(NOS))、または卵巣漿液性癌である、実施形態E54に従う方法。
E56.腫瘍が、BRAF野生型腫瘍である、実施形態E37に従う方法。
E57.1種または複数のさらなる抗がん治療を投与することをさらに含む、実施形態E37~E56のいずれか1つに従う方法。
E58.1種または複数のさらなる抗がん治療が、独立に、外科手術、放射線療法および抗がん剤から選択される、実施形態E57に従う方法。
E59.さらなる抗がん治療が、1種または複数の抗がん剤から選択される、実施形態E58に従う方法。
E60.抗がん剤が、MEK阻害剤、BRAF阻害剤、EGFR阻害剤、HER2および/またはHER3の阻害剤、SHP2阻害剤、Axl阻害剤、PI3K阻害剤、SOS1阻害剤、シグナル伝達経路阻害剤、チェックポイント阻害剤、アポトーシス経路のモジュレーター、細胞傷害性化学療法薬、血管新生標的化治療、ならびに免疫療法を含む免疫標的化剤から選択される、実施形態E59に従う方法。
E61.抗がん剤が、BRAF阻害剤である、実施形態E60の方法。
E62.BRAF阻害剤が、エンコラフェニブまたは薬学的に許容できるその塩である、実施形態E61の方法。
E63.BRAF阻害剤が、
N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-2,4-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド;
N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)フェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド;
N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4,5-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド;
N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド;
N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド;
N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-((5-メチル-3-(メチル-d3)-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-フェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド;
N‐{2‐クロロ‐3‐[(3,5‐ジメチル‐4‐オキソ‐3,4‐ジヒドロキナゾリン‐6‐イル)オキシ]‐4‐フルオロフェニル}プロパン‐1‐スルホンアミド;
N-(3-クロロ-4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-5-フルオロピリジン-2-イル)プロパン-1-スルホンアミド;および
N‐{2‐クロロ‐3‐[(3,5‐ジメチル‐4‐オキソ‐3,4‐ジヒドロキナゾリン‐6‐イル)オキシ]‐4‐フルオロフェニル}‐3‐フルオロプロパン‐1‐スルホンアミド;
または薬学的に許容できるその塩から選択される、実施形態E61の方法。
E64.BRAF阻害剤が、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドまたは薬学的に許容できるその塩である、実施形態E63の方法。
E65.BRAF阻害剤が、
N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-((5-フルオロ-3-メチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)フェニル)-2-アザビシクロ[2.1.1]ヘキサン-2-スルホンアミド、
(R)-N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-((5-フルオロ-3-メチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)フェニル)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミド、および
N-(2-クロロ-3-((5-クロロ-3-メチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロアゼチジン-1-スルホンアミド、
または薬学的に許容できるその塩から選択される、実施形態E61の方法。
E66.BRAF阻害剤が、N-(2-クロロ-3-((5-クロロ-3-メチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロアゼチジン-1-スルホンアミドまたは薬学的に許容できるその塩である、実施形態E65の方法。
E67.抗がん剤が、SHP2阻害剤である、実施形態E60の方法。
E68.SHP2阻害剤が、(S)-1’-(6-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)チオ)-1,2,4-トリアジン-3-イル)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1-アミンまたは薬学的に許容できるその塩である、実施形態E67の方法。
E69.化合物が、8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンであり、対象が、50mgの8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンを1日1回投与される、実施形態E37~E68のいずれか1つに従う方法。
E70.医薬として使用するための、実施形態E1~E35のいずれか1つに従う化合物または薬学的に許容できるその塩。
E71.MEK関連腫瘍の処置において使用するための、実施形態E1~E35のいずれか1つに従う化合物または薬学的に許容できるその塩。
E72.対象におけるMEK関連腫瘍の処置のための医薬の製造のための、実施形態E1~E35のいずれか1つに従う化合物または薬学的に許容できるその塩の使用。
本発明がより良く理解され得るように、以下の実施例を記載する。これらの実施例は、単に例示を目的とするものであり、いかなる方式でも本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
下記の化合物および中間体は、ChemDraw、バージョン20.1.1.125(Perkin Elmer Informatics)で提供されている命名規則を使用して命名した。ChemDraw、バージョン20.1.1.125で提供されている命名規則は、当業者によって周知であり、バージョン20.1.1.125で提供されている命名規則は、一般に、有機化学命名法およびCAS索引規定に関するIUPAC(国際純正応用化学連合)推奨に適合すると考えられる。別段記載されない限り、すべての反応物を、さらに精製することなく商業的に得るか、または文献において公知の方法を使用して調製した。
生物学的実施例
(実施例A)
細胞ホスホp44/42MAPK(Erk1/2)(Thr202/Tyr204)アッセイ
ERK1/2(Thr202/Tyr204)リン酸化の阻害を、細胞を化合物と共に1時間インキュベートし、固定した細胞でIn-Cell WesternによってpERKシグナルを定量化し、GAPDHシグナルに標準化することを含む以下の細胞アッセイによって決定した。A375細胞をATCCから得、10%ウシ胎児血清、ペニシリン/ストレプトマイシン、Glutamax(C)、非必須アミノ酸、およびピルビン酸ナトリウムを補充したDMEM中で成長させた。細胞を96ウェルプレートに30,000細胞/ウェルでプレートし、37℃/5%COで一晩接着させた。細胞を、最終DMSO濃度0.5%を用いて、10点の1:3希釈系列(範囲:20μM~0.05nM;最大濃度は20μM~1μMで変わった)として調製した化合物で処理した。対照ウェルは、0.5%DMSO単独(阻害対照なし)または1μMの強力な対照化合物(完全な阻害対照)のいずれかを含有していた。1時間のインキュベーションの後、細胞を、dPBS(ダルベッコリン酸緩衝溶液)中3.7%ホルムアルデヒドで、室温で20分間固定した。次に、細胞をdPBSで洗浄し、100%MeOH中、室温で10分間透過処理した。透過処理の後、細胞をdPBSで洗浄し、LI-CORブロッキングバッファー(LI-COR Biosciences、カタログ番号927-40000)中で1時間以上インキュベートした。次に、プレートを、MAPキナーゼシグナル伝達経路におけるMEKの下流にある、MEK依存性ERK1/2リン酸化部位であるスレオニン202およびチロシン204に特異的な抗体(Cell Signaling Technologies、カタログ番号9101)、ならびにGAPDH(Millipore、カタログ番号MAB374)と共にインキュベートした。pErk1/2(Thr202/Tyr204)抗体を、0.05%Tween-20を1:250で含有しているLI-CORブロッキングバッファーで希釈し、GAPDHを1:2,500で希釈した。プレートを4℃で一晩インキュベートした。PBS/0.05%Tween-20で洗浄した後、細胞を、蛍光標識二次抗体(抗ラビットAlexa Flour680、Invitrogenカタログ番号A21109;抗マウスIRDye800CW、LI-COR Biosciencesカタログ番号926-32210、共に1:1000希釈)と共に1時間インキュベートした。次に、細胞を上述の通り洗浄し、Odyssey CLx赤外イメージング系(LI-COR Biosciences)を使用して、680nmおよび800nmの両方の波長で蛍光について分析した。リン酸化Erk1/2(Thr202/Tyr204)シグナルを、ウェルごとにGAPDHシグナルに標準化した。IC50値を、BioAssayソフトウェアで4パラメータフィットを使用して、標準化した値から計算し、それを表Aに提供する。
Figure 2024512624000052
Figure 2024512624000053
(実施例B)
MDR1 LLC-PK1およびBCRP MDCKII透過性アッセイ
LLC-PK1およびMDR1の両方をトランスフェクトしたLLC-PK1細胞を、継代時間を7日まで延長するために継代培地がわずか2%ウシ胎児血清を含有していたことを除いて、製造者の推奨に従って培養し、プレートした。
BCRPをトランスフェクトしたMDCKIIイヌP-gpノックアウト細胞株を培養し、製造者の推奨に従ってプレートした。
正および負の対照の両方を使用して、アッセイにおいてP-gpまたはBCRPの排出機能を評定した。アッセイ対照および被験物質のストック溶液を、DMSO中それぞれ10μMおよび1μMの最終試験濃度で調製した。アッセイにおける最終有機物濃度は1%であった。すべての投与溶液が、LLC-PK1またはMDCKII細胞単層の完全性をモニタリングするために10μMルシファーイエローを含有していた。
頂端部から側底部の決定(A-B)のために、輸送緩衝液中の被験物質75μLを、個々のトランズウェルの頂端部側に添加し、化合物またはルシファーイエローを含まない側底部培地250μLを各ウェルに添加した。側底部から頂端部の決定(B-A)のために、輸送緩衝液中の被験物質250μLを、各ウェルに添加し、化合物またはルシファーイエローを含まない輸送緩衝液中75μLを、個々のトランズウェルに添加した。すべての試験を三連で実施し、各化合物を、頂端部から側底部および側底部から頂端部への輸送の両方について試験した。プレートを、Lab-Line Instruments滴定オービタルシェーカー(VWR、West Chester、PA)で、50rpmおよび37℃において5%COで2時間インキュベートした。すべての培養プレートを、インキュベーターから除去し、培地50μLを各ウェルの頂端部および側底部の部分から除去し、2:1 アセトニトリル(アセトニトリル):HO、v/v中1μMラベタロール150μLに添加した。
プレートを、Molecular Devices(Sunnyvale、CA)のGemini蛍光光度計を使用して読み取って、425/535nmの励起/発光波長においてルシファーイエロー濃度を評価した。これらの値は、MDR1をトランスフェクトしたLLC-PK1またはBCRPをトランスフェクトしたMDCKII細胞単層にわたる頂端部から側底部への流動については2%未満になり、側底部から頂端部への流動については5%未満になることが見出された場合に認められた。プレートを密封し、各ウェルの内容物をLC-MS/MSによって分析した。化合物濃度を、投与溶液と比べた内部標準(ラベタロール)に対する化合物のピーク面積の比から決定した。
LC-MS分析
LC-MS/MS系は、HTS-PALオートサンプラー(Leap Technologies、Carrboro、NC)、HP1200 HPLC(Agilent、Palo Alto、CA)、およびMDS Sciex 4000QTrap系(Applied Biosystems、Foster City、CA)からなっていた。分析物および内部標準のクロマトグラフ分離は、C18カラム(反応速度(登録商標)、50×300mm、粒径2.6μm、Phenomenex、Torrance、CA)を、移動相A(1%イソプロピルアルコールおよび0.1%ギ酸を含有している水)およびB(アセトニトリル中0.1%ギ酸)を使用する勾配条件と共に使用して、室温で達成した。単回注入のための再平衡化を含む総ランタイムは、1.2分であった。分析物の質量分析検出は、イオンスプレーの正モードを使用して達成した。分析物の応答を、各化合物に独特な遷移の多重反応モニタリング(MRM)(プロトン化前駆体イオンおよび被験物質ごとに選択された生成物イオン、ならびに内部標準であるラベタロールについてはm/z329からm/z162)によって測定した。
透過係数(Papp)を、以下の等式から計算する。
app=[((C*V*(1×10))/(t*0.12cm*C)]
式中、C、V、tおよびCは、それぞれ検出濃度(μM)、投与側での体積(mL)、インキュベーション時間(秒)および初期投与濃度(μM)である。Pappの計算は、反復するごとに行い、次に平均化した。式Iの化合物の透過係数は、表B1に提供されている。このアッセイでは、化合物は、透過性が8×10-6cm/秒超である場合には高い透過性を有すると定義され、化合物は、透過性が2×10-6cm/秒~8×10-6cm/秒である場合には中程度の透過性を有すると定義され、化合物は、透過性が2×10-6cm/秒未満である場合には低い透過性を有すると定義される。
排出比は、頂端部から側底部(A-B)の平均Pappデータおよび側底部から頂端部(B-A)の平均Pappデータから計算する。
排出比=Papp(B-A)/Papp(A-B)
Figure 2024512624000054
Figure 2024512624000055
排出比は、頂端部から側底部(A-B)の平均Pappデータおよび側底部から頂端部(B-A)の平均Pappデータから計算する。
排出比=Papp(B-A)/Papp(A-B)
表B2は、このアッセイで使用した場合の式Iの化合物についての排出比を提供する。
Figure 2024512624000056
Figure 2024512624000057
(実施例C)
PK(遊離血漿に対する遊離脳の比)(マウス)
代表的な化合物がマウスのBBBに浸透する能力を、雄性CD-1マウスにおける非結合血漿に対する非結合脳(遊離血漿に対する遊離脳とも呼ばれる)濃度比を評価することによって決定した。
脳中化合物レベルを、10mg/kgの経口強制飼育投与の2、4、8、12および24時間後の典型的なサンプリング時間を用いて、経口投与マウスのPKから生成した。脳試料を分析前に-20±5℃で保存した。マウス脳ホモジネートにおける試験化合物の濃度を、アセトニトリルでタンパク質を沈殿させた後に液体クロマトグラフィータンデム質量分析(LC-MS/MS)によって決定した。0.5~10,000ng/mLの範囲の12点較正曲線を二連で調製した。ジメチルスルホキシド(DMSO)中400μg/mLの試験化合物の溶液を、100%DMSOで連続希釈し(3倍)、次に各標準溶液2.5μLを、ナイーブ雄性CD-1マウス脳ホモジネート100μLに添加した。標準曲線における抽出を模倣するために、DMSO2.5μLをすべての試験試料に添加した。較正および試験用の脳ホモジネート試料の両方を、IS10μL(1μg/mLの構造類似体)でスパイクした。脳ホモジネートを、0.75mLの4:1 水:MeOHを各脳試料に添加し、続いてMP Fast Prep-24(登録商標)を使用してビーズ破砕機の管で6m/sにおいて1分間均質化することによって生じた。タンパク質を、アセトニトリル300μLを添加することにより脳ホモジネート試料100μLから沈殿させた。試料を5分間ボルテックス混合し、Allegra X-12R遠心分離機(Beckman Coulter、Fullerton、CA;SX4750A回転子)中で約1,500×gにおいて、4℃で15分間回転させた。各上清の一定分量100μLを、550μLのPersonal Pipettor(Apricot Designs、Monrovia、CA)により96ウェルプレートに移し、HPLCグレードの水で1:1希釈した。得られたプレートをLC-MS/MS分析のためにアルミニウムで密封した。
血漿に対する脳の比を、脳中で測定された化合物の濃度を血漿中で測定された化合物の濃度で割ったものを使用して計算した。血漿に対する脳の比は、単一の動物および時点から常に生成した。遊離血漿に対する遊離脳の比は、以下の等式:(B/P)*(Bfu/Pfu)を使用して、血漿に対する脳の比に、インビトロ脳ホモジネート遊離画分をインビトロ血漿遊離画分で割ったものを掛けることによって計算した。
表Cは、本明細書で開示される実施例6、7、8、14、22、36および46の代表的な化合物の遊離血漿に対する遊離脳の比を提供する。
Figure 2024512624000058
合成実施例
中間体1
Figure 2024512624000059
メチル(E)-2,6-ジクロロ-4-(2-(ジメチルアミノ)ビニル)ニコチネート
ステップ1.メチル2,6-ジクロロ-4-メチルニコチネートの調製。1:1 MeOH:ジオキサン(10mL)中の2,6-ジクロロ-4-メチルニコチン酸(1.0g、4.9mmol)の溶液に、0℃で(トリメチルシリル)ジアゾメタン(3.3mL、ヘキサン中2M、6.6mmol)を添加した。混合物を氷浴から除去し、10分間撹拌し、次に半分の体積に濃縮し、水(20mL)とEtOAc(20mL)とに分配した。水層をEtOAc(2×20mL)で抽出し、合わせた有機相をブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、注意深く濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~15%EtOAc/石油エーテルで溶出して精製して、メチル2,6-ジクロロ-4-メチルニコチネート(0.81g、76%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.2 (s, 1H), 4.0 (s, 3H), 2.3 (s, 3H) ppm.
ステップ2.メチル(E)-2,6-ジクロロ-4-(2-(ジメチルアミノ)ビニル)ニコチネートの調製。DMF(5mL)中のメチル2,6-ジクロロ-4-メチルニコチネート(810mg、3.68mmol)の溶液に、N,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(978mL、7.36mmol)を添加し、混合物を100℃で16時間撹拌した。冷却した混合物を水(40mL)で処理し、10分間撹拌し、次に固体を濾過により収集し、水で洗浄し、真空中で乾燥させて、メチル(E)-2,6-ジクロロ-4-(2-(ジメチルアミノ)ビニル)ニコチネート(764mg、75%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.3 (s, 1H), 7.1 (d, 1H), 4.8 (d, 1H), 3.1
(s, 3H), 2.9 (s, 6H) ppm.
中間体2
Figure 2024512624000060
メチル4-ブロモ-2-クロロ-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート
ステップ1.4-ブロモ-2,6-ジクロロニコチン酸の調製。THF(1000mL)中の4-ブロモ-2,6-ジクロロピリジン(100g、440.7mmol)の溶液を、-78℃に冷却した。LDA(THF中2M、242.4mL、484.8mmol)を-78℃で滴下添加し、撹拌を-78℃で1時間継続した。固体CO(155.1g、3.53mol)を反応物に少しずつ添加し、撹拌を-78℃で2時間継続した。反応物を、1M NaCO(1600mL)を添加し、続いて水(500mL)を添加することによりクエンチし、10分間撹拌した。水層をEtOAc(300mL)で抽出した。水溶液のpH値を2N HClで調整して、pH2を有する溶液を得た。次に、水溶液をEtOAc(3×300mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、4-ブロモ-2,6-ジクロロニコチン酸(540g、75%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 15.51 - 12.87 (m, 1H), 8.13 (s, 1H) ppm.
ステップ2.4-ブロモ-2-クロロ-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸の調製。NaOH(4M、1.62L、6.46mol)の溶液を110℃に加熱し、4-ブロモ-2,6-ジクロロニコチン酸(70g、258.4mmol)を一度に添加した。混合物を8時間撹拌し、次に0℃に冷却した。反応物をHCl(6M)でpHを1に調整し、30分間撹拌した。固体を濾過により収集し、真空中で乾燥させて、4-ブロモ-2-クロロ-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸(想定100%)を得た。
ステップ3.メチル4-ブロモ-2-クロロ-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレートの調製。DMF(800mL)中の4-ブロモ-2-クロロ-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸(100g、396mmol)の混合物に、ヨウ化メチル(168.6g、1.19mol、73.98mL)およびKCO(164.2g、1.19mol)を一度に添加した。混合物を25℃で3時間撹拌し、次に飽和NHCl(1800mL)に注ぎ、水相をEtOAc(2×500mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(400mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。合わせた残留物(5つのバッチ)を、カラムクロマトグラフィーによって2~100%EtOAc/石油エーテルで溶出して精製して、メチル4-ブロモ-2-クロロ-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(5つのバッチから、141.83g、24.7%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.86 (s, 1H), 3.94 (s, 3H), 3.69 - 3.66
(m, 3H); MS (apci, m/z) = 280.0, 282.0 (M+H).
中間体3
Figure 2024512624000061
メチル(Z)-2-クロロ-4-(2-エトキシビニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート
メチル4-ブロモ-2-クロロ-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(20.0g、71.3mmol)、メタンスルホネート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-i-プロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)(5.96g、7.13mmol)および(Z)-2-(2-エトキシビニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(14.8g、74.9mmol)を1,4-ジオキサン(700mL)に懸濁させ、KCO(53.5mL、107mmol)(2N水溶液)を添加した。混合物を60℃で6時間撹拌し、次にアルゴン雰囲気下、周囲温度で12時間撹拌した。反応物を水(1500mL)とEtOAc(500mL)とに分配した。水層をEtOAc(2×400mL)で抽出し、合わせた有機層をブライン(500mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~40~60%EtOAc/ヘプタンで溶出して精製して、メチル(Z)-2-クロロ-4-(2-エトキシビニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(13.3g、68%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.23 (s, 1H), 6.45 (d, 1H), 4.86 (d, 1H),
4.40 (q, 2H), 3.89 (s, 3H), 3.67 (s, 3H), 1.35 (t, 3H); MS (apci, m/z) =
272.0 (M+H).
中間体4
Figure 2024512624000062
メチル4-(2-((2-(tert-ブトキシ)エトキシ)アミノ)エチル)-2-クロロ-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート
ステップ1.メチル(E/Z)-4-(2-((2-(tert-ブトキシ)エトキシ)イミノ)エチル)-2-クロロ-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレートの調製。メチル(Z)-2-クロロ-4-(2-エトキシビニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(0.95g、3.50mmol)およびO-(2-(tert-ブトキシ)エチル)ヒドロキシルアミン塩酸塩(593mg、3.50mmol)を、1,4-ジオキサン(10mL)中で合わせた。EtN(487mL、3.50mmol)およびHCl(1.75mL、6.99mmol)(4N/ジオキサン)を添加した。懸濁液を60℃に1時間加熱し、次に冷却し、濾過した。濾液を濃縮して、メチル(E/Z)-4-(2-((2-(tert-ブトキシ)エトキシ)イミノ)エチル)-2-クロロ-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(想定100%)を1:1の異性体混合物として得た。MS(apci、m/z)=359.1(M+H)。
ステップ2.メチル4-(2-((2-(tert-ブトキシ)エトキシ)アミノ)エチル)-2-クロロ-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレートの調製。IPA(20mL)中のメチル(E/Z)-4-(2-((2-(tert-ブトキシ)エトキシ)イミノ)エチル)-2-クロロ-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(1.25g、3.48mmol)の溶液に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(1.09g、17.4mmol)を添加し、続いて酢酸(1.0mL、17.4mmol)を添加した。混合物を周囲温度で16時間撹拌し、次に飽和NaHCO(50mL)とEtOAc(50mL)とに分配した。水層をEtOAc(2×30mL)で抽出し、合わせた有機相をブライン(30mL)で洗浄し、次にNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~80%EtOAc/DCMで溶出して精製して、メチル4-(2-((2-(tert-ブトキシ)エトキシ)アミノ)エチル)-2-クロロ-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(0.66g、53%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.43 (s, 1H), 3.90 (s, 3H), 3.78 (t, 2H),
3.68 (s, 3H), 3.50 (t, 2H), 3.10 (t, 2H), 2.71 (t, 2H), 1.20 (s, 9H) ppm;
MS (apci, m/z) = 361.1, 363.1 (M+H).
中間体5
Figure 2024512624000063
2-クロロ-4-エチルアニリン
ステップ1.N-(4-エチルフェニル)アセトアミドの調製。4-エチルアニリン(513μL、4.13mmol)をDCM(10.3mL)に溶解させた。トリエチルアミン(690μL、4.95mmol)を添加し、0℃に冷却した後、無水酢酸(467μL、4.95mmol)を滴下添加した。30分後、反応物を、飽和NaHCO(50mL)を添加することによってクエンチした。有機層を分離し、水層をDCM(2×25mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をヘキサンと研和し、固体を濾過によって収集して、N-(4-エチルフェニル)アセトアミド(600mg、89%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.40 - 7.38 (d, 2H), 7.16 - 7.14 (d, 2H),
7.07 (br s, 1H), 2.64 - 2.58 (q, 2H), 2.16 (s, 3H), 1.23 - 1.20 (t, 3H) ppm.
ステップ2.N-(2-クロロ-4-エチルフェニル)アセトアミドの調製。N-(4-エチルフェニル)アセトアミド(50mg、0.31mmol)をDMF(613μL)に溶解させた。N-クロロスクシンイミド(65mg、0.49mmol)を添加した後、溶液を70℃に6時間加熱し、次に16時間にわたって周囲温度に冷却させた。反応混合物を2N HCl(4mL)に注ぎ、15分間撹拌した。混合物をEtOAc(10mL)で抽出した。有機層を水(3×10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~25%EtOAc/ヘキサンで溶出して精製して、N-(2-クロロ-4-エチルフェニル)アセトアミド(36mg、59%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.23 - 8.21 (d, 1H), 7.51 (br s, 1H), 7.20
- 7.19 (d, 1H), 7.11 - 7.08 (dd, 1H), 2.63 - 2.57 (q, 2H), 2.23 (s, 3H), 1.23 -
1.20 (t, 3H) ppm.
ステップ3.2-クロロ-4-エチルアニリンの調製。N-(2-クロロ-4-エチルフェニル)アセトアミド(36mg、0.18mmol)をEtOH(0.5mL)に溶解させ、12N HCl(0.5mL、6.0mmol)を添加した。混合物を120℃で2時間撹拌した。反応混合物を周囲温度に冷却し、6N NaOHの添加によりpH10にし、次にMTBE(3×25mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、2-クロロ-4-エチルアニリン(26mg、92%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.09 - 7.08 (d, 1H), 6.91 - 6.88 (dd, 1H),
6.71 - 6.69 (d, 1H), 2.55 - 2.49 (q, 2H), 1.20 - 1.16 (t, 3H) ppm. MS (apci,
m/z) = 156.1 (M+H).
中間体6
Figure 2024512624000064
4-((ジフルオロメチル)チオ)-2-フルオロアニリン
LiBF(196mg、2.10mmol)およびLiH(17.5mg、2.10mmol)を、DMF(8.8mL、1.75mmol)中で合わせた。4-アミノ-3-フルオロベンゼンチオール(250mg、1.75mmol)を添加し、混合物を周囲温度で5分間撹拌した。(トリフルオロメチル)トリメチルシラン(0.644mL、4.37mmol)を急速に添加し、次に溶液を同じ温度で10分間撹拌した。TBAF(6mL、1N/THF、6.00mmol)を急速に添加し、次に溶液を同じ温度で10分間撹拌した。反応混合物を水(50mL)でクエンチした。混合物をEtOAc(2×25mL)で抽出し、合わせた有機層を水(3×50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、次にNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~15%EtOAc/ヘキサンで溶出して精製して、4-((ジフルオロメチル)チオ)-2-フルオロアニリン(56mg、17%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.25 - 7.22 (dd, 1H), 7.19 - 7.16 (ddd,
1H), 6.86 - 6.58 (t, 1H), 6.77 - 6.73 (dd, 1H), 3.95 (br s, 1H) ppm.
中間体7
Figure 2024512624000065
2-クロロ-4-(メチルチオ)アニリン
2-クロロ-4-ヨードアニリン(250mg、0.986mmol)、NiBr(22mg、0.099mmol)、Zn粉末(129mg、1.97mmol)および2,2’-ビピリジン(15mg、0.099mmol)を、THF(1.6mL)にAr雰囲気下で溶解させた。1,2-ジメチルジスルファン(44μL、0.493mmol)を添加し、混合物を密封し、65℃に16時間加熱した。反応混合物をEtOAc(50mL)で希釈し、濃NHOH(50mL)で洗浄し、続いて10%クエン酸溶液(50mL)で洗浄した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~15%EtOAc/ヘキサンで溶出して精製して、2-クロロ-4-(メチルチオ)アニリン(116mg、68%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.27 - 7.26 (m, 1H), 7.09 - 7.06 (dd, 1H),
6.71 - 6.69 (d, 1H), 4.02 (br s, 2H), 2.41 (s, 3H) ppm. MS (apci, m/z) = 174.0
(M+H).
中間体8
Figure 2024512624000066
メチル(E)-2-クロロ-4-(2-エトキシビニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート
メチル4-ブロモ-2-クロロ-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(1.0g、3.565mmol)、メタンスルホネート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-i-プロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)(0.2982g、0.3565mmol)、および(E)-2-(2-エトキシビニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(0.7414g、3.743mmol)を1,4-ジオキサン(35.65mL)に懸濁させ、炭酸カリウム(2.674mL、2N水溶液、5.35mmol)を添加した。アルゴンで脱気した後、混合物を60℃で4時間撹拌した。冷却反応物を、水(150mL)とEtOAc(50mL)とに分配した。水層をEtOAc(2×40mL)で洗浄した。合わせた有機層をブライン(150mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~40%EtOAc/ヘプタンで溶出して精製して、メチル(E)-2-クロロ-4-(2-エトキシビニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(379mg、39%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.27 (s, 1H), 7.03 (d, 1H), 6.43 (s, 1H),
5.53 (d, 1H), 3.95 - 3.83 (m, 5H), 3.67 (s, 3H), 1.34 (t, 2H) ppm. MS (apci,
m/z) = 272.1 (M+H).
(実施例1)
Figure 2024512624000067
8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-シクロプロピル-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
ステップ1.メチル2,6-ジクロロ-4-(2-オキソエチル)ニコチネートの調製。EtO(30mL)および1N HCl(30mL)中のメチル(E)-2,6-ジクロロ-4-(2-(ジメチルアミノ)ビニル)ニコチネート(0.797g、2.90mmol)の懸濁液を、周囲温度で1時間激しく撹拌した。得られた溶液をブライン(20mL)で処理し、EtO(3×10mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、注意深く濃縮して、メチル2,6-ジクロロ-4-(2-オキソエチル)ニコチネート(想定100%)を得、それをすぐに使用した。
ステップ2.8-クロロ-2-シクロプロピル-6-メトキシ-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1(2H)-オンの調製。1:1 IPA:MeOH(20mL)中のメチル2,6-ジクロロ-4-(2-オキソエチル)ニコチネート(0.719g、2.90mmol)の溶液に、0℃でシクロプロピルアミン(201mL、2.90mmol)を添加した。混合物を周囲温度で10分間撹拌し、次にシアノ水素化ホウ素ナトリウム(546mg、8.70mmol)および酢酸(498mL、8.70mmol)を添加した。周囲温度で16時間撹拌した後、混合物を飽和NaHCO(50mL)とEtOAc(20mL)とに分配し、水層をEtOAc(2×20mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をメタノール(10mL)に溶解させ、1N NaOH(3.33mL、3.33mmol)で処理し、周囲温度で1時間撹拌した。混合物を半分の体積に濃縮し、次に水(20mL)とDCM(20mL)とに分配した。水層をDCM(2×10mL)で抽出し、合わせた有機相をブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~10%(20%MeOH/DCM)/DCMで溶出して精製して、8-クロロ-2-シクロプロピル-6-メトキシ-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1(2H)-オン(310mg、42%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.5 (s, 1H), 4.0 (s, 3H), 3.5 (t, 2H), 2.9
(m, 3H), 0.9 (m, 2H), 0.7 (m, 2H) ppm; MS (apci, m/z) = 253.1, 255.1 (M+H).
ステップ3.8-クロロ-2-シクロプロピル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。アセトニトリル(2mL)中の8-クロロ-2-シクロプロピル-6-メトキシ-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1(2H)-オン(99mg、0.39mmol)の溶液に、トリメチルシリルヨージド(2.94mL、1.96mmol)を添加した。混合物を周囲温度で48時間撹拌し、次に濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~15~20%(20%MeOH/DCM)/DCMで溶出して精製して、8-クロロ-2-シクロプロピル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(想定100%)を得、それをすぐに使用した。MS(apci、m/z)=239.0(M+H)。
ステップ4.8-クロロ-2-シクロプロピル-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。THF(2mL)中の8-クロロ-2-シクロプロピル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(93mg、0.39mmol)の溶液に、KCO(110mg、0.78mmol)を添加し、続いてヨウ化メチル(29mL、0.47mmol)を添加した。混合物を周囲温度で2時間撹拌し、次にさらなるヨウ化メチル(50mL、0.84mmol)で処理し、さらに16時間撹拌した。混合物を濾過し、(4:1)DCM/MeOH(10mL)で洗浄し、濾液を濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~15%(20%MeOH/DCM)/DCMで溶出して精製して、8-クロロ-2-シクロプロピル-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(31mg、31%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.29 (s, 1H), 3.73 (s, 3H), 3.45 (t, 2H),
2.87-2.81 (m, 1H), 2.77 (t, 2H), 0.94-0.89 (m, 2H), 0.72-0.68 (m, 2H)
ppm; MS (apci, m/z) = 253.1 (M+H).
ステップ5.8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-シクロプロピル-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。THF(1mL)中の4-ブロモ-2-フルオロアニリン(24mg、0.12mmol)の溶液に、N下、-78℃でLiHMDS(1.84mL、1.0M/THF、0.184mmol)を添加した。混合物を45分間撹拌し、次にTHF(2mL)中の8-クロロ-2-シクロプロピル-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(31mg、0.13mmol)の懸濁液を添加した。混合物を-78℃で20分間撹拌し、次に飽和NHCl(10mL)でクエンチし、周囲温度で10分間撹拌し、次にEtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~80%EtOAc/ヘキサンで溶出して精製して、8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-シクロプロピル-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(24.9mg、50%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.6 (s, 1H), 7.29 (dd, 1H), 7.19 (ddd,
1H), 6.71 (t, 1H), 5.99 (s, 1H), 3.50 (t, 2H), 3.20 (s, 3H), 2.77 (t,
2H), 2.74-2.70 (m, 1H), 0.93-0.87 (m, 2H), 0.72-0.67 (m, 2H) ppm; MS (apci,
m/z) = 406.0, 408.0 (M+H).
(実施例2)
Figure 2024512624000068
8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(シクロプロピルメトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
実施例1に従って、ステップ2のシクロプロピルアミンの代わりにO-(シクロプロピルメチル)ヒドロキシルアミン塩酸塩を代用して調製して、8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(シクロプロピルメトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(20mg、57%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.32 (s, 1H), 7.30 (dd, 1H), 7.21 (m,
1H), 6.72 (t, 1H), 6.00 (s, 1H), 3.85 (d, 2H), 3.77 (t, 2H), 3.18 (s,
3H), 2.98 (t, 2H), 1.22-1.14 (m, 1H), 0.64-0.59 (m, 2H), 0.36-0.31 (m,
2H) ppm; MS (apci, m/z) = 436.0, 438.0 (M+H).
(実施例3)
Figure 2024512624000069
8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-エトキシ-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
実施例1に従って、ステップ2のシクロプロピルアミンの代わりにO-エチルヒドロキシルアミン塩酸塩を代用して調製して、8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-エトキシ-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(22mg、55%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.34 (s, 1H), 7.30 (dd, 1H), 7.21 (m,
1H), 6.72 (t, 1H), 5.99 (s, 1H), 4.08 (q, 2H), 3.73 (t, 2H), 3.19 (s,
3H), 2.99 (t, 2H), 1.32 (t, 3H) ppm; MS (apci, m/z) = 410.0, 412.0 (M+H).
(実施例4)
Figure 2024512624000070
2-シクロプロピル-8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
実施例1に従って、ステップ5の4-ブロモ-2-フルオロアニリンの代わりに2-フルオロ-4-(メチルチオ)アニリンを代用して調製して、2-シクロプロピル-8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(50.4mg、66%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.62 (s, 1H), 7.01 (dd, 1H), 6.95 (dd,
1H), 6.79 (t, 1H), 5.95 (s, 1H), 3.49 (t, 2H), 3.18 (s, 3H), 2.80-2.68 (m, 3H),
2.47 (s, 3H), 0.93-0.87 (m, 2H), 0.72-0.67 (m, 2H) ppm; MS (apci, m/z) = 374.1
(M+H).
(実施例5)
Figure 2024512624000071
2-シクロプロピル-8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
実施例1に従って、ステップ5の4-ブロモ-2-フルオロアニリンの代わりに2-フルオロ-4-ヨードアニリンを代用して調製して、2-シクロプロピル-8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(46.7mg、52%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.60 (s, 1H), 7.46 (dd, 1H), 7.37 (dt,
1H), 6.55 (t, 1H), 6.00 (s, 1H), 3.50 (t, 2H), 3.21 (s, 3H), 2.81-2.69 (m, 3H),
0.93-0.87 (m, 2H), 0.72-0.67 (m, 2H) ppm; MS (apci, m/z) = 454.0 (M+H).
(実施例6)
Figure 2024512624000072
8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンを、方法Aまたは方法Bのいずれかによって調製した。
方法A
ステップ1.4-ブロモ-2,6-ジクロロニコチン酸の調製。THF(1000mL)中の4-ブロモ-2,6-ジクロロピリジン(100g、440.7mmol)の溶液を、-78℃に冷却した。LDA(242.4mL、2M/THF、484.8mmol)を-78℃で滴下添加し、撹拌を-78℃で1時間継続した。固体CO(155.1g、3.53mol)を反応物に少しずつ添加し、撹拌を-78℃で2時間継続した。反応物を、1M NaCO(1600mL)を添加し、続いて水(500mL)を添加することによりクエンチし、10分間撹拌した。水層をEtOAc(300mL)で抽出した。水溶液のpH値を2N HClで調整して、pH2を有する溶液を得た。次に、水溶液をEtOAc(3×300mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、4-ブロモ-2,6-ジクロロニコチン酸(540g、75%)を得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 15.51 - 12.87 (m, 1H), 8.13 (s, 1H) ppm.
ステップ2.4-ブロモ-2-クロロ-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸の調製。NaOH(1.62L、4M、6.46mol)の溶液を110℃に加熱し、ステップ1で得られた4-ブロモ-2,6-ジクロロニコチン酸(70g、258.4mmol)を一度に添加した。混合物を8時間撹拌し、次に0℃に冷却した。反応物をHCl(6M)でpH1に調整し、30分間撹拌した。固体を濾過により収集し、真空中で乾燥させて、4-ブロモ-2-クロロ-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸(想定100%)を得た。
ステップ3.メチル4-ブロモ-2-クロロ-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレートの調製。DMF(800mL)中の4-ブロモ-2-クロロ-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸(100g、396mmol)の混合物に、ヨウ化メチル(168.6g、1.19mol、73.98mL)およびKCO(164.2g、1.19mol)を一度に添加した。混合物を25℃で3時間撹拌し、次に飽和NHCl(1800mL)に注ぎ、水相をEtOAc(2×500mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(400mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。合わせた残留物(5つのバッチ)を、カラムクロマトグラフィーによって2~100%EtOAc/石油エーテルで溶出して精製して、メチル4-ブロモ-2-クロロ-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(5つのバッチから、141.83g、24.7%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.86 (s, 1H), 3.94 (s, 3H), 3.69 - 3.66
(m, 3H); MS (apci, m/z) = 280.0, 282.0 (M+H).
ステップ4.メチル(Z)-2-クロロ-4-(2-エトキシビニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレートの調製。ステップ3で得られたメチル4-ブロモ-2-クロロ-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(20.0g、71.3mmol)、メタンスルホネート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-i-プロポキシ-1,1’-ビフェニル)(2-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)(5.96g、7.13mmol)および(Z)-2-(2-エトキシビニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(14.8g、74.9mmol)を1,4-ジオキサン(700mL)に懸濁させ、KCO(53.5mL、2N水溶液、107mmol)を添加した。混合物を60℃で6時間撹拌し、次にアルゴン雰囲気下、周囲温度で12時間撹拌した。反応物を水(1500mL)とEtOAc(500mL)とに分配した。水層をEtOAc(2×400mL)で抽出し、合わせた有機層をブライン(500mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~40~60%EtOAc/ヘプタンで溶出して精製して、メチル(Z)-2-クロロ-4-(2-エトキシビニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(13.3g、68%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.23 (s, 1H), 6.45 (d, 1H), 4.86 (d, 1H),
4.40 (q, 2H), 3.89 (s, 3H), 3.67 (s, 3H), 1.35 (t, 3H) ppm; MS (apci,
m/z) = 272.0 (M+H).
ステップ5.メチル(E/Z)-4-(2-((2-(tert-ブトキシ)エトキシ)イミノ)エチル)-2-クロロ-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレートの調製。ステップ4で得られたメチル(Z)-2-クロロ-4-(2-エトキシビニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(0.95g、3.50mmol)およびO-(2-(tert-ブトキシ)エチル)ヒドロキシルアミン塩酸塩(593mg、3.50mmol)を、1,4-ジオキサン(10mL)中で合わせた。EtN(487mL、3.50mmol)およびHCl(1.75mL、4N/ジオキサン、6.99mmol)を添加した。懸濁液を60℃に1時間加熱し、次に冷却し、濾過した。濾液を濃縮して、メチル(E/Z)-4-(2-((2-(tert-ブトキシ)エトキシ)イミノ)エチル)-2-クロロ-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(想定100%)を1:1の異性体混合物として得た。MS(apci、m/z)=359.1(M+H)。
ステップ6.メチル4-(2-((2-(tert-ブトキシ)エトキシ)アミノ)エチル)-2-クロロ-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレートの調製。IPA(20mL)中のステップ5で得られたメチル(E/Z)-4-(2-((2-(tert-ブトキシ)エトキシ)イミノ)エチル)-2-クロロ-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(1.25g、3.48mmol)の溶液に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(1.09g、17.4mmol)を添加し、続いて酢酸(1.0mL、17.4mmol)を添加した。混合物を周囲温度で16時間撹拌し、次に飽和NaHCO(50mL)とEtOAc(50mL)とに分配した。水層をEtOAc(2×30mL)で抽出し、合わせた有機相をブライン(30mL)で洗浄し、次にNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~80%EtOAc/DCMで溶出して精製して、メチル4-(2-((2-(tert-ブトキシ)エトキシ)アミノ)エチル)-2-クロロ-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(0.66g、53%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.43 (s, 1H), 3.90 (s, 3H), 3.78 (t, 2H),
3.68 (s, 3H), 3.50 (t, 2H), 3.10 (t, 2H), 2.71 (t, 2H), 1.20 (s, 9H) ppm;
MS (apci, m/z) = 361.1, 363.1 (M+H).
ステップ7.2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。2-フルオロ-4-(メチルチオ)アニリン(114mg、0.73mmol)をTHF(5.0mL、0.69mmol)に溶解させ、N雰囲気下で-78℃に冷却した。LiHMDS(1.39mL、1.0M/THF、1.39mmol)を滴下添加し、次に混合物を45分間撹拌した。次に、THF(5.0mL)中のステップ6で得られたメチル4-(2-((2-(tert-ブトキシ)エトキシ)アミノ)エチル)-2-クロロ-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(250mg、0.69mmol)の溶液を滴下添加した。10分間撹拌した後、さらなるLiHMDS(1.0mL、1.0mmol)を添加し、撹拌を-78℃で1時間継続した。反応混合物を飽和NHCl(20mL)でクエンチし、次にEtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~15%(20%MeOH/DCM)/DCM)で溶出して精製して、2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(111mg、36%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.35 (s, 1H), 7.02 - 6.99 (dd, 1H), 6.97
- 6.94 (m, 1H), 6.82 - 6.77 (t, 1H), 5.95 (s, 1H), 4.16 - 4.14 (m, 2H), 3.80 -
3.77 (t, 2H), 3.62 - 3.60 (m, 2H), 3.17 (s, 3H), 2.99 - 2.95 (t, 2H), 2.47 (s,
3H), 1.21 (s, 9H) ppm; MS (apci, m/z) = 450.2 (M+H).
ステップ8.8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。アセトニトリル(2.0mL)中のステップ7で得られた2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(111mg、0.247mmol)の溶液に、HPO(2.0mL、38.5mmol)を添加した。溶液を60℃に15分間加熱し、次に冷却し、飽和NaHCO(20mL)でクエンチした。混合物をEtOAc(3×10mL)で抽出し、合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~20%(20%MeOH/DCM)/DCMで溶出し、次に逆相HPLC(30分間にわたって5~95%アセトニトリル/水/0.1%TFA)によって精製した。クリーンな所望の生成物を含有している画分を合わせ、生成物をDCM/NaHCOで遊離塩基に変換して、8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(62mg、64%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.17 (s, 1H), 7.03-6.97 (m, 2H), 6.85 (t,
1H), 5.95 (s, 1H), 4.03 (t, 2H), 3.74-3.70 (m, 4H), 3.16 (s, 3H), 2.98
(t, 2H), 2.48 (s, 3H) ppm; MS (apci, m/z) = 394.1 (M+H).PXRD分析を、実施例77に記載されている通りに実施した。図4に示されているPXRDパターンにより、得られた材料が非晶質であることを確認した。これに基づいて、材料は、非晶質8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態4と指定された。
方法B
ステップ1.メチル4-ブロモ-2-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレートの調製。THF(50mL)中のメチル4-ブロモ-2-クロロ-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(本明細書で記載される方法のいずれかに従って調製した;50.0g、87.2%、155mmol)および2-フルオロ-4-(メチルチオ)アニリン(24.4g、55mmol)の溶液に、0℃でカリウムtert-ブトキシド(34.9g、311mL、1.0モル、311mmol)を40分間にわたって添加した。反応物を0℃で50分間保持し、次に飽和NHCl(600mL)およびEtOAc(500mL)で希釈した。水を添加して固体を溶解させ、層を分離した。水層をEtOAc(2×300mL)で抽出し、合わせた有機相を水(500mL)およびブライン(500mL)で洗浄し、次にNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をMeOH(57mL)に懸濁させ、簡単に超音波処理し、次に60℃に10分間加熱した。混合物を周囲温度にゆっくり冷却させ、次に0℃に30分間冷却した。固体を濾過し、収集して、メチル4-ブロモ-2-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(40.14g、64.4%)を得た。1H NMR CDCl3 δ 9.03 (s, 1H), 7.04 (dd, 1H), 6.96 (m, 1H),
6.71-6.65 (m, 2H), 3.85 (s, 3H), 3.24 (s, 3H), 2.47 (s, 3H) ppm. MS
(apci, m/z) = 401.0, 403.0 (M+H).
ステップ2.メチル(Z)-4-(2-エトキシビニル)-2-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレートの調製。(Z)-2-(2-エトキシビニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(80.25g、82.3mL、405.17mmol)を、2-メチルテトラヒドロフラン(860mL)中のステップ1の手順に従って得られたメチル4-ブロモ-2-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(130.06g、324.14mmol)、KCO(67.2g、243.10mL、2M、486.21mmol)およびメタンスルホネート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-i-’プロポキシ-1,1’-ビフェニル)’2-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)(6.78g、8.10mmol)の撹拌した溶液に、アルゴン下、周囲温度で添加した。反応混合物をアルゴンで30分間スパージした。反応物を60℃に加熱し、13時間撹拌し、次に周囲温度で6時間撹拌した。反応物を水(1800mL)およびEtOAc(1100mL)で希釈し、次にGF/F紙により濾過した。濾液層を分離し、水層をEtOAc(2×650mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1500mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をMTBE(30mL)で処理し、濃縮し、真空中で乾燥させた。残留物をMTBE(330mL)に懸濁させ、60℃で1時間撹拌した。混合物を周囲温度にゆっくり冷却させ、次に0℃で40分間撹拌した。固体を濾過し、冷却MTBE(110mL)で洗浄し、次に冷却MTBE:ヘプタン(1:1混合物、150mL)で洗浄し、真空中で乾燥させて、メチル(Z)-4-(2-エトキシビニル)-2-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(98.54g、77.46%)を得た。1H NMR CDCl3 δ 8.65 (s, 1H), 7.04 (dd, 1H), 6.97 (s, 1H), 6.92 (m, 1H), 6.56 (t,
1H), 6.37 (d, 1H), 5.36 (d, 1H), 4.01 (q, 2H), 3.79 (s, 3H), 3.31 (s, 3H), 2.46
(s, 3H), 1.35 (t, 3H) ppm. MS (apci, m/z) = 393.1 (M+H).
ステップ3.2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。トリエチルアミン(2.84g、3.91mL、28.0mmol)を、1,4-ジオキサン(255mL)中のステップ2の手順に従って得られたメチル(Z)-4-(2-エトキシビニル)-2-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(10.0g、25.5mmol)およびO-(2-(tert-ブトキシ)エチル)ヒドロキシルアミン塩酸塩(4.95g、96%、28.0mmol)の撹拌した溶液に添加した。反応物を冷水浴に入れ、Arでパージし、HCl(2.04g、14.0mL、4M/ジオキサン、56.1mmol)を、添加漏斗により滴下添加した。混合物を60℃で1時間加熱し、次に冷水浴を使用して周囲温度に冷却した。ピリジンボラン(4.74g、5.42mL、51.0mmol)をゆっくり添加し、混合物を周囲温度で10分間撹拌した。HCl(1.11g、7.64mL、4M/ジオキサン、30.6mmol)を5分間にわたって添加し、撹拌を20分間継続した。反応物を60℃で21時間加熱し、次に周囲温度に冷却した。冷却した混合物を、飽和NaHCO(140mL)をゆっくり添加することにより約pH7に中和し、次にEtOAc(400mL)およびHO(300mL)で希釈した。層を分離し、水層をEtOAc(2×150mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(600mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を最小限のDCMに溶解させ、5インチのシリカプラグにより濾過し、3%MeOH:DCM(1L)で溶出した。濾液を濃縮して、2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(想定100%)を得、それをさらに精製することなく使用した。MS(apci、m/z)=450.2(M+H)。
ステップ4.8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。アセトニトリル(63.09mL、31.54mmol)中のステップ3の手順に従って得られた2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(14.18g、31.54mmol)の溶液に、周囲温度で、リン酸(36.36g、21.60mL、85%、315.4mmol)を20分間にわたって滴下添加した。反応物を60℃に4時間加熱し、次に周囲温度にゆっくり冷却した。反応物を、氷浴中リン酸カリウム(66.95g、157.7mL、2M、315.4mmol)の冷却した溶液に、激しく撹拌しながらゆっくり注いだ。10分間撹拌した後、EtOAc(300mL)を添加し、層を分離した。有機層をブライン(300mL)で洗浄し、次に水層をEtOAc(100mL)で抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~40%(20%MeOH/DCM)/MTBEで溶出して精製して、8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(9.48g、76.4%)を得た。PXRD分析により、得られた材料が非晶質であることを確認した。1H NMR CDCl3 δ 11.19 (s, 1H), 7.06 - 6.93 (m, 2H), 6.91 -
6.76 (m, 1H), 5.95 (t, 1H), 4.44 (s, 1H), 4.21 - 3.87 (m, 2H), 3.84 - 3.54 (m,
4H), 3.16 (s, 3H), 2.98 (td, 2H), 2.48 (s, 3H). MS (apci, m/z) = 394.1
(M+H).
(実施例7)
Figure 2024512624000073
8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
実施例6、方法Aに従って、ステップ7の2-フルオロ-4-(メチルチオ)アニリンの代わりに4-ブロモ-2-フルオロアニリンを代用して調製して、8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(15mg、63%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.14 (s, 1H), 7.33 (dd, 1H), 7.24 (m,
1H), 6.78 (t, 1H), 5.99 (s, 1H), 4.38 (t, 1H), 4.05 - 4.01 (m, 2H), 3.75-3.70
(m, 4H), 3.17 (s, 3H), 3.00 (t, 2H) ppm; MS (apci, m/z) = 426.0, 428.0
(M+H).
(実施例8)
Figure 2024512624000074
8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
実施例6、方法Aに従って、ステップ7の2-フルオロ-4-(メチルチオ)アニリンの代わりに4-ヨード-2-フルオロアニリンを代用して調製して、8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(12mg、74%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.11 (s, 1H), 7.49 (dd, 1H), 7.42 (m,
1H), 6.63 (t, 1H), 6.00 (s, 1H), 4.42 - 4.33 (m, 1H), 4.05 - 4.00 (m, 2H),
3.76-3.69 (m, 4H), 3.18 (s, 3H), 2.99 (t, 2H) ppm; MS (apci, m/z) = 474.0
(M+H).
(実施例9)
Figure 2024512624000075
8-((2-クロロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
実施例6、方法Aに従って、ステップ7の2-フルオロ-4-(メチルチオ)アニリンの代わりに2-クロロ-4-ヨードアニリンを代用して調製して、8-((2-クロロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(6.4mg、50%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.09 (s, 1H), 7.79 (s, 1H), 7.48 (d, 1H),
6.46 (d, 1H), 6.02 (s, 1H), 4.03 (t, 2H), 3.78-3.70 (m, 4H), 3.14 (s, 3 H),
3.00 (t, 2H) ppm; MS (apci, m/z) = 490.0 (M+H).
(実施例10)
Figure 2024512624000076
8-((4-ブロモ-2-クロロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
実施例6、方法Aに従って、ステップ7の2-フルオロ-4-(メチルチオ)アニリンの代わりに4-ブロモ-2-クロロアニリンを代用して調製して、8-((4-ブロモ-2-クロロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(7.9mg、52%)を得た。1H NMR 11.10 (s, 1H), 7.62 (d, 1H),
7.31 (dd, 1H), 6.61 (d, 1H), 6.02 (s, 1H), 4.03 (t, 2H), 3.77-3.68 (m, 4H),
3.14 (s, 3H), 3.00 (t, 2H) ppm; MS (apci, m/z) = 442.0, 444.0 (M+H).
(実施例11)
Figure 2024512624000077
8-((4-ブロモ-2,3-ジフルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
実施例6、方法Aに従って、ステップ7の2-フルオロ-4-(メチルチオ)アニリンの代わりに4-ブロモ-2,3-ジフルオロアニリンを代用して調製して、8-((4-ブロモ-2,3-ジフルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(12.2mg、75%)を得た。1H NMR 11.17 (s, 1H), 7.30-7.22 (m,
1H), 6.65 (dt, 1H), 6.04 (s, 1H), 4.32 (bs, 1H), 4.04 (t, 2H), 3.78-3.69 (m,
4H), 3.21 (s, 3H), 3.01 (t, 2H) ppm; MS (apci, m/z) = 444.0 (M+H).
(実施例12)
Figure 2024512624000078
8-((4-ブロモ-3-クロロ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
実施例6、方法Aに従って、ステップ7の2-フルオロ-4-(メチルチオ)アニリンの代わり4-ブロモ-3-クロロ-2-フルオロアニリンを代用して調製して、8-((4-ブロモ-3-クロロ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(10.6mg、68%)を得た。1H NMR 11.17 (s, 1H), 7.37 (d, 1H),
6.68 (t, 1H), 6.04 (s, 1H), 4.06-4.00 (m, 2H), 3.77-3.69 (m, 4H), 3.20 (s, 3H),
3.01 (t, 2H) ppm; MS (apci, m/z) = 460.0, 462.0 (M+H).
(実施例13)
Figure 2024512624000079
8-((2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
ステップ1.2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。実施例6、方法Aのステップ7に従って、2-フルオロ-4-(メチルチオ)アニリンの代わりに2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)アニリンを代用して調製して、2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(11mg、22%)を得た。MS(apci、m/z)=472.2(M+H)。
ステップ2.8-((2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。実施例6、方法Aのステップ8に従って、2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの代わりに2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンを代用して調製して、8-((2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(6mg、62%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.18 (s, 1H), 7.44 - 7.41 (dd, 1H), 7.38
- 7.36 (d, 1H), 6.92 - 6.88 (t, 1H), 6.08 (s, 1H), 4.05 - 4.03 (m, 2H), 3.76 -
3.72 (m, 4H), 3.23 (s, 3H), 3.03 - 3.00 (t, 2H) ppm; MS (apci, m/z) = 416.1
(M+H).
(実施例14)
Figure 2024512624000080
8-((4-エチル-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
ステップ1.2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((4-エチル-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。実施例6、方法Aのステップ7に従って、2-フルオロ-4-(メチルチオ)アニリンの代わりに4-エチル-2-フルオロアニリンを代用して調製して、2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((4-エチル-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(19mg、42%)を得た。MS(apci、m/z)=432.2(M+H)。
ステップ2.8-((4-エチル-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。実施例6、方法Aのステップ8に従って、2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの代わりに2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((4-エチル-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンを代用して調製して、8-((4-エチル-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(10mg、61%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.17 (s, 1H), 7.00 - 6.91 (m, 2H), 6.87 -
6.83 (t, 1H), 5.93 (s, 1H), 4.03 - 4.01 (m, 2H), 3.74 - 3.70 (m, 4H), 3.15 (s,
3H), 3.00 - 2.97 (t, 2H), 2.66 - 2.61 (q, 2H), 1.25 - 1.21 (t, 3H) ppm; MS
(apci, m/z) = 376.2 (M+H).
(実施例15)
Figure 2024512624000081
8-((4-シクロプロピル-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
ステップ1.2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((4-シクロプロピル-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。実施例6、方法Aのステップ7に従って、2-フルオロ-4-(メチルチオ)アニリンの代わりに4-シクロプロピル-2-フルオロアニリンを代用して調製して、2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((4-シクロプロピル-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(32mg、52%)を得た。MS(apci、m/z)=444.2(M+H)。
ステップ2.8-((4-シクロプロピル-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。実施例6、方法Aのステップ8に従って、2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの代わりに2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((4-シクロプロピル-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンを代用して調製して、8-((4-シクロプロピル-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(19mg、68%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.18 (s, 1H), 6.83 - 6.78 (m, 3H), 5.92
(s, 1H), 4.49 (br s, 1H), 4.03 - 4.01 (m, 2H), 3.74 - 3.69 (m, 4H), 3.13 (s,
3H), 3.0 - 2.96 (t, 2H), 1.90 - 1.84 (m, 1H), 1.03 - 0.98 (m, 2H), 0.69 - 0.65
(m, 2H) ppm; MS (apci, m/z) = 388.1 (M+H).
(実施例16)
Figure 2024512624000082
8-((2-フルオロ-4-メトキシフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
ステップ1.2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロ-4-メトキシフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。実施例6、方法Aのステップ7に従って、2-フルオロ-4-(メチルチオ)アニリンの代わりに2-フルオロ-4-メトキシアニリンを代用して調製して、2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロ-4-メトキシフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(8mg、17%)を得た。MS(apci、m/z)=434.2(M+H)。
ステップ2.8-((2-フルオロ-4-メトキシフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。実施例6、方法Aのステップ8に従って、2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの代わりに2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロ-4-メトキシフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンを代用して調製して、8-((2-フルオロ-4-メトキシフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(3mg、43%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.18 (s, 1H), 6.94 - 6.90 (t, 1H), 6.07 -
6.64 (m, 2H), 5.91 (s, 1H), 4.04 - 4.01 (m, 2H), 3.80 (s, 3H), 3.75 - 3.69 (m,
4H), 3.12 (s, 3H), 3.00 - 2.96 (t, 2H) ppm; MS (apci, m/z) = 378.1 (M+H).
(実施例17)
Figure 2024512624000083
8-((2-フルオロ-4-((トリフルオロメチル)チオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
ステップ1.2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロ-4-((トリフルオロメチル)チオ)フェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。実施例6、方法Aのステップ7に従って、2-フルオロ-4-(メチルチオ)アニリンの代わりに2-フルオロ-4-((トリフルオロメチル)チオ)アニリンを代用して調製して、2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロ-4-((トリフルオロメチル)チオ)フェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(17mg、31%)を得た。MS(apci、m/z)=504.1(M+H)。
ステップ2.8-((2-フルオロ-4-((トリフルオロメチル)チオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。実施例6、方法Aのステップ8に従って、2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの代わりに2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロ-4-((トリフルオロメチル)チオ)フェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンを代用して調製して、8-((2-フルオロ-4-((トリフルオロメチル)チオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(10mg、66%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.16 (s, 1H), 7.49 - 7.46 (dd, 1H), 7.40
- 7.38 (d, 1H), 6.86 - 6.82 (t, 1H), 6.06 (s, 1H), 4.31 (br s, 1H), 4.05 - 4.02
(t, 2H), 3.76 - 3.72 (m, 4H), 3.23 (s, 3H), 3.03 - 3.00 (t, 2H); MS (apci, m/z)
= 448.1 (M+H).
(実施例18)
Figure 2024512624000084
8-((2-フルオロ-4-イソプロピルフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
ステップ1.2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロ-4-イソプロピルフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。実施例6、方法Aのステップ7に従って、2-フルオロ-4-(メチルチオ)アニリンの代わりに2-フルオロ-4-イソプロピルアニリンを代用して調製して、2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロ-4-イソプロピルフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(17mg、34%)を得た。MS(apci、m/z)=446.2(M+H)。
ステップ2.8-((2-フルオロ-4-イソプロピルフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。実施例6、方法Aのステップ8に従って、2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの代わりに2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロ-4-イソプロピルフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンを代用して調製して、8-((2-フルオロ-4-イソプロピルフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(10mg、67%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.16 (s, 1H), 7.00 - 6.93 (m, 2H), 6.97 -
6.83 (t, 1H), 5.93 (s, 1H), 4.51 - 4.48 (t, 1H), 4.03 - 4.01 (t, 2H), 3.75 -
3.69 (m, 4H), 3.14 (s, 3H), 3.00 - 2.96 (t, 2H), 2.92 - 2.85 (m, 1H), 1.24 -
1.22 (d, 6H) ppm; MS (apci, m/z) = 390.2 (M+H).
(実施例19)
Figure 2024512624000085
8-((2-クロロ-4-シクロプロピルフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
ステップ1.2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-クロロ-4-シクロプロピルフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。実施例6、方法Aのステップ7に従って、2-フルオロ-4-(メチルチオ)アニリンの代わりに2-クロロ-4-シクロプロピルアニリンを代用して調製して、2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-クロロ-4-シクロプロピルフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(21mg、41%)を得た。MS(apci、m/z)=460.2(M+H)。
ステップ2.8-((2-クロロ-4-シクロプロピルフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。実施例6、方法Aのステップ8に従って、2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの代わりに2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-クロロ-4-シクロプロピルフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンを代用して調製して、8-((2-クロロ-4-シクロプロピルフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(12mg、65%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.13 (s, 1H), 7.14 (d, 1H), 6.91 - 6.88
(dd, 1H), 6.69 - 6.67 (d, 1H), 5.95 (s, 1H), 4.47 - 4.44 (t, 1H), 4.04 - 4.01
(t, 2H), 3.75 - 3.69 (m, 4H), 3.09 (s, 3H), 3.01 - 2.98 (t, 2H), 1.89 - 1.82
(m, 1H), 1.02 - 0.97 (m, 2H), 0.69 - 0.65 (m, 2H) ppm; MS (apci, m/z) = 404.1
(M+H).
(実施例20)
Figure 2024512624000086
8-((4-アセチル-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
ステップ1.2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((4-エチニル-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。2-フルオロ-4-((トリメチルシリル)エチニル)アニリン(30.2mg、0.145mmol)をTHF(1.0mL、0.139mmol)に溶解させ、N雰囲気下で-78℃に冷却した。LiHMDS(0.277mL、1N/THF、0.277mmol)を滴下添加し、混合物を同じ温度で45分間撹拌した。メチル4-(2-((2-(tert-ブトキシ)エトキシ)アミノ)エチル)-2-クロロ-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(50mg、0.139mmol)をTHF(1.0mL、0.139mmol)に溶解させ、反応混合物に滴下添加した。10分間撹拌した後、LiHMDS(0.160mL、1N/THF、0.160mmol)を添加し、反応物を同じ温度で1時間撹拌した。反応混合物を飽和NHCl(25mL)でクエンチし、次にEtOAc(3×25mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。材料をTHF(1.0mL、0.139mmol)に溶解させ、TBAF(0.1mL、1N/THF、0.100mmol)で、周囲温度で30分間処理した。混合物をEtOAc(25mL)と飽和NHCl(25mL)とに分配した。有機層を除去し、水層をEtOAc(2×25mL)で洗浄した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~15%(20%MeOH/DCM)/DCMで溶出して精製して、2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((4-エチニル-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(19mg、32%)を得た。MS(apci、m/z)=428.2(M+H)。
ステップ2.8-((4-アセチル-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。実施例6、方法Aのステップ8に従って、2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの代わりに2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((4-エチニル-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンを代用して調製して、8-((4-アセチル-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(11mg、64%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.19 (s, 1H), 7.76 - 7.73 (dd, 1H), 7.71
- 7.69 (dd, 1H), 6.87 - 6.83 (t, 1H), 6.07 (s, 1H), 4.31 (br s, 1H), 4.05 -
4.03 (m, 2H), 3.76 - 3.73 (m, 4H), 3.24 (s, 3H), 3.03 - 3.00 (t, 2H), 2.58 (s,
3H) ppm; MS (apci, m/z) = 390.1 (M+H).
(実施例21)
Figure 2024512624000087
8-((2-クロロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
ステップ1.2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-クロロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。実施例6、方法Aのステップ7に従って、2-フルオロ-4-(メチルチオ)アニリンの代わりに2-クロロ-4-(メチルチオ)アニリンを代用して調製して、2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-クロロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(15mg、29%)を得た。MS(apci、m/z)=466.1(M+H)。
ステップ2.8-((2-クロロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。実施例6、方法Aのステップ8に従って、2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの代わりに2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-クロロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンを代用して調製して、8-((2-クロロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(9mg、68%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.15 (s, 1H), 7.33 (d, 1H), 7.09 - 7.06
(dd, 1H), 6.71 - 6.69 (d, 1H), 5.97 (s, 1H), 4.42 (br s, 1H), 4.04 - 4.02 (t,
2H), 3.75 - 3.71 (m, 4H), 3.12 (s, 3H), 3.01 - 2.98 (t, 2H), 2.48 (s, 3H) ppm;
MS (apci, m/z) = 410.1 (M+H).
(実施例22)
Figure 2024512624000088
8-((4-(ジフルオロメトキシ)-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
ステップ1.2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((4-(ジフルオロメトキシ)-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。実施例6、方法Aのステップ7に従って、2-フルオロ-4-(メチルチオ)アニリンの代わりに4-(ジフルオロメトキシ)-2-フルオロアニリンを代用して調製して、2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((4-(ジフルオロメトキシ)-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(17mg、33%)を得た。MS(apci、m/z)=470.2(M+H)。
ステップ2.8-((4-(ジフルオロメトキシ)-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン。実施例6、方法Aのステップ8に従って、2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの代わりに2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((4-(ジフルオロメトキシ)-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンを代用して調製して、8-((4-(ジフルオロメトキシ)-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(10mg、67%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.18 (s, 1H), 7.00 - 6.91 (m, 3H), 6.68 -
6.31 (t, 1H), 5.98 (s, 1H), 4.43 - 4.40 (t, 1H), 4.04 - 4.02 (t, 2H), 3.75 -
3.71 (m, 4H), 3.16 (s, 3H), 3.01 - 2.98 (t, 2H) ppm; MS (apci, m/z) = 414.1
(M+H).
(実施例23)
Figure 2024512624000089
8-((2-クロロ-4-エチルフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
ステップ1.2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-クロロ-4-エチルフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。実施例6、方法Aのステップ7に従って、2-フルオロ-4-(メチルチオ)アニリンの代わりに2-クロロ-4-エチルアニリンを代用して調製して、2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-クロロ-4-エチルフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(9mg、14%)を得た。MS(apci、m/z)=448.2(M+H)。
ステップ2.8-((2-クロロ-4-エチルフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン。実施例6、方法Aのステップ8に従って、2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの代わりに2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-クロロ-4-エチルフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンを代用して調製して、8-((2-クロロ-4-エチルフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(6mg、80%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.13 (s, 1H), 7.29 (d, 1H), 7.02 - 7.00
(dd, 1H), 6.72 - 6.70 (d, 1H), 5.95 (s, 1H), 4.46 (br s, 1H), 4.04 - 4.01 (m,
2H), 3.75 - 3.70 (m, 4H), 3.10 (s, 3H), 3.01 - 2.97 (t, 2H), 2.65 - 2.59 (q,
2H), 1.24 - 1.21 (t, 3H) ppm; MS (apci, m/z) = 392.1 (M+H).
(実施例24)
Figure 2024512624000090
8-((2-フルオロ-4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
ステップ1.2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロ-4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。実施例6、方法Aのステップ7に従って、2-フルオロ-4-(メチルチオ)アニリンの代わりに2-フルオロ-4-(トリフルオロメトキシ)アニリンを代用して調製して、2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロ-4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(22mg、41%)を得た。MS(apci、m/z)=488.2(M+H)。
ステップ2.8-((2-フルオロ-4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン。実施例6、方法Aのステップ8に従って、2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの代わりに2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロ-4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンを代用して調製して、8-((2-フルオロ-4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(13mg、67%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.17 (s, 1H), 7.08 - 7.06 (d, 1H), 7.02 -
6.99 (d, 1H), 6.94 - 6.90 (t, 1H), 6.01 (s, 1H), 4.40 - 4.36 (t, 1H), 4.05 -
4.02 (t, 2H), 3.75 - 3.72 (t, 4H), 3.18 (s, 3H), 3.02 - 2.99 (t, 2H) ppm; MS
(apci, m/z) = 432.1 (M+H).
(実施例25)
Figure 2024512624000091
8-((4-((ジフルオロメチル)チオ)-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
ステップ1.2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((4-((ジフルオロメチル)チオ)-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。実施例6、方法Aのステップ7に従って、2-フルオロ-4-(メチルチオ)アニリンの代わりに4-((ジフルオロメチル)チオ)-2-フルオロアニリンを代用して調製して、2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((4-((ジフルオロメチル)チオ)-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(19mg、35%)を得た。δ 11.31 (s, 1H), 7.40 - 7.37 (dd, 1H), 7.30 - 7.28 (m, 1H), 6.94 -
6.66 (t, 1H), 6.80 - 6.76 (t, 1H), 6.04 (s, 1H), 4.17 - 4.14 (m, 2H), 3.82 -
3.79 (t, 2H), 3.62 - 3.59 (m, 2H), 3.24 (s, 3H), 3.01 - 2.97 (t, 2H), 1.21 (s,
9H) ppm. MS (apci, m/z) = 486.2 (M+H).
ステップ2.8-((4-((ジフルオロメチル)チオ)-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン。実施例6、方法Aのステップ8に従って、2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの代わりに2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((4-((ジフルオロメチル)チオ)-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンを代用して調製して、8-((4-((ジフルオロメチル)チオ)-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(11mg、57%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.16 (s, 1H), 7.42 - 7.39 (dd, 1H), 7.33
- 7.32 (d, 1H), 6.96 - 6.68 (t, 1H), 6.87 - 6.82 (t, 1H), 6.04 (s, 1H), 4.37 -
4.33 (t, 1H), 4.05 - 4.02 (t, 2H), 3.75 - 3.72 (t, 4H), 3.22 (s, 3H), 3.03 -
2.99 (t, 2H) ppm; MS (apci, m/z) = 430.1 (M+H).
(実施例26)
Figure 2024512624000092
8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-イソプロポキシ-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
実施例6、方法Aのステップ1~7に従って、ステップ5のO-(2-(tert-ブトキシ)エチル)ヒドロキシルアミン塩酸塩の代わりにO-イソプロピルヒドロキシルアミン塩酸塩を代用し、ステップ7の2-フルオロ-4-(メチルチオ)アニリンの代わりに4-ブロモ-2-フルオロアニリンを代用して調製して、8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-イソプロポキシ-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(10.3mg、14%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.37 (s, 1H), 7.30 (dd, 1H), 7.21 (dq,
1H), 6.73 (t, 1H), 6.00 (s, 1H), 4.33 (m, 1H), 3.68 (t, 2H), 3.18 (s, 3H), 2.99
(t, 2H), 1.30 (d, 6H) ppm; MS (apci, m/z) = 424.1, 426.1 (M+H).
(実施例27)
Figure 2024512624000093
8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-2-イソプロポキシ-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
実施例6、方法Aのステップ1~7に従って、ステップ5のO-(2-(tert-ブトキシ)エチル)ヒドロキシルアミン塩酸塩の代わりにO-イソプロピルヒドロキシルアミン塩酸塩を代用し、ステップ7の2-フルオロ-4-(メチルチオ)アニリンの代わりに2-フルオロ-4-ヨードアニリンを代用して調製して、8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-2-イソプロポキシ-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(15.2mg、23%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.36 (s, 1H), 7.46 (dd, 1H), 7.38 (dt,
1H), 6.58 (t, 1H), 6.00 (s, 1H), 4.33 (m, 1H), 3.68 (t, 2H), 3.19 (s, 3H), 2.99
(t, 2H), 1.30 (d, 6H) ppm; MS (apci, m/z) = 472.1 (M+H).
(実施例28)
Figure 2024512624000094
2-エトキシ-8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
実施例6、方法Aのステップ1~7に従って、ステップ5のO-(2-(tert-ブトキシ)エチル)ヒドロキシルアミン塩酸塩の代わりにO-エチルヒドロキシルアミン塩酸塩を代用し、ステップ7の2-フルオロ-4-(メチルチオ)アニリンの代わりに2-フルオロ-4-ヨードアニリンを代用して調製して、2-エトキシ-8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(24.3mg、25%)を得た。1H NMR 11.33 (s, 1H), 7.46 (d, 1H),
7.38 (d, 1H), 6.57 (t, 1H), 6.00 (s, 1H), 4.07 (q, 2H), 3.72 (t, 2H), 3.19 (s,
3H), 2.99 (t, 2H), 1.31 (t, 3H) ppm; MS (apci, m/z) = 458.0 (M+H).
(実施例29)
Figure 2024512624000095
8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-2-メトキシ-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
実施例6、方法Aのステップ1~7に従って、ステップ5のO-(2-(tert-ブトキシ)エチル)ヒドロキシルアミン塩酸塩の代わりにO-メチルヒドロキシルアミン塩酸塩を代用し、ステップ7の2-フルオロ-4-(メチルチオ)アニリンの代わりに2-フルオロ-4-ヨードアニリンを代用して調製して、8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-2-メトキシ-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(16.7mg、33%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.32 (s, 1H), 7.47 (d, 1H), 7.39 (d, 1H),
6.58 (t, 1H), 6.00 (s, 1H), 3.84 (s, 3H), 3.73 (t, 2H), 3.19 (s, 3H), 3.00 (t,
2H) ppm; MS (apci, m/z) = 444.0 (M+H).
(実施例30)
Figure 2024512624000096
2-(tert-ブトキシ)-8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
ステップ1~7.メチル4-(2-(tert-ブトキシアミノ)エチル)-2-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレートの調製。実施例6、ステップ1~7に従って、ステップ5のO-(2-(tert-ブトキシ)エチル)ヒドロキシルアミン塩酸塩の代わりにO-(tert-ブチル)ヒドロキシルアミン塩酸塩を代用し、ステップ7の2-フルオロ-4-(メチルチオ)アニリンの代わりに2-フルオロ-4-ヨードアニリンを代用して調製して、メチル4-(2-(tert-ブトキシアミノ)エチル)-2-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(40.3mg、62%)を得た。MS(apci、m/z)=518.1(M+H)。
ステップ8.2-(tert-ブトキシ)-8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。THF(1mL)中のメチル4-(2-(tert-ブトキシアミノ)エチル)-2-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(40.3mg、0.078mmol)の溶液を、EtN(10.9μL、0.078mmol)で処理した。反応混合物を50℃に1時間加熱した。さらなるEtN(10.9μL、0.078mmol)を反応物に添加し、50℃でさらに1時間撹拌した。さらなる一定分量のEtN(10.9μL、0.078mmol)を添加し、反応物を50℃で5日間撹拌した。反応混合物を水(40mL)とEtOAc(20mL)とに分配した。水層をEtOAc(2×15mL)で洗浄した。合わせた有機層をブライン(25mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、逆相HPLC(20分間にわたって5~95%アセトニトリル/水/0.1%TFA)によって精製し、クリーンな画分を合わせ、飽和炭酸水素塩で洗浄し、EtOAc(3×15mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和炭酸水素塩(20mL)およびブライン(25mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、2-(tert-ブトキシ)-8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(16.5mg、43%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.49 (s, 1H), 7.46 (dd, 1H), 7.39 (td,
1H), 6.59 (t, 1H), 5.99 (s, 1H), 3.70 - 3.60 (m, 2H), 3.18 (s, 3H), 3.10 - 2.87
(m, 2H), 1.34 (s, 9H) ppm; MS (apci, m/z) = 486.1 (M+H).
(実施例31)
Figure 2024512624000097
(S)-8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシプロポキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
ステップ1.メチル(S,E)-2-クロロ-4-(2-((2-ヒドロキシプロポキシ)イミノ)エチル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレートの調製。メチル(Z)-2-クロロ-4-(2-エトキシビニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(200mg、0.736mmol)および(S)-O-(2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)ヒドロキシルアミン(151mg、0.736)を1,4-ジオキサン(5mL)に溶かした。TEA(103μL、0.736mmol)およびHCl(368μL、4N/ジオキサン、1.47mmol)を添加した。懸濁液を60℃に3時間加熱した。反応混合物を濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~80%EtOAc/ヘキサンで溶出して精製して、メチル(S,E)-2-クロロ-4-(2-((2-ヒドロキシプロポキシ)イミノ)エチル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(66.6mg、29%)を得た。MS(apci、m/z)=317.1(M+H)。
ステップ2.メチル(S,E)-2-クロロ-1-メチル-6-オキソ-4-(6,8,8,9,9-ペンタメチル-4,7-ジオキサ-3-アザ-8-シラデカ-2-エン-1-イル)-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレートの調製。メチル(S,E)-2-クロロ-4-(2-((2-ヒドロキシプロポキシ)イミノ)エチル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(66.6mg、0.210mmol)およびイミダゾール(0.043g、0.631mmol)をDMF(2mL)に溶解させ、0℃に冷却した。その後、TBS-Cl(63.4mg、0.421mmol)を添加し、反応物を2時間にわたって室温に加温した。反応物を水(40mL)およびEtOAc(20mL)で希釈した。水層をEtOAc(2×15mL)で洗浄した。合わせた有機層を水(5×20mL)およびブライン(25mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~40%EtOAc/ヘキサンで溶出して精製して、メチル(S,E)-2-クロロ-1-メチル-6-オキソ-4-(6,8,8,9,9-ペンタメチル-4,7-ジオキサ-3-アザ-8-シラデカ-2-エン-1-イル)-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(63.4mg、70%)を得た。MS(apci、m/z)=431.2(M+H)。
ステップ3.メチル(S)-2-クロロ-1-メチル-6-オキソ-4-(6,8,8,9,9-ペンタメチル-4,7-ジオキサ-3-アザ-8-シラデシル)-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレートの調製。メチル(S,E)-2-クロロ-1-メチル-6-オキソ-4-(6,8,8,9,9-ペンタメチル-4,7-ジオキサ-3-アザ-8-シラデカ-2-エン-1-イル)-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(63.4mg、0.147mmol)を2-プロパノール(1mL)に溶解させた。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(46.2mg、0.735mmol)および酢酸(42.1μL、0.735mmol)を添加した。混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素塩(30mL)とEtOAc(20mL)とに分配した。水層をEtOAc(2×15mL)で洗浄した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~40%EtOAc/ヘキサンで溶出して精製して、メチル(S)-2-クロロ-1-メチル-6-オキソ-4-(6,8,8,9,9-ペンタメチル-4,7-ジオキサ-3-アザ-8-シラデシル)-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(30.6mg、48%)を得た。MS(apci、m/z)=433.2(M+H)。
ステップ4.(S)-2-(2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。無水THF(1mL)中の2-フルオロ-4-ヨードアニリン(16.9mg、0.071mmol)の溶液に、N下、-78℃でLiHMDS(0.141 ml、1M/THF、0.141mmol)を添加した。混合物を45分間撹拌し、次にTHF(0.5mL)中のメチル(S)-2-クロロ-1-メチル-6-オキソ-4-(6,8,8,9,9-ペンタメチル-4,7-ジオキサ-3-アザ-8-シラデシル)-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(30.6mg、0.071mmol)の溶液を添加した。混合物を-78℃で10分間撹拌した。混合物を飽和NHCl(30mL)でクエンチし、周囲温度で10分間撹拌し、次にEtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~50%EtOAc/ヘキサンで溶出して精製して、(S)-2-(2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(15.2mg、36%)を得た。MS(apci、m/z)=602.2(M+H)。
ステップ5.(S)-8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシプロポキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。(S)-2-(2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(15.2mg、0.025mmol)をMeOH(0.5mL)に溶解させた。反応混合物をHCl(12.6μL、4N/ジオキサン、0.051mmol)で処理し、1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残留物を、逆相HPLC(20分間にわたって5~95%アセトニトリル/水/0.1%TFA)によって精製し、クリーンな画分を合わせ、飽和炭酸水素塩で洗浄し、EtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和炭酸水素塩(15mL)およびブライン(15mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、(S)-8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシプロポキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(6.8mg、55%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.16 (s, 1H), 7.48 (dd, 1H), 7.42 (dt,
1H), 6.62 (t, 1H), 6.00 (s, 1H), 4.05-3.91 (m, 2H), 3.78-3.60 (m, 3H), 3.17 (s,
3H), 3.10-2.90 (m, 2H), 1.15 (d, 3H) ppm; MS (apci, m/z) = 488.0 (M+H).
(実施例32)
Figure 2024512624000098
(R)-8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシプロポキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
実施例31に従って、ステップ1の(S)-O-(2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)ヒドロキシルアミンの代わりに(R)-O-(2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)ヒドロキシルアミンを代用して調製して、(R)-8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシプロポキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(8.6mg、49%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.16 (s, 1H), 7.48 (dd, 1H), 7.42 (dt,
1H), 6.62 (t, 1H), 5.99 (s, 1H), 4.05-3.91 (m, 2H), 3.78-3.60 (m, 3H), 3.17 (s,
3H), 3.09-2.90 (m, 2H), 1.15 (d, 3H) ppm; MS (apci, m/z) = 488.0 (M+H).
(実施例33)
Figure 2024512624000099
(S)-8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシプロポキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
実施例31に従って、ステップ4の2-フルオロ-4-ヨードアニリンの代わりに4-ブロモ-2-フルオロアニリンを代用して調製して、(S)-8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシプロポキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(9.2mg、55%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.16 (s, 1H), 7.32 (dd, 1H), 7.26-7.22
(m, 1H), 6.78 (t, 1H), 5.99 (s, 1H), 4.05-3.92 (m, 2H), 3.78-3.60 (m, 3H), 3.17
(s, 3H), 3.10-2.90 (m, 2H), 1.15 (d, 3H) ppm; MS (apci, m/z) = 440.1, 442.1
(M+H).
(実施例34)
Figure 2024512624000100
(R)-8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシプロポキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
実施例31に従って、ステップ1の(S)-O-(2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)ヒドロキシルアミンの代わりに(R)-O-(2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)ヒドロキシルアミンを代用し、ステップ4の2-フルオロ-4-ヨードアニリンの代わりに4-ブロモ-2-フルオロアニリンを代用して調製して、(R)-8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシプロポキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(9.2mg、55%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.17 (s, 1H), 7.32 (dd, 1H), 7.24 (dt,
1H), 6.78 (t, 1H), 5.99 (s, 1H), 4.06-3.91 (m, 2H), 3.78-3.60 (m, 3H), 3.17 (s,
3H), 3.10-2.90 (m, 2H), 1.15 (d, 3H) ppm; MS (apci, m/z) = 440.0 (M+H).
(実施例35)
Figure 2024512624000101
(R)-8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシプロポキシ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
ステップ1~4:(R)-8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。実施例31、ステップ1~4に従って、ステップ1の(S)-O-(2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)ヒドロキシルアミンの代わりに(R)-O-(2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)ヒドロキシルアミンを代用して調製して、(R)-8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(63.5mg、62%)を得た。MS(apci、m/z)=554.1(M+H)。
ステップ5.(R)-8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシプロポキシ)-5-ヨード-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。(R)-8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(42.3mg、0.076mmol)を、THF(1mL)およびMeOH(1mL)に溶解させた。p-トルエンスルホン酸一水和物(21.8mg、0.114mmol)を添加した。5分後、N-ヨードスクシンイミド(17.2mg、0.076mmol)を添加し、30分間撹拌した。反応混合物をEtOAc(15mL)と飽和炭酸水素塩(30mL)とに分配し、水層をEtOAc(2×10mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(25mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~50%EtOAc/ヘプタンで溶出して精製して、(R)-8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシプロポキシ)-5-ヨード-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(23.8mg、54%)を得た。MS(apci、m/z)=566.0(M+H)。
ステップ6.(R)-8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシプロポキシ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。THF(400μL)中の(R)-8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシプロポキシ)-5-ヨード-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(21.7mg、0.038mmol)の溶液に、0℃でPd(Pt-Bu(1.96mg、0.004mmol)を添加し、続いてメチル亜鉛(II)クロリド(19.4μL、0.039mmol)を添加した。混合物を氷浴から除去し、5分間撹拌した。混合物を飽和NHCl(20mL)とEtOAc(15mL)とに分配した。水層をEtOAc(2×10mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、逆相HPLC(20分間にわたって5~95%アセトニトリル/水/0.1%TFA)によって精製し、クリーンな画分を合わせ、飽和炭酸水素塩で洗浄し、EtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和炭酸水素塩(25mL)およびブライン(30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、(R)-8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシプロポキシ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(7.5mg、43%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 10.97 (s, 1H), 7.30 (dd, 1H), 7.19 (dt,
1H), 6.68 (t, 1H), 4.05-3.91 (m, 2H), 3.71 (m, 2H), 3.64 (m, 1H), 3.22 (s, 3H),
3.13-3.04 (m, 1H), 3.03-2.92 (m, 1H), 2.08 (s, 3H), 1.14 (d, 3H) ppm; MS (apci,
m/z) = 454.1 (M+H).
(実施例36)
Figure 2024512624000102
8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
ステップ1.8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。無水THF(5mL)中の4-ブロモ-2-フルオロアニリン(88mg、0.47mmol)の溶液に、N下、-78℃でLiHMDS(694mL、1.0M/THF、0.694mmol)を添加した。混合物を45分間撹拌し、次にTHF(2mL)中のメチル4-(2-((2-(tert-ブトキシ)エトキシ)アミノ)エチル)-2-クロロ-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(167mg、0.46mmol)の溶液を添加した。撹拌を-78℃で10分間継続し、次にLiHMDS(300mL、1.0M/THF、0.300mmol)を添加した。-78℃でさらに10分間撹拌した後、LiHMDS(100mL、1.0M/THF、0.100mmol)を添加し、撹拌を10分間継続した。混合物を飽和NHCl(10mL)でクエンチし、周囲温度で10分間撹拌し、次にEtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~15%(20%MeOH/DCM)/DCMで溶出して精製して、8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(78mg、35%)を得た。MS(apci、m/z)=482.1(M+H)。
ステップ2.8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-5-ヨード-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。THF(2mL)およびMeOH(2mL)中の8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(78mg、0.16mmol)の溶液に、p-トルエンスルホン酸一水和物(46mg、0.24mmol)を添加した。5分後、N-ヨードスクシンイミド(36mg、0.16mmol)を添加した。周囲温度で30分間撹拌した後、反応混合物をEtOAc(10mL)と飽和NaHCO(10mL)とに分配した。水溶液をEtOAc(2×10mL)で抽出し、合わせた有機相をブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~30%EtOAc/ヘキサンで溶出して精製して、8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-5-ヨード-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(62mg、63%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.54 (s, 1H), 7.31 (dd, 1H), 7.22 (m,
1H), 6.73 (t, 1H), 4.17 - 4.13 (m, 2H), 3.80 (t, 2H), 3.63 - 3.59 (m, 2H), 3.27
(s, 3H), 3.17 (t, 2H), 1.22 (s, 9H) ppm; MS (apci, m/z) = 608.0 (M+H).
ステップ3.8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。無水THF(2mL)中の8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-5-ヨード-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(62mg、0.10mmol)の溶液に、0℃でPd(Pt-Bu(5mg、0.01mmol)を添加し、続いてメチル亜鉛(II)クロリド(61mL、2M/THF、0.12mmol)を添加した。混合物を氷浴から除去し、5分間撹拌し、次に飽和NHCl(10mL)とEtOAc(10mL)とに分配した。水層をEtOAc(2×10mL)で抽出し、合わせた有機相をブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~60%EtOAc/ヘキサンで溶出して精製して、8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(39mg、77%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.11 (s, 1H), 7.28 (dd, 1H), 7.16 (dt,
1H), 6.61 (t, 1H), 4.17 - 4.13 (m, 2H), 3.78 (t, 2H), 3.64 - 3.59 (m, 2H), 3.25
(s, 3H), 3.02 (t, 2H), 2.09 (s, 3H), 1.22 (s, 9H) ppm; MS (apci, m/z) =
496.1 (M+H).
ステップ4.8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。アセトニトリル(0.5mL)中の8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(39mg、0.079mmol)の溶液に、リン酸(0.5mL)を添加した。混合物を60℃に1時間加温し、次に周囲温度に冷却した。混合物を飽和NaHCO(10mL)およびEtOAc(10mL)と共に10分間撹拌し、層を分離した。水層をEtOAc(2×10mL)で抽出し、合わせた有機相をブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、逆相HPLC(20分間にわたって0~95%アセトニトリル/水/0.1%TFA)によって精製し、クリーンな画分を飽和NaHCO/EtOAcで後処理して、8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(18mg、52%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 10.96 (s, 1H), 7.31 (dd, 1H), 7.20 (dt,
1H), 6.68 (t, 1H), 4.05 - 4.01 (m, 2H), 3.75 - 3.69 (m, 4H), 3.23 (s,
3H), 3.03 (t, 2H), 2.08 (s, 3H) ppm; MS (apci, m/z) = 440.0 (M+H).
(実施例37)
Figure 2024512624000103
8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-5-クロロ-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
ステップ1.8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。実施例6、方法Aのステップ1~7に従って、ステップ7の2-フルオロ-4-(メチルチオ)アニリンの代わりに4-ブロモ-2-フルオロアニリンを代用して調製して、8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(28mg、35%)を得た。MS(apci、m/z)=482.1(M+H)。
ステップ2.8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-5-クロロ-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。DMF(0.5mL)中の8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(28mg、0.058mmol)の溶液に、NCS(8mg、0.058mmol)を添加した。混合物を周囲温度で1時間撹拌し、次に50℃で2時間撹拌した。冷却した混合物を飽和NaHCO(10mL)とEtOAc(10mL)とに分配し、水層をEtOAc(2×10mL)で抽出した。合わせた有機相を水(5×10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、次にNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~50%EtOAc/ヘキサンで溶出して精製して、8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-5-クロロ-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(14mg、47%)を得た。MS(apci、m/z)=516.0(M+H)。
ステップ3.8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-5-クロロ-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。アセトニトリル(0.5mL)中の8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-5-クロロ-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(14mg、0.027mmol)の溶液に、リン酸(0.5mL)を添加した。混合物を60℃に30分間加温し、次に周囲温度に冷却した。混合物を飽和NaHCO(10mL)およびEtOAc(10mL)と共に10分間撹拌し、層を分離した。水層をEtOAc(2×10mL)で抽出し、合わせた有機相をブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~15%(20%MeOH/DCM)/DCMで溶出して精製して、8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-5-クロロ-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(11mg、88%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.22 (s, 1H), 7.33 (dd, 1H), 7.26 (dt,
1H), 6.78 (t, 1H), 4.07 - 4.02 (m, 2H), 3.78 - 3.70 (m, 4H), 3.25 (s,
3H), 3.22 (t, 2H) ppm; MS (apci, m/z) = 460.0 (M+H).
(実施例38)
Figure 2024512624000104
5-クロロ-8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
実施例37に従って、ステップ1の4-ブロモ-2-フルオロアニリンの代わりに4-ヨード-2-フルオロアニリンを代用して調製して、5-クロロ-8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(10mg、93%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.21 (s, 1H), 7.49 (dd, 1H), 7.43 (dt,
1H), 6.63 (t, 1H), 4.25 - 4.17 (m, 1H), 4.07 - 4.02 (m, 2H), 3.79 - 3.70 (m,
4H), 3.25 (s, 3H), 3.22 (t, 2H) ppm; MS (apci, m/z) = 508.0 (M+H).
(実施例39)
Figure 2024512624000105
8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-5-フルオロ-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
ステップ1.8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-5-フルオロ-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。アセトニトリル(9.0mL)中の8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(77mg、0.16mmol)および1-(クロロメチル)-4-フルオロ-1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン-1,4-ジイウムテトラフルオロボレート(57mg、0.16mmol)の溶液を、0℃で1時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(50mL)で希釈し、水(25mL)で洗浄し、続いてブライン(25mL)で洗浄した。有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、逆相HPLC(20分間にわたって5~95%アセトニトリル/水/0.1%TFA)によって精製した。所望の生成物を含有している画分を合わせ、飽和NaHCO(15mL)で希釈し、次にEtOAc(2×25mL)で抽出した。有機相を合わせ、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-5-フルオロ-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(10mg、13%)を得た。MS(apci、m/z)=500.1(M+H)。
ステップ2.8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-5-フルオロ-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。アセトニトリル(1.0mL)中の8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-5-フルオロ-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(13mg、0.026mmol)および濃HPO(0.20mL、3.0mmol)の溶液を、60℃で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、次にKPO(水中1M、3.0mL、3.0mmol)で希釈した。水相をEtOAc(2×15mL)で抽出し、有機相を合わせ、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、HPLC(10~95%アセトニトリル/水/0.1%TFA)によって精製した。所望の生成物を含有している画分を合わせ、飽和NaHCO(15mL)で希釈した。水溶液をEtOAc(2×15mL)で抽出し、有機相を合わせ、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-5-フルオロ-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(5.0mg、43%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 10.79 (s, 1H), 7.34-7.30 (m, 1H), 7.25-7.21 (m, 1H), 6.72 (t, 1H),
4.23 (t, 1H), 4.06-4.02 (m, 2H), 3.80-3.70 (m, 4H), 3.25 (s, 3H), 3.17-3.12 (m,
2H) ppm; MS (apci, m/z) = 444.0 (M+H).
(実施例40)
Figure 2024512624000106
8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
ステップ1.2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(実施例36、ステップ1~3に従って調製した;65mg、0.13mmol)、ヨウ化銅(I)(6.2mg、0.033mmol)、ヨウ化ナトリウム(39mg、0.26mmol)、および(1S,2S)-N1,N2-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジアミン(9.3mg、0.065mmol)を1,4-ジオキサン(1mL)中で合わせ、アルゴンでスパージした。混合物を110℃で18時間加熱し、次に周囲温度で48時間加熱した。混合物をEtOAc(20mL)と水酸化アンモニウム(10mL/水10mL)とに分配した。有機相を分離し、水溶液をEtOAc(2×10mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~80%EtOAc/ヘプタンで溶出して精製して、2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(49mg、69%)を得た。MS(apci、m/z)=544.1(M+H)。
ステップ2.8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。アセトニトリル(1mL)中の2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(49mg、0.09mmol)の溶液に、リン酸(0.5mL)を添加した。混合物を60℃に1時間加温し、次に周囲温度に冷却した。混合物を飽和NaHCO(10mL)およびEtOAc(10mL)と共に10分間撹拌し、層を分離した。水層をEtOAc(2×10mL)で抽出し、合わせた有機相をブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、逆相HPLC(20分間にわたって5~95%アセトニトリル/HO/0.1%TFA)によって精製し、クリーンな画分をEtOAc/飽和NaHCOで後処理して、8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(23mg、52%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 10.95 (s, 1H), 7.47 (dd, 1H), 7.37 (dt,
1H), 6.52 (t, 1H), 4.05 - 4.02 (m, 2H), 3.75 - 3.65 (m, 4H), 3.24 (s,
3H), 3.03 (t, 2H), 3.02 (s, 3H) ppm; MS (apci, m/z) = 488.0 (M+H).
(実施例41)
Figure 2024512624000107
8-((2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-5-ヨード-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
ステップ1.メチル4-ブロモ-2-((2-フルオロフェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレートの調製。無水THF(5mL)中の2-フルオロアニリン(100mg、0.90mmol)の溶液に、N下、-78℃でLiHMDS(1.34mL、1.0M/THF、1.34mmol)を添加した。混合物を45分間撹拌し、次にTHF(5mL)中のメチル4-ブロモ-2-クロロ-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(250mg、0.89mmol)の溶液を添加した。混合物を-78℃で50分間撹拌した。さらなるLiHMDS(0.5mL、1.0M/THF、0.5mmol)を添加し、撹拌をさらに10分間継続した。混合物を飽和NHCl(20mL)でクエンチし、周囲温度で10分間撹拌し、次にEtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、メチル4-ブロモ-2-((2-フルオロフェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(291mg、92%)を得た。MS(apci、m/z)=355.0(M+H)。
ステップ2.メチル(E)-4-(2-エトキシビニル)-2-((2-フルオロフェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレートの調製。メチル4-ブロモ-2-((2-フルオロフェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(188mg、0.529mmol)、メタンスルホネート(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジ-i-’プロポキシ-1,1’-ビフェニル)’2-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)(44.3g、0.053mmol)、および(E)-2-(2-エトキシビニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(123μL、0.582mmol)を1,4-ジオキサン(5mL)に懸濁させ、炭酸カリウム(0.397mL、2N水溶液、0.794mmol)を添加した。アルゴンで脱気した後、混合物を周囲温度で23時間撹拌した。反応物を水(40mL)とEtOAc(30mL)とに分配した。水層をEtOAc(2×15mL)で洗浄した。合わせた有機層をブライン(40mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~50%EtOAc/ヘキサンで溶出して精製して、メチル(E)-4-(2-エトキシビニル)-2-((2-フルオロフェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(91.5mg、50%)を得た。MS(apci、m/z)=347.1(M+H)。
ステップ3.メチル(E)-4-(2-((2-(tert-ブトキシ)エトキシ)イミノ)エチル)-2-((2-フルオロフェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレートの調製。メチル(E)-4-(2-エトキシビニル)-2-((2-フルオロフェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(91.5mg、0.264mmol)およびO-(2-(tert-ブトキシ)エチル)ヒドロキシルアミン塩酸塩(44.8mg、0.264mmol)を1,4-ジオキサン(2mL)に溶かした。TEA(36.8μL、0.264mmol)およびHCl(66μL、4N/ジオキサン、0.264mmol)を添加した。懸濁液を60℃に加熱した。2時間後、さらなるHCl(66μL、4N/ジオキサン、0.264mmol)を添加し、撹拌を60℃でさらに2時間継続した。反応混合物を濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~40%EtOAc/ヘキサンで溶出して精製して、メチル(E)-4-(2-((2-(tert-ブトキシ)エトキシ)イミノ)エチル)-2-((2-フルオロフェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(67.6mg、59%)を得た。MS(apci、m/z)=434.2(M+H)。
ステップ4.2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。メチル(E)-4-(2-((2-(tert-ブトキシ)エトキシ)イミノ)エチル)-2-((2-フルオロフェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(67.6mg、0.156mmol)をMeOH(1.0mL)および2-プロパノール(1.0mL)に溶解させた。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(49mg、0.780mmol)および酢酸(44.6μL、0.780mmol)を添加し、混合物を周囲温度で16時間撹拌した。反応物を40℃で16時間加熱した。反応物を飽和炭酸水素塩(20mL)とEtOAc(10mL)とに分配した。水層をEtOAc(2×10mL)で洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~80%EtOAc/ヘキサンで溶出して精製して、2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(37.8mg、60%)を得た。MS(apci、m/z)=404.2(M+H)。
ステップ5.2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロフェニル)アミノ)-5-ヨード-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(19mg、0.047mmol)をTHF(0.5mL)およびMeOH(0.5mL)に溶解させた。p-トルエンスルホン酸一水和物(13mg、0.071mmol)を添加した。5分後、N-ヨードスクシンイミド(11mg、0.047mmol)を添加し、1時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(20mL)と飽和炭酸水素塩(40mL)とに分配した。水層をEtOAc(2×15mL)で洗浄した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~30%EtOAc/ヘキサンで溶出して精製して、2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロフェニル)アミノ)-5-ヨード-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(9.9mg、40%)を得た。MS(apci、m/z)=530.1(M+H)。
ステップ6.8-((2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-5-ヨード-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロフェニル)アミノ)-5-ヨード-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(9.9mg、0.019mmol)をアセトニトリル(0.5mL)に溶解させ、リン酸(0.5mL)を添加した。溶液を60℃に1時間加熱した。反応混合物を飽和炭酸水素塩(15mL)とEtOAc(10mL)とに分配した。水層をEtOAc(2×8mL)で洗浄した。合わせた有機層をブライン(15mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、逆相HPLC(20分間にわたって5~95%アセトニトリル/水/0.1%TFA)によって精製し、クリーンな画分を合わせ、飽和炭酸水素塩で洗浄し、EtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和炭酸水素塩(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、(8-((2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-5-ヨード-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(4.5mg、51%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.41 (s, 1H), 7.21-7.08 (m, 3H), 6.94 (t,
1H), 4.04 (t, 2H), 3.76-3.69 (m, 4H), 3.25 (s, 3H), 3.19 (t, 2H) ppm; MS (apci,
m/z) = 474.0 (M+H).
(実施例42)
Figure 2024512624000108
5-ブロモ-8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
実施例41に従って、ステップ1の2-フルオロアニリンおよびステップ5のN-ブロモスクシンイミドの代わりに4-ブロモ-2-フルオロアニリンを代用して調製して、5-ブロモ-8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(6.5mg、29%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.28 (s, 1H), 7.33 (dd, 1H), 7.25 (m,
1H), 6.80 (t, 1H), 4.05 (t, 2H), 3.78-3.70 (m, 4H), 3.25 (s, 3H), 3.22 (t, 2H)
ppm; MS (apci, m/z) = 504.0 (M+H).
(実施例43)
Figure 2024512624000109
4-ブロモ-8-((2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
ステップ1.2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロフェニル)アミノ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。無水THF(5mL)中の2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロフェニル)アミノ)-5-ヨード-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(75mg、0.14mmol)の溶液に、周囲温度でメチル亜鉛(II)クロリド(140mL、2M、0.14mmol)を添加した。5分間撹拌した後、混合物を濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~80%EtOAc/ヘキサンで溶出して精製して、2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロフェニル)アミノ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(38mg、64%)を得た。MS(apci、m/z)=418.2(M+H)。
ステップ2.4-ブロモ-2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロフェニル)アミノ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。無水DMF(1mL)中の2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロフェニル)アミノ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(38mg、0.09mmol)の溶液に、NBS(17mg、0.09mmol)を添加した。混合物を周囲温度で2時間撹拌し、次に飽和NaHCO(10mL)とEtOAc(10mL)とに分配した。水層をEtOAc(2×10mL)で抽出し、合わせた有機相を水(5×10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、次にNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~60%EtOAc/ヘキサンで溶出して精製して、4-ブロモ-2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロフェニル)アミノ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(30mg、66%)を得た。MS(apci、m/z)=496.2(M+H)。
ステップ3.4-ブロモ-8-((2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。アセトニトリル(0.5mL)中の4-ブロモ-2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロフェニル)アミノ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(30mg、0.060mmol)の溶液に、リン酸(0.5mL)を添加した。混合物を60℃に1時間加温し、次に冷却し、飽和NaHCO(10mL)およびEtOAc(10mL)と共に10分間撹拌した。層を分離し、水層をEtOAc(2×10mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~15%(20%MeOH/DCM)/DCMで溶出して精製して、4-ブロモ-8-((2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(10mg、38%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.08 (s, 1H), 7.15 - 7.05 (m, 2H), 6.86
(t, 1H), 5.36 (t, 1H), 4.17-4.04 (m, 3H), 3.99-3.92 (m, 1H), 3.88 (dd, 1H),
3.68 (dt, 1H), 3.21 (s, 3H), 2.17 (s, 3H), 1.26 (t, 1H) ppm; MS (apci, m/z) =
440.1 (M+H).
(実施例44)
Figure 2024512624000110
8-((4-エチル-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
ステップ1.メチル(Z)-4-(2-エトキシビニル)-2-((4-エチル-2-フルオロフェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレートの調製。無水THF(2mL)中の4-エチル-2-フルオロアニリン(155mg、1.12mmol)の溶液に、N下、-78℃でLiHMDS(2.21mL、1M/THF、2.21mmol)を添加した。混合物を40分間撹拌し、次にTHF(1mL)中のメチル(Z)-2-クロロ-4-(2-エトキシビニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(300mg、1.10mmol)の溶液を、シリンジにより添加した。混合物を-78℃で45分間撹拌した。混合物を飽和NHCl(35mL)でクエンチし、周囲温度で5分間撹拌し、次にEtOAc(3×15mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~50%EtOAc/ヘプタンで溶出して精製して、メチル(Z)-4-(2-エトキシビニル)-2-((4-エチル-2-フルオロフェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(298mg、72%)を得た。MS(apci、m/z)=375.2(M+H)。
ステップ2.メチル2-((4-エチル-2-フルオロフェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-4-(2-オキソエチル)-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレートの調製。メチル(Z)-4-(2-エトキシビニル)-2-((4-エチル-2-フルオロフェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(298mg、0.797mmol)をDCM(800μL)に溶解させ、TFA(921μL、11.9mmol)を添加した。反応物を周囲温度で16時間撹拌した。混合物をDCM(20mL)と飽和重炭酸ナトリウム(35mL)とに分配した。水層をDCM(2×15mL)で洗浄した。合わせた有機層を飽和重炭酸ナトリウム(30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、メチル2-((4-エチル-2-フルオロフェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-4-(2-オキソエチル)-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(276mg、100%)を得た。MS(apci、m/z)=347.1(M+H)。
ステップ3.2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((4-エチル-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。メチル2-((4-エチル-2-フルオロフェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-4-(2-オキソエチル)-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(276mg、0.797mmol)、O-(2-(tert-ブトキシ)エチル)ヒドロキシルアミン塩酸塩(117mg、0.876mmol)、トリアセトキシヒドロホウ酸ナトリウム(203mg、0.956mmol)、および酢酸(45.6μL、0.797mmol)をDCE(8mL)に溶かした。反応物を周囲温度で1時間撹拌した。反応物を55℃に20分間加熱した。さらなるトリアセトキシヒドロホウ酸ナトリウム(400mg)および酢酸(90μL)を反応物に添加し、周囲温度で16時間撹拌した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(250mg、3.98mmol)および酢酸(250μL)を反応物に添加し、周囲温度で3時間撹拌した。溶液をDCM(40mL)と飽和重炭酸ナトリウム(70mL)とに分配した。水層をDCM(2×20mL)で洗浄した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~100%EtOAc/ヘプタンで溶出して精製して、2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((4-エチル-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(137mg、40%)を得た。MS(apci、m/z)=432.2(M+H)。
ステップ4.2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((4-エチル-2-フルオロフェニル)アミノ)-5-ヨード-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((4-エチル-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(137mg、0.317mmol)をTHF(1mL)/MeOH(1mL)に溶解させた。p-トルエンスルホン酸一水和物(90.4mg、0.475mmol)を添加した。5分後、N-ヨードスクシンイミド(71.3mg、0.317mmol)を添加し、30分間撹拌した。反応混合物をEtOAc(20mL)と飽和重炭酸ナトリウム(30mL)とに分配し、水層をEtOAc(2×10mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(25mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((4-エチル-2-フルオロフェニル)アミノ)-5-ヨード-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(143mg、81%)を得た。MS(apci、m/z)=558.1(M+H)。
ステップ5.2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((4-エチル-2-フルオロフェニル)アミノ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。THF(2.5mL、0.256mmol)中の2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((4-エチル-2-フルオロフェニル)アミノ)-5-ヨード-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(143mg、0.256mmol)の溶液に、0℃でPd(Pt-Bu(13.1mg、0.026mmol)を添加し、続いてメチル亜鉛(II)クロリド(130μL、0.259mmol)を添加した。混合物を氷浴から除去し、45分間撹拌した。混合物を飽和NHCl(50mL)とEtOAc(20mL)とに分配し、水層をEtOAc(2×15mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(40mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~50%EtOAc/ヘプタンで溶出して精製して、2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((4-エチル-2-フルオロフェニル)アミノ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(53.7mg、47%)を得た。MS(apci、m/z)=446.2(M+H)。
ステップ6.8-((4-エチル-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((4-エチル-2-フルオロフェニル)アミノ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(53.7mg、0.121mmol)をアセトニトリル(0.75mL)に溶解させ、リン酸(0.75mL)を添加した。反応物を60℃に60分間加熱した。反応混合物を飽和重炭酸ナトリウム(40mL)とEtOAc(20mL)とに分配した。水層をEtOAc(2×10mL)で洗浄した。合わせた有機層を飽和重炭酸ナトリウム(30mL)およびブライン(25mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~100%EtOAc/ヘプタンで溶出して精製して、8-((4-エチル-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(40.6mg、87%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.01 (s, 1H), 6.95 (dd, 1H), 6.89 (dd,
1H), 6.77 (t, 1H), 4.53 (t, 1H), 4.02 (t, 2H), 3.75-3.67 (m, 4H), 3.20 (s, 3H),
3.02 (t, 2H), 2.62 (q, 2H), 2.08 (s, 3H), 1.22 (t, 3H) ppm; MS (apci, m/z) =
390.2 (M+H).
(実施例45)
Figure 2024512624000111
8-((4-シクロプロピル-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
実施例44に従って、ステップ1の4-エチル-2-フルオロアニリンの代わりに4-シクロプロピル-2-フルオロアニリンを代用して調製して、8-((4-シクロプロピル-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(30.7mg、75%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.00 (s, 1H), 6.81-6.71 (m, 3H), 4.52 (t,
1H), 4.02 (m, 2H), 3.75-3.66 (m, 4H), 3.19 (s, 3H), 3.02 (t, 2H), 2.07 (s, 3H),
1.86 (m, 1H), 1.02-0.95 (m, 2H), 0.69-0.63 (m, 2H) ppm; MS (apci, m/z) = 402.2
(M+H).
(実施例46)
Figure 2024512624000112
8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオントリフルオロアセテート
ステップ1.メチル(E)-2-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-4-(2-エトキシビニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレートの調製。4-ブロモ-2-フルオロアニリン(492mg、2.59mmol)およびメチル(E)-2-クロロ-4-(2-エトキシビニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(670mg、2.47mmol)をTHF(12.3mL、0.2M)に溶解させ、窒素雰囲気下で-78℃に冷却した。LiHMDS(4.9mL、1.0M/THF、4.9mmol)を滴下添加し、次に混合物を-78℃から周囲温度に1時間にわたって加温した。反応混合物を飽和NHCl水溶液(15mL)でクエンチし、次にEtOAc(2×10mL)で抽出した。合わせた有機相をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~100%EtOAc/ヘプタンで溶出して精製して、メチル(E)-2-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-4-(2-エトキシビニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(810mg、77%)を得た。MS(apci、m/z)=425.0(M+H)。
ステップ2.メチル2-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-4-(2-オキソエチル)-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレートの調製。DCM(5.0mL)中のメチル(E)-2-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-4-(2-エトキシビニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(810mg、1.90mmol)の溶液に、TFA(5.0mL)を添加した。溶液を周囲温度で16時間撹拌し、次に濃縮した。次に、粗製混合物をDCM(10mL)で希釈し、飽和NaHCO水溶液(10mL)で洗浄した。有機相をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、メチル2-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-4-(2-オキソエチル)-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレートを得、それをさらなる精製なしに使用した(751mg、99%)。MS(apci、m/z)=397.0、399.0(M+H)。
ステップ3.8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(4-メトキシベンジル)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。メチル2-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-4-(2-オキソエチル)-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(751mg、1.89mmol)、(4-メトキシフェニル)メタンアミン(272mg、1.99mmol)、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(441mg、2.08mmol)、および酢酸(11.4mg、0.189mmol)をDCE(19mL)に溶解させ、周囲温度で1時間撹拌した。反応物を60℃に加温し、1時間撹拌した。次に、反応物を周囲温度に冷却し、DCM(10mL)で希釈し、飽和NaHCO水溶液(15mL)で洗浄した。有機相をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~100%EtOAc/ヘプタンで溶出して精製して、8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(4-メトキシベンジル)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(630mg、69%)を得た。MS(apci、m/z)=486.0(M+H)。
ステップ4.8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオントリフルオロアセテートの調製。8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(4-メトキシベンジル)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(630mg、1.30mmol)をTFA(8.0mL)に溶解させ、80℃に16時間加熱した。反応物を周囲温度に冷却し、濃縮した。残留物を、逆相HPLC(5~95%アセトニトリル/HO/0.1%TFA)によって精製した。クリーンな所望の生成物を含有している画分を凍結乾燥させて、8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオントリフルオロアセテート(226mg、48%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.28 (s, 1H), 7.32-7.29 (m, 1H),
7.23-7.20 (m, 1H), 6.74 (t, 1H), 6.05 (s, 1H), 5.62 (s, 1H), 3.51-3.47 (m, 2H),
3.20 (s, 3H), 2.84 (t, 2H) ppm. MS (apci, m/z) = 366.0, 368.0 (M+H).
(実施例47)
Figure 2024512624000113
8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
ステップ1.8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-5-ヨード-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(実施例46に従って調製した;41mg、0.11mmol)およびp-トルエンスルホン酸(29mg、0.17mmol)を1:1 THF/MeOH溶液1mLに溶解させた。5分後、NIS(25mg、0.11mmol)を添加した。反応物を周囲温度で30分間撹拌した。次に、粗製反応混合物をEtOAc(10mL)と飽和NaHCO水溶液(15mL)とに分配し、EtOAc(2×5mL)で抽出した。合わせた有機相をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-5-ヨード-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンを得、それをさらなる精製なしに使用した(55mg、100%)。MS(apci、m/z)=493.9(M+H)。
ステップ2.8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-5-ヨード-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(55mg、0.112mmol)およびビス(トリ-t-ブチルホスフィン)パラジウム(0)(5.71mg、0.0112mmol)をTHF(1.1mL)に溶解させ、メチル亜鉛(II)クロリド(55.9μL、2M/THF、0.112mmol)を滴下添加した。反応物を周囲温度で1時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO水溶液(2mL)でクエンチし、次にEtOAc(2×5mL)で抽出した。合わせた有機相をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、逆相クロマトグラフィーによって5~95%アセトニトリル/HOで溶出して精製して、8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(24mg、56%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.08 (s, 1H), 7.30-7.27 (m, 1H),
7.18-7.15 (m, 1H), 6.63 (t, 1H), 5.72 (s, 1H), 3.50-3.46 (m, 2H), 3.26 (s, 3H),
2.88 (t, 2H), 2.11 (s, 3H) ppm. MS (apci, m/z) = 380.0 (M+H).
(実施例48)
Figure 2024512624000114
8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(実施例46に従って調製した;20mg、0.053mmol)、ヨウ化銅(I)(2.5mg、0.013mmol)、ヨウ化ナトリウム(16mg、0.11mmol)、および(1S,2S)-N1,N2-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジアミン(3.7mg、0.026mmol)を、1,4-ジオキサン(0.5mL)中で合わせた。反応物を120℃に16時間加熱した。次に、反応物を周囲温度に冷却し、飽和NHCl水溶液(2mL)でクエンチし、次にEtOAc(2×5mL)で抽出した。合わせた有機相をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、逆相HPLC(5~95%アセトニトリル/HO/0.1%TFA)によって精製した。クリーンな所望の生成物を含有している画分を合わせ、生成物をDCM/NaHCOで遊離塩基に変換して、8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(5.0mg、22%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.07 (s, 1H), 7.46-7.43 (m, 1H),
7.36-7.33 (m, 1H), 6.48 (t, 1H), 5.82 (s, 1H), 3.50-3.46 (m, 2H), 3.27 (s, 3H),
2.88 (t, 2H), 2.11 (s, 3H) ppm. MS (apci, m/z) = 428.10 (M+H).
(実施例49)
Figure 2024512624000115
8-((4-ヨード-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオントリフルオロアセテート
ステップ1.メチル(E)-4-(2-エトキシビニル)-2-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレートの調製。4-ヨード-2-フルオロアニリン(266mg、1.12mmol)およびメチル(E)-2-クロロ-4-(2-エトキシビニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(290mg、0.920mmol)をTHF(9.2mL)に溶解させ、N雰囲気下で-78℃に冷却した。LiHMDS(2.1mL、1.0M/THF、2.1mmol)を滴下添加し、次に混合物を-78℃から周囲温度に1時間にわたって加温した。反応混合物を飽和NHCl水溶液(10mL)でクエンチし、次にEtOAc(2×10mL)で抽出した。合わせた有機相をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~100%EtOAc/ヘプタンで溶出して精製して、メチル(E)-4-(2-エトキシビニル)-2-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(389mg、77%)を得た。MS(apci、m/z)=473.1(M+H)。
ステップ2.メチル2-((4-ヨード-2-フルオロフェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-4-(2-オキソエチル)-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレートの調製。DCM(4.0mL)中のメチル(E)-2-((4-ヨード-2-フルオロフェニル)アミノ)-4-(2-エトキシビニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(389mg、0.824mmol)の溶液に、TFA(4.0mL)を添加した。溶液を周囲温度で16時間撹拌し、次に濃縮した。次に、粗製混合物をDCM(10mL)で希釈し、飽和NaHCO水溶液(10mL)で洗浄した。有機相をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、メチル2-((4-ヨード-2-フルオロフェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-4-(2-オキソエチル)-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレートを得、それをさらなる精製なしに次のステップで直接使用した(351mg、96%)。MS(apci、m/z)=445.0(M+H)。
ステップ3.8-((4-ヨード-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(4-メトキシベンジル)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。メチル2-((4-ヨード-2-フルオロフェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-4-(2-オキソエチル)-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(351mg、0.790mmol)、(4-メトキシフェニル)メタンアミン(114mg、0.830mmol)、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(184mg、0.869mmol)、および酢酸(4.8mg、0.079mmol)をDCE(10mL)に溶解させ、周囲温度で1時間撹拌した。その時点で、反応物を60℃に加温し、1時間撹拌した。次に、反応物を周囲温度に冷却し、DCM(5mL)で希釈し、飽和NaHCO水溶液(10mL)で洗浄した。有機相をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~100%EtOAc/ヘプタンで溶出して精製して、8-((4-ヨード-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(4-メトキシベンジル)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(321mg、76%)を得た。MS(apci、m/z)=534.1(M+H)。
ステップ4.8-((4-ヨード-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオントリフルオロアセテートの調製。8-((4-ヨード-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(4-メトキシベンジル)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(321mg、0.602mmol)をTFA(6.0mL)に溶解させ、60℃に16時間加熱した。次に、反応物を周囲温度に冷却し、濃縮した。残留物を逆相HPLC(5~95%アセトニトリル/HO/0.1%TFA)によって精製した。クリーンな所望の生成物を含有している画分を凍結乾燥させて、8-((4-ヨード-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオントリフルオロアセテート(102mg、41%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.27 (s, 1H), 7.48-7.45 (m, 1H),
7.40-7.38 (m, 1H), 6.58 (t, 1H), 6.05 (s, 1H), 5.84 (s, 1H), 3.51-3.47 (m, 2H),
3.20 (s, 3H), 2.84 (t, 2H) ppm. MS (apci, m/z) = 414.0 (M+H).
(実施例50)
Figure 2024512624000116
8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオントリフルオロアセテート
ステップ1.メチル(E)-4-(2-エトキシビニル)-2-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレートの調製。メチル(E)-2-クロロ-4-(2-エトキシビニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(400mg、1.47mmol)および2-フルオロ-4-(メチルチオ)アニリン(243mg、1.55mmol)をTHF(9.8mL)に溶解させ、N雰囲気下で-78℃に冷却した。LiHMDS(2.9mL、1.0M/THF、2.9mmol)を滴下添加し、次に混合物を-78℃から周囲温度に1時間にわたって加温した。反応混合物を飽和NHCl水溶液(10mL)でクエンチし、次にEtOAc(2×10mL)で抽出した。合わせた有機相をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~100%EtOAc/ヘプタンで溶出して精製して、メチル(E)-4-(2-エトキシビニル)-2-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(495mg、86%)を得た。MS(apci、m/z)=393.1(M+H)。
ステップ2.メチル2-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-4-(2-オキソエチル)-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレートの調製。DCM(4.0mL)中のメチル(E)-4-(2-エトキシビニル)-2-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(495mg、1.26mmol)の溶液に、TFA(4.0mL)を添加した。溶液を周囲温度で一晩撹拌し、次に濃縮した。次に、粗製混合物をDCM(10mL)で希釈し、飽和NaHCO水溶液(10mL)で洗浄した。有機相をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、メチル2-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-4-(2-オキソエチル)-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレートを得、それをさらなる精製なしに使用した(391mg、85%)。MS(apci、m/z)=365.1(M+H)。
ステップ3.8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(4-メトキシベンジル)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。メチル2-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-4-(2-オキソエチル)-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(391mg、1.07mmol)、(4-メトキシフェニル)メタンアミン(155mg、1.13mmol)、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(250mg、1.18mmol)、および酢酸(6.4mg、0.079mmol)をDCE(11mL)に溶解させ、周囲温度で1時間撹拌した。その時点で、反応物を60℃に加温し、1時間撹拌した。次に、反応物を周囲温度に冷却し、DCM(5mL)で希釈し、飽和NaHCO水溶液(10mL)で洗浄した。有機相をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~100%EtOAc/ヘプタンで溶出して精製して、8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(4-メトキシベンジル)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(401mg、82%)を得た。MS(apci、m/z)=454.1(M+H)。
ステップ4.8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオントリフルオロアセテートの調製。8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(4-メトキシベンジル)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(401mg、0.884mmol)をTFA(8.0mL)に溶解させ、60℃に16時間加熱した。次に、反応物を周囲温度に冷却し、濃縮した。残留物を、逆相HPLC(5~95%アセトニトリル/HO/0.1%TFA)によって精製した。クリーンな所望の生成物を含有している画分を合わせ、凍結乾燥させて、8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオントリフルオロアセテート(131mg、44%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.10 (s, 1H), 7.04-6.96 (m, 2H), 6.84 (t,
1H), 6.49 (s, 1H), 6.11 (s, 1H), 3.53-3.49 (m, 2H), 3.20 (s, 3H), 2.85 (t, 2H),
2.48 (s, 3H) ppm. MS (apci, m/z) = 334.1 (M+H).
(実施例51)
Figure 2024512624000117
8-((4-エチル-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
実施例50に従って、ステップ1の2-フルオロ-4-(メチルチオ)アニリンの代わりに4-エチル-2-フルオロアニリンを代用して調製して、8-((4-エチル-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(14.9mg、47%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.25 (s, 1H), 6.95 (m, 1H), 6.90 (m, 1H),
6.81 (t, 1H), 6.06 (s, 1H), 5.99 (s, 1H), 3.48 (m, 2H), 3.17 (s, 3H), 2.82 (t,
2H), 2.62 (q, 2H), 1.22 (t, 3H) ppm; MS (apci, m/z) = 316.1 (M+H).
(実施例52)
Figure 2024512624000118
8-((4-シクロプロピル-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
実施例50に従って、ステップ1の2-フルオロ-4-(メチルチオ)アニリンの代わりに4-シクロプロピル-2-フルオロアニリンを代用して調製して、8-((4-シクロプロピル-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(5.8mg、17%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.24 (s, 1H), 6.83-6.75 (m, 3H), 5.99 (s,
1H), 5.94 (s, 1H), 3.48 (dt, 2H), 3.16 (s, 3H), 2.82 (t, 2H), 1.86 (m, 1H),
1.02-0.95 (m, 2H), 0.69-0.62 (m, 2H) ppm; MS (apci, m/z) = 328.1 (M+H).
(実施例53)
Figure 2024512624000119
8-((4-(ジフルオロメトキシ)-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
実施例50に従って、ステップ1の2-フルオロ-4-(メチルチオ)アニリンの代わりに4-(ジフルオロメトキシ)-2-フルオロアニリンを代用して調製して、8-((4-(ジフルオロメトキシ)-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(30.6mg、47%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.29 (s, 1H), 6.97 (m, 1H), 6.91-6.84 (m,
2H), 6.49 (t, 1H), 6.03 (s, 1H), 5.79 (s, 1H), 3.49 (dt, 2H), 3.19 (s, 3H),
2.84 (t, 2H) ppm; MS (apci, m/z) = 354.1 (M+H).
(実施例54)
Figure 2024512624000120
8-((2-フルオロ-4-プロピルフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
ステップ1~4:8-((4-アリル-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。実施例50に従って、ステップ1の2-フルオロ-4-(メチルチオ)アニリンの代わりに4-アリル-2-フルオロアニリンを代用して調製して、8-((4-アリル-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(3.8mg、10%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.27 (s, 1H), 7.09 (dd, 1H), 7.01 (dd,
1H), 6.80 (t, 1H), 6.35-6.28 (m, 1H), 6.25-6.15 (m, 1H), 6.01 (s, 1H), 5.85 (s,
1H), 3.49 (dt, 2H), 3.19 (s, 3H), 2.83 (t, 2H), 1.88 (dd, 2H) ppm; MS (apci,
m/z) = 328.1 (M+H).
ステップ5.8-((2-フルオロ-4-プロピルフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。MeOH(0.5mL)中の8-((4-アリル-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(3.8mg、0.012mmol)およびPd/C(5%Degussaタイプ、1mg、0.009mmol)の撹拌した混合物を脱気し、H雰囲気下で24時間撹拌した。反応物をDCMで希釈し、濾過し、濾液を濃縮した。残留物を逆相HPLC(20分間にわたって5~95%アセトニトリル/水/0.1%TFA)によって精製し、クリーンな画分を合わせ、飽和炭酸水素塩で洗浄し、EtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和炭酸水素塩(30mL)およびブライン(30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、8-((2-フルオロ-4-プロピルフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(2.5mg、65%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.22 (s, 1H), 6.93 (dd, 1H), 6.88 (m,
1H), 6.81 (t, 1H), 5.99 (s, 1H), 5.81 (s, 1H), 3.48 (dt, 2H), 3.17 (s, 3H),
2.83 (t, 2H), 2.55 (t, 2H), 1.62 (m, 2H), 0.92 (t, 3H) ppm; MS (apci, m/z) =
330.1 (M+H).
(実施例55)
Figure 2024512624000121
8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
ステップ1.8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-5-ヨード-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン。8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(41.2mg、0.124mmol)およびp-トルエンスルホン酸(31.9mg、0.185mmol)を、1:1 THF/MeOH溶液1mLに溶解させた。5分後、NIS(27.8mg、0.124mmol)を添加した。反応物を周囲温度で30分間撹拌した。次に、粗製反応混合物をEtOAc(10mL)と飽和NaHCO水溶液(15mL)とに分配し、EtOAc(2×5mL)で抽出した。合わせた有機相をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって10~80%EtOAc/ヘプタンで溶出して精製して、8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-5-ヨード-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(37mg、65%)を得た。MS(apci、m/z)=460.0(M+H)。
ステップ2.8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-5-ヨード-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(37.0mg、0.0806mmol)およびビス(トリ-t-ブチルホスフィン)パラジウム(0)(4.12mg、0.00806mmol)をTHF(0.8mL)に溶解させ、メチル亜鉛(II)クロリド(80.6μL、2M/THF、0.161mmol)を滴下添加した。反応物を周囲温度で1時間撹拌した。反応混合物を飽和NHCl水溶液(2mL)でクエンチし、次にEtOAc(2×5mL)で抽出した。合わせた有機相をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、逆相HPLC(5~95%アセトニトリル/HO/0.1%TFA)によって精製した。クリーンな所望の生成物を含有している画分を合わせ、生成物をDCM/NaHCOで遊離塩基に変換して、8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(15.5mg、55%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.10 (s, 1H), 7.04-7.01 (m, 1H),
6.95-6.93 (m, 1H), 6.71 (t, 1H), 5.96 (s, 1H), 3.49-3.46 (m, 2H), 3.25 (s, 3H),
2.87 (t, 2H), 2.46 (s, 3H), 2.11 (s, 3H) ppm. MS (apci, m/z) = 348.1 (M+H).
(実施例56)
Figure 2024512624000122
8-((4-エチル-2-フルオロフェニル)アミノ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
実施例55に従って、ステップ1の8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの代わりに8-((4-エチル-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(実施例51に従って調製した)を代用して調製して、8-((4-エチル-2-フルオロフェニル)アミノ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(6.7mg、62%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.06 (s, 1H), 6.94 (dd, 1H), 6.86 (dd,
1H), 6.72 (t, 1H), 5.87 (s, 1H), 3.47 (dt, 2H), 3.23 (s, 3H), 2.87 (t, 2H),
2.61 (q, 2H), 2.11 (s, 3H), 1.21(t, 3H) ppm; MS (apci, m/z) = 330.2 (M+H).
(実施例57)
Figure 2024512624000123
8-((4-シクロプロピル-2-フルオロフェニル)アミノ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
実施例55に従って、ステップ1の8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの代わりに8-((4-シクロプロピル-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(実施例52に従って調製した)を代用して調製して、8-((4-シクロプロピル-2-フルオロフェニル)アミノ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(2.3mg、47%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.05 (s, 1H), 6.80-6.75 (m, 2H), 6.69 (t,
1H), 5.80 (s, 1H), 3.47 (dt, 2H), 3.22 (s, 3H), 2.87 (t, 2H), 2.10 (s, 3H),
1.85 (m, 1H), 1.00-0.94 (m, 2H), 0.67-0.61 (m, 2H) ppm; MS (apci, m/z) = 342.2
(M+H).
(実施例58)
Figure 2024512624000124
8-((4-(ジフルオロメトキシ)-2-フルオロフェニル)アミノ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
実施例55に従って、ステップ1の8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの代わりに8-((4-(ジフルオロメトキシ)-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(実施例53に従って調製した)を代用して調製して、8-((4-(ジフルオロメトキシ)-2-フルオロフェニル)アミノ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(9.5mg、41%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.09 (s, 1H), 6.96 (dd, 1H), 6.87-6.82
(m, 1H), 6.76 (t, 1H), 6.47 (t, 1H), 6.01 (s, 1H), 3.48 (dt, 2H), 3.25 (s, 3H),
2.88 (t, 2H), 2.11 (s, 3H) ppm; MS (apci, m/z) = 368.1 (M+H).
(実施例59)
Figure 2024512624000125
8-((4-ブロモ-2-クロロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
ステップ1.メチル(E)-2-((4-ブロモ-2-クロロフェニル)アミノ)-4-(2-エトキシビニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレートの調製。メチル(E)-2-クロロ-4-(2-エトキシビニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(140mg、0.515mmol)および4-ブロモ-2-クロロアニリン(108mg、0.520mmol)をTHF(5.2mL)に溶解させ、N雰囲気下で-78℃に冷却した。LiHMDS(1.0mL、1.0M/THF、1.0mmol)を滴下添加し、次に混合物を-78℃から周囲温度に1時間にわたって加温した。反応混合物を飽和NHCl水溶液(5mL)でクエンチし、次にEtOAc(2×5mL)で抽出した。合わせた有機相をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~100%EtOAc/ヘプタンで溶出して精製して、メチル(E)-2-((4-ブロモ-2-クロロフェニル)アミノ)-4-(2-エトキシビニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(145mg、64%)を得た。MS(apci、m/z)=441.0、443.0(M+H)。
ステップ2.メチル2-((4-ブロモ-2-クロロフェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-4-(2-オキソエチル)-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレートの調製。DCM(2.0mL)中のメチル(E)-2-((4-ブロモ-2-クロロフェニル)アミノ)-4-(2-エトキシビニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(145mg、0.328mmol)の溶液に、TFA(2.0mL)を添加した。溶液を周囲温度で一晩撹拌し、次に濃縮した。次に、粗製混合物をDCM(5mL)で希釈し、飽和NaHCO水溶液(5mL)で洗浄した。有機相をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、メチル2-((4-ブロモ-2-クロロフェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-4-(2-オキソエチル)-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレートを得、それをさらなる精製なしに使用した(136mg、100%)。MS(apci、m/z)=415.2(M+H)。
ステップ3.8-((4-ブロモ-2-クロロフェニル)アミノ)-2-(4-メトキシベンジル)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。メチル2-((4-ブロモ-2-クロロフェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-4-(2-オキソエチル)-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(136mg、0.329mmol)、(4-メトキシフェニル)メタンアミン(47.4mg、0.345mmol)、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(76.6mg、0.362mmol)、および酢酸(2.0mg、0.033mmol)をDCE(3.3mL)に溶解させ、周囲温度で1時間撹拌した。その時点で、反応物を60℃に加温し、1時間撹拌した。次に、反応物を周囲温度に冷却し、DCM(5mL)で希釈し、飽和NaHCO水溶液(10mL)で洗浄した。有機相をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~100%EtOAc/ヘプタンで溶出して精製して、8-((4-ブロモ-2-クロロフェニル)アミノ)-2-(4-メトキシベンジル)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(104mg、63%)を得た。MS(apci、m/z)=502.1、504.1(M+H)。
ステップ4.8-((4-ブロモ-2-クロロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。8-((4-ブロモ-2-クロロフェニル)アミノ)-2-(4-メトキシベンジル)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(79.1mg、0.207mmol)をTFA(3.0mL)に溶解させ、60℃に16時間加熱した。次に、反応物を周囲温度に冷却し、濃縮した。残留物を、逆相HPLC(5~95%アセトニトリル/HO/0.1%TFA)によって精製した。クリーンな所望の生成物を含有している画分を合わせ、生成物をDCM/NaHCOで遊離塩基に変換して、8-((4-ブロモ-2-クロロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(28mg、35%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.27 (s, 1H), 7.61 (d, 1H), 7.31-7.28 (m,
1H), 6.60-6.57 (m, 1H), 6.07 (t, 1H), 5.63 (s, 1H), 3.52-3.48 (m, 2H), 3.17 (s,
3H), 2.85 (t, 2H) ppm. MS (apci, m/z) = 382.0, 384.0 (M+H).
(実施例60)
Figure 2024512624000126
8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエチル)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオントリフルオロアセテート
ステップ1.メチル2-クロロ-1-メチル-6-オキソ-4-(2-オキソエチル)-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレートの調製。DCM(5.0mL)中のメチル(E)-2-クロロ-4-(2-エトキシビニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(331mg、1.22mmol)の溶液に、TFA(5.0mL)を添加した。溶液を周囲温度で16時間撹拌し、次に濃縮した。次に、粗製混合物をDCM(10mL)で希釈し、飽和NaHCO水溶液(10mL)で洗浄した。有機相をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、メチル2-クロロ-1-メチル-6-オキソ-4-(2-オキソエチル)-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレートを得、それをさらなる精製なしに使用した(236mg、80%)。MS(apci、m/z)=244.1(M+H)。
ステップ2.8-クロロ-2-(2-ヒドロキシエチル)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。メチル2-クロロ-1-メチル-6-オキソ-4-(2-オキソエチル)-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(122mg、0.501mmol)、2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)エタン-1-アミン(105mg、0.601mmol)、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(127mg、0.601mmol)、および酢酸(6.0mg、0.10mmol)をDCE(5mL)に溶解させ、周囲温度で2時間撹拌した。反応物を60℃に加温し、16時間撹拌した。次に、反応物を周囲温度に冷却し、DCM(10mL)で希釈し、飽和NaHCO水溶液(15mL)で洗浄した。有機相をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、逆相HPLC(5~95%アセトニトリル/HO/0.1%TFA)によって精製した。クリーンな所望の生成物を含有している画分を合わせ、生成物をDCM/NaHCOで遊離塩基に変換して、8-クロロ-2-(2-ヒドロキシエチル)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(20mg、16%)を得た。MS(apci、m/z)=257.0(M+H)。
ステップ3.8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエチル)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオントリフルオロアセテートの調製。4-ブロモ-2-フルオロアニリン(17.7mg、0.093mmol)および8-クロロ-2-(2-ヒドロキシエチル)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(20mg、0.077mmol)をTHF(0.7mL)に溶解させ、N雰囲気下で-78℃に冷却した。LiHMDS(233μL、1.0M/THF、0.233mmol)を滴下添加し、次に混合物を-78℃から周囲温度に1時間にわたって加温した。反応混合物を飽和NHCl(5mL)でクエンチし、次にEtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた有機相をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、逆相HPLC(5~95%アセトニトリル/HO/0.1%TFA)によって精製した。クリーンな画分を凍結乾燥させて、8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエチル)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオントリフルオロアセテート(10.1mg、32%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.36 (s, 1H), 7.32-7.29 (m, 1H),
7.22-7.19 (m, 1H), 6.70 (t, 1H), 6.06 (s, 1H), 3.85 (t, 2H), 3.67 (t, 2H), 3.61
(t, 2H), 3.22 (s, 3H), 2.86 (t, 2H) ppm. MS (apci, m/z) = 410.1, 412.1 (M+H).
(実施例61)
Figure 2024512624000127
8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
実施例44に従って、ステップ1の4-エチル-2-フルオロアニリンの代わりに2-フルオロ-4-(メチルチオ)アニリンを代用して調製して、8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(2.1mg、21%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.01 (s, 1H), 7.02 (dd, 1H), 6.95 (m,
1H), 6.77 (m, 1), 4.48 (t, 1H), 4.03 (t, 2H), 3.76-3.67 (m, 4H), 3.21 (s, 3H),
3.02 (t, 2H), 2.47 (s, 3H), 2.08 (s, 3H) ppm. MS (apci, m/z) = 408.1
(M+H).
(実施例62)
Figure 2024512624000128
8-((4-(ジフルオロメトキシ)-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
ステップ1~5.2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((4-(ジフルオロメトキシ)-2-フルオロフェニル)アミノ)-5-ヨード-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。実施例41、ステップ1~5に従って、ステップ1の2-フルオロアニリンの代わりに4-(ジフルオロメトキシ)-2-フルオロアニリンを代用して調製して、2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((4-(ジフルオロメトキシ)-2-フルオロフェニル)アミノ)-5-ヨード-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(156mg、94%)を得た。MS(apci、m/z)=596.1(M+H)。
ステップ6.2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((4-(ジフルオロメトキシ)-2-フルオロフェニル)アミノ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。THF(2.5mL)中の2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((4-(ジフルオロメトキシ)-2-フルオロフェニル)アミノ)-5-ヨード-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(156mg、0.262mmol)の溶液に、0℃でPd(Pt-Bu(13.4mg、0.026mmol)を添加し、続いてメチル亜鉛(II)クロリド(132μL、0.265mmol)を添加した。混合物を氷浴から除去し、10分間撹拌した。反応物を飽和NHCl(40mL)とEtOAc(20mL)とに分配し、水層をEtOAc(2×10mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~50%EtOAc/ヘプタンで溶出して精製して、2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((4-(ジフルオロメトキシ)-2-フルオロフェニル)アミノ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(89.9mg、71%)を得た。MS(apci、m/z)=484.2(M+H)。
ステップ7.8-((4-(ジフルオロメトキシ)-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((4-(ジフルオロメトキシ)-2-フルオロフェニル)アミノ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(89.9mg、0.186mmol)をACN(750μL)に溶解させ、リン酸(750μL)を添加した。反応物を60℃に30分間加熱した。反応混合物を飽和重炭酸ナトリウム(50mL)とEtOAc(20mL)とに分配した。水層をEtOAc(2×15mL)で洗浄した。合わせた有機層を飽和重炭酸ナトリウム(25mL)、ブライン(25mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~100%EtOAc/ヘプタンで溶出して精製して、8-((4-(ジフルオロメトキシ)-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(65.9mg、83%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.00 (s, 1H), 6.97 (dd, 1H), 6.90-6.79
(m, 2H), 6.48 (t, 1H), 4.44 (t, 1H), 4.03 (m, 2H), 3.76-3.68 (m, 4H), 3.22 (s,
3H), 3.03 (t, 2H), 2.09 (s, 3H) ppm. MS (apci, m/z) = 428.1 (M+H).
(実施例63)
Figure 2024512624000129
2-(2,2-ジフルオロエトキシ)-8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
ステップ1.メチル(Z)-4-(2-エトキシビニル)-2-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレートの調製。実施例44、ステップ1に従って、4-エチル-2-フルオロアニリンの代わりに2-フルオロ-4-(メチルチオ)アニリンを代用して調製して、メチル(Z)-4-(2-エトキシビニル)-2-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(0.373g、69%)を得た。MS(apci、m/z)=393.1(M+H)。
ステップ2.メチル(E)-4-(2-((2,2-ジフルオロエトキシ)イミノ)エチル)-2-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレートの調製。実施例6、ステップ5に従って、メチル(Z)-2-クロロ-4-(2-エトキシビニル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレートの代わりにメチル(Z)-4-(2-エトキシビニル)-2-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレートを代用し、O-(2-(tert-ブトキシ)エチル)ヒドロキシルアミン塩酸塩の代わりにO-(2,2-ジフルオロエチル)ヒドロキシルアミン塩酸塩を代用して調製して、メチル(E)-4-(2-((2,2-ジフルオロエトキシ)イミノ)エチル)-2-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(想定100%)を得た。MS(apci、m/z)=444.1(M+H)。
ステップ3.2-(2,2-ジフルオロエトキシ)-8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。MeOH(0.8mL)中のメチル(E)-4-(2-((2,2-ジフルオロエトキシ)イミノ)エチル)-2-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(36mg、0.081mmol)の溶液に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(26mg、0.406mmol)および酢酸(23μL、0.406mmol)を添加した。混合物を45℃で2時間撹拌し、次に周囲温度で72時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO水溶液(25mL)およびEtOAc(25mL)で希釈した。有機相を分離し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって5~100%EtOAc/ヘプタンで溶出して精製して、2-(2,2-ジフルオロエトキシ)-8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(11.8mg、35.2%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 11.26 (s, 1H), 7.08 - 6.94 (m, 2H), 6.91 -
6.76 (m, 1H), 6.51 - 5.64 (m, 2H), 4.22 (td, 2H), 3.73 (t, 2H), 3.16 (s, 3H),
3.04 - 2.97 (m, 2H), 2.48 (s, 3H) ppm. MS (apci, m/z) = 414.1
(M+H).
(実施例64)
Figure 2024512624000130
8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-4-フェニル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
ステップ1.2,6-ジクロロ-4-ヨードニコチン酸の調製。THF(30mL)中の2,6-ジクロロ-4-ヨードピリジン(4.0g、14.6mmol)の溶液を-78℃に冷却した。LDA(10.95mL、2M、21.9mmol)を溶液に-78℃で滴下添加し、-78℃で2時間撹拌した。過剰のCOガスを、反応溶液に-78℃で20分間発泡させた。次に、反応混合物をドライアイス(10g)に注ぎ、水(30mL)でクエンチした。反応物を2N HClでpH3~4に調整し、EtOAc(3×100mL)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、2,6-ジクロロ-4-ヨードニコチン酸(3.0g、64.6%)を得た。MS(apci、m/z)=317.9、319.8(M+H)。
ステップ2.2-クロロ-4-ヨード-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸の調製。NaOHの溶液(100mL、4M、236mmol)を110℃に加熱し、次に2,6-ジクロロ-4-ヨードニコチン酸(3.0g、9.44mmol)を一度に添加し、8時間撹拌した。反応物を0℃で、HCl(6M)でpHを1に調整し、30分間撹拌した。得られた固体を濾過により収集し、真空中で乾燥させて、2-クロロ-4-ヨード-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸(3.0g、想定100%)を得、それをさらに精製することなく使用した。MS(apci、m/z)=299.9、301.9(M+H)。
ステップ3.メチル2-クロロ-4-ヨード-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレートの調製。DMF(30mL)中の2-クロロ-4-ヨード-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボン酸(3.0g、10.02mmol)の混合物に、MeI(4.27g、30.06mmol)およびKCO(4.15g、30.06mmol)を一度に25℃で添加した。3時間撹拌した後、反応物を飽和NHCl(10mL)に注ぎ、水相を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって2~100%EtOAc/石油エーテルで溶出して精製して、メチル2-クロロ-4-ヨード-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(850mg、25.9%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.16 (s, 1H), 3.93 (s, 3H), 3.65 (s, 3H)
ppm. MS (apci, m/z) = 327.9 (M+H).
ステップ4.メチル2-クロロ-1-メチル-6-オキソ-4-(1-フェニルビニル)-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレートの調製。1,4-ジオキサン(10mL)および水(1mL)中のメチル2-クロロ-4-ヨード-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(0.2g、0.611mmol)の溶液に、4,4,5,5-テトラメチル-2-(1-フェニルビニル)-1,3,2-ジオキサボロラン(0.148g、0.641mmol)、Pd(dppf)Cl(50mg、0.061mmol)、NaCO(0.194g、1.83mmol)およびHO(1mL)を添加した。次に、混合物を3回脱気し、80℃で3時間撹拌した。4,4,5,5-テトラメチル-2-(1-フェニルビニル)-1,3,2-ジオキサボロラン(37mg、0.153mmol)およびPd(dppf)Cl(50mg、0.061mmol)を添加した。混合物を3回脱気し、80℃でさらに1.5時間撹拌した。冷却した混合物を濾過し、濾液を濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~20%EtOAc/石油エーテルで溶出して精製して、メチル2-クロロ-1-メチル-6-オキソ-4-(1-フェニルビニル)-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(95mg、51%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.33-7.32 (m, 3H), 7.32-7.25 (m, 2H), 6.58
(s, 1H), 5.62 (s, 1H), 5.42 (s, 1H), 3.75 (s, 3H), 3.36 (s, 3H) ppm. MS
(apci, m/z) = 303.7 (M+H).
ステップ5.メチル2-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-4-(1-フェニルビニル)-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレートの調製。THF(5mL)中の4-ブロモ-2-フルオロアニリン(56mg、0.29mmol)の溶液に、LiHMDS(0.74mL、1.0M、0.74mmol)を-78℃で添加し、-78℃で0.5時間撹拌した。次に、THF(0.5mL)中のメチル2-クロロ-1-メチル-6-オキソ-4-(1-フェニルビニル)-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(90mg、0.296mmol)の溶液を添加し、混合物を-78℃で30分間撹拌した。混合物を飽和NHCl溶液(5mL)でクエンチし、EtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(5mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~20%EtOAc/石油エーテルで溶出して精製して、メチル2-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-4-(1-フェニルビニル)-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(120mg、89%)を得た。MS(apci、m/z)=459.2(M+H)。
ステップ6.8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2,4-ジメトキシベンジル)-7-メチル-4-フェニル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。トルエン(10mL)中のメチル2-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-4-(1-フェニルビニル)-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(120mg、0.29mmol)の溶液に、DMB-NH(43.8mg、0.26mmol)およびAlMe(0.4mL、2.0M、0.79mmol)をN下、25℃で添加し、混合物を80℃で48時間撹拌した。混合物を飽和NHCl溶液(5mL)でクエンチし、濾過した。濾液をEtOAc(3×10mL)で抽出し、有機層をブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~50%EtOAc/石油エーテルで溶出して精製して、8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2,4-ジメトキシベンジル)-7-メチル-4-フェニル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(80.0mg、52%)を得た。MS(apci、m/z)=594.2(M+H)。
ステップ7.8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-4-フェニル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン。TFA(5mL)中の8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2,4-ジメトキシベンジル)-7-メチル-4-フェニル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(80mg、0.14mmol)の混合物を80℃で1時間撹拌した。冷却した混合物を濃縮し、残留物をMeOH(5mL)に溶解させた。NaHCO固体(約1g)を添加し、混合物を15分間撹拌し、次にDCM(20mL)で処理し、濾過した。濾液を濃縮し、分取HPLCによって精製した(分取HPLC条件:カラム:Boston Prime C18 150*25mm*5um;移動相:水(0.225%v/v水酸化アンモニウム)-ACN;B%:40%~70%、流量(ml/分):25)。画分を凍結乾燥させて、8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-4-フェニル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(5.49mg、9%)を得た。1H NMR (400 MHz, MeOD) δ 7.49 (d, 1H), 7.40-7.32 (m, 6H), 6.93 (t,
1H), 5.76 (s, 1H), 4.19 (t, 1H), 3.66 (d, 2H), 3.24 (s, 3H) ppm. MS
(apci, m/z) = 442.2, 444.1 (M+H).
(実施例65)
Figure 2024512624000131
8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-7-メチル-4-フェニル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
実施例64に従って、ステップ5の4-ブロモ-2-フルオロアニリンの代わりに2-フルオロ-4-(メチルチオ)アニリンを代用して調製して、8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-7-メチル-4-フェニル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(21mg、29%)を得た。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) δ 11.71 (s, 1H), 8.15 (s, 1H), 7.40 -7.25
(m, 6H), 7.08 (d, 1H), 6.97 (t, 1H), 5.59 (s, 1H), 4.13 (t, 1H), 3.54 (bs, 2H),
3.30 (s, 3H), 3.05 (s, 3H) ppm. MS (apci, m/z) = 410.1 (M+H).
(実施例66)
Figure 2024512624000132
8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-4,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
実施例64に従って、ステップ4の4,4,5,5-テトラメチル-2-(1-フェニルビニル)-1,3,2-ジオキサボロランの代わりに4,4,5,5-テトラメチル-2-(プロパ-1-エン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロランを代用して調製して、8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-4,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(3mg、13%)を得た。1H NMR (400 MHz, MeOD) δ 7.48 (d, 1H), 7.35 (d, 1H), 6.88 (t, 1H),
6.15 (s, 1H), 3.51 (dd, 1H), 3.21 (s, 3H), 3.20-3.15 (m, 1H), 2.99-2.86 (m,
1H), 1.33 (d, 3H) ppm. MS (apci, m/z) = 380.0, 382.2 (M+H).
(実施例67)
Figure 2024512624000133
8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-4,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
実施例64に従って、ステップ4の4,4,5,5-テトラメチル-2-(1-フェニルビニル)-1,3,2-ジオキサボロランの代わりに4,4,5,5-テトラメチル-2-(プロパ-1-エン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロランを代用し、ステップ5の4-ブロモ-2-フルオロアニリンの代わりに2-フルオロ-4-(メチルチオ)アニリンを代用して調製して、8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-4,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(3.8mg、22%)を得た。1H NMR (400 MHz, MeOD) δ 7.16 (d, 1H), 7.09 (d, 1H), 6.92 (t, 1H),
6.09 (s, 1H), 3.51 (dd, 1H), 3.19 (s, 3H), 3.17-3.15 (m, 1H), 2.99-2.94 (m,
1H), 2.51 (s, 3H),1.33 (d, 3H) ppm. MS (apci, m/z) = 348.1 (M+H).
(実施例68)
Figure 2024512624000134
8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-4,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
ステップ1.1-エトキシプロパ-1-インの調製。無水NH(300mL)を反応フラスコ中、-70℃で凝縮させ、粉砕したFe(NO・9HO(252mg、0.625mmol)をゆっくり撹拌しながら添加した。固体NaNH(34.14g、0.875mol)を-60~-40℃で10分間にわたって添加し、次に2-クロロ-1,1-ジエトキシエタン(38.15g、0.25mol)をこの温度で30分間にわたって滴下添加した。反応物を-30℃で1時間還流させた後、MeI(177.42g、1.25mol)を30分間にわたって滴下添加した。反応混合物をこの温度で90分間激しく撹拌し、次に、冷却した飽和NHCl溶液(40mL)、続いてEtO(100mL)およびさらなる飽和NHCl(50mL)を滴下添加することにより注意深くクエンチした。冷却浴を除去し、反応混合物を15℃に加温した。水(50mL)を添加し、有機層を分離し、水(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄した。合わせた水溶液をEtO(50mL)で抽出し、合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過して、1-エトキシプロパ-1-インの約1.3Mエーテル溶液(100mL、52%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.99 (q, 2H), 1.73 (s, 3H), 1.32 (t, 3H)
ppm.
ステップ2.(Z)-2-(1-エトキシプロパ-1-エン-2-イル)ベンゾ[d][1,3,2]ジオキサボロールの調製。トルエン(50mL)中のベンゾ[d][1,3,2]ジオキサボロール(1.43g、11.89mmol)の溶液に、1-エトキシプロパ-1-イン(7.7mL、1.3M/EtO、11.89mmol)およびNiCl(dppe)(314mg、0.59mmol)をN下で添加した。反応混合物を3回脱気し、50℃で3時間撹拌した。混合物を濾過して、(Z)-2-(1-エトキシプロパ-1-エン-2-イル)ベンゾ[d][1,3,2]ジオキサボロールのトルエン溶液(1.5g、62%)を得、それをさらに精製することなく使用した。
ステップ3.メチル(E)-2-クロロ-4-(1-エトキシプロパ-1-エン-2-イル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレートの調製。トルエン(50mL)およびTHF(30mL)中の(Z)-2-(1-エトキシプロパ-1-エン-2-イル)ベンゾ[d][1,3,2]ジオキサボロール(1.5g、7.33mmol)の溶液に、メチル2-クロロ-4-ヨード-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(1.2g、3.66mmol)、Pd(dppf)Cl(299mg、0.37mmol)、KPO(2.33g、10.99mmol)およびHO(3mL)を添加した。混合物を3回脱気し、75℃で3時間撹拌した。冷却した混合物を濾過した。濾液をEtOAc(50mL)で希釈し、次に水(3×10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~40%EtOAc/石油エーテルで溶出して精製して、メチル(E)-2-クロロ-4-(1-エトキシプロパ-1-エン-2-イル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(650mg、62%)を得た。MS(apci、m/z)=286.0(M+H)。
ステップ4.メチル(E/Z)-4-(1-((2-(tert-ブトキシ)エトキシ)イミノ)プロパン-2-イル)-2-クロロ-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレートの調製。ジオキサン(10mL)中のメチル(E)-2-クロロ-4-(1-エトキシプロパ-1-エン-2-イル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(600mg、2.1mmol)およびO-(2-(tert-ブトキシ)エチル)ヒドロキシルアミン塩酸塩(356mg、2.1mmol)の溶液に、TEA(212mg、2.1mmol)およびHCl(1mL、4M/ジオキサン、4.2mmol)を添加した。混合物を60℃に加熱し、2時間撹拌した。1,4-ジオキサン(20mL)を添加し、混合物を濾過し、濃縮して、メチル(E/Z)-4-(1-((2-(tert-ブトキシ)エトキシ)イミノ)プロパン-2-イル)-2-クロロ-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(780mg、99.6%)を得、それをさらに精製することなく使用した。MS(apci、m/z)=317.1(M+H-t-Bu)。
ステップ5.2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-クロロ-4,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。IPA(10mL)中のメチル(E/Z)-4-(1-((2-(tert-ブトキシ)エトキシ)イミノ)プロパン-2-イル)-2-クロロ-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(780mg、2.09mmol)の溶液に、NaCNBH(657mg、10.46mmol)およびAcOH(628mg、10.46mmol)を添加した。混合物を20℃で48時間撹拌した。EtOAc(100mL)を添加し、混合物を飽和NaHCO(10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィーによって0~40%EtOAc/石油エーテルで溶出して精製して、2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-クロロ-4,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(200mg、28%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.31 (s, 1H), 4.10-4.06 (m, 2H), 3.84 (dd,
1H), 3.70 (s, 3H), 3.59-3.53 (m, 3H), 3.06-3.05 (m, 1H), 1.31 (d, 3H), 1.15 (s,
9H) ppm. MS (apci, m/z) = 343.1 (M+H).
ステップ6.8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-4,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。THF(8mL)中の4-ブロモ-2-フルオロアニリン(55mg、0.29mmol)の溶液に、LiHMDS(0.73mL、1M、0.73mmol)をN下、-78℃で滴下添加した。混合物を-78℃で30分間撹拌し、次にTHF(2mL)中の2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-クロロ-4,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(100mg、0.29mmol)の溶液を滴下添加し、撹拌を-78℃で30分間継続した。混合物を飽和NHCl(5mL)で処理し、EtOAc(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(5mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-4,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(144.8mg、100%)を得、それをさらに精製することなく使用した。MS(apci、m/z)=496.2(M+H)。
ステップ7.8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-4,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの調製。TFA(5mL)中の8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-4,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(144.8mg、0.292mmol)の混合物を25℃で2時間撹拌した。混合物を濃縮し、MeOH(10mL)に溶解させ、NaHCO固体(73mg、0.876mmol)で処理した。30分間撹拌した後、DCM(50mL)を添加した。混合物を濾過し、濃縮し、分取HPLCによって精製した(分取HPLC条件:カラム:Waters xbridge 150*25mm 10um;移動相:水(0.05%v/v水酸化アンモニウム)-ACN;B%:24%~64%、流量(ml/分):25)。クリーンな画分を凍結乾燥させて、8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-4,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(34.8mg、27%)を得た。1H NMR (400 MHz, MeOD) δ 7.38 (d, 1H), 7.26 (d, 1H), 6.82 (t, 1H),
6.02 (s, 1H), 3.98 (t, 2H), 3.82 (dd, 1H), 3.66 (t, 2H), 3.64-3.50 (m, 1H),
3.12 (s, 3H), 3.09-3.08 (m, 1H), 1.29 (d, 3H) ppm. MS (apci, m/z) = 440.1
(M+H).
(実施例69)
Figure 2024512624000135
8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-4,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン
実施例68に従って、ステップ6の4-ブロモ-2-フルオロアニリンの代わりに2-フルオロ-4-(メチルチオ)アニリンを代用して調製して、8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-4,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(27.5mg、23%)を得た。1H NMR (400 MHz, MeOD) δ 7.16 (d, 1H), 7.10 (d, 1H), 6.99 (t, 1H),
6.07 (s, 1H), 4.05 (t, 2H), 3.91 (dd, 1H), 3.76 (t, 2H), 3.60 (dd, 1H), 3.21
(s, 3H), 3.19-3.15 (m, 1H), 2.50 (s, 3H), 1.40 (d, 3H) ppm. MS (apci,
m/z) = 408.2 (M+H).
(実施例70)
無水結晶性8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態1の調製
リン酸(37.4g、25.8mL、14.8モル、50当量、382mmol)を、アセトニトリル(ACN)中の本明細書で開示される方法のいずれかに従って調製することができる2-(2-(tert-ブトキシ)エトキシ)-8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの撹拌した溶液(3.43g、1当量、7.63mmol)に空気下で添加した。混合物を60℃に加温し、15分間撹拌した後、LCMSは完全な反応を示した。反応物を0℃に冷却し、KPO(382mL、1M、382mmol)で処理した。混合物を酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、鮮黄色の泡状物を得た。粗製残留物を、80gシリカカートリッジで、まずジクロロメタン(DCM)中0%~15%メタノールの勾配で、次にDCM中20%メタノールに増大させて溶出して精製して、生成物を鮮黄色の泡状物(2.17g)として得た。これをDCM(50mL)に溶解させ、Norit CA1活性炭(600mg)で処理し、15分間撹拌した。混合物をGF紙により濾過し、残留物を濃縮して、鮮黄色の泡状物を得た。この手順を、Darco G-60活性炭を使用して反復して、生成物を薄ピンク色の泡状物として得た。この材料を2-プロパノール(20mL)で処理し、DCM(5mL)を添加して完全に可溶化した。混合物を濃縮すると、その間に固体が形成され始めたが、材料は完全に濃縮されると油状物になった。残留物を2-プロパノール(10mL)で処理し、40℃に加温すると、粘度が高い沈殿物が出現した。混合物を室温に冷却し、冷却した2-プロパノール(5mL)で希釈して、撹拌を促進した。次に、混合物を濾過し、すすぎおよび洗浄のために冷却した2-プロパノール15mLを使用して、真空中で乾燥させた後に結晶性無水8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態1(1.61g、4.09mmol、53.6%)をオフホワイトの固体として得た。図1は、この方法に従って調製された結晶性無水8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態1の粉末X線回折パターンを示しており、PXRD分析は、実施例77に記載されている機器による方法を使用して実施した。
(実施例71)
結晶性無水8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態2の種晶の調製
ステップ1:メチル4-ブロモ-2-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(本明細書で記載される方法のいずれかに従って調製した)(1.0当量 7.5kg)、XPhos(0.075当量)およびMeThF(10体積)を反応器に添加し、反応物を脱気した。酢酸Pd(II)(0.015当量)を反応器に投入し、反応物を脱気した。(Z)-2-(2-エトキシビニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(0.8当量)およびスパージした45wt%KOH溶液(4当量)を反応器に投入した。反応混合物を50℃で1時間加熱した後、さらなる(Z)-2-(2-エトキシビニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(0.3当量)を添加し、加熱をさらに1時間継続した。反応混合物を水(2体積)で洗浄し、続いて1M酢酸(2当量)で洗浄し、次にSiliaMetS(登録商標)チオール(SiliCycle Inc.、Quebec City、Quebec、Canada)(0.3g/g)と共に50℃で18時間撹拌した後、濾過した。濾過ケーキをMeTHF(5体積)で洗浄した。有機層を3体積に濃縮し、ごく一部を除去し、冷却すると、種晶が生じた。種晶を反応器に投入し戻し、50℃で1時間撹拌した後、30℃にゆっくり冷却した。次に、MeTHF/ヘプタン 1:4(5体積)を反応器にゆっくり投入し、混合物を1時間撹拌した。次に、混合物を10℃にゆっくり冷却し、18時間撹拌した後、濾過した。濾過ケーキをMeTHF/ヘプタン 1:1(5体積)で洗浄した。次に、固体を真空オーブン中で乾燥させて、メチル4-[(Z)-2-エトキシエテニル]-2-[2-フルオロ-4-(メチルスルファニル)アニリノ]-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレートを得た。
ステップ2:メチル4-[(Z)-2-エトキシエテニル]-2-[2-フルオロ-4-(メチルスルファニル)アニリノ]-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(5.0g、12.5mmol)を、2-メチルテトラヒドロフラン(20体積)およびO-(2-(tert-ブトキシ)エチル)ヒドロキシルアミン塩酸塩(1.3当量、16.3mmol)と合わせ、およそ75℃に加熱した。得られた混合物を20℃に冷却した。ボラン-ピリジン錯体(2.0当量、25.0mmol)、およびシクロペンチルメチルエーテル(CPME)中のHCl(3M、1.3当量、16.3mmol)を添加した。得られた混合物を20℃で45分間撹拌し、次に60℃に加熱した。一晩撹拌した後、混合物を20℃に冷却し、HCl(1M、30mL)でクエンチした。この間に、いくらかの発泡および発熱が観察された。ガス抜きが完了したように見えた後(約5分)、有機層を分離し、水(8体積)で洗浄し、減圧蒸留によりおよそ6体積に濃縮した。この時、リン酸(14.6M、15当量、187mmol)を添加し、混合物を65℃で撹拌した。一晩撹拌した後、混合物を20℃に冷却し、2-メチルテトラヒドロフラン(7体積)で希釈した。水酸化カリウムの溶液(11.5M、20当量)をゆっくり添加した。およそ10分間撹拌した後、層を分離させた。有機相を水(10体積)で洗浄した後、減圧蒸留によりおよそ5体積に濃縮して、2-メチルテトラヒドロフラン中の8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの溶液を得た。シクロペンチルメチルエーテル(2体積)をおよそ40℃に加温した後、8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンの溶液を添加した。混合物を1時間撹拌した。この間に固体が沈殿した。溶媒を減圧蒸留によりCPME(およそ8体積)に交換し、得られた懸濁液を15℃で2時間撹拌した。得られた固体を収集し、真空下、45℃で乾燥させて、結晶性無水8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態2を得た。結晶形態を、PXRD分析によって実施例77に記載されている機器による方法を使用して確認した。
(実施例72)
結晶性無水8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態2の調製
実施例71、ステップ1に記載されている通り調製したメチル4-[(Z)-2-エトキシエテニル]-2-[2-フルオロ-4-(メチルスルファニル)アニリノ]-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(2.0g、5.0mmol)を2-メチルテトラヒドロフラン(20体積)と合わせ、およそ75℃に加熱した。O-(2-(tert-ブトキシ)エチル)ヒドロキシルアミン塩酸塩(1.3当量、6.50mmol)を混合物に添加し、得られた混合物を20℃に冷却した。ボラン-ピリジン錯体(2.0当量、10.0mmol)、およびシクロペンチルメチルエーテル(CPME)中のHCl(3M、1.3当量、6.5mmol)を添加した。得られた混合物を60℃で撹拌した。一晩撹拌した後、混合物を20℃に冷却し、HCl(1M、12mL)でクエンチした。この間に、いくらかの発泡および発熱が観察された。反応が完了したように見えた後(約5分)、有機層を分離し、水(8体積)で洗浄し、減圧蒸留によりおよそ6体積に濃縮した。この時、リン酸(14.6M、15当量、75.0mmol)を添加し、混合物を65℃で撹拌した。一晩撹拌した後、混合物を20℃に冷却し、2-メチルテトラヒドロフラン(7体積)で希釈した。水酸化カリウムの溶液(11.5M、20当量)をゆっくり添加した。およそ10分間撹拌した後、層を分離させた。有機相を水(10mL)で洗浄した後、減圧蒸留によりおよそ5体積に濃縮した。次に、混合物を50℃まで加熱し、シクロペンチルメチルエーテル(2体積)を添加した。この時、結晶性無水8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態2(実施例71に記載されている通り調製した)の種を添加し、得られた懸濁液を30℃に冷却した。溶媒を減圧蒸留によりシクロペンチルメチルエーテル(およそ9体積)に交換し、得られた懸濁液を40℃で1時間撹拌した。混合物を20℃に冷却し、一晩撹拌した。得られた固体を収集し、シクロペンチルメチルエーテル(4体積)で洗浄し、真空下、45℃で乾燥させて、結晶性無水8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態2を得た。図2は、この方法に従って調製された結晶性無水8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態2の粉末X線回折パターンを示しており、PXRD分析は、実施例77に記載されている機器による方法を使用して実施した。
(実施例73)
結晶性一水和物8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態3の種晶の調製
反応器に、実施例71、ステップ1に記載されている通り調製したメチル4-[(Z)-2-エトキシエテニル]-2-[2-フルオロ-4-(メチルスルファニル)アニリノ]-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキシレート(5.0kg、制限試薬-その後のすべてのチャージャーはこの量に基づく)の2-メチルテトラヒドロフラン(20体積)、およびO-(2-(tert-ブトキシ)エチル)ヒドロキシルアミン塩酸塩(2.89kg)を投入した。その後の混合物を70℃に加熱した。反応が完了した後、混合物を20℃に冷却し、ボラン-ピリジン(8M、3.3L)およびCPME中のHCl(3M、5.95L)を添加した。混合物を20℃で撹拌した。還元が完了した後、環化が完了するまで混合物を65℃に加熱した。反応物を25℃に冷却し、1M HCl(6体積)でクエンチし、水(8体積)で洗浄した。有機層をおよそ7体積に濃縮した。リン酸(13.1L)を投入し、脱保護が完了するまで得られた混合物を60℃に加熱した。反応物を、水(7体積)に溶解させた45wt%水酸化カリウム水溶液(22.8L)でクエンチし、次に水(10体積)で洗浄した。次に、有機物を無塵(spec free)フィルターにより濾過した。45℃の反応温度で、有機層をおよそ5体積に濃縮し、含水量をKFで測定し、5%水に調整した。反応混合物のおよそ5%を除去し、20℃に冷却してスラリーを得、それを反応器に投入し戻して、バルクをシードした。45℃で3時間撹拌した後、溶媒を、5%~10%の間の残留2-MeTHFおよび少なくとも0.5%のKFでCPME(8体積)に交換した。次に、反応物を3時間にわたって15℃に冷却し、8時間造粒した。固体を収集し、次にCPME(4体積)で洗浄した。固体を真空下で乾燥させて、残留溶媒を除去した。乾燥プロセスにより、固体形態を結晶性無水8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態2に脱水した。次に、得られた結晶性無水8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態2を、オーブン(真空なし)中、水のトレイを用いて25~40℃で再水和した。最終的な固体が再水和されて、KFおよびPXRD分析に基づいて結晶性一水和物8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態3が得られ、PXRD分析は、実施例77に記載されている機器による方法を使用して実施した。
(実施例74)
シードされる結晶化による結晶性一水和物8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態3の調製
反応器に、2-MeTHF(6体積、19L)および水(0.27体積、0.87L)を投入した。実施例6、方法AまたはBに従って調製した非晶質8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(3.22kg)を添加し、混合物を65℃に加熱した。この間に固体を溶解させ、溶液を得た。混合物を45℃に冷却し、実施例73で調製された結晶性一水和物8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態3の種を添加した。混合物をおよそ2時間撹拌した後、3時間にわたってヘプタン(4体積)をゆっくり投入した。混合物を4時間にわたって15℃に冷却し、少なくとも2時間撹拌した。次に、固体を収集し、50:50 ヘプタン/2-MeTHF(4体積、13L)で洗浄した。固体を真空下で乾燥させて、残留溶媒を除去した。乾燥プロセスにより、固体形態を結晶性無水8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態2に脱水した。次に、得られた結晶性無水8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態2を、オーブン(真空なし)中、水のトレイを用いて25~40℃で再水和した。オーブン中に8~24時間静置した後、固体が再水和されて、KFおよびPXRD分析に基づいて結晶性一水和物8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態3が得られた。
(実施例75)
結晶性一水和物8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態3の代替調製
実施例6、方法AまたはBに従って調製した非晶質8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン(404.88mg)を、磁気撹拌器を用いて2-プロパノール(1.50mL、3.7体積)と合わせた。混合物を60℃に加熱した。この間に、混合物は均質な暗赤色になり、すべての固体が溶解した。水(2.5mL、6.2体積)を添加し、混合物を室温に冷却し、2時間撹拌した。この間に、固体が沈殿し、混合物は粘度が非常に高くなった。この時、より大きい撹拌棒を加えた。PXRDを用いて分析するために一定分量を取り、混合物を室温で撹拌した。一晩撹拌した後、固体を収集し、9:1 2-プロパノール:水(2×1.00mL)で洗浄した。50℃で予熱したオーブン中、水の皿を用いて3時間乾燥させ、続いて蓋なしにベンチに一晩静置した。371mg、91%回収。単離した材料は、PXRD分析により結晶性一水和物8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態3であると決定された。図3は、この方法に従って調製された結晶性一水和物8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態3の粉末X線回折パターンを示しており、PXRD分析は、実施例77に記載されている機器による方法を使用して実施した。
(実施例76)
結晶性一水和物8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態3の吸湿分析
水分収着および脱着研究を、自動蒸気収着分析器(TA instruments Q5000SA)で実施した。微量てんびんを、100mg標準重量を使用して較正した。相対湿度センサーを、飽和塩溶液を使用して5.0、11.3、32.8、52.8、75.3、および84.3%RH(25℃)において較正した。およそ10~20mgの結晶性一水和物8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態3を石英試料ホルダーに入れ、≦3%の相対湿度(RH)において25℃で乾燥させた。次に、RHを5%の増分で0%から40%RHに徐々に増大させ、続いて5%RHの減分で最終RH0%に低減した。120分の最大平衡化時間を、すべてのステップに使用した。RH%ステップのそれぞれにおける重量増加は、0%RHにおける初期乾燥ステップ後の重量に基づく。試料の重量変化は、平衡状態を評定するためには使用されず、その代わりにすべてのステップが120分になるようにプログラムされた。データ収集が完了した後、データ分析を、商業的に入手可能なTA universal分析ソフトウェアおよびマイクロソフトのエクセルを使用して実施した。
図5は、結晶性一水和物8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態3の収着等温線を示す。図5に示されている通り、結晶性一水和物8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態3は、PXRD分析によって確認された通り、15%RHおよび25℃で結晶性無水8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態2に脱水する。結晶性無水8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態2は、PXRD分析によって確認された通り、25%RHにおいて25℃で結晶性一水和物8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態3に再水和する。この分析の基づくと、結晶性無水8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態2は、10%を下回るRHにおいて25℃で安定であり、結晶性一水和物8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態3は、30%を上回るRHにおいて25℃で安定である。
(実施例77)
PXRDによる固体形態分析の一般手順
機器による方法
無水結晶性8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態1、無水結晶性8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態2、および非晶質8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態4の粉末X線回折分析を、Cu放射線源を備えたRigaku MiniFlex 6G回折計を使用して実施した。試料を、ケイ素低バックグラウンド試料ホルダー(2mm×0.5mmウェル)を使用して調製した。回折された放射線をD/teX Ultra2検出器によって検出した。X線管電圧およびアンペア数を、それぞれ40kVおよび15mAに設定した。データを、Miniflex角度計で、0.02°のステップおよびステップ速度2.00°/分を使用し、3.0から45.0°2シータまでのCu波長で収集した。入射スリットボックスを1.25°に設定し、長さ制限スリットを10mmに設定した。試料を、収集中に10RPMで回転させた。データを、RigakuソフトウェアSmartLab Studio IIを使用してテキストファイルにエクスポートし、EVA diffract plusソフトウェアで分析した。実施例76によって示される通り、無水形態2は、25%RHにおいて25℃で一水和物形態3に再水和する。したがって、PXRDによる無水形態2の分析を、およそ25℃および10%を下回る相対湿度で実施した。
結晶性一水和物8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態3の粉末X線回折分析を、Cu放射線源を備えたBruker AXS D8 Endeavor回折計を使用して実施した。発散スリットを10mm連続照明に設定した。回折された放射線をPSD-Lynx Eye検出器によって検出し、検出器PSD開口部を4.11度に設定した。X線管電圧およびアンペア数を、それぞれ40kVおよび40mAに設定した。データを、Theta-Theta角度計で、3.0から40.0度2シータまでのCu波長(CuKα=1.5418λ)で収集した。ステップサイズ0.02度およびステップ時間0.3秒を使用した。散乱線除去スクリーンは、1.5mmの固定距離に設定した。データ収集中、試料を回転させた。試料は、それらをシリコン低バックグラウンド試料ホルダーに入れることによって調製し、収集中に回転させた。データを、Bruker DIFFRAC Plusソフトウェアを使用して収集し、分析を、EVA diffract plusソフトウェアによって実施した。PXRDデータファイルは、ピーク検索前には処理しなかった。EVAソフトウェアのピーク検索アルゴリズムを使用して、閾値1を有する選択されたピークを使用して、予備的なピーク割り当てを行った。妥当性を確実にするために、調整を手動で行い、自動割り当ての出力を視覚的にチェックし、ピーク位置をピーク最大値に調整した。≧3%の相対強度を有するピークを一般に選択した。典型的に、分解されなかったまたはノイズと一致したピークは選択しなかった。USPに記述されているPXRDからのピーク位置と関連する典型的な誤差は、+/-0.2°2シータまでである(USP-941)。実施例76に示されている通り、一水和物形態3は、15%RHおよび25℃で無水形態2に脱水する。したがって、PXRDを用いる一水和物形態3のPXRD分析を、およそ25℃および30%を上回る相対湿度で実施した。
PXRDピーク検出パラメータ
EVAソフトウェアのピーク検索アルゴリズムを使用して、閾値1を有する選択されたピークを使用して、予備的なピーク割り当てを行った。妥当性を確実にするために、調整を手動で行い、自動割り当ての出力を視覚的にチェックし、ピーク位置をピーク最大値に調整した。≧3%の相対強度を有するピークを一般に選択した。典型的に、分解されなかったまたはノイズと一致したピークは選択しなかった。USPに記述されているPXRDからのピーク位置と関連する典型的な誤差は、+/-0.2°2シータまでである(USP-941)。
本発明の範囲または精神から逸脱することなく様々な修正および変更が本発明において行われ得ることが、当業者には明らかになろう。本発明の他の実施形態は、本明細書の考察および本明細書で開示される本発明の実施から、当業者に明らかになろう。本明細書および例は、単に例示的なものとみなされ、本発明の真の範囲および精神は、以下の特許請求の範囲によって示されることが意図されている。
特許、特許出願、論文、教科書など、およびそれらに引用されている参考文献を含む、本明細書で引用されているすべての参考文献は、それがまだ組み込まれていない範囲で、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。組み込まれている文献および類似の資料の1つまたは複数が、限定されるものではないが定義されている用語、用語の使用法、記載されている技術などを含めて、本願とは異なっているかまたは矛盾する場合には、本願が優先される。
2021年3月31日出願の米国仮特許出願第63/168,456号および2022年2月11日出願の米国仮特許出願第63/309,346号の内容は、それらの全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれる。

Claims (54)

  1. 式Iの化合物
    Figure 2024512624000136
    または薬学的に許容できるその塩[式中、
    は、H、Br、C1~C6アルキルまたはフェニルであり、
    は、H、ハロゲンまたはCH-であり、
    は、H、ヒドロキシC1~C6アルキル-、ヒドロキシC1~C6アルコキシ-、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシ、C3~C6シクロアルキル、または(C3~C6シクロアルキル)C1~C6アルコキシ-であり、
    は、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6アルキルチオ、フルオロC1~C6アルキルチオ、フルオロC1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシ、C3~C6シクロアルキル、およびC1~C6アルキル-C(=O)-から独立に選択される1、2または3個の置換基で置換されているフェニルである]。
  2. が、Hである、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
  3. が、Hである、請求項1もしくは2に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
  4. が、CH-である、請求項1もしくは2に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
  5. が、ヒドロキシC1~C6アルキル-である、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
  6. が、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6アルキルチオ、フルオロC1~C6アルキルチオ、フルオロC1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシ、C3~C6シクロアルキル、およびC1~C6アルキル-C(=O)-から独立に選択される1または2個の置換基で置換されているフェニルである、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
  7. が、ハロゲンおよびC1~C6アルキルチオから独立に選択される1または2個の置換基で置換されているフェニルである、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
  8. 式IIの化合物
    Figure 2024512624000137
    または薬学的に許容できるその塩[式中、
    は、H、Br、C1~C6アルキルまたはフェニルであり、
    は、H、ハロゲンまたはCH-であり、
    は、H、ヒドロキシC1~C6アルキル-、ヒドロキシC1~C6アルコキシ-、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシ、C3~C6シクロアルキル、または(C3~C6シクロアルキル)C1~C6アルコキシ-であり、
    およびRは、独立に、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6アルキルチオ、フルオロC1~C6アルキルチオ、フルオロC1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、フルオロC1~C6アルコキシ、C3~C6シクロアルキル、およびC1~C6アルキル-C(=O)-から選択される]。
  9. が、ハロゲンである、請求項8に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
  10. が、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6アルキルチオ、またはフルオロC1~C6アルコキシである、請求項8もしくは9に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
  11. 8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-シクロプロピル-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(シクロプロピルメトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-エトキシ-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    2-シクロプロピル-8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    2-シクロプロピル-8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((2-クロロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((4-ブロモ-2-クロロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((4-ブロモ-2,3-ジフルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((4-ブロモ-3-クロロ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((4-エチル-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((4-シクロプロピル-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((2-フルオロ-4-メトキシフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((2-フルオロ-4-((トリフルオロメチル)チオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((2-フルオロ-4-イソプロピルフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((2-クロロ-4-シクロプロピルフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((4-アセチル-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((2-クロロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((4-(ジフルオロメトキシ)-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((2-クロロ-4-エチルフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((2-フルオロ-4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((4-((ジフルオロメチル)チオ)-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-イソプロポキシ-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-2-イソプロポキシ-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    2-エトキシ-8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-2-メトキシ-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    2-(tert-ブトキシ)-8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    (S)-8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシプロポキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    (R)-8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシプロポキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    (S)-8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシプロポキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    (R)-8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシプロポキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    (R)-8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシプロポキシ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-5-クロロ-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    5-クロロ-8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-5-フルオロ-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-5-ヨード-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    5-ブロモ-8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    4-ブロモ-8-((2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((4-エチル-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((4-シクロプロピル-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((4-ヨード-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((4-エチル-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((4-シクロプロピル-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((4-(ジフルオロメトキシ)-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((2-フルオロ-4-プロピルフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((4-エチル-2-フルオロフェニル)アミノ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((4-シクロプロピル-2-フルオロフェニル)アミノ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((4-(ジフルオロメトキシ)-2-フルオロフェニル)アミノ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((4-ブロモ-2-クロロフェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエチル)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((4-(ジフルオロメトキシ)-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-5,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    2-(2,2-ジフルオロエトキシ)-8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-7-メチル-4-フェニル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-7-メチル-4-フェニル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-4,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-4,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-4,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-4,7-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン;
    から選択される請求項1に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
  12. 構造
    Figure 2024512624000138
    を有する8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンである化合物または薬学的に許容できるその塩。
  13. 構造
    Figure 2024512624000139
    を有する8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンである化合物。
  14. 8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオンを含む結晶。
  15. 結晶性無水8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態1。
  16. 5.0、8.7、9.3、10.8、14.5、15.3、18.8および20.5度2シータ(±0.2度2シータ)におけるPXRDピークを有していることを特徴とする、請求項15に記載の結晶性無水8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態1。
  17. 結晶性無水8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態2。
  18. 7.1、9.4、12.4、12.8、14.3、15.6、16.4、17.4、18.5、18.9、19.5、19.9、21.1、21.4、23.2、23.7、24.8、25.6、27.6、30.3、33.2、33.5、および37.5度2シータ(±0.2度2シータ)における特徴的なピークを含むPXRDパターンを有している、請求項17に記載の結晶性無水8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態2。
  19. 結晶性一水和物8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態3。
  20. 13.7、18.0および18.3度2シータ(±0.2度2シータ)におけるPXRDピークを有していることを特徴とする、請求項19に記載の結晶性一水和物8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態3。
  21. 非晶質8-((2-フルオロ-4-(メチルチオ)フェニル)アミノ)-2-(2-ヒドロキシエトキシ)-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2,7-ナフチリジン-1,6(2H,7H)-ジオン、形態4。
  22. 請求項1から21のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩、および少なくとも1種の薬学的に許容できる賦形剤を含む医薬組成物。
  23. MEK関連腫瘍を処置する方法であって、それを必要とする対象に、治療有効量の請求項1から21のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩を投与することを含む方法。
  24. 腫瘍が、V600E、V600K、V600D、V600RおよびV600Sから選択されるBRAF V600変異を有している、請求項23に記載の方法。
  25. 腫瘍が、BRAF V600E変異を有している、請求項23または24に記載の方法。
  26. 腫瘍が、CNS腫瘍である、請求項23から25のいずれか一項に記載の方法。
  27. CNS腫瘍が、頭蓋内腫瘍である、請求項26に記載の方法。
  28. 頭蓋内腫瘍が、脳腫瘍である、請求項27に記載の方法。
  29. 脳腫瘍が、転移性脳腫瘍である、請求項28に記載の方法。
  30. 転移性脳腫瘍が、転移性黒色腫、転移性結腸直腸がん、転移性非小細胞肺がん、転移性甲状腺がん、および転移性卵巣がんから選択される、請求項29に記載の方法。
  31. CNS腫瘍が、頭蓋内LMDまたは頭蓋外LMDである、請求項26に記載の方法。
  32. LMDが、転移性黒色腫、転移性結腸直腸がん、および転移性非小細胞肺がんから選択される、請求項31に記載の方法。
  33. 頭蓋内腫瘍が、原発性腫瘍である、請求項27に記載の方法。
  34. 原発性脳腫瘍が、悪性腫瘍である、請求項33に記載の方法。
  35. 原発性脳腫瘍が、グレード2の神経膠腫、グレード3の神経膠腫またはグレード4の神経膠腫である、請求項34に記載の方法。
  36. 原発性脳腫瘍が、良性腫瘍である、請求項33に記載の方法。
  37. 腫瘍が、BRAF融合を有している、請求項23に記載の方法。
  38. 腫瘍が、KIAA11549-BRAF、MKRN1-BRAF、TRIM24-BRAF、AGAP3-BRAF、ZC3HAV1-BRAF、AKAP9-BRAF、CCDC6-BRAF、AGK-BRAF、EPS15-BRAF、NUP214-BRAF、ARMC10-BRAF、BTF3L4-BRAF、GHR-BRAF、ZC3HAV1-BRAF、ZNF767-BRAF、CCDC91-BRAF、DYNC112-BRAF、ZKSCAN1-BRAF、GTF2I-BRAF、MZT1-BRAF、RAD18-BRAF、CUX1-BRAF、SLC12A7-BRAF、MYRIP-BRAF、SND1-BRAF、NUB1-BRAF、KLHL7-BRAF、TANK-BRAF、RBMS3-BRAF、STRN3-BRAF、STK35-BRAF、ETFA-BRAF、SVOPL-BRAF、およびJHDM1D-BRAFから選択されるBRAF融合を有している、請求項37に記載の方法。
  39. 腫瘍が、乳癌、結腸直腸癌、食道癌、神経膠腫、頭部および頸部の癌腫、肺癌、黒色腫、膵癌、前立腺癌、肉腫、甲状腺癌、原発不明癌、胸膜中皮腫、直腸腺癌、子宮内膜癌、または卵巣漿液性癌である、請求項38に記載の方法。
  40. 腫瘍が、BRAF野生型腫瘍である、請求項23に記載の方法。
  41. 1種または複数のさらなる抗がん治療を投与することをさらに含む、請求項23から40のいずれか一項に記載の方法。
  42. さらなる抗がん治療が、1種または複数の抗がん剤から選択される、請求項41に記載の方法。
  43. 抗がん剤が、BRAF阻害剤である、請求項42に記載の方法。
  44. BRAF阻害剤が、エンコラフェニブまたは薬学的に許容できるその塩である、請求項43に記載の方法。
  45. BRAF阻害剤が、
    N-(3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-2,4-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド;
    N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)フェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド;
    N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4,5-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド;
    N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド;
    N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド;
    N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-((5-メチル-3-(メチル-d3)-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-フェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミド;
    N‐{2‐クロロ‐3‐[(3,5‐ジメチル‐4‐オキソ‐3,4‐ジヒドロキナゾリン‐6‐イル)オキシ]‐4‐フルオロフェニル}プロパン‐1‐スルホンアミド;
    N-(3-クロロ-4-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)オキシ)-5-フルオロピリジン-2-イル)プロパン-1-スルホンアミド;および
    N‐{2‐クロロ‐3‐[(3,5‐ジメチル‐4‐オキソ‐3,4‐ジヒドロキナゾリン‐6‐イル)オキシ]‐4‐フルオロフェニル}‐3‐フルオロプロパン‐1‐スルホンアミド;
    または薬学的に許容できるその塩から選択される、請求項43に記載の方法。
  46. BRAF阻害剤が、N-(2-クロロ-3-((3,5-ジメチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロプロパン-1-スルホンアミドまたは薬学的に許容できるその塩である、請求項45に記載の方法。
  47. BRAF阻害剤が、
    N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-((5-フルオロ-3-メチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)フェニル)-2-アザビシクロ[2.1.1]ヘキサン-2-スルホンアミド、
    (R)-N-(2-クロロ-4-フルオロ-3-((5-フルオロ-3-メチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)フェニル)-3-フルオロピロリジン-1-スルホンアミド、および
    N-(2-クロロ-3-((5-クロロ-3-メチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロアゼチジン-1-スルホンアミド、
    または薬学的に許容できるその塩から選択される、請求項43に記載の方法。
  48. BRAF阻害剤が、N-(2-クロロ-3-((5-クロロ-3-メチル-4-オキソ-3,4-ジヒドロキナゾリン-6-イル)アミノ)-4-フルオロフェニル)-3-フルオロアゼチジン-1-スルホンアミドまたは薬学的に許容できるその塩である、請求項47に記載の方法。
  49. 抗がん剤が、SHP2阻害剤である、請求項42に記載の方法。
  50. SHP2阻害剤が、(S)-1’-(6-((2-アミノ-3-クロロピリジン-4-イル)チオ)-1,2,4-トリアジン-3-イル)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,4’-ピペリジン]-1-アミンまたは薬学的に許容できるその塩である、請求項49に記載の方法。
  51. 対象が、ヒトである、請求項23から50のいずれか一項に記載の方法。
  52. 医薬として使用するための、請求項1から21のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
  53. MEK関連腫瘍の処置において使用するための、請求項1から21のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩。
  54. 対象におけるMEK関連腫瘍の処置のための医薬の製造のための、請求項1から21のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容できるその塩の使用。
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