JP2024506646A - スパッタリングターゲット - Google Patents

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Abstract

本発明は、スパッタリングターゲット(10)、コーティングシステム(30)、及びコーティング方法に関する。スパッタリングターゲット(10)は、ベースプレート(12)と、その上に固定されて表面(16)及び複数の凹部(18)を備え第1のスパッタリング材料からなるターゲットプレート(14)を備える。複数のインサート(20)が凹部(18)内に配置される。インサート(20)の少なくとも幾つかは第2のスパッタリング材料で作られ、第2のスパッタリング材料は第1のスパッタリング材料よりも高いスパッタ率を有する。本発明の目的は、特に均一なコーティングを達成することである。これは、第2のスパッタリング材料で作られたインサート(20)が、表面(14)に平行な測定方向にて測定されたインサートの大きさ(D1,D2)が表面(14)からベースプレート(12)まで深さ方向(T)に増加するように形成されることで達成される。

Description

本発明は、スパッタリングターゲット、コーティングシステム及びコーティング方法に関する。
スパッタリングターゲットは、スパッタリング技術、特に基材をコーティングするために使用される。このプロセスにおいて、スパッタリングターゲットは、粒子衝突によってスパッタリングされる。スパッタリングされたターゲットの成分は、気相に入り、例えば表面コーティングの材料として使用することができる。
カソードスパッタリングを使用するPVDコーティング方法の場合、スパッタリングターゲットは、コーティングシステムのコーティングチャンバ内にカソードとして接続され、正に帯電した粒子、特にガス及び/又は金属イオンによってスパッタリングされる。
一つだけの材料からなるスパッタリングターゲットに加えて、複数の材料、特に異なる金属からなるスパッタリングターゲットが知られている。これに関連して、特に、スパッタリングターゲットが、第1の材料で作られたプレートを備え、それに穴が設けられ、別の材料からなるプラグがその穴に挿入される、設計が知られている。
例えば、US6,852,201には、ガスイオンの衝突によってスパッタリングが行われ、複数の金属元素を含む層が基材に設けられる、PVDコーティング方法を実行するためのスパッタリングコンポーネントが開示されている。そのスパッタリングコンポーネントは、チタンベースプレートからなり、アルミニウムプラグが圧入される穴が含まれている。アルミニウムのスパッタリング速度は、チタンよりも大きいため、アルミニウムプラグは、ベースプレートに対して露出面に凹状の湾曲面を備えている。
DE2940369A1には、少なくとも二つの異なる金属材料をスパッタリングするためのターゲットが開示されている。スパッタリングされる材料で作られたプレートは、円形の断面を有する連続した穴を備え、その穴の中に、スパッタリングされる第2の材料で作られたボルトが堅牢に嵌合して挿入される。ボルトは、肉厚の端部を備え、この端部は、座ぐり穴として設計された穴の拡大された端部領域に係合する。
US6,852,201 DE2940369A1
本発明の目的は、特に均一なコーティングを可能にする、特にカソードスパッタリングで使用するためのスパッタリングターゲットを提案することである。
この目的は、請求項1に記載のスパッタリングターゲット、請求項14に記載のコーティングシステム、及び請求項15に記載のコーティング方法によって達成される。従属請求項は、本発明の有利な実施形態について言及している。
本発明によるスパッタリングターゲットは、ベースプレートと、その上に固定されたターゲットプレートを備える。ターゲットプレートは、ターゲットプレートの表面に形成された凹部に配置された複数のインサートを備える。
ベースプレート及び/又はターゲットプレートは、好ましくは平坦及び/又は長方形(矩形状)である。ベースプレート及びターゲットプレートは、少なくとも実質的に同じサイズであることが好ましい。インサートは、適用可能であれば、表面が凹状に湾曲した窪みを備えた凹部を適切に埋めるような形状であることが好ましい。凹部及びその中に嵌合するインサートは、任意の所望の断面形状、例えば、円形、三角形、長方形、正方形、多角形、楕円形等とすることができる。種々の断面形状のインサートの例を以下に説明する。
ターゲットプレートは、第1のスパッタリング材料からなり、インサートの少なくとも幾つかは、より好ましくはインサートの大部分は、特に好ましくは全てのインサートは、第2のスパッタリング材料からなる。スパッタリング材料とは、スパッタリング法、特にコーティング方法に使用できる固体材料を意味すると理解されたい。金属、特に純金属が好ましいが、炭素などの他の材料も使用できる。スパッタリング材料の例を以下に示す。
ターゲットプレートの材料(材質)とプラグの材料(材質)とは異なる。プラグを構成する第2のスパッタリング材料は、ターゲットプレートを構成する第1のスパッタリング材料よりも高いスパッタ率を有する。例えば、第2のスパッタリング材料は、第1のスパッタリング材料よりも少なくとも20%、好ましくは少なくとも50%、さらには100%高いスパッタ率を有し得る。当業者には知られているように、スパッタ率は、スパッタリングプロセス中において、入射イオンごとに放出されるターゲット原子の平均数を特定する材料依存のパラメータである。結果として、イオンが均一に衝突する領域に関しては、ターゲットプレートと比較して、第2のスパッタリング材料で作られたインサートでのスパッタ浸食速度がより高くなる。
本発明によれば、第2のスパッタリング材料で作られたインサートの少なくとも幾つかは、好ましくはインサートの大部分、そして特に好ましくは全てのインサートは、表面に平行な測定方向において測定された大きさ(拡がり)が、深さ方向において表面からベースプレートまで連続的に増加する形状を有する。これは、所与のインサートにおいて、第1のより浅い深さで測定方向に第1の大きさ(拡がり)を有し、第2のより深い深さで測定方向に第2の大きさ(拡がり)を有し、第2の大きさが常に第1の大きさより大きくなることを意味する、と少なくとも理解されるべきである。したがって、大きさの寸法は、深さに応じて厳密に単調に増加する。好ましくは、インサートのそれぞれの断面積も、深さ方向に対応して増加する。
以下では、インサートの拡大形状に使用される“錐状(錐体)”又は“錐状度(錐度、形状が頂点に向かって先細りになる程度)”という用語が時々使用される。しかしながら、円錐形、或いは楔形、すなわち円形の断面形状及び/又は連続する直線状の輪郭を意味し、後者が好ましいが、これに限定されるものではない。
インサートの円錐形は、それぞれの場合において、スパッタリングターゲットの耐用年数全体に亘って可能な限り均一なスパッタリングされる材料の組成を達成するのに有利であることが証明されている。コーティングシステムで使用すると、生成されるコーティングは、スパッタリングされた材料の成分で構成される。本発明者は、摩耗の程度が進行した円筒形インサートを有する従来のスパッタリングターゲットの場合、ターゲットプレートを形成する第1のスパッタリング材料に対するインサートを形成する第2のスパッタリング材料の割合が減少することを確認した。
本発明のスパッタリングターゲットによって、この傾向が阻止され、第2のスパッタリング材料の相対比率の変化が、好ましくは、少なくとも部分的に又は理想的な場合には少なくとも実質的に完全に補償される。その結果、コーティングシステムで使用すると、スパッタリングターゲットの耐用年数全体を通して、より均一な層組成を達成することができる。
深さ方向に伴って寸法が大きくなるインサートの形状は、種々のデザインで実現され得る。例えば、インサートは、長手方向断面において1つ以上のステップ(階段)を備えていてもよく、そのステップにおいて、インサートの大きさ(拡がり)は、測定方向において急激に増加する。本発明によれば、形状は、深さ方向において連続的なすなわち安定した大きさ(拡がり)の増加を有し、これは好ましくは直線状であり、円形断面の場合、例えば円錐台の形状が少なくとも部分的に得られ、又、長方形又は正方形の断面形状の場合には、角錐台の形状が得られる。しかしながら、深さ方向における大きさが非線形に進行することも考えられる。特に好ましくは、インサートは、連続的な円錐形又は角錐形となるように形成される。
第2のスパッタリング材料で作られた全てのインサートが、同じ形状及び寸法(大きさ)を有することが可能である。しかしながら、異なるインサートの形状、特に錐状度の程度及び寸法が互いに異なることも可能である。対応する実施形態を以下に説明する。
外側輪郭が直線状に伸びる好ましいケースでは、インサートの長手方向断面で視たとき、正方形又は円筒形と比較して、少なくともそれぞれのインサートの一部において、その外側輪郭は、斜めにすなわち少なくともある錐状度の角度で延びていてもよい。錐状度の角度は、例えば、1~20°の範囲であってもよい。ここで、深さ方向は表面に対して垂直であるため、当該エッジと表面との間に形成される角度は、例えば70°~89°となる。錐状度の角度としては、4°~15°(エッジと表面との間の角度は75°~86°に相当)が好ましく、6°~12°(エッジと表面との間の角度は78°~84°)の錐状度の角度が特に好ましい。以下で説明するように、ターゲットの異なるインサートの錐状度の角度は、異なっていてもよい。
インサートの断面積の好ましい拡大は、異なる実施形態では変化してもよい。好ましくは、断面積は、深さ方向に5mmの距離に亘って、4~40%まで、特に好ましくは15~30%まで増加する。円形の断面積を有するインサートの場合、8~30%、特に好ましくは15~25%のやや低い値が好ましい場合がある。
錐状度の程度の上述の仕様は、特に、第2のスパッタリング材料が第1のスパッタリング材料よりも50%~150%高いスパッタ率を有する材料の組み合わせのために有利であることが証明されている。
ベースプレート及びターゲットプレートは、好ましくは、平面的に一方が他方の上に直接重なって置かれる。好ましい実施形態によれば、ベースプレートは、好ましくはターゲットプレートに面するベースプレートの表面に形成されてもベースプレートを完全には貫通しない凹部を備えることができる。第2のスパッタリング材料で作られた幾つかの、より複数の、又は好ましくは全てのインサートは、好ましくはベースプレートの凹部内に突出し、したがって、より好ましくは実質的に完全にそれで満たす(充填する)ことができる。その結果、ベースプレートの材料が著しくスパッタされることなく、スパッタリングターゲットをより長く使用することができるので、ターゲットプレートの材料を改善された方法で利用することができる。
ベースプレートは、一方ではスパッタリングターゲットを機械的に保持して固定する役割をなし、又、好ましくは他方では良好な熱の分布及び放散を保証する役割を担う。好ましくは、ベースプレートは、完全に又は少なくとも大部分が、少なくとも実質的に純粋な銅又は銅合金からなる。ベースプレートは、固定要素、又は固定要素のための係合構造、例えば固定要素と係合するための孔を備えることができる。
第1及び第2のスパッタリング材料は、特に、C,B,Al,Si,及びIUPAC(1988)による周期表の第4族から第6族の元素を純粋な形で又は化合物,合金,又はそれらの焼結材料として含む群から選択することができる。特に好ましい実施形態では、第1及び第2のスパッタリング材料の材料の組み合わせは、例えば、チタン/アルミニウムであり得る。
ターゲットプレート及び/又はベースプレートは、好ましくは長方形の形状、特に細長い、すなわちその幅の3倍を超える、好ましくは5倍を超える長さを有する。その幅は、例えば50~200mm、好ましくは70~150mmの範囲であってもよい。その長さは、例えば、200~1000mm、好ましくは300~700mmの範囲であってもよい。ターゲットプレートの厚さは、その長さ及び幅に比べて比較的薄いことが好ましく、例えば3~30mm、特に5~15mmの範囲内であることが好ましい。
インサートは、ターゲットプレート上の環状領域に、すなわちターゲットプレートの中心を取り囲む閉じたストリップ(帯)に沿って配列され得る。“環状”は、必ずしも円形を意味すると理解される必要はない。実際、ターゲットプレートの好ましい長方形の形状では、インサートの好ましい配列は、楕円形の経路、又はむしろ丸みを帯びた長方形に沿う。
インサートは、好ましくは、ターゲットプレート上に線に沿って配置され、連続するインサートは、いずれの場合も、線の側部の方向にオフセットするように配置される。この配置は、カソードスパッタリング中に負荷を受ける主領域に沿って比較的多数のインサートを許容する(受け入れる)のに有利であることが証明されている。
異なる形状及び/又はサイズのインサートを使用し、それらをターゲットプレート上の異なる位置に配置することが可能である。これは、例えばスパッタリングターゲットがマグネトロンカソードに配置されている場合の磁場強度の違いにより、ターゲットプレート上の位置に応じて異なるスパッタリング条件が生成される場合に特に有利となり得る。このようにして、あらゆる不均一性を補償することができる。例えば、異なる断面積、特に異なる直径のインサート及び/又は多かれ少なかれ顕著な錐状度を有するインサートを使用することができる。例えば、長方形のターゲットプレートの場合、第1のサイズ及び錐状度の第1のタイプのインサートをターゲットプレートの長辺に沿って配列し、第2のタイプを短辺に配列することができる。このようにして、イオンの不均一な衝突の可能性から生じる、位置に依存する異なるスパッタ浸食の影響を、浸食された材料の組成がスパッタリングターゲットの長さに沿ってできるだけ均一になるように補償することができる。このような浸食の不均一な分布は、例えば、ターゲットの負荷の少ない第2の領域よりも錐状度がないか錐状度が低い、ターゲットの特に負荷の高い第1の領域に配置されるインサートによって反応させ得る。
アンバランスマグネトロンカソード上で長方形のターゲットを使用する場合、ターゲットの異なる領域は、電気励起のタイプに応じて異なる量の負荷を受けることが示されている。直流電圧(DC)で動作させると、短辺でのスパッタ浸食が大きくなり、HIPIMS法(高出力インパルスマグネトロンスパッタリング)による動作では、長手方向の中央での浸食が大きくなる。したがって、HIPIMS法で使用する場合、例えば、インサートが、例えば100~350mm、好ましくは200~300mmの長さの領域において、例えば、短辺よりも長手方向の辺に沿って中央に配置される、錐状でないか又は錐状度が少ないターゲットを提供することができる。
円形の断面を備えたインサートは知られており、試行及びテストされているが、顕著な錐状度の場合、つまり深さ方向に沿って直径が増加する場合、第2のスパッタリング材料の高い表面割合を得るために、インサートを十分に密に配置することは困難であり得ることが示されている。したがって、好ましい実施形態によれば、特に、ストリップ形状の断面を有するインサートを使用することができる。これは、最大長手方向寸法、すなわち長さが、長さに対して横方向の寸法すなわち幅よりも著しく大きい断面形状を意味する、と理解されるべきである。ストリップ形状(帯状)のインサートの長さは、幅の少なくとも二倍、好ましくは幅の少なくとも三倍に相当することが好ましい。長さ/幅の比が、少なくとも4,5,8,又は10に相当するさらに長いデザインも好ましいことが証明されている。好ましくは、ストリップの形状は、少なくとも実質的に長方形であり、すなわち、二つの少なくとも実質的に平行な長いエッジ(縁)を有する。その端部は、丸みを帯びていることが好ましい。ストリップ形状のインサートを使用すると、スパッタリングターゲットの表面の比較的大きな部分に第2のスパッタリング材料を容易に設けることができる。
ストリップ形状のインサートは、上側において、例えば5~20mm、好ましくは8~16mm、特に好ましくは10~15mmの幅を有していてもよい。その長さは、長方形のターゲットプレート内の配置に依存し、横配置又は斜め配置の場合には短いインサートが使用され、長手配置の場合には長いインサートが使用され得る。短い変形例では、例えば、長さが20~100mm、好ましくは25~80mm、特に好ましくは30~50mmであってもよい。長い変形例では、長さが例えば最大500mmであってもよい。
ストリップ形状のインサートは、その長さ及び/又は幅が深さ方向に増加する錐状度を備えていてもよい。好ましくは、幅と長さの両方が増加する。
ストリップ形状のインサートは、好ましくは互いに平行に配置され得る。長方形のターゲット表面におけるインサートの斜め、すなわち斜線状の配置が特に有利であることが判明しており、インサートは、長方形のターゲット表面の長手方向及び/又は横方向のエッジに対して、それらの長手軸が、好ましくは20~70°、特に好ましくは30~60°、特に45°+/-10°の角度で並べられる。このようにして、スパッタリングターゲットの表面上において第1及び第2のスパッタリング材料の分布の良好な均一性が達成され得る。
本発明は、さらに、コーティングチャンバが適切な手段により公知の方法で真空にされ、コーティングされる基材が配置され得る、コーティングシステムに関する。少なくとも一つのカソード、好ましくは複数のカソード、特にマグネトロンカソードが、コーティングチャンバ内に配置される。請求項のいずれか一つに関するスパッタリングターゲットは、少なくともひとつのカソード、好ましくは複数のカソード、又は全てのカソードに取り付けられる。
最後に、本発明は、本発明によるスパッタリングターゲットがカソードスパッタリングによって真空中でスパッタリングされ、スパッタリングターゲットのスパッタされた成分のコーティングが基材に適用されるコーティング方法に関する。
以下に、本発明の実施形態が、図面を参照してより詳細に説明される。
インサートが部分的に挿入されたスパッタリングターゲットの第1実施形態を示す斜視図である。 図1に示すスパッタリングターゲットの平面図である。 図2の線A-Aに沿ったターゲットの縦断面図である。 図3中の領域Bの拡大図であり、スパッタリングターゲットの第1実施形態によるインサートの形状を示す。 コーティングシステムを概略的に示す図である。 インサートが挿入されたスパッタリングターゲットの第2実施形態を示す平面図である。 図6におけるスパッタリングターゲットのインサートを示す図である。 図6におけるスパッタリングターゲットのインサートを示す図である。 図6におけるスパッタリングターゲットのインサートを示す図である。 インサートが挿入されたスパッタリングターゲットの第3実施形態を示す平面図である。 スパッタリングターゲットの浸食に対するスパッタリング材料の割合の推移を示すグラフである。 インサートが挿入されたスパッタリングターゲットの第4実施形態を示す平面図である。 インサートが挿入されたスパッタリングターゲットの第5実施形態を示す平面図である。
図面は、例示的なものであり、必ずしも縮尺通りではないことを理解されたい。
図1は、スパッタリングターゲット10の第1実施形態を示す。
スパッタリングターゲット10は、扁平な長方形状をなしている。これは、銅製の長方形のベースプレート12と、その上に配置された第1のスパッタリング材料、この場合は例えば純チタン製のターゲットプレート14を備えている。
ターゲットプレートの前側の表面16には、凹部18が設けられており、その凹部内に、第2のスパッタリング材料、この場合は一例として純アルミニウムで作られたインサート20が挿入さている。インサート20は、プラグとも称される。
図1において、理解を助けるために、スパッタリングターゲット10の右半分にはインサート20が挿入されておらず、左半分にはインサート20が挿入された凹部18が示されている。実際には、インサート20は、凹部18が完全に又は少なくとも大部分が充填されるように、スパッタリングターゲット10の凹部18のそれぞれに挿入されている。インサート20の上側は、それぞれの場合において、ターゲットプレート14の表面16と連続した平面を形成するか、又は、表面16に近接するが、凹状の上部窪み(不図示)を有する。
スパッタリングターゲット10は、図2において平面図で示されている。凹部18及びその中に挿入されたインサート20は、著しく丸いコーナを有する狭くて細長い長方形の形状をなす周縁ストリップに沿って環状配列で表面16上に配置されている。少なくともスパッタリングターゲット10の長辺(長手エッジ)に沿って、連続するインサート20は、互いに対して横方向に交互にオフセットするように配置され、それらのエッジ(縁)がほとんど接触する程度に密に連続して配置される。
コーナ(四隅)において、ターゲットプレート14は凹部を備え、その下にあるベースプレート12は、図5に関連して以下に説明するように、スパッタリングターゲット10をコーティングシステムのカソードに固定するためのネジ孔を備えている。さらに、ターゲットプレート14及びベースプレート12は、中央に位置する一列の孔を備え、これらの孔も取り付けのために使用される。
図3は、図2中の線A-Aに沿ったスパッタリングターゲット10の長手方向断面における、ベースプレート12、ターゲットプレート14及び凹部18、並びにインサート20の配置及び形状を示す。図4は、図3中の領域Bを拡大して示す。
図示の例では、インサート20はそれぞれ同じ形状を有する。各インサート20は、表面16における小さい上側の直径D1と、大きい下側の直径D2を備えた円錐台の形状をしている。したがって、表面16からベースプレート12に向かって直角に延びる深さ方向Tにおいて、ここで直径として測定される横寸法は、表面16に平行な測定方向において直径D1から直径D2まで直線的に増加する。その結果、それぞれの場合において表面16に平行に測定されるインサート20の断面積は、それに応じて増加する。
図4の拡大縦断面図では、図示のインサート20の輪郭に関して、凹部18の縁に隣接するインサート20の側縁が、斜めに、すなわち、垂直に対して錐状度の角度αで、かつ、表面16に対して角度βで延びていることが理解され得る(ここで、明らかに、β=90°-αは合式である)。
図示の好ましい例示的な実施形態では、角度αは約8°であり、したがって、角度βは約82°である。
また、図4は、インサート20がターゲットプレート14の厚さT1に相当するよりも深さ方向に、すなわちベースプレート12の凹部22内に延在していることを示している。ここで、ベースプレート12は、厚さT2を有し、インサート20はベースプレート12内にT3の量だけ延びている。
好ましい実施形態では、インサート20の長さ又は正確には深さ(T1+T3)は、約4~20mm、好ましくは約7mmである。インサート20の上側の直径D1は、例えば10~20mmの範囲であり、好ましくは約15mmであり、下側の直径D2は、例えばD1より5~20%大きく、好ましくは約13%大きい。
図5は、真空チャンバ32を備えたコーティングシステム30を概略的に示しており、その中には、一例として、アンバランスマグネトロンとして設計された四つのカソード40が基材テーブル38の周りに配置されている。各カソード40には、それぞれにおいて、一つのスパッタリングターゲット10が装備されている。
真空を生成するための手段34(ポンプシステム)と、プロセスガス及び該当する場合には反応性ガスを供給するための手段36とが、真空チャンバ32に接続されている。
真空チャンバ32内に配置された、カソード20、基材テーブル38、及びアノード44は、電力供給システム42に接続されている。
コーティングシステム30は、例えば、本出願人の国際公開WO98/46807に開示されているように構築されて操作されることができる。この公報の内容は、特に、図示のコーティングシステム30の要素の電気的構成に関して及びコーティング中のプロセスに関して、ここに組み込まれる。
真空チャンバ32内において、電力供給システム42によって電圧を用いてカソード40とアノード44との間にプラズマが生成され、スパッタリングターゲット10がスパッタリングされる。したがって、基材テーブル38上に配置された基材には、スパッタリングターゲット10のスパッタされた成分のコーティングが施される。
コーティングシステム10の動作中、材料は、主に、インサート20の配列(図2を参照)に沿ってスパッタリングターゲット上に環状に延びる浸食チャネルに沿って、スパッタリングターゲット10の表面16から浸食される。材料は、ターゲットプレート14の関連する露出表面とインサート20の両方から浸食される。
しかしながら、浸食は均一ではなく、第1のスパッタリング材料、この場合はチタン、第2のスパッタリング材料、この場合はアルミニウムでは、前述の材料のそれぞれのスパッタ率に応じて異なる。
以下に、600eVでの幾つかの材料のスパッタ率の値が、例として(Arイオンによるスパッタリングのために)示される。
Al(アルミニウム) 1.24
Ti(チタン) 0.58
Cr(クロム) 1.3
Si(シリコン) 0.53
V(バナジウム) 0.7
Ta(タンタル) 0.62
したがって、チタン/アルミニウムの好ましい材料の組み合わせの場合、第2のスパッタリング材料のスパッタ率は、第1のスパッタリング材料であるチタンのスパッタ率よりも約100パーセント高い。
一定の動作時間の後、インサート20を構成する第2のスパッタリング材料のスパッタ率が高くなることにより、スパッタリング材料の表面16はもはや平面ではなくなり、むしろインサート20が凹部のように深くなる。これらの凹部は、衝突するイオンに対する部分的な遮蔽をもたらし、第1及び第2のスパッタリング材料のそれぞれの割合は、上述のスパッタ率を考慮すると、インサート20の断面及びターゲットプレート14の表面から直接生じるものではなく、むしろ状況はより複雑である。しかしながら、いずれにせよ、本発明によるものではない円筒形インサート20の比較例では、真空チャンバ32内の第2のスパッタリング材料又はむしろ基材上に生成されるコーティングの割合が、スパッタリングターゲット10の耐用年数全体を通して減少することが示されている。
図3及び図4に示されたインサート20の円錐形状の場合、インサートは深さ方向においてサイズが増加し、進行性の浸食により徐々に広い領域が露出する。これにより、第2のスパッタリング材料の割合の低下が相殺され、理想的には完全に補償される。
スパッタリングターゲット10の上述の実施形態では、全てのインサート20が同じ形状を有するが、同じスパッタリングターゲット10の個々のインサート20の形状は互いに異なっていてもよく、特にインサート20は、異なる錐状度(すなわち、特に、錐状度の異なる角度)を有してもよく、又は、インサート20は、円筒形状、すなわち錐状度を持たない形状を有していてもよい。
したがって、代替の実施形態(不図示)として、ターゲットプレート14と同じ形状、及び図示のスパッタリングターゲット10と同じ数及び配列のインサート20を有するスパッタリングターゲット10が提案され、そこでは、円筒形ですなわち錐状形でないインサート20が、ターゲットプレート14の長手方向(長辺)に沿って中央に例えば250mmの距離に沿って設けられる。この種のターゲットは、HIPIMS法による動作に特に適しており、長手方向の中央でより多くの浸食が生じる。
図6及び図7a~図7cは、好ましい第2実施形態によるスパッタリングターゲット110及びそのインサート120を示す。第2実施形態によるスパッタリングターゲット110は、大部分が第1実施形態によるスパッタリングターゲット10に対応し、同一の部分には同じ参照符号が付されている。スパッタリングターゲット10と同様に、スパッタリングターゲット110は、その下に配置されたベースプレート12(図6では視認できない)を有する長方形のターゲットプレート14を備える。
以下では、両実施形態の間における相違点のみについて言及する。
第2実施形態は、凹部118の断面形状が異なり、その中に嵌合されるインサート120が異なる点で、第1実施形態とは異なる。当該インサートは、それぞれ、ストリップ形状、すなわち細長い長方形の断面を有するが、丸い端部を有する。
凹部118及びインサート120は、錐状であり、すなわち深さ方向Tにサイズが増加する。表面16では、インサート120は長さLを有し、下端ではLよりも大きい長さLを有する。これを横切る方向において、下端の幅Bも表面16の幅Bよりも大きい。長尺形状のため、長さL,Lは、いずれの場合も、関連する幅B,Bよりもかなり大きく、この場合において、約10倍の大きさである。異なるインサート122、すなわち短めのインサートは、ターゲットプレート14の長手方向の端部においてのみ対応する凹部に適切にぴったりと受け入れられる。
第2実施形態によるスパッタリングターゲット110の場合、ターゲットプレート14は、好ましくはチタンで作られ、インサート120はアルミニウムで作られる。インサート120の幅は、深さ方向Tにおいて幅Bから幅Bまで増加し、インサート120を長手方向から視て、側壁は角度βで延びる。同時に、インサート120の長さは、深さ方向Tにおいて長さLからLまで増加し、インサート120を横方向から視て、側壁は角度βで延びる。したがって、インサート120の断面積は、表面16から(表面14に平行に)深さ方向Tにおいて面積L×Bから面積L×Bまで増加する(ここで、丸み部分はこの計算において考慮されていない)。
サイズL,L,B,B,β,βの寸法は、異なる実施形態では異なる場合がある。特に、L=L又はB=Bが可能であり、すなわち、インサート120は、例えば、長手方向又は横方向にのみ錐状であってもよい。特に、横方向の錐状度の影響はいずれにせよより顕著であるため、製造の観点からみると、長手方向ではなく横方向の錐状度のみを提供する(つまり、L=L)方が簡単であることが判明するかもしれない。
好ましい例示的な実施形態では、インサート120は、例えば、以下の値によって特徴付けることができる。
=95mm
=95mm(5mmの深さTにおいて)
=15mm
=18mm(5mmの深さTにおいて)
β=73.3°
β=90°
これにより、表面16に比べて深さ5mmでは、断面積が約20%増加する。
図6の実施形態によれば、長尺なインサート120は、ターゲットプレート14のエッジ(縁)に対して斜めに整列して表面16上で互いに平行に延在し、この場合、約45°の角度で延在する。
インサート120が長尺形状であるため、表面16では、第1実施形態によるインサート20の円形断面に比べて、ターゲットプレート114の材料(ここではチタン)に対するインサート120の材料(ここではアルミニウム)のより高い割合が達成され得る。とりわけ、インサート120が錐状であるため、インサート120を隣り合わせに配置する際に問題を引き起こすことなく、総表面積に対するインサート120の材料の割合の大幅な増加を、より簡単な方法で達成することができる。
図8は、第3実施形態に係るスパッタリングターゲット210を示す。第2実施形態によるスパッタリングターゲット210は、第2実施形態によるスパッタリングターゲット110にほぼ対応し、この場合も、同一の部分には同一の参照符号が付されている。以下では、実施形態同士の間での差異についてのみ言及する。
第3実施形態の場合、凹部218及びその中に挿入されるインサート220も長尺であるが、幅対長さの比は約1:4であり、大幅に短くなる。インサート220は、エッジ(縁)に対して約45°の斜めとなるように整列され、ターゲットプレート14の長手方向エッジに沿って二つの平行な列に配置されている。また、インサート220は、錐状であり、すなわち、それらの長さ及び/又は幅は、深さ方向Tに増加する(図8において不図示)。
図7a~図7cによるインサート120の図面は、インサート220にも適用され、すなわち、寸法L,L,B,B,β,βは、その形状に適用され、深さ方向Tにおいてサイズが増加する。好ましい例示的な実施形態では、これらの寸法は、次のように選択され得る。
=31mm
=34mm(5mmの深さTにおいて)
=15mm
=18mm(5mmの深さTにおいて)
β1=73.3°
β2=73.3°
これにより、表面16と比較して、深さ5mmでは、断面積が約32%増加する。
図9は、第3実施形態による種々のスパッタリングターゲット210を用いたコーティング試験の結果を示す。コーティングは、チタン製のターゲットプレート14及びアルミニウム製のインサート220からなるスパッタリングターゲット210を用いて、上述のようにシステム30内に適用された。スパッタリングターゲット210の浸食(mm単位)に対して生成された層中のアルミニウム含有量(金属層含有量のat.%)が示されている。
図9では、インサート220の異なる錐状度について三つの異なる曲線が示されており、それぞれの場合において、表面16における断面積と下端における断面積との間の面積比によって示される。したがって、1:1で示される最下の線は、深さ方向にサイズが増加しないインサート(比較例)を示し、上の二つの線は、低い錐状度(1:1.2、つまり深さ5mmで断面積が20%増加する)及びそれより大きい錐状度(1:1.3、つまり深さ5mmで断面積が30%増加する)の曲線を示している。
非錐状のインサートの比較例(線1:1)では、スパッタリングターゲットが5mmの深さまで浸食されたとき、Al含有量が最初の約58at.%から50at.%未満に急激に低下している。断面積が20%増加した錐状形であっても、Al含有量の低下は約54at.%まで大幅に減少している。断面積が30%増加して錐状度がさらに大きくなっても、Al含有量の低下を生じるが、今回はそれ程顕著ではない。
図10及び図11は、第4及び第5実施形態によるスパッタリングターゲット310,410を示す。第4及び第5実施形態によるスパッタリングターゲット310,410は、前述の実施形態によるスパッタリングターゲット110,210にほぼ対応し、この場合も、同一の部分には同一の参照符号が付されている。以下では、各実施形態同士の間の差異についてのみ言及する。
第4及び第5実施形態では、凹部318,418及びそこに挿入されるインサート320,420は、ターゲットプレート14のエッジ(縁)に対して斜めに配置されず、むしろ平行に配置されており、図10の例では、それらは短辺と平行であり、図11の例では、それらは長辺と平行である。この場合も、インサート320,420は、錐状形であり、すなわち、それらの長さ及び/又は幅は深さ方向Tにおいて増加する(図10及び図11において不図示)。
要するに、生成される層中のコーティング材料の相対的な割合(相対比率)を均一化するために、スパッタリングターゲットのインサートの錐状度を使用することが示された。このような錐状度(錐体の度合い)は、ターゲットプレート14において、異なる断面形状及び配列のインサート20,120,220,320,420のために提供され得る。

Claims (15)

  1. スパッタリングターゲット(10)であって、
    ベースプレート(12)と、
    その上に固定され、表面(16)とその上に形成された複数の凹部(18)を備えた第1のスパッタリング材料からなるターゲットプレート(14)と、
    前記凹部(18)内に配置され、少なくとも幾つかは第2のスパッタリング材料で作られた複数のインサート(20)と、を含み、
    前記第2のスパッタリング材料は、前記第1のスパッタリング材料よりも高いスパッタ率を有し、
    前記第2のスパッタリング材料で作られた前記インサート(20)の少なくとも一部は、前記表面(16)に平行な測定方向において測定された前記インサートの大きさ(D,D)が前記表面(16)から前記ベースプレート(12)まで深さ方向(T)に亘って連続的に増加するように形成されている、
    スパッタリングターゲット。
  2. 前記第2のスパッタリング材料で作られた前記インサート(20)の少なくとも幾つかは、少なくとも部分的に円錐状又は角錐状となるように成形されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載のスパッタリングターゲット。
  3. 前記第2のスパッタリング材料で作られた前記インサート(20)の少なくとも幾つかは、その断面積が深さ方向(T)において5mmの深さに亘って4~40%まで増加するように形成されている、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のスパッタリングターゲット。
  4. 前記第2のスパッタリング材料で作られた前記インサート(20)の少なくとも幾つかは、長手方向断面において、エッジが前記表面(14)に対して70°~89°の角度で延びるように成形されている、
    ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一つに記載のスパッタリングターゲット。
  5. 前記ベースプレート12は、凹部(22)を含み、
    前記第2のスパッタリング材料で作られた前記インサート(20)は、前記ベースプレート(12)の前記凹部(22)内に突出する、
    ことを特徴とする請求項1ないし4いずれか一つに記載のスパッタリングターゲット。
  6. 前記第1のスパッタリング材料は、チタンであり、
    前記第2のスパッタリング材料は、アルミニウムである、
    ことを特徴とする請求項1ないし5いずれか一つに記載のスパッタリングターゲット。
  7. 前記ベースプレート(12)は、完全に又は少なくとも大部分が銅又は銅合金からなる、
    ことを特徴とする請求項1ないし6いずれか一つに記載のスパッタリングターゲット。
  8. 前記インサート(20)は、前記ターゲットプレート(14)上の環状領域に配置されている、
    ことを特徴とする請求項1ないし7いずれか一つに記載のスパッタリングターゲット。
  9. 前記インサート(20)は、前記ターゲットプレート(14)上の線に沿って配置され、
    前記インサート(20)は、いずれの場合も前記線の側部の方向にオフセットするように配置されている、
    ことを特徴とする請求項1ないし8いずれか一つに記載のスパッタリングターゲット。
  10. 前記ターゲットプレート(14)上の異なる位置に配置された二つのインサート(20)の形状及び/又はサイズは、異なる、
    ことを特徴とする請求項1ないし9いずれか一つに記載のスパッタリングターゲット。
  11. 前記インサート(120,220,320,420)は、幅の少なくとも二倍に相当する長さを有するストリップ形状の断面を有する、
    ことを特徴とする請求項1ないし10いずれか一つに記載のスパッタリングターゲット。
  12. 前記長さ及び/又は前記幅は、前記深さ方向(T)において増加する、
    ことを特徴とする請求項11に記載のスパッタリングターゲット。
  13. 前記ターゲットプレート(14)は、長方形であり、
    前記ストリップ形状のインサート(120,220)は、前記ターゲットプレート(14)の長手方向及び/又は横方向のエッジに対して、20~70°の角度で整列されている、
    ことを特徴とする請求項11又は12に記載のスパッタリングターゲット。
  14. コーティングチャンバ(32)と、
    前記コーティングチャンバ(32)内に真空を生成するための手段(34)と、
    前記コーティングチャンバ(32)内においてコーティングされる基材を配置するための手段(38)と、
    前記コーティングチャンバ(32)内に配置される少なくとも1つのカソード(40)と、を含み、
    請求項1ないし13いずれか一つに記載のスパッタリングターゲット(10)が、前記カソード(40)上に取り付けられている、
    コーティングシステム。
  15. 請求項1ないし13いずれか一つに記載のスパッタリングターゲット(10)が、カソードスパッタリングによって真空中でスパッタリングされ、前記スパッタリングターゲット(10)のスパッタされた成分のコーティングが基材に設けられる、
    ことを特徴とするコーティング方法。
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