JP2024503572A - 癌の治療に使用するための5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1h-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]-コレスタン-3β-オールのプロドラッグおよびそれを含む医薬組成物 - Google Patents

癌の治療に使用するための5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1h-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]-コレスタン-3β-オールのプロドラッグおよびそれを含む医薬組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、哺乳動物の癌性腫瘍を退行させるための薬物として使用するための、一般式(I):【化1】JPEG2024503572000049.jpg6696の新規化合物および/またはこの種の化合物の薬学的に許容され得る塩、少なくとも前記化合物を含む医薬組成物に関する。

Description

本発明は、ステロール化合物の分野に関し、より詳細には、特に癌の治療に使用するための化合物5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]コレスタン-3β-オールのプロドラッグおよびそれを含む医薬組成物に関する。
「癌」または「癌性腫瘍」という用語は、異常細胞の無秩序な増殖および拡散を特徴とする疾患の群を包含する。癌細胞が除去されない場合、疾患は、程度に差はあるが、急速に罹患者の死につながる。
癌のマネージメントには、手術、放射線療法および化学療法が含まれ、これらは単独または組み合わせで、同時または逐次的に使用され得る。化学療法は、新生物の成熟および増殖を予防または阻害する医薬品である抗新生物剤を使用する。抗新生物剤は、急速に分裂する細胞を効果的に標的とすることによって作用する。抗新生物剤は細胞分裂に影響を及ぼすので、高い増殖速度を有する腫瘍(例えば、急性骨髄性白血病、およびホジキン病を含むアグレッシブリンパ腫)は、任意の所与の時点で標的細胞のより高い割合が細胞分裂を経ると、化学療法に対する感受性がより高くなる。成長速度が遅い悪性腫瘍、例えば、低悪性リンパ腫は、化学療法に対する応答がはるかに少ない傾向がある。しかしながら、化学療法抵抗性の発生は、化学療法治療中の持続問題である。例えば、急性骨髄性白血病(AML)の従来の治療は、シタラビンとアントラサイクリン、例えばダウノルビシンとの併用投与を含む。5年での全生存率は、若年成人では40%であり、高齢患者では約10%である。奏効率は、加齢とともに著しく変動し、60を超える患者では40%~55%、70を超える患者では24%~33%である。これは、好ましくない細胞遺伝学的プロファイルを有する高齢者の場合さらに悪く、治療の30日以内の死亡は、年齢および重症度により10%~50%で変動する。さらに、これらの分子の使用はまた、副作用、特に(アントラサイクリンに関連する)慢性心毒性の出現による制限がある。集中化学療法に関連する毒性死亡率は、60超の患者において10%~20%である。
従来のレジメンのこのベネフィット-リスクプロフィールにより、抗新生物化学療法を受けるのは、AMLであると最近診断された高齢者のわずか30%である。
近年、AMLを有する若年患者についての結果は、わずかにのみ改善したが、60を超える成人(AMLを有する患者の大部分)については結果の改善はなかった。
したがって、抗新生物薬の化学療法抵抗性および固有の毒性の問題を有するこれらの癌性腫瘍の治療に有用な分子を開発することが、実際に必要とされている。上記のデータは、化学感受性腫瘍を治療するための抗新生物薬剤の薬量学の低下、および抗新生物薬物に抵抗性である腫瘍の抵抗性の回避の両方を組み合わせた新しいアプローチを見出す必要性を強調している。
デンドロゲニンAという名称で知られる、化合物5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-オールは、文献、欧州特許第3272350B1号から知られており、薬物抵抗性腫瘍の治療に有用である。デンドロゲニンA(以後、DX101と呼ぶ)は、抗新生物剤に抵抗性である薬物抵抗性腫瘍の感受性を回復させるか、または腫瘍に対する抗新生物剤の効果を増加させることができ、それは順に、化学感受性腫瘍に対する抗新生物剤の有効な細胞毒性用量の減少を可能にする。
Medina et al.(J.Med.Chem.,2009,52(23),7765-77,XP009131948)の文献には、DX101の3位にアセタートまたはブチラートラジカルを含む化合物が記載され、それらのインビトロ活性は異なる。
本発明の1つの目的は、癌性腫瘍、化学感受性および/または薬物抵抗性腫瘍を治療するのに特に有用な、化合物デンドロゲニンAの新規な化合物およびプロドラッグを供給することである。
本発明者らは、驚くべきことに、化合物デンドロゲニンAの特定のC3プロドラッグが、特に良好なバイオアベイラビリティならびに患者の体内での長期治療効果を含む、デンドロゲニンAに匹敵する、またはそれを超える薬理活性を示すことを発見した。
本発明は、第1に、哺乳動物癌性腫瘍の退行を引き起こすための薬物として使用するための式(I)の化合物;
またはこの種の化合物の薬学的に許容され得る塩に関し、
式中Rは、
-R、Rが、同等または異なり、H、ならびにアリル、カルボニルおよび芳香族複素環基から選択される1つ以上の置換基を含有してもよい直鎖または分岐、飽和または不飽和C1~C8炭素鎖から選択される、基-C(O)NR
-Rが、-CHCHおよび-C11から選択される、基-C(O)R
-Rが、直鎖または分岐、飽和または不飽和C1~C8炭素鎖である、基-C(O)OR
-Rが、-CH-C、CHCH(CH、-CH(CH)CHCH、-CH(CH、-CH、-CHNH、-(CHNH、-CHOH、-CNから選択されるアミノ酸の側鎖である、基-C(O)CHNH(COCHCH)R
から選択される。
本発明は、第2に、少なくとも1つの式(I)の化合物を薬学的に許容され得るビヒクル中に含む、哺乳動物の癌性腫瘍の退行を引き起こすための薬物として使用するための医薬組成物に関する。
図1は、化合物デンドロゲニンA(DX101)と比較した、化合物5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルプロピオネート(DX107)の薬物動態プロファイルを示す。 図2は、化合物デンドロゲニンA(DX101)と比較した、化合物5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]-コレスタン-3β-イル-(2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル)カルバマート(DX117)の薬物動態プロファイルを示す。 図3は、化合物デンドロゲニンA(DX101)と比較した、化合物5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-エチル-カルボナート(DX121)の薬物動態プロファイルを示す。 図4Aは、腫瘍増殖の減少に対する活性のDX107とDX101との比較を示す。 図4Bは、動物の生存に対する活性のDX107とDX101との比較を示す。 図5は、トリパンブルーアッセイによる、Neuro2a細胞に対する化合物5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]コレスタン-3β-イルプロピオネートの細胞毒性研究の結果を示す。 図6は、化合物5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]コレスタン-3β-イルプロピオネートの存在下でMCF-7乳腺腫瘍細胞に対して行った、MTT細胞生存率試験の結果を示す。 図7は、化合物5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]コレスタン-3β-イルプロピオネートの存在下での、MCF-7細胞におけるコレステロールエポキシドヒドロラーゼ(ChEH)活性の結果を示す。
[定義]
本明細書では、別段指定されない限り、範囲が与えられる場合、それは前記範囲の上限および下限を含むことが理解される。
本文において、以下の用語は、特に明記しない限り、以下の意味を有すると理解されるべきである。
ここで「溶媒和物」という用語は、本発明の化合物を含み、1つ以上の薬学的に許容され得る溶媒、例えばエタノールの化学量論量または準化学量論量の分子を含有する分子複合体を表すために使用される。「水和物」という用語は、前記溶媒が水である場合を指す。
「アリル」という用語は、簡略化式HC=CH-CH-の官能性アルケン基を指す。
「カルボニル」という用語は、炭素原子と酸素原子との間の二重結合を指す。
「芳香族複素環」という用語は、環式要素として、O、Sおよび/またはNからの1つ以上のヘテロ原子を含む単環式または多環式芳香族化合物を指す。芳香族複素環の中でも、イミダゾール、フラン、チオフェン、ピロール、プリン、ピリミジン、インドールおよびベンゾフランを挙げることができる。
「ヒト」という用語は、いずれかの性別および任意の発達段階(すなわち、新生児期、乳児期、小児期、青年期、成人期)の対象を指す。
「患者」という用語は、医療を受けるのを待っている、もしくは受けている、かつ/または医療介入の対象となるであろう熱血の動物、より好ましくはヒトを指す。
「薬学的に許容され得る」は、薬学的に許容され得る製品の成分が互いに適合性であり、この製品を受ける患者に無害であることを意味する。
本文で使用される「医薬ビヒクル」という用語は、溶媒または希釈剤として使用されるビヒクルまたは不活性媒体を意味し、その中で医薬活性剤が製剤化および/または投与される。医薬ビヒクルの非限定的な例は、クリーム、ゲル、ローション、溶液およびリポソームを含む。
「投与」という用語は、治療されなければならない状態、症状および/または疾患を有する患者に、薬学的に許容され得る組成物中の活性剤または有効成分(例えば式(I)の化合物)を送達することを意味する。
本明細書で使用される「治療する」および「治療」という用語は、状態、症状および/または疾患を減弱、緩和、停止または治療することを含む。
本明細書で使用される「プロドラッグ」または「プロドラッグ製品」という用語は、式(I)の化合物の薬理学的に許容され得る誘導体を示し、それは、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応などなしに患者に投与することができ、代謝手段によって(例えば加水分解によって)インビボで変換可能であり、そのインビボでの生体内変換の生成物は、生物学的に活性な医薬製品を生成する。本明細書に記載されるプロドラッグの大部分は、バイオアベイラビリティの増加を特徴とし、インビボで生物学的に活性な化合物へと容易に代謝される。プロドラッグは不活性で、またはその代謝産物よりもはるかに低い活性形態で投与される。本明細書において、プロドラッグは、化合物5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-オールと同一、類似またはそれを超える薬理学的特性を有する。本発明に記載される特定のプロドラッグは、バイオアベイラビリティがその参照化合物よりも低い場合、癌を治療するためのその使用について、より速い浸透および潜在的により速い効果を示す。
本明細書における「医薬製品」または「薬物」という用語は、ヒトまたは動物の疾患に関して治療特性または予防特性を有するものとして提示される任意の化合物または組成物を表す。拡大して、医薬製品は、ヒトもしくは動物において使用可能な、またはそれらに投与され得る、薬理学的、免疫学的、もしくは代謝作用を発揮することによって医学的診断を確立すること、またはそれらの生理学的機能を回復、補正、もしくは修正することを目的とする、任意の化合物または任意の組成物を含む。医薬製品は、2種類の物質、有効成分および1つ以上の賦形剤から構成される。
用語「有効成分」は、薬理学的効果および治療効果を有する化合物を意味する。
用語「賦形剤」は、医薬製品中の有効成分以外の任意の物質を意味する。
「薬物抵抗性癌」は患者の癌であって、患者に許容され得る用量の、この癌を治療するために通常利用される抗新生物剤または抗新生物剤の組み合わせで癌細胞の増殖を予防または阻害することができない癌を意味する。腫瘍は、化学療法以前に本質的に抵抗性であり得るか、または最初に化学療法に対して感受性である腫瘍の治療中に抵抗性が獲得され得る。
「化学感受性癌」は、抗新生物剤の効果に応答する、すなわち、患者に許容され得る用量の前記抗新生物剤によって癌細胞の増殖を予防することができる患者の癌を意味する。
式(I)の化合物は、ステロイド基に属する。したがって、式(I)の化合物の炭素原子のナンバリングは、IUPACにより1989年度版Pure&Appl.Chem.第61巻第10号、pp.1783~1822において規定されている命名法に従っている。IUPACによる、ステロイド基に属する化合物の炭素原子のナンバリングを以下に示す:
本明細書において、略語は以下を意味する。
AML:急性骨髄性白血病;
デンドロゲニンA:5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-オール;
MCF-7:Michigan Cancer Foundation-7;
DMEM:ダルベッコ改変イーグル培地;
FCS:ウシ胎児血清;
ChEH:コレステロールエポキシドヒドロラーゼ;
Neuro2a:マウス神経膠芽腫;
CTL:対照;
MTT:3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミド;
PBS:リン酸緩衝生理食塩水;
DMSO:ジメチルスルホキシド;
OD:光学密度または吸光度;
CT:コレスタン-3β、5α、6β-トリオール;
OCDO:6-オキソ-コレスタン-3β,5α-ジオール;
5,6α-EC:5,6α-エポキシコレステロール;
Tam:タモキシフェン;
TLC:薄層クロマトグラフィー;
tert-ブチル:式(CHC-のtert.-ブチルまたはt-ブチル
本発明は、第1に、医薬製品として使用するための式(I)の化合物;
またはこの種の化合物の薬学的に許容され得る塩に関し、
式中Rは、
-R、Rが、同等または異なり、H、ならびにアリル、カルボニルおよび芳香族複素環基から選択される1つ以上の置換基を含有してもよい直鎖または分岐、飽和または不飽和C1~C8炭素鎖から選択される、基-C(O)NR
-Rが、-CHCHおよび-C11から選択される、基-C(O)R
-Rが、直鎖または分岐、飽和または不飽和C1~C8炭素鎖である、基-C(O)OR
-Rが、-CH-C、CHCH(CH、-CH(CH)CHCH、-CH(CH、-CH、-CHNH、-(CHNH、-CHOH、-CNから選択されるアミノ酸の側鎖である、基-C(O)CHNH(COCHCH)R
から選択される。
一実施形態によれば、本発明は、哺乳動物癌性腫瘍の退行を引き起こすための薬物として使用するための式(I)の化合物;
またはこの種の化合物の薬学的に許容され得る塩に関し、
式中Rは、
-R、Rが、同等または異なり、H、ならびにアリル、カルボニルおよび芳香族複素環基から選択される1つ以上の置換基を含有してもよい直鎖または分岐、飽和または不飽和C1~C8炭素鎖から選択される、基-C(O)NR
-Rが、-CHCHおよび-C11から選択される、基-C(O)R
-Rが、直鎖または分岐、飽和または不飽和C1~C8炭素鎖である、基-C(O)OR
-Rが、-CH-C、CHCH(CH、-CH(CH)CHCH、-CH(CH、-CH、-CHNH、-(CHNH、-CHOH、-CNから選択されるアミノ酸の側鎖である、基-C(O)CHNH(COCHCH)R
から選択される。
式(I)の化合物の一実施形態において、ラジカルRは、基-C(O)R(アシル基)であり、式中、Rは、-CHCHおよび-C11から選択されるラジカルである。式(I)の化合物のこの実施形態において、ラジカルRは、好ましくはラジカル-CHCHであり、それは化合物5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-プロピオナートである。プロピオナートはプロパノアートと同じである。式(I)の化合物の別の好ましい実施形態において、ラジカルRはCCH11であり、それは化合物5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-ヘキサノアートである。
式(I)の化合物の別の実施形態では、ラジカルRは基-C(O)OR(カルボナート基)であり、式中、RはC1~C8炭素鎖である。式(I)の化合物のこの実施形態において、基Rは、好ましくはエチルまたはブチル炭素鎖、非常に好ましくはエチル炭素鎖である。
式(I)の化合物のさらに別の実施形態では、ラジカルRは、基-C(O)NR(カルバマート基)であり、式中、RおよびRは、同等であるかまたは異なり、H、および芳香族複素環式置換基を含有してもよい直鎖飽和C1~C8炭素鎖から選択される。式(I)の化合物の好ましい実施形態では、RおよびRは、2つのエチルラジカルまたは基1-H-イミダゾール-4-イルから選択される。式(I)の化合物の非常に好ましい実施形態では、RおよびRは、基1-H-イミダゾール-4-イルなどの芳香族複素環式置換基を表す。
式(I)の化合物の一実施形態では、Rは、基-C(O)CHNH(COCHCH)Rであり、式中Rは、-CH-C、CHCH(CH、-CH(CH)CHCH、-CH(CH、-CH、-CHNH、-(CHNH、-CHOH、-CNから選択されるアミノ酸の側鎖である。
式(I)の化合物のこの実施形態では、ラジカルRが基-C(O)CHNH(COCHCH)CHHである場合、それは化合物N-プロピオネート-L-ヒスチジン5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルエステルである。
式(I)の化合物のこの実施形態では、ラジカルRが基-C(O)CHNH(COCHCH)CH(CH)CHCHである場合、それは化合物N-プロピオネート-L-イソロイシン5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルエステルである。
式(I)の化合物のこの実施形態では、ラジカルRが基-C(O)CHNH(COCHCH)CHCH(CHである場合、それは化合物N-プロピオネート-L-ロイシン5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルエステルである。
式(I)の化合物のこの実施形態では、ラジカルRが基-C(O)CHNH(COCHCH)(CHNHである場合、それは化合物N-プロピオネート-L-リジン5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルエステルである。
式(I)の化合物のこの実施形態では、ラジカルRが基-C(O)CHNH(COCHCH)CHである場合、それは化合物N-プロピオネート-L-フェニルアラニン5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルエステルである。
式(I)の化合物のこの実施形態では、ラジカルRが基-C(O)CHNH(COCHCH)CHNHである場合、それは化合物N-プロピオネート-L-トリプトファン5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルエステルである。
式(I)の化合物のこの実施形態では、ラジカルRが基-C(O)CHNH(COCHCH)CHOHである場合、それは化合物N-プロピオネート-L-チロシン5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルエステルである。
式(I)の化合物のこの実施形態では、ラジカルRが基-C(O)CHNH(COCHCH)CH(CHである場合、それは化合物N-プロピオネート-L-バリン5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルエステルである。
式(I)の化合物のこの実施形態では、ラジカルRが基-C(O)CHNH(COCHCH)CNである場合、それは化合物N-プロピオネート-L-プロリンα-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルエステルである。
本発明による好ましい化合物は、以下から選択される。
-5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-プロピオネート;
-5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-ヘキサノアート;
-5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イル-エチルカルボナート;
-5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルブチルカルボナート;
-5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イル1-H-イミダゾール-4-イルエチルカルバマート;
-5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルジエチルカルバマート;
-N-プロピオネート-L-ヒスチジン5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルエステル;
-N-プロピオネート-L-ロイシン5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-yl)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルエステル;
-N-プロピオネート-L-イソロイシン5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルエステル;
-N-プロピオネート-L-バリン5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルエステル;
-N-プロピオネート-L-フェニルアラニン5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルエステル;
-N-プロピオネート-L-トリプトファン5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルエステル;
-N-プロピオネート-L-リジン5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルエステル;
-N-プロピオネート-L-チロシン5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルエステル.イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルエステル,
-N-プロピオネート-L-プロリンα-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルエステル.イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルエステル。
本発明による非常に好ましい化合物は、以下から選択される。
-5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-プロピオネート;
-5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-ヘキサノアート;
-5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イル-エチルカルボナート;
-5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルブチルカルボナート;
-5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イル1-H-イミダゾール-4-イルエチルカルバマート;
-5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルジエチルカルバマート;
-N-プロピオネート-L-チロシン5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルエステル。
一実施形態によれば、式(I)の化合物は、乳癌、前立腺癌、結腸直腸癌、肺癌、膀胱癌、皮膚癌、子宮癌、子宮頸癌、口腔癌、脳癌、胃癌、肝臓癌、咽喉癌、喉頭癌、食道癌、骨癌、卵巣癌、膵臓癌、腎臓癌、網膜癌、副鼻腔癌、鼻腔癌、精巣癌、甲状腺癌、外陰癌の治療における薬物として、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、白血病、急性骨髄性白血病または急性リンパ性白血病、多発性骨髄腫、メルケル細胞癌腫または中皮腫の治療において使用されることが意図される。
一実施形態によれば、癌は、腺房細胞腺癌、腺房細胞癌腫、末端黒子型黒色腫、光線性角化症、腺癌、腺様嚢胞癌、腺扁平上皮癌、付属器癌、副腎静止腫瘍(adrenal rest tumor)、副腎皮質癌、アルドステロン分泌癌、軟部の胞状肉腫、甲状腺のエナメル芽細胞癌腫、血管肉腫、アポクリン癌、アスキン腫瘍、星状細胞腫、基底細胞癌、基底様癌腫、基底扁平上皮癌(basosquamous carcinoma)、胆管癌、骨髄癌、ブドウ状肉腫、気管支肺胞癌、気管支原性腺癌、気管支原性癌、多形腺腫由来癌(ex adenoma pleomorphic carcinoma)、緑色種、胆管細胞癌、軟骨肉腫、脈絡膜細胞癌、脈絡叢癌、明細胞腺癌、結腸癌、面疱癌、コルチゾール産生腺腫、円筒細胞癌、分化型脂肪肉腫、前立腺の導管腺癌、腺管癌、インサイチュ腺管癌、十二指腸癌、エクリン癌腫、胚性癌腫、子宮内膜癌腫、子宮内膜間質癌腫、上皮様肉腫、ユーイング肉腫、外方増殖性癌腫、線維芽細胞肉腫、線維癌腫、線維層癌腫、線維肉腫、甲状腺の濾胞状腺癌、胆嚢癌、胃腺癌、巨細胞癌腫、巨細胞肉腫、巨細胞骨腫瘍、神経膠腫、多形性膠芽腫、肉芽腫細胞癌腫、頭頸部癌、血管腫、血管肉腫、肝芽腫、肝細胞癌腫、ヒュルトル細胞癌腫、回腸癌、小葉浸潤癌腫、炎症性乳癌、管内癌、表皮内癌腫、空腸癌腫、クルーケンベルク腫瘍、クルキスキー細胞癌腫、クッパー細胞肉腫、大細胞癌腫、喉頭癌、黒子悪性黒色腫、脂肪肉腫、小葉癌腫、インサイチュ小葉癌腫、リンパ上皮腫、リンパ肉腫、悪性黒色腫、髄様癌腫、甲状腺髄様癌腫、髄芽腫、髄膜癌腫、微小乳頭癌、混合細胞肉腫、粘液性癌腫、粘表皮癌腫、粘膜黒色腫、粘液様脂肪肉腫、粘液肉腫、鼻咽頭癌腫、腎芽腫、神経芽腫、結節性黒色腫、非淡明細胞型腎癌、非小細胞肺癌、卵巣癌腫、眼黒色腫、口腔癌、類骨癌腫、骨肉腫、卵巣癌、パジェット癌腫、膵芽腫、乳頭腺癌、乳頭状甲状腺癌、骨盤癌、膨大部周囲癌、葉状腫瘍、脳下垂体癌、多形性脂肪肉腫、胸膜肺芽腫、原発性骨内癌腫、直腸癌、腎細胞癌腫、網膜芽腫、横紋筋肉腫、円形細胞脂肪肉腫、瘢痕癌、住血吸虫膀胱癌、漿液性癌腫、脂腺癌、リング細胞癌腫、皮膚癌、小細胞肺癌、小細胞骨肉腫、軟部組織肉腫、紡錘細胞肉腫、扁平上皮癌腫、胃癌、表在拡大型黒色腫、滑膜肉腫、毛細血管拡張性肉腫、末端管癌腫、精巣癌、甲状腺癌、移行細胞癌腫、管状癌腫、腫瘍形成性黒色腫、未分化癌腫、尿道の腺癌、膀胱癌、子宮癌、子宮体癌腫、子宮の黒色腫、膣癌、漿液性癌腫、絨毛癌腫、高分化型脂肪肉腫、ウィルムス腫瘍または胚細胞腫瘍である。
好ましい実施形態では、式(I)の化合物は、哺乳動物における乳癌、骨髄性白血病および黒色腫の治療における薬物として使用されることが意図されている。
1つの実施形態によれば、化合物は、化学感受性癌の治療における薬物として使用されることが意図される。
特に好ましい実施形態によれば、式(I)の化合物は、薬物抵抗性癌の治療における薬物として使用されることが意図される。
一実施形態によれば、薬物抵抗性癌は、血液学的または血液癌、例えば白血病、特に急性骨髄性白血病または急性リンパ性白血病、リンパ腫、特に非ホジキンリンパ腫および多発性骨髄腫である。
一実施形態によれば、癌は、ダウノルビシン、シタラビン、フルオロウラシル、シスプラチン、全トランス型レチノイン酸、三酸化ヒ素、ボルテゾミブ、またはそれらの組み合わせに対して薬物抵抗性である。
本明細書に記載される化合物デンドロゲニンAの特定のC3プロドラッグは、デンドロゲニンAに匹敵する、またはそれを超える薬理活性を示す。デンドロゲニンAは、身体によってインビボで迅速に除去される。本発明による特定のC3プロドラッグは、デンドロゲニンAよりも高いバイオアベイラビリティを有し、インビボで生物学的に活性な化合物に容易に代謝される。したがって、デンドロゲニンAの治療効果は、本明細書に記載の特定のC3プロドラッグをインビボで使用すると、患者の体内で延長される。
式(I)の化合物へのすべての言及は、その塩、多成分錯体および液晶への言及を含む。式(I)の化合物へのすべての言及は、その多形および通常の結晶への言及も含む。
本発明による化合物は、薬学的に許容され得る塩の形態であり得る。式(I)の化合物の薬学的に許容され得る塩は、その酸付加を含む。
適切な酸塩は、非毒性塩を形成する酸から形成される。例えば、塩は、酢酸塩、アジピン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、炭酸塩、重硫酸塩、硫酸塩、カンファースルホン酸塩、ホウ酸塩、カンシル酸塩、クエン酸塩、シクラミン酸塩、エジシル酸塩、エシレート、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプチン酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩化物塩酸塩、臭化水素酸塩、臭化物、ヨウ化水素酸塩、ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩メシル酸塩、硫酸メチル、ナフチル酸塩、2-ナフシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロト酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩、リン酸二水素塩、ピログルタミン酸塩、糖酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、トリフルオロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、およびキシナホ酸塩から選択される。好ましくは、式(I)の化合物の薬学的に許容され得る塩は、ラクターゼから形成される。
式(I)の化合物の薬学的に許容され得る塩は、以下の3つの方法の1つまたは複数によって調製することができる:
(i)式(I)の化合物を所望の酸と反応させること;
(ii)所望の酸を使用して、式(I)の化合物の適切な前駆体の酸もしくは塩基中間体における不安定性保護基を除去すること、または適切な環式前駆体、例えばラクトンもしくはラクタムを開環すること;または
(iii)適切な酸との反応によって、または適切なイオン交換カラムを用いて、式(I)の化合物の塩を別のものに変換すること。
これらの3つの反応は、一般に溶液中で行われる。得られた塩は、沈殿することができ、濾過により回収され得るか、または溶媒の蒸発によって回収され得る。得られる塩のイオン化度は、完全なイオン化からほぼ非イオン化まで多様であり得る。
本発明は、第2に、哺乳動物の癌性腫瘍の退行を引き起こすための薬物として使用するための、上述の本発明による少なくとも1つの化合物を薬学的に許容され得るビヒクル中に含む医薬組成物に関する。
一実施形態によれば、医薬組成物は、少なくとも1つの他の治療剤をさらに含む。
好ましい実施形態によれば、この他の治療剤は、抗新生物剤である。
一実施形態によれば、抗新生物剤は、DNAに損傷を与える薬剤、例えばカンプトテシン、イリノテカン、トポテカン、アムサクリン、エトポシド、リン酸エトポシド、テニポシド、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、シクロホスファミド、クロラムブシル、クロルメチン、ブスルファン、トレオスルファンまたはチオテパ、抗腫瘍抗生物質、例えばダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシンミトキサントロン、バルルビシン、アクチノマイシンD、マイトマイシン、ブレオマイシンまたはプリカマイシン、代謝拮抗剤、例えば5-フルオロウラシル、シタラビン、フルダラビンもしくはメトトレキサート、抗有糸分裂薬、例えばパクリタキセル、ドセタキセル、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシンもしくはビノレルビン、または種々の抗新生物剤、例えばボルテゾミブ、全トランス型レチノイン酸、三酸化ヒ素、またはそれらの組み合わせ製品である。
一実施形態によれば、医薬組成物は、前記抗新生物剤に対して、本発明による化合物と組み合わせて投与されなければ薬物抵抗性である腫瘍を有する患者の癌の治療に使用される。
一実施形態によれば、医薬組成物は、前記抗新生物剤に対して化学感受性である腫瘍を有する患者の癌治療に使用され、本発明による化合物またはその薬学的に許容され得る塩と組み合わせて前記患者に投与される抗新生物剤の用量は、本発明による化合物と組み合わされずに投与される場合の抗新生物剤の用量よりも低い。特に、本発明による化合物またはその薬学的に許容され得る塩と組み合わせて前記患者に投与される抗新生物剤の用量は、別の有効成分なしで単独で投与される抗新生物剤の用量よりも低い。
本発明による医薬組成物はまた、上記の病態の治療に一般的に使用される他の活性治療化合物をさらに含んでもよい。
一実施形態によれば、医薬組成物は、本発明による化合物を唯一の治療剤として含む。
一実施形態によれば、医薬組成物は、活性治療剤として患者に投与される式(I)の化合物を含む。
一実施形態によれば、医薬組成物は、少なくとも1つの他の活性治療剤と組み合わせて患者に投与される式(I)の化合物を含む。
一実施形態によれば、本発明の医薬組成物は、すべての経路によって、特に、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内または皮下、肺、経粘膜(経口、鼻腔内、膣内、直腸)、経鼻スプレーによる吸入の経路によって、錠剤、カプセル、溶液、粉末、ゲル、粒子としての製剤を使用して投与され得、シリンジ、埋込型装置、浸透圧ポンプ、カートリッジ、マイクロポンプに含有され得、または適格な専門家に評価される、当技術分野で周知の任意の他の手段で投与され得る。ある部位での特定の投与は、例えば以下の経路、腫瘍内、関節内、気管支内、腹腔内、嚢内、軟骨内、腔内、小脳内、脳室内、結腸内、頸管内、胃内、肝臓内、心臓内、骨内、骨盤内、心膜内、腹腔内、胸膜内、前立腺内、肺内、直腸内、腎臓内、網膜内、髄腔内、腱滑液鞘内、胸腔内、子宮内、血管内、膀胱内、病巣内、膣、直腸、頬側、舌下、鼻腔内、または経皮で、通常の非毒性かつ薬学的に許容され得るビヒクルを含む適切な投与量で実施され得る。好ましくは、医薬組成物は、静脈内、皮下、腹腔内、または経口投与されるのに適した形態である。経口経路が特に好ましい。
マウス、ラット、イヌ、ネコ、ヒツジ、ウマ、ウシおよびサルなどの熱血動物に加えて、本発明の化合物はヒトにも有効である。
一実施形態によれば、本発明の化合物の投与のための医薬組成物は、単位用量の形態で提供され得、先行技術において周知の方法の1つによって調製され得る。すべての方法は、有効成分を、1つ以上の補助成分を構成するビヒクルと組み合わせることからなる工程を含む。一般に、医薬組成物は、有効成分を液体ビヒクルまたは微細分割した固体ビヒクルまたはその両方と組み合わせ、次いで、必要に応じて、生成物を所望の製剤に成形することによって調製される。医薬組成物において、有効成分の化合物は、疾患のプロセスまたは状態に所望の効果をもたらすのに十分な量で含まれる。有効成分を含有する医薬組成物は、経口使用に適した形態、例えば、錠剤、トローチ、水性または油性懸濁液、分散性粉末または顆粒、エマルジョン、カプセル、シロップ、エリキシル剤、溶液、頬側パッチ、経口ゲル、チューインガム、チュアブル錠、発泡性粉末および発泡性錠剤の形態であり得る。活性成分を含有する医薬組成物は、水性または油性懸濁液の形態であり得る。
一実施形態によれば、水性懸濁液は、水性懸濁液を作製するための適切な賦形剤と混合された活性物質を含有する。これらの賦形剤は、懸濁化剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントおよびアカシアである。分散剤または湿潤剤は、天然ホスファチド、例えばレシチン、またはアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物、例えばポリオキシエチレンステアレート、またはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えばヘプタデカエチレンオキシケタノール、またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトールに由来する部分エステルとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート、またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール無水物に由来する部分エステルとの縮合生成物、例えばポリエチレンソルビトールモノオレエートであり得る。水性懸濁液はまた、1つ以上の保存剤、例えばエチルまたはn-プロピルp-ヒドロキシベンゾアート、1つ以上の着色剤、1つ以上の香味料、および1つ以上の甘味料、例えばスクロースまたはサッカリンを含有し得る。
一実施形態によれば、油性懸濁液は、植物油、例えば落花生油、オリーブ油、ゴマ油もしくはヤシ油、または鉱油、例えば流動パラフィンに有効成分を懸濁することによって製剤化することができる。油性懸濁液は、増粘剤、例えば蜜蝋、硬質パラフィンまたはセチルアルコールを含有してもよい。上記のような甘味料および香味料を添加して、心地よい味の経口製剤を得ることができる。これらの組成物は、アスコルビン酸などの酸化防止剤を添加することによって保存することができる。水の添加による水性懸濁液の調製に適した粉末および分散性顆粒は、分散剤または湿潤剤、懸濁化剤および1つ以上の保存剤と混合した有効成分を送達する。
シロップおよびエリキシルは、甘味料、例えばグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールまたはスクロースと共に製剤化され得る。これらの製剤はまた、軟化剤、保存剤、香味剤および着色剤を含有し得る。
本発明による医薬組成物は、滅菌注射用の水性または油性懸濁液の形態であり得る。この懸濁液は、上記の適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を使用して、公知の技術に従って製剤化することができる。注射用滅菌調製物はまた、希釈剤または許容され得る非毒性の溶媒中の、非経口経路での注射用滅菌溶液または懸濁液、例えば1,3-ブタンジオール中の溶液であり得る。使用可能な許容され得るビヒクルおよび溶媒は、水、リンガー液および等張塩化ナトリウム溶液を含む。さらに、滅菌不揮発性油が、溶媒または懸濁媒体として従来通り使用される。この目的のために、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む、任意の不揮発性油を使用することができる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸が注射用製品の調製に使用される。
本発明による医薬組成物はまた、医薬製品の直腸投与のための坐剤の形態で投与され得る。これらの組成物は、医薬製品を、常温では固体であるが直腸温度では液体であり、したがって直腸内で融解して医薬製品を放出する適切な非刺激性賦形剤と混合することによって調製することができる。そのような材料は、ココアバターおよびポリエチレングリコールを含む。
さらに、本発明による医薬組成物は、溶液または軟膏によって眼経路によって投与され得る。さらに、問題の化合物の経皮投与は、イオン導入パッチなどによって行うことができる。クリーム、軟膏、ゼリー、溶液または懸濁液が局所適用のために使用される。
癌を有するか、または癌を発症するリスクがある哺乳動物の治療において、本発明の医薬組成物の適切な投与量は、一般に、1日当たり患者の体重1kg当たり約0.1~50 000マイクログラム(μg)であり得、これは単回または複数回用量で投与され得る。投与量レベルは、多くの因子、例えば治療される癌の重症度、対象の年齢および相対的健康状態、ならびに投与の経路および形態に応じて、好ましくは約1000~約40 000μg/kg/日である。経口投与の場合、この組成物は、各有効成分を1000~100000マイクログラム、特に各有効成分を1000、5000、10000、15000、20000、25000、50000、75000または100000マイクログラム含有する錠剤の形態で供給され得る。この組成物は、1日1~4回、例えば1日1回または2回のスキームに従って投与することができる。薬量学レジームは、最適な治療応答を提供するように調整することができる。
本発明はまた、式(I)の化合物の製造方法を以下に開示する。
本発明は、添付の図面を参照して、限定することなく単に例示する目的のために与えられる以下の本発明のいくつかの特定の実施形態の説明から、よりよく理解され、その他の目的、詳細、特徴および利点がより明確になるであろう。
式(I)の化合物の特性を評価するために様々な実験を行った。
以下の実施例で使用される「周囲温度」という用語は、摂氏(℃)10~40度、例えば15℃~30℃、好ましくは約20℃の温度であると解釈されるべきである。
一般式Iに対応する本発明による好ましい化合物は以下の通りであり、その合成および活性は以下に記載される。
例示されていない一般式の範囲内の他の化合物は、本発明による化合物の不可欠な部分を形成する。
[実施例1]:式(I)の化合物5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]コレスタン-3β-イルプロピオネート(DX107と呼ぶ、基本形態)の合成
第1の工程は、以下の工程を含む化合物コレスタン-3β-プロピオネートの合成である。
100mLのネックグラウンドフラスコ中で、10.0mLの無水ピリジン(123.6mmol)を4.00gのコレステロール(10.3mmol)に添加する。プロピオン無水物7.07g(54.3mmol)を添加し、全体を室温で24時間撹拌する。24時間が経過すると、混合物中に白色沈殿物が現れる。メタノール(MeOH)50mLを添加して反応を停止すると、大量の白色沈殿が得られる。溶液を濾過し、沈殿物をMeOHで洗浄する。この手順により、コレスタン-3β-プロピオネートに相当する白色粉末4.50g(収率89%)が得られる。3β-プロピオネート-コレスタンは、さらに精製することなくそのまま使用する。
H-NMR(500 MHz,CDCl):δ(ppm)5.37-5.36(d,1H),4.64-4.58(m,1H),2.32-2.27(m,4H),2.02-1.95(t,2H),1.86-1.79(m,3H),1.61-1.81(m,27H),0.92-0.90(d,3H),0.87-0.85(d,6H),0.67(s,3H).
第2の工程は、コレスタン-3β-プロピオネートから出発して、以下のように化合物5,6α-エポキシコレスタン-3β-プロピオネートを合成することからなる。
メタ-クロロ過安息香酸(m-CPBA)(77%、2.67g、11.9mmol)をジクロロメタン(60mL)に溶解し、ジクロロメタン(20mL)に溶解したコレスタン-3β-プロピオネート(4.00g、9.03mmol)の混合物に1時間かけて滴下する。撹拌を室温で3時間維持する。反応混合物をNa水溶液(10wt%)で2回、NaHCOの飽和溶液で2回、飽和NaCl溶液で1回洗浄する。有機相を無水MgSOで乾燥させる。有機溶媒を真空蒸発させると、2つの異性体:5,6α-エポキシコレスタン-3β-プロピオネート(73%)および5,6β-エポキシコレスタン-3β-プロピオネート(27%)の混合物に相当する白色粉末4.08gが得られる。白色粉末は、さらに精製することなくそのまま使用する。
H-NMR(500 MHz,CDCl):δ(ppm)4.99-4.93(q,1H),2.89-2.88(d,1H),2.31-2.25(m,2H),2.18-2.13(t,1H)2.00-1.77(m,4H),1.70-0.94(m,29H),0.89-0.88(d,3H),0.86-0.85(d,6H),0.60(s,3H).
第3の工程は、5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]コレスタン-3β-プロピオネート(基本形態のDX107)を以下のように合成することからなる。
基本形態のヒスタミン(1.44g、13.0mmol)を、完全に溶解した後、30mlのブタノール下で3.00gの5,6α-エポキシコレスタン-3β-プロピオネート(73%、4.6mmol)に添加する。反応混合物を還流下で48時間撹拌する。反応の進行を薄層クロマトグラフィー(TLC)によって監視して、5,6α-エポキシコレスタン3β-プロピオネートの変換を監視する。冷却後、反応混合物を24mLのメチルtert-ブチルエーテルで希釈し、有機相を24mLの水で2回、次いで飽和NaCl溶液で2回洗浄する。有機相を無水MgSOで乾燥させる。粗反応生成物を自動精製装置のシリカゲルクロマトグラフィーカラムで精製する。使用される溶離液は、100-0%から0-100%のジクロロメタン/酢酸エチル混合物である。46%収率に相当する1.20gの5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]コレスタン-3β-イルプロピオネートの白色粉末が得られる。
H-NMR(500 MHz,MeOD-4d):δ(ppm)7.60(s,1H),6.85(s,1H),5.21-5.15(q,1H),2.94-2.89(m,1H),2.77-2.69(m,3H),2.39(s,1H),2.34-2.29(m,2H),2.12-2.07(t,1H),2.01-1.99(bd,2H),1.89-1.79(m,2H),1.70-1.01(m,29H),0.94-0.93(d,3H),0.9-0.89(dd,6H),0.69(s,3H).
[実施例2]:5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]コレスタン-3β-イルプロピオネートの二乳酸塩(二乳酸形態のDX107)の調製:
化合物5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]コレスタン-3β-イルプロピオネートの二乳酸塩を以下のように調製した。
384mgの乳酸(4.3mmol)を、1.20gの5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]コレスタン-3β-イルプロピオネート(2.1mmol)の無水エタノール20mL溶液に撹拌しながら添加した。撹拌を室温で3時間維持した。有機溶媒を真空蒸発させると、1.58gの5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]コレスタン-3β-イルプロピオネート二乳酸塩の白色粉末が得られる。
H-NMR(500 MHz,MeOD-4d):δ(ppm)7.61(s,1H),6.85(s,1H),5.04-4.98(q,1H),3.93-3.89(q,2H),3.43-3.42(q,1H),3.25-3.20(m,1H),3.12-3.06(q,1H),2.15-2.09(m,3H),1.87-1.85(d,1H),1.69-1.67(m,3H),1.61-1.05(m,4H),1.41-0.82(m,33H),0.76-0.75(d,3H),0.69-0.68(d,6H),0.57(s,3H).
[実施例3]:式(I)の化合物5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルヘキサノアート(DX113と呼ぶ、基本形態)の合成
第1の工程は、以下の工程を含む化合物コレスタン-3β-ヘキサノアートの合成である。
100mLのネックグラウンドフラスコ中で、4.00g(10.3mmol)のコレステロールを10mLの無水ピリジン(123.6mg)に溶解し、11.64gのヘキサン酸無水物(54.3mmol)を添加する。全体を室温で24時間撹拌する。24時間が経過すると、混合物中に白色沈殿物が現れる。メタノール(MeOH)50mLを添加して反応を停止すると、大量の白色沈殿が得られる。溶液を濾過し、沈殿物をMeOHで洗浄する。この手順により、コレスタン-3β-ヘキサノアートに相当する白色粉末4.95g(収率99%)が得られる。コレスタン-3β-ヘキサノアートは、さらに精製することなくそのまま使用する。
H-NMR(500 MHz,CDCl):δ(ppm)5.38(s,1H),4.64-4.58(m,1H),2.32-2.25(m,4H),2.02-1.95(m,2H),1.86-1.84(m,3H),1.63-0.86(m,42H),0.67(s,3H).
第2の工程は、コレスタン-3β-ヘキサノアートから出発して、以下のように化合物5,6α-エポキシコレスタン-3β-ヘキサノアートを合成することからなる。
メタ-クロロ過安息香酸(m-CPBA)(77%、2.95g、17.1mmol)をジクロロメタン(60mL)に溶解し、コレスタン-3β-ヘキサノアート(4.90g、10.1mmol)のジクロロメタン(20mL)溶液に1時間かけて滴下する。撹拌を室温で3時間維持する。反応混合物をNa水溶液(10wt%)で2回、NaHCOの飽和溶液で2回、飽和NaCl溶液で1回洗浄する。有機相を無水MgSOで乾燥させる。有機溶媒を真空蒸発させると、5,6α-エポキシコレスタン-3β-ヘキサノアート(70%)および5,6β-エポキシコレスタン-3β-ヘキサノアート(30%)に相当する白色粉末5.06gが得られる。5,6α-エポキシコレスタン-3β-ヘキサノアートは、さらに精製することなくそのまま使用する。
H-NMR(500 MHz,CDCl):δ(ppm)4.99-4.93(q,1H),2.89-2.88(d,1H),2.26-2.23(m,2H),2.18-2.13(t,1H),2.00-0.85(m,48H),0.60(s,3H).
第3の工程は、5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]コレスタン-3β-ヘキサノアートを以下のように合成することからなる(基本形態のDX113)。
基本形態(1.25g、11.2mmol)のヒスタミンを、5,6α-エポキシコレスタン-3β-ヘキサノアート(純度70%、4.0g、5.6mmol)のブタノール溶液(40mL)に添加する。反応混合物を還流下で48時間撹拌する。反応の進行を薄層クロマトグラフィー(TLC)によって監視して、5,6α-エポキシコレスタン3β-ヘキサノアートの変換を監視する。冷却後、反応混合物を40mLのメチルtert-ブチルエーテルで希釈し、有機相を40mLの水で3回、次いで40mlの飽和NaCl溶液で1回洗浄する。有機相を無水MgSOで乾燥させる。粗反応生成物を自動精製装置のシリカゲルクロマトグラフィーカラムで精製する。使用される溶離液は、100-0%から0-100%のジクロロメタン/酢酸エチル混合物である。5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]コレスタン-3β-ヘキサノアートの1.71g(収率50%)の白色粉末が得られる。
H-NMR(500 MHz,MeOD-4d):δ(ppm)7.59(s,1H),6.85(s,1H),5.22-5.16(q,1H),2.94-2.89(m,1H),2.77-2.67(m,3H),2.39(s,1H),2.30-2.28(t,2H),2.14-2.10(t,1H),2.01-1.99(bd,1H),1.88-0.89(m,47H),0.69(s,3H).
[実施例4]:化合物5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]コレスタン-3β-イルヘキサノアートの二乳酸塩(二乳酸形態のDX113)の調製
化合物5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルヘキサノアートの二乳酸塩を以下のように調製した。
552mgの乳酸(6.15mmol)を、1.87gの5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルヘキサノアート(3.06mmol)の無水エタノール5mL溶液に撹拌しながら添加した。室温で3時間撹拌を維持した。有機溶媒を真空蒸発させると、2.42gの5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルヘキサノアート二乳酸塩の白色粉末が得られる。
H-NMR(500 MHz,MeOD-4d):δ(ppm)7.56(s,1H),6.78(s,1H),4.93-4.87(q,1H),3.84-3.82(d,2H),3.33-3.32(m,1H),3.13(bs,1H),3.02(bs,1H),2.75-2.69(m,3H),2.08-2.05(m,3H),1.78-1.76(d,1H),1.61-0.59(m,50H),0.48(s,3H).
[実施例5]:式(I)の化合物5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]コレスタン-3β-イルエチルカルボナート(DX121と呼ぶ、基本形態)の合成
第1の工程は、市販品のコレスタン-3β-イルエチルカルボナートから出発して、化合物5,6α-エポキシコレスタン-3β-イルエチルカルボナートを以下のように合成することからなる。
メタ-クロロ過安息香酸(m-CPBA)(77%、1.31g、5.8mmol)をジクロロメタン(30mL)に溶解し、ジクロロメタン(15mL)に溶解したコレスタン-3β-イルエチルカルボナート(2.02g、4.4mmol)の混合物に30分かけて滴下する。撹拌を室温で3時間維持する。反応混合物を亜硫酸ナトリウム水溶液(10wt%)で2回、NaHCOの飽和溶液で2回、および飽和NaCl溶液で1回洗浄する。有機相を無水MgSOで乾燥させる。有機溶媒を真空蒸発させると、2つの異性体:5,6α-エポキシコレスタン-3β-イルエチルカルボナート(76%)および5,6β-エポキシコレスタン-3β-イルエチルカルボナート(24%)の混合物に相当する白色粉末2.09gが得られる。白色粉末は、さらに精製することなくそのまま使用する。
H-NMR(500 MHz,CDCl):δ(ppm)4.85-4.78(q,1H),2.90-2.89(d,1H),2.23-2.19(t,1H),2.09-2.04(m,1H),1.98-1.87(m,2H),1.84-0.93(m,32H),0.89-0.87(d,3H),0.86-0.84(d,6H),0.60(s,3H).
第2の工程は、5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルエチルカルボナートを以下のように合成することからなる。
基本形態のヒスタミン(754.5mg、6.8mmol)を、20mlのブタノール下での2.09gの5,6α-エポキシコレスタン-3β-イルエチルカルボナート(76%、3.4mmol)の完全な溶解後に添加する。反応混合物を還流下で48時間撹拌する。反応の進行を薄層クロマトグラフィー(TLC)によって監視して、5,6α-エポキシコレスタン-3β-イルエチルカルボナートの変換を監視する。冷却後、反応混合物を20mLのメチルtert-ブチルエーテルで希釈し、有機相を20mLの飽和NaCl溶液で3回洗浄する。有機相を無水MgSOで乾燥させる。粗反応生成物を自動精製装置のシリカゲルクロマトグラフィーカラムで精製する。使用される溶離液は、100-0%から0-100%のジクロロメタン/酢酸エチル混合物である。24%収率に相当する480mgの5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルエチルカルボナートの白色粉末が得られる。
H-NMR(500 MHz,MeOD-4d):δ(ppm)7.54(s,1H),6.80(s,1H),5.00-4.93(q,1H),2.89-2.84(m,1H),2.73-2.62(m,3H),2.36(s,1H),2.08-2.03(t,1H),1.96-1.94(d,1H)1.83-1.79(m,2H),1.66-0.97(m,32H),0.90-0.89(d,3H),0.85-0.84(dd,6H),0.64(s,3H).
[実施例6]:5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルエチルカルボナートの二乳酸塩(二乳酸形態のDX121)の調製:
化合物5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルエチルカルボナートの二乳酸塩を以下のように調製した。
141.6mgの乳酸(1.57mmol)を、460mgの5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]-コレスタン3β-イルエチルカルボナート(0.785mmol)の無水エタノール8mL溶液に撹拌しながら添加した。撹拌を室温で3時間維持した。有機溶媒を真空蒸発させると、1.58gの5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルエチルカルボナート二乳酸塩の白色粉末が得られる。
H-NMR(500 MHz,MeOD-4d):δ(ppm)7.57(s,1H),6.76(s,1H),4.74-4.70(q,1H),3.84-3.78(q,4H),3.31-3.27(m,2H),3.13-3.08(m,1H),2.99-2.94(m,1H),2.73-2.67(m,3H),2.04-2.00(t,1H),1.75-1.72(d,1H),1.64-1.39(m,8H),1.28-0.69(m,28H),0.64-0.63(d,3H),0.57-0.56(d,6H),0.45(s,3H).
[実施例7]:式(I)の化合物5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]コレスタン-3β-イルブチルカルボナート(基本形態、DX119と呼ぶ)の合成
第1の工程は、市販品のコレスタン-3β-イルブチルカルボナートから出発して、化合物5,6α-エポキシコレスタン-3β-イルブチルカルボナートを以下のように合成することからなる。
メタ-クロロ過安息香酸(77%、1.28g、5.7mmol)をジクロロメタン(30mL)に溶解し、ジクロロメタン(15mL)に溶解したコレスタン-3β-イルブチルカルボナート(2.14g、4.4mmol)の混合物に30分かけて滴下する。撹拌を室温で3時間維持する。反応混合物をNa水溶液(10wt%)で2回、NaHCOの飽和溶液で2回、飽和NaCl溶液で1回洗浄する。有機相を無水MgSOで乾燥させる。有機溶媒を真空蒸発させると、2つの異性体:5,6α-エポキシコレスタン-3β-イルブチルカルボナート(77%)および5,6β-エポキシコレスタン-3β-イルブチルカルボナート(23%)の混合物に相当する白色粉末2.21gが得られる。白色粉末は、さらに精製することなくそのまま使用する。
H-NMR(500 MHz,CDCl):δ(ppm)4.86-4.79(q,1H),2.91-2.89(d,1H),2.22-2.18(t,1H),2.09-2.04(m,1H),1.98-1.87(m,2H),1.84-0.93(m,33H),0.89-0.87(d,6H),0.86-0.84(d,6H),0.60(s,3H).
第2の工程は、5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルブチルカルボナート(基本形態のDX119)を以下のように合成することからなる。
基本形態のヒスタミン(759.8mg、6.8mmol)を、20mlのブタノール下での2.21gの5,6α-エポキシコレスタン-3β-イルブチルカルボナート(77%、3.4mmol)の完全な溶解後に添加する。反応混合物を還流下で48時間撹拌する。反応の進行を薄層クロマトグラフィー(TLC)によって監視して、5,6α-エポキシコレスタン-3β-イルブチルカルボナートの変換を監視する。冷却後、反応混合物を20mLのメチルtert-ブチルエーテルで希釈し、有機相を20mLの飽和NaCl溶液で3回洗浄する。有機相を無水MgSOで乾燥させる。粗反応生成物を自動精製装置のカラムクロマトグラフィーで精製する。使用される溶離液は、100-0%から0-100%のジクロロメタン/酢酸エチル混合物である。39%収率に相当する814mgの5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルブチルカルボナートの白色粉末が得られる。
H-NMR(500 MHz,MeOD-4d):δ(ppm)7.54(s,1H),6.80(s,1H),5.00-4.93(q,1H),4.06-4.03(m,2H),2.91-2.87(m,1H),2.73-2.65(m,3H),2.39(s,1H),2.09-2.05(t,1H),1.96-1.93(d,1H)1.84-1.77(m,2H),1.66-0.96(m,31H),0.92-0.88(m,6H),0.85-0.83(dd,6H),0.64(s,3H).
[実施例8]:5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルブチルカルボナートの二乳酸塩(二乳酸形態のDX119)の調製:
化合物5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルブチルカルボナートの二乳酸塩を以下のように調製した。
33.7mgの乳酸(0.37mmol)を、114mgの5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルブチルカルボナート(0.186mmol)の無水エタノール2mL溶液に撹拌しながら添加した。撹拌を室温で3時間維持した。有機溶媒を真空蒸発させると、148mgの5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルブチルカルボナート二乳酸塩の白色粉末が得られる。
H-NMR(500 MHz,MeOD-4d):δ(ppm)7.70(s,1H),6.97(s,1H),5.02-4.95(q,1H),4.08-4.03(q,4H),3.37-3.35(m,1H),3.26-3.20(m,1H),2.95(s,1H),2.87(s,1H),2.31-2.26(t,2H),2.02-1.99(d,1H),1.92-0.94(m,39H),0.90-0.88(m,6H),0.84-0.82(dd,6H),0.72(s,3H).
[実施例9]:式(I)の化合物5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]-コレスタン-3β-イル-(2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル)カルバマート(DX117と呼ぶ、基本形態)の合成:
第1の工程は、以下の工程を含む化合物コレスタン-3β-イルフェニルカルボナートの合成である。
100mLのネックグラウンドフラスコにジクロロメタン20mLを加えて、コレステロール7.58g(19.6mmol)および4-ジメチルアミノピリジン1.0g(DMAP、8.2mmol)を溶解する。次いで、15mLの無水ピリジン(185.5mmol)および3.4mlのクロロギ酸フェニル(24.1mmol)を添加し、全体を室温で1時間撹拌する。1時間後、反応混合物をジクロロメタン35mLを添加することによって希釈し、反応混合物をHCl(1M)の水溶液70mLで3回洗浄する。有機相を無水MgSOで乾燥させる。有機溶媒を真空蒸発させると、収率98%に相当する8.79gの所望の生成物に相当する白色粉末が得られる。
H-NMR(500 MHz,CDCl):δ(ppm)7.31-7.28(m,2H),7.17-7.13(m,1H),7.12-7.10(d,2H),5.35-5.34(q,1H),4.54-4.47(m,1H),2.45-2.36(m,2H),1.98-1.61(m,6H),1.54-0.88(m,23H),0.85-0.84(d,3H),0.80-0.78(d,6H),0.61(s,3H).
第2の工程は、コレスタン-3β-イルフェニルカルボナートから出発して、以下のように化合物5,6α-エポキシコレスタン-3β-イルフェニルカルボナートを合成することからなる。
メタ-クロロ過安息香酸(77%、5.08g、22.7mmol)をジクロロメタン(70mL)に溶解し、ジクロロメタン(70mL)に溶解したコレスタン-3β-イルフェニルカルボナート(8.79g、17.3mmol)の混合物に1時間かけて滴下する。撹拌を室温で3時間維持する。反応混合物をNa水溶液(10wt%)で2回、NaHCOの飽和溶液で2回、飽和NaCl溶液で1回洗浄する。有機相を無水MgSOで乾燥させる。有機溶媒を真空蒸発させると、2つの異性体:5,6α-エポキシコレスタン-3β-イルフェニルカルボナートおよび5,6β-エポキシコレスタン-3β-イルフェニルカルボナートの混合物に相当する透明油9.04gが得られる。混合物を10mLのEtOに再溶解し、40mLのEtOHを添加して白色沈殿物を得る。溶液を濾過し、沈殿物をEtOHで洗浄する。この手順により、収率89%の88%(鏡像体過剰率76%)に相当する、5,6α-エポキシ-コレスタン-3β-イルフェニルカルボナートに富む7.23gの白色粉末が得られる。
H-NMR(500 MHz,CDCl):δ(ppm)7.38-7.35(m,2H),7.24-7.21(m,1H),7.18-7.16(d,2H),4.96-4.90(q,1H),2.93(s,1H),2.33-2.29(t,1H),2.18-2.15(d,1H),1.97-1.90(m,2H),1.84-1.74(m,3H),1.58-0.95(m,24H),0.90-0.88(d,3H),0.87-0.85(dd,6H),0.61(s,3H).
第3の工程は、5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]-コレスタン-3β-イル-(2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル)カルバマート(基本形態のDX117)を以下のように合成することからなる。
基本形態のヒスタミン(1.13g、10.2mmol)を、30mLのブタノールで1.0gの5,6α-エポキシ-コレスタン-3β-イルフェニルカルボナート(88%、1.7mmol)を完全に溶解した後に添加する。反応混合物を還流下で48時間撹拌する。反応の進行を薄層クロマトグラフィー(TLC)によって監視して、5,6α-エポキシコレスタン-3β-イルフェニルカルボナートの変換を監視する。混合物を分液漏斗に移し、有機生成物を15mLのメチルtert-ブチルエーテルで2回および15mLの酢酸エチルでさらに2回抽出する。有機相を合わせ、無水MgSOで乾燥させる。粗反応生成物を自動精製装置のシリカゲルクロマトグラフィーカラムで精製する。使用される溶離液は、95-5%から80-20%の酢酸エチル-MeOH、最終的に75-20-5%のDCM-MeOH-NHOHの混合物である。収率48%に相当する、5a-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]-コレスタン-3β-イル-(2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル)カルバマートの530mgの白色粉末が得られる。
H-NMR(500 MHz,MeOD-4d):δ(ppm)7.60(s,1H),7.58(s,1H),6.86(s,1H),6.83(s,1H),5.02-4.95(q,1H),3.31-3.30(m,2H),2.99-2.97(m,1H),2.77-2.74(m,5H),2.45(s,1H),2.09-2.05(t,1H),2.00-1.98(d,1H),1.86-1.81(m,2H),1.69-1.00(m,27H),0.93-0.92(d,3H),0.89-0.87(d,6H),0.69(s,3H).
[実施例10]:5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]-コレスタン-3β-イル-(2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル)カルバマートの三乳酸塩(三乳酸形態のDX117)の調製:
化合物5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]-コレスタン-3β-イル-(2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル)カルバマートの三乳酸塩を以下のように調製した。
103.4mgの乳酸(1.15mmol)を、251.2mgの5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]-コレスタン-3β-イル-(2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル)カルバマート(0.39mmol)の無水エタノール5mL溶液に撹拌しながら添加した。撹拌を室温で3時間維持した。有機溶媒を真空蒸発させると、1.58gの5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]-コレスタン-3β-イル-(2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル)カルバマート三乳酸塩の白色粉末が得られる。
H-NMR(500 MHz,MeOD-4d):δ(ppm)8.20(s,1H),7.60(s,1H),6.96(s,1H),6.85(s,1H),4.85-4.78(m,1H),3.95-3.91(q,4H),3.43-3.39(q,1H),3.25-3.07(m,5H),2.84-2.83(m,2H),2.74(s,1H),2.68-2.65(m,2H),2.11-2.07(t,1H),1.86-1.84(d,1H),1.69-0.81(m,35H),0.75-0.74(d,3H),0.69-0.67(d,6H),0.57(s,3H).
実施例11:式(I)の化合物5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]コレスタン-3β-イル-ジエチルカルバマート(DX131と呼ぶ、基本形態)の合成
第1の工程は、以下の工程を含む化合物コレスタン-3β-ジエチルカルバマートの合成である。
100mLのネックグラウンドフラスコ中で、2.0mLの無水ピリジン(d=0.978g/mL;24.7mmol)を、40mLのジクロロメタンに溶解したクロロギ酸コレステロール(9.07g、20.2mmol)の混合物に添加する。5.0mLのジエチルアミン(d=1.248g/mL;48.3mmol)を添加し、全体を室温で一晩撹拌する。反応混合物を60mLのジクロロメタンで希釈し、100mLの3.7体積%HCl水溶液で5回洗浄する。有機相を無水MgSOで乾燥させ、有機溶媒を真空下で蒸発させる。白色固体を100mLのEtOで溶解し、100mLのMeOHで沈殿させ、次いで溶液を濾過し、沈殿物を冷MeOHで洗浄する。この手順により、コレスタン-3β-ジエチルカルバマートに相当する白色粉末9.30g(収率95%)が得られる。
H-NMR(500 MHz,CDCl):δ(ppm)5.37-5.36(d,1H),4.54-4.49(m,1H),2.38-2.37(dd,1H),2.31-2.27(t,1H),2.02-1.80(m,5H),1.60-0.93(m,34H),0.92-0.91(d,3H),0.87-0.86(d,6H),0.67(s,3H).
第2の工程は、コレスタン-3β-ジエチルカルバマートから出発して、以下のように化合物5,6α-エポキシコレスタン-3β-ジエチルカルバマートを合成することからなる。
メタ-クロロ過安息香酸(77%、4.47g、19.9mmol)をジクロロメタン(100mL)に溶解し、ジクロロメタン(50mL)に溶解したコレスタン-3β-ジエチルカルバマート(7.45g、15.3mmol)の混合物に1時間かけて滴下する。撹拌を室温で3時間維持する。反応混合物をNa水溶液(10wt%)で2回、NaHCOの飽和溶液で2回、飽和NaCl溶液で1回洗浄する。有機相を無水MgSOで乾燥させる。有機溶媒を真空蒸発させると、2つの異性体:5,6α-エポキシコレスタン-3β-ジエチルカルバマート(69%)カルバマートおよび5,6β-エポキシコレスタン-3β-ジエチルカルバマート(31%)の混合物に相当する白色固体7.81gが得られる。白色固体を50mLのジクロロメタンに溶解し、100mLのMeOHを添加して、5,6α-エポキシコレスタン-3β-ジエチルカルバマートに富む白色粉末4.27g(86%)を沈殿させる。
H-NMR(500 MHz,CDCl):δ(ppm)4.88-4.83(q,1H),2.88(s,1H),2.16-2.13(t,1H)2.05-2.03(d,1H),1.97-0.93(m,39H),0.89-0.88(d,3H),0.86-0.85(d,6H),0.60(s,3H).
第3の工程は、5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]コレスタン-3β-ジエチルカルバマート(基本形態のDX131)を以下のように合成することからなる。
基本形態のヒスタミン(756.3mg、6.8mmol)を、7mlのブタノールで2.00gの5,6α-エポキシコレスタン-3β-ジエチルカルバマート(86%、3.4mmol)を完全に溶解した後に添加する。反応混合物を還流下で48時間撹拌する。反応の進行を薄層クロマトグラフィー(TLC)によって監視して、5,6α-エポキシコレスタン-3β-ジエチルカルバマートの変換を監視する。冷却後、反応混合物を7mLのメチルtert-ブチルエーテルで希釈し、有機相を7mLの飽和NaCl溶液で3回洗浄する。有機相を無水MgSOで乾燥させる。粗反応生成物をシリカゲルクロマトグラフィーカラムで精製する。使用される溶離液は、90-10%から0-100%のヘキサン-酢酸エチル混合物、次いで90-10%から70-30%の酢酸エチル-メタノールである。22%収率に相当する、0.45gの5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]コレスタン-3β-イル-ジエチルカルバマートの白色粉末が得られる。
H-NMR(500 MHz,MeOD-4d):δ(ppm)7.61(s,1H),6.89(s,1H),5.07-5.01(q,1H),3.05-2.99(m,1H),2.82-2.79(m,3H),2.49(s,1H),2.19-2.14(t,1H),2.02-1.99(bd,1H),1.88-1.82(m,2H),1.73-0.96(m,37H),0.95-0.93(d,3H),0.90-0.88(dd,6H),0.70(s,3H).
[実施例12]:5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]-コレスタン-3β-イル-ジエチルカルバマートの二乳酸塩(二乳酸形態のDX131)の調製:
化合物5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]コレスタン-3β-イル-ジエチルカルバマートの二乳酸塩を以下のように調製した。
132.7mgの乳酸(1.34mmol)を、449.1mgの5a-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]コレスタン3β-イル-ジエチルカルバマート(0.73mmol)の無水エタノール7.5mL溶液に撹拌しながら添加した。撹拌を室温で3時間維持した。有機溶媒を真空蒸発させると、580.6gの5a-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]コレスタン-3β-イル-ジエチルカルバマート二乳酸塩の白色粉末が得られる。
H-NMR(500 MHz,MeOD-4d):δ(ppm)7.66(s,1H),6.94(s,1H),5.01-4.95(q,1H),4.06-4.01(q,2H),3.53-3.49(m,1H),3.37-3.32(q,1H),3.22-3.17(m,6H),2.94-2.91(t,1H),2.86(bd,1H),2.29-2.25(t,1H)1.98-1.95(d,1H),1.84-0.92(m,40H),0.86-0.85(d,3H),0.80-0.78(d,6H),0.68(s,3H).
[実施例13]:式(I)の化合物5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]コレスタン-3β-イルプロピオニルチロシン(DX133と呼ぶ、基本形態)の合成
第1の工程は、アミノ酸チロシンから出発するN-プロピオニルチロシンの合成である。
10mLの無水プロピオン酸(d=1.01g/mL;77.7mmol)を、2.33gのNaOH(58.3mmol)および3.52gのチロシン(62.1mmol)を60mLの脱イオン水に100℃の周囲温度で完全に溶解した後に添加した。反応混合物を還流下で3日間撹拌する。この時間の最後に、pH=6になるまでHClを添加することによって反応物を中和し、分液漏斗に移し、酢酸エチルで3回抽出した。このようにして得られた有機相を合わせ、MgSO上で乾燥させ、次いで蒸発させて、N-プロピオニルチロシンと未反応無水プロピオン酸との混合物に相当する透明な油を得た。油をEtOHで溶解し、真空下で乾燥させて、3.81g(収率70%)の白色粉末を得た。
H-NMR(500 MHz,MeOD-4d):δ(ppm)7.03-7.01(d,2H),6.69-6.67(d,2H),4.59-4.56(m,1H),3.11-3.07(m,1H),2.86-2.81(m,1H),2.19-2.14(q,2H),1.04-1.01(t,3H).
第2の工程は、コレステロールとN-プロピオニルチロシンとをエステル化反応させて、化合物コレスタン-3β-イルプロピオニルチロシンを得ることである。
3.81gのN-プロピオニルチロシン(13.6mmol)、5.26gのコレステロール(13.5mmol)および480mgのパラトルエンスルホン酸一水和物酸(TsOH、1.39mmol)を、100mLのネックグラウンドフラスコに移し、20mLのトルエンに溶解した。TsOHを2回に分けて添加した。1回目の6時間後に2回目を添加した。反応混合物を還流下で24時間撹拌する。この反応日の終わりに、pH=12になるまでNaOHを添加することによって反応を中和した。混合物を分液漏斗に移し、酢酸エチルで3回抽出する。このようにして得られた有機相を合わせ、MgSOで乾燥させ、次いで蒸発させ、褐色がかった白色固体を得た。粗反応生成物をシリカゲルクロマトグラフィーカラムで精製する。使用される溶離剤は、90-10%から30-70%のヘキサン/酢酸エチル混合物である。収率96%に相当する、7.83gのコレスタン-3β-イルプロピオニルチロシンの褐色がかった白色固体が得られる。
H-NMR(500 MHz,CDCl):δ(ppm)6.97-6.95(dd,2H),6.73-6.70(dd,2H),6.41(bs,1H),5.98-5.97(d,1H),5.38-5.36(t,1H),4.84-4.80(m,1H),4.66-4.60(m,1H),3.09-2.96(m,2H),2.36-2.19(m,4H),2.02-1.95(m,2H),1.88-1.79(m,3H),1.71-0.93(m,27H),0.92-0.91(d,3H),0.87-0.85(d,6H),0.68(s,3H).
第3の工程は、コレスタン-3β-イルプロピオニルチロシンから出発して、化合物5,6α-エポキシコレスタン-3β-イルプロピオニルチロシンを以下のように合成することからなる。
メタ-クロロ過安息香酸(77%、1.79g、8.0mmol)をジクロロメタン(45mL)に溶解し、ジクロロメタン(20mL)に溶解したコレスタン-3β-イルプロピオニルチロシン(4.66g、7.7mmol)の混合物に30分かけて滴下する。撹拌を室温で3時間維持する。反応混合物をNa水溶液(10wt%)で2回、NaHCOの飽和溶液で2回、飽和NaCl溶液で1回洗浄する。有機相を無水MgSOで乾燥させる。有機溶媒を真空蒸発させると、2つの異性体:5,6α-エポキシコレスタン-3β-イルプロピオニルグリシンおよび5,6β-エポキシコレスタン-3β-イルプロピオニルグリシンの混合物に相当する6.29gの油が得られる。混合物を20mLのジクロロメタンに再溶解し、80mLのEtOHを添加して、褐色がかった白色沈殿物を得る。得られた褐色がかった白色沈殿物を濾過し、MeOHで洗浄した。MeOHによる洗浄中、白色粉末をフィルターに通す。得られた濾液を真空下で乾燥させて、収率90%に相当する5,6α-エポキシコレスタン-3β-イルプロピオニルチロシンに富む白色粉末4.33gを得た(鏡像体過剰率36%)。
H-NMR(500 MHz,CDCl):δ(ppm)6.95-6.93(dd,2H),6.73-6.71(dd,2H),6.48(bs,1H),4.99-4.92(m,1H),4.80-4.75(m,1H),3.07-2.89(m,4H),2.22-0.93(m,36H),0.89-0.88(d,3H),0.86-0.85(dd,6H),0.61(s,3H).
第4の工程は、5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]コレスタン-3β-イルプロピオニルチロシンを以下のように合成することからなる(基本形態のDX133)。
基本形態のヒスタミン(449mg、4.0mmol)を、5mlのブタノール下で1.0gの5,6α-エポキシコレスタン-3β-イルプロピオニルチロシン(63%、1.0mmol)を完全に溶解した後に添加する。反応混合物を還流下で24時間撹拌する。反応の進行を薄層クロマトグラフィー(TLC)によって監視して、5,6a-エポキシコレスタン-3β-イルプロピオニルチロシンの変換を監視する。冷却後、反応混合物を5mLのメチルtert-ブチルエーテルに希釈し、有機相を5mLの飽和NaCl溶液で2回および5mLのNaHCO飽和溶液で1回洗浄する。有機相を無水MgSOで乾燥させる。粗反応生成物をシリカゲルクロマトグラフィーカラムで精製する。使用される溶離液は、100-0%から70-30%の酢酸エチル-メタノール混合物である。28%収率に相当する、220mgの5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]コレスタン-3β-イルプロピオニルチロシンの白色粉末が得られる。
H-NMR(500 MHz,MeOD-4d):δ(ppm)7.60(s,1H),7.02-7.00(d,2H),6.86(s,1H),6.70-6.69(d,2H),5.20-5.13(q,1H),4.55-4.52(q,1H),3.02-2.72(m,6H),2.41(s,1H),2.21-2.16(q,2H),2.08-2.04(t,1H),2.00-1.97(d,1H),1.88-1.80(m,2H),1.68-1.00(m,30H),0.93-0.91(d,3H),0.89-0.87(dd,6H),0.67(s,3H).
[実施例14]:5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]コレスタン-3β-イルプロピオニルチロシンの二乳酸塩(乳酸形態のDX133)の調製:
化合物5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]コレスタン-3β-イルプロピオニルチロシンの二乳酸塩を以下のように調製した。
53.1mgの乳酸(0.59mmol)を、212.4mgの5a-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]コレスタン3β-イル-プロピオニルチロシン(0.29mmol)の無水エタノール3mL溶液に撹拌しながら添加した。撹拌を室温で3時間維持した。有機溶媒を真空蒸発させると、265.5mgの5a-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]コレスタン-3β-イルプロピオニルチロシン二乳酸塩の白色粉末が得られる。
H-NMR(500 MHz,MeOD-4d):δ(ppm)7.74(s,1H),7.01-6.97(m,3H),6.70-6.64(dd,2H),5.20-5.11(q,1H),4.52-4.44(m,1H),4.13-4.09(q,2H),3.43-3.37(m,1H),3.25-3.21(m,1H),2.98-2.81(m,5H),2.26-2.15(m,3H),2.06-2.03(bd,1H),1.88-1.00(m,38H),0.94-0.93(d,3H),0.88-0.87(dd,6H),0.76(s,3H).
連続反応経路は、特に欧州特許第2782923B1号「Method for preparing sterol derivatives」(その内容は参照により本発明に含まれる)に開示されているデンドロゲニンAの合成のために開発されたのと同じ工程である。
[実施例15]:化合物(N-プロピオニル)-L-ヒスチジン5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルエステル、(N-プロピオニル)-L-イソロイシン5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルエステル、(N-プロピオニル)-L-ロイシン5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルエステル、(N-プロピオニル)-L-リジン5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルエステル、(N-プロピオニル)-L-フェニルアラニン5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルエステル、(N-プロピオニル)-L-プロリン5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルエステル、(N-プロピオニル)-L-トリプトファン5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルエステル、(N-プロピオニル)-L-チロシン5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルエステル、(N-プロピオニル)-L-バリン5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イル-エステルの合成は、以下の工程を含む:
-種々のアミノ酸をCHCNに溶解し、試薬DMAPおよび(BOC)Oを添加してそれらのアミノ基を保護すること、
-トルエン中のTsOHによって触媒されるFischer反応によって、N-プロピオネートアミノ酸をコレステロールと共にエステル化すること、
-連続反応経路は、デンドロゲニンAの合成のために開発されたのと同じ工程である(上記参照)。
[実施例16]:DX107の薬物動態研究
以下の研究は、3日間にわたる様々な分子の血漿中のLC/MSによる測定である(最終的に11の測定点)。グラフは、常に参照であるDX101との比較で示される。
DX101と比較したDX107の薬物動態プロファイルを図1に示す。結果は以下の通りである。
結論:結果は、DX107のプロファイルが、DX101よりも迅速な体内での吸収および良好なバイオアベイラビリティを有することを示す。体内のDX101の存在が増加し、治療の有効性を高めることが可能になるので、DX101がプロドラッグであることが明確に実証されている。
[実施例17]:DX117の薬物動態研究
以下の研究は、3日間にわたる様々な分子の血漿中のLC/MSによる測定である(最終的に11の測定点)。グラフは、常に参照であるDX101との比較で示される。
DX101と比較したDX117の薬物動態プロファイルを図2に示す。結果は以下の通りである。
結論:結果は、体内のDX101の存在が確認されているので、DX117、したがってカルバマート誘導体がプロドラッグであることを明確に示している。
[実施例18]:DX121の薬物動態研究
以下の研究は、3日間にわたる様々な分子の血漿中のLC/MSによる測定である(最終的に11の測定点)。グラフは、常に参照であるDX101との比較で示される。
DX101と比較したDX121の薬物動態プロファイルを図3に示す。結果は以下の通りである。
[結論]:結果は、体内のDX101の存在が確認されているので、DX121、したがってカルボナート誘導体がプロドラッグであることを明確に示している。
[実施例19]:化合物5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルプロピオネートまたはDX107の細胞毒性の研究:
この実験のために、細胞培養培地を調製した。培養培地は、L-グルタミンを含むグルコースを4.5g/L含むダルベッコ改変イーグル培地(DMEM、参照番号LO BE12-604FでWestburgから販売)からなり、これに10%ウシ胎児血清(FCS)を添加する。この培養培地にNeuro2a細胞(マウス神経芽細胞腫)を導入した。
24ウェルプレートに、ウェルあたり10000個のNeuro2a細胞を播種した。通常の条件で、すなわち、5% CO、37℃の温度のインキュベーターで72時間(h)培養した後、Neuro2a細胞を、100nM、1μMおよび10μMの5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルプロピオネートおよび5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-オールで48時間処理した。対照(CTL)も、上述の分子で処理せずに上記のプロトコルを使用して実行する。細胞生存を、Biorad TC20装置(TC20(商標)自動セルカウンター)による自動計数を用いたトリパンブルーアッセイによって定量する。トリパンブルーアッセイは、死細胞において破壊される細胞膜の完全性に基づく。トリパンブルーは死細胞を青色に染色する。Biorad TC20セルカウンターは、細胞パーセンテージに対する青色細胞および非青色細胞の割合を計数する。結果を図5に示す。図5は、対照群に対する細胞生存率パーセンテージを縦軸に示す。
図5において、100nMの化合物5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-yl)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルプロピオネートおよび5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-yl)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-オールでの処理について、対照群(CTL)と比較して、生細胞のパーセンテージが変わらないままであることを示すさらに、1μMの濃度の5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-オール、5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルプロピオネートでは、細胞生存率パーセンテージはそれぞれ、4.73に相当する標準偏差(SD)で85.42%(すなわち、85.42±4.73%)、および84.08±4.09%である。10μMの濃度の5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-オール、5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルプロピオネートでは、細胞生存率パーセンテージはそれぞれ、43.25%±2.44、および30.46±5.22%である。
結論として、本発明者らは、濃度1μMでの5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルプロピオネートについて、および10μmでの5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルプロピオネートについて、式(I)の化合物のNeuro2a腫瘍細胞に対する細胞毒活性を観察する。
[実施例20]:MCF-7の生存率に対する化合物5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルプロピオネートまたはDX107の効果:
エストロゲンホルモンの受容体を含有するHER2過剰発現MCF-7乳腺腫瘍細胞(Michigan Cancer Foundation-7)(ER(+)細胞)に対して細胞生存率試験を行った。
MCF-7細胞は、実施例14と同一の細胞培養培地中にあり、12ウェルプレートに50000細胞/ウェルで24時間播種される。播種の24時間後、水およびエタノール比率1‰のエタノールを含み、5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]-コレスタン-3βイルプロピオネートまたは5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]-コレスタン-3β-オールを1、2.5または5μMで含む溶媒和物ビヒクルで細胞を処理する。細胞を倒立顕微鏡で観察し、24時間および48時間の時点で顕微鏡カメラによって写真撮影する。1μMでの細胞の形態変化は非常に小さい。5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルアミノ]-コレスタン-3β-オールによる24時間の処理の後、いくつかの白色ベシクルが観察される。
この試験では、
-白色ベシクルは細胞毒性オートファジーによる細胞死を反映する;
-丸くなった細胞は細胞死を反映する;
-脱離した細胞は細胞毒性効果を反映する;
-接着細胞は細胞生存を反映する;
-上清細胞は細胞死を反映する;
-屈折細胞は細胞死を反映する。
上記の観察は、式(I)の化合物がMCF-7細胞に対して細胞毒活性を示すことを示している。顕微鏡観察に基づいて、化合物をそれらの活性に関して分類することができ、丸みを帯びた細胞および白色ベシクルの発生は、
-24時間:5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-オールで5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルプロピオネートよりも多い;
48時間:5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-オールで5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルプロピオネートよりも多い。
これらの観察の後、細胞生存率試験を48時間でMTT標識化によって測定する。この試験は、テトラゾリウム塩MTT(3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミド)の使用をベースとする。テトラゾリウムは、活性生細胞のミトコンドリアコハク酸デヒドロゲナーゼによって、紫色の沈殿物であるホルマザンに還元される。形成される沈殿物の量は、生細胞の量に比例するが、各細胞の代謝活性にも比例する。したがって、分光法による540nmにおける光学密度の単純な測定により、生細胞と代謝活性細胞との相対量を明らかにする。48時間後、培地を吸引し、細胞をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄し、次いでMTT(PBS中0.5mg/ml)と共に約2時間インキュベートする。MTT溶液を吸引し、次いで紫色の結晶をジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解する。OD(光学密度)を540nmで測定する。
このアッセイの結果を図6に示す。図6は、対照群に対する細胞生存率のパーセンテージを縦軸に示す。対照群は、本文で研究した分子を添加せずに、研究群と同様に実施する。5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-エトキシの用量に依存した、5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルプロピオネートおよび5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-オールについてのMTTにおける細胞生存率の減少を、対照と比較して測定する。
2.5μMの濃度では、対照群と比較してMCF-7細胞の細胞生存率の低下が観察される。化合物5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-オールでの処理は、対照群に対して60%に近い細胞生存率をもたらす。化合物5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルプロピオネートの場合、細胞生存率は約95%である。結論として、2.5μMの濃度での処理の場合、有効性の順序:5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-オール>5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルプロピオネートが得られる。
5μMの濃度での処理では、対照群と比較してMCF-7細胞の細胞生存率の低下が観察される。化合物5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-オール、5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルプロピオネートでの処理の場合、細胞生存率は約18%である。結論として、5μMの濃度での処理について、有効性の順序:5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-オール>5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルプロピオネートが得られる。
この実験は、式(I)の化合物による乳腺腫瘍細胞の破壊能力を実証する。これらの結果は、24時間および48時間で行われた前述の観察と一致する。
[実施例21]:MCF-7細胞におけるコレステロールエポキシドヒドロラーゼ(ChEH)の活性に対する化合物5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルプロピオネートまたはDX107の効果:
化合物5,6α-エポキシコレステロール(5,6α-EC)および5,6β-エポキシコレステロール(5,6β-EC)は、広く使用されている抗腫瘍薬であるタモキシフェンの抗癌薬理学に関係するオキシステロールである。それらは両方とも、酵素コレステロール-5,6-エポキシドヒドロラーゼ(ChEH)によってコレスタン-3β,5α,6β-トリオール(CT)に代謝され、CTは酵素HSD11B2(11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ2)によってオンコステロン(oncosterone)腫瘍プロモーターである6-オキソコレスタン-3β,5α-ジオール(OCDO)に代謝される。以下の実験の目的は、化合物5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルプロピオネートのChEHを遮断する、およびそれによって腫瘍プロモーター代謝産物であるオンコステロン(oncosterone)の代謝を制限する能力を実証することである。
MCF-7細胞は、実施例20と同一の細胞培養培地中にあり、6ウェルプレートに150000細胞/ウェル、1つの処理条件につき3ウェルで播種される。播種の24時間後、MCF-7細胞を[14C]5,6α-EC(原液1000X:0.6mM;20μCi/μmol;最終濃度0.6μM)単独で、またはタモキシフェン(tam)と組み合わせて処理する。タモキシフェンを試験化合物の陽性対照として使用する。本発明による化合物による処理は、1μMの濃度で行われる。
24時間の処理後、培地を収集し、100μLのクロロホルム、400μLのメタノール、および300μLの水での抽出によって細胞ペレットから脂質抽出物を調製する。脂質抽出物を、溶離液として酢酸エチル(EtOAc)を使用する薄層クロマトグラフィー(TLC)によって分析する。分析はプレートリーダーを用いて、次いでオートラジオグラフィーによって行う。
結果を図7に示す。エポキシドからCTおよびOCDOへのほぼ完全な代謝が観察され(ウェル1)、タモキシフェンによるChEH活性の完全な阻害および5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-オールによるほぼ全体(CTのトレース)が観察される。5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルプロピオネートでは、対照(1)と比較してChEHの阻害が観察されるが、それは陽性対照(2)および5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-オールよりも低い。これらの結果に基づいて、有効性の順序:5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-オール>5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルプロピオネートが推定される。結論として、研究化合物は、ChEHに対する阻害活性を有する。有効性の順序は、実施例20のMCF-7への24時間の処理後に観察された形態学的変化について確立された順序と同一であることが観察される。
[実施例22]:4T1細胞に対するDX101プロドラッグの細胞毒性の試験
細胞生存率試験を、トリプルネガティブ(HER2-、ER-、PR-)として特徴付けられるマウス乳腺腫瘍4T1細胞で行った。
この実験のために、細胞培養培地を調製した。培養培地は、L-グルタミンを含むグルコースを4.5g/L含むダルベッコ改変イーグル培地(DMEM、参照番号LO BE12-604FでWestburgから販売)からなり、これに10%のウシ胎児血清(FCS)および50U/mLのペニシリン/ストレプトマイシンを添加する。4T1細胞をこの培地に導入する。
96ウェルプレートに、ウェルあたり2000個の4T1細胞を播種した。通常条件、すなわち5% CO、37℃の温度のインキュベーター内で72時間(h)の培養後、4T1細胞を、100nM、1μM、2.5μMおよび10μMのDX101、DX107、DX113、DX117、DX119、DX121またはDX131で48時間処理する。対照条件(CTL)も、分子DX101、DX107、DX113、DX117、DX119、DX121、DX131またはDX133で処理せずに上記のプロトコルを使用して実行する。
細胞生存率は、3つの異なる方法によって測定される。第1の方法では、MTT標識を48時間で行う。この試験は、テトラゾリウム塩MTT(3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミド)の使用をベースとする。テトラゾリウムは、活性生細胞のミトコンドリアコハク酸デヒドロゲナーゼによって、紫色の沈殿物であるホルマザンに還元される。形成される沈殿物の量は、生細胞の量に比例するが、各細胞の代謝活性にも比例する。したがって、分光法による550nmにおける光学密度の単純な測定により、生細胞と代謝活性細胞との相対量を明らかにする。48時間後、培地を吸引し、細胞をMTT(培養培地中0.5mg/ml)と共に約3時間インキュベートする。MTT溶液を吸引し、紫色の結晶をジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解する。OD(光学密度)を550nmで測定する。次いで、生存率パーセンテージをCTLに対して各ウェルで決定し、IC50(依然として50%の生細胞が存在する濃度)を、非線形回帰直線(ログ(阻害剤)vs.応答)を用いてPrismソフトウェアで各分子について決定する。
第2の方法では、非放射性細胞毒性アッセイキット(Promega)を使用して、細胞上清中の酵素LDH(乳酸デヒドロゲナーゼ)の活性のアッセイを使用して、生存率のパーセンテージを決定する。LDHは、死細胞の上清に放出される酵素である。上清中のLDH活性が高いほど、細胞死が大きくなる。この酵素試験では、放出されたLDHは紫色のテトラゾリウム塩を赤色のホルマザンに変換し、490nmで吸収する。赤色の強度は死細胞の数に比例する。48時間の処理後、上清を新しい96ウェルプレートに移し、基質ミックスの存在下、室温で30分間インキュベートする。反応を停止緩衝液を用いて停止させ、吸光度を490nmで決定する。ここでは、LDHの最大活性100%の対照(基質ミックスの添加直前に細胞溶解溶液の存在下で37℃で45分間インキュベートした未処理細胞で実施)を用いて細胞死のパーセンテージを決定し、次いでこのパーセンテージから各ウェルの細胞生存率を推定する。次いで、IC50を前の段落で説明したように決定する。
第3の方法では、生存率パーセンテージをCellTox Green Cytotoxicity Assayキット(Promega)を用いて決定する。このアッセイは、膜の完全性の変化によって細胞死を測定する。このアッセイはシアニン型のプローブを使用し、それは生きている細胞には入らないが、プローブに透過性である死細胞のDNAに結合し、それを蛍光性にする。結果として、ウェル内の蛍光が高いほど、細胞死が大きくなる。48時間の処理後、細胞をCelltox green試薬の存在下、室温で最低15分間インキュベートし、λ発光485nm/λ励起590nmで蛍光を読み取る。100%細胞死対照(Celltox green試薬の添加前に細胞溶解溶液の存在下で37℃で30分間インキュベートした未処理細胞について実施)を用いて細胞死のパーセンテージを決定し、次いでこのパーセンテージから各ウェルの細胞生存率を推定する。次いで、IC50を上記で説明したように決定する。
これらのアッセイのIC50の結果を表2a、2bおよび2cに示す。これらの表において、
有意閾値は、化合物のLogIC50とDX101のLogIC50との比較(最小n=3)、および一元配置ANOVA検定、続くDunnett の事後検定によって計算した。
-nは、各条件について4~10回の反復を伴う独立した試験数を表す。
表2a、2bおよび2cには、DX107の活性について、IC50がDX101と同等であり、DX101と同様の細胞毒活性を示すことが示されている。さらに、試験した他の分子DX113、DX117、DX119、DX121、DX131およびDX133の活性は、DX101より低いかまたは同等である。
[実施例23]:BT-474細胞に対するDX101のプロドラッグの細胞毒性の試験
細胞生存率試験を、BT-474ヒト乳腺腫瘍細胞(トリプルポジティブHER2+、ER+、PR+であるとして特徴付けられる)でも行った。BT-474細胞は、前述の実施例と同一の細胞培養培地中にあり、トリパンブルーを使用して細胞生存率を決定するために、70000細胞/ウェルで24ウェルプレートに、またはMTTアッセイもしくはLDHアッセイを使用して細胞生存率を決定するために、13000細胞/ウェルで96ウェルプレートに播種される。通常条件、すなわち5% CO、37℃の温度のインキュベーター内で96時間(h)の培養後、BT-474細胞を、100nM、1μM、2.5μMおよび10μMのDX101、DX107、およびDX113で48時間処理する。対照も、分子DX101、DX107、DX113、DX117、DX119、DX121またはDX131で処理せずに上記のプロトコルを使用して実行する。
37℃で10分間トリプシン消化した後、細胞生存率を、Biorad TC20装置(TC20(商標)自動セルカウンター)による自動計数を用いたトリパンブルーアッセイによっても定量した。トリパンブルーアッセイは、死細胞において破壊される細胞膜の完全性に基づく。トリパンブルーは死細胞を青色に染色する。Biorad TC20セルカウンターは、細胞パーセンテージに対する青色細胞および非青色細胞の割合を計数する。次いで、未処理細胞に対するパーセンテージ生存率を各ウェルで決定し、IC50を先の実施例で説明したように決定する。結果を表2に示す。BT-474細胞のパーセンテージ生存率を、先の実施例に記載したように実施したMTTおよびLDHアッセイを使用して決定した。結果を表2に併せて示す。
これらのアッセイからのIC50の結果を表3a、3bおよび3cに示す。これらの表において、
有意閾値は、化合物のLogIC50とDX101のLogIC50との比較(最小n=3)、および一元配置ANOVA検定、続くDunnettの事後検定によって計算した。
-nは、各条件について4~10回の反復を伴う独立した試験数を表す。
表3a、3bおよび3cには、DX107の活性がDX101と同様であること、およびDX113の活性がこのラインのDX101よりも低いことが示されている。DX117の活性は、DX101と同等であると思われ、試験した他の化合物、DX119、DX121およびDX131の活性は、DX101よりも低いと思われる。
[実施例24]:インビボでの腫瘍成長に対するプロドラッグDX107の効果
動物に対するすべての手順は、倫理委員会によって承認された後、本発明者らの施設のガイドラインに従って実施された。4T1細胞を以前と同様に培養し、トリプシンで解離させ、冷PBSで2回洗浄し、1,500,000/mLでPBSに再懸濁した。4T1腫瘍を、100μL中150,000細胞を雌Balb/cマウス(9週、1月)の側腹部に皮下移植することによって得た。腫瘍が50~100mmの体積に達したら、マウスに40mg/kgのDX101または40mg/kgのDX111または対照ビヒクル(水)を胃管によって与えた。実験終了(腫瘍体積>1000mm)まで毎日処置を行った。キャリパーゲージを使用して腫瘍体積を毎日測定し、式:1/2X(長さ*幅)から計算した。腫瘍成長阻害のパーセンテージは、以下の式:100 X(1-(8目の腫瘍体積/0日目の腫瘍体積)DX107)/(1-(8日目の腫瘍体積/0日目の腫瘍体積)ビヒクル)から決定した。
Kaplan-Meier法を動物の生存率を比較するために使用した。
図4Aは、DX107が腫瘍成長の減少に対してDX101よりも大きな効果を有することを示す(***p<0.001、一元配置ANOVA検定およびテューキー事後検定)。さらに、腫瘍成長の阻害を、DX107で処置した動物については78%、DX101で処置した動物について58%と決定した。
さらに、図4Bにも示される動物の生存率の分析は、DX101と比較して、DX107で処置した動物について有意に高い生存期間中央値を示す(ログランクマンテル・コックス検定、*p<0.05)。
本発明をいくつかの特定の実施形態に関連して説明してきたが、本発明は決してこれらに限定されず、記載された手段のすべての技術的等価物、および後者が本発明の範囲内に入る場合にはそれらの組み合わせを含むことは、非常に明らかである。
「含む(comprise)」、または「含む(include)」という動詞、およびこれらの活用形の使用は、特許請求の範囲に記載されたもの以外の他の要素または他の工程の存在を排除するものではない。
特許請求の範囲において、括弧内のいかなる参照符号も、特許請求の範囲の限定として解釈されるべきではない。

Claims (16)

  1. 式中Rが、
    -R、Rが、同等または異なり、H、ならびにアリル、カルボニルおよび芳香族複素環基から選択される1つ以上の置換基を含有してもよい直鎖または分岐、飽和または不飽和C1~C8炭素鎖から選択される、基-C(O)NR
    -Rが、-CHCHおよび-C11から選択される、基-C(O)R
    -Rが、直鎖または分岐、飽和または不飽和C1~C8炭素鎖である、基-C(O)OR
    -Rが、-CH-C、CHCH(CH、-CH(CH)CHCH、-CH(CH、-CH、-CHNH、-(CHNH、-CHOH、-CNから選択されるアミノ酸の側鎖である、基-C(O)CHNH(COCHCH)R
    から選択される、哺乳動物癌性腫瘍の退行を引き起こすための薬物として使用するための式(I)の化合物;またはこの種の化合物の薬学的に許容され得る塩。
  2. が基-C(O)Rであり、Rが、-CHCHおよび-C11から選択されるラジカル、好ましくは-CHCHラジカルである、請求項1に記載のその使用のための化合物。
  3. が基-C(O)ORであり、RがC1~C8炭素鎖、好ましくはエチルまたはブチル炭素鎖である、請求項1に記載のその使用のための化合物。
  4. が基-C(O)NRであり、RおよびRが、同等であるかまたは異なり、H、および芳香族複素環式置換基、好ましくは基1-H-イミダゾール-4-イルを含有してもよい直鎖飽和C1~C8炭素鎖から選択される、請求項1に記載のその使用のための化合物。
  5. が基-C(O)CHNH(COCHCH)Rであり、Rが-CH-C、-CHCH(CH、-CH(CH)CHCH、-CH(CH、-CH、-CHNH、-(CHNH、-CHOH、-CNから選択されるアミノ酸の側鎖である、請求項1に記載のその使用のための化合物。
  6. 前記式(I)の化合物が以下から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載のその使用のための化合物:
    -5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-プロピオネート;
    -5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-ヘキサノアート;
    -5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イル-エチルカルボナート;
    -5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルブチルカルボナート;
    -5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イル1-H-イミダゾール-4-イルエチルカルバマート;
    -5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イル-エチルカルバマート;
    -L-ヒスチジン5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルエステル;
    -L-ロイシン5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-yl)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルエステル;
    -L-イソロイシン5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルエステル;
    -L-バリン5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルエステル;
    -L-フェニルアラニン5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルエステル;
    -L-トリプトファン5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルエステル;
    -L-リジン5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルエステル;
    -L-チロシン5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルエステル
    -L-プロリン5α-ヒドロキシ-6β-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)-エチルアミノ]-コレスタン-3β-イルエステル。
  7. 前記癌性腫瘍が化学感受性癌である、請求項1~6のいずれか一項に記載のその使用のための化合物。
  8. 前記癌性腫瘍が薬物抵抗性癌である、請求項1~6のいずれか一項に記載のその使用のための化合物。
  9. 前記薬物抵抗性癌が、血液学的または血液癌、例えば白血病、特に急性骨髄性白血病または急性リンパ性白血病、リンパ腫、特に非ホジキンリンパ腫および多発性骨髄腫である、請求項8に記載のその使用のための化合物。
  10. 前記癌が、ダウノルビシン、シタラビン、フルオロウラシル、シスプラチン、全トランス型レチノイン酸、三酸化ヒ素、ボルテゾミブ、またはそれらの組み合わせに対して薬物抵抗性である、請求項8および9のいずれか一項に記載のその使用のための化合物。
  11. 請求項1~10のいずれか一項に記載の少なくとも1つの化合物を薬学的に許容され得るビヒクル中に含む、哺乳動物の癌性腫瘍の退行を引き起こすための薬剤として使用するための医薬組成物。
  12. 少なくとも1つの他の治療剤を含む、請求項11に記載の医薬組成物。
  13. 前記他の治療剤が抗新生物剤である、請求項12に記載の医薬組成物。
  14. 前記抗新生物剤に対して、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物と組み合わせて投与されなければ薬物抵抗性である腫瘍を有する患者の癌の治療に使用するための、請求項13に記載の医薬組成物。
  15. 前記抗新生物剤に対して化学感受性である腫瘍を有する患者の癌の治療に使用するための、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩と組み合わせて前記患者に投与される前記抗新生物剤の用量が、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物と組み合わされずに投与される場合の前記抗新生物剤の用量よりも低い、請求項13に記載の医薬組成物。
  16. 静脈内、皮下、腹腔内、または経口投与されるのに適した形態であることを特徴とする、請求項11~15のいずれか一項に記載の医薬組成物。
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