JP2024505011A - エチルターシャリーブチルエーテルの製造方法 - Google Patents

エチルターシャリーブチルエーテルの製造方法 Download PDF

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レッディー サンディリ,サントシュクマール
チェリアン,ベネット
グナナセカラン,ワーラーヴァラス
ラーオ ボッジャ,ラマチャンドラ
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ヒンドゥスタン ペトロリアム コーポレーション リミテッド
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    • C07C41/06Preparation of ethers by addition of compounds to unsaturated compounds by addition of organic compounds only

Abstract

本開示は、エチルtert-ブチルエーテルの調製方法であって:(a)触媒の存在下でエタノールをC4炭化水素原料の混合物と反応させて混合物を得ること;並びに(b)混合物を40~70℃の範囲の温度及び15~30バールの範囲の圧力で添加溶剤と接触させてエチルtert-ブチルエーテルを得ることを含み、C4炭化水素原料の混合物がイソブチレンを含み、エタノール対イソブチレンモル比が1:1~2:1の範囲である、プロセスに関する。本開示はまた、エタノール及びエチルtert-ブチルエーテルを分離するプロセスも開示する。さらに、本開示は、91%~93%の範囲の純度を有するエチルtert-ブチルエーテルを含む組成物を開示する。

Description

本開示は、広くは、燃料添加剤用の酸素化物の調製方法に関し、特に、エチルtert-ブチルエーテル(ETBE)の調製方法、及び、エタノール(EtOH)からのその分離方法に関する。
ガソリンのアンチノック特性を改良するために、リファイナリーは、よりハイオクのガソリン添加剤が求められている。現在では、連続接触改質(CCR)芳香族生成物及び流動接触分解(FCC)オレフィンナフサがガソリンプールにおいて混合されてオクタン価を改良している。例えば、US9657245B2は、低硫黄高オクタン価ガソリンの製造に関するものである。
ガソリンにおける芳香族化合物及びオレフィン含有量について仕様が課されるにつれ、Euro-VIガソリン仕様を満たすために、酸素化物の添加が避けられなくなってきている。酸素化物、例えば、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)、エチルtert-ブチルエーテル(ETBE)、tert-アミルメチル(TAME)エーテルは、通常はアルコール又はエーテルの形態で酸素を含有する燃料添加剤として分類される。これらは、一般的に、高いオクタン価及び低いリード蒸気圧(RVP)を有しており、燃料燃焼の向上を助けることにより燃料排気物質を低減する。例えば、US3726942は、混合されたC4類のストリームから2-メチル-2-メトキシプロパン及びアルキレートの製造方法であって、当該ストリームが、まず、脱水素化され、次いで、メタノールと併せてエーテル化ユニットに供給されて2-メチル-2-メトキシプロパンを形成する方法に関する。続いて、水を使用して、水で洗浄することによってメタノールを2-メチル-2-メトキシプロパンから除去する。
上述の酸素化物の中でも、水に高溶解性であるMTBEが給油所において起こり得るガソリンの流出又は漏出によって地下水汚染を引き起こす場合が多いという事実に起因して、ETBEは、MTBEよりも極めて好ましい。
ETBEは、一般的に、C4炭化水素混合物及びエタノールのエーテル化反応によって製造される。反応が完了した後、一般的に、残りの量の未反応のエタノールがETBEに混入され、共沸混合物を形成する。ETBE/エタノール共沸混合物の存在は、ガソリン中の許容されるエタノール含有量に関する仕様を満たすようにエタノールをETBEから分離ことを困難にする。広範囲の研究がこの分野において行われ、ETBEを調製するためのいくつかの方法が開発されているが、依然として、これを分離及び精製して燃料添加剤として有用にすることにおいて直面する多くの妨げ及び困難が存在する。加えて、利用可能な方法の大部分が、実施するのに複雑であるだけでなく製造者に追加のコストを負担させる複数のステップを含んでいる。
US7399892は、膜における脱水によって、異なる含水量を有する、比較的水が豊富なエタノールの少なくとも2つのストリームから、水の少ないエタノールを調製するための方法を開示している。次いで、水の少ないエタノールを使用してエチルtert-ブチルエーテル(ETBE)を調製する。
いくつかの努力がなされているにもかかわらず、利用可能な方法は、実質的に純粋なETBEを製造することができないという欠点に依然として悩まされている。汚染されたETBEは、ガソリンのオクタン価を改良するのにあまり有用ではなく、有用であるために
はさらなる精製ステップを必要とする。さらに、かかるステップはまた、全体のプロセスエネルギーを非効率且つ高価にする追加のエネルギー投入も必要とする。そのため、技術水準において、ETBEを製造するのに簡潔且つ有効であるだけでなく、エネルギー必要量及び全体のコストの両方の観点で経済的である、ETBEの製造に好適な方法を提供するという緊急の必要性が生じている。
本開示の第1態様において、エチルtert-ブチルエーテルの調製方法であって:(a)触媒の存在下でエタノールをC炭化水素原料の混合物と反応させて混合物を得ること;並びに(b)混合物を40~70℃の範囲の温度及び15~30バールの範囲の圧力で添加溶剤と接触させてエチルtert-ブチルエーテルを得ることを含み、C炭化水素原料の混合物がイソブチレン(IB)を含み、エタノール対イソブチレンモル比が1:1~2:1の範囲である、方法を提供する。
本開示の第2態様において、エタノール及びエチルtert-ブチルエーテルの分離方法であって:(a)添加溶剤を、エチル-tert-ブチルエーテル及びエタノールを含む原料に供給すること;並びに(b)エタノール及びエチル-tert-ブチルエーテルを分離することを含み、エチル-tert-ブチルエーテル及び添加溶剤比が、30:1~10:1の範囲である、方法を提供する。
本開示の第3態様において、(i)(a)触媒の存在下でエタノールをC炭化水素原料の混合物と反応させて混合物を得ること;並びに(b)混合物を40~70℃の範囲の温度及び15~30バールの範囲の圧力で添加溶剤と接触させてエチルtert-ブチルエーテルを得ることを含む方法であって、C炭化水素原料の混合物がイソブチレンを含み、エタノール対イソブチレンモル比が1:1~2:1の範囲である、方法によって調製される、91~93%の範囲の純度を有するエチルtert-ブチルエーテル;(ii)エタノール;並びに(iii)添加溶剤を含む組成物を提供する。
本主題のこれら及び他の特徴、態様及び利点は、以下の詳細な説明及び添付の特許請求の範囲を参照して、より良好に理解されよう。この概要は、簡素化された形態での概念の選択を導入するために提供される。この概要は、特許請求の範囲の主題の重要な特徴又は本質的な特徴を同定することは意図されておらず、また、特許請求の範囲の主題の範囲を限定するために使用されることも意図されていない。
以下の図は、本明細書の一部を形成しており、本開示の態様をさらに例示するために包含される。本開示は、本明細書に提示されている具体的な実施形態の詳細な説明と組み合わせて図を参照することにより、より良好に理解され得る。
図1は、本開示の実施形態による、ベンゼン、ETBE及びエタノール(EtOH)間で形成される三元共沸混合物の三元共沸混合物マップを示す。
図2は、本開示の実施形態による、トルエン、ETBE及びエタノール(EtOH)間で形成される三元共沸混合物の三元共沸混合物マップを示す。
図3は、本開示の実施形態による、n-ヘキサン、ETBE及びエタノール(EtOH)間で形成される三元共沸混合物の三元共沸混合物マップを示す。
図4は、本開示の実施形態による、ETBE-エタノールのエーテル化反応及び添加溶剤による蒸留に関するプロセスフロースキームを示す。
当業者は、本開示が、詳細に記載されているもの以外の変形及び変更を対象とすることに気付くであろう。本開示が全てのかかる変形及び変更を含むことが理解されるべきである。本開示はまた、この明細書において個々に又はまとめて参照され又は示されている全てのかかるステップ、特徴、組成物、及び化合物、並びに、かかるステップ又は特徴のいずれか又はそれを超えるありとあらゆる組み合わせも包含する。
定義
便宜上、本開示のさらなる説明の前に、本明細書において用いられるある特定の用語、及び例をここで記述する。これらの定義は、本開示の残りの部分に照らして読まれるべきであり、当業者によって理解されるべきである。本明細書において使用されている用語は、当業者に認識され且つ知られている意味を有するが、便宜及び完全性のために、特定の用語及びこれらの意味を以下に記載する。
冠詞「a(1つの)」、「an(1つの)」及び「the(その)」は、1つ又は1を超える(すなわち、少なくとも1つの)、当該冠詞の文法上の目的語を指す。
用語「含む(comprise)」及び「含む(comprising)」は、包含的な、オープンな意味で使用され、追加の要素が含まれてよいことを意味している。「のみからなる」と解釈されることは意図されていない。
この明細書全体を通して、文脈が別途要求しない限り、語「含む(comprise)」、及び変形、例えば、「含む(comprises)」及び「含む(comprising)」は、記述されている要素若しくはステップ又は要素若しくはステップの群の包含を暗示するが、いずれの他の要素若しくはステップ又は要素若しくはステップの群の排除も暗示しないことが理解されよう。
用語「含む(including)」は、「含むがこれに限定されない(includeing but not limited to)」を意味するのに使用される。「含む(Including)」及び「含むがこれに限定されない(includeing but not limited to)」は、互換可能に使用される。
比、濃度、量、及び他の数的データは、範囲形式で本明細書に提示されている場合がある。かかる範囲形式は、単に、便宜及び簡潔さのために使用されていること、並びに、範囲の境界として明確に列挙されている数値を含むだけでなく、あたかも各数値及びサブ範囲が明確に列挙されているかのように当該範囲内に包含される全ての個々の数値又はサブ範囲も含むと解釈されるべきであることが理解されるべきである。例えば、約15~30バールの圧力範囲は、約15バール~約30バールの明確に列挙されている境界を含むだけでなく、サブ範囲、例えば、15~20バール、20~30バールなど、並びに、特定の範囲内の端数量、例えば、24.5バール、及び24.252バールなどを含めた個々の量も含むと解釈されるべきである。
本明細書において使用されている用語「オクタン価」は、燃料が爆発前に耐えることができる圧縮の尺度であるアンチノック性も指す。また、燃料がエンジンにおいて空気と共に燃料混合物中で点火されるときにノッキングに耐える能力も指す。オクタン価が低いと、望ましくないエンジンノッキングにつながる。
本明細書において使用されている用語「アンチノック剤」は、自己発火が起こる温度及び圧力を上昇させることによってエンジンノッキングを低減し且つ燃料のオクタン価を増
加させるのに使用されるガソリン添加剤を指す。
本明細書において使用されている用語「Euro-VIガソリン仕様」は、欧州連合及びEEA加盟国において販売される新しい車両の排気物質に関する許容限界を定義する欧州排出ガス基準を指す。
本明細書において使用されている用語「添加溶剤」は、2つの近沸点液体の二元共沸混合物に添加される分離剤を指す。
本明細書において使用されている用語「共沸混合物」は、近い沸点を有する少なくとも2つの液体(本開示におけるETBE及びエタノール)の混合物を指すが、これらから得られる共沸混合物は、液体の特定の組成(モル%)において一定の沸点を示す。この沸点は、当該2つの液体の沸点よりも高くても低くてもよい。
本明細書において使用されている用語「低沸点共沸混合物」は、共沸混合物を形成する両液体の沸点よりも低い沸点を有する共沸混合物を指す。
本明細書において使用されている用語「リード蒸気圧」は、試験法ASTM-D-323によって求められる、37.8℃(100°F)において発揮されるガソリン蒸気圧を指す。これは、ガソリンの揮発性を測定するのに一般に使用される。
本明細書において使用されている用語「パージ速度」は、添加溶剤の供給速度(kg/時)を指す。
本明細書において使用されている用語「リボイラエネルギー」は、蒸留カラムにおいてリボイラによって使用されるエネルギー投入量を指す。
本明細書において使用されている用語「コンデンサエネルギー」は、蒸留カラムにおいてコンデンサによって使用されるエネルギー投入量を指す。
本明細書において使用されている用語「重量時空間速度」は、微小流動床反応器に投入される、時間当たりの触媒の単位重量当たりの流動する原料(エタノール、添加溶剤)の重量を指す。
本明細書において使用されている用語「イソブチレン転化」は、イソブチレンをエチルtert-ブチルエーテルに転化することを指す。
本明細書において使用されている用語「C4炭化水素」は、イソブチレン(5~40重量%)、プロパン、イソブタン、n-ブタン、1-ブテン、シス-2-ブテン、イソブテン、トランス-2-ブテン、n-ペンタン、及びイソペンタンを含む炭化水素ストリームを指す。
本明細書において使用されている用語「改質油ストリーム」は、ベンゼン、トルエン、キシレン及びC9芳香族混合物からなるリファイナリーを指す。
本明細書において使用されている句「ベンゼン及びn-ヘキサンの混合物」はまた、FCCハートカットナフサであってもよい。
本明細書において使用されるベンゼンの密度は、876kg/mであり、本明細書において使用されるn-ヘキサンの密度は、655kg/mである。
本明細書において使用されている用語「触媒」は、エタノールを用いたイソブチレンのエーテル化反応を触媒してETBEを形成するのに使用される化合物を指す。触媒は、ZSM-5、アンバーリスト15、アンバーリスト35、アンバーリスト16、アンバーリスト36、アンバーリスト39、アンバーリスト40、アンバーリスト45、アンバーリスト46、アンバーリスト48、アンバーリストDT、ピュロライトCT-124、ピュロライトCT-175、ピュロライトCT-275、ピュロライトCT-482、ピュロライトMN-500、アルミノシリケート、H-ベータゼオライト、ZSM-5、ZSM-57、レバチットK2629、ケイタングステン酸、及びリンタングステン酸を含めた非限定例から選択される、ゼオライト触媒、酸触媒であってよい。
背景技術において考察されているように、酸素化物は、一般的に、オクタン価を増加させるためにガソリン中でアンチノック剤として使用される。一般に使用されている酸素化物のいくつかには、MTBE、ETBE及びTAMEが含まれる。しかし、ETBEを除く両酸素化物が、ある特定の欠点を伴う。メチルターシャリーブチルエーテル(MTBE)は、ハイオクガソリン添加剤であるが、水に易溶解性であり(表1に示すように4.3g/100ml水の溶解度を有する)、ガソリン添加剤としてあまり望ましくない高いリード蒸気圧を有する。一方で、ターシャリーアミルメチルエーテル(TAME)は、低いリード蒸気圧を有するが、原料としてアミレンを消費し、ここで、アミレン自体は、リファイナリーにおいて使用される良好なリサーチオクタン価(RON)ブースターである。MTBE及びTAMEの上述の問題とは対照的に、ETBEは、低いリード蒸気圧、高いオクタン価及び低い水溶解度という有利な特性を示す。これらの特性に鑑みて、本開示は、燃料添加剤用の酸素化物としてさらに使用され得るエチルtert-ブチルエーテル(ETBE)を調製することに焦点を当てる。
本開示は、エチルtert-ブチルエーテル(ETBE)の調製方法であって、触媒の存在下でエタノールをC炭化水素原料の混合物と反応させる最初のステップを有し、C炭化水素原料の混合物がイソブチレン(IB)を含み、エタノール対イソブチレンモル比が1:1~2:1の範囲である、方法に関する。イソブチレンは、エタノールと反応し、エーテル化を経て、生成物としてETBEを形成する。しかし、エタノールは、反応混合物において過剰に取り込まれるため、未反応のエタノールは、ETBEとの低沸点二元共沸混合物の形成につながる。この二元共沸混合物に、ETBE及びエタノールとの三元共沸混合物を形成する添加溶剤が添加される。添加溶剤は、反応器の上流に添加されて、ETBE-エタノール二元共沸混合物の効率的な分離を助ける。液相において反応体を保持するために高い圧力が用いられる。エタノール及びIB間のエーテル化反応は発熱平衡反応であるため、かかるより低い温度範囲を維持すること、及び、エタノール対IBモル比を1:1~2:1の範囲に維持することにより、エタノールが過剰に維持されると、反応が順方向に移動して85重量%超の高いイソブチレン転化率をもたらすことができ、これにより、高いETBE収率も結果として生じさせる。
上記に加えて、従来技術が直面した、ETBEの純度が損なわれるという最も困難な課題も本開示において克服する。第1ステップにおいて形成されるETBEは、エタノールからの純粋なETBEの分離を困難にする未反応のエタノールとの共沸混合物を形成する。ETBE及びエタノールの共沸濃度は、それぞれ、0.46及び0.54モル分率である。リサイクルストリームにおいてかかる高濃度のETBEを有すると、操作コストの増加を引き起こし、反応器にリサイクルするには採算が合わなくなる。また、エタノールの含有量も、ガソリン中のエタノール含有量に関係する仕様に適するように低減されなければならない。そのため、EBTE-エタノール共沸混合物を分離して実質的に純粋なETBEを生成するのに好適な技術を提供する目的で、本開示の方法は、ベンゼン、n-ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサン、シクロペンタン、トルエン、改質油ストリーム、ハートカットナフサ蒸気、又はこれらの組み合わせから選択され得る添加溶剤を添加して混合物を形成することを含む。これらの特定の添加溶剤は、ETBEからのエタノールの分離を助け且つ91~93%の範囲の純度のより高度に純粋なETBEにする、ETBE及びエタノールの低沸点三元共沸混合物を形成する。添加溶剤のそれぞれの沸点及びエタノールとの得られる共沸混合物のより低い沸点の詳細を、共沸混合物中の添加溶剤のモル%と併せて、以下の表2に提示し、これに基づいて上述の添加溶剤をこの開示の目的で選択した。例えば、ベンゼン及びn-ヘキサンの混合物は、操作コストが高度に低減されるという追加の利点を伴って効率的に分離するのに充分である90:10~40:60の体積比範囲で組み合わされ得る。そのため、本開示はまた、エタノール及びエチルtert-ブチルエーテルの分離方法であって、エチル-tert-ブチルエーテル及び添加溶剤比が30:1~10:1の範囲で維持される、方法も開示する。添加溶剤の供給速度は、0~250kg/時の範囲に維持され、これは利用可能な方法と比較して充分に低く、ETBEから約70~90%のETOHを回収してこれを反応器に戻してリサイクルするのにも充分である。上記に加え、添加溶剤、ETBE及びEtOHを含むオーバーヘッド蒸留ストリームも、次のエーテル化反応においてエタノールを利用するために、1790~1961kg/時の流量で反応混合物に戻されてリサイクルされる。リサイクルストリームにおけるエタノールの量は、たった3%まで高度に低減され、ETBEからエタノールを分離する際に本添加溶剤について高い効率を示す。本開示はまた、利用可能なプロセスにおいて消費されるエネルギーよりも実質的に低い、それぞれたった4280KW及び4173KWの再沸エネルギー及び凝縮エネルギーが消費されるといった、低エネルギー要求の点において改良された効率も実証している。本開示はさらに、エタノールからの分離後に高い純度(91%~93%)で得られるエチルtert-ブチルエーテル、並びに残量のエタノール及び添加溶剤を含む組成物に関する。全体として、本開示は、高需要の燃料添加剤、高い純度を有するエチルtert-ブチルエーテルを調製するための簡素且つ便利な方法であって、高いエネルギー要求による追加の負荷を作り出さないことにより、さらなる商業化のために産業レベルでETBEの製造をスケールアップするのに高度に経済的且つ実行可能である、方法を提供する。

別途定義されていない限り、本明細書において使用されている全ての技術的及び科学的用語は、この開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されているのと同じ意味を有する。本明細書に記載されているものと同様又は等価であるいずれの方法及び材料も、本開示の実用又は試験において使用され得るが、好ましい方法及び材料をここで記載する。本明細書において言及している全ての公報が、参照により本明細書に組み込まれる。
本開示は、単に例示の目的で意図されている、本明細書に記載されている具体的な実施形態によって範囲が限定されるべきではない。機能的に等価である生成物、組成物及び方法は、本明細書に記載されているように、明らかに本開示の範囲内である。
本開示の実施形態において、エチルtert-ブチルエーテルの調製方法であって:(a)触媒の存在下でエタノールをC炭化水素原料の混合物と反応させて混合物を得ること;並びに(b)混合物を40~70℃の範囲の温度及び15~30バールの範囲の圧力で添加溶剤と接触させてエチルtert-ブチルエーテルを得ることを含み、前記C炭化水素原料の混合物がイソブチレンを含み、エタノール対イソブチレンモル比が1:1~2:1の範囲である、方法を提供する。本開示の1つの別の実施形態において、混合物を添加溶剤と接触させることが、45~65℃の範囲の温度及び16~25バールの範囲の圧力で実施されてエチルtert-ブチルエーテルを得、C炭化水素原料の混合物がイソブチレンを含み、エタノール対イソブチレンモル比が、1.1:1~1.8:1の範囲である。本開示のなお別の実施形態において、混合物を添加溶剤と接触させることが、50~60℃の範囲の温度及び18~21バールの範囲の圧力で実施されてエチルtert-ブチルエーテルを得、C炭化水素原料の混合物がイソブチレンを含み、エタノール対イソブチレンモル比が、1.15:1~1.7:1の範囲である。本開示の1つの別の実施形態において、混合物を添加溶剤と接触させることが、50~60℃の範囲の温度及び18~21バールの範囲の圧力で実施されてエチルtert-ブチルエーテルを得、C炭化水素原料の混合物がイソブチレンを含み、エタノール対イソブチレンモル比が、1.1:1~1.6:1の範囲である。
本開示の実施形態において、エチルtert-ブチルエーテルの調製方法であって:(a)触媒の存在下でエタノールをC炭化水素原料の混合物と反応させて混合物を得ること;並びに(b)当該混合物を、ベンゼン、n-ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサン、シクロペンタン、トルエン、改質油ストリーム、ハートカットナフサ蒸気、又はこれらの混合物から選択される添加溶剤と、40~70℃の範囲の温度及び15~30バールの範囲の圧力で接触させて、エチルtert-ブチルエーテルを得ることを含み、C炭化水素原料の混合物がイソブチレンを含み、エタノール対イソブチレンモル比が1:1~2:1の範囲である、方法を提供する。
本開示の実施形態において、エチルtert-ブチルエーテルの調製方法であって:(a)触媒の存在下でエタノールをC炭化水素原料の混合物と反応させて混合物を得ること;並びに(b)当該混合物を、ベンゼン、n-ヘキサン、トルエン、又はベンゼン及びn-ヘキサンの混合物から選択される添加溶剤と40~70℃の範囲の温度及び15~30バールの範囲の圧力で接触させて、エチルtert-ブチルエーテルを得ることを含み、C炭化水素原料の混合物がイソブチレンを含み、エタノール対イソブチレンモル比が1:1~2:1の範囲である、方法を提供する。本開示の1つの別の実施形態において、添加溶剤は、ベンゼンである。本開示のなお別の実施形態において、添加溶剤は、n-ヘキサンである。本開示の1つの別の実施形態において、添加溶剤は、ベンゼン及びn-ヘキサンの混合物である。本開示のなお別の実施形態において、添加溶剤は、トルエンである。本開示の1つの別の実施形態において、添加溶剤は、トルエン及びキシレンの混合物である。
本開示の実施形態において、エチルtert-ブチルエーテルの調製方法であって:(a)触媒の存在下でエタノールをC炭化水素原料の混合物と反応させて混合物を得ること;並びに(b)混合物を40~70℃の範囲の温度及び15~30バールの範囲の圧力で添加溶剤と接触させてエチルtert-ブチルエーテルを得ることを含み、C炭化水素原料の混合物がイソブチレンを含み、エタノール対イソブチレンモル比が、1:1~2:1の範囲であり、添加溶剤が、90:10~40:60の体積比範囲のベンゼン及びn-ヘキサンの混合物である、方法を提供する。本開示の1つの別の実施形態において、添加溶剤は、85:15~50:50の体積比範囲でのベンゼン及びn-ヘキサンの混合物である。本開示のなお別の実施形態において、添加溶剤は、82:18~75:25の体積比範囲でのベンゼン及びn-ヘキサンの混合物である。
本開示の実施形態において、本明細書に記載されている、エチルtert-ブチルエーテルの調製方法であって、添加溶剤が、7884:655~3504:3930の重量比範囲でのベンゼン及びn-ヘキサンの混合物である、方法を提供する。
本開示の実施形態において、エチルtert-ブチルエーテルの調製方法であって:(a)エタノールを、C炭化水素原料の混合物と、アンバーリスト15、アンバーリスト35、アンバーリスト16、アンバーリスト36、アンバーリスト39、アンバーリスト40、アンバーリスト45、アンバーリスト46、アンバーリスト48、アンバーリストDT、ピュロライトCT-124、ピュロライトCT-175、ピュロライトCT-275、ピュロライトCT-482、ピュロライトMN-500、アルミノシリケート、H-ベータゼオライト、ZSM-5、ZSM-57、レバチットK2629、ケイタングステン酸、リンタングステン酸、及びこれらの組み合わせから選択される触媒の存在下で反応させて、混合物を得ること;並びに(b)当該混合物を、ベンゼン、n-ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサン、シクロペンタン、トルエン、改質油ストリーム、ハートカットナフサ蒸気、又はこれらの混合物から選択される添加溶剤と、40~70℃の範囲の温度及び15~30バールの範囲の圧力で接触させて、エチルtert-ブチルエーテルを得ることを含み、C炭化水素原料の混合物がイソブチレンを含み、エタノール対イソブチレンモル比が1:1~2:1の範囲である、方法を提供する。本開示の1つの別の実施形態において、触媒は、アンバーリスト35であり、添加溶剤は、ベンゼン、n-ヘキサン、トルエン、ベンゼン及びn-ヘキサンの混合物、又はトルエン及びキシレンの混合物から選択される。本開示のなお別の実施形態において、触媒は、アンバーリスト35であり、添加溶剤は、ベンゼン及びn-ヘキサンの混合物である。
本開示の実施形態において、本明細書に記載されている、エチルtert-ブチルエーテルの調製方法であって、イソブチレンの85~97%の転化率をもたらす、方法を提供する。本開示の別の実施形態において、方法は、イソブチレンの89~93%の転化率をもたらす。
本開示の実施形態において、本明細書に記載されている、エチルtert-ブチルエーテルの調製方法であって、添加溶剤が、上記混合物に存在するエタノールとの低沸点共沸混合物を形成する、方法を提供する。
本開示の実施形態において、本明細書に記載されている、エチルtert-ブチルエーテルの調製方法であって、混合物中の添加溶剤及びエタノールがリサイクルされる、方法を提供する。
本開示の実施形態において、エタノール及びエチルtert-ブチルエーテルの分離方
法であって:(a)添加溶剤を、エチル-tert-ブチルエーテル及びエタノールを含む原料に供給すること;並びに(b)エタノール及びエチル-tert-ブチルエーテルを分離することを含み、エチル-tert-ブチルエーテル及び添加溶剤比が、30:1~10:1の範囲である、方法を提供する。本開示の1つの別の実施形態において、エチル-tert-ブチルエーテル及び添加溶剤比は、25:1~13:1の範囲である。本開示のなお別の実施形態において、エチル-tert-ブチルエーテル及び添加溶剤比は、16:1~14:1の範囲である。
本開示の実施形態において、本明細書に記載されている、エタノール及びエチルtert-ブチルエーテルの分離方法であって、添加溶剤を供給することが、0~250kg/時の範囲のパージ速度で実施される、方法を提供する。本開示の1つの別の実施形態において、添加溶剤を供給することが、0.5~250kg/時の範囲のパージ速度で実施される。本開示のなお別の実施形態において、添加溶剤を供給することが、10~250kg/時の範囲のパージ速度で実施される。本開示の1つの別の実施形態において、添加溶剤を供給することが、50~250kg/時の範囲のパージ速度で実施される。本開示のなお別の実施形態において、添加溶剤を供給することが、100~250kg/時の範囲のパージ速度で実施される。本開示の1つの別の実施形態において、添加溶剤を供給することが、130~210kg/時の範囲のパージ速度で実施される。本開示のなお別の実施形態において、添加溶剤を供給することが、140~205kg/時の範囲のパージ速度で実施される。
本開示の実施形態において、エタノール及びエチルtert-ブチルエーテルの分離方法であって:(a)ベンゼン、n-ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサン、シクロペンタン、トルエン、改質油ストリーム、ハートカットナフサ蒸気、又はこれらの混合物から選択される添加溶剤を、エチル-tert-ブチルエーテル及びエタノールを含む原料に供給すること;並びに(b)エタノール及びエチル-tert-ブチルエーテルを分離することを含み、エチル-tert-ブチルエーテル及び添加溶剤比が、30:1~10:1の範囲であり、添加溶剤を供給することが、0~250kg/時の範囲のパージ速度で実施される、方法を提供する。本開示の1つの別の実施形態において、添加溶剤は、ベンゼン、n-ヘキサン、トルエン、ベンゼン及びn-ヘキサンの混合物、又はハートカットナフサ蒸気から選択される。
本開示の実施形態において、エタノール及びエチルtert-ブチルエーテルの分離方法であって:(a)添加溶剤を、エチル-tert-ブチルエーテル及びエタノールを含む原料に供給すること;並びに(b)エタノール及びエチル-tert-ブチルエーテルを分離することを含み、エチル-tert-ブチルエーテル及び添加溶剤比が、30:1~10:1の範囲であり、添加溶剤を供給することが、0~250kg/時の範囲のパージ速度で実施され、添加溶剤、エタノール、及びエチルtert-ブチルエーテルが、低沸点共沸混合物を形成する、方法を提供する。
本開示の実施形態において、エチルtert-ブチルエーテルの調製方法であって:(a)アンバーリスト-15の存在下でエタノールをC炭化水素原料の混合物と反応させて、混合物を得ること;並びに(b)当該混合物を、ベンゼン、n-ヘキサン、トルエン、又は0.91:0.30(重量比80:20)の体積比のベンゼン及びn-ヘキサンの混合物から選択される添加溶剤と、40~70℃の範囲の温度及び16~20バールの範囲の圧力で接触させて、エチルtert-ブチルエーテルを得ることを含み、C炭化水素原料の混合物がイソブチレン(IB)を含み、エタノール対イソブチレンモル比が1.2:1であり、方法が、イソブチレンの86~96%の転化率を付与し、添加溶剤が、上記混合物に存在するエタノールと低沸点共沸混合物を形成し、混合物中の添加溶剤及びエタノールがリサイクルされる、方法を提供する。
本開示の実施形態において、エチルtert-ブチルエーテルの調製方法であって:(a)アンバーリスト-15の存在下でエタノールをC炭化水素原料の混合物と反応させて、混合物を得ること;並びに(b)当該混合物を、ベンゼン、n-ヘキサン、トルエン、又は0.91:0.30(重量比80:20)の体積比のベンゼン及びn-ヘキサンの混合物から選択される添加溶剤と、40~70℃の範囲の温度及び16~20バールの範囲の圧力で接触させて、エチルtert-ブチルエーテルを得ることを含み、C炭化水素原料の混合物がイソブチレン(IB)を含み、エタノール対イソブチレンモル比が1.6:1であり、方法が、イソブチレンの86~96%の転化率を付与し、添加溶剤が、上記混合物に存在するエタノールと低沸点共沸混合物を形成し、混合物中の添加溶剤及びエタノールがリサイクルされる、方法を提供する。
本開示の実施形態において、エタノール及びエチルtert-ブチルエーテルの分離方法であって:(a)ベンゼン、n-ヘキサン、トルエン、又は0.91:0.30(重量比80:20)の体積比のベンゼン及びn-ヘキサンの混合物から選択される添加溶剤を、エチル-tert-ブチルエーテル及びエタノールを含む原料に供給すること;並びに(b)エタノール及びエチル-tert-ブチルエーテルを分離することを含み、エチル-tert-ブチルエーテル及び添加溶剤比が15:1であり、添加溶剤を供給することが、200kg/時のパージ速度で実施され、添加溶剤、エタノール、及びエチルtert-ブチルエーテルが、低沸点共沸混合物を形成する、方法を提供する。
本開示の実施形態において、(i)(a)触媒の存在下でエタノールをC炭化水素原料の混合物と反応させて混合物を得ること;並びに(b)混合物を40~70℃の範囲の温度及び15~30バールの範囲の圧力で添加溶剤と接触させてエチルtert-ブチルエーテルを得ることを含む方法であって、C炭化水素原料の混合物がイソブチレンを含み、エタノール対イソブチレンモル比が1:1~2:1の範囲である、方法によって調製される91~93%の範囲の純度を有するエチルtert-ブチルエーテル;(ii)エタノール;並びに(iii)添加溶剤を含む組成物を提供する。
本開示の実施形態において、(i)本明細書に記載されている方法によって調製される91~93%の範囲の純度を有するエチルtert-ブチルエーテル(ii)エタノール;及び(iii)ベンゼン、n-ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサン、シクロペンタン、トルエン、改質油ストリーム、ハートカットナフサ蒸気、又はこれらの混合物から選択される添加溶剤を含む組成物を提供する。本開示の1つの別の実施形態において、添加溶剤は、ベンゼンである。本開示のなお別の実施形態において、添加溶剤は、n-ヘキサンである。本開示の1つの別の実施形態において、添加溶剤は、トルエンである。本開示のなお別の実施形態において、添加溶剤は、ベンゼン及びn-ヘキサンの混合物である。本開示のなお別の実施形態において、添加溶剤は、トルエン及びキシレンの混合物である。本開示の1つの別の実施形態において、添加溶剤は、ハートカットナフサ蒸気である。
主題をある特定の例及びその実施を参照してかなり詳細に記載しているが、他の実施も可能である。
本開示を実施例によってここで例示し、これは、開示の実施を例示することを意図しており、本開示の範囲の任意の限定を暗示すると制限的に取られることは意図していない。別途定義されていない限り、本明細書において使用されている全ての技術的及び科学的用語は、この開示が属する技術分野の当業者に一般に理解されているのと同じ意味を有する。本明細書に記載されているものと同様又は等価である方法及び材料が、開示されている方法及び組成物の実用において使用され得るが、例示的な方法、デバイス及び材料を本明細書において記載する。この開示は、記載されている特定の方法及び実験条件が適用され得るとき、かかる方法及び条件に限定されないことが理解されるべきである。
材料及び方法
本開示の目的で、酸触媒アンバーリスト35をDow France S.A.Sから得た。C4炭化水素合成原料を、リファイナリーFCCユニットC4ストリーム組成物として得た。異なる添加溶剤による分離効率を、Aspen Hysysにおいて開発されたモデルを使用して研究した。
実施例1.1
ETBEの調製方法
微小固定床反応器に15グラムのアンバーリスト35イオン交換樹脂(触媒)を充填し、イソブチレンを含むC4炭化水素原料をエタノールと共に反応器に供給した。ここで使用したC4炭化水素原料の組成を以下の表3に示す。イソブチレンとエタノールとのエーテル化反応を生じさせて、エチルtert-ブチルエーテルを形成した。表4に示されるように、様々な反応(ラン)を、様々な温度及び圧力条件で実施した。合計原料量(C4炭化水素原料及びエタノール)を異なる重量時空間速度(WHSV)で変動させることにより、合計のイソブチレン及びエタノール分(EtOH+IB)についてのWHSVを変動させた。所望のイソブチレン転化率%を達成するのに重要なエタノール対IB比も、様々なランにおいて変動させた。

表4におけるランR2、R3、及びR4から、反応器の温度が上昇するにつれて、イソブチレン転化率が93.94重量%から86.52重量%まで減少したことを観察することができる。同様に、R2及びR3における50℃から40℃への温度を下げると、イソブチレン転化率が93.34%から89.67%に降下した。そのため、実験をこの温度範囲間で実施した。さらに、温度が同じに保持され且つ圧力が僅かに変動するR4及びR6を比較すると、R6は、R4における86.52重量%とは対照的に、90.74重量%のより高いイソブチレン転化率を示した。この結果は、R4及びR6におけるそれぞれ1.26から1.58へのエタノール/IBモル比の増加に起因するものである。同様に、ランR2及びR5も、1.21から1.55へエタノール/IB比が増加する同じ傾向を示し、イソブチレン転化率も増加している。そのため、上記の観察は、エーテル化反応が発熱平衡反応であるという事実を示唆しており、そのため、すなわち40~70℃の温度範囲の上限では、所望のイソブチレン転化率を達成するために、エタノール/IBのモル比を増加させる必要があると推測される。全てのランにおいて得られるETBEの収率は同等であり、69%を超えるかなり高い大きさを有する。上記に加え、エタノール/IB比が1:1から低減したとき、イソブチレン転化率も低下した。一方で、1:2を超えるエタノール/IB比は、反応器廃液中の高いエタノール含有量をもたらし、エタノールを酸素化物生成物から分離するのにより多くの温冷ユーティリティを消費し、プロセスの操作コストを大幅に増加させた。そのため、開示された範囲の温度、圧力、及びエタノール/IBモル比で実施した実験ランは、高いエーテル収率及びイソブチレン転化率の両方の観点で優れた結果を与え、操作コストの維持にも役立った。
実施例1.2
ETBEの分離
反応混合物中に形成されたETBE-エタノール共沸混合物からETBEを分離するために、添加溶剤、例えば、ベンゼン、n-ヘキサン、トルエン、並びにベンゼン(80重量%)及びn-ヘキサン(20重量%)の混合物(実施例)を添加してETBE及びエタノールとの三元共沸混合物を形成した。ETBE-ベンゼン-EtOH及びETBE-n
-ヘキサン-EtOHの三元モルマップをそれぞれ図1及び図3に示す。トルエンの場合(図2)、ETBE及びエタノールの相対揮発度が増加し、ETBE及びEtOH共沸混合物のより良好な分離をもたらす。図4に示される通り、ベンゼン、n-ヘキサン、トルエン、並びにベンゼン及びn-ヘキサンの混合物を含めた本開示に記載されている添加溶剤によるETBE-エタノールのエーテル化反応、並びに、分離についてのプロセスフロースキームは、エタノール、C4炭化水素原料、及び添加溶剤が反応器1に供給される。プロセスの終わりに、純粋なETBEが底部生成物から得られ、アルコールが、アルコール回収システムから戻ってリサイクルされる。ETBEの分離は、この三元共沸混合物の形成に起因してなされたものであり、低沸点共沸混合物がオーバーヘッドストリームから抜き出され、純粋なETBEが底部生成物から除去される。異なる添加溶剤でのETBE収率及びエネルギー消費に関する結果を表5に示す。比較例では、本開示に開示されているランドリーリストから選択される添加溶剤を使用しなかった。1.2:1のエタノール/IB比が得られるように、C4炭化水素原料及びエタノール原料の速度を、それぞれ9943kg/時及び1550kg/時で維持した。エーテル化反応から、3300kg/時のETBEを得、これに200kg/時の添加溶剤を添加してETBE及び添加溶剤を15:1比で維持した。
ベンゼン添加溶剤では、3バールにおける三元共沸混合物の組成がETBE-37%、エタノール-40.3%、及びベンゼン-22.4%(モル%で)であった。得られた共沸混合物を次いで共沸蒸留に供し、その結果、生成物において、3004kg/時の91~93%の純粋なETBE(生成物)を得、残存エタノールの%を0.0334重量%まで大幅に低減した。リサイクルストリーム流量(1961kg/時)及びパージ速度(196.1kg/時)も比較例よりも大幅に少なかった。また、リボイラエネルギー及びコンデンサエネルギーも、非常に少量のそれぞれたった4379KW及び4273KWの消費しか観察されなかった。一方で、比較例では、より少量のETBEが得られ、エネルギー消費もかなり高かった。以下の表5に示すデータから明らかである、同じパターンの結果が、他の添加溶剤でも観察された。そのため、開示されている添加溶剤が、含酸素添加剤生成物(ETBE)からの過剰のEtOHの有効な分離をもたらすこと、並びに、過剰のEtOH及び添加溶剤が反応器に戻ってリサイクルされて、プロセスにおいて多量のエネルギーを消費することなくコスト効果的な方法で未転化のEtOHをさらに利用することができることが明らかであった。
実施例2
ETBEを含む組成物の調製
本開示に開示されている方法にしたがって、ETBE、並びに、残余物であるが非有意量のエタノール及び添加溶剤を含む3つの組成物を調製した。
組成物-1
80重量%のベンゼン及び20重量%のヘキサンの組み合わせを添加溶剤として200kg/時でETBE/エタノールの二元共沸混合物に添加した。分留後、いくらかの残存量のエタノール及び添加溶剤が、ガソリンプールにおいてブレンドされ得るETBEと共に依然として残存し得る。ベンゼンも高いRON値を有するため、ETBE生成物の全体のオクタン価が維持された。これにより、91.31重量%の純粋なETBE、3.39重量%のエタノール、4.7重量%のベンゼン、及び0.6重量%のn-ヘキサンを含む最終組成物-1を得た。
組成物-2
ETBE/エタノールの二元共沸混合物に、ベンゼンを添加溶剤として添加し、91.04重量%の純粋なETBE、3.34重量%のエタノール、及び5.6重量%のベンゼンを含む組成物-2を得た。
組成物-3
ETBE/エタノールの二元共沸混合物に、n-ヘキサンを添加溶剤として添加し、92.6重量%の純粋なETBE、3.27重量%のエタノール、及び4.12重量%のn-ヘキサンを含む組成物-3を得た。
本開示の利点
この主題について記載されている上記の実施例及びその等価物は、記載されているものを含めて多くの利点を有する。
本開示は、燃料、例えば、ガソリンに添加してそのノッキング特性を低減するために高度に要求される、エチルtert-ブチルエーテル(ETBE)を調製する方法を開示する。本開示は、ETBEの調製及びエタノールからのETBEの分離に関する最も困難な態様の1つを克服するために、添加溶剤の群を提供し、また、これらの組み合わせも可能にする。30:1~10:1のETBE対添加溶剤比、及び、0~250kg/時の範囲の添加溶剤供給速度は、ETBEからのエタノールの優れた分離を助けることにより、91%超(範囲91~93%)の純度の高度に純粋なETBE生成物を結果として生じさせる。添加溶剤はまた、いずれのパージ速度も有さず、すなわち、ゼロの値(0kg/時)のパージ速度で、直接添加されてもよい。本開示によって生成される、最少量の残存エタノール及び添加溶剤を有するETBE生成物は、燃料添加剤としての産業上の用途のための、可能性のある候補である。上記に加え、低い温度範囲及び特定のエタノール/IB比が、実質的に改良された、69%超のETBE収率及び85~97%の範囲のイソブチレン転化率の達成を助ける。さらに、本方法は、40~70℃の低い温度条件を用いており且つ後の再沸及び凝縮において消費されるエネルギーも大幅に低減されるため、エネルギー効率の観点でも有益である。より低いパージ速度及び低減されたリサイクルストリームは、省エネルギーにさらに寄与する。全体に、本開示は、これまので従来の方法に置き換わる前途有望な可能性を有する、エネルギー効率的な且つコスト削減の経路を通して多量のETBEを調製するための簡素でなお効率的な方法を提供する。
主題をその実施形態を参照してかなり詳細に記載しているが、他の実施形態が可能である。このように、本開示の精神及び範囲は、本明細書に含まれている実施形態の記載に限定されるべきではない。

Claims (14)

  1. エチルtert-ブチルエーテルの調製方法であって:
    (a)触媒の存在下でエタノールをC炭化水素原料の混合物と反応させて混合物を得ること;並びに
    (b)前記混合物を40~70℃の範囲の温度及び15~30バールの範囲の圧力で添加溶剤と接触させてエチルtert-ブチルエーテルを得ること
    を含み、前記C炭化水素原料の混合物がイソブチレンを含み、エタノール対イソブチレンモル比が1:1~2:1の範囲である、前記方法。
  2. 前記添加溶剤が、ベンゼン、n-ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサン、シクロペンタン、トルエン、改質油ストリーム、ハートカットナフサ蒸気、又はこれらの混合物から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記添加溶剤が、ベンゼン、n-ヘキサン、トルエン、又はベンゼン及びn-ヘキサンの混合物から選択される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記添加溶剤が、90:10~40:60の体積比範囲のベンゼン及びn-ヘキサンの混合物である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記触媒が、アンバーリスト15、アンバーリスト35、アンバーリスト16、アンバーリスト36、アンバーリスト39、アンバーリスト40、アンバーリスト45、アンバーリスト46、アンバーリスト48、アンバーリストDT、ピュロライトCT-124、ピュロライトCT-175、ピュロライトCT-275、ピュロライトCT-482、ピュロライトMN-500、アルミノシリケート、H-ベータゼオライト、ZSM-5、ZSM-57、レバチットK2629、ケイタングステン酸、リンタングステン酸、及びこれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の方法。
  6. イソブチレンの85~97%の転化率をもたらす、請求項1に記載の方法。
  7. 前記添加溶剤が、前記混合物に存在する前記エタノールとの低沸点共沸混合物を形成する、請求項1に記載の方法。
  8. 前記混合物中の前記添加溶剤及びエタノールがリサイクルされる、請求項7に記載の方法。
  9. エタノール及びエチルtert-ブチルエーテルの分離方法であって:
    (a)添加溶剤を、エチル-tert-ブチルエーテル及びエタノールを含む原料に供給すること;並びに
    (b)エタノール及びエチル-tert-ブチルエーテルを分離すること
    を含み、エチル-tert-ブチルエーテル及び添加溶剤比が、30:1~10:1の範囲である、前記方法。
  10. 前記添加溶剤を供給することが、0~250kg/時の範囲のパージ速度で実施される、請求項9に記載の方法。
  11. 前記添加溶剤が、ベンゼン、n-ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサン、シクロペンタン、トルエン、改質油ストリーム、ハートカットナフサ蒸気、又はこれらの混合物から選択される、請求項9に記載の方法。
  12. 前記添加溶剤、エタノール、及びエチルtert-ブチルエーテルが、低沸点共沸混合物を形成する、請求項9に記載の方法。
  13. (i)請求項1に記載の方法によって調製される、91~93%の範囲の純度を有するエチルtert-ブチルエーテル;
    (ii)エタノール;及び
    (iii)添加溶剤
    を含む組成物。
  14. 前記添加溶剤が、ベンゼン、n-ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサン、シクロペンタン、トルエン、改質油ストリーム、ハートカットナフサ蒸気、又はこれらの混合物から選択される、請求項13に記載の組成物。
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