JP2024510481A - 分子量、構造および組成を調整可能なポリ(ヒドロキシ酸)共重合体を連続的に製造する方法 - Google Patents

分子量、構造および組成を調整可能なポリ(ヒドロキシ酸)共重合体を連続的に製造する方法 Download PDF

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Abstract

ポリ(ヒドロキシ酸)共重合体を連続的に製造する方法であって、反応器システムにおいて触媒の存在下で少なくとも2種の異なるモノマーを共重合させる工程であり、少なくとも1種のモノマーがヒドロキシ酸環状エステルであり、利用される触媒に対する2種の異なるモノマーのモル比が10,000超であり、反応器システムが少なくとも2つの重合反応器を直列に含み、重合反応器のうちの少なくとも1つが、連続撹拌槽型反応器、ループ反応器またはプラグフロー反応器であり、これらの反応器のうちの少なくとも1つが、少なくとも1つのミキサーおよび/または少なくとも1つの伝熱エレメントを含み、反応器システムが、少なくとも2つの異なる供給点を直列に含み、モノマー組成に関して、1つの供給点を通して反応器システムに供給されるモノマー組成物が、少なくとも1つの他の供給点を通して供給されるモノマー組成物とは異なる、工程を含む、方法。【選択図】なし

Description

本発明は、少なくとも2種の異なるモノマーを、少なくとも1種の触媒、および任意選択で1種の開始剤の存在下で開環重合により共重合させることによりポリ(ヒドロキシ酸)共重合体を連続的に製造する方法であって、少なくとも2種の異なるモノマーのうちの少なくとも1種がヒドロキシ酸環状エステルである、方法に関する。
ポリ(ヒドロキシ酸)ポリマーは、再生可能な資源から得ることができ、ほとんどが堆肥化可能であり、かつ/または生分解性であるため、特に興味深いものである。さらに、これらのポリマーの技術的特性は、化石資源に由来するポリマーの特性に非常に近い。このため、これらのポリマーは、後者の代替品として非常に有望視されている。商業的に重要なポリ(ヒドロキシ酸)ホモポリマーの一例はポリ乳酸である。ポリ乳酸はα-ヒドロキシ酸乳酸を主成分とし、幅広い用途を有する。例えば、ポリ乳酸はバイオメディカルの分野で、外科手術による移植(chirurgical implant)、包装用などのフィルム、衣料用などの繊維、衛生用品、カーペット、使い捨てカトラリーや容器などの使い捨てプラスチック製品に使用されている。さらに、ポリ乳酸は繊維強化プラスチックのような複合材料にも広く利用されている。個別のポリ(ヒドロキシ酸)ホモポリマーの、別の重要な例はポリカプロラクトンである。ポリカプロラクトンは、ヒドロキシ酸カプロン酸の分子内エステル化により生成される環状エステルであるカプロラクトンから誘導される。このポリマーは、特殊ポリウレタンの製造に広く利用されており、水、油、溶媒に対する優れた耐性を特徴とする。他の例としては、ポリグリコール酸、ポリバレロラクトンなどがある。ポリ(ヒドロキシ酸)共重合体は、コモノマーとそれらの相対量を適切に選択し、適切な分子量を調整することにより、共重合体の特定の特性を使用目的に合わせることができるため、興味深い選択肢である。このような共重合体の一例は、ポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)である。ポリ乳酸は高い強度および剛性で知られているが、弾性、強靭性、耐衝撃性に劣るという欠点がある。カプロラクトンをコモノマーとして組み込むことで、得られる共重合体は制御可能な弾性と優れた耐クリープ性を示す。個別のポリ(ヒドロキシ酸)共重合体の、別の重要な例はポリ(ラクチド-co-グリコリド)である。ポリ乳酸の別の欠点は、その低い生分解率にある。グリコリドを添加することにより、加水分解速度が向上し、疎水性/親水性バランスの調整が可能になり、応用分野が変わる。ポリ(ラクチド-co-グリコリド)は融点が高いため、高温用途への応用も広がる。
一般に、ポリ(ヒドロキシ酸)共重合体を合成するには、2つの代替的な主要方法が知られている。第1の主要方法は、2種以上の脂肪族ヒドロキシ酸を直接重縮合させて対応する共重合体にする方法であり、例えば、乳酸とグリコール酸を直接重縮合させてポリ(ラクチド-co-グリコリド)にする方法がある。しかし、この主要方法では低分子量の共重合体しか得られないため、特定の共重合体に限定される。第2の主要方法は、2種以上のヒドロキシ酸環状エステルの開環重合であり、例えば、ラクチド(乳酸の環状ジエステルである)、グリコリド(グリコール酸の環状ジエステルである)、ラクトンなどの開環重合である。本方法は、ポリ(ヒドロキシ酸)共重合体の工業生産に現在好ましい方法である。環状ジエステルは、ラクトン、例えばカプロラクトンの場合のように、脂肪族ヒドロキシ酸の分子内エステル化によって、または乳酸からラクチドへの縮合またはグリコール酸からグリコリドへの縮合のように2つのヒドロキシ酸分子から環状ジエステルへの縮合によって生成することができる。あるいは、特に環状ジエステルなどの環状エステルは、まずヒドロキシ酸をオリゴマー化し、次いで該オリゴマーを解重合反応させて環状ジエステルを得ることによって生成することもできる。例えば、ラクチドは多くの場合後者の方法で調製される。例えば、デンプン、砂糖、トウモロコシなどのバイオマス由来の炭水化物を発酵させて乳酸を得、乳酸をオリゴマー化し、その後オリゴマーを解重合反応させてラクチドを得る。次いで精製後、モノマーとしての、2種以上のヒドロキシ酸環状エステルを、触媒および任意選択で開始剤の存在下で共重合させ、高分子量の共重合体を形成する。市場性のある品質の製品を得るため、重合後に未反応の環状エステルを少なくとも0.5重量%未満の最終濃度となるまで除去しなければならない。このような未反応の環状エステルの除去は、例えばラクチドの場合、高温、減圧で行われる少なくとも1回の脱揮工程によって達成することができる。例えば、要求される程度でラクチドを除去するために、したがって要求される品質を有するポリマーを得るために、2段階の脱揮プロセスを実施することができる。重合反応を終了させるために、通常、重合終了時および第1の脱揮工程の前または後に、ポリマー生成物に阻害剤を添加する。あるいは、モノマーとポリマーの混合物を1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール(HFIP)、ジクロロメタン(DCM)、クロロホルムなどの溶媒に溶解し、モノマーを含まないポリマーをメタノール、アセトン、ヘキサンなどの貧溶媒(anti-solvent)で再沈殿させることによって、残留モノマーを除去することができる。しかし、この後者の方法は、溶媒の消費量が多く、溶解時間が長いことを考慮すると、工業的規模ではあまり好ましくない。
したがって、例えばポリ(ラクチド-co-グリコリド)を調製する方法は、i)ラクチドを開環重合させてポリ乳酸にするために、触媒の存在下でラクチドの開環重合を行い、次いでポリ乳酸とグリコリドを対応する触媒の存在下で開環重合反応させてポリ(ラクチド-co-グリコリド)ブロック共重合体にする工程、またはラクチドとグリコリドとを開環重合させてポリ(ラクチド-co-グリコリド)ランダム共重合体もしくはブロック共重合体にするために、ラクチドとグリコリドを対応する触媒の存在下で開環重合させる工程、ii)各反応混合物に、触媒を不活性化させることができる化合物を添加する工程、iii)反応混合物を含有する反応器内の圧力を下げ、および/もしくは不活性ガスをそれぞれの反応器に通し、脱揮により未反応のラクチドおよび未反応のグリコリドを共重合体から除去する工程を含んでもよい。通常、2回の後続の脱揮工程を行い、それぞれラクチドまたはグリコリドに富む蒸気流を、対応する重合反応器に再循環させる。
開環重合であるか重縮合であるかにかかわらず、ポリ(ヒドロキシ酸)共重合体を調製する現在のプロセスの主な欠点は、特に、比較的高分子量の共重合体および/または分岐構造を有する共重合体を調製しなければならない場合、8~24時間、あるいは最大で72時間の長い反応時間を必要とすることである。さらに、通常、比較的多量の触媒、すなわち300~10,000ppm(利用される少なくとも1種の触媒の全量に対する2種以上のモノマー、すなわち環状エステルの全量のモル比が280~9000に相当する)を必要とする。さらに、ポリ(ヒドロキシ酸)共重合体を調製する商業的な工業プロセスは、ほとんどがバッチプロセスである。もう1つの重要な欠点は、特定の分子量と構造を有する特定の共重合体の製造から、同じタイプであるが分子量と構造が異なる別の共重合体への容易な移行を可能にするほど、プロセスが柔軟でないことである。さらに、反応性比が大きく異なるモノマーを共重合させると、ポリマー構造が制御できなくなる(すなわち、単一ポリマー鎖中にランダム、統計およびブロック共重合体が混在する)。これは最終的に材料の特性に影響を与える。特定の連続プロセスが提案されたとしても、それらのプロセスは(US9346915B2やUS5525671Aのように)(超臨界)溶媒担体の使用を必要とするか、(US7119163B2のように)ホモポリマーのモノマー除去工程に主眼を置くか、または(US5882787AやUS5656718Aのように)押出しのような全く異なる技術を利用するかのいずれかであった。
したがって、本発明の目的は、開環重合によりポリ(ヒドロキシ酸)共重合体を連続的に製造する方法であって、比較的高分子量を有するポリ(ヒドロキシ酸)共重合体および/または複雑な分岐構造を有するポリ(ヒドロキシ酸)共重合体を調製する場合であっても、比較的短い反応時間しか必要としない、方法を提供することである。さらに、本方法は、同じ反応器システムで、必要性に応じて共重合体の分子量および構造を容易に変えることができ、その結果、特定の分子量と構造を有する特定の共重合体の製造から、同じタイプである別の共重合体への容易な移行、例えば線状共重合体から分岐共重合体への容易な移行が可能になる。
本発明によれば、この目的は、少なくとも2種の異なるモノマーを共重合する工程を含む、ポリ(ヒドロキシ酸)共重合体を連続的に製造する方法であって、少なくとも2種の異なるモノマーのうちの少なくとも1種は、反応器システム内で少なくとも1種の触媒の存在下で、ポリ(ヒドロキシ酸)共重合体への開環重合によるヒドロキシ酸の環状エステルであり、開環重合中に利用される少なくとも1種の触媒の全量に対する少なくとも2種の異なるモノマーの全量のモル比が10,000超であり、反応器システムは少なくとも2つの重合反応器を直列に含み、重合反応器のうちの少なくとも1つは連続撹拌槽型反応器、ループ反応器またはプラグフロー反応器であり、反応器システムのこれらの反応器のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つのミキサーおよび/または少なくとも1つの伝熱エレメントを含み、反応器システムは、そのそれぞれを通してモノマー組成物が反応器システムに供給される、少なくとも2つの異なる供給点を直列に含み、少なくとも2つの供給点のうちの1つを通して反応器システムに供給されるモノマー組成物は、そのモノマーに関して、少なくとも2つの供給点のうちの少なくとも1つの他の供給点を通して反応器システムに供給されるモノマー組成物とは異なる、方法を提供することによって満たされる。
この解決策は、1)連続プロセスを使用すること、2)開環重合中に利用される少なくとも1種の触媒の全量に対する少なくとも2種の異なるモノマーの全量のモル比が10,000超である、比較的高いモル比を使用すること、3)反応器システムであり、少なくとも2つの重合反応器を直列に含み、重合反応器のうちの少なくとも1つは、連続撹拌槽型反応器、ループ反応器またはプラグフロー反応器であり、これらの反応器のうちの少なくとも1つは、それぞれの反応器を流れる混合物を均一に混合および/または熱分配するための少なくとも1つのミキサーおよび/または少なくとも1つの伝熱エレメントを含む、反応器システムを使用すること、4)反応器システムにおいて、そのそれぞれを通してモノマー組成物が反応器システムに供給される、少なくとも2つの異なる供給点を直列に使用することであり、少なくとも2つの供給点のうちの1つを通して反応器システムに供給されるモノマー組成物は、そのモノマーに関して、少なくとも2つの供給点のうちの少なくとも1つの他の供給点を通して反応器システムに供給されるモノマー組成物とは異なる、少なくとも2つの異なる供給点を直列に使用すること、の組み合わせにより、ポリ(ヒドロキシ酸)共重合体を連続的に製造する方法において、システム内での全滞留時間を、少なくとも95%、さらには99.5%の全モノマー変換率を基準にして、通常の触媒を使用した場合でも、2時間、1.5時間、1時間未満、あるいはそれ未満に短縮することが可能になるという驚くべき発見に基づく。これは予想外であった。開環重合中に利用される少なくとも1種の触媒の全量に対する少なくとも2種の異なるモノマーの全量のモル比を増加させることによって、すなわちモノマー1モル当たりの触媒使用量を減少させることによって、滞留時間が延びる、すなわち、特定の変換率で、特定の分子量の共重合体を得るのに必要な時間が延びる、あるいは、最良の場合でも、変化しないと予想されていたからである。より詳細には、1つまたは複数の混合エレメントおよび/または伝熱エレメントを使用することにより、重合による反応器システム全体のコモノマー濃度の低下、および供給点後の成分の濃度上昇を除き、反応器システム内の著しい熱勾配および濃度勾配を伴わずに、反応器システム内の均一な混合物を確保することが可能になる。それにより、反応物の効果的な混合と、高粘度反応混合物からの効率的な熱除去が保証され、最大で220℃の、またはそれ以上の比較的高い反応温度で、かつ触媒の濃度が低い場合であっても、反応器システム内における反応混合物の成分の望ましくない分解や、着色副生成物のような望ましくない副生成物の生成なしに、プロセスは確実に制御可能で安定したままである。さらに、前述の4つの特徴における特定の組み合わせ、特に少なくとも2つの異なる供給点を設けること、特定の反応器システムおよび連続的な開環重合により、以下にさらに詳述するように、同じ反応器システムで、共重合体の分子量および構造を必要に応じて容易に適合させることができる。換言すれば、本発明による方法で、例えば、温度、開始剤含有量および/もしくは触媒含有量、ならびに/または1種もしくは複数のモノマー、触媒および/もしくは任意選択の開始剤が反応器に添加される供給点の数および/もしくは位置を変えることによって、異なる分子量(グレード)、構造および組成の共重合体を、同じ反応器システムで生成することが可能になる。したがって、1つの同じ反応器システムで、分子量の異なる共重合体、線状または分岐状の共重合体、共重合体の場合はランダム共重合体またはブロック共重合体の形態を生成することができる。特に、本方法は、乳酸とカプロラクトンとの線状共重合体のような特定の分子量と構造を有する特定の共重合体の製造から、乳酸とカプロラクトンとの分岐共重合体のような、同じタイプである別の共重合体への容易な移行を可能にすることができる。より詳細には、少なくとも1つの連続撹拌槽型反応器、少なくとも1つのループ反応器および/または少なくとも1つのプラグフロー反応器にコモノマーを供給するために2つ以上の供給点を使用することによって、ならびに任意選択の開始剤を適切に選択することによって、ポリマーアーキテクチャーの設計を必要に応じて調整することができ、供給点の数により、ポリマー鎖のランダム性および/またはポリマー鎖のブロックの数が制御される。モノマー、触媒、任意選択の開始剤の、各供給点間における滞留時間を調整し、触媒と任意選択の開始剤の量を適切に調整することにより、ブロックの鎖長、ひいては共重合体の分子量を制御することができる。さらに、初期および中間供給組成物を調整することにより、ポリマー鎖の組成および構造ならびに反応速度を制御することができる。さらに、適切な種類の開始剤を使用することにより、共重合体が線状となるか分岐状となるかを制御することができる。前述の理由から、本発明による方法は、ポリ(ヒドロキシ酸)共重合体を生成するのに適している。このような共重合体は、通常、線状ポリ乳酸よりも脆くなく、高い強靭性および耐衝撃性を有するため、線状ポリ乳酸と比較して優れている。このような共重合体、例えば分岐共重合体は、たとえ製造できたとしても、従来技術による方法では困難である。
反応器システムとは、本発明によれば、プロセスに使用される供給点を含むすべての反応器およびそれらを互いに接続するラインの組み合わせを意味する。すなわち、例えば、プロセスが実施される少なくとも1つの連続撹拌槽型反応器および/または少なくとも1つのループ反応器および/または少なくとも1つのプラグフロー反応器の組み合わせを意味する。
本発明による少なくとも1つのプラグフロー反応器とは、1つまたは複数の供給点を有するプラグフローセクションを意味する。
供給点とは、本発明によれば、モノマーならびに任意選択で触媒および/または開始剤および/または1つもしくは複数の他の成分を含む混合物を反応器システムに、すなわち反応器システムの反応器のうちの1つに、または反応器システムにおける2つの反応器の間の接続ラインに、または最も下流の反応器に通じるラインに供給することが可能になる任意の設備である。特に、供給点は供給ラインである。
ポリ(ヒドロキシ酸)共重合体とは、第1のモノマーとして少なくとも1つのヒドロキシ酸環状エステル、第1のモノマーとは異なる少なくとも1種の第2のモノマー、第2のモノマーから独立して、(異なる)ヒドロキシ酸環状エステル、またはヒドロキシ酸環状エステルではない別のモノマーを含む任意のポリマーを意味する。コモノマーの一例は、ポリエチレングリコールである。好ましくは、ポリ(ヒドロキシ酸)共重合体は2種以上の異なるモノマーを含み、各モノマーは(異なる)ヒドロキシ酸環状エステルである。
本発明によれば、反応器システムは、そのそれぞれを通してモノマー組成物が反応器システムに供給される、少なくとも2つの異なる供給点を直列に含む。しかし、これは、モノマー組成物が、1種または複数のモノマーに加えて、触媒、開始剤などのさらなる成分を含むことを除外するものではない。換言すれば、モノマー組成物は少なくとも1種のモノマーを含有するが、任意の他の成分をさらに含有してもよい。実際には、モノマー組成物のうちの少なくとも1種、好ましくはすべてのモノマー組成物が、触媒、開始剤、および任意選択でさらなる成分を含むことが好ましい。
本発明によれば、少なくとも2つの重合反応器を直列に含む反応器システムは、そのそれぞれを通してモノマー組成物が反応器システムに供給される、少なくとも2つの異なる供給点を直列にさらに含み、少なくとも2つの供給点のうちの1つを通して反応器システムに供給されるモノマー組成物は、そのモノマーに関して、少なくとも2つの供給点のうちの少なくとも1つの他の供給点を通して反応器システムに供給されるモノマー組成物とは異なる。これは、本発明によれば、少なくとも2つの供給点のうちの1つを通して反応器システムに供給される第1のモノマー含有組成物が、(該組成物が1種もしくは複数の触媒、1種もしくは複数の開始剤、ならびに/または1種もしくは複数のさらなる非モノマー成分を含有するか否かにかかわらず)少なくとも2つの供給点のうちの少なくとも1つの他の供給点に供給される、さらなる、第2のモノマー含有組成物とは、その含有モノマーに関して異なることを意味する。その含有モノマーに関して異なるとは、i)第1の組成物が第2の組成物とは異なるモノマーを含有すること、またはii)第1の組成物が2種以上の異なるモノマーを含有し、これらのうちの1種が第2の組成物に含有されるモノマーとは異なること、またはiii)第1および第2の組成物が、モノマーの化学的性質に差のない2種以上のモノマーの混合物を含有し、第1の組成物における2種以上のモノマーのモル比が第2の組成物における2種以上のモノマーのモル比と異なることを意味する。
したがって、反応器システムが、そのそれぞれを通してモノマー組成物が反応器システムに供給される、2つ以上の異なる供給点を直列に含むことが可能であり、少なくとも2つの供給点のうちの1つを通って反応器システムに供給される第1のモノマー組成物は第1のモノマーを含有し、少なくとも2つの供給点のうちの別の1つを通って反応器システムに供給される第2のモノマー組成物は、その化学的性質に関して第1のモノマーとは異なる第2のモノマーを含有する。あるいは、第1のモノマー組成物は第1のモノマーを含んでもよく、第2のモノマー組成物は第1のモノマーと、その化学的性質に関して第1のモノマーとは異なる第2のモノマーとの混合物を含んでもよい。あるいは、第1のモノマー組成物は、第1のモノマーと、その化学的性質に関して第1のモノマーとは異なる第2のモノマーとの混合物を、第1のモノマーと第2のモノマーとの第1のモル比で含み、第2のモノマー組成物は、同じ第1のモノマーと第2のモノマーとの混合物を、第2のモル比で含み、第1のモル比と第2のモル比とが互いに異なっていてもよい。
本発明の例示的な実施形態によれば、少なくとも2つの供給点のうちの少なくとも1つを通して、少なくとも2種の異なるモノマーのうちの2種以上の混合物を含むモノマー組成物が供給される。
本発明の別の例示的な実施形態によれば、少なくとも2つの供給点のうちの少なくとも2つ、好ましくは少なくとも2つの供給点のすべてを通して、少なくとも2種の異なるモノマーのうちの2種以上の混合物を含むモノマー組成物が供給される。
本発明の別の例示的な実施形態によれば、少なくとも2つの供給点のうちの1つを通して、少なくとも2種の異なるモノマーのうちの2種以上の混合物であり、異なるモノマーの第1のモル比を有する、混合物を含むモノマー組成物が供給され、少なくとも2つの供給点のうちの別の1つを通して、同じ異なるモノマーの混合物であり、異なるモノマーの第2のモル比を有する、混合物を含むモノマー組成物が供給され、第1のモル比は第2のモル比とは異なる。
本発明の例示的な実施形態によれば、反応器システムは、そのそれぞれを通してモノマー組成物が反応器システムに供給される、少なくとも3つの異なる供給点を直列に含み、少なくとも3つの供給点のうちの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、より好ましくは少なくとも3つを通して、少なくとも2種の異なるモノマーのうちの2種以上を含有するモノマー組成物が供給される。
好ましくは、前述の実施形態において、少なくとも3つの供給点のうちの1つを通して、少なくとも2種の異なるモノマーのうちの2種以上の混合物であり、異なるモノマーの第1のモル比を有する、混合物を含むモノマー組成物が供給され、少なくとも3つの供給点のうちの別の1つを通して、同じ異なるモノマーの混合物であり、異なるモノマーの第2のモル比を有する、混合物を含むモノマー組成物が供給され、第1のモル比は第2のモル比とは異なる。
前述の実施形態の別の変形例によれば、少なくとも3つの供給点のうちの1つを通して、少なくとも2種の異なるモノマーのうちの2種以上の混合物であり、異なるモノマーの第1のモル比を有する、混合物を含むモノマー組成物が供給され、少なくとも3つの供給点のうちの別の1つを通して、同じ異なるモノマーの混合物であり、異なるモノマーの第2のモル比を有する、混合物を含むモノマー組成物が供給され、少なくとも3つの供給点のうちの別の1つを通して、1種のモノマーのみ、または同じ異なるモノマーの混合物であり、異なるモノマーの第3のモル比を有する、混合物を含むモノマー組成物が供給され、第1のモル比、第2のモル比および第3のモル比は互いに異なる。
好ましくは、反応器システムは、最も上流の反応器より上流に第1の供給点を含み、その下流に第2の供給点を含む。より好ましくは、第2の供給点は、最も上流の反応器の下流であるが、その次の下流の反応器の上流に位置する。
例えば、反応器システムは、少なくとも3つの反応器、すなわち、少なくとも第1の反応器、その下流に第2の反応器、およびその下流に第3の反応器を含み、第1の供給点は第1の反応器の上流に位置し、第2の供給点は第1の反応器の下流であるが第2の反応器の上流に位置し、第3の供給点は第2の反応器の下流であるが第3の反応器の上流に位置する。
上記のように、本発明による方法は、特に、少なくとも2種の異なるモノマーが、少なくとも1種の触媒および任意選択で少なくとも開始剤の存在下において、反応器システム中で開環重合により重合されて分岐ポリ(ヒドロキシ酸)共重合体になるように操作されるのが好適である。特に、本方法は、ランダム共重合体、ブロック共重合体またはそれらの組み合わせが生成されるように操作することができる。特別な利点として、本発明による方法で調製した分岐ポリ(ヒドロキシ酸)共重合体は、発泡可能な共重合体として使用することができる。
あるいは、本方法は、少なくとも2種の異なるモノマーを、少なくとも1種の触媒および任意選択で少なくとも開始剤の存在下において、反応器システム中で開環重合により重合させて、線状ポリ(ヒドロキシ酸)共重合体にするように操作することもできる。
本発明の第1の好ましい変形例によれば、少なくとも2種の異なるモノマーの第1の部分は、第1のモノマー組成物として、最も上流の反応器より上流の反応器システムに(任意選択で触媒および任意選択で開始剤と共に)添加され、少なくとも2種の異なるモノマーの残りが、第2のモノマー組成物として、その下流の反応器システムに、すなわち、最も上流の反応器より下流の位置にある反応器に、または少なくとも2種の異なるモノマーの第1の部分が添加される位置より下流にある最も上流の反応器に、または反応器のうちの2つを接続する接続ラインに(任意選択で触媒および任意選択で開始剤と共に)添加される。i)上流端に1つの連続撹拌槽型反応器および/または1つのループ反応器、ならびにii)その下流に少なくとも1つの連続撹拌槽型反応器および/または少なくとも1つのループ反応器および/または少なくとも1つのプラグフロー反応器を含む反応器システムの場合、第2のモノマー組成物は、好ましくは最も上流の反応器(i)の下流であって、その次の下流の反応器(ii)の上流で反応器システムに添加される。例えば、反応器システムは、上流の連続撹拌槽型反応器と、その下流のプラグフロー反応器とを含む。この場合、第1のモノマー組成物は、連続撹拌槽型反応器の上流の反応器システムに添加され、第2のモノマー組成物は、連続撹拌槽型反応器の下流であるがプラグフロー反応器の上流の反応器システムに添加される。
前述の実施形態において好ましいのは、第1のモノマー組成物が、2種の異なるモノマー(例えば、i)ラクチドおよびii)カプロラクトンまたはグリコリド)の混合物であり、2種の異なるモノマーの第1のモル比を有する、混合物で、第2のモノマー組成物が、第1のモノマー組成物と同じ2種の異なるモノマー(例えば、i)ラクチドとii)カプロラクトンまたはグリコリド)の混合物であるが、2種の異なるモノマーの第2のモル比を有する、混合物で、第2のモル比は第1のモル比とは異なることである。
本発明の第2の好ましい変形例によれば、少なくとも2種の異なるモノマーの第1の部分は、第1のモノマー組成物として、最も上流の反応器より上流の反応器システムに添加され、少なくとも2種の異なるモノマーの第2の部分は、第2のモノマー組成物として、最も上流の反応器より下流であるが、最も下流の反応器より上流にある反応器において反応器システムに添加されるか、または、第1のモノマー組成物が添加される位置の下流であるが、反応器システムの最も下流の部分より上流の位置にある反応器のいずれかに添加され、少なくとも2種の異なるモノマーの残りが、第3のモノマー組成物として、第2のモノマー組成物が添加される反応器の下流にある反応器において反応器システムに添加されるか、または第2のモノマー組成物が添加される位置の下流の位置にある反応器のいずれかにおいて反応器システムに添加される。i)上流端に1つの連続撹拌槽型反応器または1つのループ反応器、ii)その下流にプラグフローセクション、および2つの供給点を含む反応器システムの場合、第1のモノマー組成物は、連続撹拌槽型反応器または1つのループ反応器の上流で反応器システムに添加され、モノマー組成物は、連続撹拌槽型反応器または1つのループ反応器の下流であるが、プラグフローセクションの上流で第1の供給点において反応器システムに添加され、第3のモノマー組成物は、第1の供給点の下流に位置するプラグフローセクションで第2の供給点において反応器システムに添加される。
前述の実施形態において好ましいのは、第1のモノマー組成物が、2種の異なるモノマー(例えば、i)ラクチドおよびii)カプロラクトンまたはグリコリド)の混合物であり、2種の異なるモノマーの第1のモル比を有する、混合物を含み、第2のモノマー組成物が、第1の部分と同じ2種の異なるモノマー(例えば、i)ラクチドとii)カプロラクトンまたはグリコリド)の混合物であるが、2種の異なるモノマーの第2のモル比を有する、混合物を含み、第2のモル比は第1のモル比とは異なり、第3のモノマー組成物が、第1および第2のモノマー組成物と同じ2種の異なるモノマー(例えば、i)ラクチドとii)カプロラクトンまたはグリコリド)の混合物であるが、2種の異なるモノマーの第3のモル比を有する、混合物を含み、第3のモル比は、第1のモル比とは異なり、かつ第2のモル比とも異なることである。
あるいは、第2の変形例において、第1のモノマー組成物が、2種の異なるモノマー(例えば、i)ラクチドおよびii)カプロラクトンまたはグリコリド)の混合物であり、2種の異なるモノマーの第1のモル比を有する、混合物を含み、第2のモノマー組成物が、第1の部分と同じ2種の異なるモノマー(例えば、i)ラクチドとii)カプロラクトンまたはグリコリド)の混合物であるが、2種の異なるモノマーの第2のモル比を有する、混合物を含み、第2のモル比は第1のモル比とは異なり、第3のモノマー組成物が、2種の異なるモノマー(例えば、ラクチド、カプロラクトンまたはグリコリド)のうちの1種のみを含んでもよい。
上記したように、本発明の特別な利点はまた、本方法が、乳酸とカプロラクトンの線状共重合体または乳酸とグリコール酸の線状共重合体のような特定の分子量と構造を有する特定の共重合体の製造から、i)乳酸およびii)カプロラクトンまたはグリコール酸の分岐共重合体のような、同じタイプの別の共重合体に容易に変更できることである。これは特に、同じ反応器システムを使用して容易に一緒に組み合わせることができる前述の変形例によって示される。例えば、上流の連続撹拌槽型反応器とその下流のプラグフローセクション、および2つの供給点を含む反応器システムは、まず、触媒と開始剤をさらに含むモノマー組成物中にモノマーとしてラクチドとカプロラクトン(またはグリコリド)のみを添加し、連続撹拌槽の上流端において反応器システムに添加することによって操作することができる。プロセスの終了後、同じ反応器システムを容易に変更して、ラクチドとカプロラクトン(またはグリコリド)の第1のモル比を有するラクチド、カプロラクトン、触媒および開始剤を含む第1のモノマー組成物を連続撹拌槽型反応器の上流端における第1の供給点で添加し、ラクチドとカプロラクトン(またはグリコリド)の第2のモル比を有するラクチド、カプロラクトン(またはグリコリド)、触媒および開始剤を含む第2のモノマー組成物を、プラグフローセクションの上流端における第2の供給点で添加し、ラクチドとカプロラクトン(またはグリコリド)の第3のモル比を有するラクチド、カプロラクトン(またはグリコリド)、触媒および開始剤の第3の混合物を、第1および第2の供給点の下流にある第3の供給点でプラグフローセクション内に添加する。その後、前述の実施形態の変形例において、プラグフローセクション内の第3の供給点で、ラクチド、カプロラクトン(またはグリコリド)、触媒および開始剤を含む第3のモノマー組成物の代わりに、i)ラクチドまたはii)カプロラクトン(またはグリコリド)のいずれか一方と、任意選択で触媒および/または開始剤とを含むモノマー組成物を、プラグフローセクション内の第3の供給点で添加して、反応器システムの最も下流に添加されたモノマーからなる規定された末端ブロックを有する共重合体が得られるように、プロセスを変化させてもよい。
本発明の思想をさらに発展させると、開環重合中の少なくとも2種の異なるモノマーからポリ(ヒドロキシ酸)共重合体への全体的な変換率が、少なくとも85.0%、好ましくは少なくとも90.0%、より好ましくは少なくとも95.0%、さらに好ましくは少なくとも97.0%、さらに好ましくは少なくとも99.0%、最も好ましくは99.0超~99.5%であるようにプロセスを操作することが提案される。
モノマーの変換率の経時変化は、本発明によれば、例えば以下の手順でガスクロマトグラフィー(GC)により監視することができる。約100mgの試料を秤量し、内標準物質として30mgの1-オクタノールを含有する10mLのDCMに溶解する。この溶液1mLを95:5(v/v)ヘキサン/アセトン混合溶液10mLに沈殿させる。その後、混合懸濁液1.5mlを0.45μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルタでろ過し、測定に用いた。モノマーのうちの1つとしてグリコリドを用いて生成したポリマーの場合、試料100mgを秤量し、内標準物質として1-オクタノール30mgを含有するテトラヒドロフラン(THF)20mlに溶解する。この溶液2mlをメタノール10mlに沈殿させる。その後、混合懸濁液1.5mlを0.45μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルタでろ過し、測定に用いる。測定は、オートサンプラー、インジェクターチャネル、オーブン、炎イオン化検出器(FID)を含みたGC Clarus 580(Perkin Elmer社(UK)製)を使用して実施される。GCカラムはJ&W DB-17MS(Agilent社)である。担体ガスはヘリウム(99.999%、流量1ml/min)、燃料ガスはろ過後の精製空気(BEKO Technologies社(Germany)製Drypoint M、流量450ml/min)および水素(水電解由来、流量45ml/min)である。インジェクター温度は180℃に固定され、検出器は350℃に設定されている。
好ましくは、開環重合中に利用される少なくとも1種の触媒の全量に対する少なくとも2種の異なるモノマーの全量(すなわち、すべてのコモノマーの全量)のモル比は、少なくとも11,000である。より好ましくは、対応するモル比は少なくとも12,000、さらに好ましくは少なくとも15,000、さらに好ましくは少なくとも20,000、さらに好ましくは少なくとも25,000、最も好ましくは少なくとも27,000、例えば約28,000である。特に、対応するモル比が280,000未満、より好ましくは140,000未満、最も好ましくは56,000未満であるとき、良好な結果が得られる。
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、開環重合の少なくとも一部は160℃以上の温度で行われる。例えば、少なくとも1つの連続撹拌槽型反応器および/または少なくとも1つのループ反応器および/または少なくとも1つのプラグフロー反応器の一部内における開環重合の温度は160℃以上であってもよく、一方、少なくとも1つの連続撹拌槽型反応器および/または少なくとも1つのループ反応器および/または少なくとも1つのプラグフロー反応器における別の部分の温度は160℃未満であってもよい。あるいは、少なくとも1つの連続撹拌槽型反応器および/または少なくとも1つのループ反応器および/または少なくとも1つのプラグフロー反応器の全体における開環重合の温度は、160℃以上であってもよい。しかしながら、反応器システムにおけるすべての反応器全体の温度、すなわち、連続撹拌槽型反応器、ループ反応器、プラグフロー反応器および任意選択でさらなる反応器のすべてにおいて、160℃以上であることが最も好ましい。商業的な製造プロセスで使用される温度範囲と比較してわずかに高いこの温度範囲を調整することにより、反応速度を向上させ、反応時間を短縮することができる。すなわち、反応器システム内の反応混合物の滞留時間を短縮することができるが、驚くべきことに、これはプロセスが制御不能になる(反応器システム内の混合物の成分、特に生成された共重合体の分解、着色副生成物の形成などを引き起こす)ことなく達成される。いかなる理論にも拘束されることを意図するものではないが、これは触媒に対するモノマーのモル比が高いため、すなわち反応混合物中の触媒濃度が比較的低いためであると考えられる。換言すれば、反応混合物中の触媒濃度を比較的低くすることにより、制御不能なプロセスにつながることなく、反応温度を少なくともわずかに上昇させることができると考えられる。特に、少なくとも160℃の温度、好ましくは160℃~220℃の温度、より好ましくは170℃以上~215℃の温度、さらに好ましくは175℃以上~210℃の温度、最も好ましくは180℃以上~200℃の温度で、開環重合が少なくとも部分的に、より好ましくは完全に行われるとき、良好な結果が得られる。
本発明の別の好ましい実施形態によれば、開環重合中に利用される少なくとも1種の触媒の含有量は、反応混合物を基準として0ppm超200ppm以下である。反応系にモノマーおよび/または触媒を添加するための2つ以上の供給点が存在するため、反応混合物中の触媒の濃度は、第1の供給点の下流においてより高くてもよく、反応系内における任意の位置での合計で反応混合物中の開環重合中に利用される少なくとも1種の触媒の最大量は、反応混合物を基準として0ppm超200ppm以下である。特に、開環重合中に利用される少なくとも1種の触媒の含有量が1ppm~180ppm、より好ましくは10ppm~150ppm、さらに好ましくは20ppm~100ppm、最も好ましくは50ppm~100ppmであるとき、良好な結果が得られる。
本発明において、使用するモノマーのタイプに関しては特に限定されない。好ましくは、少なくとも2種の異なるモノマーのうちの少なくとも1種、好ましくは少なくとも2種の異なるモノマーのすべては、ラクチド、グリコリド、カプロラクトン、バレロラクトン、デカノラクトン、ブチロラクトン、ドデカラクトン、オクタノラクトン、および前述の化合物のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群から選択される環状エステルである。より好ましくは、2種の異なるモノマーのうちの少なくとも1種、好ましくは少なくとも2種の異なるモノマーのすべては、L-ラクチド、D-ラクチド、meso-ラクチド、ラクチドラセミ混合物、グリコリド、ε-カプロラクトン、γ-カプロラクトン、δ-バレロラクトン、γ-バレロラクトン、5-デカノラクトン、δ-デカノラクトン、δ-ブチロラクトン、δ-ドデカラクトン、5-ドデカラクトン、δ-オクタノラクトン、ω-ペンタデカラクトン、および前述の化合物のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群から選択される環状エステルである。非環状モノマーの例は、ポリエチレングリコール、メチルポリエチレングリコールおよび2-ヒドロキシエチルメタクリレートであり、これらは、ラクチド、グリコリド、カプロラクトンおよびそれらの組み合わせなどの、上述の環状エステルのうちの少なくとも1つと反応することができる。
さらに好ましくは、開環重合中に、i)ラクチドとカプロラクトンを重合させてポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)を製造するか、またはii)ラクチドとグリコリドを重合させてポリ(ラクチド-co-グリコリド)を製造する。さらに好ましくは、少なくとも2種の異なるモノマーは、i)L-ラクチド、D-ラクチド、meso-ラクチド、ラクチドラセミ混合物、前述の化合物の2種以上の任意の組み合わせから選択される少なくとも1つの化合物と、ε-カプロラクトンおよび/もしくはγカプロラクトンとの混合物、またはii)L-ラクチド、D-ラクチド、meso-ラクチド、ラクチドラセミ混合物、および前述の化合物のうちの2つ以上の任意の組み合わせから選択される少なくとも1つの化合物とグリコリドとの混合物である。
本発明の別の実施形態によれば、開環重合中に、L-ラクチド、D-ラクチドおよびmeso-ラクチドから選択される化合物を、L-ラクチド、D-ラクチドおよびmeso-ラクチドから選択される別の異なる化合物と重合させる。例えば、L-ラクチドとD-ラクチドを重合させてポリ(L-ラクチド-co-D-ラクチド)を製造したり、L-ラクチドとmeso-ラクチドを重合させてポリ(L-ラクチド-co-meso-ラクチド)を製造したりする。
原則として、本発明において、使用する触媒の化学的性質に関しては特に限定されない。特に、触媒が少なくとも1種の有機金属化合物である場合、良好な結果が得られる。特に、触媒が、マグネシウム、チタン、亜鉛、アルミニウム、インジウム、イットリウム、スズ、鉛、アンチモン、ビスマス、および前述の金属のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群から選択される金属を含む少なくとも1種の有機金属化合物であるとき、良好な結果が得られる。少なくとも1種の有機金属化合物は、好ましくは、有機残基として、アルキル基、アリール基、ハロゲン化物、酸化物、アルカノエート、アルコキシド、および前述の基のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群から選択される残基を含む。
より好ましくは、触媒は、金属としてアルミニウムおよび/またはスズを含む少なくとも1種の有機金属化合物である。さらに好ましくは、触媒は、オクタン酸スズ、テトラフェニルスズ、ブチルスズトリメトキシド、ジブチルスズオキシド、アルミニウムイソプロポキシド、1≦p≦3のAl(O-i-Pr)、1≦p≦3のEt-pAl(O(CHX)、α、β、γ、δ、εテトラフェニルポルフィナートアルミニウム(TPPIAIX)、および前述の化合物のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種の有機金属化合物である。触媒として特に好適なのは、スズ(II)2-エチルヘキサノエートなどのオクタン酸スズである。
本発明のさらに特に好ましい実施形態によれば、開環重合中に少なくとも1種の開始剤が存在するため、重合工程は、少なくとも2種の異なるモノマーが、少なくとも1種の触媒および少なくとも1種の開始剤の存在下において、反応器システム中で重合されることを含む。
少なくとも1種の開始剤は、好ましくはヒドロキシ化合物であり、より好ましくは、モノヒドロキシ化合物、ジヒドロキシ化合物、トリヒドロキシ化合物、テトラヒドロキシ化合物および前述の化合物のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群から選択されるヒドロキシ化合物である。少なくとも1種のヒドロキシ化合物の官能性によって、得られる共重合体の設計を調整することができる。モノヒドロキシ化合物を使用する場合、線状共重合体が生成されるが、1種または複数のジヒドロキシ化合物、トリヒドロキシ化合物および/またはテトラヒドロキシ化合物を使用することによって分岐共重合体を生成することができる。
特に、少なくとも1種の開始剤が、2-エチルヘキサノール、1-デカノール、C10~C20-モノヒドロキシ脂肪族アルコール、ベンジルアルコール、p-フェニルベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタン-1,4-ジオール、重量平均分子量が200~10,000g/molのポリ(エチレングリコール)、2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパン、グリセロール、重量平均分子量が100~1,000g/molのポリグリセロール、トリヒドロキシベンゼン(フロログルシノール)、トリメチロールプロパンおよびそのダイマー、ペンタエリスリトールおよびそのダイマー、および前述の化合物のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群から選択されるとき、良好な結果が得られる。
本発明の思想をさらに発展させると、開環重合中に利用される少なくとも1種の開始剤の全量に対する少なくとも2種の異なるモノマーの全量のモル比が100~10,000であることが提案される。より好ましくは、開環重合中に利用される少なくとも1種の開始剤の全量に対する少なくとも2種の異なるモノマーの全量のモル比は、300~10,000、さらに好ましくは500~10,000、最も好ましくは500~3,000である。
開環重合中に利用される少なくとも1種の開始剤の全量はまた、それぞれ0.1~50meq未満または0.1~50mmol/kg未満、好ましくはそれぞれ0.5~40meqまたはmmol/kg、より好ましくはそれぞれ1~30meqまたはmmol/kg、最も好ましくはそれぞれ10~20meqまたはmmol/kgと表すことができる。
本発明によれば、少なくとも2つの重合反応器を直列に含む反応器システムは、少なくとも1つの連続撹拌槽型反応器および/または少なくとも1つのループ反応器および/または少なくとも1つのプラグフロー反応器の、任意の可能な組み合わせを含みてもよい。好ましくは、反応器システムは、直列にi)上流端に1つの連続撹拌槽型反応器または1つのループ反応器、およびii)その下流に少なくとも1つの連続撹拌槽型反応器および/または少なくとも1つのループ反応器および/または少なくとも1つのプラグフロー反応器を含む。例えば、反応器システムは、上流から下流に向かって見て、直列にi)3つの連続撹拌槽型反応器、ii)3つのループ反応器、iii)好ましくは2つの供給点を有する連続撹拌槽型反応器およびプラグフローセクション、またはiv)好ましくは2つの供給点を有するループ反応器およびプラグフローセクションを含む。前述の反応器のうち、隣接する任意の2つの反応器の間にポンプが設けられていてもよい。
本発明のさらに特に好ましい実施形態によれば、反応器システムは、i)上流端に1つまたは複数の連続撹拌槽型反応器、およびii)その下流に少なくとも1つのプラグフロー反応器を含む。あるいは、反応器システムは、i)上流端に1つまたは複数のループ反応器、およびii)その下流に少なくとも1つのプラグフロー反応器を含みてもよい。あるいは、反応器システムは、i)上流端に1つの連続撹拌槽型反応器または1つのループ反応器、ii)その下流に1つもしくは複数の連続撹拌槽型反応器および/または1つもしくは複数のループ反応器、iii)その下流にプラグフロー反応器を含みてもよい。これにより、反応器システム内に複数の供給点を効率的に配置することができ、規定の設計、組成および分子量の共重合体を生成することができる。さらに、乳酸とカプロラクトンの線状共重合体のような特定の分子量と構造を有する特定の共重合体の製造から、乳酸とカプロラクトンの分岐共重合体のような、同じタイプである別の共重合体の製造にプロセスを容易に変更できるように、反応プラント内の1つまたは複数の供給点を容易に変更することができる。前述の反応器のうち、隣接する任意の2つの反応器の間にポンプが設けられていてもよい。
好ましくは、反応器システムは、1つまたは2つの連続撹拌槽型反応器と、その下流のプラグフロー反応器セクションを含み、反応器システムは2つ以上の供給点を含む。あるいは、反応器システムは、好ましくは、1つまたは2つのループ反応器とその下流のプラグフロー反応器セクションを含み、反応器システムは2つ以上の供給点を含む。例えば、反応器システムは、1つのループ反応器とその下流のプラグフロー反応器セクションを含み、反応器システムは2つの供給点を含む。例えば、反応器システムは、1つの連続撹拌槽型反応器とその下流のプラグフロー反応器セクションを含み、反応器システムは2つの供給点を含む。前述の反応器のうち、隣接する任意の2つの反応器の間にポンプが設けられていてもよい。
本発明によれば、反応器システムは、少なくとも1つのミキサーおよび/または少なくとも1つの伝熱エレメントを含む。すなわち、好ましくは、反応器システムの少なくとも1つの連続撹拌槽型反応器、少なくとも1つのループ反応器または少なくとも1つのプラグフロー反応器のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つのミキサーおよび/または少なくとも1つの伝熱エレメントを含む。ミキサーは、スタティックミキサー、ダイナミックミキサー、またはその両方の組み合わせであってもよい。
好ましくは、反応器システムの反応器の少なくとも50%、より好ましくは少なくとも75%、最も好ましくはすべてが、少なくとも1つのミキサーおよび/または少なくとも1つの伝熱エレメントを含み、より好ましくは、少なくとも1つのミキサーおよび少なくとも1つの伝熱エレメントを含む。より好ましくは、連続撹拌槽型反応器(存在する場合)のいずれかがダイナミックミキサーを含み、好ましくは伝熱エレメントも含み、ループ反応器(存在する場合)のいずれか、およびプラグフロー反応器(存在する場合)のいずれかが、少なくとも1つのスタティックミキサーを含み、より好ましくは少なくとも1つの伝熱エレメントも含む。ミキサーと伝熱エレメントは組み合わせることができる。すなわち、スタティックミキサーは中空パイプでできており、反応混合物が中空パイプの間に形成された領域を通過するときに混合されるように形成されている。中空パイプを通して伝熱媒体を送ることにより、中空パイプは伝熱エレメントとしても機能する。したがって、反応器システムが、直列に、i)上流端に、少なくとも1つのダイナミックミキサーおよび/もしくは伝熱エレメントを含む1つの連続撹拌槽型反応器、または少なくとも1つのスタティックミキサーおよび/もしくは伝熱エレメントを含む1つのループ反応器、ならびにii)その下流に、少なくとも1つのダイナミックミキサーおよび/もしくは伝熱エレメントを含む少なくとも1つの連続撹拌槽型反応器、ならびに/または少なくとも1つのスタティックミキサーおよび/もしくは伝熱エレメントを含む少なくとも1つのループ反応器、ならびに/または少なくとも1つのスタティックミキサーおよび/もしくは伝熱エレメントを含む少なくとも1つのプラグフロー反応器を含むことが特に好ましい。最も好ましくは、反応器システムは、上流から下流に向かって見て、直列にi)各々が少なくとも1つのダイナミックミキサーと、任意選択で伝熱エレメントとを含む3つの連続撹拌槽型反応器、ii)各々が少なくとも1つのスタティックミキサーと、任意選択で伝熱エレメントとを含む3つのループ反応器、iii)好ましくは2つの供給点を有し、少なくとも1つのダイナミックミキサーと、任意選択で伝熱エレメントとを含む連続撹拌槽型反応器、および少なくとも1つのスタティックミキサーと、任意選択で伝熱エレメントとを含む、プラグフローセクション、またはiv)好ましくは2つの供給点を有し、各々が少なくとも1つのスタティックミキサーと、任意選択で伝熱エレメントとを含む、ループ反応器と、プラグフローセクションを含む。前述の反応器のうち、隣接する任意の2つの反応器の間にポンプが設けられていてもよい。
上述したように、連続撹拌槽型反応器に使用されるミキサーは、好ましくはダイナミックミキサー、すなわち、可動部分、特に回転部分を含むミキサーである。ダイナミックミキサーは、インペラ型のダイナミックミキサーであってもよく、例えば、1つもしくは複数のパドル型インペラ、1つもしくは複数のアンカー型インペラ、1つもしくは複数のゲート型インペラおよび/または1つもしくは複数のヘリカル型インペラを含むダイナミックミキサーが好ましい。
さらに上述したように、ループ反応器またはプラグフロー反応器に使用されるミキサーは、好ましくはスタティックミキサー、すなわち、可動部分、特に回転部分を含みないミキサーである。スタティックミキサーは、通常、静的、すなわちプレート、バー、クロスバー、バッフル、らせん状に形成された偏向(deflection)手段、グリッドなどのような非可動エレメントによる乱流を発生させることによって混合効果を生み出す。スタティックミキサーの好適な例は、X型スタティックミキサー、スパイラル/ヘリカル型スタティックミキサー、クワトロ型スタティックミキサー、バッフルプレート型スタティックミキサー、タービュレーターストリップス型スタティックミキサー、および上記のミキサータイプのうちの2つ以上の任意の組み合わせである。X型スタティックミキサーは、平面図および/または側面図および/または断面図がX字形状を有するバー、クロスバー、プレートなどの形態の偏向手段を含む。このようなX型スタティックミキサーは、例えばWO2010/066457A1、EP1206962A1、EP2158027B1、およびEP0655275B1に記載されており、Sulzer Chemtech社(Winterthur、Switzerland)からSMX、SMXL、およびSMX plusの商品名で、またFluitec社(Neftenbach、Switzerland)からCSE-Xの商品名で市販されている。スパイラル/ヘリカル型スタティックミキサーは、らせん状に形成された偏向手段を有し、例えばUS3,743,250Aに記載されている。一方、クワトロ型スタティックミキサーは、チャンバ状混合セクションを形成する偏向手段を含み、例えばEP2548634B1およびEP0815929B1に記載されている。バッフルプレート型スタティックミキサーは、通常、長手方向の偏向手段を含み、例えばEP1510247B1およびUS4,093,188Aに記載されている一方、タービュレーターストリップス型スタティックミキサーは、管内に複数の細長いストリップを含み、各ストリップは、例えば実質的に三角形の橋渡し部分によって連続的に結合された一連の交互偏向パネルによって形成され、ストリップは、一緒に保持され、交互の橋渡し部分によって実質的に管の軸に固定され、他の橋渡しセクションは、管の内壁に隣接して配置されており、例えばUS4,296,779Aに記載されている。他の好適なスタティックミキサーは、Sulzer Chemtech社からCompaX、SMI、KVM、SMVおよびGVMの商品名で、またStamixco社(Wollerau、Switzerland)からGVMの商品名で販売されている。
本発明の思想をさらに発展させると、伝熱エレメントとしてチューブバンドル熱交換器を使用することが提案される。好ましくは、伝熱エレメントのチューブバンドルは、同時に静的混合エレメントとして機能するように形成される。スタティックミキサーでもあるこのような伝熱エレメントは、例えばEP1967806B1およびEP2052199B1に記載されており、Sulzer Chemtech社からSMRの商品名で、Fluitec社からCSE-XRの商品名で市販されている。例えば、このような複合スタティックミキサー/伝熱エレメントは、縦軸に配置されたハウジングと、ハウジング内に設けられた複数の設備とを含み、各設備は、第1の流体に中を通過させ、第2の流体に上を通過させるための、少なくとも第1の中空構造と少なくとも第2の中空構造とを含み、第1の中空構造および第2の中空構造は、互いに対し交差して配置され、各中空構造は、第1の幅B1と、第1の幅B1に垂直な第2の幅B2とを有する流路断面を有し、比B1/B2は1より大きく、B1はハウジングの縦軸を含む平面に対して法線方向に向いている。さらに、このような複合スタティックミキサー/伝熱エレメントは、継手が伝熱および混合構造を形成するように、先端と基端との間で長手方向に延びるケーシング内に配置された継手を含みてもよく、伝熱媒体が、基端から先端まで継手の管の内側を内部流として移動可能であり、液体が、先端から基端まで管の外側を外部流として移動可能であるように、継手は管を含み、継手の管は、好ましくは、平行に配置された平面層を形成し、その中で、1つの対応する管は、円弧と、平行な部分管状片を含む蛇行した構成で、1つの入口端から出口端まで延びる。液体によって生じる圧力勾配に対して長手方向の継手の管を安定させる補強エレメントが設けられてもよい。補強エレメントは、主領域において平行な部分管状片を連結して非伸長性の部分構造を形成し、継手は、主領域を補完する長手方向に伸長可能な部分構造としての補助領域において部分的に補強されないままである。
本発明の思想をさらに発展させると、反応器システムにおける滞留時間、または対応する反応時間が、0.1~5.0時間、より好ましくは0.2~4.0時間、さらに好ましくは0.3~3.0時間、さらに好ましくは0.4~2.0時間、さらに好ましくは0.4~1.5時間、最も好ましくは0.4~1時間未満になるように調整されることが提案される。滞留時間、または対応する反応時間は、特に、連続撹拌槽型反応器の容積、ループ反応器およびプラグフロー反応器の長さ、ならびに反応混合物の成分の流量を適切に選択することによって調整することができる。あるいは、必要とされる反応器システム内の滞留時間が非常に短い反応では、プラグフロー反応器の1セクションをバイパスする選択肢を使用することで、同じ反応器システムで柔軟な操作を可能にすることもできる。対照的に、必要とされる反応器システム内の滞留時間が非常に長い反応では、プラグフロー反応器のうちの1つからの処理流体を、前述の連続撹拌槽型反応器またはループ反応器に再循環させて戻すことができる。これらの選択肢は、各反応器セクションの前に弁を設けて流体の流れを誘導することで実現できる。
好ましくは、開環重合中に生成されるポリ(ヒドロキシ酸)共重合体は、少なくとも10,000g/mol、好ましくは少なくとも20,000g/mol、より好ましくは少なくとも40,000g/mol、さらに好ましくは少なくとも60,000g/molの重量平均分子量を有する。開環重合中に生成されるポリ(ヒドロキシ酸)共重合体の重量平均分子量の上限は、好ましくは200,000g/molであるが、180,000g/mol、150,000g/molまたは150,000g/molであってもよい。
本特許出願の別の実施形態によれば、開環重合中に生成されるポリ(ヒドロキシ酸)共重合体は、少なくとも5,000g/mol、好ましくは少なくとも15,000g/mol、より好ましくは少なくとも25,000g/mol、さらに好ましくは少なくとも35,000g/mol、最も好ましくは少なくとも45,000g/molの数平均分子量を有することが好ましい。開環重合中に生成されるポリ(ヒドロキシ酸)共重合体の数平均分子量の上限は、好ましくは110,000g/molであるが、90,000g/molまたは80,000g/molであってもよい。開環重合中に生成されるポリ(ヒドロキシ酸)共重合体の数平均分子量の好適な範囲は、例えば、10,000~20,000g/mol、20,000~30,000g/mol、30,000~50,000g/molまたは50,000~80,000g/molであってもよい。
本発明によれば、ポリマーの数平均分子量および重量平均分子量(MnおよびMw)は、ポリ(メチルメタクリレート)標準と、試料の分子量に応じて1ml HFIP中1~5mg/mlの試料濃度を用い、カラム温度40℃、RI-検出器(屈折率)の温度40℃、流量1ml/分でゲル浸透クロマトグラフィーにより測定される。装置としては、Viscotek VE 2001溶媒/試料モジュール、プレカラムHFIPガード(長さ50mm、内径8mm)、2本のカラム(Viscotek HFIP6000MおよびHFIP3000、Viscotek社(Switzerland);長さ300mm、内径8mm)、およびトリプル検出器Viscotek TDA 305(RI、UVおよび粘度計)を装着した(Malvern Panalytical社(UK)製GPC Viscotek TDA max)を使用することができる。較正曲線は、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)標準(Mn,max=50,352g/mol、D 1.023)を用いて作成することができる。
開環重合中に生成されるポリ(ヒドロキシ酸)共重合体の多分散指数、すなわちMw/Mnの比は、好ましくは1~3、より好ましくは1~2、最も好ましくは1~1.5であり得る。
本発明の思想をさらに発展させると、開環重合中に生成されるポリ(ヒドロキシ酸)共重合体は、40未満、好ましくは30未満、より好ましくは15未満、さらに好ましくは10未満、さらに好ましくは5未満、最も好ましくは3未満の黄色度指数を有することが提案される。本発明によれば、黄色度指数は、ASTM E313に従って測定される。
重合開環重合後に、ポリマー生成物中に残存する未反応のモノマーを、好ましくは少なくとも0.5重量%未満の最終濃度となるまで除去することが、市場性のある品質の製品を得るために好ましい。未反応のモノマー、例えばラクチドをこのように除去することは、例えば190~230℃の間の高温で、例えば5mbar(絶対圧)未満の減圧下で実施される少なくとも1回の脱揮工程により行われてもよい。例えば、要求される程度でモノマー、特にラクチドを除去するために、したがって要求される品質を有するポリマーを得るために、2段階の脱揮プロセスを実施することができる。重合反応を停止させるために、好ましくは、重合終了時および第1の脱揮工程の前または後に、ポリマー生成物に阻害剤を添加する。ラクチド供給のようなモノマー供給量あたりのポリマー生成物の収率を最大にするために、ラクチドのような未反応のモノマーを、脱揮の後に、例えば縮合により回収し、次いで、任意選択で縮合生成物を精製し、その後縮合生成物を重合反応に再循環させることがさらに好ましい。特に、効率的な脱揮のためには、重合反応の最後に1種または複数の効率的な阻害剤添加剤を添加することが好ましい。第1の脱揮工程の前、第1の脱揮工程と第2の脱揮工程との間、または第2の脱揮工程の後に、最終ポリマー生成物の機械的特性、レオロジー特性および/または熱的特性を改善するために、生成物の流れに添加剤を混合および/またはブレンドするための1つまたは複数のユニットで、添加剤および/または他のポリマーを混合および/またはブレンドすることができる。
さらに、最終ポリマー生成物の流れは、冷却器で冷却した後、それぞれ造粒機またはペレタイザーによって、あるいは別の成形ユニットによってプレスすることができる。
次いで、本発明を、限定するものではないが、例示的な図によって説明する。
本発明による方法を実施するのに好適な4つの詳細な反応器システムを示す図である。 本発明による方法を実施するのに好適な2つの詳細な反応器システムを示す図である。 本発明による方法を実施するのに好適な反応器システムの、一般に可能な反応器の組み合わせを示す図である。 本発明による方法で使用可能な4つの異なるタイプのダイナミックミキサーを示す図である。 本発明による方法で使用可能な4つの異なるタイプのスタティックミキサー(そのうちの1つは、伝熱エレメントでもある)を示す図である。
図1aは、第1の実施形態による本発明の方法を実施するのに好適な反応器システム10を示し、該反応器システムは、3つの連続撹拌槽型反応器12、12’、12’’を直列に含む。モノマー、触媒および開始剤を添加するための3つの供給点14、14’、14’’が、最も上流の連続撹拌槽型反応器12の上流、第1および第2の連続撹拌槽型反応器12、12’の間、ならびに第2および最も下流の連続撹拌槽型反応器12’、12’’の間に設けられている。各2つの連続撹拌槽型反応器12、12’および12’、12’’の間にはポンプ16、16’が設けられている。連続撹拌槽型反応器12、12’、12’’の各々は、撹拌される、すなわちダイナミックミキサー18、18’、18’’を含み、各ミキサーはモーター20、20’、20’’によって駆動される。生成物の流れは、最も下流の連続撹拌槽型反応器12’’からライン22を介して回収される。
図1bは、連続撹拌槽型反応器12、12’、12’’が、3つのループ反応器24、24’、24’’で置き換えられていることを除いて、図1aのものと同様の反応器システム10を示し、各ループ反応器は、伝熱エレメントとしても統合された2つのスタティックミキサー26、26’、26’’を含み、ポンプ16、16’、16’’を含む。
図1cは、連続撹拌槽型反応器12とその下流に2つのプラグフロー反応器28、28’を含む反応器システム10であって、各プラグフロー反応器は、伝熱エレメントとしても統合された2つのスタティックミキサー26を含む、反応器システム10を示し、図1dは、ループ反応器24とその下流に2つのプラグフロー反応器28、28’を含む、反応器システム10であって、各反応器が、伝熱エレメントとしても統合された2つのスタティックミキサー26’、26’’を含む、反応器システム10を示す。
図1eは、第2のプラグフロー反応器28’のバイパスを可能にするために、追加の弁が第1のプラグフロー反応器28の後に配置されていることを除いて、図1cと同様の反応器システム10を示す。
図1fは、再循環R1を可能にするために追加の弁が第1のプラグフロー反応器28の出口と連続撹拌槽型反応器12との間に配置され、流れ方向を誘導するために追加の弁がポンプ16と第2のプラグフロー反応器28’との間に配置されていることを除いて、図1eと同様の反応器システム10を示す。
図2は、本発明による方法を実施するのに好適な反応器システムの、一般に可能な反応器の組み合わせを示す。左から右へ、4つのセグメントS1、S2、S3、S4が示され、左のセグメントS1は(上から下へ)2つの代替反応器を示し、セグメント2~4のいずれかは(上から下へ)3つの代替反応器を示す。セグメントS1に示された反応器のいずれかを、反応器システム10の最も上流の反応器、すなわち連続撹拌槽型反応器12またはループ反応器24のいずれかとして使用することができる。最も上流の反応器12、24は、その出口O1を介して、セグメントS2に示す反応器の任意の1つ、すなわち、連続撹拌槽型反応器12’、ループ反応器24’、またはプラグフロー反応器28のいずれかと接続される。次いで、セグメントS2の反応器は、その出口O2を介して、セグメントS3に示す反応器の任意の1つ、すなわち、連続撹拌槽型反応器12’’、ループ反応器24’’またはプラグフロー反応器28’のいずれかと接続される。最後に、セグメントS3の反応器は、その出口O3を介して、セグメントS4に示す反応器の任意の1つ、すなわち、連続撹拌槽型反応器12’’’、ループ反応器24’’’、またはプラグフロー反応器28’’のいずれかと接続される。セグメントS2とS3、およびS3とS4のいずれかの間に、連続撹拌槽型反応器、ループ反応器およびプラグフロー反応器からなる群から選択される1つまたは複数の他の反応器を追加することができる。セグメントS2、S3の出口には、次のセグメント、すなわちO2、O3、または最終出口22としてのバイパスへの連続通過を可能にする弁が追加される。
図3は、本発明による方法で使用可能な4つの異なるタイプのダイナミックミキサーを示す。すなわち、図3aはパドル型インペラ30を含むダイナミックミキサー、図3bはアンカー型インペラ32を含むダイナミックミキサー、図3cはゲート型インペラ34を含むダイナミックミキサー、図3dはヘリカル型インペラ36を含むダイナミックミキサーである。
図4は、本発明による方法で使用可能な5つの異なるタイプのスタティックミキサーを示す。すなわち、図4aは、平面図および側面図においてX字形状を有するクロスバーの形態の偏向手段40を含むX型スタティックミキサー38を示す。図4bは、長手方向の偏向手段40を含むバッフルプレート型スタティックミキサー38を示し、図4cおよび図4dは、湾曲した偏向手段40を有するスタティックミキサー38を示す。図4eは、管状偏向手段40が、管内で伝熱媒体を輸送することによって伝熱エレメントとして機能すると同時に、管状偏向手段40の外側を輸送される液体のスタティックミキサーとして機能するように形成された、複合スタティックミキサー/伝熱エレメント26を示す。このような機器は、Sulzer Chemtech社によってSMRの商品名で商業的に販売されている。
次いで、本発明を、限定するものではないが、例示的な実施例によって説明する。
実施例1
(複数(2または3)のモノマー投入によりブロック状またはランダム状PLA-co-PCL共重合体を生成するための連続溶融重合)
本実施例は、2~4kg/時の溶融重合反応器システムを用いて実施した。この反応器システムは、上流端に連続撹拌槽型反応器を、下流端に、内部にスタティックミキサーを包含するダブルジャケットプラグフロー反応器を含みている。
L-ラクチド/カプロラクトン(LT/CL)の全体組成が8/2(w/w)のポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)ブロック共重合体(PLA-co-PCL)を生成するために、L-ラクチドとε-カプロラクトンを別々に2つの溶融タンクに入れ、窒素雰囲気下において120℃で溶融/加熱した。L-ラクチドを2.4kg/時の処理量で2.0L連続撹拌槽型反応器に送り、185℃(反応媒体は180℃)で作動する油伝熱ユニットで加熱した。この供給とは別に、オクタン酸スズ/トルエン(40mg/ml)触媒および2-エチルヘキサノールを導入して、モノマー/触媒の全モル比を18,700~56,000の範囲内に、開始剤量を20ミリグラム当量OHにそれぞれ維持した。連続撹拌槽型反応器での滞留時間20~60分で、ポリマーを反応器から回収し、0.6kg/時の純粋なε-カプロラクトンの別の流れと混合し、同じ温度で作動するダブルジャケットスタティックミキサーベースのプラグフロー反応器に供給した。全滞留時間30~90分以内で、最終生成物は短時間スタティックミキサーで0.1重量%のAdeka Stab AX-71と混合され、脱揮ユニット、ペレタイザー、クリスタライザー、乾燥機を通過した。共重合体の数平均分子量は少なくとも30kg/molであり、より少ない開始剤含有量では75kg/molに達した。示差走査熱量測定(DSC)により2つの個別のガラス転移温度ピーク(非晶質の場合)および/または(少なくとも)1つの融解温度ピークが観察され、ブロックPLA-co-PCL共重合体の性質が明らかになった。ポリマー鎖中にランダム共重合体とブロック共重合体の組み合わせがもたらされる単一供給点システムと比較して、PLAとPCLの両ブロックの結晶化プロセスは非常に有利である。安定した温度範囲では、ポリマーは弾性を示すが、高温では典型的な単相ポリマーの挙動を示す。したがって、このブロック共重合体系は形状記憶特性を示し、特殊用途に好適である。
ラクチド(第2の工程)とε-カプロラクトン(第1の工程)の投入順序を逆にして、PLA-co-PCLと類似したブロック共重合体を調製した。
「ほぼ(close to)」ランダムPLA-co-PCL共重合体は、2つのモノマー供給点を含む共重合システムによって調製した。まずL-ラクチド1.56kg/時とε-カプロラクトン0.74kg/時を2.0L連続撹拌槽型反応器に導入し、185℃(反応媒体は180℃)で作動する油伝熱ユニットで加熱することによって、LT/CLが8/2(w/w)の同じ全体組成を有するランダムPLA-co-PCL共重合体を生成した。この供給とは別に、オクタン酸スズ/トルエン(40mg/ml)触媒および2-エチルヘキサノールを導入して、モノマー/触媒の全モル比を18,700~56,000の範囲内に、開始剤量を20ミリグラム当量OHにそれぞれ維持した。連続撹拌槽型反応器での滞留時間30~60分で、ポリマーと残留モノマーを反応器から回収し、0.7kg/時の純粋なL-ラクチドの別の流れと混合し、同じ温度で作動するダブルジャケットスタティックミキサーベースのプラグフロー反応器に供給した。全滞留時間40~120分以内で、最終生成物は短時間スタティックミキサーで0.1重量%のAdeka Stab AX-71と混合され、脱揮ユニット、ペレタイザー、クリスタライザー、乾燥機を通過した。ブロック共重合体の数平均分子量アナログが得られた。DSCにより1つのガラス転移温度ピークと1つまたは0の融解温度ピークが観察され、ランダムPLA-co-PCL共重合体の性質が明らかになった。ポリマー鎖がランダムであるため、ポリマーの結晶化が阻害され、非晶質ポリマーとなった。一方、ランダム性が導入されたことにより、分解速度が向上し、生分解性/コンポスト化可能な用途に好都合となる。
よりランダム共重合体に近い共重合体が、3つの供給点を用いて得られた。第1の供給組成物および流量、触媒と開始剤の流量は一定に保った。次いで、ラクチドの2回目の供給は、下流のプラグフロー反応器の上流と、プラグフロー反応器の中間位置の、2つの部分に正確に分割した。全体的な滞留時間は、40分~120分という提案された時間枠内であった。後処理工程は同じであった。
さらに理想的なランダム共重合体に近い共重合体が、2つの供給点と、それぞれ2種類のモノマーの異なる混合物というシンプルな方法を使用することで得られた。L-ラクチド1.30kg/時とε-カプロラクトン0.61kg/時を2.0L連続撹拌槽型反応器に導入し、185℃(反応媒体は180℃)で作動する油伝熱ユニットで加熱した。この供給とは別に、オクタン酸スズ/トルエン(40mg/ml)触媒および2-エチルヘキサノールを導入して、モノマー/触媒の全モル比を18,700~56,000の範囲内に、開始剤量を20ミリグラム当量OHにそれぞれ維持した。連続撹拌槽型反応器での滞留時間30~60分で、ポリマーと残留モノマーを反応器から回収し、L-ラクチド0.92kg/時とε-カプロラクトン0.16kg/時の混合物の別の流れと混合し、同じ温度で作動するダブルジャケットスタティックミキサーベースのプラグフロー反応器に供給した。全滞留時間60~150分以内で、同じ阻害剤を使用して反応を停止し、脱揮、ペレット化、結晶化、乾燥した。上記プロセスのトレードオフとして、滞留時間が長くなり、残留モノマーの大量の再循環流が必要となる。
実施例2
(複数(2または3)のモノマー投入によりブロック状またはランダム状PLA-co-PGA共重合体を生成するための連続溶融重合)
ポリ(ラクチド-co-グリコリド)(PLA-co-PGA)のブロックまたはランダム共重合体を生成するために、実施例1で使用したのと同じ2~4kg/時の溶融重合反応器システムを利用した。
LT/GLの全体組成が9/1(w/w)のPLA-co-PGAのブロック共重合体を生成するために、L-ラクチドとグリコリドを別々に2つの溶融タンクに入れ、窒素雰囲気下において120℃で溶融した。L-ラクチドを2.7kg/時の処理量で2.0L連続撹拌槽型反応器に送り、185℃(反応媒体は180℃)で作動する油伝熱ユニットで加熱した。この供給とは別に、オクタン酸スズ/トルエン(40mg/ml)触媒およびドデカノールを導入して、モノマー/触媒の全モル比を18,700~56,000の範囲内に、開始剤量を20ミリグラム当量OHにそれぞれ維持した。連続撹拌槽型反応器での滞留時間20~60分で、ポリマーと残留モノマーを反応器から回収し、0.3kg/時の純粋なグリコリドの別の流れと混合し、200℃の高温で作動するダブルジャケットスタティックミキサーベースのプラグフロー反応器に供給した。全滞留時間30~90分以内で、最終生成物は短時間スタティックミキサーで0.1重量%のAdeka Stab AX-71と混合され、脱揮ユニット、ペレタイザー、クリスタライザー、乾燥機を通過した。数平均分子量は少なくとも25kg/molであり、開始剤含有量を少なくすることで75kg/molに達した。DSCにより最大2つの個別のガラス転移温度(非晶質の場合)および/または(少なくとも)1つの融解温度が観察され、ブロックPLA-co-PGA共重合体の性質が明らかになった。PLA-co-PGAブロック共重合体の制御された設計により、後述のPLGAランダム共重合体と比較して引張強度が向上した。
ラクチド(第2の工程)とグリコリド(第1の工程)の投入順序を逆にして、類似のPGA-co-PLAブロック共重合体を生成した。PGA融点がより高いため、第1および第2のセグメントの反応は、それぞれ220℃および200℃に保った。
「ほぼ」ランダムPLGA共重合体は、3つのモノマー供給点を含む同じ共重合システムによって調製した。まずL-ラクチド2.72kg/時、グリコリド0.22kg/時を、2.0L連続撹拌槽型反応器に導入し、195℃(反応媒体は190℃)で作動する油伝熱ユニットで加熱することによって、LT/GLが9/1(w/w)の同じ全体組成を有するランダムPLGA共重合体を生成した。この供給とは別に、オクタン酸スズ/トルエン(40mg/ml)触媒およびドデカノールを導入して、モノマー/触媒の全モル比を18,700~56,000の範囲内に、開始剤量を20ミリグラム当量OHにそれぞれ維持した。連続撹拌槽型反応器での滞留時間20~60分で、ポリマーと残留モノマーを反応器から回収し、0.056kg/時の純粋なグリコリドの別の流れと混合し、同じ温度で作動するダブルジャケットスタティックミキサーベースのプラグフロー反応器に供給した。プラグフロー反応器セグメント全体の滞留時間の半分を経過した後、0.017kg/時の純粋なグリコリドを第3の供給物として供給し、残留L-ラクチドの消費を最大化することができる。全滞留時間30~90分以内で、最終生成物は短時間スタティックミキサーで0.1重量%のAdeka Stab AX-71と混合され、脱揮ユニット、ペレタイザー、クリスタライザー、乾燥機を通過した。ブロック共重合体の数平均分子量アナログが得られた。DSCにより、1つのガラス転移温度ピークと1つの融解温度のピークが観察され、ランダムPLGA共重合体の性質が明らかになった。ポリマー鎖のランダムな性質により、ポリマーの結晶化プロセスが阻害された。実施例1のPLA-co-PCL共重合体系と比較して、ランダムPLGAはより強い加水分解挙動を示す。これは短い生分解時間(約5~6か月)によって明らかになっている。
実施例3
(複数のモノマー投入によりブロック状またはランダム状PLA、PEGおよびPCL共重合体を生成するための連続溶融重合)
LT/CL全体組成が8/2(w/w)であるPCL-PLA-PEG-PLA-PCLのペンタブロック共重合体を、同じ2~4kg/時の溶融重合反応器システムを用いて生成した。L-ラクチドとε-カプロラクトンを別々に2つの溶融タンクに入れ、窒素雰囲気下において120℃で溶融/加熱した。L-ラクチドを2.4kg/時の処理量で2.0L連続撹拌槽型反応器に送り、185℃(反応媒体は180℃)で作動する油伝熱ユニットで加熱した。この供給とは別に、オクタン酸スズ/トルエン(40mg/ml)触媒および分子量が2000g/molの溶融ポリエチレングリコール(PEG)を導入して、モノマー/触媒の全モル比を18,700~56,000の範囲内に、PEG量を20ミリグラム当量OH(2重量%)にそれぞれ維持した。連続撹拌槽型反応器での滞留時間20~60分で、ポリマーを反応器から回収し、0.6kg/時の純粋なε-カプロラクトンの別の流れと混合し、同じ温度で作動するダブルジャケットスタティックミキサーベースのプラグフロー反応器に供給した。全滞留時間30~120分以内で、最終生成物は短時間スタティックミキサーで0.1重量%のAdeka Stab AX-71と混合され、脱揮ユニット、ペレタイザー、クリスタライザー、乾燥機を通過した。共重合体の数平均分子量は少なくとも30kg/molであり、より少ないPEG含有量では90kg/molに達した。長い脂肪族エチレングリコールコアが存在することにより、ポリマーの弾性が向上する。
ラクチド(第2の工程)とε-カプロラクトン(第1の工程)の投入順序を逆にして、逆のPLA-PCL-PEG-PCL-PLAペンタブロック共重合体を調製した。ポリマー鎖の「キャップ」としてPLAが主要な割合を占めるため、結晶化度はPCL-PLA-PEG-PLA-PCLブロック共重合体よりも高く、異なる用途が可能である。
PLA、PGA、PEG、PCLを含む他のペンタブロック共重合体、および/またはδ-バレロラクトン、δ-デカラクトン、ε-デカラクトンなど、ε-カプロラクトンと反応性比が類似している他の環状モノマーから誘導されるポリマーの生成にも、同様の手法を利用することができる。PLA、PEG、PCLのペンタブロック系以外の最も関連性のある例は、PGA、PEG、PCLの組み合わせであり、PCLまたはPGAがエンドキャッピングポリマーとして使用できる。もう1つの実績あるペンタブロック共重合体系は、PEG、L-ラクチド、ε-デカラクトンを主成分としている。PEG、ε-デカラクトンを中心ブロックとする共重合体は、卓越した強靭な材料特性と高い破断伸度を示す。
PLA、PEGおよびPCL共重合体の系に注目すると、本発明により、実施例1と同じ手法を用いて、PEGコア、ランダムPLA-co-PCLトリブロック共重合体の製造への簡単な切り替えが可能になる。この場合、共重合体は上記のペンタブロック共重合体と比較して、最も結晶性が低く、最も弾性が高い。モノヒドロキシアルコールと比較してPEGの反応性が高いため、この連続プロセスの反応時間は短縮された。しかし、このようなトリブロック共重合体の用途はあまり重要ではない。
実施例4
(複数のモノマー投入によりブロック状またはランダム状星型PLA-co-PCL共重合体を生成するための連続溶融重合)
LT/CLが8/2(w/w)の同じ全体組成を有する星型PLA-co-PCLブロック共重合体を、同じ2~4kg/時の溶融重合反応器システムを用いて生成した。L-ラクチドとε-カプロラクトンを別々に2つの溶融タンクに入れ、窒素雰囲気下において120℃で溶融/加熱した。星型開始剤であるペンタエリスリトールをまずL-ラクチド溶融物に懸濁し、よく混合して開始剤含有量を20ミリグラム当量OHに固定した。次いで、混合物を2.4kg/時の処理量で2.0L連続撹拌槽型反応器に送り、185℃(反応媒体は180℃)で作動する油伝熱ユニットで加熱した。この供給とは別に、オクタン酸スズ/トルエン(40mg/ml)触媒を導入して、モノマー/触媒の全モル比を18,700~56,000の範囲内に維持した。連続撹拌槽型反応器での滞留時間15~40分で、ポリマーと残留モノマーを反応器から回収し、0.6kg/時の純粋なε-カプロラクトンの別の流れと混合し、同じ温度で作動するダブルジャケットスタティックミキサーベースのプラグフロー反応器に供給した。全滞留時間30~90分以内で、最終生成物は短時間スタティックミキサーで0.1重量%のAdeka Stab AX-71と混合され、脱揮ユニット、ペレタイザー、クリスタライザー、乾燥機を通過した。共重合体の数平均分子量は少なくとも50kg/molであり、より少ないペンタエリスリトール含有量では160kg/molに達した。この星型ブロック星型-(PLA-PCL)共重合体の性質は、DSCによって明らかになった。このユニークな星型と卓越した分子量を考慮すると、この共重合体の耐衝撃性と溶融強度は大幅に向上している。結晶化を阻害する不規則な星型にもかかわらず、半結晶性ポリマーを得ることができる。
ラクチド(第2の工程)とε-カプロラクトン(第1の工程)の投入順序を逆にして、逆の星型ブロック星型-(PCL-PLA)を調製した。ラクチド溶融タンクにペンタエリスリトールを入れる代わりに、この開始剤をε-カプロラクトンと混合し、第1の工程で供給した。実施例3と同様に、この星型-(PCL-PLA)のポリマー鎖の「キャップ」としてPLAが主要な割合を占めているため、結晶化が促進され、より硬いポリマーが得られた。
まずペンタエリスリトール含有L-ラクチド(L-ラクチド中20ミリグラム当量OHペンタエリスリトール)1.56kg/時とε-カプロラクトン0.74kg/時を、2.0L連続撹拌槽型反応器に導入し、185℃で作動する(反応媒体は180℃)油伝熱ユニットで加熱することによって、LT/CLが8/2(w/w)の同じ全体組成を有する「ほぼ」ランダム星型PLA-co-PCL共重合体を生成した。この供給とは別に、オクタン酸スズ/トルエン(40mg/ml)触媒を導入して、モノマー/触媒の全モル比を18,700~56,000の範囲内に維持した。連続撹拌槽型反応器での滞留時間20~40分で、ポリマーと残留モノマーを反応器から回収し、0.7kg/時の純粋なL-ラクチドの流れと混合し、同じ温度で作動するダブルジャケットスタティックミキサーベースのプラグフロー反応器に供給した。全滞留時間30~90分以内で、同じ阻害剤を使用して反応を停止させ、ポリマーを後処理して最終形態にすることができる。ブロック共重合体の数平均分子量アナログが得られた。DSCにより1つのガラス転移温度ピークと1つまたはほぼ0の融解温度ピークが観察され、ランダムPLA-co-PCL共重合体の性質が明らかになった。ポリマー鎖のランダムな性質により、ポリマーの結晶化が大いに阻害される。線状アナログとは異なり、この星型共重合体は、非常に特殊な結晶化処理を施さない限り、または特定の添加剤を配合しない限り非晶質である。
10 反応器システム
12、12’、12’’、12’’’ 連続撹拌槽型反応器
14、14’、14’’、14’’’ 供給点
16、16’、16’’、16’’’ 溶融ポンプ
18、18’、18’’、18’’’ ダイナミックミキサー
20、20’、20’’、20’’’ モーター
22 生成物回収ライン
24、24’、24’’、24’’’ ループ反応器
26、26’、26’’、26’’’ スタティックミキサーおよび伝熱エレメント
28、28’、28’’ プラグフロー反応器
30 パドル型インペラを含むダイナミックミキサー
32 アンカー型インペラを含むダイナミックミキサー
34 ゲート型インペラを含むダイナミックミキサー
36 ヘリカル型インペラを含むダイナミックミキサー
38 スタティックミキサー
40 偏向手段
O1、O2、O3 出口1、出口2、出口3
R1 再循環
S1、S2、S3、S4 第1、第2、第3、第4のセグメント

Claims (16)

  1. 少なくとも2種の異なるモノマーを共重合する工程を含む、ポリ(ヒドロキシ酸)共重合体を連続的に製造する方法であって、少なくとも2種の異なるモノマーのうちの少なくとも1種は、反応器システム(10)内で少なくとも1種の触媒の存在下で、ポリ(ヒドロキシ酸)共重合体への開環重合によるヒドロキシ酸の環状エステルであり、開環重合中に利用される少なくとも1種の触媒の全量に対する少なくとも2種の異なるモノマーの全量のモル比が10,000超であり、反応器システム(10)は少なくとも2つの重合反応器を直列に含み、重合反応器のうちの少なくとも1つは連続撹拌槽型反応器(12、12’、12’’、12’’’)、ループ反応器(24、24’、24’’、24’’’)またはプラグフロー反応器(28、28’、28’’)であり、反応器システム(10)のこれらの反応器のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つのミキサーおよび/または少なくとも1つの伝熱エレメントを含み、反応器システム(10)は、そのそれぞれを通してモノマー組成物が反応器システム(10)に供給される、少なくとも2つの異なる供給点(14、14’、14’’、14’’’)を直列に含み、少なくとも2つの供給点(14、14’、14’’、14’’’)のうちの1つを通して反応器システム(10)に供給されるモノマー組成物は、そのモノマーに関して、少なくとも2つの供給点(14、14’、14’’、14’’’)のうちの少なくとも1つの他の供給点を通して反応器システムに供給されるモノマー組成物とは異なる、方法。
  2. i)少なくとも2つの供給点(14、14’、14’’、14’’’)のうちの少なくとも1つを通して、少なくとも2種の異なるモノマーのうちの2種以上の混合物を含むモノマー組成物が供給される、請求項1に記載の方法。
  3. i)少なくとも2つの供給点(14、14’、14’’、14’’’)のうちの少なくとも2つを通して、好ましくは少なくとも2つの供給点(14、14’、14’’、14’’’)のすべてを通して、少なくとも2種の異なるモノマーのうちの2種以上の混合物を含むモノマー組成物が供給されるか、またはii)少なくとも2つの供給点(14、14’、14’’、14’’’)のうちの少なくとも1つを通して、第1のモノマーを含むモノマー組成物が供給され、少なくとも2つの供給点(14、14’、14’’、14’’’)のうちの少なくとも別の1つを通して、第2のモノマーを含むモノマー組成物が供給され、第1のモノマーが、第2のモノマーとは異なる化学的性質を有する、請求項1または2に記載の方法。
  4. 少なくとも2つの供給点(14、14’、14’’、14’’’)のうちの1つを通して、少なくとも2種の異なるモノマーのうちの2種以上の混合物であり、異なるモノマーの第1のモル比を有する、混合物を含むモノマー組成物が供給され、少なくとも2つの供給点(14、14’、14’’、14’’’)のうちの別の1つを通して、同じ異なるモノマーの混合物であり、異なるモノマーの第2のモル比を有する、混合物を含むモノマー組成物が供給され、第1のモル比が第2のモル比とは異なる、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 反応器システム(10)が、そのそれぞれを通してモノマー組成物が反応器システム(10)に供給される、少なくとも3つの異なる供給点(14、14’、14’’、14’’’)を直列に含み、少なくとも3つの供給点(14、14’、14’’、14’’’)のうちの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、より好ましくは少なくとも3つを通して、少なくとも2種の異なるモノマーのうちの2種以上を含有するモノマー組成物が供給される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 少なくとも3つの供給点(14、14’、14’’、14’’’)のうちの1つを通して、少なくとも2種の異なるモノマーのうちの2種以上の混合物であり、異なるモノマーの第1のモル比を有する、混合物を含むモノマー組成物が供給され、少なくとも3つの供給点(14、14’、14’’、14’’’)のうちの別の1つを通して、同じ異なるモノマーの混合物であり、異なるモノマーの第2のモル比を有する、混合物を含むモノマー組成物が供給され、第1のモル比が第2のモル比とは異なる、請求項5に記載の方法。
  7. 少なくとも3つの供給点(14、14’、14’’、14’’’)のうちの1つを通して、少なくとも2種の異なるモノマーのうちの2種以上の混合物であり、異なるモノマーの第1のモル比を有する、混合物を含むモノマー組成物が供給され、少なくとも3つの供給点(14、14’、14’’、14’’’)のうちの別の1つを通して、同じ異なるモノマーの混合物であり、異なるモノマーの第2のモル比を有する、混合物を含むモノマー組成物が供給され、少なくとも3つの供給点(14、14’、14’’、14’’’)のうちの別の1つを通して、1種のモノマーのみ、または同じ異なるモノマーの混合物であり、異なるモノマーの第3のモル比を有する、混合物を含むモノマー組成物が供給され、第1のモル比、第2のモル比および第3のモル比が互いに異なる、請求項5または6に記載の方法。
  8. 反応器システム(10)が、最も上流の反応器より上流の第1の供給点(14)と、その下流に、好ましくは最も上流の反応器の下流であって、その次の下流の反応器の上流にある第2の供給点(14’)とを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 反応器システム(10)が、少なくとも3つの反応器、すなわち、少なくとも第1の反応器、その下流に第2の反応器、およびその下流に第3の反応器を含み、第1の供給点(14)が第1の反応器の上流に位置し、第2の供給点(14’)が第1の反応器の下流であるが第2の反応器の上流に位置し、第3の供給点(14’’)が第2の反応器の下流であるが第3の反応器の上流に位置する、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 第1のモノマー組成物が、最も上流の反応器より上流で反応器システム(10)に添加され、第2のモノマー組成物が、その下流の反応器に添加され、第1のモノマー組成物が、2種の異なるモノマーの混合物であり、2種の異なるモノマーの第1のモル比を有する、混合物を含み、第2のモノマー組成物が、第1のモノマー組成物と同じ2種の異なるモノマーの混合物であるが、2種の異なるモノマーの第2のモル比を有する、混合物を含み、第2のモル比が第1のモル比とは異なる、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 第1のモノマー組成物が、最も上流の反応器より上流で反応器システム(10)に添加され、第2のモノマー組成物が、最も上流の反応器の下流であるが、最も下流の反応器の上流にある反応器において、または、第1のモノマー組成物が添加される位置の下流であるが、反応器システム(10)の最も下流の部分より上流の位置にある反応器のいずれかにおいて反応器システム(10)に添加され、第3のモノマー組成物が、モノマー組成物が添加される反応器の下流にある反応器において、または第2のモノマー組成物が添加される位置の下流の位置にある反応器のいずれかにおいて反応器システム(10)に添加され、第1のモノマー組成物が、2種の異なるモノマーの混合物であり、2種の異なるモノマーの第1のモル比を有する、混合物を含み、第2のモノマー組成物が、第1の部分と同じ2種の異なるモノマーの混合物であるが、2種の異なるモノマーの第2のモル比を有する、混合物を含み、第2のモル比が第1のモル比とは異なり、第3のモノマー組成物が、i)第1の部分および第2の部分と同じ2種の異なるモノマーの混合物であるが、2種の異なるモノマーの第3のモル比を有する、混合物を含み、第3のモル比が、第1のモル比とは異なり、かつ第2のモル比とも異なる、またはii)2種の異なるモノマーのうちの1種のみを含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 少なくとも2種の異なるモノマーのうちの少なくとも1種、好ましくは少なくとも2種の異なるモノマーのすべては、ラクチド、グリコリド、カプロラクトン、バレロラクトン、デカノラクトン、ブチロラクトン、ドデカラクトン、オクタノラクトン、および前述の化合物のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群から選択される、または、好ましくは、L-ラクチド、D-ラクチド、meso-ラクチド、ラクチドラセミ混合物、グリコリド、ε-カプロラクトン、γ-カプロラクトン、δ-バレロラクトン、γ-バレロラクトン、5-デカノラクトン、δ-デカノラクトン、δ-ブチロラクトン、δ-ドデカラクトン、5-ドデカラクトン、δ-オクタノラクトン、および前述の化合物のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群から選択される環状エステルであり、好ましくは、開環重合中、i)ラクチドとカプロラクトンが重合されてポリ(ラクチド-co-カプロラクトン)が製造されるか、またはii)ラクチドとグリコリドが重合されてポリ(ラクチド-co-グリコリド)が製造されるか、iii)L-ラクチドとD-ラクチドが重合されてポリ(L-ラクチド-co-D-ラクチド)が製造されるか、またはiv)L-ラクチドとmeso-ラクチドが重合されてポリ(L-ラクチド-co-meso-ラクチド)が製造される、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 反応器システム(10)が、上流から下流に向かって見て、直列に、
    a)上流端に、i)1つの連続撹拌槽型反応器(12、12’、12’’、12’’’)または1つのループ反応器(24、24’、24’’、24’’’)、ならびにii)その下流に少なくとも1つの連続撹拌槽型反応器(12、12’、12’’、12’’’)および/または少なくとも1つのループ反応器(24、24’、24’’、24’’’)および/または少なくとも1つのプラグフロー反応器(28、28’、28’’)、
    b)3つの連続撹拌槽型反応器(12、12’、12’’、12’’’)、
    c)3つのループ反応器(24、24’、24’’、24’’’)、
    d)好ましくは2つの供給点(14、14’、14’’、14’’’)を有する連続撹拌槽型反応器(12、12’、12’’、12’’’)およびプラグフローセクション(28、28’、28’’)、
    e)好ましくは2つの供給点(14、14’、14’’、14’’’)を有するループ反応器(24、24’、24’’、24’’’)およびプラグフローセクション(28、28’、28’’)
    のいずれかを含み、
    前述の反応器のうち、隣接する任意の2つの反応器の間に溶融ポンプ(16、16’、16’’、16’’’)が設けられていてもよく、および/または前述の反応器のうち、隣接する任意の2つの反応器の間に、プラグフローセクションのバイパスを可能にする弁が設けられていてもよい、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 反応器システム(10)の反応器のうちの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも75%、最も好ましくはすべてが、スタティックミキサー(38)、ダイナミックミキサー(18、18’、18’’、18’’’)、またはスタティックミキサーと伝熱エレメントとの組み合わせ(26、26’、26’’、26’’’)のうちの少なくとも1つを含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 反応器システム(10)のこれらの反応器のうちの少なくとも1つが、
    i)インペラ型の少なくとも1つのダイナミックミキサー(18、18’、18’’、18’’’)、好ましくは、1つもしくは複数のパドル型インペラ、1つもしくは複数のアンカー型インペラ、1つもしくは複数のゲート型インペラおよび/または1つもしくは複数のヘリカル型インペラを含むダイナミックミキサー(18、18’、18’’、18’’’)、
    ii)少なくとも1つのスタティックミキサー(38)、好ましくは、X型スタティックミキサー、スパイラル/ヘリカル型スタティックミキサー、クワトロ型スタティックミキサー、バッフルプレート型スタティックミキサー、タービュレーターストリップス型スタティックミキサー、および上記のミキサータイプのうちの2つ以上の任意の組み合わせのうちの、少なくとも1つのスタティックミキサー(38)、ならびに
    iii)複合スタティックミキサー/伝熱エレメント26、26’、26’’、26’’’、好ましくはチューブバンドル熱交換器
    のうちの少なくとも1つを含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 開環重合中に生成されるポリ(ヒドロキシ酸)共重合体が、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定した場合に、10,000~200,000g/mol、好ましくは20,000~180,000g/mol、より好ましくは40,000~160,000g/mol、さらに好ましくは60,000~150,000g/molの重量平均分子量を有し、かつ/または開環重合中に生成されるポリ(ヒドロキシ酸)共重合体が、40未満、好ましくは30未満、より好ましくは15未満、さらに好ましくは10未満、さらに好ましくは5未満、最も好ましくは3未満の黄色度指数を有する、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
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